1: 2010/07/25(日) 22:24:00.55 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「……は?」

JUM「そろそろお前が来るのにウンザリしたし」

水銀燈「へぇ? 随分強気じゃなぁい」

JUM「当たり前だろ」

水銀燈「勝てると思ってるのかしらねぇ! お馬鹿さぁん!」

JUM「お前VS他のドールだろ? 楽勝すぎる」

水銀燈「……は?」

2: 2010/07/25(日) 22:25:50.10 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「ちょ、ちょっと! それってどういう意味よ!?」

JUM「皆で、お前、フルボッコ」

水銀燈「……」

JUM「オーケー?」

水銀燈「ノー! 絶対にノーよ!」

JUM「甘えんな」

水銀燈「……」

3: 2010/07/25(日) 22:28:37.98 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「……だ、だけどあの子達がそんな事をするかしらねぇ?」

JUM「するさ」

水銀燈「? なによ、凄い自信じゃなぁい」

JUM「お前に殺されかけたって言えば怒ってアリスゲームするだろ」

水銀燈「ふ、ふん! 私がそんな事するはずないじゃなぁい」

JUM「僕、操られたぬいぐるみに殺されかけた事があるんだよな」

水銀燈「……」

4: 2010/07/25(日) 22:30:49.14 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「……仕方無いわね」

JUM「やる気になったか」

水銀燈「あらあらぁ! 今の状況がわかってるのかしらねぇ?」

JUM「ああ」

水銀燈「私は、いつでもあんたを殺せるのよ?」

JUM「そうなったら、アイツらはお前のマスターを頃すだろうな」

水銀燈「!?」

5: 2010/07/25(日) 22:33:12.18 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「ど、どうしてそうなるのよ……!?」

JUM「どうしてそうならないと思えるんだ?」

水銀燈「……ふん!……めぐは殺させないわ」

JUM「へぇ、お前のマスターは"めぐ"って名前なのか」

水銀燈「!?」

JUM「わかるか? 僕が氏んだら、めぐって人も氏ぬ」

水銀燈「……」

6: 2010/07/25(日) 22:35:59.52 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「……ふん! 別にどうだっていいわ」

JUM「お前のマスターが氏んでもいいのか?」

水銀燈「どうだっていいって言ってるでしょう!」

JUM「マスターから力をもらえなくなって、勝ち目はあるのか?」

水銀燈「……」

JUM「僕も氏にたくないし、そんな差し違えはやめといた方が良いと思うけどな」

水銀燈「……」

7: 2010/07/25(日) 22:39:06.28 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「……憎たらしい人間ね」

JUM「あ、そうだ。一つ言い忘れてた」

水銀燈「? 何よ」

JUM「お前のマスターを頃しに蒼星石を向かわせてるんだった」

水銀燈「!? な、なんですって!? ちょっと! それは――」

JUM「――嘘だよ」

水銀燈「……」ホッ

JUM「おいおい、敵の言葉をそんなに簡単に信じていいのか?」

水銀燈「!?」

8: 2010/07/25(日) 22:41:40.33 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「ほっ、本当の事を言いなさい!」

JUM「蒼星石なら、他の奴と違って躊躇わないだろうな」

水銀燈「!? めぐっ……!」

バササッ……!

JUM「……行ったか」

JUM「よし、あとをつけて水銀燈のマスターの居場所を特定してこい」

ホーリエ「――」

9: 2010/07/25(日) 22:44:19.94 ID:dV7RKSEO0
     ・    ・    ・

水銀燈「よくもだましたわね!」

JUM「わざわざ往復ご苦労さん」

水銀燈「このっ……!」

JUM「――医療ミスって怖いよな」

水銀燈「……は……?」

JUM「なぁ、医療ミスって怖いとは思わないか?」

水銀燈「……」

10: 2010/07/25(日) 22:46:34.76 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「べ、別にそんなの怖くもなんともないわよ」

JUM「へぇ、そうか」

水銀燈「そ、そうよ」

JUM「じゃあ、どんな医療ミスが起こっても知っちゃこっちゃないんだな?」

水銀燈「そ……それは……」

JUM「なぁ、医療ミスって怖いよな」

水銀燈「……そうね」

12: 2010/07/25(日) 22:50:03.19 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「アンタ……何が目的なのよ」

JUM「アリスゲームだって言っただろ」

水銀燈「……」

JUM「僕だってこんな事したくないんだけどな」

水銀燈「……ふん、その割には随分楽しそうじゃなぁい」

JUM「そう見えるなら、アリスゲームを挑んできた時のお前もそうなんだろうな」

水銀燈「……」

13: 2010/07/25(日) 22:52:01.50 ID:dV7RKSEO0
JUM「なあ、わかるか?」

水銀燈「……」

JUM「こっちは平和に暮らしたいだけなのにちょっかいだされてウンザリしてるんだよ」

水銀燈「……それがローゼンメイデンの宿命だもの」

JUM「そうかよ。じゃあ、僕がそれに乗っても問題ないよな」

水銀燈「……」

15: 2010/07/25(日) 22:55:04.51 ID:dV7RKSEO0
JUM「お前もアリスゲームが始まって嬉しいだろ?」

水銀燈「あ、当たり前じゃなぁい」

JUM「だから、ジャンクになっても文句は言うなよ」

水銀燈「……私がジャンクになるですって?」

JUM「お前が僕を殺せない以上、お前が負けるのは確定してるんだよ」

水銀燈「……」

JUM「そろそろ真面目に考えろ、お馬鹿さぁん」

16: 2010/07/25(日) 22:58:46.79 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「……ふん! 五人まとめて相手にしてあげるわぁ!」

JUM「言うじゃないか」

水銀燈「めぐの力を借りるまでもないわ」

JUM「そうか。じゃあ、アイツらにはたっぷり力を使わせてやろう」

水銀燈「……」

JUM「おいおい、睨むなよ」

17: 2010/07/25(日) 23:01:21.84 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「……私が……私こそがアリスに相応しいのよ……!」

JUM「はいはい、そうかもな」

水銀燈「だから――!」

JUM「だから、真っ先に潰しとかないとな」

水銀燈「!?」

JUM「一番の強敵を最初に潰すのは、バトルロイヤルの鉄則だろ?」

水銀燈「……」

18: 2010/07/25(日) 23:03:32.58 ID:dV7RKSEO0
JUM「アリスゲームがはじまったら」

水銀燈「……」

JUM「まず、真っ先にお前が脱落する」

水銀燈「……」

JUM「残念だったな、誇り高いローゼンメイデンの第一ドールさん」

水銀燈「……」

19: 2010/07/25(日) 23:06:20.07 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「……あの子達は、アンタの指示で動くってわけね」

JUM「そういうことになるかな」

水銀燈「……アァ――~~ッハハハ!」

JUM「何がおかしいんだよ」

水銀燈「だったら、余計な真似をされる前にアンタを頃してから――」

JUM「マスターの力を使って、マスターのいないアイツらを一気に倒す、か?」

水銀燈「!?」

21: 2010/07/25(日) 23:08:20.17 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「……アンタ、なんでそんなに冷静でいられるのよ」

JUM「お前がそう言うと思ってたからな」

水銀燈「なっ……!」

JUM「ちなみに、僕が氏んでもマスターが居るドールは残る」

水銀燈「!」

JUM「その意味がわかるか? わからないなら、お前はジャンクだ」

水銀燈「……」

22: 2010/07/25(日) 23:11:18.79 ID:dV7RKSEO0
水銀燈「……私がマスターの居る子と戦ってる間に――」

JUM「――他の奴が、お前のマスターを頃す」

水銀燈「……」

JUM「あとはそのままお前はジャンクになる。わかりやすいだろ」

水銀燈「……」

JUM「結局さ、アリスゲームがはじまったらお前も、お前のマスターも終わりなんだよ」

水銀燈「……」

25: 2010/07/25(日) 23:13:40.42 ID:dV7RKSEO0
JUM「……さて、そろそろお喋りも終わりにしようか」

水銀燈「え、えっ……」

JUM「だって、お前はここにアリスゲームをしに来たんだろ」

水銀燈「それは……そう、だけど……」

JUM「僕とお喋りに来たわけじゃない。そうだろ?」

水銀燈「そうだけど……でも……」

26: 2010/07/25(日) 23:17:03.08 ID:dV7RKSEO0
JUM「――さあ、アリスゲームをはじめるぞ」

水銀燈「ちょ、ちょっと待ちなさぁい!」

JUM「待たない」

水銀燈「!?」

JUM「お前の待ち望んだアリスゲームをはじめるぞ」

水銀燈「で……でもっ……!」

JUM「アリスゲームをはじめるぞ! 水銀燈!」

水銀燈「あ、あああぁ……!?」

28: 2010/07/25(日) 23:20:33.85 ID:dV7RKSEO0
―ガチャッ!

翠星石「全く! さっきからうるせーですぅ!」

蒼星石「ジュンくん、どうかしたのかい?」

真紅「これでは落ち着いてくんくんが見られないのだわ」

雛苺「あんまり騒いじゃめーなのよ!」

金糸雀「もう! もう少し静かに出来ないのかしら?」

水銀燈「……」

ドールズ「って、水銀燈!?」

29: 2010/07/25(日) 23:22:28.48 ID:dV7RKSEO0
翠星石「どうして水銀燈がここに居るですか!?」

JUM「なあ、どうしてだ?」

水銀燈「そ、それは……」

雛苺「まさか、アリスゲームをしに……」

JUM「なあ、お前はアリスゲームをしにきたのか?」

水銀燈「え……う、あ……!」

30: 2010/07/25(日) 23:25:15.81 ID:dV7RKSEO0
蒼星石「! まさか、ジュンくんに何かするつもりだったんじゃ……」

JUM「なあ、お前は僕に何かしにきたのか?」

水銀燈「そ……その……」

金糸雀「もしそうだったら……!」

JUM「おいおい、早く何か言った方が良いと思うぞ」

水銀燈「で、でも……!?」

32: 2010/07/25(日) 23:29:15.15 ID:dV7RKSEO0
真紅「……どうなの、水銀燈」

水銀燈「わ、私は……」

JUM「私は?」

水銀燈「……」

真紅「……」

JUM「まさか、仲良くしに来たってわけはないよな?」

ドールズ「えっ?」

水銀燈「……」

水銀燈「えっ?」

34: 2010/07/25(日) 23:31:11.74 ID:dV7RKSEO0
真紅「ジュン、それはどういう事?」

JUM「だってそうだろ? 水銀燈は、僕に何もしなかったんだから」

蒼星石「それは……確かにそうだね」

金糸雀「カナ達が気付くまで、かなり時間があったかしら……」

JUM「戦うつもりだったら、僕に何かしててもおかしくない」

JUM「――だよな?」

水銀燈「……え、えぇ」

36: 2010/07/25(日) 23:34:21.42 ID:dV7RKSEO0
JUM「だから、もしかしたら仲良くしに来たんじゃないかと思ってさ」

真紅「……そうなの? 水銀燈」

水銀燈「真紅……」

JUM「お前は何をしに来たんだ?」

JUM「アリスゲームをしに来たのか?」

水銀燈「……」

JUM「それとも、仲良くしに来たのか?」

水銀燈「……」

38: 2010/07/25(日) 23:37:38.12 ID:dV7RKSEO0
ドールズ「……」

水銀燈「……」

雛苺「……ヒナ、水銀燈とも仲良く出来たら良いと思ってるの」

JUM「ほら、雛苺もこう言ってる事だしさ。素直になれよ」

水銀燈「……」

JUM「なあ、お前は何をしにきたんだ?」

水銀燈「わ、私は……」

41: 2010/07/25(日) 23:40:47.53 ID:dV7RKSEO0
JUM「……私は?」

ドールズ「……」

水銀燈「……仲良く……しに来たわぁ」

JUM「へぇ、そうなのか」

水銀燈「そ、そうよ! 感謝しなさぁい!」

JUM「しないさ。そんな必要がどこにあるってんだ」

水銀燈「……は?」

44: 2010/07/25(日) 23:45:43.36 ID:dV7RKSEO0
JUM「こっちにはお前と仲良くする気はもう無いんだよ」

水銀燈「え……えっ……?」

JUM「お前が今まで何をしてきたのか忘れたのか?」

水銀燈「そっ、そんな……!?」

JUM「だけど、お前が仲良くしたいなら遊ぼうか」

JUM「何が良い? お前が好きなやつでいいぞ」

JUM「……あぁ、お前はアレが好きだったな。アレにしよう」

水銀燈「あ……あ……!」


JUM「アリスゲームでもするか」


おわり

45: 2010/07/25(日) 23:46:47.25 ID:dV7RKSEO0
こんなくだらないもん最後まで読んでくれてありがとう
おやすみ

48: 2010/07/25(日) 23:48:28.22 ID:98iFwSO30
おつ
うろたえる銀様もいいね

引用: JUM「アリスゲームでもするか」