1: 2008/09/12(金) 01:09:01.85 ID:RFWHHrI0
3: 2008/09/12(金) 01:12:29.60 ID:RFWHHrI0
ドキャアッ!

魔土偶「ドグゥオァ~ッ!!」

実況『真紅のサポートを受けて直撃した真紅グレートの蹴りが魔土偶の顔面を直撃ーっ!星型の紋章を蹴り砕いたーっ!』

鬼埴輪「あ、相棒~ッ!い…いけねえ!時間操作の魔法陣が砕かれちまってる!」

魔土偶「ドグゥ…!鬼埴輪、この真紅グレート…只者じゃねえ!早急にアレを使って消しちまうんだ~っ!」

鬼埴輪「お、おうよ~っ! 悪魔超人ブラックホールのコピー技…吸引ブラックホール!!」

真紅「グ…グレート!危ない!鬼埴輪の口がっ!!」

真紅グレート「っ…!」

鬼埴輪「もう遅い!そこはオレの射程距離内だ~っ!!コォォォォーッ!!」

実況『あ、あーっと!鬼埴輪の口が大きく開き真紅グレートの体を吸い込んでいくーっ!!吸引ブラックホールだーっ!!』

真紅グレート「…真紅、なんとか脱出してみせるから…あれの準備を…」

真紅「!! …その言葉、信じるのだわ!」

鬼埴輪「何をお喋りしていやがる~っ!!吸引力倍増!コォォォォーッ!!」

ギュンッ!

実況『な、なんということだーっ!八面六臂の活躍を見せていた真紅グレートが鬼埴輪の口の中に吸い込まれてしまったーっ!』
ローゼンメイデン 愛蔵版 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
4: 2008/09/12(金) 01:13:29.61 ID:RFWHHrI0
真紅「ああっ、グレート!」

魔土偶「ドグドグドグ~ッ!あとはもはやヘナチョコドールの真紅を始末すれば良いだけの事…」

真紅「クッ…! …それより鬼埴輪の姿も消えたようだけど…どこへ?」

魔土偶「ドグドグ~ッ!ヤツはどちらかと言えば慎重な性格…暗黒空間にすっ飛ばしたグレートにトドメを刺しに行ったんだろうよ!」

真紅「そう…。…それを聞いて安心したのだわ!」

魔土偶「な、何ィ!?てめえ~ッ、一人取り残されたクセに粋がるんじゃねえ~っ!!」

実況『おーっと、奇しくもタイマンの形となった真紅と魔土偶!魔土偶が拳を振り上げて襲い掛かるが…』

真紅「魔土偶…時間を操る能力の無くなった貴方なんて…」

ガキッ!

魔土偶「ドグェッ!?」

真紅「牛肉の乗っていない牛丼のようなものなのだわ!はああっ!!」

実況『真紅、これを難なく避けて魔土偶を抱え上げ…この体勢はーーーっ!!』

真紅「絆バスタァァァーーーッ!!」

6: 2008/09/12(金) 01:14:45.50 ID:RFWHHrI0
~暗黒空間~

鬼埴輪「ハニハニハニ…苦しかろう、恐ろしかろう…この闇の空間で貴様は誰に看取られることなく氏んでいくのだ!」

真紅グレート「…誰にも…見られることなく…?」

鬼埴輪「そうだ!この空間はまさにオレとお前しかいない!真の孤独!どうだ、怖いだろう~っ!?」

真紅グレート「…真の孤独…。…それは………」

真紅グレート「…好都合…」

鬼埴輪「な…何ィッ!? …ハニッ!?」

真紅グレート「…魔のショーグン・クロー…」

ビキビキビキビキ…!

鬼埴輪「ハニギャアアアーーーッ!!あ、頭にヒビがッ!?な、なんだこの技はーーーっ!!」

真紅グレート「!!…空間にもヒビが…、…脱出できそう…」

グオンッ

鬼埴輪「ハニッ!?こ…この体勢は…!!」

真紅グレート「絆ドライバーーーッ!!」

ガッシャァァァン!

7: 2008/09/12(金) 01:16:04.84 ID:RFWHHrI0
実況『あ、あーっと!空間の裂け目から鬼埴輪に絆ドライバーを仕掛けているグレートが飛び出してくるーっ!!』

実況『その上空からは魔土偶に絆バスターを仕掛けた真紅の姿ーーーっ!!こ、これはまさかあーーーーーっ!!』


真紅&真紅グレート『絆ドッキングーーーーーッ!!』


ズドォォォォォォン…!


魔土偶「ド…ドグハァッ…!!…邪悪台国の…復興の夢が…!」

鬼埴輪「ハニゲフゥッ…!!…今回も…届かず…!」

ズン…

カンカンカンカンカァン!!

実況『ここでゴングーーーッ!!第一試合、勝利を手にしたのはレッドシスターズーーーッ!!』

真紅「グレート…貴女のお陰なのだわ…!」

真紅グレート「…真紅も…ありがとう…」

真紅「え…?」

真紅グレート「(…先日までは互いに憎しみあっていた敵同士なのに…私を信じてくれて…)」

8: 2008/09/12(金) 01:16:57.10 ID:RFWHHrI0
~観客席~

ワアアアアアアア!!

ブロッケンJr「フゥー…心配させやがって…一時はどうなることかと思ったぜ…」

バッファローマン「しかし変形マッスルドッキングを初っ端から見せてきたか…こいつはいよいよ侮れんぞ!」

テリーマン「なあ、キン肉マン。そろそろ真紅グレートの正体を教えてくれても…。………キン肉マンはどこに行った?」

ブロッケンJr「あそこだよ。試合が終わるや否やリングサイドに飛んで行っちまった」

バッファローマン「ドハハハ!親バカというか師バカというか…困ったやつだぜ!」

テリーマン「いや、バッファローマン…お前は他人のことを言えないと思う…」


ペンタゴン「カラカラーッ!ざまあ見やがれ骨董品どもーっ!」

ブラックホール「よくやったぜ-っ!レッドシスターズ!」

ペンタゴン「他人の試合を見ててスカッとしたのは初めての体験だ!」

ブラックホール「それだけあいつらが吐き気を催すほどの悪だったってことだろうな!」

ペンタゴン「違いない!カラカラカラカラ!」

観客「(こいつら…こんな調子だから万年B級超人なんだろうな…)」

26: 2008/09/12(金) 21:09:05.33 ID:RFWHHrI0
~Aブロック第一リング~

キン肉マン「一回戦突破おめでとう、真紅!グレート!素晴らしいドッキングだったぞ!」

真紅「お世辞はいいのだわ、スグル。早く例のブツを…」

キン肉マン「おお、そうであったな。ほら、なか卯の牛丼じゃ!お前の大好きな紅ショウガ特盛りじゃぞ!」

真紅「ありがとう、やはり試合の後は紅ショウガをたっぷり乗せた牛丼に限るのだわ。いただきます」

真紅グレート「……………」

キン肉マン「グレートも遠慮はいらんぞ!ささ、モリモリ食べて精力をつけるんじゃ!」

真紅グレート「…い、いただきます…」

実況『続いて第二試合!地獄の処刑執行者コンビvs血桜爛漫隊!いよいよゴングです!』

キン肉マン「おお、隣も始めるようだのう!」

真紅「黒瑠璃と白玻璃…あの二人は相当の使い手よ。きっと次の相手は執行者コンビなのだわ…」

真紅グレート「…応援したくもあるけど…敵に回したくもない…」

真紅「…そうね、グレートとしては微妙かしら…」

キン肉マン「しみったれている場合ではないぞ!どちらにせよ次の対戦相手…戦力分析も兼ねて観戦じゃ!」

真紅「ええ、わかったのだわ!」

27: 2008/09/12(金) 21:10:05.15 ID:RFWHHrI0
~Aブロック第二リング~

カァーンッ!!

実況『さあ、第二試合!執行者コンビの先発は黒瑠璃、血桜爛漫隊の先発は悪霊憑依五月人形・童子切丸です!』

童子切丸「クク…今宵の妖腕刀は血に飢えておるわ…」

黒瑠璃「まだ昼間だってのに何言ってんだい!くらいな、阿修羅冷酷技・竜巻地獄!!」

ビュオオオオッ!

童子切丸「ウオッ!?」

実況『あーっと、黒瑠璃の腕から巻き起こされた竜巻地獄が童子切丸を遥か上空に吹き飛ばすーっ!』

黒瑠璃「白玻璃!即殺コンビネーションだよ!」

白玻璃「わかっているわ、黒瑠璃…」

ガキィッ!

松姫「キョッ!?」

実況『黒瑠璃はロープの反動を利用し、童子切丸を追って跳躍!白玻璃は悪霊憑依市松人形・松姫をマットの上に捕らえる!』

実況『そして両方が上下対照にロメロスペシャルの体勢を取れば…こ、この技はーーーーーっ!!』

黒瑠璃&白玻璃『地獄のコンビネーション!!』

28: 2008/09/12(金) 21:11:13.96 ID:RFWHHrI0
実況『ア…アシュラマンとサンシャインが得意としたツープラトン、地獄のコンビネーションだーっ!!』

実況『まさかの試合開始直後の必殺ツープラトン!このまま決まってしまうのかーっ!?』

黒瑠璃「これで…おしまいさっ!」

白玻璃「次の対戦相手はレッドシスターズ…なるべく体力は温存させて貰います…」

実況『あーっと!捕らえられた松姫と激突するべく捕らえられた童子切丸が落下してくるーっ!これは避けられない!!』


ドカァァァッ!!  …ズン…


実況『激しく肉を打ち合わせる音が会場内に響き渡ったーっ!!決着がついたようです!血煙の中、立ち上がったのは…!』

童子切丸「クックック…そうだな、体力は温存せねばなるまい…」

松姫「キョキョキョキョ…ご協力ありがとう、とでも言っておくかえ…?」

実況『な…なんと血桜爛漫隊の二人のほうだーーーっ!!で、では倒れているふたつの影は…!?』

黒瑠璃「………う…ううっ………」

白玻璃「…い…一体…なにが…?」

実況『地獄の処刑執行者コンビ!何が起こったのか本人たちにもわかっていないようです!…が、これは立ち上がれそうもない!』

カンカンカンカンカァン!!

30: 2008/09/12(金) 21:13:05.51 ID:RFWHHrI0
実況『こ、ここでゴングーーーッ!まさしく衝撃!圧倒的な速さで血桜爛漫隊が第二試合を制しました!!』

実況『一体どんなトリックをつかったのか!それら全てが謎に満ちています!無名チームが一気に優勝候補へと躍り出たーっ!!』


~観客席~

バッファローマン「み…見えたか…?」

テリーマン「松姫の髪がまるで日本神話に登場するヤマタノオロチのように伸びた所までは見えたが…」

ブロッケンJr「ど、どうやって返したかは超人である俺たちにも分からなかった…。こいつら、やばいぜ…!」

テリーマン「真紅…真紅グレート…、これは褌を締めてかからないと本当に瞬殺されてしまうぞ…!」


~Aブロック第一リング~

真紅「あれが次の相手なの…!?」

真紅グレート「…見えなかった…。…ほとんど何も…」

キン肉マン「こ、こりゃー!!マジシャンのタッグが参加しておるなんて聞いておらんぞーっ!!」

真紅「スグル!今のはマジックでもなんでもないってわかっているでしょう!」

キン肉マン「そんな青筋立てんでもええやないの真紅ちゃん…」

真紅グレート「(…しかし、ローゼンメイデンの絆パワー崩壊を狙っているような連中には見えなかった…。…では一体誰が…?)」

31: 2008/09/12(金) 21:14:25.21 ID:RFWHHrI0
~Bブロック第一リング~

翠星石「…決勝では真紅たちと当たるものだと思ってたですが…分からなくなってきたですね…」

蒼星石「翠星石!君が先発だなんて!奇襲のダメージは大丈夫なの!?」

翠星石「こんなもの屁でもねーですぅ!チームリーダーはまず後ろに下がって戦力分析してるですぅ!」

蒼星石「わ、わかったけど…くれぐれも無理はしないでよ!危ないと思ったらすぐタッチだ!」

翠星石「合点承知ですぅ!」


チャッキー「ヒュ~ッ!美しい姉妹愛だねえ!ヒャハハハ!」

丑三刻「チャッキー、いつも通り先発はオメーに任せるぜ!しばらくはママゴト遊びに付き合ってやりな!」

チャッキー「OK、いつもの作戦だな…。さあて、ショータイムだ!」


実況『さて、第三試合はBブロックに移りましてセーフティカラーズvsクレイジーキラーズ!』

実況『セーフティカラーズの先発は…先ほど奇襲を受けた翠星石ですが大丈夫なのでしょうか?』

実況『一方、クレイジーキラーズの先発は奇襲を仕掛けた殺人グッドガイ人形・チャッキー!試合の展開は全くわかりません!』

カァーンッ!!

実況『さあ、ゴングが鳴った!最初に仕掛けるのはどちらでしょうか!?』

32: 2008/09/12(金) 21:16:16.48 ID:RFWHHrI0
ガシィッ

実況『まずはリング中央で相手の動きを見ながら組み合います!』

翠星石「(ズキッ!) (うっ…さっき傷つけられた左肩が…!)」

チャッキー「ハァ~イ!どうした、翠星石ちゃんよ!?さっきから左肩が痛そうだなぁ~っ!」

翠星石「くっ…その不気味な顔を近づけるんじゃねーですぅ! ジャーマンスープレックス!!」

実況『先に動いたのは翠星石!後ろに回り込んでジャーマンスープレックス!しかしやや右側に傾き気味かっ!?』

チャッキー「ヒヒ…左のロックがゆるゆるだぜ~っ!! キラーフィンガーッ!!」

ザクッ!

翠星石「うああっ!!」

実況『その隙を見逃さずチャッキー、刃物化した指で翠星石の左肩を抉る!体勢を崩してジャーマンスープレックス失敗ーっ!』

蒼星石「あ、あれは奇襲を受けた左肩…!」

チャッキー「そらそら!休んでいる暇はねえぜ、翠星石ちゃんよーっ! チャイルドプレイ・アームロック!!」

ガブゥッ!

翠星石「あぐぅぅっ!!」

実況『あ、あーっと!これは残酷!左肩の傷口に噛み付いて変形アームロック!さらに傷口を広げるつもりかーっ!』

33: 2008/09/12(金) 21:17:24.94 ID:RFWHHrI0
ビキビキビキ…

チャッキー「ヒヒヒ…良い音が聞こえてるぜ~っ!翠星石、左腕を肩からブッ千切られたくなけりゃマットを舐めて許しを請いな!」

翠星石「…へっ…反吐が出るですよ…!翠星石の師匠たちならこう言うです…。“敵に許しを請うぐらいなら…”」

メリメリメリッ!

チャッキー「ウッ、ウオッ…!?」

翠星石「“左肩をくれてやれ”と…!」

ガキンッ!

実況『あ、あーっと!翠星石、ブロッケンJr譲りのド根性で強引にアームロックを外したーっ!!』

翠星石「はぁ…はぁ…!くっ、なんとか脱出できたですが…左はこの試合中には使えそうにないですぅ…!」

チャッキー「バカがーっ!とっとと降参してりゃ痛い目を見なかったものをーっ!その左でどうやって戦うつもりだーっ!?」

実況『左を封じられた翠星石にチャッキーが追撃を仕掛けるーっ!翠星石ピンチかーっ!?』

翠星石「シングルならまだしも…これはタッグですぅ!」

パシィッ

蒼星石「戦う手段は無限大にあるんだ。こんなものピンチのうちには入らない…よっ!」

実況『おーっと!ここで蒼星石に阿吽の呼吸でタッチ!飛び込んできたチャッキーに蒼星石、迎撃のハイキックーッ!』

34: 2008/09/12(金) 21:18:57.41 ID:RFWHHrI0
チャッキー「グェッ!…ヒヒ…冷静ぶりっ子の蒼星石ちゃんか…意外と早く出てきたな!」

蒼星石「君の残虐技はだいたい見せて貰った。もう僕たちには通用しないよ」

チャッキー「ざけんなよ~っ!キラーフィンガーとチャイルドプレイ・アームロックだけじゃねえかーっ!」

蒼星石「それだけで十分…。来なよ、汚い手で翠星石を傷つけた代償…しっかりと払って貰う」

チャッキー「FUCK YOU!」

実況『さあ、仕切り直したところで今度はチャッキーが先に攻勢に出る!先ほどと同じように右手の指を刃物化させる!』

チャッキー「キラー…」

蒼星石「遅い!そこから派生する技は既に見切っている!右手首を掴んで…ブルーコメットスロー!」

ドォンッ!

チャッキー「ギャアッ!!」

実況『あーっとそれを迎え撃つ蒼星石!柔道の一本背負いのような形でチャッキーをマットに叩きつける!そしてそのまま…』

蒼星石「ストレートアームバー!」

グワッキィッ!

実況『腕緘で右腕を極めたーっ!美しく滑らかな流れであっという間に関節技の体勢に持ち込みました!さすがは業師・蒼星石です!』

35: 2008/09/12(金) 21:20:17.50 ID:RFWHHrI0
~観客席~

ワアアアアアアア!!

キン肉マン「おおっ!蒼星石のヤツ…さらに技に磨きがかかっとるのう!」

真紅「でも何でストレートアームバーに極めるのかしら?既にチャッキーは倒れているのだから腕挫十字固で極めた方がダメージは大きいのに…」

テリーマン「それはな、真紅…」

真紅グレート「…腕挫十字固でロックすれば、技の掛け手もマットに転がる体勢になってしまう…。…即ち相手の反撃に対応しにくい…」

真紅グレート「…おそらくチャッキーは左手の指も刃物化できる…。…蒼星石はそれを見越してストレートアームバーで極めた…」

真紅「へえ…慎重な蒼星石らしいのだわ!」

テリーマン「……………」

キン肉マン「にゃははは!テリーマンもグレートの前では形無しだのう!」

ブロッケンJr「(真紅グレート…このドール、かなりのテクニシャンに訓練を受けたみてえだな…)」

バッファローマン「(このオレですら説明されるまで気付かなかったというのに…)」

キン肉マン「それよりあの丑三刻とかいう藁人形…さっきから黙っていて不気味だのう…。あいつも何を隠しているか分からんぞ?」

ブロッケンJr「なーに、あの二人なら大丈夫だよ。まだ本領は発揮しちゃいねえんだからな!」

バッファローマン「ふん…じゃ、その本領とやらを見せて貰おうじゃねえか!」

36: 2008/09/12(金) 21:21:59.17 ID:RFWHHrI0
~Bブロック第一リング~

チャッキー「グギィィッ…!こ、この体勢で迂闊に左のキラーフィンガーを使えば左腕まで極められちまう…!」

蒼星石「さて…何もしてこないのならこのまま右腕を折らせて貰うよ。不思議と君相手には罪悪感が沸いてこないから楽だね」

メリメリメリ…

チャッキー「ヒィッ!う…丑三刻!助けてくれえ!」

丑三刻「お、おうよっ!クソッ、楽できると思ってたのによ…!」

ドカッ!

蒼星石「くっ…!」

実況『あーっと!ここで丑三刻がカットに入ってチャッキーを救出ーっ!そのままタッチして丑三刻に交代します!』

丑三刻「ココココ…次はこのオレの相手をして貰おうか…」

翠星石「蒼星石!ここは翠星石に交代するですぅ!蒼星石はさっきみたいに戦法を見極めるですよ!」

蒼星石「し、しかし翠星石は左肩が…」

翠星石「そんなもん屁とも感じねーです!さ、タッチですよ!」

蒼星石「…わかった!任せたよ!」

パシッ

37: 2008/09/12(金) 21:23:17.09 ID:RFWHHrI0
実況『さあ、ここでセーフティカラーズも翠星石にチェンジ!互いにリングインして睨み合います!』

丑三刻「コココ…無茶はするもんじゃねえなあ~っ、お嬢ちゃんよ~っ!」

翠星石「心配は無用ですぅ!こんな木偶人形一人倒すのに左なんていらねーですぅ!」

丑三刻「で、木偶人形!?てめえ、ブッ頃してやる!!」

実況『丑三刻、翠星石の挑発に乗って巨体で襲いかかる!藁のボディとは言え太い腕から繰り出される攻撃はかなりの威力でしょう!』

翠星石「遅い…根っからのパワーファイターのようですね!ならば、ラーメンマン戦法!」

フワッ

実況『これを迎撃する翠星石!胡蝶の舞で宙に跳躍!そして…』

翠星石「百戦百勝脚!!」

ドカァッ!

丑三刻「グオッ!!」

実況『蜂のように刺す!百戦百勝脚だーっ!丑三刻、強力な蹴りにたまらずよろめくーっ!』

丑三刻「ウググ…なかなかの蹴りじゃねえか…!」

翠星石「こんなのはまだ序の口!まだまだ行くですよーっ!」

丑三刻「(コココ…これは後が楽しみだな…。この強気な小娘が苦しみ悶える姿が目に浮かぶぜ…)」

38: 2008/09/12(金) 21:24:57.39 ID:RFWHHrI0
翠星石「烈火太陽脚!!」

丑三刻「ヌガァッ!!」


翠星石「回転龍尾脚!!」

丑三刻「ガフォッ!!」


翠星石「飛燕旋風脚!!」

丑三刻「グゴァッ!!」

実況『さあ、一方的な試合展開となって参りました!巨漢・丑三刻、翠星石を捕らえられずに蹴りを受け続けます!』

翠星石「はぁはぁ…随分タフなヤツですね…」

蒼星石「(おかしい…。いくらチャッキーのダメージが大きかったと言っても、この試合展開でタッチもしないだなんて…)」

蒼星石「翠星石!気をつけて!そいつ、何か隠してるよ!」

チャッキー「ヒヒヒ…もう遅えよ…。丑三刻!そろそろ返してやったらどうだ!?」

翠星石「な…何…?」

丑三刻「コココ…もう少し食らっても良かったが…。そうだな、この辺りで返済しとくか! 秘呪術・痛撃一括返し!!」

カッ…

40: 2008/09/12(金) 21:25:58.53 ID:RFWHHrI0
翠星石「あ…あああああっ!!」

ズシャッ

翠星石「あぐぅぅぅっ!!」

実況『な、なんだーっ!?翠星石、突然のダウン!悲鳴を上げてマットの上を転がるーっ!!』

蒼星石「す…翠星石ーーーっ!!」

丑三刻「コココ…どうだい?あれだけ打ち続けた自分の蹴りを一気に返されている気分は…?」

翠星石「ゼェ…!ゼェ…!」

蒼星石「バカな…!一体何が起こっているんだ!?」

チャッキー「ヒャハハハ!鈍いクソアマどもだなーっ!丑三刻のフォルムを見て何も違和感を感じなかったのか?」

翠星石「…わ…藁…人形…。ま…まさ…か…」

丑三刻「コココ…ご察しの通りよ!このオレ様は自分が受けたダメージを全て標的に返還させることができるのだ!」

実況『な、なんと…なんと恐ろしい能力でしょうっ!藁人形・丑三刻、全てのダメージを無効化してしまったーっ!』

蒼星石「こ…攻撃を無効化するだなんて…。一体…どうすれば…!」

ヨロッ

翠星石「…ま…まだ…打つ手は…ある…ですぅ…。…蒼星…石…」

41: 2008/09/12(金) 21:28:26.82 ID:RFWHHrI0
チャッキー「な、何ィ~っ!?ボロボロの体で強がりを言ってるんじゃねえーっ!!」

丑三刻「こ、この技は完全無欠だぞーっ!?てめえらなんぞに破られるはずがねえーっ!!」

翠星石「蒼星石…!翠星石に…タワーブリッジをかけるですぅ!」

蒼星石「………わかった!翠星石を信じるよ! タワーブリッジ!」

ガキィッ!

チャッキー「ヒャハハハ!見ろよ、丑三刻!あいつら気が動転して同士討ちを始めやがったぜ!………ハッ!」

丑三刻「ウ…ウギャアーッ!く、苦しい~っ!!チャッキー、あいつらを止めてくれえ~っ!!」

実況『これはどうしたことだーっ!?蒼星石が翠星石にタワーブリッジをかけ、何もされていないはずの丑三刻が苦しんでいるーっ!?』

翠星石「完全無欠の技なんてあるわけないです…。人を呪わば穴ふたつ…今の翠星石のダメージは全部、丑三刻に伝わるんですぅ!」

蒼星石「攻撃を無効化してるんじゃない。痛覚を自分と標的で逆転させているんだ。危うく騙されるところだったよ…」

チャッキー「し…しかしいくら痛覚を感じないからといってそのまま続ければ翠星石の背骨が折れちまうぜーっ!?」

翠星石「そこは我慢比べですよ…。翠星石が真っ二つになるのが先か、丑三刻が耐えられなくなるのが先か…」

翠星石「ちなみに翠星石は…この試合で氏ぬ覚悟はあるですよ!!」

丑三刻「ヒィッ…!も…もう耐えられんーっ!!秘呪術解除だーっ!!」 カッ…

翠星石「ぐぅっ…!い、今っ!!」

42: 2008/09/12(金) 21:29:32.70 ID:RFWHHrI0
蒼星石「いくよ、タッグフォーメーションA!」

実況『あ、あーっと!タワーブリッジの状態から翠星石が高速回転を加えて投擲されるーっ!』

翠星石「ロビンマスク直伝のタッグフォーメーションA!そしてブロッケンJr直伝…!」

翠星石「ベルリンの赤い暴風雨ーーーーーっ!!」

ザウッ!!

丑三刻「グギャアアアアーーーッ!!」

実況『トルネード・ベルリンの赤い雨が炸裂ーっ!!丑三刻の胸部を深々と切り裂くーっ!!そしてダウンした丑三刻に…』

翠星石「ラーメンマン直伝! キャメルクラッチ!!」

グワッキィッ!!

実況『スペシャルホールド・キャメルクラッチだーっ!!怒涛の連続技が決まったーーーっ!!』

チャッキー「丑三刻ーーーっ!クソアマーっ、調子に乗るんじゃねえーっ!!………ハッ!」

蒼星石「調子に乗っちゃいけないのは君だよ、チャッキー! タワーブリッジ!!」

ゴキィッ!!

チャッキー「ウギャアアアーーーーッ!!」

実況『蒼星石、チャッキーをタワーブリッジに抱えて天高く跳躍ーっ!!この動きは一体何なんだーっ!?』

43: 2008/09/12(金) 21:30:47.39 ID:RFWHHrI0
蒼星石「これで、おしまいだ!タッグフォーメーションF!」

実況『あ、あーっと!蒼星石、上空でタワーブリッジを極めたまま横向きになり変形デスバレーボムで落下してくるーっ!!』

翠星石「至高のツープラトンでトドメですぅ!はああっ!」

実況『その落下地点には翠星石!キャメルクラッチで丑三刻を限界まで反り返らせるーっ!!こ、この軌道はーーーっ!!』


蒼星石&翠星石『蒼翠・メイルシュトロームクラッシューーーッ!!』


ズガァァァァァァァン…!


チャッキー「ガハァッ…!…こ…このオレたちが…女子供なんぞに…!」

丑三刻「ゴフゥッ…!…殺人依頼達成率100%の…オレたちがぁ…!」

ズン…

カンカンカンカンカァン!!

実況『ゴングが鳴ったーーーっ!!第三試合、セーフティカラーズがクレイジーキラーズを破って大勝利ーーーっ!!』

実況『最後には双方の標的の頭部を激突させる荒技!同時に高度なテクニックが要求される脅威のツープラトンでフィニッシュを飾りました!』

蒼星石「やったね、翠星石!セーフティとは言い難い勝ちだったけど…」

翠星石「そ…それは今のところ言いっこなしですぅ!この調子で優勝するですよー!」

44: 2008/09/12(金) 21:32:09.81 ID:RFWHHrI0
~観客席~

ワアアアアアアア!!

ブロッケンJr「フゥ…やれやれ、焦らせやがる…。どうでえ、セーフティカラーズの強さは?」

バッファローマン「ま、まさかタワーブリッジとキャメルクラッチで頭部激突技とは…!」

テリーマン「いつものあの二人からは想像もつかない荒技だな!考案したのは…?」

ブロッケンJr「あの二人が相談して考えたんだとよ!」

キン肉マン「グ…グム~ッ、凄いのう…。真紅!グレート!我々も負けておれんぞ!」

真紅「わ、わかっているのだわ!」

真紅グレート「…決勝で当たるのは…あの二人の可能性が高い…」

真紅グレート「(…しかし、絆パワーの分裂を狙ったのはクレイジーキラーズでもなかった…。では残ったのは…)」

真紅グレート「…パーフェクトメイデンズ…」

真紅「えっ?い…いきなりどうしたの、グレート?」

真紅グレート「…次の試合こそ…警戒しなくてはならない…」

テリーマン「(真紅グレートも勘付いたか…)」

テリーマン「(雛苺、金糸雀…決して迂闊な真似はするんじゃないぞ…!)」

45: 2008/09/12(金) 21:33:18.82 ID:RFWHHrI0
~会場内~

ロビンマスク「どうやら蒼星石たちは見事に勝利を飾ったようだな…」

ラーメンマン「フッ…やはり気になっていたか…」

ロビンマスク「私たちの大切な弟子だ。当然だろう」

ラーメンマン「ハハハ、違いない!………しかし、なかなか神隠し事件の尻尾は見つからんか…」

ロビンマスク「そうだな…もしかすると本当に何の関係もないのかも知れん…」

ラーメンマン「何十人もの人の命がかかっている。断定するのはまだ早い。………ウッ!」

フラッ

ロビンマスク「ど、どうしたラーメンマン!?…そ、側頭部の傷跡が浮かび上がっている!?」

ロビンマスク「この傷は第21回超人オリンピック ザ・ビッグファイトでウォーズマンにつけられたもの…これが急に反応するとは…」

ラーメンマン「ああ、ウォーズマンが近くに居る証拠!この辺りを徹底的に探すんだ!」

ロビンマスク「………。ヌゥ!遺跡のここの壁…周りと若干色が違うぞ!」

ラーメンマン「か、隠し扉か!この奥にウォーズマンが…。ふんっ!」

ゴゴゴゴゴ…

ロビンマスク「こ…これは…?」

46: 2008/09/12(金) 21:34:10.16 ID:RFWHHrI0
ロビンマスク「隠し扉の奥の長い廊下…壁一面に絵画が飾られている…」

ラーメンマン「少々不気味だが…この絵画、まるで生きているようだ…。さぞかし有名な画伯が描いたんだろう」

ロビンマスク「そのようだな…。しかし、描かれている人物に統一性がない…。何故だ…?」

ラーメンマン「ウーム…、………ハッ!…ロ、ロビン!大変だ!この絵を見てくれ!!」

ロビンマスク「お前が取り乱すとは珍しいな、ラーメンマン。………ハッ…こ…この絵はまさかーっ!!」

カツカツカツ…

謎の男「その通り、君たちがお探しのウォーズマンの人物画だ。フフフ…困りますなぁ、ここは関係者以外立ち入り禁止ですぞ?」

ロビンマスク「き…貴様は大会主催者!一体どういうことだ!!説明して貰おうっ!」

ガシィッ!

謎の男「仮面の貴公子、ロビンマスク…冷静さの裏に熱しやすさを持っているのは相変わらずか…」

ラーメンマン「ロ…ロビンのタックルをスクラムで受け止めた!?やはり只者ではない!」

ロビンマスク「こ…このズシーンと両肩に重くのしかかってくるような感触…私は知っている…!貴様はもしかして…!」

謎の男「フフフ…ロビンマスク、やはりお前には隠しても無駄なようだな…。そう!」

バリバリバリッ!

ネプチューンマン「今回のタッグトーナメント主催者にして、パーフェクトメイデンズ№2のミーディアム!完璧超人ネプチューンマンだ!」

47: 2008/09/12(金) 21:35:04.77 ID:RFWHHrI0
ラーメンマン「パ…完璧超人ネプチューンマンだと!?お前、キン肉マンとの戦いで正義超人に戻ったんじゃないのかーっ!?」

ネプチューンマン「飽きたのさ、くだらん友情ごっこで満足している正義超人界にな。やはりオレは完璧超人であるのが性にあっている」

ロビンマスク「…例の神隠し事件と、この画廊…全て線で繋がったぞ!人を攫って絵画に閉じ込め、コレクションしていたのはお前だな!」

ネプチューンマン「おっと、その罪をオレに着せて貰うのは困るな…。それは我がドール、雪華綺晶の趣味だ」

ネプチューンマン「フフ…ドールとミーディアムは似ると聞くが…どうしてどうしてオレのマスク狩り趣味に似ているじゃないか」

ロビンマスク「ふざけるな!ここには凄腕の正義超人が二人居るんだ!お前に勝ち目はない!速やかに絵画の人物たちを解放しろ!」

ネプチューンマン「フッフッフ…哀れなヤツらだ…。既にここは雪華綺晶の領域…貴様たちは罠にかかっているのよ!」

ラーメンマン「な、何だと!?………ウワッ!空の絵画から…植物の蔦のようなものが…!」

ロビンマスク「しまった!我々をも絵画に閉じ込めるつもりか!お、おのれ…謀ったな!ネプチューンマン!」

ネプチューンマン「ハーッハッハッハッハ!雪華綺晶の邪魔も、この大会の邪魔も、何者にもさせはせん!」

ネプチューンマン「正義超人たちのコピーであるローゼンメイデン…その絆パワーとやらを徹底的にブチ砕いてやるのだ!!」

ズブズブズブ…

ロビンマスク「クッ…!もはや脱出は不可能か…! ならば………アノアロの杖よ、蒼星石の所へ届け!彼女らを護ってやってくれーっ!」

ギュン!

ネプチューンマン「ウオッ!?ロ…ロビンめ、絵に閉じ込める前に変なものを投げおって…。まあいい、これで二人も邪魔者が消えた!あとは…」

48: 2008/09/12(金) 21:36:29.34 ID:RFWHHrI0
一旦休憩します

55: 2008/09/12(金) 22:32:18.17 ID:RFWHHrI0
再開

56: 2008/09/12(金) 22:32:46.44 ID:RFWHHrI0
~Bブロック第二リング~

実況『本日最後となりました第四試合!∞(インフィニティ)パワーズvsパーフェクトメイデンズ!』

実況『∞パワーズ先発は金糸雀、パーフェクトメイデンズ先発は未だ謎に包まれているミステリアス№1のようです!』


金糸雀「雛苺、しっかりサポートを頼むかしら~。…雛苺…?」

雛苺「えっ?…う、うん、わかったの~…」

金糸雀「大丈夫かしら~?試合始まってないのに凄い汗なのかしら~!」

雛苺「な…なんだか嫌な予感がするのよ…。金糸雀…」

金糸雀「心配はいらないかしら~!カナの先発のファイトでその不安を払拭してあげるかしら~!」


ミステリアス№2「クスクスクス…わかっていますよね、お姉様…?」

ミステリアス№1「……………」

ミステリアス№2「一切の容赦、慈悲を捨ててあのパワーを最大限発揮すれば敗北の二文字はありません…」

ミステリアス№2「この試合…タッグとは言え私はタッチを受ける気はありませんので…」

ミステリアス№1「……………」

58: 2008/09/12(金) 22:34:00.42 ID:RFWHHrI0
カァーンッ!

実況『さあ、今ゴングが鳴った!まず果敢に攻めてかかったのは…』

金糸雀「いい加減、その布切れを脱ぐのかしら~っ!!」

実況『金糸雀だーっ!!ミステリアス№1の懐に飛び込み、ガトリング砲並みのパンチを連射ーーーっ!!』

ドガガガガガ…

ミステリアス№1「ッ…!」

実況『これを受けたミステリアス№1…ジリジリと後退する!対して金糸雀はどんどん間合いを詰めていくぞーっ!』

金糸雀「ブロンコフィスト!!」

ミステリアス№1「……………」

ヒュン!

実況『あーっと、しかしブロンコフィストは空振り!ミステリアス№1、体勢を低くして回避!さすがに大振りすぎたかーっ!?』

金糸雀「フッ…それは誘いのブロンコフィストかしらっ!突き上げるように…テキサスコンドルキックーーーッ!!」

ミステリアス№1「!!」

ドキャアッ!

実況『突き上げ式テキサスコンドルキックがミステリアス№1の仮面に直撃ーっ!!試合巧者・金糸雀!鮮やかにダメージを与えました!』

59: 2008/09/12(金) 22:35:15.10 ID:RFWHHrI0
ミステリアス№1「……………」

実況『ミステリアス№1、よろめくも再び構え直す!未だに攻撃を仕掛けない様が何とも言えない不気味さを漂わせています!』

金糸雀「あ…あれで傷つかない仮面とヴェールなんて…生半可な攻撃じゃ破れないのかしら~…。こうなったら…」

金糸雀「雛苺!あれを使うかしら~!」

雛苺「わ、わかったの~!」

実況『金糸雀、リングサイドの雛苺に何事か合図を送った後、ミステリアス№1に接近!正面から組みあい…』

金糸雀「そんな格好じゃ小回りは利かないのかしら!それっ!」

クルッ

ミステリアス№1「!!」

実況『あ、あーっと後ろに回り込んでカーフブランディングの体勢ーっ!前方からは雛苺が肉薄、超人十字架落としの体勢だーっ!』

ミステリアス№1「クッ…!」

雛苺「投げるの、金糸雀!」

金糸雀「バッチリかしら、雛苺!」

雛苺&金糸雀『インフィニットコラボレーション・PARTⅠ!!』

ズッドォォォン…!

60: 2008/09/12(金) 22:36:56.13 ID:RFWHHrI0
実況『あ、あーっとここで超人十字架落としとカーフブランディングのコラボレート技がミステリアス№1に炸裂ーっ!!』

実況『まさに∞パワーズの名に違わぬ大技!ミステリアス№1がマットに深く突き刺さるーーーっ!!』

ズン…

金糸雀「これであの仮面もヴェールも破壊できたのかしらっ!」

雛苺「あっ、あああ~~~っ!!」

金糸雀「ど…どうしたのかしら!?雛苺!!」

雛苺「い、いけない~っ!いけないの~っ!!そのミステリアスヴェールの奥の姿を見ては~っ!」

金糸雀「お、落ち着くのかしら!雛苺!………ハッ!」


ミステリアス№1「……………」

ピシッ…バリバリバリバリ…

金糸雀「ミ…ミステリアスヴェールが破れて…、…あ、ああーっ!ま…まさかーーーっ!!」


 バサッ…

水銀燈「あ、貴女たち…。よくも…ミステリアスヴェールを…」

実況『な、なんとーーーっ!!ミステリアス№1の正体は行方不明になっていたはずの水銀燈だったーーーっ!!』

61: 2008/09/12(金) 22:37:58.44 ID:RFWHHrI0
~観客席~

ザワザワザワ…

キン肉マン「す…水銀燈だ…」

翠星石「…す、水銀燈…ですぅ…」

真紅「水銀燈っ!?どうしてっ!?行方不明になっていたんじゃなかったのっ!?」

蒼星石「お…落ち着いて、真紅!!す…水銀燈にも何かきっと理由があるんだ!!」

テリーマン「し、しかし何故だ!?何故、真紅と決別してまであのミステリアス№2と組んだんだ!?」

真紅グレート「(…ミステリアス№2、彼女こそプリンス・カメハメが恐れた存在…)」

真紅グレート「…バッファローマン…この戦いは危険…。…ギブアップするように二人に伝えて…」

バッファローマン「な、なんだと!?真紅グレート、てめえはあの二人が負けるとでも言いたいのか!?」

真紅グレート「…残念だけど…負けるより酷いことになる…。…水銀燈は…今までの彼女じゃなくなっている…」

バッファローマン「!!」

テリーマン「バッファローマン!これは本当に只事じゃなさそうだぜ!オレは行く!」

ブロッケンJr「し…試合が動くぞ!!」

真紅「水銀燈っ!!」

62: 2008/09/12(金) 22:39:01.09 ID:RFWHHrI0
~Bブロック第二リング~

金糸雀「す、水銀燈!説明して欲しいのかしら!貴女、行方不明に…」

水銀燈「隙だらけよ…金糸雀…」

雛苺「金糸雀!水銀燈から離れるのーっ!」

金糸雀「えっ!?」

水銀燈「ダブルショルダーアームブリーカー!」

ゴキッ、ゴキィッ!

金糸雀「か、かしらあーーーっ!?」

実況『あ、あーっと!これはなんということだーっ!!驚く金糸雀の隙を突いて水銀燈、その両腕を圧し折ったーっ!!』

金糸雀「あっ…ううっ…りょ、両腕が…!」

水銀燈「……………」

雛苺「(つ…冷たい目なの…!いつもの水銀燈とは違う…冷酷無慈悲…!虫けらを見下すような目なの…!)」

実況『あ、あーっと!水銀燈、両腕を折られた激痛で動けない金糸雀を抱え上げるーっ!その視線の先はリング外の鉄柱!』

水銀燈「ジェットライナー!」

金糸雀「ッ…!」

64: 2008/09/12(金) 22:40:02.22 ID:RFWHHrI0
ドカァァァッ!

金糸雀「ゲホッ!!」

実況『て、鉄柱に向かって金糸雀を叩きつけたーっ!!鉄柱に串刺し状態となった金糸雀、ピクリとも動かない!!』

水銀燈「これで金糸雀は立てないわ…」

ミステリアス№2「いいえ、お姉様…絆パワーを持つ相手は徹底的に叩く必要があります…。あれの準備を…」

水銀燈「だ、だけどもう動いていないし…」

ミステリアス№2「クスクス…お姉様、貴女が非情に徹して勝たなければ…あの娘はどうなるのでしょうね…?」

水銀燈「!!」

水銀燈「わ…わかったわ…。やるわよ…」

実況『あ、あーっと!まだ何かをする気なのか水銀燈、鉄柱から金糸雀を抱き起こし…リング中央に立たせるーっ!』

実況『そしてその左腕に謎のサポーターを装着!更にリングの対角線上にミステリアス№2が同じように構えたーっ!』

水銀燈「nフィールド・パワー…!」

ミステリアス№2「出力最大…!」

実況『一体これは何なのか!水銀燈とミステリアス№2の左腕が光の線で繋がる!そしてその中心には金糸雀がーっ!』

水銀燈&ミステリアス№2『クロスボンバーーーーッ!!』

65: 2008/09/12(金) 22:41:12.89 ID:RFWHHrI0
ドンッ!

金糸雀「ハッ…!えっ…!?」


ズガァァァァァァァン…!


実況『ツープラトン・サンドウィッチラリアットが炸裂ーっ!!しかし謎の光で増した威力…計り知れません!!金糸雀は…』

実況『い、いや!技を受けたのは金糸雀ではありません!!サンドウィッチラリアット…クロスボンバーの餌食になったのは…』

水銀燈「ひ…雛苺…!」

ミステリアス№2「クスクス…面白いことをしますね、雛苺お姉様…」

実況『ひ、雛苺だったーーーっ!!雛苺が金糸雀を庇う形でクロスボンバーを受けているーっ!!』


雛苺「…す…水…銀…と…。…目を…覚ま…し…て………」


グワン…!

実況『あ、あーっと!これは夢か幻か!雛苺が周りの空間ごと平面化してゆくーっ!一体この力は何なんだーっ!』

パサッ…

実況『そしてリング中央に絵画になってしまった雛苺が落ちるーっ!私は恐ろしい夢でも見ているのでしょうか!?』

66: 2008/09/12(金) 22:42:25.73 ID:RFWHHrI0
カンカンカンカンカァン!!

実況『静まり返った会場にゴングが鳴り響くーっ!!第四試合…圧倒的な力で勝利したのはパーフェクトメイデンズ!』

実況『この強さ!あの超人のタッグチームを彷彿とさせるものがありますが…もしや彼女らは彼らに教えを受けたのでしょうか!』

ミステリアス№2「クスクス…雛苺お姉様の絵画…大事にいたしますわ…」

水銀燈「う…あ…」

ミステリアス№2「あら、何故勝ったのにそんな悲しい顔をされているのです?お姉様の望んだ勝利ですよ?」

ダダダダダ…

真紅「す…水銀燈っ!!」

翠星石「大丈夫ですか!?チビカナ!!」

ミステリアス№2「これはこれはお姉様方…決勝や準決勝、お手柔らかにお願いしますね…?」

翠星石「お姉様って…お前なんて知らんですぅ!」

真紅「水銀燈…貴女は今一番やってはいけないことをやったのよ!わかっているの!?」

水銀燈「……ううっ…」

水銀燈「う、うるさい!私たちローゼンメイデンは互いに頃しあうために作られたんじゃない!原点に戻って何が悪いのよ!」

真紅「!!」

69: 2008/09/12(金) 22:43:50.23 ID:RFWHHrI0
ミステリアス№2「クスクスクス…その通りです。何も間違ってはいませんよ、水銀燈お姉様…」

ミステリアス№2「では、失礼いたします…。翠星石お姉様とは次の試合で…真紅お姉様とは決勝で戦えることを祈っていますよ…」

真紅「ま、待ちなさい!」

ボワッ

翠星石「き…消えてしまったですぅ…」

真紅「水銀燈…本気で言っているの…?」

ダダダダダ…

蒼星石「はぁはぁ…ふ、二人ともっ!水銀燈は…!?」

テリーマン「しっかりしろ!金糸雀!…ま、まだ大丈夫だ!治療を受ければ助かるぞ!」

バッファローマン「ウオオッ…ひ、雛苺…!お前ってヤツは…お前ってヤツはーーーっ!!」

キン肉マン「み、皆!大変じゃ!ロビンとラーメンマンがどこにもおらん!」

ブロッケンJr「こ…これだけがオレたちの元に飛んできたんだ!」

蒼星石「これは…ロビン家に伝わる宝、アノアロの杖じゃないか!そう簡単にマスターがこれを手放すはずがない!」

真紅グレート「…おそらく…敵の手に落ちたとしか…」

蒼星石「そ、そんな…!」

70: 2008/09/12(金) 22:44:43.77 ID:RFWHHrI0
~そうして数々の波乱を起こし、タッグトーナメントの第一日目は幕を下ろした。次の戦いはまた一週間後…~

~Aブロック準決勝はレッドシスターズvs血桜爛漫隊…Bブロック準決勝はセーフティカラーズvsパーフェクトメイデンズとなる…~

~その四つのタッグチーム…八体のドールのうち、たった二体だけがスーパーローザミスティカを手にする権利を得る~

~しかし、もはや真紅たちにはスーパーローザミスティカのことを考える余裕はありはしなかった…~

~雪華綺晶の策謀により砕かれた絆パワー…その復元の息吹はまだ感じられない…~

71: 2008/09/12(金) 22:45:57.12 ID:RFWHHrI0
~超人集会所~

テリーマン「金糸雀は一命を取り留めた…。ただ、このタッグトーナメントの期間中は目を覚まさないだろうとのことだ…」

ブロッケンJr「目の前で自分を庇った雛苺がやられるのを見たんだ…。そりゃあショックもでけえだろうよ…」

バッファローマン「雛苺の馬鹿野郎…。オメーはいつもそうやって自分を犠牲にして誰かを助けやがる…」

ブロッケンJr「バッファローマン…」

バッファローマン「へっ…心配すんな、ブロッケンJr。まだ助かる見込みはあるんだ。あとは真紅たちに賭けるしかねえがな…」

キン肉マン「我々正義超人は…ウォーズマンに続きロビンとラーメンマンもか…」

テリーマン「あの実力者の二人が並みの超人に遅れを取るわけがない。おそらく罠にかけられたんだ」

キン肉マン「手がかりはロビンが残したと思しきアノアロの杖だけなんだが…あの様子では…」


蒼星石「離して!僕はもう一度トーナメントテーブルに行く!マスターが囚われているんだ!」

翠星石「お、落ち着くですぅ!あの遺跡はもう入り口が閉まって入れないですよ!今行っても無駄ですぅ!」

真紅「蒼星石!貴女らしくないのだわ!とりあえず座りなさい!」

蒼星石「クッ…こんな時に何もできないなんて…!」

翠星石「翠星石だって師匠がいなくなってつらいですよ!でも、今は来るべき時のために作戦会議するんですぅ!」

72: 2008/09/12(金) 22:47:24.10 ID:RFWHHrI0
蒼星石「………ごめん、翠星石…」

テリーマン「…落ち着いたようだな…。蒼星石、アノアロの杖を貸してくれないか…?」

蒼星石「マスターの…。これで一体何をするの…?」

テリーマン「正義超人界一の知恵者・ロビンマスクのことだ…きっとこのアノアロの杖に何かメッセージを残しているはず…」

ボウッ!

真紅「あっ、火がついたのだわ!」

キン肉マン「おおっ、火に誰か映っておるぞ!このシルエット…ラーメンマンか!」

真紅グレート「…火の中から何か聞こえる…」

ラーメンマン『………しかし、なかなか神隠し事件の尻尾は見つからんか…』

ロビンマスクの声『そうだな…もしかすると本当に何の関係もないのかも知れん…』

ブロッケンJr「これは…どうやらロビン視点の記録みてえだな…」

バッファローマン「つまり、これを辿っていけば当時の様子が分かるってことか…」

翠星石「師匠たちに一体何が…」

蒼星石「マスター…どうか無事でいて…」

73: 2008/09/12(金) 22:49:07.70 ID:RFWHHrI0
~数分後~

キン肉マン「ネプチューンマン…!ヤツが今回の黒幕だったとは…!」

真紅「雪華綺晶…それが水銀燈のタッグパートナーの名前なのね…」

テリーマン「神隠し事件はそのドールの仕業だったんだな!クッ、ドール自身が悪の心を持っているなんて性質が悪いぜ!」

バッファローマン「もうタッグトーナメントがどうとか言ってる場合じゃねえ!ネプ野郎の思い通りにさせるかってんだ!」

真紅「蒼星石!翠星石!ここはどのチームが一番なのかは忘れて、パーフェクトメイデンズ打倒に協力するのだわ!」

パシッ

真紅「あっ…」

蒼星石「悪いけど真紅…君たちの協力は必要ない…。僕たちは僕たちでパーフェクトメイデンズを倒す…」

キン肉マン「な、何を言っておるんじゃ!皆で力をあわせなければあの水銀燈と雪華綺晶のタッグは打ち破れんぞ!?」

蒼星石「逆だよ…。完璧超人の手先である彼女らに勝つには…一切の情を捨てて徹底的に叩き潰さなければならないんだ…」

蒼星石「協力だとか絆パワーだとか、生温いことを言ってるようじゃ駄目なんだ…」

翠星石「そ、蒼星石!それは違うですぅ!」

ブロッケンJr「それじゃあ連中のやり口と変わらねえじゃねえか!」

蒼星石「翠星石、僕のやり方に不満があるならばいつタッグを解消してくれても構わないよ…。それじゃ…」

74: 2008/09/12(金) 22:50:25.35 ID:RFWHHrI0
翠星石「ま、待つですぅ!頭を冷やすですよ、蒼星石っ!」

ブロッケンJr「クソッ、蒼星石め…完全にキレてやがる!じゃあな、皆!オレはあいつらについてやらねえと…」

キン肉マン「蒼星石の説得を頼むぞ、ブロッケンJr!このままじゃ私たちの時の二の舞になってしまう!」

ブロッケンJr「ああ、一応やってみるが…あのキレっぷりじゃ自信がねえ!」

バッファローマン「なら、人数あわせにオレもセーフティカラーズにつくぜ!テリーマン、お前にはレッドシスターズは任せた!」

テリーマン「頼んだぞ、バッファローマン!…やれやれ…見事に真っ二つになってしまったな…」

キン肉マン「ああ~っ、こういう時こそ一致団結せねばならんというのに~っ!」

真紅「これもネプチューンマンと雪華綺晶の狙いなのかしら…?」

真紅グレート「…おそらく…。…とにかくタッグトーナメントを中止できない以上…私たちは血桜爛漫隊に勝つことを考えないと…」

真紅「そうね…。ブレインの蒼星石があの調子じゃ…私たちが決勝でパーフェクトメイデンズを倒さなければならなくなるのだわ」

キン肉マン「うむ、そうと決まれば次なる戦いのために対策会議をせねば!」

テリーマン「…とは言えど…童子切丸は妖腕刀を、松姫は髪の毛を使った攻撃をしてくる…ぐらいしか情報がないがな…」

真紅「お先真っ暗なのだわ…。あの二人を瞬[ピーーー]るような相手だなんて…」

真紅グレート「…そう悲観することもない…道は必ずあるはず…」

真紅グレート「(…ただ…どこまで私が真紅グレートと正体を隠し続けられるか…それが問題…)」

75: 2008/09/12(金) 22:51:44.30 ID:RFWHHrI0
ピーわろたwwwwww

「しゅんさつ」です

76: 2008/09/12(金) 22:53:00.21 ID:RFWHHrI0
~トーナメントテーブル・映写室~

雪華綺晶「クスクス…見てください、ネプチューンマン…。たった2チームなのに団結できないローゼンメイデンを…」

ネプチューンマン「フフフ…オレも以前は“この世に完璧なものがあるとすれば正義超人の友情だ”なんて血迷ったことを言ったが…」

雪華綺晶「その信念を受け継ぐお姉様たちは全くと言って良いほど完璧には程遠い絆…見物ですね…」

ネプチューンマン「ま、オレはお前たちが完璧超人のドールとしてタッグトーナメントで優勝してくれりゃそれで十分」

ネプチューンマン「お前たちの名を上げるためだけにわざわざ海底に眠っていたスーパーローザミスティカを引っ張り上げてきたんだからな」

雪華綺晶「お任せください…必ずや、私と水銀燈お姉様は優勝してみせますわ…」

ネプチューンマン「その水銀燈だが…大丈夫なのか?戦っている途中に絆パワーを取り戻すなんてお寒い三文芝居は御免だからな?」

雪華綺晶「ご心配なく…既にセーフティカラーズは蒼星石お姉様のお陰で結束がバラバラ。レッドシスターズも決して結束できない秘密があるのです」

雪華綺晶「絆パワーはもはや粉々に砕かれて破片が少しずつ残るのみ…。水銀燈お姉様をたぶらかすほどのパワーはありません…」

ネプチューンマン「何故そこまで徹底的になる必要がある?…既に何時でもスーパーローザミスティカを取り込み、アリスになれる立場にあると言うに…」

雪華綺晶「やはりアリスになるには完膚なきまでにお姉様たちを潰しておきたいのです…。完璧主義の貴方なら分かるでしょう?」

雪華綺晶「では、水銀燈お姉様の様子を見てきます…。失礼…」

ボワッ

ネプチューンマン「フフ…本当に恐ろしいヤツだ…。雪華綺晶というドールは…」

78: 2008/09/12(金) 22:54:07.69 ID:RFWHHrI0
~ロビン家・図書室~

蒼星石「“nフィールド”…確かにその単語が聞こえた…。それがあの二人の謎の力の正体だ…」

翠星石「あれは遠目から見ただけですが、なんだかドールのパワーを吸い取っているような感じだったですぅ…」

蒼星石「おそらく水銀燈の左腕に装着されていたサポーター…あれがキーアイテムになっているはずだ…」

翠星石「でも、結局は“nフィールド・パワー”とやらの正体が分からなくちゃ対処のしようがないですぅ…」

蒼星石「だからこうやって探しているんだ…!これだけの本があるんだ…必ずどこかに資料があるはず…!」

翠星石「…蒼星石…そう根をつめては体が持たないですよ…」

蒼星石「…やる気がないなら出て行ってくれないかな、翠星石…。僕は一人でも水銀燈たちを倒す気だから…」

翠星石「そ…蒼星石…」


ブロッケンJr「駄目か…。もはや聞く耳も持ってねえ…」

バッファローマン「蒼星石は常に冷静沈着なドールだと思っていたが、まさかマスター関係になるとこうも入れ込んじまうとはな…」

ブロッケンJr「クソッ、こういう時にロビンならなんて言うんだよ!なんて声をかけたらいいか分からねえ!」

バッファローマン「せっかく追いかけてきたのに何もできねえ状態が歯痒いぜ…!」

79: 2008/09/12(金) 22:54:56.94 ID:RFWHHrI0
~古屋敷~

童子切丸「フン…、あまりの弱さに斬り損ねてしもうたわ…。つまらぬ…」

松姫「キョキョキョキョ…やけにご機嫌が斜めかえ、童子切丸よ…。やはりあの二人では物足りぬかえ…?」

童子切丸「当然だ。悪魔の人形、デビルメイデンと聞いて心躍ったのも束の間のことよ…」

童子切丸「所詮は児戯であった。某が斬るに値する強者には遠く及ばぬ…」

松姫「キョーッキョッキョッキョ!その言葉、頼もしい限りかえ…次なる相手はきっとお主を失望させぬかえ…」

童子切丸「レッドシスターズとやらか…?フン、どうだかな…」

松姫「キョキョキョ…確かに真紅は甘ちゃんで、ラッキーによって勝ち抜いてきたドールであるが…問題はもう一人…」

松姫「真紅グレートと名乗るあの人形…。その正体は…お主の捜し求めてきたあの男の教えを受けたドールであるかも知れんかえ」

童子切丸「なんと…!それは誠か!?」

松姫「断定はできぬかえ…。しかし、その正体を暴けば…お主の望む強者を斬れるかも知れんかえ…」

童子切丸「…クククク…面白い!!」

童子切丸「なれば某が妖腕刀にて真紅グレートの化けの皮を剥いで御覧に入れよう!」

松姫「キョキョキョキョ…この松姫、頼りにしているかえ…」

104: 2008/09/14(日) 21:37:44.01 ID:qy9p32M0
~一週間という時間は飛ぶように過ぎ去った…~

実況『さあ、皆様お待ちかね!いよいよ本日はスーパーローザミスティカ争奪タッグトーナメント準決勝です!』

実況『カード内容は…Aブロック・レッドシスターズvs血桜爛漫隊!Bブロック・セーフティカラーズvsパーフェクトメイデンズ!』

実況『場所は前回と同じくここ、東京湾沖古代遺跡!通称トーナメントテーブル!数多くの猛者の血を吸ってきた遺跡です!』

実況『今回は一体どんな戦いが繰り広げられるのでしょうか!?一瞬たりとも目が離せません!!』

実況『第一試合はまもなく、Aブロックのレッドシスターズvs血桜爛漫隊の試合から始まります!』

105: 2008/09/14(日) 21:40:20.66 ID:qy9p32M0
~Aブロック・第三リング~

実況『Aブロック第三リング…レッドシスターズの先発は前試合と同じく真紅、血桜爛漫隊の先発は松姫であるようです』

実況『前試合では圧倒的な強さを見せつけた血桜爛漫隊…一体どのような戦い方をするのかも謎に満ちています!』


真紅グレート「…松姫は自分の髪をまるで蛇のようにして操ると言われている…気をつけて…」

真紅「わかったのだわ、グレート。とにかくあの髪に捕まらなければいいのね?」

真紅グレート「…そう…タッチのタイミングは任せるから…」


松姫「キョキョ…まずは真紅と遊んでやるかえ…」

童子切丸「フン、早い所ダウンさせてグレートを引きずり出してほしいものだ…」

松姫「キョキョキョ…では、ご期待に添えるとするかえ…」


実況『それぞれパートナーと言葉を交わした二人…リング中央まで進み出ます。そしてゴングが今…』

カァーンッ!!

実況『鳴ったぁーっ!!』

106: 2008/09/14(日) 21:41:54.73 ID:qy9p32M0
実況『さあ、未だに謎に満ちている悪霊憑依市松人形・松姫!一体真紅はどう出るのか!?』

真紅「はああっ!」

ダッ

松姫「キョキョッ!?」

実況『な、なんと実力未知数の相手に果敢にもインファイトを仕掛ける!これは一体どういうつもりなのかーっ!』

松姫「ば…馬鹿にしているのかえ!髪操・八岐大蛇ーっ!!」

実況『あ、あーっと!間合いに飛び込んだ真紅に対し、松姫の黒髪が八匹の大蛇を象って襲いかかるーっ!』

真紅「おっと、これに捕まるわけにはいかないのだわ!」

実況『しかし真紅!急ブレーキをかけてバック転!八方向から襲いかかる大蛇群を身軽に避けたーっ!』

実況『で…ですがこれは一体どういうつもりでしょう?攻めると見せかけて逃げ回っていますが…』

松姫「キ、キョキョ~ッ!おのれちょこまかと~っ!わらわの髪は伸縮自在!そこも射程距離内かえ~っ!」

松姫「噛み頃してやるかえっ!髪操・八岐大蛇ーーーっ!!」

実況『あ、あーっと!再び八匹の大蛇がコーナーポストに追い詰められた真紅へと一直線に強襲するーっ!』

童子切丸「愚か者め、松姫!それは真紅の策略だっ!」

真紅「よし、上手く引っかかったのだわ!はああっ!」

108: 2008/09/14(日) 21:43:04.55 ID:qy9p32M0
ガシィッ!

松姫「キョッ!?」

実況『あ、あーっと!また真紅は避けたが…なんと松姫の髪はコーナーの鉄柱に何重にも巻きついてしまったーっ!』

松姫「キョキョ…し、しまった…!」

真紅「こんな古典的な手に引っかかるなんて…悪霊憑依ドールも名ばかりの見掛け倒しね!」

真紅「次は私の番なのだわ! 真紅エアーッ!」

ズガッ!

松姫「キョキョーッ!?」

実況『ここで真紅の大回転ヒールキックが動けない松姫の頭部に炸裂ーっ!強力な打撃に松姫、たまらずダウンーッ!』

真紅「これで厄介な髪は封じたのだわ!後はグランドに持ち込んでギブアップを狙う!」

真紅グレート「いけない、真紅!そのダウンは演技!」

松姫「キョキョキョ…よくもやってくれたかえ…。たっぷりとお返しせねばならんかえ~っ!」

ズボォッ…

実況『な、なんと松姫!髪の力でコーナーの鉄柱を引き抜いたーっ!なんという怪力でしょう!』

松姫「髪操・神罰鉄槌ーーーっ!!」

109: 2008/09/14(日) 21:45:18.00 ID:qy9p32M0
ドガァァァッ!

真紅「うあああっ!」

実況『松姫、髪の毛で絡み取った鉄柱を思い切り叩きつける荒技ーっ!これを受けた真紅、マットに倒れるーっ!』

松姫「キョーッキョッキョ!わらわを傷つけた罪は重いかえ~っ!」

ドガッ!ドガッ!ドガァッ!

真紅「ぐぅぅっ!」

実況『あーっとさらに松姫、鉄柱を何度もダウンした真紅に叩きつける残虐ファイトを敢行ーーーっ!!』

真紅グレート「し、真紅!タッチを…!」

松姫「キョキョ…ついにグレートが出てくるか…。ほら、さっさと行くかえ」

実況『こ、これはどうしたことだーっ?松姫、あっさりと真紅を解放ーっ!真紅は自軍コーナーに下がったーっ!』

真紅「はぁっ…はぁっ…、グ…グレート…出てはいけないのだわ…!あいつら…明らかに貴女を狙っているわよ!」

真紅グレート「…心配しないで…。…その傷で戦わせるわけにはいかない…後は私に任せておいて…」

パシッ

実況『あーっと、ここで満身創痍の真紅にタッチして真紅グレートがリングイン!対する血桜爛漫隊は…!』

童子切丸「ようやく某の出番というわけだ~っ!ククク…血が滾ってきたわぁ~っ!」

110: 2008/09/14(日) 21:46:52.51 ID:qy9p32M0
実況『今まで沈黙していた悪霊憑依五月人形・童子切丸です!堂々たる佇まいで今リングイン!並ならぬ気迫を感じます!』

童子切丸「予告!」

真紅グレート「!!」

童子切丸「これより三太刀!三太刀で真紅グレートの正体を暴き、白日の下に晒してくれようぞ!」

実況『あ、あーっと!ここで正体暴き予告だーっ!果たしてその予告は真実のものとなるのかーっ!?』

真紅グレート「(…この相手は危険…。…速攻で…カタをつける…!)」

ダッ

実況『真紅グレート、ここで先に仕掛けるーっ!一回戦で見せた蹴り技…その威力は侮れぬものがあります!』

童子切丸「妖腕刀~~~っ…」

実況『それに対する童子切丸!腰の鞘に右腕を入れれば…なんと右腕が日本刀の刃となったーっ!』

真紅グレート「…マーシャルアーツキック…!」

童子切丸「キェエエーーーッ!!」

バシュッ…

実況『今二人の影が交錯ーっ!その結果は如何に!?』

111: 2008/09/14(日) 21:48:36.34 ID:qy9p32M0
ガクッ…

童子切丸「オグォ…ッ!」

実況『先に膝をついたのは童子切丸!なんと胸板にくっきりと蹴り跡が残っているーっ!』

童子切丸「クッ…ククク…!透き通るような白い肌…闇に輝く金色の瞳…晒してやったぞ…!」

真紅グレート「!!」

ハラリ…

実況『あ、あーっと!ここで真紅グレートの顔の下半面を覆い隠していたマフラーが落ちるーっ!』

松姫「キョキョキョ…どこかで見た顔に似ておるかえ~っ!悪道を往く我らが知っている顔だということは…?」

真紅グレート「だ…黙れ…っ!…サマーソルト…」

童子切丸「クケケッ!どうした、先ほどの技よりもキレがないぞ!?チェストォォォーーーッ!!」

ザシュッ…

真紅グレート「うあああっ!」

実況『こ、今度は真紅グレートが打ち負けたーっ!赤のコスチュームが破れ、対照的な青白い衣装が垣間見えるーっ!』

真紅「グ…グレートッ!もういいのだわ!もう十分休んだからタッチするのだわ!」

童子切丸「クハハハッ!やはり…!やはり某が戦いの相手として望んでいたあの男のドールかーっ!!」

112: 2008/09/14(日) 21:49:52.12 ID:qy9p32M0
真紅グレート「…ま…まずい…!」

童子切丸「クハハハーッ!隠そうとすれば隠そうとするほど大きな隙ができるんだぜーっ!!」

松姫「キョーッキョッキョッキョ!真紅グレート、お主の正体暴きの最後の一太刀かえ~っ!」

ガシィッ!

真紅グレート「しっ…しまった…!松姫の髪が…!」

実況『あ、あーっと!ここで真紅グレート、松姫の髪に捕らわれ…童子切丸は天高く跳躍ーーーっ!!』

真紅「い…いけないのだわ!カットに入らなければ…!」

童子切丸「遅いわーっ!!妖腕刀・真っ向唐竹割りーーーっ!!」

実況『童子切丸!妖腕刀を高く掲げて急速落下ーっ!!真紅グレート、絶体絶命ーーーっ!!』


ザンッ…!


真紅グレート「っ…!き…斬られて…いない…?」

童子切丸「ククク…言ったはずだ…。三太刀で真紅グレートの正体を暴き、白日の下に晒してくれる…と」

バラバラバラ…

実況『あ、あーっと!真紅グレートの衣装が布切れとなってリングに舞い落ちるーっ!その下から現れたドールはーっ!!』

113: 2008/09/14(日) 21:52:48.30 ID:qy9p32M0
薔薇水晶「………!」


実況『し…信じられません!悪魔将軍のドールとしてかつて真紅と氏闘を演じた薔薇水晶だーーーっ!!』

童子切丸「ククク…クハハハッ!やはり貴様だったか~っ!待ちわびていたぞ、この時を!」


~観客席~

ザワザワザワ…

テリーマン「ば…薔薇水晶だってーっ!?」

バッファローマン「キン肉マン!こいつはどういうことだーっ!?」

ブロッケンJr「真紅グレートの正体があいつだなんて…冗談にしてもほどがあるぜーっ!!」

キン肉マン「皆、薔薇水晶はカメハメ師匠に導きによって私らの所に現れたんじゃ!決して企みがあってのことでは…」

観客1「リングから去りやがれ、悪魔めーっ!!」

観客2「真紅も悪魔と手を組むなんてプライドはねえのかーっ!?」

観客3「どうせスーパーローザミスティカを手に入れて悪魔将軍の復活でも企んでいるんだろうーっ!!」

キン肉マン「なっ!や…やめんか、お前らーっ!」

テリーマン「…無理もない…利用されていたとは言え、まだ観客たちの頭には悪魔超人軍の頃の薔薇水晶のイメージが残っている…」

114: 2008/09/14(日) 21:54:52.61 ID:qy9p32M0
~Aブロック・第三リング~

実況『あーっと、これは酷い!薔薇水晶が正体を現した瞬間、観客席から罵声と沢山の物がリングに投げ込まれます!』

真紅「み…皆、やめて!やめて頂戴…!」

薔薇水晶「…あ…う…」

童子切丸「ククク…どうした、薔薇水晶よ?我々、残虐非道の悪行ドールにとってブーイングほど心地よい物はないはずだろう?」

真紅「だっ、黙りなさい!薔薇水晶はもう貴方たちとは違うのだわ!」

松姫「キョーッキョッキョッキョ!甘い甘い!一度魔道に落ちれば、そう易々と正道に戻るのは不可能かえ~っ!」

童子切丸「例え戻ったとしても周りの人間に認められることはない!再び魔道に引きずり戻されるが世の常よ~っ!」

童子切丸「さあ、目を覚ませ薔薇水晶よ!再び残虐非道の悪行ドールとなって、某と戦えい~っ!」

薔薇水晶「……………」

松姫「キョキョキョ…呆然自失状態かえ…。童子切丸よ、残念であったな…」

童子切丸「フン、つまらぬ!悪行ドールに戻れぬなら…[ピーーー]いっ、薔薇水晶よ!」

真紅「させないのだわ!」

パシッ

真紅「薔薇水晶!貴女の傷が癒えるまで、今度は私一人でも戦い抜いてみせるっ!」

115: 2008/09/14(日) 21:56:52.02 ID:qy9p32M0
実況『あーっと!ここでタッチして真紅がリングイン!童子切丸の凶刃から薔薇水晶をリング外に救出ーっ!』

真紅「ふう…」

童子切丸「明らかに格下のお前が我々に一人で挑むだと…?…ハッ!笑わせる!」

松姫「キョキョキョーッ!ゆっくりと、いたぶってやるかえ~っ!」

実況『だが真紅一人では分が悪いかーっ!血桜爛漫隊、一丸となって真紅に攻撃を仕掛けるーっ!』

松姫「キョキョキョーッ!髪操・八岐大蛇ーっ!」

真紅「あぐぅ…っ!」

実況『あ、あーっと!真紅、松姫の髪が変化した八匹の大蛇に捕らえられるーっ!そして童子切丸が…』

童子切丸「クハハハーッ!妖腕刀でじっくりと切り刻んでくれるわーっ!」

真紅「うああああっ!」

実況『妖腕刀で真紅の体に無数の細かい傷をつけていくーっ!!一体何をしているんだーっ!!』

松姫「さあて、仕上げかえ!細かい傷が無数についた状態で体を圧迫すれば…キョキョキョ、どうなるかえ~っ?」

松姫「髪操・噴血地獄ーーーっ!!」

バシュウウウッ!

真紅「がはぁぁぁっ!!」

116: 2008/09/14(日) 21:59:05.33 ID:qy9p32M0
実況『あ、あーっと!これは残酷!!人間で言う血でしょうか…?締め上げられて真紅の傷口から液体が搾り出されるーっ!!」

真紅「…っ…!」

ズン…

実況『そして真紅、マットに倒れたーっ!!小さく痙攣しているが…立ち上がれそうもないーっ!』

松姫「キョキョキョーッ!これで我らの勝利かえ~っ!」

童子切丸「フン…つまらん戦いだった…」


ヨロッ…

真紅「…ど…どこを向いているの…?…勝負はまだ…終わっていないのだわ…!」


童子切丸「こ…こやつ…不氏身か…!?既に致氏量を超える血を絞り取ったというのに…」

松姫「キョキョ…!こ…これが噂のローゼンメイデン第五ドールの底力かえ…!?」


真紅「薔薇水晶が…薔薇水晶が戦えるようになるまで…私が一人でレッドシスターズを守ってみせるのだわ…!」


童子切丸「ヌゥッ…!な…なんという気迫…!」

松姫「キョッ!?お…押しているはずの我々が…気圧されているのかえ…!?」

117: 2008/09/14(日) 22:01:08.19 ID:qy9p32M0
薔薇水晶「…真紅…」

ボウッ

カメハメ『何をしておる、薔薇水晶よ…』

薔薇水晶「ハッ!…カ、カメハメ師匠…!…だけど、私は…」

カメハメ『良いか、薔薇水晶…正義の道は必ずしも誰かに認められるものではない…』

カメハメ『時として汚名を被り、名誉を失いながらも…幾度の試練、困難を乗り越えて示すものなのじゃ…』

カメハメ『それこそが不撓不屈の精神!今、リングに立っている真紅が体現している精神なのじゃ!』

薔薇水晶「…ふ、不撓不屈の精神…!」

カメハメ『理解できたか?…ならば行け!薔薇水晶…お主が真に生まれ変わるために!』

ボワッ

薔薇水晶「…カメハメ師匠…、…わかりました…」

ダッ

薔薇水晶「真紅!」

真紅「薔薇水晶!もう大丈夫なの!?」

薔薇水晶「迷惑をかけてごめんなさい…。もう、大丈夫…!」

118: 2008/09/14(日) 22:03:51.37 ID:qy9p32M0
童子切丸「こ…小賢しいわ~っ!今更貴様らごときに何ができるーっ!」

松姫「キョキョキョーッ!も…もう一度二人まとめて髪操・噴血地獄であの世に送ってくれるかえーっ!」

実況『あーっと!ここで血桜爛漫隊、薔薇水晶と真紅に向かって突撃ーっ!これを二人はどう返すかーっ!』

薔薇水晶「…真紅…、動揺したあの二人はもう脅威ではない…」

真紅「ええ、薔薇水晶!一気に決めてやるのだわ!」

ダダッ

真紅&薔薇水晶『W・絆アッパー!!』

童子切丸「グハァッ!?」

松姫「ゲキョオッ!?」

実況『レッドシスターズ、迎撃の強力ダブルアッパーで血桜爛漫隊の二人を上空高く打ち上げるーっ!』

真紅「はああっ! 絆バスタァァァーーーッ!!」

薔薇水晶「…絆ドライバー…!」

実況『そしてそれを追って跳躍!それぞれ絆バスター、絆ドライバーの体勢でホールド!この技はーーーっ!』


真紅&真紅グレート『絆ドッキングーーーーーッ!!』

119: 2008/09/14(日) 22:10:01.03 ID:qy9p32M0
ズドォォォォォォン…!


童子切丸「ゴハァッ…!!…お、恐るべし…絆パワー…!」

松姫「ゲキョォッ…!!…わ、我らの…悲願は…叶わぬかえ…!」

ズン…

カンカンカンカンカァン!!

実況『ゴングが鳴ったーっ!強敵・血桜爛漫隊を屠り決勝へと駒を進めたのはレッドシスターズだーーーっ!!』


真紅「はぁ…はぁ…、なんとか勝てたのだわ…!」

薔薇水晶「…ごめんなさい、真紅…足を引っ張ってしまって…」

真紅「野暮なことは言いっこなしよ、薔薇水晶。さあ、スグルたちの所に戻りましょう」


~観客席~

ザワザワザワザワ…

テリーマン「…歓声もなしか…。今まで善玉として戦ってきたローゼンメイデンとしては辛いところだろうな…」

キン肉マン「なぁに、そのうち皆も分かってくれるさ。今は私たちだけでも温かく祝勝してやればいいんじゃ!」

128: 2008/09/14(日) 23:07:46.95 ID:qy9p32M0
実況『さて…続きましてはBブロック第三リング…セーフティカラーズvsパーフェクトメイデンズです!』

実況『一回戦ではミステリアス№1がローゼンメイデン第一ドール・水銀燈という正体を現しました!』

実況『果たしてこの強豪タッグ相手に蒼星石&翠星石はどう戦うのか!これは目が離せません!』

実況『先発は…セーフティカラーズが蒼星石、パーフェクトメイデンズが水銀燈となるようです!』

実況『緊迫のBブロック準決勝…いよいよゴングです!』


~観客席~

キン肉マン「結局、蒼星石を心変わりさせることは無理だったのか…」

ブロッケンJr「すまねえ…、オレたちの声は聞こえもしてないみてえだったんだ…」

バッファローマン「こうなりゃ少々荒っぽいが、試合中に目を覚ましてくれることを祈るしかねえな…」

テリーマン「………。キン肉マン、真紅と薔薇水晶はどこへ行ったんだ?」

キン肉マン「おりょ?さっきまでここにおったと言うのに…」

テリーマン「…まさかとは思うが…あいつら…」

ブロッケンJr「Bブロックの第三リングに…?」

129: 2008/09/14(日) 23:11:04.29 ID:qy9p32M0
~Bブロック・第三リング~

蒼星石「水銀燈…もはや君を同じローゼンメイデンとは思わない…。僕は君を徹底的に叩きのめすつもりだ…」

水銀燈「蒼星石…」

翠星石「そこの雪華綺晶とかいうドール!お前もですよ!覚悟するですぅ!」

ミステリアス№2「クスクス…それは恐ろしいですね…。では、名も割れているようですし…」

バサッ

雪華綺晶「今回は私も参加させていただきましょうか…」

実況『あーっと!今ここでミステリアス№2が正体を現したーっ!その名はローゼンメイデン第七ドール・雪華綺晶!』

翠星石「うっ…! (圧倒的な威圧感…これが雪華綺晶ですか…!)」

雪華綺晶「クスクス…どうかお手柔らかに。お姉様がた…」

実況『さあ、双方リング中心を挟んで睨み合った形!その拮抗を崩すゴングが…』

カァーンッ!!

実況『高らかに戦いの開始を告げるーっ!!』

130: 2008/09/14(日) 23:12:36.59 ID:qy9p32M0
蒼星石「はああーっ!」

実況『あ、あーっと!これは珍しい!試合開始直後は見に徹することの多い蒼星石が果敢に攻め入るーっ!』

水銀燈「クッ…!」

ガシィッ!

実況『先手を取られた水銀燈、これをスクラムで受け止める!さて、ここから一体どうやって試合が展開するのか!』

水銀燈「(パワーは私の方が上のはずなのに…この蒼星石の力は…!)」

蒼星石「呆ける暇は与えない!水銀燈っ!」

ズガァッ!

水銀燈「あぐぅっ!」

実況『さ、さらに珍しい攻撃ーっ!蒼星石がスクラムの状態から水銀燈の顔面にヘッドバットを叩き込むーっ!』

実況『これまで業師・蒼星石の技は全て洗練されたものばかりでしたが、今日は目を見張る荒々しいラフファイトです!』

実況『さすがにパーフェクトメイデンズも翻弄されたのか!水銀燈、押されています!』

翠星石「その調子ですよ、蒼星石!ガンガン攻めまくるですぅ!」

雪華綺晶「へえ…これは意外。蒼星石お姉様、一体何があったのでしょう…?」

132: 2008/09/14(日) 23:17:28.05 ID:qy9p32M0
水銀燈「な…なめるんじゃないわよ!ラフファイトなら専門分野なんだから!」

ドガァッ!

蒼星石「ぐあっ!」

実況『おーっと!ここで水銀燈の反撃!膝蹴りが蒼星石の顔面を打ち据えたーっ!蒼星石、大きく仰け反る!』

蒼星石「な…なんのこれしき…!」

水銀燈「ううっ…!(な…何なのよ、このパワーは…!気味が悪い…!)

蒼星石「水銀燈!僕は君に負けるわけにはいかない!とああっ!」

ドガガガガガ…

実況『あ、あーっと!ここで蒼星石、再び水銀燈に接近してラッシュの嵐ーっ!一気呵成に攻めまくります!』

水銀燈「くぅぅっ…!ガ、ガードが持たない…!」

翠星石「見たですか、水銀燈!これが蒼星石がマスターを想う師弟信頼パワーですぅ!」

翠星石「…そして、そのパワーは…翠星石も負けてないつもりですよ…」

雪華綺晶「………ロビンマスクとラーメンマンを捕らえたのは失敗でしたか…」

雪華綺晶「水銀燈お姉様!そのパワー、吸収して差し上げてください!nフィールド・パワーです!」

水銀燈「わ…わかったわ…!…nフィールド・パワー!!」

133: 2008/09/14(日) 23:22:49.94 ID:qy9p32M0
実況『あ、あーっと!ここで水銀燈の左腕のサポーターから謎の光が放出され、蒼星石を包み込んだーっ!』

実況『これは一回戦で∞パワーズを破った謎のパワー!果たして蒼星石は脱出できるのかーっ!?』

蒼星石「nフィールド・パワー…そのサポーターは“nのフィールド”という別世界の扉を開くキーアイテム…」

水銀燈「!!」

蒼星石「文献によると、その世界はありとあらゆる生物のパワーを吸収し動けなくしてしまう…混沌世界…」

蒼星石「君たちはその“吸収の力”を利用することで、クロスボンバーを完成させている…」

水銀燈「そ…それが分かったから何だって言うのよ!」

蒼星石「分からないかい?これだけ調べ上げたということは…既に打開策も発案済みってことさ!」

バッ

実況『あ、あーっと!ここで蒼星石、懐から何かを取り出したーーーっ!!』

蒼星石「アノアロファイヤー!」

ボボォォォッ!!

実況『こ、これはロビン家に伝わるアノアロの杖だーっ!火炎放射が水銀燈のサポーターに向かって伸びていくーっ!』

水銀燈「な、何よ!これしきの炎!nフィールド・パワーで全て吸収し尽してあげるわ!」

雪華綺晶「ハッ!…いけません、お姉様!すぐに火炎放射の吸収を止めてください!」

134: 2008/09/14(日) 23:30:39.04 ID:qy9p32M0
蒼星石「もう遅い!水銀燈、君は強い力を手に入れたが…その力のことを知らなさ過ぎた!」

ビシィッ!

水銀燈「あっ!サ…サポーターの装飾にヒビが…!nフィールド・パワーがどんどん弱まっていく!?」

蒼星石「nのフィールドと、この世界を繋ぐ鍵…それは鏡!君たちはサポーターの装飾の鏡でパワーを操作している!」

蒼星石「だがそれさえ分かれば何ということはない!急激な温度変化を加えてやれば…」

パッキィィィン!

蒼星石「どんなに強化していようが、熱膨張に弱い鏡は容易く砕け散る!」

実況『あ、あーっと!マットに鏡の破片が飛び散り、nフィールド・パワーが今完全に消失したーっ!』

水銀燈「し…しまった…!」

雪華綺晶「一度見ただけでnフィールド・パワー封じを考案してくるとは…さすがは蒼星石お姉様…」

実況『さすがのパーフェクトメイデンズも、ローゼンメイデン1の策略家・蒼星石の頭脳プレーの前に屈するのかーっ!?』

フラッ

蒼星石「…と、とは言え…さすがにパワーを吸われすぎたか…」

翠星石「蒼星石!もういいですぅ!後は翠星石に任せて休んでいるですよ!」

蒼星石「………駄目だ、タッチはできない…」

135: 2008/09/14(日) 23:33:47.31 ID:qy9p32M0
翠星石「なっ…!どうしてですか!?」

蒼星石「翠星石、君は優しさを捨て切れていない。真紅たち相手ならばそれでも構わないけど…相手が悪行ドールなら話は別だ」

蒼星石「悪いけど、この試合は僕一人でやらせてもらうよ。まだあの二人を倒すくらいのパワーなら残っている」

翠星石「バ…バカなことを言うんじゃねーですぅ!いくらチームリーダーと言えど、そのファイトスタイルは承服しかねるですよ!?」

蒼星石「…言ったはずだ…。僕のやり方が気に入らなければ、いつでもタッグを解消して貰って構わない…と…」

翠星石「ううっ…!」

実況『あ、あーっと!これはどうしたことだーっ!?セーフティカラーズ、仲間割れの様子!蒼星石が試合続行の形をとっています!』

雪華綺晶「クスクスクス…、…わかるでしょう?水銀燈お姉様、絆パワーがどんなに脆く儚いものか…」

水銀燈「……………」

雪華綺晶「タッチを…。蒼星石お姉様の相手は私が務めますわ…」

水銀燈「…わかったわ…」

パシッ

実況『そしてパーフェクトメイデンズの方はタッチ!水銀燈に代わって雪華綺晶がリングインします!』

蒼星石「出てきたね…。僕のマスターに手を出した罪…身をもって償って貰う!」

雪華綺晶「クスクス…それは恐ろしい…。是非とも勘弁して欲しい所ですわ…」

蒼星石「…っ!…その小馬鹿にした態度が気に入らない!」

137: 2008/09/14(日) 23:36:46.45 ID:qy9p32M0
実況『あーっと!蒼星石、再び荒々しいラフファイトスタイルで雪華綺晶にタックル!マウントポジションを奪ったーっ!』

蒼星石「はああーーーっ!」

雪華綺晶「すごい気迫…まるで修羅ですね。…しかし…」

フッ

蒼星石「!?」

実況『な、なんとマウントポジションを取られていた雪華綺晶が消えた!?蒼星石の振り下ろした拳が空を切るーっ!!』

蒼星石「そ…そんな…今のマウントポジションは脱出不可能だったはず…」

雪華綺晶「クスクスクス…どうしたのですか、蒼星石お姉様?まるで狐につままれたといった表情ですよ?」

実況『あ、あーっと!消えたかと思われていた雪華綺晶、既に蒼星石の後ろに回りこんでいるーっ!なんというスピード!』

蒼星石「クッ…!せええっ!」

フッ

雪華綺晶「ほらほら、遅いですよ…?」

蒼星石「とああっ!」

フッ

雪華綺晶「クスクス…鬼さんこちら、手のなる方に…」

138: 2008/09/14(日) 23:37:50.32 ID:qy9p32M0
実況『な、なんと雪華綺晶!あの蒼星石を子供扱いするかのようにスピードで掻き乱すーっ!』

蒼星石「ハァッ…ハァッ…!何故だ…何故追いつけないんだ!?」

雪華綺晶「あらあら、蒼星石お姉様…息が上がっていますよ?師弟信頼パワーはどうしたのですか?」

蒼星石「う、うるさいっ!」

フッ

雪華綺晶「クスクス…nフィールド・パワーを破ったくらいでいい気になって貰っては困りますね…」

翠星石「な、なんなんですかアレは…!?どう見ても瞬間移動しているようにしか見えないですぅ!!」

水銀燈「…こ、これがローゼンメイデン“真の”第七ドール…雪華綺晶の実力なの…?」

蒼星石「(か…考えろ…、瞬間移動なんてできるわけがないんだ…。何かカラクリがあるはず…)」

蒼星石「(“nのフィールド”…nフィールド・パワー…鏡…)」

蒼星石「ハッ!ま、まさか…!」

フッ

雪華綺晶「勘付かれたようですね、蒼星石お姉様…。ですが、少しばかり遅かったようですわ」

ガシィッ!

蒼星石「し、しまった…!クッ、離せっ!」

140: 2008/09/14(日) 23:39:08.12 ID:qy9p32M0
雪華綺晶「ええ、お望みの通りに…離して差し上げますわ…。ただし、地獄に…ですけれど…」

雪華綺晶「ダブルレッグ・スープレックス!!」

ズドォォォォンッ!

蒼星石「グハァッ!!」

実況『あ、あーっと!ダブルレッグ・スープレックスで蒼星石は頭部を強打ーっ!これは危険だーっ!!』

翠星石「そ、蒼星石ーーーっ!!」

蒼星石「あうううっ…!…す…凄まじい…威力…!こ…これが…パーフェクト…メイデン…!」

雪華綺晶「おや、どうなされました蒼星石お姉様?私はまだ攻撃を受けておりませんが…?」

翠星石「ひ…卑怯ですよ!瞬間移動を使うなんて!そんな相手に技がかけられるわけがないですぅ!!」

水銀燈「…いや、雪華綺晶は瞬間移動をしているわけじゃないわ…」

翠星石「えっ!?」

雪華綺晶「クスクス…そう、私はただ移動しているだけなのです…。この…」

バッ

雪華綺晶「先ほど蒼星石お姉様が砕いた、マットの上の鏡の破片の中を!」

翠星石「ハッ…!」

141: 2008/09/14(日) 23:41:37.86 ID:qy9p32M0
翠星石「そ…そんなことが物理的に可能なのですか…?」

雪華綺晶「確かに、普通のドールなら不可能…。ですがこのローゼンメイデン第七ドール・雪華綺晶は違います」

雪華綺晶「自らのパワーをゼロに戻すことでアストラル体化…鏡の中の“nのフィールド”を自由自在に出入りすることができる」

雪華綺晶「この物質世界からの解放こそお父様が最新作である私に与えてくれた絶対にして唯一無二の武器なのです!」

実況『あ、あーっと!ここで雪華綺晶が恐るべき秘密を明らかにする!実体のないドール、果たしてどうやって戦えばよいのかーっ!』

蒼星石「か…勝てるわけがない…!実体がなく…捕らえられない相手だなんて…!」

翠星石「そ、蒼星石!しっかりするですぅ!早くこっちに!タッチするですよ!」

蒼星石「…ダ…ダメだ…。…最初から無理だったんだ…僕たちが…パーフェクトメイデンに挑もうだなんて…」

翠星石「蒼星石っ!!」

実況『どうやら蒼星石、完全に心が折れてしまったようだーっ!翠星石が手を伸ばすも、リング中央でへたり込んでしまうーっ!』

雪華綺晶「クスクスクス…蒼星石お姉様は聡明でいらっしゃるので話が早いですね…」

雪華綺晶「水銀燈お姉様!クロスボンバーを使います!」

水銀燈「りょ…了解…」

実況『あーっと!もはや茫然自失状態となった蒼星石がリング中央に立たされるーっ!この体勢はあの恐怖のクロスボンバーだ!!』

翠星石「や…やめるですぅーーーっ!!」

143: 2008/09/14(日) 23:43:12.77 ID:qy9p32M0
雪華綺晶「nフィールド・パワー…!」

水銀燈「出力最大…!」

実況『あの時と同じように光の線で雪華綺晶と水銀燈の左腕が繋がり、その中心には蒼星石の姿がーっ!』

蒼星石「……………」

翠星石「蒼星石!しっかりするですぅ!!………こうなったら…!」


雪華綺晶&水銀燈『クロスボンバーーーーッ!!』


ドンッ

蒼星石「あっ…!」


ガキィィィィッ!

雪華綺晶「は、外した…!」

水銀燈「す、翠星石…!」

翠星石「ふぅ…間一発ですぅ…!」

実況『あ、あーっと!翠星石が蒼星石を突き飛ばして救出ーっ!自身もなんとかクロスボンバーから避けていたーっ!』

144: 2008/09/14(日) 23:44:53.44 ID:qy9p32M0
雪華綺晶「お…往生際の悪い!今更救出に入ったところで…!」

翠星石「…待つです。翠星石たちはもう戦う気はないですぅ…」

水銀燈「つまり…」

翠星石「…ギブアップするです…。だからもう蒼星石に攻撃を加えるのはやめるですよ…」

蒼星石「!!」

実況『あ、あーっと!ここで翠星石からギブアップ宣言だーっ!!今ここにパーフェクトメイデンズの勝利が確定ーっ!!』

カンカンカンカンカァン!!

蒼星石「そ…そんな!僕たち正義超人の志を継ぐドールにとって最も恥ずべきとされるギブアップ宣言をするだなんて…!」

翠星石「…悪いのはチームリーダーの指示を無視した翠星石です…。恨みたければ恨むですよ…」

蒼星石「翠星石…」


~観客席~

観客1「バッキャロー!!自分からギブアップするなんてそれでもローゼンメイデンかーっ!!」

観客2「翠星石は全然戦ってねえじゃねぇかーっ!!金返しやがれーっ!!」

観客3「どうせ負けるなら勇ましく技を食らってKOされろ!腰抜け翠星石ーっ!!」

145: 2008/09/14(日) 23:46:25.90 ID:qy9p32M0
実況『あーっと、観客席から様々な物がBブロック第三リングにも投げ込まれるーっ!その標的は翠星石だーっ!!』

蒼星石「や…やめて…!わ、悪いのは僕だ!僕があんな戦い方さえしなければ良かったんだ!」

翠星石「…蒼星石…」

蒼星石「ごめん、翠星石…!僕は試合に勝とうという気持ちばっかりで…大切なことを忘れてしまっていた…!」

翠星石「気付いてくれたのなら翠星石はそれで十分です。さ、リングから下りるですよ…」

雪華綺晶「いいえ、まだリングから下りて貰っては困りますね…お二人とも…」

水銀燈「き、雪華綺晶!貴女…まさか…!」

雪華綺晶「水銀燈お姉様は黙っていてください。勝利した相手を絵画に封印して収集するのは私の流儀…例外はありません」

水銀燈「でももうゴングは鳴っているのよ!?」

雪華綺晶「教育が足りなかったようですね、水銀燈お姉様…。あの娘がどうなっても構わないのですか…?」

水銀燈「…っ!」

蒼星石「(あの娘…?…もしかして水銀燈は…自分がアリスになるために戦っているんじゃないのか?)」

ザッ

真紅「待ちなさい!」

薔薇水晶「…その二人に手は出させない…」

146: 2008/09/14(日) 23:48:54.15 ID:qy9p32M0
雪華綺晶「クスクス…気が早い真紅お姉様…。そして偽の第七ドール…」

薔薇水晶「…!」

雪華綺晶「早まらずとも貴女がたは決勝で始末して差し上げますわ。その前に………nフィールド・パワー!」

蒼星石「うわああっ!」

翠星石「ち…力が抜けていく…ですぅ…!」

雪華綺晶「やりますよ、水銀燈お姉様…」

水銀燈「わ…わかったわ…」

雪華綺晶&水銀燈『クロスボンバーーーーッ!!』

ダッ

真紅「手は出させないと言ったでしょう!」

薔薇水晶「…二人を…助ける…」


ドンッ

ズガァァァァァァァン…!


実況『あ、あーっと!これはーーーっ!!』

147: 2008/09/14(日) 23:50:20.65 ID:qy9p32M0
翠星石「そ、そんな…!」

蒼星石「し…真紅と薔薇水晶は僕たちを助けて…」


パサッ…


雪華綺晶「ふふふ…あははははははっ!愚か…愚かすぎますよ、真紅お姉様!これが絆パワーというものなのですか!?」

水銀燈「…し、真紅…薔薇水晶…」

実況『なんとセーフティカラーズを救出に入ったレッドシスターズ!二人纏めて絵画の中に封印されてしまったーっ!!』

ダダダダダダ…

キン肉マン「お…遅かったかーっ!」

テリーマン「オーノー!ふ、二人とも…何ということを~っ!」

雪華綺晶「クスクス…しかし困りましたね…。これでは優勝が戦わずして決まってしまいました…」

蒼星石「な…なんだって!?こんなことが許されるわけがない!早く二人を解放するんだ!」

雪華綺晶「あら、これはあくまで試合外の不慮の事故…。そこまで干渉される筋合いはございませんわ」

翠星石「ヌケヌケと何を言ってやがるですぅ!元はといえば…」

雪華綺晶「クスクス…では、お姉様がたが代わりに絵画となってください。そうすればこの二人は解放いたしますよ…」

148: 2008/09/14(日) 23:51:56.74 ID:qy9p32M0
蒼星石「クッ…!わ、わかった…」

翠星石「この二人に救われた身ならば…この二人のために捧げるのが道理ってものですぅ…」

キン肉マン「…待て、二人とも。それでは真紅たちが身を挺した意味がないだろう…」

雪華綺晶「おや?」

サッ

キン肉マン「…決勝は一週間後であったな…」

雪華綺晶「ええ、その予定です。しかし、貴方が絵画を持ち帰ったところで何になるというのです?」

キン肉マン「一週間後、二人は必ずリングに立ってお前たちを倒す!首を洗って待っていろ!」

雪華綺晶「クスクス…良いでしょう。では一週間のうちに復活しなかった場合、その絵画は渡していただきますよ?」


実況『これは大変なことになりました!一週間のうちにレッドシスターズはなんとしても復活しなくてはなりません!』

実況『スーパーローザミスティカ争奪タッグトーナメント決勝戦!一体どんな結果となってしまうのでしょうか!?』

実況『レッドシスターズが奇跡の復活を果たすか、それともパーフェクトメイデンズの不戦勝が決まってしまうのかーっ!』

実況『波乱に満ちたこのタッグトーナメントも次回、いよいよ終結!皆様、一週間後またお会いいたしましょう!!』

150: 2008/09/14(日) 23:53:24.66 ID:qy9p32M0
~キン肉ハウス~

キン肉マン「ウワーッ!とんでもないこと言い切っちゃった!どうしましょ、どうしましょ!?」

ミート「落ちついてください、王子!」

翠星石「…あの時、一瞬でも格好いいと思ってしまった翠星石がどうかしてたですぅ…」

蒼星石「でも、これは本当にマズいよ…。常識的に考えて、雪華綺晶の関与もなしにこの封印が解けるわけがないんだ」

ブロッケンJr「常識?…フッ、そんな言葉はオレたちには通用しねえ…」

バッファローマン「ここに居るのはどんな絶望的な状況でも引っくり返してきた正義超人とローゼンメイデンだぜ?」

テリーマン「キン肉マンだって動揺しているが、心の底から真紅たちを信頼しているからこそあの言葉が咄嗟に出たんだろう」

テリーマン「姉妹のお前たちが最初に諦めちまったんじゃどうしようもねえ。二人を信じて、オレたちにできることをやるんだ」

翠星石「…そうですね…わかったですぅ!」

蒼星石「一度手放してから理解できた絆パワーの力…それに賭けるしかない!」


キン肉マン「ね、ね、ミート…泣いて土下座したら雪華綺晶のやつも許してくれるかのう?」

ミート「王子!あなたって人は!」

翠星石「……………やっぱりダメかもしれないですぅ…」

174: 2008/09/17(水) 22:10:25.53 ID:VF54tbg0
~病院~

コンコン

水銀燈「めぐ…入るわよ?」

めぐ「………うん…」

ガチャ…

水銀燈「…今日の試合も勝ったわ…。決勝の舞台にレッドシスターズが上がってくる可能性も限りなく低い…」

水銀燈「…一週間後、この私がスーパーローザミスティカを手に入れてアリスになるの…!」

水銀燈「ローゼンメイデン第一ドールとして、こんなに嬉しいことはないわ!」

めぐ「うそつき…」

水銀燈「っ!」

めぐ「水銀燈…貴女のその笑顔…とっても苦しそうに見えるわ…。それに、最近口調にだって余裕がない…」

めぐ「あまり他人と触れ合うことのない私にでも分かる…明らかに無理をしている、って…」

めぐ「もうやめて、水銀燈…戦いの後には怨恨と後悔の念しか残らない残虐ファイトは…」

水銀燈「…し、仕方ないでしょう!?アリスになるためには…どうしても勝ち残らなきゃいけないんだからっ!」

めぐ「…また…嘘ついた…」

175: 2008/09/17(水) 22:10:58.00 ID:VF54tbg0
水銀燈「め、めぐ…」

めぐ「私、お医者様と看護婦さんたちが話してるのを聞いたの…。私の命はもう長くないだろう…」

めぐ「でも…もしかしたらスーパーローザミスティカのパワーがあれば助かるかも知れない、って…」

水銀燈「………」

めぐ「…水銀燈、もし私の命を助けるために戦ってくれているのなら…私はこんな命なんていらない…」

水銀燈「っ!」

めぐ「悪行ドールに命を救われるぐらいなら、氏んだほうがマシよ…水銀燈が私の立場ならそう言ったわ」

めぐ「出て行って。もうこれ以上、今の貴女と話すことはないわ…。もう…来ないで…」


バタン…

水銀燈「ううっ…!」

水銀燈「わ…私は…、どうすれば…どうすればいいのよぉっ…!」


めぐ「(…ごめんなさい…水銀燈…。でも、貴女の目を覚まさせるにはこうするしか…)」

めぐ「ゲホッ…!ゴホッ…! …私の黒い天使様…、水銀燈…」

176: 2008/09/17(水) 22:12:10.06 ID:VF54tbg0
~トーナメントテーブル~

雪華綺晶「クスクス…あと少し…、あと少しでローゼンメイデンも壊滅…私の完全勝利となるのです…!」

雪華綺晶「ご協力をありがとうございました、ネプチューンマン。完璧超人復興の夢もそう遠くはないようですよ?」

ネプチューンマン「…それは…どうかな…」

雪華綺晶「おや?どうしたのですか、その汗は…少し異常ですよ…?」

ネプチューンマン「オレは今、激しい既視感に襲われている…!そう、我ら完璧超人が初めて敗北を喫したあの時のことを…!」

雪華綺晶「…らしくない戯言ですね…。お姉様たちが一週間で“nのフィールド”の呪縛から逃れてくるとでも? 不可能です…」

ネプチューンマン「連中に常識の範疇で考える無理や不可能といった言葉は全く通用しない!甘く見るんじゃねえ、雪華綺晶!」

雪華綺晶「…その手の言葉は聞き飽きましたよ…。せめて、スーパーローザミスティカ授与式までは弱気を直しておいてください」

雪華綺晶「では、私は画廊でお姉様たちの絵画を飾る壁を綺麗にしてきますわ…」

ボワッ

ネプチューンマン「ヌゥ…雪華綺晶め…」

ネプチューンマン「この悪い予感が単なるオレの思い過ごしだと良いんだがな…」

ネプチューンマン「(正義超人どもに二度も同じような負け方をしたんじゃ、もはや完璧は名乗れねえだろうしな…)」

177: 2008/09/17(水) 22:13:58.82 ID:VF54tbg0
~nのフィールド~

真紅「こ…ここはどこなのかしら…?私たちは確か絵画に封印されたはずなのだけれど…」

薔薇水晶「無数の扉が浮いている…混沌とした空間…おそらくここが“nのフィールド”…」

真紅「ええ!?そ、それじゃあ早く脱出しないとゼンマイが切れて動けなくなってしまうのだわ!」

薔薇水晶「いや…どうやら私たちの本体だけが絵画の中に留まり…分離された精神がこの空間に飛ばされた…」

薔薇水晶「…つまり…この状態は雪華綺晶のアストラル体と同じ…」

真紅「そ、そういえばパワーが吸い取られている感じもない…。ひとまず行動不能になるということはないのね…」

薔薇水晶「…だが、うかうかしてもいられない…。…なんとか絵画の封印から脱出しなければ…」

真紅「その方法は…?」

薔薇水晶「………わからない…」

真紅「はぁ…やっぱりそうなのね…。ああ、猶予は一週間しかないというのに…!」

ザッ

???「し…真紅!真紅じゃないか!まさかお前も…!?」

真紅「!! だ、誰!?」

ウォーズマン「オレだ。ウォーズマンだ。…ま、まさかお前たち…水銀燈のタッグチームに敗北してしまったのか?」

178: 2008/09/17(水) 22:15:52.10 ID:VF54tbg0
真紅「ウォーズマン!貴方…神隠しにあったと聞いていたけどこんなところにいたの!?」

ウォーズマン「…オレだけじゃないぜ。雪華綺晶の餌食にあった者は皆、精神をこの空間に捕らえられちまうんだ」

ザッ

ロビンマスク「ウム…恥ずかしながら我々もここから出られないといった状況だ…」

ラーメンマン「タッグトーナメントの行方が気になるのだが…まさかお前たち、敗北してしまったのか!?」

雛苺「そ、それに何で薔薇水晶がこんなところにいるの~?訳が分からないのよ~!」

薔薇水晶「…ロビンマスク…ラーメンマン…雛苺…」

真紅「現状を説明する必要があるようね…。三人とも、聞いて頂戴…」


真紅「かくかくしかじか…」


ロビンマスク「そうか…セーフティカラーズも…。もはや我々に残された希望はお前たちだけということか…」

ラーメンマン「ならばお前たちは何としてでも脱出しなければならない!完璧超人軍の思い通りにさせてはならん!」

真紅「し…しかしどうやって脱出すれば良いのかわからないのだわ…。この無数の扉の中のどれかが出口だとしても…」

雛苺「がむしゃらに探したところで“nのフィールド”は無限大…一週間どころか百年あっても足りないの…」

ラーメンマン「…方法は…ひとつだけある…!」

179: 2008/09/17(水) 22:17:47.17 ID:VF54tbg0
ラーメンマン「ここには何の因果か正義超人が三人…」

ロビンマスク「そ…そうか、ラーメンマン!アレを使う気だなーっ!?」

真紅「ア…アレとは…?」

ウォーズマン「正義大三角(ジャスティストライアングル)さ!」


~正義大三角(ジャスティストライアングル)~

ドルフィントライアングルという言葉がある。

イルカというのは、氏体が海岸にあがることが滅多にない。知性が高いイルカは自らの亡骸を仲間達に晒すのを恥じる修正があるとか。

そしてここに自らの氏期を察知した一匹のイルカがいるとする。

すると3匹の仲間イルカが三角形を作りながら泳ぎ始めるのだ。これがドルフィントライアングル…そう呼ばれている。

そして瀕氏のイルカがそのドルフィントライアングルの真ん中をくぐると…刹那、“そのイルカは、この世界から忽然と消える”。

無論、この話は南洋民族に伝わる伝説の類にすぎないのかも知れない…。しかし、正義超人の場合は…。


ラーメンマン「己の亡骸を晒すことを良しとしない正義超人が行う、特殊葬送法なのだ…。だが、今の我々言わば氏んだ状態…」

ロビンマスク「逆転の発想だ。この方法を使えば元の世界に帰れるかも知れない!」

ウォーズマン「無論、オレたちはここに残ることになるが…何、お前たちがパーフェクトメイデンズを倒してくれればいいだけのこと…」

180: 2008/09/17(水) 22:19:47.16 ID:VF54tbg0
薔薇水晶「…無茶で…無謀…」

真紅「だけどこれしか方法がないのならば、やるしかないのだわ!」

ラーメンマン「雛苺!お前も行け!我々は正義大三角の中に入ることはできない…ゆえに、そこから先はお前が二人を助けてやるんだ!」

雛苺「わかったの!」

真紅「行くわよ!薔薇水晶!雛苺!」

ウォーズマン「…ちょっと待ってくれ…真紅、お前に伝えておきたいことがある…。水銀燈の本当の目的は…」

~~~~~~~

ウォーズマン「…これは言うべきではなかったかも知れないが…アイツを悪く思わないでやってくれ…」

真紅「………。いえ、ありがとう…ウォーズマン…。水銀燈が私利私欲のためにああなったのではなくて安心したわ…」

薔薇水晶「…まだ…元の水銀燈に戻せる可能性が…ある…」

ラーメンマン「ようし、そろそろ始めるぞ!ロビンマスク、ウォーズマン!」

正義超人三人『正義大三角(ジャスティストライアングル)ーーーッ!!』

ガシィィン!

ラーメンマン「今だ、三人とも!後のことは頼んだぞーっ!!」

真紅「三人の絆パワー…確かに受け取ったのだわ!たああーっ!!」

181: 2008/09/17(水) 22:21:26.96 ID:VF54tbg0
シュン

ラーメンマン「行ったか…」

ロビンマスク「…後のことは頼んだぞ…真紅、薔薇水晶…」

ウォーズマン「(…水銀燈、彼女たちと戦って目を覚ますんだ…)」


~ワープ空間~

真紅「くっ…!凄まじい勢いの激流に押し流されていくのだわ!二人とも、手を離さないで!」

薔薇水晶「真紅、雛苺!あれは…!」

ピカッ

雛苺「ああっ!あの空間の裂け目に見えるのはトーナメントテーブルのリングよ!」

真紅「どうやら“nのフィールド”脱出に成功したようね!」

薔薇水晶「なんとかして…あそこまで…」

グワン!

真紅「なっ…きゅ、急に流れが変わった…!?」

薔薇水晶「このままでは…届かない…!」

雛苺「…! 二人とも、ごめんなさいっ!」

182: 2008/09/17(水) 22:22:54.28 ID:VF54tbg0
雛苺「ハリケーンミキサー!!」

バキィッ

真紅「きゃあああっ!」

薔薇水晶「くううっ!」

真紅「な、何をするの!?雛苺!!………まさか!」

薔薇水晶「し…真紅…、ハリケーンミキサーの衝撃で…私たちの体が空間の裂け目の方に…!」

真紅「やはり!て…手を伸ばしなさい雛苺!まだ間に合う!」

雛苺「グッドラックなのよ…真紅、薔薇水晶…。“nのフィールド”に戻って…二人の勝利を祈ってるから…」

ギュン!

真紅「ひ…雛苺ーーーーーっ!!!!!」

薔薇水晶「…ありがとう…必ず、助ける…」

コォォォォ…

薔薇水晶「…真紅…空間の裂け目が近づいてきた…」

真紅「…ラーメンマン、ロビンマスク、ウォーズマン…そして雛苺…、四人の想いを無駄にしないためにも…」

真紅「絶対にパーフェクトメイデンズを倒すのだわ!!」

183: 2008/09/17(水) 22:24:46.81 ID:VF54tbg0
~一週間後・トーナメントテーブル最終リング~

実況『いよいよ、スーパーローザミスティカ争奪タッグトーナメント決勝戦!ここはトーナメントテーブル最終リングです!』

実況『レッドシスターズvsパーフェクトメイデンズ…この戦いによってふたつのスーパーローザミスティカの行方が決まります!』

実況『さて…既にパーフェクトメイデンズの方はリングインしているのですが…レッドシスターズの方は現れておりません!』

実況『前回、絵画の中に封印された二人…キン肉マンは自力で解決すると言いましたがその結果は如何に!』

実況『雪華綺晶の用意した巨大砂時計の砂が落ちきるまでに現れなければ失格負け!優勝はパーフェクトメイデンズとなります!』

実況『果たして緊張の決勝戦は一体どうなってしまうのか!時は刻々と過ぎていきます!』


蒼星石「結局…僕たちには何もできなかったか…」

ブロッケンJr「畜生!許されることならばオレがあのリングに立ってやるってのによーっ!」

バッファローマン「落ち着け、ブロッケン。まだ間に合わねえって決まったわけじゃない」

翠星石「…翠星石は信じるですよ。今まで数々の奇跡を起こしてきた真紅の底力を…」

テリーマン「そうだな、今のオレたちは信じることしかできねえ!」

キン肉マン「真紅…薔薇水晶…我々の声が聞こえているならば、どうかそれに応えてくれい!」

184: 2008/09/17(水) 22:27:06.21 ID:VF54tbg0
雪華綺晶「クスクスクス…無駄なことを…。私の封印がそう簡単に解かれるはずがありません…」

ネプチューンマン「……………」

水銀燈「……………」

雪華綺晶「…ふぅ…、二人とも…一体何をそんなに恐れているのですか…?」

ネプチューンマン「い、嫌な予感が止まらねえ…!まさか復活してくるってのか、ローゼンメイデンはよ…!」

水銀燈「(真紅は…必ず来る…!)」

実況『あーっと!巨大砂時計の砂ももはや残り僅か!これは決まってしまったかーっ!?』

雪華綺晶「クスクス…さあ、キン肉マン…その絵画を渡して貰いましょうか…」

キン肉マン「グム~ッ…!」

実況『雪華綺晶がキン肉マンに降伏の証である絵画の受け渡しを催促!キン肉マンはこれに応えなければなりません!』

実況『その距離がゆっくりと、しかし確実に縮んでいき…そしていよいよ…』

グワン!

キン肉マン「おわっ!」

雪華綺晶「こ…この空間の歪み…まさか…!」

実況『あーっと!空間が絵画を中心に突如捻れたーっ!!そしてふたつの影が飛び出し…リングイン!!』

185: 2008/09/17(水) 22:29:23.93 ID:VF54tbg0
真紅「遅刻ギリギリだったようね。ただいま、スグル」

薔薇水晶「…レッドシスターズ…只今参上…」

実況『な、なんとタイムアップ直前にレッドシスターズが入場ーっ!!危うく不戦敗するところを掻き消したーっ!!」

ワアアアアアアア!!

キン肉マン「お…おかえり!真紅!!薔薇水晶!!」

テリーマン「ようし、ナイスだ!!それでこそローゼンメイデンだぜーっ!!」

ブロッケンJr「不可能を可能にする…これこそがローゼンメイデンの底力!!」

バッファローマン「これでこそ信じ続けた甲斐があるってものよーっ!!」

蒼星石「ま…間に合ったか…!まったく、ヒヤヒヤさせてくれるよ!」

翠星石「よくやったですぅ!真紅、薔薇水晶!!」


ネプチューンマン「グム~ッ!こ…これではまるで…」

雪華綺晶「馬鹿な…!私の封印は完璧だったはず…。 …まあ、良いでしょう…所詮は氏期が少し延びただけのこと!」

水銀燈「……………」


実況『さあ、ついにレッドシスターズ入場!まもなく決勝戦開始のゴングです!」

186: 2008/09/17(水) 22:31:00.14 ID:VF54tbg0
真紅「ふぅ…まさか向こうとこっちとで時間の流れが違うとはね…。本当に危なかったのだわ…」

薔薇水晶「…これもラーメンマンたちや雛苺のおかげ…」

真紅「ええ、その通りよ!彼らに報いるためにも…負けられないのだわ!」

薔薇水晶「…先発は…まかせて…」


雪華綺晶「あちらの先発は偽の第七ドールですか…。では私が参りましょう…」

水銀燈「………雪華綺晶、変な小細工は逆効果よ…」

雪華綺晶「クスクス…お姉様がアドバイスとは珍しいですね。ですが、そのアドバイスは不適切ですよ…」

雪華綺晶「敵を知り己を知れば百戦危うからず…、相手の弱点を攻めるのは戦いの定石です…」

水銀燈「……………」


実況『さて、レッドシスターズの先発は薔薇水晶!パーフェクトメイデンズの先発は雪華綺晶のようです!』

実況『長きに渡ったスーパーローザミスティカ争奪タッグトーナメント!いよいよ今、決着の時です!』

実況『一体どちらのタッグチームが勝利の栄光を手にするのか!激しい戦いの幕が今…』

カァーンッ!!

実況『切って落とされたーーーっ!!』

188: 2008/09/17(水) 22:32:44.86 ID:VF54tbg0
ガシッ!

実況『さあ、まずはお約束!双方ともリング中央で手四つに組み合って力比べの体勢だ!』

ググググ…

実況『おーっと!しかしその力は拮抗せず!徐々に薔薇水晶が押されていくーっ!』

雪華綺晶「クスクス…偽者ごときが正当なるローゼンメイデンである私に敵うとでも…?」

薔薇水晶「っ…」

雪華綺晶「お父様の弟子である槐という名の人形師が、お父様を超えるために作り出したドール…」

雪華綺晶「その容姿、性能、知能…全て我々ローゼンメイデンに引けを取らないものですが…ひとつだけ欠陥がある」

雪華綺晶「あなたはスーパーローザミスティカを手に入れたところでアリスにはなれない…。なぜならば…」

グイッ

雪華綺晶「なっ…!」

薔薇水晶「ウンター・グルフ!!」

ズドォォン

雪華綺晶「ゲホッ…!」

薔薇水晶「…戦いの最中に無駄口は叩かない方がいい…。…隙だらけだから…」

189: 2008/09/17(水) 22:34:12.74 ID:VF54tbg0
実況『なんと先手をとったのは薔薇水晶!捻りを加えたフロントスープレックスで雪華綺晶をマットに叩きつけたーっ!』

薔薇水晶「…今は…アリスになるために戦っているわけじゃ…ない…」

真紅「よし、いい調子よ!薔薇水晶!」

雪華綺晶「…やってくれますね…!…精神的な揺さぶりは無効というわけですか…。ならば…!」

実況『あーっと!復帰した雪華綺晶が左腕を掲げるーっ!そこに装備されているのは悪夢のサポーターだ!!』

雪華綺晶「nフィールド・パワー!!」

グオオォォォ…

実況『nフィールド・パワーの光が薔薇水晶に向かって放出されるーっ!全てのパワーを吸収してしまう魔の光だーっ!』

真紅「薔薇水晶!鏡よ!あのサポーターについている鏡を壊すのだわ!」

雪華綺晶「クスクス…そして鏡の破片を飛び散らせて私の行動範囲を広くしてくれるのですか…?」

真紅「うっ…!そ、そういえば蒼星石はその手で…」

雪華綺晶「クスクス…どのみち、この完璧なnフィールド・パワーを破ることは不可能!大人しく負けを認めるのです!」

薔薇水晶「…完璧なものは…この世にひとつとして存在しない…」

雪華綺晶「なっ…」

実況『あ、あーっと!謎の光に包まれている薔薇水晶、今度は自分の懐に手を伸ばすーっ!一体何をする気だーっ!?』

190: 2008/09/17(水) 22:35:47.35 ID:VF54tbg0
サッ

薔薇水晶「…nフィールド・パワー破り…合わせ鏡…!」

雪華綺晶「何っ!?」

実況『あ、あーっと!これはどうしたことだーっ!薔薇水晶が懐から取り出したのは手鏡!手鏡が謎の光を反射するーっ!』

実況『反射した光は再び雪華綺晶のサポーターの中に!薔薇水晶に向かっていたnフィールド・パワーは完全に遮断されたーっ!』

真紅「そ、そうか、合わせ鏡!光線状のnフィールド・パワーは直線軌道でしか飛ばないから鏡で反射することができるのだわ!」

雪華綺晶「クッ…!nフィールド・パワーまで破られてしまうなんて…!おのれ…!」

ガシッ

薔薇水晶「…余計な小細工を使ったばかりに…動揺して隙ができた…」

雪華綺晶「あっ!し…しまった!」

実況『ここで薔薇水晶が雪華綺晶を捕らえて高くジャンプしたーっ!さあ、ここから何を出すーっ!?』

薔薇水晶「地獄の………ハッ!」

薔薇水晶「(地獄の断頭台を使えば…雪華綺晶の首が…折れてしまうかも…)」

雪華綺晶「クスクス…どうしたのですか?早く技を仕掛けないと…、逃がしてしまいますよ?」

実況『あーっと!どうした薔薇水晶!技を仕掛けるのに躊躇した隙に、雪華綺晶に脱出されてしまうーっ!』

191: 2008/09/17(水) 22:37:39.52 ID:VF54tbg0
薔薇水晶「くっ…マーシャルアーツキック…!」

雪華綺晶「クスクス…無駄です。nフィールド・パワーに次いで私にはもうひとつの武器がある…」

雪華綺晶「パワーゼロ!アストラルボディ!」

スッ

薔薇水晶「キ…キックが通り抜けた…!」

雪華綺晶「クスクス…実体を持たないアストラルボディに触れることは不可能…。理解できましたか?」

雪華綺晶「パワー上昇!ノーマルボディ!…そろそろ反撃させて頂きますわ…」

薔薇水晶「ま…まずい…!」

ガシッ

雪華綺晶「ダブルレッグ・スープレックス!!」

ズドォォォォンッ!

薔薇水晶「ぐはぁッ…!」

実況『で…出たーっ!雪華綺晶の得意技、ダブルレッグ・スープレックス!!薔薇水晶の頭部がマットに叩きつけられるーっ!!』

雪華綺晶「おやおや、つい力が入りすぎてしまいましたね…。もしかしたら首が折れてしまったかも…」

真紅「ば…薔薇水晶ーーーっ!!」

192: 2008/09/17(水) 22:39:02.41 ID:VF54tbg0
雪華綺晶「クスクス…大人しくあの時、地獄の断頭台を使っていれば私を戦闘不能にできたかも知れないのに…」

雪華綺晶「所詮は正義、優しさ、愛、絆などの下らない感情に踊らされるドール…全ての感情を超越したこの雪華綺晶には敵いません」

雪華綺晶「正義超人の強さも、お姉様たちの強さも、全てはまやかし…完璧超人軍とパーフェクトメイデンズこそが真の強者なのです」

ネプチューンマン「よーし、よく言ったぞ雪華綺晶ーっ!!」

真紅「くぅっ…好き放題に言ってくれるのだわ…。立って!立つのよ、薔薇水晶!」


薔薇水晶「うっ…ぐぅぅ…」

悪魔将軍『バゴアバゴアバゴア…いいザマだな、薔薇水晶よ…』

薔薇水晶「ハッ…!あ、悪魔将軍…!」

悪魔将軍『あれほど強かったお前だというのに絆パワーなんぞに惑わされたため、今はその惨めな姿を晒しているのだ…』

悪魔将軍『慈悲の心など捨てろ!ヤツの腕を引き千切れ!ハラワタを抉り出せ!首を叩き落し、悪魔の強さを思い出せい!!』

薔薇水晶「あ…悪魔の強さ…」

悪魔将軍『フフフ…そうだ。徹底的に相手を踏み潰す残虐ファイトは何物にも変えがたい快楽であっただろう…?』


実況『さあ、薔薇水晶は未だに起き上がる気配を見せません!ま…まさか氏んでしまったのかーっ!?』

真紅「くっ…ど、どうすればいいの…!?」

193: 2008/09/17(水) 22:41:06.66 ID:VF54tbg0
~観客席~

蒼星石「ダ、ダメだ…薔薇水晶は…もう…」

翠星石「あんな技を食らって…例え生きていたとしても立ち上がってこれるわけがないですぅ…」

キン肉マン「二人とも!何を諦めておるんじゃ!私たちが応援してやらんでどうする!?」

テリーマン「倒れても、傷ついても、仲間の声援があれば何度でも起き上がる!それが真のファイターだ!」

ブロッケンJr「今のオレたちにできることは思い切り応援するしかねえ!!」

キン肉マン「 薔薇水晶! 薔薇水晶! 」

観客1「 薔薇水晶…! 薔薇水晶…! 」

観客2「 薔薇水晶!! 薔薇水晶!! 」


薔薇水晶! 薔薇水晶! 薔薇水晶! 薔薇水晶! 薔薇水晶!

実況『あーっと、キン肉マンに先導されて観客席全体から薔薇水晶コール!果たして薔薇水晶には届くのかーっ!?』


~トーナメントテーブル最終リング~

真紅「…聞こえる、薔薇水晶…?皆が貴女を認めてくれているのよ!」

雪華綺晶「愚かな…あの衝撃で立ち上がれるはずがないのです…」

194: 2008/09/17(水) 22:42:49.95 ID:VF54tbg0
薔薇水晶! 薔薇水晶! 薔薇水晶! 薔薇水晶! 薔薇水晶!

悪魔将軍『ヌウウ~ッ!耳障りなハエどもだ!さあ、立ち上がれ薔薇水晶!立ってヤツを叩きのめしてやれ!』

薔薇水晶「…立つ…。だけど…悪魔のファイトはしない…」

悪魔将軍『な、何ィ!?再びこの惨めな姿を晒したいと言うのか!?』

薔薇水晶「何度惨めな姿を晒しても…この声を聞いていると…倒れるたび、傷つくたび…強くなっていける気がする…」

薔薇水晶「…私の弱い心が生み出した悪魔将軍の幻影…消えなさい…!」

悪魔将軍『お、おのれ…!しかし覚えていろ!お前の中にはいつ何時でも悪魔が潜んでいるということを~っ!』


ユラァッ

実況『た…立ったーっ!!薔薇水晶、コールに応えて再び立ち上がったーっ!!』

ワアアアアアアア!!

真紅「薔薇水晶!信じていたのだわ!」

雪華綺晶「な…何故…!?」

薔薇水晶「…ハァ…ハァ…、…負けるわけには…いかない…!」

実況『あーっと!復帰した薔薇水晶、猛然と雪華綺晶にタックルを仕掛けたーっ!!しかし通用する技はあるのかーっ!?』

195: 2008/09/17(水) 22:44:13.78 ID:VF54tbg0
雪華綺晶「い…いくら立ち上がったところで無駄です! パワーゼロ!アストラルボディ!」

薔薇水晶「…水銀燈は、きっと真紅が倒してくれる…だから私はこの勝負に全力を賭ける…!」

薔薇水晶「パワー注入…!」

雪華綺晶「なっ…!ま、まさか…!!」

実況『こ、これはどうしたことだーっ!?アストラル体化して逃れようとした雪華綺晶ですが、実体を保ったままだーっ!』

薔薇水晶「ぐううっ…私のパワーを流し込み続ければ…実体を無くすことはできない…!即ち攻撃が通用する…!」

雪華綺晶「む…無謀なことを!そんな捨て身の戦法では長く戦えるはずもない!必殺技のない貴女がどう戦うというのです!?」

薔薇水晶「必殺技なら………ある!」

グイッ

実況『あーっと!薔薇水晶が雪華綺晶をアルゼンチンバックブリーカー気味に抱えあげたーっ!この体勢はーっ!!』

キン肉マン「おおっ!あれこそはカメハメ師匠が最も得意としていたフィニッシュホールド!!」


薔薇水晶「バックフィリップ!!」


ズドォォォン…!

雪華綺晶「がはぁぁぁっ…!!」

196: 2008/09/17(水) 22:46:00.46 ID:VF54tbg0
ズン…

実況『決まったーっ!!大技・バックフィリップ!!双方、自軍マットに転がるーっ!!』


薔薇水晶「…ハァ…ハァ…こ、これで雪華綺晶はもう…立ち上がれないだろう…。…ゲホッ!」

真紅「薔薇水晶!!…お見事なのだわ!後は私に任せておいて!」

薔薇水晶「…頑張って…真紅…」

ガクッ…

真紅「力を使い果たしたのね…。ゆっくり休んでいて…」


雪華綺晶「ハァッ…ハァッ…!た…たった一撃で体中が痺れて動けない…これがバックフィリップ…!」

水銀燈「下がっていなさい、雪華綺晶。ここから先は私の出番よ…」

雪華綺晶「す、水銀燈お姉様…! ………? サポーターに何をなさるのです…?」

ブチィッ!

水銀燈「…ごめんなさい、雪華綺晶。真紅相手に…もうこんな物は必要ないの…」

雪華綺晶「なっ…!nフィールド・パワーを捨てるというのですか!?」

水銀燈「もうパーフェクトメイデンであることは止めるわぁ…。私はローゼンメイデン第一ドール…水銀燈よぉ!」

203: 2008/09/17(水) 23:56:48.21 ID:VF54tbg0
実況『さて…両チームの先発が倒れ、なし崩し的に控えがリングインします!対峙するは真紅、そして水銀燈!!』

実況『あのアリスゲーム以来の対戦カード!果たして今回はどちらに勝利の女神は舞い降りるのでしょうか!?』

真紅「…水銀燈…貴女には完全勝利できる自信があったわ…。だけど今、それが揺らいだ…」

水銀燈「フフ…ちょっと自分を見失っていたみたいねぇ…。さぁて、あの時のリベンジマッチよぉ!」

真紅「…どういう心変わりかは分からないけれど…負けないのだわ!」

ダッ

ガシィッ!

実況『さあ、両者一斉に自軍コーナーからスタート!リング中央でぶつかりあったーっ!!』

真紅「はああああああっ!」

水銀燈「おおおおおおおっ!」

ゴウッ…!

雪華綺晶「なっ…!ぶつかりあっただけでこの圧力…!こ、これが水銀燈お姉様の真の力…!?」

薔薇水晶「(…水銀燈には負けられない理由がある…nフィールド・パワーなんて無くても…それだけで強い…)」

真紅「ううっ…や、やるわね…水銀燈…。今までとは全然違うわ…!」

水銀燈「まだまだぁっ!めぐに胸を張ってスーパーローザミスティカを渡せるドールとなるためにも…負けないっ!」

204: 2008/09/17(水) 23:58:09.21 ID:VF54tbg0
真紅「はああああああっ!!」

水銀燈「せええええええっ!!」

ドガガガガガガ…!

実況『さあ、リング中央でぶつかりあった二人!互いに拳打の応酬!!どちらも一歩も引かず許さずーっ!!』


~観客席~

翠星石「な、なな…す、水銀燈ってあんなに強かったですか!?今や真紅と互角…いや、それ以上ですぅ!」

蒼星石「…負けられない理由、か…。僕たちが戦っていたのは雪華綺晶に枷をはめられた水銀燈だったんだね…」

キン肉マン「グム~ッ、こ…これは分からなくなってきたぞ!頑張れ、真紅ーーーっ!!」


~トーナメントテーブル最終リング~

雪華綺晶「(…あの娘との絆…それが水銀燈お姉様を強くしているというの…?)」

雪華綺晶「(これが…絆パワー…。nフィールド・パワーなんて…遠く及ばない無限のパワー…)」

ネプチューンマン「…ケッ、終わりだな…もはや完璧超人など及び知るところじゃねえ…」

雪華綺晶「ネ、ネプチューンマン…どこへ…?」

ネプチューンマン「こんな泥臭い戦いはオレの求めていたファイトじゃねえ。あばよ、雪華綺晶。お前ともこれまでだ」

205: 2008/09/18(木) 00:00:25.73 ID:tw9K/XQ0
真紅「くっ!一発一発が重いラッシュ…!一瞬でも防御に回ったら…やられる…!」

水銀燈「ボディがガラ空きよぉ、真紅ぅ!」

真紅「っ!し…仕方がない!」

ドゴォッ!

実況『あ、あーっと!水銀燈の強烈ボディブローが真紅を捕らえたーっ!!しかし、真紅はこれをなんとか堪える!!』

真紅「ごふッ…!…こ、渾身の一撃を打った後は…必ず一瞬動きが止まる…!」

ガシッ

水銀燈「くっ!しまった!」

真紅「肉を切らせて骨を絶つ!はああっ!!」

実況『ボディブローを耐え切った真紅!水銀燈を抱えあげて高く跳躍ーっ!!この体勢はーっ!!』

真紅「水銀燈!貴女を破った時に私が開発した初めての技よ!!」

真紅「絆バスタァァァーーーッ!!」

ズドォォォォンッ!

水銀燈「がはぁッ…!」

ズン…

206: 2008/09/18(木) 00:01:45.60 ID:tw9K/XQ0
真紅「完璧な絆バスターなのだわ…。これで決着よ…」

ガシッ

水銀燈「フ、フフ…おばかさぁん…、私は…私はまだまだやれるのよぉ…!」

真紅「なっ!う、嘘!?」

水銀燈「次はこっちのスペシャルホールドをお見舞いしてあげるわぁ!せええいっ!」

ブオンッ

実況『あ、あーっと!絆バスターの直撃にも関わらず立ち上がった水銀燈、天高く真紅を投げ飛ばすーっ!!』

バサァッ

実況『そして黒い翼を広げて飛翔!!真紅の背中へと乗った!!そして両腕をチキンウイングに固め…』

真紅「パ…パロスペシャル!?」

水銀燈「貴女がキン肉バスターから新技を開発したように、私もパロ・スペシャルから新技を開発したのよぉ!!」

実況『あーっと!空中で真紅にパロ・スペシャルを仕掛けた水銀燈!真紅の頭が下になる体勢で落下してくるーっ!!』

水銀燈「スカイハイ・パロ・スペシャルーーーーーッ!!」

ズドォォォォンッ!

真紅「がッ…!」

207: 2008/09/18(木) 00:03:48.83 ID:tw9K/XQ0
水銀燈「さ…さっきの絆バスターの…お、お返し…よぉ…」

フラッ

実況『あ、あーっと!大技を仕掛けた水銀燈、大きくよろめくーっ!さすがに絆バスターのダメージは大きかったかーっ!』

真紅「う…ぐぅぅ…、ま…まだまだ…!」

水銀燈「はぁ…はぁ…、相変わらず…しつこいわね…真紅ぅ…!」

水銀燈「私は…負けるわけにはいかないのよぉ!」

バキィッ!

真紅「それは…こっちだって同じなのだわ!」

ドガァッ!

ズガガガガガガガガガガ…!

実況『立ち上がった二人、再びラッシュで殴り合う!!もはや派手な技を使う体力も残されていないということかーっ!!』

真紅「はあああああっ!」

水銀燈「おおおおおおっ!」

 ズガァァァン!!

実況『そしてクロスカウンターッ!!両者、激しい拳打を受けて同時にダウンーッ!!さあ、立ち上がれるのかーっ!?』

208: 2008/09/18(木) 00:06:01.37 ID:tw9K/XQ0
真紅「(負けない…!負けられない…!ラーメンマン、ロビンマスク、ウォーズマン、そして雛苺のためにも…!)」

真紅「(先発で見事に雪華綺晶を倒してくれた薔薇水晶のためにも…!)」

真紅「(そして今応援してくれている、全ての人のためにも…!)」


~観客席~

キン肉マン「真紅よーっ!!いつもの奇跡の逆転劇を見せてくれーっ!!」

テリーマン「キン肉マン譲りの底力を見せるんだーっ!!」

ブロッケンJr「皆に与えられた責任を果たすんだぜーっ!!」

バッファローマン「ここで立ち上がれなかったら承知しねえぜーっ!!」

蒼星石「頑張れ、真紅!!」

翠星石「翠星石たちの絆パワーを受け取るですぅ!!」

真紅! 真紅! 真紅! 真紅! 真紅! 真紅! 真紅!


グググググ…

実況『た、立ち上がったーっ!!先に立ち上がったのは奇跡の逆転ファイター・真紅!!』

真紅「(い、意識が薄れていくけど…絶対に…ま、負けられない…!!)」

209: 2008/09/18(木) 00:07:54.01 ID:tw9K/XQ0
水銀燈「(ま…負けられない…!立ち上がらなきゃ…立って勝たなきゃ…めぐは…!)」

水銀燈「(誰か…誰かほんの少しでも…力を貸して…。私に力を…!)」


真紅! 真紅! 真紅! 真紅! 真紅! 真紅! 真紅!

実況『さあ、全観客席から響き渡る真紅コール!もはや流れは完全にレッドシスターズか!!』

水銀燈「(フ…フフ…、い…今までの報いのようねぇ…私を応援してくれる人なんて…誰も…)」


???「 水銀燈! 水銀燈! 水銀燈! 水銀燈! 」

水銀燈「(…!)」

めぐ「頑張って!水銀燈ーーーっ!!」

水銀燈「(…め、めぐ…!もう体はボロボロなのに…私の応援に来てくれたの…!?)」

水銀燈「(………たった一人だけの応援だけど…何百人、何千人、何万人にも勝る…声援だわ…!!)」


グググググ…

実況『た、立ち上がったーっ!!水銀燈も立ち上がりました!!一体何が彼女たちを突き動かすのかーっ!?』

水銀燈「(負けられない…。…めぐに…惨めなところだけは見せられない…!!)」

210: 2008/09/18(木) 00:09:57.30 ID:tw9K/XQ0
実況『さあ、再び試合開始…といったところですが…どうしたのでしょう? 二人とも立ち上がった状態のまま動く様子を見せません…』

真紅「……………」

水銀燈「……………」

薔薇水晶「ま…まさか…!」

雪華綺晶「両方とも…立ったまま気絶している…!」

実況『な…なんと両方とも立ったままKOされているーーーっ!!倒れた時、もはや既に意識はなかったということでしょう!!』

実況『薔薇水晶、雪華綺晶も共に戦闘不能状態!つまり、この勝負は引き分けということなのかーっ!?』


カンカンカンカンカァン!!


実況『そして今ゴングが鳴ったーーーっ!!スーパーローザミスティカ争奪タッグトーナメント決勝戦…その結果は前代未聞の引き分け!!』

実況『しかし双方一歩も譲らない名勝負でした!!皆様、惜しみない拍手と歓声を!!』


ワアアアアアアアアアアアアアアアアア!!


雪華綺晶「引き分け…ですか…。でも、これはほとんど水銀燈お姉様一人のお陰ですね…」

薔薇水晶「…雪華綺晶…」

212: 2008/09/18(木) 00:11:58.14 ID:tw9K/XQ0
実況『し…しかしスーパーローザミスティカの数はふたつ、一体これはどういう処断をとるのでしょうか!?』

実況『主催者であるネプチューンマンが途中で退場してしまったため、判断する権利は副主催者の雪華綺晶にあることになります!』

実況『果たして彼女はどういう采配をとるのか!!』

翠星石「あいつめ…どうせ上手く言って再試合するに決まってるですぅ!」

蒼星石「待って、翠星石…様子がおかしい…」

雪華綺晶「…このスーパーローザミスティカ…ひとつは真紅お姉様に…もうひとつは水銀燈お姉様に授与することにいたします…」

全員『な、なんだってーーーっ!?』

キン肉マン「雪華綺晶!お前…!」

雪華綺晶「勘違いしないでください。副主催者として妥当な判断をしたまで…決して絆パワーなどに目覚めたわけではありません」

雪華綺晶「またいずれ、お姉様たちには別の形で挑ませてもらいます。それまではせいぜいお元気で…」

ボワッ

薔薇水晶「…消えてしまった…」

ブロッケンJr「…騒がしくなってきた…神隠し事件で絵画に封印されていた人たちが解放されたみてえだな…」

バッファローマン「へへ…これで全て元の鞘に収まったってわけだな…。やれやれ、その功労者たちはよく眠ってやがるぜ…」

真紅&水銀燈「Zzzzz…」

213: 2008/09/18(木) 00:13:16.87 ID:tw9K/XQ0
~こうして、戦いは終わった~

~スーパーローザミスティカは真紅と水銀燈の二人の手に渡り、タッグトーナメントは幕を閉じた~

~浮上していたトーナメントテーブルは再び海の底に沈み、神隠し事件の被害者たちはそれぞれ元の居場所に戻っていった~

~だが、完璧超人・ネプチューンマンの姿はどこにもなかった…いずれまた正義超人たちに挑んでくることだろう~

~こうして、正義超人たちとローゼンメイデンたちにひとまずの平穏な日常が戻ってきたのだった~

~しかし、真紅には少し想うところがあった~

223: 2008/09/18(木) 21:41:53.42 ID:tw9K/XQ0
~一ヵ月後・キン肉ハウス~

ミート「つ、次の時代に旅立つだってーっ!?」

キン肉マン「ど…どうしてじゃ真紅!昨日の牛丼に紅ショウガが入ってなかったのがそんなに不満だったのかーっ!?」

真紅「違うのよ、スグル。私たちローゼンメイデンで相談して決めたの…」

真紅「私たちはあまりにも長くこの時代に留まりすぎた…そのお陰で、アリスゲームに多くの人たちを巻き込んでしまったわ」

真紅「そろそろ次の時代に旅立つ頃だと思うの…。許して頂戴…」

ミート「そ…そんなぁ、また悪行ドールたちが襲ってきたら誰が地球を護るんですかぁ?」

真紅「元々、この世界は人間と超人だけだったわ…。しかし私たちがきっかけとなってドールという新たな戦闘種族が現れてしまった」

真紅「私たちが消えれば、自然と悪行ドールたちも消えていくはずよ…」

ミート「で、でも…」

キン肉マン「もうよい、ミート。真紅がそこまで覚悟を決めておるのだ…笑って見送ってやろうではないか…」

ミート「王子…」

真紅「ありがとう、スグル。…貴方は今までのミーディアムの中で一番のドジでマヌケ、不細工なパートナーだったけれども…」

真紅「同時に最高にカッコいいミーディアムだったわ」

キン肉マン「よ…よせやい、真紅!照れるではないか!」

224: 2008/09/18(木) 21:42:42.79 ID:tw9K/XQ0
真紅「ミートも安心して。私たちは確かに次の時代に旅立つけれど、これが今生の別れというわけではないわ」

キン肉マン「ウム…もしかすれば十年後、二十年後に再び逢えるかも知れんのだからな!」

ミート「そうですね…ちょっと寂しいですけど…お見送りします!」

真紅「フフ…次に逢った時には、スグルももうヨボヨボのお爺さんだったりしてね…」

キン肉マン「にゃははは!何を言うんじゃ真紅!私はいつまでもナウいヤングのスーパーヒーローじゃい!」

ミート「よく言うよ、まったく…」

真紅「でも、本当にその日を楽しみにしているのだわ」

キン肉マン「それは私も一緒だ。達者でな、真紅!さよならは言わんぞ!」


ガシッ


キン肉マン「またな、真紅!」

真紅「ええ!また会いましょう、スグル!ミート!」

ミート「いってらっしゃい、真紅さん!」

225: 2008/09/18(木) 21:44:46.02 ID:tw9K/XQ0
~テリーマン宅~

テリーマン「行くのか…寂しくなるな…」

金糸雀「そんな顔しないで、テリー!きっとまた会えるかしら~!」

テリーマン「フフ…次のミーディアムがオレの子や孫だったりする可能性もありえるわけだしな…」

金糸雀「その通りかしら~!だから笑顔で見送って、テリー!」

テリーマン「ああ!グッドラック、金糸雀!テキサス・ブロンコの魂を忘れるなよ!」

金糸雀「勿論かしら~!」

ガシッ

テリーマン「さぁて、そうと決まれば今日は最後の晩餐だ!お前の大好きな卵焼きをたっぷり作ってやるぜ!」

金糸雀「わーい!テリーの作る卵焼きはサイコーに美味しいのかしら~!」


テリーマン「(こんなにシュガーを入れた卵焼きを作るのも…これが最後だろうな…)」

テリーマン「(へへ…不思議なことだがシュガーが目に染みやがるぜ…)」


金糸雀「(泣いちゃ…泣いちゃいけないのかしら~…!)」

金糸雀「(テキサス・ブロンコはいつだって…涙を見せないのかしら…!)」

226: 2008/09/18(木) 21:47:09.53 ID:tw9K/XQ0
~ラーメンマン宅~

翠星石「ズルズルズル…ぷはぁ…!く~っ、やっぱり坦々麺は本場の汁なしに限るですぅ!!」

ラーメンマン「ハハハ、もしかしたら食べるのはこれが最後かも知れんからな。たっぷり味わっておきなさい」

ブロッケンJr「へへ…オレが持ってきたドイツ名産ヴルスト(ソーセージ)も食べてくれよ!」

翠星石「そ、そんなに食べられないですぅ!翠星石は超人の胃袋を持たないですよ!」

翠星石「グスッ…まったく…師匠もブロッケンJrも…どいつもこいつも…どうしようもない…脳筋バカばっかりですぅ…」

ラーメンマン「翠星石…」

ブロッケンJr「泣くなよ、最後ぐれえパーッと騒ごうじゃねえか…」

翠星石「な、泣いてるわけじゃねーですぅ!中国山椒の花椒が目に染みてるだけですよ!フン!」

ブロッケンJr「ったく~、どこまでも意地っ張りなヤツだぜ…」

ラーメンマン「フ…この憎まれ口も聞けなくなるかと思うと寂しいものだ…」

翠星石「お望みとあらばまた聞かせてあげるですよ!また会った時に!たっぷりと!」

ブロッケンJr「ちったぁ成長して大人しくなれっての…」

ラーメンマン「ハハハ…ともあれ、また会える日を楽しみにしているぞ。翠星石…」

翠星石「ええ!師匠も、ブロッケンJrも、いつの日かまた会うですよ!絶対の絶対ですぅ!」

227: 2008/09/18(木) 21:49:45.00 ID:tw9K/XQ0
~バッファローマン宅~

雛苺「バッファローマン…今まで楽しかったの!ありがとう、そしてさよなら!」

バッファローマン「ケッ、うるせえのが居なくなってようやく静かになるぜ。あばよ、雛苺」

スプリングマン「オイオイ、バッファローマンそりゃねえだろ…別れの言葉にしちゃ乱暴すぎるぜ?」

雛苺「ううん…いいのよ、スプリングマン…。これがバッファローマンなの…」

バッファローマン「………フン…」

スプリングマン「やれやれ、素直じゃねえやつ…。じゃあな、雛苺!また会おうぜ!」

雛苺「うん、スプリングマンも元気でね!」

ザッ

バッファローマン「……………!」

バッファローマン「ウオオオッ!雛苺ーっ!!新しい時代でも達者で暮らすんだぜーっ!!」

雛苺「!! バッファローマン…!」

雛苺「わかったの~!!バッファローマンも元気でねーっ!!いつかまた絶対会うのよーっ!!」


スプリングマン「へへ…やっぱりお前たちはそうじゃねえとな…」

228: 2008/09/18(木) 21:51:47.08 ID:tw9K/XQ0
~ロビンマスク宅~

蒼星石「今までお世話になりました。ありがとう、マスター」

ロビンマスク「ああ、さよなら…。また会おう、蒼星石」

蒼星石「フフ…次の時代では、もしかしたらマスターの子供にも会えるかも知れないね…」

蒼星石「マスターは少し教育熱心なところがあるから、もしかしたら子供はグレちゃうかも…」

ロビンマスク「ム!…気をつけておくとしよう…」

ロビンマスク「蒼星石も、次の時代では姉妹仲良くするんだぞ?」

蒼星石「うん、次の時代では…絆を大事にしていこうと思ってる…。…マスター・ロビンマスク…」


ガシッ


蒼星石「貴方がマスターで…本当に良かった…」

ロビンマスク「私もだ。振り返ってみれば短い間だったが…とても楽しかったぞ」

蒼星石「また会える日まで…元気でね」

ロビンマスク「お前もな、蒼星石…」

229: 2008/09/18(木) 21:53:27.73 ID:tw9K/XQ0
~病院~

めぐ「水銀燈…行っちゃうの?」

水銀燈「…ごめんなさぁい、めぐぅ…。貴女の退院を待たずに次の時代に旅立って…」

めぐ「ううん、いいの。私は憧れの水銀燈の試合をこの目で見られただけで十分だから…」

水銀燈「そう…。それなら良いのだけどぉ…」

ウォーズマン「フ…そんなに辛気臭い顔をするな、お前たち。もう二度と会えないわけでもない…」

ウォーズマン「オレは年を取らないロボ超人…他の超人と違って老衰で氏ぬこともない」

ウォーズマン「めぐはスーパーローザミスティカの影響で他人より少しだけ成長が遅く、寿命が長くなってしまった…」

ウォーズマン「次の時代でもオレたちはこの姿のままで水銀燈に会えるってわけだ…」

めぐ「そうよ、水銀燈。私たちはいつの時代もずっと変わらない…。だから安心して次の時代に行って頂戴」

水銀燈「…ウォーズマン…めぐ…」

ウォーズマン「…水銀燈、色々あったが…お前と過ごした月日、楽しかったぜ!」

めぐ「私、水銀燈に救われたこの命を大切にする。一生懸命、生きていくわ!」

水銀燈「ふ…二人とも…!」

水銀燈「私、貴方たちに会えてよかったわぁ!!本当に…本っっっ当に…!!」

231: 2008/09/18(木) 21:55:43.06 ID:tw9K/XQ0
~どこか~

真紅「…薔薇水晶…雪華綺晶…、貴女たちも次の時代に行くのね…」

薔薇水晶「…私の作られた目的はローゼンメイデンよりも優れていることを証明するため…残念だけど、次の時代ではまた…」

真紅「そう…それは仕方ないことだわ…。今度はお互いに正々堂々戦いましょう、薔薇水晶!」

雪華綺晶「クスクス…次の時代こそお姉様たちに完全に勝利します…。首を洗って待っていてくださいね…」

真紅「望むところだわ、雪華綺晶!次の時代でも貴女の好きにはさせないわ!」

薔薇水晶「…では、私たちは一足先に…」

雪華綺晶「クスクス…失礼しますわ…。ごきげんよう、真紅お姉様…」

パァァァァァッ

真紅「…行ってしまったようね…。今度は私たちの番…」

翠星石「名残惜しいですけど、この時代にもさよならですぅ」

蒼星石「…いい時代だったね…。とても…」

水銀燈「次の時代もこんな感じだといいわねぇ…」

雛苺「こんな感じに決まってるの~!」

金糸雀「だって、あの正義超人たちが守りぬく新しい時代かしら~!」

232: 2008/09/18(木) 21:58:01.72 ID:tw9K/XQ0
真紅「さて、それじゃあ皆…行くのだわ! かけがえのない絆と!」

金糸雀「受け継いだ魂と!」

翠星石「優しさと、責任感と!」

雛苺「どんな苦しい道でも切り拓いていくパワーと!」

蒼星石「何物にも変えがたい思い出と!」

水銀燈「いつまでも変わることのない友情を、トランクに詰め込んで!」


全員『いざ、新しい時代へ!!』


パァァァァァッ

233: 2008/09/18(木) 21:59:46.39 ID:tw9K/XQ0
キン肉マン「どうやら行ったようだのう…」

テリーマン「ああ、強がってみたとは言え…寂しくなるな」

ラーメンマン「フ…だがそうセンチな気分にも浸っておれんぞ」

ブロッケンJr「何せオレたちにはまだやるべき仕事があるんだからな!」

バッファローマン「そうだな…あいつらが行く次の時代ってヤツを少しでも良くしてやらねえと!」

ロビンマスク「それが我々正義超人の務めだ。寂しがっている暇はない!」

ウォーズマン「コー…ホー…! 俄然やる気が出てきやがったぜーっ!」


キン肉マン「ようし!それじゃあ皆、新しい時代のために頑張ろうぜーっ!!」

ガシィッ!

正義超人軍『おおーーーーーーっ!!』

234: 2008/09/18(木) 22:01:26.01 ID:tw9K/XQ0
~…そして月日は経ち…28年後…東京都田園調布・美波理公園・キン肉ハウス~

ミート「Ⅱ世ーっ!そろそろスパーの時間ですよーっ!Ⅱ世ーっ!!…まったく…どこに行ったんだろう…」


万太郎「ったく、こんな暑苦しい日にスパーなんてやってられないよー…。町で女の子と遊ぶ方が大事だもんね!」

ガツッ

万太郎「どわっ!な、なんでこんなところにトランクがーーーっ!?」

ズッデェーン!

ミート「ハッ!見つけましたよⅡ世!もう逃がしませんからね!」

万太郎「あ痛てて…な、なんだよ、このトランク!いつの間にこんな所に…?」

ミート「!! …ウーン…、…このトランク…どこかで見たことがあるような…」

万太郎「え?ミートも知らないの?…とりあえず…開けてみるか!」


     ガチャッ…


~今、時代を超えて…新たなアリスゲームが幕を開けたのである!!~


                  完

237: 2008/09/18(木) 22:05:59.80 ID:tw9K/XQ0
これで一応完結でございます。
今まで付き合ってくれた方、どうもありがとうございました!
キン肉マン29周年とローゼンメイデン連載再開を祝ってキン肉マン×ローゼンメイデンスレでした。



あと非常に締まらない話ですが描写を忘れたのが一点。
真紅が手に入れたスーパーローザミスティカは「こんなものを手に入れるために戦ったのではない」として再び海の底に沈められました。

引用: キン肉マン×ローゼンメイデンスレ 【真紅「スグル、~~」スレ】