154: 2016/02/11(木) 00:50:35.98 ID:I+HapyAJ0


最初:駆逐戦隊!ショキカンジャー!!
前回:第二話「変身したい!」


第三話「武器がほしい!」

ショキカンジャー本拠地にて

吹雪「はい、それでは、第三回ショキカンジャー会議を始めます」

パンパカパーン

吹雪「漣ちゃん。それ愛宕さんに怒られるからやめて」

漣「ちぇー」

電「それで、今日は何を話し合うのです?」

吹雪「前回、私たちの仮説が正しいことが実証されました」

五月雨「戦隊らしく戦えばいいっていうのだね」

吹雪「しかし、敵も幹部みたいな人が現れて、油断はできなくなりました」

吹雪「これから先、もっと戦いは厳しくなるでしょう」

吹雪「そこで、さらなる戦力増強をしたいと思います」

叢雲「さらなる戦力、ねぇ…」
海の画集 -「艦これ」公式イラスト集-

155: 2016/02/11(木) 00:51:21.06 ID:I+HapyAJ0
漣「…ありゃ?叢雲ちゃん。いつものアレはどうしたの?」

叢雲「アレって?」

漣「ああ!」

叢雲「そういうのいいから」

漣「ほら、あの槍みたいなやつ」

叢雲「ああ、あれ?今日は部屋に置いてきたわよ」

電「そもそもあれって、何に使うのです?」

五月雨「艦隊戦じゃ使わないよね」

叢雲「あ、あれは、その…」

156: 2016/02/11(木) 00:51:58.03 ID:I+HapyAJ0
吹雪「そういえば、私も知らないな…何なの?あれ」

叢雲「え、ええと、あー…」

漣「…もしかして、ただキャラ付けのためだけにもってるとか?」

叢雲「ち、違うわよ!ただ、最初に支給された装備の中に入ってて…」

叢雲「…なんか、気に入ってるから、持ってるだけで…」

叢雲「…意味なんか、ないわよ…」

四人「…」

157: 2016/02/11(木) 00:52:25.14 ID:I+HapyAJ0
吹雪「…なんか、ごめんね」

五月雨「大丈夫!あれ、かっこいいから!」

電「天龍さんたちも同じようなの持ってるから大丈夫なのです!」

漣「改二になったら消えるしね」

吹雪「こらぁ!漣ちゃん!」

漣「おっと、ごめんごめん。大丈夫、結構いけてるよ!」

叢雲「…みじめだわ…」

158: 2016/02/11(木) 00:52:54.56 ID:I+HapyAJ0
電「あ、今の話で思いついたのですが」

吹雪「ん?」

電「戦力増強のために、武器を作るのはどうでしょう?」

五月雨「武器かぁ…確かにあったほうが良いよね」

漣「確かに戦隊モノでは鉄板ですな~」

吹雪「武器か…そうだね、考えてみよう」

叢雲「はぁ…」

漣「先生ー、まだ叢雲ちゃんがブルーです」

叢雲「丸くなって氏にたい…」

吹雪「む、叢雲ちゃん!気をしっかり持って!」

159: 2016/02/11(木) 00:53:31.09 ID:I+HapyAJ0
吹雪「き、気を取り直して…」

吹雪「武器って言っても色々あるよね」

五月雨「剣、槍、弓…どう使うかで戦い方も変わってくるよ」

電「みなさん、何か使いたい武器はあるのですか?」

叢雲「いや、別に…」

吹雪「思いつかないなぁ…」

五月雨「漣ちゃんはあるの?」

漣「いやー、漣にもないなー」

160: 2016/02/11(木) 00:54:01.54 ID:I+HapyAJ0
叢雲「あら、以外ね。てっきり『これが使いたーい!』って、マニアックなのを出してくるかと思ったわ」

漣「こういうのはイメージが大事だからね。個人の願望だけじゃ決められんのよ」

吹雪「なるほど、イメージか…」

叢雲「そうねぇ…意外と難しいわね」

五月雨「うーん…とりあえず何か案を出してみようか」

五月雨「一人ずつ、メンバーのそれぞれの武器の案を考えてみようよ」

吹雪「そうだね。やってみようか」

161: 2016/02/11(木) 00:54:29.94 ID:I+HapyAJ0
数分後

吹雪「じゃあ、みんな考えた?」

電「はい」

漣「じゃあ吹雪ちゃんから出してー」

吹雪「私?これだよ」

吹雪の案

吹雪  剣

叢雲  槍

漣   弓

電   ハンマー

五月雨 銃

四人「…」

吹雪「えっ、何その反応」

162: 2016/02/11(木) 00:54:55.49 ID:I+HapyAJ0
叢雲「何というか…」

漣「THE☆普通って感じ?」

吹雪「えー!?ひどい!」

五月雨「いや、無難でいいとは思うんだけど…」

電「というか、何で電はハンマーなのです!?」

吹雪「いや、黄色ってパワー系のイメージがあるから…」

叢雲「あと五月雨が銃って…パワーバランスどうなってるのよ」

五月雨「いきなり近代兵器だもんね」

吹雪「ぐっ…実は五月雨ちゃんのはいいのが思いつかなくて…」

五月雨「えー!?」

163: 2016/02/11(木) 00:55:29.87 ID:I+HapyAJ0
吹雪「じゃ、じゃあ次叢雲ちゃんよろしく…」

叢雲「私のはこれね」

叢雲の案

吹雪  ハンドガン

叢雲  ショットガン

漣   アサルトライフル

電   バズーカ

五月雨 スナイパーライフル

漣「バイオじゃねーか!!」

叢雲「いいじゃない強くて」

吹雪「さっき私のにパワーバランスがどうこう言ってたくせにー!」

叢雲「だからバランスはいいじゃない」

吹雪「ハンドガンとバズーカでバランスがいいとは思えないよー!」

電「また電が重そうな武器なのです…」

叢雲「やっぱり黄色はパワー系の…」

五月雨「やっぱりそうなるんだ…」

164: 2016/02/11(木) 00:56:08.84 ID:I+HapyAJ0
吹雪「じゃあ、次、漣ちゃん」

漣「ほいさっさー!」

漣の案

吹雪  槍

叢雲  バックラー(しかも時間操作できる!)

漣   弓

電   銃(マスケット銃)

五月雨 剣

吹雪「ちょっと!漣ちゃんも私のと大差ないじゃない!」

電「この時間操作できるって何なのですか…?」

漣「時間止めたり、巻き戻したり…」

吹雪「めちゃくちゃだよそれ!どういうことなの!?」

165: 2016/02/11(木) 00:56:35.02 ID:I+HapyAJ0
叢雲「あー、吹雪。違うわ」

吹雪「え?」

叢雲「こいつ真面目に考える気0よ」

電「?どういうことなのです?」

五月雨「これってあれだよね…魔法少女だよね」

漣「おや、二人とも知ってたの?」

叢雲「知らなかったらどうするつもりだったのよ…」

166: 2016/02/11(木) 00:57:04.22 ID:I+HapyAJ0
吹雪「よくわからないけど、次、電ちゃん」

電「はいなのです」

電の案

吹雪  スコップ

叢雲  チェーン

漣   鍬

電   スリングショット

五月雨 バット

五月雨「なにこれ革命軍!?」

漣「ちょ、電ちゃん…」

電「?剣とかは危ないので、身近にあるものを武器にしたのですが…」

叢雲「ある意味では一番危険よ、これ」

吹雪「スコップを持ったヒーローは想像できないなぁ…」

漣「実際スコップはかなり強いけどね」

167: 2016/02/11(木) 00:57:38.27 ID:I+HapyAJ0
吹雪「じゃあ、最後に五月雨ちゃん」

五月雨「私のはこれだよ」

五月雨の案

吹雪  メリケンサック

叢雲  ガントレット

漣   トンファー

電   ダガー

五月雨 鉤爪

吹雪「何でそんな超近接武器ばっかりなの!?」

五月雨「いや、なんとなく強そうだったから…」

漣「これはアレですか?漣はトンファーキックすればいいんですか?」

電「トンファーの意味がないのです…」

叢雲「ていうか、私のどっちかっていうと防具じゃない」

五月雨「でも多分殴ったら痛いよ?」

叢雲「そうでしょうけど…」

168: 2016/02/11(木) 00:58:07.94 ID:I+HapyAJ0
吹雪「で、全員の案が出そろったわけだけど…」

五人「…」

漣「思った以上にひどいことになりましたな」

電「みんな案が個性的なのです…」

叢雲「一名を除いてね」チラッ

吹雪「いや、普通っていうけど、結局私のが一番まともじゃん!」

五月雨「いいと思うんだけどなー、メリケンサック…」

吹雪「何でそここだわるの!?」

漣「仕方ない。吹雪ちゃんの案をベースに考えていきまっしょい」

五月雨「それがよさそうだね」

169: 2016/02/11(木) 00:58:50.70 ID:I+HapyAJ0
叢雲「じゃあまず、吹雪の剣から」

漣「ザ・キング・オブ・普通ですな」

吹雪「い、いいじゃん!武器って言ったら剣だよ!」

五月雨「剣っていっても色々あるよ。片手剣、両手剣、刀…」

叢雲「もっというと、グラディウスやフランベルジェ、クレイモアとか…」

電「レイピアやサーベル、ファルシオンなどもあるのです」

吹雪「そこまで考えてないよ!何かみんな武器に詳しくない!?」

漣「いやー、これまだ序の口ですよ」

電「ジャマダハルとかどうなのです?」

吹雪「いいよもう!普通のロングソードで!」

170: 2016/02/11(木) 00:59:19.30 ID:I+HapyAJ0
五月雨「次は叢雲ちゃんの槍だね」

吹雪「あ、これは根拠があるんだよ。ほら、さっきの話の…」

叢雲「…」ズーン

漣「おっと、ここで傷を抉りに来たー!」

電「酷いのです!」

五月雨「なんてタイミング…!」

吹雪「え!?ちょ、ちょっと待って!話を聞いて!」

吹雪「さっきの話のあの武器!あれを利用できるんじゃないかと思って!」

吹雪「あれをベースに武器を作れば、あれにも意味ができるよ!」

叢雲「…意味が…できる…?」

171: 2016/02/11(木) 00:59:47.40 ID:I+HapyAJ0
電「そ、そうなのです!ずっと持ってる物ですから、叢雲さんも愛着があるでしょうし!ちょうどいいのです!」

五月雨「そうだよ!きっと、もっとかっこよくなるよ!」

漣「強そう」

叢雲「…」

叢雲「そ、そこまで言うなら…いいわよ」

漣「ちょろい」ニヤリ

吹雪「こらぁ!漣ちゃん!」

172: 2016/02/11(木) 01:00:21.42 ID:I+HapyAJ0
電「次は漣さんの弓なのです」

漣「弓であることに異議はないよ~。漣もそうしたし」

叢雲「いや、あんたのは違うでしょ…」

五月雨「弓って言ってもどんなの?長弓?短弓?クロスボウ?」

漣「長弓とクロスボウは空母の皆さんに怒られそうだからな~」

吹雪「この間みたいな混戦だと、短弓のほうが良いんじゃないかな」

電「その方が扱いやすいと思うのです」

漣「あっちの方は長弓だけどね」

五月雨「いつまで引っ張るの、それ…」

漣「もう絶望する必要なんて、ない!」キリッ

叢雲「ぶっ飛ばすわよ」

173: 2016/02/11(木) 01:01:07.10 ID:I+HapyAJ0
吹雪「次は電ちゃんのハンマー…」

電「しょ、正直うまく扱える自信ないのです…」

漣「確かに黄色と言ったらパワー系だよね」

叢雲「…そういえば、電も武器持ってるじゃない」

四人「え?」

叢雲「ほら、艤装にぶら下がってる…」

五月雨「…もしかして、錨のこと?」

電「あ、あれは違うのです!」

叢雲「そう?雷がそんな感じで持ってるから、てっきり…」

吹雪「あー、確かにそんな感じするねぇ」

漣「あれが振り回せるんならハンマーもいけるんじゃないんですかね」

電「いや、どうでしょう…」

174: 2016/02/11(木) 01:01:36.03 ID:I+HapyAJ0
五月雨「いいんじゃないかな?ハンマー。電ちゃんにぴったりだと思うよ」

電「さ、五月雨さんまで…」

五月雨「だってほら、雷属性といったらハンマーだよ」

電「?どういうことなのです?」

叢雲「もしかしてミョルニルのこと?」

吹雪「ミョルニル?」

漣「北欧神話に出てくる、雷神トールが使ったとされるハンマーだよ」

吹雪「へー、そうなんだ」

電「そ、そもそも電は雷属性じゃないのです!」

叢雲「いいじゃない別に。何か問題あるの?」

電「も、問題はないのですが…」

漣「大丈夫大丈夫。意外といけるって」

電「…まあ、そんなに重くないなら…いいのです」

175: 2016/02/11(木) 01:02:06.38 ID:I+HapyAJ0
漣「最後は五月雨ちゃん、ですが…」

五月雨「ごめん、銃はちょっと…」

吹雪「これは…正直ごめん」

電「いつもの艤装と変わらないのです」

漣「ていうか、漣の弓の意味がなくなっちゃうじゃん!」

叢雲「これは考え直したほうが良いわね」

吹雪「でも何がいいかなー」

電「えっと、他の意見は…」

「スナイパーライフル」「剣」「バット」「鉤爪」

叢雲「…鉤爪使いたいの?」

五月雨「いや、そういうわけじゃなくて…」

漣「ベアクローのほうがよくない?」

五月雨「どっちも似たようなものだよ…」

176: 2016/02/11(木) 01:02:37.45 ID:I+HapyAJ0
吹雪「鉤爪かぁ…武器としてはありだと思うけど」

電「どちらかと言えば、悪役のイメージなのです」

漣「ヒーローで言うとウルヴァリンくらいだもんなぁ」

叢雲「これは保留にしましょう」

叢雲「で、スナイパーライフル…」

漣「却下」

吹雪「結局それ銃だよ…」

電「では、バットは…」

五月雨「バットはちょっと…勘弁かなぁ」

吹雪「ただの不良だよね…」

漣「なら釘バットに」

叢雲「もっとヤバくなるでしょーが」

177: 2016/02/11(木) 01:03:04.91 ID:I+HapyAJ0
吹雪「となると、残ったのは剣か鉤爪…」

電「でも、剣だと吹雪さんとかぶっちゃうのです」

叢雲「そうねぇ…それなら、鉤爪にする?」

五月雨「私はどっちでも…」

漣「…いや、ちょっと待ちんしゃい…」

電「?どうしたのです?」

漣「剣でも、刀ならありなんじゃない?」

五月雨「刀?」

漣「うん。さっき五月雨ちゃん、剣の種類の時、刀っつってたっしょ?」

五月雨「そういえば言った気がするよ」

178: 2016/02/11(木) 01:03:33.38 ID:I+HapyAJ0
漣「吹雪ちゃんは西洋のロングソード。五月雨ちゃんは東洋の刀」

漣「色彩は赤と青。この対比…アリじゃね?」

叢雲「なにがアリなのよ」

電「でも、悪くないと思うのです」

吹雪「うん。いいんじゃないかな」

五月雨「そ、そう?」

五月雨「みんながそういうなら…」

吹雪「よし、これで決定だね!」

電「早速明石さんたちに作ってもらうのです!」

179: 2016/02/11(木) 01:04:33.13 ID:I+HapyAJ0
工廠

夕張「来たか…!武器を作る時が…!」

明石「前回から…待っていた…この時を…!」

五人(相変わらずテンション高いなぁ…)

吹雪「じゃ、じゃあ、お願いしていいですか?」

夕張「もちろんよ。あ、ショキブレスも渡してくれる?ちょっと使うから」

五月雨「え?はい、わかりました」スッ

夕張「あと、叢雲ちゃんは、武器も借りておくわね」

叢雲「ええ、わかったわ」

明石「じゃあ三日くらい待ってね」

電「では、よろしくお願いします」

180: 2016/02/11(木) 01:05:22.22 ID:I+HapyAJ0
五月雨「三日かぁ…その間敵が来ないといいけど」

漣「いやぁ、大丈夫でしょう。こういう時には襲ってこないのがお約束ですから」

叢雲「そんなこと言ってきたらどうするのよ…」

漣「その時はその時ですよ~」

吹雪「さて、じゃあ三日間どうしようか」

電「前回と同じく、異常現象を調べてみるといいのです」

五月雨「えーと、確か…」

・工具がなくなる(解決!)

・屋根裏や床下から変な音

・地響きが聞こえる

・資材がなくなる(提督のせい?)

叢雲「どれから調べてみる?」

電「一番調べやすそうなのは、屋根裏や床下からの音なのです」

吹雪「そうだね、じゃあ…」


う…うぅ…

五人「!!?」

181: 2016/02/11(木) 01:06:15.69 ID:I+HapyAJ0
漣「な、何事!?」

五月雨「あっちの方からうめき声が…!」

吹雪「とりあえず、行ってみよう!」

ダダッ

五人「!?」

五人が行った先で、赤城が倒れていた!


182: 2016/02/11(木) 01:06:43.06 ID:I+HapyAJ0
吹雪「あ、赤城さん!?」

叢雲「どうしたの!?一体!」

赤城「う…み、皆さん…」

電「どうしたのです!?苦しいのです!?」

赤城「ボ…ボ…」

五月雨「ボ?」


赤城「ボーキが…ほしいです…」ガクッ

五人「…」

漣「…とりあえず、空母寮に運ぼうか」

183: 2016/02/11(木) 01:07:10.22 ID:I+HapyAJ0
空母寮

加賀「ごめんなさいね…赤城さんが」

吹雪「い、いいえ、大丈夫です」

電「ボーキサイトが、足りないのですか?」

加賀「そうなのよ…」

加賀「最近、資材が急になくなったりするのは知ってる?」

叢雲「え、あれは司令官が大型艦建造してるからじゃ?」

加賀「それがどうも違うみたいなの…」

加賀「提督が言うには、最近は全く大型艦建造はしてないそうよ」

漣「ほほう。それなのに資材は減る、と」

加賀「詳しいことは提督に聞くといいわ。それじゃあ」

吹雪「は、はい」

184: 2016/02/11(木) 01:08:00.08 ID:I+HapyAJ0
吹雪「うーん、資材が消える、かぁ…」

漣「何とも不思議ですな~」

電「どうやら、これから解決した方がよさそうなのです」

五月雨「でも、何でなくなるんだろう…」

叢雲「ボーキに関しては、空母の誰かが食べてるとか?」

五月雨「誰かって?」

叢雲「…誰でしょうね」

電「とにかく、司令官に聞いてみるのです」

185: 2016/02/11(木) 01:08:29.57 ID:I+HapyAJ0
執務室

吹雪「失礼します」ガチャッ

提督「おっ、お前たちか。どうした?」

電「あの、司令官さんに聞きたいことが…」

提督「ん?何だ?」

叢雲「最近、資材がなくなってることについて聞きたいのだけど」

提督「ああ、そのことか…」

提督「確かに、最近著しく資材が減っている」

提督「遠征を繰り返しても減っていくくらいだ」

五月雨「それは深刻ですね」

提督「おかげで満足に出撃もできん…困ったものだ」

186: 2016/02/11(木) 01:08:55.34 ID:I+HapyAJ0
漣「どんな感じでなくなるんですか?」

提督「普通に倉庫に入れてたら急になくなる。荒らされた形跡はほとんどない」

提督「資材だけがすっと消えるわけだ」

吹雪「倉庫の警備を強化したりは?」

提督「もちろんした。しかし、少し目を離すとアウトだ。すぐに消えてしまう」

提督「いつなくなるかわからないんだ。ずっと気を張ってるわけにもいかんしな」

叢雲「なるほどねぇ…」

提督「今、深海棲艦に攻められたら、満足に迎撃もできないだろう。早急に解決したいのだが…」

吹雪「私たちが調査してみます」

提督「ありがとう。よろしく頼む…」

187: 2016/02/11(木) 01:10:13.88 ID:I+HapyAJ0
電「事態は思ったより深刻なのです」

五月雨「とりあえず、問題の倉庫に行こうよ」

吹雪「そうだね。行ってみよう」


倉庫

ギィッ

???「誰だ!!」

吹雪「うわぁ!?」

長門「…なんだ、お前たちか」

叢雲「な、長門さんか…びっくりした」

188: 2016/02/11(木) 01:10:50.33 ID:I+HapyAJ0
電「倉庫の警備してるのって、長門さんだったのです?」

長門「ああ、そうだ。出撃もないのでな。このように資材を見張っている」

長門「その様子だと、あの話を聞いたようだな」

漣「実際、どうなんですか?」

長門「…正直なところ、どうしようもない…」

長門「私以外にも何人かで見張っているが、やはり限界がある…」

長門「目を離したすきに消えてしまうんだ…燃料ならドラム缶ごと消えてしまう」

189: 2016/02/11(木) 01:11:16.54 ID:I+HapyAJ0
五月雨「そんなことが起きてたなんて…」

長門「そうはいっても、ひどくなったのはここ数日の出来事だ。それ以前は少しずつ減ってただけだからな」

長門「だがしかし、現状は深刻だ…」

長門「提督は皆に配慮して黙っているが、いずれ全員に知られるだろうな…どうにかせねば」

吹雪「…あの、少しお手伝いさせていただいてもいいですか?」

長門「ん?別にかまわんぞ。むしろお願いしたいくらいだ」

長門「では、あっちの方を見張っててくれ」

190: 2016/02/11(木) 01:11:44.07 ID:I+HapyAJ0
漣「うーん、大変なことになってまいりましたな」

叢雲「またあの連中の仕業なのかしら?」

電「そうだと思うのです」

吹雪「とりあえず、実際に見張ってみよう」

五月雨「うん。何かわかるかもしれない」

数分後

叢雲「…」

電「何も起きないのです…」

吹雪「目を離しても変化はなし…か」

漣「そりゃそんな都合よくなくなったりしないよ」

五月雨「ま、まだ始めて数分だし、もうちょっと待とうよ」

191: 2016/02/11(木) 01:12:28.43 ID:I+HapyAJ0
さらに数分後

吹雪「す…す…」

吹雪「スベスベマンジュウガニ…」

叢雲「に…ニシキヘビ」

漣「び…び…」

漣「…」

電「はい、負けなのです」

漣「くぅ~…『び』のつく動物って何だよ…」

電「ビーバーがあるのです」

漣「あー、そっかー!」

五月雨「…」

五月雨(なんか、みんな集中力が切れてる…)

五月雨(ダメダメ!私だけでもしっかりしないと…!)

192: 2016/02/11(木) 01:12:55.23 ID:I+HapyAJ0
さらにさらに数分後

電「では次の問題なのです。フィンランドの首都は?」

五月雨「オスロ!」

電「ぶぶー。正解はヘルシンキなのです。オスロはノルウェーなのです」

五月雨「あー、そうだった!」

漣「じゃあ罰ゲームで、語尾に『にゃん』をつけて自己紹介してください」

五月雨「い、いやだよ~」

吹雪「ほらほら五月雨ちゃん」

叢雲「罰ゲームなんだから」

五月雨「うう…」

五月雨「し、白露型六番艦…五月雨です…にゃん」

四人「ヒュー!」


長門(何をやっとるんだあいつらは…)

193: 2016/02/11(木) 01:13:32.07 ID:I+HapyAJ0
叢雲「…ん?」

気が付くと、近くのドラム缶が一つ消えていた!

叢雲「!ちょ、ちょっとみんな!ドラム缶が消えてる!」

四人「!」

電「ぜ、全然気が付かなかったのです」

吹雪「だ、誰か何か見た!?」

五月雨「いや、何も見えなかったにゃん!」

漣「あ、五月雨ちゃん、もういいよそれ」

叢雲「なるほど…こんなふうに消えるのね」

五人(…でも)

五人(正直、油断してたしなぁ…)

吹雪「…今度は集中しておこう」

194: 2016/02/11(木) 01:14:15.29 ID:I+HapyAJ0
三十分後

漣「…」

漣「…」コクリコクリ

叢雲「寝るな」バシッ

漣「あいたっ」

吹雪「…まあ、そんなすぐには来ないよね」

五月雨「結構待ったけどなぁ…」

電「まだ三十分しかたってないのです」

叢雲「やっぱり、ずっと見張ってるのは大変…」

ザッ

五人「!!」

五人は音のした方を見たが、何もなかった

195: 2016/02/11(木) 01:14:41.35 ID:I+HapyAJ0
吹雪「…確かに、音がしたよね?」

漣「全員聞いたよね…」

五月雨「うん、聞こえた…」

電「誰か、いるのでしょうか…?」

叢雲「でも何も…」

叢雲「…!」

また近くのドラム缶が消えていた!

叢雲「まただ…!またやられたわ…!」

漣「こりゃあ予想以上にやばいですな…」

196: 2016/02/11(木) 01:15:19.68 ID:I+HapyAJ0
長門「どうだ?何かわかったか?」スタスタ

電「あ、長門さん」

五月雨「あの、見張ってるとき、何か音が聞こえたりはしませんか?」

長門「音?」

長門「…やはり、するのか…?」

五人「え?」

長門「実は、たまに聞こえるんだ…足音のようなものが…」

長門「しかし、気を張りすぎて幻聴が聞こえているのだと思ってな…」

長門「音のする方へ行き、いろいろと調べてみたりしたが、やはり何もない…だから気のせいだと…」

長門「だが、他の者たちもそう言うし、お前たちも…なら」

叢雲「誰か、倉庫に入ってきている…?」

長門「そうかもしれない」

197: 2016/02/11(木) 01:16:04.72 ID:I+HapyAJ0
漣「他に何か不可解なことは?」

長門「不可解?そうだな…」

長門「…そういえば、偶然かもしれんが…消える資材は、いつもすぐには手の届かないところにある」

吹雪「手の届かないところ?」

電「そういえば、さっき消えたドラム缶も、他の資材に囲まれていたのです」

長門「ああ。だから尚更不思議なんだ」

長門「何故、簡単に持ち運べるところではないのか、と…」

叢雲「まさか、本当に消えてるとか…?」

漣「いいえ、そんなオカルトありえません」キリッ

長門「消えてるにしても、その理由がわからないことは変わらない。どうにかしなければならないことも、な」

198: 2016/02/11(木) 01:16:37.29 ID:I+HapyAJ0
五月雨「そういえば、夜も警備してるんですか?」

長門「いや、実はな…夜はなぜか資材が消えないんだ」

吹雪「え?意外…」

長門「そうだろう。消え始めたころは、夜もある程度警戒していたのだが…」

長門「私たちの疲労もたまってきてな。ある日、夜は思い切って休んでしまったんだ」

長門「しかし翌日見てみると、昨日のままだ。資材は全く減っていなかった」

電「では、今はお昼の間だけ監視しているのです?」

長門「ああ。もっとも、その監視もほとんど意味がないがな…」

199: 2016/02/11(木) 01:17:08.05 ID:I+HapyAJ0
叢雲「夜は誰も倉庫には来ないの?」

長門「そうだな…正直、我々も限界なんだ」

長門「警備は戦艦や重巡で回しているのだが、全員疲労がたまっている」

長門「できれば、かかわりたくないんだ…」

漣「まあ、夜の間に消えないんだったら来ないでしょうな~」

吹雪「…わかりました。いろいろ聞かせてくれて、ありがとうございました」

長門「何、礼には及ばんさ」

長門「お前たちの話は聞いている。頑張ってくれ」

五人「はいっ!」

200: 2016/02/11(木) 01:17:37.81 ID:I+HapyAJ0
吹雪「じゃあ、とりあえず出ようか」

電「そうするのです」

叢雲「…うわっ!」コケッ

漣「え、何やってんの?叢雲ちゃん。何もないところで転んで」

漣「ドジっ子は五月雨ちゃん一人で十分だよ?」

五月雨「ちょ、ちょっと!漣ちゃん!」

叢雲「悪かったわね…」スクッ

叢雲(…何だったのかしら?今の…)

201: 2016/02/11(木) 01:18:04.03 ID:I+HapyAJ0
五月雨「さて、どうしようか?」

吹雪「とりあえず、本拠地に戻って会議を…」

夕張「あー、いたいた!叢雲ちゃーん!」ダダッ

電「夕張さん?」

叢雲「どうしたの?」

夕張「はぁ…はぁ…実は…」

夕張「ごめん!叢雲ちゃんの武器、失くしちゃった!」

五人「え!?」

202: 2016/02/11(木) 01:18:31.66 ID:I+HapyAJ0
漣「な、なんであんな大きい物を…」

夕張「実は、さっきのあなたたちが工廠から出た後のことで…」


夕張『うーん、この槍…どう改造してやろうかしら』←槍を手に持ってる

明石『あ、夕張ちゃん。鋼材が足りないから、倉庫で取ってきてくれない?』

夕張『はーい、わかりました』←槍を持ったまま


倉庫

長門『ん?夕張か…なんだそれは?』

夕張『え?…あら、持って来ちゃった』←槍持って来た

夕張『実はかくかくしかじかで…』

長門『なるほど…わかった。持っていけ』

203: 2016/02/11(木) 01:19:11.55 ID:I+HapyAJ0
夕張『よし、この辺のを持っていけばいいかな』←槍を一旦地面に置く

夕張『よいしょっと…あ、槍どうしよう。両手ふさがっちゃった…』

夕張『まいっか。あとで取りに来よーっと』


夕張『さて、槍を…』

夕張『…』

夕張『…槍が、ない…?』

夕張『えー!?嘘!何で!?』


夕張「それで、長門さんとかいろいろな人に聞いて回ったけど、誰も知らないって…」

夕張「私が出てから帰ってくるまで、誰も出入りしてないらしいし…」

漣「うわぁ…」

吹雪「何で持って来ちゃったんですか…」

夕張「し、仕方ないじゃない!手に持ったままでいると、持っていること自体忘れて行動しちゃうってあるでしょ!?」

五月雨「ああ、消しゴム探してたら手に持ってた、みたいな」

夕張「そうそう、そんな感じ!」

電「流石に槍は気づくと思うのです…」

204: 2016/02/11(木) 01:19:39.39 ID:I+HapyAJ0
夕張「というわけで叢雲ちゃん…ごめんね」

叢雲「…」

叢雲「…別にいいわよ。あれは、別に意味のないものだから…」

電「む、叢雲さん、まだ気にしてたのですか?」

叢雲「い、いやそうじゃなくて…」

夕張「本当にごめんね!代わりと言っては何だけど、いい装備作るから!」

叢雲「気にしなくていいわ。武器、お願いね」

夕張「ありがとう!じゃあ、作業に戻るね!」ダダッ

叢雲「…」

吹雪「…」

205: 2016/02/11(木) 01:20:11.01 ID:I+HapyAJ0
ショキカンジャー本拠地

吹雪「さて、どうしようか…」

漣「うちらにできることはあるのかな~?」

電「前回のようにはいかないのです…」

叢雲「今日みたく、監視に参加してもあんまり意味ないでしょうし…」

五月雨「…じゃあ、夜に行くのはどう?」

吹雪「夜に?」

五月雨「うん。夜にだけ資材が消えないなんて、やっぱりおかしいよ」

五月雨「こっそり夜に行って、覗いてみよう」

叢雲「確かにそうね…やってみる価値はあるわ」

電「じゃあ、決まりなのです」

206: 2016/02/11(木) 01:20:44.06 ID:I+HapyAJ0
その夜

漣「漣の~怖い話~」ピカッ

叢雲「懐中電灯で遊ぶのやめなさい」

漣「その1…夜に出歩いていると、『夜戦…夜戦…』という謎の声が…」

電「それって…」

五月雨「川内さん、だよね…」

吹雪「確かにいつもそんな声がす…」


「夜戦ー!夜戦ー!」


五人「…」

吹雪「…行こうか」

次回:第三話「武器がほしい!」後編