20: 2010/12/01(水) 02:09:29.88 ID:10l3xr8D0
ここここんばんはっ……あき、秋山、みみ澪です……
き、きょうは、な、ながれぼひ、流れ星をみ、見るために、ほしのさと天文台に来ています……

「さ、ささささむいさむいさむいさむいさささむいさむい――」

11月30日――もう日をまたいで12月1日、さすがに今の時期夜中は冷える……
でも……ここから見える

「ひいっくし!!んっ……寒っ」

あー寒い!
ここから見える夜空は、星の光が降りそそぐようで――言葉では形容することができないくらい綺麗です
夜を照らすビルの明かりや車のライト――
普段は夜を埋め尽くす人工的な光が一切無い、空の、星の光だけ
肌を刺すような冷たい空気も、その光を一層美しく、私の目に届けてくれています

それでも――
降るように星があるのに――
こんなにも、星が見えるのに――

流れ星は、まだ――

瞬きをしている間に幾つか流れていたのかもしれないけれど……
手に持った缶紅茶も……まだ開けていないのに、いつのまにか温もりを失っていました

でも、諦めない……
流れ星を、私は、絶対に流れ星を見つけるんだ……
それで――願い事を……願い事を、叶えるんだ

「待ってて……ゆ、唯……」
けいおん!Shuffle 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
22: 2010/12/01(水) 02:24:05.94 ID:10l3xr8D0
――携帯のディスプレイに表示された時計は、午前2時24分になっていました
それでも、流れ星はまだ一つも私の前には現れてくれません


『あっ!流れ星だよ!!』


あの時――
唯が願ったことは……何だったのだろう

私はその答えを知らない
唯が誰にも教えなかったし、私にも教えてくれなかったから……

だから、私は――その答えが知りたくて
流れ星に、その願いを叶えて欲しくて……

結局、そうすることでしか、唯を知ることができないから――

「唯……」

名前を読んでも――凍てついた空気に凍りつき、砕けるように、私の声はどこにも届くことはありません

23: 2010/12/01(水) 02:32:33.73 ID:10l3xr8D0
それでも――
星空は、私から遥か遠くで延々と輝き続けるだけでした――

私とは、関係の無い、遠い場所で、星たちは、延々と……

手に持った紅茶を、一気に……飲み干します
冷えた紅茶は――私の体を内側からも凍りつかせます……
うう……

「さ、寒い……」

流れ星、いつになったら見つけられるんだろう……

 fin.

24: 2010/12/01(水) 02:34:34.89 ID:6xc2MQCm0

頑張ったな

引用: 唯「あっ!流れ星だよ!!」