1: 2019/09/22(日) 04:51:25.515 ID:VCZ5o5rza.net
職業安定所職員「まともな仕事を探すきはありますか?」

青年「あるって言ってるだろ」

職員「口だけならなんとでも言えますよ、行動で示してください」

青年「行動つったって、この町で仕事なんて何があるんだよ?」

職員「なんでもあるじゃないですか、それに一応政令指定都市ですよ?」

青年「俺は歌で天下を取りたいんだ、工場だとか接客だとかはもううんざりだ」

職員「なら、保険ももう降りませんよ、すくなくとも三つは面接を受けてきてください、来週までにね」

青年「くそ…わかったよ」

職員「あ、そうだ。接客でも工場でもない仕事一つありますよ。行ってみたらどうてすか?いや、行ってください」

青年「あ?」
ふらいんぐうぃっち(13) (週刊少年マガジンコミックス)
2: 2019/09/22(日) 04:51:47.553 ID:VCZ5o5rza.net
~~豪邸

青年「なんだ、すげえ一等地だな…こんなところで面接か…庭師でもやれってか…」

~~

ザワザワ

青年「やけに人が多いなぁ」

男「がんばるぞぉ!」

女「緊張してきた…」

メイド「紅茶とコーヒーはどちらにされます?」

青年「え、金はねぇから水で」

メイド「え?」

青年「なんだ、水も金を取るのかよ?」

メイド「いえ、すべて当主様からの持て成しですのでお金は要りませんよ」

青年「へぇ、ならその紅茶だ」

メイド「お菓子もご自由にお取りください」

青年「まじか、薬の実験とかじゃねーだろーな」

メイド「まさか!なんてこというんですか!」

青年「いや、面接でこんなにもてなされることってないだろ?」

メイド「そうですね」

青年「まぁ、ただなら食わせて貰うぜ、この絵でも見ながらな、たくさんあるよな」

メイド「はい」

3: 2019/09/22(日) 04:52:08.032 ID:VCZ5o5rza.net
~~応接室

男「で、ありますからして、私は地域貢献を兼ねあなたの介護をと…」

当主「結構、帰ってくれ」

男「え?そんな!でも!」

メイド長「はやくお帰り!」ギロ

男「ひえ…」

~~

女「看護学校を卒業してから私は高い介護技術を習得していまして…」

当主「もういい、後日連絡をする」

女「え?あ、はい…」

ガチャン…

メイド長「旦那さま、お言葉ですがちゃんと採用なさる気はおありで?」

当主「ふむ、どうだろうなぁ」

メイド長「もう…次で最後になります」

当主「はやく通してくれ」


5: 2019/09/22(日) 04:52:31.792 ID:VCZ5o5rza.net
ガチャ

青年「よぉ」

当主「?」

青年「座らせてもらうぞ」ドカッ

当主「なぜ、座ったんだ?」

青年「そりゃあ座りたいからだ、それにどうせ座らせるだろう?」

当主「そ、そうか…そりゃあそうだな」

メイド長「それでは名前を…

青年「そういえば、紅茶うまかったぜ!先にそれを言っておく!」

メイド長「なっ」

青年「いやぁ、今まで飲んだ中で一番だったぜ、まじで」

メイド長「あなた、今は面接だとわかって…

当主「いや、いい」

青年「いつもあれを飲んでるのか?まぁ、俺は紅茶なんて飲んだことないんだけどな」

当主「あぁ、あれの良さがわかるか?君は」

青年「あぁ、出された菓子とも絶妙に合ったしな!」

当主「ほう、味のわかる奴だな」

青年「当たり前よ!味と歌なら俺にまかせとけってなもんよ」

メイド長「だ、旦那さま」

当主「ふむ、さて話しは戻るが応募した理由は?」

青年「ない」

当主「ない!?」

7: 2019/09/22(日) 04:54:27.057 ID:VCZ5o5rza.net
青年「役所の連中が勝手に決めやがってよ、ムカつくぜ。でも三つ面接受ければまだ飯が食えるらしいからよ。しかたなく来たってわけだ」

当主「働いていないのか?」

青年「働いてるよ、給料が出ないだけだ」

当主「ふん、面白いやつだ、じゃあ何をしているんだ?」

青年「歌ってるんだよ、作曲もする、いつか歌でスターになるためにも働く時間はもったいねぇってわけよ」

当主「だが、生きていくためにはそうはいかんだろう?」

青年「まぁな」

当主「ここの仕事を理解してるか?」

青年「いや」

当主「見ての通り、私は足が悪い、それに手もほとんど麻痺していてあまり動かない」

青年「へぇ、それは…大変なんだな」

当主「……そうだな、じゃあもう帰っ」

青年「でも、まだ喋れるじゃねぇか」

当主「…え?」

青年「じゃあまだ歌えるって事だろ!ならそう悲観するほどでもねぇじゃねぇか!」

青年「俺ならたとえ手足がもげても氏ぬまで歌うからな!」

メイド長「あなた!不謹慎ですよ!」

当主「まてまて、くくっ、そうか、手足がもげてもか」

青年「あんた、そういえばトイレのときはどうする?」

当主「うん?」

青年「だって、その、ナニをつかめねぇだろ?撒き散らしてしまうだろ?」

当主「まぁ、そのくらいなら何とかできるが…今は尿道に管を通してるんだよ」

青年「えぇ…!?い、痛くねぇのか?」

当主「さぁ、入れてみるか?」

青年「やめてくれよ、鳥肌がたつぜ」

9: 2019/09/22(日) 04:55:17.661 ID:VCZ5o5rza.net
当主「じゃあ、今日は帰っていい頑張りたまえ」

青年「あぁ、ありがとな。次の面接もがんばるよ」

メイド長「さ、こちらに」

当主「おい、何を言ってるんだ?」

メイド長青年「?」

当主「面接はもうやめろ、明日からうちに来なさい」

青年「え?」

メイド長「は!?旦那さま!?」

当主「採用だよ、しっかり働いて貰うぞ」

メイド長「だ、だめですよ!こんなやつ」

青年「こんなやつ!?てめぇババア!」

メイド長「ば、!?ばばあ!?」

青年「それに、採用されたら困るぜ!歌に時間が使えなくなっちまう!」

当主「それなら考えがある、まぁ、なんにしても明日から来なさい」

青年「あ、あぁ…」

メイド長「旦那さま…何を考えておいでで?」

一話 完

書いてて面白いかわからんから試しにここまでかいた


12: 2019/09/22(日) 04:56:39.747 ID:N879mstla.net
やるじゃない

引用: 職業安定所職員「まともな仕事を探すきはありますか?」青年「あるって言ってるだろ」