1: 2013/12/06(金) 20:26:25.57 ID:Ns36zKu40
テレビ『えー、羽生蛇村を襲った突然の大規模な土砂災害』

テレビ『自衛隊の懸命な捜索はなおも続けられていますが依然生存者は……』

部長「……」

中川「こんなことに……なるなんて……」

部長「……心配するな。あいつは頃しても氏ぬようなタマじゃない」

部長「あいつが……こんなことでくたばる筈が……ないんだ……」

麗子「両ちゃん……」

中川(先輩……)

中川(一体……今何処にいるんですか!)

9: 2013/12/06(金) 20:30:49.37 ID:Ns36zKu40

12: 2013/12/06(金) 20:32:26.44 ID:Ns36zKu40
……

両津「へくしっ!!」ビチャッ

須田「うわっ!鼻水飛ばさないでくださいよ!」

両津「すまんすまん、なんだか急に鼻がムズムズしたもんでな」ズルル

安野「ここ、なんだかずっとじっとりしてますもんね~。私も早くお風呂入りたい~」

両津「あの赤い水に何度も落ちたせいで全身血生臭いしな。さすがのわしもひとっ風呂浴びたい気分になるぞ」

須田「風呂嫌いっぽそうですもんね、両津さん」

15: 2013/12/06(金) 20:36:09.77 ID:Ns36zKu40
両津「しかし……」

須田「もう何があっても驚かないと思ってましたが……」

安野「物凄い違法建築だね……」


屍人A「グルルァ!!」

屍人B「ヒィヒィ」


両津「しかもなんだかまだ未完成みたいだな」

両津「大規模なハリボテみたいなもんにしても酷過ぎるだろ……。学芸会のセットみたいだぞ」

須田「両津さんがこの辺のあいつら全員縛ったから予定通り進まなかったんじゃ……」

18: 2013/12/06(金) 20:40:59.27 ID:Ns36zKu40
須田「でも……なんだか呼ばれてる気がする……」

両津「ああ、なんだかわしもそんな気がするぞ」

安野「私も!なんだか先生に「早く来てくれ!」って言われてると思う!」

須田「それはさておき……あちこちに猟銃構えた奴らも居ますし……どうすればいいんでしょう……」

両津「ううむ……確かに結構な数だな。奴らの視界を覗いてみた限りここは奴らなりの要塞みたいなもんかも知れんな」

19: 2013/12/06(金) 20:45:54.08 ID:Ns36zKu40
須田「それじゃあ……」

両津「うむ。猟銃を持った奴も一人じゃないし、ここは出来るだけ見つからないように進むしかなさそうだな」

安野「なんだかステルスゲームみたいですね~」

20: 2013/12/06(金) 20:48:30.95 ID:Ns36zKu40
……

須田「両津さん、この扉鍵が掛かってますよ!」

両津「なに!? くそ~こんな雑なハリボテになんで扉だけついとるんだ!!」ガチャガチャ!

屍人「……」チラッ

須田(しっ!あんまり物音立てないでくださいよ!気付かれたらどうしようもないんですから!!)

両津(ぐぬぬ……)

22: 2013/12/06(金) 20:54:43.70 ID:Ns36zKu40
安野「だけどこの錠前、見た感じそんなにちゃんとしたものじゃなさそうですよ? 何度か叩いたら壊れそう~」

須田「でもそんな物音を立てたら間違いなく気付かれるんじゃあ……」

須田「そうだ!さっきから時々鳴ってる雷に合わせて鍵を叩けばあいつらにも気付かれないんじゃないですか!?」

両津「そんな音ゲーみたいなこと悠長にやってられるか、空いたぞ」カチャカチャ

須田「」ズルッ

23: 2013/12/06(金) 20:55:15.55 ID:Ns36zKu40
須田「そんな便利なもの持ってるなら先に言ってくださいよ!!」

屍人「……」クルッ

両津「大声を出すな。屍人に気付かれるぞ」

須田「……」プルプル

28: 2013/12/06(金) 21:09:43.91 ID:Ns36zKu40
両津「……」

須田「どうしたんですか?両津さん」

両津「いや、今この先の屍人を幻視しようとしてたんだが……」

両津「どうもあの医者の言ってたことは本当らしいな」

須田「それってつまり……」

両津「ああ、最初に比べるとさっぱり見えん……まるでトンネルの中でアナログテレビでも見てるみたいだ……」

29: 2013/12/06(金) 21:13:59.80 ID:Ns36zKu40
両津「さっきはまだ辛うじて見えていたが……どんどん見えなくなっていくぞ!!」グヌヌ

須田「そんな……それじゃあ時間は掛かるけどもっと慎重に行くしか……」

両津「これじゃああっちに帰る頃には完全に見えなくなって、銭湯で女湯を覗くことも出来んじゃないか!!急ぐぞ須田!!」ダッ

須田「なんなんだこの人!」

30: 2013/12/06(金) 21:17:50.93 ID:Ns36zKu40
両津「この梯子からどうやら下に降りられそうだな……。よし!わしが先に行くからついて来いよ!」カンカン

須田「りょ、両津さん!ちょっと待っ……」

狙撃屍人「!」ダンッダンッダンッ

両津「ぎええええええっ!!」ドサッ

須田「大丈夫ですか!?うわっ!」チュインチュイン

両津「馬鹿野郎!下で待ち伏せし気付てることに気付いてたなら早く言え!」ジンジン

須田「言う前に両津さんが飛び出したんじゃないですか!!」

安野「すごーい。あのお巡りさんあの高さから落ちてピンピンしてる~」

33: 2013/12/06(金) 21:31:20.68 ID:Ns36zKu40
狙撃屍人「……」グッタリ

両津「馬鹿め、残り何発残ってるかも考えずにバカスカ撃つからこうなるのだ」パンパン

須田「相変わらず素手でよくやりますね……」

安野「ねぇー、なんだか変な音聞こえてこない?」

須田「そういえば……微妙に何か聞こえるような……。何処からだろう……」

両津「オルガンの音だな、そう遠くなさそうだぞ」ピタッ

須田「オルガン?どうしてそんな音が……」

両津「ふん、決まっとるだろう。こんな状況で呑気にオルガンなんぞ弾いてるのは」


両津「やっと目的が果たせそうで浮かれとる奴だ」

38: 2013/12/06(金) 21:52:55.06 ID:Ns36zKu40
……

八尾「ーー♪」

淳(何処にあったんだこんなオルガン……)

八尾「ーーふぅ」

美耶子「……」

八尾「貴女という強いお印を持った『実』が現れるまで、私はずっと待ち続けた」

八尾「本当に、永かったーー」

淳「……」

八尾「さあーー」

美耶子「……」

八尾「楽園の門が、開かれる」

39: 2013/12/06(金) 21:54:12.38 ID:Ns36zKu40
淳「……」ワクワク

美耶子「……」

八尾「……」




八尾「……?」

淳「……どうしたんだ?」

八尾「そんな……どうして……」

淳「おい!何も起こらないぞ!!」

42: 2013/12/06(金) 21:57:22.13 ID:Ns36zKu40
八尾「そんな……嘘、この実でもまだ、不十分だと!? このような印の現れた実は、これまで……!!」タッ

八尾「嘘……そんな……」

淳「なにがどうなっているんだ!いいから説明しろ!!!」

亜矢子「そうよ!こんな気味の悪い奴さっさと生贄にしちゃってよ!!」


八尾「実が……無くなってる……?」

淳「……なんだって?」

43: 2013/12/06(金) 21:59:57.99 ID:Ns36zKu40
八尾「そんな……そんな筈はないのに!!」

八尾「実がなくなるなんて……そんなこと……あるワケが……」

八尾「天におわすお主よ!これは何かの間違いです!! こうなったら……とにかく何が何でも捧げて……!」


バァン!!

両津「全員動くな!警察だ!!」

須田「美耶子!!」

45: 2013/12/06(金) 22:05:55.68 ID:Ns36zKu40
八尾「そんな……どうしてここが……」

須田「美耶子が教えてくれたんだ、ここにお前らがいるって」

両津「こんなド田舎でコソコソふざけた風習を続けやがって! 全員逮捕だ!! 神妙にお縄につきやがれ!!」

八尾「そう……そういうこと……」

両津「まさかあんたがこんな奴だったとは思わなかったよ」

両津「変なことばかり言っちゃいるがいい人だと思ってたんだがな」チャキッ

46: 2013/12/06(金) 22:09:57.45 ID:Ns36zKu40
八尾「……あなたたちに親切にした人格も、私の中の一つの表面に過ぎません」

八尾「そう、禁忌を犯し永遠を生きるうちに……私の中に生じた一つの人格に」

両津「またワケの分からんことを……もういい!とにかく逮捕だ!!」

八尾「……仕方ありませんね」

八尾「ここはひとまず、逃げさせてもらいます」スウッ

両津「!?」

50: 2013/12/06(金) 22:13:31.46 ID:Ns36zKu40
須田「両津さん!あの人鏡の奥に消えちゃいましたよ!?」

両津「そんな馬鹿な!!くそーっ!!卑怯だぞ!!!出て来い!!!」バンバンバン!

美耶子「駄目……」

須田「美耶子!あれ……なんだか眉毛が……」

美耶子「?……!?み、見るな!!」

両津「痴話喧嘩は後にしろ!それでわしらはどうすりゃいいんだ!!」

52: 2013/12/06(金) 22:16:28.10 ID:Ns36zKu40
美耶子「この奥は……この村の神の世界……『いんふぇるの』に繋がってる」

両津「これ以上変な用語を増やすんじゃない!それでわしらはどうすればそこにいけるんだ!!このままじゃあの女に逃げられちまうぞ!!」ユラユラユラ

美耶子「わ、わわ……」グラグラグラ

須田「慌てる気持ちも分かりますけど落ち着いてください揺らさないでください!!」

53: 2013/12/06(金) 22:18:02.11 ID:Ns36zKu40
美耶子「お前らだけじゃ、無理……だから……」

美耶子「私が、扉を開ける」

両津「!?」

須田「これ……さっきあの人が消えた時みたいに鏡が光って……!?」

54: 2013/12/06(金) 22:20:24.03 ID:Ns36zKu40
美耶子「私の中の実は殆どなくなったけど……二人の中には私の血も混ざってる……」

美耶子「それを使えば私にもまだ、扉を開けることくらいは出来る……!」

須田「お、俺たち、鏡に吸い込まれて……」

両津「ぎええええええっ!!!」

56: 2013/12/06(金) 22:25:55.30 ID:Ns36zKu40
……

八尾「まさかあの『美耶子』の実がなくなるなんて……」

八尾「どうする……?こうなったらあの姉の方にまた実を作らせて……でも……」チュイン!


八尾「……どうして、ここに」

両津「もうあんたの電波話に付き合う気はない!次は当てるぞ!もう終わりだ、大人しくしやがれ!」

八尾「そう……まさかとは思ったけど……やっぱり……」


八尾「あなた達が実を盗んだのね!!!」

59: 2013/12/06(金) 22:34:50.98 ID:Ns36zKu40
八尾「駄目……もう……待つのは嫌……」

両津(お、おい……なんだか悶え出したぞあの女……)ボソボソ

須田(追い詰められて参ってるんじゃないですか?)ボソボソ

美耶子(あの女は元からあんな感じ)ボソボソ


八尾「これだけは……やりたくなかった……でも……もうこうするしかないのね……」ユラ…

両津「キサマ!妙な動きを見せるな!撃つぞ!!」チャキッ

八尾「この実を捧げます……。天におわす主よ、お力を……!」ボオオッ

60: 2013/12/06(金) 22:38:32.16 ID:Ns36zKu40
美耶子「!!」

須田「両津さん!あの人……急に燃え出して……中から何か出てきましたよ!!」

両津「な、なんだありゃあ……デカいタツノオトシゴみたいだ……こんなのがこの村の神様とか頭おかしいんじゃねぇか?」


八尾「神を侮辱するなんて何処までもふざけたことを……!主よ!」

堕辰子「……」

73: 2013/12/06(金) 23:31:35.84 ID:Ns36zKu40
堕辰子「ーー」スッ

須田「な、消えーー!?」

両津「逃げやがったか!?」

美耶子「違う!上!」

両津「なんだと!?うおっ!!」

堕辰子「ーー」ガブッ!

須田「両津さん!噛まれてますよ!!」

両津「いててて!!!言われんでも分かっとる!!」

八尾「主よ!そんなものを食べては体に毒です!!」

74: 2013/12/06(金) 23:33:44.22 ID:Ns36zKu40
堕辰子「ーー」ガジガジ

両津「いててて!!離せこんちくしょう!!」バァンバァン!

堕辰子「!!」ボトッ

両津「いってぇ……あの野郎本気でわしを食うつもりだったな~!!」

須田(あんなに噛まれたのにほぼ無傷だ……)

78: 2013/12/06(金) 23:36:32.94 ID:Ns36zKu40
須田「でも……あんなのどうやって倒せばいいんだ……。銃で撃ったのに、驚いただけみたいだし……」

美耶子「あいつは、そんなのじゃ倒せない。もっと、他の……」

美耶子「かんきち、そこの……光ってるの、なに?」

両津「ん、なんだこれ……そういえばあの変な医者からこんなの受け取ったような……」

美耶子「そ、それ……!」

八尾「あなた……何処でそれを!?」

80: 2013/12/06(金) 23:40:00.95 ID:Ns36zKu40
美耶子「それがあれば、あいつを倒せる。でもーー」

両津「よく分からんがこいつがあればいいんだな! でもどうすりゃいいんだ!?ってあちちちちち!!!いきなり燃え出したぞこいつ!」ボボボボ

美耶子(凄い……使ってもないのにうりえんが燃えてる……)

美耶子「その『うりえん』はなんであろうと燃やし尽くせる煉獄の炎を呼び出せる……使った人の命と引き換えに」

両津「な、なんだと!?それじゃあどの道使えんじゃないか!!」

須田「いや、両津さんなら大丈夫なんじゃ……」

84: 2013/12/06(金) 23:47:15.23 ID:Ns36zKu40
美耶子「普通の人なら、使ったらすぐに氏んじゃう。でも、あの赤い水と私の血と合わされば、その人は肉体と精神、両方の意味で不氏身になるから……」

両津「幾らでもこのオカルト道具を使えるワケか!よし、それならーー」

両津「ってわしの体の中にもう殆ど赤い水はないんだった……。八方塞がりじゃないか!!」グヌヌ

美耶子「私も、かんきちに血をあげた時にもう……」

両津「くそ~!!……まさかそう都合良くここに赤い水と美耶子の血がある奴がいるわけないし……」

須田「俺のこと忘れないでくださいよ!!」

87: 2013/12/06(金) 23:50:32.35 ID:Ns36zKu40
須田「詳しいことは分からないですけど……俺なら美耶子の血と赤い水を身体に取り込んでいてなおかつ両津さんの血は入ってないし……いけると思います」

両津「い、いいのか?こんなワケの分からんモン使ったらどうなるか分からんぞ……」

須田「そう言いながら手渡さないでくださいよ!!」

須田「俺しかやれないんだから……やりますよ!」

90: 2013/12/06(金) 23:56:36.50 ID:Ns36zKu40
堕辰子「ーー」ヌッ

美耶子「きょーや!上!」

須田「喰らえ!!」ボオオオオオ

堕辰子「ーー!!ピギィィィィィ!!!」

八尾「そ、そんな……」

両津「須田!大丈夫か!?」

須田「ちょ、ちょっと全身の力がなくなった感じですけど……大丈夫です、生きてます。でも……」

美耶子「いきなりだから……ちゃんと当たってない!」

91: 2013/12/07(土) 00:00:03.44 ID:8ng+XDcm0
堕辰子「ピギィ!」ワタワタ

両津「逃がすか!!」ガシッ

堕辰子「!?」バタバタ

両津「また消えて逃げようなんてそうはさせんぞ!よくもわしを噛みやがったな!百倍返しだ!!」ガジガジガジガジ

堕辰子「ピギィィィィィィィィッ!!!!」ジタバタジタバタ

美耶子「すごい……」

須田「素手で化け物を圧倒してる……」

八尾「ば、化け物……」

102: 2013/12/07(土) 00:09:54.40 ID:8ng+XDcm0
両津「いいか?わしの言うことを聞くなら離してやる、聞くか?」

堕辰子「ピギィッ!ピギピギィッ!!」

両津「ほう……まだ余裕があると見える……」ギリギリギリギリ

堕辰子「ピーーーギィィィィィィィィッーーー!!!」


須田「なんだかあれと意思疎通し始めてるような気がするんだけど……」

美耶子「やっぱり、かんきちはすごい」

106: 2013/12/07(土) 00:12:34.15 ID:8ng+XDcm0
堕辰子「ピギィピギィ……ピギィ……」

両津「よし、ようやくわしの話を聞く気になったようだな」スルッ

堕辰子「ピギーー」

両津「おっと、変な気は起こすなよ」ジャキッ

堕辰子「ピ、ピギ……」


須田「あいつ銃効かないはずなのに……」

109: 2013/12/07(土) 00:16:27.53 ID:8ng+XDcm0
両津「いいか、お前にやって欲しいことはわしら……この村の奴らもだぞ。とにかく全員を元の場所に返すことだ、出来るな?」

堕辰子「ピ、ピギィ?」

両津「流石に言葉は通じんか、要するにだな……」カキカキ

堕辰子「……」フムフム


須田「完全に神を手懐けている……」

八尾「ああ……もう……」

114: 2013/12/07(土) 00:21:11.48 ID:8ng+XDcm0
両津「……ということだ、分かったか?」

堕辰子「ピギィ……」

両津「なに!?『そうしたいのは山々だが出来ません』とはどういうことだ!!」ギリギリ!

堕辰子「ピーギィィィィィィィィッー!!」ジタバタ

両津「『そんなことを言われても』だと!?お前が全ての元凶だろうが!
なんとかしろ!!」

須田(もう完全に会話しているようにしか見えない……)

116: 2013/12/07(土) 00:24:42.22 ID:8ng+XDcm0
八尾「神に代わって私から説明します……」

須田「あれ、もう折れたんですか」

八尾「こうなってしまってはもう仕方がないでしょう……」


両津「どういうことだ!こいつならどうにか出来るんじゃないのか!!」

八尾「正確に言いますと……羽生蛇村をこのような姿に変えたのは主ではありません。より上位の存在によるものなのです」

両津「また電波話が始まるのか……。頭痛が……」

須田「だ、大丈夫ですか?」

両津「もうゲームの話として聞くことにする……」

120: 2013/12/07(土) 00:29:08.67 ID:8ng+XDcm0
須田「……つまり元々ひどい飢餓に襲われた村の住人だったあなたがこいつの肉を食べたのが原因で、神の肉を食べるという禁忌を犯したことにキレたより上位の神様がこの村全体を呪ったんですね」

両津「お前はこいつを復活させることでこいつというよりはむしろその上の神とやらの許しを乞うつもりだったと」

美耶子「元々は全部お前が悪い!!」

八尾「すいません……お腹が空いてたんです……」

123: 2013/12/07(土) 00:33:44.13 ID:8ng+XDcm0
両津「しかもなんやかんやで因果律とやらが捻じ曲がり過ぎてこの村には始まりと終わり自体がなくなって、儀式の前後だけを繰り返しているだと……?いよいよ混乱してきたぞ」

須田(ネットにこの体験をアップしたら考察スレが盛り上がりそうだな……)

堕辰子「ピギィ……」

両津「『なにも出来なくてすみません』だと? いいよもう、うっかり下に落ちたら身体食われて。お前これまで災難だったな」

堕辰子「ピギィ、ピギィィッ……」

128: 2013/12/07(土) 00:37:20.42 ID:8ng+XDcm0
両津「しかしお前下とは言えそいつと同じ『神』なんだろ? その上の神と会うことは出来んのか」

八尾「それは……可能です。私も全てが終われば直接許しを乞うつもりでしたからわしかし……」

須田「身体食べられてそこまで怒る人が神様にあんなことする人に会ったら余計に怒るんじゃあ……」

八尾「ですよね……」

美耶子「かんきち、やり過ぎ!」ゲシッ

両津「うーむ……」

129: 2013/12/07(土) 00:37:53.17 ID:8ng+XDcm0
両津「しかしお前下とは言えそいつと同じ『神』なんだろ? その上の神と会うことは出来んのか」

八尾「それは……可能です。私も全てが終われば直接許しを乞うつもりでしたから。しかし……」

須田「身体食べられてそこまで怒る人が神様にあんなことする人に会ったら余計に怒るんじゃあ……」

八尾「ですよね……」

美耶子「かんきち、やり過ぎ!」ゲシッ

両津「うーむ……」

138: 2013/12/07(土) 00:56:51.05 ID:8ng+XDcm0
両津「さっきから何か思い出しそうなんだがなんだったか……」ウムムム

両津「何しろ十数年前の記憶だからな……」ウムムム

須田「両津さんが何歳の時の話ですか……」

両津「まあいい。そのうち思い出しそうな気がする」

両津「おい、悪いがわしをその上の神とやらに会わせてくれ」

須田「正気ですか!?」

139: 2013/12/07(土) 00:59:33.05 ID:8ng+XDcm0
両津「こいつにはどうにも出来んのならそいつに会うしかないだろう」

須田「神様を「こいつ」とか言う人と話し合ってくれるわけないでしょう!今も見てるかも知れないんですから!バチが当たっても知りませんよ!?」

両津「相変わらずうるさい奴だ……とにかく頼むよ、わしだけでもいいから連れてってくれ」

堕辰子「ピギィ!」フリフリ

須田(もう完全に飼い慣らされている……)

八尾(何処を振っているんですか……)

141: 2013/12/07(土) 01:03:07.18 ID:8ng+XDcm0
ボワァァァン

須田「!?」

両津「なんだ!?」

八尾「こ、この方は……」

堕辰子「ピ……ビギィ……」

花山「神を脅迫するとは……相変わらずとんでもない奴だ……」



両津「誰だこの爺、知り合いか?」

須田「いえ……」

花山「」ズルッ

142: 2013/12/07(土) 01:05:50.60 ID:8ng+XDcm0
花山「私を覚えておらんのか!?」

両津「そういえば……昔はたまにちょくちょくこんなおっさんが出てきてたような気が……」ウヌヌ

両津「思い出した!!てめぇ!よくも昔はわしにいろいろしてくれたな!またわしの前に現れるとはいい度胸だ!!」

花山「私だって二度とお前なんぞに会いたくなかったわ!!」

144: 2013/12/07(土) 01:09:16.74 ID:8ng+XDcm0
須田「あの……この人は……」

両津「天国で働いてる確か花山理香とかいう魔法使いの爺だ。こんな偉そうな格好してるが昔は天国でも下っ端だったんだ。あんた出世したか?ん?」

花山「何十年も巡査長やってるお前に言われたくないわ!!」

須田「て、天国の人と知り合いなんですか……」

両津「殆ど忘れてたがな。最近全然出てこないんだ、こいつ」

花山「お前に会いたくなかったからだよ!!」

146: 2013/12/07(土) 01:12:57.72 ID:8ng+XDcm0
両津「旧キャラが出てきたから思い出したが確か全知全能の神とかいう奴もいたな、なのになんでこのタイミングでお前が出てくるんだ」

花山「神は……どうしてもお前には会いたくないと言っておってな。また天界に乗り込まれてもかなわんということで私に白羽の矢が立ったのだ」

両津「それでお前が飛ばされてきたのか。相変わらず立場の弱い爺だ」

花山「やかましい!!」

148: 2013/12/07(土) 01:16:02.65 ID:8ng+XDcm0
両津「それでお前が出てくるということはお前がこの状況をなんとかするんだな?」

花山「このままずっとここに封じ込めるという案もあったんだが……」ボソッ

両津「ほう……」チャキッ

花山「ウソウソ!ジョーク!!」

須田「両津さんは天国でも魔神か何かの扱いですか……」

150: 2013/12/07(土) 01:21:13.14 ID:8ng+XDcm0
花山「しかしな……。お前とそこの少年は部外者だからともかく……この村は神喰らいの罪としてまだ『終わりがないのが終わりの刑』の続きが……」

両津「固い事言うなよ……わしとお前の仲じゃないか……」

花山「さっきまで忘れておいてこの男はなんという厚かましさだ……」

両津「ちょーっと揉み消してくれるだけでいいんだ、頼むよ」ハハハ

花山「お前本当に警察官か……?」

154: 2013/12/07(土) 01:27:04.47 ID:8ng+XDcm0
八尾「あの……この度は私の不徳の致すところ、誠に申し訳ありません……」

花山「……」

花山(た、タイプだ……)

花山「ど、どうでしょう?もし貴女が天界で私の部下になってくれるなら私の裁量でこの村の呪いを解く事も出来ますが……」

八尾「ほ、本当によろしいのですか!?」

花山「は!い、いえいえ!私も前々からこの件については少々やり過ぎだと思っておりまして!」デレデレ


両津「お前の方が汚いじゃねぇか。冥界に配置転換されても知らんぞ」

花山「うるさい!!」

156: 2013/12/07(土) 01:31:31.23 ID:8ng+XDcm0
花山「それではこれよりこの村にかけられた呪いを解く」オホン

両津「急に装い出しやったな、こいつ」

須田「しーっ!声が大きいですよ!!」

両津「それでお前はどうするんだ、こいつは天界に行っちまうみたいだが」

堕辰子「ピギ……」

花山「ああ、彼も私があちらでどうにかする。まあ巻き添えで何百年も下界に縛られて不憫な事だ。上も何かしら考えてくれるだろ……」

両津「お前が何とかするんじゃないのかよ……」

158: 2013/12/07(土) 01:35:15.59 ID:8ng+XDcm0
花山「では一時的にお前達を常世の羽生蛇村に戻すぞ」

両津「一気にやってくれりゃあいいのに……」

花山「やかましい!現世との座標の指定とか誰がやると思ってるんだ!!」

花山「ゴホン……それでは送るぞ。……ではな」

花山(もう会いませんように……)

159: 2013/12/07(土) 01:37:55.74 ID:8ng+XDcm0
……

須田「う、うう……。ここは……」

美耶子「祭壇じゃ……ない……何処だろ」

両津「ぎえええええええっ!!!」ヒュルルルル

グチャッ

須田「あ、両津さんだ」

美耶子「なんでかんきちだけあんなにすごい高さから……」

須田「イタチの最後っ屁かな……」

161: 2013/12/07(土) 01:41:40.51 ID:8ng+XDcm0
両津「野郎!最後にこんな真似しやがって!」イテテテ

須田「両津さーん、大丈夫ですかぁー」

両津「あいつ……わしだけわざとこんな乱暴に……次会ったら覚えとけよ……」

両津「ところでここは……何処だ?」

須田「さあ……まあとにかくもうすぐ帰れると思うと、なんだか変な気分ですよ」

須田「なんだか随分長い……気の遠くなるような長い間ここにいたようなきがするんですけど、まだ三日くらいしか経ってないんですね」

162: 2013/12/07(土) 01:42:21.89 ID:8ng+XDcm0
両津「野郎!最後にこんな真似しやがって!」イテテテ

須田「両津さーん、大丈夫ですかぁー」

両津「あいつ……わしだけわざとこんな乱暴に……次会ったら覚えとけよ……」

両津「ところでここは……何処だ?」

須田「さあ……まあとにかくもうすぐ帰れると思うと、なんだか変な気分ですよ」

須田「なんだか随分長い……気の遠くなるような長い間ここにいたような気がするんですけどこの村に来てから、まだ三日くらいしか経ってないんですね」

164: 2013/12/07(土) 01:44:08.18 ID:8ng+XDcm0
両津「お前まで電波なことを言い出すとは思わんかったぞ……」

須田「す、すいません……なんだかつい……」

美耶子「……ううん」

美耶子「本当に、永かった……」

165: 2013/12/07(土) 01:47:53.26 ID:8ng+XDcm0
両津「そうだな……」


コロ…

両津(ん?これは……酒瓶じゃないか!ちょうどいい!いい加減酒が飲みたかったところだ……)

両津(って空き瓶じゃないか!当たり前だが期待させやがって!!)

須田「……でもまだ水は赤いままなんですね。早く普通の水が飲みたいですよ」

両津「まったくだ、わしはさっさと酒……」


両津「ん?」

175: 2013/12/07(土) 02:03:36.07 ID:8ng+XDcm0
宮田『傷を癒すが人を化け物に変える赤い水に化け物を人に変えるワクチン』

宮田『これじゃあ医者(おれ)も用無しだ』

両津(!!)

両津(こ、これは……!!)

両津(金になる!!!)

両津(とりあえずこの酒瓶一杯にこの赤い水を持ち帰ったとして……ひょっとすれば成分を研究すれば増やすこともできるんじゃ……)

両津(仮に化け物になってもわしの血から取れるワクチンがあればどうにかなるし……」ブツブツ

須田「……?」

177: 2013/12/07(土) 02:06:32.51 ID:8ng+XDcm0
両津「見ろ!須田!美耶子!あそこにツチノコがいるぞ!!」バッ

須田「えっ!?何処にですか!?」

両津(さすがオカルトオタク!喰いついたな!この隙に……)トクトク

美耶子「きょーや!あそこ!!あそこになにかいる!!」

須田「うわ!ほんとだ!!両津さん!あれ絶対本物のツチノコですよ!!」

両津「そうか!よかったな!!」

両津(どうせその辺のヘビの見間違いだ!今はこの赤い水を……よし!)キュッ

180: 2013/12/07(土) 02:09:48.72 ID:8ng+XDcm0
須田「くっそー、捕まえようとしたんですけど逃げられた……」

美耶子「惜しかった……」

須田「あのツチノコ捕まえて持ち帰ったら間違いなく凄い話題になったのに……」

両津「残念だったな、まあまた探しにくればいいさ」ハハハ

須田「……両津さん?後ろになに持ってるんです?」

両津「い、いや!なにも持ってない!断じて何も持ってないぞ!!」

須田(怪しすぎる……)

183: 2013/12/07(土) 02:11:58.76 ID:8ng+XDcm0
両津「それよりなんだかやけに霧が濃くなってきたな……」

須田「そうですね……って幾らなんでもこれは……」

美耶子「な、何も見えない……」

………

186: 2013/12/07(土) 02:16:01.46 ID:8ng+XDcm0
………
ババババババ

三沢「今日で三日目、依然生存者はおろか遺体の一つも確認出来ません」

三沢「それにこの霧ではまともに捜索活動も行えず……」

中川「なんなんですかこの霧は……」

三沢「分かりません。自分もここに入って長いですが……こんな事態は初めてです」

三沢「まるで村の周辺だけを包み込むような……オカルトじみてますよ。これは」

188: 2013/12/07(土) 02:20:08.23 ID:8ng+XDcm0
………

中川「予算が足りなければ僕が幾らでも補填します。とにかく、土砂を全て取り除くくらいの心持ちで、何かしらの成果が挙がるまで……お願いします……」

三沢「……分かりました、我々としても、この状況は不本意以外の何物でもありません」

三沢「辛いとは思いますが……どうか、気を強く持ってください」

中川「はい……」

191: 2013/12/07(土) 02:24:18.20 ID:8ng+XDcm0
中川「あの先輩が……こんなことに巻き込まれるなんて……」

三沢「……」

中川「……笑われてしまうかも知れませんが、僕は先輩なら……突然なんでもないような顔でひょっこり戻ってくるかもしれない、なんて考えちゃうんですよね」

三沢「……分かります」

中川「ありがとうございます……でも……」

パイロット「せ、生存者確認!! 土砂の中を歩いています!!」

中川「」ズルッ

192: 2013/12/07(土) 02:26:20.77 ID:8ng+XDcm0
三沢「おい、本当に確かなのか。何かの見間違いじゃないのか」

パイロット「み、見間違えようがありません!生存者三名確認!こちらに向かって手を振っています!!」

中川「せ、先輩だ……」


………

両津「おーい!拾ってくれー!!!」

195: 2013/12/07(土) 02:30:24.80 ID:aeyKY0SA0
前注意されたこと理解できないの?
理解力ないならVIPからでてけよ

196: 2013/12/07(土) 02:32:18.46 ID:8ng+XDcm0
……

部長「あれ以来毎日のようにメディアは大騒ぎだな」

中川「あれだけの規模の土砂災害でありながら今のところ氏者ゼロですからね」

麗子「現場は今も霧に覆われているけど……続々と住人の方が救出されてるんでしょう?」

部長「生存者に事態の説明を求めても皆一様に何も覚えとらんと言うし……不可思議なことだ」

198: 2013/12/07(土) 02:37:18.52 ID:8ng+XDcm0
中川「それにしても先輩への世間の注目は凄かったですね」

麗子「ほんと、この数ヶ月テレビで両ちゃんの顔を見なかった日がないくらいよ」

部長「あいつならこの件について本でも書いて一儲け企むかと思ったが……不気味なほど静かだな」

中川「実際そういう話もかなり来ていたようですが……今は記者会見だけで手いっぱいだと全て断ってるみたいですね」

麗子「なんだか意外ね」

201: 2013/12/07(土) 02:39:01.37 ID:aeyKY0SA0
テレビ『えー、羽生蛇村を襲った突然の大規模な土砂災害』

テレビ『自衛隊の懸命な捜索はなおも続けられていますが依然生存者は……』

部長「……」

中川「こんなことに……なるなんて……」

部長「……心配するな。あいつは頃しても氏ぬようなタマじゃない」

部長「あいつが……こんなことでくたばる筈が……ないんだ
部長「……」

中川「こんなことに……なるなんて……」

部長「……心配するな。あいつは頃しても氏ぬようなタマじゃない」

部長「あいつが……こんなことでくたばる筈が……ないんだ……」

麗子「両ちゃん……」

中川(先輩……)

中川(一体……今何処にいるんですか!)

202: 2013/12/07(土) 02:39:37.40 ID:aeyKY0SA0
宮田『傷を癒すが人を化け物に変える赤い水に化け物を人に変えるワクチン』

宮田『これじゃあ医者(おれ)も用無しだ』

両津(!!)

両津(こ、これは……!!)

両津(金になる!!!)

両津(とりあえずこの酒瓶一杯にこの赤い水を持ち帰ったとして……ひょっとすれば成分を研究すれば増やすこともできるんじゃ……)

両津(仮に化け物になってもわしの血から取れるワクチンがあればどうにかなるし……」ブツブツ

須田「……?」 宮田『傷を癒すが人を化け物に変える赤い水に化け物を人に変えるワクチン』

宮田『これじゃあ医者(おれ)も用無しだ』

両津(!!)

両津(こ、これは……!!)

両津(金になる!!!)

両津(とりあえずこの酒瓶一杯にこの赤い水を持ち帰ったとして……ひょっとすれば成分を研究すれば増やすこともできるんじゃ……)

両津(仮に化け物になってもわしの血から取れるワクチンがあればどうにかなるし……」ブツブツ

須田「……?」

204: 2013/12/07(土) 02:39:59.55 ID:8ng+XDcm0
部長「ところで当の両津はどうしたんだ?」

中川「朝から僕の会社の技術部の機材を借りられるか交渉に行ってるみたいです。なんでもようやくまとまった時間が取れるからだとかなんとか……」

部長「一体またあいつは何を始めるつもりだ……」

麗子「ねぇ、ところで裏に転がってたこれなにかしら?」

205: 2013/12/07(土) 02:40:13.29 ID:aeyKY0SA0
両津「この梯子からどうやら下に降りられそうだな……。よし!わしが先に行くからついて来いよ!」カンカン

須田「りょ、両津さん!ちょっと待っ……」

狙撃屍人「!」ダンッダンッダンッ

両津「ぎええええええっ!!」ドサッ

須田「大丈夫ですか!?うわっ!」チュインチュイン

両津「馬鹿野郎!下で待ち伏せし気付てることに気付いてたなら早く言え!」ジンジン

須田「言う前に両津さんが飛び出したんじゃないですか!!」

安野「すごーい。あのお巡りさんあの高さから落ちてピンピンしてる~ 両津「この梯子からどうやら下に降りられそうだな……。よし!わしが先に行くからついて来いよ!」カンカン

須田「りょ、両津さん!ちょっと待っ……」

狙撃屍人「!」ダンッダンッダンッ

両津「ぎええええええっ!!」ドサッ

須田「大丈夫ですか!?うわっ!」チュインチュイン

両津「馬鹿野郎!下で待ち伏せし気付てることに気付いてたなら早く言え!」ジンジン

須田「言う前に両津さんが飛び出したんじゃないですか!!」

安野「すごーい。あのお巡りさんあの高さから落ちてピンピンしてる~」 」

209: 2013/12/07(土) 02:40:56.42 ID:aeyKY0SA0
部長「ところで当の両津はどうしたんだ?」

中川「朝から僕の会社の技術部の機材を借りられるか交渉に行ってるみたいです。なんでもようやくまとまった時間が取れるからだとかなんとか……」

部長「一体またあいつは何を始めるつもりだ……」

麗子「ねぇ、ところで裏に転がってたこれなにかしら? 部長「ところで当の両津はどうしたんだ?」

中川「朝から僕の会社の技術部の機材を借りられるか交渉に行ってるみたいです。なんでもようやくまとまった時間が取れるからだとかなんとか……」

部長「一体またあいつは何を始めるつもりだ……」

麗子「ねぇ、ところで裏に転がってたこれなにかしら?」 」

210: 2013/12/07(土) 02:41:26.05 ID:aeyKY0SA0
八尾「……あなたたちに親切にした人格も、私の中の一つの表面に過ぎません」

八尾「そう、禁忌を犯し永遠を生きるうちに……私の中に生じた一つの人格に」

両津「またワケの分からんことを……もういい!とにかく逮捕だ!!」

八尾「……仕方ありませんね」

八尾「ここはひとまず、逃げさせてもらいます」スウッ

両津「!?」 八尾「……あなたたちに親切にした人格も、私の中の一つの表面に過ぎません」

八尾「そう、禁忌を犯し永遠を生きるうちに……私の中に生じた一つの人格に」

両津「またワケの分からんことを……もういい!とにかく逮捕だ!!」

八尾「……仕方ありませんね」

八尾「ここはひとまず、逃げさせてもらいます」スウッ

両津「!?」

214: 2013/12/07(土) 02:42:18.25 ID:aeyKY0SA0
両津「さっきから何か思い出しそうなんだがなんだったか……」ウムムム

両津「何しろ十数年前の記憶だからな……」ウムムム

須田「両津さんが何歳の時の話ですか……」

両津「まあいい。そのうち思い出しそうな気がする」

両津「おい、悪いがわしをその上の神とやらに会わせてくれ」

須田「正気ですか!?」 両津「さっきから何か思い出しそうなんだがなんだったか……」ウムムム

両津「何しろ十数年前の記憶だからな……」ウムムム

須田「両津さんが何歳の時の話ですか……」

両津「まあいい。そのうち思い出しそうな気がする」

両津「おい、悪いがわしをその上の神とやらに会わせてくれ」

須田「正気ですか!?」

215: 2013/12/07(土) 02:42:54.99 ID:8ng+XDcm0
部長「なに?……おお、『大予言』じゃないか!」

麗子「大予言?」

中川「知ってるんですか?部長」

部長「羽生蛇村の有名な地酒だよ。両津の奴め、どさくさに紛れて持ち帰って来たな!」

217: 2013/12/07(土) 02:43:49.73 ID:aeyKY0SA0
両津「野郎!最後にこんな真似しやがって!」イテテテ

須田「両津さーん、大丈夫ですかぁー」

両津「あいつ……わしだけわざとこんな乱暴に……次会ったら覚えとけよ……」

両津「ところでここは……何処だ?」

須田「さあ……まあとにかくもうすぐ帰れると思うと、なんだか変な気分ですよ」

須田「なんだか随分長い……気の遠くなるような長い間ここにいたようなきがするんですけど、まだ三日くらいしか経 両津「野郎!最後にこんな真似しやがって!」イテテテ

須田「両津さーん、大丈夫ですかぁー」

両津「あいつ……わしだけわざとこんな乱暴に……次会ったら覚えとけよ……」

両津「ところでここは……何処だ?」

須田「さあ……まあとにかくもうすぐ帰れると思うと、なんだか変な気分ですよ」

須田「なんだか随分長い……気の遠くなるような長い間ここにいたようなきがするんですけど、まだ三日くらいしか経ってないんですね」 両津「野郎!最後にこんな真似しやがって!」イところでここは……何処だ?」

須田「さあ……まあとにかくもうすぐ帰れると思うと、なんだか変な気分ですよ」

須田「なんだか随分長い……気の遠くなるような長い間ここにいたようなきがするんですけど、まだ三日くらいしか経ってないんですね」 」

220: 2013/12/07(土) 02:45:31.78 ID:aeyKY0SA0
両津「野郎!最後にこんな真似しやがって!」イテテテ

須田「両津さーん、大丈夫ですかぁー」

両津「あいつ……わしだけわざとこんな乱暴に……次会ったら覚えとけよ……」

両津「ところでここは……何処だ?」

須田「さあ……まあとにかくもうすぐ帰れると思うと、なんだか変な気分ですよ」

須田「なんだか随分長い……気の遠くなるような長い間ここにいたようなきがするんですけど、まだ三日くらいしか経ってないんですね」

221: 2013/12/07(土) 02:46:48.25 ID:8ng+XDcm0
麗子「でもこれ、なんだか変な臭いするわよ?」

中川「ほんとだ、生臭いような……色もなんだか変な色ですし……」

部長「よく見れば底の方に泥も結構混じってるな……両津の奴、名酒とはいえこんなものを飲むつもりか……」

部長「ともかく派出所に酒を置いておくなんてとんでもない、麗子くん。悪いが外に流しておいてくれ」

麗子「はーい」

225: 2013/12/07(土) 02:49:22.18 ID:8ng+XDcm0
両津「うおっす!!」キキキキキキ

中川「あ、先輩。どうでしたか?」

両津「いやぁ技術部の方々も最初は「わしに機材を預けるのは嫌だ」とごねていたが誠心誠意説得していたらわしの熱意に心を打たれて快く貸してくれたよ」ハハハ

中川(本当かな……)

227: 2013/12/07(土) 02:54:07.76 ID:8ng+XDcm0
両津「それより!酒瓶酒瓶!」

部長「両津くん……出勤して早々酒の話とは楽しそうじゃないか……」

両津「ぶ、部長……いるならいるって言ってくださいよ……」

部長「両津!キサマまた勤務を抜け出して何処へ行くつもりだ!!」

両津「はぁ……私、部長には長生きして欲しいからわしが大富豪になったら暁には真っ先にあの赤い水を届けて差し上げようかと思ってたのに……そんな態度じゃ部長にだけは絶対売ってあげませんよ?」

部長(なにを言っとるんだこの男は……)

229: 2013/12/07(土) 02:56:27.53 ID:8ng+XDcm0
部長「貴様が何をしようと勝手だがそういうことはキチンと仕事をしてからにしろ」

両津「そんなぁ~わし、午後からは非番なのに……」

部長「午前は私用で出掛けとっただろうが!」

両津「あ、あれはパトロールですよ!」


麗子「あら両ちゃん、来てたの」カラッ

両津「!?」

234: 2013/12/07(土) 02:59:26.03 ID:8ng+XDcm0
両津「れ、麗子……その瓶の中身は……」

麗子「やぁねぇ両ちゃん。いくらお酒が好きだからって流石にあんな泥水みたいなの飲まないでよ」

部長「神聖な職場にあんな私物を転がしてるお前が悪い、諦めろ」

両津「ななななんということをするんだ!!!」

236: 2013/12/07(土) 03:00:56.65 ID:8ng+XDcm0
両津「お前は……あの瓶の中身をなんだと……」オーイオイ

麗子「ちょ、ちょっとそんなに泣かないでよ……」

中川「流石に黙って勝手に捨てちゃったのはまずかったんじゃ……」

部長「う、うーむ……」

241: 2013/12/07(土) 03:05:47.26 ID:8ng+XDcm0
中川「先輩があれだけ泣き崩れるっていうことは僕達には理解できなくとも先輩にとっては相当大事なものだった可能性が……」

部長「う、うむむ……」


両津「ヒック…ヒック…うぅ……あんまりだぁ……」

部長「両津くん!悪かった!酒なら今度わしがいくらでも奢ってやるから!機嫌を治そう!な!」

両津「ぶちょーは何も分かってないんですよぉ!パトロール行ってきます!!」ダッ

部長「両津!」

246: 2013/12/07(土) 03:10:52.01 ID:8ng+XDcm0
部長「悪いことしたな……」

麗子「あんなに取り乱してる両ちゃん久しぶり……」

部長「まあそのうち帰ってくるとは思うが……」


シャーッ

部長「む、そこの君達!自転車の二人乗りはいかんぞ!」

268: 2013/12/07(土) 03:21:41.23 ID:8ng+XDcm0
「彼女とそういうことをしたい年頃なのは分かるが二人乗りはいかんぞ」

「ご、ごめんなさい……」

「ねぇ……葛飾区亀有公園前派出所って、ここ?」

「そうだけど……何か用事かい?」

「いえ。俺達、ここのお巡りさんと前から約束してたんです。今日はそれで……」

「ああ、両ちゃんと?」

「……」コクッ

「かんきちときょーやと遊園地に行く、約束」

終わり

305: 2013/12/07(土) 07:28:21.26 ID:H/1O199s0

面白かった

そして休みだからって浮かれてるクソコテ氏ね

引用: 部長「両津の馬鹿は何処だ……」中川「部長……」