1: 2010/06/13(日) 15:48:53.05 ID:zvTwUY/k0
キョン「!!?」

長門「リングディンドン♪リングディンディンドン♪」

キョン(…一体、何が起こったというんだ??
    起こった事態が想定外過ぎてリアクションの取り方が分からないぞ!)

長門「リングディンドン♪リングディンディンドン♪」

キョン「おい、長門!おい!!」

長門「リングディンドン♪リングディンディンドン♪」
涼宮ハルヒの憂鬱 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)
6: 2010/06/13(日) 15:51:12.60 ID:zvTwUY/k0
キョン「長門!おいってば!!」 ポンポン

長門「リングディンドン♪リングd… 。」

キョン「… あー、もしもし長門さん、
    今のは一体何だったんでしょうか…?」

長門(?)「あっ、キョン?あんた今どこにいるの?それより
    今日のSOS団は校庭で活動することにしたから、今すぐ来なさい!」

キョン「???」

長門「ガチャッ、ツー、ツー、ツー」

9: 2010/06/13(日) 15:54:02.96 ID:zvTwUY/k0
キョン「えーとだな、長門。改めて聞きたいんだが、
    これは一体どういうことなんだ?まさか…」

長門「…私は長門有希ではない。私はあなたの携帯」

キョン「だろうと思ったぜ、流れ的に。またハルヒの仕業か?」

長門「くわしいことは後で説明する。
   それより今は、今流れた彼女の用件を優先すべき」

キョン「…また面倒なことが起きそうだぜ」

11: 2010/06/13(日) 15:57:32.55 ID:zvTwUY/k0
ハルヒ「おっそいわよキョン!罰としてジュース全員分おごりね!」

キョン「無茶をいうな。活動に変更があるのなら
    事前に連絡をしておくのは団長の務めだろうが」

みくる「私も最初、いつも通り部室だと思って…
    涼宮さんから連絡受けたからこの格好で来ちゃいましたぁ」

古泉「僕も前の時間、体育で水泳だったのですが
   急がなければと思ったので水着のまま…」

キョン「古泉、おまえだけ早急に着替えて来い!」

12: 2010/06/13(日) 15:59:58.97 ID:zvTwUY/k0
ハルヒ「どうせならみくるちゃんも
    あわてて水着のままここに来れば面白かったのに」

みくる「えぇぇ~それはいくらなんでもですぅ~」

キョン「ハルヒ…おまえにしちゃ素晴らしい意見だ!」

古泉「お待たせしました。ところで、今日の活動は何ですか?」

ハルヒ「よくぞ聞いてくれたわね!本日の我々SOS団の活動内容は…」

13: 2010/06/13(日) 16:02:44.91 ID:zvTwUY/k0
長門「リングディンドン♪リングディンディンドン♪」

キョン「んがっ!?長門、またお前…」

みくる「あれ?キョン君、ケータイが鳴ってますよ?」

キョン「…え?」

長門「リングディンドン♪リングディンディンドン♪」

古泉「あなたの携帯電話鳴ってますよ、出ないんですか?」

キョン「え??おい、何言ってんだお前ら…え?」

15: 2010/06/13(日) 16:05:59.74 ID:zvTwUY/k0
長門「リングディンドン♪リングディンディンドン♪」

ハルヒ「ちょっとキョン、うるさいわよ!
    早く出るか切るかしなさい!!」

キョン「何で俺が怒られるんだよ!!… 仕方ないな…」

ポンポン

キョン「…もし…もし?」
   (何をやってるんだ俺は…。)

17: 2010/06/13(日) 16:09:28.16 ID:zvTwUY/k0
長門(?)「あっ、キョン君~?1000円借りたよ~」

キョン「何だお前か…って何してくれてんだよ!!
    しかも事後承諾?ていうか何早くもこの通話スタイルに馴染んでんだ俺!」

長門(?)「それじゃ、気が向いたら返すからね~ ガチャッ」

キョン「いや絶対に返せ!そんでもって利子つけろ!!」

古泉「あなたの妹さんも、なかなかのやり手ですね。」

キョン「ああ、オレオレ詐欺師も真っ青の凶悪な手口だよ。」

19: 2010/06/13(日) 16:13:15.39 ID:zvTwUY/k0
ハルヒ「まったく、人が話してる最中にケータイを鳴らすなんて
    人として最低限のマナーも守れないの?」

キョン「マナーについてお前から指摘されると癪に障る。
    ってかハルヒ、ためしに聞くが… 長門は?」

ハルヒ「はぁ??有希ならいつもあんたのそばにいるじゃないの!
    今だって。変なこと聞かないでよね?」

キョン「は…はぁ??はぁはこっちのセリフだよ!
    え、何?こいつは長門なの?携帯なの?どっちなのよ!?」

22: 2010/06/13(日) 16:16:05.14 ID:zvTwUY/k0
みくる「な、何を言っているんですか?キョン君…」

キョン「朝比奈さんまで!」

古泉「だから…長門さんが、あなたの携帯電話じゃないですか。
   言い方を変えれば、あなたの携帯電話イコール長門さんですよ。」

キョン「え?え?何かこんがらがってきたぞ!」

ハルヒ「訳わからないのはこっちよ!
    何よ!さっきから分かりきったバカな質問ばかりして!
    あんた、さっきからおかしいわよ!」

25: 2010/06/13(日) 16:19:30.01 ID:zvTwUY/k0
キョン(そ、そうだよな…今は何だか知らないが、何らかの改変で
    長門=俺の携帯電話ってことになってるんだよな。
    ならそういうことだ。そういうことにしよう。そういうことに…)

みくる「キョン君…どこか身体の具合悪いんですか~?」

キョン「あ…いえ、大丈夫ですよ。すみません、
    さっきは俺がバカなことばかり言ってて…」

ハルヒ「ホントよ!具合が悪いとしたら大脳とか前頭葉とかそのあたりよ!!」

古泉「知り合いに優秀な脳外科の先生がいますので紹介しましょうか?」

キョン「古泉、お前の皮肉はより陰険で悪質に聞こえるから黙れ」

27: 2010/06/13(日) 16:22:14.67 ID:zvTwUY/k0
ハルヒ「それからキョン!さっき見てて思ったけど
    あんた、なんて乱暴なケータイの使い方してるわけ?」

キョン「いつ俺が長門を乱暴に扱った?」

古泉「いや…携帯電話というものはちゃんとボタンを押して操作すべきですよ。
   あなた、さっき肩を叩いて通話してましたよね」

キョン「え?間違いなのかあれ?ちゃんと通話出来てたぞ」

みくる「大切に使わないと、すぐ壊れちゃいますよ。」

29: 2010/06/13(日) 16:25:54.59 ID:zvTwUY/k0
キョン「ていうか、え?ボタン?」
   (見た目は全然変わってないぞ。どこにボタンなんて…)キョロキョロ

ハルヒ「うっとうしいから電源切るわよ!」

ポチッ

キョン「ーー!! ハハハルヒ、お前今どこ触った!?」

ハルヒ「うっさい!活動が終わるまであんたはケータイの使用禁止!!」

キョン「いやそうじゃなくて、お前今長門の…その…左ちく…びを…///」

みくる「ど、どうして赤くなってるんですかキョン君?」

31: 2010/06/13(日) 16:29:02.72 ID:zvTwUY/k0
ハルヒ「どうせいやらしいことでも考えてるんでしょ。
   『もしもみくるちゃんがケータイだったらあんなことやこんなこと…』って」

みくる「えぇぇ~っ///」

キョン「何でそうなるんだよ!というかその発想は盲点だったな…」

ハルヒ「あ~もう!!キョンのバカに長々付き合ってたおかげで
    今日の活動内容忘れちゃったじゃない!!」

古泉「時間も、だいぶ使ってしまいましたね。」

32: 2010/06/13(日) 16:31:48.96 ID:zvTwUY/k0
ハルヒ「キョン!罰として明日の全員分のお昼代も出しなさい!!
    みんな、明日はお弁当用意してこなくていいからね。」

古泉「承知いたしました。」

キョン「おい!勝手に何決めてくれてんだよ!!てか俺のせい!?」

ハルヒ「口答えしない!あんたは今日の自分の行いを反省しなさい!
    反省文は400字詰の原稿用紙で3枚以上書かないと受け付けないわよ!!」

キョン「今の俺の行いに1200字分も反省する要素があるとは思えない!」

ハルヒ「それじゃ解散!」

34: 2010/06/13(日) 16:34:28.38 ID:zvTwUY/k0
みくる「そ、それじゃ明日… あ、私はお昼自分で持ってきますから
    キョン君は気にしないでくださいね…」

キョン「いえいえ、一人だけそういうわけには。
    むしろ朝比奈さんにだけなら昼食代いくらでも出しますよ」

古泉「僕は明日カレーライスが食べたいですね」

キョン「あぁそう。じゃあスプーンだけくれてやるからウッセーロ!」

35: 2010/06/13(日) 16:37:45.24 ID:zvTwUY/k0
キョン「よし長門、俺らも帰るか!」

長門「…」

キョン「… あれ?おい、長門?
    あっそうか…こいつ今携帯だったんだ。」 ポンポン

長門「…」

キョン「げっ!どうやら本当に電源切られてるみたいだ。微動だにしない…
   (…!!まさか長門を動かすにはさっきみたいに…)

36: 2010/06/13(日) 16:40:37.24 ID:zvTwUY/k0
キョン(くそっ、どうすりゃいいんだ… 抱えて長門ん家まで行くか…
    いや、そんなことしてもいつまでも長門は電源オフのままだろ。
    しかも長門を抱えてって…昔のガクトのCMみたいでカオスだ…)

長門「…」

キョン「…やっぱり、これしか方法はないのか…
    必要手順とはいえ… スマン、長門///」

ポチッ

長門「!… リングディンドン♪」

キョン「はぁ…はぁ… …何携帯の電源入れるだけで俺こんな汗だくなんだ…」

37: 2010/06/13(日) 16:43:14.89 ID:zvTwUY/k0
キョン「そ、そうだ詳しく教えてくれ!一体なぜこんな状況になっているのか!
    …まぁ大方想像はついているが」

長門「その方が説明しやすい」

キョン「おそらくハルヒが例のあのCM見て、こういう状況って面白そうって
    願っていたらこうなっちまったと。」

長門「9割方合っている」

キョン「そんでもって、何で長門に携帯役の白羽の矢が立ったのか、
    それもあらかた予測はついているがな。」

38: 2010/06/13(日) 16:46:27.41 ID:zvTwUY/k0
長門「それなら尚ありがたい」

キョン「もし朝比奈さんが携帯だったら、俺は幸せの極みだけど
    そんな状況あいつが許すわけないものな…」

長門「あなたなら電源ボタンが壊れるまでいじくり続けていそう」

キョン「俺自身が携帯になっても仕方ないものだし」

長門「古泉一樹の案も、彼女の中で即座に却下された」

キョン「あいつがあの顔で例のごとく歌いだしたら、
    俺たぶん速攻であいつのことへし折ってるだろうな」

39: 2010/06/13(日) 16:49:08.83 ID:zvTwUY/k0
キョン「そういえばさっき思ったんだが、みんなの中では
    お前は携帯電話でもあるが、長門自身でもあるらしいな。
    さっきお前は『自分は長門ではない』とか言ってたような…」

長門「あれは単に、CMからのオマージュ」

キョン「何だそりゃ…。長門、もしかして今の状況を
    お前自身、少し楽しんでやいないか?」

長門「…否定出来ない」

キョン「どうりで、すんなりお前が携帯になってしまっているわけだ。」

41: 2010/06/13(日) 16:52:28.07 ID:zvTwUY/k0
長門「厄介なのはここから」

キョン「え?」

長門「私は今、携帯電話となってしまっている。よって、元来持っていた
   能力の多くは使えなくなってしまっている」

キョン「それはつまり、どういうことなんだ?」

長門「この状況を、今は自らの力で改変・修正することが出来ない。
   つまり、もとの状態に戻るにはただ待つしかないということ」

キョン「お、おい…それってやばくないか…?」

42: 2010/06/13(日) 17:00:57.45 ID:zvTwUY/k0
キョン「つまり、下手をすれば
    この先ずっと、長門は俺の携帯のままってことに…」

長門「…」コクッ

キョン「何か方法は無いのか?」

長門「彼女が飽きれば、自然に情報の改変は修正される」

キョン「…ん~、つまりあいつを早く飽きさせるように
    仕組むくらいしかないわけだな。」

44: 2010/06/13(日) 17:05:21.23 ID:zvTwUY/k0
長門「しかし今後のたリングディンドン♪リングディンディンドン♪」

キョン「あーっ!こんな時に誰だよ!ったく」

ポンポン

キョン「はい、こちらヒューストン!」

長門(ハルヒ)「キョン!あたし明日クリームパンが食べたいな!
    だから4時限目が終わったら速攻で購買部行きなさい!
    急がないと売り切れちゃうからね!間に合わなかったら氏刑!以上!」

キョン「んなことで電話してくんな!明日学校で言えばいいことだろ!
    あとおごらないからな!欲しけりゃ自分で買いに行け!!」

45: 2010/06/13(日) 17:09:23.28 ID:zvTwUY/k0
長門「ガチャッ、ツー、ツー、ツー」

キョン「…それにしても、長門からハルヒやあいつの声がするってのは…
    あとそのときの長門の表情、なんか新鮮だな…」

長門「通話している人間の表情やしぐさも
   そのまま反映されるように私は作られている」

キョン「考えてみれば気の毒な機能だな。
    さっきお前ハナクソほじりながら喋っていたぞ。まぁ
    ハルヒもたぶん、受話器の向こうで同じことしてたんだろうな」

46: 2010/06/13(日) 17:12:15.62 ID:zvTwUY/k0
キョン「そうだ、それよりさっき何か言いかけてたような…」

長門「私が戻るまでの間、私の基本操作の仕方について説明しておく。
   まず電源は…」

キョン「あー、それは知ってるからいい!大丈夫だ!!他を頼む。」

長門「ちなみに逆の方を押すとマナーモードにすることが出来る」

キョン「…なぁ、何でまたそんなところをボタンに設定しちまったんだ…?」

47: 2010/06/13(日) 17:16:02.80 ID:zvTwUY/k0
―――長門携帯(Y03N)の基本操作

・左乳O:電源  ・右乳O:マナーモード

・左手のひら:着信履歴 ・右手のひら:発信履歴

・左わきの下:通話
(※左肩を叩いて通話出来たのは、振動でスイッチが押されていたため)

・へそ:決定  ・右わきの下:取り消し、電話を切る

・電話番号や文字の入力は、口頭で可能。
(※他、電源以外の操作も、長門に口頭で意思を伝えればそれで操作可能。)

・充電は、専用のコードのプラグを口に咥えさせるだけでOK(通常の食事でも可)。

・着信音は他にもある(Butterfly、TREE CLIMBERS、ホットペッパーの唄など)。

・他、カメラ機能や多数の楽しいアプリ付き。

48: 2010/06/13(日) 17:19:00.31 ID:zvTwUY/k0
長門「…以上。」

キョン「何だろう、思いのほか使いこなせそうな気がしてきた。
    いや、使いこなしてもしょうがないけどな…」

長門「料金プランなどは、以前あなたが加入していたものを
   そのまま引き継いでいる」

キョン「それはありがたい」

50: 2010/06/13(日) 17:21:29.20 ID:zvTwUY/k0

キョン「…ってか長門、お前の家あっちだろ?
    どこまでついてくるつもりなんだ」

長門「私はあなたの携帯電話」

キョン「あーっ、そうだった。…え、じゃあ今日から俺の家に長門が…」

長門「…」 コクッ

キョン(うわぁ…この状況こそ完全に盲点だった!)

52: 2010/06/13(日) 17:25:01.57 ID:zvTwUY/k0
キョン「ただいまー」

キョン妹「おかえりー!あのさ、今日は
     お母さん達遅くなるから、夕飯先に食べててだって!」

キョン「そうか。じゃさっさと飯にするか」
   (…やはり、長門のことは特に気にかけてないみたいだ。)

キョン妹「あれ?有希ちゃん充電少なくなってるよ~
     じゃ今日はご飯三人分よそっておくね!」

キョン(どうやらこいつにも『俺の携帯=長門』と見えているようだな。
    しかし充電なんてどうやって見… あっ、少し目がうつろだ!)

55: 2010/06/13(日) 17:33:19.87 ID:zvTwUY/k0
―――夕食後

キョン「あーっ、食った食った。
    …しかし長門、お前携帯になっても大食いは相変わらずだな」

長門「電気充電と比べて食物での充電は効率が良くない」

キョン「じゃ、俺は風呂に入って来…」

長門「リングディンドン♪リングディンディンドン♪」

キョン「…今度は誰からだ?」

56: 2010/06/13(日) 17:36:33.67 ID:zvTwUY/k0
キョン「えっと、確か通話ボタンは…」

ポチッ

キョン「…もしもし?」

長門(谷口)「おっすキョン!今大丈夫か?」

キョン「大丈夫でもそうでなくてもお構いなしなんだろ?お前は」

長門(谷口)「あったり~!」

58: 2010/06/13(日) 17:39:49.98 ID:zvTwUY/k0
長門(谷口)「そんでさ、今度の日曜なんだけど…」 ゴロン

キョン「あぁ、その日は用事があるから無理だ。」
   (急に長門が寝転びだした…向こうで谷口も同じことやってんのか。
    何かこう見ると、相手のしぐさが分かって面白い仕様だな…)

長門(谷口)「おいおい、まだ何も言ってないだろうよ~」 ガバッ

キョン「!!!」

59: 2010/06/13(日) 17:43:37.47 ID:zvTwUY/k0
キョン「お、おい長門、じゃなくてたた谷口!お前何て格好してんだ!!」

長門(谷口)「…はぁ?何訳の分からないこと言ってんだキョン?
   電話なのに俺のことが見えるわけないだろう、HAHAHA…」 ヌギヌギ…

キョン「訳あって俺にはお前の仕草が分かるんだよ!
    ああああっ!!やめろ!やめるんだ谷口ィィ!!」

長門(谷口)「…お、おい…俺のことが見えてるだなんて…冗談だよな…
       お前今どこにいるんだ?」 ゴソゴソ…

キョン「貴様ァァ!その手で今ナニを触っているのか答えろォ!!ハァハァハァ」

62: 2010/06/13(日) 17:46:12.24 ID:zvTwUY/k0
長門(谷口)「NANANA何で分かったんだぁ!!気味悪ぃよお前!!」

キョン「いいからズボンを穿け!そしてきちんと座れ!」

長門(谷口)「どこだ!どこに潜んでるんだキョン!
       そ、そうか!隠しカメラでも仕込んでるんだな!どこだ!どこだ!」

キョン「落ち着け、どこ探したって俺もいないしカメラもない。」

長門(谷口)「ち、ちくしょう…/// やっぱりお前、普通の人間じゃねぇよ!
       覚えてろよーっ!! ガチャッ」

65: 2010/06/13(日) 17:49:53.17 ID:zvTwUY/k0
キョン「…じゃあな、谷口。そして…ありがとう、谷口。」

長門「…どうしたの?」

キョン「長門…お前は時と場合によっては素晴らしい携帯電話だな。
    しばらくこのままでもいいような気がしてきた。」

長門「…そう」

キョン「そ、それじゃあ俺…風呂入ってくるから!」 ダダダッ

長門(… はっきりと見られてしまった…)

68: 2010/06/13(日) 17:52:15.10 ID:zvTwUY/k0
―――翌朝

長門「ばーれるばーれるおっもーいー♪まーれにまーれに…」
   ※目覚ましです。

ポチッ

キョン「…んあ…?
    長門、お前一晩ずっとその体勢でいたのか?」

長門「携帯電話に眠るという概念は無い。
   大丈夫、疲れたりはしない」

69: 2010/06/13(日) 17:55:08.95 ID:zvTwUY/k0
キョン「き…昨日はすまなかったな…というか、何というか…」

長門「なぜ謝るの」

キョン「ん…まぁそうなんだけどな。ただ何となく、
    このままだとお前に申し訳ないような、何ていうかな…」

長門「…見られたことに関しては気にしていない」

キョン「え…あぁそう、そうなんだ…」
   (その言い方、あからさまに気にしてるっぽいんだがな)

73: 2010/06/13(日) 18:00:38.67 ID:zvTwUY/k0
キーン コーン カーン コーン…

キョン「おっすハルヒ。クリームパンならおごらないぞ!」

ハルヒ「…でも、買いには行ってもらうからね!」

キョン「どうせ拒否する権利はないんだろ。
    はいはい、そのくらいでしたらお安い御用でっさ。」

ハルヒ「ところであんた、今日ケータイ持ってないみたいだけど、忘れたの?」

キョン「え…あれ?さっきまで長門ここにいたのに…」

74: 2010/06/13(日) 18:03:58.35 ID:zvTwUY/k0
長門「…」 テクテク

キョン「あっいた。どこ行ってたんだよ。
    一人歩きする携帯なんて携帯史上例が無いぞ」

長門「大した用事ではない」

キョン「とにかく、授業始まるからどっか隠れてろ。
    先生に見つかったら放課後まで取り上げられ…ってか
    こういう時しまうのにエライ苦労するなぁこの携帯!!」

76: 2010/06/13(日) 18:07:39.17 ID:zvTwUY/k0
岡部先生「それじゃ授業始めるぞー!
     あれ、谷口は今日休みかー?」

国木田「あれ?おかしいなぁ…登校中には会ったんだけどなぁ」

キョン(まさか、長門… まぁ、気持ちは察するぜ。南無三!)

ハルヒ「どうでもいいわ、ちゃっちゃと授業始めましょう!
    テストも近いんですし!」

国木田「ま、そのうち戻ってくるか…」

キョン「後で校舎裏あたりを探し回ってみるか。息してればいいがな…」

78: 2010/06/13(日) 18:14:26.63 ID:zvTwUY/k0
キーン コーン カーン コーン…

キョン「よっしゃ、昼飯だ昼飯!!」

ハルヒ「何チンタラしてんのよ!ほら購買部へダッシュ!!」

キョン「あ、そうか…へいへい、分かりましたよっ!!」 ダダダッ

長門「…」 ガララッ
  (このクラスのロッカー、臭い…)

80: 2010/06/13(日) 18:17:06.44 ID:zvTwUY/k0
キョン「…ほらよっ!」 ガサッ

ハルヒ「遅いじゃないの!」

キョン「ちゃんと買ってきたんだから礼くらい言え。」

古泉「僕の分のカレーライスはまだでしょうか?」

キョン「悪い、忘れてた。ていうか覚えてても買いに行かねぇ。
    スプーンだけやるから早く自分のクラスに戻れ優等生が」

81: 2010/06/13(日) 18:19:29.23 ID:zvTwUY/k0
長門「…」 ブルブルブル…

キョン「どうした、長門? …あっ、そうか。今マナーモード中だったんだ…」

ポチッ

キョン「もしもし?」

長門(谷口)「キョ…キョンか?た、頼む…助けてくれ~…」

82: 2010/06/13(日) 18:24:02.22 ID:zvTwUY/k0
キョン「おう谷口、お前生きてたのかぁ」

長門(谷口)「生きてたのかぁ、じゃねーよ!!
       お前の携帯のせいで俺エライ目に遭ってんだぞ!」

キョン「その節は申し訳なかった。だが自業自得でもあるんだぞ」

長門(谷口)「何でだよ!俺が一体何をしたってんだ!」

キョン「…一人の少女の心を、激しく傷つけた…ってとこかな。
    飯食う時間無くなるから切っていいか?」

長門(谷口)「バカ野郎!俺が女を泣かすわけないだろう!」

83: 2010/06/13(日) 18:26:46.77 ID:zvTwUY/k0
長門(谷口)「だいたい俺なんでこん…ガチャッ、ツー、ツー…」

キョン「あの様子なら元気そうだな、心配は無用だ」

国木田「一体何をしたんだい?谷口のヤツ」

キョン「それはだな、昨日長門に…」

長門「…」 ドスッ

キョン「げふっ!! …いや、もう忘れちまったな、あはは…」

国木田「…大変だね、キョンも。」

84: 2010/06/13(日) 18:34:23.55 ID:zvTwUY/k0
―――その夜

キョン「ほれ、長門。」

長門「…」 パクッ

キョン「しかしまぁ、お前充電無くなるのが早いな。」

長門「あふぁいふぇんふぃうぅえんえふぁいお…」

キョン「ちょいちょい!何言ってるか分からないぞ!」 パッ

長門「やはり電気充電でないと十分なエネルギーは蓄えられない」

86: 2010/06/13(日) 18:41:14.57 ID:zvTwUY/k0
長門「だから、コードを…」

キョン「え…あぁ、ほれ。」

長門「…」 パクッ

キョン「…何か不思議だよなぁ。長門は携帯電話になっちまった
    わけだけど、俺はこうやって今までと変わらず長門と接してるわけだ。
    姿形まで変わってるわけじゃないから、それはそうなんだけど…」

長門「…」

キョン「長門には悪いかもしれないけど、この状況を作り出してくれた
    ハルヒと、それをすんなり受け入れてくれたお前には感謝してるぜ。
    …なんてな。早く元に戻るように祈らないとな、今は。」

長門「…あふぁふぃお、あんふぁいふぇう。」

キョン「…今、何て?」 パッ

長門「…もう言わない」

キョン「えっ… …そうか。ならいいや。」

88: 2010/06/13(日) 18:48:34.63 ID:zvTwUY/k0
長門「バタフライ♪きょうはーいままーでーのー♪」

キョン「!? この着信音は、まさか…」

ポチッ

キョン「…もしもし、朝比奈さん?」

長門(みくる)「キ、キョン君?あの…遅くにごめんなさい。
   突然なんですけど、い…今から来てもらってもいいですか?」

キョン「だ、大丈夫ですけど…何かあったんですか?」

長門(みくる)「じ、実は…禁則事項が禁則事項の状態に陥ってしまって
        禁則事項が禁則事項になってしまったんですぅ~。」 モジモジ

キョン「伏字だらけで全然分かりませんよ!」
   (朝比奈さんっぽい口調と仕草の長門…想像以上の破壊力だっ!!)

長門(みくる)「古泉君もいますので、すぐに公園まで
        来てくれませんか~? 待ってますぅ… ガチャッ」

キョン「分かりました、すぐに向かいます!」

89: 2010/06/13(日) 18:52:12.53 ID:zvTwUY/k0
―――9:00PM、公園

キョン「はぁ…はぁ… お待たせしました。
    朝比奈さん、一体何が…あれ?鶴屋さん!?
    それに森さんまで!?」

みくる「ついさっき、気づいたら鶴屋さんが…」

鶴屋「いや~まいったねぇ。あたしいつの間にか
   みくるのケータイになっちゃってさぁ。ほら、ここが通話ボタン。
   リングディンドン♪リングディンディンドォーン!!ってね!あっはっは」

キョン「あれ?でも朝比奈さんって…
    ってそれよりずいぶん楽しそうですね鶴屋さん」

90: 2010/06/13(日) 18:56:46.33 ID:zvTwUY/k0
森「まさか、私が古泉の携帯になってしまうなんて思っても…あっ!
  り…リングディンドン♪リングディンディンドン…♪///」

キョン「何かすごく無理してそうだ!見ていて辛い!!」

ポチッ

森「あっ…///」

古泉「もしもし、こちら古泉ですが」

キョン「うわぁ…今無性に古泉を殴ってやりたい…」
   ※森さん携帯の通話ボタンは右内太ももにあります。

93: 2010/06/13(日) 19:03:18.22 ID:zvTwUY/k0
森(新川)「閉鎖空間が発生しました。場所は…」

キョン「怖ぇーっ!!新川さん声で喋る森さん怖ぇーっ!!」

古泉「えぇ。これから朝比奈さんと、彼らを連れて向かいます。では!」

キョン「…何か、状況はますます悪くなっているようだな。いろんな意味で」

古泉「僕達もあなたと同じ条件下に置かれて、はじめて
   状況の異質さに気付かされました。」

みくる「長門さんは昨日から、キョン君のケータイに
    なってしまっていたんですよね…ごめんなさい、全然気付かなくて…」

長門「…」

キョン「それより、何で二人までこんなことに!!
    今度はハルヒのヤツ、何をしでかしたっていうんだ!!」

古泉「あなたも、今日学校から帰ってきたとき見たかもしれませんが…
   おそらくこのニュースが原因です!」 ペラッ

94: 2010/06/13(日) 19:06:27.46 ID:zvTwUY/k0
キョン「!! 木村カエラと瑛太、電撃結婚…!」

みくる「…だけど、何で、何でこんなことになってしまったんですか?」

キョン「そ、そうだな…別にあいつはこの二人のファンでもなければ
    こういう話題に関して、あいつはとんと無頓着のはずだ!」

古泉「問題はここですよ…妊娠5ヶ月、つまり世間でいうところの『デキ婚』。
   涼宮さんの性格上、こういう行為は『みだら、だらしがない』と感じて
   必要以上に嫌うはずです。そしてちょうど今…」

キョン「…そうか!普段は関心のない芸能人の話題も、今回ばかりは
    自分が最近興味を抱いてたものと関係あることだからな。」

95: 2010/06/13(日) 19:10:18.85 ID:zvTwUY/k0
古泉「それで、図らずもその話題を耳にしてしまった涼宮さんは
   気に食わないという思いを抱いてしまい、このような事態に
   成り得たという見解が最もつじつまが合います。」

キョン「面倒なヤツだぜ、まったく。
    他人の結婚なんざ好きにさせればいいものを。特にハルヒの場合」

鶴屋「みくるみくる!あたしでちょっくらゲームやってかない?
   今ならテトリスもぷよぷよも無料だよっ!!」

キョン「ちょっと鶴屋さん!今それどころじゃないでしょう!!」

96: 2010/06/13(日) 19:13:09.73 ID:zvTwUY/k0
古泉「とにかく、今も閉鎖空間は拡大を続けているもようです!
   さぁ急ぎますよ、あなたと長門さんもついてきて下さい!!」

キョン「ちょっと待った!お前はいいとして、長門は今『携帯』なんだ。
    どうするつもりなんだ!こちらの戦力は普段の半分以下だぞ!」

長門「…大丈夫。私は戦える。
   閉鎖空間上における機能は大部分を残しておいてある」

森「私も、自信はありませんが閉鎖空間内なら、たぶん…」

古泉「そうですか…心強いです!!」

98: 2010/06/13(日) 19:16:50.44 ID:zvTwUY/k0
みくる「ちょっと待ってください!なんで鶴屋さんまで一緒に…」

古泉「閉鎖空間内の敵を倒した際に、携帯電話となってしまった人間も
   閉鎖空間内にいないと、効果を打ち消すことが出来ないんです。
   幸い、彼女達以外に携帯電話化した人間がいなかったので良かったのですが」

キョン「じゃあ、その場にいなければ
    敵を倒したところで二度と携帯から戻れなくなるってことなのか…?」

古泉「改変を修正するチャンスが無くなるので、おのずとそうなります。」

鶴屋「大丈夫、あたしも戦うっさ!!」

キョン「たしかに鶴屋さんは、生身で戦っても十分勝てる戦闘力はありそうですね」

99: 2010/06/13(日) 19:19:56.20 ID:zvTwUY/k0
―――閉鎖空間内

キョン「うげっ…今回の閉鎖空間はえらくポップな色調だな…」

古泉「今回は特殊なパターンですね。事が事だけに。」

怪物01「ヘイ!ユーリッスゥゥン!!」

キョン「うわぁぁ!!何だこいつは!?…何か、誰かさんに似てるような…」

古泉「出ましたね、怪人カエーラ!!」

キョン「もうちょっとネーミングぼかすこと出来なかったのか!!」

100: 2010/06/13(日) 19:22:35.99 ID:zvTwUY/k0
怪物02「サヨナラワックス!サヨナラワックス!!」

古泉「なっ…もう二体目が出てくるなんて!!」

森「あれは怪人『m.c.A.TA』に間違いありません!!」

キョン「ネーミング全然関係ないところからもパクってるけど大丈夫なのか!?」

森「A.TAは私と鶴屋さんが食い止めますから
  古泉、長門さんとカエーラをお願いします!!」

古泉「了解です!!」

102: 2010/06/13(日) 19:26:44.78 ID:zvTwUY/k0
鶴屋「それじゃ遠慮なくいくよ…そいやっさ!!」

ドゴォォッ

m.c.A.TA「グオオオッ!!!」

森「鶴屋さん!耳を狙うのです!
  あの大きな耳で攻撃されたらひとたまりもありませんよ!!」

鶴屋「なるへそっ!じゃあその厄介な武器をいただくよっ!」

m.c.A.TA「ノダメ…カンタービレィ!!」 ブォォォッ!!

鶴屋「うわぁぁぁっ!!!」

103: 2010/06/13(日) 19:30:31.34 ID:zvTwUY/k0
森「鶴屋さんっ!!
  …おのれ、あの耳さえどうにか出来れば…」

鶴屋「痛たた… あいつ、めがっさ強いね。
   久しぶりにあたしの野生の血が騒ぎ出したよ…」

森「しかし、今ので戦略が見えてきました。
  彼は攻撃の際、下半身にかなりのスキがあります!」

鶴屋「ほほぅ、足元お留守ってわけなんだね!」

―――その頃、古泉達は…

古泉「ふんもっふ!!!」

ズギュゥゥゥン!

カエーラ「デーイ!バーイ!デイエイエイエイ!!」

古泉「…くっ、大してダメージを与えられていない。」

キョン(これ、本人達が知ったら訴えられるレベルだぞ…)

105: 2010/06/13(日) 19:33:41.99 ID:zvTwUY/k0
古泉「長門さん!」

長門「…了解した」

ズババババッ

カエーラ「イーツーダッテイエーロォォォ!!」

長門「…」

キョン「全然効いていない…ヤツはそんなに強敵なのか!?」

106: 2010/06/13(日) 19:39:09.32 ID:zvTwUY/k0
ドッカァァァン!!

m.c.A.TA「ウォーターボォォォォイズ!!!」

キョン「!!」

古泉「どうやら森さん達、片付けたみたいですね。
   こちらも急がないと!!」

キョン「と言っても一体どうするんだ!
    長門の攻撃もろくに効かないヤツだぞ!!」

古泉「…おかしいですね。そんなはずはないんですが」

キョン「えっ!?」

古泉「ご存知のとおり、僕と長門さんの戦闘能力には雲泥の差があるはずです。
   超能力者とはいえ、僕は『人間』ですから。そんな僕でも
   そこそこ戦える敵に、長門さんがあそこまで苦戦するなんて…」

キョン「!! そうだ!長門は今『携帯』なんだ!
    能力が完全でないうえに、ちょうど充電が減っているところだったんだ。」

古泉「な、何ですって!?」

長門「… はぁ、はぁ…」

カエーラ「アーーコガレハサマーンサーー!!」

108: 2010/06/13(日) 19:42:26.32 ID:zvTwUY/k0
古泉「長門さんが倒されてしまったらもう打つ手がありません!!」

キョン「何だと!?あぁもう、普段から
    長門ばかりに頼ってるからこんなことになるんだ!!」

古泉「僕のせいだっておっしゃるんですか!!」

森「二人とも、何ケンカなんてしてるんですか!」

キョン「!!」

鶴屋「さぁ、さっさと嫁さんの方も片付けるよ!」

109: 2010/06/13(日) 19:47:09.11 ID:zvTwUY/k0
カエーラ「リィィィルゥゥゥラッ!!」

長門「!!」

バチィィィン!!!

森「危ないところでした…」

カエーラ「…リィィィルゥゥゥハッ!!」

古泉「なっ…二発目ですと!?」

森「!! きゃあああっ!!」

キョン「森さん!!」

110: 2010/06/13(日) 19:49:30.33 ID:zvTwUY/k0
森「…ざ、残念ながら、私では力不足です…
  すみません、私が携帯電話になってしまったばかりに…」

古泉「くっ…い、一体どうすれば…」

キョン「ちくしょう…今となっては自分の力の無さを悔やむぜ…」

古泉「僕が…唯一100%普段の力を使える僕がどうにかしなければいけませんね!」

キョン「古泉… 頼んだぞ。」

112: 2010/06/13(日) 19:54:10.55 ID:zvTwUY/k0
古泉「これに賭けます!!
   必殺、紅のスーパーボール・スペシャルエディション!!」

ギュイイイイン!!!

カエーラ「ギャアアアアッ!!!」

キョン「よし、効いてるぞ!」

古泉「長門さん!今です!!」

長門「…了解した。必ず仕留め… !!」 クラッ

キョン「くそっ…もう長門は限界みたいだ…」

古泉「そんな…今の攻撃で僕の力はもう…」 シュン

キョン「古泉!!?」

古泉(光の玉)「すみません…もうこの空間で普段の姿を保つことは出来ません。」

113: 2010/06/13(日) 19:58:14.31 ID:zvTwUY/k0
カエーラ「モッテェ…ウマレテェ…」

鶴屋「まずいっさ!早くとどめをささないと
   ヤツの体力が復活してしまうよ!!」

長門「パワーが…足りない…」 ガクッ

キョン「あと少し…あと少しでもさっきあいつに充電してやれれば…
    くそっ!!俺のせいだ!!俺の…」

長門「…」

114: 2010/06/13(日) 20:00:08.56 ID:zvTwUY/k0
鶴屋「くぅっ、あいにく今日はあたしも
   ご飯ろくに食べてないものだからパワーが十分じゃ…」

キョン「…!! 食べ物!それだ!!
    確か…あった!! …けど、こんなんじゃ…」

カエーラ「オチャノコ…サイサァァァイ!!」

キョン「ちくしょう!もう迷ってられねぇ!!長門ー、これを食え!!
    フリスクじゃどうにかなるか分からないがな!!」

ブンッ

長門「!!」

115: 2010/06/13(日) 20:04:10.24 ID:zvTwUY/k0
カエーラ「ノリダセバンザァァァイ!!」

長門「…あなた達は、私が守る!」 チャッ

ザァァァァッ

鶴屋「おおっ!初めて見たよ、フリスクの一箱イッキ食い!」

長門「…!!」 カッ

キョン「長門…頼むっ!!」

長門「これで、終わり…」

キィィィィン…

キョン「!!」

ドォォォォォォッ!!!

カエーラ「ユーベェェェェット!!!」

ドッカーーーーン!!! …

116: 2010/06/13(日) 20:07:28.71 ID:zvTwUY/k0
長門「…」 ドサッ…

キョン「な、長門!!」

鶴屋「長門っち!!」

古泉(光の玉)「よかった…どうやら危機は過ぎ去ったようですね…」

森「朝比奈さん、もう出てきても大丈夫ですよ。」

みくる「ふ、ふぇぇぇ…怖かったですぅ~…」

118: 2010/06/13(日) 20:10:20.23 ID:zvTwUY/k0
キョン「おい、長門!しっかりしろ!おい!!…そうだ、電源!」

ポチッ

キョン「…あれ?おい、起きろ!長門、おーい!!」

ポチポチポチ…

森「ち、ちょっとキョン君///いくら長門さんが携帯だからって
  女の子の…そんな所を連打するなんて…/////」

鶴屋「…そうか。長門っち、自分の充電全部使い果たして
   あたしらのこと守ってくれたんだね…」

119: 2010/06/13(日) 20:15:52.03 ID:zvTwUY/k0
キョン「そ、そんな…じゃあ長門は…」

新川「心配いりませんよ。」

古泉「あ…新川さん!」

新川「到着が遅れてしまって申し訳ありません。でも、もう大丈夫です。
   改変は修正されました。皆さんも、もう元通りのはずです」

みくる「…本当だ。鶴屋さん、ケータイじゃなくなってる!」

鶴屋「本当かい!?いやぁ、よかった。
   …でもちょっとだけ残念かなぁ、ははは。」

新川「長門さんも、しばらくすれば目を覚ますはずです。
   そしたら、たくさん食べさせてあげましょう。」

キョン「そうですか…よかった。」

森「さて…古泉。さっきはいくら私が携帯電話になっていたとはいえ、
  何のためらいもなく私の身体をぺたぺたと触ってくれましたね…」

古泉「えっ!?…いえ、それはいた仕方の無いことでしたので…」

森「後でおしおきですよーっ!!」

120: 2010/06/13(日) 20:18:52.25 ID:zvTwUY/k0
―――改変は無事にすべて修正され、長門他二名も無事元通りとなった。
   なお、閉鎖空間内の怪物を倒したことによって
   現実の例の二人に、特に影響が出ることはなかった。

ハルヒ「はぁ…今日も天気が良くないわねぇ。
    ホント、嫌になるわ、6月ってのは!!祝日もないし!」

キョン「おい、もうイライラしないでくれよ…
    苦労するのはいつも俺たちなんだからよ。」

ハルヒ「だったら!あんたもそんなグデーッとしてないで
    少しは団のために自主的に活動しなさい!!」

キョン「へいへい!」

122: 2010/06/13(日) 20:24:24.55 ID:zvTwUY/k0
♪Butterfly~今日は~いまま~で~の~♪

キョン「…?」

ピッ

キョン「お前の携帯着信か?ハルヒ」

ハルヒ「え?何、いけない?」

キョン「…いや、別に。ハルヒらしくないな、って」

ハルヒ「…訳わかんない。」

キョン「ジューンブライドとか、そういう下らない
    言い伝えとか習慣はお嫌いなんじゃなかったっけ?」

ハルヒ「そんなんじゃないわよ!
    な…何?あんた意識してんの?…バッカみたい///」

みくる「ジューンブライドかぁ…素敵です~
    好きな人と最高の時期に結ばれて、綺麗なドレスで…」

キョン(あぁ…未来の幸せを想像する
    朝比奈さんのその姿を見ているだけで、世の男性は幸せだ…)

123: 2010/06/13(日) 20:27:39.43 ID:zvTwUY/k0
古泉「結婚といえば、例のあのお二方。
   本日公式に、結婚を発表したそうですよ。」

みくる「おめでたいニュースですね。」

ハルヒ「ふん。先に子供が出来ちゃったから
    けじめとるみたいな感じで籍入れたんでしょ。
    あたしはそんなの微笑ましいとは思えないわ。」

キョン「ま、俺はそんなことどうでもいいけどな。
    大事なのは結婚してからどのように二人で支えあって
    どのように子供を育てていくかなんだからさぁ

126: 2010/06/13(日) 20:30:33.96 ID:zvTwUY/k0
ハルヒ「何生意気に説教じみたこと言ってんのよ。
    あんたが愛について語るなんて一億年早いわ!
    だいたいあいつ、見損なったわ!まぁもともとそんな好きってわけでも…」

♪Butterfly~今日は~いまま~で~の~♪

ハルヒ「!?」

古泉「おや、この曲はたしか…」

キョン「へへっ。あれれ、ハルヒさん。携帯が鳴ってますよ?」

ハルヒ「こっ…このぉーー!!/// 後で氏刑だからね!!」

127: 2010/06/13(日) 20:34:16.34 ID:zvTwUY/k0
ハルヒ「もう今日はこれにて解散!天気も悪いし…
    あーっ!!もう嫌になる!」

みくる「ふふっ。それじゃ、お幸せに…
    あっ!し、失礼しました/// …また明日。」

古泉「僕、明日はスパゲッティが食べたいですね」

キョン「あっそう、じゃあ勝手に食べればいいさ。また明日な!」

ハルヒ「カギ、ちゃんと閉めて帰るのよ!!」 バタン

129: 2010/06/13(日) 20:39:15.93 ID:zvTwUY/k0
キョン「…それじゃ、俺たちも帰るか。」

長門「…」 スクッ

キョン「長門、カギ閉めるから部屋出ようぜ」

長門「… リングディンドン♪リングディンディンドン♪」

キョン「えっ… おい!長門!
    …そんな、もう改変は修正されたはずだろ…?」

長門「リングディンドン♪リングディンディン…」 ピタッ

キョン「…!?」

長門「… 今のは冗談。」 スタスタ…

キョン「えっ…あ、はははは。そうだよな… えっ??」

長門「…帰ろう?」

キョン「! お、おう…!」
   (長門… ありがとな。)

                       ~END~

引用: 長門「リングディンドン♪リングディンディンドン♪」