703: 2010/06/08(火) 23:46:46.39 ID:JZVxowgo
上条「……やっべえな、屋上で待ってるって言ってたのは昼休みだけど、もう放課後だし多分いねえよな…」

――ガチャリ

上条「お、いた…。悪い、姫神!休み時間はあのバカ二人に絡まれてずっと教室から出れなかったんだ!」

姫神「うん、大丈夫。大体はわかるから」

上条「うぅ…姫神は他の奴らと違って俺のことよく理解してくれるから助かるよ。と、それはそうと用ってなんだ?」

姫神「はい。これ」

上条「なんだこれ…弁当?」

姫神「そう。上条君、前に私のお弁当食べた時また作ってほしいって言ってたから」

上条「そっか…俺のためにわざわざありがとうな、今食べちゃってもいいか?」

姫神「(コクン) じゃあ渡したから、帰るね」

上条「待ってくれ姫神。あの、弁当って一人で食べても寂しいからさ。もしお前がよければ食べてる間一緒にいてくれないか」

姫神「私で。いいの?」

上条「あぁ、お前だからいいんだ」

――

837: 2010/06/09(水) 22:25:04.43 ID:jgK.ajIo
絹旗「はーまづらぁー?」

浜面「ひぃっ!? どこかで聞いたことあるようなないようなそのフレーズは何なんですかぁ!」

絹旗「いいからちょっと浜面、そこに座りなさい。はい、そう、正座です。超正座」

絹旗「とりあえず、超浜面とはいえ色々事情があるのはわかりますよ。ええ、私も鬼ではないですからね。釈明する余地は多少あるかもしれません」

絹旗「だが[ピーーー]!」

浜面「うわぁぁぁ! ちょ待ていや待ってくださいお願いします! この通り土下座でも何でもしますから!」

絹旗「いいえ許しませんよ超浜面。あなたはやってはいけないことをやりました。いくら事情がありようともこれは決して許されざる超重罪です。さようなら、浜面。愛していました」

浜面「うぉい! そこまでマジな事なのかよ! 俺が『他の女の子と話をしていた』くらいで!」

絹旗「『くらい』……? 浜面、あなたは何を言ってるんですか? 氏にたいんですか?」

絹旗「いいからさっさと吐きなさい。あの女性はいったい誰なんですか」

浜面「誰ってその……俺にも女の子の知り合いくらいいるというか……」

絹旗「あぁん? 今何か超寝言が聞こえましたね? 超浜面と仲良くしてくれる女の子なんて学園都市中、いや世界中探してもいるわけがありません!」

浜面「いや……いるだろ……多分、一人くらいは……」

絹旗「ええ、浜面。あなたには一人で十分なんです。それ以上を求めるなんて超おこがましい事にも程があります」

浜面「えぇー。……でもおかしいだろ。お前も見てただろ? 俺は、別に……その……裏切るようなことはしてなかっただろ?」

絹旗「浜面あなた馬鹿なんですか? 超馬鹿なんですね浜面は。知ってますよ。知ってましたけど、けど」

浜面「な、なんだよ……」

絹旗「……ふぅ、しょせん超浜面には女心なんてまるで理解できないんですね。多少なりとも期待した私が超馬鹿でした」

浜面「なんだよ! 俺は別に変なことをしてたわけでは」

絹旗「……もういいです」

浜面「え?」

絹旗「もう超浜面には愛想が尽きました。辛抱の超限界です」

浜面「おい……おい、絹旗!」

絹旗「ばいばい、浜面」
とある魔術の禁書目録 (電撃文庫)
708: 2010/06/08(火) 23:54:38.74 ID:B4siYlwo
姫神「私にも個性がほしい。何かあるはず」

姫神「そうだ巫女装束を着れば初登場時のインパクトを取り戻せるに違いない。確か引越しの時にも捨てずに…」ゴソゴソ

姫神「あった。これを着て明日は学校に行こう。そうすれば目立てる。キャラが立つ…フラグが立つ…ふふふ」

姫神。○(ほわんほわん)

―妄想―

姫神「勢い余って着てきちゃった☆」

上条「うおー!すげぇ似合ってるぜ姫神!サイコーだ!」

土御門「似合ってるにゃー巫女さんだにゃー」

青ピ「口リじゃなくてもこれだけかわいけりゃ誰だって惚れ惚れや!」

小萌「姫神ちゃん!本当はいけないんですけれど、ここまでかわいいと小萌先生もOKしちゃうのですよー」

上条「姫神…いや秋沙!ぜひ俺と付き合ってください!」

姫神「うんいいよ。お付き合いしましょう」

上条「うおー!俺にも幸運がきたぜぇー!!」

――ここまで妄想
姫神。○(ほわんほわn…よだれでちゃった)

姫神「作戦は完璧。イメージトレーニングも終わった。あとは行動に移すのみ」

姫神「いよいよ私が単独表紙の時代がくる。メインヒロインの座を。栄光を。勝利を」

――翌日――

姫神「すー。はー。すー。はー…よし」ガラッ

姫神「勢い余って着てきちゃった☆」

上条「お前どうしたんだ?何か悪いものでも喰ったのか?
         もしかして押入れに生えてる茸とか食べちゃったりしたのか?」

土御門「うはー、リアル巫女ってこんなもんかにゃー…やっぱ二次元の方がいいぜよ」

青ピ「姫神顔真っ赤やん。何かの罰ゲームなん?」

小萌「姫神ちゃん!どんな悩みがあるのか知りませんけど学校には制服で来なきゃだめですよー。ほらジャージにでも着替えてくださいー」

姫神「」

716: 2010/06/09(水) 00:35:11.50 ID:7zLYXADO
――放課後――

――ガラッ

上条「あれ? 姫神が放課後まで残ってるのって珍しいな」

姫神「うん。委員会の仕事でね」

上条「ふーん、そっか」

姫神「上条君はどうしてここに?」

上条「俺か? 俺はやっと補習から解放されて鞄を取りに来たんだよ」

姫神「そう。お疲れ様」

上条「まぁいつものことだしな。それより姫神の仕事はまだかかりそうなのか?」

姫神「多分。でもなんで?」

上条「忙しそうだから手伝おうと思ってさ」

姫神「……、手伝ってくれるならお願いしようかな」

上条「おうよ。雑用から術式破壊まで難なくこなす上条さんが手伝えば100人力ですよ」

姫神「術式?」

上条「ん? あ、ああこっちの話だ。で、俺はなにをすればいいい?」

姫神「えっとね――」

718: 2010/06/09(水) 00:36:55.75 ID:7zLYXADO
上条「――よし、これで片付いたな」

姫神「思ったより時間かかったみたい。ごめんね」

上条「俺が勝手に手伝いを申し出たんだし姫神が謝ることないだろ?」

姫神「でも……」

上条「それに俺が手伝わなかったらもっと時間かかってたってことだろ? 最近日が落ちるのも早くなってきたし、女の子を1人で帰すのも危ないしな」

姫神「……、私。存在感ないからきっと大丈夫」

上条「ん? なに言ってんだ姫神? 人の気がつかない所で気配りが出来る人間が存在感ないわけないだろ?」

姫神「そんなことない。私はメインヒロインじゃないモブキャラから……」

上条「……。よし、良いこと考えた!」

姫神「?」

上条「これから俺とデートしようぜ!」

姫神「か、上条、君と?」

上条「そうだ。主役でヒーローは俺で、そのヒロインが姫神だ。俺は姫神とデート出来て存在感をバリバリ感じる。そして姫神はモブキャラじゃなくて俺のメインヒロインだ! どうだ、完璧だろ?」

姫神「……、」

上条「あ、やっぱり俺なんかじゃ駄目でせうねすいません」

姫神「か、上条君とが、いい! 上条君じゃないと、いや……」

上条「ほんとか!? よしじゃあ早速行こうぜ!」

姫神「うんっ」

743: 2010/06/09(水) 02:01:09.95 ID:7zLYXADO
――学校外――

姫神「上条君。デートって具体的になにをするの?」

上条「へ!? 姫神はしたことないのか?」

姫神「……、うん」

上条「デートって言うのはだな、あー、えーっと、それはだなぁー……うーん、あれ? なにするんだろ?」

姫神「それ。私が聞いたの」

上条「過去を振り返ってみれば上条さんはデートらしいデートをした覚えがないわけで……」

姫神「ほんとに?」

上条「ほんとだって! 女の子と2人で歩く機会があったにしても、なんか振り回されたり巻き込まれたりで落ち着いて歩いた試しがない」

姫神「私とは落ち着ける?」

上条「多分大丈夫だ」

姫神「多分?」

744: 2010/06/09(水) 02:02:05.72 ID:7zLYXADO
上条「それはその……若干緊張してるからと言いますか、ドキドキと言いますか……たはは」

姫神「それなら大丈夫。私もドキドキしてるから」

上条「お、おうそうか」

姫神「……」

上条「……」

姫神「……」

上条「……あー、そうだ。今何時か分かるか姫神?」

姫神「5時ちょっと過ぎ」

上条「5時か……それじゃあちょっと早いけど飯食いに行こうぜ」

姫神「いいけど。家の晩御飯がちょっともったいないかな」

上条「腹が減っては噛み付きに勝てないって言うだろ?」

姫神「聞いたことないけど」

上条「……。とにかく俺は姫神と飯を一緒に食べたいんだ。これはきっと立派なデートだと思うぜ」

姫神「うん。分かった。ご飯食べにいこー」

上条「いこー」

745: 2010/06/09(水) 02:02:56.16 ID:7zLYXADO
――とあるファミレス――

上条「しっかし、女の子って不思議だよなぁ……」

姫神「なにが?」

上条「一応、腹一杯ご飯食べてさ、その後にそれと同じくらい重いパフェを普通に食べるわけだろ?」

姫神「甘いものは別腹」

上条「ほんとにそう思うくらい不思議だよ。でも美味しそうだし気持ちは分からなくもないけどな」

姫神「……、上条君も食べる?」

上条「いいのか?」

姫神「うん。はい」

上条「ぬっ!? これは俗に言う『あーん』ってやつですな!?」

姫神「口調が変になってるよ。食べないの?」

上条「食べる食べたい食べたいですの三段活用ですの」

姫神「やっぱり変。はい、あーん」

上条「あ、あーん」

746: 2010/06/09(水) 02:03:42.98 ID:7zLYXADO
姫神「どう?」

上条「うまい!」テーレッテレー

姫神「良かった」

上条「でもこれって間接キスだよな」

――ガシャン!

上条「お、おい。いきなり肘がテーブルから落ちたけど大丈夫か?」

姫神「へ、平気。少し驚いただけだから」

上条「そうか、気をつけろよ?」

姫神「う、うん。間接、キスもデートっぽくていい、かな」

上条「間接キスって……あ」

姫神「自分で言ってて気がつかなかったの?」

上条「そうみたいだ……」

姫神「酷い男。それで何人の女をたぶらかしたの?」

上条「なっ、(自称)紳士上条さんはそんなことした覚えはありません!」

747: 2010/06/09(水) 02:05:07.67 ID:7zLYXADO
姫神「……」ジトー

上条「うっ、たまにさっきみたいに気がつかないで変な誤解を招くようなことを言ったりやったりしてるみたいだけど……」

姫神「自覚。あったんだ」

上条「皆に殴られたり溜め息吐かれたり、白い目で見られたりしてればいくら鈍感な俺でも気付くさ」

姫神「元気出して」

上条「はは、なんだか世の中の理不尽に押しつぶされそうになってきましたよ……」

姫神「そんな時こそ甘いもの。はい、あーん」

上条「あーん」

姫神「アイスの所だったけど少しはスッキリした?」

上条「ああ、嫌なこと全部吹っ飛んだよ」

姫神「良かった。でももうあげない」

上条「え……?」

姫神「後は私の」

上条「そ、そうだよな! 元はといえば姫神のだもんな……」

姫神「冗談。はい、あーん」

上条「あーん。うん、やっぱり美味しいな」

姫神「ふふっ」

764: 2010/06/09(水) 03:29:57.56 ID:7zLYXADO
上条「あー食った食った。さて、次はどこに行きますかねぇ」

姫神「私。夜はあんまり出歩かないから上条君に任せる」

上条「女の子が夜にほいほい出歩いちゃいけません。例えレベル5でも」

姫神「レベル5?」

上条「い、いやこっちの話だ。夜か……そうだ、ゲーセン行ってみないか?」

姫神「ゲーセン? こんな時間に?」

上条「こんな時間だからこそなんだよ。夜のゲーセンは……熱いぜ?」

姫神「……、どんな風に?」

上条「そうだな、猛者より1つ格の下がる強者が集まるんだよ」

姫神「?」

上条「学園都市って基本的にはほとんど学生だろ? だからやっぱり放課後の時間帯に人が集まるんだよ。そこに強者がいるんだ」

姫神「でも。なんで猛者じゃなくて強者?」

上条「猛者ってのは時間帯問わずさっと現れてはすぐ消えるのさ。それに比べて強者は自分を見せるために人の集まる時間帯に現れては陣取るんだよ。そしていずれ強者同士が対戦し、周りのボルテージは最高にハイってやつになるんだ」

姫神「なるほど。よく分からないけど分かった気はする」

上条「行けば分かるさ。ま、弱者の上条さんはそいつらの引き立て役にしかならないから手を出さないんですけどね」

姫神「……」

765: 2010/06/09(水) 03:31:32.95 ID:7zLYXADO
上条「で、でもそれ以外にも色々イベントがあるんだぜ。昼間のゲーセンには行ったことあるだろ?」

姫神「友達と何回かなら。」

上条「そん時なにかしらのイベントやってなかったか?」

姫神「……。あったと思う」

上条「それが平日だと夜にやるんだ。それこそ日替わり月代わり季節代わりで色々やってるぜ」

姫神「上条君。詳しいね」

上条「よく土御門や青ピと遊んでるからな」

姫神「いいな」

上条「なに言ってんだよ。これから姫神も遊ぶんだ。羨ましがってる場合じゃないぞ?」

姫神「うん。そうだね」

上条「よし、じゃあ上条さんに着いてきなさい」

姫神「待って!」

上条「ん、どうした姫神。忘れ物か?」

姫神「手。にぎ、らない? デート、らしく」

上条「お、おう。それもそうだな。ごめんな気がつかなくて」

姫神「ううん。私のわがままだから」

766: 2010/06/09(水) 03:33:00.35 ID:7zLYXADO
上条「そんなわがままの内に入らないって」

姫神「そうなの?」

上条「わがままは女のアクセサリーって言うだろ?」キリッ

姫神「……。それを言うなら。嘘は女のアクセサリー。が正解」

上条「うわっ……かっこわる……」

姫神「ドンマイ」

上条「物凄く消えてなくなりたい気分ですよ……」

姫神「それくらいで消えてたら私なんて空気ですらないものになってしまう」

上条「俺はその空気ですらないものになりたい……」

姫神「そしたら私は空気ですらないものより不確かな粒子になるしかない」

上条「なぁ、これ以上下が見つからないからやめにしないか?」

姫神「私もそう思う」

上条「それじゃ、改めて向かいますか」スッ

姫神「うん。れっつごー」スッ

上条「ごー」

798: 2010/06/09(水) 16:08:03.91 ID:7zLYXADO
――とあるゲーセン――

上条「うらっ、うらっ」

姫神「抜かせない」

上条「それっ、それっ」

姫神「そのパターンは見切った」

――You Win

上条「……なぜ勝てない」

姫神「上条君は攻撃がワンパターン」

上条「くっそう。ん? 姫神、これやったことないって言ってなかったか?」

姫神「アーケード版は今日初めてやった」

上条「アーケード版はってことは……」

姫神「ゲーム自体は小萌としばらく一緒にやってた。そこで鍛えられた」

上条「なんと」

姫神「アーケード版でコントローラー持つのとは勝手が違うからどうなるか心配だったけど。意外と大丈夫だったみたい」

上条「小萌先生か……それじゃ俺が勝てるはずないよなぁ」

799: 2010/06/09(水) 16:08:33.16 ID:7zLYXADO
姫神「小萌がどうかしたの?」

上条「ん、あぁ。あれは姫神がこっちに転校してくる前に、クラスでこのゲームの一作前が凄い流行ったんだよ」

上条「皆がそれに夢中になってさ、クラスの奴らがずっとピリピリした感じになってて、それを見かねた小萌先生はそのゲームやってる奴を一人一人家に呼び出してフルボッコにしていったんだ」

姫神「フルボッコ?」

上条「そうフルボッコだ。それで自信とやる気を喪失した俺達は自然とそのゲームから離れていった。これでクラス雰囲気は元通りなったとさ、おしまいおしまい」

姫神「小萌。やっぱり凄い人。侮れない」

上条「姫神はその小萌先生に鍛えられたんだ、通りで勝てないわけだよ」

姫神「小萌。そんなに上手いの?」

上条「そうだな、さっき例えに出した猛者に小萌先生は入るんじゃないかな」

姫神「それは。驚き」

上条「小萌先生はかつてオランダ代表やミランで活躍したエドガーダービッツに因んで『学園都市のダイナモ』と呼ばれてるんだぜ」

姫神「なんだかよく分からないけど。とにかく凄いんだね?」

上条「そうだな。今度クラスの奴らに話を聞いてみると貴重なフルボッコ体験談が聞けると思うぜ」

姫神「うん。分かった」

800: 2010/06/09(水) 16:09:03.83 ID:7zLYXADO
姫神「そういえば。今日のイベントってなに?」

上条「今日はだな……お、あったあった。えーっと、カナミンのコスプレ衣装貸し出し半額だってさ」

姫神「っ! ついに私の時代が来た。これで勝てる」

上条「姫神、急にどうしたんだ……?」

姫神「乗るしかないこのビックウェーブ」

上条「あのー、姫神さん?」

姫神「皆の者、馬を引け! 丘へ向かうぞ!」

上条「こ、こんな神々しい姫神は初めて見るぞ……! なんか俺、わくわくしてきたぞ!」

姫神「それで。その衣装貸し出しはどこでやってるの?」

上条「え、あ、基本はそのテンションなんすね」

姫神「なんのこと?」

上条「いや、なんでもない。それならこっちの通路だな」

姫神「分かった。早く行こう」グイ

上条「あ、おい引っ張るなよ」

801: 2010/06/09(水) 16:09:39.20 ID:7zLYXADO
姫神「これはっ……!!」

上条「ん? これは超機動少女カナミンツインスネーク(勝手に考えた第三期の名前)のマインの衣装か」

姫神「上条君。分かるの?」

上条「インデックスがよく見てるからな。大体のことは分かるぜ」

姫神「そういえば。シスターちゃんはどうしてるの?」

上条「インデックスなら今友達の所だな。補習で遅くなるって言ってるし大丈夫だろ」

姫神「友達さんが可哀想な気がするのはきっと気のせいじゃない」

上条「……。にしても、姫神はこういうのに興味あるんだな」
姫神「魔法少女は全ての女の子の憧れ」

上条「そんなもんかね?」

姫神「絶対にそう。男の子が戦隊物に憧れるようなもの」

上条「お、確かに言われてみればそうだな」

―――

「ねーねー、まだ食べたりないかも」

「はァ? 一体お前の胃袋はどォなってンですかァ?」

「海よりも深く、そして広いんだよ!」

「さすがはシスターさんだね! ってミサカはミサカはその食いっぷりに感心してみる!」

802: 2010/06/09(水) 16:10:07.83 ID:7zLYXADO
上条「姫神、そろそろいいか?」

姫神「うん。大丈夫」

上条「じゃ、開けるぞ」

姫神「あ、ごめ、まっ――」

――ガラッ

上条「あ……」

姫神「見ないで!」ゴスッ

上条「ありがとうございます!」フゴッ

―――

姫神「えOち。すけべ。変O」

上条「すいません。ほんとにすいません」

姫神「普通。男が開ける?」

上条「開けません。右手が欲求に素直だったみたいですすいません」

姫神「分かればいい。前を締め忘れてた私も悪かったし……」
上条「色んな意味でありがとうございます」

姫神「ちゃんと反省して」

上条「はい……」

803: 2010/06/09(水) 16:10:34.99 ID:7zLYXADO
姫神「その右手。没収しようかな」

上条「うぇ!? はは、なんか嫌な汗が流れてきた……」

姫神「え? ……、その。ごめんなさい」

上条「姫神が謝ることじゃないんだ。それより、その衣装似合ってるな」

姫神「ほんと?」

上条「あぁ、まさに着こなしてるって感じだ。その……可愛いよ」

姫神「あ、ありがと」

上条「おう……」

姫神「……、上条君。こういうの好きなの?」

上条「ぶっ!? 違う! 決してそういう訳じゃないぞ!? いつもの制服姿とは違う格好にトキメキを隠せないと言いますかって当麻は当麻はなにを言ってるんでせうか!?」

姫神「上条君て焦るとなんか変になるんだね」

上条「自覚はあります」

姫神「コスプレ好きも?」

上条「自覚は……って違う! どっかのバニー野郎と一緒にしないで!」

姫神「バニー……?」

―――

「ぶぇっくしょん!」

「はまづら、もしかして風邪?」

「最近寒くなってきたしなぁ」ズズッ

「暖めてあげる」

「た、滝壺ぉ!?」

804: 2010/06/09(水) 16:11:26.27 ID:7zLYXADO
上条「それじゃ、せっかくだから写真撮ってもらおうぜ」

姫神「うん。……でもちょっと恥ずかしいかな」

上条「大丈夫だって。ここのカメラマン腕良いからさ」

姫神「私のコスプレ写真とか誰得?」

上条「少なくとも俺得だな」

姫神「……、そうなんだ。楽しみにしてて」

上条「おうよ!」

―――

姫神「うう。やっぱり恥ずかしかった」

上条「それにしては最後の方はノリノリでポーズ取ってたじゃん」

姫神「あれは。カメラマンさんが乗せるのがうまくてつい乗ってしまった」

上条「やっぱりあのカメラマン腕良いな。ほら、見ろよ全部可愛く撮ってくれてるぜ」

姫神「かわ、可愛いって。……、上条君相手に商売したら儲けそう」

上条「うっ、俺の財布の主成分が窒素で超埋まりそうです」

姫神「その写真。非売品だから大事にしてね」

上条「あぁ、大事にするよ。……おっともう結構時間経ってるな。そろそろ帰るか」

姫神「うん」

805: 2010/06/09(水) 16:12:04.41 ID:7zLYXADO
――帰り道――

上条「いやー今日は楽しかったな!」

姫神「私も。楽しかった」

上条「どうやら上条さんの『デートで姫神をプレンセスに』作戦は成功したみたいだな」

姫神「……。そんな作戦名いつ考えたの?」

上条「ん? いつって最初からだぞ?」

姫神「そうだったの……(ダサいなんて言えない)」

上条「なぁ、姫神。俺は別に皆のメインヒロインにならなくたっていいと思うんだよ」

姫神「どういうこと?」

上条「『皆の』じゃなくて『誰かの』メインヒロインになればいいんだ」

姫神「私はその『誰か』にもスルーされるエアヒロイン……」
上条「あーもう、なんですぐそうやって卑屈になるんですか姫神さんは」

姫神「え?」

上条「姫神は俺のメインヒロインだ!」

姫神「っ!?」

806: 2010/06/09(水) 16:12:35.75 ID:7zLYXADO
姫神「それは。今日の設定じゃないの……?」

上条「今日はそのつもりでいた」

姫神「……、今日、は?」

上条「ほんとはもっとデートして仲良くからだと思ってた。でも今の姫神を見てたらそんなのは幻想だった」

姫神「……」

上条「姫神好きだっ! 俺の、俺だけのメインヒロインになってくれ!」

姫神「っ!!」

上条「皆の、誰かのメインヒロインになるなんて俺は考えられない。もしそんな奴が現れたら右ストレートでぶっ飛ばす!」

姫神「……。それはやり過ぎ」

上条「それくらい俺は本気なんだ」

姫神「……」

上条「返事を聞かせてくれないか?」

姫神「私で。いいの?」

上条「あぁ、姫神がいい。姫神じゃなきゃ、嫌だ」

姫神「……、私。これから上条君のメインヒロインになる」

上条「ほんとか!? ありがとうな姫神!!」

807: 2010/06/09(水) 16:13:02.02 ID:7zLYXADO
姫神「あ。もしかして。鞄忘れたのってわざと?」

上条「うぉ! いきなりバレた!?」

姫神「普通は補習にも鞄持って行くよね」

上条「仰る通りで……」

姫神「デートに誘ったのも?」

上条「あれは偶然の産物だな。初めは姫神が委員会の仕事で残ること知ってたから、鞄を口実に2人で話せたらいいなってくらいしか思ってなかったんだけど……」

姫神「けど?」

上条「姫神の卑屈な姿を見たらこのままじゃいけないと思って気がついたら勢い余ってデートに誘ってた」

姫神「卑屈なのもたまには良いんじゃない?」

上条「はは、そうかもしれないな。……あのさ姫神」

姫神「なに?」

上条「俺達、その……恋人同士なんだよな?」

姫神「うん。そう、だね」

上条「だからさ、お互い下の名前で呼ばなないか? 恋人同士なのに名字で呼び合うってなんか変じゃないか?」

姫神「わか、った。とう、ま君」

上条「あ、秋沙」

808: 2010/06/09(水) 16:13:39.25 ID:7zLYXADO
姫神「……」

上条「……好きだぞ」

姫神「私も。好き」

上条「……あー、一緒に帰れる日は一緒に帰ろうな」

姫神「自分から言っといて話題を変えるとは。かみ……当麻君はまず補習にならないように頑張らないとね」

上条「すいません馬鹿ですいません」

姫神「今度は当麻君が卑屈になってる。ダメ。絶対」

上条「はい……」

姫神「勉強は得意だから任せて。これはフラグ。逃したら損」

上条「ははは、頼もしいな秋沙は」

姫神「それほどでも。あ。ここまでくればもう大丈夫だから」

上条「そうか」

姫神「送ってくれてありがと。明日もお願い出来るかな?」

上条「もともとそのつもりだったさ。それじゃあまた明日な秋沙」

姫神「また明日当麻君。おやすみ」

上条「あぁ、おやすみ」

809: 2010/06/09(水) 16:15:12.15 ID:7zLYXADO
エンダアアアアアアアイヤアアアアアアアってことでこれで上姫SSは終わります

ところでこの曲名なんだっけ?喉まできてるんだけど思い出せない……

838: 2010/06/09(水) 22:25:50.51 ID:jgK.ajIo
浜面「な、にを……」

浜面「あいつ……」

浜面「行っちまいやがった……」

浜面「俺が悪いのか……」

浜面「いや俺は悪くない」

浜面「俺は何も間違ったことはしていない」

浜面「していないんだ……」

浜面「……」



浜面「……ん」

浜面「寝ちまったか……」

浜面「ん、スプレーの缶……?」

浜面「そうだ、絹旗!」

浜面「いや、でも、俺は……」

滝壺「はまづら」

浜面「……滝壺、か……」

滝壺「久しぶり、はまづら」

浜面「元気だったか、お前らは」

滝壺「うん、元気だよ。麦野なんかこの前『あー、浜面はいないかしら。たまにブッ頃したくなるのよねー、あいつ』とか言ってたし」

滝壺「フレンダは、あっちでも鯖缶ばかり食べて、浜面のことなんて欠片も思い出してる様子がないし」

浜面「はは、変わらないな」

滝壺「うん。はまづらたちは、元気?」

浜面「……元気だよ」

滝壺「……きぬはたは?」

浜面「見りゃわかるだろ? この部屋だってあいつが暴れまわってこの有様だ。はは、ちょっと元気すぎるか?」

滝壺「……そうだね」

839: 2010/06/09(水) 22:27:16.98 ID:jgK.ajIo
浜面「……」

滝壺「……」

浜面「わかってる」

滝壺「……」

浜面「やめろよ」

滝壺「……」

浜面「そんな目で見るなよ」

滝壺「……」

浜面「違うんだ」

滝壺「……」

浜面「俺は悪くない」

浜面「俺は間違ったことはしてないんだ」

浜面「俺がやったことは正しかったんだ!」

浜面「ああするしかなかった」

浜面「だって俺には」

840: 2010/06/09(水) 22:27:46.51 ID:jgK.ajIo
浜面「俺はヒーローなんかじゃない」

浜面「俺は、ただの人間は、できることとできないことがあるんだよ!」

浜面「俺はあいつみたいに! お前らみたいにはなれないんだ!」

浜面「だって、俺はスキルアウトで、落ちこぼれで、出来損ないで、役立たずで、邪魔者で、ガキで、クズで、馬鹿で、無能力者で!」

浜面「俺なんていなけりゃよかったんだ! そうすれば」

滝壺「大丈夫、はまづら」

滝壺「私は、スキルアウトで、落ちこぼれで、出来損ないで、役立たずで、邪魔者で、ガキで、クズで、馬鹿で、そして」

滝壺「無能力者でも、そんなはまづらを応援してるよ」

滝壺「だから、負けないで」

滝壺「はまづらは、はまづらがそう思っていなくても」

滝壺「私にとっては、とっても格好良いヒーローだったから」

滝壺「おやすみ、はまづら」

滝壺「また会おうね」

841: 2010/06/09(水) 22:28:12.25 ID:jgK.ajIo
浜面「……」

浜面「…………」

浜面「滝壺……」

浜面「ああ、そうだな」

浜面「また会おうぜ」

浜面「さて、絹旗の超馬鹿野郎を連れ戻しに行くか!」



絹旗「あんな事を言って家を出たのはいいんですが」

絹旗「行く当てが超ありません……」

絹旗「もうこんな時間ですし、あまり放浪してると警備員が煩そうです……」

絹旗「こうなったら氏ぬほど不服ですが、五月の……」

絹旗「……?」

絹旗「あ、あなたは……」



浜面「よう、絹旗」

絹旗「……」

浜面「やっぱり、ここにいたか」

絹旗「……」

浜面「やっぱお前がいるのはここだよな」

浜面「映画館」

浜面「お前は絶対ここにいる、って思ったぜ」

浜面「2人で何度も来たもんな」

浜面「こんな寂れた場所でも──」

絹旗「浜面」

浜面「おう」

絹旗「麦野に会いました」

842: 2010/06/09(水) 22:30:15.96 ID:jgK.ajIo
絹旗「どういうことですか」

浜面「……何が、だ」

絹旗「どうして!」

絹旗「麦野は!」

絹旗「麦野は私に言ったんです!」

絹旗「『あら、久しぶりね、絹旗』って」

絹旗「ただ、それだけで。たったのそれだけで!」

絹旗「それだけで麦野は行ってしまったんですよ!」

絹旗「何なんですか!」

絹旗「それだけなんですか!」

絹旗「私は、」

絹旗「私は、それだけの存在なんですか!」

絹旗「私は、アイテムにとって、麦野にとって、滝壺さんにとって、フレンダにとって」


絹旗「浜面にとって!」


絹旗「私の存在はその程度なんですかぁ!」

浜面「絹旗」

絹旗「うっ……うっ……」

浜面「お前さっき言ってたな。俺と話していた女の子が誰かって」

絹旗「うっく……」

浜面「あれは滝壺だ」

絹旗「え……」

絹旗「だって、え、え?」

絹旗「だって、あの女性は」

絹旗「目に包帯を巻いていたじゃないですか!」

絹旗「……まさか」

843: 2010/06/09(水) 22:32:30.06 ID:jgK.ajIo
浜面「そうだ、滝壺はもう『目』が見えない」

浜面「フレンダは『足』がもう動かない」

浜面「麦野はもう『腕』がない」

絹旗「嘘です! 麦野は私と会ったとき!」

浜面「コートを着ていただろう? 腕を覆うように」

絹旗「っ……」

絹旗「どういうことですか……」

絹旗「なんでそんなことに……」

浜面「俺にもわからない」

浜面「どうしてこうなってしまったのか」

浜面「どうしてこんな目に合わなきゃいけないのか」

浜面「俺にもさっぱりわからねぇんだよ!」

絹旗「っ!」

浜面「俺たちが何をしたっていうんだ!」

浜面「俺たちが悪いことは何もしていないとは言わない!」

浜面「それでも! それでも、ここまで酷いことをされて!」

浜面「それで泣き寝入りしろだって? ふざけんな!」

浜面「どうして俺だけ! 俺だけ何もないんだ! 俺には何も価値がないのか! 何も奪うに値するものがないのかよ!」

浜面「くそっ! くそぉ!!!」

絹旗「……私たちは暗部です」

浜面「あ?」

絹旗「この程度のこと、この世界に入ったときに覚悟はしていました。おそらく麦野も滝壺さんもフレンダも」

絹旗「だから」

844: 2010/06/09(水) 22:33:15.34 ID:jgK.ajIo
浜面「覚悟していたから何なんだよ!」

浜面「お前らがそれが辛くないわけがないだろう!」

絹旗「っ……でもその3人に比べて、私は何も失ってなんか……」

浜面「自分でもわかっているんだろ?」

浜面「お前にはもう『窒素装甲』が出せない」

絹旗「っ!!」

浜面「前にも言っただろ、お前はもう『ただの女の子』なんだ」

浜面「お前は『能力』を奪われた」

絹旗「……いつから気づいていました?」

浜面「ついさっきだ。お前がやけにヘアスプレーの缶を持っているのを強調するのはそれを誤魔化すためなんだろ?」

浜面「でも残念だったな、さっき急に家を飛び出した時に、これ、置きっ放しだったぜ」
絹旗「……私がまだ予備を持ってるとは思わなかったんですか?」

浜面「ははっ、んなわけねぇだろ。そんなことない事はお見通しだぜ」


浜面「だって、俺とお前のあの家の家計は俺が管理してるんだぜ?」



845: 2010/06/09(水) 22:33:47.30 ID:jgK.ajIo
絹旗「……」

浜面「……」

絹旗「ぷっ」

浜面「……」

絹旗「ふっ、くくっ」

浜面「……」

絹旗「あは、あはははははははは」

浜面「……笑うなよ」

絹旗「だって、あはっ、超浜面が超キメ顔で『家計は俺が管理してるんだぜ?』って、ぷっ、ふふふふっ」

浜面「くそっ、笑うな!」

絹旗「きゃっ、ちょ、ちょっと浜面、やめて下さい!」

浜面「はっはー、お前はもうただの女の子だからなー。抵抗できるならしてみるがいい。へっへっへ」

絹旗「……浜面……超キモイ……」

浜面「なんだと!」

絹旗「……いいですよ」

浜面「……」

絹旗「浜面なら……私を好きにしてもいいです」

浜面「……そのまんまの意味に取るぞ」

絹旗「ええ」

846: 2010/06/09(水) 22:34:24.76 ID:jgK.ajIo



    絹旗「絹旗最愛は、浜面仕上に全てを捧げます」



847: 2010/06/09(水) 22:35:09.98 ID:jgK.ajIo
浜面「……急に何を」

絹旗「……覚悟が必要なんです」

絹旗「大事なものを失って、それでも前に歩き続けるためには、覚悟が必要なんです」

絹旗「私にとってそれは、超愛している人に自分の全てを預けること」

絹旗「全てがあなたのものになりたい」

絹旗「あなたの全てをものにしたい」

絹旗「これは契約です」

絹旗「お互いが決して破ることのない」

絹旗「最初で最後の、契約です」

絹旗「……いいえ、あなたは破っても構わない」

絹旗「あなたの意思はあなたのものです」

絹旗「でも」

絹旗「私の意思は私のものです」

絹旗「だから」

絹旗「私はあなたのものになります」

絹旗「これは私の意思で、契約で、誓いで、けじめで、覚悟です」


絹旗「きっと私はあなたに恋(依存)してるんです」


848: 2010/06/09(水) 22:35:58.20 ID:jgK.ajIo
絹旗「浜面、いや、仕上さん」

絹旗「私を受け入れてくれますか?」

浜面「絹旗、お前……」

絹旗「最愛と呼んでください」

浜面「ぐっ……さ、最愛」

絹旗「はい♪」

浜面「お前、俺の答えをわかっていて聞いてるだろ?」

絹旗「はい♪」

浜面「……お前、ずるいぞ」

絹旗「女はずるいものなんですよ、浜面っ♪」

浜面「くっそー! こうなったらいきつくとこまで!」

絹旗「超駄目です♪」

浜面「うげっ! そ、そこは……」

絹旗「まったく男は超狼なんですから……超油断なりません」

浜面「絹旗さン……急所は……ちょっと……」

絹旗「ふん! 超浜面にはいい罰です」

浜面「だって、さっきの流れだったらOKな感じでしたよね……?」

絹旗「はぁ……わからないんですか? これだから超浜面は」

絹旗「私は『返事』を聞いていませんよ? 仕上さん」

849: 2010/06/09(水) 22:36:39.63 ID:jgK.ajIo



    浜面「……ああ、世界で一番愛してる、最愛」

    絹旗「私もです。この世で最も愛しています。仕上さん」



850: 2010/06/09(水) 22:37:18.42 ID:jgK.ajIo
以上。

あー、saga忘れた。
それに、改行オーバーして11レスどころじゃなくなっちゃいましたね。
申し訳ない。

引用: ▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-5冊目-【超電磁砲】