1: 2013/09/02(月) 00:29:54 ID:7SXSA48.

※バレ有、恋愛要素多分なし、シリアス路線
 >>1の勝手な妄想にて候。
※アニとミーナの話っぽいです。

2: 2013/09/02(月) 00:30:43 ID:7SXSA48.

<<対人格闘訓練>>

キース「貴様!そんなところで休んでないで訓練に戻れ!」

アニ「………」

キース「貴様だ!レオンハート訓練兵!」

アニ「………」

キース「聞こえているのか?訓練に戻れ!」

アニ「…相手が見つかりませんので」

キース「ぬ」

アニ「教官が相手してくださいませんか」

キース「………」

3: 2013/09/02(月) 00:31:27 ID:7SXSA48.

キース(…アニ・レオンハート。性格は孤立気味、連帯性に難がある)
    だからと言って、私が相手をするわけにはいかぬ)

キース「…集団行動を行えるようになるのも、兵士の務めだ。
    おい、そこの。カロライナ訓練兵」

ミーナ「は、はいっ!?」

キース「レオンハート訓練兵と組め。そっちの…※※※は、レンズと」

ハンナ「じゃ、じゃぁ…ミーナ、後で、ね」

ミーナ「う、うん…」

(※ハンナの苗字わからんかった。)

4: 2013/09/02(月) 00:32:05 ID:7SXSA48.

ミーナ「えっ…と…」

アニ「……恨むなら教官を恨んでおくれよ」

ミーナ「いや、わたしは、その」

アニ「さっさと終わらせよう。あんたが暴漢役でいいかい」

ミーナ「えっと…その、あの…」

アニ「…なんだい」

ミーナ「わ、わたし、ミーナ!ミーナ・カロライナ!よろしく!」

アニ「………」

ミーナ「あ、あれっ…」

アニ「訓練、しないの?」

5: 2013/09/02(月) 00:32:48 ID:7SXSA48.

ミーナ「いや、あなたと話すの…初めてだったし」

アニ「そう」

ミーナ「えっと、確か、あなたは…」

アニ「アニ。アニ・レオンハート。
   教官見てるし、お喋りしてる暇はないと思うけど」

ミーナ「あ、うん、い、いくよっ!」

6: 2013/09/02(月) 00:33:24 ID:7SXSA48.

<<食堂>>

ミーナ「うぅ、いったぁ…」

ハンナ「だ、大丈夫?」

女1「ほんっとムカつくよね、立体機動がちょっとうまいからって
   ちょーし乗りすぎ!次の対人格闘でもハブってやろうよ」

女2「でもさー、教官に言われちゃ相手しなくちゃじゃん?」

女1「だからー、他の女子とも話つけてさー」

女2「あ、噂をすればなんとやらだよ。氷の女のおでましだ」

女1「うっわー、やっぱ一人で食べてる、ボッチじゃんw」

女2「目つき怖いしさー、あんなのと友達なんてあたし絶対無理w」

女1「だよねー、ハンナもそう思うよねー?」

ハンナ「う、うん…」

ミーナ「………」

7: 2013/09/02(月) 00:34:07 ID:7SXSA48.

ミーナ『うう、いたたたた』

アニ『……手』

ミーナ『あ、ありがと…』

アニ『…別に。訓練だから』

ミーナ『アニって、強いんだね…』

アニ『……次はこっちが暴漢役』

ミーナ『え、ちょっと、休憩とか』

アニ『…いくよ』

ミーナ『ええええっ』

8: 2013/09/02(月) 00:35:04 ID:7SXSA48.

ミーナ『いったぁぁぁぁああ』

アニ『…大げさすぎ』

ミーナ『アニが強すぎるんだよ…』

アニ『そう。じゃぁ私行くから』

ミーナ『えっ』

アニ『…すまなかったね。次からは教官に見つからないようにする』

ミーナ『え、ちょっと?アニ?』

9: 2013/09/02(月) 00:35:54 ID:7SXSA48.

ミーナ「…わたし、ちょっと行ってくる」

ハンナ「ミ、ミーナ?!」

女1「はぁ?何言って…ちょっと、ミーナ!」
------
ミーナ「…ねぇ」

アニ「………」

ミーナ「…アニ」

アニ「…なんだい」

ミーナ「昼間は、その…」

アニ「戻った方がいいんじゃないかい。あいつらが見てるよ」

ミーナ「………」

アニ「言ったろ、次からは見つからないようにする。
   あんたを巻き込んだりしない」

ミーナ「………」

アニ「わかったら、とっとと」

ミーナ「わからない」

10: 2013/09/02(月) 00:36:48 ID:7SXSA48.

アニ「は?」

ミーナ「人が声かけといてその態度、なんなのさ」

アニ「…声かけてくれと頼んだ覚えはないよ」

ミーナ「……そう」

ハンナ「ミーナ…」

ミーナ「行こう、ハンナ」

ハンナ「う、うん…」

11: 2013/09/02(月) 00:37:25 ID:7SXSA48.

<<女子寮>>

女1「なんなのあれ!せっかくこっちが優しく声かけてやってんのに」

女2「ミーナもお節介なんだよ。あいつなんて放っておけばいいんだ」

ミーナ「…そう、だね」

女1「そいや男子にもハブられてるのいたよね、すっげー背が高いやつ」

女2「あー、いたいた。でも同じくらいでかいのいるじゃん?
   あいつと同郷らしいからよくつるんでるよ」

女1「でっかい奴同士で?ホ〇達なんじゃないのw」

女2「ありえるーw」

ハンナ「もうやめようよ、そんな話…」

女1「いい子ぶってんじゃないよ、ひょっとしてあいつらに気でもあるの?」

ハンナ「違うよ…」

12: 2013/09/02(月) 00:38:19 ID:7SXSA48.

ミーナ「ハンナに限ってそれはないわー。ねぇ?」

ハンナ「ちょっと、ミーナ」

ミーナ「おやぁ?こないだ何て言ってたかなぁ~、座学で席が隣になった…」

ハンナ「ちょ、ちょっと」

女2「なになに?ハンナ好きな人でもいんの!?」

ハンナ「やめてよー、もうっ」

女1「隠すな隠すなー」

ミーナ「そうだぞー、白状しろー!」

13: 2013/09/02(月) 00:42:57 ID:7SXSA48.
…今日はココまで。ちょい前に投稿した
ベルトルト「僕のノート?」に少し繋がっていくかもしれない。

では寝る!

|壁|ミ

15: 2013/09/02(月) 02:44:02 ID:7SXSA48.

…眠れなくて続き書いた。朝6時起きなので氏ぬ気がする。

>>14 そうっす、見てくれててありがとうっす。

-----------------------------

<<別の日、対人格闘訓練>>

女1「お、あいつまたボッチだわ」

女2「離れよ離れよっ」

16: 2013/09/02(月) 02:44:37 ID:7SXSA48.

ミーナ「…ほんとに、教官にバレてない」

ハンナ「どうしたの?ミーナ」

ミーナ「なーんでも。ところで…あそこにいるのは~?」

ハンナ「ちょっと、やめてよっ」

ミーナ「あれー、一人みたいだなー。このままじゃ教官に
    あいつと組まされて怪我するんじゃないかなー」

ハンナ「…男の人だし、身長あるし、大丈夫だよ」

ミーナ「そっかなー?こないだやったけど、あいつ相当強いよ?」

ハンナ「だからって…」

ミーナ「もうー、せっかくのチャンスなんだ、いってこーい!」

ハンナ「ちょ、ちょっと」

ミーナ「フランツー!!」

ハンナ「や、やめてよぉ」

17: 2013/09/02(月) 02:45:23 ID:7SXSA48.

ミーナ「さて、と…」

--------

ミーナ「ねえ、あなた」

アニ「…何」

ミーナ「見ての通り、相手がいないの。付き合ってよ」

アニ「他の人に頼めば?」

ミーナ「教官こっち見てるし」

アニ「…仕方ない。かかってきな」

18: 2013/09/02(月) 02:46:02 ID:7SXSA48.

ミーナ「うっ…」

アニ「…わかったろ、私とやると怪我する」

ミーナ「うるさいっ」

アニ「腕、使い物にならなくしてやろうか?」

ミーナ「そんなことしたら、あなた開拓地行きだね」

アニ「…それは困るね」

ミーナ「だったら…!!!」

アニ「おっと…へぇ、やるじゃないか」

ミーナ「うそ…」

アニ「相手が悪かったね」

19: 2013/09/02(月) 02:46:47 ID:7SXSA48.

<<食堂>>

女1「ばっかじゃないの、なんであんな奴相手にするのさ」

ミーナ「一方的にやられてるってのが悔しくてさー」

ハンナ「けど…ほんと強いよね、すごい」

女2「そりゃそうとー、ハンナ、相手フランツなの?」

女1「そうそう、あんなのどこがいいのさー」

ハンナ「あんなのなんて言わないでよ…彼、とっても優しいんだから」

女1「へぇー」

女2「座学で当てられた時に、こっそり教えてくれたんだっけ?」

ハンナ「うん…後、技巧で立体機動のワイヤーがうまくかけられなくて
    手伝ってもらっちゃった…」

女1「あんた不器用だもんねー」

20: 2013/09/02(月) 02:47:41 ID:7SXSA48.

ミーナ「そいや来週の試験結果で、ここきて最初の順位発表あるんじゃない?」

女2「そうだ!座学でわからないところあるんだよね」

ハンナ「私もだ…」

女1「あんたはフランツに教えてもらいなさいよ」

ハンナ「そんな…まだ、そこまで仲いいわけじゃ…」

ミーナ「んじゃ2人でフランツのとこ行こっか」

ハンナ「…それなら、まぁ」

女1「でたでた、ミーナのお節介!」

ミーナ「104期訓練兵で初のカップル誕生なるか!?」

ハンナ「遊ばないでよぉ」

21: 2013/09/02(月) 02:48:25 ID:7SXSA48.

<<食堂、掲示板前>>

アルミン「さすがだね、ミカサ」

ミカサ「…エレンも頑張っている」

エレン「1位のお前に言われたかねぇよ…」

アルミン「まぁまぁ、僕なんて200位にも入っていないのに。
     100位内に入ってるだけでもすごいよ…」

エレン「ったく…しかし、やっぱお前らすげえな!」

ライナー「ん?ああ…」

アルミン「ライナーは2位、ベルトルトは3位か…ミカサもだけど
     2人とも立体機動すごくうまいよね」

ライナー「ありがとよ」

アルミン「僕も見習わなきゃなぁ…」

エレン「なぁライナー、今度対人格闘組んでくれよ」

ライナー「おう、お前となら面白そうだ」

22: 2013/09/02(月) 02:49:19 ID:7SXSA48.

ミカサ「怪我をしてはいけない。エレンは私と組むべき」

エレン「別にいいだろ、誰と組んでも。男と男の勝負だ!」

ライナー「まぁまぁ、怪我しないように気をつけるさ」

エレン「手加減は無用だぜ」

ライナー「言ったな。こてんぱんにしてやる」

アルミン「じゃぁ僕は誰とやろうかな」

ベルトルト「…僕でよければ、付き合うよ」

アルミン「あ、お願いできるかな」

ベルトルト「うん…」

23: 2013/09/02(月) 02:50:01 ID:7SXSA48.

ミーナ「うーん…」

女1「ミーナすごいじゃん、39位!」

女2「女子の中じゃトップクラスに入ってるよー」

ミーナ「そっかなあ…他にもほら、
    サシャ、ユミル、クリスタ…それに、あいつ」

女1「ああ…4位とか、いけ好かないね。
   対人格闘の点数が高けりゃ、もっと下だっただろうに」

ミーナ「座学も、結構いけたんだね」

女2「ボッチだから一人ですることって勉強くらいしかないんじゃない?」

女1「言えてるー」

ミーナ「なんっか、悔しいなぁ」

女1「気にしすぎだって。次、頑張ればミーナならいけるいける」

24: 2013/09/02(月) 02:50:44 ID:7SXSA48.

<<立体機動訓練>>

キース「今日から2本の刃での斬撃の訓練を開始する!」

ミーナ「ついにきた…」

ハンナ「うう、怖いなぁ…」

フランツ「カチッと音がするまで、刃を差し込むんだよ?」

ハンナ「うん…!」

ミーナ「やれやれ、お熱いことで」

ハンナ「ミーナってば…//」

25: 2013/09/02(月) 02:51:29 ID:7SXSA48.

ミーナ「そーれじゃ、おっさきー!」

ハンナ「んもぅっ」

フランツ「ははっ、ほんと明るくていい子だよね、彼女」

ハンナ「そ、そうね」

フランツ「でも僕は…君の優しさの方が…」

ハンナ「えっ?」

フランツ「いや、なななんでもないっ」

女1「やだやだー、見せつけちゃってー」

女2「いこいこっ」

ハンナ「………」

フランツ「…僕らも行こうか」

ハンナ「そ、そうね…」

26: 2013/09/02(月) 02:52:05 ID:7SXSA48.
相変わらずのsage進行。
恋愛要素もないし、まとめ系にも乗らないマイナーな話さ…
見たい人だけ読んでって(´・ω・)

では、今度こそおやすみなさいませ…

|壁|ミ

28: 2013/09/02(月) 20:06:38 ID:7SXSA48.
|壁|ω・)ノ やあ

>>27 アリガトヨー
今日もチマチマ書いていくよー。

|壁|ω・)ノ 三■

29: 2013/09/02(月) 20:07:48 ID:7SXSA48.

ミーナ(刃をハの字にして…斬りつける!)ガッ!!

ミーナ「わっ、途中で止まッ!」

キース「最初はそんなものだ。力の足らん者は浅く斬りつけろ!
    よし、次ッ!!」

ミーナ(うわー、恥かいたー…男子が結構やってるから調子乗っちゃった…)

(浅くかぁ…でも、それだと巨人のうなじ削げなくて倒せないんじゃ…)

(力つけないとかなぁ…)

ザシュッ!!…カランカラン

キース「…良い斬り口だ。問題ない」

アニ「…はい。ありがとうございました」

ミーナ(な、なに、あれ…めっちゃ深いし!)

(身長わたしより低いのに!なんなのあの子…
しょうがない、背に腹はってやつだね)

30: 2013/09/02(月) 20:08:36 ID:7SXSA48.

ミーナ「ねぇ、アニ」

アニ「…またあんたかい」

ミーナ「なんで、あんなにうまく削げるの?」

アニ「…単純だろ、力の差さ」

ミーナ「嘘。わたしより身長低いじゃない」

アニ「もういいだろ、私は戻りたいんだ」

ミーナ「待ってよ、教えてよ。私、巨人を倒したいの」

アニ「…聞くなら私じゃなくていいだろ」

ミーナ「あなた、4位だったじゃない。成績上位に聞くのが悪い?」

アニ「だったらあのデカイのに聞けば?お人よしらしいから」

31: 2013/09/02(月) 20:09:25 ID:7SXSA48.

ミーナ「わたしは、あなたに聞きたいの。なんでそう避けるの」

アニ「…別に。私なんかと付き合うと良い事なんてないんじゃない?」

ミーナ「…あの2人のこと?」

アニ「嫌われてるみたいだしね。あんた、あいつらと友達なんだろ」

ミーナ「………」

アニ「人と馴れ合うのは好きじゃないんだ。…じゃ、行くから」

ミーナ「………」

32: 2013/09/02(月) 20:10:11 ID:7SXSA48.

<<食堂>>

女1「あー、全く斬れなかったー」

女2「わたしもー。ミカサだっけ?あの1位の奴。
   男とつるんでばっかいるけど、あいつ男なんじゃないのー」

女1「だよねー、でもアルミンだっけ?一緒にいるやつ。
   あの子可愛いよねー」

女2「ちょっとー、わたし狙ってるんだからー」

女1「えー、あんたもー?ミーナ、あんたは誰狙ってんの?」

ミーナ「へっ?ごめん、聞いてなかった」

女1「ちょっとー、最近付き合い悪いんじゃない?」

女2「ハンナもそうだよー。フランツとデキちゃったからって」

ミーナ「はは…ごめんごめん」

女1「で、誰か気になる人いないのー?」

33: 2013/09/02(月) 20:10:57 ID:7SXSA48.

ミーナ「うーん…今のとこ、いないかなぁ」

女1「あの駆逐野郎とかどうよ、熱血系好きでしょ?」

ミーナ「あー、まぁ、悪くはないよね」

女2「あいつはミカサがいるからダメっしょー」

女1「だったらあのホ〇達とかー」

女2「あれはわたしだめだわーw」

女1「男からは兄貴呼ばわりされてて人気じゃんw」

女2「ないわーw」

ミーナ「…わたし、先戻ってるわ」

女1「あん?つれねーの」

女2「あんたこそホ〇達気になってんじゃないのー」

女1「んなわけないじゃーん、あはははは」

34: 2013/09/02(月) 20:11:31 ID:7SXSA48.

ミーナ(友達、か…)

(一緒にご飯食べて、恋愛話して…)

(訓練して…寝て、一緒に過ごす…)

(そう、それが友達、だよ…ね)

ミーナ「…なんだろなぁ」

サシャ「なんでしょうねぇ」

ミーナ「うわっ、びっくりした」

サシャ「びっくりとはなんですか。明日の朝食のこと考えていたんですよ」

ミーナ「そ、そう…」

サシャ「私のカンでは…芋と玉ねぎのスープとパァン!ですかね」

ミーナ「いつもの、ってやつね」

35: 2013/09/02(月) 20:12:19 ID:7SXSA48.

サシャ「お肉は明後日ですかねぇ…」

ユミル「おい芋女、水汲みはやったのか?」

クリスタ「ユミルったら…自分でやりなよ」

サシャ「おおっとすみませんでした!今からやりますんで」

ユミル「ったく、さっさとすませてくれよ。明日も早いんだからな」

クリスタ「みんなでやれば早いでしょう?…えっと、あなたは確か」

ミーナ「ミーナです。ミーナ・カロライナ」

クリスタ「よければ、あなたも一緒にやりませんか?」

ユミル「はっ、ボッチの相手なんかしてる場合かよ」

クリスタ「ユミル!」

36: 2013/09/02(月) 20:13:03 ID:7SXSA48.

ユミル「ちげぇの?変な女どもと一緒にいないからハブられたのかと思ったぜ」

クリスタ「もうっ…その、ごめんなさいね、気を悪くしないで」

ミーナ「いいのいいのー。わたし部屋に用事あるから、また今度ねー」

クリスタ「うん!今度一緒にご飯食べよう」

ミーナ「そだねー、またよろしく!」

ユミル「ほらほら行くぞ」

37: 2013/09/02(月) 20:13:45 ID:7SXSA48.

ミーナ「………」

一体、何がしたかったのだろう。
きつい思いをするとわかっていて訓練兵団に入ったものの…
今の自分は、巨人を倒す力もなければ、人とうまく付き合う術も持たない。
一緒に入団した昔からの友達は、あまりのキツさに1週間かそこらで辞めてしまった。

ミーナ「…ボッチ、かぁ。ははは…」

ミーナ(強く、なりたいな…)

自分より小柄な少女の、凛とした後姿を思い出す。

一人でやっていける強さ、自分にはまだわからない。

何らかの目的があれば、強くなれるのだろうか?

ミーナ(当分の、目標ってやつかなぁ)

あれだけ人付き合いの嫌いな奴だ。
勝手にライバルに認定されたとしたら、余計に避けられるに決まっている。

ミーナ(…あと少し、やってダメだったら、考えよう)

38: 2013/09/02(月) 20:22:10 ID:7SXSA48.
一回切るでー。
職場の人間に、そんなにおもろいなら進撃漫画貸してと言われたで?
明日から資料がなくなるねん…口調おかしくなったらごめんよぅ。
…職場で進撃ゴッコがまた増えるにちげぇねぇ。

40: 2013/09/02(月) 22:23:55 ID:7SXSA48.

「>>39…やるんだな!?今…!ここで!」
…再開っと。
-----------------------------
<<立体機動訓練>>

ミーナ(腕を折りたたみ、脇を締め、手首は柔らかく…)

(左足で踏み込んで、腰を基点に身体を回転させつつ…叩き斬る!)

ミーナ「はぁっ!!」ザシュッ

…カランカラン

ミーナ「や、った…?」

ユミル「へぇ…やるじゃん、あんた」

ミーナ「あ、ありがと…」

クリスタ「ほんと、結構深いよ?」

ミーナ「そっかなぁ…まだ深くしないと倒せないんじゃない?」

ユミル「…討伐補佐としてなら十分じゃないか?」

サシャ「あのユミルが褒めてる…明日は雨ですかね」

41: 2013/09/02(月) 22:24:38 ID:7SXSA48.

ユミル「…お前の首を削いでやろうか?」

サシャ「ひぃ、お助けを~お助けを~」

クリスタ「こらこらユミル。でもすごいなぁ、どうやってあそこまで?」

ミーナ「うーん…わたしたち女子って、力がないじゃん?
    だから技術でなんとかできないかなーって」

ユミル「ほぅ」

ミーナ「アニっているじゃない、あの小柄な子。
    ちょっと研究させてもらっちゃった」

ユミル「ああ…あの氷の女か」

クリスタ「氷の女?」

42: 2013/09/02(月) 22:25:21 ID:7SXSA48.

ユミル「感情がない女って意味さ」

クリスタ「そんな…感情がない、って」

ユミル「そう捕らえられても仕方ないんじゃないか?ずっと一人だし」

ミーナ「…ホントは、どうなんだろう」

ユミル「あ?」

ミーナ「最初の頃ね、対人格闘を一緒にしたの。
    負けちゃったけど…手を、差し伸べてくれてさ」

ユミル「そのくらい誰だってするだろ」

ミーナ「…そう、かな」

ユミル「ま、私には関係ない話だな。さって飯行くかー」

サシャ「パァン!!」

ミーナ「………」

43: 2013/09/02(月) 22:25:51 ID:7SXSA48.

『あんた、あいつらと友達なんだろ』

ミーナ(ほんとに、そうなのかな…)

『人と馴れ合うのは好きじゃないんだ』

ミーナ(何故、そう思うの…?)

44: 2013/09/02(月) 22:26:42 ID:7SXSA48.

<<夜、女子寮の外>>

アニ「……何か用?」

ミーナ「…なんでバレちゃうかな」

アニ「人をつけるってなら、足音完全に殺さなきゃいけないんじゃない」

ミーナ「嘘、足音なんて」

アニ「聞こえてたよ。私が止まるとあんたのも止まってた」

ミーナ「はぁ…なんなのさ、もう」

アニ「聞きたいのはこっちだね。人をつける理由ってやつをね」

45: 2013/09/02(月) 22:27:25 ID:7SXSA48.

ミーナ「理由?至極単純。あなたに興味があるから」

アニ「私に?」

ミーナ「そう。一人でいて、辛くないの?なんで、そんなに強いの?」

アニ「…私とあんたじゃ、価値観が違うと思うけど」

ミーナ「でも…」

アニ「私は、やるべき事があるから、ここにいる。
   その為ならば苦痛などどうってことない」

ミーナ「目的…?あなたは、何のために」

アニ「それに答えなきゃいけないような仲じゃないだろ」

46: 2013/09/02(月) 22:28:15 ID:7SXSA48.

ミーナ「冷たいなぁ」

アニ「あんたには新しいツレがいるじゃないか」

ミーナ「興味持つのもダメなの?」

アニ「…勝手にしなよ。
   今日は一人で散歩したい気分だから放っておいて欲しいけどね」

ミーナ「おっけー。じゃ、今度座学で隣座らせて貰うから」

アニ「…物好きなんだね、あんた」

ミーナ「そっかなぁ?」

アニ「まぁいい。私は行くけど、ついてこないで」

ミーナ「はいはい。明日ねー」

アニ「………」

47: 2013/09/02(月) 22:29:29 ID:7SXSA48.

「おう、遅かったな」

「たまにすっぽかすあんたに言われたくないね」

「まぁまぁ…で、何かわかったのか?」

「…アレ監視してた連中つけたんだよ。
 やっぱり、関係者だったみたいだ」

「そうか…彼女が、なぁ…」

「…誰であろうと、僕らがやることは変わらないよ」

「まぁな…」

48: 2013/09/02(月) 22:30:14 ID:7SXSA48.

「じゃ、私は戻るから」

「待って、これ先週分」

「ああ…ありがと」

「よし、俺らも行くぞ。あまり姿が見えないといらぬ噂が立つ」

「…ホ〇達」

「言わないでよ…」

「浮いた話でも流せばいいんだよ」

「俺はともかく、こいつにできるわけねぇわな。んじゃ、戻るか」

「あ…」

「何?」

「いや…なんでも、ない…」

「…心配なんかいらないよ」

「うん…」

「おやすみ」

「…おやすみ」

51: 2013/09/03(火) 21:16:41 ID:C.bxjsBA
|壁|ω・)ノ やあ >>50乙アリ

会社で進撃クリアファイル・タブレット・芋チップス・クッキーを
進撃仲間全員分並べたらすごいことになった。
営業先のローソンで、店長からオマケで色々貰えたらしい。
…ド田舎は17時になってもたんまりあったようです。

では、今日もチマチマ書いていく。
なんだか内容が重くなってきたんだが…頑張る。

|壁|ω・)ノ 三■

52: 2013/09/03(火) 21:17:57 ID:C.bxjsBA

<<翌日午後、座学>>

ミーナ(えーっと……あ、いたいた、端っこの席)

アニ「…ほんとに来たの」

ミーナ「成績上位者が、どんな勉強してるのか知りたいだけよ」

アニ「…そう」

53: 2013/09/03(火) 21:18:50 ID:C.bxjsBA

眼鏡「~であるからにして、巨人については不明なことが多く――」

ミーナ「…100年でそれだけしかわかってないのかぁ。
    そりゃ、負けちゃうよね…」

アニ「………」

ミーナ「あー、もう…あの教官、消すの早いよ。
    …ねぇ、今のトコ書き写してる?」

アニ「…してない」

ミーナ「え?」

アニ「図書室に資料ならあるだろ。自分で調べたら?」

ミーナ「あ…う、うん…」

54: 2013/09/03(火) 21:19:25 ID:C.bxjsBA

アニ「じゃ。」

ミーナ「あの…アニは、全部覚えられたの…?」

アニ「大方ね。後は試験前に適当に復習する」

ミーナ「うぅ…」

アニ「そんなに自信ないなら、あの前にいるちっこいのに聞けば?
   総合成績はともかく、座学はトップって噂だし」

ミーナ「へぇー…アニって、人に関わられること嫌うくせに
    人のことはよく知ってるんだね」

アニ「…いいだろ、別に」

ミーナ「んー…じゃ、わたしのことはどう見てるの?」

55: 2013/09/03(火) 21:21:30 ID:C.bxjsBA

アニ「…物好き」

ミーナ「そ、それだけ!?」

アニ「強いて言うなら、才能ないのに頑張る馬鹿」

ミーナ「…ひどいね」

アニ「そう思うなら、もう話しかけないでくれる?」

ミーナ「うーん、じゃぁ物好きってことでいいや」

アニ「…はぁ」

ミーナ「とにかく!私は強くなりたいの。だからあなたと組んでみたい。
    単純でしょ?それだけの関係なんだから」

56: 2013/09/03(火) 21:22:12 ID:C.bxjsBA

アニ「…なるほどね。でも、それだと私に利点がないように思えるんだけど」

ミーナ「教官を無理に避ける必要はなくなるんじゃ?」

アニ「……ふん」

ミーナ「じゃ、そういうことで。よろしくね、アニ」

57: 2013/09/03(火) 21:23:33 ID:C.bxjsBA

女2「何あれ」

女1「ミーナか。ちゃっかり上位陣と仲良くなっちゃってさ。
   自分だけ実力ないのわかってないんじゃない?」

女2「寄生ってこと?ヤダヤダー」

女1「ったく、鬱陶しいよね。よりによって氷の女と一番つるむなんて」

女2「ね、気味悪い」

女1「…ちょっと痛い目みせようか」

女2「えー、マジでー?」

女1「なんか馬鹿にされてるみたいじゃん?
   たまに話しかけにくるけど」

女2「確かにねぇ。イイ子ぶっちゃってさ」

女1「自分が上位と下位の橋渡しになるー!とか思ってそー」

女2「うっわ、めんどくさー」

女1「でっしょー?だから、さ…」

女2「…おっけー」

58: 2013/09/03(火) 21:24:28 ID:C.bxjsBA

ミーナ(っと、こんなもんかなぁ)

無愛想な彼女と組み始めて、1ヶ月。
あの小柄な身体に、どれだけ力が隠されているのかと驚くばかりだ。
そして、少しわかったことがある。

彼女は、思ったより怖い人じゃない。
なんだかんだで、色々教えてくれる。
立体機動の効率の良い姿勢、刃の向き、装置の手入れ…
座学の知識も、自分よりはるかに豊富で、聞けば答えてくれる仲にはなれた。

ミーナ(…まぁ、聞けるのは訓練に対してのみ、なんだけど)

トロスト区出身の自分は、この訓練所からさほど離れていないところにある、
隠された名店をいくつか知っている。
いつか機会があれば、連れていってみたいと思うのだけれども。

ミーナ(未だに…好みの味すら、わっかんないや)

59: 2013/09/03(火) 21:25:41 ID:C.bxjsBA

他の訓練兵に聞こうにも、彼女は誰とも交流がないので何もわからない。
…エレンやライナーと、対人格闘で組んでいるのを見たくらいで。

ミーナ(あの時のアニ、生き生きしてたなぁ。戦うのが好き、なのかな)

追いつこうと、手を伸ばしているのに、追いつけない。
自分が男だったら、もう少し力も身長もあって、並ぶことができたかもしれない。
いや、それは違う。彼女は女の身でありながら、はるかに強いのだ。

『才能ないのに頑張る馬鹿』

ズキリと心が痛む。
間違いではない、真実だ。

彼女のそれは才能であって、上位陣と呼ばれる人たちは皆、
何かしらの"才能"を持っている。

60: 2013/09/03(火) 21:26:27 ID:C.bxjsBA

全課目をこなすことのできる、ミカサ、ライナー、ベルトルト、そしてアニ。
対人格闘が強いエレン。
立体機動の扱いがうまい、ジャン、マルコ、コニー、サシャ。
馬術に秀でる、クリスタ。
座学だけで言えば、アルミンだってそう。

ミーナ(わたしって、何の才能もないなぁ…)

今、手元にある立体機動装置の整備とて、得意ではない。

ミーナ(はぁ…)

61: 2013/09/03(火) 21:27:14 ID:C.bxjsBA

女1「あっれー、ミーナじゃん?」

女2「まだ整備してんのー?とろいなぁ」

ミーナ「あ…うん、もうこんな時間かぁ」

女1「そいやさー、座学の試験なんだけど内容変わったんだって」

ミーナ「え、ほんと?」

女1「今やってる兵法の出来が悪そうだから、
   陣形の問題にするんだってさ」

ミーナ「まじ!?よかったぁー」

女2「だよねー、兵法大変だもん」

ミーナ「陣形なら、まだ得意だしね」

女1「そうそう、ミーナはあたしらの希望なんだからさ」

62: 2013/09/03(火) 21:28:26 ID:C.bxjsBA

ミーナ「希望?」

女1「あんたが頑張ってくれたら、あたしらも頑張る気になれるじゃん?」

ミーナ「そ、そうかな」

女2「そうそう、だから頑張ってよね!」

ミーナ「うん…ありがと、2人とも。よーし、がんばるぞー!」

女1「いいっていいって、友達なんだからさー」

--------

女1「………」

女2「………」

女1「ふふっ」

女2「ばっかみたいwwwwwww」

女1「せいぜい試験頑張ってね~」

63: 2013/09/03(火) 21:29:01 ID:C.bxjsBA

<<試験前日、図書室>>

ミーナ(えーっと…右翼に物資がある場合は…)

アニ「何やってんだい」

ミーナ「わっ、びっくりしたぁ」

アニ「…試験勉強?」

ミーナ「うん、明日試験でしょ?」

アニ「ああ…」

ミーナ「でもまぁ、陣形に変わったって聞いたからまだ楽かなー」

アニ「…は?」

ミーナ「え、聞いてなかった?」

64: 2013/09/03(火) 21:29:47 ID:C.bxjsBA

アニ「試験は兵法で間違いないよ」

ミーナ「嘘…だって、女1と2が」

アニ「………」

ミーナ「……嘘、だって」

アニ「…騙されたね」

ミーナ「そんなっ、どうして!」

アニ「…さぁね」

ミーナ「……はは、あはは、これは、落とした、かな」

アニ「…ちっ」

65: 2013/09/03(火) 21:30:37 ID:C.bxjsBA

アニ「ちょっとノート貸しな」

ミーナ「えっ…」

アニ「……コレと、コレと…ココもか」

ミーナ「ア、アニ?」

アニ「………」

ミーナ「ちょ、ちょっと、もう、いいから…自分で、やる…」

アニ「…はい。印つけたとこだけ最低覚えて」

ミーナ「なん、で」

アニ「あの2人に騙されたんだろ?」

ミーナ「………」

66: 2013/09/03(火) 21:31:23 ID:C.bxjsBA

アニ「悔しくないの」

ミーナ「…悔しい、よ。でも…」

アニ「………」

ミーナ「なんで、なんでなの…」

アニ「…私が「違うッ!」

ミーナ「アニのせいじゃない!アニは悪くなんかっ」

アニ「………」

ミーナ「わたしが、弱いから…わたしが、」

アニ「………」

ミーナ「…ごめん、1人にしてくれないかな。…印、ありがと…」

67: 2013/09/03(火) 21:32:13 ID:C.bxjsBA

ミーナ(………)

ほんと、何やってんだろう。

最初から、立場が違うんだ。

住む世界が違う。自分は、あの世界にたどり着けない。

ミーナ(…はぁ)

ノートに記された、印を目で追う。

全く無駄がない。きっと彼女の頭には、明日の試験対策がバッチリなされている。
だから、大方出る問題まで予測できてしまうんだ。

ミーナ(世界が、違うよ…一緒に、肩を並べるなんて、できっこないよ…)

68: 2013/09/03(火) 21:33:12 ID:C.bxjsBA

開拓地に戻ってしまった、古い友人の姿がちらつく。

移住してきたマリアの住人が多くて、土地を追い出された者や
両親を口減らしで失った者…

(皆の分まで頑張ると言っていたのに)

(強くなって、皆の分までって)

(でも、世界は、遠すぎるよ…)

69: 2013/09/03(火) 21:36:00 ID:C.bxjsBA

|壁|ω・)…

どうしてこうなった。自分で書いてても不明だ。
職場の先輩♂は兵長が好きらしい。
日曜にアニメイトでブルーレイ1・2買ったら特典カードついてきたんだが
何故かリヴァイx2とかあり得ない結果だったので1枚あげようと思う。

まぁ今日はココまで。話が進んでねぇ。
続きをメモ帳に書いて寝て、明日また投稿しにきます…では。

|壁|ミ

72: 2013/09/04(水) 19:59:24 ID:1am31.Uo

「…これ。ありがと」

「もういいの?」

「うん」

「じゃぁ…こっち渡しておく」

「ん」

「…ねぇ」

「何?」

「あの子、最近どうしたの」

73: 2013/09/04(水) 20:00:29 ID:1am31.Uo

「…見てたんだ」

「他人と話してるの珍しかったからね」

「そう。元々、ただの気まぐれだったんじゃない」

「…1人は」

「大丈夫だと言ってんだろ。下手に親密になれば後で困る。
 あんただって、そうしてるはずだ。…あいつと違って」

「僕には、彼がいる。でも、君には」

「それ以上言うなら蹴り入れるよ」

「……君が、大丈夫ならいい。でも…何かあったら、呼んで」

「…何もないさ」

74: 2013/09/04(水) 20:01:13 ID:1am31.Uo

ハンナ「ミーーーナッ♪」

ミーナ「おわっ」

ハンナ「聞いて聞いて!フランツとね、付き合うことになったの!」

ミーナ「…おめでとう?」

ハンナ「えー…喜んでよぉ」

ミーナ「あんだけ見せつけられてちゃぁね~?今更感?」

ハンナ「もうー。ミーナのおかげで今があるっていうのに~」

ミーナ「……そっか」

ハンナ「? どうかしたの、ミーナ…」

ミーナ「…ううん、なんでもない!あー!羨ましいなこんちくしょう!
    わたしも誰かステキな人と出会いたーーーーい!」

75: 2013/09/04(水) 20:02:02 ID:1am31.Uo

ハンナ「ふふ。そうだ、フランツがね、ミーナも一緒に訓練しないかって」

ミーナ「わたしも?」

ハンナ「うん…その、こないだの件、聞いたけど」

ミーナ「ああ…気にしないで。成績上位ってのは辛いわー。
    妬みとかやんなっちゃう~」

ハンナ「…その件も含めて、フランツと…フランツの友達と、一緒に、どうかなって」

ミーナ「フランツの友達ぃ~?」

ハンナ「えっと…トーマスでしょ、サムエルでしょ…ナック、ミリウス…」

ミーナ「パッとしないブラザーズね」

ハンナ「ひどっ」

76: 2013/09/04(水) 20:02:49 ID:1am31.Uo

ミーナ「まぁ…お願い、しようかな」

ハンナ「! うん、一緒にまたやろう!」

ミーナ「はぁー、でもよりによってあいつらかぁ」

ハンナ「トーマスとは同じ地区出身なんでしょ?」

ミーナ「そうだけどさー」

ハンナ「フランツに聞いたんだけど…」

ミーナ「言わなくていい!言わなくていいから!」

ハンナ「ふふ、今度は私が頑張るねっ」

ミーナ「だからー、あいつとは小さい頃に遊んでただけだから!」

ハンナ「まぁまぁ~」

78: 2013/09/04(水) 20:49:09 ID:1am31.Uo
風呂前に再投下。
---------
女1「……つまんない」

女2「ねー」

女1「てっきり兵団辞めると思ったのになー」

女2「だよねー」

女1「ま、氷の女は1人に戻ったし、いっか」

女2「でもさー、あいつも最近男子と組んでるよね」

女1「エレンとライナーと…なんだっけ、ベルなんとか」

女2「ついでにミカサとアルミンともね」

女1「はぁー、つまんない」

女2「上位陣ってすごいよねー」

女1「何?あんたまで」

79: 2013/09/04(水) 20:49:58 ID:1am31.Uo

女2「こないださー、アンカー回収する時にワイヤー絡まって困ってたら
   マルコが声かけてくれてさー」

女1「………」

女2「ジャンがさー、文句いいながらワイヤー解いてくれてさー」

女1「…おい」

女2「…手、綺麗だったなー」

女1「無理無理、あんたじゃ適わない」

女2「ミカサだもんねー」

女1「マルコでも無理だわ」

女2「だよねー。あたしら成績悪いから近づけないし」

女1「…ったく」

女2「もう辞めよっかなー…訓練辛いしー」

女1「…好きにしなよ。あたしもなんか疲れた」

女2「あー、つまんなーーい」

女1「ほんとクソつまんねぇ」

80: 2013/09/04(水) 20:51:44 ID:1am31.Uo

~訓練兵団2年目~
<<立体機動訓練>>

キース「これより団体で訓練を行う!それぞれ5,6人のチームを作り、
    目的地までチーム全員で辿りつくのが目標だが、
    道中何か起こった場合はそれぞれが対処すること。以上ッ!」

ジャン「あー、かったりぃな」

マルコ「まぁまぁ。しかし5,6人かぁ…」

ジャン「…ミカサは、やっぱあいつらか」

マルコ「エレン、アルミン、ライナー、ベルトルト、だね」

コニー「お、いたいた!お前ら組もうぜ!」

サシャ「こっち2人でーす」

マルコ「じゃぁ後1~2人か」

ジャン「…立体機動できるやつじゃないと置いてくことになるな」

マルコ「クリスタとユミルは?」

サシャ「先に女子に誘われて6人チームなっちゃいましたー」

81: 2013/09/04(水) 20:52:53 ID:1am31.Uo

コニー「なぁ、あいつは?」

ジャン「はぁ?何考えてんだお前」

コニー「確か立体機動うめぇだろ?」

ジャン「うまくても、今回は協調性が必要なんだよ」

マルコ「…まぁ、声かけてみるだけでも」

サシャ「んじゃ私いってきますねー」

ジャン「…まじかよ」

82: 2013/09/04(水) 20:53:39 ID:1am31.Uo

サシャ「連れてきましたよー」

マルコ「その…よろしく、アニ」

アニ「…よろしく」

ジャン「団体行動だからな。1人突っ走るなよ」

アニ「氏に急ぎ野郎じゃあるまいし」

ジャン「ほぅ…言うじゃねぇか」

アニ「あんまり遅いと置いてくけどね」

コニー「じゃあ競争だな!競争!」

サシャ「負けませんよお!」

マルコ「…わかってると思うけど、団体行動ね」

83: 2013/09/04(水) 20:54:19 ID:1am31.Uo

ミーナ「よーし、整列!班長は私ね!」

フランツ「ははは、お手柔らかにね」

ハンナ「頑張ってついていくわ…」

ミーナ「よろしい。トーマス!サムエル!ナック!ミリウス!
    あんたらも遅れを取るんじゃないよぉ?」

トーマス「お前なぁ…」

ナック「まぁまぁ」

サムエル「俺だってやってやるさ」

ミリウス「ああ」

ミーナ「んじゃ、装備点検し終わったら行こうっ」

84: 2013/09/04(水) 20:55:08 ID:1am31.Uo

マルコ「ジャン、ここなんだけど」

ジャン「ん?……ああ、これでいい」

マルコ「ありがと」

コニー「俺のも見てくれよ」

ジャン「ったく……おい、ここネジ外れかかってるじゃねえか」

コニー「えっ、まじか?」

ジャン「空中で分解させたいのかお前は」

コニー「やべぇ、見といてもらってよかった」

サシャ「…私のもいいですか」

ジャン「…貸せよ」

サシャ「お願いします…」

85: 2013/09/04(水) 20:56:37 ID:1am31.Uo

ジャン「…ここ、油さし過ぎな」

サシャ「ほぅほぅ」

ジャン「アンカー刺す時に油はねて服が汚れていいなら放っておいてもいい」

サシャ「それは困りますね。拭いておきます」

ジャン「はいよ。……なぁ」

アニ「なんだい」

ジャン「2人の終わるまで暇だ。見ようか?」

アニ「せっかくだけど遠慮しとく」

ジャン「…そうかい」

86: 2013/09/04(水) 20:58:20 ID:1am31.Uo

アニ「あんた、意外に親切なんだね」

ジャン「意外とはなんだ」

アニ「そのまんまの意味さ」

ジャン「まぁお前よりは親切かもな」

アニ「………」

マルコ「2人とも、そろそろ準備してよ」

ジャン「はいよ」

マルコ「アニもね」

アニ「………」スッ

ジャン「…けっ」

マルコ「今日は団体行動なんだからね」

ジャン「わあってるよ」

87: 2013/09/04(水) 21:02:38 ID:1am31.Uo

書き溜めはココまで。風呂ってから続き書いて…
余裕があれば投稿する。

…ジャンは面倒見のいい奴だと思うんですよ。
そしてマルコは年上の余裕オーラ溢れる出来る奴。

いったん退避ッ

|壁|ミ

88: 2013/09/04(水) 22:34:46 ID:1am31.Uo

コニー「っしゃー!抜かしたぜ!」

ジャン「馬鹿!ガスの吹かしすぎだ!団体行動つったろ、
    後で残量確認されんだから温存してろ!」

コニー「おおっと…わりぃ、そうだった」

ジャン「…ったくよぅ」チラッ

ジャン(斬撃だけじゃねぇ、こいつ…立体機動も半端ねえな。
   ガスの使い方も、アンカーの角度も、全く無駄がない)

ジャン(…誰に教わるわけでもなく、
   ここまで1人でたどりつくったぁ…恐ろしい奴だぜ)

マルコ「――待って、ジャン。あそこ」

89: 2013/09/04(水) 22:35:36 ID:1am31.Uo

プシュッ…プシュッ…

ミーナ「…だめだね、これは」

サムエル「くっそー!すまねぇ、俺のせいで…」

トーマス「ガス切れとはついてないな」

フランツ「けど…困ったな、どうしよう?」

ナック「ガスの補給なんてできるわけないしなぁ」

ミーナ「1人残るか、全員で歩くか、かな…」

トーマス「団体行動が今回の訓練だからな。
     …さて、どうする、班長」

ミーナ「うーん…って、アレは…」

90: 2013/09/04(水) 22:36:59 ID:1am31.Uo

マルコ「―っと、どうしたんだい?」

トーマス「マルコ!お前ら先じゃなかったのか」

マルコ「ちょっと準備に手間取ってね。開始時刻は記録して貰ってあるから
    到着が遅れても問題ないんだ」

ジャン「…故障か?」

ミーナ「ううん、ガスが切れちゃったみたい」

ジャン「この距離でガスが切れるとは思えねえけどな…どれ」

ミーナ「これ、なんだけど…」

プシュ…

91: 2013/09/04(水) 22:38:20 ID:1am31.Uo

ジャン「最後に検査項目を全部やったのはいつだ?」

サムエル「…2週間前、かな」

ジャン「…だめだな。多分、ガス漏れくせえ」

サムエル「…ごめん、みんな。先行ってくれ。
     俺、1人で戻るから…」

ミーナ「だめだよ、今日はみんなで到着するんだから」

サムエル「けど…」

ミーナ「走ろう!みんなで!」

マルコ「走るったって…ここ、中間あたりだからだいぶあるよ?」

ミーナ「でも…!」

アニ「いいんじゃないか?班長が走るって言ってるんだから」

92: 2013/09/04(水) 22:39:23 ID:1am31.Uo

ミーナ「アニ…」

アニ「ここが戦場だったら、仲良く6人とも氏ぬだけさ」

ミーナ「…ッ」

アニ「時間が惜しい。どちらにせよ、私らはそろそろ行くべきだ」

マルコ「…ジャン、君ならどうする?」

ジャン「あ?俺?」

マルコ「うん。君が彼らの立場だったらね」

ジャン「おいまさか…」

マルコ「せっかく練習してたんだ、披露するにはいい機会じゃないかな」

93: 2013/09/04(水) 22:40:53 ID:1am31.Uo

ジャン「マジかよ」

マルコ「でもアレなら、全員助かるし…僕らのこのロスト分も
    協調性という点でカバーできる。
    そして、君は技術点まで貰えるかもね」

ジャン「…しゃーねぇ。やるか」

マルコ「じゃぁ…」

ジャン「あー、そうだな……お前、が、適役か?」

アニ「…何」

ジャン「なぁ、お前、体重いくつだ?」

94: 2013/09/04(水) 22:42:28 ID:1am31.Uo

ジャンは悪くないの。素直なだけなの。
寝るわ…

|壁|zzZ

97: 2013/09/05(木) 19:56:59 ID:Fo9XdJXE

エレン「よっと!」

ライナー「全員無事にたどり着けたな」

アルミン「みんなが僕にあわせてくれたからね…」

ミカサ「ベルトルトの案が良かった。ありがとう」

エレン「そうだな、おかげで俺も置いていかれずにすんだし」

アルミン「うん、ありがとう、ベルトルト」

ベルトルト「いや…僕は、ただ」

ミカサ「水平移動は早いが、技術を要する。けど、
    振り子のように移動することは簡単だ。
    落ちる前にアンカーが刺さっていればいい」

ライナー「決して早い移動はできんが、今回は全員が
     たどり着くことが目的だったしな。
     問題も起きなかったし、上出来だろう」

エレン「よし、教官に報告しにいこうぜ!」

ライナー「ああ」

98: 2013/09/05(木) 19:57:49 ID:Fo9XdJXE

エレン「さてと…だいぶ集まってきたな」

ライナー「…おかしいな」

エレン「どうした?」

ライナー「いや、ジャンとマルコがいねぇ」

エレン「そういえば…アニもいないな」

ベルトルト「…アニなら、マルコ達と一緒だった」

ライナー「何か、あったか…?」

アルミン「どうかしたの?」

エレン「ジャン達がまだたどり着いてないんだよ」

99: 2013/09/05(木) 19:58:36 ID:Fo9XdJXE

アルミン「おかしいね…彼らは立体機動が得意なはずなのに」

ライナー「いや、噂をすればだ。……ん? ありゃぁ…」

ベルトルト「………」

エレン「なっ、あ、あいつ」

ミカサ「アニを、抱きかかえている?」

ライナー「おいおい、どうなっていやがる」

100: 2013/09/05(木) 19:59:22 ID:Fo9XdJXE

ジャン「よっと…」

アニ「…どうも」

ジャン「…疲れた。腕いてぇ」

マルコ「はは、でもおかげで全員たどり着けたよ」

トーマス「すごいな、ジャンは」

サムエル「全くだ。立体機動で人を抱えたまま移動できるなんて」

マルコ「元々はコニーの案なんだ」

コニー「おれ、なんか言ったか?」

マルコ「立体機動で妹と弟を抱えて飛び回ってみたいって」

コニー「あー、言ったな」

101: 2013/09/05(木) 20:00:27 ID:Fo9XdJXE

マルコ「それで、ふと思ったんだ。負傷兵は普通、切捨てられるけど
    人を抱えて飛ぶことができれば、ってね」

ジャン「背中は装置が邪魔だったんだよ…」

マルコ「落ち着いた体勢がアレだったんだけど…」

ジャン「何が悲しくて男を抱きかかえなきゃなんねぇんだ」

マルコ「色々試してみたんだけど…条件がなかなかね。
    少しの移動だけなら誰でも運べそうだけど
    長距離となると、小柄で、身軽な人の方が良くって。
    あ、装置返しておくね」

サムエル「ああ、何から何まですまねえな…」

アニ「私のも早く返しておくれ」

キース「貴様らが最後だ。…ボット、何があったか説明しろ」

マルコ「ハッ!カロライナ班にてアクシデントが発生し――」

102: 2013/09/05(木) 20:01:17 ID:Fo9XdJXE

ジャン「あー、氏ぬ。もうだめだ」

ライナー「よお」

ジャン「きたなデカブツ」

ライナー「王子様登場ってか?」

ジャン「姫さんなら遠慮なく引き取ってくれ。俺は休む」

ライナー「あいつが姫ねぇ…」

ジャン「全くだ。移動前に蹴り食らったが、折れたかと思ったぞ」

ライナー「あいつの蹴りは容赦ないからな…。それはそうと
     なんであんなことに?」

ジャン「ああ…」

103: 2013/09/05(木) 20:02:21 ID:Fo9XdJXE

サシャ『ちょ、ちょっとアニ!』

コニー『おいおい、何やってんだ?』

ジャン『ってぇ、このクソアマッ…』

マルコ『まぁ…今のは、ジャンが悪いね…』

ジャン『なんだよ、参考までに聞いただけだろ!』

マルコ『えっと…ごめん、アニ。つまり、僕らがやりたいのは』

アニ『…何となくわかった。あんたは、とんでもないお節介野郎だ』

マルコ『その…協力、してくれるかな?』

アニ『………』

104: 2013/09/05(木) 20:03:16 ID:Fo9XdJXE

マルコ『まだ距離もある。この中で一番身軽そうなのは君だし、
    普段とは異なる飛び方になる。身体にかかる負荷も大きいだろう。
    けど…君なら、うまく対処できるよね』

アニ『…その協調性とやらは、ほんとに評価されるんだろうね』

マルコ『あ、ああ…』

アニ『さっきも言ったけど、時間が惜しい。やるならとっととはじめよう』

マルコ『じゃあ…君の装置を、サムエルに貸してあげてくれるかい』

アニ『…仕方ないね』

ミーナ『ア、アニ…その、ごめんね…』

アニ『別に。訓練だし』

ミーナ『…ごめん、ありがと……』

ジャン『ったく、もう暴れんなよ』

アニ『それはあんた次第なんじゃない?』

ジャン『ああそうかい。…行くぞ!』

105: 2013/09/05(木) 20:04:26 ID:Fo9XdJXE

ジャン「ってわけさ」

ライナー「なるほどな…しかし、いい腕してやがる」

ジャン「…俺は憲兵団に入る為なら努力を惜しまないんでね。
    一番配点の高い立体機動に重点を置くのは当たり前だろ。
    それで、利用できるもんなら全て利用する」

ライナー「ははっ、そこまで言われると清々するな」

ジャン「まどろっこしい事が嫌いなだけだ」

ライナー「つまり、別段何もなかったってわけだ」

ジャン「ああ…」

ライナー「心配して損したぜ。行くぞ、ベルトルト」

107: 2013/09/05(木) 22:38:25 ID:Fo9XdJXE
<<女子寮廊下>>

ミーナ「アニ」

落ちかけた陽の光が、彼女の髪を紅く染め上げる。
燃えるようなその姿に現れる、一対の紺碧の瞳。
氷のように美しく、儚い。

ミーナ「今日の、訓練のことなんだけど」

アニ「ああ…いいよ、もう」

ミーナ「…ありがとう」

アニ「いいって」

ミーナ「…聞いていい?」

アニ「………」

ミーナ「あの時、アニならどうした?」

108: 2013/09/05(木) 22:39:14 ID:Fo9XdJXE

ミーナ「団体行動…協調性を見る訓練であるけれど、
    それ以上に判断力を試す訓練でもある、んだよね」

アニ「………」

ミーナ「わたしの…判断は、間違っていたのかな」

アニ「…私が答えていいのかい」

ミーナ「うん。正直に答えて」

アニ「………」

109: 2013/09/05(木) 22:40:01 ID:Fo9XdJXE

アニ「他の5人が、友人なら間違っていない。…でも、私らは兵士だ。
   いつまでもお遊び気分でいるなら、辞めちまった方がいい。
   …じゃないと、氏ぬよ、あんた」

ミーナ「…そっか」

アニ「あんたのお仲間にも言っておきな」

ミーナ「…うん。ありがと。やっぱり、優しいね、アニ」

アニ「は?」

ミーナ「…わたし、頑張ってみる。アニには追いつけないかもしれない。
    でも…精一杯、やってみる。だから――」

「友達に、なってくれないかな?」

113: 2013/09/06(金) 23:42:46 ID:zxO/N/gI

~訓練兵団3年目~
<<対人格闘訓練>>

エレン「…アニ、降参だ、降参する…」

アニ「降参?降参なんかしてないで学習しなよ。
   力の使い方と、女の子との話し方を」

エレン「わ…わかった!覚えるから離せって!」

114: 2013/09/06(金) 23:43:26 ID:zxO/N/gI
――――

ミーナ「アニーッ」

アニ「…はぁ」

ミーナ「もう、ため息なんかつかないでよ」

アニ「訓練じゃないただの喧嘩だと教官に止められたから
   こうして罰則受けて掃除させられてるんだよ。
   ため息のひとつくらいつきたくなる」

ミカサ「アニ。貴女が納得していないならここで勝負してもいい」

アニ「…やめとくよ。これ以上罰則を増やしたくない」

ミーナ「そうだよ、今日は一緒に座学の勉強するって約束してたんだから」

アニ「…私に教えて貰うの間違いじゃないのかい」

ミーナ「細かいことはいいのー。ほら、手伝うから終わらせちゃお」

アニ「…はぁ」

115: 2013/09/06(金) 23:44:08 ID:zxO/N/gI

<<図書室>>

アニ「…にしても、ほんとあんた物好きだよね」

ミーナ「またその話?」

アニ「才能ないのに」

ミーナ「いいの。頑張るって決めたんだから。…えっと、ここは?」

116: 2013/09/06(金) 23:44:54 ID:zxO/N/gI

エレン「……だめだ」

ミカサ「だめ。ここの問題までは解いて」

エレン「もう頭うごかねぇよ…」

アルミン「う~ん…」

ミカサ「どうかした?アルミン」

アルミン「巨人の生態に関する見解、この本に書いてあることが正しいとされてるけど…
     別の見解が、だいぶ前見つけた本に書いてあったんだ。
     確かあっちにあったはずだから、見てくるね」

ミカサ「わかった。…エレン、起きて。次の問題をやろう」

117: 2013/09/06(金) 23:45:52 ID:zxO/N/gI

アルミン「えーっと…確かこの辺に…」

ベルトルト「何か、探し物?」

アルミン「あ、ベルトルト。えっと…巨人の生態に関する本なんだけど
     講義で使われてるのは憲兵団の―――がまとめたものでしょ?
     確か調査兵団が直接書いた本があったはずなんだけど…」

ベルトルト「ああ…それなら、えと…これだね」

アルミン「そんな高いところに…どうりで見つからないはずだ」

ベルトルト「…ごめん、直前に借りたの、多分僕だ」

アルミン「はは、それなら仕方ないや」

ベルトルト「…アルミンも読んでたんだ」

アルミン「うん…巨人には知性がないとされてるけど
     この本にだけは違った面がかかれている。
     巨人が木登りをして追いかけてくるとか…
     学習能力的なものがあるかもしれない、とか」

118: 2013/09/06(金) 23:47:08 ID:zxO/N/gI

ベルトルト「…もし、そうだとしたら厄介だね」

アルミン「だから、表立って公表されていないんだろうね。
     こうして書物にだけ残って、資料の中に埋もれるだけの存在に」

ベルトルト「いつもながら、君の探究心には感服するよ」

アルミン「この本を読んだってことは、ベルトルトも興味あったんでしょ?」

ベルトルト「僕はただ、知識の一部として…」

アルミン「よく図書室で見かけるけど、いつも何読んでるの?」

ベルトルト「うーん…端から片っ端に、かな」

119: 2013/09/06(金) 23:49:03 ID:zxO/N/gI

アルミン「え…ここの資料、全部?」

ベルトルト「うん。ほとんど制覇したよ」

アルミン「すごいや、僕まだ半分程度しか読めてないのに!」

ベルトルト「休日もすることないしね。君達は町に行ったりしてるけど。
      休みが長期なら、内地の図書館にもいけるんだけど…まず、ないし」

アルミン「今度、おすすめの本があったら教えて欲しいな」

ベルトルト「流し読みが多いから…あまり覚えてないけど。考えとくね」

アルミン「うん!」

120: 2013/09/06(金) 23:50:38 ID:zxO/N/gI

(…ここに欲しい情報はなかった。期待はしていなかったけれど)

(市場に出回る本の多くは、憲兵団管轄で管理されたものばかり…)

(欲しい情報は、やはり内部にしかない、か…)

「ねぇ、ここはどう解くの?」

「あんたねぇ…ちょっとは自分で考えたら?」

「考えてるけどわっかんないんだもん」

「…今度の休日、あんたの奢りね」

「今月の給金で新しい服買うって決めてるから無理」

「はぁ……この式を当てはめてみな」

「あ、これかぁ」

(………)

123: 2013/09/07(土) 19:58:28 ID:h12EaYiY

<<休日。トロスト区>>

ミーナ「ふぅー、食べた食べた。おいしかったでしょー?」

アニ「まぁ、悪くはないね」

ミーナ「もー、素直じゃないなぁ。…あれ、あそこにいるのは」

アニ「…エレンと、ミカサ、アルミンだね」

ミーナ「おーーーい!」

アニ「…あいつらに何か用あるの?」

ミーナ「いたから声かけてるだけだけど?」

アニ「そう」

124: 2013/09/07(土) 19:59:21 ID:h12EaYiY

エレン「ミーナじゃないか、何やってるんだ?」

ミーナ「アニとデート!」

アルミン「はは、相変わらず仲いいね」

アニ「…あんたらもいつもと変わらないじゃないか」

ミカサ「家族が一緒にいちゃいけない?」

アニ「そうやっていつまでも甘やかすつもりかい」

ミカサ「………」

ミーナ「こらこら、喧嘩腰にならないのー。3人は何してたの?」

125: 2013/09/07(土) 20:00:13 ID:h12EaYiY

アルミン「いつも通り、買い物と散歩だよ。
     今日はもう帰るけどね。…2人は?」

ミーナ「そりゃ、隠れ名店めぐりに決まってるじゃない」

アルミン「そっか、ミーナはトロスト区出身だったもんね」

ミーナ「今日はふわふわオムライスを食べてきましたー!」

エレン「ふわふわ?」

ミーナ「あのアニが微笑んじゃうくらいの!」

エレン「………」

ミカサ「…アニが?」

126: 2013/09/07(土) 20:01:28 ID:h12EaYiY

アニ「…嘘言うんじゃないよ」

ミーナ「嘘じゃないもーん、さっきもおいしかったって言ってたじゃん」

アニ「悪くないといった」

ミーナ「おいしかったでしょ?」

アニ「…悪くはなかった」

ミーナ「もうー」

エレン「そんなにうまいのか?」

ミーナ「そりゃぁもう、口にいれた瞬間、ほっぺたが溶けちゃうくらい!」

エレン「へぇー、今度案内してくれよ」

ミーナ「いいよー、アニも一緒にね!」

127: 2013/09/07(土) 20:02:36 ID:h12EaYiY

ミカサ「エレン、おいしい店は他にもある」

エレン「え?だってアニがうまいって言うくらいだろ?」

アニ「悪くないといった」

アルミン「まぁまぁ…」

ガシャーン!!

ミーナ「え、何?」

エレン「向こうだ!」

128: 2013/09/07(土) 20:03:34 ID:h12EaYiY

「なんて言った?」

「ひっ」

「ああ?なんて言ったよ?」

「お、俺は何も」

「ああ?」

「ひぃ、た、助けてくれッ」

「待てよ…待てっつってんだろ」

エレン「なんだ…?」

ミカサ「…喧嘩?」

アルミン「いや…あの人、片腕が」

129: 2013/09/07(土) 20:04:33 ID:h12EaYiY

「誰が、役立たずの糞だって?」

「ち、ちがう…俺は、なにも」

「あ?だったらなんでそんな怯えてんだ」

「あ、あんたが」

「俺が、なんだ?言えよ、言っちまえよ」

ミーナ「…酔っ払ってるのかな」

アルミン「そう、みたいだね…」

エレン「お、おい…暴れだしたぞ」

ミカサ「器物損害、対人暴行」

エレン「なんで誰も止めねぇんだよ…だったら、俺が」

130: 2013/09/07(土) 20:05:30 ID:h12EaYiY

ミカサ「だめ。私達は訓練兵団所属。民間人に許可なく力を振るってはいけない」

エレン「でも!」

ミカサ「ここは憲兵団に任せるべきだ」

エレン「あいつら、いつも来るの遅いじゃないか!」

男1「またあいつか…」

男2「怪我ですんで戻ってこれても、
   暴れるくらいなら巨人の腹におさまってりゃいいんだ」

ミーナ「あ、あの…あの人は、調査兵団の方だったんですか?」

男1「ああ、怪我して兵団辞めてからは、その辺のゴロツキより性質が悪い」

男2「俺達が止めたところで、訓練受けた奴にかないっこない。
   反対にこっちが怪我させられちまうからね」

男1「子供はあっちにいってな」

131: 2013/09/07(土) 20:06:32 ID:h12EaYiY

アルミン「その…僕らは、訓練兵で」

男1「だったら尚更だ。下手に刺激して巻き込まれちゃ開拓地に送り込まれるぞ」

男2「さっき誰かが憲兵団を呼びにいった。
   殴られてる奴には悪いが、手を出さないほうがいい」

男1「チッ…あいつが1年前に来てから、物騒になったもんだ」

アルミン「1年前?」

男1「ああ、1年前の壁外調査で、腕を持ってかれたんだとよ」

アルミン「1年前で間違いありませんか?」

男1「あ、ああ…」

ミカサ「…アルミン?」

エレン「おい、アルミン!」

132: 2013/09/07(土) 20:07:47 ID:h12EaYiY

アルミン「…あの、すみません」

片腕の男「…なんだ小僧」

アルミン「その人、血が出ています。誰かが憲兵団を呼びに行ったみたいですし、
     もう、いいんじゃないですか」

片腕の男「小僧、お前も俺を馬鹿にするのか?
     憲兵団の糞野郎共に俺がやられるとでも」

アルミン「違います」

片腕の男「だったらなんだぁ?」

アルミン「あなたが…その、腕を失ったのは、1年前と聞きました。
     つまり、兵団を退団したのは、その時期ですよね」

片腕の男「ああそうさ…卒業してすぐの壁外調査だった。
     生きて帰れるだけでもマシだ?ハッ、馬鹿馬鹿しい。
     片腕で何がやっていけるっていうんだ!」

133: 2013/09/07(土) 20:09:36 ID:h12EaYiY

アルミン「…でも、民間人に暴力は」

エレン「アルミン!!」

片腕の男「俺は兵団を辞めたんだ。…お前ら、まさか訓練兵か?ひよっこどもが。
     だったら、お前が民間人に暴力を振るえるわけねえよな?」

アルミン「いいえ。あなたは、まだ兵士だ」

片腕の男「あ?」

アルミン「法律は常に変わります。5年前の一件以来、
     訓練兵希望者及び兵士は増加傾向にあります。
     …もちろん、あなたのように退団される方も」

片腕の男「…はっ、何が言いたい!」

アルミン「訓練を受けた兵士に、民間人が敵うわけない。
     それは、たとえ片腕のない元兵士であったとしても」

片腕の男「糞が、うるせえ!」

134: 2013/09/07(土) 20:11:15 ID:h12EaYiY

アルミン「だから、2年前に法律は改正されました。
     退団後5年間は、兵士と同等に扱うと。
     もちろん、民間人に暴力を振るってはいけない」

エレン「それ、ほんとか?」

アルミン「うん。君も授業でやったはずだよ」

エレン「………」

アルミン「その…うまく言えないけど、あなただって、それまでは
     人類の為に―」

片腕の男「うるせえってんだ!」

アルミン「ッ!?」

片腕の男「お前に何がわか………う、ぐあああ!」

135: 2013/09/07(土) 20:12:06 ID:h12EaYiY

ミカサ「アルミンに手を出す奴は許さない」

アルミン「ミ、ミカサ…」

エレン「ったく…お前どこにいたんだよ」

ミカサ「こいつの氏角で様子を見てた」

エレン「俺がいるんだから大丈夫だろ」

ミカサ「怪我をしてはいけない」

片腕の男「く、はな、せ…」

ミカサ「だめ。アルミンの言う通り、あなたはまだ兵士だ。
    離すわけにはいかない。このまま憲兵に引き渡す」

エレン「………」

アルミン「エレン?」

エレン「なんでもねぇよ」

136: 2013/09/07(土) 20:13:10 ID:h12EaYiY

憲兵「状況は?」

アルミン「はっ、彼が民間人を暴行していた為、取り押さえておりました」

憲兵「お前は…訓練兵か?」

アルミン「104期訓練兵、アルミン・アルレルトです!」

憲兵「なるほど。それで…こいつは、元兵士のようだな」

ミカサ「1年前に調査兵団を退団したとのことです」

憲兵「1年前か。…わかった、こいつの身柄はこちらで預かる。
   よくやった、名は?」

ミカサ「104期訓練兵、ミカサ・アッカーマンです」

憲兵「ミカサ・アッカーマン…お前か、噂に聞くのは」

ミカサ「…私を、ご存知で?」

憲兵「104期訓練兵の中に、稀にみる逸材がいると聞いている。
   なかなか凛々しいな。一緒に仕事ができる日を楽しみにしている。
   …おい、いくぞ」

ミカサ「………」

137: 2013/09/07(土) 20:14:39 ID:h12EaYiY

アルミン「…ごめん、ミカサ。結局助けてもらって」

ミカサ「アルミンは、もう少し人を警戒すべきだ」

アルミン「うん…ごめん」

エレン「……帰るぞ」

アルミン「うん…」

ミカサ「エレン」

エレン「…なんだよ」

ミカサ「元調査兵団だからといって、情けをかけてはいけない」

エレン「なんだよ、俺は何もしてねぇだろ」

ミカサ「1年前まで、彼も高い志を持っていたと思う。
    でも、力を失ったからといって」

エレン「ッ…違う、俺が言いたいのは!」

ミカサ「エレン…」

エレン「…帰る」

ミカサ「…うん」

138: 2013/09/07(土) 20:15:33 ID:h12EaYiY

ミーナ「ア、アルミン」

アルミン「ミーナ…待ってて、くれたの?」

ミーナ「う、うん…。その、すごいね、3人は。
    私は、動けなかったよ…」

アルミン「…ほんとは、あんな結果にしたくなかった。
     僕らとあまり歳も変わらないように見えたし…」

ミーナ「…そうだね」

アルミン「…結局、僕は何もできなかった」

ミーナ「そんなことない。アルミンは、彼のことを考えて…」

アルミン「何も変えられていないよ。結局守られただけだ。
     …弱いな、僕は」

ミーナ「アルミン…」

139: 2013/09/07(土) 20:16:21 ID:h12EaYiY

アニ「あんたが弱いのは今に始まったことじゃないだろ」

アルミン「アニ…」

アニ「…でも、正しいことをしようとした」

アルミン「…あれが正しかったとは限らないよ」

アニ「そうかい。でも、何もしてない私らより正しいとは思うけどね」

アルミン「……ありがと」

アニ「…あんた、意外と根性あるから。弱いけど」

アルミン「はは…僕も、アニみたいな強さがあるといいんだけど」

アニ「…私は、弱いよ」

アルミン「僕じゃエレンにすら勝てないよ」

140: 2013/09/07(土) 20:17:11 ID:h12EaYiY

アニ「あんたも女の子との話し方を学んだ方がいいんじゃないかい」

アルミン「あ…いや、そういう意味でいったわけじゃ」

アニ「ふん」

ミーア「あー、エレン達いっちゃうよ!わたしらも帰ろう」

アルミン「…そうだね」

アニ「あんたは」

アルミン「?」

アニ「あいつのために、前に出たんだろ」

アルミン「………」

141: 2013/09/07(土) 20:17:54 ID:h12EaYiY

アニ「調査兵団希望者が、落ちこぼれを目にして何も思わないわけない。
   だからせめて、話し合いで解決しようとした」

アルミン「………」

アニ「甘やかしすぎなんだよ。あいつが、
   あのくらいで調査兵団を諦めるわけない。
   ミカサじゃないけど、もう少し
   慎重になることも覚えた方がいいんじゃないかい」

アルミン「…そ、だね。ありがと、アニ」

アニ「ふん」

アルミン「アニって、"意外に"優しいよね」

アニ「………嫌味は聞きたくないよ」

アルミン「ふふ、かえろっか」

143: 2013/09/07(土) 21:59:05 ID:h12EaYiY

「…そういえば、あの黒髪の」

「…ミーナかい」

「うむ。大丈夫なのか?」

「単純馬鹿だよ。成績上げたいから私に聞きに来てるだけ」

「…そうか。まぁお前がそういうなら平気なんだろう。
 ずっと一人というわけにもいかんしな。だが、俺達は…」

「あんたが言える立場?」

「………」

「まぁいいよ。任務に支障がなければね」

「そうだな…。ああ、コレ、あいつから」

「………」

「どうした?」

「…何でも。戻るよ」

144: 2013/09/07(土) 21:59:58 ID:h12EaYiY

<<女子寮>>

ミーナ「ごめんくださーい、アニいるー?」コンコン

サシャ「この声はミーナですか。アニならいますよ、どうぞ」ガチャ

ミーナ「はーい、失礼しまーす」

サシャ「では、私は小腹が空いたので、ちょっとその辺まで。
    他のみんなは出払ってるんで、カギはミーナに預けます」

アニ「…私に拒否権はないのかい」

ミーナ「もー、冷たいこと言わないの。…って、何それ、ノート?」

アニ「…座学の試験、来週だろ。で、何か用?」

ミーナ「いやー、その座学の勉強を一緒にやりたいと思って…。
    そのノート、アニのだっけ?」

アニ「…誰のでもいいだろ」

145: 2013/09/07(土) 22:01:10 ID:h12EaYiY

ミーナ「ふっふーん?」

アニ「…なんだい」

ミーナ「ちょーーっと、見せて?」

アニ「何で」

ミーナ「あのアニが他人にノート借りるなんて珍しいじゃん?
    これは何かある…あるよ?」

アニ「誰に何借りようが勝手だろ。
   ほら、座学の勉強するんだろ。図書室にでも――」

ミーナ「…スキありっ!」

アニ「ちょ!ミーナ!」

146: 2013/09/07(土) 22:01:56 ID:h12EaYiY

ミーナ「へっへーん、友達に隠し事は良くないなぁ~?
    …………?!! え、これ、誰の?なにこれっ!?」

アニ「…別にいいだろ。返してよ」

ミーナ「ちょっとー!なにこれぇ!
    あんたこんなの見て勉強してたのおおお!?」

アニ「うるさい、返してよ」

ミーナ「…ヤダ。わたしも見たい! ねぇ、誰の?!」

アニ「誰のでもッ、いいだろっ!返せってば!」

ミーナ「女子のノートは大体見たことあるしなぁ…って事は男子?
    アルミンのとは違うし…マルコも、違う」

アニ「返してってば!」

147: 2013/09/07(土) 22:03:31 ID:h12EaYiY

ミーナ「図書室によく出入りしてて…アニに教えるくらい、
    座学の成績も良くて………え、まさか
    ――――ベルトルト?」

アニ「………」

ミーナ「まじ?」

アニ「…返して」

ミーナ「え…アニって、あいつと、仲良かったっけ?
    つか、あいつって…わっとと」

アニ「………」

ミーナ「えと…ごめん…」

アニ「…いい。黙ってた私も悪い」

ミーナ「…その、聞いても、いい?」

アニ「………」

ミーナ「言いたく、なかったら、いいんだけど…」

アニ「…同郷、なんだよ。あいつ…あいつら、と」

ミーナ「へっ…?」

148: 2013/09/07(土) 22:04:41 ID:h12EaYiY

アニ「…昔、村で色々あったのさ。黙っといて欲しいんだけど」

ミーナ「う、うん…」

アニ「あいつ、らは、いつも私の心配してたよ。
   でも、私は…一人の方が好きなんだ」

ミーナ「…うん」

アニ「私は…罪を犯した人間だから」

ミーナ「罪…?」

アニ「………」

ミーナ「もしかして、4年前…?」

アニ「ああ…」

ミーナ「アニは、マリア出身だったよね…。何かあったの?」

149: 2013/09/07(土) 22:05:37 ID:h12EaYiY

アニ「…ごめん、言えない」

ミーナ「…うん、わかった。聞かない」

アニ「…ごめん」

ミーナ「ううん…でも、何があったか知らないけど
    私は、アニの味方だから」

アニ「……ありがと」

ミーナ「どういたしまして。…で、それはともかくだよ。
    そのノート、もっかい見せてっ」

150: 2013/09/07(土) 22:06:41 ID:h12EaYiY

<<食堂>>

ミーナ「はぁー……」

アニ「満足したならそろそろ返してよね」

ミーナ「ずるい。アニずるい。そりゃ講義中ノートとらないはずだし
    試験勉強だってはかどるはずだよ」

アニ「それ借りなくて、聞き流すだけでもあんたより成績上だと思うけど」

ミーナ「くっそお…なんだよこれ、ものすっごい分かりやすいんだけど…」

アニ「友達少なくて暇な奴だからね。暇つぶしに作ってるんだってさ」

ミーナ「ふーーーーん」

アニ「…なにさ」

ミーナ「暇つぶし、ねぇ?」

151: 2013/09/07(土) 22:07:45 ID:h12EaYiY

アニ「好奇心旺盛にならないでくれるかい」

ミーナ「それは無理じゃないかなぁ~?
    これでもわたくし、そっち方面では色々と実績がございまして」

アニ「そう。でも無駄だよ。そんな感情は一切持ち合わせちゃいないから」

ミーナ「さっきのあの慌て具合を見てそれはないなぁ」

アニ「同郷がバレるのが嫌だったんだよ。あんた、変にカンだけはいいから」

ミーナ「へぇー」

アニ「…それに、向こうだって隠していたいだろうさ」

ミーナ「そうなの?」

アニ「言っただろ、罪を犯したって」

ミーナ「…一緒に、いたの?」

アニ「………」

152: 2013/09/07(土) 22:08:52 ID:h12EaYiY

ミーナ「…そっか。ああチックショウ、お似合いだと思ったのになぁ」

アニ「誰と誰が」

ミーナ「あんたとあいつ」

アニ「…あんなデカブツ、お断りだよ」

ミーナ「でこぼこコンビって言うんだよ」

アニ「…首が痛くなる」

ミーナ「あはは、確かに。ねぇ、昔からおっきかったの?」

アニ「そうだね、昔からだった。人一倍大きいクセにビクビクしやがって。
   いっつもライナーの後ろで泣いてたよ」

ミーナ「…それ、泣かしたのはアニじゃないの」

153: 2013/09/07(土) 22:10:07 ID:h12EaYiY

アニ「弱い奴は嫌いなんだ」

ミーナ「でも今はアニより成績上だよー?」

アニ「対人格闘で、私に勝てると思う?」

ミーナ「…思わない」

アニ「だから私は「ミーナー」」

ミーナ「あ、サシャ」

サシャ「さっき預けたカギ返していただけますか」

ミーナ「その様子だと、今日は戦果あり?」

サシャ「はい。干し肉をゲットできました!」

ミーナ「ちぇー、いいなー。…はい、カギ」

サシャ「どもども。…って、それなんですか?」

154: 2013/09/07(土) 22:11:25 ID:h12EaYiY

ミーナ「…あ」

サシャ「おおっ?…ふむふむ、これはすばらしい」

ミーナ「あ、これ、は」

サシャ「ミーナ!」

ミーナ「はいっ」

サシャ「すばらしいです!これはミーナのですか!」

ミーナ「か、借り物だよっ」

サシャ「私にも貸してください!これがあれば!コニーに勝てます!」

ミーナ「いや、その、私のじゃないし」

155: 2013/09/07(土) 22:12:18 ID:h12EaYiY

ユミル「なんだ芋女。カギは返してもらったのか」

クリスタ「…どうしたの?」

サシャ「2人とも、これを見てくださいよ」

ユミル「…こいつは、すごいな」

クリスタ「…これ、ミーナの?」

ミーナ「えっと…借り物、なんだけど…」

ユミル「誰に借りたんだ?」

ミーナ「えと、その…」

アニ「………」

ミーナ「べ、べるとるとっ」

156: 2013/09/07(土) 22:13:26 ID:h12EaYiY

ユミル「は?」

ミーナ「えとね、こないだ、たまたま席が近くてさ。
    ほら、わたし、色んな人のノート参考にしてるじゃない?
    それで…見せて、もらった、んだけど…」

ユミル「…あいつが、これを?」

ミーナ「う、うん…意外だよね。それで、思い切って借りて」

ユミル「へぇー…面白いな。これ、借りてくぞ」

ミーナ「ちょ、ちょっとユミル!?」

ユミル「さって飯だ飯」

サシャ「パァーン♪」

ユミル「…干し肉は3人分だよな」

サシャ「パ、パァーン…」

157: 2013/09/07(土) 22:14:12 ID:h12EaYiY

ミーナ「………」

アニ「………」

ミーナ「ご、ごめん…」

アニ「………」

ミーナ「か、返してもらってくる」

アニ「…いいよ」

ミーナ「でもっ」

アニ「あんたが、たまたまあいつから借りたんだろ?」

ミーナ「…ごめん、でも聞かれたくないと思って」

アニ「相手はユミルだ。下手に動く方が厄介ごとになる」

ミーナ「でも…」

アニ「仕方ない。あいつには機会見て言っておくから」

ミーナ「うん…ごめんね…」

163: 2013/09/08(日) 02:00:13 ID:/jjSWNJo


<<倉庫>>

ミーナ「………」

ベルトルト「………」

ミーナ「…フランツは?」

ベルトルト「…代わったんだよ。用事あるからって」

ミーナ「ああ…ハンナも出かけるって言ってたっけ」

ベルトルト「まさか君が相方だったとはね」

ミーナ「そりゃわるうございました」

ベルトルト「当番作業が出来れば誰でもいいよ。
      在庫はこっちで調べるから、表の入力よろしく」

ミーナ「へいへい」

164: 2013/09/08(日) 02:01:17 ID:/jjSWNJo

ミーナ「しっかし、あんたもアニも、素直じゃないよね。
    関係わかっちゃったら、なんつーかバレバレなんだけど?」

ベルトルト「…空ボンベ26本」

ミーナ「はいはいっと。…で、ノート貸せなくなったからレポート用紙?
    そりゃ渡ししやすいけど」

ベルトルト「ワイヤー5巻」

ミーナ「…5、と。…そんなに心配なら直接話せばいいじゃないの」

ベルトルト「………」

ミーナ「こないだ、トロスト区でエレン達と一緒になってね。
    あのアルミンがさ、元兵士と民間人の喧嘩を止めに入ったんだよ」

ベルトルト「…予備立体機動3台」

ミーナ「…感心しちゃった。結構、勇気あるよね」

ベルトルト「…何が言いたいの?」

165: 2013/09/08(日) 02:02:18 ID:/jjSWNJo

ミーナ「好きなんじゃないの?」

ベルトルト「それは勝手な君の判断だ。大切だとは思うけど」

ミーナ「一緒でしょ」

ベルトルト「違うよ。少なくとも、僕にとっては。
      …僕は、彼女が幸せなら、それでいい」

ミーナ「自分が、幸せにしようとは思わないわけ?」

ベルトルト「彼女にも僕にも、やりたいことがある。
      それが終わらない限りは、何も考えない」

ミーナ「その間に、いい人が現れちゃうかもよ?」

ベルトルト「それで彼女が幸せになれるなら、僕はそれでもいい」

ミーナ「…なんで?なんでそう思うの」

ベルトルト「…僕は、人頃しなんだよ」

166: 2013/09/08(日) 02:03:49 ID:/jjSWNJo

ミーナ「え…」

ベルトルト「5年前、僕のせいでたくさんの人が氏んだ。
      僕が生きていなければ、氏なずに済んだ人はたくさんいたんだ」

ミーナ「…あなた達が、マリアの山奥出身だという話は聞いたわ。
    でも、それは巨人が攻めてきたからであって…子供だった、あなた達は」

ベルトルト「関係、ないんだよ。そんなことは!」

ミーナ「…!」ビクッ

ベルトルト「君に何がわかる?!僕らの、何が!」

ミーナ「ご、ごめん、ごめんなさい…」

167: 2013/09/08(日) 02:04:45 ID:/jjSWNJo

ベルトルト「…ごめん。八つ当たりだ」

ミーナ「う、ううん…」

ベルトルト「もういいだろ。これ以上は話したくない」

ミーナ「うん…ごめん、もう、聞かない…」

ベルトルト「…こんなこと、頼みたくはないけど」

ミーナ「なに…?」

ベルトルト「君は、悪い人じゃない。だから…」

ミーナ「うん…」

168: 2013/09/08(日) 02:05:47 ID:/jjSWNJo

…君は、悪い人だったね。

「僕達……訓練兵34班、
 トーマス・ワグナー
 ナック・ティアス
 ミリウス・ゼルムスキー」

…あの時、君の名前を聞いた彼女が

「ミーナ・カロライナ
 …エレン・イェーガー!」

…わずかに震えていた。

「以上5名はッ」

…表情は見えなかったけれど。

「自分の使命を全うし、壮絶な戦氏を遂げました!」

…出来ない約束なら、しないでよ。

169: 2013/09/08(日) 02:06:42 ID:/jjSWNJo

…強くなりたい?

…弱いくせに。

…だから、氏んでしまうんだ。

…僕が

…僕が、

…壁を、壊してしまったから。

170: 2013/09/08(日) 02:08:43 ID:/jjSWNJo

「…遅かったね」

「あいつは?」

「…今は、"兵士"みたいだから」

「…そう」

「座ったら?立ってると目立つよ」

「………」

171: 2013/09/08(日) 02:09:24 ID:/jjSWNJo

「困ったことになったね」

「…仕方ないさ」

「これから、どうしようか」

「アイツを連れて帰るしかないだろ」

「うん……」

「アイツは、調査兵団になる」

「…そうだね」

「………」

「………」

172: 2013/09/08(日) 02:10:07 ID:/jjSWNJo

「私が、やる」

「………」

「あんたは、あいつについて」

「…言うと、思ったよ」

「なら、理由も言わなくていいよね」

「うん…」

「…しっかりしなよ」

「わかってる。…わかってるさ」

173: 2013/09/08(日) 02:10:49 ID:/jjSWNJo

「君が、1人で大丈夫なこともね」

「………」

「わかってる。僕らは、やらなくちゃいけない。
 もう、後には戻れない」

174: 2013/09/08(日) 02:11:23 ID:/jjSWNJo

「…星、綺麗だね」

「………」

「昔、ほんとに小さい時に聞いたよね。
 人は氏ぬと星になるって言い伝え。
 …知ってた? ここでもそう、言われているんだ」

175: 2013/09/08(日) 02:12:06 ID:/jjSWNJo

「………」

「大きいだけがとりえの僕だけど
 少しの間なら、君が隠れるための壁になることができる」

「………」

176: 2013/09/08(日) 02:12:41 ID:/jjSWNJo

…ぅ、……ック、……ヒック

「………」

177: 2013/09/08(日) 02:14:48 ID:/jjSWNJo

小さな嗚咽だけが、星空の下に響き渡る。

このまま腰に腕を回し、抱きしめることができれば、どれほど楽になれるだろう。

でも、できるわけがない。

君の大切なものを、僕は奪い取った。

君だけは幸せになって欲しいのに。

僕は奪い取った。君の、たった一人の、友達を。

…終わらせよう。何もかも、全て。

178: 2013/09/08(日) 02:15:58 ID:/jjSWNJo

小さな背中が震えている。

僕はただ、彼女を隠すことしかできやしない。

…全てが、終わったら。

それでも、手を伸ばせないかもしれない。

ただ、君だけは

どうか、君だけは―――

179: 2013/09/08(日) 02:24:43 ID:/jjSWNJo

|壁|ω・)…

終わる!終わった!アニメ22話の不意打ちオリジナル要素は反則だった。

中学時代に、目つきと性格のキツさと蹴りと拳骨に恐れられてたボッチの私に
ほんとは可愛いだの優しいだの言ってくれたアイツは
15年経った今でも親友だよ!

自分よりも相応しい人がいるなら、君が幸せならそれでいい、
泣きたい時は傍にいるから、なーーんてずっと片思いのままで、
何年も傍にいてくれた自律神経失調の男は
来年1月に結婚する私の相方だ、アハハハハハ!

と、いい歳こいた奇行種はひとまず去ります。
気が向いたらまた書きにきます。ではでは。

|壁|ノシ

180: 2013/09/13(金) 21:42:45 ID:XEoN/1DU
乙!

引用: アニ「たった一人の」