1: 2012/03/28(水) 12:14:49.02 ID:cIjEx69U0
タダクニ(最近空気化が進んでる気がする……)

あかり(最近存在感がどんどんなくなってる気がする……)

タダクニ・あかり((主人公なのに……))

タダクニ・あかり「「……はぁ……」」

タダクニ「ん?」

あかり「え?」

10: 2012/03/28(水) 12:20:29.08 ID:cIjEx69U0
タダクニ「……えっと、どうしたの、ため息なんてついて」

あかり「い、いえ。お兄さんこそ……」

タダクニ「いや……」

タダクニ(いや、どこからどう見ても年下の女の子に「自分、最近存在感が薄くなってるんですけど」なんて相談できるわけねーだろ!)

タダクニ「ちょっと考え事をしてて……。君は?」

タダクニ(って、なんで俺はこの娘の悩みを聞こうとしてるの!? 妹より年下っぽい女の子に話しかけてる男子高校生ってなんかやばくない!?)

あかり「……実は最近、影が薄くなっちゃったなぁって……」

タダクニ「え?」

13: 2012/03/28(水) 12:25:27.90 ID:cIjEx69U0
正直ゆるゆり飛び飛びでしか見てなかったから口調間違ってるかもしれない
タダクニのほうの口調間違えてた場合は登場回数が少なかったりタダクニが情緒不安定なせい


あかり「一応、物語の主人公的なポジションにいるはずなのに話が進むにつれてどんどん登場回数が減って……」

あかり「って、お兄さんに相談しても仕方ないですよね……」苦笑

タダクニ「いや、その気持ちはわかる!」

あかり「え……?」

タダクニ「俺も最初の会話シーン、しかも絵がついていないシーンでしか登場できなかった回もあったし、その気持ち、すごくわかる!」

あかり「も、もしかしてお兄さんも!?」

タダクニ「恥ずかしながら……」

16: 2012/03/28(水) 12:28:59.44 ID:cIjEx69U0
タダクニ「せっかくだし、なにか存在感をあげる方法を話し合おう」

あかり「うーん」

タダクニ「俺やあかりちゃんに足りないもの……」

あかり「……友達には「特徴が足りない」って言われました」

タダクニ「俺も普通すぎるって言われたな」

あかり「特徴……確かに主人公には必要なものかもしれませんけど……」

タダクニ「日常アニメの主人公の特徴なんて限られてるからな」

あかり「たとえば……」

タダクニ「たとえば……」

タダクニ・あかり「うーん……」

20: 2012/03/28(水) 12:33:50.38 ID:cIjEx69U0
あかり「そういえば、そちらのアニメで人気な人ってどんな特徴があるんですか?」

タダクニ「そうだな……まず変Oだ」

あかり「他の人でお願いします!」

タダクニ「うーん、顔が怖いけど実はすごくいい人の副生徒会長、馬鹿な生徒会長」

あかり「あかりは顔が怖くないし、あかりの学校にはもう、生徒会長がいるよ……」

タダクニ「いじめられっ子、不良っぽい生徒会役員、常に帽子を被っている万能人間」

あかり「あかりにはどれも無理そうだよ……いじめられっ子はなりたくないし」

タダクニ「この間なんてミツオ君、大事にしてたプラモデルを蹴り飛ばされてたからな」

あかり「かわいそうだよ!」

22: 2012/03/28(水) 12:42:09.80 ID:cIjEx69U0
タダクニ「逆にあかりちゃんの学校にはどんな子がいるの?」

あかり「明るくて優しいけど最近よくふざけてる子や、クール(?)でやっぱり優しくてかっこいい感じの子」

あかり「あとはあかりに無理やりキスをするくらい積極的な子とか」

タダクニ「え!? あかりちゃんの学校って確か……!」

あかり「い、今のはなしだよ! き、聞かなかったことにして!」

タダクニ「う、うん」

タダクニ(女子中学校って本当に禁断の花園だったのか……)

あかり「後は無口な生徒会長さんとか、おかしなギャグを言う副会長さん、ある一定のカップリングが好きな役員さん」

あかり「役員でクラスメイトのお嬢様口調の人や最初に言ったこの雰囲気に少し似てるクラスメイト……こんな感じかな?」

タダクニ「一応聞くけど、一定のカップリングって……男と女だよね」

あかり「……」

タダクニ「なんで黙るの!!?」

24: 2012/03/28(水) 12:48:22.47 ID:cIjEx69U0
タダクニ「とりあえず、女の子がやる分には視聴率アップにつながるかもしれないけど男子高校生同士が同じようなことしたら……」

タダクニ「打ち切られるな、間違いなく」

あかり「やっぱりまねをするって言うのが間違いなのかな……?」

タダクニ「そうだな……」

あかり「お兄さんは明日、この時間暇ですか?」

タダクニ「さっき言ったとおりずっと暇だから大丈夫だけど……」

あかり「もしよろしければ、明日以降もこの時間に作戦会議をしませんか!?」

タダクニ「かまわないけど……」

あかり「じゃあ、そろそろ帰らないといけない時間なので……また明日ここでお待ちしてます!」ぺこり

タダクニ「もうこんな時間か……わかったけど、気をつけて帰ってね」

あかり「はい!」

タダクニ(あかりちゃんか……)

あかり(タダクニさんか……)

25: 2012/03/28(水) 12:52:20.31 ID:cIjEx69U0
翌日

あかり「お兄さん、こんにちわ!」

タダクニ「あれ、もう来てたの?」

あかり「はい、今日は娯楽部がなかったので」

タダクニ(娯楽部?)

あかり「それで、どうします?」

タダクニ「うーん……やっぱり主人公は特別な何かが必要だと思う」

あかり「……」

タダクニ「とりあえず、その何かを見つけるべきかな?」

あかり「たとえば……昔は有名ないじめっ子でアークデーモンと呼ばれていたとか……」

タダクニ「唐沢が体調崩すからやめてあげて!」

29: 2012/03/28(水) 12:55:39.17 ID:cIjEx69U0
あかり「お兄さんは何か意見とかありますか?」

タダクニ「そうだな……少し危険な発想だけど、目立つ方法ならなくはない」

あかり「どんなですか?」

タダクニ「女装をする、あかりちゃんの場合男装をする」

あかり「……」

タダクニ「いや、危ないこと言ってるのは理解してるつもりだからそんなに距離をとらないで!」

あかり「それはやってはいけない禁断の手だよ」

タダクニ(言えない、1話目で既にやったなんて言えない……)

32: 2012/03/28(水) 12:59:03.61 ID:cIjEx69U0
タダクニ「考えててもしょうがないし、少しどこかに遊びにでも行く?」

あかり「そうですね、気分転換をすれば、いい意見が浮かぶかもしれませんし……」

タダクニ「じゃあ、ゲームセンターでも行く?」

あかり「あかり、そういう場所はちょっと……」

タダクニ「そ、そっか、まだ中学生だもんね……」

タダクニ(こういう気遣いが出来ないから彼女ができないんだよ、俺は! いや、男子校だから気遣いが出来てもできないかもしれないけど!)

あかり(気を使わせちゃったかな……。少し悪いことしちゃったかも……)

なんだかんだでカラオケに行きました

35: 2012/03/28(水) 13:03:30.52 ID:cIjEx69U0
タダクニ「昨日よりも遅くなっちゃったね……ごめん」

あかり「いえ、楽しかったんで大丈夫ですよ」

タダクニ「途中まで送っていこうか?」

あかり「……じゃあ、少しお願いしますね」

タダクニ「明日はどうする?」

あかり「うーん……迷惑でなければ明日も会いたいです」

タダクニ(なっ!? ふ、フラグか!? いや、まて、こんなにいい子なんだ。俺のことを考えてくれているだけの可能性のほうが高い)

タダクニ「迷惑ではないけど、あかりちゃんもたまには友達と遊びたいでしょ?」

あかり「……はい、それじゃあ、次に会うのは明後日ということで……」

あかり(あれ、なんであかり、こんなに残念に感じてるんだろう……?)

38: 2012/03/28(水) 13:08:28.95 ID:cIjEx69U0
タダクニ「なぁ、ヒデノリ、ヨシタケ」

ヒデノリ「何?」

ヨシタケ「妹がついに異世界の魔王にでもなったか?」

タダクニ「ならねーよ! 俺の妹をなんだと思ってるんだよ!?」

ヒデノリ「アークデーモン2世」

ヨシタケ「魔王候補生」

タダクニ「それを本人の前で言えよ! そしてつぶされろ!」

ヒデノリ「で、何の話だっけ?」

ヨシタケ「昨日の夕飯のおかずは何?」

タダクニ「ちげーよ! ……まじめに聞くけど、女子中学生で友達はいるけど存在感が薄いいい子ってどう思う?」

ヒデノリ・ヨシタケ「「……は?」」

41: 2012/03/28(水) 13:12:18.37 ID:cIjEx69U0
ヒデノリ「お前、まさか……」

ヨシタケ「……口リに目覚めるとは、ほら、交番はすぐそこだぞ」

タダクニ「目覚めてねーよ! とりあえず、どう思うかだけでも教えろ!」

ヨシタケ「そりゃ……男子高校生からすればお前と同じような存在じゃね?」

タダクニ「いや、意味わかんねーから!」

ヒデノリ「正直、俺はあまり女のこととかわからねーからな」

タダクニ「そうだよな……」

ヒデノリ「それで、なんでそんな話を?」

タダクニ「いや、なんでもない……」

タダクニ(……ほんとに、なんでこんな話をしたんだろう?)

43: 2012/03/28(水) 13:17:17.66 ID:cIjEx69U0
ヒデノリ「まぁ、なんだ。その子を助けたい! とかよくあるアニメとかラノベとかの主人公っぽいことを思ってるのならやめておけ」

タダクニ「……え?」

ヒデノリ「俺らが余計なことしすぎて失敗しちまったらかわいそうだし、それが原因でその子が無理をするようになるのもいやだろ?」

タダクニ「……」

ヒデノリ「第一……」

タダクニ「第一?」

ヒデノリ「それ以前にお前は自分の存在のことを悩めよ!」

タダクニ「悩んでるよ!」

47: 2012/03/28(水) 13:21:06.74 ID:cIjEx69U0
あかり「あ、お兄さん!」

タダクニ「あかりちゃん、もう来てたんだ」

あかり「はい、お待たせすると悪いので……」

タダクニ「……ねぇ、あかりちゃん。もう会うの、やめない?」

あかり「え……?」

タダクニ「今日もあかりちゃん、俺のために速く来てくれてたみたいだけどそれじゃ、皆と絡めなくて逆に出番が減っちゃうと思うし」

あかり「そ、そんなこと……」

タダクニ「なくはないと思う。だから、話し合いはもうやめよう」

あかり「で、でも……」

タダクニ「……ごめんね、待っててくれたのに……それじゃあ……」

あかり「……おに……タダクニさん! まってください!!!」

タダクニ「……え……?」

49: 2012/03/28(水) 13:25:34.57 ID:cIjEx69U0
あかり「……あかりは、タダクニさんと話してる間、すごく楽しかったんです。だから、今日も早く来て、少しでもいっぱい話したいなって……だから……もう、会わないなんていわないでください……」

タダクニ「あかりちゃん……」

あかり「もう、存在感とかそういうのはいいんです! ……そばに、いてください」

タダクニ「……ごめん」

あかり「……っ……」

タダクニ「俺、あかりちゃんのこと考えてるつもりで何も考えてなかった……」

タダクニ「俺もホントはあかりちゃんと一緒にいる時間が楽しかった。でも、あかりちゃんのこと、何もわかってあげられていなかった……」

タダクニ「あかりちゃんがほんとに俺でいいって言うなら……そばに、いてくれる?」

あかり「……はい!」

こうして俺に、恋人が……

目覚まし時計「じりりりりりり!!!!」

タダクニ「ってここまで書いておいて夢落ちかよ!!?」




おわり

51: 2012/03/28(水) 13:26:15.60 ID:cIjEx69U0
なんとなく書いてみた。反省はしていない

55: 2012/03/28(水) 13:27:52.51 ID:1b/gsXRZ0
許す乙

58: 2012/03/28(水) 14:03:29.60 ID:FylO0cFt0
うむ
たいそう乙であった

引用: タダクニ・あかり「「……はぁ……」」