331: 2017/07/30(日) 21:30:51.30 ID:xqhiU0Kd0



最初:駆逐戦隊!ショキカンジャー!!改
前回:第三話「武器がほしい!」後編

第四話「六人目の戦士!?」


鎮守府のとある一角


吹雪「……」

五月雨「……」


二人は変身し、武器を構えて対峙していた


電「二人とも、準備はよろしいのです?」

吹雪「うん」

五月雨「いいよ」

電「では……」スッ

電「始め!!」

ジャキンッ!!
海の画集 -「艦これ」公式イラスト集-

332: 2017/07/30(日) 21:31:24.64 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「はぁっ!!」ブンッ

ガキンッ

五月雨「…!」


吹雪が振り下ろした剣を、五月雨は刀で防いだ!


吹雪「まだまだぁ!!」ガキンガキンッ

五月雨「ッ…!」ガキンガキンッ


吹雪の攻撃を、五月雨は防ぎ続けている!

333: 2017/07/30(日) 21:32:38.75 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「どうしたの、五月雨ちゃん!!この程度じゃ…!」

ガキンッ!

五月雨「…!」グググ…


ザパァッ!

吹雪「!?」バシィッ!


五月雨は刀に水をまとわせ、防いでいた吹雪の剣を弾き飛ばした!


五月雨「やぁー!!」ガキンッ!

吹雪「く…!」グググ

ザバァァァァ!!

吹雪「!!」


五月雨の刀から水があふれだし、吹雪の顔を覆い、視界を奪った!

334: 2017/07/30(日) 21:33:23.17 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「ぐぅ…!」フラッ

五月雨「たぁー!!」ブンッ

吹雪「!!」


ボォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!


五月雨「!!」サッ


吹雪は剣から炎を放射して、五月雨に回避させ、距離をとった!

335: 2017/07/30(日) 21:36:13.02 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「はぁ……はぁ……」

五月雨「……」ジリッ

吹雪「……!」

吹雪「……」グッ

二人「はぁっ!!」バッ!


ボォォォォォォォ!!!! ザバァァァァァァァ!!!!

二人は互いに武器から炎と水を放出した!炎と水がぶつかり合う!


吹雪「うおおおおおお!!!」ダッ

五月雨「はあああああああああ!!!」ダッ


バシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!


吹雪「……」ピタッ

五月雨「……」ピタッ


炎と水がおさまったころ、二人は互いに接近し、武器を突き立てていた……

336: 2017/07/30(日) 21:36:41.18 ID:xqhiU0Kd0
電「はい、そこまでなのです」パンッ

吹雪「いやー、流石だね、五月雨ちゃん」

五月雨「吹雪ちゃんこそ。すごい攻撃だったよ」

電「二人とも、武器の扱いが上手になったのです。訓練の賜物なのです」

吹雪「そうだね。前よりは上手く扱えるようになったかな」

五月雨「でもまだまだだよ。もっと強くならないと……」

電「じゃあ、次は電ともお手合わせお願いするのです」ズシン

二人「……」

電「?どうしたのです?」

吹雪「……二人がかりでいい?」

電「え!?」

五月雨「下手したら殺されかねないし……」

電「ええ!?」

337: 2017/07/30(日) 21:37:09.32 ID:xqhiU0Kd0
電「い、電はまだそんなにうまく扱えないのです!」

吹雪「そうかもしれないけど、破壊力がすごいんだよ……」

五月雨「そのハンマー、結構大きいし……」

吹雪「当たったらひとたまりもないよ」

電「と、とにかく、電ももっと強くなりたいのです!お願いするのです!」ブンブン

吹雪「わかったから振り回すのやめて!」

338: 2017/07/30(日) 21:37:38.67 ID:xqhiU0Kd0
ブンッ ブォンッ 

イナズマノホンキヲミルノデス

ウワッ アブナイ コロサレルッ



夕張「って、あんな感じで訓練してるんですよー」

提督「ふむ……」

提督「ちゃんと頑張ってるみたいだな」

明石「はい。工廠と倉庫の問題も解決してくれましたし」

提督「まああいつらならしっかりやってくれると思ってたがな」

提督「……それで、どうだ?」

339: 2017/07/30(日) 21:38:10.86 ID:xqhiU0Kd0
明石「……はい。あの子たちが『戦隊パワー』と呼んでいるものについてですが……」

明石「先日、それらしきものの観測に成功しました」

提督「マジかよ…………」

夕張「私たちの科学力をもってすればこの程度!」

明石「あの子たちが変身したり、武器を扱ったりすると大きくなるエネルギーがありまして」

明石「もちろんそれは、スーツや武器が持つエネルギーとは別です」

提督「『戦隊パワー』は確かに存在するってことか……」

340: 2017/07/30(日) 21:38:42.21 ID:xqhiU0Kd0
夕張「でも、結局のところその正体についてはわかっていません」

夕張「……それに、不可解な点もあります」

提督「不可解な点?」

明石「『戦隊パワー』は、あの子たちだけが持つものではありませんでした」

明石「私たちや他の何人かの艦娘にも、同様のエネルギーが観測されました」

明石「……しかし、それはあの子たちに比べると、ずっと低いものです」

提督「……つまり、あいつらの『戦隊パワー』がかなり大きいってことか?」

夕張「そういうことになりますね」

341: 2017/07/30(日) 21:39:11.20 ID:xqhiU0Kd0
提督「しかし、だったらどうしてあいつらだけ……」

夕張「それがわからないから、不可解な点なんですよ」

明石「まあまだデータも少ないですし、他の人にも協力してもらいますよ」

提督「……そうだ、あいつはどうだったんだ?データもう取ったのか?」

明石「あいつ?……」

明石「……あ、忘れてました……」

提督「……おい」

夕張「ご、ごめんなさい……」

342: 2017/07/30(日) 21:39:59.97 ID:xqhiU0Kd0
提督「まあいい。近々データを取らせてもらえ。俺からも言っておく」

明石「じゃ、じゃあこの後ででも」

夕張「今日は彼女、特に出撃とかありませんでしたよね?」

提督「ないけど……この後はやめておけ」

提督「……あいつらと、話をするはずだからな」

343: 2017/07/30(日) 21:40:44.13 ID:xqhiU0Kd0
一時間後


吹雪「つ、疲れた……」クタッ

五月雨「やりすぎちゃったかも……」クテッ

電「い、今敵が来たら勝てないかもしれないのです……」ヘナヘナ

吹雪「とりあえず、訓練はここまでにして、本拠地に戻ろう」

五月雨「そうだね……あれ?」

五月雨「そういえば、叢雲ちゃんと漣ちゃんは?」

電「本拠地で特殊訓練するって言ってたのです」

吹雪「え?何だろう……」

五月雨「今戻ったら、何してるか見れるかな」

電「じゃあ、帰るのです」

344: 2017/07/30(日) 21:41:12.04 ID:xqhiU0Kd0
ショキカンジャー本拠地


叢雲「……」

漣「……」


本拠地に戻ると、二人はちゃぶ台を挟んで真剣な表情をしていた
それを吹雪たち三人は、扉からこっそり見ていた


電「はわわ……すごい剣幕なのです」

五月雨「も、もしかして喧嘩?訓練は?」

吹雪「……ん?あれって……」


叢雲「……行くわよ、漣」

漣「どうぞ……どこからでもかかって来い!」



叢雲「私のターン!ドロー!」シュッ

三人「!!?」

345: 2017/07/30(日) 21:41:46.52 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「ジャンク・シンクロンを召喚!」

叢雲「ジャンク・シンクロンの召喚に成功したとき、墓地からレベル2以下のモンスターを特殊召喚できる!」

叢雲「蘇れ、スピード・ウォリアー!」バッ

叢雲「さらに、チューナーモンスターがフィールドにいるとき」

叢雲「墓地のボルト・ヘッジホッグを特殊召喚できる!」バッ

叢雲「レベル2のソニック・ウォリアーに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!」

叢雲「集いし星が、新たな力を呼び起こす!光さす道となれ!」

叢雲「シンクロ召喚!いでよ、ジャンク・ウォリアー!」バッ

漣「ここで、ジャンク・ウォリアーだと!?」

346: 2017/07/30(日) 21:42:45.19 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「ソニック・ウォリアーがシンクロ……」

漣「はい、ここで『デモンズ・チェーン』を発動します」ペラッ

叢雲「えっ」

漣「ジャンク・ウォリアーさんは効果を無効にされ、攻撃できません」

漣「よって攻撃力2300のままです」

叢雲「……」

叢雲「……ターンエンド……」

漣「はい、漣のターン、ドロー」シュッ

漣「レッド・デーモンズ・ドラゴンでボルト・ヘッジホッグを攻撃!」

漣「アブソリュート・パワー・フォース!」

叢雲「う、うわあああああああああ!!」900→0

347: 2017/07/30(日) 21:43:12.23 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「ど、どうしてアニメと同じようにいかないのよ……」シクシク

漣「そりゃあ、勝つためにはアニメ再現ばかりはできませんからなぁ」

漣「展開するのに、伏せカードを除去してないのが悪い」

漣「あと、再現のためにボルヘジを攻撃表示にしておくのもいけませんな」

叢雲「くっ……もう一回よ!今度はクェーサー出してやるんだから!」

漣「はいはい」


吹雪「……何やってんの?」

叢雲「!!み、みんな……!これは……」

五月雨「まさか、一時間以上……」

電「遊戯王で遊んでたのです?」

漣「い、いやこれは、頭のトレーニングを……」

叢雲「そ、そうよ!遊戯王は結構頭を使うのよ!?」

三人「……」ジトッ

漣「そんな目で見ないでぇ……」

叢雲「くぅ……!」

348: 2017/07/30(日) 21:44:16.59 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……あ、いけない。もうこんな時間だ」

電「?どうしたのです?」

吹雪「司令官に呼ばれてたんだった。みんなも来て」

五月雨「うん、わかった」

叢雲「……」

漣「……」

吹雪「はーい、二人も来てねー」グイッ

叢雲「……」ズルズル

漣「……」ズルズル

349: 2017/07/30(日) 21:44:54.41 ID:xqhiU0Kd0
執務室


吹雪「失礼します」ガチャッ

提督「ん、来たか」

五月雨「何の御用でしょうか?」

提督「……お前らが闘ってる敵……『秘密結社ディープマリン』と名乗ったんだよな?」

電「はい、そうですが……」

提督「……その名前を知っている者がいた」

五人「!!」

350: 2017/07/30(日) 21:45:29.08 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「そ、それって誰!?」

提督「大井だ」

漣「……はい?」

提督「大井がそのことについて知ってるそうだ」

五人「……!?」

提督「な、何だその顔は」

叢雲「いや、だって……」

提督「まあ、正直俺も意外だった。情報通の青葉なら知ってるかもしれん、くらいに思っていたが」

提督「まさか大井がなぁ……」

吹雪「でも、どうして大井さんが……」

提督「詳しいことは本人に聞くといい。今日は出撃の予定は入ってないから鎮守府にいるだろう」

五月雨「はい、わかりました……」

351: 2017/07/30(日) 21:46:34.28 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「大井さんが奴らのことを知ってるなんて……」

電「意外なのです」

漣「世の中何があるかわからないね……」

吹雪「とにかく、大井さんを探して、話を聞いてみよう。敵の正体がわかるかも……」

五月雨「……あれ?あそこ歩いてるの……大井さんじゃない?」


大井「……」スタスタ


漣「おお、なんと都合のいい……」

電「早速話を聞いてみるのです」

352: 2017/07/30(日) 21:47:12.02 ID:xqhiU0Kd0
漣「あのー、大井さーん?」タタッ

大井「……あら?あなたたち……どうしたの?」

吹雪「今日は、北上さんは一緒じゃないんですか?」

大井「そうなのよ……今日は北上さんだけ出撃で……」

大井「はぁ……提督め……」ゴゴゴ

電「は、はわわ……」

五月雨「あ、あの、それで、聞きたいことがあるんですが」

大井「……はっ、いけないいけない……」

大井「な、何かしら?」

叢雲「……『秘密結社ディープマリン』について、聞きたいのだけど……」

大井「……!!」

353: 2017/07/30(日) 21:47:56.24 ID:xqhiU0Kd0
大井「……提督から聞いたのね」

電「はい……」

大井「……いいわ。話してあげる」

大井「結構長くなると思うけど、いいかしら」

吹雪「あ、だったら立ち話もなんですから、座れる場所に行きましょう」


ショキカンジャー本拠地


大井「ここ、あなたたちが使ってたのね」

五月雨「ええ、そうです」

大井「……どうして遊戯王が出ているの?」

漣「あ、しまった」

叢雲「片付けてなかったわ……」

354: 2017/07/30(日) 21:48:35.41 ID:xqhiU0Kd0
漣「……はい、片付けましたよー」

吹雪「どうぞ、お座りください」

大井「ええ……」スッ

大井「……それで、何から話そうかしら」

叢雲「まず……あいつらは何者なの?」

大井「奴らは、『秘密結社ディープマリン』……艦娘の壊滅を目論む集団、と名乗ってるわね」

電「前も、そんなこと言ってたのです」

大井「艦娘を壊滅させようとしている理由はわからないけど、あらゆる手段を尽くして襲ってくるわ」

大井「でも、そのやり口は慎重なのか大胆なのかよくわからないわね」

五人(確かに……)

355: 2017/07/30(日) 21:49:01.92 ID:xqhiU0Kd0
大井「奴らに関しては、正直なところ、わかっていないことが多いわ」

大井「ただ、わかっているのは……」

大井「……奴らには、いわゆる『ヒーロー』を模した攻撃が有効……ということよ」

五月雨「ヒーロー……ですか?」

叢雲「戦隊ヒーローじゃなくて?」

大井「それも含めて、よ」

漣「ということは、アメコミヒーローやライダーでもいいと?」

大井「恐らくね」

漣「プリキュアや美少女戦士でも?」

大井「……多分……」

吹雪「漣ちゃん、そこまで」

356: 2017/07/30(日) 21:49:33.43 ID:xqhiU0Kd0
電「でも、どうしてなのです?」

大井「そこまではわかっていないわ……そこが一番の謎なのだけど」

大井「艤装による砲撃とかも、効かないわけじゃない。ただ、戦闘員の足止めくらいにしかならないみたいだけどね」

大井「あと、もう一つ」

大井「その『ヒーロー』を模した攻撃は……誰でもできるわけではないようなの」

叢雲「え?」

大井「以前、ある鎮守府に奴らが現れた時……何人かの艦娘で応戦したわ」

大井「でも、うまく攻撃が通ったのはほんの一握り……その他はやむなく逃走することになったわ」

大井「あなたたちは、どうやらその攻撃が通る者の中に入れたようね」

357: 2017/07/30(日) 21:50:00.62 ID:xqhiU0Kd0
漣「なんというか……ラッキーでしたな」

電「もしダメだったら、全員最初の時点でやられてたのです」

吹雪「でも、どうして少人数しか攻撃が通らないんでしょうか?」

吹雪「そしてなぜ、私たちが……?」

大井「さっきも言ったけど、奴らに関してはわからないことがほとんど」

大井「わかってるのは、『ヒーロー』を模した攻撃が効くこと」

大井「そしてそれは、誰もができるわけじゃないってことだけよ」

358: 2017/07/30(日) 21:50:35.27 ID:xqhiU0Kd0
大井「それと……奴らの姿について」

五人「……!」

大井「あなたたちなら、実際に見たからわかるでしょう」

大井「奴らは深海棲艦とよく似た外見をしているわ」

五月雨「戦闘員のイーたちは駆逐艦に似てるし……」

吹雪「似てるっていうか、頭がそうなってるだけだけどね」

漣「最初に戦った……クウボ?さんだっけ」

電「あの人は空母棲姫によく似てたのです」

叢雲「この間戦ったセンスイは、潜水棲姫に似てたわね」

大井「……」

359: 2017/07/30(日) 21:51:39.18 ID:xqhiU0Kd0
大井「……奴らと深海棲艦……どう関係があるのかはわからないわ」

大井「ただ、私たちの壊滅という目的は一致しているみたいね」

大井「……私が奴らについて知っていることは、これだけよ」

大井「ごめんなさい、あまり役に立てなくて……」

吹雪「い、いえ!いいんです!十分です!ありがとうございます!」

叢雲(なんか、大井さんじゃないみたい……)

360: 2017/07/30(日) 21:52:19.96 ID:xqhiU0Kd0
五月雨「……大井さん。一つ、気になることがあります」

大井「……何かしら?」

五月雨「何故・・・あなたはそんなに知っているんですか?」

大井「……」

大井「それは……」

五月雨「言いたくないことなら、いいんです……ごめんなさい」

大井「いいえ、そうじゃないの」

大井「……少し、思い出したくないことがあったから……」

五月雨「……」

大井「私は、以前……」

大井「奴ら……ディープマリンと戦ったことがあるの」

五人「!?」

361: 2017/07/30(日) 21:52:50.38 ID:xqhiU0Kd0
電「ど、どういうことなのです!?」

大井「あれは……一年前のことね」

大井「私がこの鎮守府に着任する前、別の鎮守府にいたときの話よ」

大井「今、この鎮守府で起きているみたいに……ある時から、異常現象が起きだしたの」

大井「流石に困ったわ……資材や工具が消えたりするんだもの」

大井「今起きているのとは、手口が違うみたいだけどね」

大井「何とかしようと、その原因を調査していったら……」

吹雪「……ディープマリンが、関わっていたわけですね」

大井「……ええ」

362: 2017/07/30(日) 21:53:43.10 ID:xqhiU0Kd0
大井「始めて対峙したときは、かなり追い詰められたわね」

大井「なにせ、艤装での攻撃がほとんど効かないんだもの」

叢雲「なら、どうやって奴らの特性に気が付いたの?」

大井「仲間の一人に、そういう戦隊モノとかがすごく好きな子がいたの」

大井「それで、『敵が戦闘員に見えたから技を叫びながら攻撃してみた』って言ってたわね」

五人「……」

大井「な、何よその表情は」

吹雪「……何か」

五月雨「すごい既視感……」

漣「テヘペロッ」

363: 2017/07/30(日) 21:54:18.07 ID:xqhiU0Kd0
電「それで、どうなったのです?」

大井「その子がいろいろ試してみてね……さっきのことがわかったの」

叢雲「『ヒーロー』を模した攻撃しか通らない……ってこと?」

大井「そうよ」

大井「それで、その場は何とかなったんだけど、奴らは何度も現れた」

大井「どうにかしようとして、大人数で攻撃を仕掛けたりしたんだけど……」

吹雪「もしかして、さっき言ってた、ある鎮守府っていうのは……」

大井「ええ。私が以前いた鎮守府よ」

364: 2017/07/30(日) 21:54:59.28 ID:xqhiU0Kd0
大井「攻撃が通るのはごく少数。だったらその少数にどうにかしてもらうしかない」

大井「そして奴らに対抗すべく……私を含んだ、五人の攻撃が通る子が、討伐隊に選抜されたの」

電「そうだったのですか……」

大井「それで、私たちはあなたたちと同じように『戦隊』として戦ったの」

大井「最初は馬鹿らしいと思ったわ。子供がする遊びみたいなことをして戦うなんて……」

大井「でも、それどころじゃなかった。奴らは、容赦なく私たちを襲ってきた」

大井「馬鹿らしくても、戦うしかなかったのよ」

大井「戦ってるうちに、そんなのどうでもよくなってきたし」

漣「なるほど、毒されたわけですな」

叢雲「やかましいわよ」バシッ

365: 2017/07/30(日) 21:55:31.62 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「でも、攻撃が通る人と通らない人の基準って何なんでしょうか?」

大井「うーん……そうねぇ……」

大井「あの鎮守府にいた工作艦が言うには、何か特別なエネルギーが発生しやすいんじゃないかって」

叢雲「特別なエネルギー?」

大井「ええ。ディープマリンに対抗できるエネルギーがあって、それが発生しやすいのがあなたたちや私たちってこと」

大井「詳しいことは結局わからなかったけどね」

漣「なるほど、ダイノガッツみたいなもんか」

366: 2017/07/30(日) 21:55:57.30 ID:xqhiU0Kd0
五月雨「……でも、一番気になるのは」

電「その戦いの結末、なのです……」

大井「……」

大井「……戦っていくうちに、私たちは少しずつ奴らを追い詰めていった」

大井「あと少し……奴らを壊滅できると思った時に……」

大井「……あいつが、現れた」

吹雪「あいつ、とは……?」

大井「幹部の一人……とんでもない隠し玉よ」

367: 2017/07/30(日) 21:56:32.13 ID:xqhiU0Kd0
大井「奴は、それまでの幹部とは違った。比べ物にならないくらいに強かったわ……」

大井「やられそうになった時……私は、ギリギリのところで奴から逃げてきたの」

叢雲「……他の四人は?」

大井「……」



大井「殺されたわ」

五人「!!」

368: 2017/07/30(日) 21:56:58.56 ID:xqhiU0Kd0
五月雨「そ、そんな……」

大井「……私たちだって、決して弱くはなかったわ。戦いの中で、強くなっていたはず」

大井「でも、奴の力は圧倒的だった。ほとんど、何もできなかったの……」

漣「……」

大井「……あの時の事は、今でも忘れられないわ」

大井「何もできずに、仲間が殺されていく……」

大井「沈んでいくのとは違う、別の恐ろしさを持ったものだったわ……」

369: 2017/07/30(日) 21:57:26.46 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……それから、どうなったんですか?」

大井「……私は、すぐにそのことを報告して、危険を知らせたわ」

大井「とんでもない奴がいる。このままでは皆頃しにされてしまう、と」

大井「でも……それから、ピタリと奴らの動きがなくなったの」

叢雲「動きがなくなった……?」

大井「ええ。それ以来、鎮守府で異常現象も起きなくなったし、奴らが襲ってくることもなくなったわ」

大井「確かに、ずいぶんダメージを与えていたから、奴らは撤退したのかと思ったの」

大井「あわよくば、消えてしまったんじゃないかって思っていた」

大井「……でも、今回……また奴らが現れた」

大井「私の仲間を、無残にも頃した、奴らが……!」ギリッ

漣「……」

370: 2017/07/30(日) 21:58:27.00 ID:xqhiU0Kd0
五月雨「……大本営は、このことについてはどうしているんでしょうか」

大井「調査は行っているそうよ。でも、何もわかっていないみたい」

大井「わかってないことが多いし、無用な混乱を避けるために情報の公開もしていないみたいね」

大井「あれから、他の鎮守府でも何も起きていないし、私が以前いた鎮守府でも何も起きてないんじゃないかしら?」

電「あれ?大井さん、どうしてそこに残らなかったのです?」

叢雲「確かに。攻撃が通る人が限られているなら、何かあった時のために残っておいた方がよかったんじゃないかしら」

大井「そうね。だからしばらく残っていたんだけど……」

大井「奴らの動きがなくなってしばらくしてから、ここに来たわ」

吹雪「それはなぜ……?」

371: 2017/07/30(日) 21:59:20.69 ID:xqhiU0Kd0
大井「……」

大井「……仲間が殺されている中、のこのこ逃げてきた者としては、居づらかったのよ」

五人「……」

大井「一応、去る時に提督に、何かあったら呼ぶよう言っておいたわ」

大井「呼ばれないってことは、何もないってことなんでしょうね」

大井「……私の話は、これで終わりよ」

372: 2017/07/30(日) 21:59:46.02 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……大井さん」

大井「……何かしら」

吹雪「私たちとともに、戦ってくれませんか」

大井「……」

吹雪「話を聞いていて、わかりました。私たちだけでは限界があります」

吹雪「どうか、力を貸してください」

大井「……」

大井「……ごめんなさい」

五人「……!」

373: 2017/07/30(日) 22:00:18.87 ID:xqhiU0Kd0
電「ど、どうしてなのです!?」

叢雲「そうよ!強敵なら、人数が多い方が……!」

大井「……」

大井「……理由は言えないけど、とにかく私は戦えないの」

大井「私は、もう……」

吹雪「で、でも……!」

大井「……」

五月雨「……吹雪ちゃん。もうやめよう」

吹雪「五月雨ちゃん……?」

五月雨「無理強いは良くないよ。何か理由があるんなら、言っても仕方ないよ」

吹雪「……そう、だね……」

大井「……ごめんなさいね」

吹雪「いえ、いいんです……」

374: 2017/07/30(日) 22:00:58.74 ID:xqhiU0Kd0
電「まあ、仕方ないのです」

叢雲「そうね……本人が無理だっていうなら無理強いはできないわ」

叢雲「ショキカンジャーはこの五人で頑張りましょう」

大井「……ショキカンジャー、か……」

大井「偶然かしらね……私が以前やってた戦隊も、ショキカンジャーという名前だったわ」

五人「え!?」

吹雪「漣ちゃん、どういうこと!?」

漣「い、いや、漣はただの思い付きで……」

漣「この鎮守府に最初に着任したのがこの五人だったから……」

大井「私たち五人も、あの鎮守府に初めて着任した五人だったの」

五月雨「……偶然、なんでしょうか?」

大井「……ここまでくると、違うかもしれないわね」

375: 2017/07/30(日) 22:01:26.10 ID:xqhiU0Kd0
大井「じゃあ、そろそろ私は失礼するわ」

吹雪「はい……いろいろ聞かせてくれて、ありがとうございました」

大井「……覚えておきなさい」

大井「あなたたちは、あなたたちが思っている以上に」

大井「氏と隣り合わせだってことを……」


ガチャッ バタン


漣「……」

376: 2017/07/30(日) 22:01:54.38 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……謎は解けるどころか、さらに深まったね」

電「でも、敵が危険だということはよくわかったのです」

五月雨「もっと強くならないといけない……頑張らないと」

吹雪「とりあえず、訓練の続きでもしようか」

電「そうするのです」

叢雲「よし、私も行くわ」

五月雨「……遊戯王はしないよ?」

叢雲「わ、わかってるわよ!」

叢雲「どうやら、遊んでる場合じゃなさそうだからね……」

377: 2017/07/30(日) 22:02:21.39 ID:xqhiU0Kd0
漣「……」

吹雪「……漣ちゃん?」

漣「……ハッ……な、何?」

電「どうしたのです?さっきからあまりしゃべらないのです」

漣「い、いや、何でもないよ」

五月雨「漣ちゃんもする?訓練」

漣「あー……」

漣「……漣はいいや」

378: 2017/07/30(日) 22:03:02.37 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「は?あんた、さっきの話聞いてたの?」

漣「いや、その……」

吹雪「どうかしたの?顔色も悪いし……」

五月雨「もしかして、体調がよくないの?」

漣「……実は、そうで……」

叢雲「……なら、仕方ないわね。早く良くなるのよ」

漣「……ごめん」

電「気にしなくていいのです。では、行ってくるのです」

吹雪「ゆっくり休んでて」


バタン


漣「……」

379: 2017/07/30(日) 22:03:36.51 ID:xqhiU0Kd0
その夜


吹雪「はい、それでは、第四回ショキカンジャー会議を始めます」

五月雨「え?夜に?」

吹雪「まあたまにはいいかなーと」

叢雲「で、何について話すのよ」

吹雪「うん。一つ提案があって」

吹雪「この間、センスイと戦った時の事なんだけど」

吹雪「敵は、あの抜け道を通って倉庫まで来てたってことだよね?」

電「そうだと思うのです」

380: 2017/07/30(日) 22:04:25.80 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「外に出てからも、道は続いていた」

吹雪「ということは、そこをたどって行ったら……」

叢雲「何かわかるかもしれない、ということね」

吹雪「うん。それで、明日にでも調査に行こうと思うんでけど、どうかな?」

五月雨「うーん……でも、危険じゃない?」

電「下手したら、敵陣に飛び込むようなものなのです」

吹雪「そこなんだよね、問題は……」

381: 2017/07/30(日) 22:05:00.91 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「危なくなったらすぐ逃走、で行けば大丈夫かしら……」

吹雪「行くとしたらそうだね。どうしようか?」

五月雨「確かに、何かわかるかもしれないし……行ってみようか」

電「たまにはこちらから攻め込むのもいいと思うのです」

吹雪「漣ちゃんはどう?」

漣「……」

吹雪「漣ちゃん?」

382: 2017/07/30(日) 22:05:29.20 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「まだ体調悪いの?」

漣「いや、そうじゃなくて……」

漣「……うん、そうだね。行ってみようか」

電「大丈夫なのです?」

五月雨「無理はしなくていいんだよ」

漣「いやいや、大丈夫大丈夫。明日にはもう完全回復してると思うし」

吹雪「そう?ならいいけど」

吹雪「じゃあ、今日はここまで。また明日ね」

漣「……」

漣(……うん。きっと、大丈夫……)

383: 2017/07/30(日) 22:06:11.25 ID:xqhiU0Kd0
翌日

五人は、以前センスイと戦った所まで来ていた


叢雲「それにしても、鎮守府の近くにこんなところがあったのね」

電「普段は外に出ないから、知らなかったのです」

五月雨「この道、どこにつながってるんだろう?」

漣「まあ、十分に警戒していこうよ」

吹雪「そうだね。みんな、気を引き締めていこう」


ガサッ


五人「!!」

384: 2017/07/30(日) 22:06:55.20 ID:xqhiU0Kd0
電「な、何なのです……?」ジリッ

叢雲「もしかして、敵……?」チャキッ

漣「……!」

五月雨「吹雪ちゃん、どうする……?」

吹雪「……みんな、抜錨の準備を」

五人「……」

ガサガサッ

叢雲「……何か、来る……!」


シュバッ


五人「!!」



猫「にゃーん」

五人「ズコー!」ドテッ

385: 2017/07/30(日) 22:07:55.64 ID:xqhiU0Kd0
電「ね、猫なのです!?」

五月雨「なんてベタな展開……」

漣「思わず昭和のリアクションをとってしまいましたな」

叢雲「ふぅ……全く、驚かせないでよね」

吹雪「何にしても、ただの猫で良かった」


『……ただの猫かと、思った?』


五人「!?」

386: 2017/07/30(日) 22:08:22.13 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「何!?今の声!!」キョロキョロ

五月雨「どこから……!?」

『ここよ、ここ』

叢雲「……?」

漣「……もしかして」

電「この、猫さんから……?」

猫『そうよ。ショキカンジャーの皆さん』

吹雪「……!まさか、ディープマリン!?」

叢雲「まさか、こいつ自身が……!?」

387: 2017/07/30(日) 22:08:52.33 ID:xqhiU0Kd0
猫『あー、待って待って。それは早とちりよ』

猫『よーく、見てごらん』

五月雨「……あれ?この猫の首輪に……」

漣「小型のスピーカーらしきものが……?」

猫『そう。この猫自体はただの猫』

猫『この声はそのスピーカーから出ているだけよ』

猫「にゃーん」

叢雲「ふーん……」

388: 2017/07/30(日) 22:09:27.63 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「で、あんたは何者なの?」

猫『フフフ……察しはついているんじゃないかしら?』

電「……やっぱり、ディープマリンの方ですか……?」

猫『フフ、そうよ。私はディープマリンの幹部の一人よ』

吹雪「……何のつもりですか」

猫『ちょっとしたお遊びよ。お遊び』

猫『あなたたちがここまで来たから、ちょーっとからかいたくなっただけ』

漣「……」

389: 2017/07/30(日) 22:10:05.52 ID:xqhiU0Kd0
五月雨「……それだけですか?」

猫『フフフ……さーてね』

猫『私を見つけ出せたら、教えてあげる』



「さて、私はいったいどこでしょう?」

五人「!!」


五人の後ろに、何者かが立っていた!


ズガァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!

390: 2017/07/30(日) 22:10:51.82 ID:xqhiU0Kd0
漣「くっ……危なかったぁ……」

吹雪「みんな!無事!?」

電「けほっ……なんとか」

叢雲「すんでのところで避けられたわ」

???「改めて初めまして、ショキカンジャーの皆さん」

コウワン「私は、ディープマリン幹部のコウワン。以後、お見知りおきを」

叢雲「ふん、いけ好かない奴ね」

電「今度は、港湾棲姫にそっくりなのです」

吹雪「やっぱり、深海棲艦と関係が……?」

391: 2017/07/30(日) 22:11:34.93 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「フフフ、あなたたちなかなかやるみたいね」

コウワン「クウボやセンスイがボロボロで帰ってきたから、何かと思ったら……」

コウワン「なるほど、あなたたちがねぇ……」

五月雨「……戦闘員は呼ばないんですか?」

コウワン「フフフ、私はクウボやセンスイとは違うの」

コウワン「私一人で、十分な戦闘力を誇るわ」

叢雲「随分な自信ね」

コウワン「実際に戦ってみたらわかるわ。ほら、早く準備なさい」

漣「やるしか、ないか……」

392: 2017/07/30(日) 22:12:01.50 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「よし、皆行くよ!」

五人「抜錨!!」

カチッ

シュィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン……

五人の体に、スーツが装着されていく!


バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

393: 2017/07/30(日) 22:12:29.80 ID:xqhiU0Kd0
デデッデデー デデッデデーン

吹雪「吹雪レッド!」

叢雲「叢雲ブラック!」

漣「漣ピンク!」

電「電イ工口ー!」

五月雨「五月雨ブルー!」


吹雪「五人そろって!」

五人「駆逐戦隊!ショキカンジャー!!」

バァァァァァァァァァァァァァァン!!!

394: 2017/07/30(日) 22:12:56.82 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「フフフ、どこからでもかかってきなさい」

叢雲「はぁっ!」ブンッ

コウワン「ふんっ!」ブンッ

ガキンッ!
叢雲(……!弾かれた!)

吹雪「えいっ!」ブンッ

ガキンッ!

吹雪「くっ……まだまだぁ!」

ガキンガキンガキンッ!

395: 2017/07/30(日) 22:13:45.76 ID:xqhiU0Kd0
吹雪(駄目だ……全部弾かれちゃう)

吹雪(どうやら、武器は……あの大きな腕)

吹雪(鋭くて、長い爪で防御を……)

ブンッ

吹雪「!!」


ズガァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!

396: 2017/07/30(日) 22:14:29.66 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「吹雪!」

吹雪「はぁ……はぁ……危なかった」

コウワン「あら、残念。避けられちゃった」

吹雪(防御力だけでなく、破壊力も高い……)

吹雪(これは純粋に……強い!)

397: 2017/07/30(日) 22:15:04.61 ID:xqhiU0Kd0
五月雨「やぁー!!」ブンッ

ガキンッ

コウワン「フフフ、何度やっても……」グググ


ザパァッ!

コウワン「!!」ドガッ


五月雨の刀から出た水によって、コウワンの腕は弾かれた!


五月雨(これで、攻撃の隙が……!)

コウワン「甘い!」ブンッ

五月雨「!!」シュバッ


ズガァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!

398: 2017/07/30(日) 22:15:43.82 ID:xqhiU0Kd0
五月雨(あ、危なかった……もう片方の手で、攻撃を……)

コウワン「なかなか面白い技を使うのね……」

コウワン「でもまだまだね。これだけじゃ私を倒すには……」


シュバババッ!!


コウワン「!!」バッ

飛んできた矢を、コウワンは腕でガードした!

漣「……っ」

399: 2017/07/30(日) 22:16:29.28 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「矢……?なかなかだけど、この程度では私は……」

電「えーい!!」ブンッ

コウワン「!?」ガッ


ググググッ


コウワン(なっ……いつの間に……!)グググ

コウワン(……そうか!今の矢は囮!注意をそらして、この子に攻撃させるため……)

コウワン(しかもこの攻撃……重い!)

電「まだ終わりじゃないのです!」グググ


バチバチバチバチィッ !!!


コウワン「ぐっ……!!」

コウワン(電流……!このままじゃ、押し負ける……!)

400: 2017/07/30(日) 22:16:57.87 ID:xqhiU0Kd0
コウワン(でも、もう片方の手で攻撃を……!)スッ

叢雲「させるかっ!!」ドガッ

叢雲が、コウワンの片手を攻撃した!

コウワン「ぐあっ!?」

コウワン「くっ……この!」ブンッ

叢雲「はぁっ!」ガキンッ

コウワン(くっ……片手で抑えてる分、動きが……)

コウワン(……!しまった、両手が、ふさがれている……!?)

吹雪・五月雨「はああああああ!!」ブンッ

コウワン「!!」


ズガァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!


吹雪と五月雨の一斉攻撃が決まった!

401: 2017/07/30(日) 22:17:48.97 ID:xqhiU0Kd0
モクモク……


吹雪「やった!」

五月雨「これで、何とか……」

漣「……?」

漣「!みんな、気を付けて!」

叢雲「え?」

漣「奴が……いない!」

四人「!!?」


土煙が晴れると、そこにコウワンの姿はなかった

402: 2017/07/30(日) 22:18:14.84 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「い、いつの間に!?」

電「攻撃する瞬間までは、確かにいたのです!」


「フフフ……予想以上ね」

五人「!!」

コウワン「こんな早くに、私の奥の手を見せることになるとは思わなかったわ」


コウワンはさっきと全く別の、少し離れた位置に立っていた

403: 2017/07/30(日) 22:18:40.06 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「あんた、どうやって……!」

五月雨「奥の手って、一体……!?」

コウワン「そうねぇ……あなたたちの強さに敬意を表して、教えてあげるわ」

コウワン「おっと、攻撃はしないことね。変身中や説明中に攻撃をすることは禁じられているわ」

吹雪「そうなの?」

漣「そうだよ」

コウワン「どちらにしろ、攻撃は当てられないでしょうけどね」クスクス

叢雲「……」

404: 2017/07/30(日) 22:19:09.30 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「私の姿……さっきまでと、少し違うと思わない?」

電「姿……?」

吹雪「……腕の大きさが、大きくなくて、普通になっている……?」

コウワン「そのとおりよ。これが私の能力。二つのモード自由にを切り替えることができる」

コウワン「さっきまでの腕が大きかった状態は、言うなれば、攻撃力と防御力が強化される状態」

コウワン「そして今の、腕が大きくない状態は、素早く動ける状態、ということよ」

コウワン「今の状態だと、かなりの速さで動ける……目にも止まらない速さ、とでもいうのかしら」

漣「くそー……どっかのフランス人みたいなことを……」

405: 2017/07/30(日) 22:20:18.27 ID:xqhiU0Kd0
五月雨「……しかし、その状態ではさっきのような攻撃や防御はできません」

電「そうなのです。少しでもあなたをとらえることができれば……」

コウワン「……その通りよ。素早さを得る代わりに、防御手段や攻撃手段は失う……」

コウワン「攻撃や防御ができる腕を手に入れれば、動きが遅くなる……」

コウワン「これが、私の能力の弱点かしらね」

吹雪「だったら、そこを叩けば……」

コウワン「でも、私を倒すのは無理ね」

吹雪「いいえ……私たちはあなたを倒します」チャキッ

コウワン「……なら、やってみる?」


シュンッ

吹雪「!!?」

コウワンは一瞬で吹雪に近づいた!

406: 2017/07/30(日) 22:20:52.50 ID:xqhiU0Kd0
吹雪(は、速い!予想以上に!)

吹雪(でも、ここで攻撃すれば……!)

ググググ

吹雪「!!」


コウワンの腕の大きさが元に戻っている!


吹雪(まずい!このままだと攻撃され……)

ズガァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!


吹雪「ぐぁぁぁぁっ!」ズザザザ!

叢雲「吹雪!」

吹雪「ぐ……だ、大丈夫……かすっただけ」

吹雪(駄目だ……こっちが対応するよりも早く攻撃をしてくる!)

407: 2017/07/30(日) 22:21:18.27 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「うーん、残念。避けられちゃったわ」

電「えいっ!」ブンッ

電が背後からハンマーを振り下ろした!


シュンッ


電「うわぁ!?」スカッ

コウワン「フフフ……無駄よ、無駄無駄」

コウワン「あなたたちの攻撃は、もう当たらないわ」

408: 2017/07/30(日) 22:21:57.13 ID:xqhiU0Kd0

コウワン「そして、このまま近づいて……」シュンッ

電「!!」

コウワン「こうやって、攻撃をする!」ブンッ

電「……っ!」


シュバババッ!!

コウワン「!!?」ドガッ


飛んできた矢によって、コウワンの腕が弾かれた!

409: 2017/07/30(日) 22:22:24.07 ID:xqhiU0Kd0
漣「よーし!やらせないよ!」

コウワン(ぐっ……さっきのと威力が違う……!)

コウワン(……あれは……風……?)

漣(風をまとわせたから、スピードも威力も上がってる……これなら、いける!)

叢雲「はぁっ!」ブンッ

コウワン「!!」シュンッ

叢雲「くそっ……逃げられたか」

410: 2017/07/30(日) 22:23:01.85 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「危ない危ない……」

コウワン(……遠距離攻撃な分、その子の武器は厄介ね)

コウワン(避けたり防御したりするには不利だわ)

漣「もう一発……!」ギリギリ

コウワン(……だったら)

ドガァッ! モクモク……

漣「!土煙が……!」

漣「目くらまし……?でも、どうしてわざわざ……?」

411: 2017/07/30(日) 22:23:36.26 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……あれ?」


土煙が晴れると、またしてもコウワンはいなくなっていた


吹雪「消えた……!?」キョロキョロ

電「ど、どこに……!?」

五月雨「……もしかして、逃げた……?」

叢雲「まさか。いくらなんでも……」

五人「……」

412: 2017/07/30(日) 22:24:20.56 ID:xqhiU0Kd0
漣「……出てこないね」

吹雪「本当に逃げたのかな……」

電「だったら、今日はもう帰ったほうが良いのです」

吹雪「そうだね。じゃあ……」



漣「うわぁぁ!?」

四人「!!」


気が付くと、漣はコウワンにつかまれ、巨大な腕で締め付けられていた!

413: 2017/07/30(日) 22:24:55.34 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「フフフ、まずはあなたから始末させてもらうわ」ギリギリ

漣「ぐ……ど、どうして……!」

コウワン「すこーし、隠れていただけよ……あなたたちが油断するまでね」

コウワン「簡単に引っかかってくれて、感謝するわ」

コウワン「あなたは武器が遠距離武器で、少し位置が離れていたから、狙いやすかったわね」

漣「ぐ……あ……」

コウワン「さて、このまま握りつぶして……」グググ

コウワン「……頃してあげるわ」

漣「……!」

414: 2017/07/30(日) 22:25:27.62 ID:xqhiU0Kd0
漣(殺……され……)



叢雲『……他の四人は?』

大井『……』

大井『殺されたわ』


大井『……覚えておきなさい』

大井『あなたたちは、あなたたちが思っている以上に』

大井『氏と隣り合わせだってことを……』


漣「う、うわあああああああああ!!」

415: 2017/07/30(日) 22:25:56.34 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「はああああああ!!」ブンッ

コウワン「!!」


ガキンッ!

コウワンは漣を握っていない方の腕で防御した!


吹雪「漣ちゃんを……離せぇ!!」グググ

コウワン「くっ……もう来たのね」

五月雨「吹雪ちゃん!」

吹雪「!」バッ

五月雨「やぁー!」ザパァァ!


五月雨は水を放出し、コウワンの体のみを濡らした!

416: 2017/07/30(日) 22:26:34.76 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「!?な、何のつもり!?」

五月雨「よーし、電ちゃん!」

電「はいなのです!」ブンッ

コウワン「!!」

ガッ

電「そしてこれを!」


バチバチバチバチィッ!!!!!


コウワン「ぐあああああっ!」

コウワンに電流が流れる!たまらず、コウワンは漣から手を離した!

417: 2017/07/30(日) 22:27:40.84 ID:xqhiU0Kd0
漣「う……」ドサッ

叢雲「漣!大丈夫!?」ガッ

漣「……」

叢雲「くっ……」

吹雪「よーし、撤退!てったーい!」


ダダダダッ


コウワン「……」

コウワン「……フフフ、今日の所は逃がしてあげるわ」

コウワン「でも……」

コウワン「……次は、ないわよ?」