1:◆FFa.GfzI16 2012/09/23(日) 16:16:19.98 ID:Die2v/hS0

兄「日本衰退の原因について考えるぞ!」姉・妹「はーい!」


兄「と、言うわけで今日は第二回目のお勉強だ!」

姉・妹「わー!」パチパチ

兄「テンションあげて行くぞォ!!」

姉・妹「イエーイ!!」

兄「よし!何か質問はあるか?」

妹「はい!」

兄「はい妹!」

妹「おニイは就職出来たの?」

兄「………………………」

妹「………………………」

姉「………………………」

兄「なぁ妹?前回学んだよな?日本の衰退について?」

妹「うん、憶えてるよ!」

姉「まるで昨日のように脳裏に浮かぶわ……バブルの優雅さが」ウットリ

兄「よし!とりあえず姉さんはなんにも理解してなかった事が分かった!」
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2: 2012/09/23(日) 16:17:27.46 ID:Die2v/hS0

妹「違うよおネエ!バブルは日本のバランスが崩れちゃったからダメだったって習ったでしょ!」

兄「い、妹………よくぞ憶えていてくれたぁ!」

妹「だから中国やっつけなきゃ!!」キリッ

兄「……全く成長していない」

姉「それと弟?前回アメリカのバブル崩壊の所、間違ってたって指摘があったわよ?」

兄「うぐっ!」

姉「私のことをなんにも理解していないと言う前に、自分の事を振り返った方がいいんじゃなくて?」

妹「でもさ、親切な人が説明してくれたお陰で助かっちゃったね」

4: 2012/09/23(日) 16:18:54.81 ID:Die2v/hS0
兄「しょ、しょうがないだろ!俺だってそんな…詳しい訳じゃ…」ボソボソ

妹「言い訳ダメ!」

姉「無様ね……無職」

兄「うるせえ!!俺だって一生懸命生きてんだ!!!一度失敗したくらいでなんだ!」

姉(既に就職失敗してるじゃない…)

兄「大体あいついきなり出てきて偉そうな事ばっか言いやがって!!お前みたいな奴を企業は絶対に雇わないだぁ!?身をもって体験しとるわアホッ!!」

兄「う、うわぁあああぁあああ!!!思い出しちまったぁあぁああぁぁあああ!!面接官のプレッシャァアァアアアア!!」

妹「お、おニイ!?」

姉「見ちゃダメよ妹。アレが負け犬の成れの果てよ」

9: 2012/09/23(日) 16:21:20.32 ID:Die2v/hS0

兄「あの野郎っ!出て来い!俺がぶっ倒してやる!!怒った俺は怖いぞ!!」

姉「でも、とある人はあの後一生懸命レポート書いたらしいわよ」

妹「なんか言ってた?」

姉「『ふぃ~助かったぁ……』とか言ってたとか…」

兄「あの野郎!出てこい!!ToLoveるダークネスをお前の家に送り届けて恥ずかしい思いさせてやるぅうう!!」

妹「どうしよう…おニイが壊れちゃったよぉ……」

姉「大丈夫よ、そのうち治るでしょうから」

兄「こんちきしょうめ!就職失敗した俺にあそこまで辛く当たる事……ないだろぉがぁ!!」グスッ

妹「泣いちゃった!?」

姉「あれが私の弟………認めたくないものね、現実は」ハァ

12: 2012/09/23(日) 16:24:29.68 ID:Die2v/hS0

兄「本格的な事を知りたいとか言うんなら、こんなとこにいないで参考書でも買ってきやがれってんだぁああ!!」

姉「間違った知識ひけらかしといて開き直るなんてね………」

妹「な、何とかしてあげようよぉ……」

姉「ダメよ。そんなのは甘やかす事に他ならないから」

兄「経済の破り捨てた参考書と動物の氏骸をダンボールに詰めて送り届けてやる!!俺妹バンザーイ!」

ダダダダダダダダダッッッッ!!

妹「あっ……」

姉「可哀想に」

バタン

弟「うるせぇんだよっ!この無職野郎!!」バキッ

兄「うぎゃあ!」

弟「少し黙ってやがれっ!!」

ドスドスドスドス!!

14: 2012/09/23(日) 16:26:07.05 ID:Die2v/hS0

兄「……」

姉「……」

妹「……」

兄「生命倫理……やるぞ?」

姉・妹「うん。お願いします」


※あくまでネタです!
あの時の方には感謝してます!
兄の言ってる事は全てネタです!!!
弟はもう登場しません!!
今回は参考文献あるので間違いはない……ハズ

16: 2012/09/23(日) 16:27:36.35 ID:Die2v/hS0

序章 インフォームド・コンセント


兄「まず生命倫理学の基礎ともなっている倫理原則を4つ挙げるぞ」カキカキ


善行

無危害

正義

自律


兄「主要なものとしてはこれが挙げられる」

姉「結構当たり前の事ばっかりね。簡単じゃない」

妹「おネエもそう思った?私も私も~」

兄「その通り、とっても簡単なんだよ。でもだからこそ問題が絶えないんだ」

18: 2012/09/23(日) 16:31:10.47 ID:Die2v/hS0

妹「まず簡単にそれぞれの項目を説明してよ」

姉「善行、無危害、自律、正義、素晴らしい言葉ね!私の人生指標そのものよ!」

兄「それじゃ俺にももっと優しくしてくれよ」

姉「えっ?嫌よ?」

兄「意外そうな顔して言うんじゃねえ!」

妹「お~ニ~イ~早く説明して~」

兄「分かった分かった、まず善行。これはそのままの意味だ」

兄「患者に対して利益を与えなくてはいけない、しかしこれは絶対に不利益を与えてはいけないという事ではない」

姉「あら、それは矛盾してないかしら?」

妹「不利益を与えてもいいけど利益を与えなくちゃいけない?なにそれおかしい!」

19: 2012/09/23(日) 16:34:00.65 ID:Die2v/hS0
兄「だろうな。それじゃあ難しいところはすっ飛ばして簡単に説明するぞ?」

姉「『難しいところはすっ飛ばす』と予め言っておいて、細かいところの指摘から言い逃れる気ね」

妹「おニイ!あざとすぎるよ!!」

兄「うるせぇ!」ギクッ!

兄「た、例えば俺が交通事故に巻き込まれたとする。その時足が完全に潰れてしまいました」

姉「まぁ!それじゃもうハローワークに行くとも出来ないじゃない!」

妹「おニイが本格的に引きこもりに………くすん、ひどいよ」グスッ

兄「例えばだ!例えばの話だ!!」

姉( 例えも何もほぼそうじゃない……)

兄「とにかくそうなると俺は足を切断しなくちゃならんだろ?どんどん壊氏して行くから」

20: 2012/09/23(日) 16:36:18.91 ID:Die2v/hS0

妹「うん……」

姉(既に性根は腐ってるけど)

兄「その時俺は一生足で歩く事が出来なくなる不利益を負うわけだ。でもその代わり壊氏の進行を止める利益も得る」

兄「ここで大事なのは、利益と不利益の総和だ。利益の方が大きければ正、小さければ負になる」

兄「ここで利益が正の時ならば医療措置が行える。これが善行の原則だ」

妹「でもでも!もしも差が限りなく小さかったり、プラマイ0だった場合はどうなるの!?」

兄「いい所に気付いたな。それは『自律』の項目で説明する」

姉「それと今更なんだけど壊氏ってなに?」

兄「壊氏ってのは通常の氏とは違って、体の一部分を構成する細胞だけが氏滅する事だ」

21: 2012/09/23(日) 16:43:20.69 ID:Die2v/hS0

兄「Wikipediaにならその写真も載ってるぞ?」

姉「ふ~ん」トテトテ

妹「へぇ~」トテトテ

兄「でもお前達は絶対に見るべきじゃない。結構ショッキングな写真が載って……いねぇ!?」


ーー5分後ーー

タタタタタッ!

バタン

妹「おニイ~~!!!!」ガバッ

兄「あーもー!!見ちまったのかよアレを!」ナデナデ

妹「怖いよ……わ、私も事故に遭ったり毒蛇にか、噛まれたら、あんな風にぃ………」ビクビク

兄「大丈夫だよ。日本には毒蛇なんかいないし事故だって気を付けてれば遭わないんだから」

妹「うぅ………」ブルブル

23: 2012/09/23(日) 16:50:00.16 ID:Die2v/hS0

兄「ところで姉さんは?」

姉「こ、ここよ……」

兄「あ、いたのか。って!?顔真っ青だぞ!?大丈夫なのか!?」

姉「……うふふ、ぜんぜん平気よ…………」ブルブル

兄(俺の彼岸島読んだだけで夜眠れなくなるってのに、あんなの見たらそりゃこうなるだろ)

姉「そ、それじゃあ次の方に向かって頂戴?」

兄「う、うん分かった」

兄「続いて無危害の原則。これもそのまんまの意味でな、患者に危害を与えてはいけませんよって事」

妹「それじゃあ注射も禁止しないと!!手術とかも!!」

兄「いや、あれはちゃんとした医療措置だし。無危害の原則は対象外だ」

24: 2012/09/23(日) 16:53:22.51 ID:Die2v/hS0

妹「それじゃあどんなのが危害に入るの!?注射が入らないんならさぁ!!」

兄「何怒ってんだよ……大袈裟に言えば効果の分からない薬の投与とか、人体実験とか」

兄「細かい所で言うと、正しい場所に痛みを抑えた注射をするとか、手術には麻酔を使うとか」

姉「つまり患者の痛みを抑えれば言いわけね?」

兄「簡単に言えばそんな感じだ。本来はもっと細かい取り決めとかあるんだろうがな」

妹「それなら注射だってやめて欲しいよ!!痛いの嫌いだもん!」

兄「そのくらい我慢しろよ……」

姉「そして次、正義の原則。ジャスティスね!!」

25: 2012/09/23(日) 16:57:27.96 ID:Die2v/hS0

妹「私は正義の名の下に中国に鉄槌を喰らわしてやる!!」

姉「私も!家にいる弟に正義の裁きを!」

兄「そういう正義じゃない!」

姉「そうなの?『正義の対義語は悪ではなく別の正義である』とか語り出さないの?」

妹「それじゃあ悪の対義語ってなんなの?」

姉「善でいいんじゃないかしら?それにこのセリフ、クレヨンしんちゃんのヒロシが言った事って無いんじゃなかったかしら……」

妹「え!?そうなの!?」

兄「話が逸れに逸れまくってるぞ!ここで言う正義とは平等性と公平性のことだ!」

姉「それなら平等の原則でいいじゃない!!バカなんじゃないの?!」

妹「そっちの方が簡単だよ!!ばかなんだよきっと!」

兄「いや、俺に言われても………」

26: 2012/09/23(日) 16:58:22.03 ID:Die2v/hS0

姉「平等や公正とは言ってもつまりはどう言う事?」

兄「患者に対して平等且つ公正に接さなくてはならないってことだ。つまり人種や病状によって医療のレベルを変えてはならないって事」

妹「でも、患者さんの病状によって医療のレベルは変わるんじゃないの?」

兄「例えば癌の患者と風邪の患者がいたとする。この時医者が癌の患者には最善の治療をしました」

兄「一方風邪の患者には大した病気じゃないからと、いい加減な対応をした。これが正義の原則に反しているわかりやすい例だ」

30: 2012/09/23(日) 17:04:34.77 ID:Die2v/hS0

姉「なるほど、病状に関わらずその都度最善の治療をしなくてはならないわけね」

妹「分かりました!私も人は差別しないようにします!」キリッ

兄「中国系の人は?」

妹「それは別!中国は敵だ!!」

兄(こんなんだからイモウヨなんてアダ名つけられるんだよ……)

※あくまでネタです!

妹「おニイ!最後の自律の原則とはなんでせうか?」

姉「おしえてたもれ~」

兄「自律とは医療行為を行う際、患者の自己決定を尊重しなくてはならないという原則だ」

姉「自己決定くらい当然じゃない」

妹「私も自分で自分のことを決めてるよ!人形を買う時とか!」

32: 2012/09/23(日) 17:08:14.31 ID:Die2v/hS0

兄「さっき妹が利益と不利益の差が小さかった場合などにこれが重要な意味を持ってくる」

兄「最終的には患者さんの意思に任せますよって事だ」

妹「でもそれじゃあ間違った選択をしちゃう可能性もあるんじゃない?」

兄「その点は心配ない。ちゃんと考えられてるから」

兄「それが、この原則の代名詞とも言える『インフォームド・コンセント』だ」

妹「うん、聞いたことあるよ!医者が患者にいろいろ教えなきゃいけないんでしょ?」

姉「どんな治療を行うか、それによって起きる利点と欠点。これらを提示して患者の判断に任せるのよね?」

兄「正解。そもそもインフォームド・コンセントの必要性を明確に意識し始めた理由は第二次世界大戦に遡る」

妹「戦争が!?」

34: 2012/09/23(日) 17:14:39.85 ID:Die2v/hS0

兄「その当時、ナチス・ドイツの医師たちによって行われた実験があったんだ」

兄「それが人体実験。それもとびきり残酷なものだ」

妹「ど、どんなことをしたの………?」

姉「3日間ご飯抜きとか?」

妹「夜眠る時に人形を置いちゃいけないとか?」

兄「あまり多くを語りたくないが、比較的軽いものを挙げるとまずどの位氏なないでいられるかどうか」

兄「刺したり抉ったり、引き裂いたり毒を飲ませたり」

姉「…えげつないわね」

兄「どれ位の気圧まで生きられるか、酸素を吸わないでいられる時間はどの位か……」

妹「…い、いやっ!」ブルブル

兄「熱湯に落としたり、四肢を切り落としたり。もちろん麻酔なんて無し」

兄「目の前の人間がどんな事をされているのかを見せつけられながら、自分が殺されるまでただ待つしかない人達」

37: 2012/09/23(日) 17:19:49.82 ID:Die2v/hS0

兄「大人や老人はもちろん、少年やまだ生まれたばかりの赤ん坊だって母親の目の前でーーー」

妹「もう嫌っ!!やめてっ!!」

兄「…………」

妹「もう嫌っ!!そんな話なんかもう聞きたくない!!」

姉「私も……正直いい気分はしないわね」

兄「辛いかもしれないが実際に起こったことだ。だからこそ俺たちはインフォームド・コンセントを忘れてはいけないんだ」

兄「このナチス・ドイツの悲劇を公の場の元に裁いた裁判が『ニュルンベルク裁判』、これを元に作られたガイドラインが『ニュルンベルク綱領』だ」

兄「そこから作られた人体実験の規範が『ヘルシンキ宣言』と呼ばれるものだ」

妹「人体実験って………禁止されたんじゃないの!?」

38: 2012/09/23(日) 17:24:08.80 ID:Die2v/hS0

兄「ヘルシンキ宣言にはこういう記述がある」


人体実験は医学の発達において必要不可欠である

身体実験を行う際は、実験の目的、方法、もたらされる利益、不利益、リスクなどを説明した上で被験者の自由な同意を得ることが不可欠である


兄「この宣言こそがインフォームド・コンセントの原型となったものでな、記述されてるように医療の発達のために人体実験はなくてはならないものとされているんだ」

姉「ナチス・ドイツはこの二番目のところを守らなかったのね……」

兄「その頃はヘルシンキ宣言なんてなかったからな。出来たのは1964年」

兄「このヘルシンキ宣言自体は人体実験についての規定だけど、この考え方がついに医療にも適用された」

39: 2012/09/23(日) 17:31:26.88 ID:Die2v/hS0

兄「それが1973年にできた『患者の権利憲章』だ。ようやくインフォームド・コンセントの考え方が世界の医学会にに認められたんだ」

妹「もうナチス・ドイツみたいな実験は行われないんだね!?」

兄「………さぁな、もしかしたら俺たちが知らないだけでまだ行われてるもしれない」

妹「そ、そんなっ!?」

兄「………冗談だよ」ニコッ

妹「ふぇ?………おニイのバカッ!!」

兄「悪い悪い」

姉(まだ行われてる可能性はあるのに妹が不安がるから冗談にしたのね………)

兄「それとこれも付け足しておこう。インフォームド・コンセントの重要な4つの要素」

43: 2012/09/23(日) 17:36:26.19 ID:Die2v/hS0

道徳的判断性

情報開示

理解

自発性


兄「手っ取り早く説明すると道徳的判断性とは、ごく常識的に考えて物事の善し悪しを判断する能力のことだ」

兄「例えば未成年者、精神病を患っている方、認知症の方などはこれから外される」

姉「それではこの人達はインフォームド・コンセントが出来ないという事なの?」

兄「そうなる。このような人にはパターナリズムが行われる」

妹「なにそれ?」

兄「他者が本人の意思に関係なく本人にとって最善の利益を図ることをいう」

兄「『黙って俺について来い!』って事だ」

姉( 破滅しか見えないわね……)

45: 2012/09/23(日) 17:41:13.94 ID:Die2v/hS0

妹「でも確かに子供の入院とかは本人が嫌がっても親とかが勝手に決めちゃうよね」

兄「まぁそれはパターナリズムに入るかは微妙かもしれないけど、イメージとしてはそんな感じかな」

兄「次の情報開示。これは医者に求められる項目だ」

兄「必要な情報と不必要な情報をきちんと分けて、患者には必要最低限の情報だけを開示するようにすること」

姉「でも情報は多いに越した事はないんじゃないかしら?」

兄「そこは次の項目である理解に関わってくるんだけどな、例えばすべての情報を全部開示したとする」

妹「うん」

兄「理解の項目では、一般人が分からない専門的な事を医者が説明して理解させなくてはならないんだ」

47: 2012/09/23(日) 17:48:29.87 ID:Die2v/hS0

姉「そりゃそうよね。そうじゃないと自己決定出来ないもの」

兄「でもそこに不必要な情報もたくさん混じっていたら、患者は情報が多すぎて混乱するだろ?」

妹「そっか!説明にも時間がかかるもんね」

兄「理解の要素から言えば、患者が理解できるまで説明しなくちゃいけないからな。うまく取捨選択しなくちゃいけないんだ」

妹「なるほど~」

姉「そして最後は自発性ね。これが一番重要そうな感じではあるわね」

兄「一概にはそう言い切れないけどインフォームド・コンセントの主要部分である事に間違いはない」

兄「自分が本当に望んでそれを受け入れる事が自発性だ」

妹「でも、説明されて理解したら絶対に自発性は守られるんじゃないの?」

姉「理解していながら医者に任せっぱなしにはあまりしないでしょうね」

48: 2012/09/23(日) 17:54:41.59 ID:Die2v/hS0

兄「う~ん……例えばだ、ある人が1年以内に氏んでしまう病気に罹ったとする」

兄「まだ治療法も確立されていない病気でこのままでは黙って氏ぬのを待つしかない」

兄「でもそこに一つの情報が入った。もしかしたら病気が治るかもしれないという手術の話だ」

兄「でも成功率、リスク、手術代、そもそも本当に治るのかすら分からない不確定なものだ」

兄「もしお前達がそんな境遇だったらこの手術を受けるか?」

妹「私は受けると思う。だって少しでも治る見込みがあるならさ」

姉「まぁ私も同意見ね」

兄「そうだろ?多分ほぼ全員が手術を受けると思う。しかしこれは果たして本人の意思なのだろうか?」

妹「だって今私は自分の意思で手術を受ける事を決めたよ?」

兄「妹、これは人体実験なんだぞ?」

妹「え?……あっ!?」

兄「もう一度聞くぞ?この人体実験、受ける?受けない?」

50: 2012/09/23(日) 17:58:33.93 ID:Die2v/hS0

妹「………その、嫌だけど…でも受けないと確実に氏んじゃうし……」

兄「やっぱり受ける方を選ぶよな?だってそれしか助かる方法がないんだもんな」

兄「これが自発性を疑われる分かりやすい例だ。これはもはや心理的な強要と言えるだろ?」

姉「なるほどね。簡単だけれども問題が絶えない意味が分かったわ」

兄「これでこの章は終わりだ。あ~疲れた………」

姉「お疲れ様。それじゃあこのまま次に行きましょう」

兄「え゛?」

妹「レッツゴー!」

兄「はぁ…… 頑張ります………」

53: 2012/09/23(日) 18:02:25.54 ID:Die2v/hS0

二章 脳氏と臓器移植の問題


兄「臓器移植とはなんでしょうか、はい妹」

妹「内臓の病気になった人が他の人から臓器を貰って使う事です」

兄「正解です。それではどんな人から臓器を提供してもらえるかは知っているか?」

妹「えっと…氏んだ人?」

兄「確かに角膜や腎臓は心臓が止まった後でも移植は出来るが、他の臓器はそれでは遅すぎるんだ」

姉「それならば生きた人間から取ればいいんじゃない?」

兄「心臓や肝臓をか?氏ぬぞ?」

妹「それじゃ生きた人間からは移植できないし、心臓病の人とかはなにも出来ないままなの!?」

54: 2012/09/23(日) 18:10:43.43 ID:Die2v/hS0

兄「いやいや、実際に心臓移植は行われているぞ?」

姉「氏刑囚とかの物を使ったり?」

兄「それは殺人だな」

妹「人工の心臓とか?」

兄「違う」

姉「無職のぐうたら人間から奪うのは?」

兄「なぜ俺を見る!!違うっ!!」

妹「そうだ!中国じーー」

兄「それ以上言うなぁ!!!」

姉・妹「じゃあどうすればいいの?」

兄「はぁ……はぁ…… 全く…………その前に氏の定義を考えてみよう。氏とはどういう状態だ?」

姉「え?氏について考えるの?」

兄「あ?そうだけどなんかおかしいか?」

姉「いや、なんか私たちのIDと密接な繋がりがあるような気がして………」

兄「はぁ?」

57: 2012/09/23(日) 18:14:29.23 ID:Die2v/hS0

妹「ついにおネエまでおかしく?そんな………」グスッ

兄「いや泣くなよ……つーかまでってどういう事だよオイ!!」

姉「氏とは呼吸していない状態の事でしょ?」

兄( 強引に話を戻しよった!? まぁ合わせとくか……)

妹「それと心臓が止まっているとか」

兄「そうだろ?でも心臓が止まってたら移植は出来ない。つまりだ…」

兄「心臓が動いている氏体があれば心臓とかを移植できるわけだ」

姉「………はぁ?」

妹「おニイ……大丈夫?」

兄「なんだよその反応は。当たり前の事を言っただけだろ」

姉「心臓動いてれば生きてるじゃないの。何言ってんのよ」

妹「そんな都合のいい氏に方なんてあるわけないよ!それは生きてるのと同じでしょ!?」

60: 2012/09/23(日) 18:21:44.95 ID:Die2v/hS0

兄「それがあるんだよ。心臓の動いている氏体が」

姉「私の目の前には社会的に氏んでる人間が一人いるわよ?」

兄「だから違うつってんだろ!!」

妹「おニイ………可哀想だよぉ…………」

兄「そんな目で俺を見ないでくれ! なにか考えてくれ!!」

姉「あっ!もしかして植物状態の人から?」

妹「そっか!それならちゃんと心臓も動いてるね!」

兄「そこから移植したら殺人罪だ」

姉「これもダメなの?」

兄「でもなかなかいい線はついてた。答えは『脳氏状態』の人だ」

妹「脳氏?」

姉「ああ、脳だけ氏んだ人の事ね」

兄「交通事故で頭を強く打った時に起こり得る状態でな。氏者全体の0.5~1.2%のくらいしか起こり得ない」

61: 2012/09/23(日) 18:27:23.39 ID:Die2v/hS0

兄「脳氏とは『脳幹』の機能停止状態の事で、自分の力のみで自分を保てない状態だ」

妹「脳幹?」

兄「そう。ここの機能が停止すると身体のほとんどの機能も止まる。もちろん呼吸もな」

妹「じゃあおニイの脳幹も機能がうまく働いてないのかなぁ……」

兄「おいおい、それはどう言う事だ?」

妹「だって就職できてないし。きっと脳幹が働く事をやめてるんだよ!」

兄「全く関係ねえよ!!いつまで引き擦るんだそのネタ!!」

姉「もちろん就職するまでよ?うふふふふ………」

兄( 頑張ろう………………………明日から)

姉( なに甘っちょろい事考えてるの?)

兄「脳に直接話しかけてくんな!」

妹「???」

62: 2012/09/23(日) 18:35:46.89 ID:Die2v/hS0

兄「ま、まぁとにかくだ! その脳が氏んだ状態の人から移植してもらえばいいんだ」

姉「でもそれは殺人にはならないの?」

妹「そうだよ!だって身体は生きてるんでしょ?」

兄「そこが問題なんだよな。脳だけが氏んでいる状態を果たして“本当の氏”と断定してしまっていいのか。妹はどう思うんだ?」

妹「え?えーっと………私は……ダメだと思う」

兄「どうしてだ?」

妹「だって身体は生きてるんだよ?!」

兄「なるほど。じゃあ姉さんは?」

姉「私はもう氏体として扱ってもいいと思うわ」

兄「なんで?」

姉「だってそうじゃないと話が先に進まないじゃない」

兄「まさかの方向から答えが来た!?」

63: 2012/09/23(日) 18:39:47.83 ID:Die2v/hS0

姉「この歳になると先を読む事にもなんの躊躇いも持たなくなるわ」

兄「少しは空気を読めよ……」

兄「でもま、姉さんの言う通りだ。だからこそ臓器移植が行えるわけだからな」

妹「え?でもっ!身体は生きてるんだよ!!」

兄「元はと言えば脳氏なんてものは大昔からあったんだ。でも近年特に騒がれているのはなぜだと思う?」

妹「え?分からないよ……」

兄「普通、脳氏ってのは体の機能をコントロール出来なくなる状態だ。そんな状態で何もせずに生き延びる事はできると思うか?」

姉「無理ね。だって呼吸も止まってしまうのでしょう?」

67: 2012/09/23(日) 18:46:15.14 ID:Die2v/hS0

兄「その通り。以前までは脳氏状態に陥った人はその状態を持続させる事も出来ずに氏んで行ったんだ」

兄「しかし1960年代の人工呼吸器の普及によってその状態を持続させる事が出来るようになったんだ」

兄「つまり脳氏状態とは“体が生きている状態”ではなく“人工呼吸器によって、体が生かされている状態”だ」

妹「そんな………」

兄「もちろん人工呼吸器を外したら数分もしない内に呼吸も心臓も止まる」

兄「つまり人工呼吸器なんてものがなければそもそも脳氏という状態なんてあり得なかったんだ」

姉「それって複雑ね……」

妹「うん………」

兄「まぁそんな事で、現代の医学では脳氏を人間の氏として扱っているんだ。だから臓器移植も合法で出来るんだ」

妹「あれ?でも脳って脳幹だけじゃなくて大脳とか小脳とかあるんじゃないの?」

姉「そうよね。脳幹だけが氏ねば大脳や小脳は関係なしに脳氏としてしまっていいのかしら?」

兄「日本では脳の全ての機能が氏んだ状態の“全脳氏”を氏体として扱ってる」

兄「ちなみに、脳幹だけが氏んだ状態を“脳幹氏”大脳のみが氏んだ状態を“植物状態”と呼んでる」

69: 2012/09/23(日) 18:53:00.03 ID:Die2v/hS0

姉「でもそれっておかしくないかしら?だって脳幹が氏んだら体の機能は止まるのでしょ?だったら脳幹氏も氏体としていいんじゃないの?」

兄「それが医学の矛盾点でな。大脳が生きていたら日本では氏体にはならないんだよ」

妹「それじゃあ呼吸器に繋がれて、それを外したら生きていけない状態でも臓器移植が出来ないの?」

兄「そうだ。おかしいよな?脳幹が氏んでいるという脳氏の定義を満たしているのに移植ができないのは」

妹「………うん」

姉「……ふぅ……………」

兄「こんなところで脳氏についての話は終わりにしよう。元はと言えば臓器移植の項目なんだしな」

兄「さて、脳氏判定を受けたとは言っても、すぐに臓器移植が行えるわけではない」

兄「まず第一に必要なのは、本人に臓器提供の意思があったかどうかだ」

妹「はい?そんなのが必要なの?」

姉「面倒臭いわねぇ……無視しちゃいなさい!」

兄「無茶言うな!こういうところは流石日本!って感じでいいじゃないか」

71: 2012/09/23(日) 18:57:19.74 ID:Die2v/hS0

姉「日本人なんて自分の意思が弱い人間ばっかりなんだから。どうせ『他の人がやってるから私も犯る』とかでしょ?」

兄「ちょっと待て!いまお前何かニュアンスがおかしくなかったか!?」

妹「私もいまの内に書いとこっかな。えっと……“臓器提供するぜぇ~ ワイルドだろぉ~?”っと」

兄「そんなの氏後に見せられても対応に困るわ!!」

妹「あっ、あと“ あ、相手が中国人の場合は絶対にダメなんだからね!”っと」

兄「なんでツンデレ風なんだよ!?」

姉「“私のこの瑞々しく美しい肢体から美しい臓器を取り出す事を許可するわ” これでいいかしら?」

兄「いちいち見栄を張んなくていい!!」

妹「“足りなくなったらおニイの体を犠牲にする事も辞しません!”」

兄「俺の体を勝手に巻き込むな!!」

姉「“弟は何故~無職でいるの?教えておじいさん♪”」

兄「なぜそこでハイジの曲を入れる!?」

72: 2012/09/23(日) 19:02:44.83 ID:Die2v/hS0

妹「“男には男の~就活がある~と言う♪”」

兄「ここで中島みゆき!?やけにシブいな!?」

姉「“ゴミ屑の命でも弟は瞬いてる♪”」

兄「何だその曲!?」

姉( あら?星間飛行知らないのね)

妹「書けた!完璧だよおニイ!」

兄「完璧という言葉を辞書で調べて来い!!」

姉「書けたわよゴミ屑」

兄「ぶん殴るぞ!グーで!!」

73: 2012/09/23(日) 19:06:20.99 ID:Die2v/hS0

姉「そりゃあ殴るって言ったらグーでしょ?パーじゃビンタじゃない」

妹「チョキなら目潰しだね!」

姉「そんな中でグチョパこそ至高!」

妹「中指の向きをちょっと変えるだけでフレミング左手の法則!」

姉「そしてそのまま両手を前に出せば!」

姉・妹「チェケラー!」


兄「………………………………」


妹「やったよおネエ!!息ピッタリだよ!」

姉「流石私の可愛い可愛い妹ね。どっかの無職とは大違い」

姉・妹「イェーイ!!」

77: 2012/09/23(日) 19:14:51.05 ID:Die2v/hS0

兄「何でもかんでも俺に結び付けんな!つーか古いなお前ら!!」

姉「とにかく臓器提供の意思を示しといたから私たちに何かあったらよろしくね」

妹「ヨロシクゥ~チェケラー!」

兄「こんな怪文書で臓器提供の意思を示せるか!!きちんとあるんだよちゃんとしたのが!!」

姉「なに?私たちの努力を無下にする気?これだから努力したことのない無職は……」

妹「大丈夫だよ!絶対おニイも就職できるから! …………………………………………たぶん」

兄「ありがとよ!妹の中途半端な優しさで俺は胸がキリキリと痛む思いだよ!!」

妹「えへへ~♪」

姉「可愛いわね~」

80: 2012/09/23(日) 19:20:21.30 ID:Die2v/hS0

兄「………話を進めるぞ!日本には“臓器提供意思表示カード”と言うものがあるんだ」

姉「あら?そんな便利なものがあるの?」

妹「どこで貰えるの?」

兄「主に“都道府県市区町村役場窓口”や“保健所”などで貰える。最近カードが新しくなって緑色になったらしい」

姉「それとハローワークでも貰えるのよ?知ってた?ねぇ?弟?ハローワークでも貰えるのよ?」

兄「うるせぇ!!」カキカキ

社団法人日本臓器移植ネットワーク

兄「詳しい事は上記のページにアクセスだ。もちろんカードを実際に記入する時は家族との意思疎通もしといてくれよ!」

姉「…………………………………」カキカキ

兄「ん?何してんの?」

私と付き合いたい男性はこちらまでご連絡を

email-protection#85f6ecf6f1e0f7abf6e0ece8e0ecf7ecebf7ecc5ecabf6eaedf1f3e4e8eeabecf5

姉「連絡待ってるわね♪」

兄「この喪女が………」ボソッ

83: 2012/09/23(日) 19:27:43.61 ID:Die2v/hS0

姉「ま、取り敢えずアクセスしてみようかしら………きゃあー!(棒)」

妹「ど、どうしたのおネエ!?」

姉「アクセスした瞬間パソコンがウィルスに侵されたわー(棒)」

妹「そんな!?おニイの鬼畜!バカ!あんぽんたん!オタンチン!!」

兄「んなわけねーだろ!つーか思いっきり棒読みだったじゃねーか!!」

姉「無職だからって人に当たるのは良くないわよ?」

兄「お前の方が俺に辛く当たってるんだろーが!」

妹「おネエ~パソコン大丈夫?」

姉「心配ないわ!私の美貌に恐れをなして退散して行ったわよ!」

妹「おネエすごーい!!」

兄( 疲れる……)

84: 2012/09/23(日) 19:35:41.28 ID:Die2v/hS0

兄「と、とにかくそれに記入すれば本人の臓器提供の意思表示は成されたものとして扱われる。あとはそれを財布とかにいれて持ち歩いとけばいい」

妹「うん!これで臓器提供出来るんだね?」

兄「いや、次に必要なのは親族の許可だ。これがないと出来ない事になってる」

姉「あらあら……面倒ね」

妹「でも確かに必要だよね」

兄「本人が臓器提供の意思表示を示していても、親や兄弟が承認しなければ臓器提供は出来ない」

姉「でも既に氏んでしまっているのだからあまり拒む人はいないんじゃないかしら?」

妹「私もそうだと思う。辛いとは思うけど……」

87: 2012/09/23(日) 19:43:44.94 ID:Die2v/hS0

兄「ところがそうはいかないんだ。脳氏という状態をもう一度考えてみてくれ」

妹「???」

兄「脳氏とは脳の機能が氏んでいる状態なんだ。つまり体はまだ生きている」

兄「呼吸器が繋がっているとはいえ、体温はあり心臓は動いていて、もちろん脈だってある。『これは既に氏体です』と言われて納得できると思うか?」

妹「あ…………」

姉「呼吸器がなければ寝ているのとほぼ同じ状態に見えるわけなのね」

兄「その通り。しかし脳氏は植物状態とは違って回復する可能性は0だ。完全に氏んでいるんだ」

兄「この事から脳氏は別名“見えない氏”とも呼ばれている。まるで眠っているようにしか見えないからな」

妹「そっか………」

兄「それにな、臓器を移植する際に摘出手術をするんだが、その時に麻酔をしなくちゃいけないんだ」

88: 2012/09/23(日) 19:48:35.52 ID:Die2v/hS0

妹「麻酔を?」

兄「そう。医学的に氏体とされていても麻酔をしなくちゃいけない。おかしいと思うだろ、まるで生きてる人間に対して手術をする扱いだ」

姉「なぜそんな事をするの?だって氏体なんでしょ?」

兄「脳氏状態の人は意思があるかどうかが分からないんだ。もしかしたら眠ってるように見えていろいろな事を考えているかもしれない」

兄「それにな、脳氏状態の人から呼吸器を外すと、その人は、まるで苦しむように手を上に上げる事例が何件かあるんだ」

妹「えぇ!?身体が動くの!?」

兄「そうだ。そんな事があるから医師は脳氏状態の人を氏体として扱う反面、生きているようにも扱うんだ」

姉「まさにシュレディンガーの猫箱実験を真っ向から否定しちゃう事例ね」

兄「だからやっぱり反対したくなる親族もいるんだよ。もしかしたら回復するのではないかという奇跡を願わずにはいられないんだ」

姉「なるほど」

90: 2012/09/23(日) 19:51:44.15 ID:Die2v/hS0

妹「………おネエ、もし私がそんな事になったとしたらちゃんと臓器提供を許可してね」

妹「どうせ回復しないならこの臓器を他の人に提供して生きてもらいたいから………」

姉「わかってるわよ。その代わり、私の場合もお願いね?この瑞々しい臓器を提供する事に後悔なんてあるわけないわ!」

兄「二人とも、俺の時もーーー」

姉・妹「うん、わかってる(わ)!迷わず躊躇わず迅速に喜んで提供する(わ!!)からね!!」

兄( な、なんでだろう………望んでいた答えを聞けたのに全く嬉しくない…………)

91: 2012/09/23(日) 19:55:16.42 ID:Die2v/hS0




兄「ひとまず今日は終わりにしよう。また機会があったらやろう」

姉「そうね。結構時間経っちゃったし………」

妹「あっそうだ!私友達と遊ぶ約束してたんだった!」

姉「そうね!私も愛しの彼とデートにでもーーー」

兄「見栄張ってんじゃねーよ、腐れ喪女」ボソッ

姉「なにか言った?」

兄「な、なんにも言ってねーよ!!」

姉( ちゃんと私と付き合いたいって言ってくれた人がいたもん!!喪女じゃないもん!!)

92: 2012/09/23(日) 19:59:39.91 ID:Die2v/hS0
兄「なに泣きそうになってんだよ……アホか」ボソッ

姉「氏にたいのね?」

兄「なんも言ってねーよ!!」

兄( なんだこいつ!?どんだけ地獄耳なんだよ……早く出てけ!)

姉「なにか考えたでしょ?」ゴゴゴゴゴ……

兄「考えるのもダメなのかよ!?」

妹「それじゃ行って来まーす♪」

兄「お、俺も行って来まーす!」

姉「こらぁ!どこに行くのよ!!待ちなさい!!」

兄「あぁ!?ハローワークだよ!邪魔すんな!」

姉・妹「えぇ!?」

兄「な、なんだよ?!その反応は……」

93: 2012/09/23(日) 20:01:55.09 ID:Die2v/hS0

妹「は、は、は、ハローワークぅ!?」

姉「ほ、本当に!?」

兄「本当だよ」

妹「やったよ!やっとおニイがやる気を出したよぉ!!」グスッ

姉「えぇ……えぇ!!私も……ワザと辛く当たった甲斐があったわ!!」ウルウル

妹( あれは絶対にそんな意図はなかったと思うけどなぁ……)

兄「ああ、臓器提供意思表示カードを貰って来る」バタン

姉「は?」

妹「え?」



おわり

95: 2012/09/23(日) 20:05:56.24 ID:Die2v/hS0
と、いうわけで終わりです

もし次回作があるなら今回できなかった生命倫理の分野をやりたいと思ってます

駄文にお付き合い頂きありがとうございました

引用: 兄「生命倫理ついて考えるぞ!」姉・妹「バッチコーイ!」