1: 2012/03/30(金) 20:25:01.27 ID:GdUmcSH30
アーチェ「えっ、まあ……うん」

クレス「なぜだい?」

アーチェ「う……ちょっとした経験があるっていうか」

クレス「へえ、僕も興味あるな。どんな経験だい? よかったら教えてくれないか?」



28: 2012/03/30(金) 22:18:02.72 ID:XIxOxSZi0
アーチェ「えっ!?お、教えるって……そ、その……」

クレス「? どうかしたの?」

アーチェ「く、クレス……意味、わかって言ってる?」

クレス「わからないから聞いてるんじゃないか」

アーチェ(おぉう……どうしよ……昔付き合ってた人とのことを教えるの……?えー……そんなこと話したら、クレスあたしに幻滅するんじゃないかな……)

クレス「教えてくれないのか……?」

アーチェ(な、なんでそんなに落ち込むのクレスっ!?)

30: 2012/03/30(金) 22:21:29.00 ID:XIxOxSZi0
アーチェ「い、いやいや別に教えないなんて言ってないじゃんっ!?」

クレス「それじゃ、教えてくれるのか?」

アーチェ「え、だからその……」

クレス「?」

アーチェ(……クレスのこの反応……どうやらホントに意味わかってないっぽいね)

アーチェ(と、遠まわしに言ってあげればいいのかなっ?)

アーチェ「あ、あの、さ……ユニコーンってさ、清らかな乙女しか会えないってミント言ってたじゃん?」

クレス「ああ、そう言えば言ってたね。まぁ、結局僕やクラースさん、アーチェも会うことが出来たけど」

32: 2012/03/30(金) 22:26:05.25 ID:XIxOxSZi0
アーチェ「あれは多分、ダオスの手先の襲来で場が混乱してたからだよ」

クレス「うーん……言われてみると、確かにそうかも」

アーチェ「つまり何が言いたいかって言うと、あの時あんなことがなかったら、あたしはユニコーンに会えないだろうなって思ったわけよ」

クレス「それ、あの時も同じようなこと言ってたよね?」

アーチェ(普通ならこれだけで意味通じると思うんだけどっ?事実、クラースには通じてたっぽいしっ!)

クレス「結局、それはどういう意味なの?」

アーチェ「だからその……ホラ、思い出す!ユニコーンに会えるのは?」

クレス「清らかな乙女……だよね」

アーチェ「そしてあたしは会えないかなって思った。つまりそれが意味する事とは?」

クレス「………??」

アーチェ(クレスのにぶちんーーーーーーっっ!!)

34: 2012/03/30(金) 22:30:36.96 ID:XIxOxSZi0
クレス「ごめん、遠まわしに言ってるんだろうけどさ、やっぱりわからないよ」

アーチェ「うぅ……クレスって、実はドSなんじゃないの……?」

クレス「し、失礼なっ!ぼ、ぼぼぼ僕はノーマルだよっ!」

アーチェ「だって、あたしにその事を言わせようとするなんて……」

クレス「その事って……僕はただ、わからないから聞いてるだけなんだけど……」

アーチェ「だったら、クラースにでも聞いてみたらいいんじゃないのっ?」

クレス「えっ?」

アーチェ「クラースならきっと知ってるよ!うん、そうだ、それがいい!と言うことで、あたしはそろそろ寝るから!んじゃね、クレス!」ダッ

クレス「あっ、ちょっとアーチェっ!?」

ガチャ バタン

クレス「……行っちゃった」

36: 2012/03/30(金) 22:33:39.38 ID:XIxOxSZi0
宿の外―――

アーチェ(もうっ、クレスのバカバカ!)タッタッタ

アーチェ(……はぁ、こりゃミントは苦労するだろうなぁ……)タッタッタ……スタスタ

ヒュ スカンッ

アーチェ(……?なんの音だろ?)

ヒュ スカンッ

アーチェ(宿の裏手から聞こえて来るのかな……?)スタスタスタ

宿の裏―――

チェスター「ふっ!」

ヒュ スカンッ

アーチェ(……チェスター……?)

38: 2012/03/30(金) 22:36:19.85 ID:XIxOxSZi0
チェスター「はっ!」

ヒュ スカンッ

アーチェ「チェスター。また一人で修行してんの?」

チェスター「あん?……アーチェか」

ヒュ スカンッ

アーチェ「あんたも努力家だねぇ……」

チェスター「ほっとけ」

ヒュ スカンッ

チェスター「……なんか、毎晩これをやるのが日課になっちまっててな。やらねぇと落ち着かねぇんだ」

アーチェ「ふーん……」

ヒュ スカンッ

40: 2012/03/30(金) 22:39:30.22 ID:XIxOxSZi0
チェスター「そういうお前こそ、こんな夜中にこんなとこ来てどうした?まだ寝ないのか?」

アーチェ「え、あ、うん……ちょっと、ね」

ヒュ スカンッ

チェスター「? なんだよ、含みを持たせたような言い方して」

アーチェ「クレスがさぁ、あたしのことをいじめるわけよ」

ヒュ スカンッ

チェスター「クレスが?なんでまた」

アーチェ「んー……未来に来る前のことで、気になったことを教えて欲しいー、だってさ」

ヒュ スカンッ

チェスター「俺が合流する前のことか」

アーチェ「そゆこと」

ヒュ スカンッ

41: 2012/03/30(金) 22:42:14.68 ID:XIxOxSZi0
チェスター「弓の練習の片手間でよけりゃ、話聞いてやるぞ?」

アーチェ「ば、バカっ!こんなこと、人に相談するようなことじゃないってばっ!」

ヒュ スカンッ

チェスター「……なんだよ、人が親切に話を聞いてやろうって言ってるのに」

アーチェ「だ、だってさ、クレスったら酷いんだよっ!ユニコーンに会いに行った時に、あたしも一緒に行けー、だなんて!」

ヒュ スカンッ

チェスター「ユニコーン?……ああ、ミントが持ってるあの杖の本体か」

アーチェ「うん」

ヒュ スカンッ

43: 2012/03/30(金) 22:44:45.25 ID:XIxOxSZi0
チェスター「で?そのユニコーンがどうかしたのか?」

アーチェ「ユニコーンってさ、清らかな乙女しか会えないって言われてるらしいのよ」

ヒュ スカンッ

チェスター「清らかな乙女、ねぇ……」

アーチェ「なによ、その何か言いたげな返事は?」

ヒュ スカンッ

チェスター「それに、お前とミントの二人が会いに行って来いってクレスが言ったのか?」

アーチェ「そうなのよ。酷いと思わない?」

ヒュ スカンッ

チェスター「まぁ確かに、お前は清らかな乙女とは言えないよなぁ」

アーチェ「え」

ヒュ スカンッ

46: 2012/03/30(金) 22:47:07.68 ID:XIxOxSZi0
アーチェ「それ、どういう意味?」

チェスター「どういうも何も、言ったままの意味だけど?」

ヒュ スカンッ

チェスター「で?その後はどうなったんだよ」

アーチェ「むー……まぁ、その追求は後でいっか」

ヒュ スカンッ

アーチェ「まぁ、チェスターの言うとおり、あたしじゃユニコーンには会えないかなぁって思ったのよ」

チェスター「なんだ、自覚あるんじゃねぇか。自分は清らかな乙女じゃない、って」

ヒュ スカンッ

アーチェ「ぐぬぬ……いちいち突っかかる言い方するわね……」

チェスター「話を逸らすなよ」

ヒュ スカンッ

47: 2012/03/30(金) 22:50:50.49 ID:XIxOxSZi0
アーチェ「話を逸らしてるのはあんたでしょうが!」

チェスター「あーうるさいうるさい。わかった、悪かったよ。んで?」

ヒュ スカンッ

アーチェ「それでさ、そのユニコーンがいるっていう森の中で、ミントと分かれたのよね。あたしが一緒じゃユニコーンは姿を現さないだろうなって思ってたから」

チェスター「ふーん……で?なんでお前は自分が清らかな乙女じゃないなんて思ったんだよ?」

ヒュ スカンッ

アーチェ「そ、それはその……」

チェスター「?」

ヒュ スカンッ

アーチェ「あーもうっ!結局同じじゃないの!」

チェスター「………まさか」

ヒュ スカッ

48: 2012/03/30(金) 22:53:08.15 ID:XIxOxSZi0
アーチェ「そうよ!昔付き合ってた人と、色々とあったのよ!」

チェスター「っ!?」

ポロ

アーチェ「そんなことがあったから、あたしじゃユニコーンには会えないかなって思ったの!悪い!?」

チェスター「え、あ、いや……その……」

アーチェ「ったくもう……なんで男はみんな鈍いのよ……」

チェスター「ま、マジで?」

アーチェ「マジもマジで大マジ!悪かったわね、清らかじゃなくって!」

チェスター「oh……」

51: 2012/03/30(金) 22:57:11.58 ID:XIxOxSZi0
宿の酒場―――

クラース「ふぅ……親父、もう一杯だけ貰えるか?」

クレス「はぁ……」ストン

クラース「ん?クレス?珍しいな、こんな時間にこんなところに来るなんて」

クレス「はい……ミントは?」

クラース「ミントなら、もう部屋で寝てるんじゃないのか?」

クレス「そうですか……」

クラース「……なんだ、何やら落ち込んでるみたいだな。どうかしたのか?」

クレス「なんか、アーチェを怒らせてしまったみたいで……」

クラース「アーチェを?何をしたって言うんだ」

52: 2012/03/30(金) 23:01:44.40 ID:XIxOxSZi0
クレス「いや……過去の世界でのユニコーンの森のこと、覚えてますか?」

クラース「ああ。確か、ダオスの手先が襲って来たんだったな」

クレス「その時、ミントと一緒に行動してたはずのアーチェが別行動してましたよね?」

クラース「森の別のところにいたんだったか」

クレス「ちょっとその事を思い出して、疑問に思って聞いてみたんですよ。なんで別行動を取ってたのか、って」

クラース「……ははぁん。なるほど、な」

クレス「なんでアーチェ、そんなことで怒ったんですかね?」

クラース「そりゃ、怒りもするだろうさ」

クレス「? そう言えば……アーチェ、クラースさんならわかってるって言ってましたけど」

クラース「ああ、俺はわかっているが」

クレス「なんで別行動を取ってたんですか?」

54: 2012/03/30(金) 23:05:34.04 ID:XIxOxSZi0
クラース「ふふ、知りたいか?」

クレス「知ってるなら教えてくださいよ」

クラース「はっはっは。クレスもまだまだ若いな!いやぁ、若いっていいねぇ」

クレス「おじさん臭いこと言わないでくださいよ……クラースさんだってまだ若いじゃないですか」

クラース「なに、簡単なことさ。ユニコーンとは、清らかな乙女としか会えないってミントは言っていただろう?」

クレス「ええ、言っていましたね」

クラース「そしてアーチェは、自分はその条件は満たしていないと思った。ここまでは理解出来るな?」

クレス「はぁ、まぁわかりますが……」

クラース「つまりだ。アーチェは清らかな乙女じゃない、って本人は思ったってことだ」

クレス「??」

クラース「……ここまで言っても理解できないのか。純真だな」

クレス「は、はぁ……?」

56: 2012/03/30(金) 23:09:58.84 ID:XIxOxSZi0
クラース「なら逆に聞こう。クレスは清らかな乙女とは、どういうものだと思う?」

クレス「どういうもの……って……そりゃ、やっぱりミントみたいな女性のことじゃあないんですか?」

クラース「まぁ、あながち間違ってはいないな。実際にミントは会えたわけだしな」

クレス「………」

クラース「じゃあ、ミントが備えている『清らかな乙女』の条件を上げてみろ」

クレス「え……そ、それはその……」

クラース「そんな反応をすると言うことは、その辺りの条件はなんとなくわかっているんだな?」

クレス「そ、そんなこと恥ずかしくて言えるわけないでしょう!?」

クラース「つまりはそういうことだ」

クレス「…………あ」

クラース「ようやく、理解出来たか?」

クレス「まさか僕、アーチェにすごく失礼なことを聞いていたんじゃ……?」

58: 2012/03/30(金) 23:14:53.98 ID:XIxOxSZi0
クラース「理解出来たのなら、早いところアーチェに謝っておくことだな」グイッ

クレス「………ありがとうございます、クラースさん。僕、アーチェを探してきます」スック

タッタッタ―――

クラース「ふぅ……世話のかかる奴らだ。さて、わたしもそろそろ寝るとするかな」

宿の裏―――

アーチェ「………」ムスッ

チェスター(き、気まずい……と言うか、なんでアーチェはまだここに残ってるんだよ……?)

クレス「アーチェーっ!どこにいるんだーっ?」

アーチェ「!」

チェスター「……ほら、アーチェ。クレスの奴、探してるぞ?」

アーチェ「……ふんだ。あたしに散々失礼なこと聞いたんだから、もっと困ればいいのよ」

60: 2012/03/30(金) 23:19:05.54 ID:XIxOxSZi0
チェスター「はぁ……しっかし、予想外だったな」

アーチェ「なにが?」

チェスター「え?いや、ホラ……お前が、その、経験済みってことがだよ」

アーチェ「幻滅した?」

チェスター「んなわけねぇだろ!大体、俺はそんなこと気にしねぇっての!」

アーチェ「っ……」

チェスター「って、何言ってんだ俺は!これじゃまるでプロポーズしてるみてぇじゃねぇか!」

アーチェ「………」

チェスター「わ、悪いなアーチェ。今の、取り消しな」

アーチェ「何言ってんのさ、バカ……」

チェスター(なんでちょっと満更でもない反応をっ!?くっ、俺は流されないぞ!)

64: 2012/03/30(金) 23:22:51.48 ID:XIxOxSZi0
タッタッタ―――

クレス「あ、いた!……って、チェスターも一緒か」

チェスター「よ、ようクレス!こんな夜中にどうした?」

アーチェ「……」ムスッ

クレス「いや、アーチェに用があったんだ」

アーチェ「何さ……」

クレス「ごめんっ!」

アーチェ「……」

クレス「意味、わかったよ。僕、アーチェにすごい失礼なことを聞いてたみたいで……」

アーチェ「……クレスは、あたしに幻滅した?」

クレス「そ、そんなことは!」

66: 2012/03/30(金) 23:25:45.19 ID:XIxOxSZi0
アーチェ「なんてね、冗談冗談。クレスがあまりにも鈍いから、ちょっとからかっただけ」

クレス「そ、それじゃ……?」

アーチェ「別に怒ってないよ、あたしは。事実、だしね」

クレス「ほっ……よかったぁ」

アーチェ「ただし!」

クレス「は、はいっ!」

アーチェ「女の子が質問をはぐらかしてるのに、しつこく聞くのはNGだからね?その辺、覚えておくこと!」

クレス「こ、心にとどめておきますっ!」

アーチェ「ん、なら許したげる!」

チェスター(なにこの流れ。俺邪魔者じゃね?)

68: 2012/03/30(金) 23:31:03.40 ID:XIxOxSZi0
アーチェ「まったくもう……それと言うのも、ユニコーンが全部悪いと思うのよね!」

クレス「ゆ、ユニコーンが……?」

アーチェ「清らかな乙女しか会えないなんて面倒な言い伝えを残してくれちゃって!だからこんな話がこじれるのよ!」

チェスター「何言ってんだ。でも、実際はお前も会えたわけだろ?」

アーチェ「だから!それは、ダオスの手先が襲来して場が混乱してたからだってばっ!」

チェスター「それでも、会えたわけだろ?」

アーチェ「うぅ……ま、まぁそりゃそうだけどさ」

チェスター「つまりは、アーチェも清らかな乙女ってわけだ!」

アーチェ「ば、バカっ!そんなわけないじゃん!だってあたし……」

クレス「チェスター、やめておけよ。アーチェ、困ってるぞ?」

チェスター「へいへい。さて、と……なんか白けちまったし、俺もそろそろ寝るとしますかねぇ」

70: 2012/03/30(金) 23:35:41.96 ID:XIxOxSZi0
アーチェ「ふわぁぁっ……あたしもなんだか眠たくなっちゃった」

クレス「そろそろ僕たちも寝ようか。明日も、朝は早いんだし」

チェスター「はいはい、撤収撤収……っと」

宿の中―――

アーチェ「そんじゃ、おやすみ~……」バタン

クレス「ふわぁぁ……さて、と。それじゃ、僕たちも寝ようか、チェスター」

チェスター「ああ。………はぁ」

クレス「どうした、チェスター?」

チェスター「いや……少なからず俺も衝撃を受けたんだよ」

クレス「アーチェのことか?」

チェスター「まぁ、そうだな」

クレス「はは……チェスターは、アーチェのことが好きなのか?」

73: 2012/03/30(金) 23:39:54.99 ID:XIxOxSZi0
チェスター「は、はぁっ!?なんでそんな話になるんだよ!?」

クレス「あれ、違ったのか?僕はてっきり……」

チェスター「あんな、初対面の相手に思いっきり『弱そう』とか言う奴の事なんて……」

クレス「なんだ、まだ根に持ってたのか」

チェスター「そりゃそうだろ!?お前たちは、俺とは違う時間を生きて強くなって現れたんだ。俺だって、その辺りは気にするさ」

クレス「でも、今はこうして僕たちと肩を並べて戦えているじゃないか」

チェスター「……まぁ、その、なんだ。ああ言う思った事を正直に言えるところは、好感が持てる……かな」

クレス「なんだ、やっぱり好きなんじゃないか」

チェスター「う、うるせぇっ!そういうお前の方はどうなんだよっ!?」

75: 2012/03/30(金) 23:43:31.83 ID:XIxOxSZi0
クレス「え?僕?」

チェスター「ミントの事だよ!」

クレス「ど、どうしてそこでミントのことが出て来るんだよっ!?」

チェスター「お?脈ありか?詳しく聞かせろよ、どうなんだ実際?」ニヤニヤ

クレス「うぐっ……そ、そりゃ、ミントの母さんには、ミントをよろしくされているけれど……」

チェスター「ほうほう。既に親公認ってわけか?」

クレス「い、いやいやっ!それはあくまで、ミントのことを守ってあげてくれってだけのことだろうっ!?」

チェスター「そりゃあれだ。これからは、お前がミントの側で、ミントを守ってあげろとも解釈できるわけだ」

クレス「ううっ……た、確かにそう言う風に解釈出来ないこともないけど……」

76: 2012/03/30(金) 23:46:39.93 ID:XIxOxSZi0
チェスター「いやぁ、羨ましいねぇ。既に綺麗なお嫁さんをもらってるようなもんじゃねぇか」

クレス「お、お嫁さんってっ!!いくらなんでも飛躍しすぎだろ!?」

チェスター「照れんなって!そうかそうか、俺の親友にも春が来たってことだな」

クレス「それを言うならチェスターだって!」

チェスター「何をぅ!?」

ワーワー ギャーギャー

クラース「うるさいな……何を二人して騒いでいるんだ」

クレス「あ、クラースさん……」

クラース「誰が誰の嫁だろうが構わんが、もう夜中だぞ……静かにしないか……」

クレス「す、すみません……って!誰が誰の嫁って、話を聞いていたんですか!?」

77: 2012/03/30(金) 23:50:28.97 ID:XIxOxSZi0
クラース「そりゃ、それだけ大きい声で話していたらな……」

チェスター「わ、忘れてください!お、俺はアーチェのことなんて……っ!」

クレス「ぼ、僕もですよ!僕はただ、ミントを守るためにってだけであって……」

クラース「あーはいはい。ノロケはいいから、静かにな……」

クレス「そ、そうだ!クラースさんだって、ミラルドさんがいるじゃないですか!」

クラース「わ、わたしのことは関係ないだろう!?」

チェスター「ミラルドさん?誰だ、その人は?」

クレス「クラースさんと一緒に暮らしている人だよ」

チェスター「へぇ……詳しくききてぇな」

クラース「み、ミラルドは関係ない!関係ないぞっ!」

ワーワー ギャーギャー

79: 2012/03/30(金) 23:53:29.24 ID:XIxOxSZi0
隣の部屋―――

ミント「……クレスさん達、夜中に何を騒いでいるんでしょうか……?」

アーチェ「Zzz……」

ミント「……アーチェさん?」

アーチェ「ムニャムニャ……なによー、チェスターのバカぁ……Zzz……」

ミント「……わたしより後に来たはずなのに、熟睡してますね……」

すず「……お父様、お母様……」

ミント「はぁ……仕方ないですね。アーチェさんとすずちゃんを起こすわけにもいきませんし、注意をしに行きましょうか……」ノソノソ

83: 2012/03/30(金) 23:57:30.49 ID:XIxOxSZi0
コンコン

クラース「大体、お前たちは態度が煮え切らないんだ!好きな女をモノにしたいなら、もっと積極的に……」

クレス「何言ってるんですか!今のところ一緒に住んでいたのにそんなことを言うクラースさんが一番煮え切らないじゃないですか!」

クラース「だ、だからミラルドは……」

チェスター「いやいや、俺にはわかりますよクラースさん。長い間一緒に暮らしていたら、逆に素直にはなれませんよねぇ」

クラース「つ、都合のいいように解釈するんじゃないっ!」


ミント「……ノックしたのに気付いていない……」

ガチャ

ミント「み、皆さん……もう夜中ですし、静かに……」オズオズ

クラース「ええい、こうなったら、クレスもチェスターも、素直にアタックして来い!」

クレス「クラースさんはどうするつもりですかっ!?」

クラース「わたしは近くにミラルドがいないからな!保留、保留だ!」

チェスター「あ、ずりぃ!」

86: 2012/03/31(土) 00:03:34.79 ID:XcSnurHk0
ミント「あ、あの、皆さん……」

クレス「ならまずは年長者のクラースさんからですね!大丈夫、時の剣があるから容易に時間跳躍は出来ますよ!」

クラース「気軽にそういうことを言うんじゃない!大体、この世界で未だ猛威をふるっているダオスはどうするつもりなんだ!?」

クレス「大丈夫です!ちょっと過去に言って、ミラルドさんにアタックするだけですから!時間なんて関係ありませんよ!」

チェスター「よく言ったクレス!」

クラース「か、勝手な事ばかり言うんじゃない!何度も言うが、ミラルドとわたしは……!」

ミント「………」

ミント「『ピコピコハンマー!!』」

三人「「「っ!?」」」

ズガァァァン!!

三人「「「」」」

ミント「ふぅ……さて、わたしも寝ないと……ふぁぁぁ……」トコトコ

92: 2012/03/31(土) 00:10:41.88 ID:XcSnurHk0
翌日―――

クレス「うぅ……昨日、何があったのか思い出せない……」フラフラ

チェスター「大体、なんで俺たち三人して部屋の中心で気絶するように寝てたんだ……?」フラフラ

クラース「2日酔いか……?あ、頭が……」フラフラ

すず「大丈夫ですか、皆さん?」

アーチェ「クラースは昨日飲んでたからわかるけど、なんでクレスとチェスターまでフラフラなのよ?」

クレス「それが、記憶が飛んでるんだよ……」

ミント(夜中に騒ぐからです。少しは反省してくれればいいのですが……)

アーチェ「……まぁ、いっか。ほら、ダオス城に乗りこむよ!」

クレス・チェスター・クラース「お、おー……」フラフラ

アーチェ「覇気のない返事だねぇ……」


終わり

99: 2012/03/31(土) 00:22:32.12 ID:Yb9TG9tI0

久しぶりにやりたくなってきた

引用: クレス「アーチェってユニコーンのときにどこか行ったよね」