1: 2012/04/02(月) 23:19:53.74 ID:APgzIBeG0
大人エレベーター。
それは、大人を旅する不思議なエレベーター。
~
向日葵「これもよさそうですわ。」
櫻子「こっちも似合うんじゃない??」
良く晴れた日曜日。
二人は休日を利用して、隣町までショッピングに来ていた。
寒かった冬もあけはじめ、今日は春物で何か良いものはないかと探しにきていたのだ。
しかし、それは表向きの理由。
本当の理由は他にもある。
櫻子(向日葵に……)
向日葵(櫻子に……)
櫻子&向日葵(何かサプライズでプレゼントしてあげること!!)
それは、大人を旅する不思議なエレベーター。
~
向日葵「これもよさそうですわ。」
櫻子「こっちも似合うんじゃない??」
良く晴れた日曜日。
二人は休日を利用して、隣町までショッピングに来ていた。
寒かった冬もあけはじめ、今日は春物で何か良いものはないかと探しにきていたのだ。
しかし、それは表向きの理由。
本当の理由は他にもある。
櫻子(向日葵に……)
向日葵(櫻子に……)
櫻子&向日葵(何かサプライズでプレゼントしてあげること!!)
2: 2012/04/02(月) 23:22:29.29 ID:APgzIBeG0
二人ともお互い同じもくろみを抱えていることは知らないだろうが、両者ともさっきから相手のことばかり気になっている。
向日葵(どうしましょう、プレゼントとは言ったものの……何をあげたらいいか……)
向日葵はまだ迷っている段階だった。
なんとか、帰るまでには必ず買っておかなければならないのだが。
対して、
櫻子(もう目はつけてある! この建物のことはあらかじめ調べまくったんだから!)
櫻子は、この計画を向日葵よりも先に思いついていたらしく、いつにない計画性を持って臨んでいた。
向日葵(どうしましょう、プレゼントとは言ったものの……何をあげたらいいか……)
向日葵はまだ迷っている段階だった。
なんとか、帰るまでには必ず買っておかなければならないのだが。
対して、
櫻子(もう目はつけてある! この建物のことはあらかじめ調べまくったんだから!)
櫻子は、この計画を向日葵よりも先に思いついていたらしく、いつにない計画性を持って臨んでいた。
4: 2012/04/02(月) 23:25:25.47 ID:APgzIBeG0
櫻子(ねーちゃんに聞いたんだもんね……こういう時のプレゼントはやっぱり小物。それも、普段なるべく身につけやすいもの。)
櫻子(大人だったらネックレスだとか指輪だとかいろいろあるんだろうけど、まだそんなのにはとても手が出ない……)
櫻子(でも、高価なものじゃなくていい。大切なのは、頑張って良いと思うものを選ぶこと。)
櫻子(というわけで私が選ぶのは……カチューシャ!)
櫻子はプレゼントのなんたるかを先輩である姉に教えてもらい、カチューシャのある階層まで調べあげていたので、後は選ぶ作業をするだけのところまで来ていた。
櫻子(大人だったらネックレスだとか指輪だとかいろいろあるんだろうけど、まだそんなのにはとても手が出ない……)
櫻子(でも、高価なものじゃなくていい。大切なのは、頑張って良いと思うものを選ぶこと。)
櫻子(というわけで私が選ぶのは……カチューシャ!)
櫻子はプレゼントのなんたるかを先輩である姉に教えてもらい、カチューシャのある階層まで調べあげていたので、後は選ぶ作業をするだけのところまで来ていた。
6: 2012/04/02(月) 23:28:51.83 ID:APgzIBeG0
向日葵(またまだ焦っちゃいけませんわ。時間はまだあるし……とりあえず色々まわってみて、櫻子が気になっているものをチェックしていくのが先決ですわね。)
櫻子(もうそろそろいいかな……)
向日葵「これなんか櫻子に合うんじゃありません?」
櫻子「あのさー向日葵! 私ちょっと他に見たいとこあるから、こっから少し別行動ね!」
向日葵「ええっ!?」
櫻子「んじゃーねー」
向日葵「ちょ、ちょっと!」がしっ
櫻子(もうそろそろいいかな……)
向日葵「これなんか櫻子に合うんじゃありません?」
櫻子「あのさー向日葵! 私ちょっと他に見たいとこあるから、こっから少し別行動ね!」
向日葵「ええっ!?」
櫻子「んじゃーねー」
向日葵「ちょ、ちょっと!」がしっ
9: 2012/04/02(月) 23:32:21.86 ID:APgzIBeG0
櫻子「うぇ? 何?」
向日葵「いやいや、それじゃなんの為に一緒に来たかわかりませんわよ!」(ここで行かれたらまずいですわ……!)
櫻子「いや、でもさ……」
向日葵「じゃあ、そこに私も一緒にいきますわ。」
櫻子「いやいやそれはダメ! 私ひとりでいきたいの!」
向日葵「そんな……ま、迷子になりますわよ!」
櫻子「な、なるわけないじゃん! じゃあ行くからねっ。」
向日葵「ちょっと!」
たったったった……
向日葵「いやいや、それじゃなんの為に一緒に来たかわかりませんわよ!」(ここで行かれたらまずいですわ……!)
櫻子「いや、でもさ……」
向日葵「じゃあ、そこに私も一緒にいきますわ。」
櫻子「いやいやそれはダメ! 私ひとりでいきたいの!」
向日葵「そんな……ま、迷子になりますわよ!」
櫻子「な、なるわけないじゃん! じゃあ行くからねっ。」
向日葵「ちょっと!」
たったったった……
10: 2012/04/02(月) 23:37:20.86 ID:APgzIBeG0
向日葵「え、ええ~……どうしましょう……」
向日葵「ひとりで行きたい場所って何……? と、とりあえず櫻子を追いかけませんとっ」
~
櫻子「確かエレベーターは……あ、ここだここだ。」
櫻子「上の……5階!」
ウィーン
櫻子「えーっと……え!?」
向日葵「ひとりで行きたい場所って何……? と、とりあえず櫻子を追いかけませんとっ」
~
櫻子「確かエレベーターは……あ、ここだここだ。」
櫻子「上の……5階!」
ウィーン
櫻子「えーっと……え!?」
12: 2012/04/02(月) 23:40:51.09 ID:APgzIBeG0
階層表示を見た櫻子は驚いた。
櫻子「なにこれ……0階から、100階まである……」
明らかにおかしい。そもそもこんなに階層があるエレベーターはおかしいけど、この建物は確か7階までのはずなのだ。
???「申し訳ありません」
櫻子「ひゃっ!!」
いつからそこに居たのか、自分よりも背の高めな女性が後ろに立っていた。
櫻子「あ、えーと、エレベーターガールさん……?」
EG「まぁ、そんなような者です。」
櫻子「ん、いや、あのー……」
ツッコミどころが多すぎて何から質問すればいいかよくわからない……けど。
櫻子「このエレベーターはなんなんですか!?」
櫻子「なにこれ……0階から、100階まである……」
明らかにおかしい。そもそもこんなに階層があるエレベーターはおかしいけど、この建物は確か7階までのはずなのだ。
???「申し訳ありません」
櫻子「ひゃっ!!」
いつからそこに居たのか、自分よりも背の高めな女性が後ろに立っていた。
櫻子「あ、えーと、エレベーターガールさん……?」
EG「まぁ、そんなような者です。」
櫻子「ん、いや、あのー……」
ツッコミどころが多すぎて何から質問すればいいかよくわからない……けど。
櫻子「このエレベーターはなんなんですか!?」
13: 2012/04/02(月) 23:44:48.97 ID:APgzIBeG0
――――――
向日葵「はあっ……もうっ」たったったっ
あっという間に引き離され、櫻子の姿を見失ってしまった。
向日葵「いったいどこに……」
櫻子はどうやらこの建物に詳しいらしい。自分は過去にほんの数回、親に連れられて訪れたことがあるらしいが、ほとんど覚えていないので建物の構造については知らないも同然であった。
どうやらこの階にはいないらしいが……
向日葵「えーっとエレベーターは……」
向日葵「!?」
向日葵「はあっ……もうっ」たったったっ
あっという間に引き離され、櫻子の姿を見失ってしまった。
向日葵「いったいどこに……」
櫻子はどうやらこの建物に詳しいらしい。自分は過去にほんの数回、親に連れられて訪れたことがあるらしいが、ほとんど覚えていないので建物の構造については知らないも同然であった。
どうやらこの階にはいないらしいが……
向日葵「えーっとエレベーターは……」
向日葵「!?」
14: 2012/04/02(月) 23:47:22.03 ID:APgzIBeG0
向日葵の前に立ちはだかったエレベーター、それは……なんというか……この場にはとても相応しくない外観のエレベーターであった。
向日葵「な、なにこれ……」
洋のテイストが強いというか、古めかしいというか、外装にやけに凝ってるなぁというか……
チーン
向日葵「わっ……!」
別にボタンを押したわけではないのに、扉は開いた。
中に乗っていたのは……小さな女の子が二人??
少女1「こっち。」
少女2「乗って?」
向日葵「…………」
向日葵「な、なにこれ……」
洋のテイストが強いというか、古めかしいというか、外装にやけに凝ってるなぁというか……
チーン
向日葵「わっ……!」
別にボタンを押したわけではないのに、扉は開いた。
中に乗っていたのは……小さな女の子が二人??
少女1「こっち。」
少女2「乗って?」
向日葵「…………」
15: 2012/04/02(月) 23:51:34.28 ID:APgzIBeG0
二人の格好は……まるでエレベーターガールのような感じで。
ハットを深く被っているので、顔はうまく確認できない。
ここで引き返すのが普通の人なのかもしれない。光景としては少し怖いくらいだし、何より怪しすぎる……
けど、
向日葵「し、失礼します……」
何故か身体は思うようには動いてくれないのであった。
少女1「ようこそ。」
少女2「大人のエレベーターへ。」
向日葵「お、おとなのエレベーター……??」
ハットを深く被っているので、顔はうまく確認できない。
ここで引き返すのが普通の人なのかもしれない。光景としては少し怖いくらいだし、何より怪しすぎる……
けど、
向日葵「し、失礼します……」
何故か身体は思うようには動いてくれないのであった。
少女1「ようこそ。」
少女2「大人のエレベーターへ。」
向日葵「お、おとなのエレベーター……??」
16: 2012/04/02(月) 23:55:14.32 ID:APgzIBeG0
櫻子「お、おとなのエレベーター……? って、何?」
EG「大人を旅する不思議なエレベーターです。」
櫻子「いや、あの、全然わかりません……」
EG「あなたにはこれから少し旅をして頂きます。」
櫻子「た、旅!? あの私、行きたい所があるんですけど……」
EG「ご安心を。お時間は取らせません。このエレベーターに乗ったときから、あなたの居た本来の世界の時間は停止しております。」
櫻子「どういうこと??」
EG「そうですね……」
EG「貴方はちょっとだけ夢を見るのです。」
EG「大人を旅する不思議なエレベーターです。」
櫻子「いや、あの、全然わかりません……」
EG「あなたにはこれから少し旅をして頂きます。」
櫻子「た、旅!? あの私、行きたい所があるんですけど……」
EG「ご安心を。お時間は取らせません。このエレベーターに乗ったときから、あなたの居た本来の世界の時間は停止しております。」
櫻子「どういうこと??」
EG「そうですね……」
EG「貴方はちょっとだけ夢を見るのです。」
17: 2012/04/02(月) 23:56:57.95 ID:APgzIBeG0
向日葵「ゆ、夢を……??」
少女1「これから貴方には何人かの人に会ってもらいます。」
少女2「それにあたって、ルールがあります。」
向日葵「ルール?」
少女1「ひとつ、貴方には必ず “人“ に会って頂きます。」
少女2「ひとつ、貴方はその “人“ に質問をしなければなりません。」
少女1「ひとつ、貴方は “人“ が帰ってもいいと言うまで、このエレベーターに戻ることはできません。」
少女2「こんな感じです。」
少女1「これから貴方には何人かの人に会ってもらいます。」
少女2「それにあたって、ルールがあります。」
向日葵「ルール?」
少女1「ひとつ、貴方には必ず “人“ に会って頂きます。」
少女2「ひとつ、貴方はその “人“ に質問をしなければなりません。」
少女1「ひとつ、貴方は “人“ が帰ってもいいと言うまで、このエレベーターに戻ることはできません。」
少女2「こんな感じです。」
18: 2012/04/03(火) 00:00:12.83 ID:NGfqI2YX0
向日葵「え、えーっと……よくわからないんですけれど……」
少女1「まあ、いけばわかります。」
少女2「そういうものです。」
向日葵「は、はあ………」
チーン
<23F>
『それでは、いってらっしゃい』
少女1「まあ、いけばわかります。」
少女2「そういうものです。」
向日葵「は、はあ………」
チーン
<23F>
『それでは、いってらっしゃい』
19: 2012/04/03(火) 00:03:03.66 ID:APgzIBeG0
――――――
櫻子「う、うおお!」
エレベーターを抜けた先は、……カフェ??
櫻子「なにこれ、全然場所がそぐわないというか……ってあれ!? エレベーター無いし!」
振り返るとエレベーターは消えていた。どこからどう見ても普通の喫茶店のようだ。
櫻子「ど、どうすればいいの……??」
櫻子「う、うおお!」
エレベーターを抜けた先は、……カフェ??
櫻子「なにこれ、全然場所がそぐわないというか……ってあれ!? エレベーター無いし!」
振り返るとエレベーターは消えていた。どこからどう見ても普通の喫茶店のようだ。
櫻子「ど、どうすればいいの……??」
21: 2012/04/03(火) 00:07:32.47 ID:NGfqI2YX0
「おーい、こっちこっち!」
櫻子「??」
「懐かしいね、大室さん。」
奥の方から近づいてくる二人の女の人。
見たことない……いや、ある!!
櫻子「あ、えぇ……??」
京子「やっほー! 京子だよん?」
結衣「ここの席にしようか。」
櫻子「歳納先輩!? 船見先輩!?」
22: 2012/04/03(火) 00:11:30.86 ID:NGfqI2YX0
――――――
向日葵「さ、さむ…………」
エレベーターから降りた向日葵の前に広がる景色は……どこかの旅館のような場所だった。
向日葵「雪が凄いですわね……」
自分は今廊下の真ん中にいるらしく、外の景色は一面真っ白であった。しんしんと降り積もるその景色には日本の良き冬を感じる……
向日葵「そ、そんなこと言ってる場合じゃありませんわ! ここの所は晴れ続きで、もう今は雪も溶けているはずなのに……」
向日葵「さ、さむ…………」
エレベーターから降りた向日葵の前に広がる景色は……どこかの旅館のような場所だった。
向日葵「雪が凄いですわね……」
自分は今廊下の真ん中にいるらしく、外の景色は一面真っ白であった。しんしんと降り積もるその景色には日本の良き冬を感じる……
向日葵「そ、そんなこと言ってる場合じゃありませんわ! ここの所は晴れ続きで、もう今は雪も溶けているはずなのに……」
24: 2012/04/03(火) 00:15:24.93 ID:NGfqI2YX0
「おー、おったおった。」
「あら、本当に古谷さんだわ!」
後ろの一室、すーっと開いた扉から近づいてくる浴衣姿の女性が二人。
わかる、この人たちは……
千歳「懐かしいなぁ古谷さん♪」
綾乃「いらっしゃい。部屋に入っちゃって?」
向日葵「す、杉浦先輩と……池田先輩……??」
25: 2012/04/03(火) 00:18:47.80 ID:NGfqI2YX0
櫻子「ほ、ほんとに歳納先輩と船見先輩なんですか!?」
結衣「そうだよ。驚いた?」
京子「証拠もあるよ? ……じゃーん!」
京子が出したのは免許証。……けれど明らかにおかしい部分がある……
櫻子「あのー、そのー……何歳なんですか??」
京子「歳納京子、23歳ですっ!」
結衣「船見結衣、23歳。」
結衣「そうだよ。驚いた?」
京子「証拠もあるよ? ……じゃーん!」
京子が出したのは免許証。……けれど明らかにおかしい部分がある……
櫻子「あのー、そのー……何歳なんですか??」
京子「歳納京子、23歳ですっ!」
結衣「船見結衣、23歳。」
27: 2012/04/03(火) 00:22:01.10 ID:NGfqI2YX0
櫻子「な、なんで!!? お二人は私のひとつ上の先輩だから……」
結衣「それは、ここが23階だからさ。」
櫻子「え……?」
結衣「……あれ? エレベーターガールさんが説明してくれてたと思うんだけど……」
櫻子「あれ……? そんなこと言ってたっけ……」
京子「おおすごい! このカフェ、ラムレーズンあるよ!?」
結衣「大室さんも、何か頼んじゃおうか。」
櫻子「あ、はいっ……///」
結衣「それは、ここが23階だからさ。」
櫻子「え……?」
結衣「……あれ? エレベーターガールさんが説明してくれてたと思うんだけど……」
櫻子「あれ……? そんなこと言ってたっけ……」
京子「おおすごい! このカフェ、ラムレーズンあるよ!?」
結衣「大室さんも、何か頼んじゃおうか。」
櫻子「あ、はいっ……///」
28: 2012/04/03(火) 00:24:52.43 ID:NGfqI2YX0
~
向日葵「え、えーっと、つまり……」
綾乃「ここに来るのは初めてなのね。状況の整理をするわ。」
千歳「お茶とお団子きたで~」
向日葵「あ、ありがとうございます。」
綾乃「まず、私は杉浦綾乃。23歳。こっちは千歳。同じく23歳。」
千歳「えへへへ……」
向日葵「え、えーっと、つまり……」
綾乃「ここに来るのは初めてなのね。状況の整理をするわ。」
千歳「お茶とお団子きたで~」
向日葵「あ、ありがとうございます。」
綾乃「まず、私は杉浦綾乃。23歳。こっちは千歳。同じく23歳。」
千歳「えへへへ……」
29: 2012/04/03(火) 00:28:42.11 ID:NGfqI2YX0
綾乃「何故23歳か。それはここが23階だから。」
向日葵「は、はあ……」
千歳「エレベーターの中で、ルールの説明とかされへんかった?」
向日葵「あ、ああ、されました! ……人に会って質問をするとかなんとか……」
綾乃「そう、それ! 古谷さんは、私たちに質問をしなければならないの。」
千歳「古谷さんはまだ中学生や……わからないこともいっぱいあるはずなんや。 そういう質問をぶつけてきてもらって構わへんから、有意義な時間にしよう。そういうことや。」
向日葵「質問と言われましても……えーと……」
綾乃「なんでもいいのよ? 例えば……」
千歳「大室さんとのこととかな!」
向日葵「ええっ!?」
向日葵「は、はあ……」
千歳「エレベーターの中で、ルールの説明とかされへんかった?」
向日葵「あ、ああ、されました! ……人に会って質問をするとかなんとか……」
綾乃「そう、それ! 古谷さんは、私たちに質問をしなければならないの。」
千歳「古谷さんはまだ中学生や……わからないこともいっぱいあるはずなんや。 そういう質問をぶつけてきてもらって構わへんから、有意義な時間にしよう。そういうことや。」
向日葵「質問と言われましても……えーと……」
綾乃「なんでもいいのよ? 例えば……」
千歳「大室さんとのこととかな!」
向日葵「ええっ!?」
33: 2012/04/03(火) 00:33:30.65 ID:NGfqI2YX0
――――――
「お待たせしました。抹茶ケーキ、ホワイトシフォン、極上ラムレーズンになります。」
京子「うぉーきたぁ……!」
結衣「はい、大室さん。」
櫻子「あっ、ありがとうございます。」
京子「ほぁぁ、うめー///」
結衣「ちょっと京子、ちゃんと大室さんと話しないとなんだぞ?」
京子「うん、大丈夫わかってるよ。」
結衣「さて……質問、思い浮かんだかな?」
櫻子「え~、えぇっと……」
「お待たせしました。抹茶ケーキ、ホワイトシフォン、極上ラムレーズンになります。」
京子「うぉーきたぁ……!」
結衣「はい、大室さん。」
櫻子「あっ、ありがとうございます。」
京子「ほぁぁ、うめー///」
結衣「ちょっと京子、ちゃんと大室さんと話しないとなんだぞ?」
京子「うん、大丈夫わかってるよ。」
結衣「さて……質問、思い浮かんだかな?」
櫻子「え~、えぇっと……」
35: 2012/04/03(火) 00:37:12.15 ID:NGfqI2YX0
京子「恥ずかしがることとか、ないからね? 私たちはそっちの世界とは違う所にいる人だと思ってくれていいから。というか実際違うしね。」
結衣「ちなみに質問しないと帰れないかも……」
櫻子「ええっ!? それは困ります!」
京子「そうだ、今日は何してたの?」
櫻子「あっ、今日は向日葵と買い物に……」
結衣「おっ、それでいいんだよ。」
櫻子「えっ?」
結衣「古谷さんとの関係で、何か悩む事とかあるでしょ?」
櫻子「そ、そうですね……いっぱいあります……」
京子「ふっふっふ、そっから話を拡げていこうか。」
結衣「ちなみに質問しないと帰れないかも……」
櫻子「ええっ!? それは困ります!」
京子「そうだ、今日は何してたの?」
櫻子「あっ、今日は向日葵と買い物に……」
結衣「おっ、それでいいんだよ。」
櫻子「えっ?」
結衣「古谷さんとの関係で、何か悩む事とかあるでしょ?」
櫻子「そ、そうですね……いっぱいあります……」
京子「ふっふっふ、そっから話を拡げていこうか。」
36: 2012/04/03(火) 00:39:46.79 ID:NGfqI2YX0
――――――
向日葵「じゃあ、ついさっきのことなんですけど……」
千歳「うんうん。」
向日葵「今日は櫻子と一緒にショッピングに来てて、何かプレゼントでもしてあげたいなーって思ってたんですけど……こういう時は何がいいんでしょうか……?」
綾乃「あープレゼントねぇ……まあちゃんと頑張って選べば基本はどんなものでもいいんだけど……」
千歳「やっぱり、よく使うものとかがええんとちゃう?」
向日葵「よく使うもの……?」
向日葵「じゃあ、ついさっきのことなんですけど……」
千歳「うんうん。」
向日葵「今日は櫻子と一緒にショッピングに来てて、何かプレゼントでもしてあげたいなーって思ってたんですけど……こういう時は何がいいんでしょうか……?」
綾乃「あープレゼントねぇ……まあちゃんと頑張って選べば基本はどんなものでもいいんだけど……」
千歳「やっぱり、よく使うものとかがええんとちゃう?」
向日葵「よく使うもの……?」
37: 2012/04/03(火) 00:42:32.88 ID:NGfqI2YX0
綾乃「たとえばね?……これ。」
向日葵「?」
綾乃「このピアス……これは千歳が私の誕生日にプレゼントしてくれたの。」
千歳「あはっ……ちょっと恥ずかしいわぁ」
綾乃の耳には、控えめではあるがその存在を優しく強調する小さなピアスがつけられていた。
向日葵「杉浦先輩、綺麗です……」
綾乃「そう? ふふ、ありがとね。」
向日葵「?」
綾乃「このピアス……これは千歳が私の誕生日にプレゼントしてくれたの。」
千歳「あはっ……ちょっと恥ずかしいわぁ」
綾乃の耳には、控えめではあるがその存在を優しく強調する小さなピアスがつけられていた。
向日葵「杉浦先輩、綺麗です……」
綾乃「そう? ふふ、ありがとね。」
39: 2012/04/03(火) 00:45:11.09 ID:NGfqI2YX0
千歳「こういうのでええと思うんやけど。中学生はピアスはあかんけど……」
向日葵「な、なるほど。」
櫻子がいつでも身につけられるようなもので、貰って嬉しいもので、櫻子に気に入ってもらえそうなものは……
向日葵「ヘアピン……とかどうでしょう?」
綾乃「そうね。 私も良いと思うわ!」
千歳「よかったなぁ。見つかったやん! ……こんな感じで質問していけばええんよ?」
向日葵「な、なるほど……! ありがとうございます!」
綾乃「じゃあ、二つ目行ってみましょうか。」
向日葵「な、なるほど。」
櫻子がいつでも身につけられるようなもので、貰って嬉しいもので、櫻子に気に入ってもらえそうなものは……
向日葵「ヘアピン……とかどうでしょう?」
綾乃「そうね。 私も良いと思うわ!」
千歳「よかったなぁ。見つかったやん! ……こんな感じで質問していけばええんよ?」
向日葵「な、なるほど……! ありがとうございます!」
綾乃「じゃあ、二つ目行ってみましょうか。」
40: 2012/04/03(火) 00:47:53.09 ID:NGfqI2YX0
――――――
櫻子「その……向日葵はいつも凄い私にいろいろしてくれるんです。 遊ぶときはいつも一緒だし、勉強もみてもらってるし、お菓子を作ってくれたりとか……」
櫻子「でも、私は……向日葵に何もしてあげられてないような気がするんです……。何をするにも向日葵の方が凄くて、上手で……なんか申し訳なくなってくるぐらいで……」
結衣「……なるほどねぇ。」
京子「…………」
結衣「さて、ここにいる京子さんが、きっと大室さんの今の気持ちを一番わかってくれていると思いますので、お話を聞いてみましょうか。」
京子「ふふふ、照れるねぇ」
結衣「褒めてないけどね。」
櫻子「その……向日葵はいつも凄い私にいろいろしてくれるんです。 遊ぶときはいつも一緒だし、勉強もみてもらってるし、お菓子を作ってくれたりとか……」
櫻子「でも、私は……向日葵に何もしてあげられてないような気がするんです……。何をするにも向日葵の方が凄くて、上手で……なんか申し訳なくなってくるぐらいで……」
結衣「……なるほどねぇ。」
京子「…………」
結衣「さて、ここにいる京子さんが、きっと大室さんの今の気持ちを一番わかってくれていると思いますので、お話を聞いてみましょうか。」
京子「ふふふ、照れるねぇ」
結衣「褒めてないけどね。」
41: 2012/04/03(火) 00:50:23.72 ID:NGfqI2YX0
京子「ちょいと昔話をしますと……私も同じことで悩んでいたときがあります。」
京子「中学生の頃は、よく結衣の家に遊びに行って、泊まって……平日にだよ? ちょっと流石に泊まりすぎてたような気がしなくもないかな。」
結衣「まあ中学生の頃っていうか、それ以降もあんまり変わらなかったけどね。」
京子「あはははは……まあそっか」
櫻子「へえ……」
京子「こほん……話を戻すと、私はとても結衣に迷惑をかけまくっていたのです。」
京子「私も流石に思ったね。 これは悪いなー!ってさ。」
京子「一回、結衣に思ってることを全部打ち明けたこともあった。今までごめん!とかね。」
京子「中学生の頃は、よく結衣の家に遊びに行って、泊まって……平日にだよ? ちょっと流石に泊まりすぎてたような気がしなくもないかな。」
結衣「まあ中学生の頃っていうか、それ以降もあんまり変わらなかったけどね。」
京子「あはははは……まあそっか」
櫻子「へえ……」
京子「こほん……話を戻すと、私はとても結衣に迷惑をかけまくっていたのです。」
京子「私も流石に思ったね。 これは悪いなー!ってさ。」
京子「一回、結衣に思ってることを全部打ち明けたこともあった。今までごめん!とかね。」
42: 2012/04/03(火) 00:53:11.04 ID:NGfqI2YX0
京子「でも、そんな急に離れるなんてのもできなくてね……すぐに寂しくなっちゃったよ。」
京子「そこで結衣は、私にこう言ってくれた。」
「別に迷惑だなんて思ったこと、一度もないよ。むしろ……いつも来てくれて嬉しいんだからさ。」
櫻子「えっ……?」
結衣「私は本当のことを言っただけだよ。京子が来ない日は私もつまんないって思ってたし、毎日でも来て欲しかったんだ。」
京子「だから私は、私にできることを少しずつやっていくようにしたんだ。家事とかを、結衣にならってなるべく手伝うようにしたり……」
結衣「そして今では……」
京子「えへへへへ……///」
櫻子「??」
京子「そこで結衣は、私にこう言ってくれた。」
「別に迷惑だなんて思ったこと、一度もないよ。むしろ……いつも来てくれて嬉しいんだからさ。」
櫻子「えっ……?」
結衣「私は本当のことを言っただけだよ。京子が来ない日は私もつまんないって思ってたし、毎日でも来て欲しかったんだ。」
京子「だから私は、私にできることを少しずつやっていくようにしたんだ。家事とかを、結衣にならってなるべく手伝うようにしたり……」
結衣「そして今では……」
京子「えへへへへ……///」
櫻子「??」
44: 2012/04/03(火) 00:56:47.93 ID:NGfqI2YX0
結衣「京子は今、私と同棲してるんだ。二人とも働いてるから、生活費とかの心配はもう無いしね。」
櫻子「え……ええー!! 凄い!!」
京子「中学の頃からズルズル続けてるって言えば聞こえは悪いけど……私はちゃんと結衣と一緒にいれるようになりたかったんだ。」
櫻子「す、凄い……!! そういうのもアリなんだぁ……!」
京子「それと一緒なんじゃないかな。」
結衣「古谷さんが、大室さんのことを悪い風に思うなんてことはないと思うよ。これはいつもの二人を見てれば誰でもわかる。」
櫻子「そ、そうですかね……」
京子「だから、たまには自分から何かしてあげられることを探してみればいいんじゃない?」
櫻子「あっ……私、今日向日葵にプレゼント渡す予定だったんです!」
京子「おお! いいじゃん!」
櫻子「え……ええー!! 凄い!!」
京子「中学の頃からズルズル続けてるって言えば聞こえは悪いけど……私はちゃんと結衣と一緒にいれるようになりたかったんだ。」
櫻子「す、凄い……!! そういうのもアリなんだぁ……!」
京子「それと一緒なんじゃないかな。」
結衣「古谷さんが、大室さんのことを悪い風に思うなんてことはないと思うよ。これはいつもの二人を見てれば誰でもわかる。」
櫻子「そ、そうですかね……」
京子「だから、たまには自分から何かしてあげられることを探してみればいいんじゃない?」
櫻子「あっ……私、今日向日葵にプレゼント渡す予定だったんです!」
京子「おお! いいじゃん!」
45: 2012/04/03(火) 01:00:09.56 ID:NGfqI2YX0
結衣「よし……じゃあそろそろ帰ろうか。大室さん、エレベーターに戻って?」
振り返ると、さっきまでなかったはずの場所にエレベーターがあった。
櫻子「あっ……ありがとうござました!」
京子「へへへ……そっちの私たちにもよろしくね~」
結衣「あ……大事なことを聞き忘れてた。」
櫻子「??」
結衣「古谷さんのこと、好き?」
櫻子「!!」
そんなこと、人前で言ったことない。
でも……これは夢だから。
櫻子「はい……大好きです。」
振り返ると、さっきまでなかったはずの場所にエレベーターがあった。
櫻子「あっ……ありがとうござました!」
京子「へへへ……そっちの私たちにもよろしくね~」
結衣「あ……大事なことを聞き忘れてた。」
櫻子「??」
結衣「古谷さんのこと、好き?」
櫻子「!!」
そんなこと、人前で言ったことない。
でも……これは夢だから。
櫻子「はい……大好きです。」
48: 2012/04/03(火) 01:04:10.91 ID:NGfqI2YX0
――――――
向日葵「これもさっきのことなんですけど……今日は一緒に買い物に来ていて、櫻子が急に一人でどこかへ行ってしまったんです。迷子にならないといいけど……私、櫻子が一人で行きたい場所っていうのがわからなくて……」
綾乃「ん、ん~ちょっと難しいわね……」
千歳「一人で行きたい場所……」
向日葵「それに、私に隠し事をしてるような感じで……」
千歳(!)
千歳「綾乃ちゃん……」ゴニョゴニョ
綾乃「あっ あ~ なるほど……」
向日葵「これもさっきのことなんですけど……今日は一緒に買い物に来ていて、櫻子が急に一人でどこかへ行ってしまったんです。迷子にならないといいけど……私、櫻子が一人で行きたい場所っていうのがわからなくて……」
綾乃「ん、ん~ちょっと難しいわね……」
千歳「一人で行きたい場所……」
向日葵「それに、私に隠し事をしてるような感じで……」
千歳(!)
千歳「綾乃ちゃん……」ゴニョゴニョ
綾乃「あっ あ~ なるほど……」
49: 2012/04/03(火) 01:07:10.02 ID:NGfqI2YX0
綾乃「おほん……古谷さん、たぶん大室さんの行きたいって言ってる所はだいたいわかったわ。」
向日葵「えっ! 本当ですか!?」
綾乃「でも、それがどこかはまだ言えないかな。」
千歳「心配せんでもええ。大室さんは必ず戻ってくると思うんよ?」
向日葵「そ、そうですかね……」
綾乃「ふふ……二人はいつも一緒だから、少しでも離れると心配になっちゃうのね。」
向日葵「う……///」
千歳「さて……こんなもんかなぁ?」
綾乃「そうね。たぶんまた次の階に行かなきゃいけないと思うわ。」
向日葵「えっ! 本当ですか!?」
綾乃「でも、それがどこかはまだ言えないかな。」
千歳「心配せんでもええ。大室さんは必ず戻ってくると思うんよ?」
向日葵「そ、そうですかね……」
綾乃「ふふ……二人はいつも一緒だから、少しでも離れると心配になっちゃうのね。」
向日葵「う……///」
千歳「さて……こんなもんかなぁ?」
綾乃「そうね。たぶんまた次の階に行かなきゃいけないと思うわ。」
51: 2012/04/03(火) 01:10:58.78 ID:NGfqI2YX0
向日葵「あっ、せ、先輩方、今日はどうもありがとうございました!」
千歳「ええんよええんよ。これはそういう時間なんやから。」
綾乃「それより……大室さんのこと、しっかりね。大室さんが一番頼れるのは古谷さんなんだから。」
向日葵「はい……!」
チーン
向日葵「あっ……」
綾乃「じゃあね、古谷さん!」
千歳「そっちのウチらにもよろしくな~?」
向日葵「はいっ……ありがとうございました!」
千歳「ええんよええんよ。これはそういう時間なんやから。」
綾乃「それより……大室さんのこと、しっかりね。大室さんが一番頼れるのは古谷さんなんだから。」
向日葵「はい……!」
チーン
向日葵「あっ……」
綾乃「じゃあね、古谷さん!」
千歳「そっちのウチらにもよろしくな~?」
向日葵「はいっ……ありがとうございました!」
53: 2012/04/03(火) 01:15:05.58 ID:NGfqI2YX0
――――――
EG「おかえりなさい。」
櫻子「あ、あー……なんかちょっとずつわかってきたような気がします。」
EG「それはよかった。」
~
向日葵「この夢は……どれくらいあるんですの?」
少女1「そんなにないかも。」
少女2「でも少しあるかも。」
向日葵「はぁ……」
『さて、お次は』
チーン
<18F>
『いってらっしゃい』
EG「おかえりなさい。」
櫻子「あ、あー……なんかちょっとずつわかってきたような気がします。」
EG「それはよかった。」
~
向日葵「この夢は……どれくらいあるんですの?」
少女1「そんなにないかも。」
少女2「でも少しあるかも。」
向日葵「はぁ……」
『さて、お次は』
チーン
<18F>
『いってらっしゃい』
54: 2012/04/03(火) 01:18:09.59 ID:NGfqI2YX0
――――――
櫻子「ここは……」
櫻子「公園だ!」
いつしか来たことがあるような気がする。確かあのときは……
???「だーれだっ」がばっ
櫻子「うわっ!?」
突然後ろから目を覆われた……その手はあったかくて……女の人の手のようで……
???「あははっ、櫻子ちゃん!」ぱっ
櫻子「あっ……」
そこにあったのは見知った顔。制服を着ているあたり学生と見ていいだろう。というか、なんといっても特徴的なそのお団子ヘアーは……
櫻子「あ、あかりちゃん!?」
あかり「そうだよっ♪」
櫻子「ここは……」
櫻子「公園だ!」
いつしか来たことがあるような気がする。確かあのときは……
???「だーれだっ」がばっ
櫻子「うわっ!?」
突然後ろから目を覆われた……その手はあったかくて……女の人の手のようで……
???「あははっ、櫻子ちゃん!」ぱっ
櫻子「あっ……」
そこにあったのは見知った顔。制服を着ているあたり学生と見ていいだろう。というか、なんといっても特徴的なそのお団子ヘアーは……
櫻子「あ、あかりちゃん!?」
あかり「そうだよっ♪」
56: 2012/04/03(火) 01:21:30.01 ID:NGfqI2YX0
――――――
向日葵「えーと……ここは??」
あれ、ここ来たことある……って、
向日葵「ごらく部の……いや、茶道部の茶室……」
???「あっ、きたかな?」
ガラッ
向日葵「あっ……!」
扉を開いたのは……まだその面影を大きく残した友人。
向日葵「よ、吉川さん!?」
吉川「こっち、入って入って♪」
向日葵「えーと……ここは??」
あれ、ここ来たことある……って、
向日葵「ごらく部の……いや、茶道部の茶室……」
???「あっ、きたかな?」
ガラッ
向日葵「あっ……!」
扉を開いたのは……まだその面影を大きく残した友人。
向日葵「よ、吉川さん!?」
吉川「こっち、入って入って♪」
58: 2012/04/03(火) 01:24:09.00 ID:NGfqI2YX0
あかり「あらためまして、赤座あかり、18歳、高校三年生です!」
櫻子「ほぁーほんとにあかりちゃんだ……!」
あかり「えへへ……また会えて嬉しいよぉ
。」
櫻子「…………」
櫻子「また、って……もう高校生になった私はあかりちゃんと会ってないの??」
あかり「あっ、そ、そういうことじゃないよっ? ちゃんと今でも櫻子ちゃんと会ったりはしてるの。 中学生のときの櫻子ちゃんにまた会えて、ってことだよぉ。」
櫻子「あっ……なんだ、よかったあ。」
あかり「うん……お友達とはなればなれになっちゃうのは嫌だもんねぇ。」
櫻子「うん………」
櫻子「ほぁーほんとにあかりちゃんだ……!」
あかり「えへへ……また会えて嬉しいよぉ
。」
櫻子「…………」
櫻子「また、って……もう高校生になった私はあかりちゃんと会ってないの??」
あかり「あっ、そ、そういうことじゃないよっ? ちゃんと今でも櫻子ちゃんと会ったりはしてるの。 中学生のときの櫻子ちゃんにまた会えて、ってことだよぉ。」
櫻子「あっ……なんだ、よかったあ。」
あかり「うん……お友達とはなればなれになっちゃうのは嫌だもんねぇ。」
櫻子「うん………」
59: 2012/04/03(火) 01:27:45.48 ID:NGfqI2YX0
あかり「あっ、しんみりしちゃったねっ えーっと……寒くない??」
櫻子「んー、ちょっとだけ。」
あかり「じゃあなんか買ってくるよぉ♪」
櫻子「あ、私もいくー」
自販機の前で小銭を確かめるあかり。……そうだ、思い出した。
櫻子「ここ、学校の裏の公園だっけ。」
あかり「そうそう。櫻子ちゃんと向日葵ちゃん、一回ここで迷子になってたよねぇ。」
櫻子「わー恥ずかしい……ん?」
櫻子「というか、六年前のことでしょ? よく覚えてるね。」
あかり「あ……そのあたりのことは、ちょっとノーコメントなんだ。 その……これは夢だから、私もちゃんと覚えてるっていうか。」
櫻子「へ、へぇ……」
なにか聞いてはいけない事情があるのだろうか。
櫻子「んー、ちょっとだけ。」
あかり「じゃあなんか買ってくるよぉ♪」
櫻子「あ、私もいくー」
自販機の前で小銭を確かめるあかり。……そうだ、思い出した。
櫻子「ここ、学校の裏の公園だっけ。」
あかり「そうそう。櫻子ちゃんと向日葵ちゃん、一回ここで迷子になってたよねぇ。」
櫻子「わー恥ずかしい……ん?」
櫻子「というか、六年前のことでしょ? よく覚えてるね。」
あかり「あ……そのあたりのことは、ちょっとノーコメントなんだ。 その……これは夢だから、私もちゃんと覚えてるっていうか。」
櫻子「へ、へぇ……」
なにか聞いてはいけない事情があるのだろうか。
61: 2012/04/03(火) 01:31:53.69 ID:NGfqI2YX0
ガシャン
あかり「はい、 コーンスープ♪」
櫻子「わーいありがとー♪」
あかり「じゃ、ここに座って?」
ベンチの上に座る。まだ記憶に新しい光景。
……ここは向日葵と一緒に座った場所だ。
あかり「はい、質問たーいむ♪ 櫻子ちゃん、質問をどうぞ?」
櫻子「あーそっか、考えてなかった。えーっと……」
あかり「はい、 コーンスープ♪」
櫻子「わーいありがとー♪」
あかり「じゃ、ここに座って?」
ベンチの上に座る。まだ記憶に新しい光景。
……ここは向日葵と一緒に座った場所だ。
あかり「はい、質問たーいむ♪ 櫻子ちゃん、質問をどうぞ?」
櫻子「あーそっか、考えてなかった。えーっと……」
62: 2012/04/03(火) 01:34:42.67 ID:NGfqI2YX0
――――――
ちなつ「向日葵ちゃん久しぶりだねー♪」
向日葵「えっ……久しぶりって、今の吉川さんと私は連絡とか取り合ってないんですの??」
ちなつ「んーん。ちゃんと取ってるよ? 中学生の頃の向日葵ちゃんに会うのが久しぶり、ってこと。」
向日葵「あっ……よかった。」
ちなつ「あははは……」
向日葵「えっと……吉川さんは18歳なんですの?」
ちなつ「そ。 ここは18階だから。」
向日葵「その……とても綺麗です」
ちなつ「ふふ、ありがと♪ ちょっと待っててね?」
ちなつ「向日葵ちゃん久しぶりだねー♪」
向日葵「えっ……久しぶりって、今の吉川さんと私は連絡とか取り合ってないんですの??」
ちなつ「んーん。ちゃんと取ってるよ? 中学生の頃の向日葵ちゃんに会うのが久しぶり、ってこと。」
向日葵「あっ……よかった。」
ちなつ「あははは……」
向日葵「えっと……吉川さんは18歳なんですの?」
ちなつ「そ。 ここは18階だから。」
向日葵「その……とても綺麗です」
ちなつ「ふふ、ありがと♪ ちょっと待っててね?」
63: 2012/04/03(火) 01:39:11.25 ID:NGfqI2YX0
ちなつはお茶を点てはじめた。その手際の良さには驚くものがある。
……そういえばごらく部にいるのも、最初は茶道部に入ろうとしてたからだとかって話だったっけ。
ちなつ「………」カッカッカッカッ
向日葵(す、すごい……!)
こっちのちなつ……中学生のちなつを見ているときから思っていたことだが、ちなつはかわいい。
茶を点てる姿は真剣そのものだが、どこかその辺りのモデルと比べてもちなつの方が断然かわいいだろう。
18歳なったら、私はどうなるのだろうか……
ちなつ「はい。」
向日葵「あっ……ありがとうございます。」
抹茶を飲むのは初めてだ。でも既に香りから美味しそうである。
……そういえばごらく部にいるのも、最初は茶道部に入ろうとしてたからだとかって話だったっけ。
ちなつ「………」カッカッカッカッ
向日葵(す、すごい……!)
こっちのちなつ……中学生のちなつを見ているときから思っていたことだが、ちなつはかわいい。
茶を点てる姿は真剣そのものだが、どこかその辺りのモデルと比べてもちなつの方が断然かわいいだろう。
18歳なったら、私はどうなるのだろうか……
ちなつ「はい。」
向日葵「あっ……ありがとうございます。」
抹茶を飲むのは初めてだ。でも既に香りから美味しそうである。
65: 2012/04/03(火) 01:42:53.25 ID:NGfqI2YX0
向日葵「……わっ、美味しい!」
ちなつ「えへへ、お粗末さまです。」
向日葵「すごい……」
自分も少し茶道に興味が出てきた……ここまでされて圧倒されてしまった。今のちなつはとてもかっこよく見える。
向日葵「ところでここってうちの中学ですよね……どうやって入ったんですの?」
ちなつ「あはは、細かいことは気にしないで? ここは夢の世界だからさ。」
向日葵「はぁ……なるほど。」
ちなつ「はい、じゃあ質問をどうぞ。」
向日葵「あっ、えーと……」
ちなつ「えへへ、お粗末さまです。」
向日葵「すごい……」
自分も少し茶道に興味が出てきた……ここまでされて圧倒されてしまった。今のちなつはとてもかっこよく見える。
向日葵「ところでここってうちの中学ですよね……どうやって入ったんですの?」
ちなつ「あはは、細かいことは気にしないで? ここは夢の世界だからさ。」
向日葵「はぁ……なるほど。」
ちなつ「はい、じゃあ質問をどうぞ。」
向日葵「あっ、えーと……」
66: 2012/04/03(火) 01:47:18.78 ID:NGfqI2YX0
――――――
櫻子「私、そっちの私って今何をしてるの??」
あかり「あーっ……そういうのは言えない決まりなの。未来が大きく変わっちゃうから。」
櫻子「そ、そうなんだ……」
櫻子「じゃあ……あのね、私…これからもずっと一緒にいたい友達がいるんだけど……」
あかり「うふふ、そんな遠回しな言い方しなくてもいいよぉ。 向日葵ちゃんでしょ?」
櫻子「あっ……///」
あかり「大丈夫、恥ずかしがらないで? ここは櫻子ちゃんの夢の中なんだから。」
櫻子「う、うん……。」
櫻子「私、そっちの私って今何をしてるの??」
あかり「あーっ……そういうのは言えない決まりなの。未来が大きく変わっちゃうから。」
櫻子「そ、そうなんだ……」
櫻子「じゃあ……あのね、私…これからもずっと一緒にいたい友達がいるんだけど……」
あかり「うふふ、そんな遠回しな言い方しなくてもいいよぉ。 向日葵ちゃんでしょ?」
櫻子「あっ……///」
あかり「大丈夫、恥ずかしがらないで? ここは櫻子ちゃんの夢の中なんだから。」
櫻子「う、うん……。」
67: 2012/04/03(火) 01:49:51.38 ID:NGfqI2YX0
櫻子「それで……私たちはまだ中学生だし、これから何があるかわからないでしょ?」
櫻子「受験とかさ……私、正直向日葵と一緒のところに行ける気がしない……」
あかり「!」
櫻子「それでも、離れたくはないの……向日葵がいなくなったら私、つまんなすぎて爆発しちゃうよ。……どうすればいいのかなぁ」
あかり「ダメだよ、やる前から諦めちゃ!」
櫻子「えっ……」ビクッ
櫻子「受験とかさ……私、正直向日葵と一緒のところに行ける気がしない……」
あかり「!」
櫻子「それでも、離れたくはないの……向日葵がいなくなったら私、つまんなすぎて爆発しちゃうよ。……どうすればいいのかなぁ」
あかり「ダメだよ、やる前から諦めちゃ!」
櫻子「えっ……」ビクッ
70: 2012/04/03(火) 01:52:44.64 ID:NGfqI2YX0
あかり「あ、ごめんね? でも、諦めちゃダメ。まだ中学一年生! 勉強なんてこれからでも全然なんとかなるんだから。」
櫻子「そっ、そうなの?」
あかり「だって、向日葵ちゃんと一緒にいたいんでしょ? その気持ちがあれば頑張れるはずでしょ?」
櫻子「うん……」
あかり「……簡単に諦められるなんて、向日葵ちゃんのことを軽く思ってるってことだよ。」
櫻子「そ、そんな!」
あかり「……いいよ。じゃあ、ルール違反しちゃう。櫻子ちゃん、向日葵ちゃんと別の高校行くから。」
櫻子「えっ……えええええっ!!?」
櫻子「そっ、そうなの?」
あかり「だって、向日葵ちゃんと一緒にいたいんでしょ? その気持ちがあれば頑張れるはずでしょ?」
櫻子「うん……」
あかり「……簡単に諦められるなんて、向日葵ちゃんのことを軽く思ってるってことだよ。」
櫻子「そ、そんな!」
あかり「……いいよ。じゃあ、ルール違反しちゃう。櫻子ちゃん、向日葵ちゃんと別の高校行くから。」
櫻子「えっ……えええええっ!!?」
73: 2012/04/03(火) 01:55:27.24 ID:NGfqI2YX0
あかり「…………」
櫻子「い、いや……そんなの……! 嫌だ!」
あかり「……でも言っておくけど、未来は変えられるからね? 今から櫻子ちゃんが頑張れば、向日葵ちゃんと一緒の学校いけるよ!」
櫻子「…………」
あかり「ごっ、ごめんね?? 強く言っちゃったけど……そっちのあかりも、もちろん向日葵ちゃんも、櫻子ちゃんのお勉強手伝うから!」
櫻子「そ、そうなんだ……」
あかり「は、はい! この話題はここでおしまい! 次の質問をどうぞ?」ぱんっ
櫻子「い、いや……そんなの……! 嫌だ!」
あかり「……でも言っておくけど、未来は変えられるからね? 今から櫻子ちゃんが頑張れば、向日葵ちゃんと一緒の学校いけるよ!」
櫻子「…………」
あかり「ごっ、ごめんね?? 強く言っちゃったけど……そっちのあかりも、もちろん向日葵ちゃんも、櫻子ちゃんのお勉強手伝うから!」
櫻子「そ、そうなんだ……」
あかり「は、はい! この話題はここでおしまい! 次の質問をどうぞ?」ぱんっ
74: 2012/04/03(火) 01:58:52.75 ID:NGfqI2YX0
――――――
ちなつ「なんでもいいんだよ?」
向日葵「あっ……///」かあああっ
顔を覗き込まれるとドキドキしてしまう。
向日葵「あ、あの……」
ちなつ「ん?」
向日葵「どうやったら綺麗になりますか!?」
ちなつ「えっ?」
向日葵「私、まだまだオシャレとかに疎くて……吉川さんみたいに可愛くなりたいんです!」
ちなつ「え、えーっと……向日葵ちゃんも充分可愛いと思うんだけど。」アハハ
向日葵「そんなことないですわ……今の吉川さんはとても可愛いです。私こんな可愛い人初めて見ました。」
ちなつ「あ、ありがとう……///」
ちなつ「なんでもいいんだよ?」
向日葵「あっ……///」かあああっ
顔を覗き込まれるとドキドキしてしまう。
向日葵「あ、あの……」
ちなつ「ん?」
向日葵「どうやったら綺麗になりますか!?」
ちなつ「えっ?」
向日葵「私、まだまだオシャレとかに疎くて……吉川さんみたいに可愛くなりたいんです!」
ちなつ「え、えーっと……向日葵ちゃんも充分可愛いと思うんだけど。」アハハ
向日葵「そんなことないですわ……今の吉川さんはとても可愛いです。私こんな可愛い人初めて見ました。」
ちなつ「あ、ありがとう……///」
76: 2012/04/03(火) 02:01:42.74 ID:NGfqI2YX0
ちなつ「でもね、私、中学の頃は向日葵ちゃんに憧れてたんだよ?」
向日葵「えっ……?///」
ちなつ「だって凄いスタイルいいじゃん……大人っぽいしさ。」
向日葵「そ、そんなこと……/// 私なんて地味ですし……」
ちなつ「これは櫻子ちゃんの代わりに応えるけど、向日葵ちゃんは今のままで凄い可愛いから、あんまり大きく変わろうとしないで、って言いたいかな。」
向日葵「えっ……??」
ちなつ「まあ、そっちと今じゃやっぱりオシャレの違いとか流行の違いとかあるけど……向日葵ちゃんがそういうのに動かされて染まっちゃうの、嫌だよ。」
ちなつ「向日葵ちゃんの良さを活かす、っていうか、そういうのを意識してもらいたいかな。」
向日葵「えっ……?///」
ちなつ「だって凄いスタイルいいじゃん……大人っぽいしさ。」
向日葵「そ、そんなこと……/// 私なんて地味ですし……」
ちなつ「これは櫻子ちゃんの代わりに応えるけど、向日葵ちゃんは今のままで凄い可愛いから、あんまり大きく変わろうとしないで、って言いたいかな。」
向日葵「えっ……??」
ちなつ「まあ、そっちと今じゃやっぱりオシャレの違いとか流行の違いとかあるけど……向日葵ちゃんがそういうのに動かされて染まっちゃうの、嫌だよ。」
ちなつ「向日葵ちゃんの良さを活かす、っていうか、そういうのを意識してもらいたいかな。」
79: 2012/04/03(火) 02:04:57.60 ID:NGfqI2YX0
ちなつ「じゃあ例えばさ……櫻子ちゃんが、今の東京とかにいる渋谷原宿の女の子たちみたいになっちゃうとことか、みたい??」
向日葵「そっ……それは遠慮します……なんとしてでも阻止したいですわ。」
ちなつ「うん、それと同じかな。流石にそこまではいかないけど、向日葵ちゃんが変わって欲しくないって思ってる人もいるってこと。櫻子ちゃんは特にね。」
向日葵「わかりました……気をつけますわ。」
ちなつ「大丈夫だよ♪ 向日葵ちゃん、すっごく可愛くなるから。」
向日葵「あっ、ありがとうございます……///」
ちなつ「自分のことを可愛い!って思うことも大事なんだよ? 自分は可愛くないって思ってると、いつまでたっても可愛くなんてなれっこないもの。」
向日葵「そうですわね。 ……ちょっと恥ずかしいですけれど、やってみますわ。」ウフフ
向日葵「そっ……それは遠慮します……なんとしてでも阻止したいですわ。」
ちなつ「うん、それと同じかな。流石にそこまではいかないけど、向日葵ちゃんが変わって欲しくないって思ってる人もいるってこと。櫻子ちゃんは特にね。」
向日葵「わかりました……気をつけますわ。」
ちなつ「大丈夫だよ♪ 向日葵ちゃん、すっごく可愛くなるから。」
向日葵「あっ、ありがとうございます……///」
ちなつ「自分のことを可愛い!って思うことも大事なんだよ? 自分は可愛くないって思ってると、いつまでたっても可愛くなんてなれっこないもの。」
向日葵「そうですわね。 ……ちょっと恥ずかしいですけれど、やってみますわ。」ウフフ
80: 2012/04/03(火) 02:08:56.40 ID:NGfqI2YX0
――――――
櫻子「私、あかりちゃんみたいに、周りのことに気を配れる人になりたいかな。」
あかり「えっ……///」
櫻子「あかりちゃんみたいな優しさ、っていうか……もっと周りから頼られる人になりたいの。」
あかり「そっ、そんな……あかり頼られることなんて全然ないよぉ?」
櫻子「そんなことないよ! あかりちゃんと一緒にいるだけで安心するもん!」
あかり「ありがとう……あかりもみんなと一緒にいれていつも嬉しかったよぉ。」
櫻子「…………」
櫻子「私、あかりちゃんみたいに、周りのことに気を配れる人になりたいかな。」
あかり「えっ……///」
櫻子「あかりちゃんみたいな優しさ、っていうか……もっと周りから頼られる人になりたいの。」
あかり「そっ、そんな……あかり頼られることなんて全然ないよぉ?」
櫻子「そんなことないよ! あかりちゃんと一緒にいるだけで安心するもん!」
あかり「ありがとう……あかりもみんなと一緒にいれていつも嬉しかったよぉ。」
櫻子「…………」
82: 2012/04/03(火) 02:11:24.16 ID:NGfqI2YX0
あかり「じゃあ……櫻子ちゃんにおまじない。」
櫻子「えっ?」
あかり「目をつむってね?」
「櫻子ちゃんが、素直になれるおまじない。」
あかりが手を取る。……温かい。
「大室櫻子ちゃんは、とっても優しい子です。」
「古谷向日葵ちゃんの、一番のお友達です。」
「いつも周りを明るくしてくれて、一緒にいるだけで元気をもらえます。」
「がんばりやさんで、一生懸命になれる子です。」
「向日葵ちゃんのことが大好きです。」
櫻子「っ……///」
あかり「静かに。」
櫻子「えっ?」
あかり「目をつむってね?」
「櫻子ちゃんが、素直になれるおまじない。」
あかりが手を取る。……温かい。
「大室櫻子ちゃんは、とっても優しい子です。」
「古谷向日葵ちゃんの、一番のお友達です。」
「いつも周りを明るくしてくれて、一緒にいるだけで元気をもらえます。」
「がんばりやさんで、一生懸命になれる子です。」
「向日葵ちゃんのことが大好きです。」
櫻子「っ……///」
あかり「静かに。」
83: 2012/04/03(火) 02:14:37.51 ID:NGfqI2YX0
「ふたりはこれからいろいろな壁に出会います。」
「ふたりはときどきケンカをします。」
「それでも、ふたりはいつも一緒にいたいと思い合っています。」
「ひとりで乗り越えられない壁は、ふたりなら乗り越えられます。」
「ふたりが離れることはないでしょう。」
「ふたりは、いつまでも一緒です……。」
櫻子「…………」
閉じた目蓋の裏には、向日葵の笑顔が思い浮かんでいた。
87: 2012/04/03(火) 02:18:21.35 ID:NGfqI2YX0
――――――
向日葵「あ、あの…………」タジタジ
ちなつ「ん? なーに?」
向日葵「っ///」
向日葵「確認なんですけど……これって夢なんですよね?」
ちなつ「……うん。そうだけど?」
向日葵「わ、私、今日はぶっちゃけてしまいます!」バッ
ちなつ「お、おおー! ぶっちゃけちゃえー!」
向日葵「女の子同士の恋愛とかって、どう思いますか!?」
ちなつ「ほいきたぁ!」
向日葵「あ、あの…………」タジタジ
ちなつ「ん? なーに?」
向日葵「っ///」
向日葵「確認なんですけど……これって夢なんですよね?」
ちなつ「……うん。そうだけど?」
向日葵「わ、私、今日はぶっちゃけてしまいます!」バッ
ちなつ「お、おおー! ぶっちゃけちゃえー!」
向日葵「女の子同士の恋愛とかって、どう思いますか!?」
ちなつ「ほいきたぁ!」
91: 2012/04/03(火) 02:23:02.13 ID:NGfqI2YX0
向日葵「私、そういうのもよくわからなくて……日本ではやっぱり、法的な面から見ても冷遇されてるっていうか!」
ちなつ「うんうん! わかるわかる!」
向日葵「あっ……わかって頂けるんですか!?」
ちなつ「そりゃそうだよ! 私だって同じ悩みを抱えまくったもん!」
向日葵「で、その……どうなんでしょうか……普通の人からしたら、気持ち悪いとか思われちゃうんでしょうか……」
ちなつ「んー……そのあたりはやっぱり難しいよねぇ。」
ちなつ「うんうん! わかるわかる!」
向日葵「あっ……わかって頂けるんですか!?」
ちなつ「そりゃそうだよ! 私だって同じ悩みを抱えまくったもん!」
向日葵「で、その……どうなんでしょうか……普通の人からしたら、気持ち悪いとか思われちゃうんでしょうか……」
ちなつ「んー……そのあたりはやっぱり難しいよねぇ。」
93: 2012/04/03(火) 02:27:05.54 ID:NGfqI2YX0
ちなつ「あのね、私が一番言いたいのは、『先手必勝』ってこと!」
向日葵「先手必勝……?」
ちなつ「向日葵ちゃんって、小さい頃からずーーっと櫻子ちゃんと一緒なんでしょ?」
向日葵「はい、まあ……」
ちなつ「それなら簡単だよ! 男がよりつく前に向日葵ちゃんが猛アタックするしかない!」
向日葵「な、なるほど!」
ちなつ「女子校だから、そういうのもアリなんだ!って思わせることは以外と難しくないはずだよ。迷ってないで、早めに想いを伝えちゃえ!」
向日葵「先手必勝……?」
ちなつ「向日葵ちゃんって、小さい頃からずーーっと櫻子ちゃんと一緒なんでしょ?」
向日葵「はい、まあ……」
ちなつ「それなら簡単だよ! 男がよりつく前に向日葵ちゃんが猛アタックするしかない!」
向日葵「な、なるほど!」
ちなつ「女子校だから、そういうのもアリなんだ!って思わせることは以外と難しくないはずだよ。迷ってないで、早めに想いを伝えちゃえ!」
96: 2012/04/03(火) 02:31:14.49 ID:NGfqI2YX0
向日葵「え、ええ……でも。」
向日葵「それで気持ち悪いって思われてしまったら……もう一生元には戻らなくなってしまうかもしれない……」
ちなつ「うーん……」(この二人はその点大丈夫だと思うけどね……)
ちなつ「櫻子ちゃんって、向日葵ちゃんのことが嫌いになることはまず無いと思うよ。言い切ってもいい。」
向日葵「そ、そうなんですの??」
ちなつ「まあその辺は、自分の胸に聞いてみるのが一番なんじゃないかな。」
「櫻子ちゃんのことを一番知ってるのは、向日葵ちゃんなんだからさ。」
向日葵「!」
向日葵「わっ、わかりました……////」
向日葵「それで気持ち悪いって思われてしまったら……もう一生元には戻らなくなってしまうかもしれない……」
ちなつ「うーん……」(この二人はその点大丈夫だと思うけどね……)
ちなつ「櫻子ちゃんって、向日葵ちゃんのことが嫌いになることはまず無いと思うよ。言い切ってもいい。」
向日葵「そ、そうなんですの??」
ちなつ「まあその辺は、自分の胸に聞いてみるのが一番なんじゃないかな。」
「櫻子ちゃんのことを一番知ってるのは、向日葵ちゃんなんだからさ。」
向日葵「!」
向日葵「わっ、わかりました……////」
98: 2012/04/03(火) 02:35:13.78 ID:NGfqI2YX0
――――――
「…………ちゃん、櫻子ちゃん……」
櫻子「はっ!」
あかり「あ、目が覚めた?」
櫻子「あっ、ご、ごめん! なんかぼーっとしちゃって……///」
あかり「ふふ、いいのいいの。それより、もうそろそろ時間かな。」
櫻子「そ、そっか。」
チーン
あかり「ほら、エレベーターきたよ?」
後ろにはいつのまにか、この場に似つかわしくないあの古めかしいエレベーターがあった。
あかり「ふふ……また会えるかな?」
櫻子「また……会いたいね。」
あかり「ありがとう。そっちの私にもよろしくね?」
「…………ちゃん、櫻子ちゃん……」
櫻子「はっ!」
あかり「あ、目が覚めた?」
櫻子「あっ、ご、ごめん! なんかぼーっとしちゃって……///」
あかり「ふふ、いいのいいの。それより、もうそろそろ時間かな。」
櫻子「そ、そっか。」
チーン
あかり「ほら、エレベーターきたよ?」
後ろにはいつのまにか、この場に似つかわしくないあの古めかしいエレベーターがあった。
あかり「ふふ……また会えるかな?」
櫻子「また……会いたいね。」
あかり「ありがとう。そっちの私にもよろしくね?」
99: 2012/04/03(火) 02:38:30.50 ID:NGfqI2YX0
櫻子「うん、今日はありがとう! それじゃ!」
あかり「ああっ、待って!」
櫻子「??」
あかり「言い忘れてたっ。あのね、櫻子ちゃんが向日葵ちゃんと別の高校行っちゃうって話、あれウソなの!」
櫻子「えっ……」
あかり「二人は高校行っても一緒だから!!」ニコッ
櫻子「ほっ……ほんとにー!?」
あかり「うん! でもちゃんとお勉強頑張らないと、本当に別々になっちゃうから、頑張ってね!!」
櫻子「うん……ありがとうっ!!」ぱあっ
あかり「ああっ、待って!」
櫻子「??」
あかり「言い忘れてたっ。あのね、櫻子ちゃんが向日葵ちゃんと別の高校行っちゃうって話、あれウソなの!」
櫻子「えっ……」
あかり「二人は高校行っても一緒だから!!」ニコッ
櫻子「ほっ……ほんとにー!?」
あかり「うん! でもちゃんとお勉強頑張らないと、本当に別々になっちゃうから、頑張ってね!!」
櫻子「うん……ありがとうっ!!」ぱあっ
100: 2012/04/03(火) 02:42:11.48 ID:NGfqI2YX0
――――――
チーン
ちなつ「あ、来たね。それじゃ、今日はここまでかな。」
向日葵「あっ……ありがとうございました……いろいろお話聞いてもらっちゃって。お抹茶もおいしかったです。」
ちなつ「いいのいいの。ここは夢だから。」
向日葵「……また、会えますか??」
ちなつ「ふふ……それはわからないよ。もしかしたら、今度は私がそっちにいくかもね。」
向日葵「私……吉川さんとお友達になれて良かったです。これからもよろしくお願いします。」ニコッ
ちなつ「!」(わ、わお……///)
ちなつ「よ、よろしく! そっちの私にも言ってあげてね♪」
向日葵「はい。それでは。」
ちなつ(櫻子ちゃんにその笑顔が見せられたら一発なのにね……まあいつかできるか。)
チーン
ちなつ「あ、来たね。それじゃ、今日はここまでかな。」
向日葵「あっ……ありがとうございました……いろいろお話聞いてもらっちゃって。お抹茶もおいしかったです。」
ちなつ「いいのいいの。ここは夢だから。」
向日葵「……また、会えますか??」
ちなつ「ふふ……それはわからないよ。もしかしたら、今度は私がそっちにいくかもね。」
向日葵「私……吉川さんとお友達になれて良かったです。これからもよろしくお願いします。」ニコッ
ちなつ「!」(わ、わお……///)
ちなつ「よ、よろしく! そっちの私にも言ってあげてね♪」
向日葵「はい。それでは。」
ちなつ(櫻子ちゃんにその笑顔が見せられたら一発なのにね……まあいつかできるか。)
101: 2012/04/03(火) 02:45:52.85 ID:NGfqI2YX0
――――――
EG『はい……はい、了解しました。』
櫻子「?」
EG「あ、戻ってきましたね。今回はここまでです。」
櫻子「えっ!?」
~
少女1「連絡がありまして。もう元の世界に戻ってもらうことになりました。」
少女2「夢からは覚めなければなりません。」
向日葵「そんな……」
EG『はい……はい、了解しました。』
櫻子「?」
EG「あ、戻ってきましたね。今回はここまでです。」
櫻子「えっ!?」
~
少女1「連絡がありまして。もう元の世界に戻ってもらうことになりました。」
少女2「夢からは覚めなければなりません。」
向日葵「そんな……」
102: 2012/04/03(火) 02:48:57.71 ID:NGfqI2YX0
~
EG「それでは、ここまでの夢の内容を振り返ってみてください。」
EG「あなたはこれから先の人生のヒントをいっぱいもらえたはずです。」
~
少女1「忘れないように、復習です。」
少女2「まだ覚えてる?」
向日葵「えーっと最初の質問が……」
EG「それでは、ここまでの夢の内容を振り返ってみてください。」
EG「あなたはこれから先の人生のヒントをいっぱいもらえたはずです。」
~
少女1「忘れないように、復習です。」
少女2「まだ覚えてる?」
向日葵「えーっと最初の質問が……」
104: 2012/04/03(火) 02:51:37.44 ID:NGfqI2YX0
~
『別に迷惑だなんて思ったこと、一度もないよ。むしろ……いつも来てくれて嬉しいんだからさ。』
櫻子(向日葵は私にとても良くしてくれるけど……私はそれに応えられるようにできることからやっていくんだ。家事も炊事も、向日葵より上手になれるかな?)
『古谷さんが、大室さんのことを悪い風に思うなんてことはないと思うよ。これはいつもの二人を見てれば誰でもわかる。』
櫻子(船見先輩の言葉……すごい嬉しかった。)
櫻子(歳納先輩も船見先輩ももう働いてて、立派に社会人として同棲してるんだっけ……私と向日葵も将来あんな風になりたいかなぁ……)
EG「顔が赤いけど大丈夫ですか。」
櫻子「あっ!だ、大丈夫です……///」
106: 2012/04/03(火) 02:55:39.00 ID:NGfqI2YX0
――――――
『やっぱり、よく使うものとかがええんとちゃう?』
向日葵(そう、プレゼント! この後プレゼントを買わなきゃいけないんでしたわ。)
向日葵(櫻子に似合う良いピンが見つかるといいですわね……)
『……古谷さん、たぶん大室さんの行きたいって言ってる所はだいたいわかったわ。』
向日葵(櫻子が行きたい場所……? やっぱりまだ思い浮かびませんわ。おもちゃ売り場とかしか思いつかないんですけど、流石にそれはないですわよね……)
『心配せんでもええ。大室さんは必ず戻ってくると思うんよ?』
向日葵(でも先輩がそういってくれるなら、安心ですわね。)
『やっぱり、よく使うものとかがええんとちゃう?』
向日葵(そう、プレゼント! この後プレゼントを買わなきゃいけないんでしたわ。)
向日葵(櫻子に似合う良いピンが見つかるといいですわね……)
『……古谷さん、たぶん大室さんの行きたいって言ってる所はだいたいわかったわ。』
向日葵(櫻子が行きたい場所……? やっぱりまだ思い浮かびませんわ。おもちゃ売り場とかしか思いつかないんですけど、流石にそれはないですわよね……)
『心配せんでもええ。大室さんは必ず戻ってくると思うんよ?』
向日葵(でも先輩がそういってくれるなら、安心ですわね。)
108: 2012/04/03(火) 02:58:47.44 ID:NGfqI2YX0
――――――
『……いいよ、じゃあ、ルール違反しちゃう。櫻子ちゃん、向日葵ちゃんと別の高校行くから。』
櫻子(あのときのあかりちゃん……少し怖かった。あんな表情のあかりちゃん見たことなかったもん。)
櫻子(でもそれは、私が弱気になってたからなんだ。あかりちゃんは、18歳になってそういう厳しさも身につけたってことなのかな。)
櫻子(最後に、あれは嘘だっていってくれた。でも、油断したら本当に叶わないかもしれない。……でも私は、これからも向日葵と一緒にいたいから。)
櫻子「今日は帰ったら、宿題やってみようかな。」
EG「宿題は毎日やりましょう。」
櫻子「す、すみません……」
『……いいよ、じゃあ、ルール違反しちゃう。櫻子ちゃん、向日葵ちゃんと別の高校行くから。』
櫻子(あのときのあかりちゃん……少し怖かった。あんな表情のあかりちゃん見たことなかったもん。)
櫻子(でもそれは、私が弱気になってたからなんだ。あかりちゃんは、18歳になってそういう厳しさも身につけたってことなのかな。)
櫻子(最後に、あれは嘘だっていってくれた。でも、油断したら本当に叶わないかもしれない。……でも私は、これからも向日葵と一緒にいたいから。)
櫻子「今日は帰ったら、宿題やってみようかな。」
EG「宿題は毎日やりましょう。」
櫻子「す、すみません……」
109: 2012/04/03(火) 03:01:25.74 ID:NGfqI2YX0
~
『私、あかりちゃんみたいに、周りのことに気を配れる人になりたいかな。』
櫻子(あれは本心だよ? あかりちゃん。)
櫻子(私にも、その優しさが身につくかな。)
『大室櫻子ちゃんは、とっても優しい子です。』
『ふたりは、いつまでも一緒です……。』
櫻子(心がふわふわした。なぜか、ちょっと泣いちゃいそうだった。)
櫻子(女神様というか……天使? みたいな感じだった。胸の奥から、あったまってく感じ。)
櫻子(まるで魔法。)
櫻子(私と向日葵は、これからもいっぱいケンカしちゃうかもしれない。でもその度に、あかりちゃんの言葉を思い出せば、仲直りできる気がするんだ。)
櫻子(優しい言葉……忘れない。)
110: 2012/04/03(火) 03:03:41.21 ID:NGfqI2YX0
――――――
『これは櫻子ちゃんの代わりに応えるけど、向日葵ちゃんは今のままで凄い可愛いから、あんまり大きく変わろうとしないで、って言いたいかな。』
向日葵(18歳になった吉川さんは本当に綺麗で。)
向日葵(お茶を点てる姿には圧倒された。)
向日葵(私もそんな可愛さが欲しい。美しさが欲しい。)
向日葵(……櫻子の隣で、綺麗に笑っていたい。)
『これは櫻子ちゃんの代わりに応えるけど、向日葵ちゃんは今のままで凄い可愛いから、あんまり大きく変わろうとしないで、って言いたいかな。』
向日葵(18歳になった吉川さんは本当に綺麗で。)
向日葵(お茶を点てる姿には圧倒された。)
向日葵(私もそんな可愛さが欲しい。美しさが欲しい。)
向日葵(……櫻子の隣で、綺麗に笑っていたい。)
111: 2012/04/03(火) 03:06:23.82 ID:NGfqI2YX0
『あのね、私が一番言いたいのは、『先手必勝』ってこと!』
向日葵(櫻子は……女性同士の恋愛をどう思っているのでしょう……)
向日葵(……いえ、どう思ってようと関係ない。)
向日葵(私が櫻子に新しい世界を見せてあげますわ!)グッ
向日葵(でも先手って……いつやれば? ま、まさかこの後すぐにやったほうがいいとか……///)
少女1「真っ赤ですね。」
少女2「何考えてるの?」
向日葵「わひゃっ!? な、なんでもありませんのよ……??///」
向日葵(櫻子は……女性同士の恋愛をどう思っているのでしょう……)
向日葵(……いえ、どう思ってようと関係ない。)
向日葵(私が櫻子に新しい世界を見せてあげますわ!)グッ
向日葵(でも先手って……いつやれば? ま、まさかこの後すぐにやったほうがいいとか……///)
少女1「真っ赤ですね。」
少女2「何考えてるの?」
向日葵「わひゃっ!? な、なんでもありませんのよ……??///」
113: 2012/04/03(火) 03:09:37.91 ID:NGfqI2YX0
~
『櫻子ちゃんって、向日葵ちゃんのことが嫌いになることはまず無いと思うよ。言い切ってもいい。』
向日葵(吉川さんが言ってくれた言葉、忘れませんわ。)
向日葵(そこまで言ってもらえて、私も勇気が出ましたもの。)
『櫻子ちゃんのことを一番知ってるのは、向日葵ちゃんだからさ。』
向日葵(櫻子を一番良く知っているのは、私……)
向日葵(それでも私は、私の知らない櫻子をいつまでも探していたいですわ。)
向日葵(櫻子の……全部を知りたい。)
向日葵(元に戻ったら、もっと吉川さんともいろいろお話してみたいですわね。)
向日葵(いろいろ……そっちの方も詳しいみたいですし……///)
少女1「さてと。」
少女2「そろそろですかね。」
116: 2012/04/03(火) 03:13:06.67 ID:NGfqI2YX0
~
EG「夢は終わりです。これから元の世界に戻ります。」
櫻子「あ、終わり……」
EG「夢とは覚めるものです。そしてこの夢は特に……」
~
少女1「本来の世界で役にたてていただくための夢ですから。」
少女2「ここからが本番なのです。」
向日葵「なるほど……」
~
EG「今後に役立ちそうですか。」
櫻子「はい、まあ……」
EG「それはなにより。」
EG「夢は終わりです。これから元の世界に戻ります。」
櫻子「あ、終わり……」
EG「夢とは覚めるものです。そしてこの夢は特に……」
~
少女1「本来の世界で役にたてていただくための夢ですから。」
少女2「ここからが本番なのです。」
向日葵「なるほど……」
~
EG「今後に役立ちそうですか。」
櫻子「はい、まあ……」
EG「それはなにより。」
117: 2012/04/03(火) 03:16:58.70 ID:NGfqI2YX0
チーン
EG「一階でございます。」
開いたドアの先は、ちゃんとした元の世界だった。
いかなければいけない。戻らなければならない。
~
向日葵「また………」
少女1「?」
向日葵「また、ここに戻ってくることはできないんでしょうか……?」
少女2「気に入っちゃった?」
EG「一階でございます。」
開いたドアの先は、ちゃんとした元の世界だった。
いかなければいけない。戻らなければならない。
~
向日葵「また………」
少女1「?」
向日葵「また、ここに戻ってくることはできないんでしょうか……?」
少女2「気に入っちゃった?」
118: 2012/04/03(火) 03:20:09.81 ID:NGfqI2YX0
~
櫻子「はい、もっといろんな人とお話してみたいです!」
EG「……何度もいいますが、これは夢です。見たいと思って見れるものでもなければ、唐突に見るときもあるのです。」
櫻子「…………」
櫻子「わかり……ました……。ありがとう。」
とぼとぼ
「……ま、頑張んなよ?」ウィーン
櫻子「!!」
振り返ると、そこにあるのは普通にこのビルに最初からあるエレベーター。
けれど、扉が閉まるときに、エレベーターガールの人と目がしっかり合ったような気がした。
そして、あの声。
櫻子「ね、ねーちゃん……!?」
櫻子「はい、もっといろんな人とお話してみたいです!」
EG「……何度もいいますが、これは夢です。見たいと思って見れるものでもなければ、唐突に見るときもあるのです。」
櫻子「…………」
櫻子「わかり……ました……。ありがとう。」
とぼとぼ
「……ま、頑張んなよ?」ウィーン
櫻子「!!」
振り返ると、そこにあるのは普通にこのビルに最初からあるエレベーター。
けれど、扉が閉まるときに、エレベーターガールの人と目がしっかり合ったような気がした。
そして、あの声。
櫻子「ね、ねーちゃん……!?」
120: 2012/04/03(火) 03:22:39.53 ID:NGfqI2YX0
チーン
少女1「さあさあ」
少女2「元の世界につきました。」
向日葵「えっと……今日はありがとうございました。」
少女1「礼など入りません。」
少女2「これからあなたに頑張ってもらうためですから。」
向日葵「はあ……。それでは。」
とぼとぼ
「……ふう、あー疲れたし」
「お疲れさまなの。帰って紅茶淹れてあげるの。」
向日葵「えっ!?」
聞き覚えのある声に振り返る。閉まる扉の向こう、見えたのは……
向日葵「は、花子ちゃん、と……楓!?」
少女1「さあさあ」
少女2「元の世界につきました。」
向日葵「えっと……今日はありがとうございました。」
少女1「礼など入りません。」
少女2「これからあなたに頑張ってもらうためですから。」
向日葵「はあ……。それでは。」
とぼとぼ
「……ふう、あー疲れたし」
「お疲れさまなの。帰って紅茶淹れてあげるの。」
向日葵「えっ!?」
聞き覚えのある声に振り返る。閉まる扉の向こう、見えたのは……
向日葵「は、花子ちゃん、と……楓!?」
121: 2012/04/03(火) 03:26:18.05 ID:NGfqI2YX0
――――――
櫻子「え、えーっと……」
携帯電話を開いて時間を見る。……向日葵と別れてから全然たっていない。
『ご安心を。お時間は取らせません。このエレベーターに乗ったときから、あなたの居た本来の世界の時間は停止しております。』
櫻子「ほ、本当だったんだ……まあこのくらい普通に思えてきちゃったけど。」
この短い間に、確かに色々なことがおこった。未来の人と会った。よくわからない場所に行った。
時間が止まるくらい、変だとは思わなくなってしまった。
櫻子「にしてもさっきの……絶対ねーちゃんだよねぇ……??」
乗っている最中は気づかなかった。格好がそもそもおかしいし……顔が上手く確認できなかったのが一番の理由だが。
声も違ったような気がした。喋り方も少しおかしかったような……
櫻子「え、えーっと……」
携帯電話を開いて時間を見る。……向日葵と別れてから全然たっていない。
『ご安心を。お時間は取らせません。このエレベーターに乗ったときから、あなたの居た本来の世界の時間は停止しております。』
櫻子「ほ、本当だったんだ……まあこのくらい普通に思えてきちゃったけど。」
この短い間に、確かに色々なことがおこった。未来の人と会った。よくわからない場所に行った。
時間が止まるくらい、変だとは思わなくなってしまった。
櫻子「にしてもさっきの……絶対ねーちゃんだよねぇ……??」
乗っている最中は気づかなかった。格好がそもそもおかしいし……顔が上手く確認できなかったのが一番の理由だが。
声も違ったような気がした。喋り方も少しおかしかったような……
124: 2012/04/03(火) 03:30:28.10 ID:NGfqI2YX0
櫻子「はっ! そうだ! カチューシャ買わなきゃ!」
櫻子「…………」
目的のフロアはもっと上だ。……またこのエレベーターに乗らないといけないのだが……
櫻子「…………」ぽちっ
ウィーン
櫻子「あっ……」
開いた先は、さっきとは全然違う……どう見ても普通のエレベーターだった。大量の階層表示もなければ、エレベーターガールの姿もない。
櫻子「………ま、いっか。」
密かに期待はしていたが、今はカチューシャだ。
櫻子「…………」
目的のフロアはもっと上だ。……またこのエレベーターに乗らないといけないのだが……
櫻子「…………」ぽちっ
ウィーン
櫻子「あっ……」
開いた先は、さっきとは全然違う……どう見ても普通のエレベーターだった。大量の階層表示もなければ、エレベーターガールの姿もない。
櫻子「………ま、いっか。」
密かに期待はしていたが、今はカチューシャだ。
129: 2012/04/03(火) 04:00:56.86 ID:NGfqI2YX0
――――――
向日葵「まだこんな時間……」
向日葵「そう、櫻子を探してたんですわ!」
向日葵「とりあえずこの階にはいなそうでしたわね……上がってみましょう。」
――――――
櫻子「んーと……えーっと……」
櫻子「どれが似合うかなぁ……いっぱいありすぎて困る……」
櫻子「まあ時間はあるし、焦らないようにしなきゃ。絶対良いのを見つけてあげるんだから。」
櫻子「とりあえず、今付けてるやつと似たようなのじゃダメだよね。少し変えて……」
櫻子「!!」
向日葵「まだこんな時間……」
向日葵「そう、櫻子を探してたんですわ!」
向日葵「とりあえずこの階にはいなそうでしたわね……上がってみましょう。」
――――――
櫻子「んーと……えーっと……」
櫻子「どれが似合うかなぁ……いっぱいありすぎて困る……」
櫻子「まあ時間はあるし、焦らないようにしなきゃ。絶対良いのを見つけてあげるんだから。」
櫻子「とりあえず、今付けてるやつと似たようなのじゃダメだよね。少し変えて……」
櫻子「!!」
131: 2012/04/03(火) 04:05:48.02 ID:NGfqI2YX0
向日葵「この階には……」
櫻子(やっ、やば! なんでここに向日葵がいんの!?)
櫻子(……探してるとこが見つかっちゃったらサプライズにならない……)
櫻子「か、隠れなきゃっ」
~
向日葵「あら……?」
櫻子(何やってんだ……??)
向日葵(ヘアピン……)
向日葵(そう、今日のプレゼントをヘアピンにするって……さっき杉浦先輩達と話してたんですわ。)
向日葵「ちょうどいいですわね。選んで行きましょうか。
櫻子(やっ、やば! なんでここに向日葵がいんの!?)
櫻子(……探してるとこが見つかっちゃったらサプライズにならない……)
櫻子「か、隠れなきゃっ」
~
向日葵「あら……?」
櫻子(何やってんだ……??)
向日葵(ヘアピン……)
向日葵(そう、今日のプレゼントをヘアピンにするって……さっき杉浦先輩達と話してたんですわ。)
向日葵「ちょうどいいですわね。選んで行きましょうか。
134: 2012/04/03(火) 04:08:04.89 ID:NGfqI2YX0
店員「何かお探しですか?」
向日葵「あ、ええ。ヘアピンを……」
店員「ヘアピンですと……ご自分でお使いになられますか?」
向日葵「いえ。プレゼントにしようと思いまして……何か似合うものはないかと。」
店員「そうしますと……相手の方の特徴とかはどんな感じですかね?」
向日葵「そうですね……前髪はぱっつんに近い感じで……髪は肩に乗るくらいで、こう、この辺りからウェーブが……」
櫻子(なんか選んでるな……普通に買い物してるだけか)
櫻子「何を買うんだろ? こっからじゃよく見えないな……」
向日葵「あ、ええ。ヘアピンを……」
店員「ヘアピンですと……ご自分でお使いになられますか?」
向日葵「いえ。プレゼントにしようと思いまして……何か似合うものはないかと。」
店員「そうしますと……相手の方の特徴とかはどんな感じですかね?」
向日葵「そうですね……前髪はぱっつんに近い感じで……髪は肩に乗るくらいで、こう、この辺りからウェーブが……」
櫻子(なんか選んでるな……普通に買い物してるだけか)
櫻子「何を買うんだろ? こっからじゃよく見えないな……」
137: 2012/04/03(火) 04:11:42.72 ID:NGfqI2YX0
~
向日葵「ありがとうございました。おかげさまで良いピンが見つかりましたわ♪」
店員「いえいえ。きっと気に入ってもらえると思いますよ。またお越し下さい。」
櫻子「お、やっと行ったか……早いとこカチューシャ探さなくっちゃっ」
櫻子「えーと、んー……」
店員「何かお探しですか?」
櫻子「わっ!? えっ、いや、あの……」
店員「カチューシャですか? ご自分でお使いになられます?」
向日葵「ありがとうございました。おかげさまで良いピンが見つかりましたわ♪」
店員「いえいえ。きっと気に入ってもらえると思いますよ。またお越し下さい。」
櫻子「お、やっと行ったか……早いとこカチューシャ探さなくっちゃっ」
櫻子「えーと、んー……」
店員「何かお探しですか?」
櫻子「わっ!? えっ、いや、あの……」
店員「カチューシャですか? ご自分でお使いになられます?」
139: 2012/04/03(火) 04:15:20.04 ID:NGfqI2YX0
櫻子「あ、えっと、プレゼント用なんですけど……」
店員(プレゼント……って、あ。)
店員(ぱっつんに近くて、肩に乗る髪で、ウェーブで……)
店員「あの、失礼ですが先ほどここにいらした方のお知り合いですか?」
櫻子「えっ!? え、ええまぁ……あはは……」
店員「そうでしたか。それで……プレゼントの相手の方というのは……?」
櫻子「……さ、さっ……」
櫻子「さっきここにいた子です……///」
店員「………うふふ♪ なるほど。それでしたら……この辺りに……」
櫻子(ちょ、超恥ずかしい……!!)
店員「これなんていかがでしょう?」
櫻子「……あ、いいかも……」
店員(プレゼント……って、あ。)
店員(ぱっつんに近くて、肩に乗る髪で、ウェーブで……)
店員「あの、失礼ですが先ほどここにいらした方のお知り合いですか?」
櫻子「えっ!? え、ええまぁ……あはは……」
店員「そうでしたか。それで……プレゼントの相手の方というのは……?」
櫻子「……さ、さっ……」
櫻子「さっきここにいた子です……///」
店員「………うふふ♪ なるほど。それでしたら……この辺りに……」
櫻子(ちょ、超恥ずかしい……!!)
店員「これなんていかがでしょう?」
櫻子「……あ、いいかも……」
142: 2012/04/03(火) 04:18:28.21 ID:NGfqI2YX0
~
櫻子「よし、これにします! ラッピングお願いできますか?」
店員「はい♪ 少々お待ちください……」
櫻子(よかった……結構良いのが見つかったかも。)
櫻子「あ、あの……さっきここにいた子、何を買ってったんですか?」
店員「………えーっと……それは、ちょっと私の口からは何とも……」
櫻子「??」
店員「……はい、できました。頑張って下さいね♪」
櫻子「あっ、はい。ありがとうございました!」
櫻子「よし、これにします! ラッピングお願いできますか?」
店員「はい♪ 少々お待ちください……」
櫻子(よかった……結構良いのが見つかったかも。)
櫻子「あ、あの……さっきここにいた子、何を買ってったんですか?」
店員「………えーっと……それは、ちょっと私の口からは何とも……」
櫻子「??」
店員「……はい、できました。頑張って下さいね♪」
櫻子「あっ、はい。ありがとうございました!」
145: 2012/04/03(火) 04:22:01.52 ID:NGfqI2YX0
向日葵「櫻子はどこかしら……」
櫻子「あ、いた! おーい向日葵ー!」
向日葵「え? あっ……櫻子。」
「心配せんでもええ。大室さんは必ず戻ってくると思うんよ?」
向日葵(ほんとに……戻ってきた。)
向日葵(でも、なんか久しぶりに会ったような感じ。そんなに時間としては経っていませんのに。)
櫻子「ごめんごめん。」
向日葵「……待ちましたわよ。どこに行ってたんですの?」
櫻子「え? あー、いや、ちょっといろいろ見て来ただけだよ。」(かなり寄り道したけど……時間は経ってないんだよね。)
向日葵「まったく……ま、私もいろいろ落ち着いて見れましたし、いいですけどね。」
櫻子「あ、この服かわいい!」
向日葵(…………ふふ。)
櫻子「あ、いた! おーい向日葵ー!」
向日葵「え? あっ……櫻子。」
「心配せんでもええ。大室さんは必ず戻ってくると思うんよ?」
向日葵(ほんとに……戻ってきた。)
向日葵(でも、なんか久しぶりに会ったような感じ。そんなに時間としては経っていませんのに。)
櫻子「ごめんごめん。」
向日葵「……待ちましたわよ。どこに行ってたんですの?」
櫻子「え? あー、いや、ちょっといろいろ見て来ただけだよ。」(かなり寄り道したけど……時間は経ってないんだよね。)
向日葵「まったく……ま、私もいろいろ落ち着いて見れましたし、いいですけどね。」
櫻子「あ、この服かわいい!」
向日葵(…………ふふ。)
147: 2012/04/03(火) 04:26:04.17 ID:NGfqI2YX0
――――――
櫻子「わっ、エプロンとかもあるんだ……おっしゃれー」
向日葵「これは可愛いですわね……もしかしたら櫻子にも似合うんじゃなくて?」
櫻子「もしかしたらってどういうことだよ!」
櫻子(でも、エプロンか……)
「京子は今、私と同棲してるんだ。二人とも働いてるから、生活費とかの心配はもう無いしね。」
櫻子(先輩たちは……同棲してるって言ってた。すごいよ……そんなのできたら……どれだけ毎日楽しいかな。)
櫻子(もっと……料理とか上手くなりたい。)
向日葵「ちょ……櫻子そのエプロン欲しいんですの??」
櫻子「えっ!? いや、いらないよ……どうせ使わないし……料理なんてできないし……」
向日葵「そうじゃなくて、値段が……!」
櫻子「わっ、エプロンとかもあるんだ……おっしゃれー」
向日葵「これは可愛いですわね……もしかしたら櫻子にも似合うんじゃなくて?」
櫻子「もしかしたらってどういうことだよ!」
櫻子(でも、エプロンか……)
「京子は今、私と同棲してるんだ。二人とも働いてるから、生活費とかの心配はもう無いしね。」
櫻子(先輩たちは……同棲してるって言ってた。すごいよ……そんなのできたら……どれだけ毎日楽しいかな。)
櫻子(もっと……料理とか上手くなりたい。)
向日葵「ちょ……櫻子そのエプロン欲しいんですの??」
櫻子「えっ!? いや、いらないよ……どうせ使わないし……料理なんてできないし……」
向日葵「そうじゃなくて、値段が……!」
149: 2012/04/03(火) 04:30:08.66 ID:NGfqI2YX0
櫻子「うわっ! なんだこれ、高っ!?」
向日葵「なんかこういうのって無駄に高いものが多いですわよね……」
櫻子「こんなの買う人いるのかなぁ……」
向日葵「……ま、エプロンが欲しいんだったら私が作ってあげますわよ。意外と簡単ですし。」
櫻子「ほんと?」
向日葵「え? ほんとにエプロン欲しいんですの?」
櫻子「っ……」
櫻子(…………なんでだろう。今、向日葵が作ってくれたエプロンだったら、毎日でも料理の練習ができそうな気がした。)
櫻子「…………まあ、欲しいかな。持ってないし……」
向日葵「…………くすっ。」
櫻子「なっ、なんだよ……///」
向日葵「今度、作ってきますわ。」
櫻子「うん……ありがとう。」
向日葵「なんかこういうのって無駄に高いものが多いですわよね……」
櫻子「こんなの買う人いるのかなぁ……」
向日葵「……ま、エプロンが欲しいんだったら私が作ってあげますわよ。意外と簡単ですし。」
櫻子「ほんと?」
向日葵「え? ほんとにエプロン欲しいんですの?」
櫻子「っ……」
櫻子(…………なんでだろう。今、向日葵が作ってくれたエプロンだったら、毎日でも料理の練習ができそうな気がした。)
櫻子「…………まあ、欲しいかな。持ってないし……」
向日葵「…………くすっ。」
櫻子「なっ、なんだよ……///」
向日葵「今度、作ってきますわ。」
櫻子「うん……ありがとう。」
151: 2012/04/03(火) 04:36:17.18 ID:NGfqI2YX0
――――――
ぷしゅー
櫻子「ふーっ、セーフ!」
向日葵「なんとか電車間に合いましたわね……」
櫻子「これ逃すと40分待ちだからね……まあ田舎なら普通だけどさ。」
向日葵「えーと……夕飯にも間に合いますわね。」
櫻子(今日はすごいいろいろあったなぁ……結局あのエレベーターはなんだったんだろ……)
ぷしゅー
櫻子「ふーっ、セーフ!」
向日葵「なんとか電車間に合いましたわね……」
櫻子「これ逃すと40分待ちだからね……まあ田舎なら普通だけどさ。」
向日葵「えーと……夕飯にも間に合いますわね。」
櫻子(今日はすごいいろいろあったなぁ……結局あのエレベーターはなんだったんだろ……)
152: 2012/04/03(火) 04:39:33.58 ID:NGfqI2YX0
思い出せる。
23歳の先輩たち。大人びた先輩。
ホワイトシフォンの味。
櫻子(人前であんなに向日葵のこと話したことないよ……)
櫻子(向日葵には秘密にしたいけど……いつか、話せるときが来たら、聞かせてあげたいな。今日の話。)
櫻子(あかりちゃんにも、18歳のあかりちゃんを聞かせてあげたい。)
櫻子(ふふふ……っ)
向日葵(……何ニヤニヤしてるのかしら、櫻子。)
23歳の先輩たち。大人びた先輩。
ホワイトシフォンの味。
櫻子(人前であんなに向日葵のこと話したことないよ……)
櫻子(向日葵には秘密にしたいけど……いつか、話せるときが来たら、聞かせてあげたいな。今日の話。)
櫻子(あかりちゃんにも、18歳のあかりちゃんを聞かせてあげたい。)
櫻子(ふふふ……っ)
向日葵(……何ニヤニヤしてるのかしら、櫻子。)
155: 2012/04/03(火) 04:42:29.51 ID:NGfqI2YX0
櫻子(………ん、何か忘れてる気がする……)
櫻子「あっ」
向日葵「? どうしましたの?」
櫻子「あ、いや、なんでも。」
櫻子(プレゼント忘れてた!! どうしよう、いつ渡そう……)
櫻子(だ、大丈夫。まだ家まではちょっとある。……別れる時にでも渡せば大丈夫。)
ぷしゅー
櫻子「あっ」
向日葵「? どうしましたの?」
櫻子「あ、いや、なんでも。」
櫻子(プレゼント忘れてた!! どうしよう、いつ渡そう……)
櫻子(だ、大丈夫。まだ家まではちょっとある。……別れる時にでも渡せば大丈夫。)
ぷしゅー
156: 2012/04/03(火) 04:46:16.42 ID:NGfqI2YX0
~
櫻子「今日はいろいろ見れたねー」
向日葵「ええ……ねぇ櫻子。」
櫻子「なに?」
向日葵「……これ。」ごそごそ
櫻子「!!!」
向日葵「櫻子に……」
櫻子「ま、待って! 言わないで!!」
向日葵「え……??」
櫻子「今日はいろいろ見れたねー」
向日葵「ええ……ねぇ櫻子。」
櫻子「なに?」
向日葵「……これ。」ごそごそ
櫻子「!!!」
向日葵「櫻子に……」
櫻子「ま、待って! 言わないで!!」
向日葵「え……??」
158: 2012/04/03(火) 04:49:23.71 ID:NGfqI2YX0
櫻子(それ……そのラッピング、どう見てもプレゼントじゃん!)
櫻子(うそっ!? これじゃ私が後から渡したら……サプライズにならない!!)
櫻子(というか向日葵も同じこと考えてたの!? しかもこれ、たぶんあの時買った奴だよね……なんで気づかなかったんだろ私……)
櫻子「あっ、あー、あの……」
向日葵「??」
櫻子「ずっ、ずるいよ!!」
向日葵「ええっ?」
櫻子「私だって、私の方が先に……っ!」
櫻子(うそっ!? これじゃ私が後から渡したら……サプライズにならない!!)
櫻子(というか向日葵も同じこと考えてたの!? しかもこれ、たぶんあの時買った奴だよね……なんで気づかなかったんだろ私……)
櫻子「あっ、あー、あの……」
向日葵「??」
櫻子「ずっ、ずるいよ!!」
向日葵「ええっ?」
櫻子「私だって、私の方が先に……っ!」
160: 2012/04/03(火) 04:53:26.81 ID:NGfqI2YX0
―――
「でも、私は……向日葵に何もしてあげられてないような気がするんです……。何をするにも向日葵の方が凄くて、上手で……なんか申し訳なくなってくるぐらいで……」
―――
櫻子(私はっ……私が向日葵にできることは全然ないからっ、せめて、このプレゼントくらいはって思ってたのに……!)
櫻子「たまには……私にも何かさせてよ……!」ふるふる
向日葵「ど、どうしたんですの櫻子……?」オロオロ
櫻子「ぅぅっ……う……」
「でも、私は……向日葵に何もしてあげられてないような気がするんです……。何をするにも向日葵の方が凄くて、上手で……なんか申し訳なくなってくるぐらいで……」
―――
櫻子(私はっ……私が向日葵にできることは全然ないからっ、せめて、このプレゼントくらいはって思ってたのに……!)
櫻子「たまには……私にも何かさせてよ……!」ふるふる
向日葵「ど、どうしたんですの櫻子……?」オロオロ
櫻子「ぅぅっ……う……」
163: 2012/04/03(火) 04:58:45.49 ID:NGfqI2YX0
――――――
やっちゃった。
なんでだろう。
櫻子を泣かせてしまった。
この子はいつもそう。急に思いつめて、泣いたりすることがある。
理由は話さない。
でもひとつだけわかるのは、原因は自分にあること。
向日葵「櫻子…………」
向日葵「ごめんなさいね。」
やっちゃった。
なんでだろう。
櫻子を泣かせてしまった。
この子はいつもそう。急に思いつめて、泣いたりすることがある。
理由は話さない。
でもひとつだけわかるのは、原因は自分にあること。
向日葵「櫻子…………」
向日葵「ごめんなさいね。」
164: 2012/04/03(火) 05:01:23.29 ID:NGfqI2YX0
――――――
何をやってるんだ。自分は。
なんで謝らせてるんだ。
そっちは何も悪くないのに。
私はただ、プレゼントをあげたかったってだけ。
そっちも、同じことを考えてたら、それは快く受け取ってあげるのが一番なのに。
先に渡せなかったってだけで、いらない言葉をかけちゃって。
ずるい? 一体なにがずるいの?
私が先に渡したかったって、そんなのただの自分勝手、わがままじゃん。
何かしてあげたいって気持ちはあるけど……
受け入れることもちゃんとできないのに、何かをしてあげられるわけないよ……
何をやってるんだ。自分は。
なんで謝らせてるんだ。
そっちは何も悪くないのに。
私はただ、プレゼントをあげたかったってだけ。
そっちも、同じことを考えてたら、それは快く受け取ってあげるのが一番なのに。
先に渡せなかったってだけで、いらない言葉をかけちゃって。
ずるい? 一体なにがずるいの?
私が先に渡したかったって、そんなのただの自分勝手、わがままじゃん。
何かしてあげたいって気持ちはあるけど……
受け入れることもちゃんとできないのに、何かをしてあげられるわけないよ……
166: 2012/04/03(火) 05:04:46.15 ID:NGfqI2YX0
――――――
櫻子「ううぅっ……ふっ……っ」ぽろぽろ
向日葵「…………」
向日葵(吉川さんは言ってくれた。櫻子のことを一番よくわかってるのは、私。)
向日葵(私がわからなくても、私の中の無意識は答えを知っているかもしれない。)
向日葵(私は思い通りに動けばいい。)
櫻子「ううぅっ……ふっ……っ」ぽろぽろ
向日葵「…………」
向日葵(吉川さんは言ってくれた。櫻子のことを一番よくわかってるのは、私。)
向日葵(私がわからなくても、私の中の無意識は答えを知っているかもしれない。)
向日葵(私は思い通りに動けばいい。)
167: 2012/04/03(火) 05:09:07.26 ID:NGfqI2YX0
向日葵「櫻子…………」だきっ
櫻子「……!?」
向日葵「……何か、いいたいことがあるんでしょう?」
櫻子「…………」
向日葵「私はここにいますから……聞かせてくださいな。」
ああ、
何故この子は、こんなにも優しい。
櫻子「……!?」
向日葵「……何か、いいたいことがあるんでしょう?」
櫻子「…………」
向日葵「私はここにいますから……聞かせてくださいな。」
ああ、
何故この子は、こんなにも優しい。
170: 2012/04/03(火) 05:13:01.35 ID:NGfqI2YX0
――――――
べつに、なんにもないの。
なんにもないわけないじゃない。ないてるんだから。
よくかんがえたら、なにもなかったの。
そう。
むしろ、ごめん。
なにが?
こんなことさせちゃって。
わたくしがしたくてしているだけだから、べつにかまいませんのよ。
べつに、なんにもないの。
なんにもないわけないじゃない。ないてるんだから。
よくかんがえたら、なにもなかったの。
そう。
むしろ、ごめん。
なにが?
こんなことさせちゃって。
わたくしがしたくてしているだけだから、べつにかまいませんのよ。
172: 2012/04/03(火) 05:17:10.39 ID:NGfqI2YX0
じぶんがいやになるの。
なにもかもがぶきようで、うまくいかないとき。
それでまたあなたにめいわくかけて。
もっともっといやになるのに。
それをいつもたすけてくれるのも、あなたなの。
あなたがいないと、だめなんだね。
なにもかもがぶきようで、うまくいかないとき。
それでまたあなたにめいわくかけて。
もっともっといやになるのに。
それをいつもたすけてくれるのも、あなたなの。
あなたがいないと、だめなんだね。
173: 2012/04/03(火) 05:20:26.59 ID:NGfqI2YX0
――――――
櫻子「…………」
向日葵「……落ち着きました?」
櫻子「…………ん。」
櫻子「私も、向日葵に渡すものがあるの。」
向日葵「……そう。」
櫻子「一緒に渡そう?」
向日葵「ええ。」
はい、これ。
いつも、ありがとう。
これからも、よろしくね。
櫻子「…………」
向日葵「……落ち着きました?」
櫻子「…………ん。」
櫻子「私も、向日葵に渡すものがあるの。」
向日葵「……そう。」
櫻子「一緒に渡そう?」
向日葵「ええ。」
はい、これ。
いつも、ありがとう。
これからも、よろしくね。
175: 2012/04/03(火) 05:24:29.09 ID:NGfqI2YX0
「ふたりはこれからもいろいろな壁に出会います。」
「ふたりはときどきケンカもします。」
「それでも、ふたりはいつも一緒にいたいと思い合っています。」
「ひとりで乗り越えられない壁は、ふたりなら乗り越えられます。」
「ふたりが離れることはないでしょう。」
「ふたりは、いつまでも一緒です……。」
櫻子「よく……似合ってるよ。」
向日葵「ええ……櫻子も。」
~fin~
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