1: 2011/07/17(日) 23:22:55.80 ID:seDYDNCv0
ほむら(病院で目覚めてみると、体が縮んでいた…)

ほむら(おまけに、どういうわけか『ほむほむ』としか喋れなくなっている…)

ほむら(ううん、こんな体になっても挫けない)

ほむら(今度こそ、まどかを救ってみせる…!)

2: 2011/07/17(日) 23:23:51.70 ID:seDYDNCv0
―街中―

子供「あれー? なんだろーこれ」

ほむら「ほむっ?!」

子供「わー、捕まえた。動くお人形さんだー」

ほむら「ほむっ!ほむっ!ほむっ!」

子供「ねー、お母さんー。お人形捕まえたよ」

ほむら「ほむむむむむむむむっ!」バシッ

子供「あー、逃げちゃった」

4: 2011/07/17(日) 23:25:19.75 ID:seDYDNCv0
―路地裏―

猫「みゃー」ダダダダダダダダダ

猫「みゃー」ダダダダダダダダダ

エイミー「みゃー」ダダダダダダダダダ

ほむら「ほむぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」テテテテテテテ

5: 2011/07/17(日) 23:26:06.06 ID:seDYDNCv0
―武器庫―

ほむら「ほむほむ」ハアハア

棚「…」デーン

ほむら「…」

ほむら「ほむっ!ほむっ!」ピョンコピョンコ

棚「…」

ほむら「…」

ほむら「…」グスグス

6: 2011/07/17(日) 23:26:47.71 ID:seDYDNCv0
ほむら(とてつもない苦労を要したけど)

ほむら(何とか使えそうな武器一式を調達できたわ…)

ほむら(ううう、こんな体で本当にまどかを守れるのかしら)

ほむら(ううん。挫けてなんていられない。まどかは絶対に守らなきゃいけないんだもの)

ほむら(クラスメイトとして接触できない以上、今後はキュゥべえがまどかに接触しないように見
張ることしかできないわね)

ほむら(インキュベーター。あなたの思う通りにはさせないわ…!)

7: 2011/07/17(日) 23:27:42.36 ID:seDYDNCv0
―廃ビル―

QB(これは…!ものすごい才能を感じる)

QB(これだけの素質があれば、僕らのエネルギー回収のノルマも難なく達成できそうだね)

QB(さっそく彼女には契約してもらおう)タタタ

ほむら『そうはさせない』

QB「ん? 誰だい君は?」

ほむら『お前に名乗る名前はないわ』

ほむら「ほむっ!」チンマリ

QB「…」

ほむら「…」

8: 2011/07/17(日) 23:28:50.89 ID:seDYDNCv0
QB「えーと。本当に何なんだい君は?」

ほむら「ほむほむほむ」

ほむら『お前を好き勝手にさせない者よ。キュゥベえ』

QB(見たところ、一応魔法少女のようだけど)

QB(僕はこんな生き物と契約した記憶はない)

QB(イレギュラーか。でも放っておいても問題なさそうだね)

QB「悪いけど、僕は君にかまっている暇はないんだ」

ほむら「ほむっ?!」

QB「それなりに興味はあるけど先を急がせてもらうよ」

ほむら「ほむっ!ほむっ!ほむっ!」

ほむ(くっ…、害がないとみて私のことを無視するつもりね)

ほむ(残念だけど、その隙が命取りよ…!)

ほむら「ほむっ!」ジャキ

QB「ん?」

ほむ「ほむむむむむむむ!」パンパンパン

QB「…」ペシペシペシ

9: 2011/07/17(日) 23:30:07.70 ID:seDYDNCv0
ほむら「ほむっ?!」

ほむら(そんな! 銃が効いてない…)

ほむら(盾に何とか収納できたのはいいけど、銃そのものが縮んでしまうなんて…)

QB(何か撃たれた気がするけど、特に体に問題はない)

QB(やっぱり今はまどかの下に行くのを急ごう)

QB「じゃあね。今日の僕は忙しいんだ」

ほむら「ほむー!ほむー!」

ほむら『ま、待ちなさい!』

10: 2011/07/17(日) 23:30:52.97 ID:seDYDNCv0
ほむら「ほむむむむむむ!」ガガガガガガ

QB「…」ペペペペペペペペ

ほむら「ほむー!」バシューン

QB「…」ペシン

ほむら「ほむっ」ポイッ

QB「…」ピカーン

QB(…しつこいなぁ)

QB「てぃっ」ウシロアシゲリ

ほむら「ほむっ?!」バシーン

QB「じゃあね。何か用事が出来たらこちらから会いに行くよ」タタタ

ほむら「ほむぅ…」グテ

11: 2011/07/17(日) 23:32:16.06 ID:seDYDNCv0
ほむら「…」ボロボロ

ほむら(ううう、キュゥべえにすら負けた…)

ほむら(こんな体で、ワルプルギスどころかキュウベェ一匹満足に倒せないなんて…)

ほむら(こんなことじゃ、まどかを守れない…)

ほむら(約束、守れないよ…)

ほむら(ごめん、ごめんね。まどか…)

ほむら「ほむぅ…」グスグス

ほむら「……」グスグス

ほむら「…」

???「あれ…?この子…」

12: 2011/07/17(日) 23:33:38.94 ID:seDYDNCv0
―――――

ほむら(…ん。私、いつの間にか気を失って…)

ほむら(誰かに…、抱きかかえられている?)

まどか「あ、起きたみたい」

ほむら「ほむっ?!」

ほむら(ま、まどか?!)

まどら「さやかちゃーん、この子起きたみたいだよ」

さやか「あ、ほんとだ」

ほむら「ほむぅ…」

ほむら(まどかの腕の中…)

ほむら(気持ちいい…)グッテリ

13: 2011/07/17(日) 23:34:34.90 ID:seDYDNCv0
さやか「にしても、何なんだろうねこれ」

まどか「『まどか』って呼ぶ声がしたから来てみたけど、この子が呼んだのかな?」

さやか「まー、へんな生き物だから変なことしてもおかしくないとは思うけど」

ほむら「ほむっ?!」

ほむら(変とは何よ!変とは!)

ほむら「ほむほむほむほむ!」

さやか「あ、何かほむほむ言ってる」

まどか「さやかちゃんが変とか言ったから怒っているんだよ、きっと」

さやか「えー、そんなに賢いのかなーこれ」

ほむら「ほむ!ほむほむ!ほむむ!」

まどか「こらこら、暴れないの」ナデナデ

さやか「ホントだ、確かにこっちの言葉を理解してるっぽいね」

まどか「ちっちゃいけど、わたしたちとあんまり変わらないんじゃないのかな」

さやか「でも、そのちっちゃいのが問題なんだよなー」

14: 2011/07/17(日) 23:35:59.70 ID:seDYDNCv0
まどか「そういえばこの子、名前はなんていうんだろう?」

さやか「そういえばそうだね、聞いてみるか。おい、お前の名前はなんですか―?」ウリウリ

ほむら「ほむほむ」

ほむら(貴方に答えるつもりはないわ、美樹さやか。ついでに頭をつつかないでちょうだい)

さやか「ほむほむとしか言わないね」

まどか「やっぱり喋れないみたいだね…、困ったなぁ」

まどか「どうにかしてあげたいけど、どうすればいいんだろう」

さやか「飼い主とか…、いるのかコレ?」

まどか「ねえさやかちゃん。わたしこの子助けたい」

さやか「うーん、まどかがそうしたいなら私は止めないけどさ」

さやか「大丈夫?何されるかわかんないよ」

まどか「でも、こんなところに一人じゃかわいそうだよ…」

まどか「他の動物に襲われたのか、ボロボロだったし」

まどか「さやかちゃん、お願い。この子を助けるの手伝ってくれないかな?」

さやか「まぁ、まどかの頼みと会っちゃ断れないね」

さやか「よーし、このさやかちゃんが一肌脱いであげよう!」

まどか「ありがとう!さやかちゃん!」

15: 2011/07/17(日) 23:37:29.57 ID:seDYDNCv0
さやか「そうと決まれば名前をつけなくちゃね!」

まどか「そうだね!何にしよう。あなたは何がいい?」

ほむら「ほむほむほむ」

ほむら(ま、まどかがつけてくれるなら何でも…)

さやか「よーし、じゃあ『ほむほむ』でけってーい!」

ほむら「ほむっ?!」

ほむら(そ、それは安直すぎるわ美樹さやか!)

まどか「…さやかちゃーん。それは簡単すぎだよ…」

さやか「えー、でもこいつほむほむとしか喋れないし」

さやか「それに覚えやすくて可愛くていいと思ったんだけどなー」

まどか「うーん、確かに言われてみればそうかも」

ほむら「ほむむっ?!」

ほむら『ま、まどか?!』

まどか「うん!わたしもほむほむでいいと思うな。あなたはどう?」

ほむら(…まどかが笑顔でこちらを見ている)

ほむら(可愛い…)

ほむら『ほむほむで問題ないわ!まどか!』

ほむら「ほむっほむっ」

まどか「あ、この子も気に入ったみたい!」

さやか「よーし、お前は今日からほむほむだー!」

まどか「よろしくね!ほむほむ」

ほむら「ほむっ!」

ほむら(ええ、よろしくまどか。と美樹さやか)

16: 2011/07/17(日) 23:39:03.85 ID:seDYDNCv0
さやか「…あれ?」

まどか「どうしたの、さやかちゃん?」

さやか「何か、周りの景色が…」

ほむら(…!)

17: 2011/07/17(日) 23:40:00.45 ID:seDYDNCv0
―魔女の結界内―

さやか「な、何よここ…!」

まどか「さ、さやかちゃん…」

さやか「まどか!わたしから離れちゃだめよ!」

まどか「う、うん」

ほむら「ほむっ!ほむっ!」

まどか「大丈夫だよ、あなたはわたし達が守ってあげるから…」

ほむら(違うのまどか!早くここから離れて!)

18: 2011/07/17(日) 23:41:07.11 ID:seDYDNCv0
さやか「ひっ…、なによこいつら!」

使い魔「…」

使い魔「…」

使い魔「…」

まどか「囲まれちゃった…」

さやか「く、来るなら来てみろ!さやかちゃんの鉄拳をお見舞いするぞ!」

まどか「さ、さやかちゃん危ないよ!」

さやか「安心してまどか! まどかとほむほむは絶対に守って見せるから!」

ほむら「…」

ほむら(このままでは二人とも使い魔の餌食に…)

ほむら(この体でどこまでやれるかわからないけど、仕方ない…!)

19: 2011/07/17(日) 23:42:07.73 ID:seDYDNCv0
ほむら「ほむっ!」

まどか「あ、ほむほむ!」

さやか「ちょっ、ほむほむ!あんたはまどかの腕の中にいなさい!」

ほむら「ほむほむほむっ!」

さやか「え…。あれ、拳銃?」

まどか「ちっちゃいけど、そうみたい…」

さやか「まさか、ほむほむの奴、あたし達を助けるために戦うつもりじゃ…」

まどか「えっ、そんなのダメだよ!やられちゃうよ!」

ほむら「ほむ…!」

ほむら(いいの、まどか)

ほむら(私は貴方を守るためにここにいる)

ほむら(この体でどこまでやるかわからないけど、時間くらいは稼いで見せるから…!)

20: 2011/07/17(日) 23:43:25.42 ID:seDYDNCv0
まどか「だめっ!」

さやか「あ、まどか!」

まどか「だめだよ!ほむほむを一人になんてできない!」タタタ

ほむら「ほむっ!ほむっ!」

ほむら(来ないでまどか!このままじゃどうにもならないの)

ほむら(私が…何とかしないと)

まどか「みんな一緒だよ。一人でなんてだめだよ!」

ほむら(まどか…)

まどか「ほむほむ!」ギュッ


ほむら(でも、私がまどかを守らないと…!)
まどか(わたしがほむほむを守らないと…!)

21: 2011/07/17(日) 23:45:08.02 ID:seDYDNCv0
―カッ!

まどか「えっ…?」

さやか「へ…?」

ほむら「ほむ…?」


―変身…! 魔法少女・鹿目まどか!(ほむら衣装)―


22: 2011/07/17(日) 23:45:46.53 ID:seDYDNCv0
さやか「ま、まままままままどかが変身した?!」

まどか「な、なななななななにこれ?!」

ほむら「ほ、ほむむむむむむむ?!」

ほむら『ど、どどどどどどどういうこと?!』

ほむら『まどかが魔法少女に変身するなんて』

ほむら『しかも私と、同じ衣装だなんて―!』

23: 2011/07/17(日) 23:50:18.46 ID:seDYDNCv0
というわけで、魔法少女まどかとマスコットとなったほむほむの話を書いていきます。

一週間に1~2回投下するつもりです。

SS初書+初投稿で、おかしい箇所が見受けられますがどうかご勘弁を。

よろしくお願いします。

32: 2011/07/21(木) 18:04:18.90 ID:1Y+uWPJ00
まどか「え…? 今まどかって…」

ほむら『ま、まどか?』

ほむら『私の言ってることがわかるの?』

まどか「う、うん。ほむほむなんだよね、この声」

ほむら『ええ、そうよ』

まどか「あ、あのこの格好は、えっと…」

使い魔『…』
使い魔『…』
使い魔『…』

ほむら(まずい、とにかく今は…)

33: 2011/07/21(木) 18:06:03.45 ID:1Y+uWPJ00
ほむら『聞いて、まどか。今のあなたは、魔法少女と呼ばれる姿になっている』

まどか「ま、魔法少女? それってアニメに出てくる…」

さやか「まどか…? 誰と話してるの?」

まどか「え…?さやかちゃんには分からないの?」

ほむら「ほむほむほむ」

ほむら(やはり、まどかにしか言葉は通じていないようね)

ほむら『色々、説明したいけど…。私にも分からないことがあるのだけれど、とにかく今はこの場
    から離れるわ』

ほむら『美樹さやかを抱いて、走りなさい』

まどか「ええっ!わ、わたしの力じゃさやかちゃんを抱えられないよ!」

ほむら『大丈夫、その姿なら身体能力も上がっている』

ほむら『今のあなたなら出来るはず。信じて!』

まどか「え。う、うん。わかった、やってみるよほむほむ!」

34: 2011/07/21(木) 18:08:36.39 ID:1Y+uWPJ00
まどか「さやかちゃん!」

さやか「は、はいっ!って、なにまどか?」

まどか「ここから離れるよっ」ダキッ

さやか「おう。って、えええっ!」

さやか(ま、まどかが私を抱えてる。な、何で?!)

ほむら(お姫様抱っこ…。いいなぁ美樹さやか)

ほむら(と、馬鹿なこと考えている場合じゃないわね)

まどか「行くよ!」ダッ

さやか「ちょ、ちょっと待っ…。うぉわっ!」

使い魔『…!』

ほむら『使い魔が追ってくる。後ろを見ないで走って、まどか!』

まどか「うん。わかったよほむほむ!」

35: 2011/07/21(木) 18:10:27.12 ID:1Y+uWPJ00

    ダダダダダダダ

まどか(すごい…。さやかちゃんが全然重く感じない)

まどか(速く走れるし、走っても全然疲れないし…)

まどか(これなら、いざとなったらあの変なのとも…)

ほむら『あまり無理をしてはだめよ、まどか』

まどか「ほむほむ?」

ほむら『体が強くなっても、あなたは普通の女の子なのだから。戦おうとかは、考えないで』

まどか「う、うん」

ほむら『とにかく走って。ここから抜け出すわ』

ほむら『全員無事に、逃げることを考えましょう』

まどか「うん!」ダダダ

さやか「もう、何が何やら…」

36: 2011/07/21(木) 18:11:53.80 ID:1Y+uWPJ00
使い魔『…』

まどか「って、うわ!ほむほむ前!」

ほむら(しまった…!前にもう使い魔が)

使い魔『…』
使い魔『…』
使い魔『…』

まどか「か、囲まれちゃった…」

さやか「う、うわぁ…。もしかして大ピンチ?」

ほむら「ほむ…」

ほむら(…まどかは、今私と同じ姿をしている)

ほむら(もしかしたら、能力も…)

37: 2011/07/21(木) 18:13:42.24 ID:1Y+uWPJ00
ほむら「…ほむむ」

ほむら『…まどか』

まどか「な、なに?ほむほむ」

さやか「あ、やっぱりほむほむと喋れているんだ、まどか」

まどか「う、うん。この姿になってから、なんだか言ってることがわかるようになって…」

ほむら『時間がないわ。よく聞いて』

ほむら『左手に、盾がついているでしょう』

まどか「う、うん」

ほむら『その盾の中身を、動かせる?』

まどか「え、えーと」ゴソゴソ ブンブン

まどか「よくわからないよほむほむ…」

ほむら『そう…』

ほむら(やっぱり、そこまでは上手くいかないようね)

38: 2011/07/21(木) 18:15:40.67 ID:1Y+uWPJ00
まどか「ほむほむ、やっぱり私がこの変なのと戦うしか…」

ほむら『! だめよ、まどか!』

まどか「で、でももうそれしか…」

ほむら『あなたにそんなことはさせられない』

ほむら『お願いだから、自分を大事にして…』

まどか「ほむほむ…」

ほむら(…でも、今の私にまどかを守る力はない)

ほむら(一体、どうしたらいいの…)

39: 2011/07/21(木) 18:17:21.57 ID:1Y+uWPJ00
―チュドドドドドドドドド―

まどか「きゃ…!」
さやか「うわっ…!」
ほむら「ほむっ…!」

   シュタッ

マミ「危なかったわね。でももう大丈夫」

まどか「あ、あなたは…?」

マミ「あら? あなたももしかして魔法少女」

さやか「ま、魔法少女?ってまどかも?」

まどか「あ、あの。わたし…その…」

マミ「どうやらその様子だと、まだキュゥべぇと契約したばっかりのようね」

まどか「きゅ、きゅうべえ? それって…」

40: 2011/07/21(木) 18:23:11.92 ID:1Y+uWPJ00
マミ(あら…、キュゥべぇを知らないの?おかしいわね…)

マミ「その制服、あなたたちも見滝原の生徒みたいね。2年生?」

さやか「あ、あのー?」

マミ「そうそう、自己紹介しないとね」

マミ「でもその前に、ちょっと一仕事片付けちゃっていいかしら。待っててね」 バッ

使い魔「!」ドカーン

まどさや「す、すごーい…!」

ほむら(…巴マミ)

ほむら(普段なら、彼女とまどか達は接触するべきじゃないのだけれど…。
    今回ばかりはありがたい)

ほむら(とりあえず、この場は何とかなったようね)

41: 2011/07/21(木) 18:28:08.23 ID:1Y+uWPJ00
―マミ宅

マミ「それじゃあ、あなたは本当にキュゥべぇと契約していないの?」

まどか「はい…」

マミ「キュゥべぇ、本当?」

QB「僕も彼女と契約した記憶はないよ」

QB(本当は念話で呼び出して契約するつもりだったけど)
QB(途中でマミとばったり会っちゃったから、計画が狂っちゃったよ)

さやか「それにしても魔法少女ねー。現実世界に本当にいるとは…」

マミ「本当よ。私も実際になるまでは信じられなかったけど」

さやか「それで街を守る正義の味方? くぅ~、かっこいいなぁ!」

ほむら「ほむほむほむほむほむ」

まどか「そんな憧れるようなものじゃないって、ほむほむが言ってるよさやかちゃん」

まどか「大変だし、なにより普通の人間としての生活は望めないって」

さやか「ええー!そうなんですか、マミさん?」

マミ「ええ。でも後悔はないわ。それで街の人が助かるんですもの」

42: 2011/07/21(木) 18:33:13.94 ID:1Y+uWPJ00
ほむら「ほむほむほむ」

まどか「え…、それはちょっと酷いよーほむほむ」

さやか「ほむほむは何だって?」

まどか「ええと、甘いとか、その先は何もないとか、幸せはないとか」

さやか「ありゃー、かわいい体してほむほむは意外と毒舌だったのか。このやろー」ウリウリ

ほむら「ほむー!ほむー!」

まどか「やめろばかー、って言ってるよさやかちゃん」

さやか「あはははは、かわいいやつめー」

マミ「…」

43: 2011/07/21(木) 18:35:30.86 ID:1Y+uWPJ00
マミ「…で、その子はいったい何なのかしら?」

まどさや「ほむほむです」

ほむら「ほむ」

マミ(結局、何だかわからない…)

45: 2011/07/21(木) 18:43:24.13 ID:1Y+uWPJ00
マミ「ええと、その子のおかげで鹿目さんは魔法少女に変身できたのよ、ね?」

まどか「はい。なんかこう、くっついたらいきなり」

さやか「あれはびっくりしたよ。いきなり変身するんだもん」

マミ「キュゥべぇ、どういうこと?魔法少女の契約ができるのは貴方だけじゃなかったの?」

QB「僕にだってわけがわからないよ。こんなことは今までだって一度もなかったし」

QB「ただ、分かっていることがいくつかある」

マミ「なに、キュウベェ?」

QB「一つ目は、まどかは魔法少女じゃないってことだ」

46: 2011/07/21(木) 18:44:24.52 ID:1Y+uWPJ00
さやか「え、なにそれ?」

QB「さっき、マミが説明したけど魔法少女になるには自身のソウルジェムが必要だ。ところが、   まどかからはそれは感じない」

QB「つまり、まどかはまだごく普通の人間だってことだよ」

マミ「でも鹿目さんは変身してたわよ? 手にソウルジェムがついていたし」

まど「あのー、ソウルジェムって、わたしの手についていた宝石のことですよね?」

マミ「ええ、本当はそれを使って変身するのだけれど」

QB「あれは、まどかのソウルジェムじゃないよ。そこの小さな生き物のものだ」

さや「え、ほむほむの?」

マミ「と、いうことは、その…そこのほむほむは」

QB「そう。それが二つ目、それは魔法少女だよ」

ほむ「ほむ…!」

47: 2011/07/21(木) 18:46:15.86 ID:1Y+uWPJ00
まど「ほむほむが、魔法少女?」

QB「そう。まどかの手についていたソウルジェムはそこの生き物のものだ」

QB「つまり、まどかはほむほむの力を使って変身していたんだよ」

マミ「他人のソウルジェムを使って変身するなんて…」

さや「よくわからないけど、結構使い回しが効くんですね魔法少女って」

QB「本来はできないよ。そんなことは」

マミ「ええ、私も聞いたことがないわ。そんな話は」

QB「だから、どうしてそんなことが可能なのか。そこが僕にはわからないんだ」

QB「そもそも僕には彼女と契約した記憶がないし。わからないことだらけだよ」

マミ「ええと…。ほむほむはその理由を知っているのかしら?」

48: 2011/07/21(木) 18:47:59.99 ID:1Y+uWPJ00
ほむら「ほむ、ほむむむむ、ほむほむ、ほーむほむ、ほむ」

まどか「…うんうん」

さやか「ほむほむは何だって?」

まどか「朝起きたら体が縮んでいたことも、ほむほむとしか喋れないことも、自分のソウルジェム
    で私が変身したことも」

マミさや「うんうん」

まどか「全部、こっちが説明してほしいって」

マミ「…」
さやか「…」
まどか「…」

まどさやマミ「…はあ」

ほむ「ほむぅ…」

59: 2011/07/24(日) 22:51:44.28 ID:N3Zv0Knh0
昼ごろに投下するつもりでしたが、ちょっと遅くなってしまいました…。
続きを投下します。

60: 2011/07/24(日) 22:53:45.93 ID:N3Zv0Knh0
さやか「というかさ、もしかしたら単なる偶然だったんじゃないの?まどかが変身したのって」

まどか「うーん、そうなのかな?」

さやか「ちょっと試しに、もう一回やってみれば?」

まどか「うん。ほむほむ、いいかな?」

ほむら「ほむっ!」

まどか「そんじゃ、…えい」ダキッ

61: 2011/07/24(日) 22:54:51.74 ID:N3Zv0Knh0
―ピカッ!

まどか「わ、変身できた」

さやか「うーむ、こうしてみるとなかなかカッコイイ姿だなぁ」ジロジロ

まどか「は、恥ずかしいよさやかちゃん」

ほむら「ほむほむ」ニジリニジリ

まどか「わ、わ、ほむほむは頭に上らないで…」///

マミ「うーん。二人が抱き合うと変身するのかしら?」

マミ「普通はソウルジェムをかざして変身するのだけれど」

さやか「でも、まどかはそれまでずっとほむほむを腕に抱いてたよね?」

まどか「あ、それなら今分かったんだけど」

ほむら「ほむほむ」

まどか「私とほむほむが同時に変身したいと思ってくっつくと変身できるみたい」

まどか「最初の時もそんな感じだったし…」ヘンシンカイジョ

さやか「へー、そうなんだ。じゃあ、私とは?」

62: 2011/07/24(日) 22:57:03.91 ID:N3Zv0Knh0
ほむら「ほむっ?!」

さやか「まどかにできるなら、私とはどうなんだろ?」

マミ「確かに、ちょっと興味があるわね」

さやか「よーし、それならさっそく変身だー! いくよー、ほむほむ」

ほむら「ほむっ!ほむむむむっ!ほむむぅぅぅぅぅ!」

マミ「…なにか嫌がっているように見えるけれど、どうしたのかしら?」

まどか「ええと…、わたし以外と変身するのはお断りだって」

さやか「なんだとー! このやろー、まどかはよくてあたしはダメとはどういう了見だー!」

ほむら「ほむほむ」

まどか「なんか乱暴に扱われそうだって。ついでに抱きつきたくないって言っている」

さやか「こ、この…。かわいいのにかわいくねー!」

マミ「まあまあ美樹さん落ち着いて。ほむほむもちょっとだけだから、ね?」

まどか「わたしからもお願い、ほむほむ。何が起こってるのか知りたいし…」

ほむら「ほむぅ…」

まどか「頑張って、一回だけなら我慢するって」

さやか「あたしが何したっていうのよ…ううう」

63: 2011/07/24(日) 23:00:21.65 ID:N3Zv0Knh0
まどか「うーん、変身できなかったね」

さやか「ていうか、ほむほむが変身する気なかったんじゃないの…?」

ほむら「ほむほむほむほむ!」

まどか「失礼な。やると決めた以上、嫌でもキッチリと役目は果たすって、ほむほむが」

さやか「何であたしはそんなに嫌われているのよ…」

マミ「一応私とほむほむや、私のジェムで鹿目さんが変身できるかどうか試してみたけど…。
   結局、変身が出来たのは鹿目さんとほむほむの組み合わせだけだったわね。

さやか「うーん、なんでまどかだけ変身できるんだろ?
   もしかして、まどかには特別な力があるとか?」

ほむら「ほむっ?!」

QB「たしかにまどかには魔法少女として物凄い才能がある」

まどか「わたしに…才能?」

マミ「そうなのQB?」

QB「うん。僕が見てきた中では一番の才能だ。
   ただ、それとこの件となにか関係があるとは思えないな」

さやか「結局、理由はわかんないままかー」

QB「ところで二人とも」

まどさや「?」

QB「色々あって話があって後回しになってたけど、頼みがあるんだ」

ほむら「…!」

QB「僕と契約して、魔法少女になってよ!」

64: 2011/07/24(日) 23:02:21.91 ID:N3Zv0Knh0
ほむら「ほむっ!ほむっ!ほむっ!ほむっほむっほむっほむっ!」

さやか「うおっ、ほむほむどうした?!」

まどか「ええと…、あの…」

マミ「鹿目さんでも、わからないことを言っているのかしら?」

まどか「いや、あの…その…」

さやマミ「?」

まどか「とても口には出せないことを…」

さやマミ「…」

65: 2011/07/24(日) 23:04:03.90 ID:N3Zv0Knh0
まどか「ああ、だめだよ!ほむほむ、そんなこと女の子が言っちゃ!」

さやか「…ほむほむは、キュウベエのことが嫌いなのかねー?」

マミ「キュウベエもほむほむに攻撃されたって言ってたから、そうなのかもしれないわね」

QB「ところで話を戻していいかい?」

さやか「ああ、ごめんごめん。で、契約だっけ?」

ほむら「ほむほむほむほむほむほむほむほむほむほむ!」

まどか「わわわ」アセアセ

マミ「…中々話は進みそうにないわね」

66: 2011/07/24(日) 23:06:29.21 ID:N3Zv0Knh0
―帰り道―

ほむら(結局、まどかはあの場ではQBとの契約はしなかった)

ほむら(契約しなくても変身できるし、強く叶えたい願いもないから当然と言えば当然ね)

さやか「にしても魔法少女かー」

まどか「…マミさんはずっと一人で戦ってたんだね」

さやか「まどかはどうするの。キュウベェとちゃんと契約して魔法少女になる?」

まどか「うーん、でももう変身できるし、叶えたい願いも見つからないよ」

さやか「えー、でもせっかく何でも一つ願いが叶うのに、それって勿体なくない?」

ほむら「ほむほむほむ」

さやか「ほむほむは何だって?」

まどか「魔法少女になった時点で、普通の人間としての幸せは無い。
    勿体ないとか、そんな気持ちでなるものじゃないって」

さやか「まあ、一つ願いを叶えるから、そのかわりあんな化け物と戦うってのはちょっとねー」

まどか「うん…。でも…」

さやか「?」

67: 2011/07/24(日) 23:08:09.31 ID:N3Zv0Knh0
さやか「ところでさ、ほむほむはどうすんの?」

まどか「あ、そういえばそうだね」

さやか「一応、元々は人間らしいけど、住んでいる家とかあるの?」

まどか「そうなの、ほむほむ?」

ほむら『ええ、大丈夫よ。
    一人暮らしだから、この体の説明もする必要はないし。特に問題無いわ』

まど「ってええっ! 一人暮らし?!」

さや「ど、どうしたのまどか?」

まど「ほむほむが一人暮らしだから何の心配もないって…」

さや「はぁ?!そんな体で一人暮らしってできるわけないじゃん!」

まど「そうだよ、ほむほむ!そんなの無理だよ!」

ほむ『心配いらないわ。
   今までだって一人でやってきたし、何とかしてみせる』

まど「…」

68: 2011/07/24(日) 23:09:17.38 ID:N3Zv0Knh0
まどか「…ねぇ、ほむほむが良かったらでいいんだけど」

ほむら「ほむ?」

まどか「わたしの部屋に、一緒に住まない?」

ほむら「ほむっ?!」
ほむら(まどかに部屋に?!)

69: 2011/07/24(日) 23:11:50.09 ID:N3Zv0Knh0
さやか「そーだ!それがいいよ。絶対に一人じゃ無理だって」

まどか「体が小さいから、お父さんやお母さんにも見つからないと思うし。ご飯も用意できるか
    ら、ね?」

ほむら『い、いえ。そこまで迷惑かけるわけにはいかないわ』

さやか「それにさー。魔女だっけ?あんなのが街をうろうろしてるんだからさ。
    何かあった時のために、ほむほむはまどかの傍にいたほうがいいと思うんだよね」

まどか「ほむほむがいないと、わたし変身できないしね」

ほむら「ほむむむむむ…」
ほむら『貴方をこれ以上危険に巻き込むわけには…』

さやか「何だって?」

まどか「わたしをこれ以上に危ない目に合わせるわけにはいかないって」

さやか「だったらさ、なおさらまどかの傍にいてあげてよ。魔法少女になれば、少なくとも逃げる
    ことはと思うしさ」

さやか「お願い。まどかを守ってあげてよ、ほむほむ」

70: 2011/07/24(日) 23:13:42.47 ID:N3Zv0Knh0
まどか「さやかちゃん…」

ほむら(美樹さやか…)

まどか「ほむほむ、私からもお願い」
まどか「何でも一人でできるのかもしれないけど、それってすごく大変だと思うんの」
まどか「だから、そんな体になった時くらい誰かに迷惑かけても、バチは当たらないと思う」
まどか「こんな私だけど…、少しでも頼ってくれると、ちょっと嬉しいな」

ほむら『まどか…』

ほむら「…」

71: 2011/07/24(日) 23:14:38.68 ID:N3Zv0Knh0
ほむら『…本当に、お邪魔していいのかしら?』

まどか「! うん!大歓迎だよ、ほむほむ!」

さやか「そうそう。魔法少女のマスコットはいつでも一緒にいる物なんだからさ!」

まどか「もー、さやかちゃん。ほむほむは人間なんだから、マスコットは失礼だよ」

ほむら『別にかまわないわ』

さやか「ほむほむ言ってて、かうぃーやつめー」ウリウリ

ほむら『前言撤回するわ。止めて頂戴』

まどか「あはは…」

72: 2011/07/24(日) 23:15:35.85 ID:N3Zv0Knh0
ほむら(美樹さやかの言うことにも一理ある)

ほむら(今の私にまどかを守る力がない以上、万が一のためにいつでも傍にいるべきね)

ほむら(それに近くにいれば、キュウベエの勧誘を追い払うこともできるわ)

ほむら(……)

ほむら(…)

ほむら(まどかと同棲…、まどかと同棲…)ホムホム

73: 2011/07/24(日) 23:18:45.39 ID:N3Zv0Knh0
―まどか部屋・夜―

まどか「いらっしゃい、ここがわたしの部屋だよ。ほむほむ!」

ほむら『ありがとう、お邪魔するわ』

ほむら(まどかの部屋…)
ほむら(外から見たことは多々あったけど、入るのは本当に久しぶり…)
ほむら(今日からここでまどかと…)ホムホム

まどか「ちょっと散らかってて、ごめんね」

ほむら『かまわないわ、急にお邪魔しなければならなかったのだし。
    それに片付けなら手伝うわ。しばらく居候させてもらう身なんですもの』

まどか「ありがと。でも無理しないでね。大きいものとかは自分でやるから」

ほむら『ええ』

ほむら(まどかの下着はどこにあるのかしら)
ほむら(それに私物のチェックも必要ね)ホムホムホム

74: 2011/07/24(日) 23:20:45.61 ID:N3Zv0Knh0
―数分後

ほむら『だいぶ片付いたわね』

まどか「ごめんね。手伝わせちゃって」

ほむら『気にする必要はないわ』
ほむら『こちらも有益な情報が得れたし』

まどか「?」

ほむら『何でもないわ。気にしないで』

まどか「それならいいんだけど…。あ!」

ほむら『どうしたの? まどか』

まどか「ほむほむ、着替えはどうしよう…」

ほむら『着替え?』

まどか「うん。いつまでもその恰好のままじゃ汚れちゃうでしょ?」

ほむら『ああ、それなら大丈夫』
ほむら『魔法少女の衣装は汚れないから、いつまでも着ることができるの』
ほむら『まあ、同じ服をずっと着ているっていう感覚は、気持ちのいいものではないけれど』

75: 2011/07/24(日) 23:22:46.53 ID:N3Zv0Knh0
まどか「そういえば、ほむほむはずっと魔法少女の姿をしているね」

ほむら『この姿だと、変身していないと行動するのが大変になるの』
ほむら『魔法少女の身体能力じゃなければ、外を歩くのも苦労したわ』

まどか「じゃあ、私の部屋くらいは元の姿に戻ったらいいんじゃないかな?
    危険はないし、何か行きたい場所があったらわたしが運んであげるよ!」

ほむら『そこまで迷惑かけるわけには…』

まどか「いいのいいの。気にしないで!」
まどか「それにここはしばらくはほむほむの家になるんだから、ちゃんと休まないとだめだよ?」

ほむら『そういうのなら…』シュン

まどか(え…? 病院の服?)

ほむら『…やっぱり、元の姿だと行動がだいぶ制限されるわね』

まどか「あの…、ほむほむ? その服は?」

ほむら『…あ』

76: 2011/07/24(日) 23:25:16.72 ID:N3Zv0Knh0
ほむら(しまった…。着替えがなかったから、病院服のまま…)

まどか「もしかして…、ほむほむって小さくなる前はどこか体が悪かったの?」

ほむら『心配はいらないわ。大した病気じゃないの』

まどか「でも入院してたんでしょ。無理しちゃだめだよ!」

ほむら『魔法少女なら、魔法で体も強化できる』
ほむら『それに病気と言ってももう退院を待つだけだったの。大丈夫よ』

まどか「ほむほむ…、でも…」

ほむら(余計な心配をかけせてしまったようね…)

77: 2011/07/24(日) 23:27:27.09 ID:N3Zv0Knh0
ほむら『まどか』

まどか「うん?」

ほむら『そんなに心配をしないで。確かに小さくなったことは大変だけど、それ以外のことは以前
    と同じ。自分の体のことはよくわかっているの。大丈夫よ』
ほむら『それに今の私には、あなたがそばにいてくれるだけでも十分ありがたいわ』

まどか「…えへへ、こんなわたしでも役に立てているなら嬉しいな」

ほむら『あまり自分を卑下しないで。その優しさは人に自慢出来るものよ』

ほむら(そう…、あなたは他人に優しすぎる)
ほむら(だからあなたは必ず…)

78: 2011/07/24(日) 23:30:14.76 ID:N3Zv0Knh0
まどか「でも、いつまでもその服じゃ大変だよね」

ほむら『私はかまわないわ。この体で着れる物があるだけ、マシというものよ』

まどか「そういうわけにも…、あ、そうだ」

ほむら『?』

まどか「たしかここに…」ゴソゴソ

ほむら『??』

まどか「よかった、まだ捨ててなかった! はい、ほむほむこれ!」

79: 2011/07/24(日) 23:32:11.94 ID:N3Zv0Knh0
ほむら『これは…、人形の服?』

まどか「うん。小さいころ遊んでいたお人形さんの服!
    もしかしたら…って思ったんだけど、これ着れないかな?」

ほむら(まどか…、やっぱり優しいわ)
ほむら(こんな私に、何かできるわけないのに、こんなにも気を使ってくれる)
ほむら(まどか…ありがとう)

ほむら(…でも、これは…)

80: 2011/07/24(日) 23:34:30.37 ID:N3Zv0Knh0
ほむ『…あの、まどか』

まど「どうしたの? ほむほむ」

ほむ『さすがに、その、これは…』

まど「?」

ほむ『この年齢で着るのは、恥ずかしいというか…』

ほむ(というか、昔テレビでやっていた本物の魔法少女の衣装…。なんでこんな服だけ残っている
   というの?!)

81: 2011/07/24(日) 23:35:36.14 ID:N3Zv0Knh0
まどか「えー、でもほむほむは可愛いからきっと似合うよ!」

ほむ『…か、かわいい?』

まど「うん!美人さんだし、黒髪だし!あ、そうだ確かこっちにも」ゴソゴソ

ほむ『ま、まどか…?』

まど「やっぱり、これもまだあった!あ、これも!」

ほむ(ひっ…、な、なんであんな衣装がぞろぞろと?!)

まど「うん、こっちも着れそうだね!」

ほむ『…』コソコソ

82: 2011/07/24(日) 23:36:57.16 ID:N3Zv0Knh0
まどか「…ほ~む~ほ~む?」

ほむら『!』ビクッ

まどか「さー、お着替えしましょうね」ニコニコ

ほむら(い、いやぁぁぁあぁぁぁ!)

98: 2011/07/28(木) 19:08:19.55 ID:4pVNOdv80
ほむら(結局、いろんな服を着せられて、まどかの玩具にされてしまったわ…)
   (けど、まどかのおもちゃにされるというのもこれはこれで)

まどか「うん! これで着るものはなんとかなりそうだね!」

ほむら『…あれを着て、外に行きたくはないわね』

まどか「えー、でもかわいかったよほむほむ♪」

ほむら『私は恥ずかしかったわ…』

まどか「うーん。でも魔法少女の服装もあまり変わらないと思うんだけど…」
   「というか、いま思い出すと結構恥ずかしいよ」///

ほむら『…そうね。慣れって恐ろしいわ』

99: 2011/07/28(木) 19:10:18.85 ID:4pVNOdv80
まどか「これで、あとの問題は食事だけだね」
   「お夕飯の残りでよければ、私が隠れて持ってきてあげる」

ほむら『何から何までごめんなさい…』

まどか「いいんだよ。困ったときはお互い様だし」
   「それに今日は命を助けてもらったんだから、そのお礼!」

ほむら『まどか…』

まどか「あ、もうこんな時間。遅くなっちゃったね」

ほむら『そうね。今日は色々あったもの』
   『まどか、貴方は明日も学校があるのでしょう? 早く休みましょう』

まどか「うん、でもその前にお風呂入らなくちゃ!」

ほむら『そうね。埃っぽいところを歩いていたのだし、汗も流すべきね』

まどか「うん。それじゃあいこ!」

ほむら『ええ。行ってらっしゃい』

100: 2011/07/28(木) 19:11:19.51 ID:4pVNOdv80
まどか「え?」

ほむら『…?』

まどか「やだなぁ、ほむほむ。なにいってるの?」



まどか「ほむほむも一緒に入るんだよ?」



101: 2011/07/28(木) 19:12:40.70 ID:4pVNOdv80
ほむら「ほむっ?!」
    (な、なななななななななんんですって―?!)

ほむら『そそそそそそそ、それには及ばないわ!』

まどか「でもその体じゃ、一人でお風呂入るの大変だよ?」
    「湯船が大きいから、溺れちゃうかもしれないし。お湯を汲むのだって…」

ほむら『だだだだだだ大丈夫よ! 魔法少女に不可能はないわ!それくらい何とか…』

まどか「それくらいで、魔法を使うのはもったいないよ…」

ほむら『あ…あう…』


102: 2011/07/28(木) 19:14:09.81 ID:4pVNOdv80
まどか「…ねぇ、ほむほむ」

ほむら『…何かしら?』

まどか「わたしとお風呂に入るの…、そんなにいや?」

ほむら『そ、そういうわけじゃ…』

ほむら(逆にどうにかなりそうだわ…)

まどか「よかった、じゃあ入ろ! お母さんたちに見つかったら大変だから、慎重にね」ヒョイ

ほむら『は、はい…』ドキドキ

103: 2011/07/28(木) 19:15:16.53 ID:4pVNOdv80
―風呂上り

ほむら(まどかと遂に一緒にお風呂に入ってしまった…)
    (今日のことは脳と心に刻み込むわ)

まどか「さっぱりしたね! ほむほむ」

ほむら『ええ、そうね。手伝ってくれてありがとう』

まどか「へへ、どういたしまして♪」

ほむら(後顧の憂いも洗われたわ)

まどか「じゃあ、寝ようか。はい、ほむほむはここ」ポンポン

ほむら『…』

まどか「あしたはちゃんと寝れる場所作るから、今日はここで」
    「わたし、寝相はいいから、たぶん潰さないとは思うんだけど…」

ほむら『お邪魔します…』ゴソゴソ

まどか「うん。それじゃあおやすみ」

    カチッ

ほむら『おやすみなさい、まどか』

まどか「…」

ほむら『…』

104: 2011/07/28(木) 19:16:21.89 ID:4pVNOdv80
ほむら(体が小さくなって、一度は絶望したけれど)

    (こうしてみると、悪いことばかりでもなさそうね)

    (何より、24時間まどかの護衛につくことができるのが大きい)

    (問題はこの状態でワルプルギスとどう戦うかということだけど…)

    (それにはこれまで以上に、戦力を集める必要がある)

    (巴マミや、佐倉杏子とどうにかして同盟を結ばないと…)

105: 2011/07/28(木) 19:17:09.34 ID:4pVNOdv80
まどか「…ねえ、ほむほむ?」

ほむら『…まだ起きていたの、まどか? 明日も早いのでしょう?』

まどか「うん。そうなんだけど…、ちょっと聞きたいことがあって」

ほむら『?』

まどか「ねぇ、ほむほむは、本当はなんて名前なの?」

106: 2011/07/28(木) 19:18:01.59 ID:4pVNOdv80
ほむら『…名前?』

まどか「うん。だってほむほむは、本当は普通の女の子だったんでしょ?」

まどか「『ほむほむ』っていうのは私たちが勝手につけちゃった名前だから、
     本当の名前、聞きたくって」

107: 2011/07/28(木) 19:19:50.06 ID:4pVNOdv80
ほむら『…』


ほむら『ほむほむでいいわ』

まどか「え…?」

ほむら『今の私は、人間でも何でもない、ただの無力な生き物ですもの』

まどか「そんなこと…」

ほむら『あなたもわかっているでしょう。
    今日一日、貴方がいなければおそらく私はこうしてベットで寝ることもできなかった』     『今の自分のこの状況を、ちゃんと認識していたいの。一人じゃ何も出来ない身だって』
    『…ごめんなさい。だから、名前はしばらく聞かないで。ほむほむで通してほしい』

まどか「…うん、わかった」

ほむら『そんな顔しないで、ほむほむという名前は気に入っているわ』
    『助けてくれた恩人の、貴方達がつけてくれた名前ですもの』

まどか「…うん、そういってもらえるなら嬉しいな」

108: 2011/07/28(木) 19:21:44.77 ID:4pVNOdv80
※訂正

ほむら『…』



ほむら『ほむほむでいいわ』

まどか「え…?」

ほむら『今の私は、人間でも何でもない、ただの無力な生き物ですもの』

まどか「そんなこと…」

ほむら『あなたもわかっているでしょう。
    今日一日、貴方がいなければおそらく私はこうしてベットで寝ることもできなかった』
    『今の自分のこの状況を、ちゃんと認識していたいの。一人じゃ何も出来ない身だって』
    『…ごめんなさい。だから、名前はしばらく聞かないで。ほむほむで通してほしい』

まどか「…うん、わかった」

ほむら『そんな顔しないで、ほむほむという名前は気に入っているわ』
   『助けてくれた恩人の、貴方達がつけてくれた名前ですもの』

まどか「…うん、そういってもらえるなら嬉しいな」

109: 2011/07/28(木) 19:23:16.40 ID:4pVNOdv80
ほむら(…これでいい)

    (いずれ私は、まどかの前から姿を消さなくてはいけない)

    (それだったら、一匹の奇妙な弱い生き物のままで、いい)

111: 2011/07/28(木) 19:24:12.09 ID:4pVNOdv80
ほむら(…そう)
    (今の私は一人じゃ何もできない)
    (まどかを守ることも、魔女と戦うことも、ワルプルギスを倒すことも)
    (もう誰にも頼らない、そう決めた、けど…)

ほむら『…』

    『…ねえ、まどか』

まどか「ん?」

ほむら『少し話しておきたいことがあるの』
    『あなたを巻き込んで傍にいさせてもらう以上、話す義務があると思うから』

まどか「なあに、ほむほむ?」



ほむら『私が…、魔法少女になった理由』

112: 2011/07/28(木) 19:25:41.80 ID:4pVNOdv80
   『私はね、あるものを守りたかったの』

   『それが好きで、大切で、ずっと幸せでいてほしいと思った』

   『そのためなら、どんな運命も受け入れようと思った』

   『その願いで、私は魔法少女になったの』

113: 2011/07/28(木) 19:27:42.16 ID:4pVNOdv80
まどか「ほむほむは、なにかを守るために魔法少女になったんだね」

ほむら『ええ』

まどか「もしかして恋人かな?」

ほむら『さあ、どうかしら?大事な家族かもしれないし、生まれ育った街かもしれないわね』

まどか「うーん、そこは教えてくれないんだ?」

ほむら『恥ずかしいから。ここ先はノーコメントにさせてもらうわ』

まどか「えー、別にからかったりしないよ」

ほむら『ごめんなさい。でもこれは、私にとって大切なことなの』

まどか「魔女と戦うことになっても叶えたかった願いだもんね。しょうがないか」


114: 2011/07/28(木) 19:28:36.38 ID:4pVNOdv80
ほむら『…鹿目まどか』

まどか「なあに?」

ほむら『これを聞いてもらったうえで、頼みたいことがある』



ほむら『貴方に、魔法少女として私と一緒に戦ってほしい』

115: 2011/07/28(木) 19:29:20.83 ID:4pVNOdv80
ほむら『本当は私一人で、戦うつもりだった』

    『でも、今の私はこの通り、一人じゃ何も出来ない体』

    『このままじゃ、魔女と戦うことも、守ろうとしたものも守ることもできない』

    『だから、私の力を使える貴方に頼みたい』

    『私と一緒に戦って、その…、ほしいの』

116: 2011/07/28(木) 19:30:18.18 ID:4pVNOdv80
まどか「…」

ほむら『もちろん、ずっととは言わない』

まどか「…」

ほむら『この体が元に戻るまで…、いえ、ある時期を過ぎるまででいい。
     おそらく一か月もかからない』

まどか「…」

ほむら『当然危険はある。そこは否定しない。
     でも、貴方に怪我をさせないように全力で尽くすわ』

まどか「…」

ほむら『だから、お願い。私と一緒に…』
ほむら(あなたの、残酷な運命を…)

117: 2011/07/28(木) 19:31:56.43 ID:4pVNOdv80
まどか「…嬉しいな」

ほむら『…え?』

まどか「わたしね、自分に価値なんてないと思ってたの」

ほむら『そんなこと…』

まどか「ううん。私って、昔から得意な学科とか、人に自慢できる才能とかなにもなくて」

ほむら『…』

まどか「やりたいこともなくて、特になにかできるわけでもなくて」

ほむら『…他人に、自分が何が出来るかを堂々と言える人なんて、早々いないわ』

まどか「うん。でもね、わたしは自分の中にもそれがなかったんだ」

ほむら『…そうなの』

まどか「でも、今日ね。魔法少女になって、さやかちゃんの抱えて逃げた時。
     初めて自分のやりたいことが見えたような気がしたの」
    「わたしがもし誰かを助けることが出来るのなら、それはとても嬉しいなって」

118: 2011/07/28(木) 19:33:37.56 ID:4pVNOdv80
ほむら『…魔法少女は甘いものじゃないわ』

まどか「…うん」

ほむら『戦いは毎回命がけだし、そのまま命を落とすこともある』

まどか「うん。今日のを思い出してもなんとなくわかるもの」

ほむら『何となく、ではないわ。事実よ』

まどか「…うん」

ほむら『だからよく考えて。本当に貴方はそれでいいの?』

まどか「ふふ、変なの。ほむほむから誘ったのに、なんだか戦ってほしくないみたい」

ほむら『当たり前だわ。こんなこと頼むほうがどうかしている。
    それをわかっていて頼んでいるの』

ほむら『だから、これは私の勝手を押し付けているだけ』

ほむら『貴方が、私に気を使うことなんてこれっぽっちもないのよ?』


119: 2011/07/28(木) 19:34:40.72 ID:4pVNOdv80
まどか「ううん。そんなんじゃないの。
     ほむほむが頼まなくても、きっとわたしのほうからほむほむに頼んでいたと思うし」

ほむら『まどか…』

まどか「それにね。怖いけど、でもそれ以上に頑張れるような気がするんだ」

ほむら『…どうして?』

まどか「だって、一緒に戦ってくれるんでしょ、ほむほむ」


ほむら(…!)


ほむら『…当り前よ』

まどか「うん。それならきっと、頑張れる」

120: 2011/07/28(木) 19:35:30.87 ID:4pVNOdv80
ほむら『…ありがとう』


ほむら『安心して、私がいる以上、まどかには傷一つつけさせないわ』

まどか「あはは、やっぱり頼もしいな。…じゃあ、ほむほむ」

ほむら『…うん』

まどか「これから、よろしく!」

ほむら『ええ、よろしくまどか』

121: 2011/07/28(木) 19:36:31.75 ID:4pVNOdv80
ほむら(今の私はまどかを守れない)

    (それはどうあがいても変えられない、純然たる事実)

    (でも、私の能力と、助言と、経験はまどかを守ることができる)

    (こんな状態になってもあきらめない)

    (絶対に、今度こそ、まどかを救ってみせる…!)

122: 2011/07/28(木) 19:37:13.84 ID:4pVNOdv80
まどか「ねぇ…ほむほむ?」

ほむら「ほむ?」

まどか「わたしね。昨日、あなたの夢を見たの」

ほむら「ほむ…」

まどか「あなたが、なにかと戦っている夢」

ほむら「…」

まどか「もしかしたら、あれって正夢だったのかな?」

ほむら「ほむ…」

まどか「もし、ほむほむもなにかと戦っているなら、話して」

ほむら「…」

まどか「わたし、力になりたいの。頼りないかもしれないけど」

ほむら「…」

まどか「おやすみ、ほむほむ」

ほむら「…ほむほむ」

128: 2011/07/28(木) 20:45:57.14 ID:4pVNOdv80
一応、ほむらちゃんは現在「ほむほむ」としか喋れない身なので、
口に出している場合は「」、念話は『』で表現していたのですが、わかりにくかったでしょうか?

最後は、念話での相槌が自然と声に出ていると考えてください。

134: 2011/07/31(日) 15:22:53.12 ID:xegW7lXz0
―翌日 学校―
さやか「それじゃあ、まどかは魔法少女になることにしたんだ?」

まどか「うん。色々考えたけど、やっぱりほむほむやマミさんの手伝いをしたいって思ったの」

さやか「そっかー。じゃあ、まどかもあの変なのと戦うんだよね…」

まどか「あ、でもね。当分は見習いだって」

さやか「へ?なんでまた」

まどか「えっとね、
    『いきなり実践は早すぎる。巴マミの戦いを見たり、練習してからにしましょう』
    ってほむほむが」

さやか「はー。厳しいねーほむほむは」

まどか「そんなことないよ。むしろ危なくないように、大事にしてもらっている感じだよ」

さやか「まぁ、まどかだしねー。なーんか、肝心な時にドジ踏みそうだから、わたしとしてもそっ
     ちのほうが安心かなー」

まどか「さやかちゃん…ひどい…」

さやか「あっはっはっは、ごめんごめん」

まどか「ううう…」

135: 2011/07/31(日) 15:24:11.86 ID:xegW7lXz0
さやか「わたしもいきなり戦うのは反対。マミさんに頼んでみようよ。
     わたしも一緒にいってあげるからさ」

まどか「うん。ありがとうさやかちゃん」

さやか「ところで、その肝心のほむほむは? おうちでお留守番?」

まどか「あ、ほむほむならここに…」ガサゴソ


―鞄の中

ほむら「ほむ」チンマリ

136: 2011/07/31(日) 15:25:58.16 ID:xegW7lXz0
さやか「同伴かよ!」

まどか「だって、なにかあってもすぐに対処できるように、ついてくるって聞かなくって…」

ほむか「ほむほむ」

さやか「しかも何かドールハウスみたいなのが入っているし!」

まどか「うん。むかし遊んでたドールハウスをバックに入れてみたんだ。
    そのままだと息苦しいし、少しは快適になるかと思ったんだけど…」

さやか「道理で、いつもより大きなバッグ使ってるわけだ…」

まどか「あ、でも重くはないよ。
     魔法で、体も強くしてもらってるから」

さやか「…なーんか魔法の無駄使いしてるような気がするなー」

まどか「わたしもそう思うんだけど、ほむほむが迷惑はかけられないって…」

ほむら「ほむほむ」

137: 2011/07/31(日) 15:28:15.21 ID:xegW7lXz0
さやか「おいこら、ほむほむ。授業中に騒いだりして迷惑かけるんじゃないぞ」

仁美「あら、さやかさんまどかさん、おはようございます」

まどか「あ、仁美ちゃんおはよう」

さやか「そういうことだからね、あんたは変な生き物なんだから節度を守ってキッチリと…」

仁美「…?さやかさん、誰と話してますの?」

さやか「え?あ、い、いやー、何でもないよ。ねー、まどか?」

まどか「う、うん」

仁美「?」

ほむら「…」シーン

さやか『ちゃんとそこらへんはわきまえているみたいね…』

まどか『ほむほむは頭がいいから、そのくらい言わなくても大丈夫だよ、さやかちゃん』

さやか『ホントかな…』

138: 2011/07/31(日) 15:29:09.31 ID:xegW7lXz0
―数学
先生「では、この問題は…鹿目さんお願いします」

まどか「ふぇっ?! あ、あの…」

ほむら『ほむほむ』

まどか「あ、あの、y=2x+6です…」

先生「はい正解です。では次は…」

まどか『ふぃー、ありがとね。ほむほむ』

ほむら『ほむ』

さや『…』

139: 2011/07/31(日) 15:29:43.85 ID:xegW7lXz0
―英語
先生「では、この訳は鹿目さんで」

ほむら『ほむほむほむ』

まどか「えっと…×××は***の△△△にした、です」

先生「はい。ここの構文は…」

まどか『分からなかったから、助かったよほむほむ』

ほむら『ほむ』

さやか『…』

140: 2011/07/31(日) 15:30:13.64 ID:xegW7lXz0
―体育
先生「鹿目さん?!いつの間にそんなに足が速く?!」

まどか「あ、あははー…」

さや「…」

141: 2011/07/31(日) 15:30:58.91 ID:xegW7lXz0
―昼休み―
さやか「ていうか、ほむほむまどかに過保護すぎ!」

ほむら「ほむっ?!」

まどか「さ、さやかちゃん声が大きいってば…」

さやか「いやいや、いくらなんでもバックアップしすぎだってば」

まどか「『迷惑かける以上、これくらいは当然よ』って聞かなくて…」

さやか「にしても、あんた頭良かったのね…」

まどか「そうだね、びっくりしちゃったよ。鞄に隠れてるから、黒板とか見えてないはずなのに」

ほむら「ほむほむ」

さやか「むー、これが魔法少女のマスコットの底力か」

まどか「あんまり、関係ないと思うけど…」

ほむら「ほむほむ」モグモグ

さやか「ねー、ほむほむ。良かったらアタシにもアドバイスを…」

ほむら「ほむほむむ」

まどか「『通訳しなくちゃいけないからまどかの迷惑になるし、何より面倒だわ』だって」

さやか「へいへい、予想できてましたよ…」

ほむら「ほむ」

まどか「『わかっているのなら。無駄な質問しないで』だって」

さやか「うがー、腹立つ―!ていうか、まどかも一々翻訳するなー!」

142: 2011/07/31(日) 15:32:31.04 ID:xegW7lXz0
マミ「二人ともここにいるのかしら…」

さやか「あ、マミさんだ。マミさんー、こっちですー!」

マミ「ああ、よかった。見つけられて。あら、ほむほむもいるのね」

まどか「はい。何かあった時のためにって、できるだけ一緒にいるようしているんです」

マミ「鹿目さんは一人で変身できないものね。良い判断だと思うわ」

さやか「それがマミさん聞いてくださいよー、こいつったら酷いんですよー!」


ほむら「ほむほむ」

まどか「あ、お茶欲しいの? はい」

ほむら「ほむ」クピクピ

まどか「どういたしまして♪」

マミ「ふふっ、こうして見るとかわいいわね」

さやか「マミさん!騙されちゃいけません!こいつとんでもなく性悪ですよ!」

マミ「あらあら」

144: 2011/07/31(日) 15:36:39.34 ID:xegW7lXz0
―説明終了―
マミ「それじゃあ、鹿目さんは魔法少女として魔女と戦うことにしたのね?」

まどか「はい。マミさん、よろしくお願いします」

マミ「ええ、こちらこそよろしくお願いするわ」


まどか「でも、ほむほむがいうには、まだ実戦には早いって」
     だから、しばらくはさやかちゃんと同じく見学ってことで…その、いいですか…?」

マミ「ええ、それは構わないわ。というより、私もそれを提案しようと思っていたの」

まどか「そうなんですか?」

マミ「ええ、そうよ。しばらく様子を見ましょうってね」

さやか「よかったぁ…。二人なら魔女退治も楽になるから、てっきり、すぐにでも戦ってもらうの
    だと思ってましたよ」

まどか「でも、どうして…?」

さやか「もしかして、まだ力不足だから前線には出せないとか、そういうやつですか?」

マミ「ええ。それもあるのだけれど…」

145: 2011/07/31(日) 15:39:15.45 ID:xegW7lXz0
マミ「…鹿目さん。今のあなたは魔法少女の力を持っているけれど、でもそれは正規の流れを踏ん
    でなったわけじゃない、言わば特別な存在だわ」

まどか「はい」

マミ「だから、出来るだけ慎重になるべきだと思うの。何が起きるかわからないから、変身も今は
    まだできるだけ控えたほうがいいと思うわ」

まどか「ほむほむもそう言ってました。マミさんには負担をかけるけど、それが良いって」

マミ「あら、私と同じ意見なのね。そうなの、ほむほむ?」

ほむら「ほむ」

まどか「『迷惑かけるけど、まどかを守ってほしい』ってほむほむが言ってます」

マミ「ええ、引き受けるわ。かわいい後輩ですもの」

まどか「ありがとうございます!マミさん!」

146: 2011/07/31(日) 15:41:29.41 ID:xegW7lXz0
さやか「うーむ。こんな見た目でも頭は良くて、しかもベテラン魔法少女。ギャップ萌えってやつ
    ですな」

マミ「本当。実力は相当なものだと思うわ。
    これで、私たちと同じ大きさなら、とても頼りになると思うのだけれど…」

まどか「…ううう、頼りなくて済みません…」

マミ「え?あっ、ち、違うのよ?鹿目さんが頼りないとかそう言いたいんじゃないの。
    ただ、ほむほむが仲間になってくれるなら、心強いって話で…」


QB「僕はどうかと思うけどね」

さや「あ、キュウベエ」

ほむ「ほむっ!」

147: 2011/07/31(日) 15:43:10.36 ID:xegW7lXz0
QB「前にも言ったけど、僕は彼女と契約した記憶がない」
 「それに、そんな変な姿になっているんだ。一応、警戒はしておくべきだと思うよ」

ほむら「ほむむむむむ…」

マミ「こら、キュウベエ。言いたいことはわかるけど、本人の前で言うことじゃないわよ」
  「それに、この子は自分の身を顧みず、鹿目さんや美樹さんを守ろうとしたじゃない」
  「少なくとも、そういう気持ちを持った子ってことは間違いないと思うけど」

さやか「そうだぞ、キュウベエ。あまり疑り深いと女の子にもてないぞー」

QB「やれやれ、僕は現実的な話をしているんだけどね」
 「まあ、何はともあれ、そんな体じゃあまり害がないのもまた事実だ」
 「そこらへんの判断はマミにまかせるよ」

マミ「QB、彼女はもう仲間よ。慎重なのもいいけど 少しは信頼してあげなさい」
  「そんな態度なら、ご飯抜きも考えなきゃならないわね♪」

148: 2011/07/31(日) 15:45:07.12 ID:xegW7lXz0
QB「まったく、わけがわからないよ」

マミ「ふふふ、拗ねないの。さ、お昼を食べちゃいましょう」

さやか「おお、そうそう!早く食べないと」モグモグ

まどか「わたしも…」ムグムグ

ほむら「ほむほむ」


ほむら(巴マミとの協力関係は上手くいきそうね)

    (今の私一人じゃ、まどかを守りきれないかもしれない。そのため彼女の存在は心強いわ)

    (もしかしたら、もっと早くこうするべきだったのかも…)

149: 2011/07/31(日) 15:47:14.16 ID:xegW7lXz0

―「ソウルジェムが魔女を産むなら―!」 ―


ほむら(…大丈夫)
    (今日明日で訪れる場面じゃない)

    (上手く隠し通せれば、回避できるはずだわ…)

    (現状を把握しなさい。暁美ほむら。今の私は無力なんだから、出来るだけ多くの人の協力
     を得ないといけない)

    (そのためには、多少のリスクには目をつぶらないと…)

150: 2011/07/31(日) 15:48:17.85 ID:xegW7lXz0

―「嫌だぁ…もう嫌だよ、こんなの…」―

ほむら(…でも)

    (まどかに何か危害が及ぶようなことになるなら…)

    (そのときは…どうしたら…)


マミ「じゃあ二人とも。また放課後にね」

まどさや「はい、マミさん!」

ほむら「…ほむ」

164: 2011/08/03(水) 22:36:37.52 ID:Z8MjpLZz0
―帰宅 まど部屋―
まどか「はー、やっぱりすごかったなぁマミさんは…」

ほむら『そうね。さすが長年魔法少女を続けているベテランなだけはあるわ』

まどか「わたしも、あんな風に戦えるようになるのかな?」

ほむら『戦い方は人それぞれよ。自分の能力にあった戦法をとるのが一番ね。
     まどかには、わたしに近い戦闘スタイルをとってもらうことになると思うけど…』

まどか「そうなんだ。そういえば、ほむほむはどんなふうに戦うの?」

ほむら『そうね。いい機会だし、わたしの魔法少女としての力について説明しておきましょうか』

165: 2011/08/03(水) 22:39:43.82 ID:Z8MjpLZz0
―説明終了
まどか「…あんまり、マジカルじゃないね」

ほむら『…ごめんなさい。改めて説明したら自分でもそう感じたわ』

まどか「でも、ほむほむの武器は盾なんだね」

まどか(何かを守りたいから、魔法少女になったってほむほむは言ってた)

    (その願いだから、盾になったのかな?)

ほむら『ええ。私だけ少し変身するわね』シュン

    『これで攻撃も防げるし、中に色々なものが収納できるのよ』

まどか「四次元ポケットみたいだね」

ほむら『そういう認識で構わないわ。本当は他にも、能力があるのだけれど…』

まどか「それって、最初に変身した時の?」

ほむら『ええ。中身の話よ』

    『ちょっと、待ってて』カシャ

166: 2011/08/03(水) 22:42:01.87 ID:Z8MjpLZz0
まどか「…」

ほむら『…やっぱり、私だと使えるみたい』

まどか「…え? え?」キョトン

ほむら『まどかにはわからなかっただろうけど、
     能力そのものが無くなったわけではないみたいだわ』

    『やはり、本来とは違う手段で魔法少女になったから、色々と弊害が出ているみたい』

まどか「と、いうことはやっぱり…」

ほむら『ええ、火器で戦うことになるわね』


167: 2011/08/03(水) 22:45:06.85 ID:Z8MjpLZz0
まどか「でも、わたしに鉄砲なんて撃てるかなぁ…」

ほむら『そこは練習するしかないわ、まどか。習熟までに時間がかかるけど、それしかないもの。
     撃てるようになるまでは、爆弾を投げて戦いましょう。私も最初そうだったわ』

まどか「ごめんね、なんだか足手まといで…。マミさんにも迷惑かけちゃうし」

ほむら『気にする必要はないわ。誰しも最初はそうだもの』

    『それに巴マミとのコンビなら、遠距離からの攻撃が主流になるから爆発に巻き込むこと
     もないと思うし。
     彼女もフォローはしやすいはずよ』

まどか「うーん、確かに剣とかで戦ってる人がいたら危ないよね。爆弾って」

ほむら『…』

まどか「あれ、どうしたの?」

ほむら『何でもないわ。
     ただ昔、チームを組んでいた人に同じことを言われたのを思い出しただけ』

168: 2011/08/03(水) 22:46:12.47 ID:Z8MjpLZz0
まどか「ほむほむにも、昔一緒に戦ってた人がいたんだね」

ほむら『…ええ。もう昔の話だけど』

まどか「…」

ほむら『…』

まどか(あ、あれ? な、なにか空気が重いよ~…)

169: 2011/08/03(水) 22:47:43.44 ID:Z8MjpLZz0
まどか「そ、そういえばさ!」

ほむら『なあに?まどか』

まどか「どんな人だったのかな、そのほむほむの昔の仲間の人って!」

ほむら『…それを聞いてどうするの?』

まどか「う、うん。ほむほむと一緒に魔女と戦ってたんだから、
     きっと凄い人たちだったんだろうなーって」
    「だから、どんな人だったのか知りたくて!」

ほむら『…』

170: 2011/08/03(水) 22:50:54.52 ID:Z8MjpLZz0
ほむら『氏んでしまったわ』

まどか「…え?」

ほむら『もういないの。みんな氏んでしまった、魔女との戦いで』

まどか「…」

ほむら『たくさんの魔法少女が氏ぬところを見てきた。
     この目で。良い人も悪い人もみんな氏んでしまった』

    『…ごめんなさい。一緒に戦ってくれるって言ってくれたのに。後から、こんな話をして』

    『でも覚えておいて。魔女との戦いは、そういうことなの』

    『…まどか、嫌になったら何時でも言って。あなたが戦えなくなっても、
     それを責められる人なんていないわ。そうなったら、私はあなたの前から姿を消す』

    『だから、無理だけは絶対にしないで』

171: 2011/08/03(水) 22:52:42.50 ID:Z8MjpLZz0
まどか「…っく」

ほむら『…まどか?』

まどか「…ぐす……」

ほむら『…どうして泣いているの?まどか』

まどか「ご、ごめんね。辛いこと聞いちゃって」グスグス

ほむら『かまわないわ。悪気があったわけじゃないもの』

まどか「…ほむほむ」ギュッ

ほむら『ま、まどか?』

まどか「…わたし、魔法少女を辞めないよ。そうしたら、またほむほむは一人になっちゃうもの」

    「そんなの、淋しすぎるもん…」

ほむら『…いいの?』

まどか「…うん」

172: 2011/08/03(水) 22:54:47.35 ID:Z8MjpLZz0
ほむら『貴方のことは何があっても守るわ、まどか』

まどか「えへへ、ありがと。でもわたしもね、ほむほむのこと守れるように頑張るよ」

ほむら『それじゃあ、立場が逆だわ』

まどか「それでいいんじゃないかな。お互いに助けあえば、きっと何だってうまくいくよ!」

ほむら『そうね…』


ほむら(本当にそんな関係になれたら…)

173: 2011/08/03(水) 22:56:20.10 ID:Z8MjpLZz0
ほむら『それじゃあ、明日から武器を使う練習をしないとね』

まどか「うん! でもわたしにできるかな…」

ほむら『出来るようになってもらわないと困るわ、これしか攻撃手段が無いのだもの』

まどか「うん、わたし頑張るよ。ほむほむ!」

ほむら『そう。なら最初から厳しくいくわよ。まどか』

まどか「え、ええーっ! す、少し遠慮してほしいなー…」

ほむら『…ふふっ』

174: 2011/08/03(水) 23:01:37.76 ID:Z8MjpLZz0
―翌日 放課後―
まどか「マミさん、遅いねー…」

ほむら『そうね』

ほむら(射撃に関しては彼女にも経験があることだし、教えるのを手伝ってもらいたいのだけれ
     ど…)


ほむら『そういえば、今日は美樹さやかはどうしたのかしら?』

まどか「あ、さやかちゃんはね。今日は病院に行ってから合流するって」

ほむら『そう』

まどか「さやかちゃんね。幼馴染の男の子が入院してて、毎日お見舞いしているんだよ!」

ほむら『そうなの?』

まどか「うん。音楽のCD買ってきてあげたりしてるんだ」

    「その人、バイオリンがすごく上手でね。音楽のことが大好きなんだよ!」

ほむら『美樹さやかはその人のことが好きなのね。さっさとくっ付いてしまえばいいのに』

まどか「え?!そ、それは簡単に言いすぎだよ…」

ほむら『何故かしら?こういうのは伝えられるときに伝えるべきだと思うわ』

    『そのうち、伝えることも出来なくなることだってあるのだから』

175: 2011/08/03(水) 23:03:16.79 ID:Z8MjpLZz0
まどか「でも今がなくなっちゃうのが怖くて、言えないっていうのもあるんじゃないかな」

ほむら『今を取るか、未来を取るかという話ね。私は未来を掴むけど』

まどか「でも、さやかちゃんならいつか上条君に自分の気持ちを伝えられるよ。きっと」

ほむら『いつか言うなら、今からでもいえると思うけど。
     結局、美樹さやかは根性無しのへたれということよ』

まどか「あはは…」


ほむ(…本当に)

ほむ(伝えられる機会があることが、どれだけ幸せなことか…)

176: 2011/08/03(水) 23:05:43.02 ID:Z8MjpLZz0
   RRRRRR

まど「あ、マミさんからだ…、え?ええっ!」

ほむ『どうしたの、まどか?』

まど「た、大変だよ! さ、さやかちゃんが…」

ほむ『落ち着きなさい。息を吸って、頭の中を整理するのよ』

まど「う、うん。―あのね、さやかちゃんが、病院で…孵化しそうな魔女を見つけたって!」

ほむ『!』

まど「さやかちゃんが先にキュウベエと結界に入っちゃって…。
    マミさんが今追いかけているらしいんだけど…」

ほむ『まどか!巴マミに伝えて!』

まど「え?」

ほむ『その魔女はいつものとは違うわ!私たちが行くまで手を出さないでって!』

まど「う、うん!」

177: 2011/08/03(水) 23:08:35.63 ID:Z8MjpLZz0
マミ『どうしたの、鹿目さん?』

まどか「あ、はい。マミさん、ほむほむが言うにはその魔女はものすごく強いらしいです」

マミ『あら、そうなの?』

マミ(使い魔が大きくなったら、元の魔女と同じ姿になるけれど…。
    どうしてわかったのかしら?)

まどか「はい。だから、私たちが行くまで手は出さないでって…」

マミ『…悪いけれど、それは出来ないわ。
    もう美樹さんが結界の中に入ってしまっているんですもの』

マミ『それにそんな強い魔女なら、なおさら見習いのあなたを危険にさらすわけにはいかないわ』

まどか「マミさん…。でも…」

マミ『ほむほむに伝えて、鹿目さん。
    忠告は受け取ったわ。でも、美樹さんが危険にさらされているのは間違いないから、
    十分に注意して魔女と戦うって。そうお願い』

まどか「はい…」

マミ『それじゃあ、結界に入るから切るわね。鹿目さん、あなたは結界に来てはダメよ?』

178: 2011/08/03(水) 23:10:17.42 ID:Z8MjpLZz0
   Pi!

ほむ『巴マミは、なんと?』

まど「あ、うん。さやかちゃんが危ないから待つことは出来ないって…」

ほむ『!』

まど「あと、そんなに強い魔女ならわたしは来ちゃだめだ、って言ってたけど…」

ほむ(まずい…!)

まど「ほむほむ、やっぱりわたしたちも追いかけるべきだよね?」

ほむ『それだけじゃない。巴マミがまずいわ』

まど「え? それって…」

ほむ『説明は後。行くわよまどか』

まど「え、う、うん」

ほむ『巴マミには悪いけれど、そうも言っていられないの。とにかく病院へ急ぐわ』

まど「わかった…!」タタタ

ほむ(お願い、間に合って…!)

179: 2011/08/03(水) 23:16:36.62 ID:Z8MjpLZz0
―結界内
まどか「結界に入ったよ!ほむほむ」

ほむら『さっそく変身するわよ、まどか』

まどか「うん!」

まどほむ『変身!』

180: 2011/08/03(水) 23:17:24.68 ID:Z8MjpLZz0
    カッ!

ほむら『いくわよまどか!』ニジリニジリ

まどか「…えーと、ほむほむの位置は頭の上なの?」

ほむら『邪魔かもしれないけど、我慢してちょうだい。ここじゃないと周囲の確認ができないわ』

まどか「う、うん」

ほむら『とにかく急いで先に進みましょう。マミたちが危ないわ』

まどか「うん!」タタタタ

181: 2011/08/03(水) 23:18:20.26 ID:Z8MjpLZz0
まどか「そんなに今回の魔女は強いの?ほむほむ?」

ほむら『ええ、これまでとはわけが違う』

    『巴マミともいえども、油断をしたらやられるわ』

まどか「そ、そんな…」

ほむら『安心してまどか。そうならないように今私たちは急いでいるの』

    『決して倒せない相手ではないわ。マミを支援しながら戦えば勝てる相手よ』

182: 2011/08/03(水) 23:19:11.99 ID:Z8MjpLZz0
まどか「…不思議だなぁ」

ほむら『?』

まどか「なんだか、ほむほむって何でも知っているみたい。魔女のこととか私のこととか」

ほむら(…しまった。安心させようとして喋りすぎてしまったかしら…?)

まどか「でも、うん。なんだか怖くなくなった。戦えそうだよ」

    「ほむほむのおかげ。ありがと!」

ほむら『…別に何でも知っているわけではないわ』

    『でも、魔女のことならこれまでの経験から知っていることが多いの』

    『私は戦える身ではないけど、この経験と助言と能力であなたを守るわ、まどか』

まどか「うん!」

183: 2011/08/03(水) 23:20:38.76 ID:Z8MjpLZz0
使い魔『…』ウジャウジャ

まどか「使い魔!多すぎるよ!」

ほむら『相手にしている暇はないわ。まどか、無視して突っ切るわよ』

まどか「わかった!」ダダダ

ほむら(…私が魔法少女になった時よりも、明らかに足が速い)

    (やはり、元となる身体が丈夫だと変わってくるものね)

まどか「わ、わ、追いつかれちゃうよ!ほむほむ!」

ほむら『心配はないわ。悪いけれど、盾の方の腕をあまり動かさないでちょうだい』ヨジヨジ

まどか「ほむほむ?」

184: 2011/08/03(水) 23:22:00.51 ID:Z8MjpLZz0
―ヒョイ ポイポイ

使い魔『?』

―ドゴーン!

使い魔『!』


まどか「うぎゃー!」

ほむら『爆弾を後ろに、投げて援護するわ。貴方はただ前を向いて走りなさい』

まどか「ううう…。耳がジンジンする」

ほむら『すぐに慣れるわ。さ、早く』

まどか(結構スパルタだなぁ…ほむほむ)ダダダ

185: 2011/08/03(水) 23:23:02.07 ID:Z8MjpLZz0
―マミ 戦闘中
まどか「開けた場所に出た!」

ほむら『巴マミは…』

まどか「あ、あそこ!」



マミ「悪いけど、一気に決めさせてもらうわよ!」

さやか「マミさん、いっけー!」

マミ「ティロ・フィナーレ!」



まどか「ティロ・フィナーレだ!」

ほむら『…!』

186: 2011/08/03(水) 23:23:46.98 ID:Z8MjpLZz0
―ドゴォォォォォォォン

マミ(手ごたえはあった。だけど…)

魔女「」ガバ

マミ(! 来た!)

187: 2011/08/03(水) 23:24:52.90 ID:Z8MjpLZz0
マミ「フェイクが…」

魔女「♪」アーン

マミ「通用すると思って!」シャッ

魔女「♪」パク

魔女「…?」


―ドンドンドンドンドン!―


魔女「?!」

マミ「悪いけれど、後輩が見ている手前負けられないの!」

魔女「…」

マミ(確かに、油断していたら危なかったわ。ほむほむのおかげね)

   (でも、奇襲を交わしてしまえばこっちのもの)

   (一気に畳み掛けるわ!)

188: 2011/08/03(水) 23:26:51.23 ID:Z8MjpLZz0
―ドンドンドンドンドンドンドンドン!―

魔女「…」

魔女「…?」

魔女「…」チラリ


さやか「いけー!マミさん!」


魔女「♪」



ほむら(…!)

まどか「よ、よかったぁ~。マミさん無事だったみたい」

ほむら『まどか!急いで』

まどか「…え?」

ほむら『あの魔女はマミを見ていない!』


ほむら『狙っているのは美樹さやかの方よ!』

189: 2011/08/03(水) 23:28:07.23 ID:Z8MjpLZz0
魔女「」ガバ

マミ「え?」

さやか「あ」

魔女「♪」アーン


マミ「美樹さん!」ドンッ

さやか「…え、あ、え?」

魔女「♪」

マミ「」



ほむら「ほむ?!」

ほむら(マズイ!)

    (ここからじゃどうやっても間に合…)

まどか「マミさん!」

190: 2011/08/03(水) 23:29:07.64 ID:Z8MjpLZz0

―カシャ! 

―ピタ

191: 2011/08/03(水) 23:29:43.02 ID:Z8MjpLZz0
ほむら「…?!」

まどか「え、な、なにこれ?!」

ほむら(時間が…止まった?)

まどか「ほむほむ、なんだか周りのものが急に…」

192: 2011/08/03(水) 23:31:02.80 ID:Z8MjpLZz0
ほむら『まどか、チャンスよ!今、私たち以外の時間は止まっているわ』

まどか「じ、時間?」

ほむら『これが私の能力なの。時間を止める能力。
     今なら、動けるのは私たちだけ。マミも美樹さやかも助けられるわ』

まどか「本当に?!」

ほむら『でも急いで。あまり長くは止められない。マミ達を助けることを第一に行動するわよ』

まどか「うん!」

193: 2011/08/03(水) 23:31:55.18 ID:Z8MjpLZz0
マミ(魔女、口…)

マミ(逃げ 無理 赤い 舌)

マミ(終わり お母さん…)

マミ(暗…――)


まど「――マミさん!」

―ドゴォォォォォォォォォォン!!

魔女『?!』

194: 2011/08/03(水) 23:32:47.98 ID:Z8MjpLZz0
マミ「…」

マミ(私、今、氏…)

マミ「…」

   「あ……鹿目…さん?」

まどか「マミさん!マミさん!しっかりしてください!」

ほむら「ほむほむほむ!」

まどか「え、そんな! ショック症状って…!」

マミ「う…あ……」

まどか「安心してください。とにかくいったん離れます!」カシャ

195: 2011/08/03(水) 23:34:03.25 ID:Z8MjpLZz0
魔女『? ?』

マミ(…あ、景色が急に)
   (鹿目さん?私を抱えて…)

まどか「さやかちゃん!」

さやか「まどか?! あんた急にどこから…ってあれ?場所が…」

まどか「さやかちゃん、話は後!マミさんをお願い!」

さやか「お、おう!って、まどかは?」

まどか「わたしは…」

196: 2011/08/03(水) 23:34:35.93 ID:Z8MjpLZz0
魔女『??』キョロキョロ

まどか「…魔女を!」

ほむら「ほむっ!」

まどか「行ってくるね!さやかちゃん!」バッ

さやか「え?!ち、ちょっとまどか?!」

197: 2011/08/03(水) 23:35:28.67 ID:Z8MjpLZz0
魔女『! ~♪』バク

魔女『??』

―ドゴォォォォォォォォォォン!

魔女『!』

―ドガァァァァァァン!

魔女『?!』

―ヴァォォォォン!

魔女『?!?!?!』

―ドゴォォォン!

魔女『……』

魔女『…』

魔女『』

198: 2011/08/03(水) 23:36:57.23 ID:Z8MjpLZz0
さやか「すご…! あれまどかがやっているの?」

マミ(――鹿目さん…)


QB(マミがやられそうだったから、さやかに契約を迫れると思ったけど。
   上手くいかなかったみたいだね)

QB(まったく、エネルギー回収の見込みもないのに魔女を倒してしまうなんて、厄介な存在だよ)

208: 2011/08/07(日) 12:58:11.59 ID:H/TzFB3z0
―マミ宅―
まどか「マミさん、ベットに運んだよさやかちゃん」

さやか「悪いね、まどか。運ばせちゃって」

まどか「ううん、いいの。魔法少女のわたしならこれくらいなんともないから」

さやか(魔法少女なら…か)


さやか「…マミさん、大丈夫かな?」

まどか「大きな怪我は無かったし、今はショックで眠っているだけだと思うけど…」

ほむか「ほむほむ、ほむむ」

まどか「うん…ほむほむも大事は無いって言ってる」

さやか「そっかぁ、よかったぁ…」

209: 2011/08/07(日) 12:59:26.75 ID:H/TzFB3z0
さやか「さて…これからどうしよっか? まどか」

まどか「そのことなんだけど…。さやかちゃん、今日わたしマミさんの家に泊まっていこうと思うの」

さやか「え?」

まどか「実はもう家に連絡はしてあるんだ。先輩の家にお泊りするって。…ちょっと怒られちゃったけど」

まどか「あんなことがあった後で、一人は辛いと思うから…」

さやか「…そっか、そうだよね。よーし!それじゃあアタシも…」

ほむら「ほむっ!」ペシン

さやか「痛っ!なーにすんのよ!ほむほむ!」

まどか「『あまり大人数だとかえって迷惑になるわ』だって」

さやか「だからって、ハタくことはないでしょーが!」

まどか「さやかちゃん、今日はもう遅いし…。マミさんはわたしとほむほむでお世話するから」

さやか「うーん…。しかたないか。ごめんね、まどか。押し付けるみたいになっちゃって」

まどか「いいの。気にしないで、さやかちゃん」

210: 2011/08/07(日) 13:00:24.25 ID:H/TzFB3z0
さやか「それと、まどか。ちょっと聞いておきたいんだけど」

まどか「なあに?」

さやか「…あんた、まだ魔法少女を続けられる?」


まどか「うん」

さやか「即答かい」

まどか「えー、おかしいかな?」

211: 2011/08/07(日) 13:02:43.60 ID:H/TzFB3z0
さやか「だって、今日の見たでしょ。あんなに強かったマミさんが、あんな風になっちゃって」

    「まどか達がこなかったら、わたしもマミさんも確実に氏んじゃってた。そんなのわたしでもわかるよ」

    「遊びじゃないんだよ? 氏んじゃうんだよ。何か一つ間違ったら」

    「氏んじゃったら、もうまどかは家族やあたしたちと会えないんだよ。分かってるの?」

212: 2011/08/07(日) 13:04:53.80 ID:H/TzFB3z0
まどか「…うん。わかってるよ。ほむほむにも何度も念を押されたし」

さやか「…じゃあ、何で」

まどか「それでも、守りたいものがあるの」

さやか「…自分が犠牲になっても?」

まどか「そんなんじゃないよ。わたしだって氏にたくないし、氏ぬつもりもない」

    「でも、今のわたしにできることがあって、それが誰かのためになるならそうしたいの」

    「それがもしかしたら…、それがわたしのやりたかったことなのかもしれないから」

213: 2011/08/07(日) 13:07:22.80 ID:H/TzFB3z0
さやか「まどか…」

まどか「それにね、一人で戦うわけじゃないもん!ほむほむも一緒だし!」

まどか「ほむほむはわたしを守ってくれるって言ったもん。ねー?」

ほむら「ほむむっ!」

まどか「一人じゃ無理かもしれないけど、二人なら何とかなるよ!きっと」

さやか「…そっか。まどかは決めたんだね」

    「でも、無理だけはしないでよ。あんたに何かあったらあたし…」

まどか「うん、わかってる。ありがと、さやかちゃん」

さやか「じゃあ、マミさんのことよろしくね、まどか!」

まどか「うん!また明日!さやかちゃん!」

214: 2011/08/07(日) 13:08:34.02 ID:H/TzFB3z0

マミ「…」スゥスゥ


まどか「マミさん、よく眠っているね」

ほむら『そうね』

まどか「…今日のわたし、マミさんを守れたんだよね?」

ほむら『ええ。胸を張っていいわ』

まどか「…よ、よかった、よかったよ…」グスッ

ほむら『…』ナデナデ

215: 2011/08/07(日) 13:09:36.44 ID:H/TzFB3z0
まどか「…えへへ。ありがと、ほむほむ」

ほむら『礼には及ばないわ』

まどか「そんなことないよ。ほむほむがいなかったら、きっと何もできなかったし…」

ほむら『それは、私も同じことよまどか』

まどか「じゃあ、二人の勝利!だね!

ほむら『…そうね、二人の力があったから勝てたのよ』

217: 2011/08/07(日) 13:11:46.10 ID:H/TzFB3z0
まどか「あ、力といえばほむほむ。あれが、ほむほむの力なんだよね?」

ほむら『時間停止のこと?そうね、あれが私の魔法少女としての能力よ』

まどか「すごいなぁ、時間を止めちゃうなんて」

ほむら『それほどでもないわ。止められる時間も限られているし、制約もあるわ』

ほむら『何より、私はあれしか能が無くて、それ以外の能力が無いの。総合的な能力を見れば、巴マミのほうがずっと上よ』

まどか「それでもすごいよ!ほかにも武器とかの知識もあって。わたしにはそういうのも無いもん…」

ほむら『必要だから身についただけよ。別に勉強熱心なわけではないわ。それから…、まどか』

まどか「なあに、ほむほむ?」

ほむら『あまり、この能力のことを他人に話してはダメよ』

218: 2011/08/07(日) 13:15:23.59 ID:H/TzFB3z0
まどか「え? 別に誰かに話すつもりなんてなかったけど…どうして?」

ほむら『さっきもいったけれど、この力は強力だけど弱点が無いわけではない』

ほむら『加えて、私の力はこれ一辺倒で他の能力に乏しい。率直に言って、この力を失ったら私は終わりだといってもいいわ』

ほむら『だからこの能力は隠す必要があるの。できれば、知っているのは自分だけという状況が望ましいわ』

ほむら『だから、むやみやたらと使ったり話したりしてはいけない。注意してね、まどか』

219: 2011/08/07(日) 13:18:47.79 ID:H/TzFB3z0
まどか「…それってマミさんにも?」

ほむら『…ええ。できるだけ、どうしようもない状況に陥らないかぎりは、彼女の前で力を使うことも避けたいわね』


ほむら(…いつかの時間軸では、私は弱点を突かれて錯乱した巴マミに拘束されて命を奪われかけた)

    (あの時は、まどかに助けてもらえたけど)

    (でも、今はそうはいかない。助けてくれる人なんて、いないもの。できるだけ、リスクは回避しなれば…)


まどか「ほむほむ!」

220: 2011/08/07(日) 13:20:13.13 ID:H/TzFB3z0
ほむら『きゃっ!』

まどか「あ、ご、ごめん。急に大きな声出しちゃって…」

ほむら『い、いえ。大丈夫よ。ただ、巴マミが寝ていることだしもう少し静かにしましょう…』

まどか「う、うん。それでね、ほむほむ。…それはだめだよ」

ほむら『え?』

まどか「マミさんは敵じゃないよ、ほむほむ。力のこと言わないのって、そういう風に考えているからじゃないのかな?」

ほむら『そ、それは…』

まどか「何でもかんでも話しておく、ってことじゃないけど…。でも、そういう風に考えて仲間と接するっていうのは間違っているよ」

ほむら『…仲間』

まどか「そう。マミさんは仲間なんだよ、ほむほむ。仲間で、頼れる先輩。
    だからさ、マミさんのこと信用しようよ。敵になったりしないよ、絶対」

221: 2011/08/07(日) 13:22:10.70 ID:H/TzFB3z0
ほむら『…』

まどか「力のこと、あんまり話しちゃいけないのはわかった。けど、それだけを守ろうとして仲間を守ろうとしないのは、嫌だよほむほむ」

ほむら『…そうね』


ほむら(…忘れていた。今の私は、私以外の力がないと、まどかを守れない)

    (こちらが信用しなければ、相手も信用しない。まどかの言うとおりだわ)


ほむら『…ごめんなさい。ずっと一人だったから、必要以上に他人を疑う癖がついているみたい。反省するわ』

まどか「わ、わ、いいよほむほむ。わたしも偉そうなこと言っちゃって…」

    「…ただ、そこまで人を信じてあげられないのは、やっぱり」

ほむら『…ええ。問題があると思うわ』

    『まどかの言うとおり…、だと思うもの』

222: 2011/08/07(日) 13:28:23.34 ID:H/TzFB3z0
まどか「問題じゃないよ。何でもかんでもすぐ信用するのはよくないって、ママも言ってたし」

    「でも、友達や先輩を信じられないのは、嫌だよ。ほむほむ」

ほむら『そうね。仲間になったのなら信用すべきだと、私も思うわ』

まどか「うん。そっちのほうがいいよ、絶対」

ほむら『でも、まどか。それと能力のことをできるだけ隠しておくのことは別よ』

    『この力が私たちの生命線だということは、理解してほしい』

まどか「うん、わかった」

    『…でも、誰かが危なくなったら躊躇なく使いましょう』

    『それで、後悔はしたくないものね』

まどか「…そうだね」

223: 2011/08/07(日) 13:30:18.37 ID:H/TzFB3z0
まどか「それでね、ほむほむ。これからのことなんだけど…」

ほむら『ええ。まず私から話をさせてもらっていいかしら』

まどか「わかった。じゃあ、ほむほむからお願い」

ほむら『まず、巴マミのことから話しましょう』

まどか「うん」

ほむら『見た限りでは大きな傷は無い。怪我が全く無いというわけではないけど、魔法少女の回復力なら問題ないレベルよ』

    『…問題は精神のほう。今日の出来事によって、相当なダメージを負っていると考えられる』

まどか「…うん。あのマミさんを思い出すと、今でも辛いよ…」

ほむら『…おそらく、すぐさまの戦列への復帰は無理。しばらくは療養してもらうことになるわね』

まどか「わたしもそのほうがいいと思う。あんな目にあって、またすぐ戦えなんて、そんなこと言えないよ」


224: 2011/08/07(日) 13:32:03.05 ID:H/TzFB3z0
ほむら『問題はここからよ、まどか』

    『巴マミはしばらく戦えない』

    『そうなると必然的に、私たちだけで当分魔女に対処していくことになるわ』

まどか「…そうだね」

ほむら『今日の戦いで能力が使えるようになったけれど、それでも苦しいことには変わりはない』

    『だからこれからは、できるだけ私の指示に従ってほしいの。魔力の配分やいざという時のための逃げ道とか、私の知識で可能な限りサポートするわ』

ほむら『だから、巴マミが回復するまででいいわ。それまでは、できるだけ私の指示に従ってほしいの』


ほむら(本当はまどかを戦わせるのは、心苦しい)

    (でもここで魔女を放っておけば、確実にまどかと美樹さやかは街を守るために契約して魔法少女になる。それは阻止しなくては)

    (私が戦えれば一番いいのだけれど…。ごめんね、まどか)

225: 2011/08/07(日) 13:32:53.91 ID:H/TzFB3z0
まどか「うん、ほむほむの言うとおりにする」

ほむら『! いいの?』

まどか「新米のわたしじゃ一人じゃ戦えないし、ほむほむが色々教えてくれるならそれに従うよ」

ほむら『…ごめんなさい。貴方に何もかも押し付けてしまって』

まどか「ううん、気にしないで。わたしが好きでやろうって決めたことなんだから。謝ることはないよ、ほむほむ」

ほむら『それでも、私は貴方に感謝している。私は何もあなたにしてあげられないのに…』

まどか「そんなことないよ。ほむほむがいてくれて、わたしは嬉しいよ?」

ほむら『まどか…』

226: 2011/08/07(日) 13:33:46.66 ID:H/TzFB3z0
まどか「…ねえ、ほむほむ」

ほむら『なに、まどか?』

まどか「わたし…考えたんだけど」


まどか「マミさんをね…このままずっと魔法少女の仕事から解放してあげられないかな?」


ほむら『…え?』

227: 2011/08/07(日) 13:35:59.86 ID:H/TzFB3z0
まどか「今日のマミさん見てね、思ったんだ。わたしがマミさんの代わりになれないかなって」

    「わたしにはほむほむがいるけど、マミさんは一人で戦ってたんだよね。ずっと、長い間」

    「だから、これからはわたしが頑張ってマミさんには休んでもらいたいってそう思ったの」

    「お願い!ほむほむ。わたし頑張るから。だからマミさんを休ませてあげて」

ほむら(まどか…)

ほむら『…それは』


QB「それは無理だよ、まどか」

228: 2011/08/07(日) 13:37:07.00 ID:H/TzFB3z0
まどか「キュゥべえ?!」

ほむら『…キュゥべえ』

QB「魔法少女は願いを叶えた時から、魔女と戦い続ける義務を負う。魔女と戦わない魔法少女なんて存在しないんだよ、まどか」

まどか「で、でも少しぐらい休んだって…」

QB「運命はそんなことを許してくれないんだ、残念なことにね」

  「奇跡の願いを叶えた魔法少女に、安息の時などないんだよ」


ほむら(…よくもそんなことが言えたものね)

    (自分の都合のいいように、奇跡と運命を動かしているくせに…!)

229: 2011/08/07(日) 13:43:17.06 ID:H/TzFB3z0
マミ「…鹿目さん、そんなに心配しなくて大丈夫よ」

まどか「! マミさん、起きたんですか!」

マミ「ええ、ありがとう。今日は助かったわ。ほむほむもありがとう」

ほむら「…ほむ」

マミ「それからね、鹿目さん。わたしね、出来るだけ早く復帰できるように頑張るわ」

   「だからそれまでの間、ほむほむと一緒に街を守ってちょうだい。お願いね」

まどか「え?で、でも…」

マミ「鹿目さん、聞いて」

   「確かにね。一人で魔女と戦うのは辛かった。怖くなって、泣いたことだって何度もあったわ」
   「でもね、全部私が望んでしていることなの」

   「キュゥべえと契約したのも、街を守って魔女と戦うことも全部ね」

   「だから後悔なんてないわ。止めたいわけでもない。だって全部自分で決めたことだから」

   「今日はちょっと情けないところを見せちゃったかもしれないけど…、でも大丈夫」

   「だから、その気持ちだけで嬉しいわ。心配してくれてありがとう、鹿目さん」

230: 2011/08/07(日) 13:44:25.91 ID:H/TzFB3z0
まどか「マミさん…」

ほむら『…まどか。私もまどかの意見を聞くことは出来ないわ』

まどか「ほむほむも…」

ほむら『魔法少女が魔女と戦わずにすむ方法なんてない。そういう契約で私たちは存在している。それを回避することは不可能よ』

    『それにまどか。今日は上手くいったけど、あなたの魔法少女としての腕はまだまだ低い。一人で行動するにはまだまだ不安が残る。』

    『一人前になったと思っているなら、大間違いよ』

まどか「ううう…」

231: 2011/08/07(日) 13:45:48.63 ID:H/TzFB3z0
マミ「…何か言われたの?」

まどか「『一人前になったと思っているなら。大間違いだ』って言われちゃいました…」

マミ「そうね。私も鹿目さんを独り立ちさせるには、まだ早いと思うわ」

まどか「マ、マミさんまで…」

マミ「それが普通。あせらずじっくり地道に努力することが重要よ」

  「…それにね。鹿目さんが力不足ってことだけじゃないの」

まどか「え?」

マミ「このところ、この街では物凄く魔女が多い。異常とも言っていいくらいなの」

  「あなたたちが帰ってからも、何回か戦闘があったりもしたわ。私もこのところ連戦続きでだいぶ疲弊していて、だいぶ苦しかった」

  「そんな状況の街で、鹿目さんだけを戦わせるわけにはいかないの。私もできるだけすぐに復帰しないと、今度はあなたが参ってしまうわ」

まどか「そうだったんですか…」


ほむら(…おそらく、それは私がこんな体になったのが原因ね)

    (本来私が倒しているはずだった魔女や使い魔が、そのまま残っているんだわ)

232: 2011/08/07(日) 13:47:40.48 ID:H/TzFB3z0
ほむら『…彼女が速く復帰しなければならい理由はまだあるの。まどか』

まどか「ううう…、あんまり苛めないで」

ほむら『…別に苛めたいわけじゃないわよ?』

    (…でもちょっと可愛い)

ほむら『これから先、この街に恐ろしい魔女が出現する』

    『その魔女に対抗するために、私たちは力を集めなければならないの』

まどか「おそろしい…魔女?」

ほむら『ええ、ワルプルギスの夜と呼ばれている魔女。これに勝たなければ私たちに未来はないわ』

233: 2011/08/07(日) 13:49:08.31 ID:H/TzFB3z0
まどか「ワルプルギスの…夜?」

マミ・QB「!」

マミ「鹿目さん、ワルプルギスの夜のことを知っているの?」

まどか「え? あの、ほむほむが言っていて…」

    「この街に現れるから、その、力を合わさなくちゃいけないって」

マミ「…! 何ですって…!」

QB「驚いた。君はワルプルギスの夜が来ることを知っているのかい? ほむほむ」

ほむら「…」

マミ「キュゥべえ、その話は本当なの?ワルプルギスの夜が現れるという話は」

QB「事実だよ、マミ。というか今日はそのことを告げにここに来たんだ」

 「ワルプルギスの夜は確かに現れる。近いうち、この街にね」

マミ「そんな…」

234: 2011/08/07(日) 13:50:46.18 ID:H/TzFB3z0
まどか「あ、あのー、マミさん? 何なんですか、その、『ワルプルギスの夜』って」

マミ「…凄まじい力を持った魔女の名前よ。最強の魔女とも言われているわ」

  「出現しては、恐ろしい大破壊をもたらす悪魔のような魔女」

  「この魔女のせいで、廃墟になった街も存在するの。その所業は世の中では大災害と認知されているけど」

まどか「廃墟…? 廃墟になった街…?」

    「…そ、そんな。そんな魔女が、この街に…」

マミ「安心して鹿目さん。そんなことはさせない」

  「私が、…いえ私だけでは無理ね。私たちが力を合わせないと、とても対抗できないわ」

235: 2011/08/07(日) 13:51:50.80 ID:H/TzFB3z0
まどか「マミさん…」

マミ「ごめんね。今はこんな頼りない姿だけど…」

  「でも安心して。できるだけ早く体調を整えて、戦えるようにするわ」

QB「そうだね、僕もそのほうが良いと思うよ」

まどか「キュゥべえ…」

QB「ワルプルギスの夜は今まで、誰も倒すことができなかった魔女だ」

 「もし戦うのなら、最善を尽くすのが当たり前だと思うね」

まどか「…戦うよ。うん、わたしは戦う」

    「だって、わたしもこの街を守りたい。無くしたくないもの」

マミ「ふふっ、そうね。何としてでも、守らないとね鹿目さん」

  「そのためには、早く一人前にならないと。実力をつけないとね」

まどか「はい!マミさん!」

ほむら「ほむほむ!」

    『私も協力するわ、まどか』

まどか「ほむほむも!ありがとう!」

ほむら「ほむ」

236: 2011/08/07(日) 13:53:45.70 ID:H/TzFB3z0
マミ「そういえば、ほむほむは何かを守るために魔法少女になったのよね、鹿目さん?」

まどか「? はい。そう言ってましたけど」

マミ「もしかして、この街を守るのが彼女の目的なのかしら?」

   「ワルプルギスの夜が来るのなら、思い入れが無ければ、わざわざこの街に来ることはないのだけれど」

まどか「あ、そういえばそうですね」

マミ「ちょっと聞いてみましょうか。実はそうなんでしょ? ほむほむ」

ほむら「ほむ」

まどか「えっと…『答えるつもりはない。でも関係あることは認めるわ』ですって」

    「ワルプルギスを倒したら、わたしが変わりに魔法少女になることもないし、自分もこの街から離れるって言ってます」

マミ「当たらずとも遠からず、ってことかしら。でも街を守るのに協力してくれるなら嬉しいわ」

まどか「これからは、三人で頑張りましょう。マミさん、ほむほむ」

マミ「ええ!魔法少女トリオ、結成ね!」

ほむら「ほむっ!」

237: 2011/08/07(日) 13:55:20.96 ID:H/TzFB3z0
まどか(こうしてわたしたちは、ワルプルギスの夜を倒すために動き始めました)

    (ほむほむと出会って、私の運命が少しずつ動き出した、そんな感じがしました)

    (ワルプルギスの夜はものすごく強い魔女だと、その後も何度も聞かされました。でも、あきらめるつもりはありません)

    (だって、この魔女を倒さないと、大事なものを失ってしまうから)

    (だから、わたしは絶対にあきらめません)



まどか「ねぇ、ほむ――」

ほむら『…?』

まどか「…ううん、何でもない」

    「ほむほむ、一緒に頑張ろうね!」

ほむら「ほむ!」

252: 2011/08/11(木) 19:29:17.98 ID:wSx6q2mH0
QB「…」


QB(まどか達は、ワルプルギスの夜には勝てない)
 
 (彼女たちの絶望は、ソウルジェムを濁らせそして魔女に変える。今回も多くのエネルギーを生んでくれそうだ)

 (だけど、このままだと魔法少女じゃないまどかの分のエネルギーは確保できないね…)

253: 2011/08/11(木) 19:30:50.14 ID:wSx6q2mH0
―某所、夜―

杏子「マミの奴がくたばったって?」

QB「正確には一時的なリタイアだよ、杏子」

杏子「はん、街を守るだのなんだの甘いこと抜かしてるから、そんなことになるんだ」

   「で、今はあの街は誰のテリトリーでもないってわけか」

QB「それは違うよ。実はあの土地にはもう新しい魔法少女がいるんだ。マミの後輩の子のね」

杏子「おい、ちょっと話が違うんじゃねーか? 危ない地域があるから来てくれって言ってきたのはてめぇだろ」

QB「違わないよ。不可解なことだけど、その子は僕と契約していないんだ」

杏子「?なんだそれ」

QB「契約していないのに、魔法少女になっている。そんなイレギュラーな存在に、一つのエリアを任せるのは僕としても不安でね」

杏子「ああ、まあなんでもいいか。こんな魔女だらけの絶好の縄張り、みすみすルーキーのヒヨッ子にくれてやるってのも癪だし」

QB「どうするつもりだい? 杏子」

杏子「決まってんじゃん、要するに、ぶっ潰しちゃえばいいんだろ?」


杏子「そいつ、『かなめまどか』って奴をさ」

QB「…」

254: 2011/08/11(木) 19:32:12.16 ID:wSx6q2mH0
―見滝原市―
杏子(さてと、街についたぞ。どーやってそいつを探すかなー)

   (ま、魔女を狩ってるなら、適当にこっちも狩ってればそのうち会えるだろ)

   (さてと、そうと決まれば寝床と飯を確保しねーとな)

   (そのうちゲーセンも、見つけねーと)

   (…ん?)

255: 2011/08/11(木) 19:33:35.15 ID:wSx6q2mH0


まどか「…」フラフラ


杏子(…なんだ、あいつ)

   (妙にふらふらして。具合でも悪いのか?)

   (ま、どうでもいいか。とりあえず寝床寝床っと)



まどか「…」ドン

杏子「…ぐえっ!」

256: 2011/08/11(木) 19:35:26.14 ID:wSx6q2mH0
杏子「つつつ…。おい!どこ見て歩いてんだてめー!」

   「…あれ?」

   「っかしーな。確かになにかとぶつかったはずなんだ、け、ど…――」



まどか「…」バタンキュー

杏子「…」

257: 2011/08/11(木) 19:36:31.05 ID:wSx6q2mH0
杏子(おいおいおいおい、どういうことだ?!)

   (こいつ、氏んで―!)

   (は、いねーよな。たぶん)

   (て、ていうか、なんでぶつかっただけで倒れたんだ? アタシは何もしてねーぞ!)

―ガヤガヤ

杏子(うわわ、やべ。人が集まってきやがった!)

258: 2011/08/11(木) 19:37:36.53 ID:wSx6q2mH0
杏子「お、おい。大丈夫か、アンタ?」

まどか「…」

杏子「ち、ちょっと。返事してくれよ。なー、おい!」ユサユサ

まどか「…」グッタリ

杏子(ま、マジか?! ちょっとヤバくねーかこれ!)

   (び、病院か? あ、でもアタシ、なんとかカードとかもってねーし…)

   (と、とにかく、ここから移動しよう。氏んだりしたら、どっかに隠さねーといけねーし!)オンブ
  
   (確かこの辺に公園かなんかが…)

259: 2011/08/11(木) 19:38:27.15 ID:wSx6q2mH0
通行人A「あ、あのー?」

杏子「ひっ!」

通行人A「だ、大丈夫ですか? もしよろしければ救急車か何か…」

杏子「だ、大丈夫だ、こいつはアタシの知り合いでな! こういうのには慣れてるんだ!」

   「さ、さー。どっか休めるとこ、いかねーとな!それじゃな!」ダダダ

通行人A「あ…」

260: 2011/08/11(木) 19:39:40.32 ID:wSx6q2mH0
杏子「なんとか公園についた…」

   「ちくしょう、なんであたしがこんな目に…」

まどか「…」

杏子「…とりあえず息はあるみたいだな」
]
   「この野郎、起きたらぜってぇ一言なんかいってやる」

   「そのためには、起きるまで見ていてやらねーとな!」

   「…お?」

261: 2011/08/11(木) 19:41:20.12 ID:wSx6q2mH0
杏子(そういえば、これはあいつのバッグ)

   (一応放置するのもなんだから、持ってきてやったんだっけ)

   (暇だし、中でも見てみるか)

   (どっかに小銭かなんか入ってねーかな。百円あれば、駄菓子が買えるし。うしうし)


杏子(ん? こんなところに名前が――)




『鹿目まどか』

262: 2011/08/11(木) 19:42:11.97 ID:wSx6q2mH0
杏子(…)
  
   (…)

   (…ふーん)



杏子(『しかめまどか』っていうのかこいつ。変な名前だな)

263: 2011/08/11(木) 19:43:03.01 ID:wSx6q2mH0
杏子(しかし『かなめまどか』だったら、とっとと潰して話が進んだのになー)

   (『めまどか』まで合ってて、『か』もあったのに)

   (世の中上手くいかねーな)

   (おっとっと、寝ている間に小銭小銭っと)ゴソゴソ


まどか「…う、うーん」

杏子(やべ!起きたか?!)

264: 2011/08/11(木) 19:44:14.52 ID:wSx6q2mH0
まどか「え、あれ?ここは…」

杏子「よう、起きたか?」

まどか「え?! あ、あのー、誰ですか?」

杏子「ひでぇな、恩人に向かって。とにかく駄菓子、おごれ駄菓子」

まどか「え、ええー?!!」

265: 2011/08/11(木) 19:45:26.23 ID:wSx6q2mH0
―数分後

まどか「…ごめんなさい。迷惑かけちゃったみたいで」

杏子「んー、別にいいよ。もう過ぎたことだし」

   「うんまい棒おごってもらったしな」ハムハム

まどか「でも…」

杏子「それより、なんでいきなりぶっ倒れたんだ?」

   「てっきりアタシが頃したのかと思って、ビビったぞ?」

266: 2011/08/11(木) 19:46:22.14 ID:wSx6q2mH0
まどか「わたし最近、ちょっとやることがあって。それで、うまく体を休めてなかったから、たぶん…」

杏子「ふらふらの状態で歩いてて、ぶつかっただけでぶっ倒れた、ってことか」

まどか「…はい」

杏子「あー、なんだ。何やってるのかはしらねーけどよ」

   「あんまり無理するんじゃねーぞ、体壊したらおしまいなんだからな」

まどか「うん。でも、今は無理しないといけないの」

    「どうしても、やらなくちゃいけないことがあるから…」

杏子「ふーん。ま、忠告を聞くも聞かないもアンタの勝手だ」

   「それで取り返しがつかなくなっても、後悔するんじゃねーぞ」


267: 2011/08/11(木) 19:48:00.25 ID:wSx6q2mH0
まどか「…ありがとう」

杏子「へ?」

まどか「だって、見ず知らずのわたしにこんなに親身になってくれて…。倒れても、ここまで看病してくれたし…」

杏子「そんなんじゃねーよ。ぜーんぶアタシの為だ。気に病む必要はねーよ」

杏子(うんまい棒タカれたしな!)

杏子「んじゃーな。アタシだからよかったものの、これからはもうぶっ倒れんじゃねーぞ」スタスタ

268: 2011/08/11(木) 19:48:55.88 ID:wSx6q2mH0
まどか「あ、あのっ!」

杏子「ん?まだなんかあんのか? んじゃ、もう一本うんまい棒くれ」

まどか「え、あ、はい。それじゃわたしの…」

杏子「さんきゅー」ウマウマ

まどか「それであのー、…名前」

杏子「名前?」

まどか「名前、教えてくれませんか?」


杏子「ああ、そんなことか。杏子。佐倉杏子だ」

まどか「杏子ちゃんていうんだ。わたしは…」

杏子「ああ知ってる。まどかだろ。鞄に書いてあったしな」

   「じゃーな、まどか。もう会わねーだろうけど」スタスタ

まどか「バイバイ、杏子ちゃん!」

269: 2011/08/11(木) 19:49:38.63 ID:wSx6q2mH0


杏子(あー、なんか時間喰っちまったな。早く寝床探さねーと)


まどか(ほむほむ、心配してるだろうな。早く、家に帰らないと…)


270: 2011/08/11(木) 19:50:59.20 ID:wSx6q2mH0
―放課後

さやか(マミさんが魔女にやられかけてから、数日が経った)

    (まどかはマミさんが復帰するまでの代わりということで、ほむほむと一緒に魔法少女をしている。今日もパトロールの最中だ)



さやか「それにしてもまどかは凄いねー。拳銃やらでっかいマシンガンやらガンガン撃ちまくるんだもん!」

まどか「だ、だって、これしか武器がないし…」

さやか「く~、まどかがそんな子だったとは。お母さんは悲しいぞー!」

まどか「へ、変なこと言わないでよ!さやかちゃん!」

さやか「でも実際、驚いているんだよ? あんなに簡単に使いこなしてて」

    「…まさか本当に、どこかで撃ってたんじゃ」

271: 2011/08/11(木) 19:52:24.72 ID:wSx6q2mH0
まどか「それはね、ほむほむのおかげなの」

さやか「ほむほむの?」

まどか「マミさんの時に変身した頃からなんだけど…」

    「なんだかソウルジェムを通して、ほむほむ魔法少女の経験とか癖とかが、そのままわたしに流れ込んでいるみたいなの」

さやか「そうなの?」

まどか「うん。見てもらったんだけど、銃を撃つ時の仕草とか持ち方がそっくりだ、ってほむほむが」

さやか「そういえば変身しているとき、たまに髪をかきあげるようになったけど、アレも癖?」

まどか「うん。わたし髪長くないからから、あんまりしたくないんだけど…」

   「なんか、つい気が付いたらやっちゃっているっていうか…」

さやか「まあ、ほむほむくらい長い髪なら様になるんだろうけど、まどかじゃね~」

まどか「う~…。あんまり言わないで」ファサ

さやか「あ」

まどか「…うう」

273: 2011/08/11(木) 19:54:15.80 ID:wSx6q2mH0
さやか(あたしは相変わらず、まどかの魔女退治についていっている)

    (何が出来るというわけではないけれど、親友が危ない目にあっているのに、のほほんと日々を過ごすことなんてできなかったから)

    (あたしも魔法少女なれば、なりさえすれば…)



まどか「それは、ダメだよ。さやかちゃん」

さやか「何で?! だってまどか一人にこんなこと危険なこと…」

まどか「わたしは大丈夫。ほむほむもいるし、大丈夫だよ!」

さやか「で、でも一人より二人の方が…」

まどか「…さやかちゃん。魔法少女って思っているよりもずっと辛いんだよ?」

    「できれば、わたしはさやかちゃんに魔法少女になってほしくない」

さやか「まどか…でも」

まどか「わたしは後戻りできるし、マミさんはそれしか選択肢がなかった」

    「さやかちゃんは引き返すことは出来ないし、でも選択肢を選ぶ時間がある」

    「だからよく考えて。本当に普通の生活が出来なくなってもいいか。今日にでも氏んでしまうような日々を過ごすようになってもいいか」


まどか「わたしは、…大丈夫だから」

さやか「…」

274: 2011/08/11(木) 19:56:00.36 ID:wSx6q2mH0
さやか(そのまどかの言葉に、あたしは何も言えなかった)

    (でも、口では大丈夫って言っていても、『魔法少女は辛い』ってまどかは言っていた)

    (まどかは優しい子だから。そんなまどかが戦っている姿は、見ていて苦しかった)



まどか「たぁっ! やっ!」

―パンパンパン、ガガガガガガガガッ!、チュドーン

さやか「まどか―! 頑張れー!」



さやか(まどかは一緒にいて応援してくれるだけで、心強いっていってくれたけど)



さやか「おつかれさん!まどか!」

まどか「ありがとう!さやかちゃん!」



さやか(このままでいいわけ、ないよね…)



QB「…」

275: 2011/08/11(木) 19:57:30.26 ID:wSx6q2mH0
―病院 屋上―

QB「君はどんな祈りで、君のソウルジェムを輝かせるんだい?」

さやか「あたしは…」



  (さやかはさ――)

  (――どうして、僕に音楽なんか聴かせるんだ。嫌がらせの――)

  (もう聴きたくなんか――!)



さやか「恭介の腕を――」



  (他人の願いを叶えるのなら、なおのこと自分の望みをはっきりさせておかないと)
  
  (あなたは彼に夢を叶えてほしいの?それとも彼の夢を叶えた恩人になりたいの?)


276: 2011/08/11(木) 19:58:14.65 ID:wSx6q2mH0
さやか(違う!)

    (あたしは見返りが欲しいわけじゃない)

    (それにこれは、まどかを助けるためでもあるんだから!)


QB「君の祈りはエントロピーを凌駕した!」

295: 2011/08/14(日) 15:14:48.76 ID:oY4Gb8J70
―放課後―

ほむら(…まどかの様子がおかしい)

    (魔女退治に力を入れ過ぎている。それこそ、いつかの美樹さやかのように)

    (これまでの世界から、魔法少女になってからは自信がついて行動が大胆になる傾向はあったけど…)

    (今回は少し違う。明らかに、自分から戦いの場に身を置こうとしている)

    (一人で魔法少女を長く続ける状況になったのだから、気合を入れる気持ちはわかるけれど…)

    (…少し、好戦的すぎるわ)

    (変身する回数も日に日に増している。魔女だけでなく、使い魔まで念入りに狩って)

    (魔女の数が多くてグリーフシードには困っていないから、私のソウルジェムには問題ないけれど…)

    (問題はまどかの体のほう。疲労が目に見えて出ているし、調子も良くない)

    (ここは、無理矢理にでもブレーキをかけるべきね)


296: 2011/08/14(日) 15:16:34.92 ID:oY4Gb8J70
まどか「ふう、今日は使い魔退治だけで終わりそうだね」

ほむら『…そうね。魔女が現れる気配も無い。今日はここまでにしましょう』

まどか「うん!でも、もう少し街を回ろう?今日はまだ元気があるし」

ほむら『いえ、止めておいたほうが良いわ。一戦終えた後だし、無理は禁物よ』

まどか「大丈夫だよ! それにもし魔女が人を襲ってたら大変だもん」

    「できるだけ見回りはしておかなくっちゃ。ね?」

ほむら『…』

297: 2011/08/14(日) 15:18:41.20 ID:oY4Gb8J70
ほむら『…まどか』

まどか『なに?』

ほむら『やっぱり今日はもう引き上げましょう。そして明日はお休み。変身も禁止するわ』

まどか「ふえっ?! ほ、ほむほむどうしたの急に?」

ほむら『明日は休みだといっているの。パトロールも魔女退治も』

    『変身はもっての外。あなたのこれからの仕事は体を休めること。いいわね?』

まどか「だ、だめだよ。今、この街を守れるのは私たちしかいないんだから!」

ほむら『だからこそ、よ。まどか、あなた授業中も寝てばかりいるでしょう?』

まどか「う…」

ほむら『それに、今日の貴方は明らかに動きが鈍くなっていたわ。危ない場面も増えてきている』

ほむら『自覚していないようなら言っておくけど、今の貴方は、非常に危うい状態よ。疲労で明らかに行動に支障が出始めている。いつ致命的な失敗を犯しても不思議ではないわ』

まどか「そ、そうかな…?」

ほむら『ええ。貴方が危なくなったら、こちらで判断して時間を止めているのは知っているでしょう?』

   『今日だけで6回。周囲の確認もおろそかになっているし、足を滑らしたり等のイージーミスも多い』

   『お望みなら、ここ三日間の貴方の失敗を全て紙に書き出してあげましょうか?』

まどか「い、いいよ…」アセアセ

ほむら『そう、残念ね…』

まどか(寝る前に一生懸命何か手帳に書いていたから、ホントに書き出しているんだろうなぁ…)

298: 2011/08/14(日) 15:19:51.53 ID:oY4Gb8J70
ほむら『まどか、今この街を守れるのは私たちしかいない』

    『だからこそ、私たちは自分の身をしっかりとさせていなきゃいけないの。何かあったら、魔女を退治する人間がいなくなってしまうのよ?』

まどか「う、うーん、でも…」

ほむら『でも、じゃないの。体調管理は初歩の初歩よ。いざというときに「戦えませんでした」じゃ、話にならない』

    『それとも、こんなことも貴方は指示されないとわからないのかしら?それなら遠慮なく指示を出させてもらうけど?』

まどか「ず、ずるいよ、ほむほむ!それを出されたら…」

ほむら『これはそういうことなの。魔女と戦う上で必要なのことなのよ』

    『とにかく、今日明日はもう変身しないわ。しようとしても、私が許さない。体をゆっくり休めること。いいわね?』

300: 2011/08/14(日) 15:22:42.97 ID:oY4Gb8J70
まどか「…わかった。明日までお休みするね」

ほむら『ありがとう』

まどか「ううん、いいの。わたし、ちょっと焦ってたみたい」

ほむら『…まどか。いい機会だから言っておくわ』

    『魔女退治に力を入れる気持ちはわかるけど、最近の貴方は無理し過ぎている』

まどか「そうかな…」

ほむら『ええ。明らかにやっていることは貴方のキャパシティを越えている。暴走といってもいいわ』

    『目に見えて疲れがたまっているし、満足に休養もとれていない』

    『そんなことではいつか身を滅ぼすわ。その行動は命取りよ』

まどか「…わたしは一生懸命にやっているだけなんだどなぁ」

ほむら『その気持ちは大事よ。魔女退治は遊びではないもの』

    『でも、力を入れ過ぎるのも問題。無理な行動をし続ければ、やがてツケが回ってくる』

    『まどか、自分が何ができるのか、範囲をよく見極めなさい。無理はいつまでも続かない。無茶をしないことが重要なの』

    『自分をもっと大事にして。貴方になにかあったら悲しむ人が大勢いることを忘れないで』

まどか「…ほむほむもその中の一人なんだよね?」

ほむら『…当り前じゃない』

まどか「…ありがとう。ほむほむ」

301: 2011/08/14(日) 15:23:52.32 ID:oY4Gb8J70
ほむら『…できれば、使い魔のことは無視して、魔女のみと戦うやり方にしてほしいけど…』

まどか「ごめん。それはできないよ」

    「使い魔だって、人を襲うもの。見過ごすわけにはいかないよ」

ほむら『…そうよね』

まどか「ごめんね、心配してくれているのに…」

ほむら『いいえ。あなたのやろうとしていることは、間違いではないわ』

    『ただ、今の状態をこのまま続けるのは無理。それは理解してほしいの』

まどか「…うん」

302: 2011/08/14(日) 15:26:01.06 ID:oY4Gb8J70
ほむら『…そうね。こうしましょう』

    『これから、パトロールは私一人で行うわ』

まどか「! そ、そんなのダメだよ!ほむほむ一人じゃ…」

ほむら『大丈夫よ。この体にも慣れてきたし、時間停止も使えるから逃げるだけなら何とかなるわ』

    『何かあったら携帯電話で連絡するわ。それで合流して、魔女や使い魔を狩る。これでいきましょう』



ほむら(これなら、まどかの負担を軽くできる。場合によっては、使い魔を放置することも…)


303: 2011/08/14(日) 15:37:12.62 ID:oY4Gb8J70
まどか「…本当に、大丈夫?」

ほむら『ええ、むしろ心配なのは貴方のほう』

まどか「え、わたし?」

ほむら『忘れないで。あなた個人は普通の少女と変わらないの。私がいないときに、絶対に無茶はしないでほしい』

まどか「…わたしってそんなに危なっかしいかなぁ」

ほむら『ここ最近は特にね』

まどか「…わかった。ほむほむも無理しないでね」

ほむら『ええ』

まどか「約束だよ?」

ほむら『…私もそんなに危なっかしく見えるのかしら?』

まどか「ま、まあ、小さいから。ちょっと心配かな?」

ほむら『元々、私がやるはずだった事を、貴方にやってもらっているんですもの』

    『このくらいは、本来自分でやるべきことなのよ』

まどか「…でも、無理はダメだよ?」

ほむら『ええ。お互いに…ね?』

まどか「うん」

304: 2011/08/14(日) 15:38:43.65 ID:oY4Gb8J70
ほむら『じゃあ、さっそく行ってくるわ。一回りするだけだから、時間はかからないと思う』

まどか「それじゃあ、何かあったら電話してね」

ほむら『ええ。電話するわ』ヨイショ


まどか「…大丈夫?」

ほむら『大丈夫よ』

まどか「やっぱり何だか重そうだよ…?背中に電話を紐でを背負って…」

ほむら『仕方ないじゃない。電話を盾にしまって小さくしたら、使えなかったのだから』

まどか「マナーモードは切ってあるよね?」

ほむら『ええ。一度この状態で電話がかかってきたとき、振動で大変な目にあったから…』

まどか「大変だったよね…。お魚みたいに、ピチピチ跳ねて」

ほむら『一度、試しておいて本当に正解だったわ…』

305: 2011/08/14(日) 15:40:18.07 ID:oY4Gb8J70
まどか「じゃあ、行ってらっしゃい!部屋でご飯用意して待っているよ」

ほむら『お構いなく。それじゃあね、まどか。まっすぐ家に帰るのよ』

まどか「あはは。なんだかほむほむって、お姉ちゃんみたい」

ほむら(まどかが妹…、それもいいわね)

まどか「じゃあ頑張って、ほむほむ!」

ほむら『ええ、まどかも気を付けて』シュタッ

まどか「うん、ほむほむも気を付けてね!」

306: 2011/08/14(日) 15:47:02.66 ID:oY4Gb8J70

まどか(うーん、ああは言ったけど、本当に一人で大丈夫かな?)

    (体が小さくても、使い魔と戦おうとしていたし。ほむほむのことだから、いざとなったら絶対に無茶するよね…)

    (ああ、でもだめだめ!わたしのせいで心配かけちゃってるんだから、今日は休まないと…)

    (…でも明日になったら、パトロールを二人で半分ずつ、範囲を分けるように提案してみようかな?)

  
まどか「…あれ?」



仁美「…」フラフラ

307: 2011/08/14(日) 15:48:22.57 ID:oY4Gb8J70
まどか「仁美ちゃん? なにしているの?」

仁美「…あら、鹿目さん、御機嫌よう」

まどか「ど、どうしちゃったの?ねえ、どこ行こうとしてたの?」

仁美「どこって、それは…ここよりもずっといい場所、ですわ」

まどか「いい場所って…。ひ、仁美ちゃん、な、なにを言っているの?」

仁美「ああ、そうだ。鹿目さんもぜひご一緒に…」


まどか(こ、これって…。あ、魔女の口づけ!)

    (ということは、仁美ちゃんは魔女に?! た、大変!)

310: 2011/08/14(日) 15:53:35.51 ID:oY4Gb8J70
    RRRRRRRRRRRRRR

まどか「ほむほむ!ほむほむ!」

ほむら『…どうしたの、まどか?こちらは今のところ何もないわ』

まどか「仁美ちゃんが大変なの!魔女の口づけがあって、それで…」

ほむら『! 今どこ?!』

まどか「仁美ちゃんを追っているんだけど…、港の倉庫街の方!」

ほむら『すぐに向かうわ。私が来るまで絶対に動いちゃだめよ!』

まどか「で、でも!」

ほむら『ダメ! ただでさえ一戦終えた後で本調子じゃないのだから、おとなしくしていなさい!』

    『とにかく志筑仁美を見張っていて。何かあったら逃げること、いいわね!』

まどか「あ、ほむほむ!」

311: 2011/08/14(日) 15:54:36.66 ID:oY4Gb8J70
まどか(…切れちゃった)

仁美「…さあ、鹿目さん。行きましょう?素晴らしい世界へ」

まどか「う、うん」



まどか(ごめん、ほむほむ。見張ることは出来ないみたい)

    (仁美ちゃんは何としても守らないと…。出来るなら、他の人たちも)

    (わたし一人でできるかな…。ううん、今はわたし一人しかいないんだから、わたしがなんとかしないと…)

    (お願い。ほむほむ、早く来て。それまでは、わたしが頑張るから…)

312: 2011/08/14(日) 15:55:20.42 ID:oY4Gb8J70
―倉庫内

男1「これより我々は肉体を捨て、神の座に…」

まどか「だめっ!」


 ガシャーン


男2「何をする!」

女1「ああ、神へと至る道が…」

男3「あ、ああ…」


まどか(いけない、逃げないと…)タタタ

313: 2011/08/14(日) 16:06:08.40 ID:oY4Gb8J70
    ドンドンドン ガシャガシャ ガタガタ

まどか(とりあえず、ドアの前に置けるだけものを置いたから、しばらくは大丈夫だよね…)

    (バケツはひっくり返したし、持っていた洗剤はぶつかった時に取り上げたから、あんなことはもうできないはず)

    (これで、一応は何とかなったかな?)


 ガンガンガンガンガンガンガンガン 


まどか(凄い勢い…。でも、わたしに注意が向いてるなら、その間はみんな氏んじゃうようなことはしないよね)

    (まだ、バリケードは持ってくれそう…。このままなら、ここでほむほむが来るまでやり過ごせるかな?)

    (…でも、何が起きるかわからないし、やっぱり逃げ道を探そう)

    (また、ほむほむに怒られちゃうなぁ…。無茶しないって約束したのに)

    (ううん、とにかく逃げ道を探さないと…)

    (何かあったら、怒られることも出来なくなっちゃうしね)



 ィィィィィィィィィィィィィィン


314: 2011/08/14(日) 16:11:10.12 ID:oY4Gb8J70
まどか「…!魔女の結界が…」

まどか(いけない。今のわたしじゃ…)


魔女「…」


まどか「魔女?!」

魔女「…」ヴーン

まどか(戦わなきゃ!)ゴソゴソ

    (武器は…。鞄に入っていた拳銃と爆弾が二つしか…)

    (でも、何とかしないと…)


315: 2011/08/14(日) 16:12:34.07 ID:oY4Gb8J70
魔女「…」ヴーン

まどか「えい!」パンパンパン

魔女「…」ヴーン

まどか(だめ…効果がないよ。何とかして爆弾を当てなきゃ…)

使い魔「…」ワラワラ

まどか「使い魔…こっちなら…!」パンパン

使い魔「――」

まどか(こっちは拳銃でも倒せるけど…。でも、魔女を倒さないときりがないよね)

    (とにかく、投げて当てられるとこまで近づいて、それから…)


―ガシッ―


316: 2011/08/14(日) 16:14:05.31 ID:oY4Gb8J70
まどか「あ…いやっ!」

使い魔「…」

まどか(後ろにいたのに…。わたし気付かなかったの?!)

ほむら『自覚していないようなら言っておくけど、今の貴方は、非常に危うい状態よ。疲労で明らかに行動に支障が出始めている。いつ致命的な失敗を犯しても不思議ではないわ』

まどか(わたしのバカ…。ほむほむはちゃんと言ってくれてたのに!)

まどか「嫌っ!離して!」

まどか(爆弾は…。嘘…落しちゃってる!)

まどか「や、やだっ…こんな…」 パンパンパン

使い魔「…」ゾロゾロ


317: 2011/08/14(日) 16:15:13.22 ID:oY4Gb8J70

    カチカチカチ

まどか「…弾が、もう」

使い魔「…」ガシッ
使い魔「…」ガシッ

まどか「いやだっ、助けっ…」


使い魔「…」トテテテ
使い魔「…」トテテテ
使い魔「…」トテテテ

魔女「…」ヴーン


まどか(あうっ…体が…わたし、どうなって…)

    (早く…、早く何とかしないと…)

魔女「…」ヴーン

まどか(そんな…、ここで、終わり?)

318: 2011/08/14(日) 16:16:27.91 ID:oY4Gb8J70
まどか「…」


まどか(…ダメだなぁ、わたし。守って見せるって決めたのに)

    (それとも罰なのかな…これって)

    (きっとわたしが、弱くて、嘘つきだから…バチが、当たっちゃったんだ)

    (…こんなことなら、もっと色々頑張っておけばよかったな)

    (…ごめんね、ほむほむ。ちゃんと言うことを聞いておけばよかった)

    (…また、泣かせちゃうね)

    (…ごめんね)

    (……)

    (…)



319: 2011/08/14(日) 16:17:14.91 ID:oY4Gb8J70


???「うぉりゃっ!」ザン!



魔女「…!」

まど「え…?」

320: 2011/08/14(日) 16:18:17.64 ID:oY4Gb8J70
   ザン ギン ガッ ガガガガガガガガッ

魔女「! ! !」

???「これでとどめだ!」ザシュ!

魔女「…」シュゥゥゥゥゥ

まど(魔女が…消えた?)



???「おっしゃ! 快勝!」

まど「あ、あなたは…」




杏子「…ん? こんなところで何やってんだ、お前?」

まど「杏子…ちゃん?」

321: 2011/08/14(日) 16:19:58.95 ID:oY4Gb8J70

引用: ほむら「体が縮んだわ…」まどか「じゃあ代わりにわたしが頑張るね!」