386: 2017/12/29(金) 18:00:27.94 ID:tXlGsIvuo
群像劇は大変ですが面白いです。
第一章「薄暮・前」
第二章「薄暮・後」
第三章「夜中・前」
第四章「夜中・後」
第五章「深夜・前」
第六章「深夜・後」
それでは、第七章「未明・前」を開始します。
60レスほどの予定です。
第一章「薄暮・前」
第二章「薄暮・後」
第三章「夜中・前」
第四章「夜中・後」
第五章「深夜・前」
第六章「深夜・後」
それでは、第七章「未明・前」を開始します。
60レスほどの予定です。
387: 2017/12/29(金) 18:02:43.99 ID:tXlGsIvuo
【1月1日 午前4時】
――1号車【展望車・前】 屋根の上
魔王「ぬぅぅ……ッ、この魔王の玉体にキズをつけるとは」
魔王「貴様ら、何者だ!!?」
弓使い「通りすがりのフリーターです☆」
魔王「ただのフリーターが剣や弓や銃を使うワケあるかぁぁっ!!」
剣使い「さて、魔王だか何だか知らねぇが……。とっとと、この列車から退場してもらおうか」
銃使い「…………」ガシュガシュ
388: 2017/12/29(金) 18:03:13.42 ID:tXlGsIvuo
族長「貴様ら、本気か……?」
族長「魔王様は、強い……。魔界でも七本指に入るからこその、七魔公王」
族長「たかがニンゲン風情が勝てる相手ではないぞ……」
剣使い「ンなモンやってみなきゃ、わかんねぇだろ?」
弓使い「本当にコレ勝てるの? 氏ぬよ!? なんてシチュエーション、今までにも何度もあったもんねー」
銃使い「人間氏ねば、それまで。だけど、だからこそあがいてみせる」
魔族A「……!」
魔族A「……ぞ、族長」
族長「……なんだ?」
389: 2017/12/29(金) 18:03:40.68 ID:tXlGsIvuo
魔族A「俺は。コイツらのコト……。信じてみても、良いと思います」
族長「何……?」
魔族B「そうですよ。俺たち魔族でも、魔王さまに逆らおうなんて奴、なかなかいない……」
魔族C「だけど、相手が強者たる魔王であるとわかって、なお挑む……」
魔族C「それは。俺たち魔族の真の精神、そのものではありませんか……?」
族長「……!」
魔族D「不屈の精神。リスペクト、ってやつですよ……!!」
魔王「……人間」
剣使い「なんだ?」
390: 2017/12/29(金) 18:04:08.22 ID:tXlGsIvuo
魔王「貴様らの考えは、よぉくわかった」
魔王「つまり俺が、魔王であると知って。七魔公王の一角であると、なお知って」
魔王「それでも脆弱な人間の身でありながら、なお、この俺に挑むと?」
剣使い「ああ。そして、倒す」ジャキ
魔王「…………」
剣使い「…………」
魔王「…………。フッ」
魔王「良い目だ」
391: 2017/12/29(金) 18:04:35.20 ID:tXlGsIvuo
魔王「俺はかつて、同じ天雷のごとき稲光のような目をした人間の男と出会ったコトがある」
魔王「俺が唯一、友と認めた人間のコトだ」
剣使い「へえ。そんな奴がいて、今も生きているなら、俺も一度戦ってみたいモンだな」
魔王「ああ。案外、すぐ近くにいるかもしれん。奴が手隙になれば、訪ねてみるがいい」
魔王「―――もっともその未来、訪れるに能わぬ、夢物語であろうがな!!」
剣使い「……!」
弓使い「すさまじい魔力……! 並の人間なら、浴びただけで昏倒だろうね」
銃使い「…………」チャッ
392: 2017/12/29(金) 18:05:03.37 ID:tXlGsIvuo
族長「……待て」グッ
剣使い「おい! 大丈夫か、立てるのか!?」
族長「このくらいでくたばっては、族長の始末がつかぬ。こやつらへの示しもつかぬ」
族長「お前たちは、よく戦った。後は、俺に任せて休んでいろ。お前たちは、俺のジマンの部下だ」
魔族A「族長……っ!!」
族長「……魔王よ。ここからは、魔族と魔族の戦いではない。貴方様を倒すためだけの戦いだ」
族長「たとえ俺たちが勝利せしめても、我らの処罰は変わらぬであろうが……。だがそれでも剣を取ろう」
魔王「ふん。貴様たちの全力に、その助力が加わるのは当然だ。条件は変わらぬ」
393: 2017/12/29(金) 18:05:31.02 ID:tXlGsIvuo
魔王「来い! 人間どもよ、魔族どもよ。その小さき手で、大いなる栄光を奪い取ってみせるがいい!!」
剣使い「望むところだ、魔王。姐さん、ジュー、行くぞ!!」
弓使い「おうよっ!」
銃使い「…………」ゴソゴソ
魔王「まずはアイサツ代わりだ! ふんっ!!」
宣戦布告の一言と共に魔王が直立のまま浮上し、両手を大きく広げると、
先刻と同じ魔法陣の軍勢が魔王の背後に展開される。
煌めくは、海の色から樹の色までの十色の光。
その一発一発の最大火力が、この列車を蒸発させるに相当する、必殺の一撃である。
394: 2017/12/29(金) 18:05:59.68 ID:tXlGsIvuo
弓使い「あらまあ、オオゲサなコトですよって……。でもその戦法、ちょっと大味過ぎない!?」
対して弓使いは、余裕の表情一つ変えず、静寂の夜に響き渡る明朗な声で詠唱する。
彼女が指先を伸ばした先は、星空。漆黒の世界に突如現れるは、彗星。
魔王「何!?」
弓使い「私の得意技は奇襲なモンで! その魔法陣、最初に見た時に、セットしておいたんだよ!!」
彗星は一瞬ごとに輝きを増し、樹の色の砲門へと近づく。
迫る彗星が弓使いの放った矢の時間差攻撃であると魔王が気付いた瞬間にそれは、射抜かれた。
光に一瞬遅れて、爆発。大量の魔力を備えた砲門は、魔力を暴発させ、四散する。
魔王「ちぃっ……!」
395: 2017/12/29(金) 18:06:28.66 ID:tXlGsIvuo
剣使い「足下がお留守だぜ、魔王さん!!」
魔王「なんだと!?」
魔王が狼狽したその一瞬に、剣使いが電流のように斬り込む。
跳躍と共に放たれた下段からの斬撃。魔王は先刻の魔力剣でかろうじて切り結ぶ。
魔王「ぐっ……。まずはあのスナイパーを始末せんコトには始まらんか!!」
弓使い「おっと私狙い!? 参ったなあー、オトリとか慣れてないんだけど、まぁそれはそれで!」
強大な魔力の主が向けた赤い眼光。だが弓使いは恐れる素振り一つすら見せず、
踊るような足踏みで後退し、機関銃のごとき勢いで弓矢の連射を行使する。
魔王「ぐぬううううううっ!!!」
396: 2017/12/29(金) 18:06:56.92 ID:tXlGsIvuo
族長「避けさせんよ、その連射! 燃えろ、燃えろ、燃えろ!」
魔法陣の展開を諦め、列車の屋根の上に戻らんとした魔王に、
族長の口から放たれた青き炎が襲いかかる。
その炎は、ただの火炎ではなく。青鬼の呪いが込められた、傷口を焼く青き炎であった。
魔王「うおおおおっ!! こざかしいッ!!」
銃使い「よっと」
銃使いは、たしかに銃を得物として使うが、扱えるのは銃だけではない。
拳銃、機関銃、狙撃銃、重火器。すべてが彼女の専門であり、役割である。
ならば、屋根に近づいた魔王の足下に転がる手榴弾の主も、また明白であった。
397: 2017/12/29(金) 18:07:23.97 ID:tXlGsIvuo
――1号車【展望車・前】
398: 2017/12/29(金) 18:07:50.85 ID:tXlGsIvuo
仮面の男「こ、今度は大爆発だって!?」
桜色の女「くッ……!!」
上階の戦闘の影響は、当然階下の戦場にも現れる。
屋根の上を包んだ青き炎。その屋根が再び崩落したとなれば、
当然、青き炎は、彼らの戦場をも焼き尽くす。
仮面の男「やれやれ、1号車が丸焼けだ……。床も、柱も、展望台も、何もかもが燃えている」
仮面の男「こうなっては僕らの身も危ない。ここは一旦、お開きとするべきじゃないかな?」
桜色の女「場の如何など詮無きこと、言ったはず」
桜色の女「ここがどこであれ、二匹の剣の鬼が出会ったならば。果たし合うは、ただ一つのみ」
399: 2017/12/29(金) 18:08:18.03 ID:tXlGsIvuo
仮面の男「二匹の剣の鬼……、か」
桜色の女「そうだ。貴様の理に則るのであれば、犬でも、獣でも、狼でもよいぞ」
桜色の女「いずれにしろ、敵の肉を食らい尽くすのは変わらぬ」
仮面の男「なるほどね。それが君の、相手への思いやり、気遣い、理解、と言ったか」
仮面の男「だがそれは、あまりにも悲しくはないか?」
桜色の女「何?」
仮面の男「僕らはヒトだ。こうして語るべき言葉を持ち、ささやくべき愛を持つ」
仮面の男「だのに、頃し合うしか、理解の手段が無いとは……」
仮面の男「いささか不便、ではないかな?」
400: 2017/12/29(金) 18:08:44.74 ID:tXlGsIvuo
桜色の女「そんなことか。ならばそれも、言ったはず」
桜色の女「言葉もいいだろう。行動もいいだろう。それはヒトのみが持つ、理性の表現なれば」
桜色の女「だが、私には……。どうしてもそれが、虚ろに見える。まるで鏡面の出来事のようで、訝しい」
桜色の女「だからこそ、刀に訊く。刀が斬った体、流した血は……」
桜色の女「すべて真実であるだろうから」
仮面の男「僕はそこまでは思わないのだがね」
仮面の男「この世は楽しい。たとえ命のやり取りなどせずとも、ヒトは争えるし、ヒトは助け合える」
仮面の男「もっとも、僕が介入したせいで、少々大事になってしまったようだがね……」
桜色の女「何の話だ」
401: 2017/12/29(金) 18:09:12.29 ID:tXlGsIvuo
仮面の男「僕はこの戦いで君に斬られるコトはない、というハナシさ」
桜色の女「……!」
仮面の男「だって、そうだろう? この世には、美しい女性もたくさんいる」
仮面の男「さっきだって、それでも呼びたければ教授さんに再会したばかりだ」
仮面の男「君を倒して、僕は、彼女を追わねばならない」
桜色の女「何かと思えば、女の話か……」
桜色の女「気に食わぬな。虫唾が走る。不愉快だ。決闘の最中に、他の女のコトを考えるなど」
桜色の女「構えろ、鉄仮面卿。貴様の脳髄を、私の血で染めてやろう」
402: 2017/12/29(金) 18:09:39.87 ID:tXlGsIvuo
仮面の男「……くっくく。だから君、それは……」
仮面の男「……いや、やめておこう。君の理解とは、頃し合いそのもの」
仮面の男「常人のモノサシで測れるそれではなかったね」
仮面の男「だが安心してくれ。いつだって、君が僕にとってのいちばんだ」
仮面の男「君のような、ねじ曲がった表現を持つ女性を、他に見たことはない」
仮面の男「だからこそ、僕は君のトリコなんだよ」
仮面の男「ラブズッキュンだ」
桜色の女「頃すぞ」
仮面の男「すまない」
403: 2017/12/29(金) 18:10:06.64 ID:tXlGsIvuo
仮面の男「だけども、僕は自称しよう! 愛と正義の戦士を!」
仮面の男「そりゃあ、度が過ぎて、君に斬られるコトもあるが……。そこはそれ」
仮面の男「僕は女性の愛のために戦い、万人の正義のために戦う」
桜色の女「妄言だな」
桜色の女「言葉では何とでも言える。行動では如何とでも出来る」
桜色の女「その感情、その想念が、真実か。それは刀に訊けば、わかることだ」
仮面の男「やれやれ。議論は平行線、というワケか」
仮面の男「だがそれでいい。僕の言葉一つで変わってしまう君など、君ではない」
仮面の男「しかし、愉悦に浸る、君ではなく……。桜のように可憐な君も、一度は見てみたいモノだ」
404: 2017/12/29(金) 18:10:33.38 ID:tXlGsIvuo
仮面の男「ゆえに、僕はここで氏ぬコトは出来ない」
仮面の男「僕は剣の鬼であっても、それだけではない」
仮面の男「生きる。生きて、逃げおおせ、愛と正義のために生きる」
仮面の男「そのために、僕は君を倒そう。……春風のごとき、桜色の剣士よ」
桜色の女「上等だ」
桜色の女「ならば、その生ぬるい心構え! 散り行く桜の嵐となるがいい!!」
桜色の鬼は、刀に青き炎を宿らせる。
炎は燃える。かつて女が吸った血を薪にして、強く、青く、猛々しく。
さながらそれは、逢魔時の風に吹かれて妖しく揺れる、満開の夜桜のように。
405: 2017/12/29(金) 18:11:00.46 ID:tXlGsIvuo
仮面の男「君との戦いは、本当に楽しい……」
仮面の男「だけど女性を斬るのは僕のポリシーに反する! 難しいモノだ!」
対して、仮面の鬼は、未だ刀も仮面と同じように冷たい。
鉄は輝く。女が放つ炎を反射して、強く、青く、猛々しく。
さながらそれは、逢魔時の空にいつの間にか現れる、満月の白光のように。
桜色の女「ぜああああああッ!!!」
仮面の男「ぬうっ!」
反響する刀と刀の音は、二人以外には誰にも聞こえない。
すべて炎に包まれ、吸い込まれ、かき消され、燃えて、消える。
406: 2017/12/29(金) 18:11:27.84 ID:tXlGsIvuo
天井がまた崩れる。
階上での戦闘が激しくなるたびに、列車の屋根は見る影もない瓦礫の山と化す。
だが荘厳なる列車の精気を吸って、二人の刀は、なお妖しく輝く。
かたや、互いを頃すために斬る、狂人の刀。
かたや、互いを生かすために斬る、戦士の刀。
しかし、この場に狂人と戦士の優劣は無く。
ただ、純粋なる、剣の鬼が二匹いた。
桜色の女「これで終わりだァッ、鉄仮面―――!!」
仮面の男「来い、桜色の剣士よ……!」
仮面の男「この一撃をもって、君への花束としよう!!」
407: 2017/12/29(金) 18:11:54.74 ID:tXlGsIvuo
――6号車【食堂車】
ヒーロー「ま、待ってくれ! 俺たちは味方だ!」
ヒーロー「この列車をハイジャック犯から助けに来た正義の味方なんだ!!」
料理長「何……?」ピタ
小型メカ「そ、そうなんです。この風体では、信じてもらえないかもしれませんが……」
小型メカ「実は、私たち、き○こたけ○こ大戦を止めるために、未来からやって来たんです」
料理長「ふむ。何やらき○こたけ○こを巡る未来人がいる、とは士長から聞いていたが……」
料理長「それが君たちだったのか!」
ヒーロー「ソ、ソッコーで理解してもらって助かる。というワケで、良かったらナイフ、抜いてください。イタイ」
408: 2017/12/29(金) 18:12:21.76 ID:tXlGsIvuo
小型メカ「しかし、キノコ頭のハイジャック犯たち、既にどこかに行ってしまいましたね……」
小型メカ「教授さんを助けるにしても、居場所を探すのから始めるのは、この状況では」
料理長「それなら、屋根の上から探せばいいんじゃないかな?」
ヒーロー「それが屋根への道は、あの士長が隔壁封鎖してしまってな……」
料理長「そういうコトか。それなら、この食堂車に開いた穴を使うといい」
料理長「案外君たちは良いヒトそうだ。き○こたけ○この争いを止める、と言ったね」
料理長「食べ物をダイジにするヒトに、悪いヒトはいない」
小型メカ「さ、散々ナイフ投げといて、なんだか説得力がありませんけど……」
ヒーロー「まあ、なんでもいいさ! ありがとう料理長! それじゃあ屋根の上に出てみるとしよう!」
409: 2017/12/29(金) 18:12:49.11 ID:tXlGsIvuo
――7号車【ラウンジ】 屋根の上
白ドレス「ハッ……!!」
黒コート「え……? どうかしたか、大天使」
マスター「―――隙あり!!」
ズバッ
革ジャン「あっ」
白ドレス「ぎゃああああああ!!? つ、翼がもげた―――!?」
マスター「この腕は、神頃しのための武器……。天使であれば、斬るもたやすい」
410: 2017/12/29(金) 18:13:16.53 ID:tXlGsIvuo
白ドレス「う、うう。氏ぬ。このままじゃ氏んじゃうよ、この列車、バケモノばっかりじゃん……」
白ドレス「っと、そんなコトよりも! 聞いてください、時空整備課!」
黒コート「はっ!? 右の翼がもげたのは、そんなコトで片付けないほうがいいと思うが」
白ドレス「いや、そんなコトだよ! 今から数分後、ある乗客の命が危ない!」
黒コート「……! いつもの大天使の未来視か!?」
白ドレス「そう! 直前になって詳細が見えた、だからとにかく、この列車と同じくらい――――」
白ドレス「速く移動できるモノを出して! これが大天使としての、君との契約の遂行だ!!」
黒コート「列車と同じくらい早く移動できるモノ……。わかった、行くぞ革ジャン野郎!!」
革ジャン「あ、ああ。……、……。なーんか、腹立つんだよな」
411: 2017/12/29(金) 18:13:43.84 ID:tXlGsIvuo
――8号車【ロビー】
キノコ頭「この列車は俺たちがハイジャックした!!!」
運転士長「なんだと……!?」
副運転士「たけ○こ派のヒトたち……! もう乱暴はやめて、降参してください!」
キノコ頭「き○こ派っつってるだろうが!! ワザとか!!」
フロント「この車両に爆弾を仕掛けた、ですか……」
車掌「切羽詰まった末の、コケオドシという可能性もあります。一気に対処すれば問題ありません」
キノコ頭「はたしてそうかな? コレを見ても、同じコトが言えるか―――!」カチ
412: 2017/12/29(金) 18:14:11.78 ID:tXlGsIvuo
副運転士「な……っ!」
運転士長「屋根が吹き飛んだ……!!」
413: 2017/12/29(金) 18:14:39.49 ID:tXlGsIvuo
キノコ頭「クッククク……」
キノコ頭「これで爆弾がホンモノだというコトがわかってもらえただろうか」
キノコ頭「何度でも言う! 動くな!!」
キノコ頭「俺たちに逆らえば、次の爆弾を爆破する!!」
キノコ頭「爆弾が爆発すれば、この女は列車の外に吹っ飛ぶぞぉぉ!!」
教授「ぐ……ッ」
執事「お嬢様! 安心してください、俺が絶対に助けます!」
教授「バカ執事……! 逃げろって言ったでしょうが!!」
414: 2017/12/29(金) 18:15:07.98 ID:tXlGsIvuo
教授「親でも見放すヘンクツな私に、優しくしてくれたのは、アンタだけだった……」
教授「だから、アンタだけには生きてほしい! たとえ私が氏んだとしても!!」
執事「お嬢様……ッ、ハナシが違うじゃありませんか……っ!!」
キノコ頭「ククク……。いいぞ。全員、まずは武器を捨てろ」
キノコ頭「そして手を上げろ。その後で縄で縛ってやる」
運転士長「くっ……」
テ口リストA「……あ、あの。リーダー。早急に申し上げたい要件が」
キノコ頭「ん? どうした? この余裕の状況だ、何でも聞いてやるぞ」
415: 2017/12/29(金) 18:15:35.66 ID:tXlGsIvuo
テ口リストB「あの、いま爆発させた、この車両に仕掛けた爆弾ですが」
テ口リストC「アレ。脅迫用だったので、見た目ハデに爆発するように……」
テ口リストD「一つ起爆したら全部誘爆するようになっています」
キノコ頭「ははは。そうか。一つ起爆したら、全部誘爆するように――――」
キノコ頭「―――は?」
副運転士「え、全部誘爆って……」
運転士長「まさかそれは……」
シュボボボボ
417: 2017/12/29(金) 18:16:30.27 ID:tXlGsIvuo
副運転士「ぎゃああああああああああああ!!!」
キノコ頭「部屋の四方八方が全部吹き飛んだああああああ!!!」
突然の全方位爆発によって、ロビー車は一瞬にして、吹きさらしの展望車両と化した。
そして、高速で走行する列車が生み出す暴風は、
無防備な乗員乗客を外に吸い出さんと、ロビーへと襲いかかる。
運転士長「皆、床に伏せろ! どこかに捕まれ! でないと、外に吹き飛ばされるぞ!!」
フロント「み、皆さん! 私のハルバードに捕まってください!」
車掌「ありがとう、フロントさん!!」
テ口リストA「恩に着ます!!」
418: 2017/12/29(金) 18:16:57.51 ID:tXlGsIvuo
キノコ頭「お前たち! 大丈夫か!?」
テ口リストB「は、ハイ。ですが、さすがに自分の身を守るのが精一杯で……」
教授「うわああああああっ! 吹き飛ばされるううううううっ!!!」
副運転士「教授さん!!」
ロビーを襲った暴風は、その中で最も力無き者から、漆黒の世界へといざなうため牙を剥く。
教授の体が宙に浮く。その脚が、胴が、腕が、列車の外へと吸い出される。
だがその腕を掴んだのは、一人の、勇気ある女運転士だった。
副運転士「うぐ、あ、あ。腕が、もっていかれる……!!」
教授「運転士さん、手を放して! でないと、貴女まで……!」
419: 2017/12/29(金) 18:17:24.50 ID:tXlGsIvuo
副運転士「そういうワケには、いきませんよ……」
副運転士「乗客の皆さんをお守りするのが、私たち、乗務員の役目なんですから……!!」
教授「……!」
フロント「新米ちゃん!」
運転士長「いいぞ、その調子だ……! 車掌くん、ハルバードを少しずつ動かせ!」
車掌「了解!! 大丈夫ですか、このハルバードに捕まって……」ズズズ…
魔王「――――――うわヤベ、エラい方向にビーム飛ばしちゃった!!」
ビュイイイイン
420: 2017/12/29(金) 18:17:52.03 ID:tXlGsIvuo
執事「何!?」
副運転士「あの声は、魔王さん!? え、ビームが飛んでくるって……」
シュゴ!!!
421: 2017/12/29(金) 18:18:18.95 ID:tXlGsIvuo
キノコ頭「どああああああああああああ!!!」
運転士長「何を考えているんだ、あの魔王はアァァッ!!!」
教授「うぐ、あ……!!」
副運転士「て、手が……っ!」
不慮の事故が無ければ、女運転士の勇気ある行動は結実したかもしれない。
だが、列車の旅にアクシデントはつきものだった。
魔王が放ったビームの爆風は、ついに教授の体を列車から引き剥がす。
教授「うわああああああああああああ!!!」
副運転士「そんな、教授さん…………っ!!」
422: 2017/12/29(金) 18:18:46.51 ID:tXlGsIvuo
運転士長「なんだ? どうなっている!?」
フロント「士長! 教授さんが外に!」
車掌「吹き飛ばされました、ここは私が――――」
執事「――――――っ!!」
全身の力を込めた踏み切りと共に、列車の外に飛んだのは、男だった。
列車の外に投げ出された彼女を、誰よりも慕い、誰よりも理解していた、男。
運転士長「……!」
副運転士「執事さん……!」
執事「皆さん……。後のコトは、頼みます」
423: 2017/12/29(金) 18:19:13.96 ID:tXlGsIvuo
――列車の外 空中
教授「うぐ、あ、ああ……!!」
教授のけっして小さくはない体は、空中で無秩序に回転する。
だが、その回転を止め、彼女の手を取る、白い手袋があった。
教授「……!」
執事「……お嬢様。ご無事ですか」
教授「アンタ。どうして……」
執事「お嬢様は、ご自分が氏んでも、俺に生きてほしい、とおっしゃいましたね」
執事「それでは意味が無いのです」
424: 2017/12/29(金) 18:19:40.49 ID:tXlGsIvuo
執事「お嬢様がいなくては、俺も、生きる意味が無い」
教授「……!」
教授「でも、このまま、地面にぶつけられたら」
執事「ええ。タダでは、すまないでしょう」
執事「だけど。俺は、それでもいい」
執事「最後まで、お前と一緒にいれるのなら……。それが、俺の本望だ」
教授「…………」
教授「……ばか」
425: 2017/12/29(金) 18:20:08.82 ID:tXlGsIvuo
黒コート「―――させるかァァァァァァッ!!!」
その時、列車の上で駆動する音があった。非効率的で暴力的な鉄の馬が、煙を吐いて嘶く。
教授「え――――?」
執事「あれは……? 黒い……!」
革ジャン「おいおいセンパイ、本当にカっ飛ばす気か!?」
黒コート「ああ! 氏にたくなければ捕まっていろ!!」
黒コート「悪魔や天使は、非道だが、契約は必ず守る。なら人間の私がそれを反故に出来るか」
黒コート「そしてっ! 目の前に助けを呼ぶ声あらばっ、それに応えずして何が警察かァァァッ!!!」
426: 2017/12/29(金) 18:20:36.67 ID:tXlGsIvuo
――12号車【謎車】 屋根の上
革ジャン「だけど、さっきこの車両の格納庫から出したばっかりで」
革ジャン「エンジンもフカしてないのに、何が出来……」
ビュイイイイン
魔王「――――――うわヤベ、エラい方向にビームまた飛ばしちゃった!!」
ドドン!!!
黒コート「エンジンが温まっていないなら……」
黒コート「おあつらえむきに飛んできたビームの爆風で浮いてカっ飛べばいいだろうがあああ!!!」
427: 2017/12/29(金) 18:21:04.68 ID:tXlGsIvuo
教授「あ――――」
執事「あれは――――――」
428: 2017/12/29(金) 18:21:33.37 ID:tXlGsIvuo
黒コート「ぐっ! 接地したぞ革ジャン! エンジン全開だ、落ちてくるヒトを受け止めろォォッ!!」
革ジャン「はいはい……。ってぇぇ、オトナ二人かよおおおおおお!!?」
執事「タ、タイムパトロールのヒト!? 潰れますよ!!」
教授「ゴメンなさいどいてどいてどいてぇぇっ!!」
黒コート「ゴメンで済むなら警察は要らないっ、革ジャン何とかしろおおおおおお!!!」
革ジャン「何とかしろで何とかなるなら警察は要らないと思いますがねヨイショっとぉ!!」ガタッ
革ジャン「うんむ……。絶景、絶景。バイクの上に立って見る景色は格別かな」
教授「だからどいてってば―――!!」
429: 2017/12/29(金) 18:22:00.18 ID:tXlGsIvuo
革ジャン「そして、どいてでどく警察もいないッ! オラァッ!!」
空中を舞う二人に、仁王立ちした男が乗ったバイクが迫る。
しかし二人をまとめて受け止めるのは不可能と判断した男は、代替処置として、回し蹴りを放った。
執事「ぐぼはっ!!」
教授「ちょっ、大丈夫!?」
革ジャン「そらあ吹き飛べ! 俺たちに出来るのはここまでだ!」
革ジャン「あとは列車の屋根の上にいる誰かさんに、何とかしてもらいな!!」
ヒーロー「―――任せろ!!」ダンッ
430: 2017/12/29(金) 18:22:27.94 ID:tXlGsIvuo
またも飛んだ魔王のビームの光を背に受けて、列車の上にいるそれは輝く。
赤色のポリマースーツ。正義の味方を象徴する、その出で立ち。
執事「あ、貴方は……」
教授「食堂車の変O仮面!!?」
ヒーロー「だから変O仮面ではないとうっ!!」
革ジャンの蹴り上げによって再び空中を舞った二人を、
屋根から空中を突進してきた、とあるヒーローが見事に受け止め抱きかかえる。
そして、ヒーローは突進した先にある線路の脇の木の幹を蹴り飛ばし、
空中で一回転することで、二度のステップと共に列車へと帰還を果たした。
431: 2017/12/29(金) 18:22:54.83 ID:tXlGsIvuo
革ジャン「よお未来の市民ボランティア! やるじゃねえか!!」
ヒーロー「ふははははっ、これくらいは朝飯前だ!」
ヒーロー「ようやくヒーローの面目躍如、といったところかな!!」
教授「た、助かった……」
執事「ありがとうございます。皆さん!!」
黒コート「気にするな! これも警察の務めだからな!」
執事「あれ。でも、警察のお二人は、どうやって列車に戻ってくるんですかーっ!?」
黒コート&革ジャン「「あっ」」
432: 2017/12/29(金) 18:23:27.57 ID:tXlGsIvuo
革ジャン「あっ、て……。まさかセンパイ、何も考えてねえのか!?」
黒コート「う、ううん。正直、バイク出して走らせるところまでが、精一杯の想定というか……」
革ジャン「じゃあ、あの天使女に、いいように踊らされたってコトかよ!」ダンッ
黒コート「どうしてそうなる。ううーん。しかし、列車と並走は出来ても、どう戻ったモノか」
黒コート「おい、そこの市民ボランティア! 何か良い案はないか!?」
小型メカ「ゴメンなさい黒コートさん、なんとか助けてあげたいんですが……!」
ヒーロー「すまない! まったく思いつかない!」
革ジャン「言い切りやがってクソがぁぁぁ!!」
433: 2017/12/29(金) 18:23:54.54 ID:tXlGsIvuo
教授「あっ、でも。待って……」
執事「お嬢様?」
教授「さっきから魔王のビームが飛びまくってるけど、それを利用すれば?」
ヒーロー「それだ!!」
ヒーロー「おい、タイムパトロールの諸君! 魔王のビームを利用するんだ!」
黒コート「なんだと!?」
ヒーロー「さっきから魔王のビームが飛びまくっている! その爆風に乗るんだ!!」
革ジャン「はっ。ヤブから棒に、勝手なコト言いやがるぜ……。爆風なんかでバイクが飛べるか?」
黒コート「だが、それに賭けるしかない。魔王は先頭車両だな、速度を上げるぞっ!!」
434: 2017/12/29(金) 18:24:22.12 ID:tXlGsIvuo
――1号車【展望車・前】 外部
魔王「オラオラオラオラオラオラオラオラぁっ!!」
剣使い「姐さん! なんとかあの魔法陣、また狙撃で潰せねえか!?」
弓使い「やってるけど数が多すぎ! っとと、うおわぁっ!」ボカン
銃使い「っ! 族長、爆弾! 空中で火をつけて!」ヒョイッ
族長「任せろ!!」ボッ
ドォォォォン!!!!!!
革ジャン「なんとか先頭まで来たが、何だありゃぁ!? この世の終わりか!?」
435: 2017/12/29(金) 18:24:49.47 ID:tXlGsIvuo
黒コート「爆発の破片が……! かわすぞ!」ギュン ギュン
革ジャン「ってオイ右に左に揺れるうううううううううううう!!!」ガク ガク
魔王「くそっ、チョコマカと逃げ回りやがるせいで狙いがつけにくい……!」ビュイイイイン
ドドン
剣使い「くそっ、逃げ回りながらだから、決め手に欠けるな……!」サッ
魔王「うわヤベ、エラい方向にビームまたまた飛ばしちゃった!! もう気にしない!」ビュイイイイン
ドドン
黒コート「っ! 今だぁぁっ!!!」
436: 2017/12/29(金) 18:25:16.92 ID:tXlGsIvuo
そのビームは、黒コートたちが乗るバイクの眼前に着弾した。
足下の地面が焼け、爆発し、煙が立ち上る。
だが爆発の瞬間を、黒コートは見逃さなかった。
彼女は革ジャンの体重を大きく後ろに預けさせ、自らはハンドルを引き上げる。
たしかに通常の爆風であれば、鉄の馬をはばたたかせるには不十分だろう。
しかし魔王の放った圧縮光線の爆風は、浮いたバイクの前輪の下を走り、
そして、その役目を果たした。
黒コート「うおおおおっ……」
黒コート「飛べええええええええええええッ!!!」
魔王「―――? なんだっ!?」クルッ
437: 2017/12/29(金) 18:25:44.18 ID:tXlGsIvuo
剣使い「あ――――」
弓使い「ウソ……」
銃使い「あれは――――」
族長「天馬……! 翼の無いペガサスだっ!!」
魔王「な、なんでバイクが空を飛んでるんだぁぁぁぁぁぁ!!?」
革ジャン「ふ……。良い夜空、だな……。センパイ。星がいつもより近く見えるぜ」
黒コート「ああ……。お前とのランデブーでなければ、いつまでもこうしていたいくらいだ」
黒コート「だが、ただ一点……」
438: 2017/12/29(金) 18:26:13.25 ID:tXlGsIvuo
黒コート「今からすぐに落ちるという問題点に目をつぶればだがなああああああああああああ!!!」
革ジャン「落ちる落ちる落ちる落ちるうおえいあああああああああああああああ!!!!!!」
魔王「な――――」
バイクの二人の感想に、つけ加えるならば。
その光景は、傍観していた五人の戦士たちにとっても、どこぞの洋画のような幻想的な光景だった。
ただ一点の問題点。
傍観していた戦士たちのうちの一人の頭上。
魔王の上に、そのバイクが落下する、という問題点に目をつぶれば。
魔王「しまった! 魔力防壁……、ってコレは魔力由来の攻撃にしか意味は無い、あっ――――」
439: 2017/12/29(金) 18:26:40.21 ID:tXlGsIvuo
ドカバキグシャ
魔王「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙――――っ!!!」
弓使い「魔王の顔面にバイクの後輪がメリ込んだ!!」
銃使い「今しかない!!」
剣使い「行くぞ! 族長!」
族長「ああ。剣使い。遅れを取るな!」
剣使い&族長「「うおおおおおおおおおおおおっ!!!!」」
440: 2017/12/29(金) 18:27:07.44 ID:tXlGsIvuo
魔王「いてて、ヒドい目に遭った……。はっ!?」
剣使い「これでトドメだ!!」
族長「我が刃、受けるがいい」
魔王「なんでだ、こんなハズじゃあっ……! ぎゃアアアアアアアアアアアア!!!」
剣使いが振り下ろしたのは、白銀の長剣。
族長が振り上げたのは、炎をまとったシャムシール。
刹那。白き雷鳴と、青き紅蓮が、入り混じった。
革ジャン「うおっ、なんかやったみたいだぞ!」
黒コート「私たちが気にしてる場合か!? 1号車に落ちるぞおおおおおお!!!」
441: 2017/12/29(金) 18:27:35.47 ID:tXlGsIvuo
――1号車【展望車・前】
ドシャ
革ジャン「ぐあっ!!」
黒コート「い、痛い……。ここは?」
桜色の女「…………」
仮面の男「…………」
バイクの二人が落ちた先。そこでは、顔と仮面に無数の傷をつけあった男女が、
お互いの首に刃を入れながら、しかして動かず、永遠とも思える一瞬の時を過ごしていた。
442: 2017/12/29(金) 18:28:04.14 ID:tXlGsIvuo
桜色の女「……今日は、来客が多い日でござるな」スッ
仮面の男「おや。もう終わりかい?」
桜色の女「ああ。此度の戦い、これで無聊を慰めるには十分だ」
桜色の女「ジャマが無ければ、このまま氏合うのも、やぶさかでないが……」
桜色の女「ちと来客が多すぎる。余人にも見られた。今宵はここまでとしよう」チャキ
仮面の男「そうかい。では僕も、これにて」
仮面の男「やはり君は、面白い……。また別な場所での、再会を期待しよう」ガチャ
桜色の女「ああ。そしてまたその時は、私の望みを満たさせてくれ」
革ジャン「ってオイオイなに満足気にどっか行こうとしてんだ!?」
443: 2017/12/29(金) 18:28:31.64 ID:tXlGsIvuo
桜色の女「ぬおっ!? み、見てたのでござるか!?」
仮面の男「はっはっは。これは手厳しい」
黒コート「剣士さん……。勝負には、勝ったのですか?」
桜色の女「……ははは。そこは想像にお任せするでござるよ」
革ジャン「時空指名手配犯の仮面の男だな。おとなしくしやがれ!」
仮面の男「やれやれ。しかしここで逃げるのも美学に反する。今はお縄につくとしよう」
革ジャン「さてセンパイ。これで目的達成、か?」
黒コート「ああ。それと、この列車の戦いも、おそらくすべて終わったハズ……」
444: 2017/12/29(金) 18:28:58.68 ID:tXlGsIvuo
――6号車【食堂車】 屋根の上
ウェイター「おっ、静かになった」
ウェイトレス「全部終わったみたいだねー」
ウェイター「ラウンジの爆発に始まって、食堂車の爆発に、色んな車両での大乱闘か……」
ウェイトレス「ニギヤカな年末年始だったねー。疲れたし、今年は平和だといいなぁ」
ウェイトレス「え!?」グラッ
ウェイター「うおっ。今の音、今の揺れ……。なんだ!?」
445: 2017/12/29(金) 18:29:25.70 ID:tXlGsIvuo
――1号車【展望車・前】 屋根の上
族長「おい、なんだあれは? 山が噴火している!?」
魔王「くそっ。最悪の展開だ……。謀ったな、白の大天使……!」
白ドレス「え? 私、なんもしてないよー」ザッ
魔王「なっ! えっ、お前、いつからいた……!?」
マスター「どうやら事態はそれどころではないらしいぞ、魔王」
剣使い「あの噴火してる山は、高さと方角からいって……。富士山か?」
魔王「違う。あの山は、富士山だが、富士山ではない。其は、き○こたけ○この生みの親……」
魔王「―――ア○ロ。あれなるは、アポ○富士山だ」
446: 2017/12/29(金) 18:29:52.45 ID:tXlGsIvuo
447: 2017/12/29(金) 18:30:20.57 ID:tXlGsIvuo
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