389: 2016/04/04(月) 01:46:45.68 ID:lYKE1ACf0


モノクマ「学級裁判!!」KAZUYA「俺が救ってみせる。ドクターKの名にかけてだ!」カルテ.6【前編】
モノクマ「学級裁判!!」KAZUYA「俺が救ってみせる。ドクターKの名にかけてだ!」カルテ.6【中編】

朝日奈「あれ? ていうことは、そのマスクって偽物? うーん、本物だと思ったんだけどなぁ……」

石丸「僕は記憶がしっかりしていないから何とも言えないが……」

K「では、再び議論に戻ろう。とりあえず舞園、今までの流れをまとめてくれないか?」

舞園「はい。山田君から呼び出し状を貰った葉隠君は、九時半に三階の娯楽室に行きました。
    そこで内通者扱いされ襲われそうになった葉隠君は山田君をモノクマボトルで殴打」

舞園「慌てて現場から逃げ出そうとした葉隠君は運悪くセレスさんに遭遇し、
    持っていたナイフで口封じにセレスさんを刺しそのまま逃亡」

舞園「その後、現れた真犯人が凶器となるハンマーで山田君にトドメを……」

K「待て。わかったのは凶器がハンマーであるということだけだ。時系列はまだ確定していない」

葉隠「なんでだべ?! そういうことだろ?!」

十神「フン、馬鹿め。もう先程の言葉を忘れたのか? ボトルで頃しきれなかったことに気付いた
    貴様が、美術準備室からハンマーを取ってきて改めてトドメを刺した可能性も消えていない」

十神「証拠を隠滅し逃げようとした時にセレスと遭遇、刺した。今のところ一番無理がない解釈だ」

大神「セレスよ、お主は何か覚えていないのか?」

セレス「何度も皆さんに説明した通りです。刺されたショックで細かいことまでは覚えておりません」

セレス「娯楽室の中で倒れている山田君と葉隠君を目撃したのです。
     驚いて叫んだら刺されて、あとはそのままですわ……」

江ノ島「葉隠ならやりかねないよ」

葉隠「ちげーって!!」

苗木「でも、仮にそうだとしても結局証拠はないってことになるんじゃ……?」

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390: 2016/04/04(月) 01:58:35.37 ID:lYKE1ACf0

朝日奈「じゃあ、さっさとこのバカに投票しよっか」

葉隠「ひぃ、ひええっ!」

霧切「……待って」

桑田「どうかしたのか?」

霧切「さっきから葉隠君の存在が邪魔をしてちっとも真相に近付いている気がしないわ」

石丸「確かに。葉隠君の行動がいちいち疑わし過ぎる! 君は一体何をしているのだね?!」

葉隠「何って言われても……俺、巻き込まれた側だしなぁ……」

江ノ島「その後の行動が怪しすぎるから問題なんでしょ!」

十神「山田を瓶で殴りセレスを刺した。この二つは確定しているからな」

大和田「犯人として見りゃそれでもう十分すぎるくらいだろ……」

舞園「それで、霧切さん。何か良い案でも?」

霧切「…………」


顎に手を当てながら、霧切は目を閉じ思案する。


霧切「……いっそ発想を転換して、もし葉隠君以外の第三者が
    現場に現れていたらと仮定して議論するのはどうかしら?」

苗木「第三者?」


391: 2016/04/04(月) 02:07:26.85 ID:lYKE1ACf0

霧切「そう。その議論で第三者の可能性が否定されたら葉隠君が犯人で確定ということになるわね」

葉隠「逆に、第三者の存在が証明されたら俺は無実で確定ってことなんだな?!」

K「それでいいだろう」

不二咲「あ、でも、もし仮に第三者が校舎にいたとして……」

大和田「どうした?」

不二咲「その……」

江ノ島「なによ。ハッキリ言ってくれない?」

K「『何故室内で倒れている山田に気が付いたのか』ということか?」

不二咲「は、はい。床に倒れているから、扉の窓に近づかないと視界に入らないと思うし……」

苗木「あ、そうか。仮に校舎内に用があって来たとしても、普通は通り過ぎちゃうよね」


事件時、娯楽室の扉は完全に閉まっていた訳ではないがほぼ閉まっており、
廊下が薄暗いこともあって中に気付かず通りすぎてもおかしくない。


石丸「セレス君のように、娯楽室に何らかの用があったということか?」

大神「何か異常に気付くキッカケがあったのやもしれぬ」

K「或いは――」


腕を組んだまま、KAZUYAは衝撃の言葉を口にした。


392: 2016/04/04(月) 02:19:43.36 ID:lYKE1ACf0

K「――その場にいて二人のやりとりを目撃していたか」

「ええっ?!」


何の証拠もないもはや飛躍してるとすら言えるその発言に、すぐさま反論が飛び交う。


十神「そんな人物はいない! 葉隠が犯人で確定だ!」

セレス「そうですわ! そうそう校舎内に人がいるでしょうか?」

桑田「……流石にちょっとキツくねーか?」

大神「ウム……」

舞園「西城先生……」


しかし、KAZUYAは頑として譲らなかった。


K「確かに都合の良い話だ。だが、第三の人物の存在が否定されたら、
  その時は改めて葉隠が犯人だと霧切も言っただろう」

K「上手く行けば、これが最後の議論となるはずだが?」

腐川「これで葉隠の命運が尽きるって言うなら……確かに議論してみる価値もあるかも……?」

朝日奈「『楽を求めたら、苦しみしか待っていない』って野村監督も言ってるしね。
     トコトン議論しようよ。絶対葉隠が犯人だと思うけどさっ!」

葉隠「そもそも俺が犯人だっていう前提をやめて欲しいべ……」

K「……それでは、最後になるかもしれない議論を開始しよう」


407: 2016/04/09(土) 22:50:36.69 ID:H/N7Sq6d0

[ 第三の人物 ]


不二咲「その場にもし別の人がいたらってことだよねぇ」

セレス「そんな人が都合良くいるのでしょうか?」

江ノ島「もしいたとして、外でたまたま<盗み聞きしてた>とか? まさか、中にはいないだろうしさ」

霧切「隠れる場所自体はあるわ。例えば<掃除ロッカーの中>とか」

大和田「【ビリヤード台の後ろ】でもいけるよな」

大神「しかし、一体何のために?」

十神「<目的もないのに現場にいる>とは思えんな」

舞園「【何故校舎内にいたのか】も疑問ですね」

朝日奈「そもそもさ、本当にいたの? 【第三者がいたなんて思えない】んだけどな」

K「今までに明らかになった事件当時の状況と、矛盾している証拠があるはず。よく見るんだ」


適切な台詞を適切なコトダマで撃ち抜け!
コトダマリスト>>144-145

↓2


見取り図に掃除ロッカーがありませんでしたね。スミマセン
スロットの上、右上の方にあります。

410: 2016/04/10(日) 00:22:32.98 ID:XvsS8wR+O
【第三者がいたなんて思えない】←【セレスのカルテ】とか?

414: 2016/04/10(日) 20:10:21.86 ID:GSXK5mB00

論破失敗!


十神「何が第三者だ! そんなものはいなかった!」

セレス「長い議論でしたわね」

江ノ島「もうさっさと投票にしちゃえば?」

K「待ってくれ! まだ証明が……!」

モノクマ「タイムアーップ!! 投票してください!」

K「待て! まだ議論は終わっていないぞ!」

モノクマ「うるさいなあ。投票って言ったら投票なの! もう飽きたの! はい投票投票!!」

苗木「そ、そんな……?!」


             ・

             ・

             ・


モノクマ「ブッブー! 不正解! 残念でした!!」

舞園「信じられません!」

桑田「ウソだろ……ウソって言ってくれよ……」

不二咲「み、みんな……」


生徒達が次々に連行され、オシオキにかけられていく。
絶望的な顔でそれを見ていたKAZUYA自身も同様に氏刑場へと引きずられて行った。


415: 2016/04/10(日) 20:29:57.57 ID:GSXK5mB00

オシオキを受けて血まみれになりながらも、KAZUYAは叫ぶ。


K「誰だ……! 一体誰が犯人だったんだッ?!」

???「…………」

K「お前はッ?! そうか……!!」

K「……こんなことをして、許されると思うなよッ!!!」

???「…………」


黒い影がKAZUYAを見下ろしている。その顔に浮かんでいる感情は嘲笑なのか哀れみなのか、
或いは侮蔑なのか罪悪感なのか、傷つき激昂するKAZUYAにはついぞわからなかった。


モノクマ「それでは皆さん、さよ~なら~!」


K(こんな、はずでは――)


視界が血に染まり、そして……真っ暗になった。




― GAME OVER ―


コンティニューしますか?

→はい
 いいえ


416: 2016/04/10(日) 21:32:10.80 ID:GSXK5mB00

まあ、結果は見えているので普通に続行


苗木(なんか今、縁起でもない変な夢を見たような……)

K「どうかしたか、苗木?」

苗木「あ、いえ何でもないです」

K「証拠一覧をよく読んで見るんだ。今までに明らかになった事件当時の状況では
  説明しきれない妙な証拠があるはず。それを使うんだ」


↓2


419: 2016/04/10(日) 22:31:50.12 ID:8+RJCYzLo
助けて霧切さん!

421: 2016/04/10(日) 22:58:58.93 ID:GSXK5mB00

霧切「基本的にコトダマは一度しか使わないわ。だから、明らかに議論の決め手となりそうな
    コトダマはここぞという時にこそ使って一気に場の流れを引き寄せるのよ」

霧切「でも、重大な事実をいきなり目の前に突きつけるよりも、まずは軽い一石を投じて
    新事実を受け入れる土台を作ってから重要な証拠で一気に畳み掛けるのも手ね。
    今までの流れを見ていても、ドクターはどうもそういう手法が多いわ」

霧切「慎重派なのかしら? 医者だから、確実性を重視しているのかもしれないわね。
    今回もそのパターンで、まず奇妙な『アレ』の提示を求められているわ」

霧切「>>389で舞園さんが事件の仮の流れをまとめているから、それと
    コトダマリスト>>144-145を比較するのがいいかもしれないわね」


↓2

425: 2016/04/10(日) 23:58:52.84 ID:GSXK5mB00

十神「それがどうかしたか?」

苗木「雑誌が裏返って置かれてて……」

大神「事件の前からそうだったのでは?」

苗木「中にダイイン……」

十神「いちいち無駄話をするな!」

大和田「おいおい、苗木ィ。しっかりしてくれよ」

苗木(……今はまだこの証拠を使うタイミングじゃないみたいだ)


↓2

430: 2016/04/11(月) 17:01:37.97 ID:uiXpZ7iuo
論破ポイントが【第三者がいたなんて思えない】だと仮定して
霧切さんのヒントで奇妙な『アレ』の提示ってあるから【ヨウ素液】みたいな普通のコトダマは除外される
残ったコトダマで奇妙なのは【血文字の書かれた雑誌】【なくなった二つのボトル】【秤の実験】ぐらいだが
【血文字の書かれた雑誌】は否定(あくまで【第三者がいたなんて思えない】のセリフだけだけど)
【秤の実験】は【なくなった二つのボトル】を使ってからだと思うので
残った【なくなった二つのボトル】が使うコトダマかな?

安価なら【第三者がいたなんて思えない】に【なくなった二つのボトル】

437: 2016/04/14(木) 21:36:30.41 ID:Abnvuo820
>>430
QED!

【なくなった二つのボトル】 ドンッ! ====⇒ 【第三者がいたなんて思えない】BREAK!!


霧切「それは違うわ。なくなったモノクマボトルに注目して頂戴」

腐川「それが、なんだっていうのよ……」

霧切「葉隠君、あなたが手に取ったボトルは六つのうちどれかしら?」

葉隠「覚えてないべ。でも、端じゃないから確か真ん中辺だったような……」

K「お前が割ったボトルは確かに一本だな?」

葉隠「ハア? 当たり前だべ。こちとら一回しか殴ってねえんだから」

霧切「葉隠君が使ったボトルは右から三番目のもので間違いない。そうなると、
    なくなったもう一つのボトルは一体何故割れたのかしら?」

江ノ島「なくなったもう一つのボトルって何よ?」

苗木「あのボトルの中のモノクマはそれぞれチェスの駒を持っているんだ。全部で六つあって、
    床に落ちていたのはナイトと一番端に置いてあったと思われるキングだね」

石丸「ああ。僕は掃除の時確かに順番に並べた。それは間違いない」

桑田「本当は葉隠が二回殴ったんじゃねーのか? トドメを刺すためにさ」

セレス「ですが、先程凶器はハンマーということになったのでしょう?」

大和田「最初にボトルを掴んだ時、勢い余って隣りのも落としただけだろ」

舞園「落ちていたのは隣りのボトルではなく端のボトルですよ?」

大神「きっと葉隠が逃げる時ぶつかって落としたのだろう」

朝日奈「そうだよ。葉隠ってそそっかしいし!」

葉隠「逃げる時にそんなヘマはしないべ! 俺だって伊達に逃げ回ってねえんだ!」

石丸「葉隠君は変な所で冷静だからな……それにボトルを割ったことを隠しておく動機もない」

苗木「となると、何で割れたんだろうね?」


438: 2016/04/14(木) 21:51:40.70 ID:Abnvuo820

霧切「後から誰か来たんじゃないかしら? 倒れている山田君に驚いて手が
    ぶつかってしまった。……或いは、娯楽室の中に既に誰か隠れていたとか」

大和田「そう簡単に隠れるって言われてもな。例えばどこだよ?」

霧切「自分で言っていたじゃない。ビリヤード台の後ろよ。慌てていたか、或いは突然の
    出来事に動揺してビリヤード台にぶつかり、その衝撃で端のボトルが落ちてしまった」

十神「辻褄は合うな」

桑田「じゃあそいつが犯人か!」

朝日奈「でもさぁ、やっぱり葉隠が落としただけかもしれないよ?」

腐川「こいつの発言に信憑性なんてカケラも感じられないわ!」

葉隠「否定できねえのがツラいところだべ」ウンウン

桑田「いや、そこは否定しろよ……」

葉隠「とにかく、俺は山田っちを殴った後【一目散に逃げた】んだって!
    モノクマボトルは勿論、他に何も触ってないし何もしてねえべ!」

K「一目散に逃げた、か」

霧切「…………」


KAZUYAと霧切の顔が少し強張っている。


苗木「ねえ、葉隠君――また嘘ついてない?」

葉隠「は? う、嘘……?! 何を根拠にそんなこと言ってんだ!」


コトダマを選べ!

コトダマリスト>>144-145

↓2

473: 2016/04/24(日) 23:27:27.15 ID:OQERjJAN0

【血文字の書かれた雑誌】


苗木「葉隠君、この雑誌に見覚えあるよね?」

葉隠「…………」

大神「その雑誌がどうかしたのか?」

苗木「この雑誌の中に血で書かれた文字があるんだ」

腐川「山田のダイイングメッセージってこと? だ、誰よ! 誰なのか早く言いなさいよ!」

舞園「それがですね……」

石丸「カタカナで十神君の名前が書いてあったのだ! しかし、
    セレス君の証言もあるしきっと何かの間違いだろう」

葉隠「間違い?! そんなわかりやすいシャイニングメッセージがあるんだから
    十神っちが犯人に決まってるべ! 俺の推理は三割当たる!」

セレス「シャイニングではなくダイイングですわ……」

江ノ島「輝いてどうすんのよ……」

十神「ふざけるな! この俺がこんなトリックのカケラもないチープな事件を起こすか!」

苗木「そこ、怒る所なのかな……」

霧切「……葉隠君。あなた、そろそろいい加減にしてくれない?」


霧切の目が完全に据わっていた。声も1トーン低い。


葉隠「ヒッ! 霧切っちがいつになくマジギレモードだべ……」

霧切「さっきから思っていたけど、あなた私達に問いただされたこと以外
    何一つ本当のことを話していないじゃない……!」

葉隠「うっ……それは……」


474: 2016/04/24(日) 23:40:25.25 ID:OQERjJAN0

霧切「裁判のルールを忘れたの? 仮にあなたがクロでないなら、
    私達が投票を誤った場合あなたもオシオキを受けるのよ?」

K「正直に言え。……この雑誌のダイイングメッセージ、本当はお前が書いたんだろう?」

桑田「マジで?!」

セレス「何故そんなことがわかるのです?」

苗木「だって、山田君の体はラックから離れてたから雑誌をラックに戻したのは犯人でしょ?
    でも、普通自分の名前が書かれた雑誌をただ戻す? 名前の部分を破るなりして処分しない?」

十神「この場合犯人は俺ということになるが、俺ならその部分だけ破ってトイレに流すな」

K「十神以外の人間ならわざわざ雑誌を隠す必要はないだろう。事件の撹乱になるからな」

霧切「かと言って第三者が、目につかない場所にダイイングメッセージを
    偽装しても意味がないわ。普通はわかりやすい場所に置いておくはずよ」

石丸「ムム……つまり、第三者にとって都合が悪いから急いで雑誌を隠した、と言うことになるのか?」

朝日奈「でも、なんで都合が悪いの?」

十神「決まっている。第三者は葉隠に罪を被せるつもりだったからだ。葉隠は実際に山田を襲っているし、
    頭が悪いから捜査したらすぐにボロが出る。この俺に罪を被せるよりもよほど安全だ」

腐川「さ、流石白夜様だわ! 名推理です!」

桑田「まあ、確かに……十神より葉隠の方が楽だろうな。俺でもそうするわ」

大和田「そうだな」

朝日奈「そうだね」

葉隠「オメエらひどいべ!」

石丸「仲間を悪く言うのはよしたまえ!」

セレス「わたくし、その仲間に刺されたのですが」

K「ゴホン! 話を戻すぞ。それでどうなんだ、葉隠。まだ嘘を言うならみんなお前に投票すると思うが」


KAZUYAは厳しい目で隣の葉隠を見下ろす。


475: 2016/04/24(日) 23:50:12.82 ID:OQERjJAN0

諦めの悪い葉隠も流石にKAZUYAを敵に回す訳にはいかず、とうとう観念した。


葉隠「……そうだ。俺が書いた。気が付いたら山田っちが倒れて頭から血が出てて、
    必氏だったんだべ。とにかく誰かになすりつけねーとって」

朝日奈「サイテー……」

腐川「クズの思考ね!」

モノクマ「あれ? でも腐川さんも事件を撹乱しようとしてなかったっけ」

腐川「だ、だって! やったのはアイツであってアタシじゃないもの!!」

モノクマ「あー、さいですか」

石丸「ム、ムムッ! みんな、大発見だぞ!」

江ノ島「え、なに?!」

石丸「葉隠君の後に雑誌を隠した第三者が存在した! つまり、葉隠君は犯人ではなかったのだ!」

大和田「えーっと……ああ、そうだな」

朝日奈「ホントだ! 大変だよ! また別の人が!」

葉隠「これでやっと俺の無実が証明されたべ!」

不二咲「う、うん! 真犯人を見つけなきゃね!」

桑田「不二咲、気を遣わなくていいぞー」

腐川「馬鹿は放っておきなさいよ……で、次は何を話す訳? もう話せることなんて……」

石丸「やはりアリバイではないか? アリバイのある人間は犯人にはなりえないだろう?」

苗木「僕、先生、桑田君、石丸君、大和田君、不二咲君の六人はずっと保健室にいたし、
    誰もトイレに行ったりもしなかったからアリバイは成立でいいよね?」

桑田「早めに集合して遊んでてほんと良かったわ……」


477: 2016/04/25(月) 00:04:39.33 ID:jkt0BSGb0

石丸「いつものように夜時間ギリギリまで粘って掃除していたら、
    僕は事件に巻き込まれていたかもしれなかったな……」

K「葉隠は娯楽室だ。十神はどこで何をしていた?」

十神「図書室だ。いい加減言わなくともわかるだろう? 頭に脳が詰まっているならな」

舞園「私と朝日奈さんは私の部屋でお泊り会の準備をしながらお喋りしていました」

霧切「私も手伝っていたけど、何度か部屋を出たからアリバイにはならないわね」

大神「我も霧切と同じだ。何度か出入りをしていた」

腐川「アタシは部屋で支度してたわ。お泊り会なんて初めてだから、何が必要かわからなかったし……」

江ノ島「アタシもおんなじ感じ。校舎には行ってないよ。……証明はできないけどね」

K「君達はいい。俺が一番聞きたいのは君だな、安広」

朝日奈「あ、そっか。セレスちゃんは三階にいたんだよね。そんなところでなにしてたの?」

セレス「わたくしは途中までは部屋で支度をしていたのですが、お泊り会で使おうと
     思っていた愛用のトランプを娯楽室に忘れてしまったことに気が付きまして」

セレス「夜時間になる前にと慌てて取りに言ったら、事件に巻き込まれてしまったのです……」

K「まとめるとこういうことになるな」


アリバイあり→KAZUYA、苗木、桑田、石丸、大和田、不二咲、舞園、朝日奈

アリバイなし→葉隠、十神、霧切、大神、腐川、江ノ島、セレス


苗木「それにしても……」

K「どうした?」

苗木「はい。その、前の事件の時は突発的だったからアリバイとか考えてないのは仕方ないと
    思います。でも今回、山田君ははわざわざ呼出状で時間を指定してますよね?」

苗木「みんなが夜に集まるってわかってる時に事件なんて起こしたら、大幅に容疑者が減って
    自分が不利になるのに何で今日にしたんだろうって……現に半分も容疑者から外れてるし」

大和田「そうだよな……別の日の夜中か早朝に呼び出せば誰もアリバイなんてねえのによ」

不二咲「ヘタしたら、自分以外の全員にアリバイがあった可能性もあるよね……」


478: 2016/04/25(月) 00:13:58.98 ID:jkt0BSGb0

[ 疑惑① ]

江ノ島「単にそこまで考えてなかったから……とかじゃダメだよね」

不二咲「【その日以外だと不味い理由があった】とかかな?」

腐川「不味い理由って何よ?」

大和田「<とにかく急いで金が欲しい理由があった>とかどうだ?」

石丸「実は僕達が気付かなかっただけで、外に出たくて限界だったのかもしれないな……」

朝日奈「そんな風には見えなかったけど」

セレス「お待ち下さい。アリバイが出来るのは全員が集合してから。つまり、その前の
     時間は空白となりますわ。その間に全て終わらせるつもりだったのでは?」

桑田「九時半に呼び出せば、まあ開始までに<ギリギリ間に合わなくもない>よな」

大神「うむ。多少遅れる可能性もあるが、【少しなら問題ない】だろうしな」


適切な台詞を適切なコトダマで撃ち抜け!
コトダマリスト>>144-145

↓2


481: 2016/04/25(月) 00:41:50.50 ID:7JJYSLFgO
乙!

安価なら【少しなら問題ない】に【苗木の証言】

509: 2016/05/06(金) 01:00:15.78 ID:Ff9H2dCt0

【苗木の証言】 ドンッ! ====⇒ 【少しなら問題ない】BREAK!!


苗木「それは違うよ! 山田君はちゃんと時間通りお泊り会に来るって言ってた。
    もし集合時間に遅れる可能性があるならそんなことは言わなかったと思う」

腐川「ひ、人を頃してから平然と参加するつもりだった訳ね。なんてサイコな奴なの……!!」

舞園「ですが、もし抵抗されたりして計画が失敗したらどうするつもりだったのでしょう?
    隠蔽工作や移動時間などを考えたら、三十分では不安がありますよね?」

K「……いや、アリバイ的にその時点ではまだ殺さないつもりだったのではないか?」

江ノ島「どういうこと?」

霧切「呼出状で、葉隠君には遅刻をするよう指示してある。これで、
    葉隠君が失踪してもすぐには捜索されず猶予が出来るわ」

苗木「すぐには殺さないで、しばらくどこかに隠しておくつもりだったのかも」

十神「それが何だと言うんだ。猶予が出来ても結局部屋を抜け出せばアリバイが成立せず疑われる」

K「……それは怪しい行動をしていたもう一人の人物に直接聞いてみた方がいいかもしれんな」

不二咲「怪しい行動?」

K「いるだろう? 事件発生前後、この中で一人妙な行動を取っていた者がいたはずだ」


指名せよ!

↓2


511: 2016/05/06(金) 16:35:16.68 ID:ckzwu6HyO
セレス?

516: 2016/05/08(日) 23:14:02.24 ID:hzC7Tro90

腐川「あ、怪しいって言ったらやっぱりセレスじゃないの……?
    あんな時間になんで一人で校舎にいたのよ!」

セレス「…………」

腐川「な、なんで何も言わないの……? えっ、え?! まさか、正解……?!」

苗木「セレスさん……」


全員がセレスを注目する。


セレス「……何故わたくしが怪しいと? わたくしはただ、忘れ物を取りに行っただけですわ」

K「では逆に聞かせてもらおう。君のトランプは倉庫に置いてあるものと同じだそうだな。
  だったら倉庫に取りに行けばいい。動機配布後の、それも過去に不審者が現れた校舎に
  危険を顧みず一人でのこのこ行ったのは何故だ?」

K「君は馬鹿ではない。モノクマの動機がどれほど重い意味を持つかわかっているはずだ。
  金目当てで人を頃す人間などいないなどと、高を括るタイプではないと思うのだが?」

セレス「…………」

「…………」

霧切「黙っていてもあなたが不利になるだけじゃないかしら、セレスさん?」

K「…………」

セレス「…………」


KAZUYAとセレスの視線が宙空で激しく交錯する。



517: 2016/05/08(日) 23:23:38.65 ID:hzC7Tro90

セレス「……ハァ、よろしいですわ。このまま黙っていても疑われるだけのようですし、裁判の
     ためにもここは正直にお話しましょう。……どうせ既に頓挫した計画ですからね」

石丸「計画だと? どういうことだね?」

セレス「単純明快なことです」


クスリと、恐ろしい微笑を浮かべてセレスは平然と言い放った。


セレス「――わたくし、実は山田君と手を組んでいたのですわ」

大和田「ハ? 手を組むって……共犯っつーことか?」

江ノ島「え、ちょっと待ちなさいよ。共犯しても出られるのは直接頃した一人だけじゃなかった?」

桑田「ああ。だから、共犯はないって前の裁判でも言われてたよーな……」

セレス「それは、氏人が一人の場合でしょう?」

苗木「まさか……!」

霧切「やはり、そういうことなのね……!」

セレス「ええ。二人頃して、わたくしと山田君の二人が犯人になる計画だったのです」

「ハァッ?!!」

K「…………」


518: 2016/05/08(日) 23:33:22.29 ID:hzC7Tro90

一瞬場が静寂となり、次の瞬間津波のようにざわめきが押し寄せる。


大神「ム? その場合どういう扱いになるのだ、モノクマ?」

モノクマ「ワーオ、面白いこと考えてたんだねぇ。その場合、被害者ごとに投票することになるかな。
      二回投票して、無事みんなを欺いた方のクロだけ外に出られるよ」

腐川「でも、それじゃあ犯人以外全員オシオキのルールはどうなるのよ……!」

十神「投票をミスした場合オシオキされるのはシロだけだ。そして、殺人を犯した者はクロとなる」

K「つまり、両方外せば理論上二人同時に脱出出来るということか……」

石丸「これでは、共犯は有り得ないという今までの理論が成り立たなくなってしまうぞ?!」

モノクマ「ルールの隙を突いたんだね。いいよいいよー! そういうの大好きだよ、ボク!」

大神「何と狡猾な……」

朝日奈「ちょ、ちょっと待ってよ。じゃあ、二人も頃すつもりだったの?! 一体誰を?!」

十神「一人は事前に拉致した葉隠。そしてあともう一人だな」

大和田「なんつーヤツラだ!!」

セレス「脱出するには他の全員を道連れにするのですよ? 一人頃すも二人頃すも同じでしょう?」

葉隠「ふ、ふざけんなあああ! 俺を殺そうだなんて……!!」

K「気持ちはわかるが落ち着け。今は彼女に聞かねばならんことがある」

セレス「具体的な計画についてですか? 先生達の予想通り、あの場で葉隠君を頃すつもりは
     ありませんでした。眠らせて一時的に隠しておくつもりだったのです」

大神「……もう一人は誰を頃すつもりだったのだ?」

セレス「殺せそうな相手なら誰でも良かったのですが、山田君の要望で桑田君となりました」

桑田「ハァアア?! 俺?! なんでだよ……?!!」


519: 2016/05/09(月) 00:07:58.91 ID:Cmr5Dbzk0

一瞬憤慨で赤くなりかけた桑田だが、何かに思い当たり一瞬で血の気が失せた。声が震える。


桑田「まさか……俺がアイツのこと、よくブーデーっつってからかってたから……?」


しかし、桑田の心配はセレスによって即座に否定された。


セレス「違いますわ。太っていたのは事実ですし、それは明らかに彼の自己管理の杜撰さが
     原因ですから。元々運動神経の良いあなたのことを羨んでいた節がありますが……」

セレス「――この中であなたが一番変わったからじゃないですか? 彼は変われない人間でしたから」

桑田「…………」


尚も蒼白な桑田の様子を知ってか知らずか、セレスは淡々と続ける。


セレス「計画の概要はこうです。全員が集まることを逆手に取り、片方がアリバイのある時を
     狙ってもう一人が犯行を行う。凶器を同じ物にして同一犯に見せかければ……」

セレス「――必然的に両方のアリバイがない十神君が犯人、ということになります」

霧切「成程ね。あなた達は十神君がお泊り会に参加しないことも織り込み済みだったって訳」

セレス「当然ですわ」

腐川「な、なんてふてぶてしいヤツらなの!!」

朝日奈「酷いよ! あんまりだよ!」

不二咲「セレスさん、そんな……」

大和田「腐ってやがる!」

十神「まさか、この俺を犯人に仕立てあげようとする奴がいるとはな……!」


521: 2016/05/09(月) 00:23:08.80 ID:Cmr5Dbzk0

ほとんどの人間はこの悪辣極まりない殺人計画者に憤慨しきっていたが、意外にも
十神はいつもの不敵な笑みを崩さないままだった。むしろ感心しているようにさえ見える。


K「安広の糾弾は裁判が終わってからでも出来る。今は議論を優先しろ!」

霧切「……あのマスクはどこで手に入れたの?」

セレス「モノモノマシーンでわたくしがたまたま手に入れたのです。その時、あのマスクで
     葉隠君の気を引き、わたくしが後ろから気絶させるという計画が浮かんだのですわ」

セレス「不審者云々は葉隠君の注意を引くための単なるでまかせでした。最大の誤算は、
     葉隠君が山田君を襲ってしまったために彼を気絶させることが出来なかったこと……」

セレス「なので、わたくしは慌ててその場から逃走しようとしたのです」

苗木「その時にモノクマボトルを落としてしまったんだね?」

セレス「ええ。皆さんの推理通りビリヤード台の後ろに隠れていたのですが、驚きのあまり
     ぶつかってしまったのです。その振動で端のボトルが落ちてしまったのでしょう」

セレス「わたくしとしたことがつまらないミスですわ。その上、まさか見つかって刺されるとは……」

葉隠「あ、あう……」


記憶がハッキリしてきたのか、葉隠の顔面は蒼白としている。


苗木「その時、何か見かけたり気付いたことはなかった?」

セレス「特に何も。保健室に皆さんがいることは知っていましたから、葉隠君が
     いなくなるまで氏んだフリをしてその場を凌ぎ、とにかく必氏に向かいました」

朝日奈「それだけ?」

セレス「はい。それだけです」

桑田「……あれ? じゃあなにも進展してなくね?」

石丸「またかね! 葉隠君の時もこんなやり取りがあったぞ?!」


522: 2016/05/09(月) 00:34:39.62 ID:Cmr5Dbzk0

江ノ島「こいつがとんでもない女だってわかっただけだったね」

腐川「どいつもこいつも役に立たないわね! 手掛かりの一つや二つ、目撃しときなさいよ……!」

セレス「無茶を言わないでください。わたくし、刺されましたのよ? ただ一つだけ……」

K「何だ?」

セレス「凶器のハンマーですが、あれは護身用に山田君が元々持っていたのです。なので、
     娯楽室に来た人間がそれを使ってトドメを刺した……という可能性は考えられます」

苗木「そうか。そうなるとわざわざ美術準備室までハンマーを取りに行く手間が
    省けるんだね。凶器を取ってきて準備室に戻すと二回往復することになるし」

朝日奈「じゃあさ、アリバイのない人だったら誰でも今回の犯行は出来たってこと?」

葉隠「誰がやったんだべ! そいつのせいで俺はエラい目に遭ったんだ!」

桑田「別に真犯人が明らかになっても、お前が人を殴って刺した事実は消えないけどな」

舞園「……あの、ハンマーって元々山田君が持ってたんですか? だったら、ハンマーが現場から
    なくなったことを言えば、葉隠君の他に第三者がいたって証明になったんじゃ……」

不二咲「葉隠君が犯人なら、わざわざハンマーだけ隠す必要ないもんねぇ」

葉隠「…………」


葉隠は腕を組んで難しい顔をしている。一部の人間の視線が冷たい。


K「……舞園、放っておいてやれ」

舞園「あ、はい」

霧切「アリバイのない残りのメンバーの話をもっと詳しく聞いてみた方が良さそうね」

K「同感だ。もう一度事件前後のことを聞かせてくれないか?」


523: 2016/05/09(月) 00:43:45.86 ID:Cmr5Dbzk0

[ 疑惑② ]


十神「何度も言うようだが、俺はずっと図書室にいたぞ。外で何度か階段を
    行き来するような<バタバタとした足音を聞いた>くらいだ」

十神「最後に一際大きい複数の足音が聞こえ、【その少し後に氏体発見アナウンスが流れた】。
    その後すぐに保健室に向かったら、中で苗木と不二咲が手術の準備をしていたな」

霧切「私は厨房に飲み物を取りに行ったり大浴場にいたわ。たまたま脱衣所から
    出た時にホールで血相を変えた桑田君に会って、一緒にみんなを集めたのよ」

腐川「部屋にいたらいきなりインターホンが鳴って保健室に来るようにって
    連れ出されたわ。セレスが刺されたと聞いてパニックになったわよ……」

舞園「私と朝日奈さんもです。二人で部屋にいたら呼び出されました」

朝日奈「ちょうどその時氏体発見アナウンスが流れて……」

桑田「その後江ノ島と大神の部屋のインターホン押したんだけど返事がなくてさ。
    待ってても仕方ないから、一旦俺達は保健室に戻ったぜ」

江ノ島「【部屋にいたら氏体発見アナウンスが流れたよ】。でも、シャワーを浴びてたから
     すぐには出れなかったんだよね。その後廊下に出て舞園の部屋のインターホンを
     押したんだけど、反応がなかったからアタシも保健室に行ったんだ」

大神「我も同じだ。【アナウンスが鳴った時は部屋にいた】が、江ノ島と同じく
    シャワールームにいたため出られなかった。すまなかったな」

葉隠「お、俺はもう言わなくていいんだよな?! 俺の容疑は晴れたんだよな? な? な?」



適切な台詞を適切なコトダマで撃ち抜け!
コトダマリスト>>144-145

↓2 おやすみ


525: 2016/05/09(月) 15:57:40.73 ID:Konax5iYO
大神の【アナウンスが鳴った時は部屋にいた】か?
葉隠の部屋の所で桑田と一緒のタイミングで放送聞いてた筈
だとすると使うコトダマは何だろう?

安価なら下

528: 2016/05/09(月) 20:19:42.32 ID:up5UvmyV0

>>525さんの指摘で重大なミスをしていたことに気が付いた。
アナウンス時はみんなもう外に出てましたわ……以下、差し替え版


[ 疑惑② ]


十神「何度も言うようだが、俺はずっと図書室にいたぞ。外で何度か階段を
    行き来するような<バタバタとした足音を聞いた>くらいだ」

十神「最後に一際大きい複数の足音と大声の会話が聞こえ、何か起こったと直感した
    俺はすぐさま保健室に向かった。中で苗木と不二咲が手術の準備をしていたな。
    【氏体発見アナウンスが流れたのは、その少し後だったか】」

霧切「私は厨房に飲み物を取りに行ったり大浴場にいたわ。たまたま脱衣所から
    出た時にホールで血相を変えた桑田君に会って、一緒にみんなを集めたのよ」

腐川「部屋にいたらいきなりインターホンが鳴って保健室に来るようにって
    連れ出されたわ。セレスが刺されたと聞いてパニックになったわよ……」

舞園「私と朝日奈さんもです。二人で部屋にいたら呼び出されました」

朝日奈「もうビックリしちゃって手分けしてみんなの部屋のインターホンを押してったよね」

桑田「江ノ島と大神はインターホン押しても返事がなくてさ。待ってても
    仕方ないしとにかく急いでたから、俺達はいったん保健室に戻ったぜ」

江ノ島「【インターホンが鳴った時、アタシは部屋にいたよ】。でも、シャワーを浴びてたから
     すぐは出れなかったんだよね。その後廊下に出て舞園の部屋のインターホンを
     押したんだけど、反応がなかったから変だと思ってアタシも保健室に行ったんだ」

大神「我も同じだ。【インターホンが鳴った時は部屋にいた】が、江ノ島と同じく
    シャワールームにいたため即座に出られなかった。すまなかったな」

葉隠「お、俺はもう言わなくていいんだよな?! 俺の容疑は晴れたんだよな? な? な?」


↓1

535: 2016/05/11(水) 15:33:19.73 ID:MKFHHY9so
大神の【インターホンが鳴った時は部屋にいた】に【朝日奈の証言】かな?
桑田達はインターホン鳴らしてすぐ移動してるのに大神は保健室に先回りしてる
建物の構造上、桑田達とすれ違わずに保健室向かうのは無理だったはず

安価なら【インターホンが鳴った時は部屋にいた】に【朝日奈の証言】

543: 2016/05/15(日) 22:47:16.47 ID:4ttB0aCi0

【朝日奈の証言】 ドンッ! ====⇒ 【インターホンが鳴った時は部屋にいた】BREAK!!


苗木「それは違うよ! ……ねえ、大神さん。どうして校舎にいたこと黙ってたの?」

大神「……!」

朝日奈「どういうこと?」

苗木「だって大神さん、インターホンが鳴った時は部屋にいたんでしょ?
    だったら、朝日奈さん達より前に保健室にいるなんておかしいよ」

霧切「寄宿舎のホールや廊下には桑田君達がいた。保健室に行く道は一つしかないから、
    大神さんが先に保健室に行くにはどこかで彼等とすれ違わなければならないわ」

大神「!」

十神「俺が図書室から来た時、大神はちょうど保健室に入っていく所だったな」

朝日奈「そ、それは疑われると思ったからだよ! 何か用事があったんだよね……?」

大神「…………」

霧切「本当は、校舎のどこで何をしていたか教えてもらおうかしら?」

大神「……体育館にいた。トレーニングをしていたのだ」

K「保健室に来たのはアナウンスが鳴るより前だな。何故保健室に?」

大神「我は格闘家故、聴覚は常人より良い。外が騒がしかったので様子を見に行ったのだ」

大和田「だったらなんで最初にそう言わねえんだよ!」

朝日奈「だから、疑われると思ったからって言ったでしょ!!」


544: 2016/05/15(日) 23:06:10.89 ID:4ttB0aCi0

顔を真っ赤にして朝日奈が怒鳴るが、対照的に大神は沈黙を守っていた。


大神「…………」

朝日奈「な、なんでなにも言ってくれないの、さくらちゃん……?!」

葉隠「オーガがやったのか? 山田っちを……」

朝日奈「ち、違うよね? そうだって言ってよ!」

大神「我は……」

朝日奈「さくらちゃんっ!!」

K「…………」

「大神は犯人ではないぞ。そして俺は既に犯人の目星がついている」

「?!」


その声の主が余りにも予想外過ぎて、誰もが驚愕に目を見開きながら
そちらを凝視する。視線の先にいたのはKAZUYAでも霧切でもない。

自信満々の不敵な笑みを浮かべながらそこにいたのは、そう――


十神「……ククッ、そろそろ俺の推理を披露する時が来たようだな?」

苗木「犯人がわかったの、十神君?!」


545: 2016/05/15(日) 23:23:22.82 ID:4ttB0aCi0

―― 十神だった。

場を引っ掻き回すイメージが強すぎるためか、何人かは既に悪意を込めた眼差しで彼を見ている。
確かに、案の定この後の彼の発言はKAZUYA達を大いに苦しめる羽目になるのだが。


十神「当たり前だ。元々疑ってはいたが、今までの議論でほぼ確信している」

K「…………」

江ノ島「また犯人目撃して黙ってたんじゃないでしょうね!」

大和田「現場を荒らしたんじゃねえだろうな?」

不二咲「決め付けは良くないと思うよぉ……」

十神「チッ! ……安心しろ。今回の事件は完全にノータッチだ」

桑田「いや、そんなこと言っておめーが犯人なんじゃねーの?」ボソッ

舞園「まあ……一応話を聞いてみましょう」

葉隠「そ、それで真犯人は誰なんだべ! さっさと教えてくれ!」

十神「その前に一つモノクマに確認しておくことがある。もし複数の
    人間が同じ人間を襲った場合、どちらがクロになるんだ?」

モノクマ「そりゃあ勿論、トドメを刺した方がクロだよ」

十神「では、もし誰かに致命傷を与えた後、そいつが氏ぬ前に別の人間がトドメを刺した場合は?」

モノクマ「トドメを刺した人間、つまり最後に傷付けた人がクロだね!」

十神「よし、確証が取れたな」



十神「それではこの俺自らが、愚民の貴様等にもわかるよう説明してやろう」


546: 2016/05/15(日) 23:32:56.68 ID:4ttB0aCi0



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



               裁     判     中     断



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



565: 2016/05/22(日) 21:31:38.20 ID:ssm90JVM0

チャ~ラ~チャチャチャ~ン♪(例のBGM)


― モノクマ劇場 ―


モノクマ「真実を知りたいって馬鹿の一つ覚えみたいにみんな言うけれど、それで得た真実が
      自分にとって都合の悪いものだとやっぱり知らなければ良かったとか言うんだよね」

モノクマ「例えば、仲の良かった人に裏切り行為をされてたとか自分一人外されてたとかさ」

モノクマ「真実っていうのは、どんなに重くて残酷な内容でもそれを受け止める
      覚悟がある人間しかボクは知る権利はないと思うんだよ」

モノクマ「……ま、覚悟があろうがなかろうが真実を知る羽目になっちゃう人間もいるんだけどさ」

モノクマ「十神君のトンデモ推理がこの後どんな影響をもたらすのか楽しみだね!」

モノクマ「え? なんでトンデモ推理ってわかるかって?」

モノクマ「だって十神君だもん。本人に当てる気があるのかもはや怪しいし」


モノクマ「以上、モノクマでした。裁判の続きはこの後すぐ~」


566: 2016/05/22(日) 21:49:02.56 ID:ssm90JVM0

十神「そもそもボトルもハンマーも結果的に言えばフェイクだ。葉隠は山田をボトルで殴り
    偽装工作を行った後、戻る際に逃げようとしたセレスと遭遇し、ナイフで刺して逃亡」

葉隠「すみません……」

十神「その後、たまたま通りかかったか元々山田の動きを知っていた第三者が
    置いてあったハンマーに気付き殺害。これで事件は完結したかに思われた……」

K「……まさか、続きがあるというのか?」

十神「山田はまだ氏んではいない。つまり氏ぬ前に手をかければそいつが真犯人、今回の
    クロということになる。モノクマファイルに妙な記述があることに気が付かなかったか?」

セレス「針で刺されたような傷、ですか?」

不二咲「僕も気になってたんだよね。なんであんな所に針の痕があるんだろう?」

K「あれは注射痕のように見えたが……」

朝日奈「注射のあと? なんで?」

石丸「まさか……真犯人が山田君に注射をしたのか?」

十神「そうだ。真犯人は漁夫の利を狙い、山田が保健室に運ばれた後毒を詰めた注射器で山田を刺した。
    ……だが、ドクターKは犯人じゃない。不二咲にしろ山田にしろ頃すチャンスは散々あったからな」

十神「頻繁に保健室に出入りをし、ドクターK以外で注射技能を持つ人間――」

十神「石丸は不二咲の事件の時、すぐ逃げればいくらでも誤魔化せたものを愚かにも
    叫び声をあげて人を呼び集めた挙句、自白した。この腰抜けに人は殺せないだろう」

十神「そうなると、誰が残る?」

江ノ島「誰がって……」

舞園「まさか……」


全員がその人物の方に視線をやる。


567: 2016/05/22(日) 22:02:47.19 ID:ssm90JVM0




十神「そう――苗木誠、貴様が真のクロだ!」




「…………」

「…………」

「…………は?」

苗木「え……ぼ、僕?」

朝日奈「苗木、なの……?」

江ノ島「ええっ?!」

大神「馬鹿な!」

葉隠「そうか、苗木っちが山田っちを……!」

苗木「いや、違うよ! 僕じゃない!!」


苗木は青ざめ、同意を求めるように周囲の顔を順に見ていく。


石丸「当たり前だ! 苗木君が犯人である訳がない! 苗木君は僕と一緒に人を救う
    医師になろうと決意した人間だぞ! その苗木君が人を頃すなど有り得ない!」

石丸「馬鹿も休み休み言いたまえ!!」


568: 2016/05/22(日) 22:18:01.90 ID:ssm90JVM0

桑田「苗木はそんな人間じゃねえよ! ふざけんな、バーカ!」

大和田「兄弟の時と言い、そろそろテメエは本気で痛い目見た方が良さそうだな……!」

舞園「苗木君ではありません。苗木君のはずがありません!」


彼等の悲痛な擁護も、氷のような十神の心に響くはずもない。


十神「感情論で話すな、愚民! 腐川の時もそうやって騒いでいたのを忘れたのか?
    人畜無害な顔をして他人の手柄を横取りとは全く恐ろしい男だ」

葉隠「そうだべ! いい人ぶっても裏で何してるかはわかんねえぞ!」

苗木「……葉隠君にだけは言われたくないんだけど」カチン

霧切「つまり、十神君は三人の人間がそれぞれ別々に山田君を殺そうとしたと主張する訳ね?」

十神「そうだ。複雑難解な事件だったが、真犯人は誰かという観点だけで見れば答えは存外シンプルだな」

十神「苗木は事件の晩はアリバイがあるが、それを逆手に取ったのだ。これなら手術中や手術後に
    隙を見て実行出来る。苗木は西城や他の人間達からえらく信用されているからな。簡単だろう」

K「お前の推理では注射で毒を、とのことだが……その毒は一体どこから
  手に入れたんだ。化学室の棚は俺が厳重に管理しているぞ?」

十神「フン、別に本物の毒を用意しなくとも良い。家庭の中には人体に
    有害な物など腐る程ある。洗剤や化粧水なら倉庫でも手に入るだろう」

K「……そんな物を重傷者の体内に入れたら体調が急変すると思うが」

十神「甘いな、ドクターK。何の前触れもなく突然体調が急変したら近くにいる人間が
    疑われるに決まっている。だから急に悪化しないよう非常に微量ずつ投与したのだ」

セレス「病院でしたらちょっとした異常もすぐ検査で発覚しますが、ここは血液検査も出来ませんからね」

十神「そういうことだ。注射器は使用した後洗ってしまえば証拠も残らない」


569: 2016/05/22(日) 22:50:34.57 ID:ssm90JVM0

腐川「い、医療の知識を悪用するなんてとんだ悪党ね!」

苗木「だから、違うってば!」

十神「違うというなら証拠を見せろ。ないなら投票だ」


場が静まる。半数は無茶苦茶だと思ったが、反論は出来ないのだった。


苗木(十神君……)


ちなみに、当然だが苗木は真犯人ではない。十神の推理は完全な的外れである。
しかし客観的に見たら筋は綺麗に通っており、大きな穴もないのだ。

苗木はかつて図書室で十神と対峙した時のことを思い出していた。


『貴様程度の浅はかな小細工が通用すると思うか? はっきり言え。俺を見張りに来たと』

『十神君に用があるのは確かだけど、見張りに来た訳じゃないよ。……話がしたくて』

『俺は話すことなどない』

『……そうだね』

             ・

             ・

             ・

『……お前は何だ?』

『え?』

『ここにいる愚民達の中でも、更に何の才能も可能性もなくどうしようもないお前が何を足掻く?』


570: 2016/05/22(日) 23:10:39.55 ID:ssm90JVM0

             ・

             ・

             ・


『それでもいいよ。誰かを、自分にとって大切な人達を頃すくらいならさ――』

『……お前達と話していると俺の頭がおかしくなる』


             ・

             ・

             ・


『――いいだろう。凡人にも意地があると言うのなら、最後まで足掻いてみせろ』


苗木(そうだ。思い出した。一緒に何かするんじゃなくて、たとえ敵対してでも正面から
    向き合うことが十神君と本当の意味で仲間になるということなんだ)

苗木(これは十神君からの挑戦なんだ。僕が犯人じゃないとか、そういう問題じゃない。
    何とかしてこの場を切り抜けないといけないんだ。でも、どうやって?)

苗木(僕は凡人で、特に秀でた才能もなくて、みんなの話を聞いたり仲裁したり
    仲良くなることくらいしか出来なかったのに……)


考え込んでいる間に、議場は再び混乱の渦と化していた。


571: 2016/05/22(日) 23:24:42.59 ID:ssm90JVM0

朝日奈「は、葉隠だよ! 苗木がそんなことするように見えないし、葉隠は一度殴ってるんでしょ?!
     きっと、偽装工作してる時にハンマーに気が付いてトドメを刺しちゃったんだよっ!」

桑田「お、おお! そうだな! それなら特に矛盾もないし。穴はなんか偶然ついただけだろ?!」

大和田「よし、俺は葉隠に入れるぞ!」

葉隠「俺じゃねえ! 違うって!!」

十神「いい加減にしろよ、愚民共! くだらん感情論で人を巻き添えにする気か?」

朝日奈・桑田・大和田「…………」

石丸「ど、どうすればいいのだ? 苗木君が犯人ではないのはわかっているが、
    だが……本当に葉隠君で良いのか……?」

不二咲「ど、どうしよう……? 誰に入れればいいの?」

腐川「苗木、かしら? 白夜様がそう言ってる訳だし……アタシは苗木に入れるわ」

セレス「明確な反証がない以上、わたくしも十神君の推理を信じますわ」

大神「ムゥ、一体どちらが真実なのだ……?」

江ノ島「苗木はそういうキャラじゃないと思うけど、反論もできないし……」

モノクマ「では投票と行きますか!」

苗木「待ってよ! 本当に僕じゃないんだ! 信じて!!」

K「クッ……!」


彼等に絶体絶命のピンチが訪れる――!


610: 2016/06/06(月) 00:40:41.01 ID:k1Vk0cRG0

どうする? どうする……? 一体どうする?!


苗木(どうすればいいんだ?!)


焦燥だけが音を立てて加速していく。

このままでは、投票が行われてしまう。苗木を選んだら勿論不正解だ。
かと言って、葉隠を選んでも恐らくは不正解だろう。

反論するしかない。しかし、反論の材料がない――!


モノクマ「どうする? 投票タイムにする?」

十神「そうだな。俺はそれで構わないが?」

霧切「待ちなさい! まだ投票には早いわ!」

十神「なら、反論してもらおうか。出来るのならな?」

霧切「…………」ギリッ!

十神「では、反論もないようだしこれで……」





K「俺が執刀する!!」


            反論ッ!!



611: 2016/06/06(月) 00:53:34.90 ID:k1Vk0cRG0

十神「何ッ?!」

K「苗木ではない。何故なら……」



K「――俺がやった!!」



「?!?!!」


突然の告白に再び議場が混乱の坩堝と化す!


石丸「せ、先生ッ?!!」

苗木「KAZUYA先生?!」

朝日奈「嘘でしょっ?!」

霧切「何を、馬鹿なことを……?!」

K「……と言ったら、お前達はどうする?」

腐川「へ?」

十神「……!」

K「現段階では俺も石丸も容疑者のままだ。だから犯人は絞れず、投票は認められん!!」

苗木「先生……(そういうことか……)」

石丸「そ、そうだ! 僕だって犯人かもしれないぞ?!」

K「どうだ? 反論出来るか?」

十神「ふざけやがって……」


612: 2016/06/06(月) 01:10:36.85 ID:k1Vk0cRG0

怒りのあまり十神の眉間には深々とした青筋とシワが浮かぶ。


霧切「絶対違うと断言出来ない以上、今の推理は決め手に欠けるわ。
    断定出来る証拠がないなら投票すべきではないわね」

大和田「そ、それに毒をぶち込むんならなにも血管じゃなくたっていいだろ?!
     ただ薬詰めて適当に刺す程度なら俺だって出来るぞ!」

不二咲「ぼ、僕だってそのくらいなら出来るよ!」

桑田「そうだ! 俺達保健室に入り浸ってたヤツは全員出来る。だから苗木じゃねえ!」

苗木「みんな……」

K「心配するな。俺達がついている」

K(少なくとも、このメンバーの中で苗木を疑っている人間などいないさ)

苗木(そうだ。忘れてた……僕は一人で戦っている訳じゃない!)


苗木には特別な才能はない。人より少し前向きなことだけが取り柄の平凡な人間だ。

――けれど、忍耐力とコミュニケーション力で少しずつ築き上げた人並み以上の人望があった。

自分一人ではどうにも出来ないことも、仲間が力を合わせれば解決出来る。
この学級裁判は個人の闘いではなく、あくまでチーム戦なのだ。


十神「……チッ。運の良い奴め」

苗木(十神君も、いつかわかってくれたらいいんだけどな)

腐川「じゃあやっぱり葉隠じゃない? 白夜様に罪を被せようとしたクズだし!」

葉隠「そ、そんなこと言っても……こっちだって生氏かかってるしな……」


613: 2016/06/06(月) 01:30:59.15 ID:k1Vk0cRG0

朝日奈「そもそもあんたが山田を殴ったりしなければこんなことにならなかったでしょ!」

葉隠「俺は真犯人じゃないってもう証明されただろ! いい加減しつけーぞ!!」


何度も責められ命の危機にも晒され、葉隠のストレスも限界だったのかダンッ!と席を殴った。


葉隠「大体なぁ、早く真犯人を見つけないとオメエラもオシオキなんだぞ?!
    わかってんのか? 俺は氏にたくねえ! オメエラももっと真剣に議論するべ!
    そんで散々人に迷惑かけたクロをさっさとオシオキしちまえばいいんだ!!」


盗っ人猛々しいと言うコトワザがあるが、謀略の結果とはいえ殺人未遂を
犯しておきながらとうとう逆ギレを始めた葉隠に、モノクマは思わず苦笑する。


モノクマ「あんだけ派手にやらかしといてこの言い草とは……
      君ってとんでもないクズだね。これには流石のボクも苦笑い」

十神「……そういえば、事件に直接関係のないことならモノクマは話せるはずだな」

江ノ島「山田の件はグレーとしても、ぶっちゃけセレスの件はどうなワケ?」

腐川「そうよね。セレスはもう全部話してる訳だし、気になるわ!」

モノクマ「お、知りたい? 知りたい??」

葉隠「え? お、おい……?!」サーッ


ちょっと前の威勢の良さはどこへ行ったのかというくらい、葉隠の顔が青ざめる。


モノクマ「しょーがないなー。じゃあ特別に皆様のご要望にお応えして……」


そう言うと、モノクマは葉隠がセレスを刺している瞬間の画面をモニタに映した。


モノクマ「ほら、ばっちり刺してるじゃない?」

「?!!」


614: 2016/06/06(月) 01:35:29.36 ID:k1Vk0cRG0

十神「刺してるな、グサリと」

セレス「刺されましたわ、グサリと」

朝日奈「この人頃しっ!」

江ノ島「クズ野郎!」

葉隠「あ、いや、その……」


流石の葉隠も決まりが悪かったのか、青ざめてダラダラと汗をかいている。


苗木「酷いよ、葉隠君……」

不二咲「心のどこかで、葉隠君じゃないって信じてたのに……」

霧切「……あなた、やっぱり嘘をついていたのね」

大神「もう擁護は出来んな」

K「…………」

葉隠「う、うわあああああああああああああああああああああああ!!!」

大神「何だ?」

石丸「葉隠君?!」

葉隠「嘘ついてなにが悪いんだ! 俺だって氏にたくねえし外に出たいべ!!」

大和田「テメエ……とうとう本性出しやがったな!」

葉隠「うるせえ! おめえらに俺が責められんのか?! 自分だって殺そうとしたくせによ!」

大和田「そ、それは……」


615: 2016/06/06(月) 01:44:23.29 ID:k1Vk0cRG0

桑田「追い詰められて逆ギレか?! ふざけんなよ! 今まではおめーがこうやって
    俺達を責め立ててきたんじゃねえか! お前に反論する権利なんてねえんだよ!」

石丸「み、みんな落ち着きたまえ! 今は裁判中だぞ! 彼が許せないのなら投票で決着をつけるべきだ!」

朝日奈「そうだよ! もうこいつが犯人でいいって!」

苗木「ま、待って! セレスさんの件はともかく、山田君の犯人はまだ確定してないよ!」

霧切「くっ……」

霧切(今までの議論から葉隠君が犯人である可能性はまずない。でも、犯人を特定出来る証拠が……!)

モノクマ「あらあら、葉隠君も相当嫌われてるねえ。今度こそ決まりかな?」

葉隠「ま、待ってくれぇー!! 俺が悪かった! いやだぁー!!」

セレス「自業自得ですわ。さようなら、葉隠君」

モノクマ「それじゃあ行きましょう!」

霧切「!」

十神「フン」

K「…………」


誰も気が付かなかった。

表向きは怒りを浮かべながら、――内心で【真犯人】が笑っているということに。


616: 2016/06/06(月) 01:50:12.09 ID:k1Vk0cRG0

K(俺は、どうしたらいい?)


KAZUYAは、自分の中で自問自答していた。それはこの裁判が始まる前も、
そして裁判の間もけして途切れることなく続けていた自問であった。

何度繰り返し自問をしても――KAZUYAの中での答えは同じだった。


K(……結局の所、既に俺の中で結論は出ているということか)

K(腹は決めた。あとは己の信じた道を突き進むのみ!!)


モノクマ「それでは」

モノクマ「投票ターイ……」





「待てッ!!!」



618: 2016/06/06(月) 02:03:48.15 ID:k1Vk0cRG0


「……え?」

「えっ?!」

「ハァ?!」

「またか!」



本日何度目かの待ったをかけ、もういい加減にしろという視線が彼に冷たく突き刺さる。

彼を信頼する生徒達でさえ、もうこれ以上の議論は不可能だと目で言っている。


だが、それでもKAZUYAは投票を止めなければならなかった。





K「俺の証明は、まだ終わっていないぞッ!!!」





全ての真相を明らかにするために――!




679: 2016/06/22(水) 21:42:11.44 ID:3iQnHTYX0


K「その投票、待ったッ!!」



桑田「せんせー?」

十神「またか……!」

葉隠「……お? おおおお! 先生は俺のことを信じてくれるんだな?! いやぁ、やっぱり頼りに……」

大和田「テメエは黙ってろ!」

舞園「先生?」

セレス「どういうつもりですの? 確かに一部不自然な状況もありましたが、結局第三者が
     誰かを証明する証拠もありませんし、現時点で最も真犯人に近い人物は葉隠君ですわ」

K「現在わかっている状況のうち、俺はどうしても一つ気になることがあるんだ」

苗木「気になること?」

K「今回の事件の一つ、安弘が刺された件は舞園の腹部刺創と同じだ」

K「しかし、ある点が妙だと思った」

不二咲「妙……?」


KAZUYAが妙だと感じたことは何か?

・現場の状況
・出血量
・傷口
・葉隠の髪型


正解が出ても出なくても、一定時間が経過したらオートで進みます。




680: 2016/06/22(水) 21:48:35.80 ID:6/UcF+hJo
出血量

681: 2016/06/22(水) 22:08:10.50 ID:3iQnHTYX0

K「俺が妙だと感じた点は……“傷口”だ」

石丸「き、傷口の一体何がおかしかったのですか? 素人から見ても普通の刺し傷に見えましたが」

K「傷自体はおかしくないさ。……傷自体はな」

十神「焦らすな。さっさと言え」



[ 傷口は語る ]


K「これが舞園のカルテ(>>118)。そしてこっちは安広のカルテ(>>121)だ。比較して欲しい」

葉隠「比較しろって言われてもな。おんなじに見えるべ」

十神「貴様の目はどこまで節穴なんだ。舞園は胃を貫通し、セレスは腸を切除している。
    すなわちこれは、<刺された場所が違うと言えるな>」

苗木「もしくは、【傷の深さかな】。セレスさんは腸を切除している訳だし」

朝日奈「腸を切除って大変だよね……しばらくご飯食べられないなんて私には耐えられないよ……」

石丸「ムム。形成外科等の例外もあるが、基本的に一針は大体1センチだ。舞園君の
    傷は15センチで、セレス君の傷は12センチ。つまり<大きさが違うな!>」

舞園「あとは<傷の向き>でしょうか。私の傷、西城先生の傷とお揃いなんですよ!」

大和田「そんな嬉しそうな顔で言うなよ。こええだろ……」

腐川「病んでるわね、こいつ……」

江ノ島「で、それがなんだっていうワケ?」


適切な台詞を適切なコトダマで撃ち抜け!
コトダマリスト>>144-145

間違っていてもいいので、思いついたことがあればガンガン書いてってくだしあ


682: 2016/06/22(水) 22:15:08.02 ID:TcHRymK+O
傷の深さにナイフ

683: 2016/06/22(水) 22:29:38.42 ID:3iQnHTYX0


【セレスのカルテ】 ドンッ! ====⇒ <傷の向き> 同意!!


K「それに同意だ」

霧切「縦の傷と横の傷……まさか?!」

K「お前達、自分が犯人になったつもりでナイフを構え、刺す動きをしてみてくれないか?」

江ノ島「ナイフを?」

大神「犯行を再現する、ということだな」

腐川「そ、それで一体何がわかるって言うの……?」

K「いいから全員やれ!」


片手で持ち明らかに素人ではない構えと動きをする江ノ島と、剣道のように
青眼の構えをして突きを放つ石丸以外は大体同じポーズになる。


K「そこだ! 止まれ!」

朝日奈「え、これでなにかわかったの?」


K「全員――刃の向きは“ 縦 ”、だな」


霧切・十神「!!」

K「さて、ここでお前達に問題だ。この中に怪しい人物がいることがわかるな?」


指名しろ!


684: 2016/06/22(水) 22:32:10.99 ID:TcHRymK+O
セレス

686: 2016/06/22(水) 23:02:07.32 ID:3iQnHTYX0

K「……安広」

セレス「わたくしですか? 傷の向きが一体何だと言うのです?」

K「お前の傷は横向きだった。横向きの傷は……」



K「――切腹のように、自分で自分を刺した時に付く傷だ」



「?!?!!」


苗木「えっ?!」

石丸「なっ?!!」

大神「まさか?!」

十神「何ッ?!」

朝日奈「嘘でしょっ?!」

不二咲「そ、そんな?!」

桑田「マジかよ……」

舞園「そんなことが……?!」

葉隠「いやいやいや!」


687: 2016/06/22(水) 23:13:19.09 ID:3iQnHTYX0

――――――――――――――――――――――――――――――


誰も気が付いていないはずだった。

表向きは怒りを浮かべながら、内心で彼女が笑っているということに。


そう、嘘つき女王セレスティア・ルーデンベルクは笑っていたのだ――。


(見抜ける訳がないですわ。葉隠君が山田君を襲ったのも本当。わたくしを刺したのも本当)

(嘘つきとしてはかなりハイエンドであるわたくしが本当のことを言っているのです。
 その発言が持つ意味は有象無象の方々の平凡な発言よりも、ずっと重い……)

(わたくしがついたのは、ただ一つ。たった一つの“嘘”だけ――)


その嘘こそが、今回の事件の肝でありトリックの『要』となる。

――だが、わかる訳がない。まさか被害者が加害者でもあるなどと。


「それでは」

(この完璧なトリックが破られる訳がないですわ。幸い山田君はまだ氏んでいませんし、皆さんが
 オシオキされて半頃し状態になっても、運が良ければ西城先生が何とかしてくれるでしょう)

(……わたくしから見ても、それはかなり分の悪い賭けでしょうけれどね)

「投票ターイ……」

(それでは皆さん、生きていたらまたお会いしましょう。ご機嫌よ――)


遮ったのはあの男だ。

とにかく往生際が悪く、熱苦しく、自分よりいつも他人を優先する男。


「待てッ!!!」


最初は嫌いなタイプでとにかくうっとうしくて堪らなかった。
だが、この所はよく話していたからか、今はそれほど嫌いでもなくなっていた。
……もっと違う出会い方をしていたら、好意もあったかもしれない。

けれど、それはあくまで仮定の話だ。彼女の野望を邪魔するのなら話は別。

虫けらは踏み潰す、カモは骨の髄までしゃぶり尽くす。


それが、セレスティア・ルーデンベルクという女なのだ――。


――――――――――――――――――――――――――――――


688: 2016/06/22(水) 23:28:17.01 ID:3iQnHTYX0


研ぎ澄まされたメスのように鋭いKAZUYAの視線が、指が、セレスを射抜く。

だが彼女は動じない。さもとんでもない言い掛かりを付けられ衝撃を受けたように目を見開く。


セレス(まだ! まだですわ! わたくしの鉄壁のトリックは破られていない……!)

セレス(このわたくしが勝負で負けることなど有り得ないのです!)


あの完璧なトリックを暴くのは、如何にこの男が天才医師であろうと不可能のはずだ。


何せ、証拠などあるはずないのだから。

いくら犯人がわかろうと、トリックを見抜かれようと、証拠がなければ
この突拍子もない推理で周りを納得させられる訳がない。


セレス(どうやら、これが最後の大勝負のようですわね)

K「…………」


心の中で目まぐるしく思考するセレスに対し、KAZUYAは沈黙したままじっと彼女を見つめていた。



689: 2016/06/22(水) 23:38:14.10 ID:3iQnHTYX0

ここまで!という訳で、大方の予想通り犯人はセレスさんでしたー

次回、KAZUYAが鉄壁の時間トリックを破る!
モノクマ「学級裁判!!」KAZUYA「俺が救ってみせる。ドクターKの名にかけてだ!」カルテ.6【後編】


引用: モノクマ「学級裁判!!」KAZUYA「俺が救ってみせる。ドクターKの名にかけてだ!」カルテ.6