644: 2018/12/26(水) 02:20:58 ID:WOS73er2
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#01 「ひのひの村」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#02 「おきつねこんこん教」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#03 「にゃんにゃん島」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#04 「吉祥寺」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#05 「京都」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#06 「神宮」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#07 「こわこわ神社」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#08 「神使」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#09 「のんびり村」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#10 「巫女カフェ」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#11 「もももも神社」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#12 「あにあに神社」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#13 「いつでも一緒」
神様「神様だっ!!」神使「神力ゼロですが・・・・・・」#0
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#14 「キセキ野教会」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#15 「神苑温泉」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#16 「お花を摘みに」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#17 「こんこん稲荷神社」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#18 「我☆偽神」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#19 「神宮美食クラブ」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」#20 「未来へ託して」
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」番外編・2018年夏
神様「神様だっ!」神使「神力ゼロですが・・・」番外編・2018年冬
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
645: 2018/12/26(水) 02:22:39 ID:WOS73er2
幼子「お母さん? どこ?」テクテク
ガタガタ
幼子「!?」ビクッ
?「幼子」
幼子「お母さん!」タッタッタッ
?「こんな所でどうしたの?」
幼子「あのね、お祭り見てたら迷子になっちゃったの」
?「沢山の人がいるものね。 でも、もう大丈夫よ」ニコッ
幼子「ねぇ、あのガタガタしてる箱は何?」
?「あれは、お母さんと幼子の宝物。 幼子が大きくなったら一緒に開けましょうね」
幼子「うん!」
?「お母さんちょっとお仕事があるから、先に帰っててね」
幼子「はい!」ニコッ
─────
───
─
646: 2018/12/26(水) 02:23:57 ID:WOS73er2
■ 神様「神様だ!」 神使「神力ゼロですが・・・」 番外編・2018年冬
少女「お母さん・・・ お母さん!!」ハッ!
ガタンゴトン
少女「・・・・・・」ボー
「ねぇ」
少女「?」クルッ
「隣に座っても良い?」
少女「・・・・・・。 連れの方と一緒じゃないんですか?」
647: 2018/12/26(水) 02:24:50 ID:WOS73er2
神様「あいつ寝ちゃってさぁ~ 暇だから誰かと喋りたいの」ヨイショ
少女「お小遣いをねだって、断られた腹いせにスネ蹴りして気絶させたように見えましたけど」
神様「見てたの!?」
少女「嫌でも聞こえる位に大きな声でしたから。 財布、返した方が良いですよ?」
神様「いいのいいの。 それより座っても?」
少女「・・・・・・。 もう座っているように見えますが」
ガタンゴトン
648: 2018/12/26(水) 02:25:27 ID:WOS73er2
神様「♪~」ニコニコ
少女「・・・あの」
神様「3つ先の駅にデカい神社があってさぁ~」
少女「?」
神様「デカいくせにすげー田舎なもんで参拝者が全く来ないんだって」
少女「そう」
神様「あっ! 今、牛が見えた」
少女「・・・・・・」
神様「牛でけ~」
649: 2018/12/26(水) 02:26:07 ID:WOS73er2
少女「特に用がないなら、できれば一人にして頂きたいのですが」
神様「ひま?」
少女「そうですね。 あまり会話も弾みませんし」
神様「違うって。 ナウじゃなくてこの先ずっと暇? って聞いたの」
少女「・・・どういう意味ですか?」
神様「バイトしない?」
少女「え?」
650: 2018/12/26(水) 02:27:08 ID:WOS73er2
─── 錆礼田神社前駅
プシュー
神様「いや~ さすが神使君チョイス。 何もない所だね~」トテトテ
神使「神様、酷いですよ・・・ 見て下さいよ、こんなに大きい青あざが・・・」スリスリ
神様「お付きの分際で私に楯突くからだ」
少女「お付き?」
神使「?」クルッ
神様「紹介しよう。 彼女は少女ちゃん」
少女「」ペコリ
神使「はじめまして」ニコッ
651: 2018/12/26(水) 02:28:08 ID:WOS73er2
神様「電車の中で意気投合して仲良くなったのだ」
少女「私には意気投合した記憶がないですが」
神様「この出会いは何かの縁なのだよ。 そう、これから起こるであろ───」
神使「すいません、なんかご迷惑をおかけしたみたいで」
少女「はい。 結構」
神使「神様、可愛いからって他人を引きずり回すのは良くないですよ?」
神様「お前って本当に犬ころだな。 だから皆からダメすぎィーヌって呼ばれるんだよ」
神使「そんな風に呼ばれたの初めてなんですけど」
少女「それより私は何を? バイトって言ってましたけど」
神使「バイト!?」
神様「聞いて驚け、少女ちゃんを雇った」
神使「本当に驚きですよ。 雇うって、そんなお金───」
神様「金ならここにある」フリフリ
652: 2018/12/26(水) 02:28:52 ID:WOS73er2
神使「それ私の財布に見えるのですが・・・」
神様「そう、これは神使君がワゴンセールで買ったダサい長財布」
神使「・・・・・・」
神様「これダサいから中身も含めて全部少女ちゃんにあげる」ポイッ
少女・神使「え!?」
神使「今月分の生活費が入っているのですが・・・」
神様「全部って言っても少し抜いてあるから大丈夫」
少女「・・・・・・(抜きすぎ)」ジャラ
653: 2018/12/26(水) 02:30:13 ID:WOS73er2
神様「紹介しとくね。 これは私のお付きで犬ころ」
少女「えーと・・・ 執事とかそういう類いですか?」
神様「私は巫女さんで、この犬ころは雑用の召使いみたいなもん」
神使「神様、もう少しまともな紹介をして下さいよ・・・ それより私の財布───」
少女「もしかして、この神社の方なんですか?」
神使「いえ、私達神宮の者でして」
少女「神宮?」
神様「神社とか管理している営利団体」
神使「非営利です」
神様「宗教法人という隠れ蓑を使って労働基準法を無視しまくる極悪非道な───」
神使「少女さんは、こちらの神社へ来られる予定だったのですか?」
少女「私は・・・」
神様「ねー、寒みーし早く行こーぜ」
神使「そうですね」
654: 2018/12/26(水) 02:31:14 ID:WOS73er2
─── 参道
テクテク
神様「しかし、相変わらず土地だけは広いなぁ~」
神使「神様ここ知っているんですか?」
神様「神社だろ? 遊園地じゃないことくらい私でも見りゃ分かるわ」
神使「そういう意味でなく・・・ ん?」ピタッ
神様「ふがっ!」ドンッ
神使「すいません。 大丈夫ですか神様」
神様「急に止まるなよ」
神使「見て下さい、あの小屋」
神様「あ? ただの倉庫じゃん」
神使「あの形と作りは相当年代物ですよ?」
655: 2018/12/26(水) 02:32:02 ID:WOS73er2
神様「昔はあんなのゴロゴロあったぞ。 珍しくもないだろ」
神使「神様の言う昔というのはいつのことですか・・・」
神様「ん~ 平安とか?」
神使「それこそ今の時代に残っていたら国宝級じゃないですか」
少女「・・・・・・」チラッ
神様「あのボロっちい建物が気になる?」ニョキ
少女「え!?」
神様「」ジー
少女「い、いえ別に」
神様「ま、早く社務所へ行きましょ」トテトテ
少女「・・・・・・」
659: 2018/12/27(木) 00:23:52 ID:i7pReU3c
─── 社務所
神使「社務所も年代物ですね」
神様「家具も電化製品も古いな」
神使「でも、一部最近の物も見られるようですが」
神様「誰か住んでたんじゃね?」
少女「・・・・・・」
神使「え~・・・」
神様「あとは勝手にジモピーの老人会とかが会合開いてたとか」
神使「その可能性はありそうですね」
神様「ま、詮索してもしょうが無いし」
神使「そうですね。 電気とガスは事前に開通してもらっていますので最低限の生活は出来ると思います」
660: 2018/12/27(木) 00:24:52 ID:i7pReU3c
神様「寒みーし、温かい物が飲みたい」
神使「では、お茶でも煎れてきますね」
神様「犬ころは掃除! お茶は少女ちゃんが煎れたのが飲みたい」
少女「え? 私ですか?」
神様「良いでしょ~ 少女ちゃ~ん」スリスリ
少女「わ、分かりましたから離れて下さい」
神様「よろぴこ~」
少女「はぁ~・・・」スタスタ
661: 2018/12/27(木) 00:25:25 ID:i7pReU3c
神使「あっ、買ってきたお茶っ葉───」
神様「神ちゃーんキィークッ!」ゲシッ
神使「痛い!」ガクッ
神様「しまっとけ」
神使「え? でもコレがないとお茶が・・・」
神様「いいから!」
神使「?」
662: 2018/12/27(木) 00:26:16 ID:i7pReU3c
─── 数分後
少女「お茶、煎れてきました」スタスタ
神様「わ~お、飲みたい飲みたい」ピョンピョン
神使「お茶位でそんなに興奮しないで下さい」
少女「どうぞ」コトッ
神使「ども~」
少女「はい、どうぞ」コトッ
神使「ありがとうございます。 でも、良くお茶っ葉とかお分かりになりましたね」
少女「!?」ピクッ
神様「・・・・・・」ズズズ
少女「台所なんてどこも同じような物です」
神使「確かにそうですね」
663: 2018/12/27(木) 00:27:13 ID:i7pReU3c
神様「さて、んじゃ仕事でもしますか。 神使君、この神社の事前情報を教えて」
神使「錆礼田神社、由緒や主神などの情報は不明です」
神様「これだけデカいのに?」
神使「はい、ただ平安時代の書物に記載があるようで建立はかなり古いと思われます」
神様「ずっと無人か?」
神使「100年ほど前まで巫女さんがおられたようですが」
神様「巫女?」
神使「錆礼田神社は、宮司や神職は置かず代々巫女が管理をしていたようです」
神様「ふ~ん」チラッ
少女「・・・・・・」
664: 2018/12/27(木) 00:29:37 ID:i7pReU3c
神様「後を継ぐ巫女はいなかったの?」
神使「それが・・・ 変なんです」
神様「あ?」
神使「当時こちらの神社から神宮に管理者変更の書類が届いたらしく、次の巫女の名前も記載されていたようです」
神様「それはどちら様?」
神使「それが、改めて書類を確認したら名前が消えていたそうで」
神様「・・・何言ってんの?」
神使「書類から書かれていた名前が消えたと言いました」
神様「あ~ 誰かがその書類を後から改竄したってこと?」
神使「いえ、改竄根はなかったそうで・・・ 綺麗に名前だけ空欄になっていたと」
神様「・・・・・・。 神使君、あなた疲れてるのよ」
神使「私は神宮から言われたことをお伝えしているだけですので・・・」
神様「それを真に受けるお前もおかしいし」
神使「そう言われましても」ポリポリ
665: 2018/12/27(木) 00:30:33 ID:i7pReU3c
神様「少女ちゃんもこのクソ犬に言ったって! お前はやっぱりダメすぎィーヌだって」
少女「変・・・」
神様「ほら、少女ちゃんも私と同じ真っ当な思考の持ち───」
少女「なんで記憶が・・・」ボソッ
神様・神使「・・・・・・」ジー
少女「あっ! いえ、何でもないです」
神様「少女ちゃん? もしかして・・・」
少女「な、なんでしょうか」
神様「あなたも疲れているのよ」ポンポン
少女「そ、そうみたいですね」
神様「風呂だ! 風呂を沸かすのだ!! 疲れた体には風呂が効く!」
神使「・・・・・・」
666: 2018/12/27(木) 00:31:50 ID:i7pReU3c
─── 30分後
神使「神様、お風呂湧きましたよ」
神様「ん。 バブある?」
神使「はい。 ラベンダーとゆず、森の香りと~」ゴソゴソ
神様「森の香りって意味分かんないんだけど・・・」
神使「後は“唐辛子”と、オマケでもらった“檜風呂に浮かべた檜玉の香り”ですね」
神様「!?」
神様「季節的に“ゆず”ですかね」
667: 2018/12/27(木) 00:32:29 ID:i7pReU3c
神様「神使君? 最後なんて言ったの?」
神使「? “檜風呂に浮かべた檜玉の香り”ですか?」
神様「何それ! 檜の香りに檜の香り!? ミックスする意味あんの?」
神使「さぁ? コレにします?」
神様「聞くまでもないじゃん!」
神使「それでは───」
神様「ゆずでお願いします」
少女「・・・・・・(唐辛子って何?)」
668: 2018/12/27(木) 00:33:13 ID:i7pReU3c
─── 夜・台所
神様「ふぃ~ 良いお湯でした~」ホクホク
神様「やっぱ風呂上がり後はカップラだよね~」ゴソゴソ
神使「神様?」
神様「うわー!」ビクッ
神使「ダメですよ? 寝る前にカップ麺なんて」
神様「んだよ、ビックリしたなぁ~ ラーメン落とすところだったよ」ホッ
神使「太りますよ?」
神様「うるせー。 文句あるなら普段から私に贅沢な飯を寄こせ」
669: 2018/12/27(木) 00:33:54 ID:i7pReU3c
神使「あの、お聞きしたいことがあるのですが」
神様「なに」
神使「神様は少女さんの事をご存じなんですか?」
神様「あ?」
神使「急にバイトで雇うとか、先ほども少女さんを観察していましたよね?」
神様「」
神使「少女さんは一体・・・」
神様「さぁね、少なくとも私はあの子と会ったのは初めてだ」
神使「そうですか」
670: 2018/12/27(木) 00:35:16 ID:i7pReU3c
神様「ただ、よく似た神を知っている」
神使「神・・・ 似てるというのは?」
神様「遙か昔に、私はある少女を神にした。 そいつによく似ている」
神使「容姿がですか?」
神様「容姿だけじゃない。 雰囲気もどこか似ている」
神使「その神は今もご存命なのですか?」
神様「100年以上前に、神から人に戻した」
神使「え?」
神様「たぶん、生きてはいない」
神使「その神と少女さんに何か関係があるのでしょうか?」
神様「・・・・・・。 アイツはとても不思議なヤツだった・・・ 私でも理解できない位」
神使「分かりました。 お答え頂きありがとうございます」ペコリ
神様「もう良いのか?」
671: 2018/12/27(木) 00:36:07 ID:i7pReU3c
神使「神様もまだ考えている所なんですよね? 今はここまでで十分です」
神様「あっそ。 まぁ私にもよく分からないけど一応忠告だけしておく」
神使「?」
神様「流されるな。 自分を見失うな。 自分の行動を忘れるな」
神使「・・・はい」
神様「私のように完璧であれ。 じゃ」トテトテ
神使「あっ、神様! ラーメン忘れてます! あと、服着て下さい!」
キャー!
神使「少女さんに変なトラウマ植え付けないで下さい・・・」
673: 2018/12/29(土) 00:14:57 ID:qW8GGYRo
─── 翌朝・社務所前
少女「あの・・・」
神様「うんうん。 よく似合う」
少女「私、こういう格好はあまり・・・」
神使「予備の巫女服なのですがサイズが同じで良かったです」
神様「神社でバイトするんだからその格好じゃなきゃダメ」
少女「そもそも私バイトするとは一言も・・・」
神様「いいから。 少女ちゃんは参道から本殿前までのお掃除お願い」
少女「・・・・・・」
神様「はい、箒」スッ
少女「まぁ、掃除位であれば」
神様「んじゃ、よろぴこ。 神使君は裏庭ヨロ」
神使「分かりました」
神様「それでは! 朝のお掃除スタートゥ」
674: 2018/12/29(土) 00:15:48 ID:qW8GGYRo
─── 本殿
神様「さてと、一度ご神体でも覗いておきますかね」トテトテ
ギー
神様「うむ。 空っぽでござる」
神様「何か金目になる物はねーかな~」キョロキョロ
神様「木箱・・・ はは~ん、あれは宝箱じゃまいか?」
神様「♪~」トテトテ
675: 2018/12/29(土) 00:16:33 ID:qW8GGYRo
神様「どうする神ちゃん。 開けるのか? 開けてしまうのか?」
神様「迷う必要など無い! これで私は大金持ち!!」ウヒャヒャ
パカッ
神様「イヤッホ~イ! 何も入ってな~い」
神様「・・・・・・。 まぁそう都合良く宝箱なんてないよね」
神様「・・・・・・」ハァ
神様「さて、他には何もなさそうだし」
676: 2018/12/29(土) 00:17:29 ID:qW8GGYRo
─── 1時間後
神使「神様、裏庭のほう終わりました」スタスタ
神様「ん」ジー
神使「こんな隅っこで何をジーと見ているんですか?」
神様「あれ、どう思う?」
神使「少女さんですか? 綺麗にお掃除されていますね」
神様「やっぱお前の目は節穴だな」
神使「特に変わったところはないように思えますが・・・ 箒の扱いが上手いですね」
神様「あれ、神社での掃除にかなり慣れているぞ」
神使「そうなんですか?」
677: 2018/12/29(土) 00:18:34 ID:qW8GGYRo
神様「ゴミを集める箇所が理想的だ。 わたしもあの場所は賛成だ」
神使「それは・・・ 偶然じゃないですか?」
神様「あと、一度も本殿に向かってゴミを掃いていない」
神使「ゴミを?」
神様「神のいる本殿にに向かってゴミを掃かないのは神社掃除の基本」
神使「巫女のバイト経験でもあるんでしょうか?」
神様「気になるのは、本殿以外にもう一カ所ゴミを掃いていない箇所がある」
神使「どこです?」
神様「あそこ」クイッ
678: 2018/12/29(土) 00:19:20 ID:qW8GGYRo
神使「倉庫? 年代物の古い倉庫ですか?」
神様「あぁ」
神使「まさかあの倉庫も神域・・・」
神様「あの子、この神社で働いていたのは間違いないな」
神使「少女さんがここで? しかし、もう100年近く無人なんですよ?」
神様「・・・・・・」
679: 2018/12/29(土) 00:20:43 ID:qW8GGYRo
─── 昼・社務所
神様「はぁ~ ちかれた」グテッ
神使「神様何もしてないじゃないですか・・・」
神様「コーラ飲みたい」
神使「ありませんよ」
神様「少女ちゃ~ん、コーラ飲みたい~」グイグイ
少女「ちょ、袴を引っ張らないで下さい」
神様「コーラ~」グイグイ
少女「それ以上引っ張ると脱げちゃ、本当に脱げちゃいますから!」
680: 2018/12/29(土) 00:21:22 ID:qW8GGYRo
神様「うひゃひゃー かわえ~」ピョーン
少女「ちょ、本当に!!」ズルッ
神様「あっ」
少女「・・・・・・」
神使「ぶばっ!」ゲホゲホ
少女「キャー!!」
神使「み、見てないです。 私は見てないので!」プイッ
少女「・・・・・・」ジトー
神様「あ、いや・・・ その・・・ これは事故で」オロオロ
681: 2018/12/29(土) 00:21:56 ID:qW8GGYRo
少女「分かっています、袴がハダけただけですので大丈夫です。 大声出してすみません///」
神様「うは~ きゃわゆい~」キラキラ
少女「からかわないで下さい」
神様「よし! 野球拳しよう! 絶対少女ちゃんを剥いてやる」ハァハァ
少女「!? わ、わたし飲み物買ってきます!」タッタッタッ
神様「・・・・・・」
神使「神様? 可愛いからってそんな事してたら嫌われちゃいますよ?」
神様「勘違いしてんじゃねーよ。 ちょっと調子に乗りすぎたけど・・・ 行くぞ」トテトテ
神使「ちょ、どちらへ?」スタスタ
682: 2018/12/29(土) 00:22:30 ID:qW8GGYRo
─── 倉庫前
神使「ここは・・・ 倉庫ですよね」
神様「さっき、掃除中に本殿を見たけどもぬけの空だった」
神使「本殿にご神体がなかったのですか?」
神様「もぬけの空」
神使「まさか、この中に?」
神様「それを調べるんだよ。 少女ちゃんの反応を見る限り、この中に何かがあるはずだ」
神使「分かりました。 開けます」
683: 2018/12/29(土) 00:23:22 ID:qW8GGYRo
ギー
神様「何もないな」キョロキョロ
神使「結構広いですね」
神様「上の方にも棚があるな。 犬ころ、調べて」
神使「ちょっと私でも手が届きそうにないです」
神様「そうだ。 本殿に丁度良い木箱があったからそれ持ってきて」
神使「木箱ですか?」
神様「それを踏み台にすれば届くかも」
神使「分かりました」タッタッタッ
684: 2018/12/29(土) 00:24:06 ID:qW8GGYRo
─── 数分後
神使「持ってきました。 結構大きいですね」ヨイショ
神様「よし、それ足場にして上の棚調べて」
神使「はい」ゴソゴソ
神様「どう? 何かある?」
神使「特に何もないですね」
神様「ん~ 検討違いか・・・」
神使「そろそろ少女さん戻ってくるんじゃないですか?」
神様「そうだな。 取りあえず出るか」トテトテ
神使「箱は?」
神様「戻すの大変だし、置いておけ」
神使「はい」
685: 2018/12/29(土) 00:24:59 ID:qW8GGYRo
─── 参道
少女(ペプシでも大丈夫かな?)テクテク
はやくー
少女「?」コソッ
神使「ちょ、待って下さいよ」タッタッタッ
神様「少女ちゃんが帰って来ちゃうだろ!」
少女(あの二人、今倉庫から・・・)キッ
686: 2018/12/29(土) 00:26:05 ID:qW8GGYRo
─── 深夜・神様&神使の寝室
神様「zzz」グガー
神使「zzz」スヤスヤ
ギー
少女「」コソッ
神様「zzz」グガー
神使「zzz」スヤスヤ
少女「・・・・・・。 ごめんなさい」ボソッ
ポワポワ
687: 2018/12/30(日) 05:40:17 ID:KjUZmOw2
─── 翌朝・社務所
神様「おふぁよ~」トテトテ
神使「もうお昼近いですよ?」
神様「お腹すいた。 牡蠣フライ食べたい」
神使「何で寝起きでそんな重い物を・・・ 街まで出たら何か食べましょう」
神様「ん? 出かけるの?」
神使「何言っているんですか、次の場所に行くんですよ?」
神様「あ?」
神使「少し遠いので長旅になりますが」
神様「少女ちゃんは?」キョロキョロ
神使「少女さん? ここには昨日来たときから私と神様だけですが」
神様「・・・・・・」
688: 2018/12/30(日) 05:41:25 ID:KjUZmOw2
─── 参道
神使「良いお天気ですね」テクテク
神様「なぁ」ピタッ
神使「どうしたんです? こんな所で立ち止まって」
神様「あれ」
神使「倉庫ですか?」
神様「あの中、知ってる?」
神使「鍵がかかっていて中には入れなかったじゃないですか・・・」
神様「そう」トテトテ
神使「?」
689: 2018/12/30(日) 05:42:41 ID:KjUZmOw2
─── 電車内
ガタンゴトン
神様「・・・・・・」
神使「どうしたんです? 今日は随分とアンニュイですね」
神様「お前、財布は持ってるか?」
神使「財布ですか?」ゴソゴソ
神様「私に取られて───」
神使「ありますよ?」スッ
神様「・・・・・・」
神使「どうしたんです?」
690: 2018/12/30(日) 05:43:19 ID:KjUZmOw2
神様「今からいくつか質問をする」
神使「質問?」
神様「少女という名に聞き覚えは?」
神使「先ほども仰っていましたね・・・ 私の記憶にはありません」
神様「スネを見せろ」
神使「スネ?」ゴソゴソ
神様「右足だ」
神使「あれ? 青あざが・・・ 」
神様「その青あざはどうして出来た?」
神使「これは・・・」
691: 2018/12/30(日) 05:44:10 ID:KjUZmOw2
神様「流されるな。 自分を見失うな。 自分の行動を忘れるな」
神使「その言葉どこかで・・・」
神様「少女ちゃんのハダけた袴、そそられただろ?」ボソッ
神使「あれ、なんで顔が赤く///」
神様「神使君? コレ何か知ってる?」
神使「それは神様の神力が入ったお守りですよね」
神様「そう。 これを私の右手でギュッと握って」
神使「?」
692: 2018/12/30(日) 05:44:50 ID:KjUZmOw2
神様「よーし、歯を食いしばれー!」
神使「え?」
神様「神ちゃーんスーパーパーンチ」
ドカッ
神使「痛い!」クラクラ
神様「アーンド! 神ちゃんスーパーキーック!」
ゲシッ ゲシッ ゲシッ ゲシッ
神使「痛痛痛痛! ちょ、神様それ以上蹴られるとまた気を失ってっ・・・ !!」ハッ
693: 2018/12/30(日) 05:46:22 ID:KjUZmOw2
神様「少女という名に心当たりは?」
神使「少女さん・・・ 覚えています。 これは一体・・・ 何で忘れて・・・」
神様「間違いないな。 アイツと同じ力だ」
神使「これって・・・ まさか洗脳?」
神様「財布は?」
神使「あれ? 財布がない!?」
神様「・・・・・・」
神使「とにかく次の駅で降りて錆礼田神社に戻りましょう」
神様「いや、一旦神宮へ行く」
神使「神宮?」
神様「確認したいことがある」
698: 2019/01/04(金) 23:11:48 ID:TFg8nSx6
─── 神宮
ハロ~
A子「あ、神ちゃんだ。 神使さんも」
神様「久しぶり」
神使「ご無沙汰しておりますA子ちゃん。 ちゃんと巫女のお仕事してますか?」
A子「もちろん! でも、お守りの売れた数と金額が合わないんだよね~」
神様・神使「・・・・・・」
A子「神宮に用事?」
神様「ちょっと資料室で調べ物があって」
A子「ふ~ん。 誰もいないと思うけど室長呼ぶ? あっ、でもさっき室長に怒られたから会いたくないなぁ」
神様「いや・・・ いない方が好都合だからよばなくてもいいや」
699: 2019/01/04(金) 23:13:19 ID:TFg8nSx6
A子「みんな明日からの旅行準備で忙しいからね」
神様「旅行?」
A子「そう、まぁ形式的には研修旅行だけど」
神様「なにそれ! 私呼ばれてない!」
A子「え~ 神使さん経由でメール送ったよ?」
神様「え?」クルッ
神使「」プイッ
神様「おいクソ犬」
神使「丁度、錆礼田神社に行く日と重なっていたもので・・・」
A子「錆礼田神社?」
神使「はい。 私達、今錆礼田神社におりまして」
700: 2019/01/04(金) 23:14:02 ID:TFg8nSx6
A子「私達が行く所と近いね」
神様「そうなの?」
A子「うん、甘利錆礼手内神社」
神使「大きくて立派な神社ですね」
A子「100人位で行くからねぇ。 広くないと入れないんだよ」
神様「近いなら私も行きたい~」
A子「近いって言っても車で20分位かかるけど」
神様「仕事片づいたら合流しようよ」
A子「いいよ。 3日後には帰っちゃうからそれまでに連絡してね」
神様「分かった。 あとでメールするね~」
A子「は~い」
神使「それでは神様、時間もないですし」
神様「へいへい」
701: 2019/01/04(金) 23:15:24 ID:TFg8nSx6
─── 資料室
神使「相変わらず凄い量の資料ですね」
神様「ここの資料は地域・管理神・年代・神社名の順で整理されている」
神使「さすが資料整理歴が長いだけあってよく知っていますね」
神様「普通は目的の資料を探すのに2日かかるが、私なら半日で探し出せる」ドヤッ
神使「今は神宮資料DBを使えば場所が数秒で分かりますから便利になりましたよね」
神様「は?」
神使「スマホの神宮アプリで“錆礼田神社 変更届”で検索っと」ポチポチ
神様「?」
神使「出ました。 N-45-386の棚です」テクテク
神様「ねぇ、それ何?」トテトテ
702: 2019/01/04(金) 23:16:20 ID:TFg8nSx6
神使「え~と・・・ あった。 これですね」スッ
神様「・・・・・・」
神使「神様?」
神様「・・・いつから?」
神使「は?」
神様「そんなものいつから実用化されたんだよ!」
神使「たしか10年ほど前から・・・」
神様「私の職人芸が・・・ また一つ消えた」ガクッ
神使「ま、まぁ今はそれよりも資料のチェックを先に」アセアセ
神様「うん」シュン
神使「どうぞ、100年近く前の書類なので丁寧に扱って下さいね」
神様「ん」ペラペラ
703: 2019/01/04(金) 23:18:12 ID:TFg8nSx6
神使「あっ、それです」
神様「錆礼田神社管理者変更届・・・ 早く見つかって良かったね・・・」
神使「・・・・・・。 受付年が1906年ですね」
神様「1895年の当社代表巫女の失踪により新管理者のへの変更を届ける。 か」
神使「123年前に先代の巫女が失踪・・・」
神様「失踪してから届け出まで11年あるな」
神使「でも次の継承者の欄が空白になっていますね」
神様「本当に?」
神使「はい。 前管理者の欄も空白ですよね」
神様「私と神使君は別世界にいるのか?」
神使「どういう意味です? まさか、神様には何か見えるんですか?」
神様「んじゃ、試してみますか」スッ
神使「神様のお守り・・・ 神力を使うんですか?」
神様「私と犬ころだけ知れば良いからほんの少しだけ」
704: 2019/01/04(金) 23:18:46 ID:TFg8nSx6
ポワポワ
神使「文字が!?」
神様「やっぱり」
神使「ど、どいういう仕掛けですか?」
神様「解除したんだよ」
神使「解除?」
神様「限定的だけど。 全てを解除するとどこまで影響するか分からないからな」
神使「ちょっと待って下さい。 この名前って・・・」
神様「さて、錆礼田神社に戻りますか」
705: 2019/01/04(金) 23:19:48 ID:TFg8nSx6
─── 錆礼田神社・倉庫前
少女「・・・・・・」ボー
~~~
幼女「お母さん?」テクテク
母「あら、どうしたの」
幼女「何してるの?」
母「・・・ちょっと昔のことを思い出してたの」
幼女「昔?」
母「お母さんね、昔ここである方に助けられたことがあるの」
幼女「ここで?」
母「そう。 あの時声をかけてもらえなかったらお母さん・・・」
幼女「そんな大事な場所なら大切にしないとね! 私、ここをずっと大切にするね」
母「ありがと」ニコッ
~~~
706: 2019/01/04(金) 23:20:54 ID:TFg8nSx6
少女「お母さん・・・」
神様「ハロ~」トテトテ
少女「・・・・・・」チラッ
神様「言われなくても掃除をするなんて流石だねぇ~」
少女「どこかでお会いしたことありましたでしょうか?」
神様「一昨日会ったじゃん~ 私のかわゆいバイト巫女ちゃん」
神使「ちなみに、私も覚えていますよ?」
少女「・・・・・・」
神様「いや~ 少女ちゃんにあげたダサい財布の中に私のポンタカード入れっぱなしだったの思い出してさぁ~」
神使「神様のではなく私のポンタカードです」
神様「たまったポイントでお菓子を買うのが私の楽しみなの」
神使「私のポイントです」
707: 2019/01/04(金) 23:21:46 ID:TFg8nSx6
少女「貴方たちは一体何者なんですか?」
神様「私は神宮のかわゆい女神、こいつはお付きの神使なのだ」フンスッ
少女「神・・・ やっぱり」フッ
神様「おや? 少女ちゃんは神の存在を信じる口?」
少女「昔聞いたことがあるんです。 この力は神には効かないって」
神様「昔って?」
少女「・・・・・・。 私をどうするんです? 捕らえて実験台にでもします?」
神様「・・・・・・」
少女「それとも・・・ 頃して力ごと封印しますか?」
神様「そんな事するわけない。 私はこれでも神、二度とそんな暴言を吐かないでもらいたい」
少女「・・・・・・」
708: 2019/01/04(金) 23:22:37 ID:TFg8nSx6
神様「お母さんと同じ力を持っているんでしょ?」
少女「!?」
神様「少女ちゃんと同じ力を持つヤツを私は知っている」
少女「お母さんを知っているの!?」
神様「やっぱり」
少女「・・・もしかして、騙しました?」
神様「いいや、君のお母さんは古い古い私の大切な友人だ」
少女「・・・・・・」
神様「娘がいたなんてビックリしたけど」
神使「お話を聞かせてもらえないでしょうか」
神様「望むなら、私も隠さずアイツの話をすると約束する」
713: 2019/01/06(日) 00:31:58 ID:u8y5Okis
─── 社務所
神様「この神社を守っていた先代の巫女が123年前に失踪した事を少女ちゃんは知ってる?」
少女「」コクリ
神使「それ以降この神社は無人になっています。 間違いないでしょうか?」
少女「間違いありません」
神様「そして、その失踪したとされる巫女は少女ちゃんと関係がある」
少女「・・・・・・」
神使「神宮に保管されている管理者変更届で確認しました。 後継者の欄には少女さんの名前が記載されています」
神様「これは私とコイツしか知らないし、他に言うことは絶対にしない」
少女「・・・・・・。 失踪した先代の巫女は私の母です」
714: 2019/01/06(日) 00:33:13 ID:u8y5Okis
神使「失踪の原因というのは?」
少女「分かりません。 ある日突然・・・」
神様「う~ん・・・ だとすとると、おかしい点があるんだけど」
少女「何でしょう」
神様「少女ちゃんの年齢が合わないんだよ」
神使「お母様が123年前に失踪されたとすると、少女さんはそれ以上の年齢でないといけません。 ご子孫でしたら分かるのですが・・・」
神様「少女ちゃんはどう見ても10代」
少女「歳を・・・ 取れないんです」
神使「え?」
神様「少女ちゃん、生まれはいつ?」
少女「・・・・・・。 明治21年、西暦で言うと1888年です」
神様・神使「!?」
715: 2019/01/06(日) 00:34:15 ID:u8y5Okis
神使「歳が取れないと仰っていましたが幼少期はあるんですよね?」
少女「はい」
神様「つまり、今の状態になるまでは成長していた」
少女「」コクリ
神使「神様、これは一体・・・」
神様「お母さんから何か詳しいことは?」
少女「私の持っている変な力・・・ たぶんそれが原因。 お母さんも持っていました」
神様「少女ちゃんのお母さんが神だったことは聞いてる?」
少女「お母さんが、神!?」
神様「最初からじゃない。 生まれは人だった」
少女「そんな・・・」
716: 2019/01/06(日) 00:35:21 ID:u8y5Okis
神様「アイツの生まれは確か平安時代の後期」
少女「平安!? 人から神になったという事ですか?」
神様「そう。 でも、人に戻った。 最愛の伴侶と一緒になるために神から人へ」
少女「私の知っているお母さんは人に戻った後なんですか?」
神様「時代的にはそうだと思う」
神使「でも、神から人に戻ると神の力は使えなくなるんですよね?」
神様「あいつの力は生まれ持った物。 人に戻しても力は消えない」
少女「生まれ持った力・・・ 私と同じ」
神様「とても難しい力だったから・・・ アイツを人に戻したときに神力を少し残したんだ」
神使「人でありながら神の力を扱えるという事ですか?」
神様「いや、その力にだけ反応できる神力だけだ。 俗に言う神の力はない」
少女「・・・・・・」
717: 2019/01/06(日) 00:36:20 ID:u8y5Okis
神様「少女ちゃんも出来るんでしょ? アイツと同じように時間移動が」
神使「時間移動!?」
神様「時を跨ぐことの出来る力。 神ですら犯すことの出来ない領域」
神使「洗脳とか催眠の類いではなかったんですか・・・」
神様「そんなトリックじみたモノじゃない」
少女「難しくて・・・ 私には完全に使いこなせないですが・・・」
神様「特に少女ちゃんは神力を持っていないから余計だろうね」
神使「時間移動って・・・ タイムトラベルって事ですよね?」
少女「はい。 厳密に言うと肉体を持っての時間移動と自身の意識共有の2パターンがあります」
神使「そんな力が人に・・・」
神様「私も最初にアイツから聞いた時はビックリした」
神使「それはそうですよね。 使い方を誤ればとても危険な力になります」
神様「あぁ。 アイツも力を使うときはいつも慎重だった」
神使「もし過去を改変してしまったら辻褄が合わなくなりますからね」
718: 2019/01/06(日) 00:37:24 ID:u8y5Okis
神様「私が何度も宝くじのあたり番号を握りしめて泣いて頼みこんでも聞く耳を───」
神使「肉体の時間移動と意識共有というのは大きく違うのですか?」
少女「意識共有は現在の意識を過去の自分に上書きします。 過去の自分からすると突然未来の行動が頭の中に入ってくるんです」
神使「自分の意識だけが時間を超えて共有するということですか・・・」
少女「ただ、私の力だと効果があるのは2日前まで意識を移すのが限界です」
神使「肉体の時間移動も制限が?」
少女「いいえ。 制限無く過去未来へ肉体を持ったまま行くことが出来ます」
神使「タイムトラベルの方が簡単なんですか・・・」
少女「はい。 意識だけを過去に移す方が手間がかかるので」
719: 2019/01/06(日) 00:38:12 ID:u8y5Okis
神使「ちなみに、その力は頻繁に?」
少女「意識干渉は昨日使いました」
神様「私達の行動を変えるため」
少女「昨日の私の記憶を1日前に移して、お二人に会わないように自分の行動を変えました」
神使「その結果、私達が少女さんと会っていない事になっていたのですね」
少女「お二人の一本前の電車に乗って先回りしてここへ来ましたので」
神様「なんでそんな事を?」
少女「・・・・・・。 あの場所に入ったから」
神使「あの場所?」
神様「倉庫」
少女「あそこは、私とお母さんの思い出の場所。 私が守るとお母さんと約束した場所だから」
神使「そんな大切な場所だったのですか・・・ 勝手に入って申し訳ありません」
720: 2019/01/06(日) 00:39:28 ID:u8y5Okis
少女「私、過去にこの力を気付かれて何度も危険な目に遭いました」
少女「捕らえられ実験台にされて・・・ 殺されそうになったことも・・・」ガタガタ
神使「少女さん・・・」
少女「でも、お二人に先ほどお会いしたとき正直ホッとしました」
神様「?」
少女「心のどこかで、お二人なら気付いて助けてくれんじゃないかと思っていたのかも」
神様「この神社には頻繁に来てたの?」
少女「危険な目にあった時に。 ここに来るとお母さんに守ってもらえるような気がして・・・」
神使「という事は、最近も・・・」
少女「」コクリ
神様「・・・・・・」
少女「でも、今回が最後って決めていました」
神使「それはどういう・・・」
少女「少し疲れてしまったんです」ニコッ
神使「・・・・・・」
721: 2019/01/06(日) 00:40:17 ID:u8y5Okis
神様「心配無用!!」
少女「!?」ビクッ
神様「この私が来たからには全て解決したも同然!」
少女「え?」
神様「辛い経験をした人はそれに見合う幸せが必要だ」
少女「幸せ・・・」
神様「じゃないと人はその辛さで押しつぶされちゃう」
少女「・・・・・・」
神様「だから少女ちゃんには、今までの辛さを帳消しにする位の幸せを私がプレゼントする」
神使「神様・・・」
神様「何も心配いらないから。 今まで一人でよく頑張った」ナデナデ
少女「・・・・・・」ウルウル
722: 2019/01/06(日) 00:41:25 ID:u8y5Okis
神様「よし! まずは状況を整理しよう!」
神使「はい」
神様「・・・・・・」
神使「・・・・・・」
少女「・・・・・・」
神様「神使君、進めて」
神使「え!?」
神様「お前こういう厨二病っぽい案件好きだろ」
神使「神様、もしかして勢いだけで突っ走りましたね?」
神様「テヘッ!」
神使「はぁ~・・・」ガクッ
723: 2019/01/06(日) 23:33:47 ID:u8y5Okis
神様「早く進めろよ!」
神使「まず、問題点は二つあります。 一つはお母様の失踪、もう一つは少女さんの成長」
神様「そう、それ!」
神使「少女さん、時間移動の力はどの位の頻度で使っていますか?」
少女「意識共有は力のことが知らせそうになった時、何度か過去に飛ばして回避しました」
神使「それが原因という事は考えられませんか?」
少女「意識共有を安定して使えるようになったのは50年前からなので考えにくいと思います」
神使「タイムトラベルの方も頻繁に?」
少女「いいえ、タイムトラベルを最後に使ったのは私が18才の時です」
神様「100年以上前か・・・ その時アイツは?」
少女「私が7歳の時にはすでに行方が分からなくなっていましたから」
724: 2019/01/06(日) 23:34:28 ID:u8y5Okis
神使「年齢的にそのタイムトラベルが少女さんの成長を止めた原因という可能性がありそうですね」
少女「」コクリ
神使「ちなみに、過去未来どちらへ?」
少女「両方行きました。 1回目はその時代から3日前」
神様「随分近いね」
少女「私が18歳になったらこの神社を継ぐことになっていたんです。 でも、私・・・」
神様「継ぐのを躊躇した」
少女「はい。 総代が神宮に提出した書類をすり替えました」
神使「それで、神宮の書類に名前が・・・ でも、最初は記載されていたと聞いていますが」
少女「私も昨日それを聞いて不思議に思いました」
725: 2019/01/06(日) 23:35:06 ID:u8y5Okis
神様「その時近くに神でもいたんだろ。 アイツと違って少女ちゃんの力は不安定だから神には力が効きにくかった」
神使「神が側にいない所では改変の影響がでる・・・ しかし、それは二通りの時間の流れが発生していることに」
神様「アイツから聞いただけだけど限定的で小さいことなら結構あるらしいよ?」
神使「それは物理法則の書き換えが必要な位重大な事ですね・・・」
神様「未来の方は?」
少女「力の制御が不安定で・・・ たぶん暴走したんだと思います。 怖くてそれ以降使っていません」
神使「どの時代かも分からないですか?」
少女「はい、未来という事だけで。 気付いたら暗くて寒い森の中で・・・ 声がしたので怖くてすぐ戻りました」
726: 2019/01/06(日) 23:35:43 ID:u8y5Okis
神様「どう? 解決した?」
神使「少女さんの成長に関して、一つだけ思い当たる節があります」
神様「聞いてやる」
神使「未来からの観測です」
少女「観測・・・」
神使「少女さんが未来に行ってその姿を誰かに見られた場合、その時間・その場所で少女さんが存在していたことが確定されてしまいます」
神様「どういう事?」
神使「例えば100年後に行って誰かの記憶に残った場合、少女さんは100年後に見られた状態でそこにいる必要があると言うことです」
神様「いないとどうなるの?」
少女「私を見た人の記憶に齟齬が発生する・・・」
神使「そうです。 ですから少女さんは未来で観測された状態と同じ状態になるまで歳を取れない」
神様「って事は、少女ちゃんが今の姿で1000年後まで行って誰かに見られたら1000年間年を取らないと?」
727: 2019/01/06(日) 23:36:21 ID:u8y5Okis
少女「でも、先ほど複数の流れが存在することも可能と仰っていませんでしたか?」
神様「そうだよ。 人に見られた位、見間違いで済む可能性の方が高いし。 そんな未来に少女ちゃんなんか誰も知らないはずだし」
少女「私の記憶ですと長くても数秒しかその時代にはいなかった気がしますから見られても印象に強く残らない気が」
神使「複数存在できない位の重大な出来事だったのでは?」
神様「あ?」
神使「事象が複数存在する場合、分かれた事象がどこかで収束するんだと思います。 少女さんの場合収束できない事象だった」
神様「日本語でプリーズ」
神使「タイムパラドックスです」
神様「日本語で言えって言っただろーが! 厨二病!」ゲシッ
神使「痛い!」
神様「まぁ、何となく分かったけど」
728: 2019/01/06(日) 23:37:01 ID:u8y5Okis
神使「少女さん」
少女「はい」
神使「未来にタイムトラベルしたのは18歳の時が最後と仰っていましたが、もっと若いときに行ったことは?」
少女「・・・・・・」
神使「あるんですね?」
少女「お母さんとは何度か。 でも遠くても2日程度でした」
神様「アイツが一緒なら問題は起こらないな」
神使「一人では?」
少女「ハッキリとは覚えていないんですが、私が7歳の時」
神使「過去未来どちらです?」
少女「分かりません・・・ 実際タイムトラベルしたのかも定かではないんですが、その直後に母がいなくなりました・・・」
神様「それが時間移動だったとしたらアイツの失踪に関係があると?」
少女「私がそう思い込んでいるだけかも知れないんですが」
729: 2019/01/06(日) 23:37:37 ID:u8y5Okis
神使「何かその時のことで思い出すことはないでしょうか?」
少女「そうですね・・・」
~~~
少女「お母さん!」タッタッタッ
?「こんな所でどうしたの?」
幼子「あのね、お祭り見てたら迷子になっちゃったの」
?「沢山の人がいるものね。 でも、もう大丈夫よ」ニコッ
~~~
少女「お祭り・・・」
神様「祭り?」
少女「はい、お祭りの日だったと思います」
神使「こちらの神社はお祭りがあるのですか?」
少女「お母さんが亡くなってからは一度も」
730: 2019/01/06(日) 23:38:12 ID:u8y5Okis
神使「他には?」
少女「あとは・・・」
~~~
幼子「ねぇ、あのガタガタしてる箱は何?」
?「あれは、お母さんと幼子の宝物。 幼子が大きくなったら一緒に開けましょうね」
幼子「うん!」
~~~
少女「たしか、宝がどうのって・・・」
神様「宝!?」グワッ
少女「え、えぇ。 大きくなったら一緒に開けようって」
神様「ほぉ~」ニヤッ
731: 2019/01/06(日) 23:38:51 ID:u8y5Okis
神使「神様?」
神様「何かな? 神使君」
神使「この状況で変なことを考えていませんよね?」
神様「私は神だぞ? 人の喜びが私のご飯。 失敬なことを言うな」
神使「目の瞳孔が開いてますが? 鼻が大きく膨らんでますが? 口が緩んでいますが?」
神様「うるせーよ」ゲシッ
神使「痛い!」ガクッ
少女「ふふっ」クスッ
神使「すいません、こんな時に神様が不謹慎で」
少女「そんな事無いです。 少し落ち着きました」ニコッ
732: 2019/01/06(日) 23:39:29 ID:u8y5Okis
神使「お祭りですか・・・」フムッ
神様「お宝ですか・・・」フムッ
神使「・・・・・・」ジトー
神様「そんな腐ったミカンを見るような目で私を見るのを止めて下さい」
神使「ちなみにこの神社のお祭りというのは何月ですか?」
少女「確か・・・ 毎年1月7日だったと思います」
神様「明日じゃん」
神使「・・・将来この神社でお祭りが開かれるという事でしょうか?」
少女「沢山の人がいました。 境内を埋め尽くす位」
733: 2019/01/06(日) 23:40:23 ID:u8y5Okis
神様「将来ここでそんな大祭なんか開かれるのかねぇ~」
神使「今のままでは可能性は低そうですが・・・」
神様「だったらさぁ~」
少女・神使「?」
神様「明日、祭りを開けば良いんじゃね」
神使「祭りを!? 私達がですか?」
神様「そう。 境内を人が埋め尽くす位の大きな祭りを開くんだよ」
少女「でも、そんな沢山の人この村には・・・ しかも明日だなんて」
神様「案がある」ニヤッ
神使「まさか神様・・・」
神様「神使君や、電話を繋いでくれたまへ」
735: 2019/01/09(水) 07:15:48 ID:9436ABs2
─── 翌日
プッ プッー
おーい、神ちゃ~ん!
神様「A子ちゃ・・・」
神使「うわっ! 何ですかあの観光バスは!?」
A子「お祭り開くって言うからみんな連れてきたー」
神様「あっ、うん」
736: 2019/01/09(水) 07:16:32 ID:9436ABs2
─── 境内
ガヤガヤ
少女「あの、これは・・・」
神様「えっと、先に紹介するね。 この子は神宮の巫女でA子ちゃん」
A子「神宮が誇るミス巫女、A子です」ペコリ
少女「・・・・・・。 少女です」ペコリ
A子「ここって広い神社だね~」
少女「土地だけですが」
神様「ねぇ、なんで屋台とかまでいるの?」
A子「甘利錆礼手内神社も昨日までお祭りでさぁ。 話をしたら一緒に付いてくるって」
神様「そうなんだ・・・」
737: 2019/01/09(水) 07:17:20 ID:9436ABs2
神使「まぁ、お祭りっぽくなりますし良いんじゃないですか? 神職と巫女だらけですが」
神様「そうね、100人位いるからそこそこ賑わってる感は出るかな」
A子「ここに来る途中でバスからスピーカーで宣伝しまくったから人いっぱい来ると思うよ?」
神様「さすがA子ちゃん、私の発想を超える大胆な行動・・・」
神使「よく捕まりませんでしたね」
A子「やだなぁ~ 警察に5回止められたよ」
一同「・・・・・・」
A子「でも正直に私は巫女で神のお告げが~ って言ったら何も言わずに見逃してくれた」
神様「それは単に関わりたくなかっただけじゃ・・・」
神使「あまり神宮の評判を落とさないで下さいね」
738: 2019/01/09(水) 07:17:53 ID:9436ABs2
─── 夕方
ピーヒョロ ピーヒョロ
ガヤガヤ
神様「すげーな・・・ どこから見てもお祭りじゃん」
A子「ふごいね~」ペロペロ
神様「・・・・・・。 それ何?」ジー
A子「メロン飴、向こうで売ってた」
神様「へ、へぇ~」ジュルリ
神使「A子ちゃん、巫女装束着たまま食べ歩きなんてダメですよ?」
A子「食べてないもん! ペロペロしてるんだもん。 高速ペロペロー!」ペロペロペロ
739: 2019/01/09(水) 07:18:24 ID:9436ABs2
少女「この神社にこんなに人が来るなんて・・・」ウズウズ
神使「少し見てきたらどうです?」
A子・神様「いいの!?」
神様「私は少女さんに言ったんです」
少女「良いんですか?」
神使「もちろんです。日が落ちる頃に倉庫で待ち合わせしましょう」
A子「よっしゃ! 少女ちゃん行こう!」ガシッ
少女「え?」
A子「こっち! さっきすごい美味しそうなもの見つけたんだ」タッタッタッ
少女「あ、ちょ、一人で歩けますから」タッタッタッ
740: 2019/01/09(水) 07:18:57 ID:9436ABs2
A子「じゃ~ね~ 神使さーん」
神様「じゃ~ね~ クソ犬ー」
神使「神様はダメです」ガシッ
神様「がー! メロン飴が! メロン飴が私を呼んでいるんだー!!」ジタバタ
神使「呼んでませんから。 私達は倉庫の方に行きますよ」
神様「私も高速ペロペロしたいー!!」ズルズル
744: 2019/01/10(木) 02:46:55 ID:qSIVsP1Y
─── 倉庫前
神様「うー 寒ぶ」ブルブル
神使「まだ時間もありますし少し離れたところで監視しましょうか」
神様「こんな寒いのに外で監視とかありえないだろ。 本当に今日が過去の少女ちゃんが来る日かも分からないのに」
神使「そうですが・・・ では、一度社務所に戻ります?」
神様「ん~・・・」
神使「神様?」
神様「・・・・・・。 中に入ろうぜー」
神使「倉庫の中にですか? 少女さんが来てからの方が良いのでは」
神様「いいから」トテトテ
神使「ちょ、神様」
745: 2019/01/10(木) 02:47:45 ID:qSIVsP1Y
ギィー
神使「また勝手に入ったら少女さんに─── !?」
神様「よ、久しぶり」
少女母「お久しぶり、神ちゃん。 そして」
神使「は、初めまして。 神様のお付きで神使と申します」
少女母「こんにちは」ニコッ
神使「もしかして、少女さんのお母様ですか?」
少女母「はい」
神様「いつの時代から?」
少女母「今から123年前」
神様「やっぱり今日で合ってたか」
746: 2019/01/10(木) 02:48:39 ID:qSIVsP1Y
少女母「もうじき7歳の時の娘が来るわ。 その子を戻さないとね」
神様「人が多いし結構見られちゃうから修正も必要だな」
少女母「子供一人が見られた位じゃ時間軸なんて変わらないわ。 特にこれだけ多ければね」
神様「そうなの? んじゃ私達も挨拶しようかな」
少女母「それは勘弁して欲しいかな。 さすがに二人に見られると事象が確定しちゃうし」
神使「印象が強すぎるという事ですね?」
少女母「もし会うんだったら過去を少し弄らせてもうらうけど」
神使「会うのは止めておきましょう」
少女母「よかった。 正直言うと時間移動できる力も残り少ないしね」
神様「そう言えば、お前元の時代に帰ってないだろ。 失踪したことになっているぞ」
少女母「この後少しやることがあってね」
神様「まさか戻れないのか?」
少女母「」ニコッ
神様「・・・・・」
747: 2019/01/10(木) 02:49:16 ID:qSIVsP1Y
少女母「ねぇ神ちゃん、ここ覚えてる?」
神様「?」
少女母「私、ここで神ちゃんに初めて会ったの」
神様「ここが・・・ あの時は周りに何も無かったからな」
少女母「2000年以上前だものね。 でも、私にとってはとても大切な場所」
神様「そうか」
少女母「他の人にはない力を持って生まれて・・・ 神ちゃんに救われなかったら私・・・」
神様「あの時のお前、酷い状態だったもんな。 精神も体もボロボロで」
少女母「でも、そういう過去があったからこそ、今の私がいてあの子もいる」
神様「そうだな」
748: 2019/01/10(木) 02:50:40 ID:qSIVsP1Y
少女母「あの子も私と同じ力を持ってしまって、もう少し側にいてやりたかったんだけど・・・」
神様「大丈夫。 良い子に育ってるよ」
少女母「ありがとう、神ちゃん」ニコッ
お母さーん?
神様「やべ、小さい方の少女が来た!」アワアワ
神使「見ちゃうとまずいですね。 神様、箱! この箱に入りましょう」
神様「声は聞こえちゃうけど大丈夫か?」
少女母「はい、耳栓」スッ
神使「ありがとうございます」
神様「私は?」
少女母「1個しかないから、神ちゃんは耳を塞いでおいてね」
神様「マジっすか!?」
少女母「絶対に覗き見はしないでね?」
神様「しゃーねな。 急げ!」ゴソゴソ
749: 2019/01/10(木) 02:51:20 ID:qSIVsP1Y
ギー
幼子「お母さん? どこ?」テクテク
ガタガタ
幼子「!?」ビクッ
少女母「幼子」
少女「お母さん!」タッタッタッ
少女母「こんな所でどうしたの?」
幼子「あのね、お祭り見てたら迷子になっちゃったの」
少女母「沢山の人がいるものね。 でも、もう大丈夫よ」ニコッ
750: 2019/01/10(木) 02:53:58 ID:qSIVsP1Y
幼子「ねぇ、あのガタガタしてる箱は何?」
少女母「あれは、お母さんと幼子の宝物。 幼子が大きくなったら一緒に開けましょうね」
幼子「うん!」
少女母「お母さんちょっとお仕事があるから、先に帰っててね」
少女「はい!」ニコッ
少女母「この小屋の裏に光った穴があるから、そこからお帰り」
幼子「はーい!」タッタッタッ
ギー バタン
─── 外
幼子「♪~」タッタッタッ
少女「あれ? 今だれか小屋から出てきたような・・・」
A子「少女ちゃん? どったの?」ペロペロペロ
少女「・・・・・・。 !?」タッタッタッ
751: 2019/01/10(木) 02:55:20 ID:qSIVsP1Y
─── 小屋の中
神様「行った?」ニョキ
少女母「えぇ」
神様「ふ~ 危機一ぱ───」
ギー
神様「!?」バタン
少女「神様、神使さん、いますか? 今、だれかここから・・・ !?」ハッ
752: 2019/01/10(木) 02:56:10 ID:qSIVsP1Y
少女母「久しぶり」
少女「お母・・・ さん・・・?」
少女母「」ニコッ
少女「本当に・・・ お母さん・・・」
少女母「未来のあなたに会いたくて、お母さんズルして見に来ちゃった。 な~んて」ニコッ
少女「お母さん・・・ お母さーん!!」ダキッ
少女母「ふふふ。 小さいあなたより甘えん坊さんだこと」ナデナデ
少女「お母さーん! 会いた・・・ かった・・・」グスッ
少女母「ごめんね、あなたには辛い思いをさせてしまって」
753: 2019/01/10(木) 02:57:03 ID:qSIVsP1Y
少女「そうなんだ、やっぱりこの時代に・・・ さっき出て行ったのって・・・」
少女母「7歳の時の少女」
少女「やっぱり・・・ ごめんなさい。 わたし力の使い方が分からなくて、気付いたらここに・・・」
少女母「お母さんだって最初はそうだった」
少女「でも、あの日以来お母さんは戻ってこなかった・・・ 私がお母さんを」グッ
少女母「心配しないで? それとこれとは別の事象だから。 あなたが心配することじゃないわ」
少女「・・・・・・。 ねぇ、お母さんって昔、神さまだったの?」
少女母「神ちゃんから聞いたの?」
少女「」コクリ
少女母「そうよ。 これでも“時の女神”なんて呼ばれてたすごい神さまだったんだから」
少女「時の女神・・・」
754: 2019/01/10(木) 02:57:57 ID:qSIVsP1Y
少女母「お母さんの言う事が信用できない?」
少女「そんな事ない」
少女母「必ずまた会えるから」
少女「お母さん」
少女母「だから、ね?」
少女「うん」
ガタガタ
少女「?」
少女母「そうだ。 これ、覚えてる?」
少女「箱・・・ 昨日の朝はなかったのにいつの間に・・・」
少女母「あなたが大きくなったら開けるって約束したわね」
少女「私とお母さんの宝物・・・」
755: 2019/01/10(木) 02:58:43 ID:qSIVsP1Y
少女母「開けてみましょうか」
少女「いいの?」
少女母「えぇ。 私の宝物、そしてあなたにも宝物になって欲しいな」
少女「」テクテク
パカッ
神様「ちっす。あなたの宝物です」
神使「すいません」
少女「・・・・・・」
756: 2019/01/10(木) 02:59:40 ID:qSIVsP1Y
神様「お気に召しませんでしたか?」
少女「ふふっ、お母さんの宝物って───」
シーン
少女「お母さん?」キョロキョロ
少女「お母さん? お母・・・さん・・・」シュン
神使「少女さん・・・」
神様「・・・・・・」
758: 2019/01/11(金) 20:34:34 ID:irKyNpU6
─── 参道
テクテク
神使「なんだか不思議な感覚ですね」
神様「あ?」
神使「100年以上前の方にお会いしたんですよ?」
神様「あ~」
神使「過去・現在・未来ってどういう繋がりなんですかね」
神様「私は常に未来を見据えているから過去なんか気にしないけどね」
神使「過去を変えれば未来が変わる。 未来を変えれば過去が変わる・・・ よく分からないですね」
神様「本当は変わらないんじゃないか?」
神使「?」
神様「それを証明する手立てはないけどな」
神使「そうですね」
759: 2019/01/11(金) 20:35:35 ID:irKyNpU6
ガサゴソ
神様「?」
神使「森の奥ですね。 狸さんでしょうか?」
神様「いや、あれって・・・」ジー
神使「誰かいる感じがしますね。 暗くてよく見えませんが」
神様「あれ少女ちゃんだよ。 何であんな所にいるんだ?」
少女「」キョロキョロ
神様「おーい! 少女ちゃ───」
少女「!?」ビクッ
シュンッ
神様・神使「!?」
神使「・・・・・・。 今消えませんでした?」
760: 2019/01/11(金) 20:36:37 ID:irKyNpU6
少女「どうしたんですか? こんな所で」テクテク
神様・神使「え?」クルッ
少女「? 森に何かあるんですか?」キョロキョロ
神様「少女ちゃん? いま森の中に」
少女「私、参道から歩いてきましたけど。 やっぱりお母さんは見つかりませんでした・・・」
神様「あ、うん。 でも・・・ あれ?」
少女「お話しがあります。 後ほど社務所で」タッタッタッ
神様「・・・・・・」
761: 2019/01/11(金) 20:37:21 ID:irKyNpU6
神使「神様、本当に森の中にいたのは少女さんなんですか?」
神様「間違いない。 私、これでも視力4.0あるから見間違うなんて事は絶対にない」
神使「4.0なんて数字あるんですか・・・」
神様「あれは間違いなく少女ちゃんだった」
神使「考えられるのは18歳の時の少女さんという事ですね」
神様「もんぺ穿いてた。 もんぺ」
神使「まさか、少女さんがこの時代までいる原因を作ったのは・・・」
神様・神使「・・・・・・」
神様「やべ、どうしよう」
神使「大変な事をしてしまったような気がします」
762: 2019/01/11(金) 20:38:02 ID:irKyNpU6
神様「お前、過去の自分に意識を移して回避してこい」
神使「できるわけないじゃないですか・・・ それこそ神様はどうなんです?」
神様「私を誰だと思ってんだよ、そんな神っぽいこと出来る分けねーだろ! ふざけんな!」
神使「逆ギレしないで下さい・・・」
神様「どうする、逃げるか?」
神使「最低ですね・・・ きちんと少女さんにお話をしたほうが」
神様「そ、そうね。 私は終始土下座をするからお前から話を───」
カサカサ
神様「?」
神使「どうされました?」
神様「・・・・・・。 いや、私ちょっとコーラ買ってくる」トテトテ
神使「あ、ちょっと神様逃げないで下さいよ」
763: 2019/01/11(金) 20:39:07 ID:irKyNpU6
─── 森の奥
神様「よ」
少女母「」ニコッ
神様「え~と・・・ いつのお前?」
少女母「さっき会ったばかりの私」ペロッ
神様「あ~ やっぱまだいたんだ。 っていうかなんでお前もメロン飴持ってるの?」
少女母「事象の収束って知ってる?」
神様「何だよ急に・・・ 確か、いくつかに分かれたメロン飴が最終的には1つになるって事だっけ?」
少女母「そう。 メロン飴じゃなくて時間だけどね」ペロッ
神様「・・・・・・。 それがどうした?」
少女母「あの子が狙われているって事も知ってる?」
神様「この前少女ちゃんから聞いた」
764: 2019/01/11(金) 20:40:40 ID:irKyNpU6
少女母「あの子はこの先、生きている限り狙われる」
神様「あ? でもその度に回避したって・・・ まさか!?」
少女母「そう、事象の収縮。 あの子が狙われることは確定しているわ」ペロッ
神様「・・・・・・」
少女母「その先にあるのは・・・」
神様「まさか、お前それを回避するためにタイムトラベルを・・・」
少女母「勝手よね。 あれだけ時間移動はダメだって言っておきながら」ペロッ
神様「・・・・・・。 ねぇ、そのメロン飴───」
少女母「自分でも分かってる。 でも、母親としてあの子にしてやれることなんかこの位しかないから」
神様「そ、そうか」
少女母「虫のいい話よね」
神様「少女ちゃんが捕まって、力が悪用されたらもっと悲劇が起こるんだろ?」
少女母「・・・・・・」
765: 2019/01/11(金) 20:43:02 ID:irKyNpU6
神様「回避できそうなのか?」
少女母「やっとたどり着けそう」
神様「分かった。 現在の少女ちゃんはどんな手を使ってでも私達が守る」
少女母「ありがとう」
神様「その代わり、回避出来たら知らせろよ?」
少女母「うん」フカブカ
神様「そんな畏まるな。 少女ちゃんが長いこと狙われ続けているのは私にも責任があるし・・・」
少女母「?」
神様「さっき、18歳の少女ちゃんを見ちゃったから」
少女母「違うわ。 神ちゃんのせいじゃないの」
神様「でも、間違いなくこの曇りなき眼に焼き付いてるけど・・・」
少女母「神が観測しても改変は起こらない。 神ちゃんならなおさら」
神様「あっ、そう言われれば・・・。 犬ころもハッキリ見たわけじゃないって言ってたし」
766: 2019/01/11(金) 20:44:16 ID:irKyNpU6
少女母「あの子を観測したのは私、さっき私も影から一緒に見てたわ」
神様「どういう事だ? 何でお前がそんな事をする必要が?」
少女母「事象の収束を遅らせるため」
神様「なるほど・・・ すいません、私の頭は完全にオーバーヒートしました。 だからそのメロン飴下さい」
少女母「ふふっ」クスッ
神様「・・・・・・。 お前さ、何処まで未来を知ってるの?」
少女母「元“時の女神”だもん。 何でも知ってるわよ?」ニコッ
神様「ったく。 怖いね~ 時間を超えられるヤツは。 ま、後は任せておけ」
少女母「ありがとう神ちゃん」
神様「その代わり取引だ」
少女母「?」
神様「お願いですからそのメロン飴下さい」ドゲザ
768: 2019/01/19(土) 21:13:01 ID:kHiKDmPI
─── 社務所
ガラガラ
神様「ただいま~」ペロペロ
神使「神様、どこに行かれてたのですか?」
神様「ん? ちょっとそこまで」ペロペロ
神使「・・・まさかメロン飴を買いに?」
神様「おや~ 欲しくなっちゃった? ペロペロしたくなっちゃた? でも、あ~げない」ペロペロ
少女「・・・・・・」ジー
神様「あげない!」ペロペロ
769: 2019/01/19(土) 21:13:47 ID:kHiKDmPI
少女「・・・・・・」ジー
神様「・・・・・・。 ちょ、ちょっとだけならペロってもいいよ?」
少女「いりません」
神使「そんなドロドロになった飴なんかあげようとしないで下さい・・・」
少女「それより、お話しがあります」
神様「私がかわゆすぎる件について?」
少女「この神社の今後についてです」
神様「あ~ 真面目なパティーンね」
770: 2019/01/19(土) 21:14:31 ID:kHiKDmPI
神使「実は私達も少女さんにお話しがありまし───」
神様「シャーラップ!」ゲシッ
神使「痛っ!」
神様「その件は片が付いたんだよ!」
神使「どういう事です?」
神様「私は悪くなかったという事」
神使「・・・・・・」ジトー
神様「そんなにメロン飴が欲しいならくれてやるよ! お口を開きやがれ!」ズボッ
神使「ふがっ!」
771: 2019/01/19(土) 21:15:18 ID:kHiKDmPI
神様「さぁ、少女よ。 このかわゆい神ちゃんに悩みを打ち明けなさい」
少女「私、この神社を継ごうと思います。 いえ、継がせて頂けないでしょうか」
神様「・・・・・・」
少女「身勝手なお願いだっていう事は承知してます。 でも───」
神様「いいよ」
少女「え?」
神使「あの神様、せめて少女さんのお話を最後まで聞いてから結論を出すべきでは・・・」ペロペロ
神様「寂れて人も来ないような無人神社を継ぎたい、って人がいるのに断る理由なんかないじゃん」
神使「それはそうなんですが・・・」
神様「それじゃぁ神使君、この神社を廃社にして売っぱらったらいくらになる?」
神使「社務所や本殿の解体費用でマイナスになると思います」ペロッ
神様「だろ? っていうか、返せよ私のメロン飴!」ガシッ
神使「あっ」
772: 2019/01/19(土) 21:15:57 ID:kHiKDmPI
少女「私、この場所が私とお母さんを繋ぐ唯一の場所だって分かったんです」
神使「そうでしたか」
少女「だから、私がお母さんが守ってきた神社を・・・ お母さんの意志を継いで───」
神様「ダメ」
少女「・・・・・・。 え?」
神使「あの神様、意味が分からないんですが・・・」
神様「アイツのために継ぐんだったらダメ。 いい? 少女ちゃんの人生は少女ちゃんが決めること」
少女「・・・・・・」
神様「継ぐと言うのは守ることだけじゃない。 進まないと行けないんだよ」
少女「進む・・・」
神様「少女ちゃんはこの神社を継いで進むことが出来る?」
少女「できます」
773: 2019/01/19(土) 21:16:35 ID:kHiKDmPI
神様「んじゃ今日からこの神社は少女ちゃんに任せる」
神使「少女さん、頑張って下さいね」
少女「ありがとうございます」ペコリ
神様「その代わりと言っちゃ何だけど~ お願いがあるんだよね~」クネクネ
少女「私に出来ることでしたら」
神様「本当に?」
少女「えぇ、まぁ」
神様「んじゃ、神になって?」
少女「神!? 私がですか?」
神様「そう。 お母さんと同じ“時の女神”に」
774: 2019/01/19(土) 21:17:44 ID:kHiKDmPI
─────
───
─
─── X年後
神様「いや~ 懐かしいね~」トテトテ
神使「毎年来ているじゃないですか」テクテク
神様「参拝者もだいぶ増えたな」
神使「あっ、神様あそこ見て下さい。 少女さんです」
神様「ん? 隣に巫女服着たちっこいのがいるけど?」
神使「最近赴任した神使さんです。 彼女は去年神使学校を主席で卒業した優秀な子だと聞いています」
神様「へ~ 二人とも巫女服姿がきゃわゆい!」
神使「ご挨拶にいきましょうか」
神様「そうね」
775: 2019/01/19(土) 21:19:10 ID:kHiKDmPI
新米神使「女神さま! お掃除終わりましたです!」ビシッ
少女「その女神さまっていうの恥ずかしいので止めて欲しいんですけど・・・」
新米神使「何を言っているんですか! 女神さまは私の憧れの神さまなんですから!」キラキラ
少女「憧れだなんて・・・」
新米神使「この神社に赴任し早1年、いつか私も女神さまのように立派な───」
少女「わ、分かりましたから。 それより本殿のお掃除をお願い出来ますか?」
新米神使「勿論です! でも・・・」
少女「?」
新米神使「どうして、この神社にはご神体がないんですか?」
少女「それは・・・」
新米神使「宮司も神職すらいないのも変だと思うんです。 衛士はいるのに」
少女「そう・・・ ですね・・・」
776: 2019/01/19(土) 21:20:27 ID:kHiKDmPI
新米神使「あの衛士さん達って神宮の神付衛士ですよね?」
少女「よく知ってますね」
新米神使「学校で習いましたから。 神を守れる衛士は全国に5人しかいない精鋭さんだって」
少女「そうなんですか?」
新米神使「何か理由でも?」
少女「えーと・・・」
新米神使「新米とは言え私もこの神社の神使! ぜひ教えて下さい!」ズイッ
少女「・・・・・・。 そ、それよりお掃除済ませたらお昼は新米神使ちゃんの好きな鴨鍋にしましょう」
新米神使「か・も・な・べ!?」パァ
少女「頑張って下さいね」ニコッ
新米神使「はい! 喜んで!!」タッタッタッ
少女「・・・・・・」ハァ
777: 2019/01/19(土) 21:21:24 ID:kHiKDmPI
お~い! 少女ちゃ~ん!
少女「?」クルッ
神様「久しぶり~」
神使「ご無沙汰しております」ペコリ
少女「神様に神使様! もうそんな季節なんですね」
神様「ま~ね~」
少女「毎年気にかけてお越し頂きありがとうございます」フカブカ
神使「そんなに畏まらないで下さい」
神様「立派に神さまやっているみたいだね」
神使「可愛らしい神使さんも居るようで」
少女「神宮の方には何度も神使の配属は断ったんですが」
778: 2019/01/19(土) 21:22:21 ID:kHiKDmPI
神様「まだ狙われてる?」
少女「はい。 でも神宮から派遣されている衛士さんたちがいるので」
神使「頼もしいですね」
神様「神社の方もそこそこ参拝者も来ているみたいだし」
神使「少女さんの神階も上がったそうで、おめでとうございます」
少女「私なんかまだまだです。 あの子と同じく右も左も分からない新米ですから」
神使「そんな事は無いですよ。 立派な主神様です」
神様「巫女服もよく似合ってる。 神だからってゴテゴテした服を着ないところが良し!」
少女「・・・・・・」
神様「少女ちゃん?」
少女「私、きちんとお母さんの後を継げているのかな?」
神使「立派に継げていると思いますよ?」
神様「そうそう、私が太鼓判を押してあげる」
779: 2019/01/19(土) 21:23:03 ID:kHiKDmPI
少女「私、この神社のことを何も知らないんです。 お母さんから詳しく聞いた事なんて無かったので・・・」
神様「アイツも少し位は教えるなり残すなりしておけば良かったのにな」
神使「きっと力の存在を知られないように念を入れていたのではないですかね」
神様「でも、神体がないなんてちょっとおかしいよな」
?「だって、神よりも先に神体がある方がおかしくない?」
少女・神様・神使「・・・・・・」クルッ
?「この神社も主神様が付いたことだし、ご神体を用意しないとね」
少女「お母・・・ さん・・・ どうして・・・」
少女母「久しぶり」ニコッ
780: 2019/01/19(土) 21:24:15 ID:kHiKDmPI
神様「よっ」
少女母「」フカブカ
神様「終わったのか?」
少女母「えぇ、全て」
神様「ご苦労様」
少女母「」ニコッ
神様「皆の者! 宴の準備だ!!」
おわり
781: 2019/01/19(土) 21:26:40 ID:kHiKDmPI
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります