418: 2017/07/30(日) 22:29:20.52 ID:xqhiU0Kd0



最初:駆逐戦隊!ショキカンジャー!!改
前回:第四話「六人目の戦士!?」前編

鎮守府 工廠


吹雪「……明石さん。漣ちゃん、大丈夫ですか?」

明石「入渠させたし、傷はもうないわ」

明石「……ただ」

叢雲「ただ?」

明石「……かなり、精神がやられてるみたいね」

五月雨「精神が……ですか?」

明石「会ってもらえばわかるわ。こっちよ」
海の画集 -「艦これ」公式イラスト集-

419: 2017/07/30(日) 22:29:48.94 ID:xqhiU0Kd0
漣「……」

電「……漣さん。大丈夫なのです?」

漣「……うん。ごめん……みんな、ありがとう……」

吹雪「……どうしたの?」

漣「……」

五月雨「まだ、どこか悪いところが……」

漣「違うよ。もう体のほうは大丈夫……だけど」

漣「……ごめん。みんな……漣は……」


漣「もう、戦えない……」

四人「!!?」

420: 2017/07/30(日) 22:30:35.06 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「な、何言ってるのよ!?」

叢雲「あんたが言い出したことなんでしょ!?」

漣「……ごめん」

叢雲「謝ってほしいわけじゃない!理由を言いなさい!」

漣「……」

叢雲「このっ……!」

五月雨「叢雲ちゃん、落ち着いて!」

叢雲「くっ……」

421: 2017/07/30(日) 22:31:13.57 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……理由、言えないの?」

漣「……」

漣「……怖くなったんだよ」

吹雪「え……?」

漣「……氏ぬのが」

電「氏ぬのが……ですか?」

漣「……大井さんが言ってたよね」

漣「自分たちが思っている以上に、氏と隣り合わせだって」

漣「今日だって、みんなが助けてくれなかったら、氏んでたかもしれない……」

漣「だから……」

422: 2017/07/30(日) 22:31:54.35 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「そんなの、今までだってそうだったでしょ!?」

叢雲「いつ沈むかわからない、戦争をしてきたんだもの!」

叢雲「それを今更……!」

漣「……」

吹雪「……そっか」

吹雪「わかった。漣ちゃん……」

吹雪「あとは私たちに任せて」

叢雲「ちょっと!吹雪!」

吹雪「……五月雨ちゃん。電ちゃん」

五月雨「はーい」ガッ

電「了解なのです」ガッ

叢雲「え!?ちょっ……離しなさいよ!こらー!」ズルズル

423: 2017/07/30(日) 22:33:18.10 ID:xqhiU0Kd0
漣「……ごめんね、吹雪ちゃん」

吹雪「いいよ。……仕方ないよ」

漣「……本当にごめん」

吹雪「いいって。じゃあ、私も行くね」

吹雪「……漣ちゃん」

漣「……」

吹雪「もしも……もしもだけど」

吹雪「また……一緒に戦ってくれるんなら」

吹雪「いつでも……待ってるから」

漣「……」


ガチャッ バタン


漣「……っ」

424: 2017/07/30(日) 22:34:12.78 ID:xqhiU0Kd0
ショキカンジャー本拠地


叢雲「あー、もう!漣の奴、どうしちゃったのよ!」

電「まあまあ。落ち着くのです」

五月雨「でも、困ったよね」

吹雪「あんな状態だと、普通の艦娘としても戦えないよ……」

電「司令官も、困っていたのです」

叢雲「……どうして、今更」

吹雪「うーん、どうしよう……」

五月雨「五人でもギリギリなのに、人数が減っちゃったら……」

叢雲「まあ、負けるでしょうね」

叢雲「またコウワンみたいなやつに会ったら」

425: 2017/07/30(日) 22:34:51.42 ID:xqhiU0Kd0
ショキカンジャー本拠地


叢雲「あー、もう!漣の奴、どうしちゃったのよ!」

電「まあまあ。落ち着くのです」

五月雨「でも、困ったよね」

吹雪「あんな状態だと、普通の艦娘としても戦えないよ……」

電「司令官も、困っていたのです」

叢雲「……どうして、今更」

吹雪「うーん、どうしよう……」

五月雨「五人でもギリギリなのに、人数が減っちゃったら……」

叢雲「まあ、負けるでしょうね」

叢雲「またコウワンみたいなやつに会ったら」

426: 2017/07/30(日) 22:35:28.96 ID:xqhiU0Kd0
コンコン

吹雪「ん?」

五月雨「どうぞー」


バンッ!


曙「叢雲ぉ!あんた、漣に何したのよ!?」

叢雲「は!?な、何で私!?」

曙「このメンバーの中で一番何かしそうなのがあんただからよ!」

叢雲「はぁ!?勘違いも甚だしいわね!」

潮「あ、曙ちゃん落ち着いて……」

電「叢雲さんも落ち着くのです!」

427: 2017/07/30(日) 22:36:26.02 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「そもそも、私たちのせいじゃないんだけど!?」

曙「嘘つけ!青葉さんがそう言ってたわよ!」

曙「あんたたちが漣を工廠に連れて行って、それから漣が落ち込んでるって!」

曙「きっとカツアゲされたって言ってたわよ!」

電「青葉さん……」

叢雲「そ、それは誤解よ!あんた何でそんなのほいほい信じるのよ!あんたバカじゃないの!?」

曙「何だとぉ!?」

叢雲・曙「ガルルル……!」

潮「曙ちゃん、ちょっと……!」グイグイ

電「は、はわわ……」

428: 2017/07/30(日) 22:36:51.55 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「な、何事……!?」


ガチャッ


朧「あー、もう曙ったら……」

五月雨「あ、朧ちゃん。どうしたの?」

朧「ごめんごめん。曙が青葉さんから変なこと吹き込まれて、ここに突撃しに来ちゃった」

吹雪「青葉さん……」

五月雨「……朧ちゃんたちは、漣ちゃんと会ったの?」

朧「うん……」

朧「ついさっき会ったんだけど、落ち込んでたっていうか……怯えてたね、あれは」

朧「で、そのあと青葉さんに会って、曙が走り出して、潮が止めに行って……今に至る」

吹雪「な、なるほど……」

朧「それで、詳しいことは知らないんだけど……何があったの?」

吹雪「うん、実は……」

429: 2017/07/30(日) 22:37:20.87 ID:xqhiU0Kd0
──────────

──────

───

朧「……なるほど」

朧「昨日の夜から様子がおかしかったのはそれか……」

吹雪「え?昨日?」

五月雨「確かに、昨日は体調が悪いって言ってたよね」

朧「うん。そう聞いてたんだけど、やっぱり様子がおかしかったから……」

吹雪「でも、どうして今になって、怖がるようになったのかな」

五月雨「普段の漣ちゃんからは、想像できないよね」

朧「それは、漣は普段はそういうところを絶対に人に見せようとしないから」

朧「普段は明るく振る舞ってるけど、それは不安や恐怖を忘れようとするため」

朧「耐えられないくらいの不安や恐怖があっても、一人で抱え込もうとするんだ」

吹雪「そうだったんだ……」

430: 2017/07/30(日) 22:37:57.37 ID:xqhiU0Kd0
朧「……本当は、漣は人一倍臆病なんだよ。それを隠しているだけで」

朧「沈むことへの恐怖なんかも、本当はすごく強い」

朧「最近はそんなそぶりは見せないけど……以前、綾波姉さんに何かを相談してたりするのは見たなぁ」

五月雨「じゃあ、何で今まではこんなことがなかったの?」

五月雨「漣ちゃんだって、大破したことくらいあるよね?」

朧「うーん……漣じゃないから、本当のことはわからないけど」

朧「多分……そうやって振る舞っているうちに、本当に不安や恐怖を忘れてしまったんじゃないかな」

吹雪「忘れてしまった……?」

朧「うん。この鎮守府で沈んだ艦は今のところいないし、漣自身も今まで何とかなってきたから」

朧「自分が沈むはずがない、氏ぬはずがない……って、無意識のうちに思うようになったんだと思う」

朧「だから、今まではこんなに恐怖を感じることはなかった」

431: 2017/07/30(日) 22:38:25.43 ID:xqhiU0Kd0
朧「でも、今回……大井さんの話を聞いて、その恐怖がよみがえったんだと思う」

朧「そこに追い打ちをかけるように、自分の命への危機が来て……」

朧「そうして、今まで忘れていたものを思い出してしまった……」

朧「本当は、ずっとため込んでたんだと思う。そういった不安や恐怖を」

朧「それが、爆発しちゃったんじゃないかな」

五月雨「……」

朧「朧がわかることはこれぐらいだよ」

吹雪「うん……ありがとう」

432: 2017/07/30(日) 22:38:51.77 ID:xqhiU0Kd0
朧「……あ、そうだ。曙を止めに来たんだった」

吹雪「そうだ!叢雲ちゃんと喧嘩してて……」


曙「覚悟はいい?叢雲……」

叢雲「いいわよ、来なさい」


曙「私のターン!」シュッ

吹雪・五月雨(またか……)

433: 2017/07/30(日) 22:39:18.42 ID:xqhiU0Kd0
曙「くっ……!まさか、クェーサーを出されるなんて……」

叢雲「ふふ、私の勝ちね」

曙「もう一回よ!私のブルーアイズが負けるはずがないわ!」

叢雲「融合もまともにできないようじゃ、無理なんじゃないかしら?」

曙「何だとぉ!?」

曙「もう一回よ!次はマスタールール4やるわ!」

叢雲「うっ!それは……」

朧「はいはい、そこまで。帰ろうねー」ズルズル

曙「あ!?ちょっと、離しなさいよ、朧!」

潮「ご、ごめんね、みんな……!お邪魔しました!」

吹雪「ああ、うん……」


バタン

434: 2017/07/30(日) 22:40:11.97 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「ふん、大したことなかったわね!」フンス

三人「……」ジトッ

叢雲「な、何よその目は」

五月雨「ところで叢雲ちゃん、電ちゃん。さっきの話、聞いてた?」

叢雲「え?」

電「はい。電は対戦を見ながら聞いてたのです」

吹雪「そっか。じゃあいいね」

叢雲「……何の話?」

五月雨「……叢雲ちゃんは、漣ちゃんより遊戯王のほうが大切なんだね」

叢雲「ちょ、ちょっと!?五月雨!?」

吹雪「失望したよ……」

電「なのです」

叢雲「ええ!?」

叢雲「た、対戦しながら聞けるわけないでしょ!ちゃんと話してよ!」

435: 2017/07/30(日) 22:40:43.36 ID:xqhiU0Kd0
──────────

──────

───

叢雲「なるほど……そういうことね」

吹雪「これ、私たちでどうにかできる問題だと思う?」

五月雨「正直、漣ちゃん本人がどうにかしないと無理だよね」

電「やっぱり、何もできないのでしょうか……」

叢雲「……」

吹雪「叢雲ちゃん?どうしたの?」

叢雲「……ん?いや、何でもないわ」

電「……もしかして、デッキ構築について考えてたのです?」

五月雨「うわぁ……」

叢雲「え!?ち、違うわよ!」

吹雪「まあ、今日はもう解散しよう。これからどうするかは、また明日考えよう」

五月雨「そうだね」

叢雲「……」

436: 2017/07/30(日) 22:41:09.63 ID:xqhiU0Kd0
その夜 ショキカンジャー本拠地


ガチャッ


漣「……」

漣「……はぁ……」


「……こんな時間に、何やってるのかしら?」


漣「!?」

漣「……叢雲ちゃん」

叢雲「はろー」

437: 2017/07/30(日) 22:42:14.36 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「朧が言ってたらしいわ。漣は臆病だって」

漣「……とうとうバレちゃいましたか」

叢雲「知らなかったわ。あんた、いつも異常なくらいに明るいから」

漣「まあ、そんなもんだよ……」

叢雲「ふーん……」

叢雲「昼間は、その……ごめんなさい。怒鳴ったりして」

漣「……ううん、漣が悪いから……」

漣「急に、こんなことになったりして……」

漣「……ごめんね」

叢雲「……」

438: 2017/07/30(日) 22:42:52.78 ID:xqhiU0Kd0
漣「本当は、ずっと怖かったはずだった」

漣「でも、それに目を向けたくなくて、ずっとごまかしてたんだ」

漣「そうしないと……きっと、耐えられなかったから」

叢雲「……」

漣「……そうやって、ずっと目を背けてきたから」

漣「こんなことに、なっちゃったのかな」

叢雲「……」

漣「……ねえ、叢雲ちゃん」

漣「どうしたら……氏ぬのが、怖くなくなるのかな」

叢雲「……」

439: 2017/07/30(日) 22:43:22.45 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「一つだけ言っておくわ」

漣「?」

叢雲「氏ぬのが怖くない奴なんて、居ないのよ」

漣「……!」

叢雲「誰だって、氏ぬのは怖い。沈むのは怖い」

叢雲「みんな、その恐怖と戦っているの」

叢雲「私だって、吹雪だって、電だって、五月雨だって……」

叢雲「みんな、心のどこかで恐怖を感じながら、戦っているのよ」

440: 2017/07/30(日) 22:44:00.05 ID:xqhiU0Kd0
漣「……」

漣「……だったら」

漣「恐怖を感じながら……どうして、戦えるの……?」

叢雲「どうして、か……」

叢雲「……」

叢雲「……もっと、恐ろしいことがあるからよ」

漣「……え?」

叢雲「私から言えることはこれだけよ。今日はもう寝なさい」

漣「……うん」

叢雲「じゃあね」


バタン


漣「……」

441: 2017/07/30(日) 22:44:27.85 ID:xqhiU0Kd0
三日後 ショキカンジャー本拠地


吹雪「はー……さて、今日も訓練しようか」

叢雲「そうね……でも、普通のやり方だと飽きてきたわね」

五月雨「え?じゃあ、どうするの?」

叢雲「……チェーンデスマッチ形式でやるとか」

電「なんか物騒なのです」

吹雪「……今日も、漣ちゃん来ないね」

五月雨「仕方ないよ……簡単にどうにかなる問題じゃないし」

叢雲「早く復活してくれるといいんだけど、そうもいかないしね……」

電「うーん……とっても心配なのです」

442: 2017/07/30(日) 22:45:33.06 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「私たちが心配しても仕方ない。漣ちゃん自身がどうにかするしかないんだから」

叢雲「そうね。気長に待ちましょう」

電「じゃあ、そろそろ行くのです?」

五月雨「そうだね。じゃあ……」


「にゃーん」

四人「……!」

吹雪「猫……?いつの間に……」

電「そこの窓から入ってきたのです?」

叢雲「そのようね。少し空いてるし」

443: 2017/07/30(日) 22:46:04.43 ID:xqhiU0Kd0
五月雨「……あれ?この猫……この間の猫じゃない?」

吹雪「え?」

叢雲「……本当ね。この間、コウワンと会った時の猫だわ」

電「ここまで、どうやって来たのでしょうか……?」


『普通に運んだだけよ』

四人「!」

444: 2017/07/30(日) 22:46:32.44 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……やっぱり、あなたですか」

叢雲「本当だわ、スピーカーもついてる」

猫『フフフ、また驚かせちゃった?ごめんなさいね』

電「それで・・・何の用なのです?」

猫『ちょっとあなたたちに、お願いがあるのよ』

五月雨「お願い?」

猫『この間戦ったところまで来て、私と戦いなさい』

猫『応じない場合は、私がそちらまで行くわ』

吹雪「!そんなことしたら……」

猫『そう。鎮守府はただじゃすまないでしょうね』

猫『それじゃあ、待ってるわ』プツッ

445: 2017/07/30(日) 22:47:27.01 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……」

五月雨「吹雪ちゃん……」

吹雪「うん……行こう」

叢雲「四人で勝てるかしら……」

電「それでも、やるしかないのです」



漣「……」

漣は、部屋の前まで来ていた

446: 2017/07/30(日) 22:48:05.72 ID:xqhiU0Kd0
その後、四人は以前コウワンと戦った場所まで来ていた


コウワン「フフフ、来たわね」

吹雪「……どうして、呼び出したりしたんですか?」

コウワン「特に意味はないわ……ただ、あなたたちと戦うのが面白い……それだけよ」

叢雲「……ふん」

コウワン「……あら?あのピンクの子は?」

叢雲「……あいつが来るまでもないってことよ」

コウワン「フフフ、そう……」

コウワン「この間、やりすぎちゃったかしら?残念ね」

447: 2017/07/30(日) 22:48:33.30 ID:xqhiU0Kd0
電「……四人ででも、あなたを倒します」

五月雨「覚悟してください……!」

コウワン「あら、怖い怖い」

コウワン「それじゃあ、早速……始めましょう?」

吹雪「みんな、行くよ!」


四人「抜錨!」

448: 2017/07/30(日) 22:49:00.32 ID:xqhiU0Kd0
その頃 鎮守府


漣「……」

朧「……どうしたの、漣」

漣「……いや、何でもないよ」

朧「嘘ついてもだめだよ。漣、すぐ顔に出るから」

漣「……」

朧「……言いたくないなら、いいけどさ」

449: 2017/07/30(日) 22:49:36.25 ID:xqhiU0Kd0
漣「……ねえ、朧」

朧「ん?」

漣「……どうしたらいいと思う?」

朧「何が?」

漣「悩んでて、何も行動できない時……どうしたらいいと思う?」

朧「……」

朧「……そうだね……」

朧「詳しくはわからないから、はっきりとは言えないけど……」

朧「漣にとって、何が大切なのか……考えてみなよ」

漣「何が、大切か……?」

朧「うん。そうすれば、自ずと答えは見えてくるはず……多分」

漣「……」

450: 2017/07/30(日) 22:50:03.93 ID:xqhiU0Kd0
漣(漣にとって、大切なもの……)


叢雲『……もっと、恐ろしいことがあるからよ』


漣「……!」

漣「ありがとう、朧!ちょっと出てくる!」ダダッ

朧「はーい、いってらっしゃーい」

朧「……まったく、世話が焼けるなぁ」

451: 2017/07/30(日) 22:50:30.65 ID:xqhiU0Kd0
漣「はぁ……はぁ……」ダダダ

漣「もう少しで……あそこに……」

漣「……みんな!」バッ

漣「……!」


吹雪「ぐ……」

叢雲「ダメだ、隙が突けない……」

電「このままだと……」

五月雨「でも、まだ……!」

コウワン「フフフ、そんなものなの?」


漣が到着したころには、全員疲弊しきっていた……

452: 2017/07/30(日) 22:50:57.27 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「……あら?来たのね」

四人「……!」

吹雪「さ、漣ちゃん……!」

漣「み、みんな……!」

叢雲「来たのね……!」

電「でも……状況が悪いのです……」

五月雨「どうすれば……」

コウワン「来たはいいけど、大ピンチね」

コウワン「あなた以外は全員疲弊しきっている……つまり、実質一人で戦うということよ」

漣「……っ!」ジリッ

453: 2017/07/30(日) 22:51:59.84 ID:xqhiU0Kd0
叢雲(……漣、やっぱり、まだ……)

叢雲「……漣!逃げなさい!」

漣「!?」

叢雲「こいつの言う通り、ほとんど一人で戦うことになるわ!」

叢雲「それに……あんた、まだ……!」

漣「!!」

漣「で、でも……」

叢雲「そんな状態で戦っても、殺されるだけよ!だから、あんただけでも……!」

漣「……」

漣「……!」


ダダッ

454: 2017/07/30(日) 22:52:26.78 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「……よし」

吹雪「……やっぱり、ダメだったか……」

電「仕方ないのです……」

五月雨「この四人で、どうにかするしか……!」

コウワン「あらあら、結局逃げちゃうのね」

コウワン「仕方ない……もう少し、楽しませてね?」

455: 2017/07/30(日) 22:53:07.89 ID:xqhiU0Kd0
鎮守府


漣「はぁ……はぁ……」

漣「……いた!」

漣「大井さん!」ダダッ

大井「……?あなた……どうしたの?」

大井「……ただ事じゃないようね」

漣「……ディープマリンの、幹部が……!」

大井「!!」

漣「今、みんな戦ってて、ピンチなんです!」

漣「漣だけじゃ、どうしようもなくて……!だから……!」

大井「……ごめんなさい」

漣「!」

456: 2017/07/30(日) 22:53:34.01 ID:xqhiU0Kd0
大井「この間言ったとおり、私はもう戦えない」

大井「悪いけど……」クルッ

漣「……ッ!」


漣「怖いんですか!?」

大井「……!」ピタッ

漣「氏ぬのが怖いから、戦えないんですか……!?」

大井「……」

457: 2017/07/30(日) 22:54:19.10 ID:xqhiU0Kd0
漣「……大井さんは、自分の目の前で仲間が殺されてしまった……」

漣「普段の艦隊戦とは違う戦いへの、恐怖を覚えてしまった……」

漣「……漣も、さっきまでそうでした」

漣「漣は、もう、艦隊戦もできなくなるんじゃないかというくらい、怖かったです……」

漣「でも、さっき……気が付いたんです」

漣「氏ぬのは、確かに怖い……だけど」

漣「仲間を失うのは、もっと怖い……!」

大井「……!」

漣「漣は、大切な仲間を守りたいんです!」

漣「だから……!」

大井「……」

458: 2017/07/30(日) 22:54:48.98 ID:xqhiU0Kd0
『大井さん!もう、私たちはダメ……!だから……』

大井『嫌よ!あなたたちを置いて、逃げるなんて……』

『あなただけでも生き残って……!このままじゃ、全滅しちゃう……!』

大井『でも……』

『誰かが、このことを伝えないといけない!それができるのは、あなただけなの!』

『鎮守府のみんなを、守れるのは……!』

大井『……!』

『ぐ、ああああああああああああ!!!』

グシャッ

大井『!!』

大井『……ッ!!』ダダッ

459: 2017/07/30(日) 22:55:17.04 ID:xqhiU0Kd0
大井「……」

スタスタ

漣「大井さん……!」

大井「……」

漣「……くっ!」ダダッ

460: 2017/07/30(日) 22:55:45.94 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……う……」

コウワン「そろそろ限界かしら?」

叢雲「ま、まだよ……まだ、負けてない……」

コウワン「だったら、そこから動いて見せたらどう?」

叢雲「……くそぉ……!」

電「も、もう……ダメなのですか……?」

五月雨「あきらめちゃダメ……!まだ……何かできるはず……!」

コウワン「そんな状態で言ってもねぇ……無理があるわよ」

461: 2017/07/30(日) 22:56:12.16 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「さて、そろそろ、トドメかしら?」ヒョイッ

吹雪「……ぐっ……」

叢雲「吹雪……!」

コウワン「まずはあなたから、あの世へ送ってあげる……」グググ

吹雪「ぐあああああああ!!」


シュバババッ!!


コウワン「!!」バッ

コウワンは、飛んで来た矢をガードし、思わず手を離した!

462: 2017/07/30(日) 22:56:41.80 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「ぐっ!げほっげほっ……」ドサッ

五月雨「吹雪ちゃん!大丈夫!?」

吹雪「だ、大丈夫……」

電「い、今のは……」

コウワン「……命知らずとは、まさにこのことね」

漣「みんなから離れろ!漣が相手だ!」

吹雪「漣ちゃん……!」

叢雲「馬鹿!どうして戻ってきたの!」

漣「……氏ぬのは、怖い……怖いけど……」

漣「みんなが氏んでいくのを、黙って見ているなんてできない!」

463: 2017/07/30(日) 22:57:09.31 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「いい度胸ね……わざわざ戻ってくるなんて」

コウワン「わかった・・・それじゃあ」

コウワン「あなたから頃してあげるわ!」シュンッ

漣「!!」バシュッ

コウワン「ほらほら、どうしたの?当たってないわよ」シュンッ

漣「くぅ……!」バシュバシュッ

コウワン「他に近接攻撃されているときに、あなたの矢が来るのは厄介だけど……」シュンッ

コウワン「あなただけなら、問題ないわね」

漣「このぉ!」バシュッ

464: 2017/07/30(日) 22:57:44.30 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「ほら、もっとよく狙いなさい」シュンッ

コウワン「そうだわ。サービスしてあげる」

コウワン「あと十発……あなたが矢を撃つまで、攻撃はしないであげる」

コウワン「精々頑張って当てることね」

漣「馬鹿にして……!」バシュッ

コウワン「ほーら、あと九発よ」

漣「くっ……」

漣(やっぱり、漣だけじゃだめだ……)

コウワン「フフフ、氏にに来たようなものね」

漣(どうしたら……?)

465: 2017/07/30(日) 22:58:11.82 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「……あら?もう終わり?攻撃しないの?」

漣「……!」ギリギリ

漣(こうなったら、一か八かアレを……!)

漣(でもスキがなさすぎる……外したら、もう……)

漣「……っ」





「そんな挑発に乗って、どうするのかしら?」

漣「!?」

ドカァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

466: 2017/07/30(日) 22:58:40.09 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「!?な、何!?これは!」

吹雪「な、何今の爆発!?」

叢雲「!あ、あれって……」


漣「あなたは……!」

ホワイト「私はホワイト……正義の味方よ」


電「……あれって」

五月雨「大井さん……だよね」

叢雲「一応メットで、顔はわからないけど……」

467: 2017/07/30(日) 22:59:08.52 ID:xqhiU0Kd0
漣「き、来てくれたんですか!?」

ホワイト「何のことかしら?」

ホワイト「私は、ただの通りすがりの正義の味方よ」

ホワイト「それより、奴を倒すことが優先よ」

ホワイト「仲間を……守るんでしょ?」

漣「……はい!」

468: 2017/07/30(日) 23:00:16.65 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「あら……まだ味方がいたのね」

ホワイト「……あなたね?悪の組織の幹部は」

コウワン「そうよ……あなた、どこかで見たことあるわね」

ホワイト「……」

コウワン「まあいいわ……あなたも後で頃してあげるわ」

ホワイト「それは遠慮しておくわ」バシュッ!

コウワン「……?一体何を」


ドカァァァァァァァァァァァァァァァン!!!


コウワン「!!?」


吹雪「ば、爆弾!?」

五月雨「あれが、大井さんの武器……?」

469: 2017/07/30(日) 23:00:42.79 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「く……油断したわ」

ホワイト「まだまだ!」バシュッ

コウワン「!」シュンッ

ドカァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

コウワン「ぐあぁ!!」ズザッ


叢雲「……!そうか、奴はあくまでも高速移動しているだけ!」

電「攻撃範囲の大きい爆弾は、有効なのです!」

470: 2017/07/30(日) 23:01:14.97 ID:xqhiU0Kd0
ホワイト「ほら、何ボサッとしているの」

漣「あ、はい!」バシュッ!

ドガァッ!!

コウワン「ぐっ!!」

コウワン(まずい……爆弾にやられたせいで、隙ができてしまう)

コウワン(しかし……)

バシュッ!

コウワン「!!」シュンッ

ドカァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!

コウワン「ぐっ……!」

漣(!!近づいてきた!)

471: 2017/07/30(日) 23:01:40.96 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「フフフ、残念だったわね!」

コウワン「この距離なら、近すぎて爆弾は放てまい!」

コウワン「ここからさらに近づいて攻撃を……」

ホワイト「あー、ちょっと目をつむってて」

漣「え?」

バシュッ!

コウワン「ん?何を……」


ピカァァァァァァァァァァァ!!


コウワン「うわっ!?な、何、これは!?目が……!」

472: 2017/07/30(日) 23:02:07.00 ID:xqhiU0Kd0
ホワイト「ほら、今のうちに」

漣「はい!」バシュッ!

コウワン「うあああああああ!!」ビュンッ ドザザザ!

ホワイト「よーし、何とか距離が取れたわね」

漣(よし、風をうまく使えば吹っ飛ばすこともできる……これで何とか)

漣(それにしても、大井さん、すごい……戦いなれている)

コウワン「ぐぅ……何なの、その爆弾は!?」ヨロッ

ホワイト「これは、私の武器『トーピードーボム』。複数の種類を持つ爆弾よ」

ホワイト「それ、『パワーボム』!!」バシュッ!

ドカァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

コウワン「……ッ!くっ……!」

473: 2017/07/30(日) 23:02:33.74 ID:xqhiU0Kd0
ホワイト「そして、『フラッシュボム』!」ポイッ

ピカァァァァァァァァァァァ!!

コウワン「しまった!また目が……!」


バシュンッ!


コウワン「!?ぐああっ……!」ドンッ

ホワイト「よーし、攻撃するタイミングもわかってきたみたいね」

漣「えへへ、おかげさまで」

474: 2017/07/30(日) 23:03:01.06 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「お、思い出したわ、あなた……!」

コウワン「前に襲った鎮守府にいた……!」

ホワイト「……あの時よりは強いみたいだけど、あなた一人じゃ私……」

ホワイト「……いえ、私たちにはかなわないわ」

コウワン「ぐっ……!」

475: 2017/07/30(日) 23:03:33.47 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「くそぉ……!こうなったら!」シュンッ

叢雲「んなっ!」ガッ

吹雪「叢雲ちゃん!」

コウワン「フフフ、どう!?私を攻撃したら、この子に当たるかもしれないわよ!」

五月雨「またこんな手を……!」

電「卑怯なのです!」

コウワン「フフ、何とでも言うがいいわ!」

476: 2017/07/30(日) 23:04:09.11 ID:xqhiU0Kd0
ホワイト「く……困ったわね。パワーボムは威力は大したことないとはいえ、どうか……」

ホワイト「フラッシュボムもいい加減効かないでしょうし、どうしたら……」

漣「……あとは、どんな爆弾があるんですか?」

ホワイト「……敵をその場から動かなくさせる爆弾があるわ」

漣「では、それをお願いします」

ホワイト「……わかったわ」

ホワイト「『フリーズボム』!」バシュッ

コウワン「フフフ、今更何をしようと……」

ビチャッ!

コウワン「!?な、何これは……!」グググ

コウワン「う、動けない!まさか……とりもち!?」

477: 2017/07/30(日) 23:04:59.45 ID:xqhiU0Kd0
ホワイト「さて、これでいいはずよ」

漣「はい、ありがとうございます」ギリギリ

ホワイト「……外したら、あの子が危ないわよ?」

漣「大丈夫です」

漣「……守ってみせます」

ホワイト「……」


バシュンッ

ドガァァァァッ!!!


コウワン「!?ば、馬鹿な……!」


漣は、叢雲に当たらないギリギリの所を射抜いた!

478: 2017/07/30(日) 23:05:26.55 ID:xqhiU0Kd0
漣「まだまだぁ!」バシュバシュッ

コウワン「ぐあああああああ!!な、何故だ!なぜ……!」グサグサッ

叢雲「漣……!」

コウワン「く……とりもちなら、地面を破壊すればいい!そうすれば動けるようになって、もう当たらないわ!」

コウワン「えーい、あなた、邪魔よ!」ポイッ

叢雲「うわっ!?」ドザッ

電「だ、大丈夫なのです!?」

叢雲「いたた……だ、大丈夫よ」

叢雲「それにしても、あいつ……」

五月雨「うん、フラグだよね……」

479: 2017/07/30(日) 23:05:59.24 ID:xqhiU0Kd0
コウワン「せいっ!」ブンッ


ズガァァァァァァァァァァァァァァァン!!!


コウワン「よし、これで動け……」


ビュンッ

コウワン(!矢が、もう飛んできている……!?)

コウワン(は、早くモードを切り替えて……)シュルルル

コウワン(……!や、矢が飛んできているどころか……!?)


漣が放った何本もの矢が、コウワンを取り囲んでいた!


コウワン「何いいいいいいいい!?」

480: 2017/07/30(日) 23:06:39.39 ID:xqhiU0Kd0
漣「いけええええええええええええええ!!!!」


コウワンを取り囲んでいた矢たちが、一斉に襲い掛かった!!

ドゴォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!


コウワン「う、うわあああああああああああああああああ!!!!」

矢にまとわりついていた風が、そのままコウワンを吹っ飛ばす!


バビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!


コウワン「お、覚えてなさああああああああああい!!」ヒューン

キラーン……

漣「汚ねえ花火だ……」

481: 2017/07/30(日) 23:07:09.58 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……大井さん、ありがとうございました」

ホワイト「大井?誰かしら」

ホワイト「私はホワイト。通りすがりの正義のみか……」

漣「えいっ」スポッ


大井「……」

五人「……」

大井「ちょっと!何でとるのよ!こういうのはとっちゃいけないでしょ!」

漣「うひー、すみません」

482: 2017/07/30(日) 23:07:50.27 ID:xqhiU0Kd0
五月雨「どうして、助けてくれたんですか?」

大井「……別に。ちょっと癪だっただけよ」

大井「自分が逃げたままでいるのがね」

漣「……」

叢雲「何はともあれ、助かったわ」

電「本当に、ありがとうございました」

483: 2017/07/30(日) 23:08:16.53 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……大井さん、やっぱり、一緒に戦ってくれないんですか?」

大井「……そうね」

大井「戦わない理由はもうないけど、あなたたちとは別行動で奴らについて調査しようと思うの」

大井「その方が小回りがきくし、それに……」

漣「それに?」

大井「……私にとって、『ショキカンジャー』は、一つだけだから」

吹雪「……そうですか」

484: 2017/07/30(日) 23:08:43.48 ID:xqhiU0Kd0
大井「それに、あなたたち……」

五人「?」

大井「……『駆逐戦隊』って言ってるじゃない」

五人「……」

五人(……そうだった!)

大井「とにかく、あなたたちの戦隊には入らないけど……」

大井「一応味方だから、困ったときは……助けてあげるわ」

吹雪「……ありがとうございます!」

大井「北上さんとの用事があるなら、そっちを優先するけど」

五人(ですよねー)

485: 2017/07/30(日) 23:09:12.27 ID:xqhiU0Kd0
大井「じゃあ、私はもう帰るわ」

漣「……本当に、ありがとうございました」

大井「……今回の奴より、もっと手強い奴がいる」

大井「それを忘れないでおくことね」


ザッザッ

漣「……」

486: 2017/07/30(日) 23:09:39.28 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「……漣ちゃん、よかった……」

漣「……みんな、ごめんね」

五月雨「いいよいいよ。気にしないで」

叢雲「それにしても……漣、ありがとう」

漣「いえいえ、礼には及びませんな」

電「叢雲さんだけをよけて矢を撃つなんて……どうやったのです?あれ」

漣「何かよくわからんけどできた」

叢雲「えぇ……」

487: 2017/07/30(日) 23:10:19.48 ID:xqhiU0Kd0
漣「それに、お礼を言うのはこっちもだよ」

漣「ありがとう、叢雲ちゃん」

叢雲「……そう。まあ、いいのよ、別に」

吹雪「え?何かあったの?」

漣「あー、何かね、この前……」

叢雲「オラァ!」ドゴォ

漣「へぁっ!?」

漣「ちょ……何するのさー?」

叢雲「何かいやだったから……」

488: 2017/07/30(日) 23:11:26.50 ID:xqhiU0Kd0
漣「いやー、それにしても……」

漣「……」

四人「……?」

漣「……なんでもない!帰るぞ!」ダダッ

叢雲「はぁ?ちょ、待ちなさいよ!」



漣(よかった……ちゃんと、皆を守ることができた)

489: 2017/07/30(日) 23:11:52.84 ID:xqhiU0Kd0
──────────

──────

───

漣「はぁ……弓を空母の方々に教えてもらえることになったけど……」

漣「やっぱしんどいわー……萎え~……」

大井「あら、ずいぶんお疲れね」

漣「あ、大井さん」

大井「そんなことでは、すぐに負けちゃうわよ」

漣「はーい、わかってまーす……」

490: 2017/07/30(日) 23:12:38.62 ID:xqhiU0Kd0
大井「……そういえば、この間は言わなかったけど」

漣「はい?」

大井「あなた……すごいわね」

漣「え!?な、なんですか急に!?」

漣「漣はおだてても木に登りませんよ!」

大井「何言ってるのよ……」

491: 2017/07/30(日) 23:13:04.75 ID:xqhiU0Kd0
大井「……あなた、最初に仲間の元へ向かったあと、私を呼んで、一人で戻って行ったのよね」

漣「はい、そうです」

大井「……私なら、一人で戻るなんて、怖くてできなかった」

大井「私だって、以前、それはできたはずなのに……」

大井「仲間を助けたかったはずなのに、勇気が足りなかった」

漣「……」

大井「でもあなたは、それをやってのけた」

大井「あなたには、それを成し遂げるだけの勇気があったのよ」

漣「……そうですか」

492: 2017/07/30(日) 23:13:30.99 ID:xqhiU0Kd0
漣「漣には……勇気があったかどうかなんて、わかりません」

漣「ただ……仲間を守りたかった……助けたかった」

漣「それしか考えてなかったから……」

大井「でも、そこから動くことができた」

大井「あなたは、氏ぬことが怖かったはずなのに、助けに行った」

大井「その、『仲間を守りたい』という思いから行動するための力……」

大井「それが、勇気よ」

漣「……」

大井「勇気は、とても強力な力となるわ」

大井「でも、簡単に手に入るものではない……でも、あなたはそれを手に入れた」

大井「だから、すごいって言ったのよ」

漣「そう、ですか……」

493: 2017/07/30(日) 23:13:59.37 ID:xqhiU0Kd0
大井「で、も!」ピンッ

漣「あうっ!」バシッ

大井「勇気と無謀は違うのよ!」

大井「今回はどうにかなったけど、正直、私がいなかったら負けてたわ!」

大井「勝算のある戦いをしなさい!」

漣「は、はい……」ヒリヒリ

大井「勇気だけあっても仕方ない、だから……」

大井「……強くなりなさい」

漣「……!」

494: 2017/07/30(日) 23:14:28.15 ID:xqhiU0Kd0
大井「これは、ヒーローとしても、艦娘としても、どちらにも言えることよ」

大井「その勇気、無駄にしないためにも……」

大井「強くなることね」

漣「……はい!」

大井「じゃ、私はこれで」スタスタ

漣「……ありがとうございました!」

495: 2017/07/30(日) 23:14:55.48 ID:xqhiU0Kd0
漣(……もっと、強くなりたい……)

漣(仲間を守るため、勇気を持って戦うため!)

漣「よーし!」

漣「ショキカンジャー、ピンク、漣!いっくぞー!」


第四話「六人目の戦士!?」 艦

496: 2017/07/30(日) 23:15:21.99 ID:xqhiU0Kd0
次回予告!

ショキカンジャーのマスコットの電なのです
ま、マスコットって何なのです!?戦隊関係ないのです!え、あるのです?
大井さんは戦隊に入ってくれませんでしたが、敵は容赦なく襲ってくるのです
特に、今回みたいに幹部さんが強いときは……
え?戦隊モノの定番がまだ残ってる?それって何なのです!?


次回、第五話「合体技がほしい!」
次回も、電の本気を見るのです!

497: 2017/07/30(日) 23:15:48.02 ID:xqhiU0Kd0
スペシャルコーナー『ショキカンジャーって?ああ!』
~大井ホワイトの装備~


漣「はい、今回も始まりました、『ショキカンジャーって?ああ!』のコーナー」

叢雲「早くも三回目ね……」

漣「今回はスペシャルゲストをお呼びしました!早速ご紹介しましょう!」

漣「大井ホワイトこと、大井さんです!」

大井「……なにこれ?」

吹雪「……なんか、ごめんなさい大井さん」

498: 2017/07/30(日) 23:16:20.73 ID:xqhiU0Kd0
五月雨「えっと……ということは、大井さんの装備とかについての解説?」

漣「まあそういうことです」

大井「そう言われてもねぇ……」

電「だ、ダメなのです?」

大井「いや、ダメってわけじゃないけれど、急に言われても……」

吹雪「そりゃそうですよね……」

叢雲「とりあえず漣、場を持たせるためにあんたの必殺技の解説しなさい」

漣「ああ、あれ?はいはーい」

499: 2017/07/30(日) 23:16:47.70 ID:xqhiU0Kd0
漣「漣のデッキアローは、ショキブレスのアンカーパーツを取り付けることで矢を操れるようになります」

吹雪「軌道をコントロールできるってこと?」

漣「まあそうだね。半分黄色で半分青みたいな感じ?」

叢雲「は?」

電「それって複数操れるのです?」

漣「うん。今回コウワンさん相手にやったように、複数の矢を操ることができます」

漣「んで、複数の矢で相手を取り囲んで、一気にブスリ……ってできるわけ」

五月雨「なるほどね」

500: 2017/07/30(日) 23:17:14.61 ID:xqhiU0Kd0
漣「っていう感じの解説をお願いします、大井さん」

大井「……まあ、いいわ」

大井「まず、私の変身アイテムはこれ。ショキフォンよ」パカッ

五月雨「携帯電話型ですか?」

大井「ええ。これで変身や通信ができるわ」

叢雲「……真ん中に大きく『出撃』って書かれたボタンがある……」

大井「これを押すと変身が始まるのよ」

501: 2017/07/30(日) 23:17:46.42 ID:xqhiU0Kd0
大井「特定のキーを入力することで、変身しなくても武器が取り出せるわ」ピピピッ

大井「こんな風にね」シュンッ

電「この間の戦いで使っていた武器なのです」

吹雪「名前は……トーピードーボム、でしたっけ?」

大井「ええ。魚雷発射管型の装備ね。腕に取り付けることができるわ」

大井「そこから、魚雷型の爆弾を射出することで攻撃するわ」

502: 2017/07/30(日) 23:18:15.89 ID:xqhiU0Kd0
漣「爆弾には種類がいくつかあるんでしたよね?」

大井「ええ。まず通常の爆発を起こす『パワーボム』」

大井「閃光弾のように、光を放って敵の目をくらます『フラッシュボム』」

大井「とりもちを発射して、相手の動きを封じる『フリーズボム』」

大井「以上の三種類を使い分けて戦うわ」

五月雨「どちらかといえば、サポート向けの武器ですね」

大井「ええ。以前の戦いでも主に仲間のサポートをしていたわ」

503: 2017/07/30(日) 23:18:42.60 ID:xqhiU0Kd0
叢雲「……ところで、この爆弾って限りはないの?」

大井「え?……そういえば、考えたことなかったわね」

大井「爆弾が切れたことは……今までなかったと思うわ」

吹雪「……どうなってるんですか?」

漣「漣の矢みたく、エネルギーを射出してるとか?」

電「でももっと物質的な感じがするのです」

五月雨「……じゃあ、どこから補充されてるの?」

六人「……」

504: 2017/07/30(日) 23:19:25.67 ID:xqhiU0Kd0
吹雪「気になるけど……」

五月雨「……なんか、触れちゃいけない部分な気がする……」

大井「……まあ、あれよ」

大井「特撮では、『それどこから出したの?』っていうの多いでしょ」

大井「そういうアレだと思えば……」

叢雲「いや、何の解決にもなってないから……」


とりあえず、気にしないことにした六人だった


505: 2017/07/30(日) 23:22:29.79 ID:xqhiU0Kd0
今回はここまで。続きは……いつだろう
更新が大幅に遅れてしまって申し訳ないです。その割には改変部分ほとんどなかったですが……

506: 2017/07/30(日) 23:25:19.18 ID:IkCBSlgk0


再開したと知ってたがやっと追いつけた


引用: 【艦これ】駆逐戦隊!ショキカンジャー!!改