磯風「なんというか『　くっ殺せ！　』感があるな。」


比叡「？」


磯風「あっ、いや、服装から剣と魔法の世界の住人なのではなかろうか。」


比叡「へぇー。」


磯風「凛とした佇まいに溢れる気品。所謂姫騎士といった類であろう。」


磯風「上流階級の者とあれば舌も肥えているはず。」


比叡「それは気合をいれて頑張らないと行けませんね！」


磯風「では、注文を取りにいってくる。」


磯風「さぁ、お客様よ！オーダーを！」


アネモネ「あっ、あの。ここはご飯をいただく所ですか？」


磯風「うむ。」


アネモネ「そっ、それでしたら　安価　↓　2をお願いします。」


磯風「賜ったぞ。」

すっぽんの親子丼

アネモネ「すっぽんの親子丼をお願いします。」


磯風「　！？　」


磯風「了解した。」


厨房


比叡「すっぽんですか。」


磯風「あぁ、我が国において古来より性、いや精がつくとされる食材。」


比叡「異世界にもあるんですね。」


磯風「ふむ。異世界ものではだいたい東の国とか東洋の神秘の国とかだいたい東の方向にある謎の国として出ることが多い。」


比叡「お詳しいんですね。」


磯風「不知火に本を借りた際に色々貸してくれたほんに『　らのべ　』とかいうのがあってそれいら異世界ものはよく読むな。」


比叡「不知火さんは読書家なんですね。何を読まれているんですか？」


磯風「フランス書院？とかいうのだったな。名前からきっとフランス文学なのだろう。」


比叡「ビクトルユーゴとかヘルマンヘッセとかですか。うぅん、不知火さんすごい。」


磯風「しかし、親子丼か。」


比叡「何を持って親子とするかですよね。」

比叡「一般な親子丼といえば鶏肉を溶き卵でとじてふわっと仕上た丼もの料理。」


磯風「しかし、すっぽんの親子丼となると……。」


選択安価


1、いわゆる見立てという奴であればいいのではなかろうか？
　
　つまり、すっぽんを鳥肉の卵でとじてしまえば親子丼と言っても問題ないだろう。


2、すっぽんの卵とそのすっぽんの肉をつかった丼もの。正しく料理するならこれが親子丼だろう。


3、すっぽんの親。つまり『　ガメラ　』の肉とその子、すっぽんの肉を使った丼ものに違いない。


安価　↓　2

1

安価　1


比叡「すっぽんの雌で卵を持っている個体を入手する事が難しいような気がしますね。」


磯風「産卵なら今時期（夏場）だから雌が手に入ればいけるような気もする。」


比叡「とりあえず今回は鶏を使っての場合と同じように鶏の卵でとじることにしましょう！」


磯風「では、すっぽんの調達だな。」


磯風「すっぽんか。」




アネモネ（……、疲れている団長に何が食べたいか聞いた時に言われた料理だったんだけど。）


アネモネ（どんな食べ物か分からなかったんだよね…。）


アネモネ（ヤマブキさんに聞いたらお掃除（意味深）が捗るっていってたけど。）


アネモネ（どんな料理なのかな。）




磯風「スーパー北上に行って来る。あそこなら何でもそろうだろう。」


比叡「あっ、それでしたらポイントカードありますのでこれをどうぞ！」


磯風がちょっと買い物に行くため厨房から出て行った。

室内をもの珍しいそうに見ていたアネモネがふとカラオケセットの前で視線を止める。


アネモネ「あれは、なんですか？」


比叡「あれですか？あれはカラオケセットです！」


アネモネ「カラオケ？」


比叡「はい！こう！歌で魂のシャウト！をする機械なんですよ。」


アネモネ「歌う為の機械なの？私、歌うの好き！あっ、でも…、今は駄目だよ。恥ずかしいから…。」


二人でニコニコと談笑していると買い物を済ませた磯風が帰って来た。


磯風「戻った！」


比叡「あっ！お帰りなさい！では！調理を始めましょう！」


磯風「うむ！」


比叡　磯風「「比叡と！磯風の！異世界！食堂！」」


磯風「スッポンの解体はやったことがないなぁ。」


比叡「あっ、それでしたら私、経験あります！」


比叡「御召艦をしていた時に民間からこられ和食料亭の方から捌き方を教わったことがあるんですよ。」ｴｯﾍﾝ


磯風「御召艦をすると色々な料理人と知り合いになれるのだな。」


比叡「そうですね、陛下が私の甲板でデッキゴルフをされていたのを思い出しますね。」ｼﾐｼﾞﾐ


磯風「陛下はフリーダムだったんだな。」


比叡「山城さんが御召艦の時はプール作って水泳までしたんですよ。」


磯風「うむぅ。実にフリーダム。」


比叡「と、喋っているうちに解体が大分進んできましたね。」


比叡「この内臓をうっかり潰しちゃうと大変な事になってしまいます。」




1回目の判定が入ります！コンマで成功か失敗か決まります。


偶数：成功　胆嚢ですが、これは食べられないので捨てます！生ごみですね！


奇数：失敗　あっ、傷つけちゃった……。


安価　↓　1

な

奇数！残念！コンマ一桁がマイナスされます。


比叡「あっ……。」


磯風「あー……。」


比叡「くっ！殺せ！」


磯風「ぐわぁ！何かにおう！」


比叡「胆嚢を傷つけちゃいましたからね……。」


比叡「膀胱はうまく取りのぞけたんですが。内臓に臭い移っちゃったかなぁ。」


磯風「肉としての可食部分が先に切り分けていた部分だけになってしまったな。」


比叡「お肉が首周りと足の骨まわりだけ……。」


磯風「仕方ない。お客様は女性の方だ、小食であることに期待しよう。」


磯風「ところで、このすっぽんの血だが何かに使うのか？」


比叡「あっ、すっぽんは養殖品みたいですから生き血として飲んでも大丈夫ですよ。」


磯風「お客様に出してみる？」


比叡「そうですね……。」


選択安価　


1、すっぽんの生き血は美容にもいいと聞く。飲んでいただこう。


2、生き血を出して変に勘違いをされ異世界文明と戦争になるのはまずい。やめておこう。


安価　↓　1　

１

選択安価1


磯風「ちょっとお客様に差し上げてくる。」


磯風「さぁ、飲むがいい！」



どん（並々に血が入ったジョッキ）



アネモネ（こっ、この赤い液体は……？香からして何かの生き血のようですが。）


アネモネ（すっぽん料理は東の地の料理と聞きましたが…。血も飲むのですか？）


磯風　ﾆｺｯ


アネモネ　ﾋｨｯ


アネモネ（これは飲むことを拒否するとお前の血をいただくぞという脅しなのでしょうか……。）


アネモネ（覚悟を決めて……。）


アネモネ「いただきます。」


生き血の味の判定


偶数：うっまーい。もう一杯いいですか？　　コンマ一桁プラスボーナス！
　

奇数：うぅ。錆の味が……。　　　　　　　　コンマ一桁マイナス。


※料理の成否判定とは別に成ります。


安価　↓　1

はい

奇数；まずい。


アネモネ　ﾌﾟﾌｩｰｰｰｰ


磯風「あっ、血の霧が。」


比叡「グレートムタみたいですね。」


アネモネ「……、ごっごめんなさい。」


アネモネ「ちょっと、錆みたいなお味が…。」


磯風「生き血は癖があるからな。仕方ない。」


磯風（後で掃除をするとして染みにならないといいがなぁ。）


アネモネ「あっ、私、掃除好き…。」


磯風「お客様に掃除をさせる訳にもいかない。気にすることはないぞ。」

再び調理場


比叡「さてと、すっぽんのお肉ですが。」


磯風「どう調理するのだ？」


比叡「刺身でいただくと少し味に癖があるんですが加熱調理してしまうと鶏肉に味が近いんですよね。」


磯風「同じ爬虫類のワニも鶏肉に似た味がすると漣から聞いたことがある。」


比叡「漣さんなんで味を御存知なんですか？」


磯風「昔に陸軍から輸送作戦の護衛のお礼で貰って食べたとか言っていたな。」


磯風「あきつ丸は蛇の味も鶏に近い味がすると言っていた。」


比叡「皆さんずいぶんサバイバルスキル高そうですね。」


比叡「と、言う訳で鶏肉と基本は同じ形で。」


比叡「じゃ、私は材料を切っていきますのでお出汁お願いしますね。」


ｺﾄｺﾄｺﾄ


磯風「玉葱、すっぽん肉をいれて。」


比叡「いい感じですね。」


磯風「もう少し煮込んだ方がいいかな？」


2回目の成否判定です！


これ以上煮てしまうとお肉が固くなってしまいます。


美味しい食感の為に二人の料理を上手く導いてください！




偶数：成功！　そろそろ一旦火を止めて溶き卵をいれる頃合。


奇数：失敗！　いいやまだだ！肉、玉葱をしっかり煮込むのだ！


安価　↓　1

ほいよ

偶数　成功！　ソロ目は成功回数を掛けますが現在成功は1回の為追加＋8


磯風「火加減は完璧だ。」


ｽｯ


比叡「さすがー。」


比叡「では、続いて卵をかけていきますよ！」


磯風「完全にといてしまわないんだな。」


比叡「このくらいざっくりで充分です。」


比叡「これを2回に分けて……。」


アネモネ「あっ、奥の方からいい香がする……。」


アネモネ「どんな料理なのかな。」




最後の成否判定です。


偶数：成功！　親子丼の肝、ふんわり卵でとじられたとろっとろ美味しいです。


奇数：失敗！　あらら……、卵が固まってしまった……。


安価　↓　1

あ

奇数：失敗！　-5



磯風「くっ殺せ！」


比叡「あっ、結構似合いますね。」


磯風「肝心の卵の火加減を間違えてしまうとは……。」


磯風「くっ、殺せ！」


比叡「あっ、溶き卵が温度が高すぎた所為で全体に広がるより先に固まったちゃったみたいですね。」


磯風「比叡すまない、すべては私の責任だ。」


比叡「三つ葉ともみのりを散らしてしまいましたが……。」


比叡「やはり親子丼っぽくはないですね……。」


磯風「くっ、殺せ！」


比叡「これ以上手を加えると却って美味しくなくなるでしょうし。」


比叡「このままお出しするしかありませんね。」


磯風「くっ、殺せ！」

こうして、卵が中途半端に固まってしまった親子丼（？）はお客様の元へと運ばれていった。


アネモネ「うわぁ。これがすっぽんの親子丼なんですね。」


アネモネ（うまく再現できるかなぁ。）


アネモネ「では、いただきます。」


アネモネが一口食べての評価


安価　↓　1

うん、うん……？
おいしい、かな

おつー

料理、最終評価　合計　68


－（マイナス）、0～50　不味い　これはちょっと口に合わないかな…　

51～80　　　普通　　特に特筆するべき味でもない

81～120　 まぁまぁ　　人を選らぶお味

121～150　　わりと美味　　お値段安ければ常連になりたいレベル

151～170　　美味　　美味しいです。お替りもいいですか？

171～190　　かなり美味　うっまーい、毎日来てもいいですか？

191～200　　昇天　　旨すぎて氏亡レベル
　


普通　特に特筆するべき味でもない


アネモネ「うぅ…うん。こういうお味の料理なのですね…。」


アネモネ「特に味がしない？」


アネモネ「いえ、味がしないという訳ではないのですが……。」


アネモネ「お肉は固い……かな？噛みきれないことはないけど。」


磯風（火を通しすぎた所為で肉が固まってしまったか。）


アネモネ「卵？もしっかり固まってて団長からお話いただいた料理となにか違う。」


磯風「………、すまない！すべてはこの磯風に責任がある！」


磯風「この程度の丼物料理すら失敗してしまうとは。」


磯風「くっ、殺せ！」

アネモネ「えっ！？」


アネモネ「…、そんな…、料理の失敗で大げさな……。」


比叡「最近お客様へお出しする料理を成功して来ていただけに自分自身を信じれなくなってしまったんでしょうか。」ｼｮﾎﾞﾝ


アネモネ「あっ……、そっか、信じてた物が信じれなくなっちゃったのか……。」


アネモネ（私、なんとなく気持ちわかるな。）


アネモネ（私も団長に会えなかったらまだ他の人を信じたりすることに不安を覚えていただろうし……。）


アネモネ（なんとか自信を取り戻させてあげたいな……。）


アネモネ「あの…、私も料理をする事があるんですけど。」


アネモネ「お二人は料理をされる時本当に食べていただきたい方の顔とか考えられたりしませんか？」


比叡「そうですね。言われれば。」


アネモネ「その…、本当に食べてもらいたい…、お二人が信じる方の顔を思い浮かべながら作るといいと思うんだ。」


アネモネ「だから、その……。」


磯風「いや、お客様の言いたいことは分かった。皆まで言ってくれるな。」


磯風「今回は料理として御代をいただく訳には行かない物を提供してしまった。」


比叡「不知火さんではないですが私達の落ち度ですね。」


磯風「詫びにこの捌いたスッポンの内臓等を持って帰ってくれ。」


磯風「保冷バッグに入れて置くから暫くは大丈夫だろう。」ｷﾘｯ


アネモネ（えっ、そんなこんなの貰っても……。）


アネモネ（でも、お断りするのも悪そうだし。）


アネモネ「あっ、ありがとうございます。じゃ、私、帰りますね…。」

比叡「すっぽん、差し上げて大丈夫だったのでしょうか？」


磯風「問題ないのではなかろうか？」


磯風「異世界というと小説等では我々より文化程度が低い世界が描かれがちだが


当たり前の様に我らより文化程度が高い世界だってあるはずだ。」


比叡「確かにそうですね。」


磯風「創作の世界では我らより文化程度が低い、


そうだな中世欧州くらいが一番馴染みがあるから選ばれることが多いが


魔法を使う世界が果たして文化レベルが低い事があるのだろうかと前から疑問だったのだ。」


比叡「十分に発達した科学は魔法と見分けがつかない、だったですかね。」


磯風「あぁ、ＳＦ作家のアーサー・Ｃ・クラークの言葉だな。」


磯風「なればこそ、我らより文化水準の高い魔法の世界の住人なら上手い事料理してくれるはずさ。」


比叡「そうですね！では、次回の為に今日はお掃除して片づけをしてしまいましょう！」


磯風「ところでその箒はどこから？」


比叡「磯風さんが持ってこられていたものではないのですか？」


磯風「いや、違うが…。」


比叡「細かいことを気にするのはやめておきましょう！」


磯風「そうだな！」


こうして二人は厨房の片づけを行い帰っていったのだった。

訪問者アネモネ編、無事（？）終わりました。


異世界の使者を氏者にすることなくでよかったよかった。


では、気をとりなおしまして次の訪問者を安価　↓　2　でいただければと思います。

ガヴリールドロップアウトのサターニャ

比叡磯風「「比叡と！磯風の！異世界食堂！」」第四夜