1: 2017/12/18(月) 00:50:43 ID:8s/TCYA6
神様「前スレだ!」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#01 「ひのひの村」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#02 「おきつねこんこん教」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#03 「にゃんにゃん島」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#04 「吉祥寺」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#05 「京都」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#06 「神宮」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#07 「こわこわ神社」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#08 「神使」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#09 「のんびり村」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#10 「巫女カフェ」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#11 「もももも神社」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#12 「あにあに神社」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#13 「いつでも一緒」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#0
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#14 「キセキ野教会」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#15 「神苑温泉」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#16 「お花を摘みに」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#17 「こんこん稲荷神社」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#18 「我☆偽神」
神使「読まなくても良いと思います」
神様「長い!」
2: 2017/12/18(月) 00:52:00 ID:8s/TCYA6
神使「神様、 早くして下さい」
神様「待ってよ、重要な問題なんだからぁ」
神使「も~ どれも同じじゃないんですか?」
神様「何言ってんだよ全然ちげーよ。 おばちゃん、あと幾ら分?」
おばちゃん「あど80円分だがね」
神様「80円か~ どうすっかな~」
神使「限界です。 バス来ましたから行きますよ」
神様「うそ! じゃぁ残り全部ヨーグルで良いや」
おばちゃん「きーつけんよ~」
神使「あっ! バスが! すいません~ バス乗ります~!」タッタッタッ
プッ プッー
3: 2017/12/18(月) 00:52:50 ID:8s/TCYA6
~あらすじ~
神様「私は神様! 神宮に籍を置くとっても立派でかわゆい理想の女神!」
神使(訳)「神宮が誇る最悪の問題児、減給左遷を総なめにするダメ神です」
神様「悪の手先の陰謀にも負けず、今日も私を待つ者を救うべく旅を続ける」
神使(訳)「数々の問題行動の発覚により無期出向となった神様は全国の廃神社の管理を命じられたのでした」
神様「そう! 私は神の中でも最も優れた力を持つ最強の神様だ!」
神使(訳)「“ダメ神”です」
4: 2017/12/18(月) 00:53:48 ID:8s/TCYA6
【#18】
─── バス内
ブーン
神使「そんなに駄菓子ばかり買い込んで・・・」
神様「あ? 私のお小遣いじゃこんな贅沢しかできないんです~」ベー
神使「何ですか? その小さいヨーグルトみたいなもの」
神様「ヨーグル」
神使「相変わらず説明になっていないですね・・・ そんなに沢山買って好きなんですか?」
神様「お前が急かすからだよ」
神使「一遍に食べちゃダメですよ?」
神様「だから、子供扱いすんなって!」
神使「お子様しか食べないものをそんなに持っていたらお子様です」
神様「お~け~ 神罰!」ゲシッ
神使「痛い! ですから、それは神罰ではなくただの足蹴りですから・・・」スリスリ
5: 2017/12/18(月) 00:54:44 ID:8s/TCYA6
─── 1時間後
プシュー
運転手「あんだ達こげな所で降りてどこさ行くん?」
神様「どこ行くの?」
神使「よりより村です」
神様「です」
運転手「よりより? んぁ~ そう言えばこの先にそげな名前の村さあっだな」
神使「私達しか乗客がいないようですが、あまり村に行く人はいないんですか?」
運転手「居にゃーよ。 客っこ居にゃーから、この路線も来月で廃止になるんよ」
神様「にゃにゃにゃ~?」
運転手「きーつけんよ~」
6: 2017/12/18(月) 00:55:19 ID:8s/TCYA6
─── よりより村・入り口
神様「さっきの運転手、訛りきつかったな」
神使「そうですね。 しかし、空気が美味しい所ですね」
神様「本当に人住んでんのか?」
神使「よりより村はここから徒歩で30分ほど行ったところだそうです」
神様「さらに歩くのかよ・・・」
神使「日が暮れるまでには村に入りたいので急ぎましょう」
神様「ちょい待ち!」
神使「?」
7: 2017/12/18(月) 00:56:07 ID:8s/TCYA6
神様「取りあえずさぁ、何しに行くか教えて?」
神使「これから行くよりより村は20年に一度、神の立ち寄りを行う風習があるようです」
神様「ふ~ん、で?」
神使「私達がその役を拝命しました」
神様「なんで? ここら辺の神に行かせれば良いと思うの」
神使「神社の統廃合で神が別の場所に移動されたので、近くに神がいないそうなんです」
神様「うん、だからなんで私達なの?」
神使「丁度、近くにいたもので・・・」
神様「近くなかったよね? 電車で2時間、バスで1時間かかってるし。 しかもこれから徒歩で30分歩くんでしょ?」
神使「・・・・・・」
8: 2017/12/18(月) 00:56:52 ID:8s/TCYA6
神様「本当の理由は?」
神使「特別出張費が3万円支給されます」
神様「そんな事だろうと思ったよ」ハァ
神使「資金難は今の私達にとって氏活問題ですので」
神様「そこまでお金ないの?」
神使「このままですと、1日一食減らす必要があります」
神様「・・・マジ?」
神使「神様のコーラ代なんか出すことも出来なくなるでしょう」
神様「よし! よりより村にレッツゴー!」トテトテ
9: 2017/12/18(月) 00:57:42 ID:8s/TCYA6
─── よりより村
テクテク
神使「ようやく村に着いたみたいですね」
神様「ここは現代日本か? 江戸時代の村みたいなんだけど・・・」
神使「良い感じじゃないですか。 かやぶき屋根のお家とか」
神様「いや、ほとんど廃墟化してんじゃん。 あっちの家なんか崩れてるよ?」
神使「限界集落なのでしょうね。 神様はこういう雰囲気はお嫌いですか?」
神様「私の夢は超高層ビルの最上階で毎日ダラダラお賽銭だけで暮らすこと」
神使「そうですか・・・」
神様「ビル住みたい!」
神使「あっ、正面に鳥居が! あの神社ですね」
神様「崩れ~ かけの~ 神社♪」
10: 2017/12/18(月) 00:58:31 ID:8s/TCYA6
─── よりより神社・社務所
神使「すいません」
村人「はい?」
神使「こちらの神社を管理されている方はおりますでしょうか?」
村人「私で大丈夫ですが」
神使「立ち寄りで参りました」
村人「立ち寄り?」
神使「はい。 その・・・ 20年に一度の・・・」
村人「・・・・・・。 もしかして、神さまですか?」
神様「神は私! かわゆいでしょ」ウフン
村人「・・・・・・。 ご案内いたします」ヨイショ
神様「本殿? 私あんまり本殿とか好きじゃないから別のところが良いなぁ~」
村人「ご安心を。 本殿ではありません」
11: 2017/12/18(月) 00:59:35 ID:8s/TCYA6
───汚い小屋
神様「うわっ、本殿が嫌だって言ってもこの小屋はさすがに・・・」
神使「贅沢は言いませんが、せめてもう少し綺麗な部屋を頂けると」
ガチャン
神様「ちょ、何で鍵閉めるの!?」
神使「鉄格子? いくら何でもこの扱いは失礼かと思うのですが?」
村人「いや~ 実は神さまは昨日到着されていましてね」
神様・神使「はい?」
12: 2017/12/18(月) 01:00:11 ID:8s/TCYA6
村人「つまり、どちらかが偽物ということに」
神様「いやいや、私本物だよ?」
神使「あの、何かの間違えでは?」
村人「それを確かめるまで、申し訳ありませんがここにいて下さい」
神様「マジっすか・・・」
村人「村長に確認取るまでは、我慢して下さい。 それでは」テクテク
神様・神使「・・・・・・」
13: 2017/12/18(月) 01:00:49 ID:8s/TCYA6
神様「・・・ねぇ神使君?」
神使「はい」
神様「来ない方が正解だったんじゃないの?」
神使「そんな気がしますね・・・」
神様「んがー! せめて夕飯だけでも食べさせてー! お腹空いた~!」ドンドン
神使「神様、恥ずかしいのであまりそう言う事は大声で言わないで下さい・・・」
神様「お願いだよ・・・ 生米でも良いから・・・」ガクッ
17: 2017/12/19(火) 03:53:03 ID:DGHbWwqA
─── 1時間後
神様「ほらほら、神使君もたんとお食べ」モサモサ
神使「どうも・・・」
神様「ヨーグルいっぱい買っておいて良かっただろ?」
神使「あまりお腹には溜りませんね、コレ・・・」モサモサ
神様「しっかし、私達より先に神が来てるってどういう事だよ」
18: 2017/12/19(火) 03:54:09 ID:DGHbWwqA
神使「一体誰なんですかね? この近くに神がいるなんて聞いていな───」
神様「シッ! 静かに」シー
神使「?」
神様「誰か外で話をしている気がする」
神使「外?」
神様「聞こえるかな?」ペタッ
神使「壁に耳を当てたくらいで聞き取れるんですか?」
神様「この壁薄い。 お前も耳当ててみろ」
神使「はぁ」ペタッ
19: 2017/12/19(火) 03:55:18 ID:DGHbWwqA
村人A「もう一組神様が来たんだって?」
村人B「あぁ。 どちらかが偽物だって噂だ」
村人A「偽物?」
村人B「たぶん、貢ぎ物目当てじゃないかって」
村人A「最初に来た人達が本物だろ? あんな事できるのは神以外じゃ考えられない」
村人B「そうだな」
村人A「って事はこの小屋に閉じ込めてある奴らが偽物・・・」
村人B「他の皆も同じ意見だ」
村人A「バカな奴らだ」
20: 2017/12/19(火) 03:57:01 ID:DGHbWwqA
神様「声でけーな。 耳当て無くても丸聞こえじゃん」
神使「私達、偽神扱いされているようですね」
神様「う~ん・・・」
神使「どうしましょうか? 私達より先に来た方も神のようですし、理由を話して帰りますか?」
神様「何を言っているんだい、神使君や」
神使「?」
神様「聞いていなかったのかい? 貢ぎ物があるのだよ?」ニヤッ
神使「まさか神様・・・」
神様「20年間村が蓄えた貢ぎ物。 これは期待できそうじゃないか」ニヤッ
神使「しかし、先に来た神は・・・」
神様「そんなもん追い返すに決ってんだろ。 財宝は私のものだ!」
神使「財宝とは限らないと思いますが・・・」
21: 2017/12/19(火) 03:58:51 ID:DGHbWwqA
神様「でも先に来た神って誰だ? 神力を全く感じないんだけど」
神使「神様と違って高位の神ではないですか? 神力を隠しているとか」
神様「神罰」ゲシッ ゲシッ
神使「痛い!」ガクッ
神様「取りあえずここから出て、その神に会いに行こう」
神使「入り口に錠がかかっているので出られませんが」
神様「裏の扉は?」
神使「先ほど試しましたが開きませんでした」
22: 2017/12/19(火) 03:59:44 ID:DGHbWwqA
神様「んじゃ、入り口の鍵を壊して外に出ますか」トテトテ
神使「南京錠ですよ?」
神様「こんなホムセンで売っているような南京錠、開けるの簡単だよ」
神使「またそんな出来もしないことを・・・」
神様「まぁ見てろって」
ゴソゴソ
神使「ん?」チラッ
23: 2017/12/19(火) 04:00:37 ID:DGHbWwqA
神様「さてと、この針金で良いかな」ガチャガチャ
神使「あの・・・ 神様?」
神様「なんだよ、今開けるって」ガチャガチャ
神使「いえ・・・ その、隣の窓の外に・・・」
神様「窓? お化けでもいるか?」クルッ
24: 2017/12/19(火) 04:01:34 ID:DGHbWwqA
村人「何やってるんです?」
神様「・・・・・・お化けさんですか?」
村人「氏んだ覚えは無い」
神様「そのようですね。 先ほどお会いしましたね」
村人「で? 何やってるんです?」
神様「とても素敵な南京錠だったもので、つい見とれてしまって・・・」
村人「・・・・・・」
神様「食べかけですけど、ヨーグルいります?」スッ
26: 2017/12/21(木) 07:45:01 ID:xath1R8E
テクテク
神様「逃げねーから腰縄外せー!」ジタバタ
村人「さっきから逃げる気満々じゃないですか。 ほら、速く歩いて下さい」
神使「あの、私達どこに連れて行かれるのでしょうか?」
村人「行けば分かるから」
神様「私を黙って連れていきたいなら牡蠣フライ食わせろ!」
村人「どうぞ」スッ
神様「え!? マジで? 何で持ってんの?」パクッ
村人「さつまいもフライですが」
神様「うっ! ボソボソ! こんなの喰ったらおなら出ちゃうって」モグモグ
神使「何にでも食いつく癖直して下さいよ、神様・・・」
神様「ふもっ」モグモグ
27: 2017/12/21(木) 07:46:35 ID:xath1R8E
─── 本殿前
村長「お宅らが先ほど来られた神さまですか?」
神様「村長さん、スーツ姿がキマってますね」
村長「神さま、で間違いないですか?」
神様「見て分かる通り、私はとっても立派でかわゆい理想の女神!! ドドン!」
村長「・・・隣の方は?」
神様「神様のお付で神使と申します」ペコリ
村長「神を名乗ってこの村を訪れたのはあなた達だけじゃないんだ」
神様「そうらしいね。 ちょっとその神と合わせてくれない? 話があるから」
村長「この村に同時に神が2組も訪れるなんて変だと思わないか?」
神様「村長さんのパーパリーのスーツの方が気になる。 それ高いんじゃない?」
村長「偽物が紛れ込んでいる!」
ザワザワ
28: 2017/12/21(木) 07:47:45 ID:xath1R8E
神様「そのスーツ、村で買ったの? ここら辺にお店あるの?」
村長「神の名をかたる偽物はこの村から返すわけには行きません!」
神様「なるほど。 私の話を聞かないパティーンですね?」
神使「あの、なにかの手違いという事も考えられますので決めつけるのはどうかと思いますが」
村長「20年に一度の立ち寄りで同時に来るなんてあり得ない!」
神様「取りあえず先に来た神に合わせてよ。 白黒付けるから」
村長「そのつもりです」
神様「あっ、聞いた」
29: 2017/12/21(木) 07:48:45 ID:xath1R8E
村長「これから、どちらが本物の神か勝負をしてもらいます」
神様「勝負?」
村長「正直、私達は最初に来た方達が本物の神だと思っています」
神様「私達は偽物確定ということですね?」
村長「あなた達が本物だというのであれば勝って証明して見せれば良いかと」
神使「待って下さい。 神同士を勝負させるだなんてそんな不敬なこと───」
神様「いや、良いだろう! その勝負のった!!」
神使「え!?」
30: 2017/12/21(木) 07:49:27 ID:xath1R8E
神様「大丈夫だって。 相手も神ならお互い分かるし、私がちょっと言えばいなくなってくれるから」ボソッ
神使「私達が引くという選択肢はないんですね・・・」
神様「さぁ! 勝負だ! 勝負!」
村長「本殿の扉をお開けしろ」
村人「はい」
ギーッ
33: 2017/12/27(水) 00:16:52 ID:DYAh8M0.
ピカー
神様「うお! まぶしっ!」
神使「もの凄い後光ですね」
神様「後光って言うかここまでくるとスポットライトだよね」
偽神「我は神!」ピカー
村人達「はは~っ」ドゲザ
神様「ほぇ~ 凄い衣装着てるな。 どこに売ってんだよ・・・ まさか、あれもパーパリー!?」
神使「それはないと思いますが・・・ 隣にいるのは神使さんでしょうか?」
34: 2017/12/27(水) 00:18:17 ID:DYAh8M0.
偽神「頭を上げる事を許す!」
女神使「みなさん、楽にして下さい」
神様「あっ、かわゆい女の子」
神使(あれ? あの方・・・)
神様「ねぇ神使君、あの凄い衣装のヤツ私知らない。 アレ神じゃなくて人間だよ」
神使「・・・・・・」
神様「神使君?」
神使「えっ? あっ、すいません。 何ですか?」
神様「・・・・・・。 いや、別に」
35: 2017/12/27(水) 00:19:48 ID:DYAh8M0.
村長「神さま、お手を煩わし恐縮ではございますが神のお力をお見せ頂ければと」
神様「しょうがないな~」トテトテ
村長「アンタじゃない。 こちらの神さまだ」
神様「あ~」
偽神「ふっ、良かろう。 おい、そこの巫女!」
神様「ミー?」
偽神「そうだ。 おっと失礼、神だったか?」ニヤッ
神様「本当、失礼なヤツだな。 私に何か用?」トテトテ
偽神「これは知っているか?」スッ
神様「トランプ」
偽神「違う! 神☆トランプだ!」
神様「おっ、忍天堂のヤツじゃん。 結構高かったんじゃない?」
偽神「シーーット! 一般人が触れることは許されない神☆専用の神具だ」
神様「そうですか・・・」
36: 2017/12/27(水) 00:21:18 ID:DYAh8M0.
偽神「この神☆トランプから好きなものを1枚、神☆私に見えないように引くことを許す」
神様「は?」
偽神「二度言わすな」
神様「触れちゃダメなんじゃないのかよ・・・」
偽神「今日は特別に許してやる。 有り難く思うんだな」
神様「そりゃどうも。 んじゃコレで」スッ
偽神「柄を覚えたら好きなところに戻せ」
神様「どこでも良いの?」
偽神「無論! 神☆私が許す!」
神様「うぜ~」スッ
偽神「イッツ☆ショータイム!」
神様「ショーなの?」
37: 2017/12/27(水) 00:22:15 ID:DYAh8M0.
ピカー
神様「だから一々眩しいんだよ!」
村人達「お~ この神々しさ、まさに神!」
神様「神力はこんなに光らねーよ・・・」
偽神「神☆私の力で、この神☆トランプは全てお前が先ほど引いた柄に置き換わった!」
神様「はい?」
偽神「見るが良い!」
38: 2017/12/27(水) 00:23:15 ID:DYAh8M0.
バラバラ
神様「うわっ! 全部同じ柄! さっき私が引いたババだ」
偽神「神☆ババだ!」
村人達「お~」パチパチ
偽神「コレで驚くのはまだ早い! 夜空を見よ!」
神様「空?」
偽神「神☆私から視線を外すことを許す! さぁ夜空を見上げよ!」
神様「本当、一々ウザいなぁ~」クルッ
39: 2017/12/27(水) 00:24:40 ID:DYAh8M0.
村人A「見ろ! 夜空に神☆トランプの柄が!」
村人B「ババだ! 神☆ババが浮かんでる!」
神様「お~ すげーじゃん」
村長「さすが神さま」ドゲザ
村人達「はは~」ドゲザ
偽神「どうだ巫女よ! 神☆私の力を見て言葉も出まい!」ワハハ
女神使「・・・・・・」
神様「ん~」チラッ
神使「・・・・・・」
40: 2017/12/27(水) 00:26:23 ID:DYAh8M0.
村長「それじゃ、今度はお宅の力を見せてもらおうか」
偽神「偽神と認めるなら今のうちだぞ」
神様「・・・・・・。オッケー、私の負け」
シーン
神使「え? えっ!?」
神様「この勝負、私の負け。 そこのハデハデ衣装野郎には敵わないわ」
偽神「何と失礼な! 神☆私に向かってなんたる侮辱!」
女神使「・・・・・・」
41: 2017/12/27(水) 00:27:14 ID:DYAh8M0.
神使「ちょ、神様! どうしたんですか?」
神様「帰ろう。 3つ前の駅に温泉があったから入りに行こうぜ~」テクテク
村長「待ちなさい!」
神様「ん?」
村長「負けを認めて、この村から帰れるとは思っていないよな?」
神様「え・・・」
村長「この者どもを小屋に連れて行き閉じ込めておけ!」
村人達「承知!」ダダダッ
神様「まじかよ!」
45: 2017/12/31(日) 00:08:48 ID:hGoYSahE
─── 小屋
神様「ここから出せー! 焼肉食わせろ! 浜焼きさせろ!」ドンドン
神使「あの、神様?」
神様「お前も犬ころなら穴掘って抜け道を作る努力をしろよ」
神使「そんな芸は持ち合わせておりません。 それより・・・」
神様「あ?」
神使「どうして、あっさり負けを認めてしまったのですか?」
神様「・・・・・・」
神使「神様の性格上、自分から負けを認めるとは思えません。 それに貢ぎ物を簡単に諦めるはずありませんし」
神様「神使くんさぁ、私をそう言う目で見てたの?」
神使「はい。 間違っていないと断言できます」
神様「相変わらずサラッと猛毒吐くねぇ~」
46: 2017/12/31(日) 00:09:50 ID:hGoYSahE
神使「で、どのような理由が?」
神様「・・・・・・。 負けた方が良い気がした」
神使「えっ?」
神様「偽神は人間だけど、お付きの子は神使だよな。 本物の神使」
神使「・・・・・・」
神様「あの子の目、とても強い意志を感じた。 遊び半分で私が首突っ込まない方が良いかなぁって思ってさ」
神使「神様、あの方はご存じで?」
神様「うんにゃ知らん。 初めて会った」
神使「そうですか・・・」
神様「それより、逃げる方法考えろよ。 すいませ~ん! 誰か南京錠の鍵持ってきてくれませんか~」ドンドン
47: 2017/12/31(日) 00:11:12 ID:hGoYSahE
神使「彼女は・・・ 神使学校時代の先輩です」
神様「知り合い?」
神使「何度か学校で見かけた程度です。 多分彼女は私のことを知らないと思いますが」
神様「話しにくかったら無理に話さなくて良いよ?」
神使「いえ、私も少し気になることがありまして・・・」
神様「・・・話してみ?」
神使「彼女は、神使学校始まって以来の天才でした」
神様「え~ 犬ころまた謙遜してるんじゃないの?」
神使「いいえ、たぶん天才というのは彼女のようなことを言うんだろうと思います」
神様「そこまで? でも神使学校を卒業した生徒の成績は私も目を通してたけど、そんな子記憶にないよ?」
神使「彼女は卒業しておりませんので」
神様「は? 途中で辞めたって事? あそこ退学とかないだろ」
神使「どのような扱いになっているのかは分かりませんが、卒業していないことは間違いありません」
48: 2017/12/31(日) 00:13:35 ID:hGoYSahE
神様「さっき、先輩って言ってたよね?」
神使「私の3つ上です」
神様「確か神使学校は6年制だから、神使君が入学した時は4回生だったのか」
神使「いえ、6回生でした」
神様「計算合わなくね? まさか、私の知っている計算方法が間違ってる!?」
神使「飛び級です」
神様「ほぇ~ あそこで飛び級なんて凄いな。 はじめて聞いた」
神使「入学した時にはすでに医学と生物学、それと物理学の博士号を持っていたそうです」
神様「マジかよ・・・ なんでそんな頭が良いのに神使学校に入ったんだよ」
神使「彼女が神使学校に入学した理由は、神と神使の存在を科学的に証明すること」
神様「・・・・・・」
49: 2017/12/31(日) 00:14:16 ID:hGoYSahE
神使「神使学校で1年に一度開かれる論文発表会で一度だけ彼女の発表を聞いたことがあるんです」
神様「あ~ 昔の事をあーだこーだ言うつまんない論文の発表だろ?」
神使「つまらないって・・・」
神様「で、彼女は何を発表したんだ?」
神使「神力の科学的証明」
神様「ほぉ。 それは興味深いな」
神使「神の力を科学と一緒に扱うなんてタブーですよ」
神様「お堅いね~ で、内容の方は?」
神使「正直、専門的すぎて全く分かりませんでした」
神様「一度その論文見てみたいな」
神使「発表会の後に配られた論文集に、彼女のものは掲載されていませんでした」
神様「ふ~ん」
神使「その数日後、彼女は学校から・・・」
神様「なるほどね」
50: 2017/12/31(日) 00:14:59 ID:hGoYSahE
神使「偽神さんの方は、私は存じ上げないですが・・・」
神様「アレはやり手の手品師って感じだよな」
神使「手品師!? 先ほど見たものは手品だったんですか?」
神様「どう見ても手品だろ・・・」
神使「つまりタネがあると?」
神様「あのトラン・・・ 神☆トランプは全部の柄が最初から神☆ババだったんじゃね?」
神使「え!?」
神様「最初にトラン・・・ 神☆トランプの全柄を見せてなかったし」
神使「そういえば・・・」
神様「空に柄を浮かばせたのも事前に柄が分かっていたから。 たぶん投影機かなにか使ってんじゃないの?」
51: 2017/12/31(日) 00:17:23 ID:hGoYSahE
神使「あの天才の彼女が手品師とグルという事ですか!?」
?「グルという言い方は適切ではないと思います」
神様・神使「!?」クルッ
女神使「夜分遅くに失礼いたします」フカブカ
神使「えっ、ちょ・・・ どこから入ったのですか? この小屋には鍵が・・・」
女神使「タネを明かすことは出来ませんので」
神使「それって・・・」
神様「おや? 仕掛けありだって認めちゃうの?」
女神使「はい。 絶対にバレない自信はありますから」
神様「抜かりなしか。 どこら辺から私達の話を?」
女神使「全てを。 右側にある箱の上に盗聴器を置いてあります」
神使「盗聴器!?」
52: 2017/12/31(日) 00:18:19 ID:hGoYSahE
神様「・・・・・・。 本物の神がここに来ると知ってた訳か。 いや、そう仕込まれたと言った方が良いかな?」
女神使「さすが本物の神さまは違いますね。 どこまでお見通しなのでしょうか?」
神様「タネは明かせませ~ん」ベー
女神使「・・・・・・」
神様「目的は?」
女神使「正直がっかりしました。 なぜ本物のお力を見せて頂けなかったのでしょうか」
神様「・・・・・・」
女神使「こう見えて、結構時間をかけて仕掛けをしたんですよ?」
神様「・・・・・・」
女神使「今日はこれで失礼させて頂きます」フカブカ
神使「失礼って・・・ どうやって出るんですか?」
女神使「ご心配なく」
神使「?」
53: 2017/12/31(日) 00:18:53 ID:hGoYSahE
村人「あれ!? 女神使さん!?」
女神使「丁度見回りの時間なんです」
神様「・・・・・・」
村人「どうして小屋の中に女神使さんが?」
女神使「神の命令でこの者達と話をするようにと言われ、ここに飛ばされました」
村人「お~ なんというお力」
女神使「話は終わりましたので鍵を開けて私を出して頂けますでしょうか?」
村人「はい」
54: 2017/12/31(日) 00:19:31 ID:hGoYSahE
ガチャン
女神使「ありがとうございます」スタスタ
神様「私も出る~」トテトテ
村人「ダ~メ」
神様「んだよ、ケチ!」
女神使「また明日、お目にかかりたく思います」
神様「・・・・・・」
女神使「明日こそはよろしくお願いいたします。 それでは」フカブカ
ガチャン
55: 2017/12/31(日) 00:20:05 ID:hGoYSahE
神使「あの、神様?」
神様「あ?」
神使「全く意味が分からなかったのですが・・・」
神様「お前の言ったとおり、あの子頭良いな」
神使「?」
神様「本物の神が来る前に、偽神達はこの村に来て私達を待っていたんだろう」
神使「どうしてそんな事を?」
神様「村の奴らへ先に自分たちが本物の神と思わせるため」
神使「・・・どういう事です?」
56: 2017/12/31(日) 00:20:50 ID:hGoYSahE
神様「村人達に自分たちが神であると刷り込ませる。 その後に来た神は偽物扱いされてここに閉じ込められる」
神使「しかし、後から来た神が神力を使えばバレるのでは?」
神様「普通の神は自分の管理地以外で神力は使えない」
神使「あっ・・・」
神様「アイツら前々からこの村に入り込んで、そこら辺にタネを仕込んでいるんだろうな」
神使「まさか、鍵のかかったこの部屋に彼女が入ったのも・・・」
神様「裏の扉、多分外からだけ開くような仕掛けでもしてあるんじゃないか?」
57: 2017/12/31(日) 00:21:30 ID:hGoYSahE
神使「つまり、この件は計画的に仕込まれていたと?」
神様「たぶん。 絶対にボロが出ないように念入りに」
神使「何故そこまで手の込んだことを・・・」
神様「本物の神の力を見るため」
神使「神の力?」
神様「・・・・・・」
神使「しかし、そんな大がかりな仕掛けをしていたら村の人達にもバレるのでは?」
神様「そうなんだよね~・・・ 何か引っかかるんだよな~」
58: 2017/12/31(日) 00:22:18 ID:hGoYSahE
神使「あっ、神様が着てる巫女服に穴開いてません?」
神様「え!?」キョロキョロ
神使「汚れも酷いですし・・・」ハァ
神様「マジかよ~ 新しいの買って?」
神使「今度は安物ですよ?」
神様「え~ キラキラしたドレスが着たい!」
神使「何でですか・・・ 神社でそんな物を着ていたら不釣り合いです」
神様「不釣り合いって ・・・ん?」
神使「? どうされました?」
神様「服・・・」
神使「ふく?」
神様「なるほど・・・ 違和感はコレか・・・」
神使「?」
神様「前言撤回。 ちょっと遊んでみますか」ニヤッ
67: 2018/01/08(月) 18:00:57 ID:HJ4QWQn2
─── 翌日・本殿前
神様「昨日は体調が悪く力を発揮できず申し訳ありませんでした」ペコリ
村長「今日は大丈夫だと言うんですか?」
神様「おうよ!」
村長「神さま、お手間を取らせ申し訳ありません」
神様「そんなに畏まらなくても大丈夫だって~」
村長「アンタじゃない」
神様「あ~」
68: 2018/01/08(月) 18:02:01 ID:HJ4QWQn2
偽神「気にするな。 神☆私は心が広い!」
村長「では、見せて頂きましょう。 神の力を」
神様「よっしゃ! お望み通り見せてやるよ!」
女神使「・・・・・・」ゴクリッ
神様「と言いたいところだけど~ 本殿にある神体貸してもらっても良い?」
偽神「神体?」
神様「私、ちょっと訳ありで神体に入っている神力経由じゃないと力出せないんだよね」
偽神「・・・・・・」
69: 2018/01/08(月) 18:03:02 ID:HJ4QWQn2
女神使「彼女の言うとおりに」
偽神「おい、村人!」
村人「はい」
偽神「神☆私の名において命ずる! 本殿の神体を彼女へ渡すのだ!」
村人「わかりました」タッタッタッ
偽神「さて、どんな力を見せてくれるのかな?」
神様「神体に入っている神力量にもよるけど」
偽神「神☆私を驚かせる位のことはしてくれよ?」
70: 2018/01/08(月) 18:03:56 ID:HJ4QWQn2
村人「この神社のご神体です」スッ
神様「ども~」
神使「大丈夫ですか? 神様」
神様「・・・・・・ぁ」
神使「神様?」
神様「これ、神力が入ってない・・・」ボソッ
神使「え?」
神様「この神体、神力がスッカラカン」
神使「ちょ、どういう事ですか?」
神様「・・・・・・」
神使「と言うことは・・・」
神様「やべ~ どうしよ」タラタラ
71: 2018/01/08(月) 18:04:43 ID:HJ4QWQn2
偽神「おい、どうした! 早く神の力を神☆私に見せてみろ!」
神様「え!? あっ、ちょ、ちょっと待ってて」
神使「ど、どうするんですか神様」オロオロ
神様「あ・・・」
偽神「あ?」
神様「あ、明日の天気は“晴れ!”ドドン!」
偽神「・・・・・・」
村長「・・・・・・」
村人「・・・・・・」
72: 2018/01/08(月) 18:05:28 ID:HJ4QWQn2
シーン
神使「神様・・・」
神様「テヘッ」
女神使「っ!」キッ
75: 2018/01/14(日) 03:46:59 ID:AdRUenuE
─── 小屋
村人「ほら、早く入りなさい!」
ドンッ
神様「うぎゃ!」ドサッ
神使「うわっ!」ドサッ
村人「・・・・・・」
神様「うわ~ その汚物を見るような目。 ゾクゾクしちゃう」
ガチャン
村人「偽神め」スタスタ
76: 2018/01/14(日) 03:48:04 ID:AdRUenuE
神様「吐き捨てられましたよ」
神使「明日の天気の予言だなんて・・・ もう少しまともなことは出来なかったのですか?」
神様「昔はあれだけで食っていけたんだよ!」
神使「神様の言う昔というのがいつのことなのか・・・」
神様「これさぁ、私達どうなっちゃうの?」
神使「生きてこの村からは出られないでしょうね」
神様「ま~じ~か~よ~」
神使「しかし、ご神体に神力が入っていないなんて」
神様「見事にスッカラカンよ」
77: 2018/01/14(日) 03:48:50 ID:AdRUenuE
神使「どうしてでしょう? 村の人達、信仰深そうな感じなんですけどね」
神様「そう?」
神使「え?」
神様「神使君は、この村違和感ない?」
神使「違和感ですか?」
神様「だからお前は犬ころなんだよ。 この村間違いなく───」
神使「あっ」
神様「?」
女神使「・・・・・・」
78: 2018/01/14(日) 03:49:30 ID:AdRUenuE
神様「女神使ちゃん! お願いここから出して~」ガチャガチャ
女神使「貴方には失望しました」
神様「うっ」
女神使「貴方たち神はいつもそう・・・」
神様「いや、あれはちょっと手違いが───」
女神使「ふざけないで!!」
神様「!?」
神使「女神使さん・・・」
79: 2018/01/14(日) 03:50:15 ID:AdRUenuE
女神使「そんなに神の力を奇跡にしておくことが大事なの!?」
神様「・・・・・・」
女神使「いつもそうやって貴方たちは逃げてばかりで! ・・・卑怯者」
神様「・・・・・・」
女神使「どうせ神の力でここから消えるんでしょ? もう会うこともないでしょう、さようなら」スタスタ
神様「待って!」
女神使「・・・食事のおねだりですか?」
神様「違う。 力を見せてあげる、本物の神の力を」
女神使「・・・・・・」
80: 2018/01/14(日) 03:51:12 ID:AdRUenuE
神様「見たんだろ? いや、調べたいんだろ? 神の力を」
女神使「!」
神使「え? 調べる?」
神様「最初からそう言ってくれれば良いのに」
女神使「・・・・・・」
神様「私が神力を使う時に、思う存分測定でも何でもすれば良い」
神使「ちょ、神様」
神様「私は他の神と違って神力を使う場合に少し特別な条件が必要なんだ。 その代わりその力は桁外れだ」
女神使「・・・・・・もう、騙されません」
81: 2018/01/14(日) 03:53:43 ID:AdRUenuE
神様「神勅! 私、神様は女神使に神の力を見せ様々な測定や実験を行うことに同意する!」
神使「!?」フカブカ
女神使「神勅・・・」
神様「神使、私の鞄からお守りを3つ取ってくれ」
神使「承知いたしました」ゴソゴソ
神様「見せてあげる。 本物の神の力を思う存分」
女神使「・・・・・・」
神様「以上、神様から神勅を申し伝えた!」
83: 2018/01/19(金) 02:22:52 ID:ncqnY2sk
─── 本殿前
神様「さてと、隠しっこなしでいこう」
村長「と言いますと?」
神様「あんた、この村の村長じゃないな?」
神使「え!?」
村長「ほぉ」
神様「この村の者ですらない」
村長「そう思われた根拠をお聞かせ頂けますか?」
神様「その格好」
村長「格好?」
84: 2018/01/19(金) 02:24:07 ID:ncqnY2sk
神様「こんな山奥の崩壊が進んでいる村でスーツ姿なんておかしい!」
村長「・・・・・・」
神様「この村に合うのはパーパリーのスーツじゃなく、ワークメンの作業着だ!」フンスッ
神使「そんな失礼な・・・」
村長「それだけでは証明にかけますね」
神様「この村、廃村になっているんじゃないの?」
神使「村の方達がいるのにですか? ・・・まさか、村の方も全員!?」
神様「お仲間。 おそらく~ 研究者とか?」
神使「研究者!?」
85: 2018/01/19(金) 02:25:10 ID:ncqnY2sk
神様「あんた達、全員訛りがない。 ここ来るときに乗ったバスの運転手、すげー訛りがあったのに」
村長「・・・・・・」
神様「それに、この村の家ちょっと崩壊しすぎ」
村長「・・・・・・」
神様「あとは~ 神体」
村長「神体?」
神様「女神使ちゃんは神体のこと位は知っているでしょ?」
女神使「あの神体はこの村に代々伝わる本物です」
神様「本物偽物は関係ない。 あの神体にはお願い事が入っていないんだよ」
女神使「お願い事?」
86: 2018/01/19(金) 02:25:59 ID:ncqnY2sk
神様「そう。 見た感じ20年前にここに立ち寄った神が成就のために神力を吸い上げてから、誰もお願い事をしていない」
女神使「・・・・・・」
神様「人がいて、神社があって20年間お願い事がないなんておかしい訳。 願いがないから神力もない」
神使「それでご神体の神力がカラだったんですね」
村長「抜かりましたな。 そこまで頭が回りませんでした」
神様「納得?」
村長「はい、見事な証明です」
87: 2018/01/19(金) 02:26:55 ID:ncqnY2sk
神様「いつからこの村に?」
村長「20年に一度、この村に神が立ち寄るという情報を私達は2年前に聞きました」
神使「まさかそんなに前からこのい村に!?」
村長「確実に神が神力を使う場所で、様々な測定器を配置するには好都合でした」
女神使「2年前、無人だったこの村の土地を全て買い取って入念に準備をしてきたんです」
神使「そこまでして・・・ 貴方たちは一体何者なんですか?」
88: 2018/01/19(金) 02:28:10 ID:ncqnY2sk
神様「さて、それじゃぁお互い自己紹介といきましょうか」
村長「・・・・・・」
女神使「所長、全て話しましょう」
村長「そうだな」
女神使「私達は、有職故実研究財団の研究グループです」
神使「有職・・・ それって確か神宮管轄の外郭団体ですよね?」
神様「あ? 何それ」
神使「過去にGHQの意向で設立された帝都有職研究公団が母体で、現在は神宮が引き継いでいる機関です」
女神使「お詳しいんですね」
神使「私も神宮の者ですからその位は」
神様「・・・お、おうよ。 公団ね、知ってる。 日本道路公団」
89: 2018/01/19(金) 02:32:52 ID:ncqnY2sk
神使「しかし、私の知る限り今は運営が停止されていると思うのですが」
神様「そうそう、今はJHだよね。 はっ! JHのJは神宮のJ・・・」
神使「・・・・・・」
村長「表向きはね」
神使「表向き?」
村長「財団の管轄は神宮だけじゃないんだよ」
神使「?」
村長「さっき自分で言ったじゃないか、外郭団体って」
神使「・・・ まさか!」
神様「JH!」
神使「神様、ちょっと黙っていて下さい。 それと今はJHでなくNEXCOです」
神様「はい」
90: 2018/01/19(金) 02:34:56 ID:ncqnY2sk
村長「資金は、国からも回っているんだよ」
神使「国が・・・」
村長「まぁ、神宮も停止中と言いながら後ろ盾しているがね」
神使「それって・・・」
村長「神宮の闇。 いや、日本の闇と言った方が良いのかな?」
神使「貴方たちの目的は?」
村長「私達のグループは、神力を解明することが研究テーマだ」
神使「それを解明して何をするんですか?」
村長「私達は研究者だ。 テーマを研究し結果を出して上に提出するのが職務だ」
神使「どのように扱われるかも分からないのに研究するんですか?」
村長「電子を研究した学者はどのように扱われるか分かってやっていたと思うのかね?」
神使「・・・・・・」
91: 2018/01/19(金) 02:35:52 ID:ncqnY2sk
村長「ただ、これだけは分かって欲しい。 もし、研究成果が悪に使われるのであれば私達はそれを阻止する義務もある」
神使「・・・・・・」
村長「その為にも研究は必要だ。 今は神という存在がその力を抑止しているから良いが、この先どうなるか誰も分からない」
神使「そんな極端な・・・」
村長「神力だっていつかは科学で証明される。 神の奇跡と思われていた雷や地震だって今や科学的に説明が付く」
神様「うんうん」
神使「ちょっと、神様・・・」
92: 2018/01/19(金) 02:37:47 ID:ncqnY2sk
神様「詳しいことはよく分からんけど、信念は理解した」
神使「本当に理解したんですか?」
神様「あれだろ? 日本道路公団がNEXCOになっても高速道路を作り続けなくちゃいけないって事だろ?」
神使「誰もそんな事は言っていないのですが・・・」
神様「大丈夫だよ」
神使「しかし、神力を科学的に測定させるだなんて危険では・・・」
神様「いいや。 村長の言っていることに私は賛同できる」
神使「・・・・・・」
神様「時代は進む。 止まっちゃダメなんだよ」
神使「・・・わかりました。 神様がそう言うのであれば」
95: 2018/01/29(月) 01:44:40 ID:WcwYnvvY
神様「でもさぁ、何でこんな回りくどい事をしてまで神力を調査しようとしたの?」
女神使「私達も好きでこんな大掛かりな仕掛けをしたわけではありません」
村長「正攻法では他の神の協力を得ることが出来ませんでしたので」
神様「神宮に申請すれば多少は協力してくれるんじゃない? 関連団体なんだし」
村長「表向きは停止中の機関。 毎年名を変え研究協力申請は出しましたが未だ許諾は出ておりません」
神様「神宮も相変わらずそういう所がダメだな。 やっぱここら辺で私が頂点に立って───」
神使「ちなみに神宮のどちらへ申請を?」
女神使「広域特務課です」
神様「・・・・・・」
神使「へぇ~ 広域特務課ですか」ジー
96: 2018/01/29(月) 01:46:25 ID:WcwYnvvY
神様「さて、次は私達の自己紹介を」アセアセ
神使「・・・・・・」ジー
神様「だから、そんなに見つめられると照れちゃうって言ってんだろーが!」ゲシッ
神使「痛い!」ガクッ
神様「こいつは私のお付きで、極悪邪道腐れ犬ころ変Oすけこま意識高い系ポークビッツアホ神使」
神使「狛犬の神使と申します」ペコリ
女神使「神使学校で何度かお見かけしました」
神使「覚えていてくれていたんですか!?」
女神使「私の論文発表であなただけが真剣に話を聞いていてくれましたから」
神使「お恥ずかしい・・・ ほとんど理解できなかったんですが・・・」
97: 2018/01/29(月) 01:47:36 ID:WcwYnvvY
神様「そして、私の名前はかわゆい神───」
村長「私は、あの論文を見せられて衝撃が走ったのを今でも覚えているよ」
神様「私の名前は、かわゆ───」
神使「ちなみにあの後、女神使さんは学校を辞められてしまったのですがどういう経緯があ───」
神様「聞けよ!!」ゲシッ
神使「痛い! 何で私だけ!」ガクッ
神様「私はかわゆい神ちゃん! 神宮の最高神だ!!」フンスッ
村長・女神使「え!? 最高神?」
神使「そこまでバラさなくても・・・」
神様「うるせー こうでもしないと私に注目が集まらないんだよ!」
神使「またチヤホヤされたい病ですか・・・」
98: 2018/01/29(月) 01:48:35 ID:WcwYnvvY
女神使「最高神って・・・ 本当に存在していたんですか・・・」
神様「今までどこからも協力してもらえず大変だったであろう。 今日は気の済むまで最高神の神力を味わうが良い」キリッ
神使「申請をほったらかしにした罪滅ぼしですね」
神様「シーット!」ゲシッ
神使「痛い!」ガクッ
神様「ところで、そちらの偽神さんは? お宅も研究者?」
偽神「あっ、私はマジシャンです」
神使「財団の方ではないのですか?」
偽神「はい、女神使さんからマジックアドバイスの依頼を受けまして」
神使「そうだったんですか・・・」
偽神「役者の仕事もやっているんで、何かお仕事があればお声がけ下さい」
神使「はぁ」
99: 2018/01/29(月) 01:50:27 ID:WcwYnvvY
女神使「それでは偽神さん、ありがとうございました。 演料は明日にでもお振り込みいたしますので」
偽神「分かりました、では失礼いたします。 あっ、マジック道具はあとで送っておいて頂けますか?」
女神使「はい。 後ほど事務所にお送りいたします」
偽神「では、偽神☆私はこの地を去る!」テクテク
神使「部外者にマズいことを聞かれてしまったような気がしますが・・・」
女神使「あの方もプロです。 ここでの事は他言無用で契約いたしましたから」
神使「大丈夫でしょうか・・・」
女神使「神宮管轄の芸能プロダクションですからご心配なく」
神様「え!? 神宮って芸能プロダクションもあるの?」
神使「雅楽等の派遣依頼もあるので、そういう団体を持っているというのは聞いたことあります」
神様「後で教えて。 私も登録する」
100: 2018/01/29(月) 01:51:28 ID:WcwYnvvY
神使「・・・・・・。 それで、神力の調査というのはどのように?」
女神使「この神社の周囲に様々な測定器が設置されているので、神力を発動して頂けるだけで大丈夫です」
神使「神力を測る機械なんてあるんですね」
村長「いいえ、実際動作するのかも分かりません」
神様「そうなの?」
女神使「なにしろ初めてですから。 神力が何に反応するのかも分からないので」
神様「ふ~ん」ゴソゴソ
女神使「? あの、何を?」
神様「ん? 私、自分の神力封印していてさぁ、お守りに昔の神力を入れてあって必要なときに使うんだよ」
女神使「神力は保存が利くのですか?」
神様「うん。 適当な依代があればそこに移せる」
村長「これは驚いた」
101: 2018/01/29(月) 01:52:38 ID:WcwYnvvY
神様「我、封印されし神力を解放す」
ポワポワ
神様「さぁ~て、何を見せようかなぁ~」
女神使「出来れば最初は軽めの物からお願い出来ればと」
神様「んじゃ、風吹かせますか」
村長「測定器の準備は良いか?」
村人「はい」
神様「風よ吹け吹け、風よ吹け~」クルクル
102: 2018/01/29(月) 01:53:44 ID:WcwYnvvY
ビュー
神使「風ですね」
村長「これは凄い。 無風状態から風が・・・」
女神使「測定器に反応は?」
村人「地表の温度が一時的に高温になったようです」
村長「周囲の大気温度も上昇したようだな」
女神使「ベナール対流でしょうか?」
村長「あぁ、近いかもな」
103: 2018/01/29(月) 01:54:53 ID:WcwYnvvY
神様「何か分かった?」
女神使「つむじ風の発生する原理に近い現象のようですが・・・ まだ何とも」
神使「科学的に説明できるんですか?」
村長「風が起こる仕組みは説明できるんですが、その条件を満たすまでの課程が分かりません」
神様「じゃぁ、次は少し難易度を上げちゃいましょうかね」
神使「難易度?」
神様「あの枯れ木に花を咲かせましょう~」クルクル
ポンポンポンッ
一同「!?」
神様「綺麗」
104: 2018/01/29(月) 01:55:49 ID:WcwYnvvY
女神使「すごい・・・」
村長「こんな事が・・・」
神様「調子出てきた! 次は思い切ってあの山を真っ二つに!」
神使「ダメです」
神様「え~」
神使「測定の方はどうですか?」
村長「特に反応は・・・」
村人「こっちの計器にも変化はありません・・・」
神様「ん~ 残念。 まぁ今のはかなり難しい神力の使い方だからね」
神使「さすがに現代の器械では測定することは出来ないようですね・・・」
女神使・村長「・・・・・・」
105: 2018/01/29(月) 01:56:34 ID:WcwYnvvY
神様「じゃ、残った神力を使ってその体で神力を感じてみる?」
女神使「体で?」
神様「皆の健康を願い我が神力を持って成就せよ」
ポワポワ
村長「!?」
女神使「体が・・・ 温かい・・・」
106: 2018/01/29(月) 01:57:16 ID:WcwYnvvY
神様「どう? 神力は感じた?」
女神使「は、はい」
神様「よかった」ニコッ
神使「・・・あの」
神様「あ?」
神使「私には掛けてくれないのでしょうか?」
神様「忘れてた」
神使「そうですか・・・」
111: 2018/02/07(水) 22:39:56 ID:sV073TC6
─── 深夜・社務所
神様「こんな遅くまでお仕事?」
女神使「!?」クルッ
神様「あまり役に立てなかった?」
女神使「そんな事ありません。 まだ未解析のデータもありますので」
神様「村長とか他の人は?」キョロキョロ
女神使「収集したデータを持って研究所の方に。 たぶん明日の夜には戻ると思いますが」
神様「そう。か弱い女の子を一人置いていくなんてダメだなぁ~」
女神使「そんな事ないです」
神様「?」
女神使「研究者に男も女も関係ありませんし。 分け隔てなく扱ってくれることには感謝しているんです」
神様「いや~ でもさぁ」
112: 2018/02/07(水) 22:41:00 ID:sV073TC6
女神使「研究所の皆、私が神使だって知っても普通に接してくれて」
神様「・・・・・・」
女神使「私、ビックリすると・・・ その・・・ 耳とか尻尾とか出ちゃうんですけど・・・///」
神様「ウサちゃんだよね」
女神使「はい/// そんな事になっても研究所の皆は驚きもせず・・・」
神様「ふ~ん」
女神使「神使という事を隠さず、気兼ねなく過ごすことが出来るのがすごく嬉しくて」
神様「そっか。 でも、女神使ちゃんはどうして神力の解明をしたいと思ってるの?」
女神使「自分の・・・ 自分の存在意義を調べるためです」
神様「自分?」
女神使「どうして神使というものが存在しているのか・・・ 神力を解明すればきっとそれが分かると思って」
神様「・・・・・・」
女神使「でも、先は長そうです」ニコッ
113: 2018/02/07(水) 22:42:16 ID:sV073TC6
神様「神力はすべてが説明できる事象だ。 当然、神使の存在にも理由がある」
女神使「え?」
神様「人がこの力を理解できるのはたぶんもう少し先。 ただ、これだけは約束する」
女神使「?」
神様「神力は将来誰もが使えるようになる。 その時、神も神使も人もその区別はなくなる」
女神使「区別・・・」
神様「神の存在も、神使の存在も当然説明できる日が来る」
女神使「!?」
神様「本気で神力を解き明かしたいなら、もっと勉強すること。 その先に目指す目的地が必ずある」
女神使「はい」
114: 2018/02/07(水) 22:43:01 ID:sV073TC6
神様「まぁ堅いことは抜きにして。 頑張り屋の女神使ちゃんに私からプレゼントをあげよう」
女神使「?」
神様「はい」スッ
女神使「これは・・・」
神様「さっき私が使ったものと同じお守り」
女神使「確かこの中には神力が・・・」
神様「2つ上げるから。 一つは好きなときにでも使って」
女神使「もう一つは?」
神様「自分で神力の謎を解き明かしたときに開封すること」
女神使「・・・・・・」
115: 2018/02/07(水) 22:43:38 ID:sV073TC6
神様「きっと役に立つ」
女神使「でも、私が神力を解明なんか・・・」
神様「女神使ちゃんはきっと神力を解明出来る」
女神使「・・・・・・」
神様「まぁ、ちょと先の話だと思うけどね」
女神使「ありがとうございます」フフッ
神様「キッとした女神使ちゃんも凜々しくて好きだけど、やっぱり笑っていた方がかわゆい」
女神使「うっ・・・///」
116: 2018/02/07(水) 22:45:24 ID:sV073TC6
ガラガラッ
神使「あっ、神様ここにいたんですか」
女神使「!?」ビクッ
神様「!!」
神使「女神使さんもこちらに・・・ すいません、驚かせてしまいました」
神様「ぁ・・・ ぁ・・・」
神使「神様、どうされました?」
神様「み・・・ み・・・」
女神使「あっ! 耳が・・・」ピョコピョコ
神様「か、かわゆい・・・」ワナワナ
女神使「うぅ・・・///」モジモジ
117: 2018/02/07(水) 22:46:29 ID:sV073TC6
神様「うひょー かわええ~」ピョーン
神使「って、何やっているんですか!」グイッ
神様「ぐへっ!」
神使「もぉ、すぐ飛びつくんですから・・・」
神様「離せー」ジタバタ
神使「女神使すいません・・・ 大丈夫でしたか? お怪我はありませんか?」
女神使「だ、大丈夫です」
神使「神様、まさかずっと女神使さんに悪戯してたんですか?」
神様「まだしてねーし! 今まですげー神さましてた所だし!」
神使「本当ですか? 飛びついてペタペタ引っ付こうとしていたじゃないですか」
118: 2018/02/07(水) 22:47:29 ID:sV073TC6
神様「神使君さぁ、私の事どう思っているわけ?」
女神使「ふふっ、ご安心を。 神様からはご助言を賜っていただけですので」
神使「だったら良いんですが」
神様「おいコラ、クソ犬。 私の尊厳を傷つけたお詫びとして金よこせよ」
神使「なんですか、そのダイレクトな脅迫は・・・ 現にセクハラしようとしてたじゃないですか」
神様「まだしてない!」
神使「それは、しようとしていたという事ですよね?
神様「うるせー クソ犬!」ゲシゲシ
神使「あっ、ちょっと神様! 痛い! 止めて下さい!」
ジタバタ
119: 2018/02/07(水) 22:48:45 ID:sV073TC6
女神使「フフッ、仲がよろしいんですね」
神使「とても嬉しいお言葉なのですが、この状況でそう見えるのもどうかと・・・」
女神使「・・・・・・」
神使「女神使さん?」
女神使「神使さん、神様、この度の無礼お許し下さい」フカブカ
神使「いえいえ、お気になさらず」
神様「そうそう、楽しかったし謝る必要ないよ」
神使「神様は謝って下さい。 セクハラ未遂をきちんと謝罪できたらコーラ買ってあげます」
神様「調子に乗って本当にすいませんでした!」ドゲザ
女神使「そ、そんな頭を上げて下さい」オロオロ
神使「なにも土下座までしなくても・・・」
神様「土下座位でコーラ買ってもらえるんだったらいくらでもしてやる!」
神使「神様の土下座は130円の価値なんですか・・・」
122: 2018/02/15(木) 00:33:01 ID:C.TCtDdA
─── 翌日・社務所
ザー
神使「神様が預言した天気予報大外れですね」
神様「・・・・・・」
神使「大雨ですよ?」
神様「私は、夕方の天気を預言したのだよ」
神使「今日は全国的に一日中雨だそうです」
神様「」ブッ
神使「ちょ、神様! 何してるんですか、はしたない・・・」
123: 2018/02/15(木) 00:33:49 ID:C.TCtDdA
ガラガラ
女神使「朝食の準備が出来ました」スタスタ
神使「あっ、わざわざすいません」
女神使「私、あまり料理が上手でなくてお口に合うかどうか・・・」
神使「お気になさらず。 神様は落ちている物でも気にせずいける口ですから」
神様「神使くんさぁ、レディーに向かって失礼だよ?」
神使「レディーは人前ではしたない行動は取りません」
神様「お前だってオナラくらいするだろうがよ!」
神使「神使はそんな物しませんよ?」
神様「え? うそ! オナラするよね?」クルッ
女神使「・・・・・・。 しません」
神様「マジで!? どういう構造してんの?」
124: 2018/02/15(木) 00:34:44 ID:C.TCtDdA
神使「それでは頂きましょう」
神様「ちょ、教えてよ。 本当にしないの?」
神使「このお味噌汁のお椀、蓋付きなんて手が込んでいますね」パカッ
女神使「あっ、それご飯です」
神使「・・・・・・。 みたいですね」ハハハ
神様「さすが極悪邪道腐れ犬ころ、陰湿レベルの失礼さに磨きがかかってますな~」
神使「すいません・・・」
125: 2018/02/15(木) 00:35:46 ID:C.TCtDdA
神様「この美味そうな茄子は醤油付けた方が良い? 辛子欲しいな」
女神使「それは・・・ 茄子でなくお芋です・・・」
神様「へ、へ~・・・ あっ、黒っぽいサツマイモかな?」
女神使「じゃがいもです」
神様「・・・そうですか」
女神使「すいません! 私、料理が苦手で・・・ 研究所の寮でもあまり作らせてもらえないんです・・・」
神使「き、気にしないで下さい」パクッ
神様「そうそう、私そこら辺に生えてる草でも美味しく頂いちゃう位だから」パクッ
126: 2018/02/15(木) 00:36:38 ID:C.TCtDdA
神使・神様「!?」ゴリッ
女神使「あ! ご飯に芯がありましたか? 芋が煮えてませんでしたか!? 本当にごめんなさい!」
神使「だ、大丈夫です。 私は固めのご飯が好きなので」ゴリゴリ
神様「うんうん。 芋も堅い位が丁度良いって」ゴリゴリ
女神使「料理も・・・ もっと勉強します・・・」
神様「料理は簡単だから。 すぐ上達できるよ」ハハハ
女神使「はい! お昼と夕食は気合いを入れます!」
神様・神使「!?」
127: 2018/02/15(木) 00:38:13 ID:C.TCtDdA
女神使「神様は草も大丈夫なんでしたら、裏にすごく美味しそうな草が生えてたのでお昼は一緒に食べましょう!」
神様「え!? 草?」
女神使「裏に生えている草は絶対美味しいと思います!」
神様「・・・そう」
女神使「はい! わたし元はウサギなので、今でもたまに草をハムるんですが・・・ お腹の調子を整えるには最適で溜っていた物もすぐ出るんですよ?」ジー
神様「!? わ、私のお腹は何も溜ってないよ?」
女神使「私、草には結構拘りがあるので任せて下さい。 久々に一緒に食べてくれる人がいてうれしいです///」
神様「うっ・・・ し、神使君?」チラッ
神使「そ、そう言えば私達は・・・ 次の立ち寄り依頼の方に向かわないと行けませんでしたね?」
神様「そ、そうだったね。 昼前には出ないと間に合わないよね」
128: 2018/02/15(木) 00:39:41 ID:C.TCtDdA
女神使「そんなに早くですか!? 夕飯は、裏の池に沢山エビがいるのでエビパーティーでもしようかと思ったのですが・・・」
神使「池に、エビですか・・・?」
神様「それ、ザリガ───」
女神使「あのエビ、大きくて絶対に美味しいと思うんです! 他の研究者の方達も昨日誘ったのですが・・・」
神様「チッ、所長達は逃げたな?」ボソッ
神使「私、草はさすがに・・・ ザリガニも色々とマズいと思うんですが・・・」ボソッ
神様「・・・・・・。 さて、朝食も食べたし帰りましょうか神使くん」
神使「畏まりました神様」
女神使「次のバスは夕方ですよ?」
神様・神使「・・・・・・」
129: 2018/02/15(木) 00:41:01 ID:C.TCtDdA
女神使「では、草を選びに行きましょうか」バッ
神様「えっ!? ちょっと早くない? 食べたばっかりだし」
女神使「今日は雨ですから、良い草を摘んで乾かさないといけません。 さ、行きましょう!」ガシッ
神様「ちょ、ちょっと待って・・・ 神使くん助けて!」ズルズル
神使「神様、ご武運を」
女神使「ついでにエビも捕まえてきましょう!」
神様「嫌だ~ 草もザリガニも食べたくない~!!」ズルズル
助けて~!!
神様「神様だっ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
#18「我☆偽神」 ―END
130: 2018/02/15(木) 00:45:11 ID:C.TCtDdA
131: 2018/02/15(木) 01:50:15 ID:WGkO9A3Y
乙
ザリガニは泥抜きちゃんとしたら結構美味いぞ
IKEAで食べた
ザリガニは泥抜きちゃんとしたら結構美味いぞ
IKEAで食べた
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