1: 2010/02/27(土) 12:33:20.86 ID:6d173mKCO
キョン「聞いてんのかよ!」

ハルヒ「聞いてるわ。聞いてますとも!」

古泉「またですか」

みくる「みたいですね」

長門「毎日毎日うるさい」

キョン「このっ…!」

ハルヒ「きゃ!?ちょっと待っ…」

キョン「脇!」

ハルヒ「はぁう!」

キョン「こちょっ」

ハルヒ「ぁひぃ!?」

キョン「こちょこちょ」

ハルヒ「ひゃぅ!ひひ!ひひひ!」
涼宮ハルヒの憂鬱 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)
2: 2010/02/27(土) 12:34:19.60 ID:6d173mKCO
ハルヒ「ダメ!ダメだってぇ………ひひひっあひぃ!」

キョン「こちょこちょ」

古泉「今日は彼の勝ちですか」

みくる「そうみたいですね」

長門「…まだ」

ハルヒ「ひひっ…!き、金的っ!」ゴチッ

キョン「あ゙がぁっ!?」

ハルヒ「うおりゃ!」

キョン「は、反則!反則だ!」

ハルヒ「耳!」

キョン「なっ…」

ハルヒ「ふーっ」

キョン「ぁはぁん」

3: 2010/02/27(土) 12:37:46.98 ID:6d173mKCO
キョン「  」

ハルヒ「か、勝ったわ!」

古泉「おめでとうございます」

みくる「わー」パチパチ

長門「氏んでる?」

古泉「悶絶してるだけですよ」

ハルヒ「これであたしは29勝…。あと1勝で!」

みくる「な、何かあるんですか?」

ハルヒ「あれ?言ってなかったっけ」

古泉「あなた達がそうってる理由さえ聞いていないのですが…」

ハルヒ「ご、ごめん。話しといた方が良かったわよね」

ハルヒ「あれは、数週間前の事だったわ…」

4: 2010/02/27(土) 12:43:52.53 ID:6d173mKCO
―――
――


キョン「俺の陸戦ガンダムが…」

ハルヒ「あたしのフリーダムに勝とうなんて、100万年早いのよ」

キョン「くそっ…」

ハルヒ「あ、そろそろ先生来ちゃうわよ。隠さないと」

キョン「あ、ああ」

ハルヒ「最近のゲームは通信が熱いわね」

キョン「……」

ハルヒ「…キョン?」

キョン「…涼宮ハルヒ」

ハルヒ「えっ?」

キョン「お前にリアルファイトを申し込む!!」

5: 2010/02/27(土) 12:51:10.41 ID:6d173mKCO
ハルヒ「…はい?」

キョン「リアルファイトっても痛いのは嫌だからな。暴力またはそれに準じる行為は禁止だ」

ハルヒ「ちょ、ちょっとあんた何言って…」

キョン「勝負だよ。一対一の真剣勝負だ」

ハルヒ「勝負…」

キョン「ああ。泣いても笑っても、そこには勝者と敗者しか居ない。正真正銘の真剣ガチバトルさ」

ハルヒ「ガチ…バトル…」

キョン「どうだハルヒ?まさか、逃げたりしないよな?」

ハルヒ「……」

ハルヒ「…ふふ」

ハルヒ「いいわ!その勝負、このあたしが受けて立ってやろうじゃないの!」

6: 2010/02/27(土) 12:54:37.01 ID:6d173mKCO
ハルヒ「ただ勝負するってのも、つまんないわ。何か賭けましょ」

キョン「金か?」

ハルヒ「ダメよそんなの。…そうね、先に30勝した方が…」

キョン「……」

ハルヒ「敗者に何でも命令出来る!」

ハルヒ「っていうのはどうかしら」

キョン「ありきたりだな」

ハルヒ「じゃあ三つまで!」

キョン「数の問題じゃないって」

ハルヒ「もうこれでいいの!はい決定!」

キョン「お前、そんなに俺に命令されたかったのか」

ハルヒ「言ってなさい。後で吠え面かくのはあんただからね」

キョン「……」

ハルヒ「……」

8: 2010/02/27(土) 12:59:45.26 ID:6d173mKCO
―――
――


ハルヒ「まあこんな感じね」

古泉「なんですか最後の沈黙!」

キョン「ぐぎぎ…」

長門「動いた」

みくる「キョン君が…」

キョン「おい!さっきのは反則じゃないのか!」

ハルヒ「なんの事かしら」

キョン「古泉。お前、見てただろ」

古泉「い、いいえ?僕は何も」

キョン「あ、朝比奈さん」

みくる「あ、その、えっと、ごめんなさい…」

キョン「長門!」

長門「確かに、涼宮ハルヒはあなたの陰部を蹴った」

10: 2010/02/27(土) 13:03:16.92 ID:6d173mKCO
ハルヒ「!!」

キョン「ほれみろ。反則だ反則」

ハルヒ「…な、何よ。それで何なのよ」

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「レディー・ゴー!」

ハルヒ「きゃっ」

キョン「ほれほれ」

ハルヒ「はひっ…!ちょっとタンマタンマ!」

キョン「これは俺の息子の分だ!」

ハルヒ「だっ…ぁははは、ははははっ!」

キョン「ハルヒ」

ハルヒ「ぃひ、へ、ひゃい?」

キョン「ペロっ」

ハルヒ「ぁはぁん」

11: 2010/02/27(土) 13:07:16.64 ID:6d173mKCO
キョン「ふぅ…。これで俺も29勝だ」

ハルヒ「  」

長門「氏んでる?」

みくる「大丈夫です、悶絶してるだけですよ」

古泉「見事な戦いでした」

キョン「勝つためには手段を選んでいられないのさ」

ハルヒ「…い、異議有り!」

キョン「何だ」

ハルヒ「その、くっ、首を舐めるのって反則じゃないの?」

キョン「暴力じゃないから有りだろ」

ハルヒ「む…」

古泉「まあまあ。今日はこのぐらいにして、最終決戦は明日にでもしたらどうです?」

キョン「だな。体力がもたん」

ハルヒ「次はこうはいかないんだからね」

キョン「そうかい」

14: 2010/02/27(土) 13:10:47.81 ID:6d173mKCO
ハルヒ「キョン、あのさ」

キョン「ん?」

ハルヒ「あたし、買い物行きたいんだけど」

キョン「また俺が荷物持ちかよ。そろそろ古泉にでもやらせてみろ。俺の二倍は役に立つぞ」

ハルヒ「こういうのは雑用の仕事でしょ」

キョン「はぁ…」

ハルヒ「という事で!今日の団活は終了!みんな適当に解散しちゃって!」

ハルヒ「さ、行くわよキョン!」

キョン「お、おい引っ張んなって!」

古泉「……」

みくる「……」

長門「……」

15: 2010/02/27(土) 13:16:20.22 ID:6d173mKCO
古泉「…なんなんですかアレ」

みくる「もう付き合ってるんでしょうか…」

長門「わからない」

古泉「……」

みくる「……」

長門「……」

古泉「…探りを入れてみましょうか」

みくる「ふぇ!?」

長門「どういう事?」

古泉「ちょっと監視をつけてみるんですよ」

みくる「や、やめましょうよ」

長門「……」

古泉「なに、心配には及びませんって」

長門「そう」

16: 2010/02/27(土) 13:20:02.43 ID:6d173mKCO
長門「ファミレスに入店した模様」



キョン「お前、結構甘党なのな」

ハルヒ「人間だもん」

キョン「なんだそりゃ」

ハルヒ「ここのパフェには定評あるわ。あたしの中で」

キョン「そんなにうまいのか?一口くれよ」

ハルヒ「仕方ないわねー。…はい、あーん」

キョン「あーん」

ハルヒ「…どう?」

キョン「んー…、ハルヒの味がする」

ハルヒ「な、何よそれ!」

キョン「ははは」

ハルヒ「も、もう…」

17: 2010/02/27(土) 13:22:20.57 ID:6d173mKCO
古泉「今、こんな感じらしいです」

みくる「嘘ですよね!それ嘘ですよね!?」

長門「アベック」

古泉「アベックて…長門さん…」

古泉「ていうか、嘘じゃないですよ。機関の有能な監視の得た情報ですから」

みくる「このままじゃ禁則事項しちゃうんじゃ…」

長門「あうと」

古泉「ふふ…、わかりませんよ?もう少し様子を見てみましょう」

19: 2010/02/27(土) 13:25:16.51 ID:6d173mKCO
キョン「ハルヒ、口元になんか付いてるぞ」

ハルヒ「え?」

キョン「ぺろっ」

ハルヒ「あ、え、ちょ、」

キョン「よし、とれた」

ハルヒ「…ば、ばか!」

みくる「ちょちょちょっと待ったぁ!」

古泉「なんですかいきなり」

みくる「有り得ませんって!古泉君落ち着いて!」

古泉「こっちのセリフです」

みくる「長門さんも完全再現止めて下さい!なんですかそのオーバーテクノロジー!」

長門「ついつい」

古泉「たぶんこんな感じ何ですよ」

みくる「たぶんって言っちゃったこの人!」

21: 2010/02/27(土) 13:28:17.37 ID:6d173mKCO
翌日 放課後



みくる「キョン君キョン君!」

キョン「ど、どうしたんですか朝比奈さん」

みくる「昨日、涼宮さんと何してたんですか」

キョン「へ?」

古泉「ファミレスに行ったでしょう?」

キョン「…何故知ってる」

みくる「そこで、涼宮さんと何してたんですか!?」

キョン「何って…特に何かした記憶は…」

古泉「嘘ですね」

みくる「嘘です!」

キョン「……」

23: 2010/02/27(土) 13:31:05.60 ID:6d173mKCO
ハルヒ「ここのパフェには定評あるわ。あたしの中で」

キョン「そんなにうまいのか?」

ハルヒ「あげないわよ」

キョン「もーらい」

ハルヒ「あっ!」

キョン「ん、確かにうまいな」

ハルヒ「ちょっと!何食ってんのよ!」

キョン「いいだろ一口ぐらい」

ハルヒ「良くない!」

キョン「こら、あまり大きな声を出すんじゃありません」

ハルヒ「むぅ…」

キョン「はい10円」

ハルヒ「えっ?」

キョン「俺がさっき食べた分」

ハルヒ「い、いらないわよ…!もうっ…」

24: 2010/02/27(土) 13:34:26.18 ID:6d173mKCO
キョン「そうそうこんな感じ…って」

キョン「何このオーバーテクノロジー!長門か!?」

長門「そう」

キョン「そう、じゃなくて…」

みくる「……」

古泉「あ、あはは…」

みくる「……」

古泉「流石に、機関の有能な監視といえどミスはしますよ…ね…」

みくる「……」

古泉「……」

長門「……」

キョン「…?」

みくる「古泉君?」

古泉「すいませんでした」

26: 2010/02/27(土) 13:39:08.79 ID:6d173mKCO
キョン「何がどうしたっていうんです?」

みくる「いや、ちょっと制裁を」

古泉「なんでも…ないんですよ…」

キョン「はは、そ、そうか。…あー、俺飲み物買って来るわ」

みくる「……」

古泉「……」

キョン「……」

ガチャ

ハルヒ「隙有りぃ!」

キョン「ぅおっ!?」

27: 2010/02/27(土) 13:44:17.95 ID:6d173mKCO
ハルヒ「ぎゅー」

キョン「ぐ、ぐるじい…」

ハルヒ「ぎゅーっ」

キョン「ギブ!ギブギブ!!」

ハルヒ「やったぁー!」

キョン「はあ、はあ…」

キョン「ふー……」

キョン「…反則だッ!」

ハルヒ「あんた負けるとそればっかりね」

キョン「危うく氏ぬとこだったぞ…」

ハルヒ「あたしはキョンに抱き着いただけよ」

キョン「腕をまわす場所をなんとかしろ!首ってなんだ!どうせなら普通に抱き着いてくれよ!」

ハルヒ「…えっ?」

キョン「…ん?」

28: 2010/02/27(土) 13:51:11.19 ID:6d173mKCO
ハルヒ「まあいいわ。とりあえず、あんたはあたしの言う事三回聞くのよね?」

キョン「もうどうでもいいよ、まったく…」

ハルヒ「じゃあ一つ目!あたしの言う事をさらに100回多く聞きなさい!」

キョン「お前はルールというものを知らんのか」

ハルヒ「…キョンのけち」

キョン「しょうがないなハルヒ、五つまでだぞ」

ハルヒ「マジでか」

キョン「で?一つ目は何だ」

ハルヒ「一つ目は…」

ハルヒ「……」

ハルヒ「…とりあえず、あたしに何か奢りなさい」

キョン「そんなんでいいのかよ」

ハルヒ「急に言われたって思いつかないわよ…」

キョン「俺はあらかじめ考えといたぞ」

ハルヒ「…例えば?」

29: 2010/02/27(土) 13:54:34.17 ID:6d173mKCO
キョン「その1。罰金制度の撤廃」

ハルヒ「二つ目は?」

キョン「その2。お前は大人しくなりなさい」

ハルヒ「何よそれ」

キョン「その3。朝比奈さんの髪型をポニーテールに…」

ハルヒ「ちょっと待ちなさい。何でみくるちゃんが出て来るわけ?」

キョン「いや、そういうふうにお前が命令してくれればな、と」

ハルヒ「ダメよ。ルール違反だわ」

キョン「お前が言うと腹が立つ」

ハルヒ「そんなにポニーテールが好きなら、あ、あたしがやってあげなくもないわ」

キョン「マジか?」

ハルヒ「…マジよ」

キョン「……」

ハルヒ「……」

31: 2010/02/27(土) 14:04:46.97 ID:6d173mKCO
キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「…ぷっ」

ハルヒ「なっ!何笑ってんのよ!」

キョン「あ、いや、髪短いなーって思ってさ」

ハルヒ「…!もういい!」

キョン「すまんハルヒ、似合ってるぞ。萌え萌えだ」

ハルヒ「……」

キョン「冗談はこのぐらいにして。質問なんだが」

ハルヒ「何よ」

キョン「勝負に勝ったのはお前だよな」

ハルヒ「あったりまえじゃない」

キョン「なんか俺が得してるように思えるのはきのせいか?」

ハルヒ「あ…」

キョン「……」

32: 2010/02/27(土) 14:08:32.17 ID:6d173mKCO
古泉「何をなさってるんです?」ガチャ

キョン「あ、古泉」

ハルヒ「…!」

古泉「おや?涼宮さんのその髪型…」

ハルヒ「あ、ち、違うのよ!?これは、その…」

キョン「俺が勝負に勝ったんだ」

古泉「…!」

ハルヒ「え?」

キョン「部室を出たところをこいつに襲われてな。最初は不利だったんだが」

キョン「見事、逆転に成功した、って訳さ」

古泉「そうでしたか。僕はてっきり、涼宮さんが勝ったのかと」

ハルヒ「こら!キョン!何あんた嘘言って…」

キョン「おいハルヒ」

ハルヒ「っ!」

キョン「命令その2。俺には敬語を…だろ?」

35: 2010/02/27(土) 14:13:29.12 ID:6d173mKCO
ハルヒ「…!」

古泉「…ふむ」

ハルヒ「…キョン、ちょっとこっち来なさ……来て下さい」

キョン「ん?何だ?」



ハルヒ「バカキョン、これどういう事よ!」

キョン「お前があの時点で、ポニーテールなのはあきらかにおかしいだろ」

ハルヒ「は?」

キョン「つまり、だ。要らぬ誤解をかけてしまわぬように、俺が勝った事にして、あたかも俺がお前に命令したかのようにすることで」

キョン「お前がいきなりポニテになったその事実を、うまくごまかしたんだよ」

ハルヒ「何であたしがポニテだといけないのよ!」

キョン「別にいけないとは言ってないだろ?仮にお前が勝ったと古泉に言ってみろ。何で今日はポニテなんだと聞かれるぞ」

ハルヒ「そりゃそうだけど…」

キョン「俺がお前に襲われたところを古泉は見ていたが、その時お前はまだポニテじゃなかったんだ」

キョン「つまり…」
ハルヒ「あーあー!もういいわよ何でも!」

37: 2010/02/27(土) 14:17:16.98 ID:6d173mKCO
キョン「へっ?」

ハルヒ「あんたの勝ちって事でいいって言ってんの!」

キョン「!!」

ハルヒ「めんどくさいからそれでいいわ。あたしも、命令の内容考えてなかったしね」

キョン「なんか自分でもよく分からない事を連呼して、なんやかんやで勝利権を獲得する作戦、成功」

ハルヒ「なんか言った?」

キョン「いんや」

ハルヒ「…部室、戻りましょ」

キョン「おっと。命令その3だ」

ハルヒ「……」

キョン「部室では、朝比奈さんの代わりにお前がコスプレすること」

ハルヒ「なっ…」

39: 2010/02/27(土) 14:23:20.15 ID:6d173mKCO
ハルヒ「はい、お茶です」

キョン「ありがとよ」



みくる「な、なんですかこれ…」

古泉「彼が勝負に勝ったようなのです」

長門「メイド服」

ハルヒ「お茶飲む人いる?」

キョン「おいハルヒ、俺はそこまでしろとは言ってないぞ」

ハルヒ「せっかくこういうの着たんだし、たまにはいいじゃない。じゃなくて、いいじゃない…ですか」

キョン「……」

古泉「僕は結構です」

みくる「わ、わたしも…」

長門「不要」

ハルヒ「あら、そうなの?」

40: 2010/02/27(土) 14:27:18.65 ID:6d173mKCO
ハルヒ「古泉君、あたしの席座っていいわよ」

古泉「あ、いえ、僕は…」

ハルヒ「いいからいいから!あたしがメイドな今、古泉君が団長の代わりなの!」

古泉「…ありがとうございます」

ハルヒ「大丈夫よ!団長と言っても、あたしみたいにやる必要は無いわ!今日だけなんだし、テキトーに遊んでればいいわ」

キョン「お前、いつも遊んでるだろ」

ハルヒ「何か言いました?」

キョン「あ、いえ」

古泉「一日団長ですか…。ならば、今日だけは僕に団長の権限があると?」

ハルヒ「まあ、そうなるわね」

古泉「では、彼に飲み物を買って来てもらいましょうか」

キョン「ふざけるなお前が行け」

古泉「…では、涼宮さんに行ってきてもらいましょう。もちろん、その格好で」

ハルヒ「!!」
キョン「…!」

45: 2010/02/27(土) 14:35:23.30 ID:6d173mKCO
ハルヒ「な、何であんたがついてくんのよ!」

キョン「お前がついてきたんだろ!」

ハルヒ「あたしが行けって言われたんでしょ!」

キョン「最初に言われたのは俺だ」

ハルヒ「あんた断ったじゃない!」

キョン「お前なんかに行かせる訳無いだろ。そんな格好で学校中をうろついてみろ、教師が飛んで来るのも時間の問題だぞ」

ハルヒ「……」

キョン「さ、お前は早く部室に戻れ。誰かに見つからないうちにな」

ハルヒ「……わよ」

キョン「ん?」

ハルヒ「もうめんどくさいから、いっ、一緒に行くわよ!」

ハルヒ「…じゃなくて、行きましょう!」

キョン「…なんですと?」

47: 2010/02/27(土) 14:40:49.23 ID:6d173mKCO
古泉「作戦成功です」

みくる「す、すごいですね」

長門「なかなかやる」

古泉「ホント、彼と涼宮さんの二人きりの状況を作るのには苦労します。今も、実質二人きりではないわけですし」

みくる「まあ、それでも」

長門「やる」

みくる「!?」

古泉「お願いします」

みくる「ま…まさか…」

48: 2010/02/27(土) 14:46:06.57 ID:6d173mKCO
キョン「おい、待てって!」

ハルヒ「何よ」

キョン「どこ行くんだよ」

ハルヒ「どこって…外まで行く気だけど」

キョン「怒ってんのか?」

ハルヒ「そ、そういう事じゃなくて。えーっと」

ハルヒ「何であんたついてきたの?」

キョン「…お前が、心配だったから?」

ハルヒ「それよ。キョンが心配してくれて、う、嬉しいなって」

キョン「…?」

ハルヒ「い、今あんたとまともに顔合わせる事が出来る気しないのよ」

キョン「…え?」

ハルヒ「…バカ」


古泉「これは…」
みくる「ホントにこんな感じなんでしょうか…」
長門「だいたい合ってるはず」

49: 2010/02/27(土) 14:49:57.95 ID:6d173mKCO
キョン「ハルヒ」

ハルヒ「……」

キョン「勘違いしてるようだから言うけどな、俺はお前を心配してるんじゃないからな」

キョン「お前が周りに迷惑をかけないかが心配なんだ」

ハルヒ「……」

キョン「朝比奈さんだったら身を呈して守る自信があるが、お前に対しては俺は何もしてやらん」

ハルヒ「……」

キョン「ま、そっちの方がお前も…」

ハルヒ「バカーッ!!」

キョン「ぐぁっ!?」

ハルヒ「バカバカバカッ!キョンのドアホ!!」

キョン「ぐえ、おい、やめろハルヒ!」

ハルヒ「豆腐の角に頭200回ぶつけて氏ねぇ!」

キョン「今氏ぬって!今!」

51: 2010/02/27(土) 14:57:54.32 ID:6d173mKCO
キョン「はぁ、はぁ」

ハルヒ「はぁ、はぁ」

キョン「いきなり襲うな…氏ぬかと思ったぞ」

ハルヒ「はぁ、…うるさい、この唐変木」

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「…俺達、こんなとこで何やってんだろな」

ハルヒ「…確かに、馬鹿みたいね」

キョン「よし。さっさと買い物、済ましちまおうぜ」

キョン「…ほら、立てよ、メイドさん」

ハルヒ「…あんたの手なんか無くても、一人で立てるわよ」

ハルヒ「…でも、」

ハルヒ「し、仕方ないから、使ってあげるわ」

キョン「ありがとよ」

ハルヒ「……」

52: 2010/02/27(土) 15:04:09.21 ID:6d173mKCO
長門「はっ」

古泉「!」

みくる「!」

長門「今涼宮ハルヒと彼が手を繋いだ」

古泉「!!」

みくる「!!」

長門「恋人繋ぎではない。しかし、これは大きな進歩」

古泉「ついに…そういう間柄になったんですか」

長門「わからない。でも、彼は笑顔。涼宮ハルヒはいつものしかめっつらだが、若干赤い」

みくる「なんという」

古泉「メイドと手を繋いで歩く男子高校生…」

みくる「…な、なんか…」

古泉「ぷっ、はは、何だか笑えますね」

長門「シュール」

53: 2010/02/27(土) 15:11:19.38 ID:6d173mKCO
ハルヒ「あーお腹空いたぁー」

キョン「だだこねんな」

ハルヒ「あーあー」

キョン「うるさい、静かにしなさい」

ハルヒ「ねぇキョン」

キョン「何だ」

ハルヒ「あれ」

キョン「ん?」

ハルヒ「ばーかがー見るー!」

キョン「お前は小学生か!」

ハルヒ「メイドさんよ」

キョン「そういうところを言ってんだよ」

ハルヒ「だって凄い暇なんだもーん」

キョン「んな事言われてもなぁ…」

54: 2010/02/27(土) 15:18:07.50 ID:6d173mKCO
キョン「お前のせいで通行人の視線が痛い」

ハルヒ「気にしない、気にしない」

キョン「俺は大いに気にするが」

ハルヒ「逆に着てみればいいんじゃない?」

キョン「何がいいんだ何が!」

ハルヒ「ちょっと待ってなさい、今脱ぐから」

キョン「ハルヒ、頼むから暴れないでくれ」

ハルヒ「あっ」

キョン「!」

ハルヒ「しまった、ブラジャー部室に忘れて来たわ」

キョン「どうやったら忘れんの!?」

55: 2010/02/27(土) 15:25:43.12 ID:6d173mKCO
キョン「それにしても」
ハルヒ「な、何よ」

キョン「ポニーテール、いいなぁ」

ハルヒ「何がそんなにいいんだか…」

キョン「ほら。それだよそれ。お前が歩く度にポニテが揺れるんだよ」

ハルヒ「で?」

キョン「萌えるだろ」

ハルヒ「どこが!?」

キョン「お前の場合、髪が短いからな。子供ポニテだな」

ハルヒ「もうあんたがわかんないわ」

キョン「しかも、うなじが見えやすいときた。激熱だ」

ハルヒ「激熱?」

キョン「後れ毛やうなじは、ポニーテールの副産物なんだよ」

ハルヒ「副産物?二次災害みたいなもん?」

キョン「…例えがいちいち物騒なんですけど」

ハルヒ「成る程、二次災害か…」

56: 2010/02/27(土) 15:32:23.09 ID:6d173mKCO
キョン「二次災害と言えば」

ハルヒ「今度は何よ…」

キョン「ポニテにすると、その人の魅力が120%アップする」

ハルヒ「二倍以上!?」

キョン「正直、お前でさえもめっちゃ可愛く見えてしまうんだ」

ハルヒ「なっ」

キョン「これも立派なポニテ二次災害だよな」

ハルヒ「か、かわ、かかかか」

キョン「?」

ハルヒ「……」

キョン「ハルヒ?」

ハルヒ「そ、そんな事あんたに言われたって、嬉しくもなんとも無いわよっ!」

キョン「はいはい」

57: 2010/02/27(土) 15:39:12.04 ID:6d173mKCO
みくる「はいっ」
長門「おお」

古泉「素晴らしいですね」

みくる「東京タワーです」

長門「他には」

みくる「えっと…」

古泉「あやとり、実に奥が深い遊びです」

みくる「はい!」

長門「おお」

みくる「ほうきです!これは簡単ですけど…」

長門「大体は把握した」

みくる「え?」

長門「……」

みくる「な、長門さん?」

長門「かに」スッ

みくる「す、凄いですそれ!」

59: 2010/02/27(土) 15:49:51.08 ID:6d173mKCO
―――
――


長門「ユニバーサルスタジオジャパン」

みくる「い、一本の糸でここまで…」

古泉「どんだけ長い糸使ってんですか」

ガチャ

ハルヒ「おまたー!」

キョン「せ」

古泉「随分遅かったですね。途中、何かあったんですか?」

キョン「こいつがわざわさ遠くまで行きたいとか言い出してな」

ハルヒ「なかなか楽しかったわ!」

みくる「それで、飲み物は…」

ハルヒ「飲み物?」

キョン「あっ」

長門「いちゃつくのに夢中だったのか」

61: 2010/02/27(土) 15:54:47.57 ID:6d173mKCO
みくる「な、長門さん…」

長門「なんでもない」

ハルヒ「キョン。飲み物買い忘れたわ」

キョン「みんなもう分かってるから、小声で言っても無駄だぞ…」

ハルヒ「ごめんね、忘れてた!」

古泉「あなたがついていながら…」

キョン「す、すまん。ちょっと、な」

古泉「…ま、最初から喉なんて渇いてなかったんですが」

キョン「は?」

長門「……」

キョン「…おいハルヒ。お前、ぶ、ブラ……下着忘れたとか言ってなかったか」

ハルヒ「嘘よ」

キョン「なんですと!?」

ハルヒ「忘れる訳無いじゃない。だって、忘れてたら服に生乳当たるのよ、生乳」

キョン「な、なまちち…だと…」

62: 2010/02/27(土) 15:59:25.94 ID:6d173mKCO
ハルヒ「メイド服も、なかなか動きにくいわね」

古泉「そうなんですか?」

ハルヒ「古泉君も着てみればわかるわよ」

古泉「考えておきます」

キョン「そこは断っとけよ」

ハルヒ「キョン、あんたには何も似合いそうにないわね」

ハルヒ「…じゃなくて、似合いそうにないですね」

キョン「敬語で馬鹿にされてる俺って…」

古泉「馬鹿にされてるかどうか微妙なラインですが」

みくる「確かに、変な服が似合ってもいいこと無いですよね…」

ハルヒ「じゃあ、キョンはこういうの似合いそうですね!」

キョン「お前は俺を馬鹿にしたいだけなんだな」

63: 2010/02/27(土) 16:03:41.24 ID:6d173mKCO
長門「……」パタン

ハルヒ「ありゃ?」

古泉「もうこんな時間ですか。では、僕はお先に」

ハルヒ「ちょっと待ったあ!」

ハルヒ「明日、いつも通りだから!」

キョン「いちいち言わなくとも分かっとる」

ハルヒ「一応、よ。一応」

みくる「じゃあ、帰りますかぁ」

長門「また」

古泉「また明日お会いましょう」

キョン「じゃあな」

ハルヒ「ばいばい!」

65: 2010/02/27(土) 16:08:23.85 ID:6d173mKCO
翌日



ハルヒ「罰金!」

キョン「遅刻はしてない!」

ハルヒ「もうみんな揃ってるのよ?あんたは団員としての自覚が足りないの!」

キョン「当たり前だろ、自分から入団した覚えは無いからな」

ハルヒ「っ…!」

古泉「ま、まあ、とりあえず喫茶店に入りましょう」

みくる「そ、そうですよ」

長門「……」

66: 2010/02/27(土) 16:12:33.35 ID:6d173mKCO
ハルヒ「せーの!」

長門「無い」

古泉「赤です」

みくる「あ、ありません」

キョン「何故お前となんだ」

古泉「そんな事言われても…」

ハルヒ「……」

みくる「ちょうど男女に分かれましたねぇ」

キョン「……」

長門「……」

古泉「では、出発しましょう」

キョン「やれやれ…」

ハルヒ「こら!あんたの奢りなんだからね!」

キョン「わーってるよ」

67: 2010/02/27(土) 16:17:16.96 ID:6d173mKCO
古泉「それにしても」

キョン「……」

古泉「何故、あなたと涼宮さんは二人組にならないのでしょうねぇ」

キョン「知らん」

古泉「今まで散々組分けをしてきましたが、そんな事一度もありませんでしたよ」

キョン「…何回かあったぞ」

古泉「それは、あなた達以外の三人が、欠席したからでしょう。必然だったんですよ」

キョン「……」

古泉「涼宮さんには、願望を実現する能力がある」

キョン「…今更、何だよ」

古泉「心の奥底で、あなたと二人組になりたくない。と、そう強く願っているのかもしれません。
それは、単にあなたが嫌いだから…という訳では無いと僕は考えます」

キョン「だから何だ。俺としては、有り難い事この上ないね」

古泉「いい加減、素直になったらどうなんです?」

キョン「……」

68: 2010/02/27(土) 16:21:01.12 ID:6d173mKCO
古泉「涼宮さんの性格からして、あなたが行動を起こさなければ、いつまでも待っている筈です」

キョン「何をだ」

古泉「僕が言わなければわかりませんか?」

キョン「……」

キョン「…知るか」

古泉「ふふ、あなたというお方は…」

キョン「……」

古泉「では、僕が涼宮さんに愛の告白を…」

古泉「…なんですか?その顔」

キョン「あ、いや…」

古泉「何も悪い事じゃ無いでしょう?」

キョン「勝手にしろ。だがな、あいつの事だ。結果は目に見えてるだろ」

古泉「どうでしょうか」

キョン「……」

69: 2010/02/27(土) 16:27:56.45 ID:6d173mKCO
古泉「…ぷっ、ははは」

キョン「……」

古泉「あなたをからかうのも、なかなか楽しいですね」

キョン「……」

古泉「僕は、応援していますよ」

キョン「なんのことやら」

古泉「ふふ…」

キョン「…その薄気味悪い笑いをやめろ」

古泉「失礼。この話はもういいでしょう。どこに行きます?」

キョン「ゲーセンにでも行くか」

古泉「いいですね、僕、昔から入ってみたいと思ってたんです」

キョン「!?」

古泉「…どうされました?」

キョン「いや…なんでもない…」

古泉「…?」

72: 2010/02/27(土) 16:35:31.92 ID:6d173mKCO
―――
――


ハルヒ「さ、結果報告してちょうだい!あたし達は…何も無かったわ!」

キョン「俺達もな」

ハルヒ「ちょっと、あんた真面目に探した?」

キョン「お前こそ、ちゃんと探したのか?」

ハルヒ「あ、あったりまえよ!」

古泉「すいません。不思議が、なかなか捕まってくれないものでして」

ハルヒ「まあそんな日もあるわ。気にしないで古泉君!」

キョン「……」

みくる「あ、あの、そろそろお昼ですよ」

ハルヒ「そうね…めんどくさいかここで食べましょ」

古泉「だそうです」

キョン「いいんじゃないか」

長門「……」

77: 2010/02/27(土) 16:45:55.83 ID:6d173mKCO
ハルヒ「キョーンー」

キョン「黙って食え」

ハルヒ「あたしこれ食べたいわ!すごく!」

キョン「…もしやとは思うが、お前、昼飯も俺に奢らせるつもりじゃないだろうな?」

ハルヒ「…え?」

キョン「…え?」

キョン「じゃねぇよ!何だその顔!」

ハルヒ「……じゃあそれちょうだいっ」

キョン「はぁ?まだお前自分のが…」

ハルヒ「いーいーかーら!ちょっとよ、ちょっと!」

キョン「わ、おい、馬鹿やめろ!」

ハルヒ「ふぇはひゅんほ」

キョン「俺の昼飯が…!」


古泉「……」
みくる「……」
長門「……」

78: 2010/02/27(土) 16:49:49.39 ID:6d173mKCO
ハルヒ「午後の組を決めるわよ!」

キョン「印有りだ」

古泉「ありません」

みくる「わたしもです」

長門「無い」

ハルヒ「って事は…」

ハルヒ「…えっ」

キョン「……」

古泉「おやおや。これは珍しいですね」

みくる「長門さん、まさか…」

長門「ワタシハナニモヤッテナイ」

みくる「機械音声!?」

ハルヒ「……」

キョン「……」

79: 2010/02/27(土) 16:53:07.54 ID:6d173mKCO
ハルヒ「張り切って行ってみよー!」

キョン「暴れるな。頼むから落ち着いてくれ」

ハルヒ「こうでもしないと、テンション上がらないの。あんたと二人組なんだし」

キョン「悪かったですね、俺なんかで」

ハルヒ「ホントよ。勘弁して欲しいわ」

キョン「…こっちのセリフだ」

ハルヒ「な…」

キョン「お前と一緒なんて、こっちから願い下げだっての」

ハルヒ「なんですって…!」

ハルヒ「このー!!」

キョン「うお!?ば、やめろハルヒ!」

ハルヒ「バカアホ変O工口氏ねぇ!!」

キョン「ここ道のど真ん中なのにぃ!」

80: 2010/02/27(土) 17:02:32.98 ID:6d173mKCO
ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「…ごめん」

キョン「…大丈夫だ」

ハルヒ「ちょっとやり過ぎたわ」

キョン「俺も、ちょっと言い過ぎた」

ハルヒ「ホントにそう思ってる?」

キョン「当たり前だろ」

ハルヒ「ならいいの」

キョン「…あー、で?どこ行くんだ?」

ハルヒ「適当に歩きましょ。不思議はどこに潜んでるかわかんないからね!」

キョン「…そうかい」

82: 2010/02/27(土) 17:10:41.79 ID:6d173mKCO
古泉「……」

長門「……」

みくる「……」

古泉「…見てて苛々しますね」

長門「確かに」

みくる「ふぇぇ…」

古泉「早く抱くなり接吻なりかましちゃって下さいよ」

長門「確かに」

みくる「あわわ…」

古泉「非常に、ドギマギします。…では、長門さん」

長門「分かった」

みくる「ドギマギって…」

長門「涼宮ハルヒの神経系に情報を伝達出来るようにした。これで涼宮ハルヒは、わたしの思うがままに活動する」

83: 2010/02/27(土) 17:16:50.20 ID:6d173mKCO
ハルヒ「…ん?」

キョン「…おい、あんまくっつくなよ。歩きにくいだろ」

ハルヒ「わ、分かってるわよ!」

キョン「……」

ハルヒ「ちょっ…なに…これぇ…!」

キョン「……!」

ハルヒ「ぅ、ぅあっ」だきっ

キョン「こ、こら!何やってんだお前!はやく離れろ!」

ハルヒ「違うのよ、これ、違くて!」

キョン「…は、ハルヒ?」

ハルヒ「あ、あたしにもわかんないわよ!なんなのよこれ…」





長門「そうは言ってても、体は正直だな」

古泉「これはひどい」
みくる「もうダメですねいろいろと…」

86: 2010/02/27(土) 17:23:47.46 ID:6d173mKCO
ハルヒ「ぅ…」

キョン「あの…ハルヒさん?これは、一体…」

ハルヒ「だから、あたしにもわかんないのよ…」

キョン「わかんない?」

ハルヒ「うん…。何故かは知らないけど、その、あんたから離れられなくなっちゃったの」

キョン「反則!」

ハルヒ「え?」

キョン「なんでもないです」

キョン「……ところでハルヒ」

ハルヒ「な、何よ」

キョン「近くないか?」

ハルヒ「へ?」

キョン「その…何だ、顔がさ」

ハルヒ「…!」

87: 2010/02/27(土) 17:29:44.23 ID:6d173mKCO
キョン「そんなに近付いてこなくてもだな…」

ハルヒ「あ、えと、これもあたしは…」

キョン「……」

ハルヒ「ホントよ!体が勝手に動くの!」

キョン「ぐ…」

ハルヒ「ちょっと、なんで顔背けんのよ!」

キョン「考えてもみろ、こんままお前が近付いてきたら、…ほら、わかるだろ」

ハルヒ「何よ」

キョン「俺が違う方向かないと、マズイんだ」

ハルヒ「…!」

キョン「…気付いたか」

ハルヒ「ばっ…絶対、ぜーったいこっち向いちゃダメだからね!?」

キョン「くそ、どうなってんだ…」

90: 2010/02/27(土) 17:34:49.14 ID:6d173mKCO
長門「徐々に徐々に」

古泉「長門さんが…」

みくる「禁則事項な予感…」

長門「まだまだ」

古泉「はは、見て下さい。二人とも顔真っ赤ですよ」

みくる「堂々とあんな事して、恥ずかしくないんでしょうか」

長門「バカップル」

みくる「確かにそうですねぇ」

古泉「あの…それは長門さんがやってるからじゃ…」

長門「きのせい」

古泉「そんな訳無いじゃないですか」

みくる「きのせいですよ」

古泉「……」

92: 2010/02/27(土) 17:43:50.39 ID:6d173mKCO
キョン「この状況はまずい…」

ハルヒ「な、なんなのよこれ!まさか宇宙人の陰謀とかなんじゃ…!」

キョン「ハルヒ、耳元で騒がないでくれ」

ハルヒ「騒いでない!」

キョン「ぅあ…」

ハルヒ「あ、ご、ごめん」

キョン「長門か…?」

ハルヒ「え?」

キョン「なんでもないぞ」

キョン「…そろそろ、きつくなってきたな、いろんな意味で」

ハルヒ「いろんな…って、例えば?」

キョン「…俺も一介の男子高校生なんだよ」

ハルヒ「!!」

94: 2010/02/27(土) 17:52:41.80 ID:6d173mKCO
ハルヒ「…ん?」

キョン「お?」

ハルヒ「あっ…」

キョン「おお?」

ハルヒ「も、元に戻っちゃった…」

キョン「よかったじゃないか。さ、早く離れてくれ」

ハルヒ「……」

ハルヒ「で、でも!まだ完全にじゃなくて、直ったのは首だけみたいで…」

キョン「首だけ自由に動かせるのか?」

ハルヒ「…そうよ」

キョン「さっきよりはまだいい…か」

ハルヒ「…何で、あんたなんかに抱き着いてなきゃいけないのよ」

キョン「…知らん」

96: 2010/02/27(土) 17:57:03.56 ID:6d173mKCO
長門「……」

古泉「おや?もうやめたんですか?」

長門「やめた。強制的なのはあまりよくない」

みくる「やっぱりそうですよね!」

長門「でも…」

古泉「……」

みくる「……」

長門「何故、今涼宮ハルヒは彼に抱き着いているの?」

古泉「何故って…そりゃ長門さんが」

長門「わたしはもう何もしてない。涼宮ハルヒは完全に自由」

みくる「!!」

古泉「!!」

98: 2010/02/27(土) 18:04:14.90 ID:6d173mKCO
ハルヒ「……」

キョン「まさか、不思議のほうからやってくるとはな」

ハルヒ「あんた、あんまり驚かないのね」

キョン「お前もだろ」

ハルヒ「あたしは、結構驚いたわよ」

キョン「そうか」

ハルヒ「あったかい」

キョン「ん?」

ハルヒ「キョン」

キョン「な、何だよ」

ハルヒ「…ぎゅっ」

キョン「おぅ…く、苦しいって」

99: 2010/02/27(土) 18:10:39.08 ID:6d173mKCO
キョン「ハルヒ?」

ハルヒ「……」

キョン「その、まだ治らないのか?」

ハルヒ「まだまだよ」

キョン「まだまだか」

ハルヒ「もうちょっとで治りそうなの」

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「…ハルヒ」

ハルヒ「……」

キョン「俺、早く治す方法、思い付いたかもしれん」

ハルヒ「…!」

キョン「やってみていいか?」

ハルヒ「…勝手にしなさい」

102: 2010/02/27(土) 18:16:48.96 ID:6d173mKCO
―――
――


キョン「あんま引っ張んなよ」

ハルヒ「ふーんふーんふふーん」

キョン「…やれやれ」

ハルヒ「キョン!ここ寄りましょ!」

キョン「奢りはしないからな」

ハルヒ「分かってるわよっ」

キョン「ならいいんだが」

ハルヒ「ほら早く早く!」

キョン「だから引っ張んなって!」

104: 2010/02/27(土) 18:20:07.62 ID:6d173mKCO
月曜日



キョン「ぅいーす」

古泉「どうも」

みくる「こんにちは」

長門「……」

ハルヒ「……」

キョン「…何やってんだあいつ」

古泉「長門さんとにらめっこ…でしたっけ?」

ハルヒ「……」

長門「……」

キョン「やれやれ…」

古泉「折角ですし、僕達もにらめっこを…」

キョン「サテライトくらって氏ね」

古泉「これは手厳しい」

105: 2010/02/27(土) 18:33:55.45 ID:6d173mKCO
みくる「はい、お茶です」

キョン「ありがとうございます」

ハルヒ「ぷはー!」

長門「……」

ハルヒ「何で笑ってくれないのよ有希ー」

長門「…おもしろくない」

キョン「ぷっ」

ハルヒ「むっ!」

キョン「ははっ!おもしろくないってよ、ハルヒ!」

ハルヒ「むむぅ…」

古泉「僕には、十分可笑しく見えましたが」

ハルヒ「こ、古泉君!」

古泉「これは失礼。口が滑りました」

106: 2010/02/27(土) 18:37:44.32 ID:6d173mKCO
ハルヒ「みくるちゃん!こうなったら協力よ!協力して有希を倒すの!」

キョン「倒すって…」

みくる「え、えっと…涼宮さん?」

ハルヒ「ほいっ」ムニー

みくる「あふゃあひゃめひぇひゅらひゃぃ」

長門「……」

キョン「おいハルヒ、朝比奈さん嫌がってんだろ」

ハルヒ「みくるちゃんの頬っぺたやわらかーい」ムニムニ

みくる「ぁほゅひゅああむぅ」

キョン「……」

キョン「…ほーら長門。どうだー」ムニムニ

ハルヒ「ふぁ!?ひょっほほんはへはえんい!」

長門「…ユニーク」

キョン「おっ?」

古泉「長門さんが…!」

107: 2010/02/27(土) 18:43:15.97 ID:6d173mKCO
キョン「…やわらかい」ムニムニ

ハルヒ「ぁひゅふあー!」

キョン「はいよ」

ハルヒ「こ、こら!何してんのよあんたは!」

キョン「じゃあお前は朝比奈さんに何をしてるんだ」

ハルヒ「く…」

キョン「どうしたハルヒ?」

ハルヒ「…もういいわよバカー!」

みくる「あ、涼宮さんっ!」

古泉「…困ったものです」

キョン「ほっとけあんな奴。朝比奈さん、大丈夫ですか?」

みくる「…キョン君」

キョン「はい」

みくる「……」

キョン「…あ、朝比奈さん?」

109: 2010/02/27(土) 18:48:11.48 ID:6d173mKCO
キョン「くそ、あいつ何処いきやがった…」

キョン「追いつける気がしない」

ハルヒ「!!」

キョン「お。こんなところに」

ハルヒ「…なんで来たのよ」

キョン「朝比奈さんに行けって言われたんだ」

ハルヒ「……」

キョン「とりあえず、機嫌直せよ、な?」

ハルヒ「嫌よ」

キョン「なっ」

ハルヒ「嫌ですよーだ」

キョン「頼むよ」

ハルヒ「キョンなんかみくるちゃんといちゃついてればいいんだわ。もう知らないもん」

キョン「……」

キョン「…命令その4!!」
ハルヒ「…!」

111: 2010/02/27(土) 18:52:52.63 ID:6d173mKCO
ハルヒ「あ、あんた、まだそれ…っていうか、命令は三つまでって…」

キョン「お前が五つがいいって言ったんじゃないか」

ハルヒ「それは…あたしが勝って、あたしが命令する立場だったから、」

キョン「その命令権は今俺に移ったんだろ?じゃあいいじゃないか」

ハルヒ「よくない!」

キョン「命令その4」

ハルヒ「っ…!」

キョン「機嫌を直せ…って言っても無理だろうからな。よし、決めたぞ」





キョン「付き合ってくれ」

115: 2010/02/27(土) 18:58:03.51 ID:6d173mKCO
ハルヒ「つ、つっ付き合う?」

キョン「ああ」

ハルヒ「えっ…と、付き合う…付き合うって事は…」

ハルヒ「い、いやいや違うわ!そんな訳無い!だってこいつはバカキョンで…」

キョン「おーい」

ハルヒ「キョンッ!」

キョン「ぅお、な、なんだよ」

ハルヒ「…どこに?」

キョン「へ?」

ハルヒ「……」

キョン「……」

ハルヒ「……」

キョン「……」

127: 2010/02/27(土) 20:51:19.47 ID:6d173mKCO
キョン「…どこって、そりゃ」

キョン「……」

キョン「どこだっけ?」

ハルヒ「ばか」

キョン「すまん」

ハルヒ「バカキョン」

キョン「すまん」

ハルヒ「…あんたみたいなバカは、あたしみたいなしっかりものがいないとダメね」

キョン「…ああ、そうかもな」

ハルヒ「で?最後の命令は?」

キョン「おい4つ目は…」

ハルヒ「もう時間切れよ」

キョン「……」

129: 2010/02/27(土) 20:55:01.49 ID:6d173mKCO
キョン「じゃあ5つ目の命令」

ハルヒ「はい」

キョン「えーっと、」

キョン「今週末、二人で、で……いや、不思議探索に行こう」

ハルヒ「!」

キョン「遅刻したら、罰金だからな?」

ハルヒ「あ…」

ハルヒ「あったりまえじゃない!」

キョン「よし」

ハルヒ「疲れて道路にキスするぐらいこき使ってやるわ!」

キョン「…間違えてハルヒにキスするかも」

ハルヒ「!!?」

キョン「はは、いちいち反応が面白い奴だな」

ハルヒ「か、からかうんじゃないわよっ!」

132: 2010/02/27(土) 21:03:23.76 ID:6d173mKCO
―――
――


古泉「仲直りは出来たんですか?」

キョン「仲直りもなにも、最初から俺とハルヒは仲良しだ。な、ハルヒ?」

ハルヒ「キモい事言ってんじゃないわよアホキョン!」

キョン「ぅわやめろバカ!こっち来んな!」

古泉「仲が良さそうで何よりです」

みくる「キョン君がまた襲われてますよ」

長門「またやってんのかあいつら」

ハルヒ「もう離さないわよっ」

キョン「こら!くっつくな!っていうかひっつくな!」

古泉「嫌そうには見えないんですが?」

キョン「古泉。お前は黙ってろ」




オチ無しおしまいいぃぃぃいー

133: 2010/02/27(土) 21:04:25.25 ID:6d173mKCO
妄想だだ漏れの書き溜めがあったから投下しました。後悔はしていない

なんかこう…ハルヒとキョンがこう…性的な意味じゃなく、密着してるのって俺的にすごくいいと思うんだがお前らどうよ

139: 2010/02/27(土) 21:27:18.52 ID:vCs0eDDc0

引用: キョン「やめろって!おいバカ!」