1: 2010/03/28(日) 05:46:10.90 ID:XoWuAda10
 いつものように自分の体とは思えない体を起こし、学校へ向かった俺。
 そしてこれまたいつもの如くくだらない授業を受ける。
 その後の昼で、いつものメンバーと飯を食べる。
 午後の授業もこれでもかというくらい受け流し放課後を迎える。
 俺は面倒すぎる掃除当番という役柄を終え、足取り重く部室へと向かう。

 さて、部室の扉の前へと付いた俺を待っていたのは某団長の雄叫びだった。

 ハルヒ「おっそーーい!! キョンは一体何をやっているのよ!」

 古泉「彼は掃除当番ではないのですか?」

 ハルヒ「わかってるわよ、でも団員として一秒でも早くここに来るのは当たり前でしょう!」

 古泉「仰る通りです」

 朝比奈「涼宮さん、お茶でも飲んで落ち着いてくださいぃ~」

 ハルヒ「そうね、ありがとみくるちゃん」

2: 2010/03/28(日) 05:49:51.72 ID:XoWuAda10
 すごく入りにくい状況であったが、入らないわけにはいかない。
 おそらくこのまま時が経つにつれてもっと状況は悪化していくだろう。
 俺は恐る恐るではあったが扉をあける。
 その時の俺は恐ろしく虚勢を張っていただろう。

 キョン「うぃ~っす」

 ハルヒ「遅ーーい!!何やってたのよキョン!!」

 キョン「何って掃除当番だよ、それ以外の何物でもない」

 古泉「どうも。なにかいいことでもありましたか?」

 キョン「なんでだ?」

 古泉「えらく胸を張って入って見えたのでね」

 キョン「気のせいだ」

3: 2010/03/28(日) 05:54:12.75 ID:XoWuAda10
 朝比奈「キョンくん、こんにちは。今お茶入れますね~」

 キョン「ありがとうございます、朝比奈さん」

 俺はそういうと席に着き、お茶を待つ。
 朝比奈さんがお茶を入れる姿はいつ見ても最高だな。

 キョン「よう、長門」

 長門「……」

 キョン「どうだ調子は?」

 長門「……いい」

 キョン「そうかい」

 俺が長門に声をかけるのはもういい日課になっている。
 もちろんいつも単語で返ってくる。
 それでも別にかまわない。

4: 2010/03/28(日) 05:59:10.67 ID:XoWuAda10
 しかし、俺は嫌な予感がしていた。
 それも朝起きた時から感じていた大きな予感だ。
 ちなみに俺が命を失いかけた事件が起きた日は特に何も感じなかった。

 そうなると今日起きることはそんなこともはるかに凌駕してしまうくらいの大ごとなのか。
 それとも、俺のただの勘違いなのか。
 もちろん俺は後者を望む。
 そして俺たちを不幸を起こすであろう大声が包む。

 ハルヒ「よ~し、みんな集まったところでお知らせがあります」

 そら来た。こいつのお知らせというものがいい知らせだったためしがない。
 間髪いれずに俺はハルヒに問う。

 キョン「お知らせとは何だ?
     まさかまたどこかに合宿に行くだの大会に出るなんてことはないよな?」

 古泉「そういうことならまた僕がどこかいい場所を……―」

 ハルヒ「違うわよ!話は最後まで聞きなさい!」

 そういうお前も古泉の話を遮ってるじゃないか。

7: 2010/03/28(日) 06:32:04.25 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「今から!王様ゲームをします!!」

 キ古朝「は?」

 長門「…………」

 一同呆然。もちろんハルヒ、長門を除いてだが。
 しかしそんなことはお構いなしにハルヒハ続ける。

 ハルヒ「ここに5本の棒があるわ。もちろん1から4までの数字と王のマークが入ってる」

 キョン「ちょっと待ってくれ」

 ハルヒ「なによ」

 キョン「な、なんで王様ゲームなんだ?」

 ハルヒ「テレビでやってたからよ」

 キョン「は?」

 古泉「ま、まさかそれってあの番組ですか?」

 ハルヒ「そうだけど、古泉君も見てたの?」

 古泉「えぇ……。まぁ」

 ハルヒ「それなら話が早いわね! 古泉君は副団長としてどう思う?」

 古泉「もちろん賛成ですよ」

8: 2010/03/28(日) 06:37:38.21 ID:XoWuAda10
 キョン「どういうことだ?」ボソボソ

 古泉「えぇ。この前期間でちょっとしたドラマを作りながしまして……」ボソボソ

 キョン「それが今回の件にどうつながるんだ」ボソボソ

 古泉「そのドラマの中で王様ゲームをやったのですよ。もちろんワンシーンだけ」ボソボソ

 キョン「まさか、そのワンシーンに影響されたなんて言わないよな?」ボソボソ

 古泉「……いいづらいのですがそのようかと」ボソボソ

 キョン「ちなみにそのドラマのコンセプトは何だ?」

 古泉「ただの学生恋愛ものですよ。涼宮さんに『普通もいいな』と思わせるためのね」

 キョン「それが変なほうに作用しちまったと……」

9: 2010/03/28(日) 06:43:16.97 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「何男同士で内緒話してるのよ。古泉君はいいけどキョンは気持ち悪いわ」

 キョン「それはただの悪口だ」

 ハルヒ「兎に角!今から王様ゲームをします!ルール説明なんて……いらないわよね?」

 長門「王の棒を引いたものの言うとおりにする」

 ハルヒ「あ、ありがと有希。まぁそういうわけだから」

 そういうと団員を一か所に集めて一人一人棒を引かせる。
 もちろんハルヒは一番最初、俺は最後だ。
 そして俺の番号は『4』。 番号まで最後なのかよ……。

 ハルヒ「おうさまだぁ~れだ!!」

 一同番号を見る。俺は見ちまってるから大した感動なし。
 そしてこれももちろんハルヒが喜びの声を上げる。

 ハルヒ「私が王様よ!!よぉ~し!何を命令しようかしら……」

14: 2010/03/28(日) 07:06:47.91 ID:XoWuAda10

 キョン「最初に言っておくが、今の俺たちにできることにしろよ」

 ハルヒ「じゃあできないことって何よ?」

 キョン「新たな惑星を見つけるとか」

 ハルヒ「そんなの言わないわよ! というかそれはがんばればなんとこなるじゃない!」

 キョン「どういう努力だ……」

 朝比奈「涼宮さん、命令は何ですかぁ…?」

 ハルヒ「そうだったわね。んじゃあ……
      1番と4番、2番と3番がこの三日間付き合う!」

 キョン「は?」

 ハルヒ「なにが『は?』よ!!そのままの意味だから意味わからないところなんてないでしょ!」

 キョン「仮に古泉と俺だったらどうするんだ?」

 ハルヒ」「大いにアリよ!!」

15: 2010/03/28(日) 07:10:49.37 ID:XoWuAda10
>>13 期待はするな!後悔するぜ!

 ハルヒ「で、みんな番号はどうなのよ?」

 古泉「僕は2番です」

 よ、よかった。際枠の事態だけは免れた。
 しかもこの最悪な状況さえ抜けきってしまえばあとは美少女二人だ。
 これはいい方向に俺のツキが向かって言っていると思う!
 というよりこの無茶すぎる提案にいつの間にか乗り気の俺。

 朝比奈「じゃあ古泉君と私がペアですね」

 そういうと3番の棒を見せる。
 ということは……。

 長門「1番」

 俺は長門とペアになった。

20: 2010/03/28(日) 07:16:04.68 ID:XoWuAda10
>>
 古泉「朝比奈さんよろしくお願いします」

 ハルヒ「こらーー!!恋人同士が名字で呼び合うかいな!!」

 キョン「どこの人間だ! ぜんぜんありじゃないか?」

 ハルヒ「だめよ! これから下の名前で呼ぶこと!!いい!?」

 古泉「わかりました」

 朝比奈「照れくさいですぅ…」

 キョン「長門は……有希か」

 ハルヒ「ちなみにキョンは名前が不明なのでキョンのままでいいです!」

 キョン「なんですと!?あのな!俺の名前は……―」

 ハルヒ「ということでこれから私が作ったノルマ表を配りま~す!」

 そういうと各個人に紙を配布してきた。
 そこには手をつなぐやキスなどといった恋人なら当然するだろう項目がいくつも書かれていた。

22: 2010/03/28(日) 07:23:16.94 ID:XoWuAda10
 キョン「おいハルヒ!! 手をつなぐならまだしもキスってなんだ!!」

 ハルヒ「キスくらい当然でしょ?それにそれは三日目なんだから
      もう互いに愛し合ってるでしょ!!」

 キョン「それにキス以外にも問題はある!いや、ありすぎる!!」

 ハルヒ「うるさいわね!!兎に角、そこに書いてあることはすべてやること!いい?」

 古泉「わかりました」

 キョン「おい!!」

 古泉「ちょっといいですか?」

 キョン「なんだよ?」

 古泉「おそらくその紙に書いてあることをやらなかった場合、閉鎖空間が発生するでしょう」

 キョン「なんでそんなことが分かるんだ」

 古泉「自分の思う通りにならなかったからですよ。今までもいくつかあったでしょう?」

 キョン「しかし、あいつに俺たちの行動が把握できるとは思えない」

 

25: 2010/03/28(日) 07:37:12.53 ID:XoWuAda10
>>23 >>24 たしかにぽいかもww

 古泉「わかりません。しかし手遅れになってからでは遅いのです」

 キョン「……わかった、善処するよ。俺だけのことじゃないしな」

 古泉「ありがとうございます」

 キョン「でもな、朝比奈さんとキスしたら頃すからな!」

 古泉「善処します」

 ハルヒ「あんたたちさっきからなにやってんのよ。もしかして男同士がよかったの……?」

 キョン「断じて違う!!」

 古泉「おや、残念です」

 キョン「残念がるな!!気色悪い!!」


30: 2010/03/28(日) 09:35:59.18 ID:XoWuAda10

 ハルヒ「ということで今日は一時団活は終了! でも、この後みんなで街に繰り出すわよ!」

 キョン「なんでだ? ちなみに今日はみんなにおごれるほど持ち合わせはないぞ」

 ハルヒ「大丈夫、あんたがおごるのは有希と私の分だけだから」

 ちゃっかり自分も入れてやがる。なんてやつだ。

 キョン「しかし、いったい何しに行くんだ? こんな時間からじゃやることも限られてくるだろうに」

 ハルヒ「ダブルデート(+α)よ!」

 キョン「ばかも休み休み言え!!」

 ハルヒ「本気よ!!」

 キョン「あてもなく街に繰り出すなんて不良行為は俺はしんぞ!!」

 ハルヒ「あぁ~あ可哀想な有希。せっかくのデートのチャンスを棒に振られちゃって……」

 キョン「やめろ、語弊が生まれる」

 ハルヒ「ねぇ有希?残念よね?」

 そういうとハルヒは長門に近づく。
 そして読んでいた本を確認、奪い取った後質問を続けた。

32: 2010/03/28(日) 09:42:26.46 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「いつも無口な有希のことだもん。 
       誰かと付き合いたいと思っていても言えないわよね」

 長門「…………」

 ハルヒ「せっかくのチャンスなんだもん。有希もデート……したいわよね?」

 長門「……したくないと言ったらうそになる」

 ハルヒ「ほぉ~ら御覧なさい!有希もこう言ってるわよ!」

 キョン「しかしだな……」

 ハルヒ「まだなにかあるの? 有希が可哀想じゃない!! ねぇ?」

 長門「……悲しい。私はあなたとデートをしたい」

 

33: 2010/03/28(日) 09:46:50.21 ID:XoWuAda10
ハルヒ・キョン「!?」

 キョン「ってなんでお前まで驚いてるんだ」

 ハルヒ「まさか、こんなことを言うなんて思ってもみなかったんだもの」

 キョン「まぁ仕方がない。長門がここまで言うのなら付き合うとするか」

 ハルヒ「キョン、長門じゃなくて『有希』よ!!」

 キョン「まじか……。えっと、その……ゆ、有希が望むなら俺はいくらでも付き合うぞ」

 長門「うれしい」

 無感情でそういうと俺のほうをすっと見つめてきた。
 吸い込まれてしまいそうな瞳が俺を見つめている。
 しかし、よく見ると、というより長門は可愛いな。
 これでポニーテールなら言うことなしなんだが……。
 まぁいい。そんなこんなで俺たちは街に繰り出すこととなった。

35: 2010/03/28(日) 09:53:29.34 ID:XoWuAda10
 そして街へと向かう際中。
 またしてもうちの団長の雷が落ちる。

 ハルヒ「こらぁ!!そこのカップル二組!! 
         カップルならカップルらしく手をつなぎなさい!!」

 その叫び声のせいで通行人が一斉に俺たちのほうを見る。
 ほんと勘弁してほしいぜ。

 古泉「おっと、これはすみません。朝比奈さ、いやみくる。
    手をつないでもよろしいでしょうか?」

 朝比奈「もちろんですよ、こ、いつきくん」

 二人ともぎこちない。見ててもあからさまに変だ。
 が、すごく古泉の野郎がうらやましい。
 俺も長門と手をつなげるという好ポジションにはいるのだが
 やはり朝比奈さんとのカップル役はうらやましい。
 それを見て、怒鳴られる前に俺の隣り歩いている長門に声をかける。

36: 2010/03/28(日) 09:58:02.80 ID:XoWuAda10
 キョン「なぁ有希……俺たちも手をつながないか?」

 長門「いい」

 キョン「それは肯定の意味だよな」

 長門「…………」コクン

 俺は長門の了解を得た後、長門の手を握る。
 しかし、その握った手はとても冷たかった。
 
 キョン「長、有希。手冷たいけど大丈夫か?」

 長門「問題ない。体温調節は正確に行われている」

 キョン「そうかい」

 そして二組とも手をつないだところでまたしてもハルヒが叫ぶ。

 ハルヒ「いいわねいいわね!!そのままキスまでイっちゃいましょうか!!」

 キョン「そんなことできるかーーー!!!」

38: 2010/03/28(日) 10:06:55.68 ID:XoWuAda10
 そして二組の男女両方ともが恥じらいながらも街へとなんとかつく。
 俺たちはまずゲーセンへと向かった。

 ハルヒ「ここで皆さんにはプリクラを取ってもらいます!!」

 キョン「まさかそのためだけにここにきたのか?」

 ハルヒ「そうよ?ほかにやりたいことでもあれば勝手にどうぞ。もちろん二人でですけどね」

 古泉「今の組で取ればいい、ということでしょうか?」

 ハルヒ「そうね、それと全員で取るわ」

 キョン「んでもってもちろん支払いは男か」

 ハルヒ「もちろんでしょ!!男がデートの時に払うのは当たり前なのよ!!」

 キョン「その理論は間違っているぞ、ハルヒさん!!」

41: 2010/03/28(日) 10:10:25.58 ID:XoWuAda10
 古泉「それではまず僕たちから行きますよ」

 朝比奈「わかりました~いつきくんいきましょうか」

 古泉「そうですね」

 なんかすっかり溶け込んでしまっているな……。
 なぜだかすごく悔しい。俺もいつか朝比奈さんのことをみくると呼び
 朝比奈さんから下の名前で呼んでもらうんだ!!
 
 ハルヒも同じことを思ったらしく、俺に話しかけてきた。

44: 2010/03/28(日) 10:18:33.84 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「なんかすっかり打ち解けちゃってるわよね、あの二人」

 キョン「お前もそう思うか?」

 ハルヒ「思うわ、第一あの二人いつもはそんなに話さないじゃない?」

 キョン「まぁ比較的そうかもしれないな」

 ハルヒ「それなのにこんなにあっさりといくと、なんかつまらないわね」

 キョン「喜ばしいことじゃないか。俺はそうは思わんが」

 

45: 2010/03/28(日) 10:21:36.47 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「それに古泉君はもててるけど誰とも付き合ってないじゃない?」
 
 キョン「宝の持ち腐れだな」
 
 ハルヒ「んで、今回の案を提案したってわけ」

 キョン「? 話が見えないんだが?」

 ハルヒ「だから!今回は私が仕組んだことなのよ!」

46: 2010/03/28(日) 10:25:35.25 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「あらかじめあの二人が引いた棒の番号はわかってました
      そして私はその番号を言います。これであの二人はカップルです」

 キョン「……意味がわからない」

 ハルヒ「だからこれを機に古泉君が誰かと
       付き合ってくれるようになればいいなと思ってやってるのよ」

 キョン「なんで朝比奈さんなんだ?お前自身がやればいいじゃないか」

 ハルヒ「何言ってるのよ!みくるちゃんを選んだのにもわけがあるのよ!」

48: 2010/03/28(日) 10:31:35.67 ID:XoWuAda10
 キョン「わけって何だ?」

 ハルヒ「みくるちゃんもかわいいじゃない?
      飢えた男どもが狙ってると思うのよ」
 
 キョン「それはそうだな。絶世の美少女といっても過言ではない」

 ハルヒ「だけどどこの馬の骨かもわからないようなやつとは付き合ってほしくないのよ」

 キョン「同感だ」

 長門「…………」

 ハルヒ「そこでSOS団の頼りになる副団長の出番ってわけ」

 キョン「まさかとは思うが古泉がうちの副団長だからなんて言わないよな?」

 ハルヒ「半分正解ね。古泉君が相手なら私も安心して任せることができるわ」

 キョン「お前は朝比奈さんの父親か!!」

51: 2010/03/28(日) 10:42:09.61 ID:XoWuAda10
 キョン「ついでに聞くが、この件には全く俺たちは関係ないよな?」

 ハルヒ「う~ん……。そう言ったらそうなんだけどね」

 キョン「んじゃやめてもいいか?」

 ハルヒ「それはだめよ!!ばれちゃうじゃない!!」

 キョン「……。どうする、長門?」

 長門「…………」

 キョン「…………」

 長門「別にいい。このままで」

 キョン「そうか、んじゃよろしくな」

 長門「……いい」

55: 2010/03/28(日) 10:54:29.59 ID:XoWuAda10

 それから数分後。
 古泉と朝比奈さんがうれしそうな笑顔とともに戻ってきた。

 ハルヒ「どうだった?」

 古泉「えぇ、非常に有意義でした。あまりこういう機会がないものでね」

 朝比奈「そうですね、とても楽しかったですぅ~。 また撮りましょうね!」

 古泉「えぇもちろんです」

 ハルヒ「楽しんでもらえてよかったよかった
      次はキョンたち入ってきなさい!!」

 キョン「あぁ、わかったよ。行こうか有希」

 長門「…………」コクン

 俺たちはプリクラ機の中に入って行った。
 ネタばらしされたが正直楽しみだ。
 あんまりこういう機会がないからというのと
 長門というこれまた美少女と三日間付き合えるのだ。
 男子高校生にとってこれほどうれしいことはないだろう。

56: 2010/03/28(日) 11:01:26.40 ID:XoWuAda10
 キョン「こういうの初めてだろ?」
 
 長門「…………」コクン

 キョン「俺も初めてなんだ。お互い初めてだな」

 長門「そう」

 キョン「こうやるのか……?」

 試行錯誤を重ねるがなかなかできない。
 仕方がなく長門にやってもらう。というよりプリクラの操作までできるのか。
 俺たち、というより俺はとても楽しかった。
 はしゃぎながらというわけではないが長門が楽しそうにやっていることもその一つの要因だ。

 ……………。

 ハルヒ「あの二人、うまくいってるかしら」

 古泉「心配ですか?」

 ハルヒ「キョンはいいんだけど、有希がね…………」

58: 2010/03/28(日) 11:06:54.13 ID:XoWuAda10
 朝比奈「どういうことですか?」

 ハルヒ「キョンはどうでもいいけど、有希はこういうの慣れてないじゃない?」

 朝比奈「確かに誰かと付き合ってる風には見えませんよね」

 ハルヒ「そうなのよ、キョンに変なことされないか心配で……」

 古泉「彼なら大丈夫ですよ。涼宮さんに首ったけですから」

 ハルヒ「首ったけって……、今回の件で有希が恋愛に慣れてくれればいいんだけど」

 朝比奈「そうですね、興味でも持ってくれるとうれしいですね」

62: 2010/03/28(日) 11:58:48.23 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「まぁそうね。でもやっぱり頼れる人じゃないと嫌よね
       例えば古泉君とかさ」

 古泉「おほめいただき光栄です」

 ハルヒ「ほんとのことよ」

 朝比奈「あっ!二人が戻ってきたみたいですよ!!」

 ……………。

 朝比奈さんが俺に向かって手を振ってくれている。
 これは何とうれしいことだ。
 俺も手を振り返したかったが片手にはプリクラ、片手には長門の手と
 両手がふさがっている。
 俺はにっこりとした笑顔を朝比奈さんに向けて三人がいる方向へと歩んでいく。

 長門「楽しかった」

 キョン「へ?」

 長門「あなたとこういう機会が持ててうれしかった」

 キョン「俺だってそうさ、長門。楽しかったよ」
 
 長門「そう。……ありがとう」

63: 2010/03/28(日) 12:14:18.51 ID:XoWuAda10
 俺たちがみんなと合流するとハルヒがみんなに言う。

 ハルヒ「じゃあ次はみんなで撮りましょう!!
      あれれ?二組ともいつの間にか自然に手をつないでますねぇ~!」

 キョン「あっ!!」

 ハルヒ「いいのよいいのよ別に!んじゃあ行くわよ!!」

 俺たちを置いて先にずんずん行くハルヒ。

 古泉「今回の涼み屋さんの目的は一体何なんでしょうか?」

 俺はさっき聞いた話は伏せておく。
 さすがにそこまで野暮ではない。

 キョン「さぁな、ただの気まぐれだろうに」

64: 2010/03/28(日) 12:20:22.55 ID:XoWuAda10
 古泉「そうだといいのですが……」

 キョン「何か聞いたのか?」

 古泉「えぇ、大したことではないのですが」

 キョン「へぇ、言ってみろよ。聞いてやるぜ……」

 ………………。

 古泉「というわけなのですよ」

 キョン「おそらくそれは口述だろう」

 古泉「どうしてそう思われますか?」

 キョン「あいつはこの団員が一人でもかけることを嫌っていると思うんだ
        だから、誰かがつきあうなんて考えてないと思うぜ?」

 古泉「なら、あなたと長門さんや、涼宮さんは大丈夫なのでしょうか」

 キョン「くだらないこと言ってるんじゃない!」

65: 2010/03/28(日) 12:24:44.45 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「何やってるのよ!早く来なさい!」

 キョン「へいへい」

 古泉「今行きますよ」

 先に言っていた女性陣のほうへ走りだす。
 そしてさっき長門がやってくれた操作を全員(俺を除く)で行った。
 そして何パターンかのプリクラをとり、それに絵を描きとさっきもやった行為を
 またやりだした。
 何が楽しいんだか、と思いながらもペンを動かしている自分がいた。

 そしてはしゃぐ女性陣をみて少しは楽しい気分になった。
 気のせいか長門が笑っているように見えた。いや笑っていてもおかしくはない。

 そして俺たちは撮り終えたプリクラを各々受け取りゲーセンを後にする。

68: 2010/03/28(日) 12:53:03.76 ID:XoWuAda10
 キョン「この後どうするんだ?」

 そう、俺たちはゲーセンを出てからずっと歩いている。
 とは言っても十分程度なので疲れとかはそこまでではない。
 しかしずっと手を握り合っているのでなんか……。なぁ?

 ハルヒ「それもそうね……。それじゃあいつもの喫茶店にでも行きましょうか」

 時刻は現在五時半。またまた微妙な時間だぜ。

 そして喫茶店に向かって歩き出して俺たち。
 ハルヒに手をつなぐのをいったん止めるという提案をし何とか可決。
 そして今俺は古泉と今後の相談をしている。

71: 2010/03/28(日) 13:21:44.34 ID:XoWuAda10

 古泉「このあとどうなりますかね?」

 キョン「さぁな、それよりも古泉」

 古泉「なんでしょう?」

 キョン「お前、朝比奈さんとはどうなんだ?」

 古泉「といいますと?」

 キョン「なんかやけに仲良さげだったじゃないか」

 古泉「それはもちろんですよ。
    あんな魅力的な人と付き合えるなんてうれしくないはずがありません」

 キョン「確かにそうだがな。この三日間が終わったらどうするんだ?」

 古泉「え?」

72: 2010/03/28(日) 13:24:51.40 ID:XoWuAda10

 キョン「だからこれが終わった後はもうそういう関係じゃなくなるのか?」

 古泉「嫉妬ですか?」

 キョン「違うわ!!」

 さっきのハルヒの話があったからだなんて言えない。
 でも、ここははっきりしておかなければならないと思う。
 というより個人的に朝比奈さんをこいつに、いやほかの野郎の彼女にしたくないのだが。
 俺にも素敵な彼女はいるのだが……。

 古泉「わかりませんね」

 キョン「なんでだ?」

73: 2010/03/28(日) 13:27:59.29 ID:XoWuAda10
 古泉「確かに彼女は魅力的です。
    しかし三日後に僕は彼女のことをもっと深く知っているでしょう」

 キョン「それで?」

 古泉「深く知るということはいい面も悪い面も知ることになります」

 キョン「朝比奈さんに限ってそんなことはないだろう」

 古泉「えぇ、僕もそう思います」

 キョン「ならなんで?」

 古泉「正直今の僕は誰かと付き合うなんてことは考えていません」

 キョン「あぁ、それは知っているよ」

 

74: 2010/03/28(日) 13:31:01.65 ID:XoWuAda10
 古泉「ですので今の時点でははっきり言うと付き合う気はありません」

 キョン「…………」

 古泉「ですがもしかしたら三日後に僕は変わっているかもしれない」

 キョン「いい方向にか?」

 古泉「えぇ。
    朝比奈さんが僕に付き合うのもいいなと思わせてくれるかもしれません」

 キョン「いい御身分だな」

 古泉「恐縮です。しかし実際あなただってそうでしょう?」

 

75: 2010/03/28(日) 13:34:45.12 ID:XoWuAda10
 キョン「どういうことだ?」

 古泉「あなたは涼宮さんという魅力的な女性に好かれている」

 キョン「魅力的でも好かれてもない!!」

 古泉「あなたはそういって目をそむけています」

 キョン「そんなんじゃ……」

 古泉「それはあなたが誰かと付き合うのがそこまで
        いいことだと思えないからではないですか?」

 キョン「…………」

 古泉「涼宮さんほど完璧な人はいないと思いますよ。
    しかしあなたは付き合っていない。なぜでしょう?」

 キョン「わかったよ!そんな遠回り且つくどく言わなくてもいいよ!!」

 古泉「まぁ、そういうことですよ
    お互いにいい結果があるといいですね」

 キョン「そういうことにしておいてやるか」

76: 2010/03/28(日) 13:37:34.55 ID:XoWuAda10
 結果も何もその先のことをハルヒが望んでいるなんて言えない。
 でももしかしたら今回のことで長門を変えることができるかもしれないな。
 それがたとえ少しでもいい。長門がいい風に変われば。
 しかしいい方向とは何だろうか?

 饒舌になることか?
 愛想がよくなることか?

 いや違う。それは長門が決めることだ。
 そして俺はまだ長門が望むことをわかっていない。
 兎に角、俺は長門に何かをしてやりたい。

77: 2010/03/28(日) 13:42:46.66 ID:XoWuAda10
 これも俺のエゴかもしれないな。
 兎に角気長に…じゃなくて、まずは長門の気持ちを知ることにしよう。

 そんなことをかんがえながら古泉と歩いていると
 目的地である喫茶店へと到着する。

 そして思い切りよく扉をあけるハルヒに続き俺たちは案内された席に着く。

 俺は一番手頃なホットコーヒーを注文する。
 長門はそんな俺を見てか同じくホットコーヒーを注文する。

 キョン「長門、好きなもの注文していいんだぞ?」

 長門「いい」

 キョン「ほら、軽食とか甘い物とかいっぱいあるぞ」

 長門「あなたと同じがいい」

 キョン「な、長門……」

 長門「それに今は私のことを有希と呼ぶべき」

 キョン「あぁすまないな。有希」

 長門「いい」

 なぜか長門にやられた気がする。
 まさかこんなことを言ってくるなんて思ってもみなかったからな。

78: 2010/03/28(日) 13:47:45.60 ID:XoWuAda10
 そしてお金持ちな古泉君はエスプレッソとパンケーキ。
 朝比奈さんもココアにパンケーキと似たり寄ったりな注文だ。

 ハルヒ「ちなみに私のお題はキョンに払ってもらいますから」

 キョン「な、なんですとぉー!!」

 そしてハルヒは山のように注文をする」

 ハルヒ「……と……とついでに……もつけて頂戴!!」

 朝比奈「あっ、あのぉ~涼宮さん……頼みすぎじゃあ……」

 朝比奈さんの警告も無視して頼み続ける。
 こんなにも俺はお金を持っているのだろうか?

 なんということだ。運の悪いことに今日はなぜか財布の中に壱萬円札が入っていた。
 これでは払えてしまうではないか……。
 払えなかったら古泉の野郎にパスしようと思っていたのに……。

80: 2010/03/28(日) 13:53:33.09 ID:XoWuAda10
 そして全員が頼んだ品が来る。
 それなのに俺が頼んだホットコーヒーはまさかの一番最後だった。
 俺がコーヒーに手をつける頃にはハルヒは北品の半分くらいを平らげていた。
 そして古泉&朝比奈さんペアは仲良くパンケーキを食べている。
 長門は黙々とコーヒーをすすっていた。

 ここで俺は気づく。
 何か二人でつまめるものを頼んでおくべきだったと……。
 それを足がかりに一気に距離接近みたいなことが可能だったかもしれないのに……。

 ちょうど残り人品になったところでハルヒが息をつく。

 ハルヒ「はぁ~あもうおなかいっぱい。このフライドポテト誰か食べない?」

 古泉「僕たちはもうおなかいっぱいですね」

 朝比奈「そうですね」

 ハルヒ「じゃあキョン。あんたにあげるわよ」

81: 2010/03/28(日) 13:57:35.87 ID:XoWuAda10
 キョン「まじか?なんかきまえいいな」

 ハルヒ「何言ってんのよ! 支払いはもちろんあんたなんだから」

 キョン「わかった、ありがたく頂くよ」

 ハルヒ「ちょっと待ったぁーー!!」
 
 キョン「なんだぁ!?」

 ハルヒ「誰がタダで上げるなんていったのよ!!」

 キョン「ただも何も俺は金を払うからいいじゃねぇか!!」

 ハルヒ「だめよ!!私の注文を一個聞いてもらうわ!!」

 キョン「注文ならウェイトレスにすればいいじゃないか」

 ハルヒ「茶化すなら上げないわよ?」

 キョン「すみませんでした」

82: 2010/03/28(日) 14:02:22.22 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「有希、キョンにアーンをしなさい!」

 古朝キ「!?」

 長門「…………」

 ハルヒ「そしてキョン、あんたも有希にアーンをするのよ!!」

 キョン「そんなことできるわけが……―」

 長門「了解した」

 キョン「ゆ、有希!!」

 長門「いい。寧ろ興味がある」

 キョン「いや、興味云々ではないのだが……」

 ハルヒ「ほら、つべこべ言わずにやる!!」

84: 2010/03/28(日) 14:10:46.66 ID:XoWuAda10
 長門「アーン」
 
 キョン「あ、あ~ん……」

 俺の口の中に冷めかけたポテトが入れられた。
 ハルヒが鬼のように塩をかけていたので塩辛いはずなんだが
 味が全く分からなくなっている。
 なんか恥ずかしすぎてテレすぎて味覚がくるってしまっているようだ。
 
 そしてそんな俺たちを見ている三人。

 ハルヒは「うんうん」とうなずき、

 古泉は嫌味なスマイルを浮かべ、

 朝比奈さんは顔を手で覆っている。見てるこっちが恥ずかしいわと言いたげな感じで。

 ハルヒ「ほらキョン!早く有希にもしてあげなさい!!」

 キョン「ゆ、有希。あ~ん…………」

 長門「…………」パク

 キョン「…………」

 長門「……………おいしい」

 

86: 2010/03/28(日) 14:16:42.05 ID:XoWuAda10
 キョン「よ、よかった」

 なぜ俺が味の感想を聞いて安心したかなんてわからない。
 しかしなぜだか本当に恋人同士な気がしてきた。
 男って単純だな……。

 そして本日のもっとも大きなイベントが終わりそれぞれ帰宅することになった。
 言わずもがなであるが、俺の財布から諭吉さんがいなくなったことは過去のことだ。

 帰宅途中も長門と手をつないで帰った。
 何が起こるかというよりいつハルヒが見てるか分からないからな。

 そして家に着くと俺はハルヒにもらったリストを見る。

 キョン「とりあえず手をつなぐのノルマは達成だな」

 しかし今日はまだ一日目。あと二日もあるのだ。
 そして表には『メールを40通以上すること』とあった。

 長門にメールなんて……。

 全部『そう』で返ってきそうなんだが。

88: 2010/03/28(日) 14:24:11.62 ID:XoWuAda10
 メール……してみるか。

 キョン「よう長門、今暇か?」

 ……trrrr

 長門「暇」

 やっぱり単語か。まぁいい。
 わかりやすいしな。

 キョン「今日は楽しかったな、ありがとう」

 ……trrrr

 長門「私も楽しかった」

 キョン「今度は個人的にどこかへ行こうか?」

 長門「了解」

 男子のメールか!!

 キョン「どこにしようか?」

 長門「図書館を希望する」

 

89: 2010/03/28(日) 14:28:05.71 ID:XoWuAda10


 キョン「やっぱりな、いいぜ。図書館で」

 長門「ありがとう」

 キョン「礼を言われることじゃないさ、なぁ長門」

 長門「なに?」

 キョン「図書館に行ったときおすすめを選んでくれないか?」

 長門「いい」

 キョン「そうか、ありがとな」

 

90: 2010/03/28(日) 14:29:09.08 ID:XoWuAda10
 長門「いい」

 キョン「それよりも長門、いましてほしいことあるか?」

 長門「?」

 キョン「あれがしたい!とかこれがほしい!とかさ」

 長門「あなたをもっと知りたい」

 キョン「へ?」

 長門「あなたをもっと知って深い仲になりたい。いい?」

 キョン「あぁもちろんだ」

93: 2010/03/28(日) 14:34:16.85 ID:XoWuAda10

 長門「明日、早く部室に来て」

 キョン「え?」

 長門「電波よりも直接話したい」

 キョン「そうか、わかった。終わったら速攻いくさ!!」

 長門「ありがとう」

 その後俺が今まで気になっていた疑問を少しぶつけて、時間は過ぎる。
 その後は飯、風呂、ネルの黄金ルートを通過した。


 これから長い間用事なので、できたら保守よろしくです。
 要望等があればお願いします。工口はないぞ!
 遅くても十時には帰ってきます。ここまでの感想もあるとうれしいです。
 いままでの作品の感想でもおkですww
 んじゃよければ保守よろしく!

124: 2010/03/28(日) 18:33:13.26 ID:XoWuAda10


 そして次の日。付き合うゲーム開始から二日目。

 俺はいつもよりも早めに家を出る。
 それにはもちろんわけがある。
 ノルマ表の中に『カップルで登校する』とあったからだ。
 しかしこのことは長門には告げていない。
 同じ紙は配られたのだが、こんなにもはやくいけば驚くだろう。
 サプライズが通用するかは分からないが一応……な?
 そして家を出る俺。

 ガチャ

 長門「…………」

 キョン「のわぁ!?」

 長門「登校」

 キョン「あ、あぁ、わかってたが、早くないか?」

 長門「そう?」

125: 2010/03/28(日) 18:37:32.47 ID:XoWuAda10
 キョン「だってまだ……」

 長門「…………」

 キョン「まぁいいか。ゆっくりいこうか」

 長門「…………」コクン

 俺は逆にサプライズを受けちまった。
 でもうれしいのは確かだ。なんか本当に付き合うっていうのも悪くはないかもな。
 でも、今は長門であるから成り立っているのかもしれない。
 これがハルヒだったら……、

 ハルヒ「おっそーい!!罰金!!」

 とか勝手に家の前で待ってるくせに言ってきそうだ。

 とりあえずまだまだ時間はある。なにせ壱時間以上も早く出たのだから。
 長門の家でゆっくりさせてもらい予定だったのに、いったいどうしようか?
 

126: 2010/03/28(日) 18:42:12.90 ID:XoWuAda10
 キョン「なぁ長門」

 長門「なに?」
 
 キョン「そこの公園でゆっくりしていかないか?」

 本当にそれくらい時間はある。
 逆に余りある時間の消費に困るくらいだ。

 長門「いい」

 そういうと俺たちは少数の老人たちか散歩で抜けていく公園へと入る。
 そこには時間のせいもあるが全くと言っていいほど人がおらず、
 たまに入ってくる散歩中の老人もあっという間に出て行ってしまう。
 ほとんど二人の空間。ときどき老人。

 

127: 2010/03/28(日) 18:43:41.75 ID:XoWuAda10
キョン「昨日、話したいいってってだろ?」

 長門「言った」

 キョン「何か話すべきことでもあるか?」
 
 長門「現時点であなたに伝えておくことはない。ただ……」

 キョン「長門にしては歯切れが悪いな。ただなんだ?」

 長門「あなたのそばにいたい」

 キョン「!?」

 長門「以前から私はあなたに好意を寄せていた」

 キョン「それは言わされているのか?」

 長門「違う。これは私が望んだこと」

 キョン「そこにたまたまハルヒの悪だくみが重なったと?」

 長門「そう」

129: 2010/03/28(日) 18:45:43.53 ID:XoWuAda10
 キョン「確かに俺も長門は好きだが……」

 長門「だがなに?」

 キョン「今はまだそういう対象として見きれていない」

 長門「そう」

 キョン「最終日まで待ってくれないか?」

 長門「なにを?」

 キョン「俺たちが今後も付き合っていくかどうかの結論を、だよ」

 長門「いい。そんなに急がない」

 キョン「そうかい」

130: 2010/03/28(日) 18:49:25.40 ID:XoWuAda10
 そんな結構重めの話をしている最中、見慣れた顔の野郎が目の前に機やがった。
 しかしその隣には麗しすぎる女性の姿もあったので何とか中和されていた。

 古泉「やぁお二人とも、朝早くから仲睦ましいですね」

 朝比奈「キョンくん、長門さんおはようございます」

 キョン「おはようございます朝比奈さん。いったいどうしたんですか?こんな早くに」

 古泉「僕たちもあなた方と同じ理由だと思いますよ」

 キョン「ノルマ表のあれか?」

 古泉「御名答です」

131: 2010/03/28(日) 19:03:24.18 ID:XoWuAda10
 キョン「だからと言ってこんなに早くなくてもいいだろう」

 古泉「仰るとおりです。しかし僕は朝比奈、おっと失礼。 
     みくると少しでも長く一緒にいたいのですよ」

 朝比奈「いつきくん……///」

 …………。あれ?完璧にカップルじゃないか。
 これは演技……いや朝比奈さんは本当に頬を赤らめている。
 しかも個人的な感情抜きの客観的視点から見てみると
   この二人は完ぺきに美男美女のカップルじゃないか。
 ついにみんなのアイドル朝比奈さんが普通の女の子に戻ってしまう時が来たんだな……。
 そんな俺に長門が声をかけてくれた。

 長門「大丈夫、あなたには私がいる」

 長門からそんな言葉を聞けるなんて思ってもみなかったのでびっくりする。
 でもその言葉に圧倒的な安心感を抱いていた。
 しかし一個注文をつけるなら勝手に人の心の中を読まないでほしいな。

 長門「すまない」

 キョン「それだよそれ!!」

133: 2010/03/28(日) 19:09:33.06 ID:XoWuAda10
 古泉「僕たちもご一緒してよろしいでしょうか?」

 キョン「どうせ断ってもいるんだろう」

 古泉「すみませんね。水を差すようなまねはしたくないのですが
     今後のこともありますのでね」

 朝比奈「そうですね、このままで涼宮さんが満足してくれればいいんですけど」

 古泉「そうですね。今回ばかりは何が目的かわかりません」

 キョン「古泉。お前ん所で作ったドラマって結局どんなドラマなんだ?」

 古泉「そうですねおおまかに説明しますと……」

 入学当日にいきなりクラスの注目を浴びる一人の女子高生。
 そしてその周辺には普通の人間ではない人たちが集まる。
 その中で唯一普通の男子高校生である主人公と
 変わり者の女の子との恋愛ストーリー。

 古泉「という感じです」

 キョン「なんかすごく聞いたことあるような……」

 古泉「気のせいでしょう(鈍すぎだろ……。」

135: 2010/03/28(日) 19:11:20.58 ID:XoWuAda10
 キョン「しかしハルヒの目的はそれではわからないな」

 古泉「そうですね。先日あなたが言ったように本当に気まぐれなのかもしれません」

 キョン「そうだな、あいつの行動を深く考えるほうが無意味だぜ」

 古泉「まぁ今は僕たちにできることをしていきましょう」

 キョン「そうだな。もういい時間だ、学校へ向かうか」

 古泉「ですね」

 こうして俺たち四人は学校へと向かった。

136: 2010/03/28(日) 19:14:42.09 ID:XoWuAda10

 学校に着いた俺たちを待っていたのはもちろん授業。

 授業なんて聞いても面白みも全くないので割愛させていただく。

 そして一日の課程を終えた俺は急いで部室へと向かう。
 
 キョン「よう長門」

 長門「待ってた」

 キョン「すまなかったな」

 長門「いい」

 俺は長門の隣りにいすを置きその椅子に座る。
 かすかに香るいい香り。長門のほうを見ていると目があった。

 長門「…………」

 キョン「…………」

 キョン「なぁ長門……」


 それじゃあまた抜けます。なんどもすまぬ。
 できたら保守&感想要望よろです!

148: 2010/03/28(日) 21:40:34.23 ID:XoWuAda10

 長門「なに?」

 キョン「何読んでるんだ?」

 長門「これ」

 キョン「え?{ポニテ幼馴染の魅力とは!!}?」

 長門「…………」

 キョン「お、おもしろいか?」

 長門「興味深い」

 キョン「そ、そうか……。はっきり言おう。すごくいいと思うぞ」

 長門「そう」

149: 2010/03/28(日) 21:43:32.15 ID:XoWuAda10
 キョン「でもどうしてそんなのを読もうと思ったんだ?」

 長門「たまたま図書館にあった」

 キョン「と、図書館にあったのか!?」

 長門「そう」

 キョン「最近の図書館はなんて有能、じゃなくておかしいだろ!!」

 長門「…………」

 キョン「今度行く時はこういう本じゃなくて俺でも読めそうなの頼むぞ」

 長門「わかった」

 俺たちはくだらない会話を続けた。
 でもなかなか新鮮だった。
 いつも長門とは必要事項を端的にしか話していなかったからな。
 こういった機会が持てることは俺にとっても意義のあることだろう。

150: 2010/03/28(日) 21:48:07.64 ID:XoWuAda10
 ガチャ
 ハルヒ「はやいじゃない。まさかアーンなことやこーんなことを……」

 キョン「してねぇよ!!」

 ハルヒ「でしょうね。意気地無しだもんキョン」

 キョン「いやそういう問題じゃないだろ!!」

 ハルヒ「女性はいつでも男性からのアタックを待っているのよ、ね、有希?」

 長門「待っている」

 キョン「なっ!!」

 ハルヒ「ほら!今の聞いた!?私もちょっと驚いたんだけど」

 キョン「お前が言い出したんだろうが!」

153: 2010/03/28(日) 21:51:47.08 ID:XoWuAda10
 キョン「長門、本当にそんなこと思っていたのか?」

 ハルヒ「キョン!何回言えばわかるのよ!! 長門じゃなくて有希よ!!」

 キョン「あzつ!そうだったな……。」

 気づかないうちに長門と呼んでいた。
 まだ慣れていないというのが大きい。
 しかしその時長門が若干悲しそうな顔をしたように感じた。

 長門「有希と呼ぶべき」

 キョン「あぁすまないな、有希」

 長門「いい」

 

155: 2010/03/28(日) 21:55:02.78 ID:XoWuAda10

 キョン「有希、本当に思っているのか?」

 長門「…………」

 キョン「答えてくれよ!!」

 長門「…………」

 ハルヒ「あんたばかぁ?女性にそんなこと聞くなんて頭おかしいでしょ!」

 キョン「そ、そうなのか?」

 ハルヒ「あんたほんとに駄目ね。そんなこと聞かれてうんなんて言ったら
     言ってほしいって自分から言ってるようなものじゃない」

 キョン「でもさっき自分で言ってたろ」

 ハルヒ「あれは女同士の会話からの派生だからいいの!!」

156: 2010/03/28(日) 21:58:15.33 ID:XoWuAda10
 キョン「……ご都合主義だが俺が聞くのは間違いだったな」

 ハルヒ「やっと気がついたの?」

 キョン「すまなかったな、有希。そういうところ鈍感だから許してくれ」

 長門「そんなあなたも……すき」

 ハルヒ「えっ!?」

 キョン「何でお前が驚いてるんだよ!」

 ハルヒ「いまゆきがきょんのことをすきって、すきって」

 キョン「いきなりしゃべり方が幼稚になったな」

 ハルヒ「これは大きな一歩よ!!あんたがどんな手を使ったかは知らないけど
     たまには役に立つじゃない!!」

 キョン「何もしていない」

157: 2010/03/28(日) 22:01:25.10 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「兎に角!この調子で今日と明日頑張りなさい!!」

 キョン「どういう結末になるのか全く予想できないぜ」←本心

 長門「……ユニーク」

 ガチャ

 古泉「おや?皆さんお揃いですか」

 朝比奈「遅れてすみませぇ~ん。今すぐにお茶入れますね」

 その朝比奈さんの提案とともに俺と古泉は廊下へ飛び出す。

159: 2010/03/28(日) 22:06:20.31 ID:XoWuAda10
 古泉「どうですか? 長門さんとの距離は縮まりしましたか?」

 キョン「あぁ。前よりは飛躍的に縮まったよ」

 古泉「それはよかった」

 キョン「お前たちはどうなんだ?」

 古泉「僕たちは見てのとおりですよ」

 キョン「明言を避けたつもりか?」

 古泉「……いろいろな解釈ができますね」

160: 2010/03/28(日) 22:14:16.78 ID:XoWuAda10
 古泉「というより今回の件は
       本来はあってはならないことなのですよ」

 キョン「どういうことだ?」

 古泉「涼宮さんはあなたのことを好いている」

 キョン「どうせここを否定したら進まないんだろ?」

 古泉「ありがとうございます。そして今回あなたと長門さんが付き合うこととなった」

 キョン「なにがおかしいんだ?」

 古泉「今回の件は偶然だった……のでしょうか?」

 キョン「どういうことだ?」

 古泉「あなたにも説明したとおり僕たちには
     長門さんのためというのが大きいという説明を受けました」

 キョン『俺たちには違う説明だったがな』

 古泉「しかしそれだけではないような気がするのです」

 キョン「ほう、例えばどういうことだ?」

161: 2010/03/28(日) 22:17:00.46 ID:XoWuAda10
 古泉「恋愛に興味がないのはこの団の全員が当てはまることだと思います」

 キョン「そうかもな」

 古泉「しかしわざわざその中で長門さんだけをチョイスした。その理由は?」

 キョン「俺に聞くな!たぶんだが、長門はいつも無口じゃないか」

 古泉「確かに。長門さんのコミュニケート能力を心配して
     今回の件が起こった。十分にありあます」

 キョン「そうだろう」

 

162: 2010/03/28(日) 22:20:04.34 ID:XoWuAda10
 古泉「しかしですがこの団の方々は各々問題というほどではないですが
       特性を抱えています」

 キョン「どういうことだ?」

 古泉「まずはあなたです。言わずもがなかも知れませんが
    あなたは鈍感です。人並み外れたね」

 キョン「自分でもそう思うよ」

 古泉「それを治すことは涼宮さんにとっても大きなことだと思うのです」

 古泉「しかしそれを理由にしなかった」

163: 2010/03/28(日) 22:22:14.38 ID:XoWuAda10
 古泉「そして次に朝比奈さんです」

 キョン「ここではみくると呼ばないんだな」

 古泉「呼ぶたびにあなたに嫌そうな顔をされてはたまりませんしね」

 キョン「気が付いていたのか」

 古泉「彼女は……なんというか小動物の様ですよね。
    そしてそんな彼女が恋愛に興味があるとは思っていないでしょう」

 キョン「そうかもしれないな」

 古泉「しかしそれも理由にしなかった」

164: 2010/03/28(日) 22:26:07.07 ID:XoWuAda10
 古泉「そして最後に僕です」

 キョン「自慢話にはならないよな?」

 古泉「大丈夫です。
    僕は今まで特定の女性とお付き合いすることはありませんでした」

 キョン「それ最後まで聞かなくちゃいけないか?」

 古泉「一応お願いします。
    そしてそれは何度もチャンスがあったのに全部断ってきたのです」

 キョン「…………」ガシッ

 古泉「胸ぐらをつかまないでください。もう終わります」

 キョン「わかった」

 古泉「そしてそんな僕を見て涼宮さんはどう思うでしょうか?
     少なくとも恋愛に興味があるなんて思いません」

 キョン「好きな人がいると思うんじゃないか?」

 古泉「いえ、僕は涼宮さんの前では絶対に恋愛の話をしません
    そしてこの前聞かれたんですよ。すきなひとはいないのかってね」

 キョン「なんて答えたんだ?」

167: 2010/03/28(日) 22:29:21.54 ID:XoWuAda10
 古泉「もちろん僕はこう答えましたよ
    好きな人は涼宮さんです、とね」

 キョン「これ、わらうとこ?」

 古泉「いえ、本当に言ったのですよ。そしたら涼宮さんは
    何言ってるのよ!私も古泉君のこと好きよ?と答えてくださいましたよ」

 キョン「アベック成立だな」

 古泉「そのあとしっかりと、もちろん団員全員好きよ!下っ端は除くけど
    という言葉が添えられていました」

 キョン「で、これがどうつながるんだ?」

168: 2010/03/28(日) 22:31:01.32 ID:XoWuAda10
 古泉「……話がそれてしまいましたね」

 キョン「やっぱりか」

 古泉「兎に角僕の恋愛観にもおそらく疑問は持っているでしょうし
    修正しなくてはならないと思っていただいていると思います」

 キョン「結局何が言いたいんだ?」

169: 2010/03/28(日) 22:35:26.23 ID:XoWuAda10
 古泉「長門さん以外にも今回の件が当てはまる人間はいるということなのですよ」

 キョン「長門のためだけにこんなことを行うとは思えないと言いたいんだな」

 古泉「まぁ僕たち本人にその旨を伝えるとは思えないのですけど……」

 キョン「確かにそうだわな」

 古泉「あなたは何か聞いてませんか?」

 キョン「いや、俺たちは何も聞いていないさ」

 古泉「そうですか、何か聞いたら教えていただきたいのですが」

 キョン「聞いたらな」

 古泉「ありがとうございます」

 キョン『なぜだろう、すごく良心がいたむ……』

 朝比奈「お待たせしましたぁ~」

 そんな声に促されて部屋へと舞い戻る。

174: 2010/03/28(日) 23:07:25.53 ID:XoWuAda10
 そして部屋に入った俺たちにいつものようにお茶を出してくれる朝比奈さん。

 だったのだが今日は俺の分だけがない。
 これはついに…………。
 ぜ、絶望したーーー!!

 長門「はい」

 そんな絶望の最中にいる俺を救ってくれたのは長門だった。
 そこにはいい色で出されたお茶があった。
 俺は長門に感謝の辞を述べお茶を飲む。
 あまり味に詳しくない俺でもわかるくらい、うまかった。

 朝比奈「ごめんねキョンくん。長門さんがどうしてもお茶を入れてあげたいって言うからさ」

 キョン「そういうことだったんですか。よかったです、嫌われたのかと思いましたよ」

177: 2010/03/28(日) 23:20:16.07 ID:XoWuAda10

 長門「おいしい?」

 キョン「あぁうますぎるぞ」

 長門「もう一杯?」

 キョン「よろしく頼む」

 ……。

 長門「飲んで」

 キョン「あぁ」

 長門「飲んで」

 キョン「ちょっとま…」

 長門「飲んで」

 キョン「…………」ゲプ

 なんかデジャブだ

179: 2010/03/28(日) 23:27:58.89 ID:XoWuAda10
 キョン「……も、もういいぞ」

 長門「そう?」

 キョン「……あぁ、もう十分だ、ありがとうな」

 長門「いい」

 そんなこんなでまさかここでおなかがいっぱいになるとは思っていなかった。
 そしてそんな俺を見越してか、今日は普通に部屋で団活という名の自由時間が与えられたのだった。
 
 …………。
 ………………。
 ……………………。


 もうそろそろ古泉とのオセロにも飽きてきたところでハルヒが言う。

 ハルヒ「明日はカップル企画最終日ということでくじを引いてもらいます」

 キョン「は?」

182: 2010/03/28(日) 23:52:24.71 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「とりあえずここに二つの箱があるわ」
 キョン「ちょっと待て。何のくじだ」

 ハルヒ「今から説明するのよ!!
     要するに……。


   ・男女ともに一枚ずつ引く
   ・男はどんなセリフで告白するか、女はどこでそれを受けるかが書いてある。
   ・これはあくまでイベントの中だけなので返事はこの三日間の出来事で決めてよい。

 ハルヒ「だいたいわかったかしら?」

 古泉「わかりました」

 キョン「すげぇな……」

183: 2010/03/28(日) 23:55:45.29 ID:XoWuAda10
 ハルヒ「ということで早速ひいてください!!」

 古泉「……はいっ。こ、これは……」

 ハルヒ「誰にも見せちゃ駄目だからね!!」

 古泉「これは見せたくても見せれません……」

 キョン「そんなにひどいのか……」

 ハルヒ「キョン、次はあんたよ!!」

 キョン「頼むまともなものよ来い!!!」

 ひいた紙を見た俺はすごく驚いた。
 ハルヒのやつ何を考えているんだ。全く分からない。

 ハルヒ「次はみくるちゃんよ!!」

184: 2010/03/28(日) 23:59:33.33 ID:XoWuAda10
 朝比奈「ひきました!!」

 ハルヒ「んじゃそれはペアの人に見せてください!!」

 朝比奈「みせていいんですかぁ?」

 ハルヒ「見せないと男がそこに行けないじゃない!!」

 朝比奈「そうでした。いつきくんここです!」

 古泉「さすがはみくる。いいところを引きましたね」

 朝比奈「それほどでも……///」

 ハルヒ「次は有希よ!!」

 長門「…………ほい」

 ハルヒ「ほいって……まぁいいわ。キョンに見せて」

187: 2010/03/29(月) 00:07:30.41 ID:4fx5KoIQ0
¥¥
 キョン「どれどれ……図書館か。お前らしいよ」

 長門「そう」

 キョン「狙って引いたのか?」

 長門「…………」

 キョン「そうかい、野暮なこと聞いちまったな」

 長門「いい」

 ハルヒ「それじゃあ今日は明日のために解散!!みんな今日は早く寝て明日に備えるのよ!」

 そういえば明日は休みだったな。
 とは言っても当然団活とやらが入ってくるのだろうが。
 しかしその時間が長門とのデートになるのはうれしい。
 そしてノルマ表には手をつないで男が女を家まで送るとあったのでその任務を遂行することにした。

 ハルヒ「明日はいつもの店に十時集合!!ちなみに私はみんなの集合を見届けたら帰るわ!!」

 キョン「そんなこと言って誰かの後でもつけるんじゃないのか?」

 ハルヒ「そんなわけないでしょ!!」

 キョン「本当にならないことを祈るよ」

190: 2010/03/29(月) 00:15:21.15 ID:4fx5KoIQ0
 ハルヒ「それじゃあ各自解散!!」

 そう言ってハルヒは駆け出して行った。
 残された二組も別々の方へと歩き出す。

 長門「明日、楽しみ」

 キョン「そうか?そう言ってもらえるとうれしいよ」

 長門「あなたは?」

 キョン「もちろん俺だって楽しみさ」

 長門「そう、よかった」

 キョン「明日、図書館に行くまでに行きたいところとかあるか?」

 長門「あなたについていく」

 キョン「そうか……。女子の行きたいところなんてわからないからな……」

 長門「プリクラ」

 

191: 2010/03/29(月) 00:17:58.03 ID:4fx5KoIQ0


 キョン「へ?」

 長門「プリクラを撮りたい」

 キョン「そうか、んじゃ明日行こうか」

 長門「ありがとう」

 キョン「感謝なんてしないでくれよ」

 長門「そう」

 キョン「ほかには行きたいところとかないのか?」

193: 2010/03/29(月) 00:20:46.21 ID:4fx5KoIQ0
 長門「……服を買ってみたい」

 キョン「そういえばいつも制服だったな」

 長門「……」

 キョン「よし!あまり高いのは無理がが少しくらいなら買えるぞ」

 長門「…………」

 キョン「明日二人でいい服を探してみようか」

 長門「ありがとう」

 キョン「いいっていいって。明日がより楽しみになってきたな」

 長門「そう」

 キョン「って話している間にもう長門の家の前か」

 長門「ここまででいい」


195: 2010/03/29(月) 00:23:52.87 ID:4fx5KoIQ0
 キョン「んじゃまた明日な」

 長門「わかった」

 そういうと俺たちは別れた。
 決して破局的な意味ではないぞ!!
 そして俺は独りで帰路につく。少し哀愁を帯びていた気がする。

 家に着くなり飯のいい香りが俺を食事へといざなう。
 そして風呂に入ると眠気という人類の最大の敵が現れた。
 玉ねぎ戦士の俺はあっさりと負けて、男子高校生にしては早すぎるくらいの時間に眠りについた。

 

196: 2010/03/29(月) 00:28:57.13 ID:4fx5KoIQ0

 そして朝日が俺を起こす。
 
 セットしてなかった目覚まし時計で時間を確認する。
 
 時刻は………………。

 ……………。
 
 ………………。
 
 …………………。

 全世界に停止をしてほしかった。
 まさかの9時40分。
 ここからだと間違いなく遅刻だ。
 デートなのに寝坊する男がどこにいるんだ。
 俺はなぜか家にあった十秒飯を口にくわえ一気に飲む。
 そして最低限度に身だしなみを整え、すぐさま家を出る。

198: 2010/03/29(月) 00:33:41.40 ID:4fx5KoIQ0
 俺は自分の足をこれでもかというくらい酷使する。
 しかし運動系でない俺にとって自転車は重作業なのだ。

 ついた頃には足を完全に引きずっていた。
 時刻は9時57分。ぎりぎりだな。
 というよりもどうせこの時間だろうが30分前だろうがみんないるんだろ?

 ハルヒ「遅ーーい!!何やってたのよ!!」

 案の定全員居た。この時間なら当たり前か。

 キョン「悪かった。普通に寝坊してしまってな」

 ハルヒ「有希、なんか言ってあげて!!」

 長門「謝罪を求める」

 キョン「悪かったよ、長門」

 長門「…………」フルフル

 首を横に振る長門。そんなに怒っているのか?

 キョン「悪かったって!有希!」

 長門「許す」

199: 2010/03/29(月) 00:36:13.59 ID:4fx5KoIQ0

 キョン「……ありがとよ」

 長門「いい」

 ハルヒ「まぁいいわ。古泉君みくるちゃん待たせてごめんね」

 古泉「いえ、全然気にしていませんよ」

 朝比奈「大丈夫ですぅ~」

 ハルヒ「それならよかったわ。それじゃあ各組デートを開始してください!」

 と言い残すと「んじゃ!!」と手を振り去って行ってしまった。
 いったい何がしたいんだか…………。

201: 2010/03/29(月) 00:41:09.99 ID:4fx5KoIQ0
 古泉「それでは僕たちは行きますね」

 そういうと朝比奈さんと古泉は仲良く手をつないでいってしまった
 
 キョン「俺たちも行こうか」

 長門「…………」コクン

 そして俺たちはまず洋服店へと歩き出した。

202: 2010/03/29(月) 00:43:46.35 ID:4fx5KoIQ0
 洋服屋に着くとさすがに休日。女性客やカップルでにぎわっていた。
 しかし俺は臆することなく進んでいく。
 だって俺もカップルなのだから。
 今だってしっかりと長門の手をにぎりしめている。

 キョン「どんな服がいいんだ?」

 長門「おまかせで」

 キョン「散髪屋じゃねぇんだぞ!」

 長門「任せる」

 キョン「わかったよ」

 そういうと俺は長門を店中連れまわした。
 そして気に入った服を何点かかごに入れて長門に更衣室で着替えるように言う。

 

208: 2010/03/29(月) 00:54:59.31 ID:4fx5KoIQ0

 いくつか着せた服はあったのだがすべて似合っていた。

 キョン「有希、はっきり言うなら似合いすぎだ」

 長門「そう?」

 キョン「あぁ、自信を持って言えるぞ」

 長門「ありがとう」

 キョン「でどうだ?気に入った服はあったか?」

 長門「これ」

 そう言って差し出してきたのは俺が渡した中でも一番いいと思っていた服だった。
 センスいいな長門、そして俺!

210: 2010/03/29(月) 01:01:31.77 ID:4fx5KoIQ0

 アリガトウゴザイマシタァーーーー!

 キョン「悪かったなひと組しか買えなくて」

 長門「いい、うれしい」

 キョン「そうか」

 長門「そう」

 キョン「有希」

 長門「なに?」

 キョン「すごく似合っているぞ」

 長門「ありがとう」

 キョン「それじゃあゲーセンへ向かうとするか」

 長門「…………」コクン

212: 2010/03/29(月) 01:06:14.39 ID:4fx5KoIQ0
 キョン「あちゃー結構並んでるな……」

 長門「あれ」

 有希が指さしたものはギターの音ゲーだった。
 
 キョン「有希、やりたいのか?」

 長門「…………」コクン

 キョン「それじゃあ一緒にやるか」

 という俺は谷口たちとちょっとやった口。
 たまにはかっこいいところを見せないとなとおもい最高レベルに挑戦する。
 そしてなぜか有希も俺と同じレベルだった。

 ~~~♪
 ~~~~~♪

 キョン「くそっ…… こうか!?」

 ~~~~♪
 ~~~~~♪

 長門「…………」

 「ステージクリアーー!!」


214: 2010/03/29(月) 01:09:10.99 ID:4fx5KoIQ0
 キョン「さ、さすが有希だな」

 長門「そう?」

 有希はもちろんパーフェクト、俺はぎりぎりだ。

 ギターのゲームを終わるころにちょうどプリクラもできるようになっていた。

 キョン「ナイスタイミングだな」

 長門「………」コクン

 キョン「いくか」

 長門「…………」コクン

 俺たちは再びプリクラを撮るのであった。

217: 2010/03/29(月) 01:12:39.61 ID:4fx5KoIQ0
 キョン「なぁ有希?」
 
 長門「何?」
 
 キョン「このプリクラなしにしないか?」

 長門「だめ」プンスカ

 キョン「こんなひどい顔ったらないぜ……」

 長門「でもそんなあなたも好き」

 キョン「それで何でもいけると思うなよ!」

 長門「…………」

 キョン「でもありがとな。うれしいよ」

 長門「いい」

 そしてその後また俺たちは少しギターのゲームで時間をつぶす。

 

219: 2010/03/29(月) 01:16:25.47 ID:4fx5KoIQ0

 ずっとゲーセンにいたわけではなくその後俺たちは少し街をぶらぶらした。
 あてもなくただ手を握り合って歩くだけで俺は幸せだった。

 そして時間は経過していく。
 楽しい時間はあっという間だ。

 気がつくと日も傾き始めていた。
 それに気づいた俺はあわてて有希を図書館へと連れて行くようにする。

 キョン「有希、今から図書館へ行くぞ」

 長門「…………待ってた」

 キョン「そうか、それはよかった」

 長門「いく?」

 キョン「いこうか」

 長門「…………」コクン

 やや日も落ち始めたころにようやく目的地に着く。

220: 2010/03/29(月) 01:19:29.77 ID:4fx5KoIQ0
 キョン「図書館の前でも大丈夫かな?」

 長門「問題ないと思われる」

 残念なことに着いた頃には図書館はすでにしまっていた。
 完璧に時間配分を間違えてしまった。

 キョン「すまないな。俺のせいで」

 長門「いい、あなたのせいじゃない」

 キョン「いや俺が……」

 長門「今日は楽しかった」

 キョン「有希……」

 長門「図書館に来れなかったのは残念。
       でも今日はそれ以上に素晴らしい体験ができた」

 キョン「そうか…。」

 長門「またデート……してくれる?」

 キョン「あぁもちろんだ」

222: 2010/03/29(月) 01:22:03.98 ID:4fx5KoIQ0
 キョン「なんか有希に先に告白されちまったみたいになってるな」

 長門「そう?」

 キョン「えっと。結構いい場面で申し訳ないんだが……」

 長門「?」

 キョン「えっと、その……」

 長門「言って」

 キョン「わかった」

 ………………。

 どうする?

223: 2010/03/29(月) 01:24:54.07 ID:4fx5KoIQ0
 そう、今回俺が言う告白台詞は
  
 どうする?

 なのだ。

 いったいどんな場面で誰が誰に告白する時こうなるのか聞きたい。
 しかし一応言っておく。ハルヒが面倒だしな。
 長門は考え込むようにうつむく。
 急に不安になってきた。

 長門「…………」

 キョン「有希……」

 長門「…………」

 キョン『やばい、心臓とまりそう……』

 長門「あなたはどうしたい?」

 予想外の言葉だった。
 その不意打ちに言葉に詰まる。

226: 2010/03/29(月) 01:29:27.17 ID:4fx5KoIQ0
 キョン「俺はこの日が終わってもこのままでいたい」

 長門「…………」

 キョン「俺は長門が好きだ。うまく伝えられないけど。
     俺とこれからも一緒にいてくれないか?」

 もうこっちがメインの告白だがいいだろう。
 一応与えられた台詞は言ったのだし。

 長門「私もあなたが好き。そして私はあなたとずっと一緒にいることを
      強く望んでいる」

 キョン「…………」

 長門「どうする?」

 キョン「どうしようか」

 有希がそっと目をつむる。
 何かを待っているようにずっと目をつむっている。
 俺は一瞬何で目をつむったのか分からなかった。
 ちょっと前の俺なら全く分からなかっただろう
 でもわかった。有希がどうしたいかが。
 有希へのどうするという問いの答えがこれなのだ。

227: 2010/03/29(月) 01:32:14.08 ID:4fx5KoIQ0
 俺は何も言わずに長門の頬に触れる。
 少しもびくつくことなく長門は眼をつむっている。
 そういえばノルマ表に書いてあったっけ……。
 そんなことはどうでもいい。

 キョン「有希……」

 長門「…………」


 …………。
 ……………。
 ………………。



 俺たちは狙ったわけではないが最後のノルマを達成した。

230: 2010/03/29(月) 01:36:33.98 ID:4fx5KoIQ0
 キョン「有希、でこれからどうしようか」

 長門「私はこれからもあなたとの交際が続くことを望んでいる」

 キョン「奇遇……じゃないな。俺もそう思っていたんだよ」

 長門「そう」

 キョン「これからもよろしくな」

 長門「………………」コクン

 夕日が沈んだ頃のお話

233: 2010/03/29(月) 01:45:43.40 ID:4fx5KoIQ0

 そしていきなりだが三日後の放課後!

 ハルヒ「キョン!たまには有希のために何か買ってあげなさいよ」

 キョン「はぁ?何でお前にそんなこと言われなきゃならないんだよ!」

 ハルヒ「有希は無口だから私が代わりに代弁してあげてるの!」

 あの日以来SOS団には二組のカップルが誕生した。
 俺と古泉はやや心配になってハルヒに聞いてみた。
 『こんなことになっていいのか』と。

 するとハルヒは
 「団員の幸せを願うのが団長の務めじゃない!
  みんなが幸せそうならそれでいいのよ。
 それに私は恋愛に関しては当事者より傍観者の方が好きだから」

 だそうだ。
 ハルヒも大人になったのかな。

235: 2010/03/29(月) 01:49:17.63 ID:4fx5KoIQ0
 ハルヒ「とりあえずキョン!!お茶も切れてるみたいだし
      有希と一緒に買い出し行ってきて!!」

 キョン「何でおれが!!」

 ハルヒ「いいからいきなさい!ついでに何か買ってあげてよね!」

 キョン「まったく口うるさい団長様だぜ」

 古泉「彼女に感謝すべきですけどね」

 キョン「あぁ」
 
 長門「…………」ジー

 キョン「しょうがないな、行ってくるよ。有希、大丈夫か?」

 長門「いい」

 …………。

 

238: 2010/03/29(月) 01:51:38.19 ID:4fx5KoIQ0
 キョン「予定より早く買い出し終わっちまったな」
 
 長門「そう」

 キョン「そんなんでよかったのか?」

 長門「いい」

 キョン「そんなものいつでも買ってやるのに……」

 長門「大切にする」
 
 キョン「そうかい、ありがとうな」

 長門「私こそ……ありがとう」

 キョン「で、この後だが……どうする?」

 長門「…………」

         

        また図書館に…………。
                       fin

280: 2010/03/29(月) 07:52:59.04 ID:4fx5KoIQ0
 エピローグ 古朝編+α&β

 一日目 帰路
 
 古泉「さてと、どうしましょうかね」

 朝比奈「今日はなんだか疲れちゃいました……」

 古泉「そうですね……、ですが僕はうれしいですよ」

 朝比奈「えっ!?」

 古泉「涼宮さんのおかげで朝比奈さんとこういう関係を持つことができているのですから」

 朝比奈「どういうことですか?」

 古泉「そのままの意味ですよ。僕は前々から朝比奈さんとはお近づきになりたいと思ってました。
    きっかけは予想していませんでしたが結果としては僕にとってうれしいものです」

 朝比奈「わ、私もうれしいですぅ……///」

 古泉「そう言っていただけて光栄です」

282: 2010/03/29(月) 07:57:30.21 ID:4fx5KoIQ0
 朝比奈「その、古泉君」

 古泉「なんですか?」

 朝比奈「涼宮さんの前だけでなくて……そのぅ……」

 古泉「…………」

 朝比奈「名前で、呼び合いませんかぁ~……なんて……」

 古泉「よろしいのですか?」

283: 2010/03/29(月) 08:01:31.94 ID:4fx5KoIQ0
 朝比奈「も、もちろんですぅ……、嫌、ですか?」

 古泉「いやなわけないじゃないですか。聞いたら野暮かもしれませんが
     どうしてそのようなご提案を……?」

 朝比奈「そ、それは涼宮さんだけの前じゃとっさの時に対応できないかもしれないですから……」

 朝比奈『……素直に言えなかったぁ…………』

 古泉「そうですよね。わかりました、みくるさんと呼ばせていただきます」

 朝比奈「い、いやっ!その……みくる、でいいですぅ……」

285: 2010/03/29(月) 08:06:00.75 ID:4fx5KoIQ0
 古泉「わかりました、みくる、と呼ばせていただきます。
    少々恥ずかしいですね」

 朝比奈「私もいつきくんと呼びますね」

 古泉「よろしくお願いします」

 朝比奈「しかし涼宮さんはどうしてこんなことをしているのでしょうね?」

 古泉「まだわかりません、長門さんのためと言っていたのですが」

 朝比奈「そうですね。確かに涼宮さんなら長門さんのために
     イベント事をやってあげそうですぅ」

 古泉「ですが、まだ何かある気がするのですよ。それは僕たちにかかわっていることかもしれないですし
     もしかしたら彼、いやそっちの可能性の方が高いと思います」

 朝比奈「そうですねぇ、でも何で長門さんとキョンくんなんでしょう?」

286: 2010/03/29(月) 08:10:41.76 ID:4fx5KoIQ0
 古泉「それは彼のことを信頼しているからじゃないですか?」

 朝比奈「信頼、ですか……」

 古泉「今はまだ何とも言えないです。涼宮さんは彼のことをどう思っているのか?
    しかし一つはっきり言えることがあります」

 朝比奈「なんですか?」

 古泉「涼宮さんは確実に大人になっていっているということです」

 朝比奈「…………」

 古泉「自分の意中の男性と自分の友人をいくらゲームといっても付き合わせるでしょうか?
    それだけ涼宮さんは友人を大切にする心があるということと
    彼のことで自分をコントロールできなくなるなんてことがなくなっているんだと思います」

 朝比奈「そう、なんですか……」

 古泉「あくまで推測ですけどね」

287: 2010/03/29(月) 08:14:38.83 ID:4fx5KoIQ0
 朝比奈「まぁいま私たちにできることをしていきましょう」

 古泉「そうですね。今の僕の任務は朝比奈さんとの時間を楽しむことですね。
    そんな任務といわなくても楽しいに決まっていますがね」

 朝比奈「古泉君…………」

 古泉「おっと、いつき とよんでいただけるのでは?」

 朝比奈「あっ!そうでしたぁ……。まだなれませんねぇ」

 古泉「気長に行きましょうか。みくる」

 朝比奈「いつきくん……」

 

288: 2010/03/29(月) 08:20:37.33 ID:4fx5KoIQ0
 ふう、やっと帰ってきましたね。
 涼宮さんは一体なぜこんなことをしたのでしょうか。
 本当に分かりません。しかし、今はすべきことがあります。

 古泉「古泉です、いまメール大丈夫ですか?」

 涼宮さんから渡された表の名目をクリアしなければいけない。
 個人的には全く苦にならない。
 しかし朝比奈さんがどう思っているかなんてわからない。
 
 ……trrrr

 朝比奈「大丈夫ですよ~ メールくれてうれしいです」

 古泉「そう言っていただき光栄です。今日はどうでしたでしょうか?」

 ……trrr

 朝比奈「もちろん楽しかったですよ! いつきくんはどうでしたか?」
 

289: 2010/03/29(月) 08:23:03.84 ID:4fx5KoIQ0
 古泉「もちろん楽しかったですよ」

 朝比奈「そう、よかったです……」

 古泉「そういえば、まだみくるのことを詳しく知っていませんでした
    よければ趣味など詳しく聞いてもいいですか?」

 朝比奈「もちろんですよ」

 古泉「ありがとうございます」

 朝比奈「もちろんいつきくんのことも教えてくれますよね?」

 古泉「はい、僕なんかのことでよければ」

290: 2010/03/29(月) 08:26:01.86 ID:4fx5KoIQ0
 …………。
 ……………。

 ………………。
 …………………。

 古泉「おっと、もうこんな時間ですか」

 朝比奈「ほんとですね」

 古泉「はじめて時間を忘れてメールをしてしまいましたよ」

 朝比奈「わたしもです~」

 古泉「明日は……どうしますか?」

 朝比奈「どうするって?」

 古泉「僕はみくるともっと話をしていたいのです」

 朝比奈「うれしいですぅ」

 古泉「おそらく部室は僕ら以外の誰かがいるでしょう」

291: 2010/03/29(月) 08:28:58.14 ID:4fx5KoIQ0
 朝比奈「そうでしょうね……」

 古泉「別に問題はないのですが、やはり二人きりの方が僕はいいですかね。
      みくるはどうでしょうか?」

 朝比奈「私も二人でゆっくりお話がしたいです~」

 古泉「では明日授業が終わり次第みくるのクラスに行きます。
    そしてどこかで少し話しませんか?」

 朝比奈「もちろんいいですよ!」

 古泉「では明日また。楽しみですよ」

 朝比奈「私も楽しみです~!!」

 古泉「ではおやすみなさい」

 朝比奈「おやすみなさ~い」

292: 2010/03/29(月) 08:33:28.80 ID:4fx5KoIQ0
 次の日の朝。
 あれ?メールが来ている。
 
 朝比奈「明日一緒に登校しませんか?
     私明日いつき君の家に伺いますので一緒に登校してくれるとうれしいです。
     迷惑だったら返信してください、おねがいします」

 古泉「いやなわけないじゃないですか……」ボソッ

 僕は学校へ行く支度を始める。
 いつもより早めに起きたおかげでゆっくり準備ができた。
 そして僕がいつも家を出る時間よりはるかに早い時間にインターフォンが鳴った。

 

293: 2010/03/29(月) 08:37:04.27 ID:4fx5KoIQ0
 だれかいるか?www

 ピンポーン

 古泉「はい、今出ます」

 朝比奈「いつきくんおはようございます。大丈夫でしたか?」

 古泉「もちろんです、待っていましたよ」

 朝比奈「よかったぁ~」パァァ

 古泉「行きますか」

 朝比奈「そうですね」

 僕たちは手をつないで学校へと歩き出した。
 時間的に早いためほかには誰もいない。
 朝比奈さんの手はとても柔らかかった。
 とても小さくちょっと力を入れればつぶれてしまいそうな……。

 朝比奈「いつきくん」

 古泉「なんですか?」

296: 2010/03/29(月) 09:00:25.22 ID:4fx5KoIQ0
朝比奈「正直に答えてくださいね」

 いつになく真剣な顔をする朝比奈さん。
 
 古泉「えぇ、もちろんです」

 朝比奈「私のこと、どうおもっていますか?」

 古泉「そうですね、とても魅力的だと思っています」

 朝比奈「そうじゃないんです、本当に付き合えるかどうかというかぁ……」

 古泉「もちろん付き合えるならそんなうれしいことはないですよ」

 朝比奈「本当ですか?」

 古泉「えぇ、もちろんです」

 朝比奈「よかったぁ~……」

 そう言って胸をなでおろす朝比奈さん。
 なぜそんなことを聞いてきたのだろうか。
 素直に今の言葉を受け止められていない自分に嫌気がさす。
 でも、朝比奈さんと一緒にいて楽しいというのは本心である。

297: 2010/03/29(月) 09:05:31.22 ID:4fx5KoIQ0
 ちょっと早く出すぎたかな。
 このペースでいくと学校が開いていないかもしれない。
 そう思っていると前に見覚えのある二人を見かけた。

 古泉「みくる、あの二人……」

 朝比奈「あっ、キョンくんと長門さんじゃないですか」

 古泉「仲よさそうですね」

 朝比奈「そうですね」

 二人が公園へとはいっていく。
 別にあとをついていくわけではないが時間はありすぎている。
 僕たちも促されるように公園へとはいっていく。もちろん二人にばれないように。

 もうそろそろ出かけるのでよければ保守よろしくお願いします。
 もしかしたら一日帰ってこれないけど夜(9時以降)には遅くても帰ってきます。
 残っているといいな……。
 てか保守ばかりお願いしてすまん。できたらよろしくお願いします。

 それではまた昼か夜!!ノシ

366: 2010/03/29(月) 22:13:20.05 ID:4fx5KoIQ0

 朝比奈「あ、ベンチに座りましたね」

 古泉「あまりこういう犯罪染みたことはしたくないのですけど……」

 朝比奈「たまにはいいんじゃないですか、ね?」

 古泉「そうですね。好奇心には勝てません」

 僕たちは気づかれないように二人に近づく。
 会話が聞こえるところまで行くのはリスクが高かったですが僕らは出来る限り近くに行く。

 キョン「昨日、話したいいってってだろ?」

 長門「言った」

 キョン「何か話すべきことでもあるか?」
 
 ………。

 古泉「昨日電話でもしたのでしょうか?」

 朝比奈「わかりませんよ」

 古泉「そうですよね、すみません」

368: 2010/03/29(月) 22:17:42.84 ID:4fx5KoIQ0
 長門「現時点であなたに伝えておくことはない。ただ……」

 キョン「長門にしては歯切れが悪いな。ただなんだ?」

 長門「あなたのそばにいたい」

 キョン「!?」
 
 …………。

 古泉「なんと積極的なんでしょうか……」ボソボソ

 朝比奈「長門さん大胆すぎますね」ボソボソ

 古泉「もう十分でしょう。聞いてるこっちが照れてしまいますよ」

 朝比奈「そうですね」

 朝比奈「私もいつきくんにこんなこと言われてみたいなぁ……」ボソボソ

 古泉「何か言いましたか?」

 朝比奈「い、いえ!別に何もですぅ……」

 古泉「そうですか、それではばれないように合流しましょうか」

 朝比奈「一緒に行くんですか?」

 古泉「いくつか聞きたいこともありますしね」

369: 2010/03/29(月) 22:19:58.89 ID:4fx5KoIQ0
 僕たちはばれないように移動してあたかも今来たかのように彼らに接する。

 古泉「やぁお二人とも、朝早くから仲睦ましいですね」

 朝比奈「キョンくん、長門さんおはようございます」

 キョン「おはようございます朝比奈さん。いったいどうしたんですか?こんな早くに」

 古泉「僕たちもあなた方と同じ理由だと思いますよ」

 キョン「ノルマ表のあれか?」

 古泉「御名答です」

 どうやら気が付いていないようだ。
 しかし長門さんは気が付いていただろう。
 長門さんは何度かこっちを凝視してうつむいた。

370: 2010/03/29(月) 22:25:54.78 ID:4fx5KoIQ0
 キョン「だからと言ってこんなに早くなくてもいいだろう」

 僕は意を決して言う。
 もちろんさっき朝比奈さんが言った言葉が聞こえていたからというのもある。
 しかしいざ言うとなるととても恥ずかしい。だけど平然を装わなければいけない。

 古泉「仰るとおりです。しかし僕は朝比奈、おっと失礼。 
     みくると少しでも長く一緒にいたいのですよ」

 朝比奈「いつきくん……///」

 言ったあと体中が熱くなっていくのを感じた。
 本当にこういうことを言うのは勇気がいるんだ。
 いつも僕にこういうことを言ってくれた人たちもそうだろう。
 なぜか少し憂鬱になった。

371: 2010/03/29(月) 22:30:54.39 ID:4fx5KoIQ0
 古泉「僕たちもご一緒してよろしいでしょうか?」
 
 その言葉で僕たちは一緒に登校することになった。

 ………………。
 二日目 登校途中β

 朝比奈「長門さん……」

 長門「なに?」

 朝比奈「きづいてました?」

 長門「気づいていた」

 朝比奈「そうですよね……。気づいていた上であんなことをいったんですか?」

 長門「あれは私の本心。隠す必要などない」

 朝比奈「そう、ですか……」

 長門「あなたはどう思っているの?」

374: 2010/03/29(月) 22:37:02.71 ID:4fx5KoIQ0
 朝比奈「どういう意味ですか?」

 長門「古泉一樹のこと」

 朝比奈「私……ですか……」

 長門「…………」

 朝比奈「よくわからないんです」

 長門「…………」

 朝比奈「私、今まで誰かと付き合ったこととかなくて。
     異性の方を好きになるっていう感覚がわからないんです」
 
 長門「そう」

 朝比奈「でも今いつきくんは私にとって特別な人です」

 長門「そう」

 朝比奈「SOS団でいつも一緒でしたしいつも優しくしてくれました。
     そういうところはすごくいいなと思ってました」

375: 2010/03/29(月) 22:41:00.97 ID:4fx5KoIQ0
 朝比奈「でもこれが好きって言うことなのか不安なんです」

 長門「不安?」

 朝比奈「いつきくんは私にさっき言ってくれました。
     でも私はいつきくんに何も伝えれていない気がするんです」

 長門「…………」

 朝比奈「私、変ですかね……?」

 長門「わからない」

 朝比奈「えっ?」

 長門「私も不安。彼に気持ちにこたえ切れるか」

 朝比奈「長門さん…………」

376: 2010/03/29(月) 22:42:39.54 ID:4fx5KoIQ0
 長門「でも、自分の気持ちには正直でいるべき」

 朝比奈「…………」

 長門「自分が好きならそれを言葉にする。行動にする。
    そうすればきっと彼も答えてくれる」
 朝比奈「長門さん………。 ……ありがとうございます」

 長門「いい」

377: 2010/03/29(月) 22:45:27.10 ID:4fx5KoIQ0
 朝比奈「お互い、がんばりましょうね!」

 長門「そう」

 朝比奈「私、自分の気持ちに自信を持って正直に行きます!」

 長門「……がんばって」

 ………………………。

378: 2010/03/29(月) 22:50:47.54 ID:4fx5KoIQ0
 二日目 放課後β

 古泉「朝比奈さんを読んでいただけますか?」

 生徒「おう、いいぜ。おぉ~い朝~比~奈~!!」

 朝比奈「あっいつきくん。来てくれたんですね」

 古泉「もちろんですよ、では行きましょうか」

 朝比奈「うん!」

 僕たちは部室ではなく中庭へと向かう。
 部室にはおそらくあの二人がいるだろう。
 そしてそんな二人を邪魔したくないし、邪魔されたくもない。
 みくるとの二人の時間を過ごしたい。
 なんて甘い考えかも知れません……。

 古泉「着きましたね」

 朝比奈「そうですね、座りましょうか」

 あたりは見計らったかのように誰もいない。
 こういうことがあると神様というものを信じてしまうかもしれない。

381: 2010/03/29(月) 23:02:20.95 ID:4fx5KoIQ0
朝比奈「いいですね、二人きり……ですか……」

 古泉「そうですね。僕は幸せ者です」

 朝比奈「え?」

 古泉「こんな魅力的は人の隣りに座れているのですからね。
    少しくさいセリフですね」

 朝比奈「ううん、うれしい。いつきくん」

 古泉「なんでしょう?」

 朝比奈「さっき言ってたことって……ほんと?」

 古泉「公園でのことですか?」

 朝比奈「そうです」
 
 古泉「もちろん本当ですよ。どうしてそのようなことを聞くのですか?」

383: 2010/03/29(月) 23:06:42.54 ID:4fx5KoIQ0
 朝比奈「別に疑っているわけじゃないんですが
     涼宮さんのためにいったのかなって」

 古泉「そんなわけないじゃないですか」

 朝比奈「…………、そ、そうですよね。私ったら何を言ってるのか……。ごめんね」

 古泉「いえ、そんな心配をさせてしまった僕の責任です。
   しかしこれだけははっきりと言えます」

 朝比奈「なんですか?」

 古泉「僕はあなたが好きです」

 朝比奈「……」ホロッ

386: 2010/03/29(月) 23:12:19.43 ID:4fx5KoIQ0

 古泉「え!?な、泣かないでくださいよ!!」

 朝比奈「ごめんなさい、私うれしくて」

 古泉「僕は前から朝比奈さんのことを素敵な方だと思っていました。
    それは皆さんが思っていたことかもしれません」

 朝比奈「 …………」

 古泉「そして今回のことがありました。そこで僕はあなたのことを守ってあげたい、そう思いました。
    それは、僕があなたとずっと一緒ににいたいという意味でもあります」

 朝比奈「…………」

387: 2010/03/29(月) 23:16:34.05 ID:4fx5KoIQ0
 古泉「僕がこんなことをいうのは飼ってかもしれませんしわがままです。 
    それでも、僕はあなたに伝えたかったんです」

 朝比奈「いつきくん……」

 古泉「とはいってもいきなりこんなこと言われても困りますよね……」

 朝比奈「ごめんなさい」

 古泉「!?」

 朝比奈「いつきくんがそんなに思っていてくれていたのに私……。
     さっきみたいなことを聞いて」

 古泉「いえ、僕がもっとしっかり伝えていればよかったのですよ」

 朝比奈「私も、いつきくんが好きです。私なんかでよかったら……」

 古泉「待ってください」

 朝比奈「え?」

 古泉「最終日まで待っていただけませんか? もちろんそこで僕から伝えたいことがあるからですが。
      おそらく涼宮さんは最終日に何か行うはずです。
    それが終わってからでも遅くはないと思うんです。いいでしょうか?」

 朝比奈「もちろんです」

389: 2010/03/29(月) 23:26:34.82 ID:4fx5KoIQ0
 古泉「では、そろそろ行きましょうか」

 朝比奈「そうですね、もう皆さんそろっているかもしれませんしね」

 そう言って僕たちは部室へと向かった。
 もちろん手をつないで。


 …………。
 ガチャ

 古泉「おや?皆さんお揃いですか」

 朝比奈「遅れてすみませぇ~ん。今すぐにお茶入れますね」

 

391: 2010/03/29(月) 23:30:18.21 ID:4fx5KoIQ0
 ハルヒ「どう?みくるちゃん」

 朝比奈「ふぇ!?な、なにがですかぁ~?」

 ハルヒ「古泉君とよ!! うまくいってるの!?」

 朝比奈「それなりにうまくいってますよぅ」

 ハルヒ「それは何よりだわ!!正直心配だったのよ」

 朝比奈「どういうことですか?」

 ハルヒ「みくるちゃんってなんか恋愛とかしたことなさそうだもん」
 
 朝比奈「確かにそんなにありませんけど……」

 ハルヒ「だから、古泉君…というより異性と付き合うことがうまくできるか心配だったのよ」

 朝比奈「涼宮さん……」

394: 2010/03/29(月) 23:38:08.08 ID:4fx5KoIQ0
>>392 それはしゃべり方?キャラ?

 ハルヒ「だけどうまくいってるなら心配いらないわね!
      とりあえずあと一日だから。がんばって、っていうのはおかしいけどがんばって!」

 朝比奈「ありがとうございます!」

 ハルヒ「有希は大丈夫そうね」

 長門「そう?」

 ハルヒ「さっきすごく仲良かったじゃない」

 長門「そう?」

 ハルヒ「そうよ!!まぁこのまま頑張って頂戴ね」

 長門「わかった」

 朝比奈「着替え終わったので二人をよんできますね」

 ハルヒ「うん、お願い」

 ガチャ
 朝比奈「お待たせしましたぁ~」

396: 2010/03/29(月) 23:49:08.24 ID:4fx5KoIQ0
 長門「朝比奈みくる」ボソボソ

 朝比奈「なんですか?長門さん」

 長門「彼の分のお茶を出さないでほしい」ボソボソ

 朝比奈「えっ!?どうしてですか!?」

 長門「私がいれてあげたい」

 朝比奈「そういうことですか。よかったぁ~。わかりました。お願いしますね」

 長門「感謝する」


399: 2010/03/30(火) 00:00:15.30 ID:ldiPVIq10
 朝比奈「はい、涼宮さん、長門さん」 

 ハルヒ「ありがと!みくるちゃんのお茶はいつも最高よ!!」

 長門「……」ズズ

 朝比奈「はい、いつきくん。いつもよりも頑張っていれました!」

 古泉「何とうれしいことでしょうか。ありがとうございます」

 キョン「…………」ワクワク

 朝比奈「………………」

 キョン「…………」ジー

 朝比奈「…………?」

 キョン「…………」ガクッ

401: 2010/03/30(火) 00:09:38.92 ID:ldiPVIq10
>>393 >>398 深読みしすぎると落ちが一層しょぼく感じてしまいますよ。

 長門「はい」

 朝比奈「ごめんねキョンくん。長門さんがどうしてもお茶を入れてあげたいって言うからさ」

 キョン「そういうことだったんですか。よかったです、嫌われたのかと思いましたよ」

 ……………。

 

 ハルヒ「ちゅーもーく!!明日はカップル企画最終日ということでくじを引いてもらいます」


403: 2010/03/30(火) 00:13:38.21 ID:ldiPVIq10

 ハルヒ「とりあえずここに…………」

 ………………。

 
 ハルヒ「だいたいわかったかしら?」

 古泉「わかりました」

 キョン「すげぇな……」

 古泉『簡単にですが相談されましたしね』

 ハルヒ「ということで早速ひいてください!!」

 古泉「……はいっ。こ、これは……」

 話が違いすぎる……。
 普通の告白台詞が入っているはず。
 そしてそれ以外のアブノーマルのセリフはごくごくわずかなはず。
 まさかそのごくごくわずかを引いてしまったのだろうか?
 いや、とらえ方を変えると普通かも、というかこれが今どきなのか?
 流行りというものは分かりません。

404: 2010/03/30(火) 00:16:48.50 ID:ldiPVIq10
 …………。
 ハルヒ「次はみくるちゃんよ!!」

 朝比奈「ひきました!!」

 ハルヒ「んじゃそれはペアの人に見せてください!!」

 朝比奈「みせていいんですかぁ?」

 ハルヒ「見せないと男がそこに行けないじゃない!!」

 朝比奈「そうでした。いつきくんここです!」
 
 そこには大きく『映画館』と書いてあった。
 すごく場所的にはいいところだしちょうど流行りのラブストーリがある。
 しかしそこにこのセリフは……いや、考え方を変えれば……以下略。
 
 古泉「さすがはみくる。いいところを引きましたね」

 朝比奈「それほどでも……///」

407: 2010/03/30(火) 00:23:13.63 ID:ldiPVIq10
 …………。
  それじゃあ各自解散!!

 その言葉で僕たちは各々別れる。
 僕はみくるを家まで送るために少し遠回り。
 でも全く苦ではない。
 寧ろ楽しさを感じている。


 ぎゅっと握った手がとても温かい。
 僕はみくるの方を見る。
 すると目がばっちりあう。
 互いに照れたように顔をそらす。そしてまた目が合う。

 なんかすごく甘酸っぱい気持ちになった。
 これが恋人というものなのだろうか。
 

409: 2010/03/30(火) 00:24:35.52 ID:ldiPVIq10
 古泉「みくる、今日は楽しかったですよ」

 朝比奈「私もです」

 古泉「明日で最終日ですね」

 朝比奈「そうですね……」

 古泉「結局涼宮さんは何を持って今回のことを行ったのでしょうか?」

 朝比奈「長門さん、のことじゃないんですか?」

 古泉「あなたは純粋ですね……」

 朝比奈「へ?」

 古泉「そんな所も素敵ですよ」

 朝比奈「………いつきくん///」

 古泉「明日はどうしましょうか?」

 朝比奈「そうですね、お買い物がしたいです」

 古泉「洋服とかですか?」

411: 2010/03/30(火) 00:27:40.74 ID:ldiPVIq10

 朝比奈「いえ、雑貨……ですかね?」

 古泉「雑貨ですか、わかりました」

 朝比奈「わがまま言ってごめんね」

 古泉「わがままなんかじゃないですよ。どこに行きたいかはっきり言ってもらえてうれしいですよ」

 朝比奈「よかった。いつきくんはどこか行きたいところはないの?」

 古泉「行きたいところ……ですか……。そうですね、CDショップでもいかかですか?」

 朝比奈「いいですね、おすすめとか教えてほしいです!」

 古泉「じゃあ教えあいましょうか」

414: 2010/03/30(火) 00:31:23.31 ID:ldiPVIq10
 朝比奈「そうですね!」
 
 古泉「ここでしたよね?朝比奈さんの自宅」

 朝比奈「あ!そうですそうです!ここですここ!」
 
 古泉「危うく通り過ぎるところでしたね」

 朝比奈「いつきくんとの会話が楽しくてまったく目に入ってなかったですぅ」

 古泉「僕もですよ」

 朝比奈「それじゃあまた明日ね」

 古泉「はい、また明日」

 そう言って僕たちは別れる。
 振り返るとずっとこっちに向かって手を振ってくれるみくるの姿があった。
 その姿にさらに惹かれつつ、手を振り返す。
 そして僕は思い切って振りむくのをやめた。このままだと帰れなくなってしまいそうだったから。

 そして、明日のために帰宅とほとんど同時に就寝した。

416: 2010/03/30(火) 00:41:04.71 ID:ldiPVIq10
 最終日 集合場所

 僕は集合場所に少し早く着いた。
 しかしそこには長門さんの姿があった。

 古泉「やぁどうも」

 長門「…………」

 古泉「お早いですね」

 長門「そう?」

 古泉「そういえば彼とはうまくいっていますか?」

 長門「それなり」

 古泉「それはよかった」

 長門「あなたは?」

 古泉「僕はもう順調ですよ」
 
 長門「そう。……古泉一樹」

 古泉「なんでしょう」

 長門「あなたは朝比奈みくるを泣かせるべきではない」

 

418: 2010/03/30(火) 00:44:32.02 ID:ldiPVIq10
 意外な言葉だった。
 内容はもちろん受け止めるべきものなのだがまさか長門さんから言われるとは。
 そしてその時の顔が無表情ながらも真剣そのものだった気がしたのだ。

 古泉「もちろんですよ。しかしいったいなぜ?」

 長門「禁則事項」

 長門さん竜の冗句のつもりなのだろうか。
 僕もそこまで落ちぶれちゃいないつもりだ。
 ここは深くは追及しないでおこう。

 ハルヒ「何よ二人とも。早いじゃない!!」

 古泉「やぁ涼宮さん。今日はごくろうさまです」

 ハルヒ「何言ってるのよ!団員を見届けるのが団長の使命よ!!」

420: 2010/03/30(火) 00:49:29.30 ID:ldiPVIq10
 古泉「素晴らしい限りです」
 
 朝比奈「おくれてすみませぇ~ん」

 古泉「全然遅れてませんよ。僕らが少し早すぎたのですよ」

 朝比奈「そうですか?兎に角遅れてしまってごめんですぅ…」

 ハルヒ「いいのいいの!どうせいつも最後はあいつなんだから」

 ……………。


423: 2010/03/30(火) 00:54:33.47 ID:ldiPVIq10
 キョン「すまん!!遅れてしまった!!」

 ハルヒ「遅ーーい!!何やってたのよ!!」

 キョン「悪かった。普通に寝坊してしまってな」

 ハルヒ「有希、なんか言ってあげて!!」

 長門「謝罪を求める」

 キョン「悪かったよ、長門」

 長門「…………」フルフル

 キョン「悪かったって!有希!」

 長門「許す」

 古泉「仲いいですねぇ」
 
 朝比奈「そうですねぇ~」

 ハルヒ「こらそこ二人でのほほんとしない!!」

424: 2010/03/30(火) 00:59:18.01 ID:ldiPVIq10
 ハルヒ「まぁいいわ。古泉君みくるちゃん待たせてごめんね」

 古泉「いえ、全然気にしていませんよ」

 朝比奈「大丈夫ですぅ~」

 ハルヒ「それならよかったわ。それじゃあ各組デートを開始してください!」

 そういうと颯爽と走り去ってしまった。
 一応彼らに一瞥を入れる。

 古泉「それでは僕たちは行きますね」

 キョン「おい、んじゃあな」

 僕はみくるの手をとる。
 そして手を強く握り合いながら雑貨屋の方へと歩みを進めた。

425: 2010/03/30(火) 01:05:05.96 ID:ldiPVIq10
 雑貨屋に着く。
 そこには男性客はほとんどおらず、客店員ほとんどが女性であった。
 何かすごくアウェーな気がする。

 朝比奈「大丈夫ですか?」

 古泉「えぇ、行きましょうか」

 でも今の僕には朝比奈さんが付いている。
 僕一人なら絶対にこんな所には来れないが二人ならいける。
 すごく内容は小さいですが僕は大きな勇気をもらっている。

 

427: 2010/03/30(火) 01:05:50.69 ID:ldiPVIq10
朝比奈「これかわいい~」

 古泉「つけてみては?」

 みくるが手に取ったのはペアリングらしきものだった。
 そのリングはハートとダイヤ、スペードとクローバとトランプの色別に分かれている。
 男性用がスペード&クローバー、女性用がハート&ダイヤらしい。

 値段もそこまで高くはなかった。

 古泉「買って差し上げましょうか?」

 朝比奈「え!?そんな悪いですよぅ……」

 古泉「いいんですよ、みくるとペアのものが持ちたいんです」

 朝比奈「いつきくん……ありがとう」

 

428: 2010/03/30(火) 01:08:16.74 ID:ldiPVIq10
 僕たちはある程度雑貨屋を散策した後ペアリングを購入してCDショップへと向かった。

 古泉「似合いますね」

 朝比奈「いつきくんこそ」

 古泉「でもこうしていられるのは本当に幸せです」

 朝比奈「そうですね、私もほんとに幸せです」

 古泉「ここですね、行きましょう」

 僕たちは最寄りのCDショップへと入る。

429: 2010/03/30(火) 01:10:47.15 ID:ldiPVIq10
 店に入ったとたん音楽談義が始まった

 朝比奈「いつきくんの好きな歌手は誰なんですか?」

 古泉「----とかーーーーですね」

 朝比奈「私もその人たち好きですよ!」

 古泉「本当ですか!?」

 朝比奈「はい!~~~~って曲知ってますか?」

 古泉「その曲一番好きですよ」

 朝比奈「私も一番好きな曲なんですよ!!」

 古泉「すごく趣味が合いますね」

430: 2010/03/30(火) 01:13:59.78 ID:ldiPVIq10
 朝比奈「私が最近注目している歌手はこれです!」

 そう言って一枚のCDを差し出してきた。

 古泉「これは……?」

 朝比奈「私が注目してる歌手の新曲です。
     ラブソングなんですけどすごく感動的でぜひいつきくんにも聞いてほしいなって」

 古泉「ありがとうございます」

 朝比奈「そのCD私からプレゼントさせて」

 古泉「それはみくるに悪いですよ」

 朝比奈「いいの。プレゼントさせて!お願い!!」

 古泉「ではお言葉に甘えるとしましょうか」

432: 2010/03/30(火) 01:19:46.97 ID:ldiPVIq10
 朝比奈「ぜひ甘えてください!」

 古泉「お願いします」

 みくるはそのCDをレジで購入して僕に渡す。

 そして僕たちは互いに好きだった歌手の曲を少し聞き店を後にする。

 古泉「最後は映画館ですね」

 朝比奈「そうですね、なにみるんですか?」

 古泉「今注目のラブストーリーですよ」

 映画館に着くと僕はあらかじめ買っておいた券を差し出し入館する。

 特等席、とまではいかなかったが割といいポジションだ。
 この映画はみたことがないがとてもいい話らしい。

 古泉「期待ですね」

 朝比奈「そうですね」

 僕はこの映画の後告白する。
 これがリラックスになればいいな……。

433: 2010/03/30(火) 01:24:19.06 ID:ldiPVIq10
 …………。
 ……………。
 ………………。
 物語はクライマックス。
 主人公がヒロインに告白する大事な場面だ。

 ………………!!

 …………………。

 あれ?聞きおぼえが……。いや、見覚えか。
 まさかこの映画のセリフを……。

 そんなこと思っていると上映終了となった。

 朝比奈「おもしろかったですね」

 古泉「え、えぇ」

 朝比奈「特にあの最後の場面の主人公のセリフ感動しました!」

 古泉『もうやめてください……』

 朝比奈「大丈夫?」

 古泉「えぇ、もちろんです。……みくる」

 朝比奈「なに?」

 古泉「大事な話があるんだ」

452: 2010/03/30(火) 07:49:18.06 ID:ldiPVIq10

 朝比奈「……はい……」

 みくるは待っていたといわんばかりに口をつむる。
 しかし僕にとって今のこれ時間はすごく勇気のいり時間であった。
 何故なら……。

 古泉「過去を振り返ってみると僕はいろんな人に出会ってきた」

 朝比奈「え!?」

 古泉「その中で出会った人たちは今でも僕の大切な思い出や大切な今だ」

 朝比奈「…………」

 古泉「僕は君の過去を知らない」

 朝比奈「…………」

 古泉「もしよかったら、僕と一緒に未来を創って未来の君の横にいさせてくれないか?」

 朝比奈「…………」

 上映終了後の誰もいない映画館。
 客はみんなでていって、残ったのは僕とみくるだけ。

453: 2010/03/30(火) 07:53:21.84 ID:ldiPVIq10
 古泉「……どう……でしょうか?」

 朝比奈「…ふふふっ」

 古泉「笑わないでくださいよ!」

 朝比奈「ごめんね、まさか映画のセリフだとは思っても見なくて……」」

 古泉「僕もびっくりしましたよ」

 でもみくるへの告白にはぴったりだったかもしれない。
 しかし二人が別々に引いたくじでこんなにもマッチするものなのか……。
 可能性は低い……、いや涼宮さんに可能性なんて関係なかったな。

 古泉「今のは僕の思いでもありますが改めていいですか?」

 朝比奈「はい……」

 古泉「みくる、僕とずっと一緒にいてください」

 朝比奈「もちろんです……」

 

454: 2010/03/30(火) 07:55:18.14 ID:ldiPVIq10
 僕たちはいつの間にか抱きしめあっていた。
 そしてみくると目が合う。
 今度は互いに目をそらすことなどない。

 朝比奈「いつきくん、これからもよろしくね」

 古泉「えぇ、僕こそよろしくお願いします」

 僕たちはそっと口付けをした。

 ……………。

 ハルヒ「……うんうん」

455: 2010/03/30(火) 07:58:17.36 ID:ldiPVIq10
 三日後 部室

  ハルヒ「キョン!たまには有希のために何か買ってあげなさいよ」

 キョン「はぁ?何でお前にそんなこと言われなきゃならないんだよ!」

 ハルヒ「有希は無口だから私が代わりに代弁してあげてるの!」

 あれから少し内容は変わったがいつものように二人が話し合っている。
 気が付いたら長門さんと彼も付き合っていた。
 これでいいのだろうか。……だめなわけがないか。
 涼宮さんもこれを望んでいたのかもしれない。

  ハルヒ「とりあえずキョン!!お茶も切れてるみたいだし
      有希と一緒に買い出し行ってきて!!」

 キョン「何でおれが!!」

 ハルヒ「いいからいきなさい!ついでに何か買ってあげてよね!」

 キョン「まったく口うるさい団長様だぜ」

456: 2010/03/30(火) 08:00:47.99 ID:ldiPVIq10
 文句を言いながらもまんざらでもない様子だ
 本当にここの人たちはみんな素直じゃないな。
 仕方がないので助け舟を出すか。

 古泉「涼宮さんはあなたに時間を上げるからデートして来いと言っているのですよ」ボソボソ

 キョン「……そうなのか?」ボソボソ

 古泉『とことん鈍いですね……』

 キョン「んじゃちょっと行ってくるか」ボソボソ

 古泉「そうしてください」


457: 2010/03/30(火) 08:02:58.90 ID:ldiPVIq10
 古泉「彼女に感謝すべきですけどね」

 キョン「あぁ」
 
 長門「…………」ジー

 キョン「しょうがないな、行ってくるよ。有希、大丈夫か?」

 長門「いい」

 そういって二人は部室を出て行った。

 古泉「涼宮さんはお優しいですね」

 朝比奈「?」

 ハルヒ「なんで?」

 古泉「二人が二人の時間を時間を作れるようにわざわざ行かせたのでしょう?」

 朝比奈「そ、そうだったんですか!!」

 ハルヒ「…………」

 

458: 2010/03/30(火) 08:06:20.01 ID:ldiPVIq10
 まったく一番素直じゃないな。
 うつむいたままでも照れているのがわかる。
 でも彼女が今を望んだというのならそれはそれでいい。

 僕も今みくるとの時間を大切にしたい。
 そしてそれはずっと続くとは思っていない。
 でも、今ある時間を精一杯過ごしていきたい。

 僕はみくるの方を見る。

 朝比奈「……?」

 首をかしげるみくる。
 さすがに以心伝心というのはまだ無理ですね。
 僕は心の中で好きだと念じたはずなのに。

 朝比奈「……!!」

 何かわかったと言いたげな顔で僕に近づく。

459: 2010/03/30(火) 08:07:51.65 ID:ldiPVIq10
 朝比奈「わかりましたよいつきくん!!」

 古泉「なにがですか?」

 朝比奈「いつきくんがさっき何を言いたかったのかが!」

 古泉「そう、ですか。それは僕の心からの思いです」

 朝比奈「そうですか……。少し待っててくださいねぇ~」

 古泉「? わかりました」

460: 2010/03/30(火) 08:10:13.34 ID:ldiPVIq10
 そういうと僕の湯飲みをとりお茶を注ぐ。

 朝比奈「はい、お茶です」

 古泉「ありがとうございます、でもなんで?」

 朝比奈「あれ? お茶が飲みたかったんじゃなかったんですか?」

 古泉「ふふふっ、ありがたく頂戴しますよ」

 朝比奈「あれ?あれれ~?」

 ハルヒ「二人とも!!ちょっといいかしら」

 突然涼宮さんが叫ぶ。

461: 2010/03/30(火) 08:12:33.24 ID:ldiPVIq10
 涼宮さんは窓を見る。
 そこには彼らの姿があった。

 ハルヒ「今すぐ出かける準備をして!!」

 古泉「……なんでですか?」

 朝比奈「そうですよぅ、買い出しは二人が行ってくれてて……」

 ハルヒ「だからよっ!!」

 古泉「え?」

 朝比奈「どういうことですか?」

462: 2010/03/30(火) 08:15:26.23 ID:ldiPVIq10
 ハルヒ「二人の後をつけるわよっ!!キョンが有希に変なことをしないようにね!!」

 おそらくそれは口述あろう。
 二人のデートを見たいのではないだろうか。
 ということはそのうち僕らも後をつけられるかも……。
 まぁいいか。今こうして二人が一緒にいるのも彼女のおかげだ。
 
 古泉「わかりました、いきましょう」

 朝比奈「そう、ですね……」

 ハルヒ「そうとわかったら今すぐ行くわよっ!!」

 そう言って真っ先に部屋を飛び出していった。
 残された僕らは顔を見合って笑い合った……。

 

463: 2010/03/30(火) 08:17:37.61 ID:ldiPVIq10
 古泉「いいんですかね?」

 朝比奈「そんなこと聞かないでくださいぅ」

 古泉「そうですね」

 朝比奈「これが涼宮さんの目的だったんでしょうか?」

 古泉「わかりません、ただ……」

 朝比奈「ただ……?」

 古泉「今の彼女は僕らの幸せを願ってくれている、ただそれだけですよ」

 朝比奈「そうですね!!」

464: 2010/03/30(火) 08:23:27.71 ID:ldiPVIq10
 ハルヒ「遅い!!置いてかれちゃうわよ!!」

 涼宮さんが息も切らさず戻ってきた。

 古泉「すみません、今すぐ行きます」
 
 朝比奈「大丈夫ですかね?」

 古泉「わかりませんよ、これからのことなんて」

 ハルヒ「よーし!それじゃあSOS団行動開始!!」


 その声が部室中に響き渡った……。


               古朝編FIN

465: 2010/03/30(火) 08:27:13.35 ID:ldiPVIq10
+α

  キョン「そんなんでよかったのか?」

 長門「いい」

 キョン「そんなものいつでも買ってやるのに……」

 ハルヒ「ほんとよ!!あんなしょぼいもの買うなんて!!」

 古泉「いやいや、あれはあれで乙ではないですか?」

 朝比奈「そうですよぅ、いくら安くてもいいんですよ」

 ハルヒ「でも髪留めって……。有希そんなに髪長くないじゃない」

 古泉「彼の趣味もあるのではないですか?」

 ハルヒ「……それもそうかもね」

 朝比奈「あの~涼宮さん」

 ハルヒ「なに?」

467: 2010/03/30(火) 09:05:38.66 ID:ldiPVIq10

 朝比奈「まさか私たちの時も……」

 ハルヒ「心配しないで!!」

 朝比奈「よかったぁ~」

 ハルヒ「ちゃんとあの二人と見守ってあげるから!!」

 朝比奈「ふぇ!?」

 古泉「……でしょうね」

 ハルヒ「あっ!ほらあの二人が動くわよ!あの方向は……図書館かしら?
     二人とも!行くわよ!!」

468: 2010/03/30(火) 09:10:10.85 ID:ldiPVIq10
 朝比奈「いつきくぅ~ん……」

 古泉「……困ったものですね」

 ハルヒ「ほらほら!いくわよ!!」

 朝比奈「わかりましたぁ~」

 古泉「今行きますよ」

 僕たちは彼らの後にゆっくりと付いて行くのであった……。

              +α FIN

497: 2010/03/30(火) 18:49:24.31 ID:ldiPVIq10
 ……残っていて本当にびっくり&うれしいです。
 皆さん保守&感想ありがとう。

 ID:JNJNae6w0さん、保守を長い間ありがとう! 
 ほかにも保守してくださった方ありがとうございました!!

 簡単ではありますがレス返していきたいなと思います。

498: 2010/03/30(火) 19:14:54.11 ID:ldiPVIq10
>>478 今回はみんな幸せっぽくなればいいなと思って書いたんだ。
   ハルヒを悪役にするか迷ったけど今の路線になりました。

>>484 俺も書いててどうなるか分からなかったから不安だったww
   付き合ってくれてありがとうでした!

>>488 ありがとう、こんなに長いの初めてだから大変だったw

>>494 そんなによかったかな?ありがたいです。
   もう少しハルヒと絡めて上げたかったけど、できんかった……。

>>495 今回のハルヒはいいハルヒにしたかったんだ。
   キ長編はある程度構想してたけど古朝編は結構行き当たりばったりでしたw
   というよりあんまりタイトル関係ないなw
   次また書くときも保守等お願いしますw
   あんまり期待はしないでねw

 皆さんレスありがとう!!次作で会えるといいなと思います。
 というよりID以外でどうやってわかるんだろう?と思う今日この頃ですw

500: 2010/03/30(火) 20:02:46.38 ID:ldiPVIq10
>>499 そうなのか……。まぁ詳しいことは分かんないですw

 それではみなさん本当に今までお付き合いくださってありがとうございました。
 今回これを書いたきっかけはまとめに乗ったというのがありますw

 また乗ってたり書きたい!と思ったら次作を書きたいなぁと思ってます。

 本当に三日間ありがとうございました!!

 >>500なら次作はいい作品になる!!

 それではみなさん本当にありがとう!&本当にさようなら!!ノシ

502: 2010/03/30(火) 20:15:42.19 ID:ldiPVIq10
>>501 戻ってきたらまさかの保守wwありがとう!

    保守ってことは続きか新たな作品書いた方がいいのかな?

    あんまり構想ができていないのだが、というより今作も構想始めと終わりだけだったけどw
    どうしようかな?

    

505: 2010/03/30(火) 21:24:36.89 ID:ldiPVIq10
>>503 どっちをかこう?

 新たなストーリーかこのまま引き継ぎでか。

 両方ともたぶん短編になると思う。
 一回1000まで行ってみたいですのでレス多めで頼みたいw

 一応>>505~>>520 までの意見をとりあえず聞けたら嬉しいです。
  

引用: キョン「どうする?」長門「……」