619: 2010/05/31(月) 23:33:48.28 ID:d4.CfkMo
黒子「風紀委員ですの!そこの方々、全員今すぐ武器を放し投降を!」

「んだ?おらぁ……」

「ただのチビじゃねぇかよ!彼氏連れておままごとかぁ!?」

黒子「……」ピク

「いくらガキでも風紀委員なら能力者だろ。一気に吹っ飛ばしてやらぁ!」ダッ

黒子「……はぁ。正直に言ってその返答、もう聞き飽きましたわね」

「んだらぁぁぁ!」


「ぐぐ……」

上条「いやーさすが白井だな。あっという間だった」

黒子「ふん。わたくしがこの程度の相手に不覚を取ると思っていますの?」

「て、てめぇら逃げるぞ!とにかく散れ!」ピャー

黒子「あらあら、抵抗しては罪が深まるばかりですのに……」

黒子「上条さんはあちらに逃げた方を。わたくしは向こうの三人を追いますの」

上条「おう。白井、気を付けろよ」

黒子「ですから誰に向かって言っているのか分かっていますの?」

上条「それでもだよ、女の子なんだから!」ダッ

黒子「……はぁ」
『魔女狩りの王(イノケンティウス)』
620: 2010/05/31(月) 23:34:55.95 ID:d4.CfkMo
黒子「これで今度こそ拘束完了ですわね」

「てめぇ、あの噂の空間移動者……」

黒子「あらご存知でしたの?まったく嬉しくありませんけど」ピッ

黒子「こちら三人とも拘束完了しましたの。上条さんはご無事で?……はい、それでは後ほど」

「……けっ、風紀委員と言ってもやっぱりガキだな!自分の彼氏のやってることは許すなんてよぉ!」

黒子「……どういうことですの?」

「俺は見てんだよ!あの男、風紀委員じゃないんだろ?腕章を付けてなかったじゃねーか!」

「っつーことは、俺らを捕まえたあの野郎も捕まえる義務があんだろうが!立派な暴力行為だぜ!?」

黒子「それは、違います」

「違わねぇよ!アイツも俺らと同じ犯罪者なんだよ!」


上条「……何だ?」


黒子「……お黙りなさいっ!!!……それ以上、上条さんを侮辱するのなら……!」

「やってみろや!そりゃあ俺らはどうでもいい存在なんだもんなぁ!」

黒子「ッ……!」

上条「やめろ白井。何があったか知らないけど、挑発に乗るな」

黒子「上条さん……」

上条「警備員に連絡入れといたからもうすぐ来るだろ。後、任せていいか?」

黒子「は、はい……」

622: 2010/05/31(月) 23:35:55.87 ID:d4.CfkMo
一七七支部

黒子「……」

上条「お、白井お疲れさん」

黒子「……上条さんは……もう仕事を、取締りを手伝って頂かなくても結構ですの」

上条「ど、どうしたんだよいきなり」

黒子「上条さんは、本来風紀委員の役に就いているわけではありませんから」

黒子「これ以上手伝わせるのは、その、失礼かと」

上条「気にすることないっての。俺がやりたくてやってるだけなんだから」

黒子「……お気持ちはありがたいですが、もういいですの」

上条「白井……」

黒子「さ、お帰りになってくださいな。わたくしはこれから報告書を纏めなければいけないので」

黒子「無理矢理テレポートで飛ばしてもいいんですのよ?」

上条「いや、俺には効かな……」

黒子「あぁもう!いいから出て行ってくださいまし!」グイグイ

上条「お、押すな!おい!」

623: 2010/05/31(月) 23:36:56.18 ID:d4.CfkMo
上条「だから待てよ白井、いいから話を聞けって」

黒子「話すことなどありませんっ」

上条「いくらなんでも俺が納得出来ない。風紀委員の危険性がどうとかって言いたいんだろうけど、そんなもん最初っから覚悟はしてたさ」

上条「それに、白井との付き合いは結構長いじゃねぇか。今更『やめろ』なんて聞けるか」

黒子「わたくしは貴方のためを思って……!」

上条「だから俺はいいんだって」

黒子「そういう問題ではありませんの!」

上条「いや、ある」

黒子「ッ……!」

上条「何だかんだでこの支部は楽しいんだよ。だから、そんな俺を納得させるには弱過ぎる理由だ」

黒子「……風紀委員でない貴方がスキルアウトを拘束すること、それは傷害にあたりますの……」

黒子「ですから、わたくしには貴方を止める義務がありますのよ……?」

上条「く……」

黒子「これ以上は、貴方の為になりません」

上条「そうか……悪かったよ、白井」

黒子「いえ、わたくしの責任ですの……」

上条「……じゃあ、な」


黒子「……これまでのご協力、感謝いたしますの」

624: 2010/05/31(月) 23:37:55.72 ID:d4.CfkMo
一年後


黒子「まったく、初春も人遣いの荒い……!」ヒュン


『犯人の確保、警備員への引渡し完了しましたの』

『また通報がありました。そちらに向かってください』


黒子「居た!……あれは……?」ヒュン


黒子「……何をしていますの」

上条「?おぉ白井じゃねーか。もう引渡し終わったぞ」

黒子「しといたぞ、ではありません!何をやっておられるんですの!?わたくしがあれほど……」

上条「待て待て落ち着け。周りを見てみろよ」

黒子「あ、う……」

上条「一七七支部に戻ろうぜ」


黒子「……それで?」

上条「ほら腕章だ。見ろ」

黒子「……これ……本物……?」

上条「確かに難関って言われてましたけどね、上条さんも頑張ったんですよ」

黒子「貴方、まさかこのために、ここに来なくなって?」

上条「そのため。これでまた白井と仕事が出来るな」

黒子「ほ、本物の馬鹿ですの……」

625: 2010/05/31(月) 23:38:55.74 ID:d4.CfkMo
上条「俺にとっては大事なことだったんだよ。下手したら白井や皆が風紀委員解任、とかもあったかもしれない」

上条「大切な人達に迷惑を掛ける訳にはいかなかったからな」

黒子「大切……わたくし達が?」

上条「……その中でも特に白井がな」

黒子「まぁ……そうですわね。貴方との付き合いは一番長いですし」

黒子「わたくしも、貴方のことは信頼出来る大切な仲間だと思っておりますのよ」

上条「あぁ……そういう意味ではありません……」

黒子「何か仰いまして?」

上条「何もないですよ」

黒子「でも、戻ってきてくれたことは、わたくし自身嬉しいと思っていますの」

黒子「これからも宜しくお願い致します。上条当麻さん」



おしまい

626: 2010/05/31(月) 23:39:55.71 ID:d4.CfkMo
ちょっと前に長編書いてコケたから短編やろうと思った
筆が進む進む
内容の良し悪しは別として

ありがとうございました

628: 2010/05/31(月) 23:46:56.32 ID:eDyKEDo0
乙 黒子好きの俺にはたまらなかった
長い付き合いって言ってるのは、この話では幼馴染か何か?

引用: ▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ≪4冊目≫」【超電磁砲】