1: 2011/03/20(日) 23:06:54.94 ID:ZsIybmDL0
・このスレは『とある魔術の禁書目録』の二次創作SSスレです。
SS初心者なので読みにくいかもしれないです。
時系列は、第三次世界大戦終了後です。
なんかもうノリで書くつもりってか書いてるので、
細かいことは気にしないでね!
3: 2011/03/20(日) 23:08:04.22 ID:ZsIybmDL0
一方通行「俺この家出て行くわ」
番外個体「えっ」
打ち止め「ど、どうしていきなりってミサカはミサカはびっくりしつつ尋ねてみたり」
黄泉川「ここを出たら住む場所がないじゃんよ」
一方通行「住む場所だァ? 無いなら作ればいいだろォがァ!!」グォッ
芳川「頭がおかしくなってしまったのかしら」
一方通行「あァ!? ホームレスさンに謝れ芳川ァァァ!! アイツらはこんな暖房冷房効いた裕福な暮らししてねンだよ!
寒さ暑さ凌ぐ為に工夫して自分で家作ってンだ! ダンボールと新聞紙馬鹿にすンじゃねェぞォォォ!!」
黄泉川「いきなり何の話じゃん」
番外個体・打ち止め「「……」」
芳川「あなたたち、彼の言動に何か心当たりがあるのかしら?」
打ち止め「いやぁ……、話すと長くなるからミサカはミサカは要約して経緯を説明してみる」
4: 2011/03/20(日) 23:08:47.37 ID:ZsIybmDL0
昨日の夜
打ち止め『ホームレスの人ってみんな思いやりがあって優しいねってミサカはミサカのホームレスに対するイメージが変わったことを報告してみる!』
一方通行『あァ? ドラマとか漫画ってのは全部誰かが作ったストーリーなンだよ。 現実がこうだとは限ンねェぞ』
打ち止め『むぅっ、そうやってまたミサカの夢を壊すんだねってミサカはミサカはぶーたれてみたり』ブー
番外個体『第一位だって居候の身だし、ホームレスみたいなもんなんじゃないの? ぎゃは』
一方通行『そンなら黄泉川以外全員が当てはまンなァ』
打ち止め『まぁまぁそれくらいにして、いい場面なんだからみんなで観ようよってミサカはミサカはテレビの音量を上げてみる!』ピッ
一方通行『ったく、ホームレスなンざほっときゃいいのによォ……』
5: 2011/03/20(日) 23:09:56.49 ID:ZsIybmDL0
ホームレスA「やめろ!俺たちの家を壊すな!」
チンピラ「家だとォ? このダンボールの山がかァ? あはぎゃは!」ゲシゲシ
ホームレスA「くそっ……酷すぎる……」
チンピラ「酷いだとォ? 俺ァ善意でゴミの片付けやってンだぜェ?」
ホームレスB「ふざけんじゃねーよ!」ドンッ
チンピラ「あァ?」
ホームレスB「お前にはゴミに見えるかもしれねえ……、だけど俺たちにとっては大事な家なんだよ!
このダンボールひとつひとつにだって価値があるんだ!
なんだってお前みたいな人間にゴミ呼ばわりされなくちゃらねえんだよ!!」
チンピラ「オマエ……面白ェな」
ホームレスB「いいぜ……お前が俺たちの家をまだゴミだと言うのなら……
まずはその腐った常識を捻り潰す!!」
チンピラ「ぐはァァァっ!!」バタッ
6: 2011/03/20(日) 23:11:14.98 ID:ZsIybmDL0
一方通行『…………』キラキラ
打ち止め『今週もホームレスのお兄さんかっこよかったなーって
おーいどうしちゃったの?ってミサカはミサカはなんだか
目が輝いているあなたに話しかけてみる』
番外個体『……もしかしてさっきのドラマに感化されちゃったとか? あは、ウケる』
一方通行『……俺ァ、ホームレスさンに対して酷い事を言っちまった。
あんな辛い目に遭ってるなンて知らなかった』
番外個体『ぎゃは☆ マジで感化されてんの? あれぇ?
ドラマは作り話だって言ってたのは誰だったっけぇ?』
一方通行『そうだ! 俺がホームレスさンを救ってやりゃァいい話じゃねェか!!
クカカ、いいねェ最ッ高だねェ、なンで今まで気づかなかったのか不思議なくらいだぜェ!!』
打ち止め「……って感じだったんだけどってミサカはミサカは説明を終えてみる」
番外個体「あれマジだったの? ミサカ、お酒でも入ってるのかと思ってたんだけど」
黄泉川「未成年にお酒はだめじゃんよ」
7: 2011/03/20(日) 23:12:41.94 ID:ZsIybmDL0
芳川「じゃあ彼はここを出てホームレスにでもなるつもりなのかしら」
黄泉川「いくらなんでもそれは無いと思うじゃん」
一方通行「おい」
打ち止め「なあにってミサカはミサカは耳を傾けてみる」
一方通行「思ったんだけどよォ、ホームレスってのは家が無い人って意味だよなァ?」
黄泉川「まあ、直訳すればそうなるじゃん」
一方通行「けどよォ、ホームレスさン達は自分で作ったダンボールの家があるンだぜ?
ならそれはホームレスじゃねェよな?」
芳川「ちょっと何を言っているのかわからないわ」
番外個体「元々沸いてる頭が蒸発してるみたいだね、ひゃひゃひゃ」
打ち止め「家と認識できる基準がかなり下がってるんだよってミサカはミサカは分析してみる」
一方通行「だァァ!! もォいい! 俺ァ学園都市中のホームレスさン達に
救いの手を差し伸べるって決めたンだ! ここに居てもしょうがねェ。 じゃあなァ」
8: 2011/03/20(日) 23:14:03.08 ID:ZsIybmDL0
黄泉川「……」
芳川「……」
打ち止め「……」
番外個体「……あのさ」
芳川「大丈夫。 みんな同じことを考えているわ」
打ち止め「あの人はテンションが上がると単純なんだよってミサカはミサカは指摘してみる」
黄泉川「本当じゃんよ……それに言ってること滅茶苦茶だったじゃん」
一方通行は気づいていなかった。ここは学園都市。
人口の半数以上は学生だ。学生は基本的に所属している学校の寮に住むことになっている。
そして大人はほとんどが研究者か教師だろう。
研究者は住み込みが多いだろうし、教師も専用のマンションがある。
つまり、学園都市で家が無いという状況に陥る人間は万に一人もいない。
いるわけがないのだ。
所詮、ドラマは幻想の映像化に過ぎない、ということだった。
9: 2011/03/20(日) 23:15:10.53 ID:ZsIybmDL0
一方通行「勢い余って出てきちまったが……具体的に何をするのか全く考えてねェンだよな。
まァなんとかなるか。 とりあえずホームレスさンを見つけねェと何も始まらねェ」
カツカツ キョロキョロ
カツカツカツカツ キョロキョロキョロ
カツカツカツカツカツカツ キョロキョロキョロキョロ
<ナンカキョロキョロシテルオニイチャンイルヨー
<ミチャイケマセン
一方通行「結構歩いたけどホームレスさンってなァいねェもンだなァ。
恥ずかしがり屋さンなのかァ? あのドラマ見る限りだと結構いたように見えたんだけどよォ」
一方通行(それにしてもあの最後に出てきたホームレスさンはただものじゃねェ。
ヒーロー臭がプンプンしてやがった。 決め台詞かっこよかったしなァ)
一方通行「……」
一方通行「そ……その腐った常識を捻り潰す!」クアッ
海原「何してるんですか?」
一方通行「うわァァァァァァァァ!!!!!!」
10: 2011/03/20(日) 23:15:57.99 ID:ZsIybmDL0
一方通行「消えたい氏にたいもういやだ……」ブツブツ
海原「何をそんなに落ち込んでるんですか、その腐った常識を捻り潰しますよ?」ニコッ
一方通行「うわァァァァァあああン!!!!」
海原「まあまあ落ち着いて(笑)」
一方通行「落ち着けるかァァァ!!! テメェもいちいち人の黒歴史
ほじくり返してンじゃねェよォォォォ!!」
海原「その腐った常識を捻り潰す(笑)」
一方通行「うァァァァァ!!!」
海原「はいすみません調子に乗りすぎましたごめんなさい許してください」ドゲザ
一方通行「次俺の癪に障ったらテメェのストーキング行為を赤裸々に
第三位に語るからな。 そりゃもうドン引きじゃ済まないくらいに」
11: 2011/03/20(日) 23:16:29.63 ID:ZsIybmDL0
海原「そんな、あんまりですよ!」
一方通行「おォ? 適当に言ってみただけなンだが、マジでストーキングしてやがンのかァ?
自分で墓穴掘っちまったなァ、ぎゃはは」
海原「カマかけたんですか!? 酷いです!」
一方通行「テメェよりはマシだと思ってるけどなァ」
海原「まさかとは思いますが貴方……僕の後をストーキン」
一方通行「してねェよ、きめェこと言うな」
海原「ですよね、そんな恐ろしい……」ホッ
一方通行「それテメェが言える台詞じゃねェだろ」
海原「なん……ですって……!?」
一方通行(何コイツ)
12: 2011/03/20(日) 23:16:58.18 ID:ZsIybmDL0
海原「そういえばここで何をなさってたんですか?」
一方通行「あァ? ホームレスさン探しだ」
海原「……え?」
一方通行「聞こえなかったかァ? ホームレスさン探しだ」
海原「いや聞こえましたけど、なんでまたそんな事を」
一方通行「『そンなこと』? オマエ今『そンなこと』っつったか」
海原「え、ああ、言ったような……」
一方通行「ふざけてンのかテメェェェァァァ!!! 今すぐ謝れ!!
世界中のホームレスさン達に謝れェェェ!!」
海原(ええ…!? どういうことなの)
13: 2011/03/20(日) 23:17:34.03 ID:ZsIybmDL0
一方通行「っつーワケでェ、俺は学園都市にいるホームレスさン
だけでも助けてやりてェンだ」
海原「はい」ボロボロ
海原(昨日のドラマのホームレスヒーローに感化されたんですね)
一方通行「名づけて『ホームレスさン救出大作戦』だなァ」
海原(ネーミングセンス皆無ですね)
一方通行「あ、そういえば家出してきたンだったな……どォしよう」
海原「帰ればいいじゃないですか」
一方通行「それは駄目だ。 ホームレスさン達は自分で
家を作ってンだ。 家が無ェなら作る」
海原「それだと貴方もホームレスですよね」
一方通行「えっ」
海原「えっ」
一方通行「……」
海原「……」
海原(この人何が目的なんだろう)
14: 2011/03/20(日) 23:18:11.58 ID:ZsIybmDL0
一方通行「……あれ? そもそも俺の目的はなンだ?
ホームレスになることじゃねェよな?ホームレスさンを救出することだよな?
……それだと家出てくる必要なくねェ?」
海原「そうですね(むしろ何で家出した)」
一方通行「……」
海原「……」
一方通行「いや、今更戻れねェしなァ……」
海原「プライド(笑)ですか」
一方通行「……海原ァ」
海原「すみません」
一方通行「俺すげェいいこと思いついたわ」
15: 2011/03/20(日) 23:18:47.74 ID:ZsIybmDL0
グループの隠れ家
一方通行「うォ、予想以上にほこりだらけ……」
海原「残っていて良かったですね。 暗部が解散したから撤去されているものだとばかり」
一方通行「アパートの方は潰れてたけどなァ。 まァ一戸建ての方が
広いし大人数でも大丈夫だろ」
海原「大人数、ですか?」
一方通行「あァ。 ホームレスさンを俺が養ってやるンだよ」
海原「また随分ぶっ飛んだ発言ですね」
一方通行「俺の家にもなるし一石二鳥。 生憎金は腐るほどあるからなァ。
借金もチャラになったし」
海原「まあ、いい考えだと思いますよ。 一つ問題点がありますけどね」
一方通行「ンだァ? 言ってみろ」
海原「ここが学園都市だということですよ」
16: 2011/03/20(日) 23:19:37.22 ID:ZsIybmDL0
一方通行「あァ? だから何だってンだ?」
海原「わからないんですか? ここは学生の街ですよ?
みんな寮が与えられてるんです。教職員たちもマンションがあるし、
ホームレスがいるわけがないんですよ」
一方通行「……え?」
海原「夢を壊すようで申し訳ないんですけど、貴方のやっていることは
全くの無駄ですね。 ここまで付き合っておいてなんですけど」
一方通行「ホームレスさンがいない……だとォ?」
海原「イエス」
一方通行「あ……あは、そ……そりゃァ、イイことじゃねェか!! ぎゃは、
みンなちゃンと屋根のある部屋に住めてるなンて幸せだなァオイ、
…………チクショォォォォ!!!」
海原「……」
一方通行「……いいンだ、所詮幻想だったって事だなァ……。
おかげで目が覚め……」
海原「いえ、幻想では終わらせませんよ」
一方通行「あァ? 何言ってンだ。 学園都市にホームレスさンなンて……」
海原「確かにいませんよ。 表の住人でしたらね」
一方通行「表……? まさか」
海原「ええ、いるんですよ。 裏の世界には」
17: 2011/03/20(日) 23:20:02.00 ID:ZsIybmDL0
海原「お願いします住まわせてください僕家がないんです」ドゲザ
一方通行「は……ァァァァああ!?」
海原「……実はさっき、ショチトルに家を追い出されてしまって住む場所がないんです」
一方通行「ってことは……オマエはホームレスさンなのかァ?」
海原「はい」
一方通行「家が無くて困ってやがンのかァ?」
海原「はい。 できれば、ここに住まわせて頂きたいのですが」
一方通行「……ォ」
海原「?」
一方通行「お……おォォォ!! まかせろォォォォォ!!」キラキラ
海原(やった、助かった)
こうして、一方通行のホームレスさン救出大作戦は海原の入居によって幕を開けた。
39: 2011/03/21(月) 16:11:42.28 ID:x1ljWl2B0
一方通行「住むっつったのはイイけどよォ、
この状態じゃ暮らせる気が全くしねェわ」
海原「そうですね……、まずは掃除からでしょうか」
一方通行「おゥ、がんばれよ」
海原「何言ってるんですか、貴方もやるんですよ」
一方通行「いや、俺家主だしィ?」
海原「だから何ですか」
一方通行「少しは家主を労われクソ野郎」
海原「住めるような状態になってから言ってください」
40: 2011/03/21(月) 16:12:35.20 ID:x1ljWl2B0
一方通行「分かった分かったよ分かりましたァ!
こんなホコリはなァ、風で適当にぶっ飛ばせばいいンだよォォ!!」カチッ
ビュォォォォォオッ!!!!
ドーンッ ガッシャーン!!! パリィィィン!!
海原「……」
一方通行「……」
海原「……」
一方通行「……ごめン」シュン
42: 2011/03/21(月) 16:13:44.99 ID:x1ljWl2B0
一方通行「ってェか、電気も水も通ってねェしよ」
海原「ああ、随分放置してましたし、止まったのかも
しれないですね……」
一方通行「まだ昼間だから電気はともかく、
水がねェンじゃ掃除できねェだろ」
海原「そうですね、どうしましょう」
一方通行「これはあれかァ? なンかセンター的なとこに
申し込み的なことをするのかァ?」
海原「まあ、普通はそうなんですけど、ここは元々
グループの隠れ家ですし、一般のものと繋がっているとは
少々考えにくいですね」
一方通行「ンじゃ、俺がベクトル操作して強制的に
引っ張り出すってェのはどォだ?」
43: 2011/03/21(月) 16:14:26.67 ID:x1ljWl2B0
海原「できるんですか?」
一方通行「できンじゃね?」
海原「随分アバウトな」
一方通行「できるに決まってンだろォ!!!!
海原「いきなり大声出さないでくださいよ」
一方通行「あ、悪ィ」
海原「鼓膜破れましたよ」
一方通行「おめでとォォォォ!!!!!」パチパチ
海原「……掃除しましょうか」
44: 2011/03/21(月) 16:15:02.45 ID:x1ljWl2B0
海原「本当に電気と水が通るとは思いませんでした」
一方通行「俺をナメて貰っちゃァ困る」
海原「いや、自分にそういう趣味はないので……」
一方通行「そっちじゃねェよ!!!!」
海原「ほら、掃除するから窓開けてください」
一方通行「うわァ何コイツマジでムカつくわァ……あ」
海原「? どうしました?」
一方通行「いや、……窓開けようと思ったンだけどよォ……」
一方通行「さっきの風で全部割れたンだった」
海原「」
45: 2011/03/21(月) 16:15:32.28 ID:x1ljWl2B0
海原「それは、要するにあれですか」
一方通行「あ?」
海原「暖房をしても一向に部屋が暖まらない、と」
一方通行「まァ、風通し抜群だからなァ」
海原「そんなの凍氏しますよ! こんな真冬……
でもないですけどまだ雪降ってるし」
一方通行「……なにアホみてェな事ぬかしてやがンだァァァ!!!」グォォォ
海原「ええっ!?」
一方通行「屋根のある空間に住めるだけありがたいと
思いやがれこのクソったれがァァァ!!!! ホームレスさン達は
もっと寒くてひもじィ思いしてンだよォォ!! ダンボールと新聞紙で
寒さ凌いでンだよォォォォ!!!!」
一方通行「ハッ、ダンボール! そォか、ダンボールを
窓ガラスの代わりにすればイイじゃねェか!!」ピコーン
海原(もう手が付けられない)
46: 2011/03/21(月) 16:16:04.67 ID:x1ljWl2B0
一方通行「これでもう寒くねェ!!」
海原「まあ、確かに風通しはなくなりましたけど」
一方通行「なンだよ、まだなンかあンのかァ?」
海原「いや、自分は一方通行さんに『窓開けて』
と言ったはずなんですが」
一方通行「」
海原「折角ダンボールを貼ってくれたところ言いにくいのですが、
風通しよくないと掃除ができな……」
一方通行「うわァァァァン!! 助けてホームレスさァァァァン!!」ビェェェン
海原(一応自分もホームレスなんですけど)
47: 2011/03/21(月) 16:16:34.29 ID:x1ljWl2B0
一方通行「さみィ……」ガクブル
海原「掃除が終わったらダンボール貼って休憩にしましょう」
一方通行「俺もう動けねェ……」ガクブル
海原「とりあえずリビングですね、自分が掃くので
貴方はこの雑巾で拭いてください」
一方通行「水、つめてェ」ジャブッ
海原「あたりまえじゃないですか」サッサッ
一方通行「あー、さみィだりィもォいやだァ」フキフキ
海原(このペースだと当分終わらなそうですね……)
ピーンポーン
番外個体「やっほう、第一位。 からかいにきたよ」
打ち止め「おじゃましまーす! って
ミサカはミサカは元気よくあいさつしてみる!」
48: 2011/03/21(月) 16:17:31.68 ID:x1ljWl2B0
一方通行「オマエら遅ェンだよ」フキフキ
打ち止め「これでも結構急いできたんだから! って
ミサカはミサカは長い距離歩いて疲れたことを隠してみたり」エッヘン
一方通行「それ隠せてねェからな」
番外個体「それにしてもきったないねえ。 いきなり呼んで何?
ホームレスうんぬんはどうしたのさ?」
一方通行「俺がここでホームレスさンを養うことにしたンだよ」
番外個体(えっ、ホームレスなんていないはずじゃ……)
番外個体「まさかあなたの後ろの奇妙な人がホームレス?」
一方通行「あァ?」チラッ
海原「チ……チイサイミサカサントオオキイミサカサン……ミサカハーレム……ダトォ!?」ブツブツ
一方通行(やべェ忘れてた)
49: 2011/03/21(月) 16:18:01.20 ID:x1ljWl2B0
海原「はっ、はじめまして! 貴方が噂に聞くミサカさん!
話は一方通行さんから聞いています!」フーフー
一方通行「いや、話してねェけど」
海原「え、あ、いや、小さいほうのミサカさんの話なら聞いたことありますよ!
こちらは……お姉さん的な感じでしょうか!?」フーフー
番外個体「いや、ミサカはどっちかっていうと妹かな」
打ち止め「そうだよ! ミサカの方が上司なんだから! って
ミサカはミサカは自身の有能っぷりをひけらかしてみたり!」エッヘン
海原「よくわからないですけど、ミサカという固有名詞を持つ方に
悪い人はいないんです! どうですか、これから一緒にご飯でも」フーフー
一方通行「ふざけンな。 今は掃除だろォが。
コイツらも掃除手伝わせるために呼んだンだからよ」
番外個体「え、ミサカ掃除とかめんどくさいんだけど」
一方通行「イイからやれよ(人数居た方がサボれるしなァ)」
打ち止め「ミサカはお掃除するよ! って
ミサカはミサカはできる女をアピールしてみたり!」エッヘン
海原「くああああ! ミサカハーレムゥゥゥゥ!!」フンガッフンガッ
一方通行「オマエさっきから鼻息うぜェ」
50: 2011/03/21(月) 16:18:31.18 ID:x1ljWl2B0
一方通行「オマエらなるべくあの変Oの半径30メートル以内
には近づかねェよォに努力しろ」コソコソ
打ち止め「それだとミサカたちはおうちの中に入れないよって
ミサカはミサカは計算してみる」コソコソ
一方通行「ほんともう家から出るくれェの勢いでアイツには
近づくな。 じゃねェとオマエらの貞操が危うい」コソコソ
番外個体「何? ちびっこだけじゃなくてミサカの心配も
してくれてんのお? 第一位やっさしーい☆ ぎゃは」コソコソ
海原(一方通行さん……あんなにミサカさん達に
顔を近づけて一体何を……!?)ゴゴゴゴゴ
一方通行「ほらもォ既にアイツの視線とオーラがやべェ。
アイツは遺伝子レベルでオマエらに付きまとってくンぞ」コソコソ
番外個体「なにそれこわい」コソコソ
打ち止め「貞操って何? ってミサカはミサカは疑問に思ってみる」コソコソ
一方通行「ガキは余計な詮索してねェで黙って言うこと聞いてろ」コソコソ
61: 2011/03/22(火) 18:45:31.39 ID:b3874Gkc0
一方通行「ガキ共はキッチンと風呂場の掃除だ」
番外個体「じゃあ、分担しようよ」
打ち止め「ミサカはお風呂掃除やりたーい! って
ミサカはミサカの希望を言ってみる!」
一方通行「ざけンな! 滑って転んだら危ねェだろォが!」グォォ
番外個体「でもちびっこの身長じゃあキッチンには届かないし」
一方通行「分担しねェで一緒にやれって言ってンだよ!」
打ち止め「そんなに過保護にしてもらわなくてもミサカは
お風呂掃除くらいできるのにってミサカはミサカは
黄泉川のお手伝い経験を生かして掃除に取り掛かってみたり」
海原「それでは監督も含めて自分が一緒に」
一方通行「テメェはトイレとその他二部屋の掃除してろォ!
オマエ掃除が終わるまで絶対リビングに出てくンなよ!」
海原「ミサカさん達を見ないとモチベーションが上がらないのですが……」
62: 2011/03/22(火) 18:46:09.22 ID:b3874Gkc0
一方通行「……オイ、海原ちょっとこっちこい」
海原「何でしょう? ミサカさん達の連絡先でも
教えて頂けるのでしょうか?」
一方通行「オマエの頭どォなってンだ!? 断じて違ェからな!」
海原「そうですか、なら貴方に用はない」
一方通行(ガキ共呼ぶンじゃなかった)
海原「ミサカさーん! 自分も手伝いますよぉー」
一方通行「テメェふざけンなっつってンだろォが!
一旦俺の話に耳を傾けよう。 な、お願いしますホントに」タノム
海原「まったくしょうがないですね」ヤレヤレ
一方通行(オマエ何様なんだよォォォ!?)
63: 2011/03/22(火) 18:46:42.53 ID:b3874Gkc0
一方通行「いいか良く聞け。 オマエにトイレと
二部屋を任せたのには理由があンだよ」
海原「ミサカさん達から自分を遠ざけるためでしょう」
一方通行「あァ……って違ェ! いや違わないけど違ェ!
……オマエがよォ、一人でトイレ含め三部屋も綺麗に掃除
できたらガキ共がかなりびっくりすると思うンだよなァー」
海原「!!」
一方通行「もしかしたら頭なでて褒めてくれるかもしれ」
海原「任せてください、自分頑張ります」フフン
一方通行(何コイツちょろすぎンだろ)
海原「そうと決まれば自分はまずトイレ掃除から
取り掛かるとしましょうか」
海原(……ハッ! トイレはミサカさん達も使うから滅茶苦茶念入りに
掃除しないとミサカさん達が不衛生に! 待ってて下さいミサカさん!
貴方達の健康は自分の手に委ねられています!!」ダダダッ
一方通行(……途中から全部聞こえてたンですけど)トリハダ
64: 2011/03/22(火) 18:47:31.35 ID:b3874Gkc0
一方通行(まァ、とりあえずこれで海原をガキ共の近くに置くことは避けられた。
それにアイツの事だからトイレと二部屋はかなり綺麗にすンだろ)
一方通行「となると俺は必然的にリビングの掃除か(サボれねェな……)」
打ち止め「うわーん! 袖に泡がついちゃったよー! って
ミサカはミサカは現状報告しながらあなたに向かって
走っていってみるーー!!」ダッ
一方通行「オイ待てクソガキ窓際走ンじゃねェ!!
ガラスの破片が散らばってンだよ危ねェだろうがァァァァ!!!」
打ち止め「うひゃあ!? 透明で鋭利な破片たちが
ミサカの行く手を阻んでいる!てミサカはミサカは
これじゃあなたのところに行けないよーっ!」
一方通行「なンか用事あンなら窓際通らねェで
反対側通ってこいよォ!」
番外個体「」ゴシゴシ
番外個体(……ミサカも構って欲しいとか思ってないし)ゴシゴシ
65: 2011/03/22(火) 18:48:42.35 ID:b3874Gkc0
一方通行「ったくよォ、掃除が完璧に終わってから
持ち場を離れやがれってンだ」
打ち止め「ごめんなさいってミサカはミサカは謝ってみる」シュン
一方通行「オラ、分かったら掃除に戻れ」
打ち止め「はーいってミサカはミサカはお風呂場にダッシュ!!」ダッ
一方通行「だから走ンなっつってンだろォォォ!!!」グォッ
番外個体「……あーっ!! ミ、ミサカも服に泡が付いちゃったー!!」ダダダッ
打ち止め「いてっ!」ドン
番外個体「うわっ!」バタッ
一方通行「もォォォ!! なンで静かに掃除できねェンだよ
オマエらはァァァァ!!!!」
<ナンデシズカニソウジデキネェンダヨオマエラハァァァ
海原「……楽しそうですね」ゴシゴシ
66: 2011/03/22(火) 18:49:20.90 ID:b3874Gkc0
一方通行「あー、掃除ってなァだりィわ」フキフキ
一方通行(リビングはさっき俺が派手に散らかしちまったから
いろんなもンが壊れてやがるしよォ……)フキフキ
一方通行「テレビとヒーターはねェと困るよなァ……」フキフキ
番外個体「あっそういえばさ」
一方通行「あァ? オマエ風呂場は終わったのかァ?」
番外個体「終わったよ。 今はキッチンの方掃除してる。
一応一通りの家電は揃ってるみたいなんだけど」
一方通行「そォか……。 ンじゃ、俺が壊しちまった
テレビとヒーター以外は買わなくて大丈夫か」
番外個体「んでさ、これ持ってきたの忘れてたんだよね」ドサッ
一方通行「……オイオイ何の冗談だこりゃァ? 炊飯器二台も
いらないンですけどォ? ってか家電揃ってるってことは
ここにも一台炊飯器あンだろ」
番外個体「想定外。 黄泉川が持ってけってうるさかったしさ。
炊飯器三台あれば料理できないあなたでもたくさんご飯食べられるよ」ギャハ
67: 2011/03/22(火) 18:49:47.77 ID:b3874Gkc0
一方通行「炭水化物のみで生活しろということか」フキフキ
番外個体「だって冷蔵庫の中空っぽだし」
一方通行「いや、それくらい知ってるけどよ。
そもそも米もねェから炊飯器あってもしょうがねェな」フキフキ
番外個体「じゃ、じゃあ、……ミサカが一緒に買い物行ってあげようか!?」モジモジ
一方通行「あァ? 言われなくても掃除終わったら行くつもりだ。
オマエらに荷物持ちしてもらうからな」フキフキ
番外個体「えっ、あ、……そーだよね!! しょ、しょうがないから
ミサカも付き合ってあげるけど!? このミサカが荷物持って
やるんだから感謝するんだね! ぎゃは☆」
一方通行(俺杖ついてンだけどなァ)
打ち止め「番外個体―っ! 上のほうミサカじゃ届かないよーって
ミサカはミサカは助っ人を要求してみたりー」ヒョイッヒョイッ
68: 2011/03/22(火) 18:50:31.51 ID:b3874Gkc0
一方通行「ゴミとかいらねェもンあったらここら辺に置いとけ」
打ち止め「キッチンから結構ゴミ出てきたよ! って
ミサカはミサカはあなたの側に置いてみたり」ドサッ
番外個体「そのゴミどーすんの?」
一方通行「ベクトル操作で圧縮すンだよ」カチッ
打ち止め「おおーっ! すごくコンパクトになったね! って
ミサカはミサカはあなたの能力の応用性に改めてびっくりしてみたり」オーッ
海原「掃除終わりましたよおぐはっ!!」ガシッ
一方通行「おォ、でっけェゴミも出てくるもンだなァ、
圧縮のしがいがあるわァ」ニヤ
海原「来て早々にそれはないと思うんですけど!!」
一方通行「圧縮圧縮ゥ」
番外個体「……ねえ、あの笑顔が妙に清々しい人どう思う?」コソコソ
打ち止め「うーん、いい人っぽいんだけど、なんだか
体が勝手に逃げちゃうかもってミサカはミサカは
危機管理能力が働いてることに疑問を抱いてみたり」コソコソ
番外個体「清々しいけどなんかどす黒いよね」コソコソ
69: 2011/03/22(火) 18:51:02.75 ID:b3874Gkc0
海原「ついでに廊下も掃除してきましたよ」フフン
一方通行「あァ、廊下忘れてたわ」
番外個体「じゃあ残りはリビングだけ?」
打ち止め「あなたはずっとリビングに居たのに
一番掃除が進んでいないのは何故? って
ミサカはミサカはあなたのサボりっぷりを注意してみる!」
一方通行「ゴミの圧縮してただろォが!」プンスカ
海原「それに比べて自分はかなりのスペースを
掃除しましたよ」エッヘン
一方通行「そォだなァ」ウン
番外個体「そうだね……」ハッ
海原「」ジーーー
海原(さあ!褒めて!なでて!)キラキラ
番外個体「……」
打ち止め「……」
海原(……照れてるんでしょうか)
70: 2011/03/22(火) 18:51:32.62 ID:b3874Gkc0
番外個体「……ささっとリビングも掃除しちゃおっか」
打ち止め「そっそうだね! ってミサカはミサカは奇妙なえがむぐっ!」
番外個体(それ以上先は心の中にしまっとけ!)コソコソ
番外個体「じゃ、じゃあさ、第一位はゴミの圧縮してよ!
ミサカ達が掃除するからさ!」
一方通行「悪ィ。 バッテリー無くなりそォだから充電するわ」イソイソ
打ち止め「大義名分を作って堂々とサボろうとしてる! って
ミサカはミサカはバッテリーが無いならしょうがないってあきらめてみたり」
一方通行「ここ、俺のテリトリーなァ。 入ってくンなよォ」ジュウデンチュウ
番外個体「自分の周りだけ掃除するとか小学生かよ、ひゃひゃ」ケラケラ
打ち止め「その例えはミサカには理解できないかもって
ミサカはミサカは小学校の知識が乏しいことを明かしてみる」
番外個体「適当に言ってみただけだよ」フキフキ
71: 2011/03/22(火) 18:51:58.89 ID:b3874Gkc0
一方通行「あー……」ジュウデンチュウ
打ち止め「充電中のあの人はいつも以上にだらけてるよねって
ミサカはミサカは観察してみたり」サッサッ
番外個体「充電してるときは通常モードよりも
演算力下がってるのかな」ガシャガシャ
打ち止め「その可能性もあるかも! って
ミサカはミサカは考えてみる!」サッサッ
海原「」フキフキ
一方通行「なンかねみィ……ふァ……」ジュウデンチュウ
番外個体「ちょっと、寝ないでよ。 もやしは体力が無くて
ほんと困るよね、ぎゃは☆」サッサッ
一方通行「ンだとコラァ!!もう一回言ってみろォォォォ!?」ジュウデンチュウ
打ち止め「もやしって単語にことごとく反応するあなたは見てて
かわいいかもってミサカはミサカはちょっとした親心を語ってみる」フキフキ
一方通行「ンァ……叫ンだらめまいがァ……」ジュウデンチュウ
番外個体「低血圧みたいな症状だよね」フキフキ
海原「」ジャボジャボ
海原(……完全に蚊帳の外ですね)シュン
78: 2011/03/23(水) 19:12:59.66 ID:ddLYr4UT0
―――
――
海原「一方通行さん、終わりましたよ」ユサユサ
一方通行「ふァ……? ン、寝ちまってたか……あ?」ジュウデンカンリョウ
打ち止め「」スースー
番外個体「」スースー
一方通行「なンでこいつら俺に寄りかかって寝てンだよ……」
海原「まったくもって羨ましい限りです」
一方通行「挟まれてるから動けねェじゃねェか……」
海原「自分が代わりましょうか?」
一方通行「全力で拒否する」キョヒッ
海原「そこまで必氏にならなくてもいいじゃないですか」
一方通行「必氏になるわボケ」
79: 2011/03/23(水) 19:13:42.30 ID:ddLYr4UT0
一方通行「よっと……」ソーッ
海原「起こさずに抜け出すなんて器用ですね。
……二人のミサカさんが寄り添って寝てると
なんだか微笑ましいです」ニコニコ
一方通行「やっとマシな言葉が出てきたなァ」
海原「何言ってるんですか。 自分はいつだって紳士です」
一方通行「どォ見ても変Oだがな」
海原「そんな腐った常識は捻り潰しますけどね(笑)」
一方通行「オマエなンなの!? 俺になンか
恨みでもあンの!?」ウェェン
海原「恨みというか、……恨みですね」シミジミ
一方通行「意味深な言い方すンなよ気になるじゃねェか!」
海原「言ってみただけですよ」
一方通行(うがァァァァ!!!)
80: 2011/03/23(水) 19:14:27.72 ID:ddLYr4UT0
海原「これからどうするんですか?」ブルブル
一方通行「あァ……とりあえず休憩挟んで買い物だな。
食材と家電を揃えないと生活できねェ」
海原「ミサカさん達は起こさないんですか?」ブルブル
一方通行「後で起こす。 部屋に布団とかあったか?」
海原「押入れは何もなかったですよ」ブルブル
一方通行「じゃあ必要なのは食材とテレビとヒーターと寝具か」
海原「そうなりますね。 それにしても寒いのですが」ガクブル
一方通行「……あァ、ダンボール貼るの忘れてたな、よっこらせ」ヨイショ
海原「年寄りみたいですね(笑)」
一方通行「ンだとコラ!? こちとら杖付いてンだから
しょうがねェだろォが!」プンスカ
海原「冗談ですよ。 ダンボール貼るの自分も
手伝いますね。 よっこらせ」ヨイショ
一方通行「オマエ人の揚げ足担ぐの大好きだなァオイ!」
81: 2011/03/23(水) 19:15:12.27 ID:ddLYr4UT0
海原「さっきも思ってたんですけど、ダンボール貼ると
日光も凌いでしまいますよね」
一方通行「昼間なのに夜みてェだな」
海原「昼間から電気点けてたら電気代が凄いんじゃ
ないんですか?」
一方通行「あ? 契約してねェし請求とか来ねェだろ。
まァ、請求来たら払うけどな」
海原「さすがレベル5」スゲェ
一方通行「なァ、新聞紙とかねェ? 隙間風が
気になってしょうがねェわ」ヒューヒュー
海原「新聞紙はさっき全部捨ててしまいましたね。
自分のメモ帳ならありますけど……」ハイ
一方通行「……オマエ何でこンな可愛らしいメモ帳
携帯してンの? そォいう趣味が?」ゾワッ
海原「あっ、いえ、それはショチトルからの
誕生日プレゼントでして……」アセアセ
一方通行「ショチトルだァ? オマエそれさっきも
言ってたな。 アイツだろ? 前に暗部にいたヤツ」
海原「まあ、そうなんですけ、ど……ぐすっ」ポロポロ
一方通行「えっ」ビクッ
海原「うっ、グスッ……ショチトル……」ボロボロ
一方通行(え!? 何でいきなり泣いてンの!?)
82: 2011/03/23(水) 19:15:46.24 ID:ddLYr4UT0
一方通行「お、オイ、どォしたンだよ」アセアセ
海原「……いえ、取り乱してすみません。 なんでもな」
一方通行「ショチトル」
海原「うぇぇぇぇん!」ボロボロボロ
一方通行「ごめンごめンごめン!!」アセアセ
一方通行(何あったか知らねェけど、こいつに
『ショチトル』ってのは禁句っぽいなァ……)
一方通行「……い、いやァ、隙間風なンて俺の勘違いみてェだ!
全然風とかねェしむしろ快適だからそのメモ帳はしまっとけ」ブルブル
海原「……」ズビビッ
一方通行(これはこれで絡みづれェな……)
一方通行「そ……そろそろガキ共起こして買い物行くか!
ほら、オマエが起こしてや」
海原「いいんですか!? やったぁぁぁ!!」キラキラ
一方通行(ええェェ……?)
83: 2011/03/23(水) 19:16:16.52 ID:ddLYr4UT0
番外個体「ふぁぁ……あれ? 第一位? ……はっ!
ミサカ寝ちゃってたの!?」アワアワ
一方通行「おォ、二人して俺に寄っかかって寝てやがったな」
番外個体「えっ、……こ、こんなに可愛いミ、ミサカが添い寝
してあげたんだから感謝しなよ! ぎゃは」アセアセ
一方通行「アリガトウ」ボウヨミ
番外個体「なっ///」
海原「なっ」
一方通行「なっ?」
海原「なんということだ……許可を貰ったというのに
起こせなかったじゃないですかああ」ズーン
一方通行「オマエが騒ぐからだろ。 オラ、起きたなら
買い物行くから準備しろ」
海原「こうなったら小さいミサカさんだけでも……」ワキワキ
番外個体「ちびっこ、買い物行くってさ。 起きなよ」ユサユサ
打ち止め「うーん、あと五分ーってみしゃかはみしゃかは
寝起きの定番のセリフを……むにゃむにゃ」
番外個体「叩き起こすよ?」
打ち止め「起きる! ってミサカはミサカはおはようございます!」ビシィ
海原「なん……ですって……!?」ドーン
84: 2011/03/23(水) 19:16:46.36 ID:ddLYr4UT0
―――
――
近所の商店街
一方通行「クソガキ共はそこのスーパーで一週間分くれェの
食材買って来い。俺と海原は向かいの家電量販店に行く」
番外個体「それが人に物を頼む態度なの?」
一方通行「ハイハイ、お願いしますゥ」ボウヨミ
番外個体「いちいちムカつくねぇ、第一位は」
打ち止め「ねえねえお菓子買ってもいい? って
ミサカはミサカはおねだりしてみる!」
海原「好きなだけ買っていいですよ」ニコッ
一方通行「勝手に返事してンな! 買うなら少しにしとけよ。
番外個体もなンか欲しいのあったら買っとけ」ホラ
番外個体「ちょ、いくら一週間分って言ってもこんなに
お金使わないんだけど?」
一方通行「そンじゃ服とか適当に買えばァ?」
打ち止め「えっ! お洋服買っていいの!? って
ミサカはミサカは驚きつつ確認を取ってみる!」
一方通行「勝手にしろ」
85: 2011/03/23(水) 19:17:32.32 ID:ddLYr4UT0
番外個体「じゃあ好きにさせてもらうね」ギャハ
一方通行「おォ。 買い物終わったらそこの公園にいろ。
まァ、いざとなったら携帯で連絡するからいいけどよ」
打ち止め「了解―! ってミサカはミサカはスーパーに
向かって猛ダッシュ!!」ダダダダッ
番外個体「ちょっと! 迷子になるから走らないでよっ!」マッテー
一方通行「……」
海原「……大丈夫なんでしょうか」
一方通行「……まァ、大丈夫だろ」
海原「またアバウトですね」
一方通行「いつもあンな感じだからなァ」
海原「しかし、貴方は彼女たちに対して
奇妙なくらい優しいというか過保護ですよね」
一方通行「誰が奇妙だ誰が」
海原「ふふっ、過保護なのは認めるんですか」
一方通行「うるせェ余計なお世話だコラ」プイッ
86: 2011/03/23(水) 19:17:59.86 ID:ddLYr4UT0
家電量販店
一方通行「えっと、まずはヒーターだなァ……」ドレドレ
海原「電気ストーブの方がいいですよね」
一方通行「俺は暖まれば何でもいい」
海原「これなんてどうです?
『点けた瞬間一気にポカポカ! 灼熱電気ストーブ!』」
一方通行「キャッチコピーがデンジャラスだ。
灼熱とかポカポカとか矛盾してンだろ。 却下」
海原「じゃあ温風器とかはどうです?」コレ
一方通行「温風器かァ……俺あれ苦手なンだよなァ」ウン
海原「なんでですか?」
一方通行「なンかあれよォ、こう、なンていうかよ、
ポワー……ってなるンだよな」ポワー
海原「当たりすぎてるだけなんじゃないですかね」
一方通行「まァ、とにかく、普通のでいいンだよ。
そンな捻る必要はねェ」
海原「温風器も十分普通ですけどね」
87: 2011/03/23(水) 19:18:27.80 ID:ddLYr4UT0
海原「そういえば、ホームレスを養うんですよね?」
一方通行「ホームレス『さン』」
海原「えっ」
一方通行「ホームレス『さン』」
海原「……ホームレスさんを養うんですよね?」
一方通行「あァ。 今のとこオマエだけだがな」
海原「学園都市にはただでさえホームレスさんがいないですし、
みたいなものを出したらいいんじゃないでしょうか?」
一方通行「甘ェな」
海原「?」
一方通行「なンて出してみろ。 ホームレスさンに成りすまして
養ってもらおうとするクソ共が絶対に沸いてくンだよ」
スーパー
上条「今日はお肉が安い……! 買いだめしようかな……
いや、それだと野菜が買えなくなるなあ……」ウーン
88: 2011/03/23(水) 19:19:06.48 ID:ddLYr4UT0
打ち止め「あっ! ヒーローさんがいるよ! って
ミサカはミサカは番外個体に知らせてみる!」
番外個体「ヒーロー? ああ、あの人ミサカもロシアで
一回会ったことある」ソウイエバ
上条「あれ? 打ち止めじゃないか! 久しぶりだな!」オーイ
打ち止め「久しぶりーってミサカはミサカは
感動の再開に思わずうそ泣きしてみたり!」シクシク
上条「うそ泣きかよ! あー、えっと、こっちは……
妹達、なのか?」オソルオソル
番外個体「うん、ミ番外個体だよ。 あなたとは一回ロシアで
会ってるんだけど……まあその時ミサカは虫の息だったし
覚えてるはずないか」
上条「あ、あの時一方通行の側に倒れてたのって
お前だったのか……」ソウイエバ
打ち止め「今日はね! あの人とお買い物に来てるんだよ!
ってミサカはミサカはぶっちゃけてみる!」ジャーン
上条「ええ!? 一方通行がここにいるのか!?」ゾワワッ
番外個体「第一位は違う店で買い物してるよ。 ミサカ達は
食材担当なんだけど、ぶっちゃけ何買ったらいいかわかんないんだよね」
打ち止め「お菓子! お菓子! ってミサカはミサカは
高ぶるテンションを抑えられない!」ピョンピョン
89: 2011/03/23(水) 19:19:33.38 ID:ddLYr4UT0
上条「じゃあ、買い物上手の上条さんが一緒に食材を
選んであげませう」
番外個体「すごく助かるよ。 あなたは何を買うの?
どれどれ? じゃがいも、にんじん、たまねぎ、お肉……」
上条「ああ、うちは今日カレーなんだ。 どういう風の吹き回しか
うちの居候が突然カレー作るとか言い出してな」
打ち止め「いつも一緒に居るシスターさん? あのシスターさんは
食べる専門って話を聞いてるんだけどってミサカはミサカは
小耳に挟んだ情報を言ってみたり」
上条「そうなんだよ。 いつもは手伝いなんて絶対にしないんだけど、
『カレー作らないと氏んじゃう!』とかいきなり言い出して……」コワイ
番外個体「女の子なんでしょ? 料理に目覚める時期が
遅いか早いかだよ。 ミサカが言えたことじゃないけど」
打ち止め「ミサカはお料理できるもん! ってミサカはミサカは
いつも黄泉川の手伝いをしていることをアピールしてみる!」エッヘン
番外個体「あれは料理じゃなくて炊飯器のボタンを
押してるだけじゃんよ」
上条「口調が黄泉川先生みたいになってるな」ハハハ
90: 2011/03/23(水) 19:20:15.51 ID:ddLYr4UT0
家電量販店
一方通行「よし、んじゃヒーターはこれでいいな」
海原「本当に何の変哲も無いただのヒーターですね」
一方通行「シンプルと言え。 シンプルと言え」
海原「大事なことなので二回言いました(笑)」
一方通行「オマエの言い方いちいち癪に障るンだけど」
海原「気にすんなよ」
一方通行「うがァァァァ」グォォ
海原「そういえば思ったんですけど、これどうやって
持ち帰ればいいんでしょうか?」
一方通行「あ? 何言ってンだ、宅配してもらうに決まってンだろ」
海原「自分もさっきまではそのつもりだったんですけど……」
一方通行「何か問題でもあンのかよ」
海原「ええ。 住所がわかりません」
一方通行「」
91: 2011/03/23(水) 19:21:12.94 ID:ddLYr4UT0
一方通行「はァァ!? 住所知らねェのオマエ!?」
海原「知らないというか……無いんだと思うんですよ」
一方通行「あァ!? どォいうことだよ」
海原「似たようなことさっきも言ったような気がしますけど、
あの家は元々グループの隠れ家だったじゃないですか」
一方通行「……あァ、それでさっき電気と水を無理矢理
引っぱり出したンだもンなァ」
海原「それですよ。 一般のものとは切り離されているんです。
あの家は、表では『存在しない家』ということになるのではないかと」
一方通行「……つまり、あの家の住所は表のリストに存在しねェから
宅配できませェン、ってことか」
海原「……そうなりますね」
一方通行「クソがァ……! ンじゃどォすりゃいンだよ……
俺の能力で持つにしてもさすがに量が多すぎンぞ……」
店員「」ガラガラガラガラ←台車押してる
海原「……」
一方通行「……台車、使えばいいじゃねェか」ピコーン
92: 2011/03/23(水) 19:22:02.96 ID:ddLYr4UT0
海原「でもさすがにお店の物を貸していただく訳には……」
一方通行「ンな事しねェよ。 俺が台車を調達してきてやる。
近くに確かホームセンターがあったはずだ」
海原「じゃあ、お願いしてもよろしいでしょうか」
一方通行「あァ、任せとけ。 その間にオマエは
テレビ探しておけよ。 小さ過ぎねェヤツな」ヨロシク
海原「わかりました」
ホームセンターに行く途中
一方通行(気になンなァ……ショチトルだったか?
海原の野郎、最初に『ショチトルに家を追い出された』とか
言ってなかったか? ってことは一緒に住ンでたのか)
一方通行「俺とクソガキみてェな関係なンだろォなァ、多分。
いや、よくわかンねェけどよ」
93: 2011/03/23(水) 19:23:00.20 ID:ddLYr4UT0
一方通行(あー、考えてもしょォがねェ。 他人にずかずかと
干渉すンのは気が引けるしな。 さっさと台車買ってくるか)
一方通行「……にしてもあの家はとことん不便だな。
さすが暗部と言ってやりてェところだが今は俺たちの家だ。
一般常識が通用しねェとやりにくくてしょォがねェ……」ハッ
一方通行(お、おォ……前回のリベンジが出来そォだなこりゃ、
気分がノッて来たぜェあはぎゃはっ! 誰もいねェし今しかねェ!!)
一方通行「一般常識が通用しねェ家だァ!?
そンな腐った常識は捻り潰し」
垣根「常識が何だって?」
一方通行「」
106: 2011/03/24(木) 16:56:36.17 ID:4zSRuBPq0
――その時だった。
「おおォォォォァァあああああァァァァァァァあ!!!!!!」
一方通行がこの世の物とは思えない咆哮を放った。
ブシャァァッという音と共に、噴射にも近いそれが彼の背中に出現する。
理性が消し飛ぶ。
黒よりも黒いその翼は、垣根に照準を合わせると、
空間を裂いて一直線に突き進んだ。
一方通行の咆哮は止まらない。
対する垣根の表情は余裕で満ち溢れていた。
「ッハ! なんだよこりゃ? 再会がてらにお手合わせってか!?
いいぜ第一位、望むところだ!!」
垣根は挑発にも近い台詞を一方通行に投げかけ、
向かってくる黒い翼を軽い身のこなしでかわした。
「な……!?」
「悪いな一方通行。 もう昔の俺じゃねえんだよ!
間抜けな顔晒してねえでさっさとリベンジマッチの開始といこうじゃねえか!!」
刹那、ブアサァァッ!!と。、垣根の背中から6枚の白い翼が現れる。
黒と白、第一位と第二位の戦いが始まった。
107: 2011/03/24(木) 16:57:26.50 ID:4zSRuBPq0
地面が揺れる。 アスファルトが砕ける。
気流が乱れ、木々が倒れる。
そんなことはお構いなしに二人は翼を
交えて交戦していた。
幸いしたのは、ここが人気の無い路上であった
ということだろう。
「おおおォォォォォ!!!!」
「ぬるいな一方通行! キレちまってんのか!?
まともな演算が出来てねえなあ!!」
一方通行の攻撃は全くと言っていいほど
標的に当たらない。
対する垣根は恐ろしいほど全く攻撃をしてこない。
自分の攻撃が当たらずにもがく第一位を
嘲笑うように見下している。
一方通行は今、完全にこの男に遊ばれて
いる状態だった。
普段の一方通行なら冷静になって考えるだろう。
しかし今は理性が飛んでいる。
一方通行は無我夢中にその漆黒の翼を振るうだけだった。
「ふざけンじゃ……ねェぞォォォォ!!!!」
その行動に普段の一方通行の思考パターンは一切ない。
駄々をこねる子供のようにも見えるその動きは、
近くにある広場にまで被害を拡大させた。
108: 2011/03/24(木) 16:58:14.39 ID:4zSRuBPq0
(おかしい……一方通行は周りの被害を
最小限にする努力をしていたはずだぞ)
一方通行の状態の異常にいち早く気づいたのは
戦いの当事者である垣根だった。
だが、垣根が思考する暇も与えずに一方通行は暴走する。
「どいつもコイツも……何だって俺の邪魔ばかり
するンだよォォォォ!?」
垣根にはその言葉の意味は分からなかった。
自分はただ一方通行に声を掛けただけなのだ。
しかし今の状態を見る限り、自分が一方通行の暴走の
引き金になったのは間違いない。
こんな一方通行と戦っても面白くない。
そう感じた垣根は一旦冷静になろうと思い、
一方通行に話しかけようとした。
―――瞬間。
垣根の目はその光景を見逃さなかった。
見逃せなかった。
一方通行の黒翼が一直線に向かっている、
その先に。
109: 2011/03/24(木) 16:58:58.25 ID:4zSRuBPq0
「あああああぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!」
断末魔にも近い叫び声が鼓膜を突いた。
その声の主は一方通行ではなかった。
一方通行は翼を振るうのをやめようとしない。
「がァァァァ!!!!」
「てめぇぇえぇええええ!!! 今てめぇが何やったか
分かってんのかぁぁぁああああ!!?」
一方通行には垣根の言葉の意味が分からなかった。
自分が何をやった? ただ垣根に向かって翼を振るっただけだろう。
垣根に対して遠慮する心など最初から持ち合わせていない。
そこまで考えた一方通行は、ようやく気が付いた。
自分が周りに多大なる被害を及ぼしていたことに。
(俺が……やったのか……!?)
一方通行は理性を取り戻す。 状況を整理する。
ふと前に目をやると、垣根が音速にも近い速さで
こちらへ向かって来ているのが見えた。
今度は垣根が暴走していた。
110: 2011/03/24(木) 16:59:58.96 ID:4zSRuBPq0
「……っくゥ!!」
一方通行はかろうじて黒翼で垣根を受け止めた。
だがそれでも垣根の勢いは止まらない。
暴走状態の力に押し負けた一方通行は勢いよく
投げ出され、後ろの瓦礫の中に転がっていった。
「っが、ァ……!!」
ギシ、ギシと瓦礫の軋む音がする。
垣根が瓦礫の上に上がって来ている音だった。
暴走している垣根を放って置いたら更に被害が拡大する。
これ以上壊すわけにはいかない。
故に、ここで排除しよう、と一方通行は決めた。
一方通行はおぼつかない足取りで起き上がり前を見た。
そして、目を疑った。
垣根の能力の象徴、戦意の象徴とも言える、
あの6枚の純白の翼が。 消えていた。
111: 2011/03/24(木) 17:00:53.61 ID:4zSRuBPq0
「てめぇは……俺の人生をことごとくぶっ壊して……
何がそんなに、楽しいんだよ……」
目の前にいるのは、先ほどまで交戦していた学園都市第二位だ。
その男の目尻には、うっすらと涙が浮かんでいるのが見えた。
「前にやりあった時は俺を再起不能にして……
まあ、でっけぇ機材付きでなんとか生きながらえたけどよ……。
一週間前くれぇに五体満足で復活したんだ。 見ろよ。
てめぇに付けられた傷なんて一つも残ってねえ」
一方通行は何も言わなかった。 垣根の言っていることは
事実だし、過ぎてしまったことは今更変えられない。
彼は黙って垣根の話に耳を傾ける。
「だが問題があったんだよ。 俺がすやすや眠ってる間に
表の世界では俺はもういねぇってことになってた。
唯一の身寄りである暗部も今じゃ解散しちまってる」
数秒の沈黙。
一方通行は黙って垣根の顔を見ている。
垣根は一方通行を見ていない。
視線の先にあるのは。
「……なあ、第一位。 てめぇにはあれが何に見える?」
112: 2011/03/24(木) 17:01:30.31 ID:4zSRuBPq0
「……あ?」
一方通行は視線をそこへ移した。
あるのは、瓦礫。
垣根が瓦礫の下のほうを指差した。
そこには、最早ゴミとしか呼べないくらいにぐちゃぐちゃになっている、
ダンボール、があった。
「ダンボール……かァ?」
「ああ……やっぱりてめぇにはそう見えちまうのか。
……なら良いこと教えてやるよ。 あれはな……」
「俺の……『家』だよ」
113: 2011/03/24(木) 17:02:09.84 ID:4zSRuBPq0
ドクン! と心臓が動いたのが分かった。
段々と鼓動が早くなる。 何が何だか分からなくなる。
どういうことだ? 意味がわからない。
頭が思うように働かない。 思考ができない。
そんな一方通行を目の前に、垣根はフッと鼻で笑った。
「俺には家もなけりゃぁ身寄りもねぇんだよ」
その言葉に、一方通行の表情が驚愕に染まった。
彼の口から、喉から、掠れたような声が漏れた。
「家が……ないだァ?」
「お前のせいだよ」
信じられなかった。 自分は何をしているのか、と。
目の前にいる男はダンボールが家だと言った。
その家を壊したのは自分だ。 そして。
――家が無いと言った。
コイツは、俺が最も救うべき『ホームレスさン』だったンじゃねェか。
114: 2011/03/24(木) 17:02:50.05 ID:4zSRuBPq0
「おっ、おォォォォォあああああ!!!!!!」
一方通行の背中から再び、二本の黒々とした
翼が噴射した。
垣根は突然のことに驚いたが、素早く距離を取り
臨戦態勢に入った。
「俺はァァァァ!! オマエをォォォォ!!!!」
訳の分からないことを叫んでいる一方通行を前に、
垣根はただ見ているしか出来なかった。
今の彼は、何故か攻撃してはいけない気がした。
一方通行が、自分の中の何かと戦っているように見えたから。
ふと、一方通行がこちらに向かって歩いて来ているのが
視界に入った。 黒翼はまだ健在だ。
垣根は臨戦態勢を解かない。 でも攻撃はしない。
自分でも何が何だか分からない。
第一位のペースに飲まれているのではないかと思った。
そこに。
スッ……、と。
垣根の目の前に手が差し出された。
115: 2011/03/24(木) 17:03:23.56 ID:4zSRuBPq0
攻撃と勘違いした垣根は素早く避けようとし、
近くの瓦礫に倒れこんでしまった。
一方通行は倒れた垣根の側に行き、もう一度
手を差し伸べる。
垣根はきょとんとした顔でその差し出された手を見る。
手の主はもちろん一方通行だった。
「……俺たちの家に来い」
そう告げると、一方通行は無理やり垣根の手を掴み、
強制的に握手をした。
「てめぇ……何のつもりだ。 俺の身寄り全て潰して挙句に
家も壊してくれたくせに今更……」
「うるせェ黙れ」
「んだと……!?」
「罪滅ぼしって訳じゃねェから安心しろ。 ただ、オマエが
ホームレスさンだと分かった以上、見捨てるのは俺の
ポリシーに反する」
「だからなんだってんだ!?」
「俺が、オマエの身寄りになってやる」
116: 2011/03/24(木) 17:03:55.74 ID:4zSRuBPq0
次の瞬間、垣根は驚きを隠せなかった。
目の前の一方通行ではなく、その後ろだ。
黒よりも黒く、闇の中の闇。 悪の象徴であるはずの
その漆黒の翼がみるみるうちに、
白く変化していったのだ。
「お……お前、本気なのかよ……?」
「あァ」
「はっ……ハハッ、そうか……こういうことかよ!
アレイスターの野郎、こうなることはお見通しだったって
わけか! クソが……!」
そして、一方通行は垣根の手を再度掴みなおした。
「……よろしくな。 垣根」
その表情は、普段の彼からは想像できないくらいに
穏やかで、少年のように純粋で無拓な笑顔だった。
117: 2011/03/24(木) 17:04:23.43 ID:4zSRuBPq0
一方通行「……って何やらすンだボケ」ゲシッ
垣根「いてっ」ドサッ
一方通行「ったく……壮大な茶番繰り広げちまったじゃねェか」
垣根「え!? 何!? 今までのって茶番!?」
一方通行「違うのかよ」
垣根「うわぁぁぁぁん! 俺の感動を返せぇええええ!!」ビェェン
一方通行「ごめンごめン! 嘘だから!」
垣根「何が嘘なの!? さっきの話!?」
一方通行「え、いや、今の茶番って言ったのが」
垣根「やっぱりさっきのは茶番だったのかあぁあああ!?」ビェェェン
一方通行(コイツってこンなだったっけ)
―――
――
垣根「住まわせてくれてありがとう」シクシク
一方通行(やっと理解してくれたかァ……めんどくせェヤツだな)
垣根「……そういえばお前ここで何してたわけ?」
118: 2011/03/24(木) 17:05:02.88 ID:4zSRuBPq0
一方通行「え? ……あァ、危うく目的を見失う所だった。
そこのホームセンターに用があったンだよ」
垣根「用があった? なんで過去形?」
一方通行「いや、台車を買ってこよォと思ったンだけどよ、
それよりも便利なもン拾っちまったから行く必要なくなった」ニヤァ
垣根「……え?」
一方通行「テメェは今この瞬間から台車として生きろ」ビシィ
垣根「」
家電量販店
海原「遅かったですね」
一方通行「いい台車がなかなか無くてよォ。
でもとびっきり便利な台車持ってきたから勘弁な」コレ
垣根「どうも」ペコリ
海原「」
一方通行「コイツは俺たちの家で台車を担当してくれる
立派なホームレスさンだ」ナデナデ
垣根「自分、がんばります!」エッヘン
海原「あ……はい」ナニコレ
119: 2011/03/24(木) 17:05:31.23 ID:4zSRuBPq0
海原「そういえばさっき外で騒ぎがあったみたい
なんですけど一方通行さんは見ました?」
一方通行「あァ、それ多分俺らだわ」
海原「」
垣根「そんなに気にする程でもねぇって。 ちゃんと未元物質で
壊したもん全部直して来たからよ」エッヘン
一方通行「さすが第二位だなァ」ヨシヨシ
垣根「調子乗って触りまくってんじゃねぇぞこら!!」プンスカ
海原(この人第二位なんだ……)
一方通行「ってか海原、俺は選んでろって言ったのに
何で勝手に会計終わして来てンだよォ!? なんだこのテレビ!!
確かに小さすぎずとは言ったが大きすぎンだよ! 何インチだこれ!?」
海原「100インチですね」
一方通行「あの家のどこに置けンだよそれ!!
もォちょっと頭使ってくンねェかなァ!?」グァァ
海原「いえ、単なる貴方への嫌がらせですよ」シレッ
一方通行「だからって購入すンなよォォォ!!」
垣根「あ、俺の未元物質でサイズとかいい感じに調節
できっから問題ねぇぞ?」
一方通行「」
120: 2011/03/24(木) 17:05:59.21 ID:4zSRuBPq0
一方通行「オマエの能力ってチートだよなァ」
垣根「お前もチートだろ」
一方通行「いや、オマエには負けるわ」
垣根「マジで? じゃあ俺が第一位でいいの?」
一方通行「前言撤回。 オマエの能力チーズだわ」
垣根「チーズ!? 何でチーズなの!? いや、確かに
チーズらしきものは作れっけどよ」ミニョーン
一方通行「オイ、ミニョーンって何の音だそれ、
え、もしかして今チーズ作ってンのかそれ」
垣根「あーなんかスライムみてぇになっちまったな。
食ってみるか? 多分チーズだ」ホレ
一方通行「いや、食わねェよ!? 何試食と同じノリで
意味の分からない物質食わせようとしてンの!?」
垣根「害とかねェから安心しろ。 俺はホームレス生活中は
自分の未元物質食って生活してたんだ」
一方通行「オマエすげェな! なンかもう尊敬するわ!!」コエエ
垣根「えっ? じゃあ俺が第一位でいいの?」
一方通行「無限ループって怖ェェェェ!!!!」ヒェェェェ
海原(レベル5って頭おかしい人の集まりなんでしょうか)
139: 2011/03/25(金) 19:15:28.57 ID:GmaflRQr0
近所の公園
上条「ぜー、ぜー……もう、無理……!」ゼーハー
打ち止め「全部運び終わったね! ってミサカはミサカは
ヒーローさんが手伝ってくれたことに感謝してみる!」
番外個体「さすがに買いすぎたかな。 一週間分以上
ありそうだよね、この量だと」ギャハ
上条「とりあえず……米が、重かった……」ゼーハー
番外個体「ご飯あれば一応生活できるかなーと思ってね」
打ち止め「ちゃっかりふりかけも買ってきたんだから!
ってミサカはミサカは気の利く女をアピールしてみたり!」エッヘン
番外個体「このミサカの方が気が利くけどね」フフン
打ち止め「むっ! このミサカよりも有能なミサカなんて
いないのに! ってミサカはミサカは対抗意識を燃やしてみる!」ゴゴゴ
上条「まあまあそれくらいにして。 俺そろそろ帰らないと
居候に噛み付かれるんだけどさ、お前らどうすんの?」
番外個体「あー、ミサカたちは服を見たかったんだけど……
この荷物置いていくわけにはいかないよね」
打ち止め「買い物の順番を間違えちゃったかなって
ミサカはミサカは愕然としてみたり……」シュン
番外個体「……また今度一緒に買い物行ったときに買おうよ。
そしたらお菓子もまた買ってあげるし」
打ち止め「本当!? ってミサカはミサカは目を
輝かせてみたり!」タノシミー
140: 2011/03/25(金) 19:16:12.37 ID:GmaflRQr0
上条「仲いいんだなーお前ら。 見てて癒されるよ」ホノボノ
番外個体「はあ? あなた、眼科行ったほうがいいよ」
打ち止め「仲良しなのは事実だから仕方ないね! って
ミサカはミサカは番外個体に擦り寄ってみる!」スリスリ
番外個体「ちょっ、まじ鬱陶しいんだけど!!」
上条「ははっ、こりゃ一方通行のやつも大変そうだな。
じゃ、あまり一方通行を困らせるなよー」バイバイ
打ち止め「ミサカはあの人を困らせたことなんて一回も
ないんだからーっ! ってミサカはミサカは手を振りながら
叫んでみるー!」バイバイ
番外個体「ミサカはあの人を困らせないと生きて
いけないから無理な要求だけどね」バイバイ
―――
――
打ち止め「あっ! あの人が来たよ! って
ミサカはミサカは番外個体に知らせてみる!」ネーネー
一方通行「おォ、待たせちまったみてェで悪ィな」
番外個体「遅いんだよ。 って言ってもミサカたちも
今来たばっかりなんだけどさ」
垣根「うわ、なんだこの食材の山……というか米の山!!
どうやってここまで持ってきたんだよ」スゲェ
一方通行「オマエらだけで持ってきたのか?」
打ち止め「手伝ってくれた人がいたの! って
ミサカはミサカは報告してみる!」
141: 2011/03/25(金) 19:16:46.67 ID:GmaflRQr0
一方通行「手伝ってくれただァ? そいついいヤツだな。
次会ったら礼しなきゃなンねェな。 うちのクソガキのお守りを
してくれてありがとォってな」
打ち止め「子供じゃないもん! ってミサカはミサカは
憤慨してみたりー!」ブーブー
海原「あれ? ミサカさん達、服は買ってこなかったんですか?」
番外個体「あー、荷物が多すぎて行けなかったんだよね」
垣根「台車が必要か?」
一方通行「ンだよ、コインロッカーとかに荷物なンざ
放り込ンどきゃよかっただろォが」
番外個体「ミサカ、そういうのよくわかんないんだよね」
垣根「台車が必要か?」
打ち止め「でもでも、今度またお買い物に行ったときに
買うことにしたから大丈夫なの! ってミサカはミサカは
次の予定を計画中!」
海原「その時は自分もご一緒してよろしいでしょうか」ワキワキ
一方通行「俺も同伴なら構わねェがな」
海原「えっ(冗談のつもりだったのに)」
142: 2011/03/25(金) 19:17:19.81 ID:GmaflRQr0
一方通行「とりあえず食材と家電は一旦家に運ぶ。
ンでさっさと寝具揃えてさっさと帰りてェ」
垣根「台車が必要か?」
番外個体「思ったんだけどこんな量どうやって家まで運ぶの?
てかこのテレビ大きくない? 家庭用のものなの?」
海原「一方通行さんへの嫌がらせのためだけに購入しました」
番外個体「へぇ、あなたすごく奇妙だけど気が合いそう」
海原(奇妙だと思われていた……ですって!?)
一方通行「オイ、変なとこで意気投合してンなそこ」
垣根「そろそろ台車使おうぜ」
打ち止め「思ってたんだけどこの人はどなた?
ってミサカはミサカは質問してみたり」
垣根「キタァァァ! 俺の時代ぃぃぃ!!」ウォォ
一方通行「うっせ黙れ」
垣根「しゅん」シュン
一方通行「擬音を口で言うなよ。 コイツはただの台車だ。
気にする必要は全くねェ」
海原「さりげなく酷いですね」
垣根「俺は台車だからな、どんどん使え!」エッヘン
番外個体「洗脳されてるみたいだけど」
打ち止め「どっちかというと自己暗示かもって
ミサカはミサカは推測してみる」
143: 2011/03/25(金) 19:18:23.12 ID:GmaflRQr0
垣根「よし、この荷物を運ぶんだよな。 任せろ。
未元物質ででっけぇ台車作って……」
一方通行「何言ってンだ」
垣根「えっ」
一方通行「台車のオマエが台車生産してどォすンだよ。
それだとオマエは台車の役割果たしてねェだろォが」
垣根「……それもそうだな」ウン
一方通行「いいか、オマエは台車。
コレは大前提であり、最重要項目なンだよ忘れンな」ビシッ
垣根「でもよ、俺がいくら化け物っつっても一応人間だ。
手は二つしかねぇからそんなに大量の荷物は持てねぇ……」
一方通行「何言ってンだ」
垣根「えっ」
一方通行「オマエのその翼は何のためにあるンだよ」
垣根「あ、そうか! 少しずつ手で持って飛んで運べば……」
一方通行「だからオマエは万年第二位なンだよ」
垣根「えっ」
144: 2011/03/25(金) 19:19:08.42 ID:GmaflRQr0
一方通行「オマエの翼は何で6枚あるか
考えたことあるか?」
垣根「……そういえば考えたことねぇな」
一方通行「オマエの脳みそはスッカスカだな。
同じレベル5として恥ずかしいわ」
垣根「な、んだと……!?」
一方通行「オイオイ、こんな小っせェ事でキレてたら
真の台車とは呼べねェぞ?」ギャハ
垣根「ぐっ……。 で、何だよ?
何で俺の翼は6枚あるんだ? 教えてくれよ!?」
一方通行「荷物を運ぶために決まってンだろォが!!」グォォ
垣根「!?」
一方通行「オマエがさっき言った、『手で持って飛んで運ぶ』
は限りなく正解に近ェ。 だがそれだと6枚の翼の力を
最大限に引き出せてねェンだよ」
垣根「ま、まさか……」
一方通行「4枚の翼で荷物を持つ。 残りの2枚で飛ぶ。
これが真の台車であるオマエにしかできねェ芸当だろォが!!」
垣根「クソッ……さすが、第一位だぜ……」ガクッ
番外個体「……何あの茶番」
海原「さあ……?」
145: 2011/03/25(金) 19:19:45.90 ID:GmaflRQr0
垣根「よし! 全部持った!」バサァ
一方通行「携帯にGPS送ったから、そこまで運ンでくれ。
俺らニ○リの寝具コーナーに居っから荷物置いたら来い」
垣根「まかせとけ。 置いたらマッハで向かうわ」ブァッサァ
打ち止め「あのお兄ちゃん、天使さんみたいだねーって
ミサカはミサカはメルヘンの世界に来た気分!」
一方通行「心配すンな。 アイツは自分がメルヘンだと
いうことを誰よりも分かってる」シミジミ
海原「自分にはもう何が何だか」
番外個体「ミサカもよくわかんない」
一方通行「アイツの事が分かっちまうよォになったら末期だ。
オラ、さっさと寝具買いに行くぞ」
打ち止め「イェーイ! ミサカが一番乗りー! って
ミサカはミサカはニト○に向かってもうダッシュ!」ダダダッ
一方通行「オイ、転ンだら危ねェから走ンなって
いつも言ってンだろォがァァァ!!!」ダダダッ
海原「……微笑ましい光景ですね」
番外個体「……そうかな」
番外個体(……ミサカも追いかけて欲しいとか思ってないし)
146: 2011/03/25(金) 19:20:24.23 ID:GmaflRQr0
某家具店
海原「どれくらい買えばいいんでしょうか?」
一方通行「そォだな、これから人数増えることも考慮して……
まァ、あるだけ買えばいいンじゃね?」
海原「またアバウトな」
打ち止め「ねぇ見てー! このお布団すごくふかふかして
気持ちいいよ! ってミサカはミサカはお布団に顔を
うずめてみたり!」フカフカ
一方通行「あー、そりゃ羽毛だな。 羽毛っていいよなァ。
軽いし暖けェしよォ。 寝具の最骨頂だよな」ウン
垣根「俺も羽毛大好きだわー。 もう俺羽毛じゃねーと
眠れねぇもんな」ウン
番外個体「ミサカには布団の違いとかよくわからないかな」フカフカ
海原「じゃあ、この羽毛布団のセットを5人分買いましょうか」
一方通行「足りなくなったら買いに来ればいいしな」
垣根「あー、俺羽毛とか作れっかなー」モハモハ
147: 2011/03/25(金) 19:20:53.45 ID:GmaflRQr0
一方通行「……」
垣根「♪」モハモハ
一方通行「……なァ」
垣根「なんだ?」モハモハ
一方通行「オマエ戻ってくンの早ェよ!!」
垣根「だってマッハで戻るって言ったじゃん」モハモハ
一方通行「だってとかじゃンとか言うな!
オマエマジでチート過ぎて付いて行けねェンだけど!」
垣根「おい! 演算してる最中にチートとか言うなよ!
チーズ出来ちまったじゃねぇか!」ミニョーン
一方通行「え!? 俺のせい!?」
垣根「あれ、これさっき作ったやつよりチーズっぽいかも。
食ってみっか? さっきよりはチーズだ」ホレ
一方通行「だから食わねェよ!!」
垣根「あ、俺チーズ作る才能あんのかもしんねぇ」モグモグ
一方通行「うォォ!? 食いやがったァァ!!」
海原「……」
番外個体「……」
打ち止め「二人とも固まってどうしちゃったの? って
ミサカはミサカは心配してみる」
148: 2011/03/25(金) 19:21:33.03 ID:GmaflRQr0
―――
――
垣根「待って待って! これ以上は無理!」ギュウギュウ
海原「布団はやっぱりかさばりますね」グイグイ
一方通行「もっと羽広げろやコラ」グイグイ
垣根「マジ無理だって! なんか形変形してるし!」ギュウギュウ
番外個体「羽がビニール袋みたいになってるね」ギャハ
打ち止め「さすがに5人分は持てないんじゃないかなって
ミサカはミサカは気を使ってみるんだけど……」
垣根「最終信号! 救いの手キタコレ!」ギュウギュウ
一方通行「さっき大量の食材(ほとんど米)と家電(100インチテレビ他)
持てたやつが布団ごとき運べねェはずがねェだろ」グイグイ
打ち止め「それもそうかもってミサカはミサカは納得してみる」
垣根「うぁぁぁぁああ!! 救いが絶たれたぁああ!」ギュウギュウ
149: 2011/03/25(金) 19:22:05.57 ID:GmaflRQr0
一方通行「しょうがねェな、俺が圧縮してやるよホラ」カチッ ギュッ
垣根「最初からそうしろよぉぉぉぉおお!!」
海原「おお、すごくコンパクトになりましたね」
一方通行「もはや真空を通り越してるからな。
開封するときに少々危険を伴うかもしれねェ」
垣根「ええっ!? なにそれこわい!」
一方通行「安心しろよ。 開けるのはオマエだから」ヨロシク
垣根「今の言葉のどの辺に安心できる要素が
あったの!? ねぇ!?」
海原「自分じゃなくて安心しました」ホッ
番外個体「ミサカも安心したよ」ホッ
垣根「お前らのことじゃねんだよぉぉ!!!」
打ち止め「ミサカは開けるの手伝ってあげてもいいよ! って
ミサカはミサカはお兄ちゃんを気遣ってみる!」
垣根「!! 何て優しい子なのお兄ちゃん嬉しい!!」パァァ
一方通行「ふざけンな! 爆発するかもしンねェンだから
オマエは絶対に布団に近づくンじゃねェぞ!」ビシィ
打ち止め「そっ、そんな危険なものなの!? って
ミサカはミサカは布団から距離をとってみる」
垣根「ばっ、爆発……だと……!?」
海原「羽毛布団が凶器に変貌しましたね」
150: 2011/03/25(金) 19:22:38.46 ID:GmaflRQr0
元グループの隠れ家
打ち止め「たっだいまー! ってミサカはミサカは
元気よく挨拶してみたり!」
垣根「さっき荷物置きに来た時も思ったんだけどよ、
なんでこんな真っ暗なの?」
一方通行「あァ、窓にダンボール貼ってるからだ」
海原「一方通行さんが窓ガラス全部割ったんですよ」
番外個体「え、第一位が割ったの? ミサカ、
最初から割れてたものだと思ってたよ」ギャハ
垣根「まあでも、ガラスの代わりにダンボールってのは
いい考えだ。 ダンボールは素晴らしい」
一方通行「おォ! 分かってくれるか! さすが
ホームレスさンだな! ダンボールの利便性はすげェよな!」
垣根「あァ、俺なんか未元物質でダンボール作っちゃうくらい
ダンボールの虜だぜ……」
打ち止め「そこまで!? ってミサカはミサカは
ダンボールのすごさを感じてみたり」
番外個体「この人たち頭おかしいから放っといたほうがいいよ」
151: 2011/03/25(金) 19:23:19.58 ID:GmaflRQr0
垣根「でも窓がないと何かと不便だろ。 ここは俺が
未元物質で窓ガラスを作ってやるよ」イソイソ
海原「それは助かりますね」
一方通行「その能力ホント便利だよなァ……」
垣根「おい便利とか言うな! 便器になっちまった
じゃねぇか!!」プンスカ
一方通行「オマエさっきから何なンだよ!?
『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』に簡単に
割り込まれてンじゃねェよ!!」
垣根「お前が言うと何か演算ごちゃごちゃになんだよ!」
一方通行「それは俺が第一位だからか!? ええ!?
関係ねェンだよォォォォ!!」
海原「お二人はいつも元気ですね」ホノボノ
垣根「よし、窓ガラス出来たぞ」ジャーン
一方通行「おれ、もう、だめだァ……」ズーン
打ち止め「大丈夫? ってミサカはミサカは
うなだれてるあなたを心配してみたり」ナデナデ
153: 2011/03/25(金) 19:23:53.98 ID:GmaflRQr0
―――
――
番外個体「第一位、ご飯炊けたよ」ホカホカ
一方通行「おォ、適当に盛り付けとけ」
海原「晩御飯は白米のみですか」
一方通行「今日はもォいいだろ。 疲れた。
白米食えるだけありがてェと思えクソ野郎」
打ち止め「ねえねえ、ミサカが買ってきたふりかけなら
あるよ! ってミサカはミサカは見せびらかしてみる!」
海原「打ち止めさんは一方通行さんと違って気が利きますね」
一方通行「俺が気が利いた事してみろ。 キャラじゃねェ」
番外個体「そうだね、気持ち悪いだけだよ。 ひゃひゃ」ケラケラ
海原「……そういえば垣根さんが見当たらないのですが」
一方通行「あァ? どっかでチーズでも作ってンじゃねェの?」
垣根「誰がチーズだ誰が」ヌッ
一方通行「うォ!? いきなり出てくンなよ……」
154: 2011/03/25(金) 19:24:28.05 ID:GmaflRQr0
垣根「ちょっとさ、こっち来てみ」コッチ
一方通行「ンだよ、飯食ってからじゃ駄目なのかよ」
垣根「いち早く誰かに見てもらいてぇ。
つかお前に見てもらいてぇ」
一方通行「きしょい事ぬかしてンじゃねェよ……ったく」ヨイショ
玄関
一方通行「……」
垣根「……どう?」ワクワク
一方通行「……何コレ」
垣根「何って……表札だけど」
一方通行「いや、そンくれェ分かるわ。 そォじゃなくて、
なンで『チーズ工場』って書いてあンの?」
垣根「名前あったほうが愛着湧くだろ?」
一方通行「え、何その当たり前だろ? みたいな顔。
何? 俺が『すげェな垣根! チーズ工場!』とか
言うとでも思ったの?」
垣根「まさか。 ただの嫌がらせだよ」
155: 2011/03/25(金) 19:24:56.20 ID:GmaflRQr0
一方通行「オマエとことん意味分かンねェ……。
大体家に名前とか普通付けねェだろ。 つか工場って
もはや家じゃねェしな!!」
垣根「俺に常識は通用しねぇんだよ」
一方通行「あァ、そォですね!!! 何かもォマジで疲れた。
この表札は没収な」
垣根「あっ、取らないで!」
一方通行「あァ? チーズ工場なんてだせェ表札付けてたら
何だと思われンだろォが」
垣根「いや、それ取るとさ、家爆発するようになってんだ」
一方通行「」
垣根「だって俺、どうしても家の名前を(嫌がらせ込みで)
『チーズ工場』にしたかったからさ……つい☆」テヘッ
一方通行「つい☆ じゃねンだよォォ!!? 何してンだテメェ!?」
垣根「ここに未元物質で作った爆薬があります」
一方通行「なんでそンな物騒なもン作ってんだよォ!?」
垣根「これと同じタイプのものが家の基礎に何個か
埋め込まれています」
一方通行「基礎!? どうやって埋め込ンだンだよ……」
垣根「表札を取るときに発生する微弱な摩擦熱を感知し、
爆発します。 だからちょっと触っただけでもドーン☆」
一方通行「まじで言ってンのかオマエ!? 危なすぎンだろォォォ!!」
156: 2011/03/25(金) 19:25:31.37 ID:GmaflRQr0
垣根「――って訳で、今からこの家はチーズ工場
だからよろしく」モグモグ
海原「」
番外個体「」
打ち止め「」
一方通行「オマエら、絶対表札には触るなよ……
さっき爆薬の威力見たんだが、あれは相当やべェ」ゾゾッ
海原「なんでそんなことを……」ワナワナ
垣根「ちょっとしたジョークだろうが!!」プンスカ
一方通行「ジョークになってねンだよォォォォ!!」
番外個体「羽毛爆弾といい表札爆弾といい……
なんだか物騒な家になっちゃったね。 ミサカ、そういうの
嫌いじゃないけど。 ぎゃは」ケラケラ
打ち止め「ミサカはもう表札の側に行かないことにするよ!
ってミサカはミサカは慎重になってみる」
一方通行「一応表札が動かねェよォに未元物質で
コーティングさせたンだが、万が一もあっからな……」
垣根「まぁ、メルヘンにいこうぜ☆」
一方通行「気楽に行こうぜ☆ みてェなノリで言うなァァ!!」
157: 2011/03/25(金) 19:26:19.24 ID:GmaflRQr0
―――
――
番外個体「じゃあ、ミサカたちはそろそろ帰るね」
一方通行「家まで送る」
番外個体「いいよ。 黄泉川が迎えに来てくれてる
みたいだからさ」
一方通行「そォか。 気をつけて帰れよ」
打ち止め「また遊びに来るね! ってミサカはミサカは
お別れの挨拶をしてみる!」バイバイ
海原「いつでも来てくださいね」バイバイ
垣根「チーズ工場だ。 覚えておくんだぞ」バイバイ
番外個体「じゃ、また来ると思うからぜいぜい
家事でも覚えておくんだね、ぎゃはは」バイバイ
一方通行「余計なお世話だコラ」
海原「……ミサカさんたちも泊まるものだとばかり思ってました」シュン
一方通行「アイツらはホームレスさンじゃねェからな」
158: 2011/03/25(金) 19:27:11.87 ID:GmaflRQr0
垣根「なぁ、そろそろ眠いんだけど」ファァ
一方通行「ン、もうこんな時間か……風呂沸いてるっけ?」
垣根「まだじゃねぇの?」
海原「じゃあ、お風呂が沸くまで布団でも敷いておきます?」
垣根「そうだな。 じゃぁさっき買った……ハッ」
垣根「……」
一方通行「垣根くゥゥン。 後は任せたぜ」
海原「……自分は食器を洗ってきますね」
垣根「そんな! あんまりだ一方通行!」ウェェン
一方通行「爆発させたら表札引きちぎるからな」
垣根「それやったらお前が一番困るんじゃねぇの!?」
一方通行「そォならないためにも頑張れ」ファイト
海原「てめぇらも手伝えよぉぉぉ!!!」ビェェェン
172: 2011/03/26(土) 20:30:59.10 ID:+jgMr4ep0
一方通行「ったく……しゃーねェな。 元はと言えば俺が撒いた種だ。
安全に開封するためのアドヴァイスくれェは出してやっても構わねェ」
垣根「本当か! 助かるぜ一方通行!」パァァ
一方通行「まァ、あれだ。 爆発っつっても火薬が入ってるわけじゃねェし、
テメェが作ってくれやがった表札爆弾よりはかなりマシだ。 かなりな」
垣根「そんなに根に持たなくてもいいじゃねぇか……」
一方通行「一応お前の家でもあるのに何でそンなにしれっと
してンのか俺には理解できねェよ!!」
垣根「家じゃねェ! チーズ工場だ!」プンプン
一方通行「家だよ! 表札どころか中身まで改ざんする
つもりかテメェは!!」プンプン
垣根「改ざんじゃおかしいだろ! リフォームだ!」プンスカ
一方通行「何!? これからリフォームするつもりだったの!?
そンな恐ろしいことしねェでくれ頼むからマジで!」ドゲザ
垣根「ったくしゃーねぇな。 ホラ、んじゃお前も
羽毛爆弾の解体手伝えよな」ホラ
一方通行「チッ……ここの家主は俺なンだぞ……」
173: 2011/03/26(土) 20:31:41.70 ID:+jgMr4ep0
海原「何か思ったより楽しそうじゃないですか。
自分も混ぜてくださいよ」
一方通行「これっぽっちも楽しくねェがな」
垣根「なんだなんだ? 結局みんなで爆弾解体すんのか?」ワキワキ
一方通行「お前はいつでも楽しそうだなァ……」
海原「何か一方通行さんのテンションがすごく
下がってるんですけど」
垣根「……失恋したんだよ」
一方通行「だから何でオマエは突拍子もねェこと
言い出すの!? 予測不可能!!」
海原「失恋……ですか。 一方通行さん。
自分に出来ることがあれば言ってください。 相談に乗ります」
一方通行「お、オイ何いきなり同情してンだオマエ!?
ってかオマエら何かとノリが良すぎンだよ!」
垣根「え? 海苔?」
一方通行「マジでオマエ何なンだ!?」ウガァァ
海原「失恋……辛いですよね……」グスッ
一方通行「こっちはこっちで意味わかンねェし……!
頼むから会話をしてくれ! 俺まで頭おかしくなるわ!」
垣根「十分おかしいけどな」
海原「そうですね(笑)」
一方通行「ノォォォォォ!!!!」
174: 2011/03/26(土) 20:32:22.57 ID:+jgMr4ep0
垣根「とりあえずよ、一方通行が圧縮した羽毛爆弾が
ここに5つあるんだけどさ」
海原「サッカーボールみたいですね」
一方通行「……あァ、そォだな」
海原「気持ちは分かりますけどそんなに落ち込まないで下さい」ナデナデ
一方通行「失恋じゃねェからな!?」
垣根「なあ、これどうやって開封すんだ?」
一方通行「あァ……、それは今真空を通り越してやべェ状態だ。
細けェ理論とかはぶっ飛ばして、とりあえずやべェ状態だ」
海原「どこかに穴を開けて徐々に空気を入れていったら
元に戻るのではないでしょうか?」
一方通行「まァ、それでいいンじゃねェかな」
垣根「アバウトだな……実際に手を下す俺の身にもなれ」
一方通行「じゃあ誰か俺の身にもなってくれよォ……」
垣根「やだ」
一方通行「だろォと思ったわ」
175: 2011/03/26(土) 20:32:58.49 ID:+jgMr4ep0
垣根「じゃあ穴開けていいのか? 適当に安全ピンで刺すぞ?」
一方通行「いや、安全ピンじゃでけェな。 空気が一気に入って
羽毛布団が破裂する恐れがある」
垣根「さすが羽毛爆弾。 侮れねぇ」
海原「しかしそれよりも細いものですと電子顕微鏡クラスの
精密作業になってしまうのでは?」
一方通行「まァ、そォなっちまうな」
垣根「オイオイ、電子顕微鏡なんてさすがに作れねぇぞ?」
一方通行「台車のオマエにそンな高度な技術は期待してねェよ」
垣根「じゃ……どうすんだ?」
一方通行「オマエには未元物質でガラスを作ってもらう」
海原「ガラス……ですか?」
一方通行「あァ。 これは第一位と第二位の連携がねェと
できねェ高レベルな作業だからな」
垣根「なんだそれ……燃えるな」ゴォォ
一方通行「まずは、手のひらサイズのガラスを作ります」
垣根「あいよ」ジャーン
海原「一瞬で……!」
一方通行「そンでこのガラスに俺がいい感じに
凹凸をつけていきます」カチッ グニャ
海原「ガラスが圧縮されているようだ……」
一方通行「ハイ、これで簡易顕微鏡の出来上がりです」ジャーン
176: 2011/03/26(土) 20:33:36.95 ID:+jgMr4ep0
垣根「なんだこれ? 虫眼鏡みてぇな感じか?」
一方通行「まァ、そンなもンだな。 拡大レベルが
圧倒的に違うがなァ」ホレ
海原「うわぁぁぁぁぁ! 気持ち悪いぃぃぃぃ!!」ヒェェ
垣根「どうしたんだ!? 何が見えたんだよ!?」
海原「ひぃっ、もっ、もうこの家に住めない……!!」
垣根「お前一体何を見たんだよ!?」
一方通行「空中でかざしてたから多分ホコリでも
見えたンだろ」
垣根「これ……どれくらいまで拡大されて見えるんだよ」
一方通行「さァ……未知の領域まで見えるンじゃね?
未来とか見えたらメルヘンでいいかもな」ハハハ
垣根「この虫眼鏡で俺は今から爆弾を解体すんのか……」ゾワッ
一方通行「無闇にそれ覗くと後悔すっかもなァ」ギャハ
海原「もう自分には手遅れです……」グッタリ
177: 2011/03/26(土) 20:34:08.87 ID:+jgMr4ep0
―――
――
垣根「」グッタリ
一方通行「やっと終わったなァ。 っていってもあと2つ
残ってンぞ。 オラ、くたばってンな起きろ」グイグイ
垣根「もうあの世界に行きたくない……」グッタリ
一方通行「わがまま言ってンなよ第二位だろ!?」グイグイ
垣根「もう……なんでもいい……」グッタリ
海原「一方通行さんは見てないから平気なんですよ。
あの簡易顕微鏡、精神を破壊しますよ……」ゾワッ
一方通行「そんなに凄まじい拡大能力があンのかよ。
やっぱ適当に作っと駄目だなァ」ユサユサ
垣根「もう、いいだろ……? 3つ開封したんだから……」グデーン
海原「そうですよ。 3人しかいないですし、
今は十分じゃないですか?」
一方通行「……まァ、それもそォだな。 残りは人数が
増えたらまた開ければいいか」
垣根「俺はもう絶対にやんねぇからな……」ガクガク
178: 2011/03/26(土) 20:34:48.59 ID:+jgMr4ep0
一方通行「……この精神殺傷虫眼鏡は次回の
解体作業まで封印しとくか」
海原「簡単に目に付く場所に置いてあったら
記憶がフラッシュバックします」ガクガク
一方通行「……なンかそンなに言われっと俺も気になンなァ」
海原「え……あ、一方通行さん? お気を確かに!」アワアワ
一方通行「なンつーか……好奇心ってェの?」ワクワク
海原「……いつも一方通行さんをからかってきましたけど、
今回ばかりはあなたの身の安全を考慮して発言させて頂きます。
……やめたほうがいい」
一方通行「え、何そのマジな顔」
海原「本気ですよ。 自分はホコリで済みましたけど、
見てくださいあの人を」
垣根「」ガクブル
海原「一体何を見たのか分からないですけど、
あなたもああなるかもしれないんですよ!」
一方通行「海原……」ジーン
179: 2011/03/26(土) 20:35:28.09 ID:+jgMr4ep0
―――
――
一方通行「」ガクガクブルブル
海原「だから言ったのに……」
垣根「お、お前……何見たんだよ……?」ガクガク
一方通行「うわァァァやめろォォォ! 思い出させるなァァ!!」ガクガク
海原「……自分は一番マシだったみたいですね」ホッ
一方通行「封印しろォォ!! 引き出しにインしろォォ!!」
垣根「そうだ!! こんなものはポイだ!!」ポイッ
一方通行「圧縮圧縮ゥゥ! 引き出しを圧縮ゥゥゥ!!」ギュゥゥゥ
海原「こんなのもう取り出せないじゃないですか」
一方通行「取り出させるものかァァァァァ!!」
海原「まさか作った本人がこうなるとは」
垣根「お前の能力で記憶を圧縮できねェのかよ!?」
一方通行「その手があったかァ! 待ってろ垣根ェ、
脳みそごと圧縮してやンよォォォ!!」
垣根「待って待って! それは氏ぬって!!」
180: 2011/03/26(土) 20:36:04.91 ID:+jgMr4ep0
海原「まあ、とりあえず一件落着じゃないですか」
一方通行「あァ、そォだな」ボウヨミ
垣根「まったくだ」ボウヨミ
海原「羽毛がふかふかですよー?」フカフカ
垣根「お、おぉ……ふかふかだな……」フカフカ
一方通行「何か俺眠くなって来たわァ……」フカフカ
海原「お風呂入ってから寝てくださいねー」
一方通行「……垣根」
垣根「なんだよ」
一方通行「オマエの能力って便利じゃン?」
垣根「まァ、大抵のものは似せて作れるけど」
一方通行「何でそれで家作ンなかったの?」
垣根「……」
181: 2011/03/26(土) 20:36:38.78 ID:+jgMr4ep0
垣根「アレイスターの野郎だよ」
一方通行「……はァ? 何でここで総括理事長が
出てくンだよ」
垣根「……聞くか? 俺のホームレス生活」
海原「興味深いですね」
一方通行「おォ、実際に体験したヤツの話は
聞いたことねェからな。 話してみろよ」
垣根「じゃあ、俺が五体満足で研究所から出た後からな」
―――1週間くらい前
ホームセンター近くの広場
垣根『意味わかんねぇ。 朝起きたらいきなり体に付いてた
でっけぇ機材なくなってるし、研究所から追い出されるし』
垣根『……挙句に俺の身寄り全部無くなっちまってるときた。
どうすりゃいいんだよ』
182: 2011/03/26(土) 20:37:11.85 ID:+jgMr4ep0
垣根(金もねぇからホテルにも行けねぇ。 クソッ、
俺の財産は全部上に回収されちまったのか?)
垣根『……仕方ねぇ。 ここらに未元物質でちょいと
家でも建てるか』イソイソ
垣根(……あ? 未元物質が思うように生成できねぇ……?)
垣根『……確実に演算を乱すための『異物』が紛れ混んでやがる』
垣根『誰の仕業だ……? この俺が演算を乱されるなんてありえねぇ。
あるとしたら唯一俺の上に君臨してる第一位かもしくは……』ハッ
<プルルル プルルル
垣根『あァ? ……非通知? 誰だよ……ったく』ピッ
???『ご機嫌よう。 未元物質』
垣根『!? てめぇは……』
アレイスター『そんなに警戒しなくてもいいと思うのだがね。
ふむ。 どうやら私の思惑は君にばれてしまったようだ』
183: 2011/03/26(土) 20:38:01.77 ID:+jgMr4ep0
垣根『思惑……だと? まさかとは思ったが能力が
思うように使えねぇことと関係してやがんのか』
アレイスター『関係していると言えば関係しているかもしれないが、
それはあくまで一時的なものだ。 時が来れば戻そう』
垣根『時……? おい、まさかてめぇの『プラン』だかに
組み込まれてんじゃねぇだろうな』
アレイスター『ふふ。 安心したまえ。 ただの退屈しのぎだよ。
君はドラマを見たりはするのかね?』
垣根『あ? ドラマ? 何言ってんだ?』
アレイスター『『ホームレスヒーロー』というドラマが先週から
始まったのだが知らないのか? あれは非常に興味深い』
垣根『……ホームレスヒーロー?』
アレイスター『ふふ。 これから面白いことが起こりそうでな。
私が一番目をつけている『彼』が動いてくれるようだ』
垣根『彼? まさか第一位か』
アレイスター『さて、どうだろうか。 それはさて置き、
君には今からホームレス生活をしてもらう』
184: 2011/03/26(土) 20:38:35.87 ID:+jgMr4ep0
垣根『あ? ふざけてんのか』
アレイスター『ふざけてなどいないがね。 私は今娯楽を
欲している。 そのための下準備をしているだけだ』
垣根『……悪いがてめぇのお遊びに付き合ってやるほど
暇じゃねぇんだ。 他当たれ』
アレイスター『どうするかは君の自由だ。 選択肢は一つ
しかないと思うがね。 安心したまえ。 『彼』が救いの手を
差し伸べてくれるだろうからな』
垣根『……』
アレイスター『私はその様子を『滞空回線』を通して観察
させてもらうよ。 やれやれ、久しぶりに面白いものが見れそうだ』
プツッ ツーツーツー
185: 2011/03/26(土) 20:39:07.86 ID:+jgMr4ep0
――時が進んで今日の昼
垣根『クソッ、アレイスターの策にはまっちまってる……
このままじゃマジでホームレスじゃねぇか。 いや、今も
十分ホームレスなんだけどよ』
垣根(食料的なものなら未元物質で作れるみてぇだが、
このダンボールもそろそろ限界だな)
垣根『ったく、ホームセンターで分けてもらってくるか……ん?』
一方通行『――』
垣根(第一位……! なんでこんなとこに居やがる!?
クソッ、アレイスター濁した『彼』ってのが気になるな……)
垣根『ここは様子見で話しかけてみっか』
――そして一方通行と出会う場面へ戻る。
186: 2011/03/26(土) 20:39:50.06 ID:+jgMr4ep0
垣根「お前と出会ったら能力が使えるようになったから、
野郎は第一位と第二位を出会わせたかったんだろ。
多分アレイスターは今も俺らを観察してる」
一方通行「はァ!? 待てよ、俺がホームレスさンを救出
しようと考えたのはつい昨日の話だぞ!?」
海原「……予測されていたってことですかね」
垣根「だろうな」
一方通行「クソッ……俺の行動が全部上に筒抜け
だったってことかよ……!」
垣根「いや、多分あいつは純粋にこの状況をドラマ
見てるような気分で楽しんでるだけだ」
海原「見られていると分かると……なんだかやりにくいですね」
垣根「あいつの思惑通りってのも気にくわねぇ」
一方通行「でも、その話を聞く限りだとアレイスターも
ホームレスヒーローが好きだってことだよな?」
垣根「まあ、そう言ってたしな」
一方通行「アレイスターのやつ……分かってるじゃねェか!!」
海原(ええー!?)
一方通行「いいぜ! だったらとことん俺らの生活を
見せ付けてやろうじゃねェか! あはぎゃは! 最高だねェ!
俺が家主な以上退屈な思いはしないぜアレイスター!!」
垣根「ってかよ、思い出したわ。 あん時なんか言ってたよな。
そんな腐った常識がどーたらこーたらって。 あれ何?」
一方通行「」
187: 2011/03/26(土) 20:40:30.61 ID:+jgMr4ep0
―――
――
アレイスター「ふむ、どうやら私が観察していたことが
ばれてしまったようだ。 まあ、観察は止めないがね」
アレイスター「こちらの方も順調に進んでいるようだし、
これから毎日退屈しなさそうだ」
アレイスター「……私も仲間に入りたいとかは決して
思っていない。 断じてな」
188: 2011/03/26(土) 20:41:06.74 ID:+jgMr4ep0
~一週間後~
垣根「暇だー」ゴローン
一方通行「同じくゥー」ダラーン
海原「一週間前の張り切りが嘘のようですね」
一方通行「だりィんだもン」ゴローン
垣根「さみぃんだもん」ダラーン
海原「まったく……買出しに行く僕の身にも
なって下さいよ……」
一方通行「あ、コーヒー買ってきた?」
海原「買って来ましたよ」ホラ
垣根「雑誌買ってきた?」
海原「買ってきましたよ」ホラ
一方通行「海原ァ! この銘柄じゃねンだよォ!」プンスカ
海原「適当でいいって言ったじゃないですか!」
垣根「海原! この雑誌じゃねんだよ!」プンスカ
海原「あなたのはこれで合ってますよ!」
189: 2011/03/26(土) 20:41:38.78 ID:+jgMr4ep0
垣根「ちっ、引っかからなかったか」
一方通行「まァ、とりあえずこれでいいけどよ」ゴクゴク
海原「一週間で異常に馴染みましたね……」
垣根「なあ、昼飯何―?」
一方通行「俺、肉じゃねェと食わねェかンな」
海原「何わがまま言ってるんですか。 昨日ハンバーグ
食べたじゃないですか」
一方通行「お前のハンバーグはパン入れすぎて
パンの味しかしねンだよ!!」
海原「節約ですよ。 お肉は高いんです」
一方通行「俺の金なンだから高くても買えよ!」
海原「悪いですし」
垣根「じゃあ俺がゲーセンで使ってくるよ」
一方通行「お前は駄目だ! お前に使わせたら
一瞬でなくなりそォで怖ェ!!」
190: 2011/03/26(土) 20:42:15.60 ID:+jgMr4ep0
海原「そんなに文句言うならたまには二人が
ご飯作ってくださいよ」
一方通行「えっ」
垣根「えっ」
海原「お昼ですし、軽いものでいいですから。
食材は揃ってますので」
一方通行「……いや、俺……料理とかしたことねェし」
垣根「俺……未元物質でしか料理作ったことねぇし……」
海原「使えないですね……学園都市のトップ2は
料理もできないんですか? 恥ずかしくないんですか?」
一方通行「」プチッ
垣根「」ブチッ
一方通行「いいぜェやってやンよゴラァァァ! 美味すぎて
腰抜かすンじゃねェェぞォォォ!?」
垣根「俺の料理の腕見せ付けてやンよ第一位ぃぃぃぃ!!」
海原(この人たちちょろい)
208: 2011/03/27(日) 19:20:10.60 ID:jxJYaiKn0
一方通行「どっちが美味ェ一品作れっか勝負だなァ第二位!!」
垣根「料理の腕っぷしぐれぇはてめぇに勝たねぇと
気がすまねぇんだよぉぉぉ!!」グォォ
一方通行「ハッ! テメェじゃ俺には一生かかっても
勝てねンだよ! 俺はこの三台の炊飯器を使って三種類の
炊き込みご飯を作ってやンよォォ!!」
垣根「量と種類で攻めるつもりか!! ならこっちは
未元物質チーズフォンデュで手軽さアピールだコラァァああ!!」ミニョーン
海原「盛り上がってるとこ悪いんですけど、
それ全然料理じゃないですからね」
一方通行「ンだと?」
垣根「やんのかコラ?」
海原「炊き込みご飯なんて具材入れてボタン押すだけじゃないですか」
一方通行「俺は炊飯器で何でも作れる女教師を
見てきてンだよ! ボタン押すのも料理の内だろォが!」プンスカ
海原「垣根さんなんてもはや食材一つも使わないじゃ
ないですか。 というかチーズフォンデュは料理じゃないです」
垣根「チーズフォンデュなんだから適当な食材つけて
食うんだよ! れっきとした料理だコラチーズ馬鹿にすんなコラ!」プンスカ
210: 2011/03/27(日) 19:20:58.15 ID:jxJYaiKn0
海原「とにかく、勝負とかはどうでもいいので、二人で
食材を調理してください。 調理ですよ」
一方通行「ったく、何作りゃいンだよ……」
垣根「チーズ……」ミニョーン
海原「未元物質は使わないでくださいね。 自分、
食べる勇気がないもので」
一方通行「海原のせいでテンション上がったけど
海原のせいでテンション下がったわ。 海原のせいで」グデーン
垣根「同じく」グデーン
海原(レベル5ってのは気分の上下が激しい人の集まり
なんでしょうかね……)
垣根「なー、ここにカレーのルーあるしこれでよくね?」
一方通行「カレー……だァ?」
海原「カレーですか。 簡単ですしいいと思いますよ」
一方通行「オイ海原。 今何つった」
海原「えっ」
垣根「『簡単ですしいいと思いますよ』」モノマネ
212: 2011/03/27(日) 19:21:42.94 ID:jxJYaiKn0
一方通行「オマエ今、『簡単』つったか。 カレー作るのを
『簡単』っつったか」
海原「え、ええ……言いましたね……」
一方通行「ふざっけンじゃねェぞォォォォ!!!」グォォォ
海原(テンション上がったと思ったら下がってまた上がったー!?)
一方通行「オマエはカレーが何たるかを全く知り得てねェ!!
一見簡単そうに見えてなァ! 実は奥が深い一品なンだぞ!?」
垣根「おおっ、第一位が熱弁を始めたぞー」
一方通行「一流の料理人はなァ、あえて簡単な物を作らせて
料理の腕を見るンだよ! カレーも例外じゃねェ!
作る人によって味が変わるンだよ!!」
海原「そ、そうですね……すみません。 自分の言葉が
軽かったですね。 慎みましょう」
一方通行「あァ……分かればいいンだ。 俺は料理人として
カレーに命を懸けるぞ。 今から調理を始める。
オマエは黙ってそこで見てやがれ」
海原「楽しみにしてます」
垣根「まあ、料理したことない一方通行が言っても
何の説得力も無いんですけどね」ケラケラ
一方通行「」
213: 2011/03/27(日) 19:22:21.84 ID:jxJYaiKn0
一方通行「……オマエさァ、折角上げたテンションと雰囲気を
どうしていとも簡単にぶっ壊すかなァ?」
垣根「事実を言ったまでだ」キリッ
一方通行「いらねェとこでノリノリなくせに……」
垣根「よっしゃカレー作るか!」
海原「垣根さんのやる気スイッチが押されたようです」
一方通行「ええ!? 俺今やる気出そうな事
言ったっけ!?」
垣根「とりあえずルーを入れるんだよな!」ドボドボ
一方通行「ええええーーーー!? 何してンの!?!??!」
海原「あー……、先にルーを入れてしまいましたね」
垣根「え? 駄目なの?」
一方通行「駄目だよ! 作ったことねェけど作り方くれェ
俺は知ってンだぞ! 一人で突っ走るなよォォ!!」
垣根「とりあえず煮込んでみる」グツグツ
一方通行「待って! 火止めて! 垣根止めて!」ウワァァ
海原「……最初からこんなんで大丈夫なんでしょうか」
215: 2011/03/27(日) 19:22:57.52 ID:jxJYaiKn0
垣根「なあ、普通にカレーっぽくなってるんだけど」
一方通行「オマエの中のカレーって何!? 具材皆無なの!?」
海原「……なんか心配なので自分も手伝います」
一方通行「じゃあ海原は具材切っててくれ! 俺は垣根を
制止するので手一杯だ!」
海原「わかりました」
垣根「別にルー入れてから具入れても問題ねぇだろ」
一方通行「普通は具を煮込ンでから最後にルーなンだよ!
アクとか出るだろォが! ……まァ、まだなンとかなる。
垣根、オマエもう一つ鍋持ってこい」
垣根「なんだ一方通行、味噌汁にも挑戦すんのか?」
一方通行「ちげェよ!!! 具を煮込むンだよ!!」
海原「なるほど。 ルーと具を別々に作って最後に
合わせるんですね」
垣根「何でそんなめんどくせぇこと……」
一方通行「オマエのせいなンだよォォォ!!」ウガァァァ
217: 2011/03/27(日) 19:23:36.86 ID:jxJYaiKn0
垣根「じゃ、俺皮むきしていいか?」
一方通行「ンァ? ……まァ皮むきくれェなら大丈夫か。
オマエに包丁は危険すぎる。 これ使え」ホレ
垣根「皮むき器だと!? てめぇ、俺をお子様扱いしやがって!」プンスカ
一方通行「お子様扱いしてねェよガキ扱いしてンだ!」
垣根「クッソ、なめやがって……。 見てろ第一位!
俺の高速皮むきイリュージョンを!!!」
海原「あっ、そのじゃがいもはもう剥き終わって……」
垣根「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」シャッシャッシャッシャッシャッ
海原「うああああ!!!垣根さんストップ! ストーーーップ!!」
垣根「どこまで剥けばいいんだ? こんなちっこくていいのか?」チマッ
一方通行「何してンだテメェェェェェェェ!!!!!?」
218: 2011/03/27(日) 19:24:19.59 ID:jxJYaiKn0
垣根「え? 皮剥いてただけだけど?」キョトン
一方通行「オマエ素でそれ!? タチ悪ィな!」
海原「もう、自分が皮むきしますので……」グッタリ
一方通行「海原悪ィな……いつもより大変な
昼飯になりそォってか既になってンなァ……」ヨシヨシ
海原「次から文句言わずに自分がご飯作りますので……」
一方通行「疲労困憊だな。 まァ、あれだ。
アイツは今後一切台所に入れンなよ」
垣根「なあー、これ切っていい?」シャキーン
一方通行「!! 垣根待て! その包丁を置け!
俺が今そっち行くから一旦包丁置いてくれ!」
垣根「俺……みじん切りなら知ってるんだぜ?」キラーン
一方通行「!? まっ、待て、オマエの今
切ろうとしてるものは何だ……?」
垣根「え? 肉だけど?」トントントントントントントン
一方通行「うわァァァァァァァァ!!!!!???」
219: 2011/03/27(日) 19:24:45.28 ID:jxJYaiKn0
海原「見事にひき肉状態ですね」
一方通行「手遅れ……だった……」ズーン
垣根「とりあえずみじん切りすればいいんだろ?」トントントントントン
一方通行「オイィィィィィ!! じゃがいもォォォォォ!!」
海原「トラウィスカルパンテクウトリィィィィィィ!!」ドゴォォン
垣根「ぐぁっ」バタッ
一方通行「う、海原……!?」
海原「あ……すみません、取り乱してしまいました」ニコッ
垣根(な……何だ今の攻撃!?)ガクガク
一方通行(コイツ……怖ェ……)ガクガク
海原「さあ、カレー作りの続きをしましょうか」ニコッ
一方通行・垣根「……はい」ガクブル
220: 2011/03/27(日) 19:25:20.64 ID:jxJYaiKn0
―――
――
一方通行「……なんとかカレーらしきものは出来たな」モグモグ
海原「具がみじん切りで歯ごたえが無いですけどね」モグモグ
垣根「……俺の知ってるカレーじゃねぇ」モグモグ
一方通行「オマエが邪魔しなければもっとまともな
カレーが出来てたンだけどな」
海原「まあ、初めての料理ってことでいいじゃないですか」
一方通行「オマエは器がでけェなァ……」
垣根「第一位はもはや器がねェもンな」ケラケラ
一方通行「オマエに対しての器は捨てて来ちまったよ」
海原「それにしても、一方通行さんは普通に料理
できるんじゃないですか。 びっくりしましたよ」モグモグ
一方通行「あァ、大体のレシピは前にクソガキの雑誌か
なンかで読まされて記憶してるンだがよ、作ったのは
今日は初めてだ」モグモグ
海原「初めてなのに応用利かせるなんてすごいですよ」
一方通行「そォかい」モグモグ
221: 2011/03/27(日) 19:25:57.01 ID:jxJYaiKn0
海原「あ、カレーと言えば思い出しました」
一方通行「なンだよ」
海原「近所に最近カレー店が出来たらしいんですよ」
一方通行「カレー店? 聞いてねェな」
海原「口コミで流行ってるんですよそのお店。
先ほど買い出しに行ったときに番外個体さんに会いまして」
一方通行「あァ、そォ…………え!?」ガタッ
垣根「おい、いきなり立ち上がるなよ」
一方通行「え? え? 何? オマエらいつの間に
二人で会うようになったの!?」アセアセ
海原「偶然会ったんですよ」
一方通行「な……何だ偶然かよ……」ホッ
垣根「父ちゃン安心したぜェ」モノマネ
一方通行「ンだとコラ!?」
223: 2011/03/27(日) 19:26:32.93 ID:jxJYaiKn0
海原「家の前まで来たんですけど、何故か
帰ってしまわれたんですよね」
垣根「親父に彼氏を紹介する娘の心情……か」シミジミ
一方通行「ンだとコラ!?」
海原「垣根さん、一方通行さんに誤解を与えそうな
表現はやめたほうが身のためですよ」
一方通行「アイツはそンな血迷った選択はしねェ」
海原「さりげなく酷い……」グスン
垣根「まあ、ミサワちゃんは一方通行に構って欲しいみたいな
雰囲気を出してたからな。 照れて帰ったんだろ」
一方通行「……え?」
垣根「え?」
海原「え?」
224: 2011/03/27(日) 19:27:06.99 ID:jxJYaiKn0
垣根「……いや、明らかにそうだろ」
一方通行「……いや、アイツは俺に対して
負の感情だらけなンだぜ? 構ってほしいはずが……」
海原「……確かに打ち止めさんと一方通行さんが
じゃれてるのをうらやましそうに見ていた気がします」ソウイエバ
垣根「オマエらより恋愛経験豊富な俺が言うんだから
間違いねぇんだよクソ共が!」
一方通行「一言余計だクソッたれ!」プンスカ
垣根「クソって言うほうがクソだクソッたれ!」プンスカ
海原「お二方、仮にも食事中なので言葉を選んでください」
一方通行「」
垣根「」
一方通行「……まァ、深く考えンのは止めようぜ」
垣根「それでいいならいいけどよ」
225: 2011/03/27(日) 19:27:58.78 ID:jxJYaiKn0
一方通行「……何の話してたっけ?」
垣根「ミサワちゃんの話」
一方通行「いや、その前」
垣根「カレー店の話」
一方通行「あ、そうか。 オマエ何気に
記憶してたのか」
垣根「お前は記憶出来てなかったんだな」
一方通行「ンだとォ!?」ガタッ
海原「また話がそれるからそれくらいにして下さい」
一方通行「チッ……」
垣根「ふっふーん」フフン
一方通行「……」イライラ
海原「で、そのカレー店の割引券貰ったので、
そのうち行きませんか、って話なんですけど」
226: 2011/03/27(日) 19:28:34.92 ID:jxJYaiKn0
一方通行「割引だァ? そンなもンなくても
金は腐るほどあンぞ」
海原「貴方はまずその金銭感覚を直してください」
垣根「なあ、俺本場のカレー食ってみてぇ」
海原「本場かは分からないですけど、美味しいと評判ですよ」
一方通行「ンじゃ行くっきゃねェな。 垣根はそこで
正しいカレーの作り方でも学んでろ」
垣根「俺も店出せるかなあ……」キラキラ
一方通行「調子乗ってンなよ!!」
垣根「大丈夫だ。 俺は既に工場を一つ作っている」キリッ
一方通行「ここのことか!? チーズ工場のことか!?」
海原「それは表札だけにしていただきたいものですね」
垣根「そんなに人気ねぇのかよ」シュン
一方通行「一瞬でも人気が出ると思っちまったら末期だ!」
227: 2011/03/27(日) 19:29:19.56 ID:jxJYaiKn0
海原「あ、この割引券の期限が今週中なんですけど、
明後日辺りはいかがでしょうか?」
一方通行「あ? 何言ってンだ。 今日行くに決まってンだろ」
海原「えっ」
垣根「このカレーのテンションがある内に行かなければ
何も学べない……常識だ」
一方通行「珍しく常識を肯定しやがったコイツ」
海原「今日ですか……今カレー食べたのに
夜もカレー食べるんですか」
一方通行「何か不満かよ」
垣根「不満なんてあるわけがねぇ」ニヤリ
一方通行「だよなァ」ニヤリ
海原(変なところに火をつけてしまいましたね……)
228: 2011/03/27(日) 19:29:51.25 ID:jxJYaiKn0
―――
――
一方通行「ンだァ? ちっせェ店だな。 穴場ってヤツか?」
海原「美味しいお店は目立たない所にこっそりとあるものですよ」
垣根「『インドックスカレー』って……なんつー名前だ……」
一方通行「センスねェ店名だなァ」
海原「店名からするにインドカレーを扱っている
みたいですね」
垣根「これは本場カレーktkr?」ワクテカ
一方通行「どォだかなァ」
海原「なんか入りにくいですね……」
一方通行「外居ても寒ィだけだしさっさと入ろォぜ」ガラッ
上条「ヘイらっしゃーい」
一方通行「」
240: 2011/03/29(火) 15:04:29.36 ID:Nt9Tt/zW0
上条「あ……一方通行!?」ビックリ
一方通行「……よォ」
海原「へえ、なかなか綺麗なお店じゃないですか」
垣根「客少ねぇな」
上条「は、はは……いらっしゃいませー……」
上条(え、何これ何か危険な人たち来ちゃったよ)
一方通行「オマエそンな露骨に嫌な顔すンなや。
ちょっと傷つくぞ」
上条「ああ、ごめんごめん。 ちょっとびっくりしてな」
一方通行「びっくりしたのはこっちだ馬鹿。
何でテメェ、学生の身分で店開いてやがンだ?」
上条「いや、ダメ元で申請したら意外にも許可が
降りてさ。 俺も未だに信じられない」
一方通行(……まさかアレイスターのやつ、こいつらまで
退屈しのぎに使ってンじゃねェだろォな)
垣根「あ」
海原「垣根さん? どうしました?」
麦野「ん?」クルッ
垣根「」ビクゥ
麦野「あっ」
241: 2011/03/29(火) 15:05:16.01 ID:Nt9Tt/zW0
上条「どうした?」
一方通行「あ? ……第四位かァ」
海原「お二方のお知り合いなんですか?」
一方通行「知り合いっつか、レベル5だから知らねェ
やつの方が珍しいンじゃねェか?」
海原(またレベル5ですって……!?)
垣根「先日はどうも」ガクガク
麦野「いえいえ滅相も無い」ニコニコ
一方通行「何だ? お前ら面識あンのか」
麦野「面識というか、因縁のようなものね」
垣根「は、ははは……」ガクブル
上条(何があったんだろう……)
一方通行「まァ、詮索は後回しだ。 腹減ったし」
上条「これ、メニューな」ハイ
垣根「白湯? これ飲みてぇ……」ガクブル
海原「それただのお湯ですよ」
242: 2011/03/29(火) 15:05:55.79 ID:Nt9Tt/zW0
インデックス「何だか騒がしいんだよ?」ヒョコッ
上条「おお、インデックス! お客さんだ!
たくさん注文来るから覚悟しとけよ」
一方通行「ンだァ? シスターが厨房に入ってンのか」
上条「そうなんだよ。 実はアイツの作るカレーは
この世のものとは思えないくらいに美味くてな」
一方通行「あの食い専がか」
上条「そう思うだろ? こないだいきなりカレー作りたいとか
言うから作らせたらこれがすごいんだよ。 カレー粉から作るとか
そういうのじゃねーんだ」
海原「といいますと?」
垣根「もしかしてカレー粉を自分で作っちゃうーみてぇな?」ケラケラ
麦野「当たりよ」
垣根「マジかよ」
インデックス「私の十万三千冊に不可能はないんだよ!」エッヘン
一方通行「コイツも大概チートだなァ」
上条「スパイスも自分で作るからな」
麦野「ここでしか味わえない味よ」ウットリ
243: 2011/03/29(火) 15:06:27.89 ID:Nt9Tt/zW0
一方通行「垣根、オマエこの店から技術を盗むのは
諦めろ。 オマエには不可能だ」
垣根「んだと? 俺に二言はねぇんだよ!」ガタッ
一方通行「マジでやめとけ。 俺でも出来ることじゃねェ」
海原「自分もやめたほうがいいと思いますよ」
垣根「何だよお前ら! 昼間はあんなにノってたくせに!」
一方通行「いや、ここの技術は俺らには真似できねェ。
もし真似したら体中の血管が破裂する」
麦野「え?」
垣根「なにそれこわい」ガクブル
麦野「そんな危険な技術でカレーを調理してたわけ……?」ガクガク
上条「……ぶっちゃけ俺もどうやって作ってるかは
よくわからないんだよな」
一方通行「生命の瀬戸際でカレーを作ってるから
うめェカレーが出来るンだろ」
麦野「なるほど」ポン
浜面「おーい料理長! 俺一人じゃさすがにムリっす!」
インデックス「忘れてた! 今行くんだよ!」
244: 2011/03/29(火) 15:06:59.53 ID:Nt9Tt/zW0
一方通行「ン……? 何か今の声聞いたことあるなァ」
上条「浜面知ってるのか?」
一方通行「だよなァ! アイツだよなァ!? 何で
ここで働いてンだ!」
上条「バイトだよ。 さすがに俺とインデックスだけじゃ
店回せないって」
一方通行「学生が学生を雇ってンのか! 何でもアリか!」
浜面「上条、注文多すぎるからお前も厨房に……え!?」
一方通行「……よォ、無能力者」
浜面「なっ、何でここに……っ!」アワアワ
垣根「お客様だぞ」
浜面「!? 第二位……!」
麦野「カレー食べに来たんだからさっさと作って
出してやんなさいよ」
浜面「あれっ、俺の扱いが酷い!」
海原「お腹空きましたね」
一方通行「いいからさっさと作れや」
浜面「うぅっ……俺が不憫だ……」メソメソ
245: 2011/03/29(火) 15:07:57.43 ID:Nt9Tt/zW0
上条「じゃあ俺もちょいと厨房入ってくるわ」
垣根「早めに白湯を持ってきてくれ」
海原「だからそれただのお湯ですよ」
麦野「ここからお湯出るわよ」ジャー
垣根「おおっ、これが白湯か……!」キラキラ
海原「だからそれただのお湯ですよ」
一方通行「……まあ、アイツが営業してるンだったら
夕方のみ営業ってのも納得だなァ」
海原「そういえばそんなこと書いてましたね」
麦野「上条と浜面は学校終わったら直でここに
来てるらしいのよね。 シスターはいろいろと極秘の下準備を
しているみたいだけど」
垣根「んだよ! 白湯ってただのお湯じゃねぇか!」プンスカ
一方通行「だからさっきから言ってンだろォがァァァ!!」
厨房
インデックス「とうま! こっちに入ってきちゃダメって
何回言ったらわかるの!?」プンプン
上条「ごめんなさいすみません」ドゲザ
インデックス「ここから先はいくらとうまでも見せるわけには
いかないんだよ!」
浜面「従業員でさえ知ることを許されていない
最後の仕上げ……あれがこの店の味の秘密か。
あ、俺の名前も仕上だな」フフッ
浜面(……何言ってんだろ)
246: 2011/03/29(火) 15:08:27.76 ID:Nt9Tt/zW0
―――
――
インデックス「お待たせー!」ドウゾ
麦野「いい香りねぇ……」ウトウト
一方通行「オマエさっきから何杯食ってンだよ……」
垣根「これは何カレーだ?」
浜面「この店で一番ベーシックなチキンカレーだ」
上条「俺のおすすめなんだよな」
浜面「このチキン作ったの俺だからな!」
麦野「聞いてねぇ」
垣根「そうか、ひよこから一生懸命育てたんだな……」
海原「浜面産ですか」
浜面「えぇ!? お前らの話のぶっ飛び具合に
付いて行けねぇ!」
一方通行「このカレーうめェなァ……」モグモグ
247: 2011/03/29(火) 15:09:05.52 ID:Nt9Tt/zW0
インデックス「美味しくないはずがないんだよ!」エッヘン
上条「なんか目の前で美味そうに食われるとこっちも
腹減ってくるよなー」
浜面「わかるわー。 俺いつも具材切ってるとき
つまみ食いしたくなるもん」
インデックス「……減給」ボソッ
浜面「絶対にしません」キリッ
海原「でも本当に美味しいです。 どう表現したらいいか
わからない味ですね。 とてもいい意味で」モグモグ
垣根「俺のチーズと相性良かったりしてな」ミニョーン
一方通行「オイ、それは家でやれ。
店の人に迷惑だろォが」
垣根「わかってるよそんくれぇ。 俺のチーズを
独り占めしてぇんだろ?」フフン
一方通行「しねェよ!」
麦野「何? チーズ?」
一方通行「あ? コイツの能力で作ったやつだよ。
最近チーズしか作らねェンだよな」
麦野「美味しいじゃない」モグモグ
一方通行「食いやがったァァァァァァァ!?」ガタッ
248: 2011/03/29(火) 15:09:43.07 ID:Nt9Tt/zW0
垣根「は……初めて俺のチーズが他人に評価された……!」ジーン
麦野「私、チーズ嫌いだけどこのチーズは好きだわ」モグモグ
海原「チーズ嫌いなのによく食べましたね」
麦野「好奇心旺盛なのよ」
垣根「俺、お前のこと誤解してたわ……これからは
良きチーズ仲間として語り合おうぜ!!」
麦野「拒否」
垣根「」ガーン
麦野「でもこのチーズは評価するわ。 さすが第二位ね」
垣根「第四位……」ジーン
一方通行「何かアイツら仲良くなってンだけど」
海原「それほど嬉しかったんでしょうね」
上条「レベル5ってすげぇな……
ちょっとうらやましい」
249: 2011/03/29(火) 15:10:30.50 ID:Nt9Tt/zW0
一方通行「しかし、また色んなメニューがあるよなァ。
何かもう一品くれェ食えそォだわ」
海原「昼もカレー食べたはずなのに全然飽きませんね」
上条「なんだ、お前昼もカレーだったのか」
一方通行「あのチーズ野郎のせいで散々だったがな」
浜面「爆発でもしたのか?」
一方通行「いや、ルーを先に鍋に入れて煮込んだ挙句に
全ての具をみじン切りにしやがってよ。 最終的には
具が全部溶けちまった。 かろうじて肉は残ってたがな」
海原「見た目はただの具無しカレーでしたね」
上条「具があるはずなのに無いってそりゃ酷い」
一方通行「アイツ最後は包丁振り回して踊ってたからな」
上条「怖ぇぇぇ……」ガクガク
浜面「その光景が容易に想像できるな……」
一方通行「あンな無残なカレーは二度と食いたくねェな」
インデックス「今聞き捨てなら無い言葉を聞いたかも!」
一方通行「あン?」
250: 2011/03/29(火) 15:11:22.86 ID:Nt9Tt/zW0
インデックス「『無残なカレー』って何のことなのかな?」
一方通行「え? あァ、お前のカレーのことじゃねェよ」
インデックス「私はカレーに対してえこひいきをしないんだよ!
世界中のカレーに平等に愛を注いでいるの!」バーン
上条「インデックス? いきなりどうしたー?」オーイ
インデックス「具が全部溶けちゃったから無残?
それは酷すぎるんだよ! 第一、あえて具を溶かしたり、
ひき肉を使ったりする調理法もあるというのに!」
一方通行「なっ、何ィ!?」ガタッ
インデックス「お客様、お食事の最中に勢いよくお席を
立たれては他のお客様のご迷惑になります」
一方通行「えっ、あ、悪ィ……」
海原(何今の)
インデックス「つまり、あなた達が作ったカレーは少しも
無残ではないということなんだよ! 分かってくれた?」
一方通行「そ、そォだったのか……俺ァ、一般レシピの
基本的なカレーしか知らなかったって事だな……」ガクッ
インデックス「このド素人が!」ベシッ
一方通行「いてっ」
上条「インデックスさん!?」
251: 2011/03/29(火) 15:12:00.98 ID:Nt9Tt/zW0
垣根「話は聞かせてもらったぜ一方通行! やはり俺は
勝ち組のようだなフハハハハハハ!!」
一方通行「調子に乗ってンなよ万年第二位がァ!
テメェは偶然が重なっただけなンだよ! 自惚れンのは
一億と二千万年早ェ!!!」グァァ
垣根「八千年くれぇ経ったらカレーが恋しくなんだろーが!!」
浜面「なんだよコイツら……テンション高すぎだろ」
海原「自分は毎日この人たちを世話していたと思うと……」
一方通行「海原ァ! 世話してやってンのは俺だろォが!」プンスカ
浜面「え? 何? 一緒に住んでんの?」
海原「住む家を失ってしまったので一方通行さんに
養って頂いてるんですよ」
浜面「あ……なんかごめん。 大変なんだな」
海原「いえいえ、おかげで毎日退屈してないです」フフッ
垣根「オラかかってこいや第一位!!!」ブァサッ
一方通行「いいぜェ、リベンジマッチだァ!!」カチッ
上条「店の中での能力禁止!!」キュイーーン←そげぶ
一方通行「」バタッ
垣根「」バタッ
252: 2011/03/29(火) 15:12:35.95 ID:Nt9Tt/zW0
麦野「オイ、私のチーズ製造機に何してくれてんじゃコラ」
上条「あ、麦野さん? こ、これは不可抗力ってゆうか……」
麦野「言い訳どか聞いてねぇからな」ゴゴゴゴゴ ビュイーン!!
上条「待って! 能力禁止だってばー!」キュイーーン
麦野「クソ。 やっぱ効かねぇのかよ」チッ
上条(怖いよー、レベル5怖いよー)ガクブル
浜面「お前ら頼むから店は壊さないでくれよ?」
インデックス「壊したら損害賠償を請求するんだよ!」ビシィ
海原「よくそんな難しい言葉知ってますね」
インデックス「私の十万三千冊は全知全能なんだよ!」エッヘン
上条(もはや魔術関係なくね?)
一方通行「……う……」ムクッ
垣根「ん……」ムクッ
麦野「チーズ製造機!」ダキッ
垣根「うぎゅっ!!」ギュウウウウウ
一方通行(……えぇ?!)
268: 2011/03/30(水) 18:08:37.63 ID:79xM2NjZ0
浜面「麦野のやつ酒でも飲んだのか?」
インデックス「未成年は飲酒しちゃいけないんだよ!」
一方通行「何でお前はそンなに常識人になってンの?」
麦野「言っておくけどこれは私専用のチーズ製造機だからね!」
垣根「」ブクブク
上条「せっかく起きたのにまた気絶してるし……」
海原「麦野さんは垣根さんをチーズ製造機として
欲しているみたいですね」
浜面「哀れだ……」ナムナム
上条「男としてどころか人として見てもらえないなんて……」ナムナム
一方通行「ま、アイツにはお似合いのポジションなンじゃね?」
海原「家では台車扱いですしね」
上条「なにそれ可哀相」
一方通行「アイツが進んで引き受けてンだからちっとも
可哀相じゃねンだよ」
269: 2011/03/30(水) 18:09:11.00 ID:79xM2NjZ0
浜面「何で台車なんだ?」
一方通行「……一週間前の話なンだがなァ、大量の買い物を
して、持ち帰るのには台車が必要ってことになってよ」
海原「買ったもの全部垣根さんに家まで運んでもらったんですよ」
上条「……あ、それってもしかして打ち止めと番外個体も
一緒に行かなかったか?」
一方通行「アイツらは別行動だったがな。 ……何でオマエが知ってる?」
上条「いや、偶然スーパーで二人に会ってさ。 荷物多かったから
どうやって持ち帰るのか疑問だったけど、そういうことだったのか」
海原「じゃあ、公園まで荷物を運んでくださったのは
上条さんだったんですか」
一方通行「マジか……さすが俺が認めた男だなァ。
礼してやンよ。 今度何か奢るわ」
上条「ま、マジっすか!」キラキラ
浜面「こいつ『奢る』って言葉に弱すぎだろ……」
270: 2011/03/30(水) 18:09:48.41 ID:79xM2NjZ0
インデックス「みんなー! 食後のデザートとかもあるんだよー!」
一方通行「……そういえばメニューたくさんあるンだったな」
海原「だいぶ話がそれましたね」
一方通行「話それるのなンて日常茶飯事だけどな」
麦野「カレーパフェひとつお願い」
インデックス「了解なんだよ!」
一方通行「待て。 今カレーパフェっつったか」
麦野「言ったわよ?」
海原「一方通行さん! 見てください! デザートメニューの
全てがカレーです!!」
一方通行「マジだ……。 カレープリンとかカレー饅頭とか
もはやカレー馬鹿としか思えねェぞこりゃ……」
麦野「それがいいんじゃないの」モグモグ
一方通行「うォ!? もうパフェ食ってやがる! カレーと生クリームが
絶妙に絡まってやがる! だが匂いはカレーだ!!」
浜面「うちの料理長はカレーに対しての情熱が
異常なんだよ……」
海原「センスがぶっ飛んでますね……」
麦野「ここのメニューを全部制覇するのが私の目標よ」モグモグ
上条「さすが常連。 インデックスに匹敵するカレー愛がある」
インデックス「日々メニューが増えるから制覇なんて無理かも!」
麦野「増えようが全制覇してやるわ」モグモグ
インデックス「むむっ、強敵が現れたんだよ……!」
271: 2011/03/30(水) 18:10:26.42 ID:79xM2NjZ0
垣根「んぐ……体が重てぇ……」ヨロッ
浜面「おお、第二位が起きたぞ」
麦野「チーズ製造機。 私の隣に座りなさい」コッチ
垣根「……はい」トボトボ
一方通行「あの垣根が手玉に取られてやがる……」
海原「いろいろ思うことがあるのでしょう。 今は
そっとしておいてあげるべきかもしれません」
一方通行「第四位との因縁を聞き出したかったンだけどなァ」
麦野「因縁って言ってもそんなに面白いもんじゃないわよ?」
上条「俺の経験からするに、レベル5が面白いと感じるのは
世界が滅亡してもおかしくないレベルだと思う」ガクガク
浜面「それは同感だわ」ガクガク
麦野「そんなことはもうしないわよ」
上条「『もう』ってことは過去にやったことがあるのか……?」
浜面「……」
上条(あるのかよ)ガクブル
272: 2011/03/30(水) 18:10:58.54 ID:79xM2NjZ0
垣根「……俺が話してやるよしょーがねぇ」ヨイショ
一方通行「大丈夫か? 真っ青だぞ」
垣根「第一位が人の心配とかマジウケるwwwwwwww」ケラケラ
一方通行(何コイツ……)イラ
垣根「あれだ、前に俺のホームレス生活話した時に
途中だいぶ省略しただろ。 あんときの話だ」
―――
――
垣根『未元物質で家が作れねぇとなると……ダンボールか?』
垣根『ハッ、第二位様が無様なこった。 金もねぇし、
アレイスターの言ったとおり選択しはひとつしかねぇみてぇだ』ハン
垣根(どこでダンボールを調達すっかだな……さすがにゴミを
漁るのは避けてぇな。 新品のダンボールが欲しい)
麦野『』←ダンボール箱持ってる
垣根(あれは……第四位!!)
垣根(クソ、少し気まずいが新品のダンボールを手に入れる為に
手段を選んでる場合じゃねぇよな)
273: 2011/03/30(水) 18:11:32.33 ID:79xM2NjZ0
垣根『第四位!』バッ
麦野『わっ、……第二位じゃない。 何の用よ。
まさかここでやり合おうってワケじゃ……』
垣根『頼む! そのダンボール箱を俺に譲ってくれ!』ドゲザ
麦野『……ハァ?』キョトン
垣根『俺の命はお前のダンボール箱に掛かってる!
それがあれば俺は助かるんだ!』
麦野『いきなり何の話よ……。 大体、この箱の中に
荷物入ってんだから、あげられるわけないでしょ』
垣根『そこをなんとか!』オネガイシマス
麦野『……そんなに欲しいならアンタ、能力で
それっぽいの作ればいいじゃないの』
垣根『……今は訳アリで食料しか作れねぇんだよ』
麦野(何で食料が作れるのよ……)
274: 2011/03/30(水) 18:12:09.21 ID:79xM2NjZ0
垣根『お前がどうしてもダンボールを譲らねぇってんなら、
力づくで奪い取ってもいいんだぜ』
麦野『へえ、面白いじゃない』
垣根『本当に譲る気はねぇんだな?』
麦野『生憎、ね』フフッ
垣根『ハッ、第四位ごときが未元物質に勝てると思うなよぉぉぉ!?』
シーン……
麦野『……』
垣根『……しまった』ハッ
麦野『あっれぇー? どうしたのかにゃーん? 力づくで
奪うとかってほざいてやがったのはどこのどいつ
だったかなあ!?』ビュイーーーン!!!
<ドガーーーーーン!!!
垣根『』ガクガクブルブル
275: 2011/03/30(水) 18:12:47.37 ID:79xM2NjZ0
麦野『……ま、私もそこまで鬼じゃないし。
いい事教えてあげる。 そこのホームセンターで
ダンボールが貰えるわ』
垣根『お、お前……』ガクガク
麦野『これに懲りたら二度と私の前に現れないでね。 じゃ』スタスタ
垣根『……ホームセンター、か』
垣根(最初からそこ行けばよかったな……)
―――
――
垣根「その後も何度か第四位とエンカウントしては
サバイバルな戦いを一方的に仕掛けられたな」ガクブル
麦野「私の前に現れないでって何回も言ったのに
無視するからよ」
垣根「ハッ! 今の俺は能力がフルパワーで使えるんだぜ?
舐めたクチ聞いてっと次はこっちから」
麦野「あなたのチーズ……とても美味しいわ」
垣根「麦野……」ジーン
一方通行「つまりコイツが馬鹿だってことだな」
276: 2011/03/30(水) 18:13:21.85 ID:79xM2NjZ0
海原「レベル5でも麦野さんはまだしっかりしてる方ですね。
安心しました」
垣根「おぅ? なんか今聞き捨てならねぇ言葉が聞こえた」
一方通行「俺たちが狂ってるみてェな言い様だったなァ」
海原「狂ってるんですよ」ズバッ
上条(言い切りやがった!)ヒェェ
海原「レベル5というくくりにするのが間違っていましたね。
第一位と第二位が異常です。 おかしいです」
垣根「カチンと来たぜ海原あああああ!!」グァァァ
一方通行「表出ろや海原ァァァァ!!」グァァ
インデックス「お客様、当店の敷地内での暴力行為は
ご遠慮ください」
一方通行「あ、お、おォ……悪ィ……」
垣根「はは、冗談だよ冗談」
浜面(料理長の威圧ハンパねぇ)
277: 2011/03/30(水) 18:14:02.92 ID:79xM2NjZ0
一方通行「また話それたなァ」
麦野「カレーフルーチェひとつ」
インデックス「了解なんだよ!」
一方通行「お前さっきからマジで食いすぎじゃねェ!?」
麦野「全制覇が目標なんだもん」
一方通行「あっそォ!? もォどォでもいいけどよ!」
海原「自分も何かデザートに挑戦してみましょうかね」ドレドレ
垣根「ダブルカレー饅頭ってなんだ? カレー饅頭と違うのか?」
麦野「それは私のおすすめよ」
浜面「……俺はそれやめたほうがいいと思うな」
一方通行「え、何その意味深な感じ」
上条「カレーシュークリームとかの方がいいと思う」
海原「じゃあ、自分はそれをお願いします」
一方通行「……じゃあ、俺はカレータルトで」
垣根「俺このダブル饅頭な!」
麦野「カレーが抜けてるわよ」
278: 2011/03/30(水) 18:14:51.28 ID:79xM2NjZ0
上条「じゃ、俺らで作ってくるから待っててくれ」
浜面「あれ……また作らなきゃなんねぇのか……」ズーン
インデックス「三人で作ればすぐなんだよ!
前みたいに一人で作ってなんて言わないから元気だして!」
浜面「うん……俺、がんばる!」
一方通行「意味不明なメニュー頼んじまったなァ……」
海原「よくあんなメニューが思いつきますよね」
麦野「あのシスターはもっと評価されるべきよ」
垣根「もっと氷華されるべきだな」ウン
麦野「ねぇ、チーズ作ってよ」
垣根「しゃーねぇな。 ホラ」ミニョーン
一方通行「垣根嬉しそうだな」
海原「今さらですけど何でチーズなんでしたっけ?」
一方通行「……俺のせいだな」
垣根「今ではお前に感謝しているぜ! チーズの素晴らしさに
気づけたのもお前のおかげだ!」グッ
一方通行「お前のチーズはチーズであってチーズじゃねェよ」
279: 2011/03/30(水) 18:15:17.65 ID:79xM2NjZ0
厨房
浜面「オイ上条早くしろよ! 饅頭が破裂しちまう!」
上条「待ってくれよ! 今タルトにカレーかけてんだよ!」
浜面「それ一方通行のだろ!? 適当にかけとけよ!」
インデックス「一品一品を丁寧に作って欲しいかも!」マゼマゼ
浜面「お前はフルーチェ混ぜてるだけだろーが!
つか、破裂しそうな時点で丁寧じゃねぇんだよぉォォおお!!!」
上条「んじゃタルトは適当でいいや! シュークリーム焼かなきゃ!」
浜面「ちょ、おい! 助けてくれよ! みんなで作るっていったじゃん!
一人にしないっていったじゃん!!」
インデックス「フルーチェフルーチェー♪」フフン
浜面「ノォォォォォォォォォ!!!」
<ノォォォォォォォォォ!!!!
一方通行「何か厨房が騒がしいなァ」
海原「料理してるとは思えない叫び声が聞こえたんですけど」
麦野「大丈夫よ。 いつものことだから」
海原「いつも、ですか……」
一方通行「何か心配になってくンなァ……」
垣根「まだかなー♪」
280: 2011/03/30(水) 18:15:50.05 ID:79xM2NjZ0
―――
――
インデックス「おまたせなんだよー!」
垣根「おお! やっと来たか!」
インデックス「フルーチェは私が作ったんだよ!」
麦野「美味しそうな香りだわ……」ウットリ
上条「えっと、タルトと……シュークリームな」
海原「上手に焼けてますね」
一方通行「……オイ。 タルト適当すぎねェ?」
上条「あ、いやぁ、ちょっと急いでたから……」ハハハ
一方通行「それ普通の客に言ったらクレーム来ンぞ……」ハァ
垣根「ウルトラダブルカレー饅頭は?」ワクワク
麦野「名前違うわよ」
浜面「……ほらよ」グッタリ
一方通行「なっ」
海原「!」
垣根「でけぇぇぇええええええ!!」ドドーーン
麦野「食べるの大変だけど美味しいわよ」
281: 2011/03/30(水) 18:16:20.33 ID:79xM2NjZ0
浜面「それ、作るのすげぇ大変なんだぞ……」グッタリ
一方通行「これ作ってて叫ンでたのかァ……?」
海原「なんと……」
垣根「うんめぇ! うんめぇぞこれ!!」パクパクパクパク
インデックス「ちなみにダブルカレー饅頭は営業終了
までに食べきれないと倍額支払いになります」
海原「そんな!」
麦野「私は食べ切れなくて倍払ったわ」
上条「レベル5には効かない脅しだよな」
一方通行「倍っていくらだ? 一万くれェか?」
上条「そんなにしねぇよ! せいぜい五千円だ!」
海原「たくさんご馳走になってますけど……大丈夫ですか?」
一方通行「いつものことだろ。 気にしねェ」モグモグ
垣根「」モグモグモグモグモグモグ
麦野「すごいじゃない……! もう半分食べてるわ!!」
282: 2011/03/30(水) 18:16:47.68 ID:79xM2NjZ0
――営業終了時間
垣根「うぷっ、うっ……まだ……」モグ
一方通行「オマエ無理すんなよ……最初に飛ばしすぎたンだよ」
海原「倍額って言っても差し障りない金額のようですし、
ここは一方通行さんに甘えては?」
垣根「第一位に甘えなんざ……プライドが……っぷ」
上条「この状態だとしばらくはカレーに近づけないほうがいいな……」
浜面「感覚がフラッシュバックするかもしんねーしな」
麦野「三日前の私を見ているようね」
一方通行「オマエもこうなったのかよ!」
麦野「私はプライドを捨てたわ」キリッ
一方通行「ドヤ顔で言われても……」
垣根「も……無理……」ガクッ
浜面「あ」
上条「気絶したな」
一方通行「ったく……俺がおぶって帰るわ。 カレー臭ェ」ヨイショ
海原「それはみんなですよ」
283: 2011/03/30(水) 18:17:21.83 ID:79xM2NjZ0
一方通行「じゃ、世話ンなったな。 意外と美味かったぜ」
インデックス「意外は余計なんだよ!」
上条「また来いよな!」
浜面「次はダブルカレー饅頭頼むなよ?」
海原「どうでしょうね。 垣根さんならリベンジを
考えるかもしれませんね」フフッ
一方通行「ありえるなァ」ハハハ
―――
――
麦野「じゃあ、私はこの辺で」
一方通行「あ? 何言ってンだ。 送るに決まってンだろ」
麦野「いいわよ。 そこのホテルだしさ」
海原「ホテル? 麦野さんはこの辺に住んでいる方では
ないのですか?」
麦野「元々はアイテムの隠れ家使ってたんだけどさ、
暗部が解散したから潰れちゃったのよ」
一方通行「……何?」
284: 2011/03/30(水) 18:18:14.22 ID:79xM2NjZ0
麦野「要するに住むとこなくなっちゃったから、
ホテル暮らしってわけ。 お金はたくさんあるしね」
海原「住むところが……ないと?」
一方通行「つまり……家がねェのか?」
麦野「まあ、そういうことになるわね」
一方通行「何だ……オマエもホームレスさンだったのか……。
もっと早く出会っていてやれればなァ……クソッ」
麦野「え? どうしたのいきなり」
海原「実は自分も垣根さんも家を失っているんですよ」
麦野「えっ、じゃあどこに住んでるのよ」
一方通行「俺たちの家だ」
麦野「俺たちの家?」
一方通行「あァ。 俺がホームレスさンを救出するためだけに
作った家だ。 俺がコイツらを養ってる」
麦野「そうだったの……アンタもぶっ飛んだ事するわね」
一方通行「他人事みてェに言うなや。 オマエに家が無いと
分かっちまった以上、オマエも俺の救出対象に加わった」
一方通行「俺たちの家に来い」
285: 2011/03/30(水) 18:18:48.52 ID:79xM2NjZ0
麦野「は……? 何言ってんのかわかんないけど、
私にはお金があるから生活に支障はないのよ?
ホテル暮らしでも十分生きていけるわ」
一方通行「御託はいい。 オマエは家がねェ。 俺が家を
提供する。 これで解決だろォが。 金があるンだったらテメェも
自分のためだけに使わねェでもっと人のために使おうぜ」
麦野「人の……ため?」
一方通行「あァ。 オマエの財力で何人の人が助かるか
考えたことあっか?」
麦野「……そもそも人を助けようなんて思ったことないわ」
一方通行「だろォな。 俺もそうだったからなァ。
何事にもきっかけってのは必要だ。 オマエの場合、
今この瞬間をきっかけに行動できんだろォが」
麦野「……」
一方通行「どォだ? 手始めに俺と一緒にホームレスさンを
養ってみねェか?」
麦野「……じゃ、そうさせてもらうわ」ニコ
286: 2011/03/30(水) 18:19:21.87 ID:79xM2NjZ0
海原「それでは、これからよろしくおねがいしますね」ペコリ
麦野「ええ、よろしく」ペコ
一方通行「言ったのはいいものの、ぶっちゃけ俺の財力で
足りてるンだよなァ……」ウーン
麦野「第二位もいるし、あふれてるんじゃないの?」
一方通行「いや、垣根は何故か無一文だ」
麦野「使えねぇ」
一方通行「まァ、金の使い道はそのうち考えるか。
オマエホテルに荷物あンだろ? 台車やるからとって来い」
麦野「台車?」
海原「おーい垣根さん! 起きてください!
台車の出番ですよ」ベシバシビシ
垣根「んーう……ハッ! 台車!!」バッ
一方通行「俺たちここで待ってるからよ。
コイツに荷物持たせて来い」
麦野「荷物持ちってことね。 チーズ製造機! 行くわよ」コッチ
垣根「え? 何? 麦野に付いてけばいいの?」ポケー
287: 2011/03/30(水) 18:20:00.26 ID:79xM2NjZ0
今日はおしまい!
とりあえず話を進めようと
頑張った結果がこれだよ!
このSSでは新生アイテムは
活動していません。
こまけぇことは(ry
んじゃまたノシ
302: 2011/04/01(金) 16:38:32.32 ID:zeMpQ8sK0
―――
――
麦野「これと、これ、と……あとこれも」ポイッポイッ
垣根「え、ちょ、多い! 服が多い!」ドッサリ
麦野「レディーに衣服は必需品よ」
垣根「その言い方だと男は服いらねぇってことになんぞ!?」
麦野「頭が堅いわね第二位。 女におしゃれは必須って
脳内変換できなかったのかしら?」フフン
垣根「おしゃれ、ねぇ……。 いつもその黄色い
ワンピース着てるのしか見たことねぇんだけど」
麦野「これはお気に入りなのよ」
垣根「せっかくこんなに服持ってんだったらいろんな
コーディネート出来んじゃねぇの? ほら、これとか」ヒョイ
麦野「ちょっと、何合わせてんのよ!」
垣根「たまにはパンツ履いてみたらどうだ? スキニーなんか
だと脚のライン出るから綺麗に着こなせんだろ」ホレ
麦野「余計なお世話よ! 着るものくらい自分で
選べるっつーの!!」
垣根「何だよ……せっかく俺が選んでやってんのによー」ブー
麦野「このホスト崩れが!」
垣根「地味に傷つく」シュン
303: 2011/04/01(金) 16:39:06.50 ID:zeMpQ8sK0
麦野「っつか、アンタ学校行ってないわけ? 寮とか
あるんじゃないの?」
垣根「あー、一応所属はしてたんだがよ……しばらくぶりに
表に出たら俺の存在が消えてたんだよな……」シュン
麦野「え……なんか、ごめん」
垣根「構わねぇよ。 俺は今が楽しければそれでいい」
麦野「そっか」
垣根「お前こそ学校行ってねぇのかよ?」
麦野「行ってないわ。 だからアイテムの隠れ家使ってたのよ」
垣根「なるほど」
麦野「……第一位たちと暮らすのってそんなに楽しい?」
垣根「まあ、楽しくねぇっつったら嘘になるな」
麦野「私、他人と一緒に暮らしたことないから少し
緊張してるのよね」
垣根「緊張? するだけ無駄だろ。 ってか緊張
する暇もねーよ」ケラケラ
麦野「……第一印象ってアテにならないものね」
垣根「あ?」
304: 2011/04/01(金) 16:39:41.93 ID:zeMpQ8sK0
麦野「第一位もアンタも、もっと残虐な人かと思ってた」
垣根「……あながち間違っちゃいねぇな」
麦野「?」
垣根「何事にもきっかけってのは必要だろ? 一方通行が
何であんなに丸くなってんのかは知らねぇが、
俺は完璧にアイツがきっかけで平和ボケしちまった」ハハハ
麦野「きっかけ、ねぇ……第一位と同じこと言うのね」フフ
垣根「なっ、いいこと言ったと思ったのに先越されて
たのかよ……チクショウ!」ガクッ
<ナンダトォォォォォォォォォォオオオオ!!!????
垣根「……あれ、今の声一方通行じゃねぇか?」
麦野「待ちくたびれて叫んでるんじゃないの?」
垣根「早く行かねぇと命の危険があるな……乗れ」バッサバッサ
麦野「乗れって、どこに……」
垣根「いい感じに下の翼に乗れ」コッチ
麦野「荷物にまぎれろってことね」ワシャワシャ
305: 2011/04/01(金) 16:40:15.64 ID:zeMpQ8sK0
―――
――
一方通行「そ、そんなァ……」ズーン
海原「そんなに落ち込まないでくださいよ」ユサユサ
一方通行「俺のプライドっつーか……モチベーションが
一気に下がっちまったなァ……」ズーン
垣根「遅くなっちまって悪い。 っつかさっきの叫び声なんだよ?」バッサバッサ
麦野「ホテルの入り口まで聞こえたわよ」ヨイシ
一方通行「あァ……そりゃおめでとォ」ズーン
垣根「何だコイツ、テンション下がりすぎだろ」
海原「これは自分のせいです。 すみません」
麦野「第一位をこんなにするって相当の実力の持ち主ね」
垣根「何言ったんだよ? やっぱ失恋の話か?」ケラケラ
海原「いえ……」
――垣根と麦野が去った後
一方通行『一週間で三人のホームレスさンを救えるたァ
順調じゃねェか……さすが俺」フフン
海原『少々強引な気もしましたけどね』
一方通行『人間はなァ、遠慮ってもンを無意識にしちまう。
だから多少強引な方が良かったりすンだ』
306: 2011/04/01(金) 16:40:51.78 ID:zeMpQ8sK0
海原『遠慮、ですか……』
一方通行『あァ。 オマエだって例外じゃねェぞ?』
海原『一方通行さんに対して遠慮する気持ちなど最初から
持ち合わせていないのですが……』
一方通行『サラっとイラつくこと言ってくれンなァオイ』
海原『矛盾してますよ(笑)』
一方通行『オマエの言い方が悪ィンだよ言い方が!!』
海原『それにしても、家が無い方って
結構身近に居るものなんですね」
一方通行『他にも居そうだよなァ……。
暗部解散に伴って住処を失っちまったやつがよ』
海原『あ、でも結標さんは暗部に居たときから
居候の身でしたよね』
一方通行『え? 結標ってホームレスさンなの?』
海原『いや、居候……あれ、でも定義的には
ホームレス……ですね』
一方通行『じゃ、じゃあ結標に連絡して救出しねェと!』
海原『あ、いや、結標さんは確か教職員をやっている方の家に
住まわせて頂いていると聞いたのですが……』
307: 2011/04/01(金) 16:41:28.74 ID:zeMpQ8sK0
一方通行『なン……だと……!? つまり俺が救出活動を
する前に既に救出されていたと……!?』
海原『……まあ、考えてみれば似たような事ですね』
一方通行『既に……ホームレスさン救出大作戦は
他のやつの手によって実行されていたって事なのかァ!?』
海原『いや、それは違うと思いますけど……』
一方通行『くそォ!! 俺が救って……やれなかった!!』
海原(ホームレスを独り占めしたいんでしょうか)
海原『……居候=ホームレスなら、上条さんの所のシスターさんも
ホームレスですよね』
一方通行『!?』
海原『……そんなこと言ってたらキリがないですよ?』
一方通行『な……何だとォォォォォォォォォオオオオオオ!?』ガクッ
―――
――
垣根「……まあ、確かに自分が一番先に思いついたと思った
ものが先越されてたら悔しいけどよ」
麦野「これはしょうがないんじゃないの?」
海原「どうやら全てのホームレスさんを自分が救出したい
みたいなんですよ」
麦野「それって無理よね」
垣根「無理だな」
308: 2011/04/01(金) 16:42:32.47 ID:zeMpQ8sK0
一方通行「くそォ……」
海原「……一方通行さん。 貴方はネガティブすぎるんですよ。
もっと良いほうに考えてみましょう」
一方通行「良いほう……?」
海原「貴方よりも先に行動していた方々は貴方の先輩でしょう?」
一方通行「先輩……だと!?」
海原「ええ。 その方々によってホームレスさんは
助けられたんですよ。 何も落ち込む要素なんてないでしょう?」
一方通行「そ、そォだなァ……考えてみりゃァ、
ホームレスさンが助かったンだよな……」
海原「貴方はもっと先輩方を敬うべきなんですよ」
一方通行「……そォだな! 海原の言う通りだ!
何かテンション上がってきたぜェ!!あはぎゃは!」ギャハハハ
垣根「コイツちょろいなー」
麦野「扱いなれてるわね」
――小萌宅
小萌「っくしゅん!」ゾワッ
結標「あら、風邪かしら?」
小萌「ち、違うのですよ! 何今背筋が
ゾワッとしただけなのですよ!」
結標「風邪の前兆かもしれないから
今日は早く寝たほうがいいわ」
小萌「結標ちゃん! 先生は大人なのですよ!
体調管理くらい自分でできるのです!」プンプン
309: 2011/04/01(金) 16:43:12.15 ID:zeMpQ8sK0
――チーズ工場
麦野「……何この表札」
一方通行「垣根が作りやがったンだよ。 触ンなよ」
麦野「何で?」
海原「爆発しますよ」
麦野「!?」ズザァァァ
垣根「やーねぇ、ジョークよ☆」キャピ
一方通行「誰だオマエ」
垣根「ただいま俺のチーズ工場!」ダダダッ
一方通行「いつからオマエの工場になったんだよ……」
麦野「ま、チーズ製造機らしいじゃない」フフ
海原「それ呼びにくくないんですか?」
310: 2011/04/01(金) 16:43:39.86 ID:zeMpQ8sK0
麦野「おじゃましまー……」
一方通行「お邪魔しますじゃねェだろ」
麦野「あっ、そうね……。 た、ただいま」テレ
垣根「おっ、第四位も照れたりすんだな!」ハハハ
麦野「第二位テメェちょっとこっち来い」
垣根「ごめんなさいすみませんチーズつくりますから」ミニョーン
麦野「ん、ちょっと上達したわね」モグモグ
海原「そんなにチーズ極めてどうするんでしょうか」
一方通行「マジでここを工場にするつもりか」
垣根「ゆくゆくは」
一方通行「いや絶対にやめてくれ!!」
311: 2011/04/01(金) 16:44:16.52 ID:zeMpQ8sK0
麦野「しかし随分質素な家ねぇ……」
一方通行「隠れ家だったンだからしょうがねェだろ」
麦野「それにしたって質素すぎるわ」
一方通行「シンプルと言え、シ……」ハッ
海原「あれっ、二回言わない!」
一方通行「同じ手は二度食らわねェンだよ!!」ハハハ
海原「プライド(笑)ですか」ププッ
一方通行「ぐァァァァァァああ!!!!」ウガァァ
垣根「おい一方通行! ホームレスヒーロー始まるぞ?
見なくていいのか?」
一方通行「見るに決まってンだろォォォォォ!!」バッ
海原「その腐った常識を捻り潰す!!」バン
垣根「ホームレス馬鹿だな」ケラケラ
一方通行「うるせェ黙れ!」ウガァ
麦野(緊張してた私が馬鹿みたい)
海原「お風呂沸かしましょうか?」
麦野「ああ、お願いするわ」
312: 2011/04/01(金) 16:44:57.62 ID:zeMpQ8sK0
一方通行「おいオマエ前に出ンなよ!
見えねェだろォが!!」
垣根「俺は目が悪いんだよ!」
一方通行「近づいて見たら余計目悪くなるわ!」グイッ
海原「見るならソファ座って見てくださいよ鬱陶しい」
垣根「しゃーねぇな」ボフ
一方通行「しゃーねェって何だオイ」ボフ
麦野「荷物ってどこに置いたらいいかしら?」
海原「ああ、リビング出てすぐのとこに部屋あるので、
適当に置いててください」
麦野「分かったわ」トテトテ
一方通行「おォォォ!! 決め台詞来るぞォ!」キラキラ
<その腐った常識を捻り潰す!!
一方通行「きたァァァァァァァ!! ヒーロォォォォォ!!」ワァァ
垣根「うるせぇぞ!!」
海原「近所迷惑ですよ!」
麦野「何騒いでんのよ?」
一方通行「テメェらのその腐った常識を捻り潰してやンよ!」ビシィ
海原「開き直りましたね」
313: 2011/04/01(金) 16:45:31.46 ID:zeMpQ8sK0
一方通行「♪」ルンルン
麦野「第一位はあのドラマに感化されてんのね」
海原「らしいです」
垣根「テンション上がると周り見えなくなるよな、あいつ」
海原「それは貴方もですけどね」
垣根「そんなこと言ったら麦野もですけどね」
麦野「なら海原君もでしょうね」
海原「……」
垣根「……」
麦野「……」
一方通行「♪」ルンルン
海原「……お風呂……沸いたのでどうぞ?」
麦野「あ、じゃあ私先に頂くわ」
314: 2011/04/01(金) 16:46:16.14 ID:zeMpQ8sK0
海原「あ、じゃあバスタオルを……」
麦野「日用品は大体自分の持ってるからいいわ」
垣根「あの衣服の中にいろんな必需品が
まぎれていたというのか」
麦野「じゃ、覗いたらブチコロシカ・ク・テ・イね♪」
<バタン←ドア閉める音
海原「……さすがに覗くなんてしませんよ」
一方通行「覗くほど興味ねェしな」ハハ
<キコエテンゾコラァァァ!!
一方通行「やべ、まだ入ってなかったか」
海原「思ったんですけど、ホームレスと言えど
紅一点では過ごしにくいのでは?」
一方通行「アイツはンな事気にする奴じゃねェだろ」
海原「まあ、そんな気はしますけど」
315: 2011/04/01(金) 16:46:53.13 ID:zeMpQ8sK0
垣根「よし! それじゃあ麦野も風呂に入ったことだし!」
一方通行「何だ? 何かすンのか? まさかと思うが
覗くなンて考えて……」
垣根「え? もちろん覗くよ?」ケロッ
一方通行「うわァァァァ!! 平然と言いやがった!」
海原「落ち着いてください垣根さん! 確かに男性なら
覗きたい気持ちも分かりますけど、相手は麦野さんですよ!?」
垣根「そのスリルがまた楽しいんじゃねぇか」
一方通行「ダメだコイツもォ末期だ……」
海原「ぶち頃し確定ですね……」
垣根「じゃあここらでいっちょゲームでもすっか!」
一方通行「……え? 何? 気が変わったの?」
垣根「まさか。 覗きでチキンレースしようぜ!」
海原「」
一方通行「何考えてンだよオマエはァァァァ!!!!」ウワァァ
316: 2011/04/01(金) 16:47:19.44 ID:zeMpQ8sK0
ここまでなんだよ!
覗きなんて定番過ぎるネタだが
一度やってみたかったんだ!
家でだべってる時が一番
書いてて楽しいなー
んじゃまたノシ
329: 2011/04/03(日) 16:41:35.30 ID:Qi9+W0sR0
やっほう!
今回は先に謝っておく。
本当に申し訳ありません
調子に乗ってふざけすぎました。
んじゃ投下します!
330: 2011/04/03(日) 16:42:03.44 ID:Qi9+W0sR0
―――
――
垣根「というわけで半強制的に順番を決めました」ジャーン
一方通行「半もなにも強制だったじゃねェか……」
海原「……本当にやるんですか?」
垣根「俺に二言はねぇんだよ」
一方通行(適当にやって適当に降りるか……)
垣根「ちなみにビリには罰ゲームを用意しています」
海原「えっ」
一方通行「何だと……!?」
垣根「ま、罰ゲームは後々考えるとして、はいこれ」ホレ
海原「カメラ……?」
垣根「一番いい絵が撮れたやつが勝ちな」
一方通行「ま、マジかよ……」
垣根「じゃ、一番手行って来い!」
海原「なんでこんなことに……」ウウ
331: 2011/04/03(日) 16:42:32.53 ID:Qi9+W0sR0
風呂場
海原(……とりあえず脱衣所まで来ましたけど、このドアの向こうに
麦野さんがいるんですよね)
海原(写真を撮るってことはこのドアを開けないといけない
ということですよね……?)
海原「これどう考えてもバレるじゃないですか……」
海原(これが御坂さんだったらどれほど良かったことか)
海原(……)
海原(麦野さんを撮らないと駄目とは言ってませんでしたよね)
海原「……すみません麦野さん」パシャ
ガチャ
麦野「何してんの?」ヒョコッ←顔だけ
海原「っっ!!!???」ビクゥ
332: 2011/04/03(日) 16:43:00.56 ID:Qi9+W0sR0
麦野「何か用あるならドア越しにでも言えばよかっ……」
麦野「カメラ……?」ジー
海原「あ、その、自分は……」アセアセ
麦野「……へえ、私の写真を撮るつもりだったのね」
海原「いや、そんなつもりはっ」アセアセ
麦野(海原君が覗きするなんて考えられないわね……
ま、第二位の差し金ってとこかしら?)
麦野「……ま、なんでもいいけど。 オタノシミは後で、ね?」ニヤ
海原(ひぃぃっぃぃぃいぃぃいいい!!!)ガクガクブルブル
リビング
垣根「おっ、時間掛かったな。 いい写真が撮れたと見た」
一方通行「なンか海原顔色悪くねェ?」
海原「……ばれてしまいました」テヘ
一方通行「」
333: 2011/04/03(日) 16:43:31.96 ID:Qi9+W0sR0
一方通行「えええェェェェェェェ!? オマエ何してンの!?
何いきなりバレちゃってンのォォ!?!?」
海原「……遺言……残しておきますね……」カキカキ
一方通行「……もう続行不可能だろ」
垣根「何言ってんだ? 次俺の番な」
一方通行「マジで!? オマエとことん狂ってンな!!」
垣根「……海原、お前下着撮ってくるとはなかなか
やるじゃねぇか」
海原「ははは……あはははー」ポロポロ
一方通行「ダメだコイツはしばらく放っておいてやろう」
海原(御坂さーん……番外個体さーん……打ち止めさーん……)シクシク
垣根「初っ端から見つかるとは少し予想外だったが、
まあその分スリルが増えたし倍楽しめるよな! 一方通行!」
一方通行「俺に同意を求めンじゃねェよ!!」
垣根「下着の写真に勝つにはやっぱ裸体しかねぇよな。
麦野にはもうバレてんだろ? ってことは警戒してやがるか
もう来ないと油断してやがるかのどっちかだ」
一方通行「……」
垣根「だがアイツはレベル5だ。 この状況をあくまで楽しむ
つもりかもしれねぇ……。 麦野の思惑通りの展開ってのは
少々癪に障る。 だから俺の作戦は」
垣根「正面突破だ!!!!!!」ドーン
一方通行「それもォ覗きってレベルじゃねェよ……」
334: 2011/04/03(日) 16:44:01.34 ID:Qi9+W0sR0
風呂場
垣根(よし、脳内シュミレーションしとこう。 まずカメラを構える。
銃のように構えるとなお良し。 そして風呂のドアの前までは慎重に。
忍者になったつもりで。 ドアまで辿り着いたら一気にドーンと突撃、
裸体をパシャリ、だ)
垣根(これで一方通行のハードルが上がると共に俺の優勝
間違いなしだぜ)フフン
垣根「銃装備忍者正面突破作戦開始だ!」サッ
ソローリソローリ
垣根(もしかしたらもう気づかれてるかもしんねぇな……
正面突破だし関係ねぇけどな)
垣根(よし。 後はこのドアを思いっきり開け放って……!)
垣根「突撃となりの麦野ちゃああああああん!!!!」バンッ パシャパシャパシャパシャ
麦野「きゃあああああああああ!!???」バッシャーーン
335: 2011/04/03(日) 16:44:35.74 ID:Qi9+W0sR0
垣根「クソッ、ミルク風呂にしてやがったのか!」チッ
麦野「く、来るとは思ってたけどまさか普通に入ってくるなんて……」
垣根「予想の斜め上を行くのが垣根帝督だからな」エッヘン
麦野「今この場で分解してあげてもいいのよ?」
垣根「第四位が何を偉そうに。 今の状況分かってますかー?」パシャパシャ
麦野「」ブチッ
垣根「なあちょっと湯船から立ち上がってくんね?」パシャパシャ
麦野「第二位テメェ調子乗ってんじゃねぇぞぉぉぉぉおおお!!!」ビュイーン
垣根「未元物質ガード」キュイーン
麦野「なっ!」
垣根「甘っちょろいぜ。 服を着て出直してくるんだな」アバヨ
バタン
麦野(……アイツ頭おかしいわ)ジャバッ
336: 2011/04/03(日) 16:45:08.17 ID:Qi9+W0sR0
リビング
垣根「ただいま」キラーン
一方通行「なンかすげェ音したンだけど風呂壊してねェよな?」
垣根「大丈夫だ。 問題ない」キリッ
一方通行「あ、そォ……。 つかオマエのやってることって
訴えられたら負けてもおかしくねェぞ?」
垣根「ちょっとしたジョークだろ? 冗談が通じねぇヤツは
この先生きていけねぇぞ」
一方通行「だからジョークになってねンだよ!!
オマエ一回辞書で冗談の意味引いて来い!!」
垣根「え? ちょっとしたおふざけじゃないの?」
一方通行「おふざけの度が過ぎてるっつってンだよ!!!」
垣根「ほら、次お前の番だろ。 早くしねぇと
麦野が上がってきちまうぜ」
一方通行「俺はオマエのこの先が心配だよ……」
垣根「ちなみに優勝賞品は今日取った写真の所有権な」ワキワキ
一方通行「別にいらねェンだけど……」シブシブ
337: 2011/04/03(日) 16:45:39.65 ID:Qi9+W0sR0
風呂場
一方通行「脱衣所に入るのも気が引けるなァ……」ピッピッ
一方通行(うわァ、垣根のヤツどんだけ連写してンだよ……
ミルク風呂なのが幸いしたなァ)
一方通行(もう俺勝たなくてもいいだろ……つか最初から
勝つつもりねェしなァ……何撮ろう)
一方通行「はァ……とりあえず脱衣室入っとくかァ」ガチャ
麦野「」ニヤリ←バスタオル装備
一方通行「……おじゃましましたァ」バタン
麦野「待てコラオイコラ」グイッ
一方通行「ンだよせっかく戻ろうとしたのに」
麦野「絶対来ると思ってたから待ち構えててやったのよ」フフン
一方通行「……そォか」
麦野「とりあえずそのカメラを渡しなさい」
一方通行「どうぞ」ハイ
一方通行(垣根ざまあ)
麦野「ぜんぶ画像削除、と……え、下着の写真もある……」
一方通行「それは海原だ。 他は垣根」
麦野「私が可哀相すぎるわ……。 ま、ぶっちゃけ
気にしてないんだけどさ」
一方通行「あァそォ。 じゃさっさと着替えて垣根をシメてくれ。
じゃねェとまた巻き添えくらっちまう」
338: 2011/04/03(日) 16:46:13.67 ID:Qi9+W0sR0
麦野「……ちょっと、あんた素っ気なさすぎよ?
目の前にタオル一枚の綺麗な女がいるのにその反応は
男としてどうなのよ」
一方通行「綺麗な女って自分で言うのはどォかと……」
麦野「うっさいわね。 少しくらい動揺してもいいと思うんだけど?
海原君も同様してたし」
一方通行(単純に麦野が怖かっただけなンじゃ……)
麦野「第二位は……度が過ぎてるけどまあ、うん」
一方通行「アイツは頭狂ってンだよ」
麦野「まあ、とにかくこの私を見て少しくらい
興奮しないわけ?」ナイスバディ
一方通行「生憎だが全く興味がねェ」シレッ
麦野「」カチン
リビング
<ウァァァアアアアア!!!
垣根「……あいつ何やってんだ?」
海原「……見つかったんでしょうね」
垣根「気になるから見てくるわ」ヨイショ
海原「チャレンジャーですね……もう麦野さんが
かわいそうです」
339: 2011/04/03(日) 16:46:48.13 ID:Qi9+W0sR0
風呂場
垣根「一方通行? 何して……!?」
一方通行「かっ、垣根ェ! たす、助けろ!!」ギュウウウ
麦野「チッ、またテメェかよ……」ムギュウ
垣根(なっ、何だこの状況……!? バスタオル一枚の麦野が
一方通行の上に乗っかって胸を顔に押し付けているだと!?)
垣根「麦野……お前結構大胆なんだな……いや人の事
言えねぇけどさ」
麦野「あ? 勘違いしてんなよクソが。 コイツがあまりにも
男らしくねぇから矯正してやってるだけだろーが」ムギュウ
一方通行「むっ、ン、は、し、氏ぬっ! 息、が!」ギュウ
垣根「うらやましすぎるぜ一方通行……」
麦野「興奮した? ねぇ興奮した?」ギュウギュウ
一方通行「こっ、興奮したから!! ン、むゥ! ど、けっ」グイグイ
麦野「しょうがない、許してやっか。 寒いから服着る。
テメェら出て行けや」シッシ
340: 2011/04/03(日) 16:47:23.22 ID:Qi9+W0sR0
リビング
一方通行「はァ……はァ……氏ぬかと思ったァ……」ゼーハー
垣根「何であんな状況になったんだよ教えろよ俺もやる!」
一方通行「知らねェよ……」
海原「どうしたんですか一方通行さん」
一方通行「も……聞かないでくれ……トラウマだ……」グッタリ
垣根「贅沢なトラウマだなオイ!! 俺にも分けろ!!」
海原「皆さん散々ですね……」
―――
――
垣根「んじゃ順位発表な。 一位は問答無用で俺だろ?
麦野の入浴シーン連写だし」
海原「もうそれでいいですよ」
垣根「二位は海原の下着写真だな。 んでビリは
何も写真を撮らなかった挙句に写真のデータを紛失し、
更に麦野の胸を独り占めしやがった一方通行だ」
一方通行「理不尽だ……不条理だ……」
垣根「コイツのせいで優勝商品が無くなっちまった。
だから罰ゲームを二回に増やす!」
一方通行「マジかよ……」
垣根「罰ゲームは俺がいきなり決めるからよろしく」
海原「あ、麦野さん上がってきました」
麦野「全員正座しなさい」
341: 2011/04/03(日) 16:47:52.77 ID:Qi9+W0sR0
麦野「まず海原。 何故下着撮った」
海原「え、あ、あの……」
垣根「麦野、海原は悪くねぇ。 全部俺がやったことだ」
海原「垣根さん……」
麦野「私は海原に何故下着を撮ったかって聞いてるの」
垣根「だとよ。 海原」ホレ
海原(この人……)
麦野「何で私じゃなくて下着撮ったの?」
海原「……」
一方通行「そこに下着があったからだろ」
垣根「なるほど」
海原「……下着が目に付いたので撮ってしまいました
申し訳ありませんでした」ドゲザ
麦野「私<下着ってのが気に食わなかったけど
まあ許すわ」
一方通行(あくまで自分の魅力を押し売るつもりか……)
342: 2011/04/03(日) 16:48:27.15 ID:Qi9+W0sR0
麦野「第二位は合格よ」
垣根「やった!」
海原(あれ? なんか方向変わってません?)
麦野「でもまた同じようなことしたらブチコロシじゃ済まないから」
垣根「了解ですぜ姉さん! ついでにお胸に顔
埋めてもいいですか!!??」
麦野「黙れ調子のんな」
垣根「」ガーン
麦野「第一位はもっと男になるべきよ。
私の魅力が分からないようじゃ駄目ね」
一方通行(こいつはナルシストなンだな)
麦野「みんなシメようと思ってたけど眠くて気力
失せたわ。 私はどこで寝たらいいかしら?」
海原「ああ、一部屋使っていただいて構いませんよ」
一方通行「待て、今まで俺ら二部屋とリビングを
ローテーションで使ってたじゃねェか。
麦野が一部屋使ったら俺らはどこで寝たらいいンだ?」
麦野「え? みんな同じ部屋で寝たらよくない?」
343: 2011/04/03(日) 16:49:05.84 ID:Qi9+W0sR0
垣根「つまりどういうこと?」
麦野「男部屋と女部屋に分ければいいってこと」
一方通行「何が悲しくて野郎三人同じ部屋で寝なきゃ
なンねェンだよ……」
海原「同感ですね」
麦野「しょうがないじゃない。 部屋広いんだし大丈夫でしょ」
一方通行「まァ、いずれこうなるだろうとは思ってたがな」
垣根「修学旅行みてぇでいいじゃねぇか!」ワキワキ
海原「ポジティブですね」
麦野「見習いなさい」
一方通行「じゃ、布団適当に敷いてくるわァ」
麦野「布団私の分もあるのよね?」
一方通行・海原・垣根「あ」
麦野「?」
一方通行「……二つがまだ爆弾のままだったなァ」
海原「……ということは」
垣根「……」
垣根「……悪夢再来か」ゾワ
356: 2011/04/06(水) 17:28:16.99 ID:irSd8VAT0
麦野「何? 悪夢って何なのよ」
海原「いろいろあって布団が爆弾になったんですよ」
麦野「どういうことなの……」
一方通行「垣根、精神殺傷虫眼鏡持って来い」
垣根「やっぱりあれ使うのかよ! っつか、
お前が引き出し圧縮したせいで取れねぇよ」ガタガタ
一方通行「まァ、作ろォと思えば一瞬で作れるけど……」
垣根「俺はもう嫌だ! あの世界はこりごりだ!」ガクブル
麦野「なんだかトラウマがあるみたいね……」
海原「こればっかりはしょうがないんです」
麦野「その、精神殺傷虫眼鏡って何なの?」
357: 2011/04/06(水) 17:28:49.37 ID:irSd8VAT0
一方通行「あァ……俺と垣根の協力で作り上げられた
拡大レンズのことなンだがよォ」
海原「拡大レベルが異常なんですよ」
麦野「ふーん……。 じゃあ畳とかうっかり覗いたら
ダニとかが見えちゃうってこと?」
垣根「ぎゃぁぁああああああああああああああああ」
一方通行「gykぁあjさdhふぉあんsぉdfはえ」
麦野「!?」ビクゥ
海原「……そんなものじゃないですよあれは」ボソッ
麦野「そう……よくわからないけど凄いってことね。
このサッカーボールみたいなのが布団兼爆弾かしら?」
海原「そうです。 真空を通り越してるらしいので、
穴開けたらパーンといくそうですよ」
麦野「それで虫眼鏡で小さい穴あけて膨らませたって
とこかしら。 ……頭が堅いわね」
一方通行「あァ? どォいうことだオイ」
麦野「だって考えても見なさいよ。 能力で圧縮したんでしょ?
だったら反対の力加えて内側から押し広げればいいと思うのよ」
一方通行「……」
海原「……」
垣根「……え?」
358: 2011/04/06(水) 17:29:23.90 ID:irSd8VAT0
麦野「トップ2が揃ってるのにそのアイデアは
頂けないわね」ヒャヒャ
一方通行「……いや、お、俺は分かってたけどォ?」アセアセ
垣根「嘘だろ」
一方通行「……うン」
垣根「第四位に頭脳が劣るとは情けねぇぜ……」ガクッ
海原「自分が気づいていればよかったですね……」
麦野「あんたらは馬鹿なのよ。 麦野様に感謝なさい」フフン
一方通行「だンだン素が出てきてンぞォ」
垣根「言ってやるなよ」
麦野「あ? さっさとやれボケ。 眠ぃんだよ」
359: 2011/04/06(水) 17:29:58.43 ID:irSd8VAT0
一方通行「もォ二つまとめて戻すからな」
垣根「こう考えると、前回の俺の氏ぬ気の作業は
無意味だったってことだな……」
海原「そうですね」
垣根「さらっと言いやがったなおい」
一方通行「俺思ったンだけどよ、圧縮の反対ってやったこと
ねェンだわ。 どォやンの?」ネミィ
海原「いや自分に聞かれましても」
垣根「お前の能力だろうが。 自分で把握しておけよ」
一方通行「内側から押し広げるってさァ、まァ理論上?は
できるかもしンねェけどさァ……」オソルオソル
麦野「まあ、あれよ。 勘よ」
海原「何てアバウティックな!」
垣根「アバウティックって何だよ!」
360: 2011/04/06(水) 17:30:28.14 ID:irSd8VAT0
一方通行「そォだな、麦野の言うとおりかもしンねェ。
プラズマ作った時も大体勘だったし」ファァ
麦野「え、何あんたプラズマとか作れんの?」
一方通行「あァ。 上条に向けてぶっ放したなァ……ねみ」シミジミ
海原「恐ろしい……」
垣根「おい、俺なんかこいつに一回殺されてんだぞ?」
麦野「はいはい」
一方通行「じゃ、勘で適当に戻すわ」カチッ グイグイ
垣根「スルースキル高ぇな……」シュン
一方通行「どれくれェの力で押したらいいンだ……?」ボー…
麦野「勘ほど頼れるものはないでしょ」
海原「アバウティーですね!」
垣根「お前ボキャブラリーねぇよな」
361: 2011/04/06(水) 17:30:56.53 ID:irSd8VAT0
一方通行「! ひらめいたぜェ!! ぎゃは!」
垣根「何かいい方法でもあったのか?」
一方通行「いンやァ、単純に逆にすればいいと思っただけだ。
圧縮した時と同じ要領で内側から押し広げる、つまり」
海原「え、まさか圧縮時とおなじ力量で……!?」
一方通行「せいかァい♪ 正解者には安らかに眠れる
羽毛布団をォォォ!!!!!」ギュイーー
垣根「え、ちょ、オイ!? そんなことしたら破裂……」
海原「駄目だこの人眠気で思考が狂ってます!」
一方通行「誰もォ!! 俺をォ!! 止められないィィィィ!!」ヒャッハーーー
パァァァァアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!
麦野「」
垣根「やりやがった……」
362: 2011/04/06(水) 17:31:29.95 ID:irSd8VAT0
一方通行「あゥ……いてェェェ……」
海原「一方通行さん! 大丈夫です……か……」
垣根「」
麦野「な」
一方通行「俺としたことが……加減を誤ったな……
あ? 何ジロジロ見てンだ」
海原「あの……」
麦野「はい」つ鏡
一方通行「あァ……? 顔になンかつい……!?!?!」バッ
一方通行「前髪がねェェェェェェェええええ!?!?!」
363: 2011/04/06(水) 17:32:05.16 ID:irSd8VAT0
垣根「……風圧で消し飛んだか」
麦野「顔の目の前で爆発してたものね」
一方通行「なっ……こ……」ガタガタ
海原「デコセラレータ(笑)」
一方通行「ンだとコラァァァァァァァ!?」グァァァ
垣根「その面で凄まれても威力ねぇな」ケラケラ
麦野「なんか可愛らしいわね」
一方通行「きめェ! まじこれ何とかできねェのかよ!?」
海原「自業自得なんじゃ……」
垣根「布団も木っ端微塵だしな」
麦野「私は何で寝たらいいのよ?」
海原「布団使ってくれて構いませんよ。
男性陣は誰か一人ソファで寝てもらうので」
垣根「お前ミサカシリーズ以外には紳士だな」
海原「何言ってるんですか。 自分は誰にでも紳士ですよ」
垣根「言ってろ」
一方通行「誰か俺の前髪の心配してくれよォォォ!」ウワァァン
364: 2011/04/06(水) 17:32:33.66 ID:irSd8VAT0
垣根「いいじゃねぇか。 顔洗いやすいぜ?」ハハハ
一方通行「利便性求めてねンだよ! 見た目だ見た目!」
麦野「第一位も見た目を気にするのね」
一方通行「気にするわボケ!! 第一前髪ねェとか
論外だろォが!!!」
海原「そんなに髪が欲しいなら今流行のエクステを
付けてみてはいかがでしょうか?」
一方通行「え、エクステ……?」
垣根「おお、いいじゃねぇか!」
麦野「私もエクステつけたことあるわよ。 手入れが
大変だけどね」
海原「まあ、簡易カツラってとこでしょうかね?
女性の間で結構流行ってるみたいですよ」
一方通行「な、なんだかわかンねェけど前髪が復活
すンなら行くわ、すぐにでも行くわ。 明日早速行くわ」
365: 2011/04/06(水) 17:33:00.11 ID:irSd8VAT0
垣根「その面で表歩くのかよ?」
一方通行「帽子被るわボケ!」
海原「でもここまで綺麗に前髪だけないなんて
すごいですよね。 写メ撮ろ」パシャ
麦野「あ、それ私にも送って欲しいわ」
垣根「俺にも転送しといてくれ」
海原「分かりました」パシャパシャパシャパシャ
一方通行「うァァァァ!! もォやだァァァ!!」ウェェェェン
<ガンッ ゴンッ ドンッ
垣根「おい夜なんだから静かにしろよ、
隣の家から石投げられてんぞ!」
一方通行「オマエらのせいなンだよ!!」ウガァァ
366: 2011/04/06(水) 17:33:29.32 ID:irSd8VAT0
―――
――
男子部屋
垣根「とりあえずひと段落したな」ゴロン
一方通行「なァ、一人ソファで寝るンじゃなかったのか?」
垣根「何言ってんだよ。 まだチキンレースは終わってねぇ
だろ? 戦線離脱は許さねぇぞ」
海原「そういえばそんなことしてましたね……」
一方通行「もしかして罰ゲームすンの? もォ勘弁して
くれよ……麦野ももう寝たし明日でいいだろ……?」
垣根「麦野が寝たからこそ出来る罰ゲームだろ」ホラ
一方通行「あ……? カメラだと?」
海原「ま、まさか」
垣根「優勝者からの命令だ。 麦野の寝顔を撮って来い」
一方通行「マジで言ってンのかオマエ……もう俺
散々すぎンだろ……。 前髪なくしたのが罰ゲームだったって
ことにしてくンねェ? 頼む」
367: 2011/04/06(水) 17:33:59.79 ID:irSd8VAT0
垣根「前髪は自業自得だろ。 それにさっきのチキンレースで
お前写真撮らなかったじゃねぇか。 海原も頑張ったんだし
ここは平等にお前にも一枚撮ってもらわねぇと海原の気が
収まらないんじゃねぇかと思ってな」
海原「いや、そんなことは思ってないですけど、
一方通行さんの罰ゲームですしね。 自分は
口出しできませんよ」
一方通行「オマエ垣根に寝返るのかよォ!?」
海原「自分はもともと貴方の味方ではないですし」
垣根「というわけだ。 行ってこい」
一方通行「くっそォ……」
女子部屋
麦野「」スースー
一方通行(寝てやがるな……さっさと撮って戻るか)
麦野「んー……」ギュッ
一方通行「っ!?」ガクッ
一方通行(っとァ……危ねェ……腕掴まれて
バランス崩すたァ情けねェな……)
368: 2011/04/06(水) 17:34:32.88 ID:irSd8VAT0
一方通行(……あれ? 腕掴まれてたら動けなくねェ?
なんが抱き枕並みにしっかり巻きつかれてっけど)
麦野「……」スースー
一方通行(まいったな……とりあえず写真撮っておこう)パシャ
麦野「……」スースー
一方通行(……よし。 起こさないように腕ほどいて……)
麦野「ね……今写真撮ったでしょ」
一方通行「!!」ビク
麦野「ふふ、最初から起きてたっての。 何?
罰ゲームでもやらされてんの?」ムニュ
一方通行「あ、あァ……」
麦野「やっぱ前髪ないと面白いわね」ヒャヒャヒャ
一方通行「うっせェ……つか、その、胸……腕にあたってンだけど」
麦野「当ててんのよ」グイグイ
一方通行「そォかよ……」ハァ
麦野「ったく……アンタは面白くないわね……」パッ
一方通行「悪かったな。 垣根あたりにでもやっとけ」
麦野「気が向いたらね」
369: 2011/04/06(水) 17:35:04.76 ID:irSd8VAT0
男子部屋
一方通行「撮ってきたぞ」ホラ
垣根「遅かったな? また麦野とラッキーイベント
あったんじゃねぇだろうな?」
一方通行「ねェよ」
海原「麦野さん、かわいらしい寝顔ですね」ホノボノ
垣根「あ! 何お前ちゃっかり最初に見てんだよ!」
<ガチャ
麦野「はっあーい♪ おねんねの時間ですよーか・き・ね・く・ん?」ニヤァァァ
垣根「えっ……」
麦野「カメラ粉砕じゃごらぁぁぁぁ!!」ビュイーーン
<ドゴァァァァァン
垣根「ああ! 俺まだ見てないのに!!」
麦野「次同じようなことしたらブチコロシじゃすまねぇって
言ったよなぁ? あぁ?」グイッ
垣根「ぐぇっ、あ……くる、し……」
370: 2011/04/06(水) 17:35:34.74 ID:irSd8VAT0
一方通行「オマエらうるせェぞ時間考えろ」
麦野「こいつの腐った脳ミソ破壊したらなあ!」ギュウ
垣根「かっ、は……あ……」ビクビク
海原「む、麦野さんっ、そろそろ許してあげても……」オドオド
麦野「はん、二度と私をネタにゲームすんな」ポイッ
垣根「がっは、ゲホッ」ゼーハー
一方通行「テメェこそ自業自得だな」ハハハ
垣根「はぁ、はぁ……俺はめげねぇぞ……」ハァハァ
海原「もうその根性尊敬しますよ」
一方通行「いらねェ根性だ」
371: 2011/04/06(水) 17:36:00.98 ID:irSd8VAT0
――翌朝
垣根「んがー、んがー」ゲシッ
一方通行「ン、……ふあァ……痛ェ」ムクッ
海原「」スースー
垣根「んがー、んがー」ゴロゴロ
一方通行「コイツ寝相悪すぎンだろォ……」
リビング
麦野「あ、おはよう一方通行。 朝食作っておいたわよ」
一方通行「あァ? オマエ料理できンのか……」
麦野「まあ、軽食くらいならね」
番外個体「ミサカもあなたと違って少しは作れるけどね」ビャハ
一方通行「……何でオマエがいンだよ」
番外個体「ミサカが来ると不満? ま、そのほうがこのミサカに
とって都合がいいんだけどさ。 遊びに来ただけだよ」
一方通行「クソガキはどォしたよ?」
番外個体「調整。 昼には終わるって言ってたよ」
一方通行「そォかい」
372: 2011/04/06(水) 17:36:26.68 ID:irSd8VAT0
番外個体「それにしても綺麗におでこオープンだねぇ、ぎゃはは」
一方通行「うっせェ。 ジロジロ見ンな」ギロッ
番外個体「あひゃひゃ! ギロッだって! ウケるんだけど!」ギャハハ
麦野「随分と仲がいいみたいね」
一方通行「あァ!?」
番外個体「ミサカたち仲良しに見えるんだって! ミサカ的には
あなたと仲良しとか勘弁して欲しいんだけどね!」
一方通行「言ってろ」
麦野「第三位のクローンねぇ……ふふ、面白そう」
番外個体「ねえ、第一位。 今日出かけるんでしょ?
ミサカも連れて行ってよ」
一方通行「あァ? ……構わねェが何で出かけるって
知ってンだよ」
番外個体「海原君から昨日メール来たんだよね」
一方通行「!!??!!??」ガタッ
麦野「ちょっと、いきなり立たないでよ」
番外個体「え? 何嫉妬? 第一位ってみにくーい☆」ギャハ
373: 2011/04/06(水) 17:37:37.46 ID:irSd8VAT0
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