838: 2020/09/03(木) 22:10:36.25 ID:BfohOI/20


前回:【モバマス】P「プロデューサーレンタル(社内向け)始めました」【その14】

P「さあ!」

P「今日もレンタルされるぞ!」

本日の依頼者 >>839

839: 2020/09/03(木) 22:10:47.87 ID:aEjAwKwv0
ありす

840: 2020/09/03(木) 22:12:55.10 ID:BfohOI/20
P「ありすゥ!?」

P「あいつが俺に素直に頼るなんて珍しいじゃないか....」

P「何かはわからないが存分に答えてやろう!」

依頼内容>>841
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(9) (電撃コミックスEX)
843: 2020/09/03(木) 22:27:29.52 ID:HSZusgRDO
いちごパスタ以外、料理が下手

844: 2020/09/03(木) 22:51:24.06 ID:BfohOI/20
~キッチン~

P「2日連続でここか....」

ありす「お待ちしていました」

P「おう」

ありす「話をする前に、まずはこちらを」スッ

P「?」チラ

【いちごパスタ】

P「ゲッ」

845: 2020/09/03(木) 22:51:50.25 ID:BfohOI/20
ありす「これを食べてもらわないと本題に入れませんから」

P「そんな複雑な過程踏まないと入れない本題なんてあるか?」

ありす「あります」

P「わかったよ....」シブシブ

P「....」パク

P「....」モグ

P「....」ピタ

P「(美味しくない)」

846: 2020/09/03(木) 22:52:20.89 ID:BfohOI/20
ありす「どうでしたか」

P「....うん、まあ」

ありす「そうでしょう」

ありす「プロデューサー、私」

ありす「悩みがあるんです」

P「悩み....?」

ありす「はい」

847: 2020/09/03(木) 22:53:31.61 ID:BfohOI/20
ありす「今食べていただいた通り」

ありす私の作るいちごパスタは絶品なんですが」

P「ぜ、絶品....?」

ありす「それ以外の料理が上手く作れないんです」

P「なるほど....」

ありす「どうしたらいいでしょうか....」

P「(いちごパスタは上手く作れているつもりなのか....)」

848: 2020/09/03(木) 22:54:15.60 ID:BfohOI/20
P「(いや、そもそもこんな料理は誰が作ってもマズくなるだろうし)」

P「(これもいちごパスタ界では相当上位存在なのかもしれない....)」

P「....まあこのいちごパスタはさておき」

P「普通の料理をレシピに沿って普通に作るだけなら」

P「上手く作れないなんてことは有り得ないんだ」

ありす「そんなはずありません!」

ありす「私も、その、経験の浅さは自覚しているので、レシピには無難に従っているつもりです!」

P「えぇ....?」

849: 2020/09/03(木) 22:54:44.06 ID:BfohOI/20
ありす「調味料はミリ単位まで正しさを求めています!」

P「ふーむ」

P「じゃあ簡単なものでいいから今から料理を作ってみてくれないか?」

P「俺も一応料理の心得はあるから、それを見ながら適宜アドバイスをしていく」

ありす「いいでしょう、受けて立ちます」

P「別に勝負したいわけじゃないんだが....」

作る料理 >>850

850: 2020/09/03(木) 22:57:22.62 ID:yQfPhavm0
お好み焼き

852: 2020/09/03(木) 23:00:17.50 ID:BfohOI/20
ありす「プロデューサーの好きなものでいいですよ!」

P「それなら....」

P「お好み焼きでどうだ」

ありす「そんな簡単なものでいいんですか?」

P「どの口が言ってるんだ....」

ありすのお好み焼きの特徴 >>853

853: 2020/09/03(木) 23:01:21.12 ID:zKxc8nILo
P的には絶品

854: 2020/09/03(木) 23:12:41.32 ID:BfohOI/20
ありす「ではまずこのホットケーキミックスに牛乳、卵を入れます」

P「待て」

ありす「なんですか?」

ありす「今料理中で忙しいんです」

P「俺はさっきなんて言った?」

ありす「お好み焼きと言いました」

P「だよな?聞こえてたんだよな?」

855: 2020/09/03(木) 23:13:11.84 ID:BfohOI/20
ありす「プロデューサー....」ヤレヤレ

ありす「称賛も文句も、全ては完成してから受け付けます」

P「適宜アドバイスをするって言っただろ!」

ありす「いいから黙って座っていてください!」

P「聞く耳もたねぇ....」

856: 2020/09/03(木) 23:13:43.40 ID:BfohOI/20
ありす「ホットケーキのタネができたら」

P「ホットケーキって言ってるじゃねえか」

ありす「焼く前にトッピング用のチョコレートを湯煎で溶かします」

P「お好み焼きの口だったのに....」

ありす「使うのはブラックチョコレートとホワイトチョコレートの2色です」

857: 2020/09/03(木) 23:14:27.53 ID:BfohOI/20
ありす「チョコレートの準備が出来たので、ホットケーキを焼いていきます」

P「もうツッコまないぞ」

ありす「お玉ですくって」ヨイショ

ありす「綺麗な丸になるようにフライパンに垂らします」

858: 2020/09/03(木) 23:15:14.58 ID:BfohOI/20
ありす「ここからが腕の見せ所です!」

ありす「....スゥ」

ありす「はいっ!」クルン

P「返すのは上手いけど俺はそれをお好み焼きでやるありすが見たかった」

ありす「橘です」

859: 2020/09/03(木) 23:16:13.56 ID:BfohOI/20
ありす「上手に焼けました!」

ありす「ではこの上に溶かしたチョコレート、まずはソースに見立てたブラックを均等に塗り広げて....」ヌリヌリ

ありす「その上からマヨネーズに見立てたホワイトチョコレートを絞り袋から格子状に絞りだします」

ありす「その上から青のりの代わりの抹茶と鰹節の代わりの木くずを振りかけて....」

ありす「最後にいちご!いちごをたくさんのせます!」

860: 2020/09/03(木) 23:16:56.73 ID:BfohOI/20
ありす「どうぞ」スッ

ありす「いちごお好み焼きです」

P「どこが!?」

P「いちごを使いたいがためにお好み焼きという存在そのものを捻じ曲げてるじゃねーか!」

P「これはもうお好み焼きじゃなくてただの美味しそうなホットケーキだよね!」

P「トッピングたっぷりの!」

ありす「....プロデューサー」

P「なんだよ!」

861: 2020/09/03(木) 23:18:15.11 ID:BfohOI/20
ありす「全ての称賛、文句は食べ終わってから受け付けます」

P「どんどん後回しになっていくな苦情受付が」

P「というか完食しなきゃ受け付けないとか酷いな、コールセンターだけ外国にあるのか?」

ありす「どうぞ」

P「有無を言わさない圧力」

862: 2020/09/03(木) 23:26:42.10 ID:BfohOI/20
ありす「どうでしたか」

P「めっちゃ美味い」

ありす「当然です」

P「ホットケーキに2種のチョコレートに抹茶に木くずにいちご」

P「マズくなる要素がなかったわ」

P「特にこのブラックチョコレートと抹茶がいいな」

863: 2020/09/03(木) 23:28:22.42 ID:BfohOI/20
ありす「はい、全体として味のバランスを考えた時に」

ありす「ホットケーキの生地やいちごと、とにかく甘いことに気が付いたので」

ありす「あえて普通のチョコレートではなくブラックを使ってビターに」

ありす「抹茶も同じ理由です」

P「でもこれお好み焼きではないよね」

ありす「お好み焼きです」

864: 2020/09/03(木) 23:29:17.04 ID:BfohOI/20
P「お好み焼きの定義ってなんだと思ってるんだ?」

P「味だろ味!」

P「出汁のきいた生地に野菜や肉、魚が盛りだくさん!」

P「ソースとマヨネーズをべったり塗って!」

P「アツアツの鉄板の上で踊る鰹節を見ながらハフハフ食べる!」

P「これがお好み焼きだ!」

ありす「違います」

865: 2020/09/03(木) 23:36:57.78 ID:BfohOI/20
ありす「お好み焼きい限らず料理は見た目です」

ありす「私の作ったこれを見てください、どう見てもお好み焼きです」

ありす「だからこれはお好み焼きなんです」

ありす「完成に至るまでの材料や工程は関係ありません」

ありす「全ては見た目、それが料理です!」フンス

P「ありすらしくないガバガバ詭弁以下の主張なのになんでこんなに自信満々なんだ....」

ありす「さあプロデューサー!敗北を認め、その口で」

ありす「『本日の依頼完了!』と言ってください!」

P「いや本日の依頼全く達成できてないし....」

ありす「....」

866: 2020/09/03(木) 23:38:11.26 ID:BfohOI/20
ありす「わかっています、わかっているんです....」

ありす「これはお好み焼きではないことも」

ありす「私がいちごパスタ以外の料理を上手く作れないことも....」

P「じゃあなんで

ありす「いちご!」

P「いちご?」

867: 2020/09/03(木) 23:39:11.55 ID:BfohOI/20
ありす「いちごを見ると、それを料理に使わずにはいられないんです....」

P「いちごを....?」

ありす「どんな料理を作ろうとしても、いちごを見るとそれを入れてしまう」

ありす「いちごが合わない料理なら、料理の方を調整して入れてしまう」

P「(いちごパスタは?)」

ありす「いちごを断とうにも、いちごが常にポケットに入っていないと落ち着かない体になってしまいました」

ありす「プロデューサー、私はどうしたらいいんでしょうか....」

P「ありす....」

Pの考える解決策 >>869

868: 2020/09/03(木) 23:40:05.83 ID:aEjAwKwv0
桃華とか友達に作るつもりで作ればいいんじゃないか?

870: 2020/09/03(木) 23:57:34.92 ID:BfohOI/20
P「....ありすよ」

ありす「?」

P「料理はな、心だ」

ありす「そういう精神論は

P「お前は料理をする時、どこを見ている」

ありす「え....?」

P「いちごを、見ているんじゃないか」

ありす「....」

871: 2020/09/03(木) 23:58:08.90 ID:BfohOI/20
P「お前がいちごを見ている時、いちごもまたお前を見ているんだ」

ありす「....?」

P「お前の想いがいちごを向いているから、いちごもお前を誘惑してくる」

P「だったら、いちごの方を見ないで料理を作るんだ」

ありす「いちごの方を見ずに....?」

ありす「でも、いちごがないと落ち着かなくて

P「それも結局、いちごに囚われているだけだ」

872: 2020/09/03(木) 23:58:57.62 ID:BfohOI/20
P「常に大切な人のことを思い浮かべろ」

P「そしてその人と、いちごを天秤にかけてみろ」

P「どちらが大切かは、自ずとわかるはずだ」

ありす「大切な人....」

P「その人の方を向いて料理を作る」

P「そうしたらいちごの呪縛から」

P「解き放たれるぞ」ニコ

ありす「....」

ありす「....桃華さんの方を向いて」

ありす「....料理を」

873: 2020/09/04(金) 00:00:35.74 ID:3s5CqDFX0
ありす「どうぞ」スッ

P「!」

ありす「桃のケーキ、桃のパフェ、桃のパイです」

P「いや桃華のこと想い過ぎて今度は桃料理になってるじゃねーか!」

ありす「本望です」

P「ダメだこりゃ」

本日の依頼完了!

874: 2020/09/04(金) 00:01:28.87 ID:3s5CqDFX0

875: 2020/09/04(金) 00:24:53.22 ID:tNCdj3wgo
おつおつ
ありすは一週間位生肉に漬け込んどけばいい料理出来そう(錯乱)

877: 2020/09/04(金) 03:32:29.56 ID:CO2Sljyk0


子供の頃、親戚の家の隣にあった喫茶店では「パンチ焼き」というメニューがあって
ホットケーキの生地に肉やら野菜やらシーフードミックスやら入れて焼いて、
ソースとかマヨとか青海苔とかかけられてたな
お好み焼きと違って生地に甘みがあってふわふわしてて、意外と美味かった

引用: 【モバマス安価】P「プロデューサーレンタル(社内向け)始めました」