483: 2009/02/03(火) 19:03:22 ID:Zm0FQJo3
久しぶりに投下します。
484: 2009/02/03(火) 19:03:48 ID:Zm0FQJo3
空は晴天、心地好い風、あたしは基地の裏庭の木陰で寝そべっていた。
微かな風音と小鳥の鳴き声に耳を傾ける。
いつもストライカーユニットを弄って、エンジンを吹かす音ばかり
聴いているあたしだけど、たまにはこうするのも好いものだ。
しかし、災いというのは何の前触れも無くやってくるもの。
あたしがうとうとして眠り始めようとしたときにそれは起こった。
グラグラグラグラグラ・・・・・。
突然、地面が大きく揺れ始めた。あたしはびっくりして飛び起きた。
「じ、地震か!?」
眠気は一気に覚め、すぐに地震が起きていると判断した。しかも結構大きい。
あたしはそのまま座った状態で揺れが収まるのを待った。その時──。
「フギャャーーーッッ!!!」
庭の林の方からルッキーニの叫び声が聞こえた。
「ルッキーニ!!」
あたしは慌てて声のした方に向かおうとしたけど
揺れが酷くて上手く立ち上がれない。
それでも何とか立ち上がろうとした時、揺れが収まった。
あたしは一目散にルッキーニと所に向う。
「ウジュウジュルル……」
あたしが駆けつけるとルッキーニは座り込んで目に少し涙を浮かべていた。
「どうした、大丈夫か!?」
ルッキーニは左足首を両手で押さえていた。
「フゥフゥニュルルニャヌー」
「ふむふむ、それで?」
「ニャスルッーシュルルー」
「ほう…」
「キュルキュルヌフグー!」
つまり、木の上で寝ていたら突然地震が起きて木から落ちたとき、
咄嗟に、上手く体を回転させて足から着地しようとしたところまでは
良かったのだけど着地のときに誤って左足を捻ったらしい。
「足、見せてごらん」
手を退けて左足首を見ると紫色に変色していた。
見ているだけで痛々しい…。
それでも、頭から落ちて大怪我するよりは遥かにマシなのは確か。
他に傷らしい傷は見当たらない。不幸中の幸いだったのかもしれない。
「医務室に行って手当てしないとな」
あたしはそう言ってしゃがんだままルッキーニに背を向ける。
「ほら、つかまって」
「……うん…」
肩につかまると軽いルッキーニの体を持ち上げておんぶした。
「あ…、いい匂い…」
「ん、何か言った?」
「ううん、別に」
あたしはルッキーニをおんぶして基地の方に向かった。
微かな風音と小鳥の鳴き声に耳を傾ける。
いつもストライカーユニットを弄って、エンジンを吹かす音ばかり
聴いているあたしだけど、たまにはこうするのも好いものだ。
しかし、災いというのは何の前触れも無くやってくるもの。
あたしがうとうとして眠り始めようとしたときにそれは起こった。
グラグラグラグラグラ・・・・・。
突然、地面が大きく揺れ始めた。あたしはびっくりして飛び起きた。
「じ、地震か!?」
眠気は一気に覚め、すぐに地震が起きていると判断した。しかも結構大きい。
あたしはそのまま座った状態で揺れが収まるのを待った。その時──。
「フギャャーーーッッ!!!」
庭の林の方からルッキーニの叫び声が聞こえた。
「ルッキーニ!!」
あたしは慌てて声のした方に向かおうとしたけど
揺れが酷くて上手く立ち上がれない。
それでも何とか立ち上がろうとした時、揺れが収まった。
あたしは一目散にルッキーニと所に向う。
「ウジュウジュルル……」
あたしが駆けつけるとルッキーニは座り込んで目に少し涙を浮かべていた。
「どうした、大丈夫か!?」
ルッキーニは左足首を両手で押さえていた。
「フゥフゥニュルルニャヌー」
「ふむふむ、それで?」
「ニャスルッーシュルルー」
「ほう…」
「キュルキュルヌフグー!」
つまり、木の上で寝ていたら突然地震が起きて木から落ちたとき、
咄嗟に、上手く体を回転させて足から着地しようとしたところまでは
良かったのだけど着地のときに誤って左足を捻ったらしい。
「足、見せてごらん」
手を退けて左足首を見ると紫色に変色していた。
見ているだけで痛々しい…。
それでも、頭から落ちて大怪我するよりは遥かにマシなのは確か。
他に傷らしい傷は見当たらない。不幸中の幸いだったのかもしれない。
「医務室に行って手当てしないとな」
あたしはそう言ってしゃがんだままルッキーニに背を向ける。
「ほら、つかまって」
「……うん…」
肩につかまると軽いルッキーニの体を持ち上げておんぶした。
「あ…、いい匂い…」
「ん、何か言った?」
「ううん、別に」
あたしはルッキーニをおんぶして基地の方に向かった。
485: 2009/02/03(火) 19:04:22 ID:Zm0FQJo3
途中、坂本少佐に遇った。
どうやら少佐は基地内の被害を調べているらしい。
当然少佐はおんぶしているルッキーニの足の状態も見た。
「これだとしばらくは出撃できそうもないな」
少佐は厳しい表情でそう言った。
「私は他に怪我人がいないか見てくる。引き止めて悪かったな」
これ以上怪我人がいたら大変だ。
ネウロイとの戦闘にも支障をきたす恐れもある。
宮藤が治療魔法を完全に制御できればさほど心配しなくてもいいんだけど。
「みんな無事かなー」
ルッキーニが心配そうにそう言う。
「大丈夫。ルッキーニみたいに木の上で寝たりするやつは居ないから」
「ウジュー…」
「ははは、冗談だよ。そんなに気にしなくてもみんな
やわじゃないし、きっと大丈夫さ」
…とは言ったもののあたしも少し心配はしている。
他の隊員たちが無事なのを祈るばかりだ。
医務室の近くまで来たところで余震が起こった。
揺れはさっきとは違って小さい。
これなら踏ん張って立ってられそうだ。
「うう…シャーリー…」
あたしの肩を強く握り、背中に顔を埋めるルッキーニ。
さっき木から落ちたせいか小さい揺れでも妙に怖がる。
「ルッキーニはあたしが守るから、──だから安心してて?」
ルッキーニは何も言わなかったが背中越しに頷いてくれた。
しばらくして揺れが収まり、あたしは医務室へ急いだ。
どうやら少佐は基地内の被害を調べているらしい。
当然少佐はおんぶしているルッキーニの足の状態も見た。
「これだとしばらくは出撃できそうもないな」
少佐は厳しい表情でそう言った。
「私は他に怪我人がいないか見てくる。引き止めて悪かったな」
これ以上怪我人がいたら大変だ。
ネウロイとの戦闘にも支障をきたす恐れもある。
宮藤が治療魔法を完全に制御できればさほど心配しなくてもいいんだけど。
「みんな無事かなー」
ルッキーニが心配そうにそう言う。
「大丈夫。ルッキーニみたいに木の上で寝たりするやつは居ないから」
「ウジュー…」
「ははは、冗談だよ。そんなに気にしなくてもみんな
やわじゃないし、きっと大丈夫さ」
…とは言ったもののあたしも少し心配はしている。
他の隊員たちが無事なのを祈るばかりだ。
医務室の近くまで来たところで余震が起こった。
揺れはさっきとは違って小さい。
これなら踏ん張って立ってられそうだ。
「うう…シャーリー…」
あたしの肩を強く握り、背中に顔を埋めるルッキーニ。
さっき木から落ちたせいか小さい揺れでも妙に怖がる。
「ルッキーニはあたしが守るから、──だから安心してて?」
ルッキーニは何も言わなかったが背中越しに頷いてくれた。
しばらくして揺れが収まり、あたしは医務室へ急いだ。
486: 2009/02/03(火) 19:04:52 ID:Zm0FQJo3
医務室に入ると誰も居なかった。
普段は専属の医者と看護婦が居るのだが
どうやら基地の様子を見に行ったらしい。
こういう時こそ、動かずにここに居てくれないと困るんだけどな。
ルッキーニをベットに座らせ辺りを見回す。
机の上や薬品棚の中が散乱している。あの揺れなら当然か。
むしろ、棚が倒れで足の踏み場がなくなるよりは
そうならなかっただけよかったかもしれない。
あたしは棚の上に置いてある救急箱を取り、手当てを始める。
不慣れな手つきで湿布をして包帯を巻く。
上手く出来たかは分からない。こういうのは宮藤が専門だからな。
「ありがとう、シャーリー」
やっとルッキーニに笑顔が戻った。それを見てあたしも安心した。
その後、他の隊員達にも怪我は無く、宮藤の治療魔法の
効果もあって、ルッキーニの足は数日で完治した。
─完─
普段は専属の医者と看護婦が居るのだが
どうやら基地の様子を見に行ったらしい。
こういう時こそ、動かずにここに居てくれないと困るんだけどな。
ルッキーニをベットに座らせ辺りを見回す。
机の上や薬品棚の中が散乱している。あの揺れなら当然か。
むしろ、棚が倒れで足の踏み場がなくなるよりは
そうならなかっただけよかったかもしれない。
あたしは棚の上に置いてある救急箱を取り、手当てを始める。
不慣れな手つきで湿布をして包帯を巻く。
上手く出来たかは分からない。こういうのは宮藤が専門だからな。
「ありがとう、シャーリー」
やっとルッキーニに笑顔が戻った。それを見てあたしも安心した。
その後、他の隊員達にも怪我は無く、宮藤の治療魔法の
効果もあって、ルッキーニの足は数日で完治した。
─完─
487: 2009/02/03(火) 19:05:25 ID:Zm0FQJo3
以上です。
これだけ書くのに何日も掛かってしまった…。
これだけ書くのに何日も掛かってしまった…。
488: 2009/02/03(火) 19:55:38 ID:y0l0xwbM
>>487
GJ!最近少ないシャッキーニ分をありがとう
書く速度なんて気にしなくていいんだぜ、俺なんて何ヵ月もかけたくせに結局書き上げられないのがしょっちゅうだ…
GJ!最近少ないシャッキーニ分をありがとう
書く速度なんて気にしなくていいんだぜ、俺なんて何ヵ月もかけたくせに結局書き上げられないのがしょっちゅうだ…
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