1: 2010/04/16(金) 19:19:10.26 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…ねぇ」

キョン「…なんだ?」

朝倉「お腹空いた」

キョン「…俺もだ」

朝倉「カ口リーメイトとか持ってない?」

キョン「…持ってないな。持っててもお前にはやらん」

朝倉「何で!!」

キョン「急に大声だすなよ」

朝倉「じゃあカ口リーメイト頂戴!!」

キョン「いや…だから持ってないって」

朝倉「…な~んだ。叫んだから無駄にカ口リーを消費してしまったわ」

涼宮ハルヒの憂鬱 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)
2: 2010/04/16(金) 19:20:31.79 ID:4cdy5+4hO

キョン「…なぁ」

朝倉「何よ」

キョン「ソイジョイは有るんだが…半分食べるか?」

朝倉「ソイジョイ?」
キョン「お前カ口リーメイトはわかるのにソイジョイは知らないのか?」

朝倉「…知ってるわよ!!ほら…え~と確か食べ物よね!!」

キョン「…」

朝倉「…ごめんなさい」

キョン「素直でよろしい」


4: 2010/04/16(金) 19:22:02.51 ID:4cdy5+4hO

朝倉「ムシャムシャ」

キョン「ムシャムシャ」

朝倉「ムシャ…ゴフッ!!」

キョン「ムシャムシャ」

朝倉「ゴホッ…。ッゴホ…!!」

キョン「ソイジョイうめえ」

朝倉「少しは人の心配もしなさいよ」


6: 2010/04/16(金) 19:25:20.66 ID:4cdy5+4hO

キョン「…なぁ」

朝倉「何よ?」

キョン「俺たち…生きて帰れるかな」

朝倉「生きて帰れるかな、じゃなくて生きて帰るのよ」

キョン「何でちょっと良いこと言ったみたいな空気出してるんだよ」

朝倉「今のは氏ぬ前に私が一度は言ってみたかったフレーズよ」

キョン「良かったな。お前はこれで氏んでも悔いはなくなったな」

7: 2010/04/16(金) 19:26:32.87 ID:4cdy5+4hO

朝倉「あなたは氏ぬ前に一度は言ってみたいフレーズとかないの?」

キョン「そうだな…。『ここは俺に任せて先に行け!!』とか言ってみたいな」

朝倉「ここは私に任せて先に行って!!」

キョン「何で人のフレーズとるんだよ」

朝倉「何となく」

キョン「何となくで人のフレーズとるなよ」

朝倉「ごめんなさい」

キョン「謝るくらいならとるなよ」

朝倉「そんなに怒らないでよ」

キョン「お前が俺のフレーズとるからだよ。さっきあげたソイジョイ返せよ」

朝倉「貰ったものは返せません」

キョン「ちくしょう」

8: 2010/04/16(金) 19:30:01.91 ID:4cdy5+4hO

朝倉「これ何?」

キョン「それはヤドカリだ」

朝倉「食べられるの?」

キョン「ヤドカリを食べようって発想はどうかと思う」

朝倉「でも私たちが生きるためよ」

キョン「それを言われたら何も言い返せないな」

朝倉「でしょ?」

キョン「でも止めとけ」

朝倉「何で?」

キョン「そいつらだって生きてるんだ」

朝倉「…」

キョン「因みに今のは俺が言ってみたかったフレーズの一つだ」

朝倉「…ブラボー」パチパチ

11: 2010/04/16(金) 19:35:45.47 ID:4cdy5+4hO

朝倉「もしも…」

キョン「ん?」

朝倉「海水がジュースだったら素敵だと思わない?」

キョン「べたべたするぞ」

朝倉「あ~。べたべたするわね」

キョン「海水浴って言葉が辞書から消えると思うぞ」

朝倉「それは困るわね」

キョン「だろ?」

朝倉「えぇ」

キョン「それよりも俺は雲がわたあめであって欲しい」

朝倉「それは…素敵ね」

キョン「だろ?」

朝倉「あなたってロマンチストね」

キョン「まぁな」

14: 2010/04/16(金) 19:38:09.33 ID:4cdy5+4hO

キョン「そろそろ日が暮れてきたな」

朝倉「そうね」

キョン「寝床を探さないとな」

朝倉「そうね」

キョン「う~ん。洞窟とかあればいいんだけど」

朝倉「もしかして一緒に寝るの?」

キョン「そうしないと何かあった時困るだろ」

朝倉「キャ~!!キョン君に襲われる~!!誰か助けて~!!」

キョン「無人島なんだから誰もいないぞ」

朝倉「…はぁ」

キョン「溜め息つくなよ。ほら、探そうぜ」
朝倉「は~い」


19: 2010/04/16(金) 19:42:39.39 ID:4cdy5+4hO

朝倉「キョン君キョン君!!」

キョン「なんだ?」

朝倉「ほらこれみて!!」

キョン「…キノコ?」

朝倉「えぇ!!あそこの方に沢山生えてたの!!」

キョン「朝倉」

朝倉「何よ!?早く食べましょう!!」

キョン「残念だがそれは毒キノコだ。食べられません」

朝倉「…」


20: 2010/04/16(金) 19:44:33.90 ID:4cdy5+4hO

キョン「だからほら、早く置いてきなさい」

朝倉「…」

キョン「朝倉?」

朝倉「…」バクッ

キョン「あっ!?馬鹿!!早く吐き出せ!!」

朝倉「嫌です!!私はお腹が空いたんです!!」もぐもぐ

キョン「お前馬鹿だろ!?早く吐き出せ!!」

朝倉「嫌です!!」

吐き出せ!!

嫌です!!

吐き出せ!!

嫌です!!

……………


22: 2010/04/16(金) 19:48:13.20 ID:4cdy5+4hO

朝倉「うげぇ…」ゲッソリ

キョン「言わんこっちゃない」スリスリ

朝倉「…もっと上」

キョン「はいはい」スリスリ

朝倉「あぁ~、氏ぬかと思った」

キョン「人の忠告を無視するからだ」

朝倉「いけると思ったんだけどな」

キョン「お前が馬鹿なのはわかった」

朝倉「馬鹿って何よこのシスコン!!」

キョン「な、なんだと!?」

朝倉「シスコンで口リコンだなんて…私の半径一メートル以内に入らないでね」

キョン「お前…!!」

キョン(何故こいつがその事を知ってるんだ!?)


23: 2010/04/16(金) 19:50:14.61 ID:4cdy5+4hO

朝倉「何よ。や~い悔しかったら言い返してみなさいよ。まぁ事実だから言い返せないでしょうけど」

キョン「人に助けてもらっておきながらそんな態度とるとは…。覚悟はいいのか?」

朝倉「ふん!!私は別に人に恥じるべき趣味なんてもってませんから大丈夫ですよ~」

キョン「…ハルヒ」ボソッ

朝倉「~!?」

キョン「…ハルヒでオXXー」ボソボソッ

朝倉「あっ…あなた」

キョン「…長門ってよくハルヒの写真撮ってるけどあれって何に使うのかな~」

朝倉「…あなたどこでそれを?」プルプル

キョン「ナニに使うのかな~。朝倉涼子は」

朝倉「っ…。汚いわよ!!」


24: 2010/04/16(金) 19:53:40.10 ID:4cdy5+4hO

キョン「ふふふ~ん♪何のことだか。ほら、どうした。何か言い返さないのか?」

朝倉「くっ…」

朝倉「…あなただって」

キョン「ん?」

朝倉「妹ちゃんの写真で抜いてるくせに!!」

キョン「おまっ…!?」

朝倉「何よ!!事実じゃない!!」

キョン「人として言って良いことと悪いことがあるだろ!!」

朝倉「私宇宙人ですからそんなの関係ありません~」

キョン「うるさいこのド変O!!」

朝倉「妹で抜く人が言っても説得力ありません~」


25: 2010/04/16(金) 19:54:49.65 ID:4cdy5+4hO

キョン「…」

朝倉「負けを認めますか?」

キョン「…奥の手だ。これだけは言いたく無かったんだが…」

朝倉「な、何を言うつもりですか?」

キョン「お前実は長門に嫌われてるぞ」

朝倉「…え?」


28: 2010/04/16(金) 19:59:05.09 ID:4cdy5+4hO

キョン「知らなかったのか?」

朝倉「え、そ、そんな…わけ、だって長門さんは…」

キョン「毎回毎回写真を撮らされる私の身にもなってほしい(声真似)」

朝倉「…」ガーン

キョン(まぁ嘘なんだけどな)

朝倉「そ…そんな、長門さん。何で…」ヨロヨロ

キョン(何とも形容し難い表情だな)


31: 2010/04/16(金) 20:02:56.42 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…グス」

キョン「…え?」

朝倉「長…門さん」ポロポロ

キョン「…」

キョン(やり過ぎた)

朝倉「う…ぅ」

キョン「すまん朝倉嘘だ」

朝倉「エグッ…え…?」

キョン「嘘だ」

朝倉「…じゃ、じゃあ長門さんは私のこと嫌ってなんかいないんですか?」

キョン「あぁ。だから気にするな」


33: 2010/04/16(金) 20:03:52.84 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…」

キョン「機嫌なおしてくれよ」

朝倉「…」プイッ

キョン「はぁ。悪かったって」

朝倉「…」

キョン「ほら、ソイジョイやるから」

朝倉「…」パッ

キョン「怒っててもソイジョイは貰うのか」

朝倉「もぐもぐ」

朝倉「喉が乾きました」

キョン「俺も」

朝倉「命令です。キョン君水を持ってきて下さい」

キョン「断ります」

朝倉「えぇ~。喉が乾いたぁ!!」ゴロゴロ

キョン「…」

35: 2010/04/16(金) 20:06:21.08 ID:4cdy5+4hO

キョン「…仕方ないな。ほら」

朝倉「ミネラルウォーター!?何でこんなのあなた持ってるのよ!?」

キョン「気にするな」

朝倉「気になるわよ」

キョン「まぁあれだ、俺の家水が有り余ってるんだよ」

朝倉「下手な嘘つかないでよ」

キョン「…長門から貰ったんだよ」

朝倉「私の分は?」

キョン「ない」

朝倉「何で!?」

キョン「さぁ?」


36: 2010/04/16(金) 20:08:51.56 ID:4cdy5+4hO

朝倉「それは理不尽ですよ。キョン君の分を私に寄越しなさい」

キョン「何そのジャイアニズム。欲しければ力ずくで奪ってみな」

朝倉「セイッ」ドスッ

キョン「グハッ」ガクッ

朝倉「私に楯突こうなんて百年早いわよ」

キョン「…攻撃に…迷いなさ…す…ぎ」バタン

朝倉「…」ごくごく

朝倉「…ふぅ」


37: 2010/04/16(金) 20:13:31.31 ID:4cdy5+4hO

キョン「はぁ結局砂浜で寝ないといけないのか」

朝倉「仕方ないじゃない。それよりほら、星が綺麗よ」

キョン「あぁ…」

朝倉「…」

キョン「…旨そう」

朝倉「寝ろ」ゴスッ

キョン「ギャッ」バタン

朝倉「峰打ちよ」


38: 2010/04/16(金) 20:16:11.59 ID:4cdy5+4hO

チュンチュン

キョン「ん…痛っ。もう朝か」

朝倉「…zzz」

キョン「夢であって欲しかったんだが…やっぱり夢じゃないんだな。」

朝倉「…ん」

キョン「朝倉、起きろ朝だ」

朝倉「…んん…あと五分」

キョン「仕方ないな」
五分後

朝倉「…後五分」

更に五分後

朝倉「…まだ三分しかたってない」

更に五分後

朝倉「…後少し」


40: 2010/04/16(金) 20:19:42.74 ID:4cdy5+4hO

キョン「…」

朝倉「…zzz」

キョン「何か昨日の事もあるからムカついてきたぞ」

キョン「ほれー頬っぺうにょーん」

朝倉「…う…ん」ゴスッ

キョン「…寝てても攻撃は忘れないのか。お前は立派なソルジャーになれるぞ」

キョン「…」

キョン「あーあんな所にカ口リーメイトがー(棒読み)」

朝倉「えっどこ!?どこですか!?」ガバッ

キョン「おはよう」

朝倉「おはようございます…じゃなくてカ口リーメイトは!?」

キョン「無いよそんなの」

朝倉「…騙しましたね」

キョン「お前が起きないのが悪い」


42: 2010/04/16(金) 20:22:07.35 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…」

キョン「どうした?」

朝倉「何か頬っぺたが痛い」

キョン「あ、あぁ…気のせいじゃないかな」

朝倉「怪しいわね」

キョン「あ、怪しくなんかないぞ!!寝てる朝倉に悪戯しようなんてこれっぽっちも思わなかったしな!!」

朝倉「…」ジー

キョン「…何だよ」

朝倉「何か昨日嘘つかれた事が急に腹立ってきた」

キョン「今さら!?」

朝倉「ム~」

キョン(…こいつ寝起き最悪なんだな)


53: 2010/04/16(金) 20:27:09.29 ID:4cdy5+4hO

朝倉「一メートル」

キョン「は?」

朝倉「私の半径一メートル以内に入らないでって言ったじゃない」

キョン「…てめっ!!」

朝倉「何ですか?嘘つきでシスコンで口リコンのキョン君」

キョン「~ッ!!」

キョン「言ってくれるなこの…」

キョン「この…」

朝倉「何ですか?」

キョン「…」

キョン「うるさい!!ば~か!!」

朝倉「…」ジー

キョン「く…くそっ!!もういい!!ここからは別行動だ!!」

朝倉「それはこっちものぞむところですよ!!」

56: 2010/04/16(金) 20:28:50.96 ID:4cdy5+4hO

キョンside

キョン「ったく!!なんだよあいつは!!」

キョン「こうなったら一人ででも生き延びてやる」

キョン「その為には…まず食料だ」

キョン「ソイジョイも残り少なくなってきたし」

キョン「どうにかして食料を入手しないとな…」

キョン「まずは山の方にでも行ってみるか」

朝倉side

朝倉「眠いなぁ」ゴロゴロ

朝倉「あぁ~」ゴロゴロ

朝倉「…」

朝倉「…zzz」



60: 2010/04/16(金) 20:31:26.31 ID:4cdy5+4hO

キョンside

キョン「おっ、これは食えそうだな」ヒョイ

キョン「意外とあるもんだな」

キョン「ん~。山の幸は結構採ったし次は海の幸が欲しいところだ」

キョン「となると、必要となるのは釣具か。糸は長門から貰ってるからこれを使えば何とかなりそうだな」

キョン「…」もくもく
キョン「…ふぅ。こんな感じか」

キョン「よし、待ってろ海の幸!!」

朝倉side

朝倉「…zzz」

朝倉「…zzz」

朝倉「…フッ」

朝倉「長門さん…それはカ口リーメイトじゃなくてソイジョイですよ…むにゃむにゃ」

朝倉「…zzz」


62: 2010/04/16(金) 20:33:11.36 ID:4cdy5+4hO

キョンside

キョン「…暇だな」

キョン「釣りっていうのは忍耐力が必要って本当だよな」

キョン「あぁ~何でこんなことになったんだろ」

キョン「王様ゲームってこんな遊びだったっけ?」

キョン「大体三人しか居ないのに『一番と二番が無人島で一週間生活する』ってなんだよ。避けようがねえよ」

キョン「…朝倉のやつ本当は長門に嫌われてるんじゃないのか?」

キョン「…朝倉何してんだろ」



65: 2010/04/16(金) 20:35:46.47 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…お腹空いた」

朝倉「…これ食べられるのかしら?」

朝倉「…もう毒キノコを食べる様な思いは勘弁だし」

朝倉「かといってどれが食べられるのかわからないし」

朝倉「…」

朝倉(食べない→お腹空く→氏ぬ)ピコーン


朝倉「ええぃ!!女は度胸!!いってしまえ!!」パクっ


68: 2010/04/16(金) 20:38:25.46 ID:4cdy5+4hO

キョン「…」コソッ

キョン「朝倉の様子を見にきたのはいいけど…。あいつ、どこにいるんだ?」

キョン「…」キョロキョロ

キョン「…ん?」

キョン「…海になにか浮かんでる」

キョン「…」

キョン「あれ…朝倉じゃね?」

キョン「あぁ~やっぱり朝倉だな」

キョン「…」

キョン「…やばい!!早く助けないと!!」


……………



70: 2010/04/16(金) 20:40:52.00 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…ふ…ふふ」

キョン「大丈夫か?」

朝倉「…ふふ…笑いなさい。…笑いなさいよ…」

キョン「はいはい。今度は何があったんだよ?」

朝倉「…知らないわよ。落ちてた物食べた後から記憶がないもの」グー

キョン「お腹空いたからって何でも口に入れるなよ」

朝倉「仕方ないじゃない。これが私の生きざまよ!!」

キョン「…何を言ってるのかよくわからん。ほら、これでも食え」

朝倉「えっ?いいの?」

キョン「あぁ、その代わり全部じゃないぞ」

71: 2010/04/16(金) 20:43:42.94 ID:4cdy5+4hO

朝倉(それはフリなのかしら?)

朝倉「…」ジー

キョン「食わないのか?」

朝倉「バクバク!!」

キョン「お前!!食い過ぎだ!!」

朝倉「ムシャムシャ!!

キョン「あぁ…」

朝倉「ムシャムシャ」
キョン「…」

朝倉「…ゴクン」

キョン「…お前」

朝倉「テヘッ♪全部食べちゃった」

キョン「…」



74: 2010/04/16(金) 20:45:16.31 ID:4cdy5+4hO

朝倉「さっきから謝ってるじゃない…」

キョン「…」ムスッ

朝倉「ちょっとした冗談だったのに…」

キョン「…」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉(…流石に冗談が過ぎたわね。何とか機嫌をとらないと。…そうだ!!)

朝倉「一番朝倉涼子モノマネします!!」

朝倉「キョン君でんわ~(裏声)」

朝倉(どうこの渾身のモノマネ!!妹が大好きなキョン君の事だからこれできっと機嫌はなおるはずよ!!)


77: 2010/04/16(金) 20:47:37.06 ID:4cdy5+4hO

キョン「…」

シ~ン

朝倉(…あれ?何この変な空気…。もしかして私滑った?)

朝倉「…」

朝倉「…な」

朝倉「なんでやねん!!」

朝倉(うわー!!私何言ってるのよ!!絶対今のタイミングで言うセリフではないわよ!!)

キョン「…」ジー

朝倉「…ごめんなさい」

キョン「…もういいさ。その代わり、明日からは二人で一緒に行動するぞ。一人は退屈だからな」

朝倉「…ええ、本当にごめんなさい」


79: 2010/04/16(金) 20:56:02.82 ID:4cdy5+4hO

朝倉「おはよう」

キョン「おはよう。って今日は早いんだな」

朝倉「ちょっと昨日はやり過ぎたから反省したのよ」

キョン「そりゃ良い心掛けだ」

朝倉「ええ。後五日生き残るためにも協力していきましょう」

キョン「あぁ!!」

チャポン

キョン「…」

朝倉「…釣りって退屈ね」

キョン「そう言うなよ」

朝倉「…あなたって将来の夢とかってある?」

キョン「ん~。考えたことないな。お前は?」

朝倉「…特にないわね」

キョン「…お互いつまらない人間だな」


80: 2010/04/16(金) 20:57:49.91 ID:4cdy5+4hO

キョン「仰げば~尊し~」

朝倉「我が師の恩~」

キョン「教えの庭にも~」

朝倉「疾や幾年~」

キョン「思えばいと年~」

朝倉「この年月~」

キョン・朝倉「今こそ別れめ~、いざ~さらば」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉「…夢あったわ」

キョン「…何だ?」

朝倉「高校を卒業することよ」

キョン「…なら生き残らないとな」

朝倉「…えぇ」


82: 2010/04/16(金) 21:01:07.55 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…釣れないわね」

キョン「そうだな」

朝倉「一つ思ったんだけど」

キョン「なんだ?」

朝倉「餌つけてる?」

キョン「…」

朝倉「…え?まさか」

キョン「…違うぞ」

朝倉「何が」

キョン「これは…こういうもんなんだよ」

朝倉「…」

キョン「すまん」

朝倉「…まぁ別に謝らなくてもいいですよ」

84: 2010/04/16(金) 21:02:40.28 ID:4cdy5+4hO

キョン「なぁ」

朝倉「ん?」

キョン「バナナとリンゴって実は親戚だって知ってたか?」

朝倉「え!?どういうこと!?」

キョン「まぁ嘘なんだけどな。そんな食いつくとは思わなくてこっちがびっくりした」

朝倉「何で誰も得しない嘘をつくのよ」

キョン「さっきの汚名を返上しようと思って」

朝倉「それで返上できると考える人は多分世界中であなた一人よ」

キョン「元々特別なオンリーワンだな」

朝倉「…何かカッコいいわね」

キョン「だろ?」

朝倉「悔しいわ」

キョン「ふふん」


85: 2010/04/16(金) 21:06:38.13 ID:4cdy5+4hO

キョン「キリンってな、首が長いだろ」

朝倉「そうね」

キョン「俺のあだ名はキョンだろ?」

朝倉「そうね」

キョン「一文字しか違わないのにこんなに首の長さが違うんだ。生命の神秘ってやつを感じないか?」

朝倉「あなたさっきからおかしくない?」

キョン「う~ん。そうかな?」

朝倉「言ってる事が変よ」

キョン「あれだよ、成長期だからじゃないか?」

朝倉「う~ん。やっぱりおかしいわよ」

キョン「自覚はないんだが…」

朝倉「そっちのほうが危ないわよ」


86: 2010/04/16(金) 21:12:31.19 ID:4cdy5+4hO

キョン「ならあれだ、トマトが赤いからだよ」

朝倉「…あなたもしかしてキノコ食べた?」

キョン「キノコ?キリンなら食べたけどキノコは食べてないな」

朝倉(絶対食べてるわよこれは…。何とかして完全に消化しきる前に胃のなかのものを出させるのよ!!)

朝倉「…」

キョン「トマトが赤いのは照れてるからだけどな。だから間をとってタヌキなんだよ」

朝倉(でもどこを殴れば…。やっぱりここはお腹?でも…)

キョン「ちゃんと聞いているのか?俺は哺乳類だぞ」

朝倉「ちょっ!!今考え事してるんだから静かにしてよ!!」


88: 2010/04/16(金) 21:14:27.70 ID:4cdy5+4hO

キョン「全く…これだから朝倉は」

朝倉「…」イラッ

朝倉「…セイッ」ゴリッ

キョン「むふぉお!!」

朝倉「まだ吐かないか…!!ならもう一発!!デリャ」グニッ

キョン「ぐえっ!!」

もう一発!!

もう一発!!

もう一発!!

ついでにもう一発!!

氏ね!!

……………


91: 2010/04/16(金) 21:17:46.31 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…はぁ…はぁ」

朝倉「途中から我を忘れて色んなところ殴っちゃった」

キョン「…」

朝倉「…」ツンツン

キョン「…」

朝倉「…氏んだ?」

キョン「…」

朝倉「…」

朝倉(これは不味いわよ!!この年で人頃しなんて冗談じゃないわよ!!)

朝倉(こうなったら証拠を隠滅するしか…)

キョン「う…」

朝倉「!!」

キョン「うぅ…身体中が痛い…」

朝倉(起きた!?それはそれで不味いわよ!!何とか言い訳を…)


94: 2010/04/16(金) 21:21:39.11 ID:4cdy5+4hO

朝倉「大丈夫!?あなた急に現れたキリンに首を噛まれて氏にかけてたのよ!!」

キョン「朝倉」

朝倉「な、なに?」

キョン「俺一応さっきの記憶はあるんだよ。これがどういうことかわかるな?」

朝倉「…はい。私がやりました」

キョン「途中から目がマジだったから殺されるかと思ったぞ」

朝倉「つい夢中になってやり過ぎちゃった」

キョン「つい、で殺されたら氏んでも氏にきれない」

朝倉「ごめんなさい」
キョン「うむ」

97: 2010/04/16(金) 21:25:10.22 ID:4cdy5+4hO

キョン「北高第一回!!」

朝倉「暴露大会!!in無人島!!」

キョン「遂に始まりましたね朝倉さん」

朝倉「そうですね。では、今日最初の暴露は『妹は俺の嫁』、キョン君で~す」

キョン「はい。実は俺ミヨキチで抜いた事があります」

朝倉「…まじ?」

キョン「まじ」

朝倉「…ちょっと離れてよ」

キョン「何でだよ。暴露大会しようって言ったのお前じゃん」

朝倉「いや…想像以上だったから」

キョン「ちくしょう。次はお前だ」

朝倉「そうね。私は実は涼宮さんの私物を幾つか持ってるのよ」

キョン「…まじ?」

朝倉「ええ」

105: 2010/04/16(金) 21:33:38.08 ID:4cdy5+4hO

朝倉「ええ」

キョン「…お前…それは無いよ」

朝倉「何で!?あなたよりはましでしょ?!」

キョン「いや…俺は周りに迷惑かけてないけど…お前のは犯罪だし」

朝倉「ぐ…。次よ次!!」

キョン「そうだな…。俺、実は女子更衣室に入り浸ってたんだ」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉「…氏ねばいい」

キョン「…!!」グサッ

朝倉「本気で近寄らないでね」

キョン「…そういうお前は何かないのかよ?」


107: 2010/04/16(金) 21:36:48.74 ID:4cdy5+4hO

朝倉「そんなヤバイのは無いわよ。あるとしたら…そうね、夜中涼宮さんの部屋に忍び込んだことくらいかしら」

キョン「…」

朝倉「…何よ?」

キョン「無いなぁって」

朝倉「あなたよりはまだましじゃない」

キョン「いや…変わらないだろ。五十歩百歩だ」

朝倉「勿論あなたが百歩ね」

キョン「小さい人間だな」

朝倉「うるさいわね」

111: 2010/04/16(金) 21:56:25.52 ID:4cdy5+4hO

キョン「聞いてくれ」

朝倉「ん?」

キョン「俺は妹が好きなんだ」

朝倉「知ってるわよ」

キョン「だけどな…妹は俺の事が嫌いって言うんだよ!!」

朝倉「えっ!?ちょっと!!泣かないでよ!!」

キョン「ちくしょおおぉおお!!」

朝倉「何かあったの?あなたたち仲良さげだったじゃない」

キョン「う…えぐっ。それなんだよ。実はな…」

朝倉「…」ゴクリ

キョン「ミヨキチで抜いてるところを目撃されたんだよ…」

朝倉「…」

キョン「何でだよ…ちくしょう」


115: 2010/04/16(金) 22:03:26.71 ID:4cdy5+4hO

朝倉「それは仕方ないんじゃない?」

キョン「ちくしょう…ちくしょうっ!!」

朝倉「…」

キョン「それからは地獄の日々さ…。一緒にお風呂に入ってくれなくなったのは勿論、目すら合わせてくれなくなっちまった…」

朝倉「…」

キョン「もう俺はあの温もりを感じながらオXXーに興じることが出来ない…」

キョン「出来ないんだよ…っ!!」

朝倉「だから写真を使って…か」

キョン「あぁ」


117: 2010/04/16(金) 22:09:56.95 ID:4cdy5+4hO

朝倉「あのさ」

キョン「ん?」

朝倉「それを私に話してどうするつもりだったのよ」

キョン「俺と妹の溝を埋めるのを手伝って欲しい!!是非!!今すぐ!!」

朝倉「…」

キョン「手伝ってくれ!!」ガバッ

朝倉「そんなこと今言われても…私たち今無人島じゃない…」

キョン「…」

キョン「…そうだったな」

朝倉「この話は保留ね」

キョン「あぁ」

120: 2010/04/16(金) 22:13:52.08 ID:4cdy5+4hO

キョン「…テヤッ!!」シュッ

ピッピッピッ

キョン「あぁ~三回かぁ」

朝倉「ププッ。キョン君下手ね」

キョン「何だと?お前はもっと出来るのかよ?」

朝倉「…はぁ。私も随分甘く見られたもんですね。水切り名人と呼ばれた黄金の右腕をお見せしましょう」

朝倉「はぁあぁあああ!!」

キョン「な、何だこの迫力は!?」

朝倉「でぃりゃあああぁああ!!」シュッ

ギュイーーーン

キョン「な、何て勢いだ!!これならもしかして…」

ドブン!!



121: 2010/04/16(金) 22:16:06.11 ID:4cdy5+4hO

キョン「…」

朝倉「…」

キョン「ゼロ?」

朝倉「…」

キョン「黄金の右腕?」

朝倉「…」

キョン「…ププッ」

朝倉「…」ムカッ

キョン「黄金の右腕だって。今どき小学生でも言わないよな」

朝倉「…」シュッ

ギュイーーーン

キョン「モルスァ!!」メキョ

朝倉「…ふん!!」


123: 2010/04/16(金) 22:18:25.34 ID:4cdy5+4hO

朝倉「ねぇ」

キョン「今度は何だ?」

朝倉「甘い物が食べたい」

キョン「無茶言うなよ」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉「私はプリンね」

キョン「だから無茶言うなよ」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉「じゃあエクレア」

キョン「人の話聞けよ」

朝倉「我が儘ね。私が食べたいって言ってるのよ?」

キョン「殴りたい。これが谷口だったら殴ってた」


124: 2010/04/16(金) 22:19:39.98 ID:4cdy5+4hO

朝倉「そうそう。谷口君と言えばさ…」

キョン「甘い物はどうした」

朝倉「あっ!!危うく話を逸らされるところだったわ」

キョン「…」

朝倉「プリン!!」

朝倉「エクレア!!」

朝倉「シュークリーム!!」

キョン「…」

朝倉「さぁキョン君行くのよ!!」

キョン「…」ベシッ

朝倉「あたっ」


125: 2010/04/16(金) 22:21:31.44 ID:4cdy5+4hO

朝倉「か弱き女の子を叩くなんて…あなた最低よ!!」

キョン「か弱き?」

朝倉「文句?」

キョン「うん」

朝倉「…」ゴスッ

キョン「グエッ」ドサッ

朝倉「蚊がとまってた」

キョン「思いっきり…殴ること…ないだろ…」


………………


127: 2010/04/16(金) 22:24:12.09 ID:4cdy5+4hO

そんなこんなで六日目

朝倉「…あと一日」

キョン「…あぁ、この日を乗りきれば勝ったも同然。だが一つ問題がある」

朝倉「…ここ二日間食べ物を口にしてないってことね」

キョン「That'right.」

朝倉「…あなた少し余裕あるんじゃない?」
キョン「…」プイッ

朝倉「…目を逸らすなんて怪しいわね」

キョン「い、いや余裕なんてこれっぽっちもないぞ!!」


129: 2010/04/16(金) 22:25:53.63 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…」ジー

キョン「あ、朝倉さん?」

朝倉「あなたのポケット少し膨らんでない?」

キョン「!!」ドッキーン

朝倉「ちょっと見せなさいよ!!」

キョン「いや何もないぞ!!これは俺のチOコだ!!」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉「あ…ごめん」

キョン「…いや」

朝倉「なんてね!!」サッ

キョン「あっ!!」

朝倉「…ソイジョイ」

キョン「…大豆ですから」


131: 2010/04/16(金) 22:29:01.14 ID:4cdy5+4hO

朝倉「あなた…隠れてこれ食べてたのね」

キョン「…」

朝倉「このソイジョイは私が全部食べます」

キョン「!?」

キョン「意義あり!!」
朝倉「却下」

キョン「…UFOだ!!」

朝倉「え!?」

キョン「今だ!!」サッ
朝倉「あっ!!ソイジョイが!!」

キョン「フハハハハ!!ソイジョイは俺の物だーーー!!」

朝倉「待てー!!」


132: 2010/04/16(金) 22:30:22.85 ID:4cdy5+4hO

キョン「はぁ…はぁ」

朝倉「ぜぇ…」

キョン「…はぁ…無駄に体力使ったな」

朝倉「え…えぇ」

キョン「…半分こするか」

朝倉「…そうしましょう」

キョン「ほら」

朝倉「ありがと」


133: 2010/04/16(金) 22:32:46.58 ID:4cdy5+4hO

キョン「朝倉の眉毛って太くないか?」

朝倉「!?」

朝倉「人が気にしてる事を指摘するなんて…」

キョン「あ…ごめん」

朝倉「次からは気をつけて下さいね。何気ない一言が人を傷付ける事だってあるんだから」

キョン「…はい」

朝倉「分かればよろしい」

キョン「…太っ」ボソッ

朝倉「…ケンカ売ってるの?」

キョン「何のことだか」


135: 2010/04/16(金) 22:33:37.72 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…」

朝倉「SOS団の中で大した特徴無いくせに」

キョン「何だと!?人が気にしてる事を!!この太眉毛が!!」

朝倉「~!!言ってくれますね!!この…」グー

キョン「…」グー

朝倉「…お腹空きましたね」

キョン「…ああ」


136: 2010/04/16(金) 22:36:39.51 ID:4cdy5+4hO

朝倉「何かおかしいと思わない?」

キョン「何が?」

朝倉「食べ物が無くなってることよ」

キョン「…」

朝倉「まるで私たち以外に何かいるとしか…」

キョン「…おい」

朝倉「何よ?」

キョン「怖いこと言うなよ」

朝倉「…あなたってもしかして怖がり?」

キョン「そそそそそんなことない!!」

朝倉「…」ニヤッ

キョン「な、何だよ?」


137: 2010/04/16(金) 22:38:48.71 ID:4cdy5+4hO

朝倉「お腹空かない?」

キョン「それはもちろん。だが食べ物が無いぞ」

朝倉「そこでよ!!お腹が空いたのを紛らわす為に怖い話でもしましょう!!」

キョン「え!?」

朝倉「怖くないんでしょ?」

キョン「もも、もちろんだ!!」

朝倉「じゃあ決まりね!!」

キョン「…あぁ」

………………


138: 2010/04/16(金) 22:42:31.07 ID:4cdy5+4hO


朝倉「後ろを振り返ると…」

キョン「…」ブルブル

朝倉「そこには血まみれの若い女性が!!」

キョン「うぎゃあぁああああぁああ!!」

朝倉「…」

キョン「…」ピクピク

朝倉「やり過ぎちゃった」

キョン「…グスッ」

朝倉「…泣いてるし」

140: 2010/04/16(金) 22:45:17.34 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…ねぇ」

キョン「…」ビクッ

朝倉「そんなに驚かないでよ」

キョン「後ろから声をかけるな!!漏らしちまうだろ!!」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉「…あっ、後ろ」

キョン「ヒィギャアアア!!助けてぇええぇ!!」

朝倉「ちょ…抱きつかないでよ!!」

キョン「うわぁああぁ!!お母さぁああぁああん先立つ不幸をお許しくださぁああぁあああい!!」

朝倉「耳元でそんなに叫ばないでよ!!」キーン

お母さぁああぁああぁ………ん


141: 2010/04/16(金) 22:48:24.23 ID:4cdy5+4hO

キョン「…ん?」

朝倉「目が覚めたようね」

キョン「今は…朝なのか?」

朝倉「そうよ」

キョン「何か昨日の記憶が曖昧なんだが…何があったか知らないか?」

朝倉「さ、さぁ」

キョン「うぅ…変な感じだ」

朝倉「ま、まぁ良いじゃない。ほら、ラスト一日頑張りましょう!!」

キョン「そうか…今日の深夜0時で一週間になる。つまり帰れるってことか!!」

朝倉「そうよ。それまで後一息よ!!」


146: 2010/04/16(金) 23:08:38.44 ID:4cdy5+4hO

キョン「長かった…長かったよ…」ポロポロ

朝倉「フフッ。泣くのはまだ早いわよ。その涙はもう少しとっておきなさい」

ポツポツ

キョン「…雨?」

朝倉「そうみたいね。…早く雨を凌げる所を探しましょう!!」

ザーザー

キョン「…」

朝倉「…」


148: 2010/04/16(金) 23:11:54.39 ID:4cdy5+4hO

キョン「…朝倉は帰ったらやりたいこととかあるか?」

朝倉「そうね…。まずはカ口リーメイトね。もうソイジョイはいいわ」

キョン「美味しいんだがな…」

朝倉「そういうあなたは?」

キョン「俺か…。俺は妹と風呂かな。そしてその後その感触が無くならない内にオXXーに興じたい」

朝倉「…」ススッ

キョン「引くなよ。軽い冗談だから」

朝倉「あなたが言うと冗談に聞こえないの」

キョン「まぁ半分本当だけどな」

朝倉「半分ってどこよ」

キョン「そうだな。…あぁ~全部本当だった」

朝倉「…」ススッ


152: 2010/04/16(金) 23:14:30.25 ID:4cdy5+4hO

キョン「嘘だよ。何かそんな気分じゃないんだ」

朝倉「そうよね。あなた妹ちゃんから嫌われてるもんね」

ザーザー

キョン「…そういうお前はどうなんだよ。ハルヒでオXXーしないのかよ」

朝倉「…私もそんな気分じゃないわ」

キョン「…そうか」

朝倉「…」

キョン「オXXーってな…」

朝倉「あなた他の話題ないの?」

キョン「…考えてみたらそんなに無いな。基本はオXXーだ」

朝倉「…はぁ」


153: 2010/04/16(金) 23:17:52.23 ID:4cdy5+4hO

キョン「お前も一応俺と大して変わらないぞ。周りから見たら俺たちはオXXーズだ」

朝倉「凄い嫌なんだけど」

キョン「いいじゃん。格好良いじゃん」

朝倉「え~」

ザーザー

朝倉「…」グー

キョン「…」グー

朝倉「そろそろヤバイかもしれない…」

キョン「女の子の日か?因みに俺は昨日が男の子の日だったんだ」
朝倉「色々突っ込み所が満載だけどさ…。今私そんな余裕がないのよ」

キョン「…」


154: 2010/04/16(金) 23:23:33.04 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…何か目が霞むし。ボ~ッとするのよ」

キョン「大丈夫か?」

朝倉「…あぁ、カ口リーメイトが見える」

キョン「朝倉!!俺の股間にはおにんにんしかないぞ!!」

朝倉「…うへへ。チーズ味だよ」

キョン「…これは本格的にまずいな。よくよく考えたらここ最近朝倉が食べたのって少しのソイジョイだけだっけ」

ザーザー

朝倉「チーズ…」

キョン「…山の食べ物はもう全部食っちまったからな」

キョン「…海に行くしかないか」

キョン「…結構雨降ってるけど大丈夫かな」チラッ

朝倉「…」

キョン「行くしかないか」


155: 2010/04/16(金) 23:26:24.08 ID:4cdy5+4hO

ザーザー

キョン「こんなに雨が降ってたら食べ物なんて見つからない気がするんだが…」

キョン「…朝倉が心配だしな」

キョン「何か食べれるもの」

キョン「…ヤドカリか?」

キョン「いや…それは無いだろ」

キョン「う~ん」

キョン「…無いな」

キョン「…」

キョン「…ん?何か遠くに見える」

キョン「浜辺に…あれは…何だ?」

キョン「とにかく行ってみよう!!」


158: 2010/04/16(金) 23:34:56.68 ID:4cdy5+4hO

キョン「…」ヒョイ

黄緑「…」

キョン「何だワカメかと思ったら黄緑さんか。紛らわしいな」ポイッ

キョン「…」テクテク
黄緑「…キョン君」

キョン「後にして下さい。今忙しいんですよ」

黄緑「そう言わずに。困ってるようなので食べ物を持って来ました」

キョン「え!?」

黄緑「長門さんに頼まれたんですよ。涼子の生命活動に支障が出始たからって。だから、はいカ口リーメイト」スッ


160: 2010/04/16(金) 23:41:03.89 ID:4cdy5+4hO

キョン「…ありがとうございます」

キョン(サバイバルって言ってたのに食料を支給したり長門は何がしたいんだ?)

黄緑「じゃあ私は帰りますね」

キョン「あ…っ!?黄緑さん待って!!」

キョン「…行ってしまった」

キョン「…海にワカメが浮いてる様にしか見えない。…もうあんなに小さく」

キョン「…」

キョン「朝倉の所に行くか」


161: 2010/04/16(金) 23:45:55.15 ID:4cdy5+4hO

朝倉「…」

キョン「朝倉、起きろ。食べ物を持ってきてやったぞ」

朝倉「…うー」

キョン「カ口リーメイトのチーズ味だぞ。起きろ」

朝倉「チーズ!?」ガバッ

キョン「ほら」

朝倉「…」ぷるぷる

朝倉「…いただきます!!」

朝倉「ムシャムシャ!!」

キョン「心配しなくても大丈夫だったんじゃないかな、これ」

朝倉「もぐもぐ!!」

朝倉「…ふぅ。やっぱりカ口リーメイトですね」

キョン「何がやっぱりかはわからないけどな」


162: 2010/04/16(金) 23:48:07.58 ID:4cdy5+4hO

朝倉「ところでこれ、どうしたんですか?」

キョン「親切なワカメがくれた」

朝倉「何ですかそれ」

キョン「あんまり深く考えるな」

朝倉「はーい」

朝倉(よくわからないけど、こんなに濡れるまで探してくれたんだ)

朝倉「…ありがと」

キョン「ん?何か言ったか?」

朝倉「いいえ、何も」

165: 2010/04/17(土) 00:13:45.05 ID:RYnzXdjdO

キョン「外はもう真っ暗だな」

朝倉「そうね。詳しい時間はわからないけどもう少しでこの生活も終わりね」

キョン「こんな経験普通の高校生活ではまず出来ないだろうな」

朝倉「そうよね。まずこの状況が普通じゃないものね」

キョン「そういう意味ではラッキーなのかもな」

朝倉「それはどうかしら。私はアンラッキーな気がするんだけど」

キョン「そうかな…」

朝倉「そうよ」

167: 2010/04/17(土) 00:20:52.00 ID:RYnzXdjdO

長門「…」

黄緑「王手飛車取り」パチッ

長門「…待った」

黄緑「長門さんもう五回目ですよ」

長門「今日は肩の調子が悪い。そのせい」

黄緑「肩の調子はあんまり関係ないと思うんですけど」

長門「…」

長門(打開策が見つからない。こうなれば…)

長門「あっ」

黄緑「どうしましたか?」

長門「忘れていた。ポテトチップスを買っていたんだった」

黄緑「はぁ」

長門「取ってくる」スッ


170: 2010/04/17(土) 00:29:02.12 ID:RYnzXdjdO

長門「…」チラッ

長門(…今だ!!)

長門「…うわっ足が滑った」ガチャン

黄緑「あぁ!!駒がぐちゃぐちゃに!!」

長門「す。足が滑ったから仕方ない。この勝負は引き分け」

黄緑(…絶対わざとだ)

黄緑「あっ、そういえば長門さん」

長門「何?」

黄緑「どうして涼子を無人島へ送ったんですか?」

長門「それは彼女の為」

黄緑「と、いいますと?」

長門「彼女の性癖は特殊。このままでは困るだろうと考えた。と言うよりも私が困る」


173: 2010/04/17(土) 00:35:44.82 ID:RYnzXdjdO

喜緑「長門さんが?」

長門「毎日毎日涼宮ハルヒの写真を撮らされる身にもなってほしい」

喜緑「なるほど。では彼はどういった理由で?」

長門「朝倉涼子一人で無人島にとばしてもその問題は解決しない」

喜緑「確かに。帰ってきたらまた毎日写真を撮らされる羽目になるでしょうね」

長門「そう。そこで彼の出番。無人島でサバイバルという危機的状況下に置かれた男女二人。…後は想像にお任せする」


174: 2010/04/17(土) 00:39:14.94 ID:RYnzXdjdO

喜緑「なるほど。つまり朝倉涼子がキョン君と付き合ってしまえば全てが上手くいく…ってことですね」

長門「その通り」

喜緑「でも涼宮さんは?」

長門「知らない。これで世界が滅亡するならそれならそれでもいい」

喜緑「…そんなに写真撮らされて?」

長門「うむ。特に最近は酷い。舐めるようなローアングルでお願いとか当たり前の様に言ってくる」

喜緑「うわぁ」

長門「この前なんかパンツ盗ってきてなんてほざきやがった」

喜緑「うわぁ。長門さんは盗ってきたんですか?」


176: 2010/04/17(土) 00:43:41.09 ID:RYnzXdjdO

長門「まさか。喜緑江美里のパンツをあげた」

喜緑「へぇ…。ってえぇ!?」

長門「朝倉涼子も喜んでた。私も面白かった。何せそのパンツは喜緑江美里のなのだから」

喜緑「長門さん」

長門「何?」

喜緑「テイ」ボクッ

長門「痛っ。今の一撃は私じゃなかったら氏んでいただろう。しかし私は

喜緑「てい」ボクッ

長門「痛っ。ちょ…待って。冗談だからそのバールの様な物は机に置いて」


178: 2010/04/17(土) 00:50:17.28 ID:RYnzXdjdO

喜緑「…」コトッ

長門「馬鹿め」スッ

喜緑「あっ卑怯ですよ!!」

長門「うるさい。くらえ正義の鉄槌」ボクッ
喜緑「痛っ!!強い長門さんの一撃重い!!」

長門「ふふっ。当たり前だ。何故なら私は力加減というものを知らないからね」ゴスッ

喜緑「ちょ…っ!!それ自慢にならないから!!」

長門「とどめ」スッ

喜緑「くっ…喜緑ターックル!!」

長門「グフッ。鳩尾にピンポイントだと?」カランカラン

喜緑「形勢逆転ですね」ヒョイ


179: 2010/04/17(土) 00:53:49.59 ID:RYnzXdjdO

長門「ふふっ」

喜緑「何がおかしいんですか?」

長門「私の右手を見てもそんな口がきけるかな?」

喜緑「右手って…。銃!?」

長門「バール対銃。結果は目に見えてる。今なら許してやらない事もない」

喜緑「…」

長門「早くしないと…この銃が火を吹くぞ」

喜緑「…でりゃああぁああぁああ!!」ダッ

長門「なっ!?」

喜緑「食らえぇええ!!」

長門「クッ」

バキューン

…………………


181: 2010/04/17(土) 00:55:40.00 ID:RYnzXdjdO

キョン「おかしいな…」

朝倉「何が?」

キョン「もう日が暮れて大分経つ。それなのに迎えにくる気配がしない」

朝倉「…確かに」

キョン「もしかして俺たちはこのまま帰れないんじゃないか?」

朝倉「そんなわけないわよ。きっともうすぐ迎えに来るわよ」

キョン「それなら良いんだけどな」

………………


182: 2010/04/17(土) 01:00:42.23 ID:RYnzXdjdO

二日後

朝倉「…水も食料も底を尽きたわね」

キョン「…あぁ」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉「…短い人生だったわ」

キョン「…俺も」

朝倉「フフフ。まさかこんな風にキョン君と二人で最期を向かえるとは思わなかったわ」

キョン「俺だってそうだよ。氏ぬときは妹の腕の中で氏ぬ予定だったのに」

朝倉「最後に何か思い出でも作らない?」

キョン「思い出?」

朝倉「冥土の土産ってやつよ」

キョン「それは良いアイディアだ。だが、それって何をするんだ?」

朝倉「私もこんなやって氏を覚悟するのは初めてですからね。それに関しては謂わば初心者です。二人でアイディアを出していきましょう」

キョン「そうするか」

186: 2010/04/17(土) 01:11:25.90 ID:RYnzXdjdO

キョン「でも思い出作りって言ったってな…」

朝倉「やりたいこととかでいいんじゃない?」

キョン「妹とやりたかった…」

朝倉「…」

キョン「ごめんって。だからそんな目で見ないでくれよ」

朝倉「…他にはないの?」

キョン「…彼女とかつくりたかったな」

朝倉「意外ね。てっきり妹にしか興味ない口リコンかと思ってたわ」

キョン「そうでもないさ。口リコンでもあるだけだし人並みにそういうのには興味あるさ」

朝倉「ふ~ん」

キョン「なんだよその反応」


189: 2010/04/17(土) 01:15:53.39 ID:RYnzXdjdO

朝倉「別に。なんなら私が彼女役やってあげようか?」

キョン「…良いのか?」

朝倉「えぇ。別に構わないわよ。でも何をすればいいの?」

キョン「そうだな…。砂浜で追いかけっことかじゃないのか?」

朝倉「あっ!!それ見たことある!!」

キョン「だろ?せっかく今は砂浜にいるんだしな」

朝倉「私が逃げればいいのよね?」

キョン「そうだ。じゃあ行くぞ!!」

朝倉「えぇ!!」


191: 2010/04/17(土) 01:23:00.83 ID:RYnzXdjdO

朝倉「ほらほら~捕まえてごらんなさい」

キョン「言ったな~。待て~」

朝倉「ウフフ。簡単には捕まらないわよ~」

キョン「待て待て~」

朝倉「はぁ…は…。ほら早く早く~」

キョン「ゼェ…待っ…て~」

朝倉「はぁ…は…あ」

キョン「ゼェ…オェッ」

朝倉「…はぁ…は」

キョン「はぁ…あの…な朝…倉」

朝倉「な、な…に」

キョン「本気で…走るのは…何か違…う」

朝倉「だって…追っかけられ…たら…つ…い」

192: 2010/04/17(土) 01:26:37.50 ID:RYnzXdjdO

キョン「気を取り直して次に行こう」

朝倉「そうね。でも次は何をするの?」

キョン「普通だとショッピングとかなんだが、ここは無人島。そこでだ、ここは一つかくれんぼとかどうだ?」

朝倉「かくれんぼをするカップルっているのかしら?」

キョン「細かいことは気にするな。じゃあ俺から隠れるぞ」

朝倉「あっ!!ずるい!!」

キョン「早い者勝ちだ。ほら、早く百数えろ」

朝倉「くそう」


193: 2010/04/17(土) 01:30:40.24 ID:RYnzXdjdO

朝倉「…」

朝倉「…ってこれ見つかるのかしら。無理な気がするんだけど」

朝倉「…」

朝倉「…あっ幼女だ」

キョン「なんだとぅ!!」

朝倉「見っけ」

キョン「しまった」

朝倉「次は私ね」

キョン「あぁ」


195: 2010/04/17(土) 01:34:54.95 ID:RYnzXdjdO

キョン「…」

キョン「見つかる気しねぇ。何か良いアイディアはないものか」

キョン「…」

キョン「…」

キョン「あ~カ口リーメイトだ!!」

シーン

キョン「…」

キョン「…太眉っ」ボソッ

朝倉「何ですって!!」

キョン「みっけ」

朝倉「しまった」


196: 2010/04/17(土) 01:38:21.30 ID:RYnzXdjdO

キョン「これも何か違うな」

朝倉「そうね」

キョン「う~ん」

朝倉「腕相撲とか?」

キョン「何か違う気がするけど物は試し、やってみるか」

朝倉「レディーゴーコールは私ね」

キョン「ずるいぞ!!」

朝倉「早い者勝ちでしょ?」

キョン「くっ…」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉「レディー…ゴー!!」


198: 2010/04/17(土) 01:39:25.34 ID:RYnzXdjdO

キョン「フンヌ!!」

朝倉「…」

キョン「フォオオォオ!!」

朝倉「…」

キョン「くぬぅあああああ!!」

朝倉「…てい」コロン

キョン「いやん!!」

朝倉「あなた弱すぎよ」

キョン「お前が強いんだよ」

朝倉「でもこれも違うわね」

キョン「そうだな」


199: 2010/04/17(土) 01:44:53.15 ID:RYnzXdjdO

朝倉「ジャンケンポン!!」

朝倉「グ、リ、コ」

朝倉「ジャンケンポン!!」

朝倉「グ、リ、コ」

キョン「じゃ…ン!!」

朝倉「グ、リ、コ」

キョン「じ…!!」

朝倉「パ、イ、ナ、ッ、プ、ル」

キョン「……!!」

朝倉「チ、ョ、コ、レ、エ、ト」

キョン「…!!」

朝倉「ん~。…見えないわよ!!」


203: 2010/04/17(土) 02:04:09.27 ID:RYnzXdjdO

キョン「そうこうしてる内に夜を迎えた訳ですが」

朝倉「カップルらしいことは何一つ出来ず」

キョン「このままでは氏にきれないので」

朝倉「ここで一つ最後の切り札を使うことにします」

キョン「夜の無人島でドキドキ二人きり」

朝倉「こうなったらカップルとしてやることは一つ」

キョン・朝倉「THE・キス!!」

キョン「さぁこい朝倉!!」

朝倉「えっ!?普通逆でしょ!?」

キョン「俺がいくのか!?」

朝倉「勿論よ!!」

キョン「…」


204: 2010/04/17(土) 02:12:48.07 ID:RYnzXdjdO


朝倉「どうしたのよ?」

キョン「…」

朝倉「…急に無口にならないでよ」

キョン「…無理!!」ダッ

朝倉「あっ!?」

朝倉「ちょっと!!どういう意味よそれ!!」ガシッ

キョン「うわっ!!速い!!」

朝倉「何よ!!私じゃ不満ってわけ!?」

キョン「そうじゃない…。そうじゃないんだ」

朝倉「じゃあ何で逃げたのよ?」

キョン「それは…」

朝倉「…」


209: 2010/04/17(土) 02:19:00.47 ID:RYnzXdjdO

キョン「ほらっ、あれだ…もう充分彼女がいる生活っていうのを満喫できたから…」

朝倉「…」

キョン「だから…」

朝倉「…わかりました。それでいいなら私は別に構いませんよ」

キョン「すまんな。我が儘ばっかりで」

朝倉「ほらっ。もう寝ましょう。これ以上起きてたら無駄にエネルギーを使うことになりますし」

キョン「そうだな」

朝倉「それでは、お休みなさい」

キョン「お休み」


210: 2010/04/17(土) 02:25:17.61 ID:RYnzXdjdO

もぞもぞ

キョン「…」

キョン「はぁ。まさか朝倉の事を意識し始めて眠れないなんて」

キョン「あぁ~お腹も空いたし、長門も迎えに来てくれないし、本気で限界が近づいてるし」

キョン「でもこのまま氏んでしまうのは凄い悔いが残る」

キョン「しかし朝倉にこの気持ちを伝えたら何かが変わる気がするし…」

朝倉「呼んだ?」

キョン「でもどうせ氏を迎えるならいっそ告白という鬼畜の所業に挑むのも…」

朝倉「ねぇ」

キョン「なんだよ。今それどころじゃないんだよ」

朝倉「ふーん」


212: 2010/04/17(土) 02:27:28.95 ID:RYnzXdjdO

キョン「ったく…。って朝倉!?」

朝倉「うん」

キョン「どうしたんだよ」

朝倉「あなたこそ砂浜に座って何をぶつぶつ言ってるのよ」

キョン「別に…なんでもいいだろ」

朝倉「何でも良くありません。だって私の名前が出たんだから気になるじゃない」

キョン「…別に」

朝倉(沢尻…)

キョン「…」

朝倉「…」

キョン「…朝倉の好きな男のタイプってどんなだ?」


214: 2010/04/17(土) 02:30:05.19 ID:RYnzXdjdO

朝倉「…そうね。やっぱり積極的な人かな」

キョン「積極的な人か…」

朝倉「急にどうしてそんなこと聞くのよ」

キョン「…朝倉。今から真面目な話があるんだ」

朝倉「…何よ」

キョン「え…とだな。その…なんだ」

朝倉「はっきり言いなさいよ」

キョン「…朝倉!!」

長門「うぃむっしゅ」

キョン「ギャアアアアァアア!!何かでたぁあああああ!!」ジョロジョロ

朝倉「長門さん!?」


217: 2010/04/17(土) 02:34:52.65 ID:RYnzXdjdO

キョン「うわぁあぁああ!!」

長門「?」

朝倉「何でそんなにボロボロなの!?そして何でこんなに遅れたのよ!?」

長門「聞き分けのないワカメを矯正してたら遅れてしまった」

朝倉「?」

長門「そんなことより無事で良かった」

朝倉「…無事とはいえない人が」チラッ

キョン「…」ピクピクッ

長門「後ろから声を掛けただけなのに…ユニーク」

キョン「…お、お母さん」ピクピクッ

朝倉「…」

長門「…」

長門「帰ろう」

朝倉「そうね」

218: 2010/04/17(土) 02:42:26.63 ID:RYnzXdjdO

長門ハウス

朝倉「~♪」

喜緑「そんなにカ口リーメイトばっかり食べてたら体壊しますよ」

朝倉「大丈夫ですよ。だって宇宙人だもん」

朝倉「~♪」

喜緑「今日で帰ってきて一週間たちましたね」

長門「うむ。あれから涼宮のすの字も出してない」

黄緑「じゃあとりあえず作戦は成功ってところですね」

長門「そうなる」

喜緑「しかし…」チラッ

キョン「俺にもくれよ!!」

朝倉「嫌ですよ。これは全部私のです」

喜緑「学校でもこんな感じでじゃれあってたら涼宮さんがどう思うのか…」


221: 2010/04/17(土) 02:59:39.68 ID:RYnzXdjdO

長門「…あなたは」

喜緑「え?」

長門「どう思う?」

喜緑「と言いますと?」

長門「あの二人。…楽しそうだと思わない?」

喜緑「…」

ギャーギャー

喜緑「…楽しそうですね」

長門「人の感情は複雑で難しい。そしてそれを無理にねじ曲げるのは良くない」

喜緑「思いっきりねじ曲げにいってましたけどね」

長門「シャラップ!!とにかく!!私が言いたいのは…」


222: 2010/04/17(土) 03:01:38.44 ID:RYnzXdjdO

喜緑「誰を選ぶかはキョン君次第ってことですね」

長門「そうまさにそれ!!だから私たちがどうこう言える問題じゃない」

喜緑「無人島使うのはどうなんですかね?」
長門「…さっきからうるさい。人の揚げ足をとりにくるなんて。もう一度どちらが上か思い知らせないといけない」

喜緑「ふふっ…。今度は負けませんよ」

長門「先手必勝!!長門スペシャル!!」

喜緑「喜緑バリア!!」
キョン「だから!!チョコレート味が一番だって言ってるだろ!!」

朝倉「いいえ!!チーズよ!!」


ギャーギャー

ワーワー


224: 2010/04/17(土) 03:08:11.26 ID:RYnzXdjdO

カーカー

喜緑「ふふ…。私の負けですね。やっぱり長門さんには敵いません」

長門「いや…あなたは強くなった。私をここまで追い詰めたのはあなたが五人目」

喜緑「長門さん…っ!!」ダキッ

長門「江美里…っ!!」ダキッ

キョン「…チーズも旨いな」

朝倉「チョコレートも…まぁまぁね」

キョン「なぁ朝倉」

朝倉「何?」

キョン「好きだ」

朝倉「…私もよ」


おしまい

228: 2010/04/17(土) 03:13:20.28 ID:RYnzXdjdO

これで終わりです。
たくさんの支援ありがとうございました!!
最後に質問があればどうぞ


248: 2010/04/17(土) 08:20:48.74 ID:RYnzXdjdO

キョン「頼むぞ」

朝倉「わかったわ。…でも何をすれば良いの?」

キョン「そうだな。俺の好感度がアップするような話を妹に出来るだけ多くするっていうのはどうだ?」

朝倉「無難ね」

キョン「だろ?ところで朝倉」

朝倉「何?」

キョン「こいつらは何で居るんだ?」

長門「こいつらとは何だ」

喜緑「そうですよ。失礼ですね」

朝倉「…何でだろう」

キョン「とても戦力になるとは思えないんだが…」


249: 2010/04/17(土) 08:22:59.64 ID:RYnzXdjdO

長門「失礼な。私の指使いにかかれば妹なぞイチコロよ」

喜緑「そうよ。長門さんの指はコンクリートをも貫くのよ」

キョン「人の妹を頃す気か」

長門「必要とあれば」

キョン「必要ねえよ」

朝倉「ねぇ」

キョン「なんだ」

朝倉「あなたの妹さんって確か小学生よね?」

キョン「そうだが…。それがどうかしたのか?」

朝倉「いえ…何かプレゼントでも買って、それをあげたら良い方向に向かうんじゃないかしら?」

キョン「それだ!!流石朝倉、他の二人とは着眼点が違う」

朝倉「まぁ少なくとも殺るって方向に物は考えないわよ」


251: 2010/04/17(土) 08:25:53.90 ID:RYnzXdjdO

キョン「じゃあ何をプレゼントしようか…」

朝倉「カ口リーメイトで良いんじゃない」

長門「ブロッコリー」

喜緑「モロヘイヤ」

キョン「…それは喜ぶのか?出来ればもう少しお洒落な感じの物が良いと思うんだが…」

朝倉「じゃあ…キットカット」

長門「カリフラワー」

喜緑「増えるワカメ」

キョン「う~ん。意見がバラバラで纏まらないな」


252: 2010/04/17(土) 08:29:22.84 ID:RYnzXdjdO

朝倉「キョン君。ここは多数決の原理を用いましょう」

キョン「それだ!!じゃあ今あがった六個の中から多数決で決めるとするか」

長門「賛成」

喜緑「じゃあくじを作りますね」

キョン「待った」

喜緑「はい?」

キョン「お前は俺の話を聞いていたのか?」

喜緑「えぇ」

キョン「じゃあ何故くじを作ろうとしてるんだ?」

喜緑「?」

朝倉「何を言ってるのよキョン君。くじは必要よ」

キョン「え?」

長門「常識」


253: 2010/04/17(土) 08:34:17.54 ID:RYnzXdjdO

喜緑「はい。出来ましたよ」

長門「ご苦労」

キョン(くじの数は全部で24枚。これは…凄く多いです)

朝倉「じゃあみんな一斉にひきましょう」

キョン「あ、あぁ」

キョン(何だ…この場合何が正解なんだ!?)

朝倉「どうしたの?」

キョン「え…?いや…この中から一枚ひけばいいのか?」

朝倉「当たり前じゃない。二枚とるのは卑怯者よ」

キョン(二枚とるのは卑怯なのか…。まぁ成るように成るか)


254: 2010/04/17(土) 08:37:50.60 ID:RYnzXdjdO

朝倉「じゃあせ~ので皆一斉に出しましょう」

せ~の

キョン「ブロッコリー」

長門「ブロッコリー」

朝倉「モロヘイヤ」

喜緑「増えるワカメ」
長門「2対1対1でブロッコリーの勝ち」

キョン(成る程。それぞれの案を人数分書いた紙を用意して、各人が一枚引いて多い方をとるってことか。でもこれって多数決っていうのか?)

キョン(…まぁ深く考えるのは止めよう)

朝倉「じゃあブロッコリーを買ってキョン君の家に行きましょう」

みんな「おぉー!!」



255: 2010/04/17(土) 08:40:00.36 ID:RYnzXdjdO

キョン「…緊張するな」

朝倉「…そうね」

長門「私がインターホンを押す」

喜緑「いいえ、私が押します」

キョン「俺の家だから別に押さないでも良いんだぞ」

長門「じゃあ押しても良いはず」

キョン「…まぁ良いんだがな」

朝倉「…」ピンポーン

長門・喜緑「あっ!!」

キョン「…朝倉」

朝倉「私も…実は押したかったの」

キョン「…はぁ。まぁ良いさ」


256: 2010/04/17(土) 08:41:55.48 ID:RYnzXdjdO

長門「…」ピンポーン

喜緑「あっ!!」

長門「フフン」

喜緑「ズルい!!私も!!」ピンポーン

キョン「おい、あんまり押すなって!!」

朝倉「…」ピンポーン

長門・喜緑「あっまた!!」

ピンポーン

私も!!

ピンポーン

私も!!

……………


257: 2010/04/17(土) 08:44:52.71 ID:RYnzXdjdO

妹「うるさーい!!」ガチャ

みんな「あっ…」

妹「…」

みんな「…」

妹「…」

朝倉(うわ~。キョン君を見た瞬間顔が歪んだ)

長門(ふむ。これは無理じゃないかな)

喜緑(…ちょっと舌打ちしてたな)

キョン(心がポッキリ折れそうだ)


258: 2010/04/17(土) 08:46:31.09 ID:RYnzXdjdO

朝倉「…キョン君プレゼント」こそっ

キョン「あっあぁ。妹よこれをお前にプレゼントしよう」スッ

妹「?」

朝倉(少ししゃべり方が変ね)

長門(ノリで言ったけどブロッコリーは違うと思う)

喜緑(あぁ~妹さんがポカンとしてる)

キョン「どうした?要らないのか?有機栽培で採れた栄養たっぷりのブロッコリーだぞ」

妹「…」プイ

ガチャン

キョン「あっ…」

朝倉「…」

長門「…」

喜緑「…」


261: 2010/04/17(土) 09:02:59.48 ID:RYnzXdjdO

キョン「ブロッコリーは何となく違うと思ってた」

朝倉「実は私も」

喜緑「私も」

長門「ごめん」

キョン「緑色あいつあんまり好きじゃないんだよな…」

朝倉「う~ん。妹さんの好きな色は?」

キョン「あの事件以前はピンクとか明るい感じの色だったんだが…。今は…」

朝倉「何となくわかったわ」

長門「…」チラッ

喜緑「な、何ですか?」

長門「…」チラッ

朝倉「な、何よ」


262: 2010/04/17(土) 09:05:08.70 ID:RYnzXdjdO

長門「…あなたたちの髪の毛の色が原因だったかもしれない」

朝倉・喜緑「え!?」

長門「だって明るい。特に…」チラッ

喜緑「…私ですか」

朝倉「でもそれだったらキョン君が嫌われてるのはおかしくない?」

長門「彼の場合は特別。きっと生理的に受け付けないだけ」

キョン「本人を前に凄いはっきり言うな」


263: 2010/04/17(土) 09:06:32.43 ID:RYnzXdjdO

朝倉「でも長門さんも明るいですよ」

長門「…心は暗いから。足して2で割ればいいくらい」

キョン「ものは試し。やってみてくれ」

朝倉「気は進まないけど…」

喜緑「仕方ありませんね…」

長門「よろしこ」

264: 2010/04/17(土) 09:13:16.15 ID:RYnzXdjdO

朝倉・喜緑「どうですか?」

長門「うん。凄く暗くなった」

キョン「そうだな。これなら夜にばったり会ったら朝倉の顔した幽霊だと勘違いしてしまいそうだ」

朝倉「どういう意味?」

キョン「イメージが大分変わったって意味」

朝倉「もう少しマシな伝えかたってないの?」

キョン「…大学デビュー?」

朝倉「まだ高校生よ」

279: 2010/04/17(土) 14:59:40.56 ID:RYnzXdjdO

朝倉「よし!!じゃあ出発しましょう!!」

喜緑「待って下さい」

朝倉「ん?どうしたの?」

喜緑「髪の毛の色を黒くしただけではまだ足りないかと…」

長門「ナイスワカメ」

キョン「お前頭良いな」

喜緑「エヘヘ」

朝倉「じゃあどうしましょう…」

長門「おはぎにしよう」

みんな「それだ!!」

朝倉「じゃあみんなジャスコに突撃よ!!」

みんな「おー!!」


281: 2010/04/17(土) 15:07:39.12 ID:RYnzXdjdO

朝倉「さぁやってきました」

長門「セカンドトライ」

キョン「おはぎという最終兵器も手に入れたし今度こそ!!」

喜緑「…」ピンポーン

キョン「!?」

キョン「馬鹿!!ここでインターホンを鳴らしたらさっきの二の舞だ!!」

妹「は~い」ガチャ

みんな「!?」

朝倉「長門さん!!」

長門「了解」ドスッ

妹「グフッ!!」ドサッ

キョン「おい!!」

長門「大丈夫。当て身」


283: 2010/04/17(土) 15:14:07.93 ID:RYnzXdjdO

キョン「何だ当て身か。偉いぞ長門」

長門「エヘヘ」

妹「…キョン君、ケンカ売りに…きたの?」

みんな「!?」

キョン「長門!!」

長門「了解」

長門「そいやさ」ゴスッ

妹「痛っ!!」バタン

喜緑「…今のは」

朝倉「…」

長門「…」

キョン「おい」

長門「力加減は苦手。でもこれはあなたにとってチャンスなはず」

キョン「…そうか!!ここで看病してポイントアップだな!?」ピコーン

長門「そう。だから早く部屋に連れていったあげて。私たちはあなたの部屋で待機しておく」

284: 2010/04/17(土) 15:23:30.06 ID:RYnzXdjdO

キョン「行ってくる!!」ダッ

長門「…」

喜緑「…あれ生きてますかね」

朝倉「…大丈夫だとは思う。一応ピクピクしてたし」

長門「力加減は苦手。過ぎたことは仕方がない。私たちは私たちに出来る事があるはず」

朝倉「…まさか!!」

長門「そう。同年代の男の子の部屋でやることは一つしかない」

喜緑「…工口チックな物を探す」

長門「うむ。さぁ行くぞみんな!!」

おー

285: 2010/04/17(土) 15:28:00.64 ID:RYnzXdjdO

ガサゴソ

長門「…」

ガサゴソ

朝倉「…」

ガサゴソ

喜緑「…」

長門「こいつは…手遅れだ」

朝倉「…どこを探しても妹さんの写真がでてきますね」

喜緑「えぇ。でもこれを見てください」

朝倉「…これは」

喜緑「多分まだお二人が仲良かったころの写真ではないかと」

長門「幸せそう」

朝倉「…そうね。視線は妹さんの胸辺りにあるけど…」


287: 2010/04/17(土) 15:35:58.10 ID:RYnzXdjdO

喜緑「?」

朝倉「どうしたの?」

喜緑「いえ…ただ少し気になる事があったもので」

朝倉「何?」

喜緑「北枕だなぁって」

長門「本当だ」

朝倉「直してあげましょう」イソイソ

朝倉「これでよし」

長門「でかしたぞ二人とも」

朝倉・喜緑「エヘヘ」


288: 2010/04/17(土) 15:43:14.04 ID:RYnzXdjdO

長門「見てみて」シュッ

カッ

喜緑「わぁすごい!!」

朝倉「私にも教えて!!」

長門「エヘヘ」テレッ

長門「まずこう持って、後は思いっきり腕を振り抜くだけ」

朝倉「こう?」シュッ

カッ

朝倉「わぁ出来た!!」

喜緑「次は私!!」

長門「仕方ないな。ここをこうして…」

喜緑「こう?」シュッ

長門「そう」

喜緑「やったー!!出来た!!」


291: 2010/04/17(土) 15:49:07.92 ID:RYnzXdjdO

キョン「お~い。お前らに差し入れを持って…て…うわっ!!壁から妹の写真がはえてる!!」

長門「見て」

キョン「ん?妹の写真がどうかしたのか?」

長門「てい」シュッ

カッ

キョン「おぉ!!手裏剣のように壁に刺さった!!って違う!!」

長門「?」

キョン「何で人の部屋の壁に写真で穴をあけまくってるんだ?」

長門「写真が沢山あったから」

朝倉・喜緑「ワー!!キャー!!」

キョン「みんな正座」


292: 2010/04/17(土) 15:56:06.14 ID:RYnzXdjdO

キョン「はい、何か意見のあるやつはいるか?」

長門「はい」

キョン「長門」

長門「最初にやりはじめたのは喜緑江美里」

喜緑「なっ…!?」

キョン「そうなのか?」

喜緑「ち、違いますよ!!だって私、写真を手裏剣のように投げようなんて考えたこと無いですもん!!」

キョン「う~ん、朝倉はどっちが本当の事を話してるかわかるか?」

朝倉「…えぇ」チラッ

長門「…」ジー

喜緑「…」ジー

朝倉「…江美里がやろうって」

喜緑「!?」

長門「…よし」グッ

293: 2010/04/17(土) 16:01:49.10 ID:RYnzXdjdO

キョン「…」ジー

喜緑「…な、何ですか?」

キョン「お前がそんなやつだったなんて」

長門「最低」

喜緑「ちょっ…私じゃない」

キョン「…はぁ」

長門「…」

朝倉「…」

喜緑「うっ…。うわー!!」ダッ

ガチャ バタン

キョン「あっ」

長門「逃げた」

朝倉「…」

キョン「…」


295: 2010/04/17(土) 16:07:58.33 ID:RYnzXdjdO

予定の間を見て投下してたのですが、しばらく抜けられそうもないのでこのスレはここまでにしたいと思います
近い内にまたスレ立てると思いますんでその時はまたよろしくお願いします
沢山の支援ありがとうございました!!



引用: 朝倉「一番」キョン「二番」