1: 2010/01/23(土) 13:51:51.02 ID:kYVFRd6g0
以前書いた谷口「恋愛?まかせろー」の続きです。

あらすじ
ハルヒの能力が消失して長門が転校し、みくるが未来に帰ることになった。
みくるが未来に帰る1か月前に谷口と付き合う。
1か月後、みくるが未来に帰るときに未来のデバイスを用いて谷口の記憶を消す。
そしてハルヒの能力が再び発生して長門が戻ってきた。
そして数か月後にみくるが戻ってくるという。

今回もあり得ない組み合わせ。嫌な人はまわれ右で。
小奇麗な谷口を見たくない方はまわれ左で。
ネタばれ含みます。

2: 2010/01/23(土) 13:57:36.68 ID:kYVFRd6g0
谷口「で、涼宮とはどこまで行ったんだ?」

キョン「どこまでいったんだ?」

谷口「ふざけんな。付き合い始めてもう半年以上たってるだろ」

キョン「そんな経ってねぇよ」

キョン「正確には2カ月と7日だ」

谷口「うぜぇぇええぇ」

キョン「おぉ、カニさんウインナー発見」ヒョイ パクッ

国木田「あ」

キョン「うまい」ムグムグ

国木田「も~」

谷口「おぉ、チーチク発け…」スッ バキッ

国木田「…あはっ」

谷口「…(箸で箸を折るだと…!?)」
涼宮ハルヒの憂鬱 Ⅱ
3: 2010/01/23(土) 14:01:27.34 ID:kYVFRd6g0
放課後

国木田「谷口って立ち直り早いよね」

谷口「あん?」

国木田「振られたのにもう立ち直ってるなんて」

谷口「女なんて星の数ほどいんぜ?」

谷口「それに、なんか前の彼女のこといまいち覚えてねぇんだよ」

谷口「なんか思い出しちゃならん気がしてな」

国木田「なにそれ」

谷口「さぁな。思い出そうとするとその…スッゲェさみしくなるんだよ」

国木田「う~ん…僕も谷口が付き合ってたことは聞いてたけど、誰と付き合ってたか思い出せないんだよねぇ」

キョン「…」

キョン「悪い、俺部活行くわ」

谷口「おう

4: 2010/01/23(土) 14:07:33.67 ID:kYVFRd6g0
谷口「まぁ過去のことは過去として!」

谷口「俺は新たなる恋を探してむしろ以前よりも張り切って彼女を作るぜ!」

谷口「恋愛経験者としてな。くふふふっ…」

国木田「あぁごめん、ちょっと用事があるから先行くね」

谷口「ん?なんだ?帰りくらい付き合えよ。俺が直々に恋愛について語ってやんよ」

国木田「デートだよ」

谷口「んなっ!」

5: 2010/01/23(土) 14:10:28.28 ID:kYVFRd6g0
谷口(コイツハ何を言った?)0.28

谷口(デート?この俺を差し置いてデートだと?)0.43

谷口(てかいつから付き合ってたんだ?)0.65

谷口(俺に相談なしとかありえねぇだろ)0.78

谷口(しかたねぇ、こいつはもう…)0.81

谷口(つけるしかねぇだろ)1秒

国木田「それじゃ」

谷口「おう!」

国木田「…」

国木田(いやにアッサリだなぁ…)

7: 2010/01/23(土) 14:14:52.76 ID:kYVFRd6g0
谷口「ふふふっ」コソッ

谷口「気づいてねぇな」コソコソ

国木田「…」pipi…

カフェ

谷口(…おされなカフェだ)ズズッ

谷口(一体誰をまってやがんだ?)ガサッ

谷口(ふむふむ…『鳩川首相クビ、責任問題どうなる』ねぇ…)ヨミヨミ

国木田「あ、こっちだよ」

谷口(!? 来たか!)

女「ごめん、待った?」

国木田「ううん。久しぶり」

女「だね。元気にしてた?」


谷口(な ん だ あ の 美 少 女 は)

8: 2010/01/23(土) 14:18:18.61 ID:kYVFRd6g0
谷口(いやいや落ち着け谷口、今の会話を思い出せ)

谷口(久しぶり?つまり久しぶりに出会ったってことだ)

谷口(つまり旧友と考えるのが普通だろう)

谷口(しかし)

谷口(あのAA+級の美少女と知り合いだと?)

谷口(デートとか言ってやがったが、単なる再会じゃねぇか)

女「久々に話したくなってね。キョンも元気にしてるかい?」

国木田「うん。クラスの女子と付き合い始めてるけど変わらないね」

女「そうか」

国木田「あ、そうそう」

国木田「佐々木さんは何飲む?」

9: 2010/01/23(土) 14:23:05.15 ID:kYVFRd6g0
谷口(佐々木?聞いたことあるな。以前飯の途中で聞いたぞ)

谷口(確かキョンと国木田の中学の時の同級生…)

谷口(二人は付き合っていた?)

谷口(驚天動地だ)

佐々木「で、どうなんだい?学校の方は」ズズッ

国木田「だから変わらないって」

佐々木「涼宮さんだっけ?キョンが付き合ってるのって」

国木田「よろしくやってるよ」

佐々木「…へぇ」

谷口(あの佐々木ってやつ、キョンのことばっか気にしてんな)

谷口(おっ、席を立ったな追跡開始)

10: 2010/01/23(土) 14:31:33.10 ID:kYVFRd6g0
佐々木「で、その時の先生が…」

国木田「あははっ、うちもそんな先生が…」

谷口(確かにそばで見てるとなんだか付き合ってるっぽいが)

谷口(あったときの会話を聞く限りじゃ久々に会うために待ち合わせてたって感じだったな)

谷口(…これ以上の進展はあるんだろうか?)

佐々木「そうだな。その話はもういいか」

佐々木「…で、例の件なんだが」

谷口(お…なんだ?例の件?)

佐々木「アレのほうはどうなんだい?」

国木田「ふふっ、順調だよ。二人は夢中さ」

谷口(…なんのことだ?)

国木田「ん?」クルッ

谷口()木と同化中

11: 2010/01/23(土) 14:35:33.90 ID:kYVFRd6g0
佐々木「そうか」

佐々木「ところで国木田」

国木田「ん?」

佐々木「君とあってからなんだが、ずっと視線を感じる」

国木田「あぁ谷口だね。なんかずっとつけまわしてるみたいなんだ」

佐々木「聞かれてて平気なのかい?」

国木田「問題ないでしょ。どうせコッチのことはSOS団の人とか、橘さんとかしか知らないんだから」

谷口()壁と同化中

12: 2010/01/23(土) 14:38:38.49 ID:kYVFRd6g0
国木田「まぁどうでもいいと思うけど」

国木田「放置しておくのはまずいかな」

国木田「ここは彼女に任せておこう」

佐々木「…まったく、君は恐ろしいね」

国木田「…なんとでもいってよ」

谷口()電柱と同化中

13: 2010/01/23(土) 14:43:26.55 ID:kYVFRd6g0
谷口(…何の話をしてるのかはしらんが)

谷口(俺がつけてることはわかってるんだな…)

谷口「って、あれぇ!?」

谷口「いねぇ…撒かれた…」

ヒュォ―。

谷口「ん?」

女「…」

14: 2010/01/23(土) 14:47:06.28 ID:kYVFRd6g0
谷口(…なんだあのもっさりんは…顔だけで見たらBランクマイナーか?)

女「―――」スッ

ビュッ スパッ

谷口「!?」

谷口「なんだぁ!?頬が切れた!?」

女「―――邪魔―――」

谷口「!?」スパッ 

谷口(やばいやばいやばい!なんかしらんがやばすぎる!)

谷口「君は誰だ!?」

谷口(俺は何を言ってんだーー!)

周防「―――周防」ブンッ

谷口「!」

ガキッ

15: 2010/01/23(土) 14:52:51.95 ID:kYVFRd6g0
周防「―――」

「一般人に危害を加えるとは何事」

周防「―――」

「天蓋領域は許可しているの?」

周防「―――邪魔」ヒュヒュヒュ

「…」ガキガキガキッ

周防「―――」

「情報結合解除申請――対象 天蓋領域 周防」

周防「―――」スッ

谷口「…消えた」

「大丈夫?」

谷口「あぁ…。ありがとう…」

谷口「長門さん」

16: 2010/01/23(土) 14:56:15.91 ID:kYVFRd6g0
谷口「今のは…」

長門「今のはなんでもない」

長門「あなたはなにもみなかった(fgbんdz‘+#vf…」

谷口「…(傷が…)」シュ~

長門「…」トコトコ

谷口「…」ポリポリ


谷口「なんだったんだ?あのもっさり女…」

谷口「傷も勝手に治ったし…」

谷口「…とりあえず長門さんにゃ明日事情を聴いとくか」トコトコ

17: 2010/01/23(土) 15:01:22.47 ID:kYVFRd6g0
谷口「昨日は不思議な日だったなぁ」

谷口「国木田と佐々木ってやつが会ってた…」

谷口「なんかわけのわからない会話してたし…」

谷口「そのあとわけのわからない女に襲われるし」

谷口「…」

谷口「…長門さんか」

18: 2010/01/23(土) 15:06:04.63 ID:kYVFRd6g0
谷口「うっすキョン」

キョン「おっす」

谷口「聞いてくれよ、国木田の奴なんだがな、彼女ができたらしいんだ」

キョン「ん?マジか?」

谷口「あぁ、昨日つけさせてもらったんだがすっげぇ美少女とあってた」

谷口「佐々木ってやつなんだが、お前の知り合いだろ?」

キョン「…佐々木と国木田が…なぁ」

谷口「なんかよくわからん会話してたぜ」

キョン「まぁ、あいつらは頭固い所あるからな」

キョン「お前には難しすぎたのだろう」

谷口「いや、会話がなお前と涼宮が付き合ってるって会話ばっかだったんだ」

キョン「何?」

谷口「そこからなんだが、変な女に襲われてな」

谷口「長門さんに助けてもらったんだ」

キョン「長門に?」

19: 2010/01/23(土) 15:10:14.91 ID:kYVFRd6g0
部室 昼休み

キョン「…なぁ長門」

長門「…」クルッ

長門「なに?」

キョン「昨日、なんかあったか?」

キョン「谷口から助けてもらったって聞いたんだが」

長門「数日前、この学校の男子生徒に不審な動きが見られた」

長門「あなたと涼宮ハルヒの動きを監視している」

キョン「俺とハルヒを?」

20: 2010/01/23(土) 15:13:26.27 ID:kYVFRd6g0
長門「その男子生徒が天蓋領域との関係を持っていると考えられた」

長門「昨日、その関係がはっきりした」

キョン「佐々木と…国木田か」

長門「そう」

長門「接触に関して詳しい情報はとれてはいない」

長門「しかし何かを企てていると考えられる」

長門「気をつけて」

21: 2010/01/23(土) 15:18:09.96 ID:kYVFRd6g0
キョン「気をつけるって、国木田をか?」

長門「そう」

長門「おそらく何か、よくないことがおこる」

長門「何が起こるかは予測不可能」

キョン「…気には留めておこう」

長門「…気をつけて」

22: 2010/01/23(土) 15:21:32.50 ID:kYVFRd6g0
長門「…」

キョン「…」

長門「…」

キョン「なぁ、長門何を考えてるんだ?」

長門「…」

長門「失敗した」

キョン「?」

長門「昨日、天蓋領域の周防九曜、広域帯宇宙存在「天蓋領域」によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイスに男子生徒が襲われていた」

キョン「そんなこと言ってたな」

長門「襲われた記憶自体を操作して覚えていないはず」

長門「しかし彼に記憶改竄の情報操作がきいていない」

23: 2010/01/23(土) 15:27:15.85 ID:kYVFRd6g0
キョン「それってまずくないか?」

長門「もう一度彼に情報操作を行う」スクッ

長門「……」ジッ

キョン「どうした?」

長門「彼を連れてきてほしい」

キョン「そうだな、放課後でいいか?」

長門「かまわない」

長門「……」

キョン「…なぁ、またなんか考えてないか?」

長門「彼には情報操作を施行した」

長門「なぜ効いていないのか考えていた…」

24: 2010/01/23(土) 15:31:59.96 ID:kYVFRd6g0
キョン「…わからんな」

長門「本来ならありえないこと」

長門「なぜ…」

キョン「まぁ、放課後にあいつを連れてこればいいさ」

キョン「それで解決だ」

長門「…」

長門「そう」



放課後

ハルヒ「へーい!…ってあれぇ?有希と古泉君はまだ来てないの?」

キョン「長門は用事があるんだとさ。古泉もバイトだ」

ハルヒ「ふぅん。じゃ、キョン!」だきっ

キョン「…やれやれ」

25: 2010/01/23(土) 15:35:43.21 ID:kYVFRd6g0
教室

谷口「まさか長門さんから呼び出してくれるとは」

谷口「感動だ」

長門「いいから」

長門「座って」

谷口「?」ストッ

長門「昨日のことを忘れてもらう」スッ

長門「A?WR$EFQ<>Y$Q#WF…」

谷口「……」

長門「昨日は私と会っていない」

長門「あなたは学校が終わってそのまま家に帰った」

谷口「あー…長門さん?」

谷口「昨日のあのもっさり頭の女って知り合い?」

長門「……」

26: 2010/01/23(土) 15:41:50.99 ID:kYVFRd6g0
谷口「それに昨日、スッと傷が治ったのはなんだったんだろう?」

谷口「ずっと聞きたかったんだけど、なかなか機会がなくて」

長門「…あなた何者?」

谷口「え?」

長門「…私の情報操作が効かない」

谷口「情報操作?」

長門「…」スッ

谷口「何だ?」

長門「帰る」

谷口「…え?」

長門「来て」

谷口「…」


谷口「え?」

27: 2010/01/23(土) 15:45:29.46 ID:kYVFRd6g0
トコトコ

谷口「えぇ~長門さん?」

長門「何?」

谷口「なんで急に俺を誘ってくれたんです?」

長門「あなたは特別な人」

長門「少し、一緒にいてほしい」

長門「だから来てほしいといった」

谷口「な…」

谷口(これは告白だよな!!)

谷口(あまり関わりはなかったが、遠くから見ていたとかか!?)

谷口(この俺に新たなる彼女!!)

谷口「大切にします!!」

長門「?」

28: 2010/01/23(土) 15:49:56.42 ID:kYVFRd6g0
長門宅

長門「どうぞ」コトッ

谷口「いただきます!!」ゴクゴク

谷口「プハッ」

谷口「うんめぇ!!」

長門「私なりに考えてみた」

長門「あなたにどうして情報操作が効かないのか」

谷口(情報操作?アプローチのことか?)

長門「たどり着いた答えが朝比奈みくるが使用した『未来の媒体』による情報操作に伴う影響」

谷口(朝比奈…なんか懐かしい名前だな)

谷口(しかし何を言っているんだ?)

長門「そのデバイス使用により私の情報操作がジャミングされていることが考えられる」

長門「言いかえれば情報改竄ができないという情報があなたの中に存在する」

長門「それを除去する必要がある」

29: 2010/01/23(土) 15:54:04.99 ID:kYVFRd6g0
谷口(電波なこといってるなぁ…SOS団ってのはみんな変人の集まりだと思ってたが)

谷口(これはその極みだな)

谷口(しかしまぁそれを除けばマイナーとはいえAランクの女子だ)

谷口(俺に好意を持っているといっても過言ではない発言もしている)

谷口「行くっきゃないだろ」

長門「何?」

谷口「よろしくお願いします」

長門「?」

30: 2010/01/23(土) 16:00:01.29 ID:kYVFRd6g0
長門「腕を出して」

谷口「?」スッ

長門「…」カプッ

谷口「んなっ」

長門「ちろちろ、じゅるっ」

谷口「おぉぅ…」

谷口「長門さんて…大胆…」

谷口「」カッ

谷口「有希!!」がばっ

長門「!?」どさっ

31: 2010/01/23(土) 16:05:10.14 ID:kYVFRd6g0
谷口「有希っ!有希っ!!」ぐりぐり

長門「待って」トフッ

谷口「な、なんだ!!」

長門「あなたは勘違いしている」

谷口「か、勘違い!?」

長門「落ち着いて聞いて」

谷口「…何を?」

長門「今私がしているのはあなたに対する情報操作を阻害している情報を破壊するためのワクチンの注入」

長門「ただそれだけ」

谷口「…えっと、それはつまり」

谷口「私にいれてと?」

長門「なぜそうなる」

32: 2010/01/23(土) 16:10:41.87 ID:kYVFRd6g0
長門「とりあえず話を聞いて」

これまでのことをかくかくしかじかしかくいむーぶ たんと

長門「というわけで、あなたは未来人と付き合っていた」

谷口「…そうか。なんか悲しいことが会ったのは覚えていたが」

長門「そう」

谷口「でも朝比奈さんって人はもういないんだよな」

長門「今はいない。戻ってくる可能性は高い」

谷口「…しかしそんなこと話していいのか?」

谷口「今まで秘密にしてたんだろう?」

長門「先程のワクチンにより情報操作が可能となった」

長門「記憶を改竄させてもらう」

33: 2010/01/23(土) 16:15:42.45 ID:kYVFRd6g0
谷口「…まさかとは思うが、さっき教えてくれたことも」

長門「消すつもり。本来、彼女はこの時代の人間と付き合ってはならない」

長門「あなたが辛い思いをしないようにする」

谷口「…」

谷口「せっかくの思い出もまた消えちまうのか…」

谷口「残念だなぁ…」

長門「…」

長門「とりあえず、どいてほしい」

34: 2010/01/23(土) 16:19:10.41 ID:kYVFRd6g0
谷口(今の話、宇宙人とか未来人とか、記憶を消されるってのも信じがたいが)

谷口(実際、前に彼女がいたっていうことは覚えてても、誰だったか覚えてねぇんだよな)

谷口(これも運命ってやつ?)

長門「どいて」

谷口「あぁ、すまん」スッ

長門「それじゃぁ…」

谷口「待ってくれ有希」

長門「……」

谷口「事情は分かった。今の話を話さないという条件でこのままにしておくことは駄目か?」

長門「手違いで話される危険性が考えられる」

長門「それは無理」

長門「あと名前で呼ばないほしい」

谷口「すんません」

35: 2010/01/23(土) 16:23:21.66 ID:kYVFRd6g0
谷口「えーと…記憶ってどこまでなくなるんだ?」

長門「朝比奈みくると付き合っていたこと、さっき話したこと」

長門「それだけ消させてもらう」

谷口「そうか…」

谷口「……」

長門「……」

谷口「…ハハッ、早くしてくれ」

長門「辛そう」

谷口「…そりゃあんなこと言われればな」

谷口「一度悲しい思いをしているってのに、教えられてまた消されるなんてな」

谷口「辛いぜ」

長門「…そう」

36: 2010/01/23(土) 16:27:36.11 ID:kYVFRd6g0
長門「彼女はもともとこの時代の人間と付き合うことは許されない」

長門「それは戻ってきてからも変わらない」

長門「だから忘れたほうがいい」

谷口「長門さんは宇宙人だったっけ?」

長門「ヒューマノイドインターフェイス」

谷口「なんでもいいや。人間には感情ってのがあるんだ」

谷口「難しいことはわからんが記憶がなくなることほど辛いことないだろう」

長門「感情…」

谷口「今までかかわりとかはなかったが、あんたにはそれが少し欠けているように思う」

谷口「まぁ、どうでもいいことだろうがな」

長門「……」

37: 2010/01/23(土) 16:30:21.45 ID:kYVFRd6g0
長門「感情はどうやって生まれるの?」

谷口「ん?さぁな…感情なんて所せましにあるだろ」

谷口「怒りとか悲しみとか愉快だとか」

谷口「人と付き合ってればそれなりにわかるだろ」

長門「…そう」

谷口「あんまり長いこといると昔のこと思い出そうとして悲しくなってくるから早くしてくれ」

長門「……」

長門「……」スッ

長門「? S*GV?+>#`*WRFAvRF!#E$R#…」

谷口「!!」

39: 2010/01/23(土) 16:35:14.11 ID:kYVFRd6g0
谷口「……」

谷口「えっと長門さん?」

長門「……」

谷口「記憶、残ってますけど…」

長門「あなたの言語にフィルターをかけた」

長門「これで今話したことをいうことはできない」

谷口「え?」

谷口「え~と長門有希は…!朝比奈みくるは……!古泉一樹は~~っ…!!!」

谷口「…マジだ」

長門「提案がある」

長門「あなたの記憶改変はしばらく保留する」

長門「あなたは記憶が消えることを悲しいといった」

長門「私にはそれがよくわからない」

長門「私がそれをよくわかるように説明してほしい」

長門「もしかしたら私が理解できれば消したくなくなるかもしれない」

40: 2010/01/23(土) 16:40:59.71 ID:kYVFRd6g0

谷口「はぁ…」

谷口「感情に…ついてだよな」

長門「そう」

谷口「難しいぜ?人間の感情なんてよ」

長門「それを教えてほしい」

谷口「まぁこの谷口先生に任せなさい」

谷口「まずな、感情は表情からだ。感情は持ってても伝えられなきゃ意味ないところもあるしな」

谷口「まずは笑って」ニコッ

長門「…こう」クイッ

谷口「おぉぅ…無理して笑ってるな」

長門「」ヒクヒク

谷口「…なんか違うなぁ」

長門「……」ヒクヒク

41: 2010/01/23(土) 16:44:38.39 ID:kYVFRd6g0
谷口(感情?くくくっ、こりゃいいぜ)

谷口「ならば気持ちいいという感情はどうだろう?」

長門「気持ちいい?」

谷口「まずは男女互いに裸になります」

長門「それは断る」

谷口「感情をマスターしたくないのかー!!」

長門「それとこれとは話が別」

谷口「チッ」

42: 2010/01/23(土) 16:48:30.80 ID:kYVFRd6g0
谷口「なんで断ったんだ?」

長門「…わからない」

谷口「まぁ断ること、それも一つの感情だ」

谷口「今のだと、いわゆる『羞恥心』ってやつだ」

長門「『羞恥心』」

谷口「恥ずかしいと思う気持ちだ」

長門「多少、気持ち悪さも感じた」

谷口「…それは『嫌悪感』というやつだな」

44: 2010/01/23(土) 16:58:26.45 ID:kYVFRd6g0
谷口『感情はいわゆる気持ちのことだ』

谷口『さっき話してても感情はあるみたいだから』

谷口『おいおいそれについて話して行こう』

長門「私にも感情がある」

長門「……」ギュッ

長門「理解できれば彼らとももっと…」

長門「感情は表情から…」ヒクヒク

長門「……」ヒクヒクヒク

長門「………」パタン

長門「これも感情?」

長門「…寝よう」

45: 2010/01/23(土) 17:01:59.20 ID:kYVFRd6g0
谷口「キョーン」

キョン「うっす」

谷口「今日もかったるいなぁ」

キョン「だなぁ」

谷口「昨日、長門さん家にいったぜ」

キョン「教室じゃなかったのか?」

谷口「なんか情報改竄ができないとかで家に呼ばれた」

谷口「で、腕舐められた」

キョン「…えっと、それで?」

谷口「色々教えられたぜ?俺って朝比奈さんと付き合ってたんだってな」

キョン「!!」

キョン「記憶は残ったままなのか?」

谷口「保留だとさ。言語フィルターとやらを掛けられて禁句ワードができた」

キョン「…そうか、大丈夫なのか?」

谷口「大丈夫だろ」

46: 2010/01/23(土) 17:07:35.18 ID:kYVFRd6g0
キョン「なんで保留なんだ?」

谷口「まぁ条件付きでな」

キョン「へぇ、どんな?」

長門『感情について教えてもらうことは内緒』

谷口「それは内緒だ」

キョン「チッ」

谷口「それはそうと、国木田のことなんだが」

谷口「なんかお前らのこと監視してるらしいな」

キョン「らしいな」

谷口「どうすんだ?」

国木田「何が?」

キョン「おぉう!?」

国木田「おはよ」

47: 2010/01/23(土) 17:11:06.48 ID:kYVFRd6g0
キョン『とりあえず国木田のことはしばらく様子見だ』(小声)

キョン『下手に手を出すな』(小声)

谷口「…ま、別にいいけどな」

谷口(授業だりぃ~)

携帯「yo- yo- マッソー リングーにー いーなずま」

谷口「!!」

教師「誰だー?電源切っとけ。キン肉ドライバー食らわされたいかー?」

谷口(だ誰だよ!?…って長門さん?)

携帯『長門有希 【件名】今日暇? 【内容】放課後、教室で』


人いますか?

49: 2010/01/23(土) 17:15:56.56 ID:kYVFRd6g0
長門「よっ」

谷口「何そのあいさつ」

長門「軽くあいさつしてみた」

長門「今日も感情について教えてほしい」

谷口「そうだな…まず一番最初に『楽』『楽しい』『うれしい』ってところから」

谷口「ここが一番簡単じゃないか?」

長門「がんばる」

長門「具体的に何をする?」

谷口「長門さんの好きなことは?」

長門「本を読むこと」

谷口「他には?」

長門「食べること」

50: 2010/01/23(土) 17:18:46.49 ID:kYVFRd6g0
谷口「というわけでファミレスに来てみた」

長門「ハンバーグステーキ、ドリア、ぺペロンチーノあと…」

谷口「食については多分満腹が満たされて『幸せ』という感情や、話をする『楽しむ』ということが得られるはずだ」

長門「マンゴープリン、パフェにクリームソーダを」

谷口「聞いちゃいねー」

長門「聞いている。確かに満腹になれば気分が良くなる」

谷口「それが満たされることで得られる『幸せ』という感情だ」

長門「なるほど」

長門「楽しむというのは?」

谷口「興味のある話しをしていれば自然と得られるものだ」

谷口「相手の話の力量にもよるけどな」

長門「ふむ」

ちょっと出かけることになった。
1時間か2時間したら戻ってきます。

54: 2010/01/23(土) 19:56:13.98 ID:kYVFRd6g0
再開

谷口「・・・で・・・だから」

長門「むぐむぐ」

谷口「だから~になって」

長門「ごくごく」

谷口「…で…だから…これが…」

長門「ケプッ」

谷口「会話ってのはな、参加しないと楽しくないぞ?」

長門「そう」

長門「しかし内容に興味がない」

谷口「…そうですか」


55: 2010/01/23(土) 20:00:13.83 ID:kYVFRd6g0
谷口宅

谷口「結局進歩がなかった」

谷口「本日の出費7,738円なり」

谷口「…なんで俺がおごる羽目になるんだ。誘ったのは俺だけど」

谷口「しかし、教えるのってなんか楽しいな」

谷口「………」

谷口「人間の感情を知りたいねぇ」

谷口「宇宙人ってやっぱそんなもんなんかねぇ」

谷口「よっしゃ、次はアレやってみっか」

56: 2010/01/23(土) 20:12:32.47 ID:kYVFRd6g0
長門宅

長門「お腹は満たされた」

長門「確かにほっとした」

長門「あれが『幸せ』の感情?」

谷口『感情なんて一つじゃないし『幸せ』なんてひとくくりにできるもんじゃない』

谷口『そのうちわかってくるんじゃないか?』

長門「…そのうち」

長門「がんばろう」ヒクヒク

57: 2010/01/23(土) 20:19:28.24 ID:kYVFRd6g0
それから7日後

ハルヒ「有希の様子がおかしいわ」

キョン「何をやぶから棒に…」

ハルヒ「だって最近おかしいじゃない!部活も時々休むし、早く帰る日も多くなってきて!」

ハルヒ「というわけで、今日は有希の後をつけることにします」

キョン「やれやれ…」


古泉「久々に戦うと疲れますねぇ」

古泉「まぁ、ちょっとわくわくしてますけどね」

古泉「ふんもっふ!」

58: 2010/01/23(土) 20:28:05.70 ID:kYVFRd6g0
部活

長門「少し用事がある」

長門「帰る」トテトテ パタン

ハルヒ「…」

ハルヒ「目標捕捉。これより尾行を開始する」

キョン「なんで俺まで」

ハルヒ「うるさい、黙れ馬鹿」

キョン「やれやれ」

ハルヒ「んなっ!?」

長門「待った?」

谷口「いんや。今日は隣町に行くぞ」

59: 2010/01/23(土) 20:32:41.13 ID:kYVFRd6g0
ハルヒ(なんであいつと有希が…)

キョン(黙ってろ、聞こえるだろ)

ハルヒ(うぅ~…)

隣町

谷口「それで、ちょっとは変わってきたか?」

長門「…最近、あなたと一緒に街に行くことが多くなった」

長門「…多分、『楽しい』という感情」ヒクヒク

谷口「そか」

谷口(表情は相変わらずだけどな)

60: 2010/01/23(土) 20:37:17.08 ID:kYVFRd6g0
ぴゅぼーん どーん

長門「すごい音」

谷口「普通の人だと雑音を聞くと『不快』って感情が出てくるな」

谷口「なぁに、慣れればなんてことないから」

長門「今日は何をする?」

谷口「今日はコイツだ!」

長門「『Neet of Destiny』?」

谷口「格闘ゲームっていう奴だ。向こうの台とこっちの台で操作して戦うゲームだ」

谷口「負けたら『怒り』って感情や勝ったら『うれしい』って感情が得られるんだぜ」

長門「やってみる」

62: 2010/01/23(土) 20:47:15.20 ID:kYVFRd6g0
谷口「…おぉ。まさか最弱キャラと謳われる『まさき』で最強キャラ『たかし』を瞬殺とは」

長門「コツはつかんだ。簡単」

谷口「前に聞いた不思議な力は使ってないだろうな」

長門「使ってない」

谷口「う~む、これでは目的が達成できんな」

長門「……」

長門「あれは?」

谷口「クレーンゲームか」

64: 2010/01/23(土) 20:53:34.35 ID:kYVFRd6g0
長門「…」ウィーン ポト

谷口「これは角度とかわかってても難しいからな」

谷口「よし、俺がとってやる」

長門「…」

谷口「これは得意だぜ?見てろ…」

ウィーン ポトッ ウィーン ポトッ ウィーン ポトッ

谷口「ぬあぁぁぁぁぁ!!!」

長門「この角度ならとれる」

谷口「むっ…もうちょっと…」

長門「かして」

ウィーン ポトッ

長門「…」

谷口「あーっはっはっは!やっぱ無理だったな!」

長門「……」ムカッ ドカッ

谷口「イテッ」

66: 2010/01/23(土) 20:59:06.86 ID:kYVFRd6g0
谷口「しっかしとれんなぁ、あの腕時計…」

長門「動く際の振動が大きい。それが落ちる原因」

谷口「よし、もうちょっと頑張るか」

長門「多分無理。振動で落ちる」

谷口「やってみないことにゃ、わからんだろ」ウィーン ポトッ

谷口「む~」ウィーン ポトッ

長門「……」

長門「(VA>$?E_AF>$E+>A/…)」

谷口「うおぉぉぉ!!」ウィーン カシャッ

谷口「っしゃあらああぁぁ!!」ウィーン ポトッ

長門「…ホッ」

67: 2010/01/23(土) 21:08:17.59 ID:kYVFRd6g0
谷口「みたか?粘ればできることもあるんだ」

長門「……」コクリ

谷口「とれたときはうれしさって感情がすげぇぜ?」

長門「…とれてほっとした」

谷口「それも安心って感情だな」

長門「…感情」

谷口「それで、これを」スッ カチャカチャ

長門「これ…」

谷口「プレゼントだ」

長門「……」

谷口「どうだ?つけられて」

長門「…『うれしい』」

69: 2010/01/23(土) 21:15:52.89 ID:kYVFRd6g0
ハルヒ「なーに言ってるのか全然聞こえない」

ハルヒ「でもなんか、有希の表情が違うわね」

キョン「お前にもわかるか」

キョン「全然変わってないように見えるんだが、雰囲気が違ってる…」

ハルヒ「それにしても谷口が有希と付き合うですって?」

ハルヒ「どこまでSOS団の子をたぶらかす気なの!!」

キョン「…朝比奈さんのこと覚えてるのか?」

ハルヒ「はぁ!?あんたなに言ってんの!?まさかみくるちゃんのこと忘れてたんじゃないでしょうね!!」

キョン「いや…」

キョン(そうか、ハルヒの記憶にはちゃんと残ってたんだな)

キョン(…って、これはまずくないか?)

キョン(…まぁいっか)

70: 2010/01/23(土) 21:22:24.33 ID:kYVFRd6g0
谷口「それじゃ、お疲れ」

長門「また明日」


長門宅

長門「今日は遊んで『楽しかった』」

長門「今日は彼が景品を取れて『安心した』」

長門「今日は取れなくて笑われて『むっとした』」

長門「…コレをもらって『うれしかった』」ギュッ

長門「これが『感情』」

谷口『感情は表情からだ。感情は持ってても伝えられなきゃ意味ないところもあるしな』

長門「伝えること…」

長門「彼には伝わっている?私の感謝…」

長門「……難しい」ヒクヒク

71: 2010/01/23(土) 21:29:28.45 ID:kYVFRd6g0
谷口宅

谷口「変化はあるようだ」

谷口「まだ表情の変化は難しいが…」

谷口「……」

谷口「しかし、最後は自分で取りたかったな」

谷口「あれだけクレーンの動きが不自然なら俺でも気づくって…」

谷口「あぁん!情けねぇ!」

72: 2010/01/23(土) 21:37:14.89 ID:kYVFRd6g0
キョン「今日は二人をつけてみたわけだが…」

キョン「悪い傾向じゃなかったな」

ハルヒ「何をいっとるんだね!」

ハルヒ「部活を休みがちになるのが、どこが悪傾向じゃないの!」

キョン「そりゃそうだが…」

ハルヒ「これからは合うことに制限をかけるわ!」

キョン「あんまりそんなことすんなって、長門と谷口には俺から言っとくから」

ハルヒ「うぅ~!また谷口にうちの子がとられる~」

キョン「幸せは個々にあるだろ。俺じゃ不満なのか?」

ハルヒ「べ、別に不満はないけど…」

キョン「まぁ俺に任せとけって」

73: 2010/01/23(土) 21:45:39.83 ID:kYVFRd6g0
それから数日後の部活

長門「……」パラッ

ハルヒ「有希って最近表情よくなったわよね」

長門「!」

ハルヒ「表情っていうか雰囲気?明るくなったっていうか」

長門「……」

古泉「確かに、雰囲気が変わってますね。何か楽しみにされてることがあるといいますか」

キョン「そうだな。前と比べたら全然違う気がする」

長門「……」

長門「……」ペラッ

74: 2010/01/23(土) 21:54:43.46 ID:kYVFRd6g0
放課後

長門「ありがとう」

谷口「WA?」

長門「部活で表情が良くなったと言われた」

長門「『うれしい』と思った」

長門「感情が何なのかが、だんだんわかってきた気がする」

谷口「そりゃよかった!」

長門「…しかし帰りに彼に『部活を休んでまで行くと』」

谷口「『ハルヒが機嫌わくるなるから、あんま出るな』だろ?」

長門「そう」

長門「…私はきっと『さびしい』と思っている」

谷口(あれ?これってフラグじゃね?)

75: 2010/01/23(土) 22:00:30.10 ID:kYVFRd6g0
谷口「そうだな、それじゃ部活が終わってから行こうか」

長門「しかしそれでは遅くなってしまう」

長門「あなたに迷惑」

谷口「なんなら夜は長門さん家で特訓するか?」

長門「特訓?」

谷口「そう…愛の特訓だ」

長門「……」

谷口「……」

谷口「そんな液体ヘリウムみたいな目を向けないでくれ」ポッ

76: 2010/01/23(土) 22:10:43.32 ID:kYVFRd6g0
長門「わからない」

谷口「?」

長門「以前は『不快』と感じていた今の言葉」

長門「今は何か別の気持ち…」

谷口「……」

長門「それであなたに『感謝』が伝えられるなら」

長門「私はそれに従う」

谷口「……」ポリポリ

谷口「あのよぉ…まぁ一時の気の迷いってやつだ」

谷口「今のこと、忘れてくれ」

長門「……」

長門「…そう」

77: 2010/01/23(土) 22:13:59.57 ID:kYVFRd6g0
谷口「とりあえず帰るか」

長門「……」

トコトコ

谷口(なんか違うんだよなぁ)

谷口(恋愛対象としてじゃなくて…なんか友達というか)

谷口(ペッ…じゃなくて、育てていきたい感じが強いというか)

谷口(う~む…)

長門(……)

長門(私は何がしたい?)

長門(この感じは何?)

長門(理解不能―――。エラー―――。)


ドンッ バチャッ

DQN「あっちー!!」

78: 2010/01/23(土) 22:20:42.98 ID:kYVFRd6g0
谷口「ひっ、すみません!」

モブ男「大丈夫か!?」

DQN「大丈夫なわけねぇだろ!!おいテメェ!何すかしたマネしてんだコラ!」

谷口「ごめんなさい!いま拭きますから!」ゴソゴソ

DQN「そんなもんで取れるわきゃねぇだろ!!しかも火傷しちまったぜ!」

モブ男「あ~あ、こりゃクリーニング代に慰謝料が必要だな」

谷口「えぇ!?」

DQN「明日までに50万用意しやがれ」

谷口「なっ…」

モブ男「当り前だよな~。こりゃへたすりゃ障害だぜ?」

谷口「ふ、ふざけんな!何が障害だ!」

DQN「火傷したっつったんだよ。ふざけたこと抜かすと容赦しねぇぞ?」グイッ

谷口「ひぃっ」

長門「今のコーヒーの温度は46℃程度。その程度で火傷するはずがない」

DQN「あぁん?」

79: 2010/01/23(土) 22:26:05.09 ID:kYVFRd6g0
モブ男「なんだお前?」

長門「$#?ER$#>Q…」

DQN「…なんだこいつ。電波女が」シュゥゥゥ…

モブ男「お、おい!服の汚れ!!」

DQN「んなっ!?消えた!?」

長門「これで元通り(ボールド)」

DQN「ふざけんな!迷惑料だ!明日持ってきやがれ!」

モブ男「いや、今のなんだったんだ?」

谷口「っ!」バシッ

谷口「長門さん!走れ!逃げるぞ!」

DQN「あっ、テメッ待てコラ!!」

80: 2010/01/23(土) 22:28:48.82 ID:kYVFRd6g0
ダダダダダ…

谷口「ハッ―――。ハッ―――。」

長門「……」

DQN「待てコラー!」

モブ男「なぁ、今のなんだったんだよ!」

谷口「しつけぇなぁもう!!」

長門「消す?」

谷口「…いや、その言葉には何か怖いところがあるからいいです」

ヒュッ バキッ

長門「!!?」ピキッ

谷口「なっ!?石!?」

DQN「けけけっ、どうだ!女!手ぇいかれちまったか?」

モブ男「なぁ!今のどうやったんだよ!」

81: 2010/01/23(土) 22:35:51.12 ID:kYVFRd6g0
谷口「大丈夫か!?」

長門「……」パキッ

DQN「元野球部の剛速球なめんなよ」

谷口「テメェら…いい加減、調子に乗りすぎだぜ」

DQN「やるか?お前が俺のところに来るころにゃ血まみれだぜ?」ポーン

谷口「くっ…クソが」ビクビク

長門「……」スッ

DQN「あん?今当たった石がそんなに痛かったか?」

長門「許さない」

谷口「な、長門さん!?」

長門「!"$R%TG$R%T%&'#G>W$%R$%WYW4q>KJM{*+*…」

DQN「ま、また変なこと言って…ってイィっ!?」サアァァァ

モブ男「ひゃああぁぁぁ!!身体が消えてくぅ!!?」サアァァァ

82: 2010/01/23(土) 22:46:38.94 ID:kYVFRd6g0
谷口「やめろ!」パシッ

長門「…でも」

谷口「でももしかしもない!やめろ!」

長門「……」スッ

DQN「ひゃああぁぁぁ!!化け物ぉ!!」ダダダダ

モブ男「ボールド女に消されかけたあぁぁぁ!!」ダダダダ

谷口「…さすが驚きの白さ」

谷口「じゃなくて、何してんだよ…」

谷口「確かに石投げてきたのは腹が立つけど、あそこまでしなくても…」

長門「……」

長門「壊れた」スッ カチャッ

谷口「…この前の腕時計?」

83: 2010/01/23(土) 22:50:09.90 ID:kYVFRd6g0
長門「彼らは私の大切なものを壊した」

長門「罪は償うべき」

谷口「…そか」ポム

長門「壊れた…」

谷口「大切にしてくれてたんだな」

谷口「ありがとうな」

長門「……」

長門「ごめんなさい」

85: 2010/01/23(土) 22:53:32.35 ID:kYVFRd6g0
長門宅

長門「時計はすぐに直した…直すのは簡単」

長門「…壊れた時の感情は」

長門「『怒り』」

長門「壊れてるところを見たときの感情は」

長門「『悲しみ』」

長門「お礼を言われた時の感情は」

長門「壊してしまったことに対する『申し訳なさ』」

長門「……」

長門「…それと『うれしさ』」

長門「不明確な感情…」

長門「これは……何?」

86: 2010/01/23(土) 22:58:42.79 ID:kYVFRd6g0
翌日 放課後

谷口「今日はどこいこうか」

長門「……」

谷口「どうしたんだ?」

長門「……」

長門「今日はやめておく」

谷口「ん?どっか調子悪いのか?」

谷口「ん~?」ピトッ

長門「!」

長門「なんでもない」パッ

谷口「そうか?」

長門「……」

87: 2010/01/23(土) 23:01:19.06 ID:kYVFRd6g0
翌日 放課後

谷口「今日は…」

長門「今日も無理」

長門「ごめんなさい」

谷口「用事かなんかか?」

長門「違う」

長門「……」

谷口「……」

谷口「まぁ、別にいいけどな」

88: 2010/01/23(土) 23:05:41.20 ID:kYVFRd6g0
その翌日

谷口「よっ」

長門「……」

谷口「どうしたんだ?最近付き合い悪いぞ」

谷口「それと携帯変えたのか?アドレスも電話もつながらなくなってんだけど」

長門「……ごめんなさい」

長門「もう私に近づかないでほしい」

谷口「……」

谷口「はい?」

89: 2010/01/23(土) 23:12:56.00 ID:kYVFRd6g0
キョン「どうした谷口」

谷口「…なぁ、前に話したことあったと思うが、俺と長門さんのこと知ってるよな」

キョン「唐突だな」

谷口「お前に言われてから部活終わりに誘ってるんだが」

谷口「どうも最近付き合いが悪くてな」

谷口「今日、もう近付かないでほしいといわれたんだが」

谷口「俺、なんかしたか?」

キョン「しらん」

キョン「最近はお前のおかげかは知らんが、表情も多少よくなってきてたんだぜ」

谷口「確かに『うれしい』といってたな」

キョン「…やっぱ俺の一言が原因か?」

谷口「どうだろーなー」

90: 2010/01/23(土) 23:15:55.11 ID:kYVFRd6g0
放課後

長門「……」ペラッ

キョン(いつもとかわらないな)

キョン「長門」

長門「……」

キョン「……」

キョン「長門?」

長門「……」ペラッ

キョン「考え事か?」

長門「……」

長門「……」

長門「……」ペラッ

キョン「頼む、無視しないでくれ」

91: 2010/01/23(土) 23:18:59.43 ID:kYVFRd6g0
長門「……」

キョン「おい、長門」ポン

長門「!?」

長門「……何?」

キョン「呼んでるんだから返事くらいしてくれ」

長門「呼んだ?」

キョン「聞こえてなかったのか?」

長門「」フルフル

キョン「…悩み事か?」

長門「…『悩み』というものなのかわからない」

長門「最近、私の中でよくわからないエラーが発生する」

93: 2010/01/23(土) 23:24:09.80 ID:kYVFRd6g0
長門「最近、彼と過ごす時間が多くなった」

キョン「彼?谷口のことか?」

長門「そう」コクリ

長門「彼と一緒に過ごす時間、私の中でエラー…バグが生じている」

長門「それが何なのかわからない。いくら除去しようとしても除去できない」

長門「……一緒にいることが『苦しい』」

キョン「一緒にいることが『苦しい』?」

長門「苦しさと呼べるかは分からない」

長門「何かはっきりしないモヤのようなもの」

キョン「……」

94: 2010/01/23(土) 23:31:17.36 ID:kYVFRd6g0
キョン「長門。それは多分『恋』というものだ」

長門「……」

キョン「正直、『あの長門さんが谷口に恋をした』というのは」

キョン「俺からすれば腹立たしい。谷口の奴を今すぐにでも鬼ヶ淵沼に突き落としてやりたい気分だ」

キョン「……」

キョン「多分、アイツに自分の伝えたい思いを伝えてないから、伝わってないからもやもやしてるんだ」

キョン「正直やめろといいたいが、エラーがでてるんじゃ早く解決しないとな」

95: 2010/01/23(土) 23:37:40.06 ID:kYVFRd6g0
長門宅

長門「『恋』」

長門「彼に思いを伝える…」

長門「彼と一緒にいるときにはバグが発生する…」

長門「彼を突き放すときもバグが発生する…」

長門「…『悲しい』?」

長門「……」

長門「一人でいるときでさえ彼のことを考えるようになった」

長門「…『さみしい』?」

長門「……」

長門「だめ。この思いは伝えられない」

長門「彼には朝比奈みくるとの思い出がある。彼を困らせる」

長門「……エラー」

96: 2010/01/23(土) 23:44:10.24 ID:kYVFRd6g0
土曜日 休日

谷口「むぅ…」

谷口「近づかんでくれと言われたが」

谷口「理由もなしに引き下がる男じゃないぜ!」

谷口「昨日は入れ違いで帰りに会えなかったが、今日は家に直接押し掛ける」

谷口「電話はつながらんというわけで、拒否されてる可能性がある」

谷口「家にも入れないだろう。がしかーし!」

谷口「そう…作戦は完ぺきだ」

谷口「オートロックで正面玄関は開かない」

谷口「しかし中に出たり入ったりする人はいくらでもいる!」

谷口「そこを狙う…俺って天才だ」

98: 2010/01/23(土) 23:49:33.95 ID:kYVFRd6g0
ガーッ

谷口「っしゃ!」ダッ

谷口「侵入成功」

谷口「あとはいきなり突入!」ダダダダ

長門宅前

谷口「よしっ!いざ!」ガチャッ

谷口「(おぉ、カギが開いてたぞ!)長門さん!今日はどこ行くか―!」チャキッ ピトッ

「動くな」

谷口「あへぇい!?ナイフ!?」

「不法侵入とはいい度胸ね。長門さんがいないからって容赦しないわよ」

朝倉「って、谷口くん?」

谷口「あ…朝倉?」

99: 2010/01/24(日) 00:04:06.49 ID:p4k6Hfh90
朝倉「もうっ!何でいきなり入ってくるのよ」

谷口「驚かそうと思って…」

朝倉「長門さんなら今出かけてるわ。もうすぐで帰ってくると思うけど」

谷口「長門さんの家に…ってことはお前も宇宙人だったのか」

朝倉「失礼ね。私は長門さんのバックアップよ」

谷口「つまり予備ってことか?」

朝倉「どうでもいいじゃない。それより何の用?」

谷口「いや、遊びに誘おうと来たわけだが」

朝倉「ふぅん。あなたが?キョンくんは?」

谷口「なんでキョンなんだ?」

101: 2010/01/24(日) 00:07:20.34 ID:p4k6Hfh90
朝倉「まぁいいわ。谷口くん」

朝倉「私はき谷口「そういやなんで朝倉がこんなところいるんだ?」

朝倉「ハァ…それを今話そうとしてるんじゃない」

朝倉「最近ね、長門さんにバグが発生するようになったの」

谷口「バグ?」

朝倉「う~ん。なんて言ったらいいのかな」

朝倉「私たち…あなたたちもそうだけど、この世に存在する全てのものは言ってしまえば『情報の塊』みたいなものなのね」

朝倉「その情報の塊の中にエラーやバグが発生するようになって、異常な行動を起こす可能性が出てきたの」

朝倉「そこで彼女の観察役として私がまた来たわけ」

谷口「なるほど。バックアップってわけだな」

谷口「で、バグってなんだ?」

102: 2010/01/24(日) 00:10:17.33 ID:p4k6Hfh90
朝倉「私たちの目的は『とある人物の観測』で、情報統合思念体から作られたの」

朝倉「情報統合思念体は、その観測が問題なく遂行できるようにわざと感情に対する閾値を低く設定してるの」

朝倉「自分の感情で観測に支障をきたさないようにね」

朝倉「私はバックアップで長門さんのフォローだからそこまで感情は抑制されてないけど」

朝倉「長門さんは対象に近い位置にいるから、とくに閾値を低く設定してあるわけね」

朝倉「そこでちょっとしたバグ…『感情を知りたい』ということで感情を持ち始めてしまった」

朝倉「閾値を越える情報を得ようとした結果、エラーが発生して、結果的に壊れ始めてきてるの」

谷口「こ、壊れる!?どういうことだ!?」

朝倉「うーん、そうねぇ」

朝倉「また変な情報改竄を起こして、その対象を刺激する恐れがあるってところかなぁ」

朝倉「まっ、そこまではいかないと思うけどね」

朝倉「もしそうなったら長門さん、情報統合思念体にけされちゃうわね」

谷口「消されるぅ!??」ガッ

朝倉「きゃっ!」ドタッ

103: 2010/01/24(日) 00:14:58.99 ID:p4k6Hfh90
谷口「ど、どいつが長門さんを消すって!?」ガクガク

朝倉「そ!そうときまったわけじゃないって!!」

朝倉「もしこのままバグが続いて長門さんが異常な行動をとったらってことよ!!」

谷口「何がバグだ!そんなもん!単なる探究心じゃねぇか!」

谷口「感情を知りたがって何が悪いってんだよ!」

谷口「俺に感情を教えてくれっつったんだよ!長門さんは!」

谷口「俺はな!!長門さんに教える義務があるんだよ!!」

朝倉「……」ピクッ

朝倉「じゃあ、あなたが長門さんのバグの原因?」ジッ

谷口「なっ…」

104: 2010/01/24(日) 00:18:25.91 ID:p4k6Hfh90
朝倉「……」

谷口「ち、違う…バグなんて…」

朝倉「違う?」

朝倉「現に長門さんは苦しんでるの」

朝倉「そのバグの原因も自分ではわかってないの」

朝倉「その原因があなたなら…」

谷口「くっ…どうする気だ」

朝倉「それは…」

朝倉「ねぇどうでもいいけど、早くどかない?」

谷口「あ、すんません」スッ

ガチャ

長門「……」

朝倉「あ、おかえりなさい」

谷口(…あれ?この状況ってなんかやばくない?)

105: 2010/01/24(日) 00:21:46.97 ID:p4k6Hfh90
押し倒し、襲おうとしている かのようにみえる谷口

押し倒され、襲われて衣服が乱れている かのように見える朝倉

自分の家に帰ってきて、なぜか本来ないはずの二人を目撃する 帰ってきた長門さん

長門「……」

谷口「長門さん」スクッ

谷口「今日はどこに遊びに行く?」

長門「……」

長門「……」パタン

谷口「あぁ!無言で閉めないで!誤解だから!」

106: 2010/01/24(日) 00:25:12.59 ID:p4k6Hfh90
長門「……」

谷口「……」

朝倉「……」

谷口(気まずい)

朝倉「率直に言うわ」

朝倉「長門さん、あなたのバグは『感情』というあなたが理解できる許容範囲をこえる情報を入れようとしているために起こっているものなの」

長門「違う。私は感情を理解し始めている」

長門「許容範囲内。だからそんなことない」

朝倉「そんなことあるの!このままバグが続いて前みたいに世界を変革起こしたら」

朝倉「今度は保留じゃ済まなくなるわよ!」

朝倉「大体、谷口くんもなんでそんなこと教える必要があるのよ」

谷口「……それは」チラッ

長門「……」

谷口「……実は」

107: 2010/01/24(日) 00:28:16.72 ID:p4k6Hfh90
朝倉「なるほど、あなたの記憶を消さない代わりにね」

谷口「人間にとって大切なことを忘れるってことは苦痛なんだよ」

朝倉「そんなもんかしら」

谷口「やっぱ宇宙人か」

朝倉「でも私たちには関係ないことね」

朝倉「このバグを取り除くのは簡単なこと」

朝倉「長門さんは感情を覚えようとしないこととこれまで覚えていたことを忘れること」

長門「!?」

朝倉「谷口くんには今後一切私たちにかかわらないように、記憶を消させてもらうわ」

谷口「んなっ!?」

108: 2010/01/24(日) 00:31:11.85 ID:p4k6Hfh90
朝倉「だって、そうでもしないとこれからも関わりが続くかもしれないし」

朝倉「バグが続いて変なことされるのって怖いじゃない?」

朝倉「あなただって覚えたまま会えないとか辛いじゃない?」

朝倉「忘れちゃえば一緒よ」

谷口「ちょちょっと待てよ、朝倉」

朝倉「なに?」

谷口「…人間にとってな」

谷口「思い出ってのは…大切なもんなんだよ」

谷口「そんな一言で片づけられる問題じゃねぇ」

朝倉「忘れて思い出せなければ一緒。うだうだ言う前にさっさと終わらせちゃうわ」

朝倉「!"#$%&'(~~)ノ~$%&?>*`~」

谷口「っ!やめ…」

朝倉「っ…」ガッ

朝倉「…長門さん?」

長門「……」

109: 2010/01/24(日) 00:34:01.70 ID:p4k6Hfh90
長門「私はこの数週間で多くの感情を学んだ」

長門「『楽しさ』『うれしさ』『辛さ』」

長門「『怒り』『悲しみ』」

長門「『苦しみ』…」

長門「それから出した私の答えは」

長門「記憶をなくすことは『辛い』」

長門「私は記憶を消したくない」

朝倉「それはだめよ。これを断れば、バグによる目的侵害の恐れがあるとみなして」

朝倉「情報統合思念体に長門さんの情報結合解除を申請するわ」

長門「……」

長門「かまわない」


長門「私は…それでもこの記憶を忘れたくない」

110: 2010/01/24(日) 00:38:07.97 ID:kk84MY/kO
朝倉「…そう」

朝倉「残念ね」

谷口「おい、なんだよそれ」

朝倉「情報結合解除っていうのはね」

朝倉「要はこの世の者としての形を失わせること」

朝倉「さっきも言ったけどこの世のものは情報の塊だから、それの結合を解くことでこの世からその存在を消し去るってこと」

谷口「!!」

111: 2010/01/24(日) 00:40:56.64 ID:kk84MY/kO
朝倉「言い残すことはない?」

長門「私はどうなってもかまわない」

長門「彼の記憶はさわらないでほしい」

朝倉「……検討するわ」

長門「そう」

谷口「まて!」

谷口「なんでそうなんだよ!」

谷口「記憶くらい、おいておいても…」

朝倉「それが世界にとってどれだけ危険なのか、あなたはわかってないわ」

朝倉「長門さんね。昔、こういったバグのせいで」

朝倉「世界を変えたことがあるのよ」

谷口「んな馬鹿な…」

長門「……」

谷口「……本当?」

長門「本当」

112: 2010/01/24(日) 00:43:20.67 ID:kk84MY/kO
谷口「……」

谷口「で、でもよ、今回はそうならないかもしれないじゃないか」

谷口「様子見でも…」

長門「谷口くん」

谷口「長門さん…(名前…)」

長門「私はあなたに色々教えてもらった」

長門「感情を理解できれば、団の活動でもっと彼らと近づけると思った」

長門「あなたは記憶が消えると悲しいと私に言った」

長門「その時は理解できなかった」

長門「でも今は違う…」

長門「理解できる。なくなることは『悲しい』」

113: 2010/01/24(日) 00:46:21.36 ID:kk84MY/kO
長門「今は記憶がなくなることが『怖い』」

長門「だから私はあなたの記憶を守る。この存在に変えても…」

谷口「…長門さんの存在が消えるくらいなら、この記憶はなくなってもいい」

長門「……」テクテク

長門「……」パシッ

谷口「っ……」

長門「私に教えてくれたことを忘れたいと、あなたは言いたいの?」

谷口「違う。記憶がなくなることは確かに『怖いことだ』。だがな」

谷口「存在がなくなることもそれと同じように怖いことなんだよ!」

谷口「思い出はまた作れる」

谷口「今回の記憶は…なくなっても大丈夫だ」

長門「……」

谷口「それに本当に大切なことなんてな、案外忘れないもんだ」

長門「……」スッ

長門「?_?>}*+|{`"!#$#>$"*#?!"」

114: 2010/01/24(日) 00:50:08.23 ID:kk84MY/kO
谷口「何を…」

長門「あなたの記憶にプロテクトをかけた」

長門「これは忘れても…『心の中』で覚えている記憶」

長門「誰にも触れなられない」

長門「触させない」

長門「その記憶はカギのかかった宝箱のようなもの…忘れたわけではない」

長門「鍵さえ見つければまた思い出せる」

長門「それまで…」ヒクヒク

谷口「表情、結局最後まで自然にならなかったな」

長門「…ごめんなさい」シュン

谷口「気持ちは十分伝わった!」

谷口「…ありがとう」

――――。

115: 2010/01/24(日) 00:52:42.36 ID:kk84MY/kO
谷口「いや~まいったまいった」

谷口「まさかここまで付き合うとはおもわなかったぜ」

キョン「何がだ?」

谷口「お前と涼宮だよ。ったく、お前のせいで…」

キョン「?」

国木田「3か月。僕の勝ちだね」

谷口「チッ」つ[1000]

国木田「毎度~」

キョン「おまえら!かけてたのか!!」

国木田「よし、帰りにおごるよ!」

キョン「……駅前のたこ焼きだ」

谷口「俺はたいや…」

国木田「谷口は実費ね」

谷口「…ですねー」

116: 2010/01/24(日) 00:56:29.71 ID:kk84MY/kO
部活

ハルヒ「ねぇ有希?」

長門「……何?」

ハルヒ「んー。なんでも」ニコッ

長門「?」

ハルヒ「……」ジー

長門「何?」

ハルヒ「やっぱり表情が良くなったなぁって」

ハルヒ「いつからだったのかなぁ?」

ハルヒ「ねぇ有希!笑ってみてよ!」

ハルヒ「こうやってね!」ニコッ

長門「……」ヒクヒク

117: 2010/01/24(日) 00:59:05.25 ID:kk84MY/kO
ハルヒ「う~ん。な~んか違うのよねぇ」

ハルヒ「今日はキョンが国木田になんかおごってもらうから先帰るって行っちゃうし」

ハルヒ「古泉くんもバイトだって帰っちゃうから、今日は笑顔の特訓よ!」

長門「断る」

ハルヒ「な~ん~で~!」

長門「本が読みたい」スッ

ハルヒ「またハードカバーの小難しい本読んでんのねぇ」

ハルヒ「あれ?可愛い時計してるじゃない!知らなかった!それどうしたの!?」

長門「……」

長門「わからない」

長門「でも…大切なもの」

ハルヒ「ふ~ん。そう…それにしても気持ちいい風ねぇ」

ハルヒ「あっ!あいつら今から行くの!?それなら私もいく!」

ハルヒ「バイバイ有希!」

118: 2010/01/24(日) 01:01:59.57 ID:kk84MY/kO
長門「…」ヒュゥ-。

キョン「――。」谷口「――。」国木田「――。」

キョン「――!」ハルヒ「――!!」谷口「―――。」

ハルヒ「――!!」谷口「――~!」国木田「――。」

長門「……」ヒュォー。

長門「……」

長門「……」フッ

腕時計「チッチッチッチッチ…」


おわり

122: 2010/01/24(日) 01:11:17.11 ID:p4k6Hfh90
おまけ


朝倉「最後に出てきたのはいいんだけど…ほとんど空気だったなぁ…」

朝倉「まっ、結果オーライかな」

朝倉「長門さんと谷口くんが遊んでたときの記憶は統合思念体が広範囲で情報改竄してくれたから最終的にみんなの記憶から無くなったのよね」

朝倉「誰に学んだかわからないだろうけど、これまでに得た感情は消えてないわ」

朝倉「よかったわね、長門さん」

朝倉「にしても、フラグ立ってるのに回収してないのは…え?あ、そう?『放置』ね」

朝倉「それとキャプテンの谷口だと思って開いてる人が何人かいるみたいだから、今度からは谷口「●●」じゃなくて他のにしないとね…」

朝倉「さーて、じゃぁ今日はここまで。今日のおでんの具はなににしようかしら♪」


つづく?次書くとしたら多分いっちゃん編。
みくるが戻ってくるのは多分もちっとだけ先のことかな。
まだ全然考えれてないです。申し訳ない。

引用: 谷口「感情は表情からだ」