264: 2018/05/13(日) 01:47:07 ID:RXcKkTRQ
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#01 「ひのひの村」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#02 「おきつねこんこん教」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#03 「にゃんにゃん島」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#04 「吉祥寺」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#05 「京都」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#06 「神宮」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#07 「こわこわ神社」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#08 「神使」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#09 「のんびり村」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#10 「巫女カフェ」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#11 「もももも神社」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#12 「あにあに神社」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#13 「いつでも一緒」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#0
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#14 「キセキ野教会」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#15 「神苑温泉」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#16 「お花を摘みに」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#17 「こんこん稲荷神社」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#18 「我☆偽神」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#19 「神宮美食クラブ」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#20 「未来へ託して」
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【#20】
── 神宮・授与所
A子「暇だね~」
同僚巫女「今日は本殿の参拝は出来ないからね」
A子「それでか~」グテッ
巫女「A子ちゃん・・・ 奉務中なんだし、もう少ししゃんとしないとダメだよ?」
A子「だって、お客さん少ないし~」
巫女「参拝者ね」
A子「今日は売り上げヤバそうだね~」
巫女「あんまりそういう言葉は使わない方が良いと思うよ?」
265: 2018/05/13(日) 01:48:55 ID:RXcKkTRQ
A子「どうしよう、駅前までお守り売り歩いてこいって言われたら」
巫女「神ちゃんさんじゃあるまいし・・・」
A子「・・・神ちゃんかぁ~」ボー
巫女「そう言えば、A子ちゃんって神ちゃんさんと仲良いよね」
A子「あ~ 私と神ちゃんは深い精神の所で繋がっているのです!」フンスッ
巫女「はいはい。 でも、神ちゃんさんは・・・ その・・・」
A子「神さま?」
巫女「」コクッ
A子「そんなの気にする必要ないって」
巫女「ダメだよ。 神ちゃんさんは神であることを隠しているみたいだけど、やっぱり接し方も一線は置かないと失礼じゃ?」
A子「別に神さまは偉くないんだし」
巫女「それは巫女として超えちゃいけない発言じゃ・・・ せめて先輩として敬わないといけないと思うけど」
266: 2018/05/13(日) 01:50:13 ID:RXcKkTRQ
A子「え~ イビキかいて腹出して寝るのに?」
巫女「・・・・・・」
A子「金欠で神宮菜園から野菜盗んで食べてるのに?」
巫女「・・・それはA子ちゃんもじゃ」
A子「お給料14万しかもらえない神さまってどうなの?」
巫女「14万!? 私より低いの!?」
A子「ちょっと待って。 私も14万なんだけど」
巫女「・・・・・・」
A子「ねぇ、巫女ちゃんは幾らもらってるの?」ガシッ
巫女「ちょ・・・ 私もそんなに変わら・・・ そんなに揺らさないで! A子ちゃん目が怖い!」ユサユサ
267: 2018/05/13(日) 01:51:32 ID:RXcKkTRQ
A子「はぁ~ 私はこんなにも立派な巫女なのに。 神宮のミス巫女だよ?」
巫女「その・・・ えっと・・・(そのミスは別の意味って・・・ 言わないでおいた方が良いかな)」
A子「私、やっぱり巫女に向いてないのかなぁ・・・」
巫女「A子ちゃんは神宮の巫女に憧れて入ったんじゃないの?」
A子「違うよ。 神ちゃんに進められて」
巫女「え!? どうして神ちゃんさんがA子ちゃんを?」
A子「・・・・・・。 そういえば神ちゃんに初めて会ったのも丁度この位の時期だったなぁ」ボー
268: 2018/05/13(日) 01:52:13 ID:RXcKkTRQ
──
────
──────
── 4年前
神様「ねぇ、暇なら神宮で巫女やらない?」
A子「やる」
──────
────
──
269: 2018/05/13(日) 01:53:21 ID:RXcKkTRQ
巫女「・・・・・・」
A子「今日は良い天気だよね~」
巫女「もしかして話すの面倒になった?」
A子「・・・うん」
巫女「それより、A子ちゃんって今日は午後から舞の奉納入ってなかったっけ?」
A子「え?」
巫女「確か祭儀神様の願掛け祈祷の・・・」
A子「やべっ! 忘れてた! 今何時?」
巫女「11時50分。 早く行った方が良いかも」
A子「うわ~! 行ってくる~ 今日も昼抜きだよ~」タッタッタッ
巫女「・・・大丈夫かなぁ」
270: 2018/05/13(日) 01:54:28 ID:RXcKkTRQ
─── 奥社近くの森
A子「ごめ~ん、遅れた」タッタッタッ
祭儀神「おー、ちゃんと来たか。 忘れてるかと思った」
A子「嫌だな~ 私がおっちゃんとの約束を忘れるわけないじゃんよー」
祭儀神「本当かよ・・・」
A子「それより私は何すれば良い?」
祭儀神「A子ちゃんは、右側の木にこれを取り付けていって欲しい」
A子「何? このマッチ箱みたいなやつ」
祭儀神「俺に聞くなよ。 B夫に聞けよ」
A子「聞いたけど訳分かんなかったんだもん」
祭儀神「あいつに聞いて理解できない事を俺に聞くなってーの・・・」
271: 2018/05/13(日) 01:55:23 ID:RXcKkTRQ
A子「木に巻き付ければ良いの?」
祭儀神「あぁ、地面すれすれの所が良いらしい」
A子「ふーん、じゃ行ってくる」
祭儀神「まてまて、この段ボールに入っている分全部だ」
A子「うそ! 超いっぱいあるじゃん!」
祭儀神「超いっぱいあるんだよ。 だから本殿の参拝を止めてまで時間作ったんだろーが」
A子「そっか。 これは時間かかるね~」
祭儀神「ま、緊急事態だしな」チラッ
A子「・・・・・・」
祭儀神「決心はついたか?」
A子「まだ。 そんなのつく訳ないじゃんよ・・・」
祭儀神「あー まぁ、そうだよな・・・」
272: 2018/05/13(日) 01:56:45 ID:RXcKkTRQ
──
────
──────
─── 数日前・喫茶ねこまた
神様「2人とも神にならない?」
神使「またそんな事を・・・」
A子「丁重におとこわりします」
神様「いや、いつものおふざけな感じじゃなくて今回は真剣なんだけど」
神使「いつもと同じノリじゃないですか」
A子「私は24歳になったら神宮を定年、翌年にIT社長と結婚してスカイチュリーの最上階に住む予定だから」
神使「スカイチュリーには住めないと思いますが・・・」
神様「神にならずにこのままいってもA子ちゃんは結婚できないよ?」
A子「んがっ!」
273: 2018/05/13(日) 01:57:39 ID:RXcKkTRQ
神様「だから神になってよ~ お願い」
A子「神になったら結婚できる?」
神様「・・・・・・」
A子「何とか言ってよ~」
神使「何か理由があるんですか?」
神様「まぁ・・・」
ガチャッ
一同「?」クルッ
猫神「ハロ~」
神様「猫神か・・・ 何だよ、今大事な話してんだからあっち行ってろって」シッシッ
274: 2018/05/13(日) 01:58:49 ID:RXcKkTRQ
猫神「第零柱絡み~?」
神様「・・・・・・」
神使「第零柱?」
A子「チュウ?」
神様「お前、何か知ってるのか?」
猫神「ん~ もう一人の神ちゃんの件とか~?」
神使「もう一人って、神宮の奥社にいる内宮神様の事ですか?」
A子「内宮神ちゃんがどうかしたの?」
神様「・・・・・・」
猫神「か~みちゃん」
神様「ハァ~・・・ レセプションルームに皆を集めてくれ。 話がある」
猫神「オッケ~」
277: 2018/05/13(日) 23:28:47 ID:RXcKkTRQ
─── 喫茶ねこまた・レセプションルーム
祭儀神「話って何だ?」
A子「おっちゃんがキャバクラに金をつぎ込んでる件についてだと思う」
祭儀神「!? お、俺は月5万までしか使ってないからソフトな方だと思うぞ」
猫娘「十分使ってますニャ。 ニャ」
神使「神様、何かマズい事でも起きているんですか?」
神様「ん~ マズいっちゃマズいけど」
猫神「今までで一番マズいよね~」
一同「え!?」
神様「お前は少し黙ってろや」
猫神「ごめんごめ~ん」
278: 2018/05/13(日) 23:31:07 ID:RXcKkTRQ
猫娘「まさか! 日本の危機ですかニャ!? ニャ」
A子「流石にそれはないって。 そんなもの私達に話しても仕方ないし」
神様「いや・・・ あの~・・・」
神使「まさか・・・ 神様・・・」
神様「そのレベルのお話しでございます」
一同「!?」
神様「って言っても、A子ちゃんと犬ころの協力があれば解決したも同然」
神使「私とA子ちゃんでそんな危機をどうにか出来るとは思えないのですが・・・」
A子「確かに私は神宮きっての可愛い巫女で、巫女服が似合うね! ってよく言われるし、立派な巫女だと思うけど」
神使「神様の方が可愛くて巫女服が似合います」
A「お、おふっ」
一同「・・・・・・」
神様「い、今その話は置いておこう・・・///」
神使「あっ! す・・・ すいません///」
A子「くそっ、惚気やがって・・・」ボソッ
279: 2018/05/13(日) 23:32:15 ID:RXcKkTRQ
神使「えっと・・・ 猫神様が第零柱がどうとか言っていた気がするのですが関係があるのですか?」
神様「長官くん」
長官「何かな?」
神様「神宮の動きについて話してくれる?」
長官「・・・動きというのは?」
神様「土地の件だよ」
長官「・・・・・・。まだ未確認情報だが、土地の売却計画が進んでいるようだ」
神使「土地って、まさか神宮の土地ですか?」
長官「あぁ。 奥社近辺の土地だと思う」
A子「奥社って内宮神ちゃんがいる場所じゃん」
祭儀神「おいおい、そんな話聞いてないぞ?」
長官「私も正式には聞いていないが、宮司会で話し合われているようだ」
280: 2018/05/13(日) 23:33:41 ID:RXcKkTRQ
神使「確か奥社は大昔に龍を封印していると伺っておりますが」
A子「龍? 何それ」
猫娘「そんなもの本当にいるんですかニャ? ニャ」
祭儀神「俺も長いこと生きているが見たことはないな」
長官「当時の人達にとっては迷信も奇跡も現実と区別が付かなかったからね」
神様「・・・・・・」
神使「神様?」
神様「龍はいた。 いや龍じゃないかも知れないけど・・・」
一同「はい?」
281: 2018/05/13(日) 23:36:13 ID:RXcKkTRQ
祭儀神「おいおい、本当かよ」
神様「私にもよく分からないんだ。 でも何かがいた・・・ いや、あった」
神使「どういう事ですか?」
猫神「昔ね~ 大勢の人があの場所で亡くなったんだよ~ 私は当時出雲にいたから知らないんだけど~」
神様「亡くなった者は皆、青い龍を見たと言っていた」
一同「・・・・・・」
A子「じゃぁ、あの場所には本当に何かが封印されているって事?」
神様「」コクッ
B夫「亡くなった人だけだ見えた青い龍・・・」
神様「正体は全く分からなかった。 私と一緒にいた者も龍が見えたと言った後に・・・」
神使「それを封印しているのが第零柱という事ですか?」
神様「そう」
祭儀神「それは俺も初耳だな」
神様「零柱に関して知っているのは私と猫神、あとは凄爺だけだ。 神の中でもトップシークレット扱いだし」
282: 2018/05/13(日) 23:36:54 ID:RXcKkTRQ
長官「もしかして、神宮はそれに気付いているのかな?」
神様「たぶん。 タイミングが良すぎる」
神使「タイミング?」
神様「私と内宮神との意識共有のリンクが切れた」
A子「内宮神ちゃんと!?」
神使「ちょっと待って下さい。 それって・・・ 幼女神さまと同じじゃ・・・」
神様「あぁ。 今の私と内宮神は別者だ」
神使「・・・・・・」
283: 2018/05/13(日) 23:39:20 ID:RXcKkTRQ
祭儀神「一つ聞いても良いか?」
神様「なに?」
祭儀神「四柱結界と、その第零柱とは関係あるのか?」
猫神「四柱結界は日本の地下に溜る神力放出を抑制する役割がメインだけど~」
神様「他には、飽和神力を零柱に送って結界維持の強化の役割も担っている」
祭儀神「なるほどな・・・」
神使「それで内宮神様が常に奥社にいると」
神様「そう言う事」
長官「ちょっと待った。 それほど大きな神力結界なら管理神も神力を使う必要があるんじゃないか?」
祭儀神「そうだな。 ・・・まさか神ちゃんが自分の神力を封印している理由って・・・」
神様「いや、ほとんどは内宮神の神力だ。 私は向こうの神力が足りなくなった時にたまに渡す程度」
神使「いざという時のために神力が使えるように貯めていたのですか・・・」
猫神「神を作るため、封印を維持するため・・・ 両方をこなすとなると結構な神力が必要だからね~」
284: 2018/05/13(日) 23:40:33 ID:RXcKkTRQ
神様「簡単に説明するとこんな状況。 以上を踏まえて、皆に協力をお願いしたい」
長官「そんな秘密を話さざるを得ない程までに緊迫した状況ということだね」
神様「」コクッ
B夫「オッケ。 俺がすべきことは土地の売却の進行をハッキングで調べればいい訳ね」
神様「もう一つ、封印した物の正体を知りたい」
B夫「それはハイレベル」
神様「今の技術ならもしかしたら正体が分かるかも・・・」
B夫「・・・分かった。 両方とも速攻で調べる」
神様「長官君達は、いざという時のために他の神達に協力を取り付けておいてもらいたい」
長官「お安いご用だ」
285: 2018/05/13(日) 23:41:50 ID:RXcKkTRQ
A子「ねぇ、それと私が神になる事とどういう関係があるの?」
神様「それは~・・・」
A子「まさか! 私が生け贄の巫女として龍の怒りを静めるとか!?」
祭儀神「A子ちゃん、話聞いてたのか・・・?」
神様「この先、正直何が起こるか分からない」
A子「マジですか」
神様「万が一・・・ 封印が解かれて再封印を行う必要があった場合・・・ 神を作るために必要な神力が溜るまで時間が必要だ」
A子「どのくらい?」
神様「A子ちゃんに3回位生まれ変わってもらわないといけない位」
A子「そんなに!?」
286: 2018/05/13(日) 23:42:26 ID:RXcKkTRQ
神様「だから今、二人を神にしたい」
神使「・・・・・・」
A子「神使さんが神になるのは分かるけど、何で私もなの? やっぱり生け贄?」
神様「A子ちゃんを神にしたい理由は・・・」
A子「理由は?」
神様「私が認めた人間だから」ニコッ
──────
────
──
290: 2018/05/15(火) 01:39:19 ID:OBRMEeiE
─── 奥社近辺の森
祭儀神「よしと。 これで全部終わったな」
A子「ちかれた~」グテッ
祭儀神「予定より早く終わったな」
A子「おっちゃんが、1個設置するごとに休憩なんかしなければもっと早く終わったと思います!」
祭儀神「おれも年なんだよ。 少しは大目に見てくれよ」
A子「私100個も付けたんだよ? おっちゃんは30個しか付けてないじゃん!」
祭儀神「あとでお供え物分けてやるから」
A子「マジで!?」
祭儀神「さっき高級和牛肉のお供えがあったから」
A子「よっしゃー!! おっちゃん偉い!」グッ
祭儀神「そりゃどうも」
A子「私は一生おっちゃん派だよ」
291: 2018/05/15(火) 01:40:07 ID:OBRMEeiE
祭儀神「ふふ・・・ ふはははっ!」
A子「ちょとどうしたの?」
祭儀神「いやいや、すまない。 おかしくてな」
A子「頭が?」
祭儀神「違うわ。 俺は神宮の神だ」
A子「知ってる」
祭儀神「しかも神の中でも最高位の祭儀神」
A子「最高位なんだ。 はじめて聞いた」
祭儀神「そんな俺に自然に接してきた人間は、A子ちゃんが初めてだ」
A子「?」
祭儀神「神宮歴代の大宮司達でさえ、俺の前では頭を下げ常に一歩引いてんだぞ?」
A子「そうなんだ」
292: 2018/05/15(火) 01:41:26 ID:OBRMEeiE
祭儀神「それに引き換え、A子ちゃんはただの巫女。 今まで俺はここの巫女とまともに会話すらした事もない」
A子「私はただの巫女じゃありません~ 神宮のミス巫女です~」ベー
祭儀神「そうかそうか、それはすまないな」ペコリ
A子「分かればよろしい」
祭儀神「神ちゃんがA子ちゃんをどうしても神にしたいのはよく分かる」
A子「どういうこと?」
祭儀神「A子ちゃんは、神ちゃんと同じなんだよ」
A子「私が?」
祭儀神「あぁ、きっと神ちゃんのような神になれる」
A子「それって月給14万のダメ神になるって事?」
祭儀神「はははっ! そうだな、ダメ神だ。 神ちゃん以上のダメ神になれる素質がある」
293: 2018/05/15(火) 01:42:27 ID:OBRMEeiE
A子「ちょっとおっちゃん、裏まで顔貸してくれる?」
祭儀神「あいにく、俺はこれからキャバクラだ」
A子「このおっさん・・・」
祭儀神「じゃ、戻るか」
A子「あ~ 私ちょっと奥社に行ってくる」
祭儀神「内宮神か?」
A子「うん」
祭儀神「分かった」
A子「じゃ、また後で」タッタッタッ
祭儀神「気をつけろよ」
A子「あいよー」
祭儀神「・・・・・・。 さて、急いで出かけるか」
294: 2018/05/15(火) 01:43:22 ID:OBRMEeiE
─── 神宮・奥社
コンコン
神聖な社に何用か? 合い言葉を述べよ
A子「知らない」
ギー
内宮神「A子ちゃん」
A子「ちょっとお邪魔しても良い?」
内宮神「もちろん。 上がって」
A子「おじゃましま~す」
295: 2018/05/15(火) 01:44:42 ID:OBRMEeiE
内宮神「どったの? お昼は午前中に置いていったお供えをもらったけど」
A子「内宮神ちゃん、神ちゃんと意識が別れたんだって?」
内宮神「・・・あっちから聞いたの?」
A子「うん」
内宮神「そう・・・ 数日前にね」
A子「内宮神ちゃんはこれからどうするの?」
内宮神「私は・・・ 私のやるべき事をやるだけ」
A子「ずっとここに居るの?」
内宮神「封印の事は聞いた?」
A子「うん。 龍だか何だかよく分からない物を封印してるって」
内宮神「この結界だけは絶対に維持しないといけない。 それが私の役目」
A子「でも・・・」
296: 2018/05/15(火) 01:45:50 ID:OBRMEeiE
内宮神「ここら辺の土地を売り払おうとしているんだって?」
A子「うん」
内宮神「大丈夫。 絶対にそうはならないから」
A子「そうなの?」
内宮神「その為に神ちゃんが策を練っているんでしょ?」
A子「でも、流石にどうなるか・・・」
内宮神「絶対何とかなる。 今までだって守り通してきたんだから」
A子「内宮神ちゃん・・・」
内宮神「この場所が・・・ いや神宮自体が取り壊しになるって話が今まで何度もあったんだ」
A子「え?」
内宮神「そんな危機が何度も何度もあって・・・ でも、ここは何千年も無事にこの場所にある。 今回だってきっと・・・」
内宮神「だから、私は・・・ 神ちゃんを信じる」
A子「・・・・・・」
299: 2018/05/16(水) 00:25:31 ID:EMPt/aag
─── 喫茶ねこまた・サーバールーム
ガチャッ
猫神「ハロ~」
B夫「猫神様いらっしゃい」
猫神「祭儀神君から機械の設置が終わったって電話があったよ~」
B夫「オッケ」
猫神「何を取り付けたの~?」
B夫「奥社の下に何が埋まっているのかを調べるための測定器」
猫神「でも封印されているから分からないんじゃないの~?」
B夫「それは計測してみないと。 たぶん10分位で結果が出る」
猫神「ふ~ん。 で、売却の件の方は何か分かった~?」
300: 2018/05/16(水) 00:26:50 ID:EMPt/aag
B夫「これ見て」カタカタ
猫神「メール? ハッキングしたの?」
B夫「宮司会は議事録自体がないし、この件に関する書類は手書き保管されているからさすがに取り出せない」
猫神「じゃぁこのメールは~?」
B夫「最終的な文章を作るためには下っ端が各所とやり取りをして詰めていく」
猫神「あ~ なるほど~ 最終文章は分からなくても、直前までのやり取りが分かれば良いって事だね~」
B夫「ザッツライト。 このメールの最後、“それでは、こちらの契約草案で最終とさせていただきます”って書いてある」
猫神「さすがB夫くん。 怖いね~」
B夫「その言葉、全反射でお返しします」
猫神「で? メールの中身は~?」
B夫「今開く」カタカタ
猫神「差出人は~ 神宮の新規開拓室?」
B夫「そう。 相手は、日本新燃準備会社」
猫神「聞いたことない所だね~? B夫君知ってる~?」
B夫「・・・・・・」
301: 2018/05/16(水) 00:28:17 ID:EMPt/aag
ピピピピ
猫神「何の音~?」キョロキョロ
B夫「簡易測定が終わった。 えーと・・・」
猫神「何これ? 凄い文字の羅列だね~ Pbって文字がいっぱいあるけど~」
B夫「・・・やっぱり」
猫神「?」
B夫「猫神様、すぐに神ちゃんのところへ行きましょう」
302: 2018/05/16(水) 00:29:26 ID:EMPt/aag
─── 神宮近くの裏通り
神様「いや~ 久々の伊勢だね」モグモグ
神使「いつの間に赤福なんか買ったんですか・・・」
神様「お前が駅でおしOこ行っているとき」
神使「大きい声でそう言う事は言わないで下さい///」
神様「お前が聞いたんじゃねぇかよ!」ゲシッ
神使「それより・・・ 神宮に行く道とは違いますね」
神様「考えなしで敵地に乗り込むほど私は愚かじゃないのだよ」
神使「ではどちらへ?」
神様「あった。 ここ」
神使「雑居ビル・・・ のようですが」
303: 2018/05/16(水) 00:30:51 ID:EMPt/aag
神様「この汚らしい建物は、なんと! 神様機構の本庁舎なのだ!」
神使「え・・・ この壁のコンクリが所々剥がれ落ちている建物がですか?」
神様「うん。 通称ボロビル」
神使「・・・・・・。 表札に“田中”って書いてありますが」
神様「神様機構なんて看板出せるわけないだろ」
神使「それはそうですが・・・ なんで田中なんです?」
神様「ちなみに両隣の建物も機構の持ち物。 中はスッカラカンだけど」
神使「長官さんはこんな所で仕事をしていたのですか・・・」
神様「長官君は神宮にいる事が多いし、ほとんど倉庫代わりだね。 普段は誰もいないはず」
神使「なんか勿体ないですね」
神様「しばらくはここが私達の前線基地」
神使「神宮まで徒歩で10分といった場所ですね」
神様「専用の地下通路があるから5分で着く」
神使「あっ、そういう所は流石ですね」
304: 2018/05/16(水) 00:31:59 ID:EMPt/aag
prrr prrr
神様「?」ゴソゴソ
神使「メールですか?」
神様「猫神だ。 B夫と猫娘を連れてこっちに来るって」
神使「随分と急ですね。 何か分かったんでしょうか?」
神様「らしいな。 明日から早速行動開始だな」
神使「きちんとした作戦を立てて下さいね?」
神様「へいへい」テクテク
神使「・・・・・・」
307: 2018/05/17(木) 00:56:13 ID:QRRK9RNQ
─── 翌日・神様機構本庁舎(ボロビル)
猫神「この建物まだあったんだねぇ~」
長官「私もボロビルに来たのは久しぶりだ」
神使「本当にボロビルと言うのですね・・・」
神様「あれ? 祭儀神は?」キョロキョロ
A子「なんか出かけてるみたい。 昨日キャバクラに行くって出たきり戻ってない」
B夫「時間も惜しいし始めよう」
神様「おっ、B夫やる気だねぇ」
猫神「悠長な事を言っていられない状況だしねぇ~」
神様「聞きましょうか」
308: 2018/05/17(木) 00:58:36 ID:QRRK9RNQ
B夫「まずは封印されているものについて」
神使「何か分かったのですか!?」
B夫「取り付けてもらった測定器が奥社近辺で大量の鉛を検出した」
神様「なまり?」
B夫「そう、通常では考えられない量」
神使「どういう事です?」
B夫「過去にこの場所で鉛が大量に生成される事象が起こっていたと考えられる」
A子「鉛ってどうやったら出来るの?」
B夫「方法は色々あるけど・・・ 他に検出した物質と合わせて推察するに、ある物質が核分裂を起こした後に出来たと考えられる」
神使「核分裂!?」
309: 2018/05/17(木) 00:59:51 ID:QRRK9RNQ
B夫「単刀直入に言う。 高純度のウランが大量に地下にあると思われる」
一同「ウラン!?」
神使「それって原子炉とかに使われる燃料ですよね?」
B夫「ザッツライト」
長官「なんでそんな物が日本に?」
B夫「ウラン自体は結構どこにでも微量ながらある。 日本でもいくつか採掘できる場所もあるし」
長官「これは驚いたな」
神使「でも仮にウランだとしたら、龍というのは一体・・・」
B夫「高速の放射線粒子が物質と相互作用するときに青く光る現象がある。 もちろん核分裂時にも起こる」
神使「青く・・・ まさかその光が!?」
310: 2018/05/17(木) 01:00:58 ID:QRRK9RNQ
B夫「目視できる程では無いけど、目や頭部内で反応が起こると青く光ったと感じるという報告がある」
神使「それが青い龍の正体・・・」
B夫「正確にはチェレンコフ効果」
A子「私、感じた事ないよ?」
B夫「これを感じたらまず助からない」
A子「何それ怖い!」
神使「仮に、今結界を解いた場合どうなるんです?」
B夫「推定埋蔵量からすると結界解除と同時に核分裂の暴走が始まって一瞬で一帯が吹き飛ぶ」
神使「一帯というのはどのくらいの規模です?」
B夫「日本はもう住めないかもね」
一同「!?」
311: 2018/05/17(木) 01:02:10 ID:QRRK9RNQ
神使「しかし、当時はそこまでにはなっていなかったのでは?」
B夫「当時は鉱物が核崩壊をある程度抑制していたと考えられる」
神使「今は違うんですか?」
B夫「地殻の変動で奥社近辺に地下水が流れてる。 しかもかなりの量」
A子「神宮菜園も地下から水汲んでるって言ってた」
神使「それが何か問題でも?」
B夫「水が核分裂のスピードを速める。 この辺を掘ったら水がウランに浸かって間違いなく暴走する」
神使「ちょっと想像を超えた事態ですね・・・」
猫神「もう一つマズい事があるんだよね~」
長官「まだあるのかね・・・」
312: 2018/05/17(木) 01:03:30 ID:QRRK9RNQ
B夫「土地の売却に関して」
神使「ウランの事を話せば神宮も思いとどまるのでは?」
B夫「逆。 神宮はそのウランを採掘しようとしてる」
一同「は!?」
B夫「あの土地を取得しようとしているのは“日本新燃準備会社”という所」
A子「何その変な名前の会社。 センスないね」
B夫「1年前にインターナショナルエクスプロレーションという資源開発の世界的企業と合弁で設立された会社」
神使「合弁?」
B夫「そう、筆頭株主は神宮土地開発財団」
長官「神宮? どういう事かね?」
B夫「神宮が神宮の出資した会社に土地を売り払うって事」
神使「なるほど・・・ つまり営利事業が出来ない神宮のダミー会社という事ですか?」
B夫「ザッツライト。 神宮も地下にウランが埋まっている事に気付いている」
313: 2018/05/17(木) 01:05:19 ID:QRRK9RNQ
長官「しかし、封印を解いたら暴走するようなものを採掘するだなんて無理だろう」
B夫「ウランは時間経過と共に減衰していく。 通常の計算では発掘には問題ないという結果になる」
神使「しかし、話せば分かってもらえるのでは?」
B夫「相手は世界的な資源開発会社。 結界で自然界から隔離状態で維持されているなんて信じるわけない」
長官「至急契約の中止を進めよう」
猫神「それが~」
B夫「契約はすでに終了して売買契約が締結されている」
長官「なっ!」
B夫「しかも、発掘作業が来週から始まる」
神使「そんな・・・」
神様「・・・・・・」
長官「神宮は神が不要な存在になっているようだな・・・」ハァ
318: 2018/05/18(金) 00:26:13 ID:IgWVRr3Y
神使「神様、どうしましょう・・・」
神様「すまない」
神使「神様・・・」
神様「ちんぷんかんぷんで何を話しているのか全く分からない」
一同「」ガクッ
神様「でも、一つだけ・・・」
一同「?」
319: 2018/05/18(金) 00:29:02 ID:IgWVRr3Y
神様「リンクが切れる直前、内宮神は“この結界は私が守るから気にするな”って言ったんだ」
一同「・・・・・・」
神様「私は、結界を守れるようにしておくから後は任せろと告げた」
神使「神様・・・」
神様「私は絶対諦めない。 今までだって守ってきたんだ」グッ
一同「・・・・・・」
長官「四柱結界の威力をさらに上げるのはどうだ?」
神使「なるほど、結界の威力を上げれば第零柱の封印も強化できるという事ですね」
祭儀神「それは無理だな」テクテク
猫神「祭儀神く~ん?」
祭儀神「遅れてすまないな」
320: 2018/05/18(金) 00:30:24 ID:IgWVRr3Y
A子「キャバクラの朝帰りは良くないと思います」
祭儀神「失礼だな、青森に行ってたんだよ。 その前にキャバクラには寄ったけど」
猫娘「キャバクラには行ってるニャ。 ニャ」
猫神「青森って、凄爺のところ~?」
祭儀神「あぁ。 四柱結界について聞いてきた」
猫神「そっか~・・・」
祭儀神「四柱結界はボロボロだ。 持ってあと数十年」
長官「数十年!?」
祭儀神「今の状態を維持して数十年だ。 とても出力を上げるなんて不可能だな」
B夫「俺の計算だと、第二柱が決壊寸前。 出力アップより先にこっちを修復する方が先」
長官「だったら、この際新しく結界を張り直すというのは?」
B夫「その場しのぎ。 問題解決とは言えない」
神様「・・・・・・」
321: 2018/05/18(金) 00:32:46 ID:IgWVRr3Y
A子「なんか一辺に色々起こってるんだね~」
長官「少し妙じゃないか?」
猫神「・・・・・・」
長官「四柱結界は少し前から不安定な状態にあったが・・・」
神使「確かに神様と内宮神様の件も含め、神宮がある程度知っていたとしてもタイミングが・・・」
B夫「もしかして偶然だと思ってる?」
長官「どういうことかね?」
神使「まさか・・・」
B夫「四柱結界は意図的に不安定にされている」
長官「何だと?」
322: 2018/05/18(金) 00:34:08 ID:IgWVRr3Y
B夫「神宮のメールを漁っていたらこんなもの見つけた」ペラッ
長官「・・・これは!?」
神使「第三柱結界減衰化計画!?」
B夫「神ちゃんが再封印をして失敗に終わったみたいだけど」
猫神「たぶん、他の四柱にも手をつけてるだろうね~ 特に今は第二柱とか」
長官「あいつら・・・」
B夫「それと・・・」チラッ
猫神「・・・・・・」
長官「まだ何かあるのか・・・ この際だ、全て話してくれ」
猫神「神ちゃん? 内宮神ちゃんとのリンク・・・ もしかして、自分から切った~?」
一同「え!?」
神様「・・・・・・」
323: 2018/05/18(金) 00:34:49 ID:IgWVRr3Y
神使「ちょっと待って下さい。 どういう事ですか!?」
神様「」トテトテ
神使「神様?」
神様「ちょっと出かけてくる・・・」
ギー バタン
神使「神様・・・」
猫神「今日は、一旦解散しようか~・・・」
324: 2018/05/18(金) 00:35:27 ID:IgWVRr3Y
─── 10分後・神宮奥社
神様「」コンコン
ギー
内宮神「久しぶり」
神様「よっ」
内宮神「上がって」
神様「ん」
ギー バタン
326: 2018/05/19(土) 03:50:19 ID:ql5LHZOg
─── 夜・機構ビル屋上
神様「・・・・・・」ボー
ギーッ
神様「?」クルッ
神使「神様、ここにいたんですか」テクテク
神様「犬ころか」
神使「何しているんです?」
神様「何も?」
327: 2018/05/19(土) 03:51:40 ID:ql5LHZOg
神使「隣、座っても良いですか?」
神様「・・・どうぞ」
神使「失礼します」
神様「・・・・・・」
神使「曇っていて月は見えないですね」
神様「そうね」
神使「どちらへ行かれていたのですか?」
神様「ちょっと」
神使「・・・・・・」
神様「内宮神の所だよ。 ちょっと顔見ておこうと思って」
神使「次の作戦会議は明日の朝だそうです」
神様「ん」
神使「・・・・・・」
神様「・・・・・・」
328: 2018/05/19(土) 03:53:09 ID:ql5LHZOg
神使「神様、何か隠してらっしゃいますね?」
神様「はて、どのことでしょうか? 懲りずに鬼牡蠣の封印解除を狗神にやらせていることかな?」
神使「先日、神様が仰った私とA子ちゃんを神にしたいというお話しです」
神様「そっちか。 本心だし嘘じゃない」
神使「再封印をすることになった場合、神力が足りなくなるから先に私達を神にしたいんですよね?」
神様「・・・そうね」
神使「つまり、二人を神にするには結構な量の神力が必要だと」
神様「まぁ・・・ それなりには」
神使「それだけ神力を使って、いざという時に再封印は出来るんですか?」
神様「・・・・・・」
神使「もし出来るのであれば、今私達が神にならなくても問題ないと思いますが?」
神様「・・・・・・」
329: 2018/05/19(土) 03:54:28 ID:ql5LHZOg
神様「ハァ~・・・ しくったね~」
神使「神様らしくないですね」
神様「・・・・・・。 神になってくれる?」
神使「お断りします」
神様「・・・・・・」
神使「全て知っていらしたんですね?」
神様「・・・・・・」
神使「四柱結界の件も神宮が手を引いていると。 神宮が結界を壊して封印されているものを掘り出そうとしている事も」
神様「・・・・・・」
神使「そして、危険な状態になっている内宮神様を助けるために意識共有を切った」
神様「・・・・・・」
330: 2018/05/19(土) 03:55:51 ID:ql5LHZOg
神使「他に方法はないんですか?」
神様「まるで私がこれから何をしようとしているのか分かっているような言い方だな」
神使「分かります」
神様「・・・・・・」
神使「分かりますよ。 神様は優しいですから・・・ 何をしようとするかなんて簡単に分かります」
神様「」フッ
神使「もう少し一緒に考えましょうよ。 いつもみたいな小ずるい手段でも」
331: 2018/05/19(土) 03:57:20 ID:ql5LHZOg
神様「・・・なぁ、神使」
神使「?」
神様「人も神使も神も、この世界に生がある物には全て終わりがある」
神使「・・・・・・」
神様「お前や私は人に比べれば随分と長いけど、それでもいつかは終わりを迎えるときが来る」
神使「・・・・・・」
神様「次の世代に役割を繋ぐことでこの世界は回っているんだ」
神様「だから・・・」
神様「私は、自分の役割をお前に託すと決めている。 当然、お前も次の世代に繋ぐことになる」
神様「私は・・・ 私はお前にこの国の平和を任せたい」
神使「それは今でなくても・・・」
332: 2018/05/19(土) 03:58:07 ID:ql5LHZOg
神様「なぁ、お前はこの国が好きか?」
神使「もちろんです」
神様「即答か」
神使「神様が作ったこの国が大好きです」
神様「今まで頑張ってきて良かった」フッ
神使「ですから、神様───」
神様「私は、お前が好きと言ってくれたこの世界を壊したくない」
神使「神様・・・」
神様「これまで凄く時間がかかったんだぞ? もう一度作れと言われても私には無理だ」
神使「しかし! まだ方法が!」
333: 2018/05/19(土) 03:59:07 ID:ql5LHZOg
神様「神使さま」
神使「!?」
神様「私の愛する神使さま・・・ どうか私の望みを聞いていただけないでしょうか・・・」
神使「・・・・・・」
神様「あなたが好きだと言ってくれたこの国を、私は壊したくないのです」
神使「・・・嫌です」
神様「・・・・・・」
神使「神様のいない世界なんて嫌です!」
神様「」ニコッ
神使「ぅ・・・」
334: 2018/05/19(土) 04:00:19 ID:ql5LHZOg
神様「お願いいたします・・・ どうか私の我が儘を許して下さい」フカブカ
神使「っ・・・ くっ・・・・・・」
神様「あなたなら大丈夫。 私が認めたんですから」
神使「そんな事・・・ 言わないで下さい・・・」
神様「あなたにこれを」ゴソゴソ
神使「これは・・・ 神様のお守り・・・」
神様「最後の1個はあなたに渡すと決めていました」
神使「・・・・・・」
神様「その中には他のお守りと違って、私のおまじないを入れてあります」
神使「おまじない?」
神様「ぜひ、これを神使さんに持っていて頂きたいのです」スッ
神使「・・・・・・」
335: 2018/05/19(土) 04:01:07 ID:ql5LHZOg
神様「お願いします。 受け取って下さい」
神使「・・・・・・」ギュッ
神様「ありがとう」
神使「・・・・・・」
神様「」ニコッ
神使「どうして神様はそんなに優しいんですか・・・」
神様「それはあなたもです」
336: 2018/05/19(土) 04:02:48 ID:ql5LHZOg
神使「一つだけ約束して下さい」
神様「?」
神使「最後まであがいて下さい。 いつもみたいに・・・ どんな手を使ってでも」
神様「・・・・・・」
神使「それが条件です」
神使「それに」
神様「?」
神使「当日は、エガちゃんのスペシャル番組もありますから」
神様「分かった」クスッ
神使「神様!」ダキッ
神様「神使さん・・・」ダキッ
339: 2018/05/20(日) 04:28:28 ID:euA81Vw6
─── 翌日
ガチャッ
神使「遅くなりました」テクテク
神様「わりーね」トテトテ
猫神「おはよ~ 神ちゃ・・・ !?」
祭儀神「ほぉ」
長官「これは驚いたな」
B夫「?」
A子「みんなどったの?」キョロキョロ
猫娘「神使先生凄いニャ。 ニャ」
A子「え? 何が??」
340: 2018/05/20(日) 04:30:20 ID:euA81Vw6
神様「たっぷりと神力を使わせて頂きましたので」ツヤツヤ
神使「お恥ずかしいです・・・」
A子「ねぇ、何が? みんな何に驚いてるの?」
神様「ご紹介しよう! 神使之神だ!」
神使「・・・///」ペコリ
A子「え!? 神使さん神になったの?」
猫娘「見て分からないんですかニャ? ニャ」
A子「ちょっと猫娘ちゃん、もしかして私をディスってる?」
猫神「あっ、そう言えばこの中でA子ちゃんだけ~・・・」
A子「猫神様まで私をディスったー!」
B夫「猫神様? 俺も人なんだけど・・・」
祭儀神「どうすんだ? A子ちゃんは」
A子「そんな事を言っても私は流されませんので」プイッ
341: 2018/05/20(日) 04:31:38 ID:euA81Vw6
神使「私のことはともかく・・・ 早速会議を進めましょう」
B夫「みんなには俺は見えてないのかな?」キョロキョロ
猫娘「ニートは人じゃないニャ。 ニャ」
B夫「・・・・・・」
神様「じゃぁ、長官君からよろ」
長官「あぁ。 昨日の夜に神宮の方から正式に土地売却の話を受けた」
祭儀神「無理矢理聞き出したんだがな」
猫神「何て言ってた~?」
長官「・・・これが契約書のコピーだ」バサッ
猫娘「うニャ~ 分厚いニャ。 ニャ」
長官「B夫君の言ってた通り売却はすでに完了済み。 奥社の取り壊しと地質調査が4日後だ」
神使「急ですね」
B夫「やっぱりスケジュールは短縮されたか」
神様「なんとかして止められないの?」スリスリ
A子「?」チラッ
342: 2018/05/20(日) 04:32:24 ID:euA81Vw6
長官「契約解除は違約金が100億と神宮の土地の全てを譲渡だそうだ」
神使「随分とメチャクチャな契約ですね」
B夫「周りが反対してくると見込んだ防御策」
祭儀神「全く、呆れて言葉もでんわ」
長官「言葉は出なかったが、手は出てたな」
祭儀神「うっ・・・」
神様「お前、手を出したのかよ・・・」スリスリ
猫神「?」チラッ
343: 2018/05/20(日) 04:33:13 ID:euA81Vw6
祭儀神「ちょっとド突いただけだよ」
長官「あれは殴ったと言うんだよ」
猫神「祭儀神君がキれるなんて珍しいねぇ~」
祭儀神「すまん・・・」
B夫「地質調査のボーリングだけは何としても阻止しないと」
神様「残り4日か」スリスリ
祭儀神「?」チラッ
344: 2018/05/20(日) 04:34:09 ID:euA81Vw6
B夫「時間的に出来ることは限られる」
祭儀神「念のため、当日に各結界へ神を集めて強度を一時的に上げる手は打った」
神使「しかし、四柱結界がもつでしょうか?」
祭儀神「ギリギリの所で凄爺に調整を頼んでいる」
猫神「でも、その場しのぎにしかならないねぇ~」
神様「特に第二柱は不安だな」スリスリ
長官「?」チラッ
345: 2018/05/20(日) 04:35:04 ID:euA81Vw6
A子「あの~」
一同「?」
A子「私バカだから詳しくは分からないんだけど、四柱結界っていうのが大きければそれだけ結界も強くなるの?」
B夫「原理的にはそう。 でも日本国内東西南北の最端から結界を張っても計算上は今とあまり変わらない」
A子「だったら海外は使っちゃダメなの?」
一同「海外!?」
A子「うん、世界中から貼れば凄く強くなるんじゃない?」
一同「・・・・・・」
A子「ごめん、無理だよね・・・ わすれて」ハハハ
B夫「いや、それはありかも」
祭儀神「でも海外って、どうやって結界を張るんだ?」
猫神「海外か~・・・」
346: 2018/05/20(日) 04:35:50 ID:euA81Vw6
神様「う~ん・・・」スリスリ
一同「・・・・・・」チラッ
A子「ねぇ、神ちゃん?」
神様「なに?」スリスリ
A子「さっきから何やってるの?」
祭儀神「俺も気になって集中出来ないんだが」
長官「そ・・・ そうだな。 目のやり場に困るというか・・・」
猫神「女の子がそんなところ、ちょっとはしたないね~」
347: 2018/05/20(日) 04:37:05 ID:euA81Vw6
神様「いや、股が痛くてさ」
神使「!!」ブボッ
A子「ちょっと神使さん、お茶吹き出して汚い~」
神使「すいません」ゲホッ ゲホッ
猫神「いや~・・・ まぁ・・・ 神ちゃんも女の子だものねぇ~・・・///」
長官「そういう反応に困ることは言わないでくれ・・・」
祭儀神「程々にな」ボソッ
神使「・・・・・・///」
352: 2018/05/21(月) 00:27:57 ID:B9wXo4AQ
─── 翌日(取り壊し3日前)・ボロビル
ガチャ
A子「ちわ~」
猫娘「A子さんニャ。 ニャ」
A子「あれ? みんなは?」キョロキョロ
猫娘「うニャ~ みんな用事があるみたいで今日は作戦会議はお休みになったニャ。 ニャ」
A子「そうなんだ。 私は別に用事ないけどさ」
猫娘「長官さんと祭儀神様は青森、猫神様はウサちゃんに会いに行くって言ってたニャ」
A子「ウサちゃん?」
猫娘「詳しくは分からないですニャ。 ニャ」
353: 2018/05/21(月) 00:29:22 ID:B9wXo4AQ
A子「ふーん。 神ちゃん達は?」
猫娘「神ちゃん様と神使先生は二人で出かけたニャ。 ニャ」
A子「くそ、デートかよ・・・」チッ
猫娘「とってもラブラブだったニャ~。 ニャ」
A子「あっ、そういう話は心が痛くなるから結構ですので」
猫娘「A子さんも彼氏いない歴=年齢でも諦めなければ良いことありますニャ。 ニャ」
A子「諦めてないし」
猫娘「ニャ? ニャ」
A子「私はこう見えても猫娘ちゃんよりは人生経験豊富なのです」
猫娘「私はこう見えてもA子さんより数百年長く生きてますニャ。 ニャ」
A子「大変失礼いたしました、猫娘先輩」フカブカ
猫娘「ニャ。 ニャ」
354: 2018/05/21(月) 00:30:48 ID:B9wXo4AQ
B夫「おはよう」テクテク
猫娘「もうお昼ニャ。 ニャ」
A子「相変わらずB夫さんはお寝坊さんだね~」
B夫「徹夜で調べ物してたんだけど・・・ あっ、猫さん昨日は夜食ありがとう」
猫娘「ニャ。 ニャ」
A子「おやぁ~? 猫娘ちゃんはB夫さんにお優しいんですねぇ~」
B夫「猫さんは俺に首ったけ」
猫娘「B夫さん? 何度も言いますが、本気で不快なのでそういう事は言わないで下さい」
B夫「すいません・・・」
A子「B夫さんも余計な事を言わなきゃ良いのに」
B夫「?」
355: 2018/05/21(月) 00:33:21 ID:B9wXo4AQ
猫娘「お、お腹が空いたニャら“ねこまんま”で良ければすぐ作るニャ。 ニャ」
B夫「おねしゃす」
猫娘「A子さんも食べていきますかニャ? ニャ」
B夫「猫さんの猫飯は最高。 なんせ本物だし」
A子「それって人が食べても大丈夫なの?」
猫娘「とっても美味しいですニャ。 ニャ」
A子「質問の答えになってないんだけど・・・ 私は戻って食べるから気にしないで」
猫娘「ニャ。 ニャ」
A子「じゃぁ私神宮に戻るね?」
猫娘「また明日ニャ。 ニャ」
A子「じゃぁね~」テクテク
356: 2018/05/21(月) 00:34:18 ID:B9wXo4AQ
─── キセキ野教会
猫神「ここか~・・・」
ギー
猫神「お邪魔しま~す」
修道女「?」クルッ
猫神「お邪魔しても良いですか~?」
修道女「もちろんです。 どうぞお入り下さい」
猫神「立派な教会ですね~」
修道女「ありがとうございます」
357: 2018/05/21(月) 00:35:21 ID:B9wXo4AQ
猫神「はじめまして~ わたし猫神と申します~」
修道女「猫神さま・・・?」
猫神「日本の神で~す」
修道女「!? あっ、シスターうさーを呼んで参ります!」
猫神「いえいえ、私が用があるのは~───」
うさー「ね~ シスターちゃん、お腹すいたから塩バタコーンラーメン作って」テクテク
修道女「シスターうさー、お客様の前ではしたないことを言わないで下さい・・・」
うさー「ん?」
猫神「ハロ~ 久しぶりだね~ うさーちゃ~ん」
うさー「げ! 猫神・・・」
猫神「」ギロッ
うさー「さま」
358: 2018/05/21(月) 00:36:09 ID:B9wXo4AQ
猫神「久しぶり~」ニコッ
うさー「う~ 私、何も悪い事してないよ」
猫神「別にお説教しに来たわけじゃないよ~」
うさー「本当に?」
猫神「ちょっとお願いがあって~」
うさー「私に?」
猫神「ん~ うさーちゃんもだけど、本命はシスターちゃんの方かなぁ~?」
修道女「私・・・ ですか?」
うさー「?」
359: 2018/05/21(月) 00:37:04 ID:B9wXo4AQ
─── 1時間後
修道女「はい、えぇ・・・ 緊急事態だそうで・・・ はい」
うさー「どうしてパチカンなんかに電話を?」
猫神「世界がヤバい~ って感じで~」
うさー「世界?」
修道女「猫神様、お待たせいたしました。 電話を繋いでもらいましたのでどうぞ」スッ
猫神「ありがとう~ ここしかツテがなかったもので迷惑掛けるね~」
修道女「いえ、お気になさらず」
猫神「もしもし~ あっ、日本語でも大丈夫ですか~?」
360: 2018/05/21(月) 00:38:14 ID:B9wXo4AQ
うさー「ねぇ、シスターちゃん。 電話の相手って誰?」
修道女「パチカンの法王庁です」
うさー「・・・・・・? え!? まさか法王さま?」
修道女「はい」
うさー「なんでシスターちゃんが法王さまを知ってるの!?」
修道女「一応・・・ 私も括りでいえばその・・・」
うさー「まぁそうだけど・・・ 私も神だけど連絡先なんて知らないよ?」
修道女「シスターうさーは、日本の神じゃないですか」
うさー「え~ 私も法王さまと友達になりたい~」
修道女「シスターうさー、ちょ・・・ 揺らさないで下さい」ユサユサ
361: 2018/05/21(月) 00:39:19 ID:B9wXo4AQ
ペシッ!
うさー「痛い!」
猫神「他宗教の神に手を出しちゃダメだよ~」
うさー「う~ だって~」
修道女「お電話終わったのですか?」
猫神「うん」
ギー
一同「?」クルッ
?「こんに~ちは、シニョリータ」
うさー「げっ!」
362: 2018/05/21(月) 00:40:06 ID:B9wXo4AQ
猫神「随分と早いですね~」
?「私に距離など関係ありませ~ん」
猫神「さすが~」
?「お話しの前にコーヒーでもいかがですか?」キラッ
猫神「わたし、紅茶派なもので~」
?「それは残念で~す」
猫神「時間がないので本題でも良いですか~?」
?「お伺いしま~す」
366: 2018/05/22(火) 04:50:58 ID:/2UkAQLU
─── りんごちゃん神宮本殿
凄爺「遠いところ、良く集まってくれた」
長官「すでに皆には状況を説明した通り、かなり不味い状況だ」
昭宮神「驚きました。 そんな危機になっていただなんて・・・」
狐神「本当だよ。 ついこの間、神ちゃんと会ったときには何にも言ってなかったのに」
祭儀神「神ちゃんはギリギリまで粘って一人で何とかしようと溜め込む癖があるからな」
凄爺「それも込みで皆、あのガキを慕っているんじゃろ?」
一同「・・・・・・」フッ
凄爺「さて、時間もない。 ワシから四柱結界の説明をしよう」
367: 2018/05/22(火) 04:52:09 ID:/2UkAQLU
─── 神宮・奥社
A子「ムフフ。 今日のお供えも完璧なのです! 内宮神ちゃん喜んでくれるかな~」テクテク
チカッ チカッ
A子「あれ? 奥社の中が光ってる」タッタッタッ
トントン
A子「内宮神ちゃん? 入るよ?」
ギー
368: 2018/05/22(火) 04:53:03 ID:/2UkAQLU
ゴゴゴゴ
A子「うわっ! なにこれ!」
内宮神「A子ちゃん! 危ないからそれ以上近寄らないで!」
ゴゴゴ
A子「ちょ、内宮神ちゃん! なにこの光!」
内宮神「結界が少し弱まってて・・・」クッ
A子「だ、大丈夫!?」
内宮神「封!」
ピカッ
369: 2018/05/22(火) 04:54:10 ID:/2UkAQLU
ゴゴ… ゴ……
A子「収まった」
内宮神「ハァ・・・ ハァ」バタッ
A子「内宮神ちゃん!」タッタッタッ
内宮神「ハァ・・・ ハァ」
A子「大丈夫?」
内宮神「大丈夫・・・ しばらくは封印が効くから・・・」ハァハァ
A子「そうじゃなくて・・・ 内宮神ちゃんがだよ」
内宮神「私も大丈夫。 すぐ回復するし」
A子「内宮神ちゃん・・・」
内宮神「あっ、ご飯持ってきてくれたの? ありがとう。 後で食べるね」ニコッ
A子「・・・・・・」
370: 2018/05/22(火) 04:55:21 ID:/2UkAQLU
─── 10分後
A子「今までずっとこんな事してたの?」
内宮神「最近結界が薄くなっていてね。 たまに封印の強化が必要で」
A子「四柱なんとかってやつ?」
内宮神「よく知ってるね。 でも大丈夫、まだ私だけでも何とか持たせられるから」
A子「私も何かお手伝いできる事ない?」
内宮神「心配ないって」
A子「でも、あんな辛そうな内宮神ちゃん見たくないよ」
内宮神「A子ちゃん・・・ これは神の仕事なんだからA子ちゃんが気にしなくても大丈夫」
A子「神・・・」
内宮神「?」
371: 2018/05/22(火) 04:56:43 ID:/2UkAQLU
A子「私も神になれば力になれる?」
内宮神「あっ! 別にA子ちゃんに神になってくれって言っているわけじゃないからね? 気にしないで」
A子「・・・・・・」
内宮神「これは私の仕事だから。 普段ゴロゴロしてるんだからこういうとき位は、ね」
A子「でも、神ちゃん私を神にしたがっていたし」
内宮神「あ~ それは何と言うか・・・」
A子「内宮神ちゃんも神ちゃんとこの間まで同じだったんだから理由は知っているんだよね?」
内宮神「う~ん・・・ 今の私は神ちゃんじゃないし・・・」
A子「」ジーッ
内宮神「神ちゃんがA子ちゃんを神にしたい理由は、結界維持に協力して欲しいなんて事じゃないから」
A子「?」
372: 2018/05/22(火) 04:58:38 ID:/2UkAQLU
内宮神「・・・さて、体調も良くなってきたしご飯食べよっかな~」ゴソゴソ
A子「内宮神ちゃんは私が神になったら嬉しい?」
内宮神「もちろん! でも、それはA子ちゃんが納得して神になってくれたらだけどね」モグモグ
A子「そっか・・・」
内宮神「おっ、このお魚おいしいねぇ~」モグモグ
A子「じゃ、私戻るね」
内宮神「あっ! ちょっと待って」
A子「?」
内宮神「これ、A子ちゃんにあげる」スッ
A子「本? 分厚いね~」
内宮神「私と神ちゃんの集大成!」フンスッ
A子「・・・・・・」ペラペラ
内宮神「A子ちゃんに持っていて欲しい」
A子「なに・・・ これ・・・」
373: 2018/05/22(火) 04:59:56 ID:/2UkAQLU
内宮神「名付けて“この国の本”。 この国の理、仕組みとか~ 神の作り方とか色々書いてある」
A子「こんなの、私が持っていて良いものじゃないよ・・・」
内宮神「A子ちゃんにそれを託したい」
A子「何で私がこんな大切な物を?」
内宮神「犬ころに渡すのが筋なんだけど、たぶんA子ちゃんの方が良いかなぁ~って」
A子「どういう事?」
内宮神「私、A子ちゃんと出会えて嬉しかった。 今まで生きていた中で最高に楽しかったよ」
A子「なに言ってるの?」
内宮神「だから・・・ これを託したい」
A子「なんで急にそんな事言うの?」
内宮神「この先、どうなるか分からないしね」
A子「ダメ・・・ ダメだよそんな事言っちゃ・・・ まさか、内宮神ちゃん・・・」
内宮神「大丈夫。 最後まであがくから。 私も神ちゃんも諦めが悪いのが長所だしね」ニコッ
374: 2018/05/22(火) 05:00:51 ID:/2UkAQLU
─── 夜・ボロビル(神ちゃんの部屋)
コンコン
神様「だれ?」
A子「わたし」
神様「A子ちゃん?」トテトテ
ギー
神様「今日はごめんね、急に休みにしちゃって
A子「・・・・・・」
神様「A子ちゃん? どったの?」
A子「わたし、決めた!」
神様「?」
377: 2018/05/23(水) 06:16:55 ID:7UlgirJs
─── 翌日(取り壊し2日前)・ボロビル
A子「おっはよ~!」
神様「遅れてわりーね」
猫神「もぉ~ いくら何でも1時間は遅れ・・・ す・・・・・・」
祭儀神「ほぉ」
長官「これは驚いたな」
神使「A子ちゃん!?」
猫娘「ニャー!! ニャ」
B夫「?」キョロキョロ
378: 2018/05/23(水) 06:18:10 ID:7UlgirJs
神様「紹介しよう! A子神だ!」
A子「みなさんごきげんよう! 私の名は神宮のミス巫女、A子神!」
一同(巫女なのか・・・ 神なのか・・・)
A子「これからは私の時代。 私が救世主でありこの国の最高神!!」フンスッ
神様「あっ、最高神はA子ちゃんには譲れないから」
A子「え~ そうなの~?」
長官「A子ちゃんは最高神になる前に神階を上げていかないとな」
祭儀神「ダメ神が誕生してしまったな」ハハハ
A子「そんな~」
猫神「最高神はやっぱり神ちゃんじゃないとね~」
379: 2018/05/23(水) 06:19:32 ID:7UlgirJs
神様「あ~ その件なんだけど~」
一同「?」
神様「もし、私の身に何かあった場合は次の最高神の任は神使に委ねる」
一同「え!?」
神使「ちょっ、神様どういう事ですか!?」
神様「ん? 言った通りだけど」
長官「神ちゃん、どういうつもりかね?」
祭儀神「このタイミングでそう言う冗談は勘弁してくれ」
神様「まぁまぁ落ち着けって」
A子「ごめん神ちゃん、私そういうつもりで言ったんじゃ・・・」
神様「A子ちゃんも、私もそういうつもりで言っているわけじゃないから。 これは万が一の時のため」
猫神「万が一って~?」
神様「前に言っただろ? 何が起こるか分からないって」
一同「・・・・・・」
380: 2018/05/23(水) 06:20:38 ID:7UlgirJs
神様「今回一番危険なのは私と内宮神だ。 結界の真下で封印強化をするんだから」
祭儀神「それを回避するためにこうして作戦会議を開いているんだろうが」
神様「成功の保証はない」
一同「・・・・・・」
神様「これは私と内宮神しか出来ないことっていうのは理解できるだろ?」
長官「しかし、次の最高神の指名を今する必要は・・・」
神様「だ~か~ら~ よく考えろって。 私達に何かあったら最高神がこの国にいなくなるだろうが」
神使「それと私が最高神になるということにどう関係があるんですか?」
神様「次の最高神はお前に委ねると私が決めているから」
神使「しかし・・・ いくら何でも私は身分不相応かと思います」
神様「そう? それを言ったら私が最高神やってる方が不相応だろ」
一同「・・・・・・」
神様「あの・・・ そこは出来ればみなさんに否定して頂きたかったです・・・」
381: 2018/05/23(水) 06:21:31 ID:7UlgirJs
A子「私は異存なし!」
神使「A子ちゃん?」
神様「さすがA子ちゃん、私と内宮神が認めただけのことはある」ウンウン
長官「・・・・・・」
祭儀神「・・・・・・」
猫神「・・・・・・」
神様「分かってくれ。 最高神不在だけは絶対にしたくない」
神使「神様・・・」
神様「安心しろって。 そう簡単にくたばるつもりはないから」
382: 2018/05/23(水) 06:22:36 ID:7UlgirJs
祭儀神「神宮祭儀神として認めよう」ハァ
長官「私も、神様機構長官として認めるよ」
猫神「神ちゃんは一度言ったら取り下げないもんねぇ~」
神様「神使、お前の気持ちを聞かせてくれ」
神使「・・・・・・。 分かりました」
神様「ありがとう」
神様「神勅! 私、神様は自身が最高神を全うすることが出来なくなった場合の次の最高神として神使を指名する」
一同「」フカブカ
神様「以上! 最高神神様より神勅を申し伝えた!」
388: 2018/05/25(金) 23:37:50 ID:tsn2o6U.
─── 翌日(取り壊し前日)・ボロビル
ガチャ
神様「いや~ 今日は暑いね~」トテトテ
長官「おはよう、神ちゃ・・・」
祭儀神「随分と遅かっ・・・」
猫娘「おはようございますニャ。 ニャー!!」
神使「神様、せめて服は着て下さいよ・・・」
神様「お前の目は節穴か? 着てるだろうが」
神使「Tシャツとパンツは服を着ているうちに入らないかと・・・」
神様「裸じゃないし~」ベー
A子「いつも通りの神ちゃんじゃん。 別に驚くことはないと思うけど」
神使「A子ちゃんもだいぶ毒されてますね・・・」ハァ
389: 2018/05/25(金) 23:39:24 ID:tsn2o6U.
神様「あれ? 猫神は?」キョロキョロ
猫娘「昨日の夜にお出かけしましたニャ。 朝には戻るって言ってたんですけどニャ~。 ニャ」
神様「どこ行ったんだ?」
祭儀神「そう言えば、昨日色々なところに電話しているのを見たな」
A子「ウサちゃんがどうこう言ってるの聞いた」
神様「ふ~ん。 んじゃ、いるやつだけで先に明日の最終確認をしようか」
長官「待ってなくても良いのかい?」
神様「午後は内宮神と打ち合わせあるしあんまり時間ないんだよ」
長官「そうか。 それじゃ始めようか」
神様「では、作戦本部長のB夫! よろ」
B夫「オレ、いつから作戦本部長に?」
390: 2018/05/25(金) 23:40:50 ID:tsn2o6U.
長官「そう言えば、この中でB夫君だけ神じゃないな」
祭儀神「なぁ神ちゃん、コレもついでに神にしておいた方が良いんじゃないか?」
B夫「ついでって・・・ オレは神になんかなりたく──」
神様「それは猫神のオモチャだから私が勝手に弄っちゃダメだろ」
猫娘「ニート神なんて必要ないと思いますニャ。 ニャ」
B夫「あの・・・ オレの意見は? って言うか、猫さんの言葉が心に痛いんだけど・・・」
神様「まぁ落ち着いたら寝てる間にでも適当に神にさせときゃいいんじゃね?」
猫娘「一発で熟睡できるニャ。 ニャ」ポキポキ
B夫「それ寝るって言わない。 やめて、猫さんパンチはマジ洒落にならないから」
神様「諦めろって。 それがお前の運命なんだ」ポンポン
391: 2018/05/25(金) 23:42:32 ID:tsn2o6U.
B夫「・・・・・・。 四柱結界についての状況を!」
猫娘「観念したニャ。 ニャ」
神様「長官君達は凄爺と打ち合わせしたんだって?」
長官「あぁ。 各四柱に神を集めて明日の準備を進めてもらっている」
祭儀神「第一柱は昭宮神、第二柱は狐神、第三柱は狗神、第四柱は猫神を責任者にする予定だ」
神使「頼もしいですね」
長官「ただ、問題は第二柱だね。 想像以上に酷いようだ」
神様「猫神に第二柱へ回ってもらえば良いんじゃない? あいつ神力多いし」
祭儀神「いや、第二柱は神力の強さより持続性の方が重要だ。 狐神の方が適任だと思う」
神様「なるほどね。 確かに狐神はネチネチしてるしな」
神使「神様、そんな事言って狐神様に怒られますよ?」
B夫「第二柱は先に修復をしておけば良い。 どちらにしろそれだけ強い神力を四柱に送っても10分が限界」
神様「その間、私と内宮神で零柱の結界強化をするわけね」
B夫「そう。 そしてA子ちゃんと神使さんで掘削を妨害して追い返す」
神使「10分ですか・・・ あまり時間がないですね」
392: 2018/05/25(金) 23:44:09 ID:tsn2o6U.
ガチャッ
猫神「遅れてごめ~ん」
猫娘「お帰りなさいですニャ。 ニャ」
神使「どちらへ行かれていたんですか?」
猫神「結界の強度が大幅に上げられそうだよ~」
祭儀神「本当か!?」
猫神「昨日の敵は今日の友ってね~」
一同「?」
猫神「神ちゃんと神使君のおかげだよ~」
神様・神使「はい?」
393: 2018/05/25(金) 23:45:47 ID:tsn2o6U.
猫神「ほら~ これ見て~?」スッ
神様「猫神、スマホなんて持ってたのかよ・・・」
神使「写真ですか? って、これは!」
神様「げっ、うさーとシスターちゃんじゃん!」
A子「となりのおっさん誰?」
神使「この方はまさか・・・」
猫神「天使さんだねぇ~」
長官「天使?」
祭儀神「おいおい、なんだよそれ」
A子「天使って、背中に羽があって頭に輪っかがある裸の子供だよね」
B夫「ちょっと想像と違う」
猫娘「結界の協力してもらうのに、そんな言い方失礼だよ~」
394: 2018/05/25(金) 23:49:34 ID:tsn2o6U.
神使「協力って・・・ パチカンが協力してくれるんですか!?」
猫娘「そう。 四柱結界の強化を海外から補ってもらおうと思ってねぇ~」
B夫「なるほど。 パチカンは世界各国に教会があるから上手くいけば四柱結界の強度を上げられると」
猫神「ピンポ~ン。 その通り~」
祭儀神「でも、あっちの力と日本の神力って互換性とかあるのか?」
猫神「それをしてくれるのが彼女~」
神使「シスターさんですか?」
猫神「彼女はパチカンと日本の神の力を扱える唯一の神なんだ~」
神使「そう言えば、以前そんな事があった気がしますね」
猫神「神ちゃんお手柄だよ~」
神様「ほめよ」
長官「これは、想像も付かない事態だな」
B夫「早速作戦を練り直そう」
猫神「それより~ 何で神ちゃんは裸なの~?」
397: 2018/05/27(日) 00:58:19 ID:z7VwAaLU
─── 取り壊し当日・ボロビル
神様「さて諸君! いよいよ本番当日、張り切っていこー!」
A子・神使「おー」
神様「ねぇ、人少なくない?」
B夫「猫神様は昨日の夜にキセキ野教会へ向かった」
神様「長官君と祭儀神は?」
B夫「神宮。 作戦中に神宮へ誰も入れないように人払いを頼んだ」
神様「あ~ それで」
398: 2018/05/27(日) 01:00:00 ID:z7VwAaLU
B夫「今日は神宮自体が終日参拝禁止になってるけど念のため」
神使「参拝禁止なんですか?」
B夫「名目上は害虫駆除だって。 神職も巫女も立ち入り禁止にしてるらしい」
神様「どんだけ害虫がいるんだよ・・・」
A子「ある意味害虫駆除だけどねぇー」
B夫「掘削は昼過ぎから。 奥社を取り壊してその下でボーリングをする予定になってる」
神使「それを阻止するのが今日のミッションですね?」
B夫「そう。奥社の取り壊しとボーリングの阻止。 それ以上は求めない」
A子「フルボッコしたい」
B夫「突貫作戦だしイレギュラーな事態は避けたい。 一つでも状況が狂うと対応できなくなる」
神使「そうですね」
399: 2018/05/27(日) 01:01:58 ID:z7VwAaLU
B夫「あと、コレを耳につけて」
A子「イヤホン?」
B夫「簡易通信機」
神様「かっちょいい~」キラキラ
A子「SEみたい!」キラキラ
神使「SPですね」
B夫「それと、3人は神用の装束を着て」
神使「装束ですか?」
B夫「神用の装束は神力が練られているから。 念のため」
神様「私は犬ころに買ってもらったやつ着よ~」
B夫「神使さんはこれ着て。 長官さんが準備してくれた」
神使「ありがとうございます」
400: 2018/05/27(日) 01:04:01 ID:z7VwAaLU
A子「私は可愛いやつでお願いします。 ピンク色が良い」
B夫「A子ちゃんは、宝物庫行って適当に見繕ってきて」
A子「なにそれ!」
B夫「しょうがないじゃん、サイズ分からなかったんだし」
A子「え~ 面倒くさいな~」
B夫「俺はここで各所と協調を行う」
神使「よろしくお願いします」
神様「じゃぁ、準備に移りますか!」
401: 2018/05/27(日) 01:05:33 ID:z7VwAaLU
─── 30分後・神宮 宝物庫裏
A子「」キョロキョロ
A子ちゃん?
A子「うわっ!」ビクッ
同僚巫女「こんな所でなにやってるの?」テクテク
A子「巫女ちゃん・・・? えっと~ ちょっと・・・ 散歩?」
同僚巫女「その格好で?」
A子「え!?」
402: 2018/05/27(日) 01:06:45 ID:z7VwAaLU
同僚巫女「A子ちゃんが着てるのって、神用のご装束だよね? 神さま見習いのものっぽいけど」
A子「あっ、これは・・・ ピンクで可愛かったから着てみたくて。 って、これって見習い用なの!?」
同僚巫女「神しか着用できないと思うんだけど、どうしてA子ちゃんが着られたの?」
A子「あれ~? 装束の神力が切れてたのかなぁ?」アセアセ
同僚巫女「・・・・・・。 今日は神宮全体が立ち入り禁止だよ?」
A子「そうだっけ?」ハハハ
同僚巫女「神職も巫女も立ち入り制限がかかってる」
A子「ん? じゃぁ、どうして巫女ちゃんはここに?」
同僚巫女「A子ちゃんって隠すの下手ね」
A子「え?」
403: 2018/05/27(日) 01:07:34 ID:z7VwAaLU
ゾロゾロ
A子「みんな・・・」
巫女B「何を隠しるんだい?A子」
巫女C「全部ゲロッちゃいなさい」
同僚巫女「A子ちゃん、みんな何となく気付いてる。 今日、神宮に危機が訪れるって事を」
A子「どうして・・・」
同僚巫女「言ったでしょ? A子ちゃんは隠すのが下手だって」ニコッ
404: 2018/05/27(日) 01:09:16 ID:z7VwAaLU
─── ボロビル
B夫「さてと・・・」
B夫「・・・・・・」ポチッ
キュイーン
B夫「システムオッケ。 四柱からの神力計算も問題ない」
B夫「・・・・・・。 大丈夫、絶対上手くいく」
406: 2018/05/28(月) 03:08:24 ID:PhnF7H8c
─── 神宮
神宮職員「では、そろそろ参りましょうか」
エネルギー社社員「そうだな。 おい重機の準備は大丈夫か?」
作業員「大丈夫です」
社員「妨害対策は大丈夫だな?」
職員「今日は神宮全体を立ち入り禁止にしてあるので大丈夫かと思います」
社員「思いますじゃ困るんだけどなぁ~」
職員「・・・・・・」
社員「ま、何かあれば力尽くでも排除するぞ」
職員「はぁ」
社員「よし、じゃぁ行くぞ」
407: 2018/05/28(月) 03:09:05 ID:PhnF7H8c
─── ボロビル
長官『B夫君、対象が移動を開始したようだ』
B夫「了解、あとは引き継ぐ。 長官さんと祭儀神様も位置について」
長官『分かった。 神宮の人払いは任せてくれ』
祭儀神『誰も入れさせないよ』
B夫「こちら作戦本部。 みなさん、最終準備に入って下さい」
408: 2018/05/28(月) 03:11:04 ID:PhnF7H8c
─── 第一柱・東京
昭宮神「神々の皆さん、まもなくです。 位置について下さい」
他神A「関東の神が全員集まるなんて初めてだね」
秋葉神「全国のアニオタ達よ! 我に力を!」
昭宮神「我が愛しの神様のお役に立てるよう全力でいきますよ!」
他神A「神ちゃんがお付きと結ばれたって聞いてショボ暮れてるかと思ったのに」
秋葉神「逆に嬉しそうですね」
昭宮神「当たり前じゃないですか。 神様の幸せが私の生きがいですから」
秋葉神「確かに。 それは日本の神、全ての総意だね」
昭宮神「神様の幸せは必ず守って見せます。 全力でいきますよ!」
一同「おー!」
昭宮神「こちら第一柱。 いつでもOKです」
409: 2018/05/28(月) 03:12:21 ID:PhnF7H8c
─── 第二柱・出雲
狐神「はーい! それじゃぁ時間だからみんな位置について~」
ガヤガヤ
狐神「四柱の中で一番ボロボロなのがココなんだから、気合い入れて行くわよー」
他神B「狐ちゃーん! こっちは準備オッケーだよー!」
他神C「こっちも応急処置だけど穴は塞ぎ終わったー」
狐神「ありがとー」
狐神「もしもし? 第二柱神力強化の準備完了。 合図と同時に結界修復に入るよ」
410: 2018/05/28(月) 03:13:46 ID:PhnF7H8c
──── 第三柱・あにあに村
神主「凄い人だね・・・」
巫女「皆さん神だから人とは違うと思うけど」
神主「あ~ そうか」
狗神「鬼牡蠣の結界解除の任を放棄してまで来たのですから失敗で出来ませんね」
他神D「狗神・・・ お前、懲りずにまだあんな物の結界解除やってたのかよ・・・」
狗神「神様の大好物ですからね」
他神E「なるほどな、それは手を抜けないか」
狗神「えぇ、当然こちらも手を抜けませんけどね」
他神D「だな」
狗神「こちら第三柱。 準備が整いました。 いつでもご指示を」
411: 2018/05/28(月) 03:16:42 ID:PhnF7H8c
─── 第四柱・四国
他神「シスターうさー、こっちの準備はOKよ」
うさー「ありがと」
他神F「シスターうさー、頑張りましょうね」
うさー「そ、そうだね」
他神G「シスターうさー ───」
うさー「もー! 皆してシスターシスターって言わないでよ! 今日は修道服着てないでしょ! 今はウサ之神なの!」
他神H「はいはい。 猫神の代役なんだから面目潰すんじゃないわよ? 失敗したらお説教どころじゃ済まないわよ?」
うさー「うー 分かってるよ~」
うさー「もしもし、第四柱の神力強化準備できたよ」
412: 2018/05/28(月) 03:18:42 ID:PhnF7H8c
─── キセキ野教会
B夫『猫神様、四柱結界の準備はオッケ。 そちらの準備が出来たら連絡を』
猫神「日本側の四柱結界の準備が出来たよ~ 天使さん」
?「天使は止めて下さ~い。 ミカエルで~す」
猫神「ごめんね~ ミカエルさん。 で、そちらの準備は~?」
ミカエル「世界中の教会からパチカンへ祈りが届いていま~す」
猫神「さすが世界一の信者数を誇るだけあるね~」
ミカエル「その祈りを修道女さんを経由して神宮に送り届けま~す」
修道女「私にそんな大役が務まるでしょうか・・・」
ミカエル「これはパチカンと日本の神の力を扱うことの出来るあなたにしか出来ない事で~す」
猫神「大丈夫だよ~ うさーだって頑張るんだから~」
修道女「そうですね・・・ 弱音を吐いてすいません。 全力で頑張ります!」
413: 2018/05/28(月) 03:21:38 ID:PhnF7H8c
猫神「神力の安定化は私がきちんと補佐するからね~」
ミカエル「パチカン側からの祈りは私がきちんと制御しま~す」
修道女「ありがとうございます」フー
修道女「いつでもOKです!」
ミカエル「まさか、日本の神へ協力する日が来るとは思ってもみませんで~した」
猫神「ふふっ。 ちょっと前まではいがみ合ってたのにね~」
ミカエル「全くで~す」
猫神「B夫く~ん、聞こえる~?」
B夫『聞こえてる』
猫神「こっちも準備OKだよ~ 凄爺との協調よろしくね~」
B夫『任された。 りんごちゃん神宮聞こえますか?』
414: 2018/05/28(月) 03:23:25 ID:PhnF7H8c
─── りんごちゃん神宮
狐娘「あっ、はい。 りんごちゃん神宮の狐娘です」
B夫『現在の四柱結界の状態は?』
凄爺「問題ない」
狐娘「第二柱が若干不安定ですがそれ以外は普段と同じ状態を保っております。 と凄爺様が申しております」
B夫『最初の合図で第二柱の穴を塞いで四柱結界を正常に保つ」
凄爺「分かった」
狐娘「四柱の安定化はお任せ下さい。 と凄爺様が申しております」
415: 2018/05/28(月) 03:24:15 ID:PhnF7H8c
B夫『次に四柱結界からの出力を神力注入で10倍にアップ』
凄爺「・・・問題ない」
狐娘「持ちこたえられると思います。 と凄爺様が申しております」
B夫『最後に、パチカンから想像できない量の神力が送られる。 しかも凄く癖のある神力』
凄爺「・・・・・・全く問題ない」
狐娘「私もお手伝いいたしますので二人で何とか耐えて見せます。 と凄爺様が申しております」
B夫『ご武運を』
凄爺「任せておけ」
狐娘「全ては俺が責任を取るからこっちは何も心配するな。 と凄爺様が申しております」
凄爺「・・・・・・」
416: 2018/05/28(月) 03:27:46 ID:PhnF7H8c
─── ボロビル
B夫「あー あー 神ちゃん、内宮神ちゃん、聞こえる? そっちの準備は?」
神様『大丈夫、封印強化の準備は出来てる』
内宮神『いつでもオッケ~』
B夫「神使さん、A子ちゃん、そっちの準備は?」
A子『ばっちし!』
神使『何とか足止めして見せます』
B夫「パチカンからのサポートで奥社から半径30mは結界強化が働いて掘削は出来ない。 ただし持続時間は30分」
神使『はい』
B夫「結界強化発動からなるべく早く追い出して」
A子『任せとけ!』
B夫「神ちゃん、作戦スタートの合図を」
417: 2018/05/28(月) 03:28:55 ID:PhnF7H8c
─── 神宮・奥社
神様「内宮神」
内宮神「なに?」
神様「迷惑をかける」
内宮神「いまさら」
神様「さすがに今回ばかりは全力でいかないとな」
内宮神「おふざけ禁止だね」
神様「スタートの合図を一緒に」
内宮神「はいよ」
神様・内宮神「作戦スタートゥ!」
421: 2018/05/29(火) 03:31:50 ID:UH6vFusI
─── 第二柱
狐神「来た。 みんなー準備は良いわねー?」
神B「いつでもどうぞ!」
神C「待ってました!」
狐神「トップバッターの意地を見せるわよ!」
他神達「おー!」
狐神「神力放出開始!!」
ポワポワ
422: 2018/05/29(火) 03:34:38 ID:UH6vFusI
─── ボロビル
B夫「よし。 第二柱神力結界の修復開始を確認」
狐娘『こちらりんごちゃん神宮です。 四柱結界の安定化を確認しました』
B夫「了解。 全四柱神力放出スタート!」
昭宮神『第一柱、神力放出開始!』
狐神『第二柱、神力放出全開!』
狗神『第三柱、放出開始しました!』
うさー『第四柱もはじめたよー』
狐娘『こちらりんごちゃん神宮、各四柱からの神力アップを確認しました』
凄爺『うおー! ちょっと強すぎないか!?』
狐娘『神力増幅問題ありませんのでこのまま維持して下さい、と凄爺様が申しております!!』
423: 2018/05/29(火) 03:35:27 ID:UH6vFusI
B夫「さてと・・・ 猫神さま」
猫神『はいは~い』
B夫「お願いします」
─── キセキ野教会
猫神「オッケ~」
ミカエル「こちらも準備オッケーで~す」
猫神「シスターちゃん、大丈夫~?」
修道女「いつでも」
猫神「それじゃぁ~ 始めましょ~う!」
424: 2018/05/29(火) 03:36:13 ID:UH6vFusI
ポワポワ
猫神「想像以上に・・・ 凄いねぇ~」クッ
ミカエル「世界中の教会に寄せられている祈りですから当然で~す」
修道女「くっ」ピカー
猫神「シスターちゃん大丈夫~?」
修道女「問題ありません!」ピカー
425: 2018/05/29(火) 03:37:06 ID:UH6vFusI
─── ボロビル
B夫「パチカンからの神力を確認・・・ これは凄い・・・」
猫神『いけそう~?』
B夫「奥社の周りを完全に封印できてる。 周囲30m以内は掘削どころか機械も動かないはず」
B夫「りんごちゃん神宮、大丈夫ですか?」
凄爺『大丈夫じゃないわ!! なんじゃ、このクセのある神力は!』
狐娘『想像以上ですけど・・・ 余裕です!! と凄爺様が申しております!!』クッ
凄爺『おーい!』
426: 2018/05/29(火) 03:37:42 ID:UH6vFusI
B夫「神ちゃん、内宮神ちゃん」
神様『なに?』
B夫「神使さん、A子ちゃん」
A子『ん?』
神使『何でしょうか』
B夫「後はよろぴこ」
427: 2018/05/29(火) 03:39:07 ID:UH6vFusI
─── 神宮・奥社
神様「さてと、四柱からの神力も来ているみたいだし」
内宮神「はじめますか」
神様「失敗は出来ないな」
内宮神「もちろん」
神様「・・・頼むぞ内宮神」
内宮神「頼まれた」ニコッ
神様・内宮神「第零柱! 神力封印!!」
ポワポワ
431: 2018/05/30(水) 05:08:56 ID:svLU5C2.
─── 神宮・奥社前の森
エネルギー社社員「ここから先が整地場所だ」
作業員「奥にある小さなお社は?」
社員「取り壊してくれ。 あの下がボーリング場所になる」
作業員「分かりました」
A子「ちょっと待った!!」ズサー
一同「?」
神宮職員「君は・・・ 巫女のA子君か?」
社員「おい、部外者の方は大丈夫なんじゃなかったのか?」
職員「すいません・・・」
432: 2018/05/30(水) 05:09:57 ID:svLU5C2.
社員「ここはすでに神宮の土地ではない。 出て行きなさい」
A子「出て行くのは貴方たちの方です!」ビシッ!
職員「A子君、気持ちは分かるけど宮司会で決った事なんだ。 ほら、早くあっちに行って」グイグイ
A子「その手を放しなさい!」
ピカッ
一同「!?」
A子「私は神宮が誇るミス巫女、A子神!」フンスッ
職員「そのミスは・・・ って、神?」
社員「・・・巫女なのか神なのかハッキリしたほうが良いぞ?」
433: 2018/05/30(水) 05:11:15 ID:svLU5C2.
A子「奥社では今、重要な神祭が行われています」
社員「どんな仕掛けか知らんがそんな子供だまし、私には通用しないぞ」ポチッ
キュイーン
A子「神の存在を信じられない愚かな者よ! 神の・・・ 力を・・・ あじ・・・ 味?」
社員「やっぱり」ハァ
A子「ちょっと神使さん、イヤホンに雑音が入って聞き取れないよ」ボソボソ
社員「今、ジャミング装置のスイッチを入れたからイヤホンは使えないぞ?」
A子「えっ?」
社員「お前みたいな奴は今まで沢山経験してるんだよ。 おい、アイツを早く退かせ」
職員「ほらA子君、邪魔だからこっちに来て」グイグイ
A子「うわっ! ちょ・・・ ちょっと待って~」ズルズル
434: 2018/05/30(水) 05:12:07 ID:svLU5C2.
職員「その着ている装束どこから持ってきたの? 神用の装束に似てるけど」
A子「だから私は本当に神なんだって~!」
職員「分かったから、ほら早く」
社員「ったく。 おいボサッとしてないで早く作業を進めろ」
作業員「それが、ここから先に入ると重機が止まってしまって・・・」
社員「ったく、今度はどんな手を使ってんだよ」
神使「そこから先は神聖な結界が張ってるので掘削は出来ませんよ?」スタスタ
社員「あ?」
435: 2018/05/30(水) 05:13:16 ID:svLU5C2.
神使「大人しく諦めて今日はお引き取り頂けないでしょうか?」
社員「次から次へと面倒だなー」
神使「神宮の中でも最も神聖な場所を掘り返すなど、ましてや奥社を取り壊すなんて認められません」
社員「その神宮が認めてるんだが?」
神使「ここから先は神の領域です」
社員「これだから宗教絡みは面倒なんだよ」ポリポリ
神使「この地に手をつけてはいけません。 これは警告です」
社員「祟られるのか? 呪われるか? そういうの何百回も経験してるがまだピンピンしてるぞ?」
神使「貴方たちのやろうとしていることは───」
社員「はいはい。 分かったよ」ハァ
神使「・・・・・・。 理解が早くて助かります」ホッ
436: 2018/05/30(水) 05:13:53 ID:svLU5C2.
社員「おい、ここで掘削を開始しろ」
神使「!?」
作業員「分かりました。 おい、ここでボーリングしてくれ」
神使「えっ、ちょっと・・・」
作業員「ほら、どいたどいた」シッシッ
神使「B夫さん、聞こえますか?」ボソッ
社員「さっきジャミングしてるって言っただろ。 通信機は使えないぞ」
神使「・・・・・・」
437: 2018/05/30(水) 05:14:43 ID:svLU5C2.
貴方たち何をやっているんですかー! タッタッタッ
神使「!?」
A子「巫女ちゃん?」
同僚巫女「遅くなってごめんね」
A子「どうして皆がここに・・・?」
同僚巫女「巫女が神の補佐をするのは当たり前でしょ?」
A子「巫女ちゃん・・・」
巫女B「それに、うちの巫女は神ちゃんを奉るだけあって首を突っ込むのが好きなんだよね」
職員「君たち、いつの間に! 今日は神宮内の立ち入は禁止と言ったはずだぞ!」
社員「ま~た大量に湧いてきやがってめんどくせーなー!!」
438: 2018/05/30(水) 05:15:32 ID:svLU5C2.
同僚巫女「ここから先は神の領域です」
社員「さっき聞いた」
巫女B「この地に手をつけてはいけません。 これは警告です」
社員「それも聞いたよ!」
巫女C「貴方たちのやろうとしていることは───」
社員「だからそれもさっき聞いたよ!!」
同僚巫女「考え直していただけないでしょうか?」
巫女B「引かないってんなら私達にも考えがあるよ」
社員「力ずくで止めるか? 俺は空手と柔道有段者だから手強いぞ?」
巫女C「なにその古い脅し! 私なんか書道初段よ!」
巫女D「私も弓道6級!」
巫女E「私だって生け花3級!」
社員「お前ら・・・ 漫才集団かよ!!」タッタッタッ
439: 2018/05/30(水) 05:16:13 ID:svLU5C2.
巫女達「きゃ~」ワラワラ
社員「まてコラ! 散ってんじゃねーよ!」
巫女B「こんな機械壊してやる!」ゲシゲシ
作業員「やめろ! 幾らすると思ってんだ!」
巫女C「こっちだって!」ガチャガチャ
作業員「ネジ抜くな! 掘削機動いてんだよ! っていうか、なんでネジ回しなんか持ってんだよ!!」
社員「お前ら・・・ 調子に乗りやがって・・・」イライラ
444: 2018/05/30(水) 21:08:30 ID:svLU5C2.
─── 奥社
ワー ワー
ガヤガヤ
神様「!?」タッタッタッ
内宮神「ちょ、神ちゃん!? 今離れられるとキツいって~!」ポワポワ
バンッ
神様「な!」
内宮神「どうした神ちゃん。 外で何が?」ポワポワ
神様「あいつら結界外で掘削を開始しやがった」
内宮神「え!?」
445: 2018/05/30(水) 21:09:44 ID:svLU5C2.
神様「おいB夫聞こえるか!?」
ザザザザ
神様「クソッ! 通信機が動かない」
痛い! 痛い!
神様「!? あれは・・・」
社員「こっちは何兆円っていう規模のプロジェクト抱えた仕事してんだよ! 巫女風情が出張ってんじゃねーよ!」
同僚巫女「こっちは仕事じゃないのよ!巫女さんは奉職なんだから!!」
巫女B「そうだ! 守銭奴ごときが神ちゃんの地を汚すな!!」
巫女C「神ちゃんがこの地を守るためにどれだけ頑張ってきたと思ってんのよ!!」
神様「みんな・・・」
446: 2018/05/30(水) 21:11:06 ID:svLU5C2.
ザザザザ
B夫『か─ ザザザ ちゃん─ ザザザ こえる?』
神様「!? B夫か!」
B夫『状況─ ザザザ ないんだけど─ ザザザ 』
神様「あいつら結界外で掘削を始めやがった!」
B夫『どのくら─ ザザザ ずれて─ ザザザ 』
神様「本殿方向に50m位前!」
B夫『調整す─ ザザザ 少し粘れ─ ザザザ 』
神様「・・・・・・」
B夫『か─ ザザザ ちゃん? 聞こえて─ ザザザ 』
巫女「痛い痛い! やめてー!」
A子「放せー!」ジタバタ
神使「お願いします! 巫女さん達に手を出さないで下さい!」
447: 2018/05/30(水) 21:12:14 ID:svLU5C2.
神様「・・・結界を全て解除してくれ」
B夫『え!?─ ザザザ どういう─ ザザザ』
神様「私に案がある」
B夫『ちょ、神ちゃ─── ザザザ』
ピッ
神様「内宮神」
内宮神「何? いま集中してるから手短に」ポワポワ
神様「・・・・・・」
内宮神「神ちゃん?」
448: 2018/05/30(水) 21:13:14 ID:svLU5C2.
神様「結界維持はもう大丈夫そうだ。こっちに来てみろ」
内宮神「? あいつら諦めて出て行った?」トテトテ
神様「ほら、外に出て見てみ?」
内宮神「ん? まだ人が沢山いるっぽいけど」キョロキョロ
タッタッタッ
ガチャ
内宮神「ちょ、神ちゃん!?」
449: 2018/05/30(水) 21:14:13 ID:svLU5C2.
神使「内宮神様~」タッタッタッ
内宮神「あ! 犬ころ」
神使「どうしたんです? 神様は?」
内宮神「この中。 私を外に出して立てこもりやがった」
神使「え!?」
内宮神「神ちゃん! ここ開けろって!」ドンドン
神使「神様! 何を考えているんですか!?」ドンドン
神様「すぐに皆を連れてここから離れろ」
神使「神様?」
内宮神「どういう意味だよ! 封印の維持は私の仕事だ! 早く開けろ!!」ドンドン
神使「神様! 何をする気ですか!」ドンドン
450: 2018/05/30(水) 21:15:18 ID:svLU5C2.
神様「神柱封印する」
内宮神「神柱・・・ おい、何考えてるんだ! ふざけるな!」
神使「神柱封印って・・・」
内宮神「私がするって約束だろ! 私にやらせろ!」
神使「まさか神様・・・」
神様「犬ころ」
神使「・・・ぇ」
神様「こうなる前にお前と二人きりで旅が出来て本当に良かった」
神使「何・・・ 言っているんですか・・・」
神様「お前と一緒に過ごせた時間は私の宝物だ」
神使「神・・・ 様・・・?」
451: 2018/05/30(水) 21:16:37 ID:svLU5C2.
神様「楽しい時間を過ごせた事を心の底から感謝する」
神使「嫌だ・・・ 神様・・・ お願いですから出てきて下さい!」ドンドン
神様「私は・・・ この国を守る。 お前や皆が好きと言ってくれたこの国を」
神使「神・・・様・・・」ストン
内宮神「おいこら! 何一人で格好つけてんだよ!」
神様「内宮神、今度はお前が自由になる番だ」
内宮神「いい加減にしろ! 私はそんな理由で意識共有を切ったんじゃない!」
神使「まさか意識共有を切ったのって・・・ 内宮神さまの方から?」
452: 2018/05/30(水) 21:17:41 ID:svLU5C2.
内宮神「お前には犬ころがいるだろ! これから二人で楽しく暮らすんだろうが!」
神使「内宮神さま・・・」
神様「お前を一人こんな所に閉じ込めておくことなんて出来るわけ無いだろ! 見損なうな!!」
内宮神「神ちゃん・・・」
神様「犬ころ・・・ いや、狛犬の神使よ」
神使「・・・・・・」
神様「この国を頼んだ」
神使「何言っているんですか・・・ こんなに早く諦めるだなんて神様らしくないですよ・・・」
神様「諦めてなんかないよ」
神使「え?」
453: 2018/05/30(水) 21:18:28 ID:svLU5C2.
神様「予定通りなだけだ」
神使「嫌です・・・ 神様のいない世界なんて、私には耐えられません・・・」
神様「神使さま。あなたの事を心の底から愛しています・・・ ありがとう」
神使「神様! 待って下さい!!」
神様「神勅! 最高神の任を我が神使へ委譲す!!」
ポワポワ
神使「神様ー!」
454: 2018/05/30(水) 21:19:19 ID:svLU5C2.
神様「神勅! 我が身を持って永久封印を命ず! 神柱封印!!」
ピカー
ゴゴゴゴ
神様「後は頼んだ」
ゴゴゴゴ
神使「神様ーー!! 戻ってきて下さーい!!」
ピカッ
ゴゴゴゴ
455: 2018/05/30(水) 21:20:27 ID:svLU5C2.
職員「うわっ。何だ!?」
社員「地震か!?」
作業員「祟りだ・・・ 祟りだー」タッタッタッ
社員「おい、お前達どこへ行く!」
A子「神ちゃん・・・ うそ・・・ 神ちゃん!?」ジタバタ
職員「ほら、危ないから暴れないで!」
A子「うるさい! 放せー!!」
バチバチッ
職員「痛!」
A子「神ちゃん!!」タッタッタッ
職員「A子君!」
A子「神ちゃん・・・ 嘘だ・・・」タッタッタッ
456: 2018/05/30(水) 21:21:17 ID:svLU5C2.
ゴゴゴ… ゴ…
神使「神様? ・・・神様? どこですか」キョロキョロ
内宮神「・・・そんな」ドサッ
A子「神使さーん! 神ちゃんは!?」タッタッタッ
神使「神様・・・ 神様・・・」
A子「ねぇ・・・ 内宮神ちゃん? 嘘でしょ?」
内宮神「何だよ・・・ 何なんだよ・・・」
A子「嘘だ・・・ そんな・・・ 神ちゃん!!」
神使「神様ー!!」
461: 2018/06/01(金) 15:36:40 ID:4LGehj.I
A子「なんで? 何で神ちゃんが?」
内宮神「すまない、私が神柱封印をするなんて言わなければ・・・」
A子「こんなお別れなんて嫌だよ・・・」ポロポロ
内宮神「・・・・・・」
神使「神様・・・」ガクッ
ポトッ
神使「・・・・・・。 神様のお守り・・・」ギュッ
462: 2018/06/01(金) 15:37:37 ID:4LGehj.I
~~~~~~
~~~~
~~
神様「あなたにこれを」ゴソゴソ
神使「これは・・・ 神様のお守り・・・」
神様「最後の1個はあなたに渡すと決めていました」
神使「・・・・・・」
神様「その中には他のお守りと違って、私のおまじないを入れてあります」
神使「おまじない?」
神様「ぜひ、これを神使さんに持っていて頂きたいのです」
~~
~~~~
~~~~~~
463: 2018/06/01(金) 15:39:26 ID:4LGehj.I
神使「神様・・・」ゴソゴソ
A子「神使さん・・・ そのお守り、神ちゃんの」
神使「? 中に紙が・・・ 何か書いて・・・」
内宮神「それは・・・」
神使「ご存じですか?」
内宮神「・・・なんでも願いが叶う“最後の言霊”」
神使(幼女神さまから頂いた文字と同じ・・・)
A子「じゃぁ、それを使って神ちゃんを!」
内宮神「言葉だけ知っていても、最後の言霊を受け取っていないと効果はないんだ」
A子「誰が持ってるの!?」
内宮神「神ちゃんの前の最高神。 でも、神ちゃんは受け継いでない」
464: 2018/06/01(金) 15:41:06 ID:4LGehj.I
神使「何故神様がこの言葉を?」
内宮神「800年位前によその国から来た奴に教えてもらったんだ。 うさーの所にいたクソ坊主」
神使「・・・・・・確か言霊を受け継ぐと前の最高神様が消えると聞いたことがあるのですが」
内宮神「そう。 だから神ちゃんは幼女神から言霊の受け取りを拒否してた」
神使(私が神様から最高神の命を受け、以前幼女神さまから最後の言霊を預かったという事は・・・)
神使「!?」
A子「神使さん?」
465: 2018/06/01(金) 15:42:07 ID:4LGehj.I
神使「・・・・・・」ピピピ
prrrr prrrr
神使「あっ、キー子さんですか?」
キー子『神使さん、お久しぶりです』
神使「つかぬ事を伺いますが、幼女神さまはお元気でしょうか?」
キー子『幼女神さまですか? はい、隣でテレビを見て笑い転げておりますが』
幼女神『キー子も見ろ。 エガちゃんが最高じゃぞ』ケラケラ
神使「・・・・・・」
キー子『神使さん? 急にどうされたんです?』
幼女神『だれじゃ? ワシにも変わっ───』
神使「」ピッ
466: 2018/06/01(金) 15:43:33 ID:4LGehj.I
神使(幼女神さまが消えていない・・・ 受け継ぐ順番が変わったから無効になった・・・?)
神使(いえ、この言霊・・・ 多分まだ使える気がします)
神使(神様がこれを私に託した理由・・・ 賭けてみますか)
神使「内宮神さま、ちなみにこれは何て書いてあるんですか?」
内宮神「・・・・・・」
神使「最後の言霊は幼女神さまが持っているんですよね? 私が聞いても大丈夫かと」
内宮神「キガルタ・・・ アンガルシェ」
神使「キガルタ アンガルシェ」
ピカー
A子「!?」
内宮神「なんだ・・・ この光は・・・」
467: 2018/06/01(金) 15:44:16 ID:4LGehj.I
ピカー
内宮神「お前まさか!? まずい!」
A子「空から誰か降りてくる!」
内宮神「!?」
フワフワ
バサッ バサッ
社員「おい、何だよ・・・ あれ・・・」
職員「人が宙に・・・」
作業員「背中に・・・ は、羽根が付いてる!?」
バサッ バサッ
468: 2018/06/01(金) 15:45:11 ID:4LGehj.I
神使「あなたは・・・」
?「お久しぶりで~す」
神使「住職・・・ いや、天使さん?」
A子「天・・・使・・・?」
ミカエル「ミカエルと申しま~す。 シニョリーナ、今度ゆっくりコーヒーでも」
一同「・・・・・・」
ミカエル「神がお呼びです。 一緒に」スッ
神使「神・・・?」
A子「キリストさんが助けてくれるの?」
ミカエル「何か誤解しているようですが、私はキリストの使いなどではありませ~ん」
神使「どういう意味です?」
ミカエル「私は神の使いで~す」
神使「・・・・・・」
469: 2018/06/01(金) 15:45:57 ID:4LGehj.I
ミカエル「この姿であまり長くとどまれませ~ん、さぁ手を」
A子「お願い! 神ちゃんを助けて!」
ミカエル「神は肉体を失うと復活できませ~ん」
A子「そんな・・・」
内宮神「待ってくれ! そいつを連れて行かないでくれ!」
神使「内宮神様?」
内宮神「そいつまでいなくなってしまったら私は・・・ 罪の重圧に耐えられない・・・」
神使「私を神様の元に連れて行ってくれるのですか?」
ミカエル「甘えた事を言ってはいけませ~ん。 話があると言っているだけで~す」
神使「・・・・・・」
470: 2018/06/01(金) 15:46:56 ID:4LGehj.I
ミカエル「行かないのですか?」
内宮神「頼む・・・ 連れいていかないでくれ・・・」
ミカエル「あなたの考えているようにはならないと思いますよ?」
内宮神「え?」
ミカエル「さぁ、手を」
神使「・・・・・・」スッ
ミカエル「目をつぶっていて下さ~い」
ピカー
バサッ バサッ
A子「神使さん?」キョロキョロ
内宮神「消えた・・・」
474: 2018/06/01(金) 21:15:42 ID:4LGehj.I
─── ?
?「もう目を開けても大丈夫です」
神使「こ、ここは・・・」キョロキョロ
?「初めまして」
神使「誰です? どこにいるのですか?」
?「今は声だけで許して下さい」
神使「あなたがミカエルさんの言っていた・・・」
?「私には貴方たちのように名はありませんが、神の神と言ったところでしょうか。 女神とでも呼んでおいて下さい」
神使「神の神・・・」
女神「もちろん私の上には神がいて、その上にも神がいると思いますが」
神使「?」
女神「私にも分からないことはあります」
475: 2018/06/01(金) 21:17:43 ID:4LGehj.I
神使「その女神さまがどうして私を・・・」
女神「この場所にあなたは長くとどまる事は出来ないので手短にお話しします」
神使「・・・・・・」
女神「あなたは先ほど“最後の言霊”を唱えましたね?」
神使「はい」
女神「統治を担う最高神のみが使う事の出来るたった1度の願い。 そのを願いを叶えたいと思います」
神使「じゃぁ神様を助けることが!?」
女神「ただし問題があります」
神使「問題?」
女神「あなたが最後の言霊を唱えられたという事は、あなたが新しい最高神だという事」
神使「・・・・・・」
女神「最後の言霊は唱えた最高神の身を犠牲にします。 知っていますね?」
神使「・・・承知しています」
476: 2018/06/01(金) 21:20:37 ID:4LGehj.I
女神「そして、新たな最高神が最後の言霊を受け継ぐと前の最高神は消えるのです」
神使「しかし、幼女神さまは・・・」
女神「あれは、2つ前の最高神」
神使「・・・・・・」
女神「あなたの願いは前の最高神に戻ってきてもらう事ですね?」
神使「・・・はい」
女神「しかし、あの子は身を捧げ肉体を失いました。 神として復活することはできません」
神使「・・・・・・」
女神「しかし・・・ 誰の案ですか?」
神使「?」
477: 2018/06/01(金) 21:21:31 ID:4LGehj.I
女神「随分と回りくどいことをされたようで。 私も言霊の受け渡しにこんな不備があるとは気付きませんでしたが」
神使「たぶん・・・ 偶然です。 いえ、こうなるようになっていたのではないでしょうか」
女神「・・・・・・。 そうですね」
トテトテ
神使「?」クルッ
?「・・・・・・」
神使「!? 神・・・ 様・・・」
478: 2018/06/01(金) 21:22:12 ID:4LGehj.I
?「こんにちは」ニコッ
神使「神様にそっくり・・・」
女神「全く同じはずですが、違いが分かるのですか?」
神使「私が神様と他の方を間違えるわけありません」
女神「そうですか」
神使「それで、神様は一体!?」
女神「もし、どのような形でもというのなら願いを叶えましょう」
神使「どのような形でも? というのは・・・」
女神「言葉の通りです」
神使「・・・・・・」
女神「先ほども言ったとおり、神は肉体を失うと再び神として生を与えることが出来ません」
神使「・・・・・・」
479: 2018/06/01(金) 21:23:12 ID:4LGehj.I
女神「しかし、あなたは最高神の身を捧げ、完全とは言えないまでもその願いを叶える事が出来ます」
神使「構いません。 それで神様がまた皆と楽しく暮らせるのであれば!」
女神「分かりました。 短い間でしたが、あなたは最高神を終えその力を次の相応しい人物に移します」
神使「はい」
女神「力を楽にして」ポワポワ
神使「」
女神「最後に、何か言い残すことはありますか?」
神使「神様がこの先ずっと幸せに過ごせるようお願いします」
女神「ずっと・・・。 分かりました、その願い聞き入れましょう」
神使「ありがとうございます」フカブカ
ピカー
女神「お幸せに~」
480: 2018/06/01(金) 21:24:09 ID:4LGehj.I
女神「・・・・・・」
ミカエル「終わったみたいです~ね」テクテク
女神「ミカエルですか。 ここに来るなんて珍しいですね」
ミカエル「こんな時でなければお会いできませんから」
女神「教会で何かやっていた途中ではないのですか?」
ミカエル「そう言えばそうで~すね。 急に消えたからビックリしているかも知れませ~んね」
女神「あなたも長くこの場所にいられません。 お戻りなさい」
ミカエル「良いので~すか?」
女神「何がです?」
ミカエル「最後の言霊は1回の願いとの引き換えで~すよね?」
女神「そうですね」
ミカエル「叶えすぎじゃないで~すか?」
481: 2018/06/01(金) 21:25:02 ID:4LGehj.I
女神「・・・ミカエル、あなたはどこまでこの件に関わっているのです?」
ミカエル「私は成り行きで動いているだけで~す」
女神「800年前、あなたは何故あの子に最後の言霊の読み方を教えたのですか?」
ミカエル「さぁ? 覚えていませ~んね」
女神「初対面で裸に剥かれたことは覚えているのに?」
ミカエル「・・・・・・」
女神「まぁ、良いです。 些細なことですから」
ミカエル「それでは、私は下界に戻ってコーヒーを飲んできま~す」
482: 2018/06/01(金) 21:25:40 ID:4LGehj.I
女神「あっ、ミカエル」
ミカエル「?」
女神「今度ここに来ることがあれば、牡蠣とやらを持ってきて下さい」
ミカエル「分かりま~した」
女神「出来れば“鬼牡蠣”を!」
ミカエル「気長にお待ち下さ~い」
───
─────
──────
483: 2018/06/01(金) 21:26:44 ID:4LGehj.I
──────
─────
───
─── 時は流れて……
A子「ふぃ~ もう歩けないよー」テクテク
お付き「ここに来たいと行ったのはA子さんじゃないですか・・・」
A子「言ったけどさぁ~」
お付き「あっ! あれじゃないですか?」
A子「どこどこ?」キョロキョロ
お付き「丘の上です。 ほら、人もいますよ?」
A子「!!」タッタッタッ
お付き「ちょ、A子さん!」
484: 2018/06/01(金) 21:27:25 ID:4LGehj.I
─── 丘の上の小さなお店
女性「どうもね~」
客「美味しかったよ。 また来るね」テクテク
男性「ありがとうございました」
女性「・・・・・・。 さてと、じゃぁ今日は終わりにしちゃいましょうか」
男性「そうだね」
A子「あの!」
女性・男性「?」クルッ
485: 2018/06/01(金) 21:28:18 ID:4LGehj.I
A子「あの! まだ・・・ まだ、開いてますでしょうか!?」
女性「・・・・・・。 ごめんね、今日はもうおしまいなの」
A子「そんな・・・」
女性「今日は大切なお客様が来る予定でね」
A子「・・・・・・」
女性「どうします? あなた」
男性「販売用の牡蠣はもう無くなってしまいましたが、確か取れたての最高級の物があったよね」
女性「そういえば」
男性「最高神様にお出しするにはもってこいだと思うよ? なにせ鬼牡蠣だから」
女性「確かに。 神宮美食クラブきっての食通ですからね」
A子「・・・・・・」ウルウル
女性「久しぶりだね。 A子ちゃん」
A子「お久しぶりです」フカブカ
486: 2018/06/01(金) 21:29:29 ID:4LGehj.I
男性「そちらの方は?」
お付き「神宮の者です。 大宮司のご両親様にお目にかかれて光栄です」ペコリ
男性「神宮の方ですか。 いつも息子がお世話になっております」ペコリ
女性「迷惑掛けてない? あの子、昔から勢いだけで生きている節があるから」
お付き「そんな事は・・・ 多少やんちゃなとことがあるのは事実ですが・・・」
女性「やっぱり?」フフッ
A子「うっ・・・ うっ・・・」ポロポロ
お付き「ちょ、A子さん!? どうされたんですか?」オロオロ
A子「神ちゃん、神使さん・・・」ポロポロ
神使「噂は聞いています。 立派な神になったみたいですね」
A子「そんなこと・・・ ない・・・」グスッ
神様「あの神宮をここまで変えるなんて、さすが私の認めたA子ちゃん」ニコッ
A子「うっ・・・ 私・・・ 神ちゃんみたいな・・・ 神になりたくて・・・ 一生懸命頑張った」ポロポロ
487: 2018/06/01(金) 21:30:11 ID:4LGehj.I
お付き「えっ!? 神?」
神様「元だけどね。 今はただの牡蠣小屋の陽気なおばちゃん」
A子「そんな事ない。 今なら分かる・・・ 神ちゃんがどんなに凄い最高神だったかが」
神使「おや、私も最高神だったんだけどね」
神様「1日だけ、いや半日だけ?」
お付き「え!? 最高神!?」アワアワ
神使「お付きの方は、神使さんですか?」
お付き「は、はい! A子神のお付きで狛犬の神使と申します!」フカブカ
神様「あら、狛犬だって。 あなたと同じ」
神使「元だけどね」
お付き「この国の礎を築いた最高神様にお目にかかれて光栄です!」フカブカ
神様「私達はもう神や神使じゃないんだから、そんなに気を遣わないで?」
488: 2018/06/01(金) 21:30:55 ID:4LGehj.I
お付き「まさか大宮司のご両親様が元最高神様だったなんて・・・」
神様「あの子には内緒にしておいてね?」
A子「神ちゃん! 会いたかったよー!」ダキ
神様「おっと~ 今日はお付きの神使と二人だけでここまで来たの?」
A子「うん。 最高神が自由に外出できるようになるまでこんなに時間と労力が必要だったなんて・・・」
神様「頑張ったね」ナデナデ
A子「やっぱり神ちゃんは凄い・・・ 凄いよ」
神様「でも、事前に神宮から連絡があったから完全に自由になるまではもう少し先みたいだけど」クスッ
A子「だね」クスッ
489: 2018/06/01(金) 21:31:31 ID:4LGehj.I
神使「でも、そんな貴重な時間を使ってまでどうしてこんな所へ来たんです?」
A子「今日はお二人にお願いがあって参りました!」
神様「あら、私達なんかに最高神様からお願い?」
神使「これは断るわけにはいかなそうだね」
A子「えっと・・・ その~」
神様・神使「?」
A子「二人とも、神にならない?」ニコッ
490: 2018/06/01(金) 21:32:08 ID:4LGehj.I
─── 夜・丘の上
神様「・・・・・・」
神使「ここにいたのか」スタスタ
神様「?」クルッ
神使「何してるんだい?」
神様「何も。 ただ空を」
神使「隣、座っても?」
神様「どうぞ」
神使「じゃぁ、失礼して」
神様「・・・・・・」
491: 2018/06/01(金) 21:32:48 ID:4LGehj.I
神使「今日は晴れていて月が綺麗だね」
神様「そうね」
神使「ふふっ」
神様「?」
神使「すまない。 ちょっと思い出し笑いを」
神様「ねぇ、あなた」
神使「なんだい?」
神様「私、間違ってなかったみたい」
神使「そうだね」
492: 2018/06/01(金) 21:33:44 ID:4LGehj.I
神様「二人を見て思い出しました。 あなたと歩んできた旅を・・・」
神使「私もだ」
神様「毎日がとても楽しくて、毎日がとても幸せで」
神使「あぁ。 でも・・・」
神様「?」
神使「神宮の神柱封印の件だけはいただけなかったな」
神様「まだ怒っているんですか?」
神使「まさか」
神様「でも・・・ 確かに無謀な賭けでした」
神使「君からもらったお守り、あの時気がつかなかったらと思うと今でもゾッとするよ」
神様「私は信じていましたよ?」
神使「今も昔も、君は変わらないな」
神様「?」
神使「君といると毎日とても楽しい旅をしているようだ」
493: 2018/06/01(金) 21:34:32 ID:4LGehj.I
神様「もう少しだけ、二人の旅を続けさせて下さい」
神使「もちろん。 まだまだ先は長そうだけどね」
神様「ふふっ」クスッ
神使「これも予定通りなのかい?」
神様「さぁ?」
神使「やっぱり君は・・・」
神使「神様だ」ニコッ
神様「神力ゼロですが」ニコッ
神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」
── おしまい
494: 2018/06/01(金) 21:35:24 ID:4LGehj.I
#18 「我☆偽神」 >>1-129
20年に一度神の立ち寄りの風習がある村へ来た神様は偽神として捉えられて・・・
#19 「神宮美食クラブ」 >>147-258
にゃんにゃん島を再び訪れた神様、すこへ黒ずくめの客が現れ不穏な様子に・・・
#20 「未来へ託して」 >>264-493
神様が過去に神宮地下へ封印した物、それは国を崩壊させる力を持っていた・・・
495: 2018/06/01(金) 21:36:05 ID:4LGehj.I
長々とお付き合いありがとうございました!
499: 2018/06/02(土) 00:06:39 ID:20P/Vxuo
乙
500: 2018/06/02(土) 00:17:26 ID:WaK/ccSA
素晴らしい作品でした!!
乙!!!!!
乙!!!!!
503: 2018/06/02(土) 06:32:09 ID:ppsvJPSk
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