675: 2010/04/30(金) 23:24:05.00 ID:BA6i5QDO


ざくり、と上条の振るう鍬が土を掻いた。
日が昇る前から延々と続けてきた作業は、昼を回った今となっても終わる事はない。
ずっと中腰で続けていたせいか、腰が痛い。トントン、と腰を叩きながら、上条は空を仰いだ。

「ふーう。とりあえず休憩にしますかね」

耕した面積は、予定の半分ほど。思ったよりもずっと良いペースだ。
レベル0である上条に与えられた耕地面積はさほど広くはない。とはいえ、一人きりで耕すのは流石に骨が折れた。

「うちのシスターさんもなぁ。手伝ってくれればいいんだけどな」

ぼやきながら、上条は土手に腰かけ、首に巻いていたタオルで流れ落ちる汗をぬぐった。
目の前には、延々と広がる田園風景。地平線まで続くそれは、農業大国たる学園都市を象徴する光景だった。

「…ま、上条さんちの農地だったら1人でも何とかなるから良いけどな」

のんびりと土手に寝っ転がって、上条は自家製白米で握った握り飯を頬張る。具は何もなかったが、良い米ならば塩だけで十分。
他の装飾など不要だというのが、上条の持論だ。決して貧乏故に具が買えないという訳ではない。断じて違うのだ。

新種開発技術、収穫高、そして所有する耕地面積に応じたレベル区分。学園都市独自の身分分け。
学園都市において6割を占めるレベル0である上条の農地では、年間にかかる諸経費を抜くと生活にぎりぎりの収入しか残らない。
いつもお腹をすかせている居候を抱えている身の上条家の家計は常にレッドシグナル。
けれども、上条はそれなりに毎日幸せだった。
土と戯れているのは楽しいし、手をかければかけただけ応えてくれる稲穂は愛おしい。
こうしてのんびり空を眺めている時間も、悪くはない―――


「なによ、昼寝?随分のんびりしてるのね。人力で耕さなきゃならない癖に、もっと焦ったらどう?」


しかし、上条の幸せは突如として頭上から降って来たツンツンした声で終焉を遂げた。

内心で不幸だ、と嘆きながら、上条はゆっくりと目を開ける。そこに居たのは――

「つうかさっさとトラクター買いなさいよね。そんなだからいつまでたっても収穫高上がらなくてレベル0どまりなのよ、アンタ」
「……またお前かよ、ビリビリ」

見上げるほどの巨大なトラクターを駆る勇ましい姿。農家らしく、土にまみれてなお輝くように愛らしいその少女は。
見渡す限りの大規模農園を管理する、学園都市誇るレベル5の一角。

個人収穫高、第三位――


「ビリビリ言うなっつってんでしょ。私には、御坂美琴って名前があんのよ」


そう言って、彼女のトラクターが唸りを上げた。
『魔女狩りの王(イノケンティウス)』
722: 2010/05/01(土) 01:16:01.27 ID:YZvimkAO
対ステイル戦

ステイル「何故!『米苅りの王』が復活しない…!?僕の稲は残っているのにっ…!」

上条「稲が残っていても、苅ってしまえば意味がないんじゃねーか?」

ステイル「なん…だと?」


ここまで妄想した
農業期待

726: 2010/05/01(土) 01:42:00.70 ID:YZvimkAO
イネケンティウスクソワロタwwwww

対ねーちん戦

神裂「七閃」

上条「ぐっ…幻想頃しがきかない…魔術じゃないのか!?」

上条は膝をついたまま上を見上げる
距離を遠く離された神裂と上条の間に赤く染まった紐があった
それは―――

上条「ちくしょう…糸こんにゃくか!!」


もう思いつかない>>693まかせた

730: 2010/05/01(土) 02:14:48.95 ID:F02EulIo
てめぇらずっと待ってたんだろ!?
専業農家が赤字を見なくてもすむ、サラリーマンとの兼業をしなくてもすむ・・・そんな誰もが笑って、誰もが望む最高なハッピーファームってやつを。
今まで待ち焦がれてたんだろ?
こんな展開を・・・何のためにここまで歯を食いしばってきたんだ!?
てめぇのその手でたった一つの畑を助けて見せるって誓ったんじゃねえのかよ?
お前らだって黒字の方がいいだろ!?
元が取れるだけで満足してんじゃねえ、時間を懸けて世界に一つの野菜を作りてぇんじゃないのかよ!?
だったら、それは全然終わってねぇ、始まってすらいねぇ・・・
ちょっとくらい長い種植え時期で絶望してんじゃねぇよ!
手を伸ばせば届くんだ!いい加減に始めようぜ、農協組合!!

731: 2010/05/01(土) 02:14:59.36 ID:gfwK5W.o
便乗して小ネタを一つ


「テメェ、それ本気でいってンのか?」

彼は学園都市個人収穫高1位、一方通行。

首から提げた手ぬぐいに、日中の作業に欠かせない麦藁帽子を常時装備しているせいか
その肌に日焼けは一切無く、肌と髪は透き通るような白さをしている。

長靴にズボンをいれ、手に携えた鎌は個人収穫高1位の風格を漂わせていた。

「あぁ、二毛作の設計者【ニモウ・ダイアグラム】による演算結果で君ならばこの学園都市初のレベル6になれるという結果が出てね」

目の前の農協職員は嬉々とした表情でそう答える。

「・・・で?その方法ってェのはなンだってンだ?」

「第3位を知っているね?」

農協職員は先ほどまでの笑顔から急に真剣な表情を作り語りだした、

「実は彼女のクローンを作り耕作率を上げる計画があってね―――」

「量産型農業者計画か?」

「知っていたのか。なら話は早い。実はその計画でクローン体を20000体作成したんだが思った結果が得られなくてね。

 実験は失敗。それでクローン体の破棄すら検討されていたんだが、二毛作の設計者によってその有効活用法が見つかってね。」

男の口元がいやらしくニヤリと歪む。
農協職員はどいつもこいつもこういう根暗ばかりで好きになれない。

「彼女達20000体と君を20000通りの作物、20000通りの土壌で農作を競わせることによって君はレベル6へと進化できることが分かった」

「20000通りの作物、20000通りの土壌・・・だと?」

一方通行はこらえきれず笑い出しそうになる。
農家にとってこれほど心躍るものがあるだろうか?

「どうやら乗り気なようだね。それじゃぁやってくれるかな?この絶対農業者進化計画を?」

「面白ェ、やってやろうじゃねェか!!」


絶対農業者進化計画がここに指導する―――

738: 2010/05/01(土) 02:30:06.25 ID:vBs.2c2o
「ククク……良いねェ、さいっこォじゃねェか」

早朝。昇り始めた日差しを浴びながら、学園都市最高の個人収穫高を誇る怪物・一方農耕は、ほくそ笑んだ。

「この色艶……大きさ……稲のしなり具合……パーフェクトってヤツだ」

目の前に広がるは、黄金色に輝く稲穂たち。
彼らは既に、収穫される準備を終えて、風に揺られていた。

「……クク、クカカカカカ!!」

想像以上の出来だ、と彼は笑う。
そして、例年以上の実りだ、と。

「よォし……そンじゃあ愉快に爽快に刈り取ってやンよォ」

そして、銀色に輝く鎌を、獰猛な笑みを浮かべながらかざした―――


「こっから先は、一方通行だァ!!」(稲刈り的な意味で)

752: 2010/05/01(土) 04:18:17.45 ID:/l6rIpM0
「ふざ…け…ンじゃねェぞ!轢き頃すつもりか!」

学園都市誇る7人のレベル5、序列、第一位。
農業大国学園都市全収穫高の、実に半数を占める巨大農園の主、一方通行は吠える。

遥か彼方に見えるのは、将来を絶たれ絶望のあまり暴走した交配育種法研究者・天井亜雄の駆るトラクターと、
第一位という地位の齎す淀みに囲われ孤独に生きてきた一方通行に光を差し入れた、一人の少女。

本来、彼女を助ける資格など、一方通行にはありはしない。
レベル6。全世界の農産物の流通すらも掌握する、絶対農業者。
他の追随を許さないその頂きに辿り着くために、一方通行は笑って色々なものを犠牲にした。
その意味を理解せず、彼女達に慈悲など与えず、ただひたすらに刈り取ったのだ。黄金に輝く稲穂にするのと、同じように。

だから、全ては今更。今更あの少女を助けた所で、一方通行の重ねた罪が消えるわけではない。
贖罪にもなりはしない。罪に塗れた手で作り出した米など、誰が欲しがると言うのか。
――そんな事にすら、気付けなかったのだから。

(…けどよォ、)

それらは全て、一方通行の罪だ。一方通行のみが進むべき汚れた道だ。
一方通行が最早どうあがいても清廉潔白な農耕が出来ない事と、彼女を助けられない事には何の関係もない。
彼女は、笑っているべきだ。何の心配もなく憂いもなく、家族と一緒に明るく食卓を囲んでいるべきなのだ。

――ミサカはね。

――ミサカは、それでもあなたの作るお米はとても美味しいと思うよ、ってミサカはミサカは本心を伝えてみる。

農場の端で出会った少女を拾ったのは、本当にただの気まぐれだ。それがこんな事になるなんて誰が思うだろう。
白米の光る食卓で、ただ笑って泣いて怒って拗ねて、それだけであっさり一方通行の世界を変えてゆく。
一方通行は、諦めたくはない。彼女がこの世界から消えてしまうなど、許せない。

この地は、一方通行の統べる大農園。都合のよい英雄など現れない。
…ならば、彼がやるしかないのだ。他の誰でもない、一方通行があのトラクターを止めるしかない。
だから。

水田のぬかるみに沈みこんだ足を引きぬくように。罪の意識が繋ぎとめる鎖を引きちぎるように。



――だからなのかな。一緒に頂きますをするのはあなたがいいって思ったのは、ってミサカはミサカは微笑んでみたり。



「――これ以上俺の農地で氏人なンざ出してたまるかってンだよォ、クソったれがァ!!」




一方通行の足は、動く。――動く!

766: 2010/05/01(土) 11:51:11.22 ID:L/OOM1oo
せっかく第七位と第二位のシリアス話せっかく考えたのに地の文バリバリだったでござる
むしゃくしゃした小ネタ投下しますね

学園都市 夏 
とある高校の生徒、上条当麻は最新の冷蔵庫のテスターに選ばれた。

上条「マ、マジ!?や、やったー!!」バンザーイ

禁書「よくわからないけどおめでとなんだよとうま」

上条「これさえあれば賞味期限切れとはおさらば!」

上条「つまり!買いすぎても大丈夫!」

上条「よし!さっそく開けるぞー」ビリビリ

禁書「とうま?これこんせんとにつなげばいいの?」

上条「そうだ……ってそれちがーう!」ビシッ

~~~~

上条「よし、開けるぞー」ガバッー

禁書「うわっまぶし!」

禁書「……って生首!?」

垣根「俺の未元物質(フロンガス)に常温は通用しねぇ!」

上条「しかもフロン!?」



上条当麻と垣根帝督の粗大ごみ扱いをめぐった奇妙な争いがあったのは別の話である。

770: 2010/05/01(土) 14:22:27.26 ID:wI3hIio0
対セ口リ

「くははっ!てめェに面白いもン見してやンよ!」

一方通行は大切な物を持つかのように両手を広げる。

「米を圧縮、圧縮、圧縮ゥ!!」

周りにある炊飯器から米という米が飛び出し一方通行の手元、一点に集う。
一方通行の頭上、100メートルの位置。
そこに米が集められ、誕生する――





――巨大握飯(ライスボール)


771: 2010/05/01(土) 14:23:23.59 ID:wI3hIio0
美琴は一方通行の頭上にできる巨大握飯(ライスボール)を見て愕然とした。

あれはもう人類に防ぐ術はない、あいつの右手でも壊せない。

御坂美琴は学園都市第三位の『超野菜砲』
音速の三倍で放つ野菜は圧倒的物理力を生む。

けれど、それが何になるのか?

あの圧縮、あの規模の巨大握飯(ライスボール)を破壊するには至らない。
せいぜい真ん中で埋まって巨大握飯(ライスボール)の具になるのが関の山だ。
せめて米を操る事ができれば…。

「あっ」


772: 2010/05/01(土) 14:24:10.87 ID:wI3hIio0
美琴は気付いた。

たくさんの米を圧縮するにはかなりの演算能力がいる。
そこで邪魔するような―例えば炊きあがっていない米、硬すぎる米が混ざると演算ができないのではないか?
そして米の出どころは周りにある炊飯器、おそらく10万はくだらない数はあるだろう。
電撃で炊飯器を破壊、もしくは制御することで異端分子が混ざり一方通行は巨大握飯(ライスボール)の制御を手放すかもしれない。

だが、超能力者の美琴が炊飯器を操っては意味がない。

美琴が手を出してしまっては実験を止められない。
ならば――

美琴は言う。
砂利に倒れる自分の、1/20000の妹に。

「アンタにやって欲しいことがあるの!ううん、アンタにしかできない!
   あいつの夢を!守ってあげて!」


773: 2010/05/01(土) 14:25:05.40 ID:wI3hIio0
「あン―?」

一方通行は頭上を見上げた。
巨大握飯は大量の米を介して作られたものだ。

その米が一瞬だが揺らめいた。

一方通行はすぐに演算を修正する。
だが修正もすぐに狂う。水を掬っても掬っても零れてしまう水のように。

「っくそが…!」

ならばまずは妹達(シスターズ)からだと考え

後ろでガサりと音がした。

「歯ぁくいしばれよ、最強(さいじゃく)――」

上条当麻は振り返る一方通行に

「――俺の最弱(さいきょう)はちっとばかし響くぞ!!」

必殺の右手を叩き込んだ。

787: 2010/05/01(土) 15:00:05.87 ID:ZHW0TEco
佐天「低収穫高って・・・欠陥品なのかな・・・。」

初春「佐天さんは欠陥品なんかじゃありません!低収穫高だって!いつもいつも、私の収穫手伝ってくれるじゃないですか!」

初春「低収穫高でも!佐天さんは佐天さんです!私の親友なんだから!」

佐天「ふふ・・・初春を頼れっていわれてもね・・・グスッ・・・ありがとね、初春。」


的なのを佐天さんまとめ見ながら思った。無理矢理すぎだよな、ごめん。

790: 2010/05/01(土) 15:09:42.64 ID:xoBlX.Io

「おっ、お米の丸っこいボディが!? とミサカは戦々恐々としてみます……。この子は何故そこまで
従順なのですか、とミサカは疑問を抱きますがお米はピーとも鳴きません」

「ん? さっきからどうしたんだ御坂妹。お前が食べないなら俺が食っちまうそ」

「た、食べ……ッ!?」

 御坂妹が何やらコメコメとしている中、上条は怪訝な顔でお米を口に入れる。
もにゅもにゅと噛んでみると、やっぱりお米っぽい甘みが広がっていく。

「お、実験品のくせに結構美味いなこれ」

 一方その頃、目の前の少年の口に放り込まれたお米のつぶらな瞳(お米製)が御坂妹の
目を真っ直ぐと見つめている事に彼女は大変ショックを受けていた。

「………………………………………………………………………………、た」

 もぐもぐという音と共に、その何か言いたそうな可愛らしい顔が噛み潰されていく。
 
 御坂妹は、ぶるぶると体を震わせると、

「たとえ実験品であってもォ! ミサカはこのお米の命をおォォおおおおおォォおおおおおおおおおおおおおおおおおォォおおッ!!」

「もごオっ!? な、何で突然暴走気味にコメコメいってんだお前―――ッ!?」
 
 上条が叫び終わる前に御坂妹の全身から青白いお米が飛び散った。
 
 彼女は欠陥御米。
 二万人集まっても超電磁米に敵わない程度のお米しかない。
 しかし馬鹿にしてはならない。
 一〇億ヘクタールの二万分の一でも五万ヘクタールである。
 
 「こめーっ!?」

795: 2010/05/01(土) 15:24:50.12 ID:wI3hIio0
麦のんvs浜面さん


「いいのかよ、俺にとどめ刺さないで」

「あ?」


眼球だけでじろりと浜面を見る麦野。
その目が大きく開かれる。
浜面の手には、滝壺が使っていた『体昌』のケースがあった。


「これがなければ滝壺は農薬追跡が使えないんだよな」


農薬追跡――
農薬に使われているあらゆる成分を追跡し抽出することで常人で作りえない黄金比のバランスで作り上げられた農薬は美味しい米、野菜を作るという文字通りアイテムの核となる能力だ。
しかし、能力を使うと農薬に含まれる悪性が滝壺の体に溜まってしまう。


「てめぇ…!」


麦野の眼に殺意が混じる前に、浜面は橋から飛ぶ。
そこへちょうど列車が通過した。
体を打ちつけるも何とか浜面は引き落とされないよう体を支えた。


(無理に戦いをする必要はねぇ、麦野にこれを渡さなければ…)


その時列車がガクンと急停止した。

浜面の体が列車を滑る。何とか立って辺りを見回すとはるか後方のレーンに麦野が立っている。
浜面と同じく、橋から飛んだのだろう。麦野の手は地面に刺さっていた。
学園都市の電線は地下を通っている。おそらく能力で切断して無理やり止めたのだろう。


麦野沈利が何か言う。声は聞こえなかったが口の動きだけで分かってしまった。






―――ウ・チ・コ・ワ・シ・か・く・て・い・ね。

802: 2010/05/01(土) 15:50:04.91 ID:xoBlX.Io
「ぎゃあああああああああああッ!!」

今度は食堂の外からぶっ飛んだアニェーゼの悲鳴が聞こえてきた。

「ああもう次から次へと!!」

 神裂は立ち上がると、勢い良く食堂を飛び出すと、台所の前で
へたりこんでいるアニェーゼ=サンクティスを発見した。
神裂が近づくと、アニェーゼは座り込んだまま、台所の中を指差した。

「すっ、炊飯器が……炊飯器が」

息も切れ切れの言葉に、神裂のこめかみがコメッと嫌な音を立てた。

またあの炊飯器か。

朝食前にも問題を起こしたのに、そっちの収拾がつく前にまた次の問題か。
こっちは二毛作だの三圃制発言だのでさんざん頭を悩ませているのに、この期に及んでまた炊飯器か。

これ以上何かあれば七天七箸でぶった斬ってやる、位の意気込みで神裂は台所へ突撃した。

かまどは西洋圏では珍しい大かまどなので、洗米所も大きい。
件の炊飯器は冷蔵庫と一緒に広々とした洗米所の隅っこに置かれているはずだった。

そちらに視線を向ける。

神裂の梅干を脱色し、しゃもじを詰め込まれて動作不良に陥っていたグズでノロマで
役立たずの学園都市製ガラクタ炊飯器は、


ぐいんぐいんと音を立てて、
ぎゅうぎゅうに詰め込まれたしゃもじごとしっかり炊飯していた。

805: 2010/05/01(土) 16:42:37.04 ID:7/OR1EAO
上条「何やってるんだよ」

ステイル「稲の鳥避けにイネケンティウスと目玉模様を設置していこうと思ってね。
僕達がキュウリ栽培にかまけてる間に、スズメやカラスが来て田んぼを荒らさないとも限らないしね。

まったく世話がやける……」

上条「お前…米作り好きなの?」

ステイル「」


ステイル「ン…!な!!いきなり何を言い出すんだ!!
あ あ…あれはキュウリの片手間でありけして本腰では……だから…その……」

上条「そうかい」ニッ


815: 2010/05/01(土) 17:36:07.11 ID:BlJwjb60
【上条勢力】

日本の貧農・上条当麻を中心に、農園都市上位者や外部の研究者、海外の豪農、1万人以上に及ぶ小作人、そしてキリシタンによって構成された一大勢力。

一度蜂起すれば、農園都市のみならず日本全土を制圧可能とも噂される。
だが当人は、今日も作物の生育不良と無駄飯食らいの同居人に悩まされている。

上条「おいインデックス!!お前種もみ食っただろ!!あれが無いと上条さんは何も作れませんよ!?」

インデックス「おなかがすいたからしかたないんだよ!!」

833: 2010/05/01(土) 21:51:20.79 ID:7/OR1EAO
とある初夏の日常農作

日が燦々と照り付ける5月下旬の午後。
かつて農園都市収穫高1位を誇った一方通行が手ぬぐいを片手に、自らの所有する広大な水田へと足を下ろした。

その白い髪、透き通る様に白い肌と華奢な体格はとても農作業を営む百姓には見えない。

(チッ……あのカエル、バッテリーにソーラー充電機能を追加したっつってたが…)

一方通行は首のチョーカーを指で軽く摘まむ。

(絶好の日射しだ、どれだけ駆動時間が増すのか試してやらァ)

そう言った一方通行の視線の先には、軽く30枚ほどの苗代が置いてある。それは毎年の光景であり、見慣れた物だった。
一方通行はチョーカーの電極のスイッチを入れた。

(どンだけ制限ができてもよォ)
(あのガキを守って釣りが返って来るぐらいの収穫は訳ねェンだよォ!!)

苗代に手をかざし、苗の表面をさっと横に撫で払う。
そうするや否や、無数の苗は重力の枷から解き放たれ、空に浮かび上がった。

「オラァ!!さっさと決められた席に着きやがれ青臭せェ苗ガキどもォォ!!」

一方通行が左手を振り下ろすと同時に、等間隔に広がり空中を漂っていた苗は勢いを持って水田の中へと突き刺さっていった。

(へっ、退屈な作業だ)

農業を営むにも関わらず起床の遅い生活を送る一方通行は、眠気の覚めない身体に苛つきを覚えながらも一連の作業を続ける。

「わあ!すごいすごい!あなたの田植えは神業ねってミサカはミサカはあなたが照れるくらい大袈裟に褒めてみる!」

ピンクのTシャツと白いハーフパンツ、頭に麦わら帽子を被った10才ほどの年頃に見える少女が一方通行に声を掛ける。

打ち止め、それが少女の名前と言うべき物だった。

「照れねェよクソガキ」

一方通行は素っ気なく少女をあしらう。

「ブーッ、せっかくあなたのために冷えた麦茶を持ってきたのにとミサカはミサカは手を振り回しながら思いやりと水筒をアピール!!」

少女の右手には、可愛らしい絵柄のプリントされた水筒が紐で繋がれブンブンと円運動を行わされていた。

(…バカが怪我するぞ)
一方通行は苛立ちを隠さず声を掛ける。

「打ち止めァ!ブン回してねェでこっち来やがれェ!」

834: 2010/05/01(土) 21:57:15.08 ID:7/OR1EAO
「フフフっ、そんなに麦茶が欲しいのねってミサカはミサカはキャア!頭をペシペシペシペシ叩かないで!」

「オメーの頭に水筒ぶつかってお前がぶっ壊れたら俺もタダじゃ済まねーンですよォ?分かってっかクソガキ」

「だったらあなたも頭を叩かないで!とミサカはミサカは天地万民、当然の権利を訴えかける!!」

「一方通行、そのぐらいにしてさっさと打ち止めに田植え教えてあげるじゃん」

少し離れた場所から黄泉川が声を掛ける。地の薄い白の長袖にグレーのジャージを膝上まで捲り上げていた。

「はァ?どういうこった」

一方通行は驚きと確認の為に返事と言う名の悪態をつく。

「打ち止めがやってみたいやってみたいって繰り返すからじゃんよ。別に良いだろ?」

無責任だなオイ、と一方通行は呆れて打ち止めの持つ水筒を引ったくり、それを飲もうと試みた。が。

「……なんだこりゃ。」

「どうしたの?ってミサカはミサカは太陽を心地よく浴びながらあなたに怪訝な顔を向けてみる?」

「ストローでしか飲めねェのかこのお子様仕様カエル水筒は」

「えー、良いじゃない何か問題が有るのかしら?とミサカはミサカは大人の雰囲気を装いあなたを子供の様に諭す!」

やれやれ、と観念して一方通行はストローに口を付けた。

(ストローで飲むなんざいつぶりだクソッタレ)

幼い頃に使った憶えは有る。だが何歳の頃だったかなど、一方通行は深く思い出すつもりは無かった。

835: 2010/05/01(土) 21:59:42.80 ID:7/OR1EAO
「フン、さっさとやるぞ打ち止めァ」
「やったやった!ミサカはミサカは未知なる体験に心躍らせ水田にジャンピングドボン!」

『『あ』』



一方通行と黄泉川の気付きは遅かった。



「うっ……あああ~~~~~~~~~」
打ち止めは尻餅をつき、見事なまでに水田に体を埋めてしまっていた。
初めての泥の感触とじわじわ染みてくる水の不快感に軽く涙を浮かべている。

このガキはこんな事も予測できないのか。
もし妹達が水田で戦闘を行う事があれば、こいつの命令一瞬で全滅するンじゃねェか、と一方通行はくだらない考えに陥る。


「うあぁん!!助けて助けてミサカはミサカはあなたが頼り!!」

「チッ……オラよ」

一方通行が手を差し伸べる。杖を付いた状態なのだからひどく不安定になるのだが、体が先に反応してしまっていた。

その瞬間を逃さない打ち止めの瞳は、涙では無い輝きを浮かべる。


ドボォ!!



「へっへー!ミサカのミサカのコンバット大作戦華麗に大成功!!」



「……キき……ククク……クキャきゃきゃきゃキャキャキャ!!」

「えっ、思った以上のあなたの怒りにミサカはミサあ~~ん!!」「もっと泥だらけになってろよォ打ち止めちゃンよおおォォ!!」


「やれやれ、洗濯大変じゃんよ」

その後、5分ほど一方通行な御仕置きが繰り広げられた。



836: 2010/05/01(土) 22:08:13.05 ID:2xUAcbwo
平和すぎる……だがそれが良い

735: 2010/05/01(土) 02:21:38.32 ID:1FOQZdko
一方農耕さんか……

引用: ▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」【超電磁砲】