1: 2012/05/03(木) 09:47:57.06 ID:PzpwdsIc0
―――イカルガ艦内 ルルーシュの部屋

C.C.「……ご主人様?何をなさっているのですか?」

ルルーシュ「ん?ああ、ちょっとな」

C.C.「あのピザ……ひとつだけ残しておきました……」

ルルーシュ「ありがとう」

C.C.「い、いえ……でも……あの……殆ど私が食べてしまったので……その……」

ルルーシュ「……」

C.C.「お、おこらないで……ください……」

ルルーシュ「可愛いが、お前は違うな。間違っているぞ」

C.C.「ご、ごめんなさい」ビクッ

ルルーシュ「俺に必要なのは……そう!!ナナリー、神楽耶様、天子様、アーニャ……この辺りだ」

C.C.「……?」

4: 2012/05/03(木) 09:51:55.71 ID:PzpwdsIc0
ルルーシュ「ナナリーは取り戻せばいいだけ」

ルルーシュ「神楽耶様は俺のことを夫だと言い触らしているため、既成事実が存在している」

ルルーシュ「問題は……」

C.C.「ご主人様?」

ルルーシュ「天子様は星刻の守りが堅すぎる」

ルルーシュ「アーニャはアーニャ自身のガードが固すぎる……気がする」

C.C.「あのぉ」

ルルーシュ「なんだ?」

C.C.「ピザ……どうぞ……」

ルルーシュ「今はいい。食べていいぞ」

C.C.「いいんですか!?」

ルルーシュ「ああ」

10: 2012/05/03(木) 09:57:02.13 ID:PzpwdsIc0
C.C.「で、でも……」

ルルーシュ「いいから」

C.C.「あ、あの……えっと……はむっ」

ルルーシュ「さて……まずはアーニャから手に入れるほうがいいか……?」

C.C.「はむ……はむ……」モグモグ

ルルーシュ「いざとなればギアスがあるが……」

ルルーシュ「しかし、そんな偽りの愛など俺は求めていない」

ルルーシュ「ロロを否定している俺が、それを認めるわけにはいかない!!」

C.C.「ご主人様、ピザ、ありがとうございましたっ」

ルルーシュ「気にするな」

C.C.「あの……私は何をしていればいいでしょうか……?」

ルルーシュ「何もしなくていい」

C.C.「でも、何かお役に……」

ルルーシュ「何もしなくていい。留守番を頼むよ。少し出かけてくる」

12: 2012/05/03(木) 10:01:23.42 ID:PzpwdsIc0
―――イカルガ艦内 ブリッジ

扇「ゼロ」

ゼロ「カレンのことは掴めたか?」

扇「やはりブリタニア軍に捕らえられたとみて間違いないだろうな」

ゼロ「そうか……」

ゼロ(カレンは今、ブリタニアに捕らえられている。つまり、ナイトオブラウンズ……)

ゼロ「そうか!!!」

扇「ど、どうしたんだ?」

ゼロ「ふはははは!!!!そうか!!!」

ゼロ「カレンはブリタニアの捕虜になっている!!好都合だ!!!」

扇「な、何を言っているんだ?!」

ゼロ(アーニャとナナリーを同時に手に入れることができるかもしれないな……!!)

14: 2012/05/03(木) 10:06:05.29 ID:PzpwdsIc0
ゼロ(だが、そう簡単に事は運べない)

ゼロ(なにせカレンとは連絡が―――)

神楽耶「ゼロ様?なにかいいことでもあったのですか?」

ゼロ「いや。他愛も無いことですよ、神楽耶様」

神楽耶「もうそうやって新妻にも秘密にするのですね。でも、そこが素敵なのですけど」

ゼロ(かわいい……)ナデナデ

神楽耶「ゼロ様、これからどうされますか?中華連邦の件はこれでいいとして……」

ゼロ「いや、まだ終わってはいません」

神楽耶「え?どういうことですか?」

ゼロ「神楽耶様、少しお願いがあるのですが」

神楽耶「はいっ!何なりと仰ってくださいまし!!」

ゼロ「では、天子様にところに行っていただきたい」

神楽耶「その程度ならよろこんで」

ゼロ「そして、伝えて欲しいことがあります」

16: 2012/05/03(木) 10:09:57.35 ID:PzpwdsIc0
神楽耶「では、そのように」

ゼロ「神楽耶様の護衛を」

扇「わ、わかった」

ゼロ「さて……天子様強奪計画はこれでいいとして……」

扇「おい、今なんていった?」

ゼロ「なにも」

扇「……」

ゼロ「なんとかしてカレンと連絡を取る方法はないものか……」

扇「それは無理だと思うが」

ゼロ「……」

ゼロ(いや、強引な方法なら一つだけあるな)

ゼロ「ラクシャータ」

ラクシャータ「なに?」

ゼロ「作ってもらいたいものがある」

20: 2012/05/03(木) 10:18:33.05 ID:PzpwdsIc0
―――独房

カレン(はぁ……ルルーシュ……早く助けにきて……)

ナナリー「カレンさん」

カレン「ナナリー。あたしにばかり構ってていいの?」

ナナリー「ご迷惑でしたか?」

カレン「ううん。あたしは嬉しいよ」

ナナリー「よかった」

カレン「で、今日もルルーシュの話、してくれるの?」

ナナリー「えっと……昨日はどこまで話ましたっけ?」

カレン「確か……ナナリーが小学生になったところまでだったかな?」

ナナリー「ああ。そうでした、そうでした。ここからがすごく面白いんですよ」

カレン「まあ、物心ついた時期だしね」

ナナリー「はい。―――あれは忘れもしません。その日も私はお兄様と一緒にお食事をしていました」

ナナリー「で、そのときにお兄様はソーセージを私に食べさせてくれたのです」

カレン「うんうん。それで?」

24: 2012/05/03(木) 10:27:38.66 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「でも、そのソーセージはすこし太くて中々口に入らなかったんです」

カレン「へえ。そうなんだ」

ナナリー「それでいて、なぜがお兄様は噛むなと」

カレン「噛むな?どういうこと?」

ナナリー「そのソーセージは食べるものではなく、舌で舐めて味を楽しむものだと」

カレン「ふーん」

ナナリー「それでですね。言われた通りに私はそのソーセージを丹念に舐めました」

ナナリー「すると、時折ピクッピクッって動くんです。それに少し驚いてしまって」

カレン(動くソーセージ……?そんなものあるんだ)

ナナリー「しばらく舐めていると顎が疲れてしまって……もう食べれませんっていっちゃいました」

カレン「それ美味しかったの?」

ナナリー「んー……そうですね。何故かお兄様の匂いが口の中に広がったので、とても幸せな気分になりました」

ナナリー「そのあとは特製のドレッシングがかけられたサラダを食べたんですけど……ふふ、そのときお兄様が変な声をあげたのが面白くて」

カレン「変な声?」

ナナリー「ドレッシングをかけるときだと思うんですけど、『ぁんっ』とかそんな……ふふ……ご、ごめんなさい。思い出したら、またおかしくなって……ふふ……」

34: 2012/05/03(木) 10:33:59.94 ID:PzpwdsIc0
カレン「蓋でもあかったのかな?」

ナナリー「さぁ……どうなんでしょう?でも、似たようなことは何度もありましたよ?」

カレン「そうなの?」

ナナリー「きっとお兄様の癖なんでしょうね。うふふ」

カレン「あれだよね。そんな日常でもナナリーにとっては大切な思い出なんだ」

ナナリー「毎日が思い出ですから」

カレン「そっか。うん……そうだよね……あたしも……」

ナナリー「そういえばカレンさんもお兄様が……」

カレン「うん。ま、ナナリーほど出来た妹じゃなかったけど」

ナナリー「そんなことありません」

カレン「いいって、お世辞は」

ナナリー「いいえ。カレンさんは立派な妹ですから」

カレン「そ、そう?」

ナナリー「はい」

カレン(年下の子に立派な妹といわれてもね……)

36: 2012/05/03(木) 10:37:54.32 ID:PzpwdsIc0
アーニャ「ナナリー様」

ナナリー「アーニャ?どうしたの?」

アーニャ「そろそろお時間です」

ナナリー「……わかりました。それではカレンさん」

カレン「うん。またね」

アーニャ「……」

カレン「なに?」

アーニャ「すこし、ナナリー様に馴れ馴れしい」

カレン「残念。あたしは一年前まで一緒の学校に通ってたんだ。仲良くて当然なの」

アーニャ「……私も今、同じ学校に通ってる」

カレン「ナナリーはいないけどね」

アーニャ「……」

カレン「……」

アーニャ「べーっだ」

カレン「なっ?!―――べーっ!!!ふんっ!!」

39: 2012/05/03(木) 10:41:40.79 ID:PzpwdsIc0
カレン(それにしてもさっきの話……)

カレン(気になるな……)

カレン(そもそも動くソーセージって一体……?)

カレン(んー……?)

カレン「ちょっと気になるじゃない」

スザク「カレン」

カレン「なによ?」

スザク「アーニャに何かしたのか?」

カレン「は?してないけど?」

スザク「でも、すごく不機嫌なんだ。ゴミ箱を蹴飛ばすアーニャなんて初めて見た」

カレン「しらない!!それよりも早くここから出せ!!」

スザク「それはできない。―――それじゃあ」

カレン「あ!!ちょっと!!気になることがあるんだけど」

スザク「なんだい?」

カレン「あんた、動くソーセージって知ってる?」

40: 2012/05/03(木) 10:49:38.94 ID:PzpwdsIc0
―――中華連邦 朱禁城 会議室

神楽耶「天子様」

天子「かぐやー」テテテッ

神楽耶「度々お邪魔して申し訳ありません」

天子「ううん。そんなこと全然いいの。私は、神楽耶が会いに来てくれるだけで」

神楽耶「そうですか」

天子「それで話って?」

神楽耶「実は……」

天子「はい」

神楽耶「……天子様。星刻のことは愛していらっしゃいますよね?」

天子「え?あ、いや……そんな……わたしは……えっと……」モジモジ

神楽耶「どうなのですか?」

天子「……うん」

神楽耶「はぁ……。なら、安心ですわ」

天子「え?」

42: 2012/05/03(木) 10:55:47.10 ID:PzpwdsIc0
神楽耶「実はゼロ様から天子様に伝えてほしいことがあると」

天子「な、なに?」

神楽耶「どうしてもこれを伝えずして氏ねないとゼロ様が仰って」

天子「うん……」

神楽耶「―――あのとき、貴方のか弱くも可憐な肩を抱いたとき、一目で恋に落ちてしまったと」

天子「え……」

神楽耶「麗しき中華連邦の姫儀を血に染めた手で抱いてしまったこと、本当に申し訳ない」

神楽耶「貴方の身を穢したこと、それが私の最大の失策であった」

神楽耶「そして、貴方が星刻を愛していること、それは誤算だった」

神楽耶「私は貴方のことをいつでも見守っている。貴方が望むのなら海も飲み干してみせましょう」

神楽耶「決して結ばれることはない運命ならば、せめて貴方のために尽力をつくしたい……」

天子「え……あの……それ……」

神楽耶「以上です」

天子「えぇぇぇ!?!?」

45: 2012/05/03(木) 11:02:02.02 ID:PzpwdsIc0
神楽耶「はぁ……私という妻がいても……まぁ、英雄色を好むといいますし」

天子「えっと……それは……あの……ゼロが……?」

神楽耶「はい。天子様のことを愛してしまったようです」

天子「そ、そんなこと……私……困る……」オロオロ

神楽耶「分かっています。貴方は貴方が愛した者の傍に居ればいいのです」

天子「そ、そうなの……?」

神楽耶「ええ」

天子「……でも……あの……」

神楽耶「どうされましたか?」

天子「……わ、わたし……そんな告白されたの……初めてで……」

神楽耶「えっと……星刻とは?」

天子「シ、星刻とは……ただ……忠義の誓いを交わしただけで……だから……その……」モジモジ

神楽耶「え……」

天子「ああ……そんな……でも……私は……うぅ……」

神楽耶(まさか……ゼロ様、天子様好みの告白を……?)

48: 2012/05/03(木) 11:06:41.17 ID:PzpwdsIc0
星刻「天子様、よろしいでしょうか?」

天子「あ、しんくー」

星刻「そろそろ定例会議が……。これはこれは、失礼いたしました、神楽耶様」

神楽耶「いいえ。私のほうこそ突然お邪魔してしまって申し訳ありません」

天子「あ、神楽耶」

神楽耶「はい?」

天子「ゼロに伝えてほしい……」

神楽耶「はい。なんと?」

天子「―――私はあなたに嫁ぐことはできない」

天子「貴方の言うとおり、私とゼロは交わることのない運命だから、と」

星刻「て、天子さま?!それは……!?」

神楽耶「はい。承知しました」

天子「ごめんね。神楽耶」

神楽耶「いえいえ」

星刻「天子様!?!それは?!それはどういうことですか!?ゼロに何をいわれたのですか?!」

50: 2012/05/03(木) 11:12:11.60 ID:PzpwdsIc0
―――イカルガ艦内 ラクシャータの部屋

ラクシャータ「できたよ」

ゼロ「僅か数日で開発できるとはな。流石だ」

ラクシャータ「ただし、一度バレたらもう使えないだろうね」

ゼロ「一度で十分だ。カレンは優秀だからな」

ラクシャータ「随分、買ってるんだね」

ゼロ「当然だ」

ラクシャータ「あはは。まあ、いいけど」

ゼロ(よし……あとは……)

神楽耶「ゼロ様、ただいま戻りました」

ゼロ「おお。神楽耶様。失礼なことをいたしました。神楽耶様に伝令を頼むなど」

神楽耶「気にしないでください。これも妻としてのつ、と、め。ですわ」

ラクシャータ「どうでもいいけど、神楽耶様とゼロって子作りしてるのぉ?」

ゼロ「それは……まだ、先の話だな」

神楽耶「ま、ゼロ様ったら。―――天子様からの伝言を預かってきました」

51: 2012/05/03(木) 11:22:37.46 ID:PzpwdsIc0
―――ルルーシュの部屋

ルルーシュ「ふふ……天子様……確かに貴方の想い……受け取った」

C.C.「ご主人様……?」

ルルーシュ「―――私はあなたに嫁ぐことはできない、か。ふははは……」

ルルーシュ「貴方は朱禁城から殆ど外に出たことがない……。そして絶望的なほど男性に免疫がない」

ルルーシュ「貴方はずっと腫れ物のように扱われてきた。その中で星刻という存在は眩しく見えたのでしょうね」

C.C.「もしもーし」プニプニ

ルルーシュ「そして貴方は恋をしたと……勘違いしている」

ルルーシュ「星刻が天子様にとっての恋愛感を形成した。天子様は星刻を中心にして周り回っているだけに過ぎない」

ルルーシュ「その中に星刻と良く似た思考を持ちながら、全く別の存在が乱入してくれば……貴方は気にせずにはいられない」

C.C.「ご主人様……無視しないでください……」

ルルーシュ「天子様……俺はね、プロポーズなどしていない。愛していたけど諦めたという趣旨の言葉を並べただけ」

ルルーシュ「それを貴方は容易く結婚に結びつけた……」

ルルーシュ「第一条件はクリアしたも同然です……天子様……フハハハハハ!!!!!!」

C.C.「ひっ」ビクッ

55: 2012/05/03(木) 11:27:46.68 ID:PzpwdsIc0
―――独房

ナナリー「それですね、いつもどんな水着なのかお兄様は教えてくれないんですよ?」

カレン「それ、最低だね」

ナナリー「でも、お兄様なりの気遣いだったのかもしれません」

カレン「そうかな?」

ナナリー「そうですよ、きっと」

カレン「だといいけど」

ナナリー「どうかしたのですか?」

カレン「ねえ、ナナリー。この前、話してくれた動くソーセージの話なんだけど」

ナナリー「なんでしょうか?」

カレン「それ……もっと詳しく教えてくれない?」

ナナリー「どうしてですか?」

カレン「いいから」

ナナリー「は、はい」

カレン(もし……スザクの考えが正しいなら……これは……)

58: 2012/05/03(木) 11:33:31.51 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「えっと……噛むものではないことと……それからお兄様の匂いがしたことですね」

カレン「弾力は?」

ナナリー「普通のソーセージより……んー……少し柔らかかったかも」

カレン「他に何か感じなかった?」

ナナリー「なにかって?」

カレン「なんでもいいの。えっと、何かねばっこい……ものとか……」

ナナリー「私の唾液がすごく出ていたので、それはよくわかりませんでした」

カレン「そう……。えっと、毎回舐めてただけなの?」

ナナリー「そうですよ?こう……舌でペロペロって」

カレン「……」

ナナリー「カレンさん?」

カレン「そのあとのサラダにかかるドレッシングはどんな味だった?」

ナナリー「えーと……味……味……なんて表現したらいいか……」

カレン「海鮮系だったんじゃない?」

ナナリー「ああ。そうかも。はい、思い返してみればそうだった気がします」

60: 2012/05/03(木) 11:40:49.90 ID:PzpwdsIc0
カレン(ルルーシュ……あんた……)

ナナリー「それがなにか?」

カレン「聞いてナナリー。それは……」

ナナリー「はい?」

カレン(待って……ルルーシュがそんなことする?)

カレン(良く考えて……。ルルーシュがナナリーに悪戯をするなんて……)

ナナリー「あの……」

カレン「ナナリー。ルルーシュによく何かされてた?」

ナナリー「何かって?」

カレン「例えば……そう!!お風呂を一緒に入ったり」

ナナリー「私は体が不自由なので咲世子さんが留守のときはよく」

カレン「そっか……。じゃあ、トイレは!?」

ナナリー「そ、それぐらいは自分でできます……」

カレン「着替えを覗かれたりは!?」

ナナリー「このような体なので、お兄様に着せてもらうことはよくありますけど……」

62: 2012/05/03(木) 11:47:53.84 ID:PzpwdsIc0
カレン(くそ……面倒見のいいお兄ちゃんなのか、変Oなのかいまいち掴めない……!!)

ナナリー「あの……カレンさん、何を知りたいのですか?」

カレン「なんか体を舐められたこととかない?!」

ナナリー「へ?!」

カレン「胸をもまれたとか?!」

ナナリー「あ、ありません!!お兄様はそんなことをする人じゃないです!!」

カレン「ほんとに?」

ナナリー「勿論です!いくらカレンさんでもそんなことをいうと、私、怒りますっ」

カレン「ごめんごめん」

カレン(じゃあルルーシュは食事のときにしか悪戯をしなかったってこと……?)

カレン(いつでもナナリーを襲えるチャンスがあったのに……?)

ナナリー「……でも……」

カレン「え?」

ナナリー「これは一年前なんですけ……着替えているとき、誰かの視線をよく感じていました。咲世子さんに手伝ってもらっていたときなんですけど」

カレン「他にはなにかあった?」

63: 2012/05/03(木) 11:54:35.38 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「お手洗いに入ったときとか……」

カレン「はぁ?!」

ナナリー「すごく怖かったので……誰にも相談はできなかったのですけど」

カレン「それ毎回?!」

ナナリー「いえ。お手洗いは稀にあった程度です」

カレン「……」

カレン(ルルーシュ……)

ナナリー「着替えのときの視線は誰のものだったのか……」

カレン「そっちは頻繁にあったの?」

ナナリー「昼間から夕方に集中していました。あとそうですね一週間に4日ぐらいの割合で」

カレン「そう……。その視線……誰か分からないの?」

ナナリー「そ、それは……」

カレン「ナナリー……誰が犯人かわかってるんじゃないの?」

ナナリー「……」

カレン(ルルーシュ……頃す……!!)

66: 2012/05/03(木) 11:59:18.75 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「あの……でも……きっと何かの間違いだって……」

カレン「ナナリー!!妹は玩具じゃないんだ!!怒っていいよ!!」

ナナリー「え?でも……何か事情があったんじゃないかって……」

カレン「事情もジョージもないよ!!そんなこと!!!」

ナナリー「……」

カレン「あたしは……許さない……そんな卑劣な奴を……!!!」

ナナリー「カレンさん……」

カレン(なんとかしてルルーシュと連絡を取りたい……)

カレン(一発ぶん殴らないと……気が治まらない……!!!)

ナナリー「カレンさん……あの……」

カレン「ナナリー!あたしが怒ってやるから!!」

ナナリー「そ、そうですか……」

カレン「ルルーシュ……妹を性の道具にしやがって……!!」

70: 2012/05/03(木) 12:05:14.22 ID:PzpwdsIc0
―――アッシュフォード学園 地下司令室

ルルーシュ「ロロ、頼みたいことがある」

ロロ「なに?」

ルルーシュ「これをカレンに渡してきてほしい」

ロロ「救出じゃなくて?」

ルルーシュ「ああ。まだその時期ではない。機体も奪われている以上、カレンだけを救出してもな」

ルルーシュ「なにより、侵入するだけで精一杯だろうし」

ロロ「わかったよ」

ルルーシュ「頼む」

ルルーシュ(よし、あの特殊な通信装置さえカレンに渡れば……)

ルルーシュ(ナナリー……アーニャ……)

ルルーシュ「ん?あれは……」

ルルーシュ「よし……」

71: 2012/05/03(木) 12:07:22.33 ID:PzpwdsIc0
―――中庭

アーニャ「記録……」ピッ

ルルーシュ「アーニャ」

アーニャ「ルルーシュ」

ルルーシュ「写真か?」

アーニャ「そう」

ルルーシュ「よかったら、お昼でも一緒にどうだ?」

アーニャ「いいよ」

ルルーシュ「そうか」

アーニャ「どこいくの?」

ルルーシュ「どこがいい?」

アーニャ「どこでも。ルルーシュとなら」

ルルーシュ「そうか」

アーニャ「……」

76: 2012/05/03(木) 12:17:38.07 ID:PzpwdsIc0
―――レストラン

ルルーシュ「アーニャ、軍はどんな感じなんだ?」

アーニャ「特に」

ルルーシュ「つまらないか?」

アーニャ「別に」

ルルーシュ「楽しくもないか?」

アーニャ「今は楽しい」

ルルーシュ「そうか……」

アーニャ「……」モグモグ

ルルーシュ(やはり会話が弾まない……!!)

ルルーシュ(ついてきたからもしやとは思ったが……奢りに釣られただけか……!!)

ルルーシュ「お、美味しいか?」

アーニャ「うん」

ルルーシュ(やはりガードが固いな……アーニャは……)

アーニャ「……ルルーシュは楽しい?」

80: 2012/05/03(木) 12:23:29.78 ID:PzpwdsIc0
ルルーシュ「え?……まあ、充実はしているかな」

アーニャ「そう」

ルルーシュ「……」

アーニャ「……」

ルルーシュ(くそ……何を話せば……!!スザクのことを訊くか……?いいや、それとも……)

アーニャ「ねえ、ルルーシュ」

ルルーシュ「ど、どうした?」

アーニャ「やっぱり、この写真、ルルーシュに似てる」

ルルーシュ「それは……!!」

ルルーシュ(昔の俺……!!)

アーニャ「最近、この写真を眺めているときが多いの」

ルルーシュ「え?どうして?」

アーニャ「それは……」

ルルーシュ(まさか……俺の正体に気がついているのか……?!)

アーニャ「ルルーシュ、今日の記録、いい?」

81: 2012/05/03(木) 12:26:13.79 ID:PzpwdsIc0
ルルーシュ「ああ。写真か」

アーニャ「……」キョロキョロ

ルルーシュ「どうした?」

アーニャ「あの」

店員「はい?」

アーニャ「写真、おねがい」

店員「ああ、いいですよ。並んでください」

ルルーシュ「なるほど」

アーニャ「ルルーシュ、もっとくっついて」

ルルーシュ「はいはい」

アーニャ「……」ギュッ

店員「はい、チーズ」カシャ

アーニャ「ありがとう」

ルルーシュ「じゃあ、ここは払っておくから」

アーニャ「いい。割り勘で」

85: 2012/05/03(木) 12:29:47.98 ID:PzpwdsIc0
ルルーシュ「誘ったのは俺だから」

アーニャ「割り勘」

ルルーシュ「……わかった。今度はアーニャからご飯に誘ってくれ」

アーニャ「え?」

ルルーシュ「そのときはアーニャの支払いってことでいいだろ?」

アーニャ「ホントにいいの?」

ルルーシュ「ああ」

アーニャ「ルルーシュ……」

ルルーシュ「入り口のところで待っていてくれ。―――すいません。お会計を」

店員「かしこまりました」

アーニャ「……ありがとう」

ルルーシュ(ちっ……やはりアーニャを篭絡させるのは手間が掛かりそうだな)

ルルーシュ(時間をかけていくしかない)

ルルーシュ(となれば……当面は天子様に的を絞ったほうがいいか……)

92: 2012/05/03(木) 12:35:43.95 ID:PzpwdsIc0
アーニャ「……」ソワソワ

ルルーシュ「待たせたな」

アーニャ「待ってない」

ルルーシュ「よし、学園に戻ろうか」

アーニャ「……うん」

ルルーシュ(アーニャはそもそも恋愛に関心があったりするのか……?)

ルルーシュ「な、なあ、ひとつ訊いてもいいか?」

アーニャ「なに?」

ルルーシュ「好きな人っているのか?」

アーニャ「え?」

ルルーシュ「ほら……えっと……気になる異性とか……」

アーニャ「それは……」

ルルーシュ「いるのか?」

アーニャ「ルルーシュ、嫌い」タタタッ

ルルーシュ「なっ!?―――ちぃ!!やはり、アーニャにこの手の話題は難しいか。対策を練るしかないな」

95: 2012/05/03(木) 12:41:10.93 ID:PzpwdsIc0
―――独房

カレン「あー!!もう!!ナナリーが酷い目にあっていたなんて!!」

カレン「ルルーシュめ……!!」

スザク「カレン、荒れているね」

カレン「スザク……。おかげさまでね」

スザク「ルルーシュを見限ったか?」

カレン「それはまだ。確かにあんたの言ったとおりだったよ。ルルーシュは屑だ」

スザク「ならもう降伏するんだ。今なら君を―――」

カレン「紅蓮に乗せて黒の騎士団と戦って氏ねってこと?」

スザク「ああ」

カレン「言ってくれるね」

スザク「ルルーシュは妹に手を出す最低な男だ。そんな男が人の上に立っている。君は許せるのか?」

カレン「それは……」

スザク「僕なら即座にクーデターを起こし、その事実を公表する」

カレン「……」

97: 2012/05/03(木) 12:48:50.22 ID:PzpwdsIc0
スザク「今すぐルルーシュの下から離れることを薦める」

カレン「お生憎様。あたしはゼロについていく、シスコン犯罪者のルルーシュは知らない」

スザク「そう自分に言い聞かせてもルルーシュはゼロだ」

カレン「……!!」

スザク「そして……ゼロは妹に手を出した最低最悪の男」

カレン「それは……」

スザク「君も妹だったのだから、その気持ち悪さが分かるはずだ」

カレン「ぐっ……」

スザク「さあ。僕たちに協力してくれ。協力するなら極刑は免れるかもしれない」

カレン「そんな嘘に……!!」

スザク「……」

カレン「うぅ……」

カレン(確かに……もうあたしの中でルルーシュは……完全に……)

スザク「良く考えることだ」

カレン「……スザク……」

103: 2012/05/03(木) 13:00:20.58 ID:PzpwdsIc0
カレン「え?」

ロロ「……」

カレン「だ、れ……?」

ロロ「これを」

カレン「え?」

カレン「―――いない?」

カレン「……なに……これ……?」ピッ

ルルーシュ『カレンか』

カレン「ルル―――」

ルルーシュ『静かにしろ』

カレン「ど、どうして……?ここは一切の通信ができないはず」

ルルーシュ『ラクシャータの新開発だ。ただし、すぐに使えなくなるだろう』

カレン「そ、そうなんだ」

ルルーシュ『これからやってほしいことを指示する』

カレン「ま、まってよ!!訊きたい事があるんだ!!」

107: 2012/05/03(木) 13:03:43.07 ID:PzpwdsIc0
>>102
それはすごい

109: 2012/05/03(木) 13:07:22.85 ID:PzpwdsIc0
―――イカルガ艦内 ルルーシュの部屋

ルルーシュ「なんだと?」

カレン『あのさ……』

C.C.「ご主人様?あの……お風呂の用意ができました」

ルルーシュ「ああ」

カレン『ちょっと今のC.C.?!どういうこと?!』

ルルーシュ「落ち着け」

カレン『な、なにしてるのよ!こんな非常時に!!』

ルルーシュ「話せば長くなる」

カレン『こっちは何もできないっていうのに……!!!』

C.C.「ご主人様?あの……」

ルルーシュ「だまっていろ!!!」

C.C.「ひゃ……ご、ごめんなさい……ぶたないで……おねがいします……」ガタガタ

カレン『ねえ……あんたってサディストなわけ?支配欲が強いの?どっち?』

ルルーシュ「なんの話だ!!」

111: 2012/05/03(木) 13:14:37.66 ID:PzpwdsIc0
カレン『だって、あのC.C.にご主人様とか……』

ルルーシュ「わけがあるんだよ!!わけが!!」

カレン『ごめんだけど、今の私はあなたの言葉を信じることができないの』

ルルーシュ「どういうことだ?」

カレン『スザクから聞いたよ。ナナリーに色々な悪戯をしてたんだってね』

ルルーシュ「なに……?」

カレン『実の妹になにしゃぶらせてるんだ!!あんたはぁぁぁ!!!!!』

C.C.「何をですか?」

ルルーシュ「まて話が見えない。スザクはなんといったんだ?」

カレン『ナナリーがあんたとの思い出を嬉しそうに語ってくれたんだ。そのとき……動くソーセージの話をした』

ルルーシュ「な……?!」

C.C.「うごく……そーせーじ?ご主人様、それなんですか?どこにあるんですか?」モゾモゾ

ルルーシュ「やめろ!!!そこにはない!!」

C.C.「ひぐっ……ごめんなさい!!ごめんなさい!!勝手なことをして!!おねがいします、すてないで!!」ガタガタ

カレン『……さいてーね、あんたって』

118: 2012/05/03(木) 13:21:51.86 ID:PzpwdsIc0
ルルーシュ「まて、カレン。お前は誤解している」

カレン『誤解?はっ。どんな誤解なんですか?ゼロ?』

ルルーシュ「いいか?動くソーセージは玩具のことだ」

カレン『玩具?』

ルルーシュ「ナナリーは物を咥える癖が中々直らなかったんだ」

カレン『それで?』

ルルーシュ「それで物を咥えそうになったとき、その玩具をよく咥えさせていた」

カレン『食事中も?』

ルルーシュ「食事中だからこそだ」

カレン『どういうことよ?』

ルルーシュ「ナナリーは目が見えない。食べ物とそうでないものの味を分からせるためにしていた」

カレン『……本当なの?』

ルルーシュ「ああ。そういえば、その話はナナリーにしていなかったな。ソーセージだと思い込んでいたのかもしれない。小さかったしな」

カレン『じゃあ、それ上手く言ってないじゃん』

ルルーシュ「ああ。ナナリーの癖は自然と直ったからな」

123: 2012/05/03(木) 13:28:12.37 ID:PzpwdsIc0
カレン『玩具ね……。じゃあ、もう一つ。海鮮系のドレッシングはどういうこと?』

ルルーシュ「は?」

カレン『だから―――』

C.C.「ご主人様……あの……もう怒ってないですか?」

ルルーシュ「もう怒ってない」

C.C.「じゃあ……あの……近くにいても……いいですか?」

ルルーシュ「ああ。こい」

C.C.「……♪」テテテッ

カレン『なにしてんの?』

ルルーシュ「話を続けよう」

カレン『誤魔化さないで!!!今、C.C.はどこにいるの?!ええ?!』

ルルーシュ「どこって……」

C.C.「ご主人様……」スリスリ

ルルーシュ「股間に……」

カレン『ゼロ。私はもう紅月カレンを捨てて、カレン・シュタットフェルトとして生きていこうかと思います』

131: 2012/05/03(木) 13:36:38.95 ID:PzpwdsIc0
ルルーシュ「まて!!今のは語弊があった!!!ただ、膝枕をしているだけだ!!」

C.C.「ひっ……ご主人様……ごめんなさい……怒鳴らないで……」ガタガタ

カレン『……で、海鮮系のドレッシングは?』

ルルーシュ「それはなんだ?」

カレン『ソーセージを咥えさせたあと、ドレッシングをよくかけてたんでしょ?サラダに』

ルルーシュ「サラダは普通に並ぶだろ?」

カレン『そりゃ並ぶよ。問題はドレッシング!!』

ルルーシュ「ドレッシング、使わないのか?」

カレン『使うよ!!中身はどうだったの!?』

ルルーシュ「カレン、何がいいたい?時間がないんだ。はっきり言ってくれ」

カレン『あんたはナナリーにソーセージを咥えさせたあと、その……変なものをサラダにぶっかけてたんじゃないの?!』

ルルーシュ「変なもの……?」

C.C.「ご主人様……?ここかたいですね……」スリスリ

ルルーシュ「ああ。そこはな」

カレン『……もういい……なんで……C.C.ばっかり……』

135: 2012/05/03(木) 13:43:41.94 ID:PzpwdsIc0
―――独房

ルルーシュ『カレン。まて、今のは―――』

カレン「もういいです。あたしは……」

ルルーシュ『まずい!!もう通信が切れる!!カレン!!頼みごとがあるんだ!!!』

カレン「……」

ルルーシュ『いいか!!ナナリーとアーニャーに伝えてほしいことがある!!』

カレン「……なんですか?」

ルルーシュ『それは―――ああ!!おい!!そこは触るな!!!』

C.C.『ご、ごめんなさい!!ひどいことしないで!!なんでもしますから!!だから、痛いことだけは……!!』

ルルーシュ『いや!!服を脱ぐな!!そこに触りさえしなければなにも―――ああ!!おい!!下から脱ぐな!!』

C.C.『でも……』

ルルーシュ『分かった!!わかったから―――』

カレン「……っ」グッ

バキィ!!!

カレン「あー、通信機壊れちゃった。意外と脆いね、これ」

139: 2012/05/03(木) 13:47:59.26 ID:PzpwdsIc0
カレン「……」

カレン(ナナリーとアーニャに伝えてほしいことってなんだったんだろう……)

ナナリー「カレンさん」

カレン「ああ……ん?」

アーニャ「なに?」

カレン(ゼロとして何を伝えようとしたんだろう……。まあ、もうどうでもいいか)

ナナリー「カレンさん、少し外に出ませんか?」

カレン「え?」

アーニャ「勿論、監視つきだけど」

カレン「いいの?」

ナナリー「はい」

カレン「でも……」

ナナリー「スザクさんの提案なんですよ?」

カレン「スザクの……?」

カレン(懐柔しようって魂胆か……?)

144: 2012/05/03(木) 13:51:58.54 ID:PzpwdsIc0
―――ナナリーの庭園

ナナリー「ごめんなさい、手錠をつけたままで」

カレン「いいよ。でも、ホントによかったの?」

ナナリー「はい。スザクさんが、カレンさんは特別な捕虜だからって」

カレン「ふーん」

アーニャ「……」ジーッ

カレン(ルルーシュ……この二人にどんな用が……?)

カレン「ねえ、ナナリー?」

ナナリー「なんでしょうか?」

カレン「昔さ……その、何かをよく咥える癖とかあった?」

ナナリー「え?」

カレン「覚えていない?」

ナナリー「えっと……そうですね、良く覚えてないです」

カレン(そりゃそうか……)

アーニャ「……ナナリー様はよく物を咥えていたと思います」

149: 2012/05/03(木) 13:57:40.72 ID:PzpwdsIc0
カレン「え!?」

ナナリー「ど、どうして?!」

アーニャ「これを」ピッ

ナナリー「な、なんですか?」

カレン「あー……ナナリーが積み木を咥えてるね」

ナナリー「ど、どうしてそんな写真が!?」

アーニャ「良く知らない」

カレン「他にはある?」

アーニャ「えっと……はい」

カレン「これ……!?」

ナナリー「なんですか?なにが写っているんですか!?」

カレン「ナナリーが……えっと……誰かの……女の子……お姉さんかな……?」

ナナリー「きっとユフィ姉さまです!!」

カレン「その人の足の親指をしゃぶってる」

ナナリー「そ、そんな恥ずかしい写真が……!!!」

154: 2012/05/03(木) 14:00:47.16 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「いやぁ……」

アーニャ「かわいい」

カレン「どうしてそんな写真を?」

アーニャ「わからない」

カレン「……他には?」

アーニャ「その二枚だけ」

カレン「……あ、ちょっと!!」

アーニャ「なに?」

カレン「この写真の子……誰かに……」

アーニャ「ルルーシュ」

カレン「は!?」

アーニャ「……私の……初恋……かもしれない」

カレン「なんで!?」

ナナリー「アーニャ……お兄様のことを……?」

アーニャ「最近、良く似た人と知り合いになって……それでなんとなく……気になって……ます」

161: 2012/05/03(木) 14:07:36.27 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「そうなのですか……」

アーニャ「はい」

ナナリー「じゃあ、私と一緒ですね」

アーニャ「え?」

ナナリー「私もお兄様のこと大好きですから」

アーニャ「私はだーいすき」

ナナリー「私はだいだいだーいすきです」

アーニャ「私もだいだいだいだいだいすき」

ナナリー「もうアーニャ、お兄様のこと好きすぎですっ」

アーニャ「ナナリー様も」

カレン(待って……。といことはアーニャは昔、ルルーシュとナナリーに近いところにいたってことよね?)

カレン(じゃあ……ルルーシュは……二人に正体を明かすようなことを伝えたかった……?)

カレン(でも、本当に?特にナナリーには隠したほうがいいだろうし……。アーニャは……もしかしたら明かすことで仲間になるかもしれないけど)

カレン(はぁ……もしかしたら……あの通信すごく重要なことだったんじゃ……。そうだ……そもそもあんな危険を冒してまで連絡してきたんだから……)

カレン(あぁ……やっちゃった……どうしよう……)オロオロ

169: 2012/05/03(木) 14:17:28.62 ID:PzpwdsIc0
―――イカルガ艦内 ルルーシュの部屋

ルルーシュ「くそ!!!」バンッ!!

C.C.「ひっ」ビクッ

ルルーシュ「通信が途絶してしまった……!!くそ!!」

C.C.「あ、あの……ご主人様……わ、わたしの……せいですか……?」

ルルーシュ「カレンに伝えなければならなかったのに……!!」

ルルーシュ「ナナリーには一言、愛している。アーニャにはゼロからの愛の告白を……!!!」

ルルーシュ「くそ……!!ナナリーはともかく、アーニャはガードが固いからまずは告白をして反応を知りたかったのに……!!!」

C.C.「ごめんなさい……ごめんなさい……」ガタガタ

ルルーシュ「こうなったら……予定を前倒しにするか」

C.C.「ご主人様……見捨てないでください……わたし……ここ以外に……行く場所が……」

ゼロ「留守番をしていろ!!」

C.C.「は、はいっ」

ゼロ(まずは天子様だ……)

ゼロ(あの愛の告白から時間を十分にあけた。そろそろ向こう色々気にし始めているころだろう……くくく……)

174: 2012/05/03(木) 14:24:22.64 ID:PzpwdsIc0
―――中華連邦 朱禁城

天子「はぁ……」

星刻「……」

星刻(最近、天子様がため息をつかれるときが多くなってきたな)

星刻(それもこれもゼロから愛の告白を受けてからだな……)

星刻(政治的な意図はないようだが……ゼロめ……何を考えている……)

天子「はぁ……」

星刻「天子様?ご気分でも優れないのですか?」

天子「え?いいえ、大丈夫だから」

星刻「そうですか……」

兵士「失礼いたします」

星刻「どうした?」

兵士「ゼロ」

天子「……!!」ガタッ

兵士「―――と神楽耶様が謁見にまいられました」

178: 2012/05/03(木) 14:29:27.12 ID:PzpwdsIc0
―――会議室

ゼロ「イカルガにいてもらってもよかったのですよ?」

神楽耶「そうはまいりませんわ。天子様は親友であり盟友でもありますもの。会えるときに会っておきたいのです」

ゼロ「そうですか」

ゼロ(神楽耶様は俺に無償の愛を注いでくれているが、それでもいつか尽きるときがくる)

ゼロ(なるべく心象を悪くしたくないのが本音だが……)

天子「あ……」

神楽耶「天子様、ご無沙汰しております」

天子「う、うん」

ゼロ「天子様、いつもと変わらぬ美しさですね」

天子「え……そ、そんなこと……」

星刻「何用だ?」

ゼロ「私は天子様と二人きりで話したかったのだが?」

天子「え……わ、私と……ですか……?」

星刻「そんなことはできない。同席させてもらう」

182: 2012/05/03(木) 14:36:58.11 ID:PzpwdsIc0
ゼロ「政治の話ではなく、実に私的な話をしたかったのだが。それでも同席するというのか?」

星刻「当然だ。どんな狼藉を働くか分かったものではない」

ゼロ「これは異なことを。私は天子様を心から敬愛している。それ故に天子様だけには嫌われたくはない」

天子「ゼロ……」

星刻「それでもだ!!貴様は天子様に何をしたか―――」

天子「星刻、やめて」

星刻「え……?」

天子「ゼロは私を救ってくれたの。ひどいことは言わないで」

星刻「しかし……」

天子「ゼロ……ごめんなさい」

ゼロ「気にしていない。そうだ。今日は―――この花束を渡そうと思いまして」バッ

天子「わぁ……綺麗……いいの?」

ゼロ「勿論」

天子「ありがとう、ゼロ。嬉しい」

星刻「がはっ……はぁ……くっ……大丈夫……まだ持つはずだ……」

187: 2012/05/03(木) 14:44:18.14 ID:PzpwdsIc0
天子「しんくー!?」

星刻「だ、大丈夫です……天子様……はぁ……はぁ……」

ゼロ「……」

天子「ほんとに大丈夫?」ナデナデ

星刻「は、はい……天子様の優しさが……私の苦しみを和らげます……」

天子「よかったぁ」

ゼロ(策士め。やはりこの男をどうにかしなければならないか……)

神楽耶「相変わらず仲がよろしいのですね」

天子「そ、そんな……」

星刻「そんな恐れ多い……」

天子「あ、そ、それで……今日は……どんな……」

ゼロ「ええ。実は天子様と星刻の仲がどれほど発展しているか確認しておきたかったのです」

天子「え!?」

星刻「なんだと……?それだけのためにか?」

ゼロ「当然だろう。私は政略結婚を阻止した。心を守るためにな。その後の進展を聞きたくなるのは普通のことだと思うが?」

192: 2012/05/03(木) 14:50:47.21 ID:PzpwdsIc0
星刻「それは……しかし……プライベートだ」

神楽耶「私もしりたいですわ」

天子「そ、それは……あの……」

ゼロ「どうなのですか、天子様?」

天子「えっと……私と星刻は別に……」

星刻「ごほ!ごほっ!!」

天子「しんくー?!」

ゼロ「これはおかしな話ですね。つまり天子様はそう言う関係ではないと?」

天子「だって……あの……星刻とは……昔、約束をしただけで」

神楽耶「将来を誓い合ったのではなかったのですか?!」

天子「えっと……」

ゼロ(くくく……俺を意識してか、星刻との仲を肯定したくないと見た。天子様はまだまだ子どもだ。読みやすい)

星刻「そのような浮ついた話などない!!」

ゼロ「ほう……?では、天子様が惚れた相手が目も前に来たら、お前は祝福できるわけか?」

星刻「がっは!?―――と、当然だ……。だが、天子様の心を射止める者など……いないっ」

197: 2012/05/03(木) 14:57:21.45 ID:PzpwdsIc0
ゼロ「なるほど……では、天子様にお聞きしたい。今現在、気になっている男性はいますか?」

星刻「ゼロ!!無礼であろう!!!」

ゼロ「落ち着け。これは政治の場ではない。お茶会と思っていただこう」

神楽耶「そうですわ。ピロートークと同じですから」

星刻「しかし……!!」

ゼロ「さぁ、天子様?」

天子「え、えっと……わた、しは……その……」

ゼロ「まずはいるかいないかだけでも」

天子「……い、いる」

星刻「ごぼぉ?!」

天子「しんくー?!しんくー!?」

星刻「天子さ……ま……私は限界です。早く……通常の職務を……」

ゼロ「まて、星刻。そうはいかない。何故、私がこの質問をしたのか分からないのか?」

星刻「ま、まさか……貴様ぁ!!!ゼロぉぉぉ!!!!」

天子「え?え?なに?どうしたの?」オロオロ

205: 2012/05/03(木) 15:04:26.16 ID:PzpwdsIc0
ゼロ「天子様……以前、神楽耶様から私の言の葉を伝え聞いたと思います」

天子「あ……は、はい……」

ゼロ「つまり……私も貴方を愛する身だ。貴方の思い人の有無が知りたいのです」

天子「え……そ、それは……あの……あの……」モジモジ

星刻「ゼロ!!!剣を抜け!!!決闘だ!!!」

ゼロ「私は戦争をしに来たのではない」

天子「しんくー!やめてー!!」

星刻「しかし!!こいつは天子様に……天子様に……!!!」

ゼロ「天子様はお美しい。恋に落ちないほうが不思議だ」

天子「そ、そんなこと……わたしなんて……」

ゼロ「いいや。天子様はこの大地を潤す、大弁の花だ」

天子「ゼロ……」

ゼロ「貴方の笑顔は日の光を思わせる」

神楽耶(私にもその台詞を言ってほしいものです……)

星刻「ごぼぉ?!がはっ?!ごほっ!!ごほほっ!!ああ、天子様、私は……もうだ……め……かも……しれません……」チラッチラッ

217: 2012/05/03(木) 15:11:59.48 ID:PzpwdsIc0
天子「しんくー?!だいじょうぶー?!」ナデナデ

星刻「は、はい……」

ゼロ「貴方の知略もここでは見れそうに無いな」

星刻「貴様……!!」

ゼロ「天子様?」

天子「は、はい……」

ゼロ「そろそろ私たちは失礼させていただきます」

天子「もう……?」

ゼロ「……!」

神楽耶「……っ」

天子「お見送りを」

ゼロ「いえ。そこまでしていただくわけにもいきません。天子様もお忙しい身ですし」

天子「そう……ですね……。では、ここで」

ゼロ「ええ、またお会いしましょう」

天子「はいっ。また」

219: 2012/05/03(木) 15:18:42.52 ID:PzpwdsIc0
―――イカルガ艦内 ブリッジ

神楽耶「ゼロ様、天子様をその気にさせてどうするのです?!」

ゼロ「何をいっているのですか?」

神楽耶「だって……天子様は……星刻と……契りを……」

ゼロ「神楽耶様、私は何もしていない。下心など微塵もありません」

神楽耶「でも、先ほどの会話はどう考えても―――」

ゼロ「私には貴方という妻がいるのに。そんなことをするはずが無い」

神楽耶「あ……ゼロ……様……」

ゼロ「ふふ……あれは神楽耶様という新妻がいるからこそです。気持ちに余裕が出るのでしょう」

ゼロ「だから、相手を自然に褒めることもできるわけです」

神楽耶「そ、そうだったのですか……出すぎたことを……」

ゼロ「いいえ。気にしていません」

神楽耶「ゼロ様……」ギュッ

ゼロ「愛していますよ」ギュッ

ラクシャータ「……ゼロって口リコンなわけ?」

227: 2012/05/03(木) 15:24:58.33 ID:PzpwdsIc0
―――ルルーシュの部屋

C.C.「お、おかえりなさい、ご主人様」

ルルーシュ「ああ」

C.C.「服は私が……」

ルルーシュ「いいから、休んでいろ」

C.C.「でも、何もしないのは……」

ルルーシュ「いいから」

C.C.「は、はい」ビクッ

ルルーシュ「さて……条件は既に揃ってきたな……」

ルルーシュ「あとは天子様の心を一気に動かすイベントを……」

ルルーシュ「そうだ……いい手がある……」

ルルーシュ「だが……やれる……」

ルルーシュ「黒の騎士団を動かす必要はない」

ルルーシュ「そもそも中華連邦にも現在のトップをよく思っていない連中は少なからずいる」

ルルーシュ「ふはははは!!!!!よし……次の作戦に移るか……!!」

230: 2012/05/03(木) 15:31:54.25 ID:PzpwdsIc0
―――独房

カレン(あれから数日……ルルーシュからの連絡はない……)

カレン(あたしのせいで……大きな作戦を台無しにしちゃったんだ……あぁ……どうしよう……どうしよう……)

スザク「決心はついたかい?」

カレン「残念。あたしはあんたがウソをついたってよくわかったから」

スザク「嘘?」

カレン「ああ。ルルーシュが言ってた、あれは動くソーセージを玩具だったってね!!」

スザク「……どうやってルルーシュと連絡をとった?」

カレン「あ……」

スザク「カレン……君はやはり、外部と連絡をとっていたのか?!」

カレン「な……?!違う!!えっと……そう!!テレパシー!!」

スザク「ふざけるな!!やはり君はわざと捕虜になったんだな!!?」

カレン「まさか……あたしをはめたの!?」

スザク「ルルーシュがするわけないだろ!!ナナリーに自分のちん―――」

ナナリー「スザクさん!!何をしているのですか?!」

237: 2012/05/03(木) 15:39:38.42 ID:PzpwdsIc0
スザク「総督……」

ナナリー「乱暴は許しません」

アーニャ「スOベなスザク、嫌い」

スザク「ちが……」

カレン「どっかいってよ、痴漢!」

スザク「君は……!!」

ナナリー「スザクさん」

スザク「総督、お言葉ですが。紅月カレンは外部と連絡をとっていました」

ナナリー「それがなんですか?」

スザク「ここでの情報が彼女から外に漏れている可能性も」

ナナリー「カレンさんに話したのは私とお兄様の思い出だけです。軍事機密は一切語ってもいませんし、見せてもいません」

スザク「……」

アーニャ「スザク、邪魔」

スザク「アーニャまで……。わかりました。今回は不問にします」

ナナリー「ありがとうございます」

242: 2012/05/03(木) 15:47:20.73 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「カレンさん、申し訳ありませんでした」

カレン「ううん。大丈夫」

アーニャ「でも連絡をとっていたのは、マズい」

カレン「それは……ごめんなさい」

ナナリー「話してくれますか?誰に連絡をし、どんなことを話したのか?」

カレン「それは……」

ナナリー「カレンさん」

アーニャ「話さないと記録にするから」

カレン「……ルルーシュと話をしたの」

ナナリー「お兄様!?」

アーニャ「……」

カレン「ナナリーとアーニャに伝えたいことがあったって」

ナナリー「お兄様はなんて!?なんていっていたのですか?!」

カレン「ごめん。でも、すごく大事なことだったみたい」

アーニャ「でも、どうしてルルーシュと?」

245: 2012/05/03(木) 15:51:37.10 ID:PzpwdsIc0
カレン「ちょっと話したくなっただけよ……」

アーニャ「こいびと?」

カレン「そんなんじゃない!!」

ナナリー「カレンさん……お兄様のこと……」

カレン「こ、このことは」

ナナリー「はい。とくにブリタニア軍に不利益になるようなことではなさそなので」

カレン「ありがとう……」

アーニャ「……」

カレン「なによ?」

アーニャ「ルルーシュってもしかして―――」

ジノ「あ、ここにいたのか!!」

ナナリー「どうしたんですか?」

ジノ「中華連邦と黒の騎士団が攻めてきたんだよ」

アーニャ「このタイミングで?」

ナナリー「そんな……」

247: 2012/05/03(木) 15:56:04.57 ID:PzpwdsIc0
―――中華連邦 朱禁城

天子「星刻、気をつけて」

星刻「はっ」

天子「あと……ゼロにも……氏なないで、と」

星刻「機会があれば」

天子「一言も伝える暇がないの?」

星刻「戦争ですから。―――それでは!!」ダダダッ

天子「あ、しんくー!!しんくー!!」

天子「……」

天子「ゼロ……私は……」

兵士「天子様!!」

天子「え?なにっ?」ビクッ

兵士「早くおにげ―――」

テ口リスト「見つけたぜ……天子様……。あんたには中華連邦の崩壊のために働いてもらうか」

天子「ひっ……しんくー!!!ゼロー!!ゼロー!!!」

249: 2012/05/03(木) 16:01:03.41 ID:PzpwdsIc0
―――イカルガ艦内 ブリッジ

扇「なに?!朱禁城でクーデターだと?!」

オペレーター「応援要請が」

扇「星刻は?!」

ラクシャータ「もう出発しちゃってるし、戻ってもしかたないんじゃない?」

扇「これからブリタニアと一戦交えようとしているときに……!!」

神楽耶「うろたえてはいけません!!!」

扇「神楽耶様……?」

神楽耶「既にゼロ様がテ口リストの動きを察知して動いています」

扇「本当ですか?!」

ゼロ『本当だ!!陣頭指揮は藤堂に任せてある!!』

藤堂『ゼロ!早く合流してくれると助かる』

星刻『ゼロ……おまえ……!!』

ゼロ『ふはははは!!天子様の救世主は私だ、星刻』

星刻『おのれぇぇ!!ゼロぉぉぉ!!!!なぜ、その情報を私にまわさなかった?!ゼロぉ!!!』

252: 2012/05/03(木) 16:06:05.64 ID:PzpwdsIc0
―――朱禁城

テ口リスト「へへ、どこかの男が言ったとおりだったな」

テ口リスト「ああ、警備が薄くなる瞬間が本当にあったとは」

天子「うぅ……ぜろ……ぜろぉ……」

天子「わたし……は……」ウルウル

ゼロ「ふははははは!!!!」

テ口リスト「だれだ?!」

天子「え……?」

ゼロ「天子様。ご無事ですか?」

天子「ぜ……ぜろ……」

ゼロ「今、お救いいたします」

天子「ゼロー!!!ゼロー!!!ゼロー!!!」

ゼロ「ふふ……」

テ口リスト「なんだてめーは!!しねー!!」

ゼロ「―――中華連邦の女神は天子であることを認めろぉ!!!!」キィィィン

254: 2012/05/03(木) 16:12:19.98 ID:PzpwdsIc0
テ口リスト「天子マジ天使!!!」

テ口リスト「天子萌えー!!!」

天子「ゼロー!!!」テテテッ

ゼロ「お怪我はありませんか?」

天子「ない!ゼロ……たすけにきてくれるなんて……」ギュゥ

ゼロ「当然ではないですか。言ったはずです。貴方が望むなら海も飲み干してみせる、と」

天子「ゼロ……私ね……気づいたの」

ゼロ「何にですか?」

天子「こわくなったとき……ゼロの顔があたまにね……うかんできて……」ウルウル

ゼロ「天子様……」

天子「ぜろが……きた、とき……すご、く……うれ……し、くてぇ……」ポロポロ

ゼロ「天子様……もう大丈夫です。私がいます」ギュッ

天子「ゼロ……ゼロ……」ギュゥゥ

ゼロ(天子強奪計画の前提条件は全てクリア。あとは天子様が他の三人を認めるかどうか……か)

ゼロ(さて、あとはナナリーとアーニャか……)

257: 2012/05/03(木) 16:17:14.78 ID:PzpwdsIc0
―――独房

カレン(くそ……みんな……私の所為で強硬手段に出たの……?)

カレン(ごめん……ごめんね……)

ナナリー「カレンさん」

カレン「ナナリー?!どうして……あんたは……」

ナナリー「もう戻ってこれないような気がして……」

カレン「え……それって……」

ナナリー「ですから、もしお兄様に会ったら―――」

咲世子「カレン様!!―――と、ナナリー様!?」

カレン「咲世子さん?!どうして!?」

咲世子「混乱に乗じてお二人を救出せよとのことでしたので」

ナナリー「二人?」

咲世子「カレン様とナナリー様です。さあ、ルルーシュ様がお待ちです」

ナナリー「お兄様が!?」

カレン「ナナリー、出ようよ!!何を伝えたいのか知らないけど、それは直接言うべきだと思う!!」

258: 2012/05/03(木) 16:22:16.41 ID:PzpwdsIc0
―――エリア11 上空

ジュレミア『ルルーシュ様のために!』

スザク『くっ!!厄介な相手が……』

アーニャ『スザク、邪魔』

スザク『アーニャ?!』

アーニャ『記録にしてあげる……』ポチッ

ゴォォォ!!!

ジュレミア『我が忠義がそのようなもので!!』

ジノ『スザク!!大変だ!!』

スザク『どうした?!』

ジノ『ナナリー総督が連れ去れた!!』

スザク『なんだって?!』

ロイド『大変だ。紅蓮が奪われちゃった!』

スザク『紅蓮が?!』

カレン『どきなぁ!!!!ブリタニアぁぁ!!!』

261: 2012/05/03(木) 16:25:12.54 ID:PzpwdsIc0
スザク『カレンか?!』

カレン『そうだ』

スザク『君は……』

ナナリー『にゃー』

スザク『ナナリー?!』

アーニャ『まって……それは卑怯』

カレン『追ってくるなら、追ってきなよ』

スザク『カレン!!そんなことをしてどうなるかわかっているのか?!』

カレン『ナナリーは想いを伝えるべき相手がいるんだ!!』

スザク『ルルーシュはゼロなんだぞ!!ナナリー!!』

ナナリー『にゃー』

カレン『分かってるってさ』

スザク『知った上で……!!』

アーニャ『ナナリー様、待って』

カレン『それじゃあね、アーニャ。楽しかったよ』

265: 2012/05/03(木) 16:31:07.37 ID:PzpwdsIc0
―――イカルガ艦内 ブリッジ

ゼロ「首尾は?」

神楽耶「ゼロ様!!―――と、天子様?!」

天子「ゼロ……」ギュゥゥ

ゼロ「離れなくなってしまって。まあ、些細な問題だ」

神楽耶「ちょっと!!!天子様!!それはずるいです!!」

天子「ゼロからはなれたくない……」

神楽耶「私の夫なのにー!?」

ゼロ「あっはっはっは」

扇「カレンから連絡がはいった。総督を連れて帰還するそうだ」

ゼロ「そうか。よし、我々はこれで最高のカードを手に入れたことになる。全軍、後退しろ」

天子「ゼロ……」ギュゥゥ

神楽耶「くぅぅ……!!―――がまん……がまん……ここで焦っては本妻としての威厳が損なわれますわ」

ゼロ(完璧だ……ついに……あと一人……)

ゼロ(アーニャだけ……!!)

269: 2012/05/03(木) 16:37:50.36 ID:PzpwdsIc0
―――ルルーシュの部屋

ゼロ「……C.C.?」

C.C.「あ、ご、ご主人様……お、おかえりなさい……」

ゼロ「今から客人が来る。お前は大人しくしていろ?いいな?」

C.C.「は、はい……大人しくしています……」

ゼロ「よし」

扇『ゼロ。大変だ』

ゼロ「どうした?」

扇『一機だけ執拗に追いかけてくる機体がある。ナイトオブラウンズだ』

ゼロ「モルドレッドか?」

扇『ああ』

ゼロ「ナナリーを奪還しに来たのだろう……。カレンと藤堂で捕らえるように伝えろ」

扇『わかった』

ゼロ「よし……。条件は全てクリアか。長かった……長かった……!!ハハハハハハハ!!!!!!!」

C.C.「ひっ」ビクッ

273: 2012/05/03(木) 16:43:08.34 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「ここは……どこですか?」

神楽耶「イカルガの艦内。ゼロ様の自室ですわ」

ナナリー「え……でも……この感じ……」

アーニャ「この匂い……ルルーシュに似てる……」

天子「ゼロー?どこー?」キョロキョロ

C.C.(しらない子がいっぱいいる……)オロオロ

ゼロ「ようこそ。姫君たちよ」

ナナリー「……ゼロ……いえ……貴方は……」

アーニャ「ナナリー様は私の後ろに」

天子「ゼロー」テテテッ

神楽耶「天子様っ!?」

ゼロ「危害を加えるつもりは一切ない。―――その証拠を見せましょう」

ルルーシュ「―――みんな。よく集まってくれた」

アーニャ「ルルーシュ……?」

ナナリー「お兄様……」

276: 2012/05/03(木) 16:49:56.82 ID:PzpwdsIc0
ルルーシュ「ナナリー……」

ナナリー「お兄様が……ゼロ……だったのですね」

ルルーシュ「そうだ」

アーニャ「どうしてここに呼んだの?」

ルルーシュ「ほしかった」

天子「ゼロ……」ギュゥゥ

神楽耶「ほしかった……?」

ルルーシュ「理想の世界が欲しかった。世界を壊しても創造できないような桃源郷がな」

ナナリー「どういうことですか?」

ルルーシュ「俺はお前たちは愛している」

ナナリー「……っ」

アーニャ「……」ピクッ

天子「私もすき……」ギュゥゥ

神楽耶「わ、私は勿論!!ゼロ様がどのようなお姿でも愛していました!!」

ルルーシュ「俺はお前たちと明日を生きたいと考えているんだよ」

287: 2012/05/03(木) 16:57:20.48 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「お兄様……それは……どういうことですか?」

ルルーシュ「早い話が一緒に住みたい」

アーニャ「私たちと?」

ルルーシュ「ああ。この先、ずっと」

天子「うん……住む……」ギュゥ

神楽耶「ゼロ様とならどこでも桃源郷ですわ」

ルルーシュ「ありがとう。神楽耶様。さあ、こちらに」

神楽耶「……ゼロ様」ギュッ

ナナリー「ここにいる方々で……ですか?」

ルルーシュ「不満か、ナナリー?俺はお前が傍にいるだけでそれでいいんだ」

ナナリー「でも……」

アーニャ「ルルーシュは一人を愛せないの?」

ルルーシュ「全員を愛しているではダメか?俺には元々王の素質がある。妻を一人に絞ることは難しいんだよ」

アーニャ「……」

ルルーシュ「それともそういう男は最低だと思うか?」

296: 2012/05/03(木) 17:03:03.86 ID:PzpwdsIc0
アーニャ「うん」

ルルーシュ「なら、残念だ。俺はアーニャのことが本当に好きだった」

アーニャ「……」

ルルーシュ「学園であったとき……アーニャの可愛さに目を奪われたから」

アーニャ「……ほんとに?」

ルルーシュ「……あと……今のアーニャは忘れているかもしれないが、昔、アーニャと俺は結婚の約束を交わした」

アーニャ「……!!」

ルルーシュ「無論、子ども同士の微笑ましい約束だけどな」

アーニャ「ご、めんなさい……私……記憶が曖昧で……」

ルルーシュ「いいさ。だけど、俺は是非お前には傍にいてほしい。8年前の約束を果たしたい。たとえ、アーニャに記憶がなくてもな」

アーニャ「ルルーシュ……」

ルルーシュ「アーニャ……こい」

アーニャ「……」テテテッ

ルルーシュ「アーニャ……ずっと好きだった」

アーニャ「多分……私も……好きだった」ギュッ

304: 2012/05/03(木) 17:08:42.06 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「お兄様は悪魔です!!」

ルルーシュ「……どうして?」

天子「ゼロ……すき……」ギュゥゥ

神楽耶「ゼロさまぁ」ギュゥゥ

アーニャ「ルルーシュ……だいすき……」ギュゥ

ナナリー「そんな……みんなを騙して……」

ルルーシュ「騙す?ナナリー、俺の愛は本物だ」

ナナリー「そんなこと!!」

ルルーシュ「カレンが捕虜になっているとき、俺は危険を顧みず、カレンに通信機を渡した」

ナナリー「それは……」

ルルーシュ「ナナリーにどうしても伝えて欲しいことがあったからだ」

ナナリー「それは……?」

ルルーシュ「愛している」

ナナリー「お兄様……おにいさまー!!私も愛しています!!お兄様!!!」ギュッ

ルルーシュ「ふふ……俺もだよ、ナナリー。ずっと愛している……」ギュッ

325: 2012/05/03(木) 17:18:32.49 ID:PzpwdsIc0
ルルーシュ(ふははははは!!!!ついに……ついに手に入れた!!!)

ナナリー「お兄様……愛しています……お兄様……」スリスリ

ルルーシュ(従順な妹を……)

神楽耶「一生、ついていきますわ……ゼロさま……」ギュゥゥ

ルルーシュ(奥ゆかしい大和撫子な若妻を……)

天子「ゼロ……すき……すき……」ギュゥゥ

ルルーシュ(純粋無垢な少女を……)

アーニャ「ルルーシュ……愛してる……」ギュゥゥ

ルルーシュ(将来を約束したという設定の年下の幼馴染を……)

ルルーシュ(俺は全てを手に入れた!!!ふはははは!!!あーっはっはっはっは!!!!)

C.C.「あの……」

ルルーシュ「黙っていろ!!」

C.C.「ご、ごめんなさい!!大人しくしてます!!」

ルルーシュ「では、みんな。今日から俺と共に生活するんだ、みんなに挨拶しておくか」

ナナリー・アーニャ・神楽耶・天子「「はいっ」」

344: 2012/05/03(木) 17:27:31.94 ID:PzpwdsIc0
会議室

ゼロ「―――というわけだ」

ナナリー・アーニャ・神楽耶・天子「「よろしくお願いします」」

カレン「ちょっとまってよ!?なにそれ?!」

扇「おい……それはいくらなんでも」

星刻「天子様ー!!!がふっ?!ごほっ!?ごひっ?!ごほがは?!くっ……これではもはや……数刻の命……」チラッチラッ

天子「ゼロ……好き……」ギュゥゥ

星刻「……」

ラクシャータ「あっはっはっは。いいねえ、口リコンを極めた男、ゼロかぁ」

カレン「ちっともよくないよ!!ゼロ!!世間体を考えてよ!!世間体を!!」

扇「そうだ。いくらなんでもそれはゼロの威厳を失うことに―――」

ゼロ「威厳だと?男の威厳は両手で束ねた女の数で決まるっ!!指揮官の威厳は戦果で決まるっ!!違うか!?」

カレン「あ……いや……そうかもしれないけど……」

ゼロ「話は以上だ。これはなんら政治的なことでも戦術的なことでもないため、口出しはしないでもらおう」

藤堂「……なんという……男……だ……。羨ましい……限り……」

360: 2012/05/03(木) 17:37:44.16 ID:PzpwdsIc0
―――ブリッジ

ゼロ「では蓬莱島に向かう」

ナナリー「これからはどうするのですか?」

アーニャ「私は戦うけど」

ゼロ「ナナリーと天子様は是非とも蓬莱島に残って我々の帰りを待っていて欲しいところだが」

天子「いや……私もゼロと共に……」

神楽耶「でも、天子様は職務が……」

天子「所詮、天子なんてただの記号だから……これからは蒋麗華と名乗っても……」

神楽耶「そこまでの覚悟が……」

ナナリー「おにい―――ゼロ様!!私もゼロ様と共に戦います!!ゼロ様と一緒に生き、一緒に氏にたいのです!!」

ゼロ「そうか……その覚悟。無碍にはできないな。よし!!全員、俺とともに修羅の道を進むぞ!!!」

ナナリー・アーニャ・神楽耶・天子「「おー♪」」

カレン「……やっぱり……ルルーシュって……」

オペレーター「ゼロ。通信が。これは……ブリタニア軍からです」

ゼロ「ほう……?繋げ」

366: 2012/05/03(木) 17:45:01.96 ID:PzpwdsIc0
シュナイゼル『やあ、ゼロ。久しぶりだね』

ゼロ「シュナイゼル?……なにようか?」

シュナイゼル『総督を返してもらおうと思ってね』

ゼロ「ナナリー総督ですか?ふははは、それはナナリー総督自身に聞きましょうか」

シュナイゼル『総督が帰るといえば返してくれると?』

ゼロ「その通りだ」

シュナイゼル『すごい自信だ。まるで答えを知っているかのような』

ゼロ「当然だ。もうここにいる四人の少女は私に添い遂げることを決めている」

ナナリー・アーニャ・神楽耶・天子「「……」」コクコク

シュナイゼル『なるほど……。では、ひとつ昔話をしようか』

ゼロ「昔話?」

シュナイゼル『ナナリーの兄、ルルーシュという男の話だよ。私の弟でね。よくチェスをしていた』

ゼロ(なんだ……なんだ……この悪寒は……)

シュナイゼル『ルルーシュは頭がよくて、性格も優しかった。昔から周囲の女の子に好意を寄せられていたよ』

ゼロ(シュナイゼル……まさか……)

376: 2012/05/03(木) 17:54:34.82 ID:PzpwdsIc0
シュナイゼル『ただね……その頃から少し困った癖があったんだ』

カレン「癖……?」

シュナイゼル『そう。妹のナナリーを溺愛していた。―――悪い意味でね』

扇「悪い意味……?」

シュナイゼル『妹のナナリーはまだ幼く、物の道理など理解できるはずもない。なのに―――』

ゼロ「通信を切れ!!!このような戯言に付き合っている暇はなぁい!!!!」

オペレーター「ダメです。切れません。ジャックされているようです」

ゼロ「シュナイゼル……!!!!」

シュナイゼル『ナナリーを裸にして体を舐めたり……トイレを覗いたり……』

カレン「……!!」

ゼロ「やめろ!!個人のプライベートを侵害するなぁ!!!ナナリー総督の不敬にもなるぞ!!!』

シュナイゼル『あと如何わしい形のもの……そうだね、円柱状の玩具や指をよく咥えさせていたこともある』

シュナイゼル『当時はよくわからなかったが、成長してみると、あれは性的虐待の何者でもなかった』

カレン「うわぁ……さいてー」

ゼロ「やめろぉぉぉぉ!!!!!!」

386: 2012/05/03(木) 18:02:06.68 ID:PzpwdsIc0
シュナイゼル『ナナリー?しばらくルルーシュと一緒に住んでいたようだが、そういうことはなかったのかな?』

ナナリー「……」

ゼロ「ナナリー!!あの男のことを信じるなっ?!」

シュナイゼル『そのときの写真もここにあるよ?』

扇「むごい……」

ラクシャータ「わお……」

シュナイゼル『ナナリーの母君であるマリアンヌ皇妃ならもっと面白い話を聞けたかもしれないがね』

ゼロ「妄言もたいがいにしろ!!!そんな兄がこの世にいてたまるかぁ!!!!!」

神楽耶「……ゼロ……様……」

ゼロ「あぁ!!神楽耶様!!!」

星刻「天子様、あの男に近づいてはなりません!!」グッ

天子「ぜろー!!ぜろー!!はなして!!しんくー!!!」ジタバタ

ゼロ「ナナリー!!信じるな!!奴の妄言だ!!」

ナナリー「……お兄様……」

アーニャ「ルル―――ぁ」キィィィン

395: 2012/05/03(木) 18:07:57.24 ID:PzpwdsIc0
シュナイゼル『さあ、ナナリー。訊ねよう。戻ってくる気はないかい?』

アーニャ「ちょっと待ってくれない?」

ゼロ「え……?」

ナナリー「アーニャ……?」

シュナイゼル『アーニャか。どうした?』

アーニャ「今の発言、色々と間違っているわ」

ゼロ「アーニャ……」

シュナイゼル『ほう?どこが違うのかな?これは私が見聞きした事実なんだけど』

アーニャ「まぁ……なんていうか。ぬるいわね」

ゼロ「え?」

カレン「な、なにいってるの?」

アーニャ「ルルーシュはもっとすごいことしてたわよ。えーと……たしか、ナナリーがまだ1歳のとき―――」

ゼロ「おまえ!!おまえはなにものだぁぁ!!!!」

アーニャ「え?ルルーシュの母、マリアンヌよ?ゼロ様」

ゼロ「……!!!」

406: 2012/05/03(木) 18:16:25.92 ID:PzpwdsIc0
シュナイゼル『ナナリーが1歳のとき?』

アーニャ「そう。ナナリーがまだ言葉も分からないとき時期ね。ルルーシュはそのとき率先してナナリーのオムツ交換をしてくれていたわ」

扇「いい兄じゃないか」

アーニャ「初めはそう思っていたわ。ところがどっこい、頭の切れるルルーシュの目的は別にあったの」

星刻「別だと?」

藤堂「妹のオムツをコレクションしていたのか?」

アーニャ「そう!その通り!!」

ゼロ「ぬおぉぉぉぉお!!!!!!」

ナナリー「……」

アーニャ「まぁ、初めは妹が大好きなんだろうなって思っていたけど、でも、集めていたのはさすがにねえ」

カレン「最悪……幻滅……害虫……」

アーニャ「ま、それが発覚したときはシャルル皇帝がカミナリ落としてくれて一件落着になったんだけど」

シュナイゼル『すごいね。コーネリアもそこまで手を汚してはいなかったよ?』

ゼロ「ちがう!!そんな変Oな兄などいなぁぁぁい!!!!」

ナナリー「……お兄様……」

416: 2012/05/03(木) 18:24:06.70 ID:PzpwdsIc0
スザク『ナナリー』

ナナリー「スザク……さん……」

スザク『帰ってくるんだ』

扇「まってくれ!!そのルルーシュの話は……」

スザク『そうです。そこにいるゼロは妹に手を出す最低の男、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです』

ラクシャータ「あら、そうなの?」

カレン「……」

星刻「やはり貴様に天子様はふさわしくない!!」

天子「ぜろー!!私はだいすきだからー!!ぜろー!!!」ジタバタ

神楽耶「わ、わたしは……ゼロさま……が……ど、どんなか、かか、たでも……あ、ああいして……」

ゼロ「―――おのれ!!!」

ルルーシュ「シュナイゼル!!!」

アーニャ「あー、ゼロってルルーシュだったのねー」

シュナイゼル『さあ、四人の少女を返してもらおうか。ルルーシュ、君に任していればその子たちが悲しむからね』

ルルーシュ「だまれぇぇぇ!!!!」

424: 2012/05/03(木) 18:28:49.64 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「ナナリー!!違う!!これは全部―――」

ナナリー「……」

ルルーシュ「ナナリー……お前……目が……!!」

ナナリー「8年ぶりにお兄様の顔を見ました。―――それが変質者の顔なのですね」

ルルーシュ「うわぁぁぁぁぁああああ!!!!!!」

ナナリー「……」

カレン「自業自得ね」

扇「全くだ」

ラクシャータ「シOタコンはセーフよね?」

シュナイゼル『さあ、ルルーシュ?』

スザク『ナナリーとアーニャを返してもらう』

ルルーシュ「せっかく……せっかく……てにいれたのに……!!!」

ルルーシュ「こんな……こんなことで……俺は……俺はぁぁぁぁ!!!!!」

C.C.「―――ご主人様!!」テテテッ

433: 2012/05/03(木) 18:34:56.04 ID:PzpwdsIc0
ルルーシュ「え……?」

カレン「C.C.?」

C.C.「み、みなさん……そ、それいじょう……ご主人様をいじめないでっ……」

アーニャ「C.C.……記憶が……?」

シュナイゼル『苛めているわけじゃないよ。これは事実だ』

C.C.「でも……ご主人様は……ないてますっ!!」

扇「……」

C.C.「ご主人様?痛いですか?私が絆創膏をはりますから……泣かないでください……」オロオロ

ルルーシュ「おまえ……部屋にいろといっただろう……」

C.C.「ご、ごめんなさい……でも、ご主人様の叫び声をきいたら……体がかってに……それで……あの……」

ルルーシュ「おまえ……」

C.C.「ご、ごめんなさい!!ひ、ひどいことはしないで……!!おねがいです……!!」

ルルーシュ「……」ギュッ

C.C.「え……?」

ルルーシュ「ありがとう……守ってくれて……俺はもう大丈夫だ……」

442: 2012/05/03(木) 18:40:46.78 ID:PzpwdsIc0
C.C.「ごしゅじんさま……?」

ルルーシュ「―――兄上?」

シュナイゼル『なにかな?』

ルルーシュ「ここまで俺の秘密を暴露したんだ。当然、暴露される覚悟があるんだろうな?」

シュナイゼル『なに……?』

ルルーシュ「俺が貴様の過去を何も知らないとでも思っているのか?」

シュナイゼル『……』

ルルーシュ「俺はユーフェミアとよく遊ぶ仲だった」

シュナイゼル『これで話し合いは終わりにしようか』

ルルーシュ「ジャックは?」

オペレーター「解析は完了しています……」

ルルーシュ「よし、次は奴に通信を切らせるな」

シュナイゼル『まさか……こうなることを……』

ルルーシュ「当然だ。ただ、ナナリーのオムツ事件を暴露されて少し冷静さを欠いたがな。すべてC.C.のおかげで立ち直ることができた」

C.C.「そ、そんな……」

456: 2012/05/03(木) 18:48:47.42 ID:PzpwdsIc0
ルルーシュ「兄上……ユーフェミアの部屋によくお忍びで遊びにいかれていたそうですね?」

シュナゼル『スザクくん。通信を切ってくれ』

スザク『無理です』

ルルーシュ「そこでクロヴィス兄さんを呼んで……」

シュナイゼル『ルルーシュ、やめろ』

ルルーシュ「嫌がるユフィに無理やり、その場でクロヴィス兄さんをとても口には出来ないことをして見せたらしいですね」

シュナイゼル『!?』

スザク『なに……それは本当かルルーシュ?!』

シュナゼル『何を……そんなことを……』

ルルーシュ「ユフィはたまに泣いて俺に相談しにきましたよ?お兄様たちが裸になって私の前で変なことをはじめるってね」

シュナイゼル『だ、だけど……私は……ユーフェミアに手を出しては―――』

ルルーシュ「その行為そのものを無理やり見せ付けるのも性的虐待だろうが!!!」

カレン「うん……あたしだったらそんな兄、頃してるね」

スザク『シュナイゼル……殿下……』

シュナイゼル『だが、手はだしていないよ?それは事実だからね』

473: 2012/05/03(木) 18:54:34.85 ID:PzpwdsIc0
アーニャ「そういえばナナリーを一度、どこかにつれていったことあったわね」

シュナイゼル『!?』

ナナリー「え?」

アーニャ「物心もついていないナナリーになんかしたのかしら?」

スザク『あなたは……!!いや、あなたたちは屑だ!!!』

ルルーシュ「スザク……」

スザク『どうしてそんなことが平気でできる!!』

カレン「うんうん」

神楽耶「あぁ……もう誰を信じたら……」オロオロ

星刻「天子様は渡さん!!!」

天子「ぜろー!!!ぜろー!!わたしが、わたしがすきだからー!!」

スザク『ナナリーは僕が預かる!!アーニャもだ!!!』

ルルーシュ「スザク……おま―――」

ナナリー「いやですっ!!!!」

ルルーシュ「え……?」

496: 2012/05/03(木) 19:01:31.92 ID:PzpwdsIc0
スザク『ほら、ルルーシュ。ナナリーも―――』

ナナリー「私はスザクさんの傍にだけはいたくありません!!!」

カレン「え?!」

神楽耶「まさか……スザクさん……まだ……」

スザク『神楽耶……言うな……』

ナナリー「気づいていないと……思っていたのですか?」

スザク『な、なにをだい……?』

ナナリー「私の着替え……お手洗い……入浴……」

スザク『な……ちが―――』

ナナリー「ずっと覗いていたではありませんか!?」

スザク「がっ……!?」

神楽耶「……変わっていませんのね。私にも同じ事を何度かしていましたわね」

スザク『あれは……』

神楽耶「私のことを好いていたからと長年信じていましたが……やはりそういうことなのですね?」

スザク『ちがう!!僕はそんなことしていない!!!するわけないだろ!!!』

518: 2012/05/03(木) 19:09:57.48 ID:PzpwdsIc0
ナナリー「いいえ……あれはスザクさんの視線でした」

スザク『で、でも……僕は覗いただけだ!!手を出してはいない!!』

シュナイゼル『私もだよ?少なくともそこにいる愚弟よりは安心できるはずだよ?』

ルルーシュ「なっ……!?」

ナナリー「お兄様も手は出していません!!!」

ルルーシュ「ナナリー……」

天子「はなして!!」バッ

星刻「天子様!!!そいつに近づいては!!」

天子「ゼロ!!私はあなたが好きになりました!!それは私のことを愛してくれているから!!」ギュゥ

ルルーシュ「天子様……」

神楽耶「……私もですわ!!私はゼロ様の行動に惚れたのです!!そして話すうちに憧れから愛情に変わりましたわっ!!」

ルルーシュ「神楽耶様……」

アーニャ「あ……あれ?―――ルルーシュ、すき」ギュゥ

ルルーシュ「みんな……ありがとう……」

藤堂「ゼロ……この男は……すごい……。一生、ついていこう……!!」

542: 2012/05/03(木) 19:17:35.18 ID:PzpwdsIc0
シュナイゼル『そうか……残念だよ』

スザク『ナナリー……きっと後悔するよ?』

ナナリー「しません」

シュナイゼル『では、これで―――』

オペレーター「通信、切れました」

ラクシャータ「まぁ、べつにいいんじゃない?口リコンでも仕事さえしてくれればさぁ」

藤堂「むしろゼロ以外の首領は考えられない!!!」

カレン「はぁ……もう……未来がないじゃない……あたしの……」ウルウル

ルルーシュ「みんな……本当についてきてくれるのか?」

ナナリー「はい」

神楽耶「勿論ですわ」

天子「ゼローすきー」

アーニャ「私も大好き」

ルルーシュ「ありがとう……本当に……ありがとう……」ウルウル

C.C.「ご主人様、うれしそう……よかった……」

554: 2012/05/03(木) 19:22:01.80 ID:PzpwdsIc0
―――数日後 イカルガ艦内 廊下

ゼロ「……」スタスタ

神楽耶「あ。ゼロ様」

ゼロ「神楽耶様、今度の会議で―――」

神楽耶「い、いまは急いでおりますの……」テテテッ

ゼロ「……」

ナナリー「あ。ゼロ様」

ゼロ「ナナリー、あの―――」

ナナリー「私、用事があるので……」

ゼロ「……」

天子「ゼロー」テテテッ

アーニャ「ゼロー」テテテッ

ゼロ「どうした?」

天子「みんながもう近づくなっていうんだけど……」

アーニャ「ゼロに近づくと、氏ぬより辛い目にあうって。どういうこと?」 

566: 2012/05/03(木) 19:29:59.35 ID:PzpwdsIc0
ゼロ「な、なんだと……?」

カレン「あー!!天子様、こっちであそびましょうね」ヒョイ

天子「まって!!私はゼロと話が!!」ジタバタ

扇「アーニャ、機体の整備があるからきてくれ!!」グイッ

アーニャ「まって……ゼロと話を……」

ゼロ「……」

ラクシャータ「騎士団内でゼロの黒い噂が蔓延しちゃってるよぉ?」

ゼロ「黒い噂だと……?」

ラクシャータ「そうそう」

藤堂「酷い話だ。ゼロは幼女に対して紳士であると説明はしているのだが」

ラクシャータ「小さい子を好きになるのは仕方ないわよね?」

藤堂「ゼロ。あとでどうしたらあのような女児に好かれるのかをご教授願いたいのだが……」

ゼロ「くそ……!!」

ゼロ「結局……結局……こうなるのかぁ……!!!」

ゼロ「ここまでの努力はなんだったんだぁぁぁ!!!!!」

582: 2012/05/03(木) 19:35:43.76 ID:PzpwdsIc0
―――ルルーシュの部屋

ルルーシュ「くそ……!!くそがぁ!!!」ダンッ!!

C.C.「ひっ」ビクッ

ルルーシュ「あ……すまない……」

C.C.「ご主人様?だいじょうぶですか?」

ルルーシュ「C.C.……」

C.C.「あの……ピザ……いりますか?」オロオロ

ルルーシュ「お前だけは……普通に接してくれるんだな?」

C.C.「だって……私にはご主人様しか……いませんから……」

ルルーシュ「おいで……C.C.……」

C.C.「はい……」

ルルーシュ「本当に欲しかったのは……お前みたいな子だったのかもしれないな……」ギュッ

C.C.「うれしいです……ご主人様……大事にしてください……ずっと……」

ルルーシュ「ああ……お前だけは手放さない……手放すものか……」

―――その10分後、C.C.の記憶が戻り、ルルーシュが発狂したのは言うまでもない。
                                                          おしまい。

589: 2012/05/03(木) 19:37:27.29 ID:PYwb290DO
オチは読めてたがくそわろたwww

引用: ルルーシュ「ナナリー、神楽耶様、天子様、アーニャ……この辺りか」