5: 2013/09/11(水) 15:00:16 ID:772P.Cv6
水銀燈「この乳酸菌飲料でジュンの気を引くといいわよぉ♪」スッ
『ピルQル』
真紅「何よこれ、ヤQルトじゃないの?」
水銀燈「あらぁ、知らないの? 乳酸菌飲料はヤQルトだけじゃないのよぉ?」
水銀燈「他にもミルミル、マミー、YORK、グングングルト…」
真紅「その話はいいわ。それより、本当にこれでうまくいくのかしら?」
水銀燈「うん?」
真紅「こんなものに、ジュンが興味を示すとは思えないわ」
6: 2013/09/11(水) 15:00:49 ID:772P.Cv6
水銀燈「やってみなきゃ分からないじゃなぁい♪」
真紅「でも…」
水銀燈「じゃあ真紅、あなたならジュンの気を引く秘策があるのかしら?」
真紅「それは…」
水銀燈「積極性では彗星石に敵わない。可愛らしさでは雛苺に敵わない」
水銀燈「まぶしさでは金糸雀に敵わない。儚さでは蒼星石に敵わない…」
真紅「ちょっと待ちなさい。さすがに蒼星石には負けてない」
水銀燈「…ふぅん?」ニヤッ
真紅「…と思う……のだけれど……」
7: 2013/09/11(水) 15:01:22 ID:772P.Cv6
水銀燈「真紅、あなたがジュンに与えられるものって、何かあるのかしらぁ?」
真紅「それは…その…」モジモジ
真紅「……紅茶の、オーダーとか…」
水銀燈「それだけ??」
真紅「これは…だって、私がいるからジュンは紅茶を淹れられるのよ?」
真紅「私がいなかったら、ジュンは一生紅茶やティーセットに触らなかったかも知れないわ」
水銀燈「……」
真紅「だから…えっと……そうよ!」
8: 2013/09/11(水) 15:02:01 ID:772P.Cv6
真紅「私はジュンに役目を与えてあげてるのだわ!」
水銀燈「はしたないわよ? 真紅」
真紅「……」
水銀燈「アリスドールのあなたが、そんな大声を出して叫んだりして…」
真紅「…そうね、少しばかり興奮していたみたいね」
水銀燈「それで、ジュンを絡め取る方法は決まったのかしらぁ?」
真紅「そういう言い方はやめてちょうだい……そうね、ジュンを私の忠実なしもべにしてあげるわ」
水銀燈「ふぅん」
9: 2013/09/11(水) 15:02:48 ID:772P.Cv6
真紅「ジュンは何事にも無気力だったみたいだから、ジュンには主人を持つ人生を与えてあげるのだわ」
真紅「尽くす喜びに目覚めれば、ジュンだって生きる意味が見つかるはずよ」
水銀燈「そう…あなたがそれでいいと思うんなら、それでいいんじゃないかしらぁ?」
真紅「あなたの指図で決めるつもりはないのだわ。これは私が決めること」
水銀燈「そうねぇ、じゃあこのピルQルも一緒に持って行って良くってよ?」
真紅「それは必要ないわよ」
水銀燈「いらないのかしら?」
真紅「そうよ。そんなものがあっても、邪魔になるだけよ」
水銀燈「そうよねぇ………」
10: 2013/09/11(水) 15:03:41 ID:772P.Cv6
サッ
水銀燈「あ~ノド渇いた~。何か飲むものないかな~」
サッ
水銀燈「…ジュン、ここに今大人気の乳酸菌飲料があるのだけれど…」
サッ
水銀燈「おっ! コレ最近有名なピルQルってやつじゃん!」
水銀燈「これ飲んでいいのか!?」
サッ
水銀燈「いいわよ、しもべに褒美を与えるのは、主人の義務なのだから」
真紅「……」
11: 2013/09/11(水) 15:05:21 ID:772P.Cv6
サッ
水銀燈「サンキュー! ゴクッゴクッゴクッ… ぷはぁ!生き返った~!」
サッ
水銀燈「そう、それは良かったわ」
サッ
水銀燈「ありがとな!真紅! 愛してるぞ~!」ナデナデナデ
サッ
水銀燈「ちょっ…ジュン!何をするの」
水銀燈「止めなさい、ジュン こんな無礼な事、私は……ああ、もう……」
真紅「……」
13: 2013/09/11(水) 15:06:05 ID:772P.Cv6
水銀燈「…なあんてことになったら困るものねえ?」クスクス
真紅「……」
水銀燈「じゃあ行ってらっしゃい? 真紅」
真紅「…まあ役には立たないとは思うけれど、せっかくあなたがくれると言うなら、もらっていくことにするわ」
水銀燈「あらぁ? このピルQルが急に欲しくなったのかしらぁ??」
真紅「…そうよ、だから早く渡してちょうだい」スッ
水銀燈「クスクス……いやぁよ」
14: 2013/09/11(水) 15:06:39 ID:772P.Cv6
真紅「なっ…さっきくれるって言ったじゃない!」
水銀燈「だってぇ、今のあなた、物盗りみたいなんですもの……そんなみっともなく手を伸ばしたりしてぇ」チラッ
真紅「……!」サッ
真紅「コホン…そうね、ちょっと慌ててたかも知れないわ」
水銀燈「フフフ…」
真紅「水銀燈…」
水銀燈「何かしら?」クスクス
15: 2013/09/11(水) 15:07:10 ID:772P.Cv6
真紅「あなたのピルQル、是非この私にも頂けないかしら?」
真紅「もしも頂けたのなら、あなたに感謝の意を表し、真心を込めて礼をすることを誓うわ」
水銀燈「いいわよぉ? ほら♪」スッ
真紅「…ありがとう」
スッ…
真紅「…ではそろそろ行くわ。このピルQルはありがたく使わせてもらうわよ」
水銀燈「どうぞぉ♪ 頑張ってねぇ真紅~♪」ヒラヒラ
おわり
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