595: 2016/05/18(水) 03:05:48 ID:PxqDcwqk
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#01 「ひのひの村」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#02 「おきつねこんこん教」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#03 「にゃんにゃん島」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#04 「吉祥寺」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#05 「京都」
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
プシュー
京都~ 京都~
神使「お疲れ様でした神様」
神様「・・・・・・」ゲッソリ
神使「名古屋あたりから神様の生気を感じなかったのですが・・・」
神様「狛犬さま・・・」
神使「?」
神様「何でも言うこと聞きますから、次は新幹線使って下さい」
神様「・・・お尻痛い」
596: 2016/05/18(水) 03:06:54 ID:PxqDcwqk
~あらすじ~
神様「私は神様! 神宮に籍を置くとっても立派でかわゆい理想の女神!」
神使(訳)「ダメ神です」
597: 2016/05/18(水) 03:11:03 ID:PxqDcwqk
【#5】
神様「あ~ どうすんだよ! 座り疲れてケツ粉々だよ」
神使「ですから、そういう言葉は使わないで下さい・・・」
神様「で、京都まで来てどこ行くんだ?」
神使「七逆神社です」
神様「・・・・・・ごめん、急用思い出したから帰るわ」
神使「神様?」
神様「ちょっと待ってよ~ なんで七逆神社なの?」
神使「助っ人です」
神様「嫌だよ~ この時期に七逆神社関係って事は絶対に祭りの手伝いだろ?」
神使「神様? お祭りにご参加なさるのは高位神の神の方達です」
神様「あ?」
神使「神様は階位的にお手伝いも出来ませんので」
598: 2016/05/18(水) 03:13:07 ID:PxqDcwqk
神様「神使君さぁ、最近結構ズバズバ言うようになったよね」
神使「そうでしょうか?」
神様「まぁ良いわ。 んで? 私達は何をすんだよ」
神使「京都中の神や神職の方がお祭り準備のお手伝いをされますため、各神社が手薄になるんですよ」
神様「そんなのさぁ、ここらの神や神主が順番でまわせば良いと思うの」
神使「今年は特に大きいお祭りですので、余力がないそうです」
神様「それはお忙しいことで」
神使「そういう訳ですので、手薄になるお社での勤務となります」
神様「で? なんで七逆神社に行くんだよ。 あそこは手薄になんかならないだろ」
神使「各神社の宮司の方がお集まりになるそうですので、ご挨拶を兼ねてお伺いするよう言われております」
神様「面倒くせーな~ 舞妓ちゃんと遊んで鴨川縁で一日中寝てたいな~」
神使「残念ですが、その希望は一切叶わないと思います」
599: 2016/05/18(水) 03:15:12 ID:PxqDcwqk
―― 七逆神社・貴賓殿
神使「初めまして、神宮より参りました神使と申します。 こちらは代理神の神様です」
神様「ども」ペコ
宮司A「こんな遅くまでご苦労様」
宮司B「神様は神宮の内宮神籍とお伺いしておりますが」
神様「まぁ一応」
宮司C「という事は神階も相当なのでしょうね」
宮司A「京都のお社は社位も高いので、位の高い神が代理神として来て下さると助かります」
宮司B「全くですな」
神様「・・・・・・」イラッ
600: 2016/05/18(水) 03:17:18 ID:PxqDcwqk
宮司A「お付きの神使さんも神宮所属ですかな?」
神使「はい、階位は特位となります」
宮司一同「すばらしい!」
宮司B「これは私達も七逆様のお祭りの方だけに専念できますな」
宮司C「今年の祭りは五十年に一度の大祭、成功すれば七逆の宮司A様も神宮付になられる」
宮司A「私なんかが神宮付になんて、そんな器じゃ無いよ」
宮司B「またまたご謙遜を」
神使「あの~」
宮司A「あぁ、失礼。 私達はこれから祭儀の打ち合わせがありますので、神様達は社務所の方へどうぞ」
神使「はぁ」
神様「いくぞ、犬ころ」
601: 2016/05/18(水) 03:19:01 ID:PxqDcwqk
テクテク
神様「ハァ~・・・」
神使「どうされたんですか?」
神様「あれが神職? 笑わせるなっつーの」
神使「皆さんかなり位が高い宮司様のようでしたが」
神様「位? そんなもん何の役に立つんだよ」
神使「お給料が高くなります」
神様「・・・・・・」ゲシッ
神使「痛!」
神様「先に飯行くぞ」
神使「でも社務所の方に」
神様「そんなの後で良いって。 お腹すいたの!」
602: 2016/05/18(水) 03:27:09 ID:PxqDcwqk
まだいける!
そう思ったのでした。
606: 2016/05/19(木) 00:20:08 ID:eRbrKJKA
テクテク
神使「どちらへお食事に行かれるんですか?」
神様「ん~ あ、あった。 ここ」
神使「・・・・・・あの、神様」
神様「あん?」
神使「ここって、有名な料亭ですよね」
神様「そうなの?」
神使「一見さんお断りのお店ですよ? 私達じゃ入れませんよ」
神様「へー」スタスタ
神使「ちょっと神様? 聞いてるんですか?」
607: 2016/05/19(木) 00:24:00 ID:eRbrKJKA
―― 料亭
ガラガラ
女将「おこしやす」
神様「あの~、かわゆい神ちゃんだけど」
女将「お待ちしておりました。 さ、どうぞお上がり下さい」
神様「ほ~い」
神使「・・・・・・」
スタスタ
女将「こちらのお部屋でいかがです?」
神様「おっ、いいね~ 個室」
神使「・・・・・・」
女将「ほな、ごゆっくり」スタスタ
608: 2016/05/19(木) 00:25:01 ID:eRbrKJKA
神使「ちょっと神様!」
神様「なんだよ」
神使「この料亭って座っただけで三万円の超高級料亭ですよ!」
神様「へ~ そうなんだ」
神使「三万は私達の今月分の食費と同じなんですよ!? 座っただけで今月分の食費が飛ぶんですよ?」
神様「心配すんなって。 大丈夫だよ」
トントン
料理長「失礼いたします」
神様「あ、久しぶり」
神使「お知り合い・・・ ですか?」
料理長「A子がいつもお世話になっております」
神使「A子?」
609: 2016/05/19(木) 00:26:38 ID:eRbrKJKA
神様「ここA子ちゃんの家、でお父さん」
神使「巫女のA子ちゃんですか!?」
神様「A子ちゃん家は料亭って言っただろうが」
神使「えぇ、でもまさかこの高級料亭とは思いませんでした・・・」
料理長「高級やなんてめっそうもない」
神様「いや~ 急に連絡しちゃってメンゴメンゴ」
料理長「気にせんといて下さい。 ほんまいつもごA子がご迷惑おかけしてます」
神様「そんなことないって」
料理長「今日はA子からも最高のもてなしをするように言われてますんで、ごゆっくりお寛ぎ下さい」
神様「ん~ 楽しみ!」
料理長「ほな、すぐ料理お持ちしますんで」スタスタ
610: 2016/05/19(木) 00:27:24 ID:eRbrKJKA
神使「いや、びっくりしました」
神様「なにが?」
神使「いや、まさかA子ちゃんがこんな高級料亭の娘さんだったなんて・・・」
神様「他のヤツには黙ってろよ」
神使「でもお代の方が気になります・・・」
神様「ふふ~ん。 これ」ピラピラ
神使「何ですか? その紙は」
神様「このお店のフリーパス券」
神使「そんな物があるんですか?」
神様「私だけが持つことを許されているのだよ」フフン
611: 2016/05/19(木) 00:28:19 ID:eRbrKJKA
神使「“フリーパス、なんでもタダ”って書いてありますね・・・ A子ちゃんの字で」
神様「凄いだろ」
神使「それ、使えるんですか?」
神様「あたりませさね。 私はこれで5回ここに来てる」
神使「・・・・・・あまり使わない方が良いと思いますよ? お店の方にご迷惑ですから」
神様「んなことないよ」
神使「まぁ、来てしまったものは仕方ありません」
神様「よし、たらふく食べるぞ!」オー!
612: 2016/05/19(木) 00:29:09 ID:eRbrKJKA
―― 帰り道
神様「あ~ 美味しかった!」ゲップ
神使「私、あんな美味しいもの食べたの生まれて初めてです」ジーン
神様「な? 来て良かったろ?」
神使「幸せなひとときでした・・・」
神様「明日も来る?」
神使「さすがに迷惑ですのでやめておきましょう」
神様「A子ちゃんのお父さんも京都に居るうちは毎日来て下さいって言ってたじゃん」
神使「社交辞令です」
神様「え~ そんなことないと思うのにな~」ブーブー
神使「さて、だいぶ遅くなってしまいましたし社務所に行きますよ?」
神様「あぁ~ お楽しみもここまでか・・・」
613: 2016/05/19(木) 00:30:15 ID:eRbrKJKA
―――社務所
ガラガラ
神使「すいませーん」
巫女「はい」
神使「神宮から来ました神使と申します」
巫女「お待ちしておりました」ペコッ
神使「遅くなりまして申し訳ございません」
巫女「いいえ、どうぞお入り下さい」
神使「失礼いたします」
神様「おじゃましまーす」
巫女「? あの、こちらのお嬢様は?」
神使「代理神の神様です」
神様「かわゆい神ちゃんと呼んで欲しい」
614: 2016/05/19(木) 00:31:42 ID:eRbrKJKA
巫女「神様!? し、失礼いたしました!!」
神様「そんな気を遣わなくて大丈夫よん」
神使「すいません、こちらの神様は姿が見えっぱなしでして」
神様「なんかその言い方ってトゲがない?」
神使「深く考えすぎでは?」
巫女「あの、本殿にご案内した方がよろしいでしょうか?」
神使「いいえ、こちらで十分でございます」
巫女「しかし、神様がこのような場所に・・・」オロオロ
神様「大丈夫だって。 私は本殿より社務所派、もっといえば授与所派だから」
巫女「?」
神使「気にしないで下さい。 巫女さん好きな神様なもので」
神様「だから言い方にトゲがない?」
神使「気にしすぎでは?」
615: 2016/05/19(木) 00:33:16 ID:eRbrKJKA
巫女「で、では・・・ 早速ですが、こちらが明日の受け持ちリストになります」
神様「どれどれぇ?」ニョキッ
神使「嵐山の“たけたけ神社”ですか」
巫女「三連休ですので相当大変かと思います」
神様「うげ~」
神使「名所ですからね」
巫女「私も一緒に同行させて頂きますので」
神様「ん? たけたけ神社って普段から結構な数の巫女いるよね」
巫女「えぇ・・・ あの・・・ この三連休はお休みのようで」
神使「三連休で参拝者が沢山いらっしゃるのにお休みなんですか?」
巫女「はい・・・」
神様「ふ~ん」チラッ
巫女「・・・・・・」
616: 2016/05/19(木) 00:34:46 ID:eRbrKJKA
神使「承知いたしました。 では明日は朝六時にここで待ち合わせでよろしいですか?」
巫女「はい」
神使「では神様、疲れたでしょうからお休みなりますか?」
神使「そうね。 私達は今日どこで寝れば良い?」
巫女「それが・・・」
神使「?」
神様「巫女ちゃん?」
巫女「あっ、はい! あの・・・ ご案内いたします」
617: 2016/05/19(木) 00:36:57 ID:eRbrKJKA
―― 宿舎
スタスタ
巫女「本日はこちらの宿舎をお使い下さい」
神使「立派な宿舎ですね」
ガラガラ
巫女「どうぞ」
神使「失礼します」
神様「おじゃま~」
巫女「こちらへどうぞ」
618: 2016/05/19(木) 00:37:55 ID:eRbrKJKA
スタスタ
巫女「本来は本殿をご用意するべきだと思うのですが、こんな所で申し訳ありません」
神使「本殿は神々の皆様が禊ぎ中でしょうし、気になさらないで下さい」
神様「案外遊びにいってるかもよ?」
神使「神様? 失礼ですよ?」
神様「まぁ、本殿で寝るのなんかイヤだけどね~」
巫女「?」
神使「神様は本殿とかが合わない性分でして」
巫女「はぁ・・・」
神使「神宮の神様のお部屋は三畳しか無いのであまり広すぎると緊張してしまうのです」
神様「神使君さぁ、喧嘩売ってる?」
神使「事実を申したまでですが」
神様「・・・・・・」ゲシッ
619: 2016/05/19(木) 00:39:27 ID:eRbrKJKA
巫女「本日はこちらの部屋をお使い下さい」
ガチャ
神様「ん? この部屋だれか使ってるんじゃない?」
巫女「すいません、私の部屋でして・・・」
神使「巫女さんのお部屋ですか?」
神様「いや、巫女ちゃんは今日どうするの?」
巫女「私は・・・ 徹夜で仕事がありますので」
神様「・・・・・・」
神使「あのー」
巫女「では! 明日社務所でお待ちしております!」タッ タッ タッ
神使「神様、どういたしましょう」
神様「・・・・・・」
621: 2016/05/20(金) 00:29:38 ID:cuq9viJA
―― 貴賓殿
宮司B「まったく、階位も低いくせに内宮神籍ってだけで調子に乗りやがって」
宮司C「B宮司? 一応はあれでも神なのですから」
宮司B「どの口が、作戦の立案者のくせに」
宮司C「でも、あんなお子ちゃま神様を排除するくらいで神法改正の修正案が通るんですか?」
宮司A「十年前の神法改正で最後まで首を縦に振らなかったのがアイツなんだよ」
宮司B「あれでも審査神だから必ず神に関する法規関係はヤツの同意が必要なんだ」
宮司C「ここであのお子ちゃまが盛大な失敗を起こして神宮から職を剥奪できれば・・・」
宮司A「その隙に修正案を可決させることが容易になる」
宮司B「そういえば、お子ちゃまと神使はどうした?」
宮司A「隅っこの放置社殿で寝てるんじゃないか?」
宮司C「罰当たりな宮司だこと」
622: 2016/05/20(金) 00:30:36 ID:cuq9viJA
―― 貴賓殿・裏手
巫女「・・・・・・」
神様「そう言うことか」フムフム
巫女「!?」
神様「おっと、声を上げずに」シー
巫女「神様・・・」ボソッ
神様「こっち来て」
623: 2016/05/20(金) 00:31:46 ID:cuq9viJA
スタスタ
神様「アイツらが貴賓殿から出て私に寝床譲れよ。 全く・・・」
巫女「あの・・・ 申し訳ございません神様」ドゲザ
神様「ちょ、頭上げてよ。 巫女ちゃんがそんなことをする必要ないよ?」
巫女「・・・・・・でも」
神様「しかし、あんな絵に描いたような悪代官キャラ本当にいるんだ」
巫女「神様のことをあんな言い方するなんて・・・」
神様「いやいや、私は結構嬉しかったりするよ?」
巫女「え?」
624: 2016/05/20(金) 00:32:54 ID:cuq9viJA
神様「だって、アイツらの中で神の位置が奉ってヘコヘコするような存在ではないって事だからさ」
巫女「そんな恐れ多いこと」
神様「人と分け隔てなく扱ってくれることは、私にとっては結構本望だったりな事なんだよね~」
巫女「・・・・・・」
神様「でも、ちょ~と悪意を向けるのは個人的にカチンとくるけど」
巫女「・・・・・・」
神様「少し歩こうか」
巫女「・・・はい」
625: 2016/05/20(金) 00:34:15 ID:cuq9viJA
テクテク
神様「ん? あれがアイツらがいっていた放置社殿ってやつ?」
巫女「あっ、はい・・・」
神様「昔さぁ、あそこには可愛らしい女神がいたんだよ。 すごく良いやつだったなぁ~」
巫女「神様、お願いですから神宮にご報告を」
神様「面倒くさ~い」
巫女「でも、神様にこんな酷い対応をするなんて・・・」
神様「大丈夫だって、こんなの馴れてるから」
巫女「神様・・・」
626: 2016/05/20(金) 00:36:12 ID:cuq9viJA
神様「あの宮司達だって、きっと今の制度に不満があるだけだ。 それを改善できないのは神の責任な訳だしね~」
巫女「・・・・・・」
神様「それより、巫女ちゃんはどうして自分の部屋を私達に提供してくれたの?」
巫女「それは・・・」
神様「悪いけど、巫女ちゃんを追い出してあの部屋で寝ることは出来ないな~」
巫女「私の事は気になさらずに―――」
神様「ダメ、気にする。 だから今日は一緒に部屋で寝よう!」
巫女「!? 私なんかが神様と一緒の部屋にだなんて!」
神様「決まり! さぁ部屋戻るよ♪」ガシッ
巫女「うわっ、ちょ、神様!?」ズリズリ
627: 2016/05/20(金) 00:37:27 ID:cuq9viJA
―― 宿舎
神使「そんな・・・」
巫女「・・・・・・」
神使「神様、これは反逆に等しい行為かと思うのですが」
神様「ふふふっ」
神使「あの・・・ 神様?」
神様「面白い、実に面白い、久しぶりに面白い!」クックックッ
神使「どちら様ですか・・・」
神様「この勝負、受けて立とうじゃないか。 なぁ神使君や」ニタァ
巫女「・・・・・・」ブルッ
628: 2016/05/20(金) 00:39:21 ID:cuq9viJA
神様「この対決、こちらには巫女と腐れ犬ころ、そしてかわゆい神ちゃんの三人がいる。 最強と思わんかね?」
神使「神様がいることによって最“凶”に字が変わるのですが」
神様「ウルトラスーパー アチョ~」ゲシッ ゲシッ
神使「痛っ! 痛っ!」
巫女「あの・・・ 私もですか?」
神様「もちろん、今から巫女ちゃんは“かわゆい神ちゃん”チームの一員だ」
神使「なにも巫女さんを巻き込まなくても・・・」
神様「なぁ巫女ちゃんや、一緒にアイツらをコキャッと言わせたいだろ?」ニヤッ
巫女「こきゃ?」
神様「これは楽しみだ。 うひゃ・・・ うひゃひゃひゃ」
神使「(この方は本当に神なんでしょうか・・・ もしかしたら鬼のたぐいなのでは・・・)」
629: 2016/05/20(金) 00:40:22 ID:cuq9viJA
神様「まぁそれは良いとして、明日は早いし今日はもう寝るかね」
神使「はい。 えーと、神様はタオルケットだけあれば良いですよね」
神様「あ~ 神使君さぁ」
神使「?」
神様「お前今日は外で寝てね」
神使「・・・・・・え?」
神様「犬ころに変身すれば外で大丈夫だろ?」ニコッ
神使「・・・・・・」
630: 2016/05/20(金) 00:42:35 ID:cuq9viJA
――深夜
ワオーン ワンワン
神様「う~ん、メロン八ツ橋の中身がイチゴって へっへっへ」ムニャムニャ
巫女「(神様の寝言が気になって寝られない・・・)」
634: 2016/05/21(土) 02:40:15 ID:QpRET/Mo
――翌日・朝
巫女「あの、神様? 朝でございます」
神様「Zzz・・・」
巫女「神様?」
トントン
巫女「はい」
おはようございます、神使ですが
巫女「どうぞお入り下さい」
635: 2016/05/21(土) 02:41:40 ID:QpRET/Mo
ガチャ
神使「おはようございます、巫女さん」
巫女「おはようございます」ペコリ
神使「あれ? 神様はどちらへ?」
巫女「あそこに・・・」
神使「なんですか、あの隅っこの大きな芋虫は・・・」
巫女「何度もお声をおかけしているのですが」
神使「神様は揺らさないと起きませんので」
巫女「私なんかが神様に触れるなんて」
神使「お気になさらずに。 ユサユサして下さい」
巫女「・・・はい。 では、失礼いたします・・・ 神様?」ユサユサ
636: 2016/05/21(土) 02:43:18 ID:QpRET/Mo
神様「んぁ・・・」ポー
巫女「すいません!」
神様「朝?」
神使「もう出かける時間ですよ? 早く着替えて下さい」
神様「へいへい」ヨイショ
巫女「キャッ///」
神様「ん?」
神使「神様? 下着姿です」
神様「あれ? パジャマ着て寝たはずなんだけどな~」キョロキョロ
神使「神様のパジャマは廊下に落ちていました」
神様「お~」
神使「どうやって寝たらパジャマだけ廊下に転がるんですか・・・」
神様「気にすんなって」
637: 2016/05/21(土) 02:44:59 ID:QpRET/Mo
神使「おや? 巫女さんは私達と一緒にお出になるのですよね?」
巫女「はい」
神使「巫女装束で行かれるのですか?」
巫女「業務時間内でございますので」
神使「では、神様も巫女装束で」
神様「まじかよ! 勘弁してくれよ」
巫女「神様は向こうで祭儀装束に替われば良いかと思いますが」
神使「すいません、神様は巫女装束しか支給されていないんです」
巫女「え?」
神使「神階が最低位で、しかも神力が使えないので祭儀に出る必要もございませ―――」
神様「うっせー」ゲシッ
638: 2016/05/21(土) 02:46:56 ID:QpRET/Mo
―― 七逆神社前
神様「あ~ なんか雲行きが怪しいな~」
神使「午後に小雨が降るかも知れないと天気予報で言ってました」
神様「ふ~ん」
神使「巫女さん、たけたけ神社まではどのようにして?」
巫女「はい、駅まで歩いてそこから電車で移動となります」
神様「え? 車じゃなくて?」
巫女「すいません・・・」
639: 2016/05/21(土) 02:47:47 ID:QpRET/Mo
神使「気にしないで下さい。 神様?」
神様「いや、電車で行くのは良いんだけどさぁ。 この格好で街を歩き回るのは、さすがの私も恥ずいなぁって」
神使「下着姿でウロウロする方が比較にならないくらい恥ずかしいと思うのですが」
神様「そんな格好で外出て歩いてないだろうが!」
神使「気にしなくても着物来た人いっぱいいますから大丈夫ですよ」
神様「いや、でもこれはさすがに目立つでしょ」
神使「覚悟を決めて下さい」
神様「え~」
640: 2016/05/21(土) 02:49:04 ID:QpRET/Mo
テクテク
神様「うわ~ 朝早いのに人多いな」
神使「京都の繁華街の通りですから」
あのー
神様「ん?」
観光客「すいません写真一緒に良いですか?」
巫女「あっ、あのこちらは神宮の神・・・ いえ、そのお写真のほうは―――」
神様「よっしゃ! 神使お前カメラ撮ってやれ」
神使「はい」
巫女「え!?」
観光客「ありがとうございます。 この辺の神社の巫女さんですか?」
神様「私は神宮で、この子は七逆神社の巫女」
観光客「すごーい」
641: 2016/05/21(土) 02:49:51 ID:QpRET/Mo
神様「どっから来たの?」
観光客「私達、東京から来ました」
神様「そう! 私も一昨日まで吉祥寺に―――」
神使「神様? 写真撮りますよ?」
神様「あぁ、ほら巫女ちゃんも」
巫女「私もですか?」
神様「当たり前じゃん、早く」
巫女「はい」
神使「では、ハイチーズ」カシャ
観光客「ありがとうございました」
神様「またね~」
巫女「・・・・・・」
642: 2016/05/21(土) 02:50:33 ID:QpRET/Mo
ガタンガタン
観光客「神ちゃん面白い~」ゲラゲラ
神様「いやいや、こっからが傑作でさぁ~ 私がおまるに跨がった途端―――」
巫女「・・・・・・」ジー
神使「どうされました?」
巫女「あっ、なんでも・・・」
神使「?」
643: 2016/05/21(土) 02:53:20 ID:QpRET/Mo
――― たけたけ神社
神様「・・・あれ? ここってこんなに大きい神社だったっけ?」
巫女「最近整備されて倍の大きさに広げられたそうです」
神使「普段は何人でまわしているんですか?」
巫女「巫女六人と、神主五人が常駐していると伺っております」
神様「あ~ そうなんだ・・・」
神使「神様、この大きさの神社を三人でまわすのはかなり無理があるかと・・・」
神様「アイツら中々面白いことやってくれるじゃないか」
神使「授与所を開けるのは何時からですか?」
巫女「九時からです」
神使「あと二時間ですね。 どうされますか神様?」
神様「授与所は二箇所か・・・ 大きい方だけ開けて少し様子を見よう」
神使「分かりました」
644: 2016/05/21(土) 02:54:37 ID:QpRET/Mo
神様「巫女ちゃん、授与品のリストってある?」
巫女「はい、こちらです」
神様「多いな・・・ 5、10、15・・・ お守りだけで30種もあるのか」
巫女「他に御札と絵馬が合わせて10種ございます」
神様「う~ん、私のエリアと巫女ちゃんのエリアで全部対応できるようにレイアウトを変えよう」
巫女「えっ!? 神様もお守りを売られるのですか?」
神様「当たり前じゃん」
巫女「しかし、神様にそのようなことをお願いするわけには・・・」
神使「お気になさらずに。 神様の主成分は巫女で出来ておりますので」
神様「神使君さぁ、やっぱり何か言い方にトゲがない?」
神使「そんなことはございませんよ? で、私は何をすれば良いでしょうか」
645: 2016/05/21(土) 02:55:29 ID:QpRET/Mo
神様「あぁ、犬ころは御朱印中心で空いてるときはサポートにまわってくれ」
神使「分かりました」
神様「よし、じゃぁ社務所に荷物を置いてこよう」
巫女「あの・・・」
神様「どったの?」
巫女「社務所なんですが・・・ 立ち入りを禁止されておりまして・・・」
神使「えっ?」
巫女「このお社の人間以外は立ち入りを禁止していると言われております」
神使「お金の管理はどうするのですか?」
巫女「お釣りなどは私が預かっております」ジャラッ
神様「・・・・・・」
646: 2016/05/21(土) 02:56:44 ID:QpRET/Mo
神使「神様、いくらなんでもこれは・・・」
神様「ひっひっひっ、中々手が込んでるじゃないか。 なぁ神使君や」ニタッ
巫女「・・・・・・」ブルッ
神使「神様・・・ お願いですから邪神にはならないで下さいね?」
神様「いいぜ、この勝負全部まとめて買ってやるよ! ドドン!」
巫女「ドドン?」
神使「神様の自分で言う効果音です。 気にしないで下さい」
647: 2016/05/22(日) 00:37:06 ID:mkZzzWFQ
―― 昼
参拝者「神宮の御札を頂けますか?」
巫女「はい、こちらになります」
神様「巫女ちゃん? それは、たけたけ神社の御札。 神宮の御札は右側のヤツ」ボソッ
巫女「あっ、すいません・・・」
参拝者「おみくじ十番が出ました」
巫女「あっ、はい十番ですね」ゴソゴソ
神様「は~い、こちらになりま~す」
巫女「?」
神様「巫女ちゃん? そっちは別のおみくじだよ?」
巫女「あっ、すいませんでした・・・」
神様「焦らないで」
巫女「はい・・・ 申し訳ございません・・・」
648: 2016/05/22(日) 00:38:13 ID:mkZzzWFQ
参拝者「交通安全のお守りってどれですか?」
神様「千円と千五円の二種があるんですけどね、おすすめはコッチ」
巫女「・・・・・・」
参拝者「あの、御朱印をお願いしたいんですがどこでもらえますか?」
巫女「はい、ご案内いたしま―― キャッ!」ドサッ
神様「! 巫女ちゃん大丈夫!?」
巫女「大丈夫です! すいません、すいません!」
649: 2016/05/22(日) 00:39:19 ID:mkZzzWFQ
―― 夕方
神使「お疲れ様でした」
神様「パトラッシェ、僕もう疲れたよ・・・」グテッ
巫女「・・・・・・」
神使「巫女さんもお疲れ様でした」
巫女「・・・本当に申し訳ありませんでした!」
神様「気にしないでって、あの量の参拝者だもん。 よくがんばったよ」
巫女「・・・・・・」
650: 2016/05/22(日) 00:40:37 ID:mkZzzWFQ
神様「しかし、どうすっかな~」
神使「何がですか?」
神様「今日は途中で小雨が降ったりしたから何とか対応できたけど、明日は厳しいかもな」
神使「天気予報では絶好のお出かけ日和といっていました。 やはり三人では・・・」
神様「収拾つかなくなってパンクするよな」
神使「はい・・・」
神様「ところでさぁ、今日寝る所どうすんの?」
神使「そういえば社務所には入れないですよね」
巫女「参拝者用の休憩所で過ごせと・・・」
神様「まじか~」
651: 2016/05/22(日) 00:42:13 ID:mkZzzWFQ
神使「神様、さすがに文句を言った方がよろしいのでは」
神様「めんどい」
神使「・・・・・・」
神様「仕方がない、本殿で寝よう」
巫女「しかし本殿にも鍵が・・・」
神様「良いことを教えてやろう」
神使「良いことですか?」
神様「本殿には裏側に隠し扉があってバレずに出入りが出来るのだよ」ヘヘン
神使「隠し扉?」
神様「神が周りにバレないように抜け出すときのためにある」
神使「なんでそんなものが・・・」
652: 2016/05/22(日) 00:43:39 ID:mkZzzWFQ
神様「よく禊ぎとか言って神が籠もるだろ?」
神使「えぇ」
神様「抜け出して遊びに行くんだよ」
神使・巫女「・・・・・・」
神様「だれにも言うなよ?」シー
神使「あまり聞きたくありませんでした・・・」
神様「ちょっと探してくるわ」タッタッタッ
神使「ハァ~ すいませんね、変な神様で・・・」
巫女「いいえ・・・」
神使「では、私は門を閉めてきますので」
巫女「あっ、私が」
神使「大丈夫です。 少し休憩されていて下さい」スタスタ
653: 2016/05/22(日) 00:47:46 ID:mkZzzWFQ
―― 裏庭
巫女「ハァ・・・」シュン
神使「裏にこんな所があったんですね」
巫女「あっ、神使様!」
神使「お気になさらず、そのままベンチに座っていて下さい」
巫女「すいません・・・」
神使「はい、ジュースです」
巫女「ありがとうございます・・・」
654: 2016/05/22(日) 00:48:50 ID:mkZzzWFQ
神使「ここは風が気持ちいいですね」
巫女「この場所は風が通ってとても涼しいんです」
神使「よくご存じですね」
巫女「私、生まれがこの近くで小さい頃からよくここに来ていて」
神使「そうだったのですか」
巫女「申し訳ございません。 私、鈍くさくてお役に立てず」
神使「そんなことありませんよ? 私と神様だけでは乗り切ることは出来ませんでした」
巫女「私・・・ 巫女なのに神様にお手伝いをさせて・・・ しかも沢山ご迷惑まで・・・」
神使「迷惑だなんてとんでもない」
655: 2016/05/22(日) 00:50:18 ID:mkZzzWFQ
巫女「・・・・・・きっと怒ってらっしゃいますよね」
神使「神様って怒っているときは無言になるんです。 眉間にしわを寄せて、ほっぺをぷくっと膨らませて」
巫女「・・・・・・」
神使「少なくとも今日は神様が怒っていたことはございませんよ? 神使嘘つかない」
巫女「でも、私やっぱり巫女に向いてないんです。 毎日神主様や先輩にも怒られてばっかりで・・・」
神使「巫女さんは何年目なんですか?」
巫女「三年目になります」
神使「どうして巫女さんになろうと?」
巫女「私、小さい頃からこの神社が大好きで。毎日のように来ていたんです」
神使「とても良い所ですよね」
656: 2016/05/22(日) 00:51:47 ID:mkZzzWFQ
巫女「私ってこんな性格だから、その・・・ 学校ではあまり馴染むことが出来なくて・・・」
神使「・・・・・・」
巫女「でも、分かっているんです。 私が鈍くさくて周りに迷惑ばかりかけていたから・・・ そんな自分が嫌で」
巫女「ここに来るとそんな事を忘れることが出来たんです。 ・・・変ですよね私」
神使「そんなことないと思いますよ?」
巫女「高校を卒業する少し前に、いつものように夜ここで座っていたら主神様が現われて・・・」
神使「主神様が?」
巫女「はい、その時は神様が本当にいるなんて知らなかったので凄くびっくりしました」
657: 2016/05/22(日) 00:52:35 ID:mkZzzWFQ
神使「主神様とはお話しなされたのですか?」
巫女「いつも来てくれてありがとう、って・・・」
神使「優しいお方ですね」
巫女「すごく嬉しくて・・・ 次の日、この神社の宮司さんに巫女になりたいですって直談判をしてました」
神使「そうだったんですか」
巫女「私がお社にご奉職するときには宮司さんは別の神社に移ってしまわれて、私は七逆神社に配属になってしまったんですが」
神使「いつか、ここに巫女として配属される日が来ると良いですね」
巫女「・・・・・・」
658: 2016/05/22(日) 00:53:49 ID:mkZzzWFQ
神使「そうだ、折角ですし神様にお願いされてはいかがですか?」
巫女「え?」
神使「神様はまだ隠し扉を探しているんでしょうか・・・」キョロキョロ
巫女「でも、私なんかが神様にお願いだなんて」
神使「まぁ、あの神様は神力が使えないので御利益は薄いんですけどね」
巫女「神力が?」
神使「えぇ、その代わりどんな手を使ってでもお願い事を叶えようとするんですよ?」
巫女「私なんかより、お参りして下さった他の方のお願い事を・・・」
659: 2016/05/22(日) 00:54:41 ID:mkZzzWFQ
神使「では、巫女さんもお参りをしましょう」
巫女「私も?」
神使「神様はお願いを聞くのがお仕事ですから。 サボれないように仕事を増やしちゃいましょう」
巫女「・・・・・・」
神使「さぁ、いきましょう」
巫女「ありがとうございます。 神使さん」
660: 2016/05/22(日) 00:55:56 ID:mkZzzWFQ
―― 本殿裏
神様「おっ、隠し扉み~けっ」ゴソゴソ
神様「はへ~ 本殿の中すげーな~ 儲かってんだな・・・」
カラン カラン
神様「ん?」コソッ
パンッ パンッ
神様「(巫女ちゃん?)」
巫女「(・・・・・・)」フカブカ
神様「・・・・・・」
661: 2016/05/23(月) 02:03:27 ID:.JOXAn/M
―― 本殿前
神様「おまたせ~」テクテク
神使「あっ、神様。 隠し扉はありましたか?」
神様「うん、裏に回ったところにあった」
神使「これで寝る場所は確保できましたね。 では、本殿に入りましょうか」
神使「あ~ 私ちょっと出かけてくるわ」
神使「どちらへ行かれるんです?」
神様「ん~ ちょっとこの先」
神使「何を考えているんですか?」
神様「お前変に疑いすぎ。 ちょろっと遅くなるかもだから先に休んでて~」タッ タッ タッ
662: 2016/05/23(月) 02:04:03 ID:.JOXAn/M
神使「ハァ~、また何か企んでますね神様は・・・」
巫女「?」
神使「仕方ありません、私達だけ先に休みましょう」
巫女「はい」
663: 2016/05/23(月) 02:05:16 ID:.JOXAn/M
―― 翌朝
神使「結局、神様は戻ってきませんでしたね」
巫女「やっぱり怒って帰ってしまわれたのでは・・・」
神使「巫女さん? 神様はそんな方ではありませんよ?」
巫女「あっ、申し訳ありません」
神使「でも、無断外泊はダメですね。 少し厳しくご指導をしないと神としての―――」
ギィー
神様「ただいまー」
神使「あっ、神様! どこへ行ってらし・・・ て・・・」
ソロゾロ
神使・巫女「・・・・・・」
664: 2016/05/23(月) 02:06:56 ID:.JOXAn/M
神使「神様? こちらの方達は・・・」
神様「右から平安大神社の主神、下鴨川神社の主神、七逆神社の主神、一番左がたけたけ神社の主神」
神使「まさか拉致してきたんですか!?」
神様「んなわ訳ねーだろ!」
神使「でも、主神様達が憔悴しきっているのですが・・・」
神様「この先にある神様機構の保養所で麻雀やってるところを連行してきた」
神使「麻雀!? でも、主神様達は今お祭りに向けた禊ぎ中のはずなのでは・・・」
神様「ハァ~、神使君さぁ~ お祭りって言うのはね? 人が勝手に決めて勝手にやってるものなの」
神使「はぁ・・・」
神様「だから神にとっては、その日は休日なの」
神使「・・・・・・」
665: 2016/05/23(月) 02:08:04 ID:.JOXAn/M
神様「禊ぎだ~ とか言って本殿に籠もっているふりして遊びにいってるの」
神使「・・・・・・」
七逆神「神ちゃん! それ言ったらアカンやろ」
神様「まぁ、凄ーく立派なヤツはお祭りの日もきちんと仕事するんだけどね?」チラッ
京神一同「・・・・・・」
神様「でも、この神達は麻雀してたの。 まぁ、別に休みだから良いんだけどさぁ」
七逆神「ほな、放っといてくれや」
神様「でもね?」ギロッ
神一同「!?」
666: 2016/05/23(月) 02:09:52 ID:.JOXAn/M
神様「お前達の神社の宮司達が暴走してるからね? 代わりにお前達にお灸を据えようかと思ってね?」
下鴨神「お灸って何? 人の問題は人同士で解決してくれや」
神様「あ? 私に迷惑かかってんだよ! 私は一応神! 神に迷惑かかってんだよ!」
平安神「そやかて、ワシら休暇中やし・・・」
神様「麻雀のレートは?」
京神一同「・・・・・・」
神様「審査神である私神様は、違法な賭け麻雀の現場を目撃したため神様機構に報告を―――」
下鴨神「分かった! 分かったって! で? 何すればええんよ。 宮司達にコラッって言えばええの?」
667: 2016/05/23(月) 02:10:42 ID:.JOXAn/M
神様「お守り売るの手伝って?」
京神一同「・・・・・・え?」
神様「お守り売るの手伝って?」
七逆神「うちらが?」
神様「そう」
下鴨神「お守り売るんか?」
神様「そう」
平安神「どこで?」
神様「ここで」
京神一同「・・・・・・」
668: 2016/05/23(月) 02:11:50 ID:.JOXAn/M
七逆神「ここって、たけ神の神社やな?」
たけ神「えぇ・・・」
巫女「・・・・・・」
たけ神「あれ?」
神様「なんだよ、たけちゃん」
たけ神「いえ、神様でなくそちらの巫女はん」
巫女「私ですか!?」
たけ神「久しぶりですね。 巫女にならはったんですね」
巫女「私の事・・・ 覚えてくれているんですか?」
たけ神「当たり前やないですか。 毎日参拝して頂いた方を忘れる訳ないですわ」
669: 2016/05/23(月) 02:12:26 ID:.JOXAn/M
神様「七逆神は巫女ちゃんを知ってるか?」
七逆神「? 初めまして・・・ やな」
神様「この子は七逆神社で巫女をやっている」
七逆神「!? ・・・・・・あぁ! 本宮の巫女はんか! 知ってるで」アセアセ
巫女「・・・すいません、私は宮付きでは無いです」
七逆神「・・・・・・すまん」
神様「七逆神、お前今日は氏ぬ気で働け」ギロッ
七逆神「・・・・・・」
670: 2016/05/23(月) 02:14:37 ID:.JOXAn/M
―― 昼
参拝者「このお守り下さい」
七逆神「えっとー 五十円やったかな」
巫女「すいません、千八百円お納め下さい・・・」
七逆神「たっか!」
参拝者「七逆神社って、ここからどう行けば良いですか?」
平安神「平安大神社は93系統っちゅうバスに乗って―――」
参拝者「いえ・・・ 七逆神社に行きたいんですが・・・」
参拝者「あの、御朱印お願いできますか?」
下鴨神「あ~ 御朱印な」サラサラ
参拝者「(下手くそ・・・)」
下鴨神「どうぞ」ハイ
参拝者「あ・・・ ありがとうございます」
神使「(下手ですが神が書いた御朱印なんて凄いですね・・・)」
671: 2016/05/23(月) 02:15:34 ID:.JOXAn/M
―― 夕方
七逆神「ハァ~」グッタリ
神様「お疲れ、今日はもう休んで良いぞ」
下鴨神「今日は?」
神様「明日もよろしく」
神一同「(うそ~ん)」
七逆神「うち社務所でちょっと横になるわ」
神様「社務所入れないよ?」
七逆神「は?」
672: 2016/05/23(月) 02:16:16 ID:.JOXAn/M
神様「ここの宮司から入るなって命令されてる。 鍵かかってるし」
たけ神「変やな、いつも鍵なんてかけへんのに」
七逆神「お前ん所の宮司って嫌なヤツやな」
たけ神「前の宮司はええ人やったんですけどなぁ・・・ 今の宮司はちょっと・・・」
神様「あっ、ちなみに数々の嫌がらせはお前達の神社の宮司がグルになってやってるから」
京神一同「・・・・・・」
673: 2016/05/23(月) 02:17:17 ID:.JOXAn/M
神様「私達は本殿で寝るから、お前達はそこの参拝者用休憩所で寝てくれ」
京神一同「(小さっ!)」
下鴨神「神ちゃん、あそこに男四人はキツいわ・・・」
平安神「一回宿戻るけ?」
神様「宿の方はチェックアウトしておいた」
京神一同「(うそ~ん)」
神様「明日は朝六時起きな。 じゃ、よろぴこ~」スタスタ
京神一同「・・・・・・」
675: 2016/05/25(水) 02:03:18 ID:JuM5gJT2
―― 翌日
ガヤガヤ
参拝者「交通安全のお守りが欲しいんですけど」
巫女「千円と千五円の二種がございます」
・・・
参拝者「家内安全の祈祷をして頂けますでしょうか」
たけ神「はいはい、う~ん・・・ 祈祷せんでも大丈夫みたいやけど、やっとく?」
・・・
参拝者「この付近って他におすすめスポットってあります?」
平安神「そやな~ この先にさがさが神社があるんやけど主神が美人でな~ 酒持って行くと願い叶うで」
676: 2016/05/25(水) 02:04:40 ID:JuM5gJT2
神使「巫女さんも馴れてきたようですね」
神様「ん? あ~、彼女も私と同じでやれば出来る子なんだよ」
神使「それより、主神様達が予想以上に戦力ですね」
神様「あいつらも、こうして人と接するのが久しぶりで楽しいんだろ」
神使「そうかも知れないですね」
神様「人と接するのが嫌な神なんかいない。 人と神は身近でないとダメなんだよ」
神使「・・・・・・」
677: 2016/05/25(水) 02:06:29 ID:JuM5gJT2
―― 夕方
神様「ハァ~ もうダメ・・・ ちかれた」
七逆神「燃え尽きたで・・・ もう真っ白や・・・」ゲッソリ
神使「何とか無事乗り切れましたね、神々の皆様ありがとうございました」
たけ神「うち、祈祷の受付からお祓いまで一人でやったの初めてやわ・・・」
七逆神「たけ神、お前ん所お守りの種類多すぎやで? 少し減らしや」
たけ神「そやね~ 七逆神社はお守りいくつあるん?」
七逆神「そんなん多くて10種がええとこやろ~ なぁ巫女はん?」
巫女「うちはお守りだけで全部で48種ございます」
七逆神「・・・・・・すまん。 ちょっと減らさせるわ」
678: 2016/05/25(水) 02:08:44 ID:JuM5gJT2
神様「んじゃ、お腹もすいたし食事に行こう」
下鴨神「昼はおにぎりだけやったし倒れそうやわ」
七逆神「美味しいもん食わせてや神ちゃん」
神使「神様、こんな大勢ですと入れるところも限られますが・・・」
神様「大丈夫、予約はしてある」ニヤッ
神使「まさか・・・」
679: 2016/05/25(水) 02:09:46 ID:JuM5gJT2
―― 料亭
七逆神「!? これは・・・」
平安神「う・・・ うまい!」
巫女「美味しい・・・」
神様「どうだ、うまいだろう?」フフン
七逆神「うちの神社の近くにこんな美味しい店があったとは知らんかったわ」
女将「おおきに」
料理長「神ちゃんさんの大切なお客様ですので、腕によりをかけてお作りさせてもらいました」
平安神「料理長はん、うち平安大神社の者なんやけど次の大祭の時に料理お願いしてもええか?」
料理長「名誉なことありがとうございます」
神様「お前達、使いもしない金が沢山あんだろ? 定期的に来い」
七逆神「わし、毎週来るわ」
680: 2016/05/25(水) 02:10:54 ID:JuM5gJT2
神使「ちょっと、神様!」ボソッ
神様「なんだよ」
神使「支払いどうするんですか! 私そんなにお金持ってきていませんよ?」
神様「フリーパス券があ―――」
神使「ダメに決まっているじゃないですか!」
神様「今日の売上から出そ―――」
神使「もっとダメです!」
神様「私のクレジットカー―――」
神使「神様が払いきれる訳ないじゃないですか・・・」
神様「分かってるって~ 任せてちょ」
681: 2016/05/25(水) 02:11:49 ID:JuM5gJT2
神様「料理長、会計お願い」
料理長「そんな、神ちゃんさんからお金は受け取れまへんよ」
神様「でも悪いよ、なぁ皆?」
七逆神「そりゃそうですわ。 こんな良いもん出してもろてタダなんてワシのプライドが許さへん」
下鴨神「ほんまやで」
七逆神「神ちゃんから受け取れないんやったらワシが出すわ。 料理長ええか?」
神様「・・・・・・」ニヤリ
料理長「おおきに」
神様「んじゃ、七逆神ごちです! 巫女ちゃんもお礼を」
巫女「七逆神様、ありがとうございます」
七逆神「かまへんかまへん」
神使「(神様・・・ 相変わらず悪知恵ばかり良く働きますね・・・)」
682: 2016/05/25(水) 02:12:56 ID:JuM5gJT2
テクテク
神様「良い店だったろ?」
平安神「最高やわ、神ちゃんにええ店教えてもろて感謝や」
神様「巫女ちゃんも満足できた?」
巫女「あんな高い物を私なんかにご馳走して頂いて申し訳ありません」
七逆神「気にせんでええって、うちで働いてる巫女ちゃんのこと知らなかったお詫びや。 すまんな」
巫女「そんな・・・ 私なんて知らなくて当然です・・・」
七逆神「そんなことないわ」
巫女「こうして神様方と一緒にいること自体が場違いですし・・・」
683: 2016/05/25(水) 02:13:51 ID:JuM5gJT2
神様「さてと、お前達はこの後どうすんの?」
七逆神「折角やし、みんなうち寄ってくか? ええ日本酒があんねん」
下鴨神「ええな」
平安神「ほないこか」
たけ神「神ちゃん達はどうするん?」
神様「先に社務所に行って売上置いてくるから、その後で合流~」
七逆神「ほな、社務所まで一緒に行こか」
テクテク
684: 2016/05/25(水) 02:15:41 ID:JuM5gJT2
―― 七逆神社
宮司A「七逆神様! それに下鴨神様に平安神様・・・ たけ神様まで! 」
七逆神「お~ 今戻った」
宮司A「皆さん、禊ぎ中では?」
京神一同「(やべっ・・・ 忘れてた!)」
宮司A「ん? なんで巫女のお前が神々様と一緒にいるんだ?」
巫女「その・・・ 申し訳ありません!」
七逆神「まぁ、良いじゃないか宮司」
宮司A「巫女の教育は神職、いえ人の勤めです。 神々の方は口を挟まないで頂けますか?」
七逆神「・・・・・・」
685: 2016/05/25(水) 02:16:52 ID:JuM5gJT2
神様「七逆神に夕飯をご馳走してもらっただけだって」
宮司A「なっ! 神々様と食事だと? 無礼者!!」
巫女「申し訳ありません」ビクッ
宮司A「身分をわきまえろ!」
神様「巫女ちゃんは私が無理矢理誘っただけだしさぁ」
宮司A「禊ぎ中の神々をたぶらかして食事ですか? 良いご身分ですな、さすが内宮神籍の神だ」
神様「・・・・・・」ムスッ プクー
神使「まずいですね・・・ 神様が、おこです・・・」
巫女「そんな・・・ そんな言い方・・・ 神様に失礼です!」
宮司A「私に口答えするのか! 無礼な巫女だ!」
神使「宮司様、落ち着いて下さい」
686: 2016/05/25(水) 02:18:27 ID:JuM5gJT2
宮司A「お前は今日でクビだ! 荷物をまとめて出て行け」
巫女「・・・・・・」
神使「神様・・・ なんとか仲裁を」コソッ
神様「七逆神社は巫女ちゃんをクビにするのか?」
七逆神「撤回はしませんぞ」
神様「じゃ、クビで」
神使「ちょっと、神様」
七逆神「神ちゃん・・・ あんまりやわ」
神様「巫女ちゃん」
巫女「・・・・・・はい」グスッ
神様「明日から巫女ちゃんを神宮の内宮神付きの巫女として採用する」
巫女「え?」
宮司A「なっ! 内宮神付き!?」
687: 2016/05/25(水) 02:19:42 ID:JuM5gJT2
神様「明日辞令を出す。 神使、手続きしておけ」
神使「え? あっ、はい」
神様「それと宮司」
宮司A「なんでしょうか?」イラッ
神様「これ、たけたけ神社の売り上げ。 いや~ 参拝者いっぱい来て楽しかったわ」ホレッ
宮司A「・・・・・・」ジャラッ
神様「んじゃ、用事も終わったし皆で飲み直そう!」
七逆神「ふははっ、神ちゃんやっぱ最高やわ」ハハハッ
たけ神「神ちゃんは相変わらずやな」
神様「巫女ちゃんも行くよ? 内宮神付きの巫女は神様の相手が仕事だからね?」
巫女「神様・・・」
688: 2016/05/25(水) 02:21:51 ID:JuM5gJT2
神使「では、私は神様用のコーラをコンビニで買って参ります!」
神様「さすが犬ころ! 2リットル5本くらい買ってきて」
平安神「ほな、本殿行きましょか」
ゾロゾロ
宮司A「・・・・・・クソッ」イラッ
神様「そうだ、宮司さ~ん?」
宮司A「なにか?」
神様「週明けに神様機構と合同で神宮の査察入るらしいよ? 会議資料とか注意してね~」
宮司A「・・・・・・」
神様「今から隠せば間に合う! ガンバレ~」
689: 2016/05/25(水) 02:24:45 ID:JuM5gJT2
―― 本殿内
七逆神「でも神ちゃん、巫女ちゃんをいきなり内宮付きなんて可哀想過ぎちゃいますの?」
下鴨神「神宮は相変わらずギスギスしてるんちゃいます?」
神様「あ~ べつに神宮には連れて行かないよ」
神使「しかし、ここに残ってもやりづらいのでは・・・」
神様「たけちゃんさぁ」
たけ神「なんでっしゃろ」
神様「たけたけ神社で巫女ちゃんを預かってくれない?」
たけ神「うちの神社ですか?」
神様「うん」
690: 2016/05/25(水) 02:25:52 ID:JuM5gJT2
たけ神「かまへんですけど。 巫女ちゃんは小さい頃からうちの神社に来てくれてましたし」
神様「巫女ちゃんは、たけたけ神社で良い?」
巫女「私が・・・ たけたけ神社で?」
神様「こっちからのお願いだから無理にとは言えないんだけど・・・」
巫女「神様・・・」
神使「たけたけ神社も宮司同士が繋がっているのでは?」
神様「たけたけ神社を別表にする」
神使「別表!? 神宮管理にすると言うことですか?」
神様「あんなデカい規模の神社が個別管理ってのはダメ」
神使「たしかに、神宮に登録されている資料と境内の大きさが全然違いますが」
神様「どうせ勝手にデカくしたんだろ」
691: 2016/05/25(水) 02:26:43 ID:JuM5gJT2
たけ神「ということは宮司も変わるんちゃいます?」
神様「もち、飛ばされた前の宮司を推薦する予定」
たけ神「それは嬉しいですわ」
神使「しかし、そんな大きい改革できるんですか?」
神様「相当面倒な根回しが必要だな~」
神使「大丈夫ですか?」
神様「私は神力が仕えない分、どんな手を使ってでも願いを叶える」
巫女「!!」ハッ
~
パンッ パンッ
巫女「(昔の素敵なたけたけ神社に戻りますように)」フカブカ
~
神使「・・・・・・」チラッ
巫女「・・・・・・」ウルウル
神使「そう言うことですか・・・」フッ
692: 2016/05/25(水) 02:27:35 ID:JuM5gJT2
神使「私に出来ることがあれば遠慮無くおっしゃって下さい、神様」
たけ神「私も協力しますよ?」
七逆神「もち京都中の神は神ちゃん派やで」
神様「気持ちが悪いので、そういう馴れ合いは勘弁して下さい」
神様「それに・・・」
神使「?」
神様「これは、私の仕事だ」ニコッ
694: 2016/05/26(木) 03:50:26 ID:EmzzaHUY
――翌日
神使「神様?」ユサユサ
神様「ん~ あと1日・・・」
神使「何ですか、それ・・・ いい加減起きて下さいよ」ユッサユッサ
神様「なんだよ・・・」ムニャムニャ
神使「人事院から連絡がありました」
神様「連絡?」ポー
神使「巫女さんの内宮付き巫女の登用許可が出ました」
神様「あっそう」ノビー
神使「それと・・・ 内宮神様から神宮に一度戻るようにとメールがありました」
神様「はぁ? 内宮神?」
神使「はい」
神様「・・・・・・」
695: 2016/05/26(木) 03:51:50 ID:EmzzaHUY
神使「たけたけ神社の別表化に関してでしょうか?」
神様「アイツがそんな事に首突っ込む分けねぇよ」
神使「(内宮神様でもアイツ呼ばわりですか・・・)」
神様「ハァ~ 面倒くさ・・・」
神使「神様? 内宮神様にそんな口の利き方したらダメですよ?」
神様「ねぇ、バッくれて遊び行かない?」
神使「ダメです。 神様を連れて行かないと私が怒られます」
神様「大丈夫だよ、アイツは私にはとっても優しいから」
神使「・・・・・・私は内宮神様にお目にかかったことが無いのですが」
神様「まぁそうだろうな。 びっくりするぞ? 保証する」ニタッ
神使「(なんでしょう、この嫌な感じ・・・)」
696: 2016/05/26(木) 03:53:12 ID:EmzzaHUY
神様「それより、巫女ちゃんは?」キョロキョロ
神使「神様のせいでここをクビになったので、荷物をまとめて引き上げる準備に」
神様「すげー刺々しい言い方じゃね?」
神使「事実ですので」
トントン
神使「どうぞ」
巫女「失礼いたします」
神様「ちょうどいいや、巫女ちゃん」
巫女「はい」
神様「これから辞令交付を行う」
巫女「辞令ですか?」
697: 2016/05/26(木) 03:54:09 ID:EmzzaHUY
神使「まさか、ここでやるんじゃないでしょうね?」
神様「なにか問題あるのかよ! 犬ころ!」
神使「他の主神様達が酔いつぶれて、そこら辺に転がっているのですが・・・」
神様「気にすんなって」
神使「それに・・・ お酒臭いです」
神様「おい、たけちゃん」ユサユサ
たけ神「う~ん・・・ なに? 朝け・・・?」ボー
神様「巫女ちゃんの辞令交付するからお前は起きろ」
たけ神「あい・・・」
698: 2016/05/26(木) 03:55:07 ID:EmzzaHUY
神様「それでは、巫女ちゃん」
巫女「はい」
神様「其方を本日付で神宮の巫女とし、辞令を発令する」
巫女「お受けいたします」
神様「所属を内宮神付き巫女とし、たけたけ神社の主神付き巫女として出向を命ずる」
巫女「はい」
神様「たけ神よ、挨拶を」
たけ神「Zzz・・・」グー
神様「以上を持って辞令交付とする」
神使「・・・・・・」
神様「巫女ちゃん、がんばって。 良い巫女さんになってね」ニコッ
巫女「ありがとうございます、神様」
699: 2016/05/26(木) 03:56:59 ID:EmzzaHUY
―― 夕方
神使「神様? 準備は良いですか?」
神様「あぁ、大丈夫」
神使「本当に皆さんにお別れはしなくても良いんですか?」
神様「あいつら絶対起きないし、巫女ちゃんも今日中に引っ越ししないとだから」
神使「分かりました、では行きましょうか」
700: 2016/05/26(木) 03:58:27 ID:EmzzaHUY
テクテク
神様「犬ころ?」
神使「なんでしょうか」
神様「神宮に戻る前に一箇所行きたいところがあるんだけど良いか?」
神使「でも、内宮神様からの呼び出しですから急ぎませんと」
神様「頼む・・・ 京都に来たら昔から毎回寄ることにしているんだ・・・」
神使「昔からですか?」
神様「あぁ、古いなじみというか・・・ 無理だったら諦めるけど・・・」
神使「神様?」
神様「・・・・・・」
神使「・・・分かりました。 お供いたします」
神様「すまない、我が神使よ」
701: 2016/05/26(木) 04:00:27 ID:EmzzaHUY
―― 舞妓茶屋
神様「うひゃひゃ、舞妓はんの負け~!」
舞妓「神ちゃんはん、強すぎやわ~」
神様「私に運で勝とうとするなんて二千年早いわ!」カッカッカッ
神使「・・・・・・」
神様「あっれ~? 神使ちゃん、もしかしてご機嫌斜め~?」
神使「はい」
神様「舞妓は~ん、この犬ころがご機嫌斜めで~す」
舞妓「どないしはったんどす?」
神使「いえ、先ほどから下着一丁で遊んでいる女性の方が信じられなく」
神様「お? それって私? なんと! 私下着一丁だ~! キャ~ はじゅかち~」イヤーン
舞妓「自分から脱ぎはったんやないですか。 神ちゃんはん、ほんま面白いわぁ~」
神様「舞妓ちゃん、かわゆい~ もう一回言って?」
神使「ハァ~ どこのオヤジですか・・・」ゲンナリ
702: 2016/05/26(木) 04:02:17 ID:EmzzaHUY
テクテク
神様「は~ 満足満足!」ツヤツヤ
神使「神様? いくらかかったと思ってるんですか?」
神様「良いじゃん、たまには羽目を外さないと疲れちゃうし~」
神使「当分の間、天引きですよ? お小遣いなしですからね?」
神様「へいへい」
703: 2016/05/26(木) 04:05:20 ID:EmzzaHUY
神様「でも・・・ 念願の舞妓さん遊びも出来たし、楽しかった!」
神使「そりゃあれだけ遊べば楽しかったでしょうね」
神様「あぁ、これで思い残すことはないな・・・」
神使「?」
神様「ありがとうな、ワガママ聞いてくれて」ニコッ
神使「神様?」
神様「さてと、神宮へ行きますか」
神使「はぁ・・・」
神様「帰りは新幹線だぞ? のぞみ乗ろう! のぞみ!」
神使「・・・・・・」
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」#5 ―END
704: 2016/05/26(木) 04:12:17 ID:EmzzaHUY
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