233: 2017/07/03(月) 01:48:46.33 ID:V2+mAmNi0


最初:駆逐戦隊!ショキカンジャー!!改
前回:第三話「武器がほしい!」前編


「じゃあ、そろそろずらかるイー!資材は全部運んだかイー?」

「大丈夫だロー。さっさと帰るロー」


吹雪「!これ、出口に来ちゃうんじゃない!?」

電「ま、まずいのです!今見つかったら……!」


シーン


叢雲「……来ないわね」

吹雪「あれ?」

五月雨「音もしなくなったよ」

漣「どこから帰ったんでしょうな?」

五人「……」

吹雪「……とりあえず、帰ろうか」
海の画集 -「艦これ」公式イラスト集-

234: 2017/07/03(月) 01:49:22.10 ID:V2+mAmNi0
ショキカンジャー本拠地


吹雪「とりあえず、あの話を聞いた限りでの、この事件の考察をまとめてみたけど…」


何故資材が減るのか?

・昼間のうちは資材が見えなくなっているだけ。センスイ?の能力らしい

・夜になると戦闘員たちが見えなくなった資材を運び出す


何故このような手段を?

・夜に必要以上に奪ってしまうと、警備を強化されてしまうため、昼に見えなくした分しか奪わない

・夜に警備されると、十分に奪えない(今回のようにのびのびと奪えない?)

・普通では手の届かない範囲しか資材を見えなくしない(すぐに手が届くとバレる)


何故昼に資材を見えなくする必要があるのか?夜に奪うだけではだめなのか?

・夜を中心に警備されてしまうから。昼は普通に人の目があるためどのみち奪えない

・精神攻撃も兼ねていると思われる。疲弊させることに目的が?(夜の警備をさせないため?)

235: 2017/07/03(月) 01:49:56.07 ID:V2+mAmNi0
五月雨「見えなくする能力か……」

叢雲「この間の空母棲姫みたいなやつの、『操る能力』と同じね」

電「資材が消える原因はわかったのです。でも……」

漣「奴らは、どこに消えたんでしょうな?」

吹雪「それなんだけど……普通の出入り口とは違う、あの人たちが使ってる出入り口が倉庫のどこかにあるんじゃないかな」

吹雪「そこに資材を運んで行って、そこから帰る……」

電「でも、それどこにあるのです?」

叢雲「資材を運べるほど大きい出入り口なら、すぐわかると思うけど」

五月雨「それも、見えない能力のせいじゃないかな……?」

漣「?どういうこと?」

五月雨「出入り口も資材と同じように、私たちには見えなくしてるんじゃ……」

吹雪「なるほど、それなら」

叢雲「どちらにしろ、普通の出入り口じゃないでしょうね」

236: 2017/07/03(月) 01:50:25.25 ID:V2+mAmNi0
漣「さて、どうしましょうか?」

叢雲「警備しても無駄、ということがわかったから、長門さんたちには警備を中断してもらいましょう」

電「確かに、かなりお疲れだったのです」

吹雪「待って。それだと、こちらの考えが気づかれるかもしれない」

叢雲「?どういうことよ」

吹雪「私たちがこのトリックに気が付いたことは、相手に知られちゃいけない」

吹雪「知られると、相手に警戒されて、尻尾がつかみにくくなる」

吹雪「資材が消えた先や、謎の出入り口がどこにあるかわからなくなっちゃうかも……」

叢雲「じゃあ、あのまま警備させろっていうの!?」ガタッ

叢雲「私たちのショキブレスが戻ってくるまで、あと三日あるのよ!?それまで……!」

237: 2017/07/03(月) 01:50:53.93 ID:V2+mAmNi0
吹雪「気持ちはわかるよ、よくわかる」

吹雪「私だって、無理はさせたくないよ……」

吹雪「でも……」

五月雨「吹雪ちゃんの言う通りだよ」

五月雨「油断させておいて、一気に畳みかけるのが一番だと思う」

五月雨「……本当に、長門さんたちには申し訳ないとは思うけど……」

叢雲「……そうね。その通りだわ」

漣「珍しく熱いですな、叢雲ちゃん」

叢雲「……別に」

吹雪「……」

吹雪「とにかく、今日はもう遅いし、みんな寝よう」

電「そうするのです」

叢雲「……」

叢雲(なんでかしらね……)

238: 2017/07/03(月) 01:51:19.49 ID:V2+mAmNi0
三日後  工廠


明石「ついにできました!みんなの武器!」

夕張「さ、どうぞどうぞ」ササッ

吹雪「あれ?これ、前と同じショキブレスですよね」

電「武器はどうしたのです?」

明石「まあ、とりあえず変身してください」

五月雨「は、はい」

239: 2017/07/03(月) 01:51:45.29 ID:V2+mAmNi0
五人「抜錨!!」

カチッ

シュィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン……

五人の体に、スーツが装着されていく!


バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!


明石「キター!!」

夕張「変身だーー!!」

叢雲「テンション高っ!」

240: 2017/07/03(月) 01:52:15.37 ID:V2+mAmNi0
電「そ、それで、武器はどうしたらいいのですか?」

明石「ああ、ごめんなさい。通信ボタンの横に、もう一個ボタンが付いてるでしょ?」

吹雪「あ、ホントだ」

明石「押してみて」

漣「こう?」カチッ

ヒュボッ

漣「へぁっ!?」

吹雪「きゅ、急に出てきた……!」

叢雲「前回も思ったけど、この謎技術どうなってるのよ……」

夕張「ふふふ、ヒーローモノの技術に突っ込むのは無粋ですよー」

241: 2017/07/03(月) 01:53:05.25 ID:V2+mAmNi0
夕張「じゃあ、説明するね」

夕張「オーダー通り、吹雪ちゃんが剣、叢雲ちゃんが槍、漣ちゃんが弓、電ちゃんがハンマー、五月雨ちゃんが刀だよ」

明石「私たちの血と汗と涙と欲望と希望をコンクリートミキサーにかけてぶちまけた武器だよ!」

五月雨「お、思った以上に立派な武器ですね……」

明石「やっぱり気合入れて作らないとね!」

夕張「手に持ってる武器は、普通に使ってる分にはただの武器なんだけど……」

夕張「ギミック……特殊な機能を二つほど備えています」

漣「ほほう、二つも!」

明石「共通武器がない分、そのくらいあってもいいかなって」

242: 2017/07/03(月) 01:53:34.70 ID:V2+mAmNi0
夕張「まず一つ目の機能!」

夕張「念じると何かできます」

吹雪「何かって何ですか!?」

夕張「何かっていうのは、それぞれの属性のアレよアレ」

電「属性って何なのです!?」

夕張「属性は属性よ。考えるな、感じろ。OK?」

漣「OK!」ズドン

叢雲「やめなさい」

243: 2017/07/03(月) 01:54:01.18 ID:V2+mAmNi0
夕張「じゃあ吹雪ちゃん。試しに剣に意識を集中させてみて」

吹雪「は、はい」

吹雪「……」


ボォッ!

吹雪の剣が炎をまとった!


吹雪「うわぁ!?」

明石「ははは。すごいでしょ」

叢雲「なにこれ、魔法?」

夕張「いいえ、科学の力です」

漣「かがくのちからってすげー!」

244: 2017/07/03(月) 01:54:31.15 ID:V2+mAmNi0
夕張「こんな感じで出てくるよ。今はまだうまく使えないだろうけど、使いこなすと、もっとすごいことができると思うよ」

五月雨「へぇ……すごいです」

夕張「吹雪ちゃんの属性は炎。叢雲ちゃんは大地。漣ちゃんは風。電ちゃんは雷。五月雨ちゃんは水となっています」

漣「叢雲ちゃんがグリーンだったらマジレンジャーだったんだけどなー」

叢雲「色決めたのあんたでしょうが」

夕張「ちなみにこれを使うと、ショキスーツと同じように、ちょっと体力を奪われちゃうから気を付けてね」

吹雪「ちょ、先に言ってくださいよ!」

夕張「あはは、ごめんごめん」

245: 2017/07/03(月) 01:55:02.83 ID:V2+mAmNi0
電「それで、もう一つの機能は何なのです?」

明石「ああ、うん。その前に……」

明石「その武器、船のパーツがモチーフになってるんだよね」

五月雨「え、そうなんですか?」

夕張「うん。叢雲ちゃんの槍がそんな感じだったから、それを参考にね」

叢雲「へぇ……それぞれ何がモチーフなの?」

夕張「それは……この武器名一覧を見ればわかる!」ドドン


吹雪 『ブリッジソード』

叢雲 『マストランス』

漣  『デッキアロー』

電  『アンカーハンマー』

五月雨『キールブレード』


吹雪「え、これ武器名ですか?」

夕張「そーよ」

電「意外と安直なのです」

漣「いやあ、武器名って言うのはこのくらいわかりやすいのが良いんだよ」

246: 2017/07/03(月) 01:55:29.67 ID:V2+mAmNi0
五月雨「要するに、それぞれ艦橋、マスト、甲板、錨、竜骨がモチーフなんですね」

夕張「そうそう、そういうこと」

明石「それで、もう一つの機能って言うのは、そのモチーフっぽい力が使えるようになるんだよ」

吹雪「え、何ですかそれ!?」

夕張「だから考えるな、感じろ」

電「全然わからないのです……」

247: 2017/07/03(月) 01:55:57.72 ID:V2+mAmNi0
明石「じゃあ叢雲ちゃん。ショキブレスのアンカーパーツを取り外してみて」

叢雲「外せるのねこれ……」ガチャッ

明石「んで、槍の柄の部分につけてみて」

叢雲「こう?」ガチャン

明石「その状態だと、そのもう一つの機能が使えるってわけ」

叢雲「へぇ。それで、具体的にはなんなの?」

明石「それは君の目で確かめるんだ!」

叢雲「……は?」

248: 2017/07/03(月) 01:56:23.98 ID:V2+mAmNi0
五月雨「な、何で教えてくれないんですか?」

明石「いやー、説明が面倒で……」

叢雲「……あんたで試してみましょうか?」チャキッ

明石「ひぃっ!?ま、待って!落ち着いて!これあげるから!」ペラッ

叢雲「ん?何よこれ」

叢雲「……説明書?」

明石「うん、五人分全部それにまとめてあるから……」

249: 2017/07/03(月) 01:56:53.92 ID:V2+mAmNi0
電「普通に説明した方が速かったんじゃないのですか?」

明石「でも口で説明しただけじゃわかりづらいでしょ?かといって実践されると危ないし……」

吹雪「さっき私に炎出させたのはいいんですか……」

明石「でもそれなら図入りでわかりやすい!バッチリ!」グッ

漣「じゃあ最初から全部これでよかったのでは?」

夕張「それじゃつまらないじゃない!」ブーブー

明石「そーよそーよ!」ブーブー

叢雲「何その意味不明なわがまま……」

明石「ただまあ……まだ武器が使いこなせてないうちはあんまり使わないほうが良いかな?」

250: 2017/07/03(月) 01:57:20.58 ID:V2+mAmNi0
明石「ちなみにこの武器、しまうにはもう一度ボタンを押すか、変身を解けばいいんだけど」

明石「叢雲ちゃんの武器にやろうとしてたみたいに、元々ある武器をベースにして作ると、そのまましまわれずに残っちゃうわけ」

明石「だから、いちいち持ち運んでないといけないわけで……そういった点ではよかったかも」

叢雲「そうね……別に、気にしてないったら」

吹雪「……」

吹雪「……とにかく、ありがとうございました!大事に使います!」

夕張「うん、後で感想聞かせてね!」

251: 2017/07/03(月) 01:57:47.08 ID:V2+mAmNi0
五月雨「……あ、そうだ。夕張さん、明石さん。これとは別に、作ってほしいものが……」

夕張「ん?何?」



夕張「ああ、それくらいならすぐできるわ」

電「本当ですか?」

明石「多分あれとあれを組み合わせれば……ちょっと待ってね」

吹雪「よし、これで……!」

叢雲「あそこに乗りこめるわね……!」

252: 2017/07/03(月) 01:58:18.21 ID:V2+mAmNi0
倉庫


ギィッ

吹雪「あのー、みなさーん」

長門「ん?どうした?」

五月雨「提督がお呼びなので出てきてくださーい」

長門「提督が?いや、しかし……」

漣「倉庫のことなら大丈夫でーす。しばらく出てもらいますがー」

長門「うーん、まあ、仕方ない……」

253: 2017/07/03(月) 01:58:45.15 ID:V2+mAmNi0
倉庫前


吹雪「はい、じゃあここで待っててくださいね」

長門「ん?提督に呼ばれたんじゃないのか?」

電「ごめんなさい、嘘なのです」

長門「……?」

叢雲「さーて、ぶちのめしてやるわ……」

254: 2017/07/03(月) 01:59:23.77 ID:V2+mAmNi0
「……珍しいわね、警備を放棄するなんて……」

「センスイ様、これはチャンスだと思いますイー」

「あら、いたの?」

「しばらく戻ってこないって言ってたし、昼間ならその辺の少し奪っても大丈夫ですロー」

「ふむ……まあ、いいでしょう。一応、あなたたちも見えなくしてあげるわ」

「ありがとうございますハー」

「じゃあ早速……」


バンッ!!

「!!」

255: 2017/07/03(月) 01:59:50.90 ID:V2+mAmNi0
「も、もう帰ってきたイー?」ヒソヒソ

「動くんじゃないニー!バレちまうニー!」ヒソヒソ

「!しかもあいつら……!」ヒソヒソ

「ショキカンジャーだロー!しかもなんかおっかないの持ってるロー!」ヒソヒソ

「だ、大丈夫だハー。俺たちは見えてないんだハー」ヒソヒソ

「そ、そうだイー。このまま身を潜めていれば……」ヒソヒソ

叢雲「……」ピタッ

(……?どうしてここで立ち止ま)


叢雲「そこかぁーーー!!!」

グサァッ!!

イー「イーーーーーーーーーーーー!!!」

256: 2017/07/03(月) 02:00:17.66 ID:V2+mAmNi0
イー「ど、どうして……」ガクッ

ハー(なんで場所がわかったハー!?見えてないはずじゃ……)

吹雪「そこぉ!!」ズバァッ!

ハー「ハーーーーーーー!!」

ニー(ふ、二人もやられたニー!偶然じゃないニー!)

電「命中……させちゃいます!」ブンッ!

ニー「二ーーーーーーーーーーー!!」

ロー(に、逃げ……)

五月雨「やー!!」ズバァッ!

ロー「ローーーーーーーー!!」

257: 2017/07/03(月) 02:00:46.80 ID:V2+mAmNi0
センスイ(な、なぜ我々の位置がわかる!?あいつらは私の能力で見えていなかったはず!)

センスイ(何者なの!?奴らは!)

漣「お、あそこかー」ギリギリ

バシュンッ!!

センスイ「ヒィッ!?」シュバッ

漣「ちっ、外したか」

センスイ(こ、このままじゃまずい!撤退よ、撤退!)ダダッ

258: 2017/07/03(月) 02:01:13.17 ID:V2+mAmNi0
バタンッ

叢雲「ん、そこが出入り口ね」

吹雪「やっぱり効いたね、このサーモグラフィーゴーグル」

五月雨「見えなくなってるだけだからね」

漣「かがくのちからってすげー」

電「じゃあ、ここから降りればいいのです?」

吹雪「そうみたいだね。降りてみよう」

259: 2017/07/03(月) 02:01:54.60 ID:V2+mAmNi0
カッ……カッ……カッ……


五人「……!」

五人が階段を下りた先には、倉庫以上の広さの地下空間が広がっていた!


叢雲「なんて広さ……」

五月雨「いつのまにこんな……」

漣「資材もちゃんとあるね~」

吹雪「これで資材がどこにあるかはわかったね」

電「じゃあ、あの人を早く追うのです!」

五月雨「でもどこに……」

漣「あ、あっちに抜け道があるよ」

260: 2017/07/03(月) 02:02:29.00 ID:V2+mAmNi0
抜け道をしばらく行くと、外に出た


吹雪「ここは……?」

電「どこなのです……?」

叢雲「まだ鎮守府が見えるから、そう遠くはないわね」

漣「例の採石場にちょっと似てんなー、ここ」

五月雨「あ、見て!」


センスイがさっきとは別の戦闘員を引き連れて逃げていた!

261: 2017/07/03(月) 02:03:14.33 ID:V2+mAmNi0
センスイ「はぁ……はぁ……」

イー「だ、大丈夫ですかイー?」

センスイ「つ、疲れた……これだから行きたくなかったのよ……」

ロー「でもセンスイ様じゃないと透明にはできないですしロー」

ニー「それに例の件に関しても……」

センスイ「そ、そうはいっても……」

262: 2017/07/03(月) 02:03:54.35 ID:V2+mAmNi0
センスイ「とにかく、ここまで来れば……」

吹雪「待ちなさい!」

センスイ「!!」

イー「あ、あいつら追ってきたイー!」

ハー「グヌヌ……さっき別の個体を殺されてしまったハー……!」

センスイ「な、何者なの!?お前たちは!」

吹雪「お、来たよ。名乗れる時が」

漣「よっしゃ、キタコレ!」

263: 2017/07/03(月) 02:04:20.17 ID:V2+mAmNi0
デデッデデー デデッデデーン

吹雪「吹雪レッド!」

叢雲「叢雲ブラック!」

漣「漣ピンク!」

電「電イ工口ー!」

五月雨「五月雨ブルー!」


吹雪「五人そろって!」

五人「駆逐戦隊!ショキカンジャー!!」

バァァァァァァァァァァァァァァン!!!

264: 2017/07/03(月) 02:05:10.71 ID:V2+mAmNi0
センスイ「……そうか、お前たちがショキカンジャー……!」

センスイ「クウボから話は聞いているわ……」

漣「倉庫の資材を奪っていった悪行……許せる!」

叢雲「許してどうするのよ」

漣「あ、間違えた。許せん!」

五月雨「ここで倒させてもらいます!」

センスイ「仕方ない……イー!ロー!ハー!ニー!やっておしまい!」

「イー!」「ロー!」「ハー!」「ニー!」

吹雪「よし……みんな、いくよ!」チャキッ

265: 2017/07/03(月) 02:05:45.28 ID:V2+mAmNi0
イー「イー!!」

吹雪「えいっ!」ズバッ!

イー「グェッ」ドサッ

吹雪「え、何かリアル」

叢雲「喰らえ!!」グサッ!

ロー「うぐぁっ!!」ドサッ

叢雲「何でさっきまでと叫び声違うのよ」

ハー「よくもこいつらを……許せる!」ブンッ

五月雨「あなたもですか……たー!!」ドカッ!

ハー「ぐはぁっ!?な、なんのこれしき……」

五月雨「あ、峰打ちだった」

漣「はーい、五月雨ちゃんどいてー」ギリギリ

バシュンッ!

ハー「ば……ばかな……」ガクッ

266: 2017/07/03(月) 02:06:24.75 ID:V2+mAmNi0
ニー「ひぃ……!こ、殺されるニー!」

電「あ、あの……」

ニー「く、来るな……!お前の武器が一番凶悪だニー!」

電「で、でも……」

ニー「前も油断してやられたニー……今度は油断しないニー!」ジリッ

電「ご、ごめんなさい!」ブンッ

ニー「え?意外とリーチ長……」

グチャッ

ニー「……」

電「は、はわわ……」

267: 2017/07/03(月) 02:06:58.41 ID:V2+mAmNi0
吹雪「……あの、思ったんだけど……」

吹雪「見た感じ、そこまで傷深くないよね!?」

イー「……まあね」ピクピク

ロー「こ、今回はリアルを追及してみましたロー……」ピクピク

ハー「曲がりなりにも、ハーたちは戦闘員……ちょっとやそっとじゃ氏なないハー……」ピクピク

漣「マジかよ」

ニー「……」

漣「あれ?一人氏んでね?」

ニー「……せ、セーフ……」ガクッ

叢雲「アウトよ」

268: 2017/07/03(月) 02:07:29.63 ID:V2+mAmNi0
一方そのころ 倉庫の地下


長門「吹雪の言ったとおり、しばらくしてから来てみたが……何だこれは!?」

陸奥「こんなところに隠してあったのね……」

明石「夕張ちゃん、早くしないと戦闘見逃しちゃうよ!」ダダッ

夕張「ちょっと待ってよー!足は遅いんだからー!」

長門「……何をやってるんだあいつらは」

陸奥「さあ?」

夕張「うぅ……ん?」

夕張「これって……」スッ

明石「ちょっとー!!夕張ちゃーん!?」

夕張「は、はーい!」

269: 2017/07/03(月) 02:07:57.10 ID:V2+mAmNi0
センスイ「くっ……やはりただの戦闘員程度では……!」

叢雲「残るはあんただけね。大人しくなさい」

センスイ「ぐぅ……!」


イーたち「イー!!!!」ワラワラ

遠くから、大量のイーたちが走ってきた!

五月雨「うわぁ、また来た!」

電「この間よりも多いのです!」

270: 2017/07/03(月) 02:08:26.29 ID:V2+mAmNi0
センスイ「よし、よく来た!お前たち!」

センスイ「私の能力で、ステルス攻撃よ!」バッ

イーたち「イーーー!!」シュンッ

叢雲「!!消えた……!」

吹雪「大丈夫!このゴーグルで……!」スチャッ

イーたち「イーーーーーーーーー!!」ダダダ

吹雪「そこっ!!」ズバッ

イーA「イー!!?」ドサッ

271: 2017/07/03(月) 02:08:54.74 ID:V2+mAmNi0
吹雪「大丈夫、問題ないよ!」

漣「一気に攻めろー!!」バシュバシュッ!

イーB「イーーー!!」ドサッ

叢雲「ふんっ!」ズブッ

五月雨「ヤァー!!」ズバッ

電「えーい!」ドゴォ

イーたち「イーーーーーーーーーー!!??」

ドゴォォォォォォォォォォォォン!!!

272: 2017/07/03(月) 02:09:46.05 ID:V2+mAmNi0
センスイ「……なるほど、あのゴーグルが私の能力を無効にしているのね」

センスイ「だったら……!」パチン

イーたち「イー!!」ババッ


イーたちは五人のゴーグルを奪おうとし始めた!


吹雪「うわ!?」

叢雲「ご、ゴーグルが……!この……!」

五月雨「と、取らないでー!」グググ

イーたち「イーーーーーー!!!」バッ

吹雪「ッ!しまっ……」

イーたち「イーーーーー!!」バキッ!


五人はゴーグルを奪われて、壊されてしまった!


電「た、大変なのです……!」

漣「ありゃー、大ピンチ?」

イーC「イーーー!!」ドカァッ!

吹雪「ぐぁっ……!」

273: 2017/07/03(月) 02:10:21.39 ID:V2+mAmNi0
吹雪「くっ……こうなったら!」チャキッ


ボォォォォッ!!

吹雪の剣が炎をまとった!


吹雪「はぁっ!」ブォンッ

イーD「イー!?アチー!!」メラメラ

吹雪「まだまだ!」ブォンッ

イーE「イー!?」ドサッ!

イーF「そ、そんなの反則だイー!!」

274: 2017/07/03(月) 02:10:47.95 ID:V2+mAmNi0
叢雲「やるわね吹雪……私も!」

叢雲「……」

叢雲は武器に意識を集中させた


シーン

が、何も起こらなかった


叢雲「え!?何でよ!」

叢雲「吹雪みたいになんか出るんじゃないの!?」

275: 2017/07/03(月) 02:11:16.03 ID:V2+mAmNi0
漣「んあ?何やってんの叢雲ちゃん?」

叢雲「な、なんか何も起こらないんだけど!」

漣「んー?マジグリーンっぽく地面に武器たたきつけりゃいいんじゃね」

叢雲「え、そういうもんなの?」

漣「そういうもんなの」

276: 2017/07/03(月) 02:11:42.80 ID:V2+mAmNi0
叢雲「な、なんかよくわからないけどやってみるしかないわね!」

イーたち「イー!!!」ワラワラ

叢雲「はああああああああ!!!」ブォンッ


叢雲が地面に槍を突き刺すと、地面に衝撃波が走った!!

ドゴォォォォォォォォォォォォォッ!!!


イーたち「イーーーーーーーッ!!??」

ドガァァァァァァァァァァン!!!


叢雲「地属性って何かと思ったけど、なるほど……こういう感じなのね」

277: 2017/07/03(月) 02:12:08.87 ID:V2+mAmNi0
漣「ほいほいっ!」バシュバシュッ!

電「えーーーいっ!!」ドゴォォォォッ!

五月雨「たぁーーーっ!!」ズバァァッ!


イーG「み、見えてないはずなのにかなりやばいイー……」

センスイ「うろたえるな!お前らのほうが有利なのに変わりない!隙を見てその武器を奪うのよ!」

イーたち「了解ですイー!!」ババッ

吹雪「はぁっ!!」ズババッ!!

イーたち「イーーーーー!!?」メラメラ

278: 2017/07/03(月) 02:12:40.51 ID:V2+mAmNi0
吹雪「そう簡単には……」

叢雲「いかないわよっ!!」ドゴォ!

イー「イッーーーーー!!??」ドサッ

五月雨「くっ……でも」ズバッ!

電「キリがないのです……!」ドゴォ!

漣「しつこーい!!」シュババッ!

センスイ「ふふふ……いいわよ、そのまま追い詰めなさい……!」

279: 2017/07/03(月) 02:13:13.47 ID:V2+mAmNi0
叢雲「……そうだ!まだ機能がもう一つ……」


明石『ただまあ……まだ武器が使いこなせてないうちはあんまり使わないほうが良いかな?』


叢雲「……」

叢雲「……でも、やるしかないわ……!」カチャッ


叢雲は、ショキブレスのアンカーパーツを槍の柄の部分に取り付けた!

280: 2017/07/03(月) 02:13:46.93 ID:V2+mAmNi0
叢雲「はあああああああああああああ!!!」

ブォンッ ブォンッ

叢雲は槍を頭上で回転させている!


イーH「な、なんだイー!?」

シュィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン

回転させていくうちに、叢雲の槍が光を帯び始めた!

センスイ「あれは……何のつもり……!?」

281: 2017/07/03(月) 02:14:42.27 ID:V2+mAmNi0
叢雲(あの説明書によると、私の槍は風を受けることでエネルギーをためることができる!)

叢雲(このエネルギーがたまった状態で、さっきと同じことをすれば……!)


ブォンッ ブォンッ

叢雲「はあああああああああああああああ!!!!」

ブォンッ!!

叢雲は槍を地面に突き刺した!!




叢雲「……!?」

しかし、さっきと同じような衝撃波は発生しなかった……

282: 2017/07/03(月) 02:15:12.17 ID:V2+mAmNi0
叢雲「な!?ど、どうして!?」

センスイ「……ふん、何かと思えば」

イーI「イー!!」ドゴォッ!

叢雲「ぐあっ!?」

吹雪「叢雲ちゃん!!」

イーJ「よそ見してる場合じゃないイー!!」バッ

イーたち「イーーーーーーーーッ!!」ババッ

吹雪「あっ!」

五月雨「うわぁ!?」

電「そんな!?」

漣「ま、まずいねこれは……」


全員、武器を奪われてしまった!!

283: 2017/07/03(月) 02:15:54.42 ID:V2+mAmNi0
センスイ「ホーッホッホッホ!よくやったわ、お前たち!そのまま地面に押さえつけなさい!」

イーたち「イーーー!!」ドンッ!

電「くぅっ!?」

叢雲「ぐっ……!」


そのまま全員、地面に押さえつけられてしまった


センスイ「さーて、どうしてくれようかしら……」

センスイ「このまま頃してもいいけど……何か利用価値あるかしら?」

284: 2017/07/03(月) 02:16:24.50 ID:V2+mAmNi0
吹雪「……あなたたち、いったい何者なんですか!?」

センスイ「私たち?私たちは、秘密結社『ディープマリン』」

センスイ「あなたたち艦娘を壊滅させようと目論む団体よ」

五月雨「ディープマリン……!?」

漣「やっぱり、深海棲艦と関係が……!?」

センスイ「ふふ、どうかしらね」

285: 2017/07/03(月) 02:16:54.73 ID:V2+mAmNi0
センスイ「さて、とりあえず連れて行かせてもらおうかしら」

センスイ「あなたたちの処分については『あの方』に任せるとしましょう」

叢雲「ぐ……」グググ


叢雲は槍に手を伸ばそうとした


センスイ「あら、まだやる気なの?どうせ奪い返せないのに……」

叢雲「まだよ……まだ、アレがうまくできれば……」

センスイ「ふーん……さっきのをまたやろうとしてるわけ?どうしてできなかったのかもわからないくせに?」

叢雲「何ですって……!?」

286: 2017/07/03(月) 02:17:25.57 ID:V2+mAmNi0
センスイ「あなたはあの量のエネルギーを扱える技量を持ってなかったのよ」

センスイ「どうやらまだその武器……上手く使いこなせてないみたいね」

叢雲「ぐっ……」

センスイ「そうね、見せしめに……あんた、それ壊しなさい」

イーI「了解ですイー」グググ


バキィッ


叢雲「……!」

センスイ「ホホホ。いい気味ね」

叢雲「あんたたち……!」ギリッ

287: 2017/07/03(月) 02:18:07.71 ID:V2+mAmNi0
センスイ「じゃ、そろそろ……」


「待ちなさい!」

全員「!!?」

夕張「叢雲ちゃん、受け取って!」ビュンッ!

グサッ!

イーK「イーーーーッ!!?」ジタバタ


夕張が投げたものが、叢雲を抑えていたイーに刺さった!

288: 2017/07/03(月) 02:18:38.28 ID:V2+mAmNi0
叢雲「……!せいッ!」ズボッ ドカッ!

イーK「ぐふぁっ!?」ゴロゴロ

叢雲「!……これ……」


夕張が投げたのは、夕張がなくした叢雲の武器だった


夕張「消えてた資材と一緒にあったの!」

夕張「ピンチみたいだから、使って!」

叢雲「……」

叢雲「ありがとう……」グッ

289: 2017/07/03(月) 02:19:07.62 ID:V2+mAmNi0
──────────

──────

───

五人が鎮守府に着任したてのころ


提督『どうして一人で出撃したりしたんだ!』

叢雲『……悪かったわね』ボロッ

叢雲『解体するならどーぞ。好きにしなさい』

提督『……するわけないだろう』

叢雲『だったら、放っておいてよ』

提督『叢雲、俺は……!』

提督『俺は心配したんだぞ……!勝手に出撃して……沈んだらと思って……!』

叢雲『……』

290: 2017/07/03(月) 02:19:37.19 ID:V2+mAmNi0
提督『……どうして、こんなことを?』

叢雲『……あんたには関係ないでしょ』

提督『あるに決まってるだろ』

提督『お前らはみんな、俺の大事な部下だ……』

提督『そんな奴が、沈む寸前だったんだからな……』

叢雲『……』

叢雲『……訓練だけじゃ、足りないのよ』

提督『……何?』

291: 2017/07/03(月) 02:20:15.42 ID:V2+mAmNi0
叢雲『実戦がないと……強くなれないのよ』

叢雲『私はまだ弱い……それはわかってる』

叢雲『だから、もっと強くなりたかったの』

提督『……』

提督『……それで沈んだら、意味がないだろうが……!』

叢雲『……』

提督『叢雲。お前は一人じゃない。仲間がいるじゃないか』

提督『吹雪も、漣も、電も、五月雨も……俺もだ』

提督『だから、もっと仲間を……』

叢雲『……だから、強くなりたかったのよ……!』

叢雲『仲間を守れるくらい、強く……!』

提督『そのために仲間を悲しませてどうする!!』

叢雲『……っ!』

292: 2017/07/03(月) 02:20:41.95 ID:V2+mAmNi0
提督『……叢雲。お前は艦娘として強くなる前に、まず心を強くする必要がある』

叢雲『心……?』

提督『ああ、心だ』

提督『強い心を持てば、たとえ、力がなくても……』

提督『大切な仲間を、守ることができる』

提督『その心の強さが……本当の強さだ』

叢雲『でも、そんなの……』

提督『……』

293: 2017/07/03(月) 02:21:08.95 ID:V2+mAmNi0
提督『叢雲。これをやろう』スッ

叢雲『……?何よ、これ……』

提督『俺が以前、ある人からもらったものだ。マストをもとにした、槍のようなものらしい』

提督『その時に、今俺がお前に言ったことを言われた……』

叢雲『……』

提督『これを握りしめていると……不思議と、強くなれる』

叢雲『強く……?』

294: 2017/07/03(月) 02:22:06.69 ID:V2+mAmNi0
提督『ああ。果敢に困難に立ち向かい、決してあきらめない、本当の強さを持つことができる』

提督『そして、仲間を守ることができる……』

叢雲『……』

提督『信じるか信じないかはお前次第だ。だが、持っていてほしい』

提督『いつか、俺の言ったことがわかる日が来る……』

提督『そして……』

提督『……いつか、本当の強さを手にすることができるだろう』


──────────

──────

───

叢雲「……」

叢雲「……司令官」

叢雲「……今、わかったわ!!」グッ

295: 2017/07/03(月) 02:22:36.49 ID:V2+mAmNi0
叢雲「はぁぁぁぁ!!」

グサッ!

イーI「イーーーーーー!!??」

叢雲「次ぃ!!」ドガッ!

イーJ「イーーーーーーッ!!」

センスイ「な、何!?」

センスイ「さっきまでと、動きが全然違う……」

イーL「な、何でイーたちの位置がわかるイー!?」

叢雲「あんたたち武器持ってるでしょーが!」グサッ!

イーL「あ、そうか」ゲフゥ

296: 2017/07/03(月) 02:23:03.20 ID:V2+mAmNi0
イーM(い、イーは武器持ってないからバレないイー!後ろから近づいて……)


ザッ

叢雲「!!そこかぁ!!」ズブッ!

イーM「イーーーーーーっ!!?」

イーM(な、なんで……!)

イーM(まさか、足音で……!)

吹雪「す、すごい……」

漣「う~ん、流石切り込み隊長」

297: 2017/07/03(月) 02:23:38.90 ID:V2+mAmNi0
叢雲「……これで、終わりかしら?」

センスイ「そ、そんなバカな……」

夕張「いいわよー!叢雲ちゃん!予備のサーモグラフィーで確認したけど、敵はいないよ!

明石「持ってきてよかったねー」

センスイ「し、仕方ない……こうなったら私が……!」スッ


シュンッ

センスイの姿が消えた!

298: 2017/07/03(月) 02:24:11.69 ID:V2+mAmNi0
叢雲「ふん、馬鹿ね。足音が聞こえた時点であんたをボコボコにしてやるわ」

センスイ「それはどうかしら!?」

ガッ!

吹雪「え!?」

センスイ「そして……!」スッ


シュンッ

吹雪の姿も消えた!


漣「な、吹雪ちゃんが!」

五月雨「まさか、吹雪ちゃんを連れて……!」

電「大変なのです!」

299: 2017/07/03(月) 02:25:08.15 ID:V2+mAmNi0
センスイ「フハハハハ!これで私の位置がわかっても攻撃することはできまい!」

センスイ「私に攻撃したら、お前の仲間に当たるかもしれないからね!」

五月雨「そんな……!」

吹雪「叢雲ちゃん!私に構わず!」

叢雲「くっ……」

センスイ「ホーッホッホ!このままこの子は人質にさせてもらうわ!」ダダッ

叢雲「……」


叢雲「……なんてね」


ポチッ

ピピピピッ

吹雪のショキブレスから通信音が鳴りだした!

300: 2017/07/03(月) 02:25:35.66 ID:V2+mAmNi0
センスイ「ふっ、何かと思えば……音で位置を探るつもりでしょうが、状況は変わらないわ……」

センスイ「このまま……」

ピピピピッ

センスイ「……」

ピピピピッ

センスイ「……」


ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ

センスイ(うるせえええええええええええ!!)

301: 2017/07/03(月) 02:26:20.77 ID:V2+mAmNi0
センスイ(なにこれ、どうやって止めるの!?うるさすぎ!)

センスイ(多分、あの腕輪から鳴ってるから、この子の腕輪をどうにかすれば……)

センスイ(……)

センスイ(しまったああああああ!!これ私にも見えねええええええ!!)

センスイ(これ本当に見えなくするから、私にも見えないのよね……)

センスイ(仕方ない、一旦この子への能力を消して……)パチン

センスイ(ええと……持ちづらいわね、一旦地面において、と)

302: 2017/07/03(月) 02:27:19.19 ID:V2+mAmNi0
センスイ(あ、この点滅してるボタンを押せばいいのかしら?)ピッ

センスイ「よし、止まった!これであとは……」


『よし、止まった!これであとは……』

センスイ「え?」


叢雲「はああああああああああああ!!!」ダダッ

センスイが気が付くと、叢雲が目の前まで来ていた!


センスイ(しまった!!まだこの子を透明にしてな……)


叢雲「吹っ飛びなさああああああああああい!!!」

ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!

センスイ「ちっくしょおおおおおおおお!!覚えてなさあああああああああい!!」ヒューン


キラーン


吹雪「……多分、飛んで行った……よね?」

叢雲「バカで助かったわ」

303: 2017/07/03(月) 02:27:47.09 ID:V2+mAmNi0
吹雪「叢雲ちゃん……ありがとう」

叢雲「いいのよ。礼には及ばないわ」

漣「おーい、二人ともー!」ダダッ

電「無事なのですー!?」

五月雨「叢雲ちゃん、かっこよかったよー!!」

叢雲「よかった……全員無事みたいね」

叢雲「本当によかった……私……」

吹雪「……叢雲ちゃん?」

叢雲「……いいえ、何でもないわ」

304: 2017/07/03(月) 02:28:25.70 ID:V2+mAmNi0
夕張「いやー、よかったよかった。何とか勝てたね」

明石「武器は……今回はあんまり役に立たなかったかな?」

五月雨「いえ、私たちが使いこなせてないみたいですし」

明石「そうだね……こればっかりは頑張ってというしか」

夕張「でも、叢雲ちゃんのそれは大活躍だったね!」

夕張「見つかってよかったよ本当に!」

叢雲「そうね……本当、よかったわ」

305: 2017/07/03(月) 02:28:59.87 ID:V2+mAmNi0
夕張「ところで、それは当初の予定通り改造する?」

叢雲「……あとで、元に戻せる?」

夕張「え?そりゃあできるけど」

叢雲「そう……なら、この戦いが終わるまではお願いするわ」

明石「そっか。あ、あと、さっき話した通り、ずっと持ち歩くことになるけどいいかな?」

叢雲「ええ、構わないわ」

叢雲「むしろ、そっちの方がいいかもしれないから……」

夕張「あら、そう?」

叢雲「……」

306: 2017/07/03(月) 02:29:26.29 ID:V2+mAmNi0
──────────

──────

───

執務室

提督「よう。お手柄だったそうじゃないか」

叢雲「ええ、おかげさまでね」

提督「いいや、お前の強さのおかげさ」

叢雲「……そうね」

提督「……ようやく、わかったみたいだな」

叢雲「……」

叢雲「……一つ聞いてもいいかしら?」

提督「何だ?」

叢雲「どうして……これ、私に渡してくれたの?」

叢雲「他の誰かじゃなくて……」

307: 2017/07/03(月) 02:29:55.07 ID:V2+mAmNi0
提督「うーん、そうだな……」

提督「お前ら五人は、仲間を守りたいという気持ちは皆強かった」

提督「それこそ優劣はつけられないくらい……」

提督「だが、『強くなりたい』と、一番強く願っていたのは、お前だったからな」

提督「だからお前に、『強さ』を与えた」

叢雲「……なんだかわかったような、わからなかったような……」

提督「はは。正直なところ、俺にもよーわからん」

叢雲「はぁ?なによそれ」

提督「まあ気にするな。それより、今日も活動するんじゃないのか?」

叢雲「ああ、そうね。じゃあ、失礼するわ」

提督「ああ」

308: 2017/07/03(月) 02:30:26.82 ID:V2+mAmNi0
提督「……叢雲」

叢雲「何?」

提督「……強くなったな」

叢雲「……」


バタン

309: 2017/07/03(月) 02:31:00.18 ID:V2+mAmNi0
叢雲(私は、もっと強くなる……)

叢雲(単純な力じゃない、本当の強さを手にして……!)

グッ

叢雲「……よし!」

叢雲「ショキカンジャー、ブラックの叢雲!行くわよ!」


第三話「武器がほしい!」 艦

310: 2017/07/03(月) 02:31:29.93 ID:V2+mAmNi0
次回予告!

ヨッシャー!とうとう漣の出番キタコレ!
おっと失敬失敬……
ピンクと言えばお色気担当!実はショキカンジャーのお色気担当は漣なのですよ!
え、全然合わない?んなバカな!
それにしても、戦隊と言えば物語の中盤あたりで人数が増えるのも定番ですね~
でもさすがにこのショキカンジャーにはもう……え?もう一人いる?マジで?

次回、第四話「六人目の戦士!?」
ライディングデュエル、アクセラレーション!

311: 2017/07/03(月) 02:32:24.12 ID:V2+mAmNi0
スペシャルコーナー『ショキカンジャーって?ああ!』
~ショキカンジャーの武器~


漣「さあ今回も始まりました、『ショキカンジャーって?ああ!』のコーナー」

吹雪「またやるんだこれ……」

漣「当然っしょ?毎回やるよこれは!」

叢雲「前回みたいなことにはなりなくないわね……」

電「えっと、今回説明するのは……」

五月雨「新しく手に入った武器、かな?」

漣「その通り。今回はそれについて解説していくよ」

312: 2017/07/03(月) 02:32:54.73 ID:V2+mAmNi0
吹雪「まずは私の剣、ブリッジソードからかな?」

叢雲「モチーフはブリッジ、艦橋ね」

電「剣の柄の部分が艦橋みたいなデザインなのです」

漣「持ちにくそう」

吹雪「いや、そんなゴツゴツしてないから……」

五月雨「……なんか、扶桑さんの艦橋に似てない?」

吹雪「モデルはそうかもね……」

313: 2017/07/03(月) 02:33:35.11 ID:V2+mAmNi0
叢雲「次は私の槍、マストランスね」

電「言わずと知れた、叢雲さんのマスト型の槍なのです」

五月雨「折られた方の槍も、参考にしてたらしいね」

吹雪「ショキブレスの武器ボタンを押すと、全体が特殊合金で覆われるよ」

叢雲「より丈夫に、より鋭くなるってわけね」

漣「一部では剣かもって言われてるらしいけど」

叢雲「え、そうなの?」

314: 2017/07/03(月) 02:34:03.58 ID:V2+mAmNi0
漣「ほい、次は漣の弓、デッキアロー!」

五月雨「弓なのにアローなの?」

漣「いやあ、特撮ではこうなんですよ……」

電「デッキ、つまり甲板がモチーフなのです」

吹雪「特に飛行甲板かな?それっぽい模様が入ってるよ」

漣「形状はプテラアローに似てるよ。矢は普通の弓も撃てるけど、光線状の矢も使えるから撃ち放題」

叢雲「相変わらず謎技術ね……」

315: 2017/07/03(月) 02:34:38.35 ID:V2+mAmNi0
電「次は電のハンマー、アンカーハンマーなのです」

叢雲「モチーフは錨ね。錨の話は出たけど、まさか採用されるとはね……」

吹雪「頭の部分に、錨型のマークが彫られてるよ」

電「思ったより軽くて安心したのです」

漣「どれどれ……ふんっ!?」ズシン

五月雨「……夕張さんが言ってたけど、電ちゃんだけが軽く感じるようになってるらしいよ」

吹雪「それって本当はかなり重いんじゃ……」

316: 2017/07/03(月) 02:35:05.54 ID:V2+mAmNi0
五月雨「最後は私の刀、キールブレードだね」

電「キール……竜骨がモチーフの刀なのです」

吹雪「刀身の側面に、木造の船の竜骨みたいに横向きの筋が何本も入ってるよ」

叢雲「これって鞘とかないの?」

五月雨「え、ないけど……」

漣「……持った状態で近寄らないでね」

五月雨「え!?どうして!?」

317: 2017/07/03(月) 02:35:33.36 ID:V2+mAmNi0
吹雪「それで、私たちの武器にはそれぞれ属性があります」

叢雲「吹雪が炎、私が大地、漣が風、電が雷、五月雨が水ね」

五月雨「私たちは武器に意識を集中させることで、それぞれの属性の物を操ることができるよ」

電「基本的には、武器にまとわせたり、前方に放ったりするのですが……」

漣「叢雲ちゃんだけ仲間はずれ」プププ

叢雲「……まあ、確かに土やら石やらをまとってもしょうがないわよね」

叢雲「私は地面に槍を刺すことで衝撃波を走らせたり、周囲の石を巻き上げたりできるわ」

318: 2017/07/03(月) 02:36:08.62 ID:V2+mAmNi0
五月雨「武器にはもう一つ機能があります。それは、ショキブレスのアンカーパーツを武器に取り付けることで使えるんだけど……」

吹雪「まだ、一度も使ったことないんだよね……」

漣「叢雲ちゃんも不発だったし」プププ

叢雲「……」ギリギリ

漣「ぐええええええ!!ギブギブ!!」バンバン

電「ま、まあ、どんなものかは説明書を読んだので知ってるのです」

漣「ぐっ……まあ、今回の説明は叢雲ちゃんだけで」

叢雲「え?なんでよ」

漣「大人の事情ってやつですよ」

319: 2017/07/03(月) 02:36:38.81 ID:V2+mAmNi0
叢雲「まあいいわ……マストランスは、風を受けることでエネルギーをためることができるわ」

吹雪「振り回したり、回転させたりするのが条件じゃないんだ」

叢雲「そう。でも実質そんな感じのことをしないとうまくたまらないでしょうね」

漣「土属性のくせに風でエネルギーためるって」プププ

叢雲「……」ポカッ

漣「あいたぁ!?」

五月雨「エネルギーが十分にたまったら、槍が光を帯びるよ」

電「そしたら地面に突き刺して衝撃波を走らせてもいいですし、敵に直接攻撃してもいいのです」

320: 2017/07/03(月) 02:37:16.55 ID:V2+mAmNi0
叢雲「……でも、私が失敗したように、これは十分に武器が使いこなせてないといけないわ」

吹雪「鍛錬あるのみ、だね」

五月雨「うん。しっかり使いこなせるようにならないと」

電「頑張るのです!」

漣「いやー、失敗した時の焦ってる叢雲ちゃんの顔、かわいかったなー」プププ

叢雲「……」

321: 2017/07/03(月) 02:37:42.71 ID:V2+mAmNi0
叢雲「……抜錨」

カチッ

シュィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン

漣「……ん?」

漣「あの、叢雲さん……なぜ今、抜錨を?」

叢雲「……」カチャッ

漣「そしてなぜ、アンカーパーツをマストランスに付けたの?」

322: 2017/07/03(月) 02:38:15.37 ID:V2+mAmNi0
叢雲「……あんた、こんな風にマスクしてたのに、あの時の私の顔分かったの?」

漣「え、ええと……」

叢雲「じゃあ……今の私、どんな顔してると思う?」

漣「あ……ええ……」

漣「ものすごく……怒ってらっしゃる顔だと……」

叢雲「へえ、よくわかってるじゃない」

323: 2017/07/03(月) 02:38:53.85 ID:V2+mAmNi0
叢雲「……ねえ漣。成功したらどうなるか……見てみたくない?」

漣「え!?いや、いいです!結構です!」

叢雲「ほら、早く外行くわよ。室内じゃ危ないもの」グイグイ

漣「やめて!助けて!お願いします!許して!」

漣「さ、三人とも助けてよ!」

吹雪「いやあ、そんなこと言われても……」

五月雨「私たちにはどうしようも……」

電「諦めるのです」

漣「そ、そんな……」

324: 2017/07/03(月) 02:39:28.18 ID:V2+mAmNi0
叢雲「安心しなさい。抜錨は許可してあげるわ」

叢雲「ショキスーツがあれば、氏ぬことはないはずだから」

漣「う、うわああああああああああああああああああああ!!!!」



325: 2017/07/03(月) 02:40:40.90 ID:V2+mAmNi0
今日はここまで。次は来週にできたら……いいな
もしかしたらまた二週間後とかになるかもしれません
こんなもの見てくださる方、本当にありがとうございます


引用: 【艦これ】駆逐戦隊!ショキカンジャー!!改