3: 2012/08/26(日) 23:21:11.50 ID:ccBWUhDg0
戦刃「だ、だから!…苗木が…好きなんだよっ!…///」

5: 2012/08/26(日) 23:26:18.79 ID:ccBWUhDg0
江ノ島「…で、残姉ちゃんはそれを私言ってどうすんのよ?」

戦刃「協力して欲しい…」

江ノ島「ワタシにメリット無くね?ていうかー苗木が好きとかマジウケるんですけどー的なー」


11: 2012/08/26(日) 23:33:59.71 ID:ccBWUhDg0
江ノ島「そうですね。戦バカな残姉ちゃんが頼みごととは珍しいですし、協力してもよろしいですよ」

戦刃「ほ、本当か!ありがとう!」

江ノ島(まぁ暇だし、適当に関係ぶち壊してやるか)

28: 2012/08/27(月) 00:14:52.59 ID:udMtVX4JO
戦刃「じゃあ最初は、どうすればいいかな……?」

江ノ島「まぁまず服装かな。お姉ちゃんの私服色気ゼロっつーかマイナスだし?
     むしろ虚数領域?ジ・イマジネイテッドナンバー!」

江ノ島「私が教えてもいいんだけどさー、
     苗木はギャルギャルした服装とかあんま好きじゃなさそうなのよね」

戦刃「あ…うん。わからないけど、そうかも」

江ノ島「ってことで無難にあのアイドルにでも聞いてみたらいいんじゃない?」

戦刃「アイドル……ま、舞園さんに?私が?」



35: 2012/08/27(月) 00:35:22.02 ID:udMtVX4JO
江ノ島「アンタが行かなくてどうすんのよ
    アドバイスはするけど流石にお姉ちゃんのためにチョロチョロ動く気はないっての」

戦刃「う、うぅ……けど私、舞園さんとあんまりお話したこと、ないし……」

江ノ島「苗木とだってないだろうが!!!
     いいから舞園ちゃんをどこかに呼び出す!そんで上手いこと色々教わってこいさっさと!」

戦刃「で、でも、急にそんなお願いして、舞園さんは聞いてくれるかな……?」

江ノ島「あああああもう!
     そんなもん心配なら礼代わりのプレゼントでも渡しとけ!ほらさっさと行く!」

戦刃「ぷ、プレゼントって何をわたs」

江ノ島「貰って嬉しいと思うもんなら何でもいいからさっさと行けええええ!!!」

戦刃「ひぅっ!?い、行くよ、行くから怒らないでよ盾子ちゃん……うう……」

36: 2012/08/27(月) 00:44:20.35 ID:udMtVX4JO
 教室

舞園「んーっ!今日も疲れたけど楽しかったなあ」
舞園「……ん?机の中に……なんだろう、手紙?誰からだろう」ガサゴソ

  ホウカゴ、オクジョウマデ。シャレイアリ

舞園「…………。戦刃さん、かな?屋上に行けばいいんだよね、多分」

40: 2012/08/27(月) 00:56:08.50 ID:udMtVX4JO
 屋上

舞園「よいしょっと。戦刃さんー?居ますかー?」
舞園「戦刃さんー?」

戦刃「…………」

舞園「はうっ!?戦刃さん、どうして私の背後に……!」

戦刃「…………」

舞園「……えっと、このお手紙をくれたのは戦刃さん、で良いんですよね?」

戦刃「…………」コクン

舞園「あ、合ってたんだ。良かったぁ……」
舞園「それで、一体どんなご用事なんでしょうか……?」

戦刃「…………」

舞園「……戦刃さん?」

戦刃「…………」

舞園「……」

41: 2012/08/27(月) 01:08:48.46 ID:udMtVX4JO

舞園「……えっと、戦刃さんは私に何かお話があったんですよね?」

戦刃「…………」コクン

舞園「で、でしたらその用件をお伺いしたいんですが……」

戦刃「…………」

舞園「……」

戦刃「…………」

舞園「……い、戦刃さ」

戦刃「これ」スッ

舞園「えっ? こ、これって」

戦刃「お礼。あなたに」

舞園「お礼って何の……戦刃さん」

舞園「い、居ない!? 戦刃さん、どこですか!? 戦刃さーん!!」

42: 2012/08/27(月) 01:15:03.97 ID:udMtVX4JO
江ノ島「……で。恥ずかしくて用件は言えずにプレゼントだけ押し付けて帰って来たと」

戦刃「…………」コクン

江ノ島「はあ……まあお姉ちゃんがそういう残念な感じなのは分かってたけどさあ」

江ノ島「そうやって無言で神妙に贈り物だけってむしろ告白シーンだろうが!
     舞園ちゃんに告白してどーすんのって話だよ!!
     何なの?お姉ちゃん実は苗木じゃなくて舞園ちゃん狙ってるの?馬鹿なの?」

戦刃「ひあぅ……!ご、ごめんなさい盾子ちゃん……!」

江ノ島「ああもう良いけどさあ……舞園ちゃんだってお姉ちゃんがコミュ障なのは分かってるだろうし」

戦刃「コミュ障って……酷いよ盾子ちゃん」

江ノ島「酷くない。それで、プレゼントって何を渡したのよ?」

戦刃「あ……うん!レーションとミネラルウォーターだよ」

江ノ島「(うわあ)」

45: 2012/08/27(月) 01:18:54.91 ID:udMtVX4JO
戦刃「盾子ちゃんが『貰って嬉しいもの』って言ってくれたから、私も頑張ったんだ」

戦刃「私だったら何を貰えたら一番嬉しいかなって、一生懸命頑張って考えて選んで……」

戦刃「お店も沢山見て回って、時間もいっぱい掛けて、一番良いレーションとお水を探したんだ」

戦刃「あんなに良いプレゼントを渡せたのも盾子ちゃんのお陰だよ。ありがとう盾子ちゃん!
   ……盾子ちゃん?どうしてそんなに私から離れてるの?」

江ノ島「ああ、伝染ると嫌だなと思っただけですので気にしないで下さい
     どうぞお好きなだけ続けて下さって構いませんよ」

戦刃「じゅ、盾子ちゃん?どうして敬語なの……?」

戦刃「盾子ちゃん?どうして私から逃げるの?盾子ちゃん?盾子ちゃん……!」

47: 2012/08/27(月) 01:22:29.45 ID:udMtVX4JO
飽きた寝る

52: 2012/08/27(月) 01:43:55.14 ID:udMtVX4JO
教室

苗木「へえ……これを戦刃さんが?」

舞園「うん……『お礼』って言われたんですけど心当りがなくって」

苗木「舞園さんは意識していなくても心配りの出来る人だから
   覚えていないだけできっと戦刃さんを色々助けてあげてたんじゃないかな」

舞園「そ、そうかな……///」

苗木「うん、きっとそうだと思うよ
   ……けど、舞園さんへのお礼なのに僕まで貰っちゃって良かったのかな?これ」

舞園「あ、うん。私一人じゃ食べきれないだろうし
   その、こういう物って今まで一度も食べた事がなかったから不安で……迷惑でしたか?」

苗木「あはは、迷惑だなんてとんでもないよ
   僕も軍用レーションなんて食べるのは初めてだけど……うん、意外と美味しいもんだね」

舞園「そうですね。私も、美味しいと思います」

苗木「舞園さんと食べているから、っていうのもあるんだろうけどね
   やっぱり食事は一人よりも好きな人達と一緒に食べた方が美味しく感じるよ」

舞園「そ、そうですね。私も……そう思います///」

53: 2012/08/27(月) 01:58:24.97 ID:udMtVX4JO
ガラガラッ
戦刃「…………」スタスタ
江ノ島「ういーっす、舞園ちゃんまだ居るー?ってうげ、苗木も一緒かあ」

苗木「あ、戦刃さんと江ノ島さん。……『うげっ』はひどいなあ」
舞園「ふふっ。戦刃さん、さっきはありがとうございました」

戦刃「……」ペコリ

苗木「あ、舞園さんが戦刃さんから貰ったっていうレーションだけど
   僕も頂いちゃってるよ。断りもなくごめんね、迷惑だったりしない?」

戦刃「……」フルフル

苗木「うん、それなら良かったよ」ニコッ

舞園「あ……苗木くん、口許にレーションの食べかすが」
苗木「うわっ、ほんと?どこどこ?」アセアセ
舞園「本当ですよー……はい、取れました」ヒョイ
苗木「ああ、恥ずかしいなあ……こんな歳にもなって」
舞園「ふふふ、年齢は関係ありませんよ。男の子は女の子に世話を焼かれるものなのです」
苗木「あはは、舞園さんには敵わないなあ」

江ノ島「(うわあ)」

58: 2012/08/27(月) 02:14:17.74 ID:udMtVX4JO
舞園「けれどこうやってハンカチを広げてお喋りしながら簡単なお食事って
   まるでピクニックみたいですね。私、そういう経験もあまりないので今、凄く楽しいです」
苗木「ピクニックに二人きりっていうのも珍しい気はするけどね
   あ、けど舞園さんとなら二人きりでのピクニックも楽しいんだろうなあ」
舞園「そ、そうですか?
   苗木君にそんな風に言って貰えるのは、その、嬉しいですけど……///」

江ノ島「(なんだこれ)」
江ノ島「(渡したプレゼントの所為で思い人と協力者(予定)がラブラブとか
     どんだけ残念な因果の星の元に生まれて来てるんだこいつは)」
江ノ島「(流石にここまで来ると私ですら哀れみを覚えてくるわ)」
江ノ島「(慰める気はないけど目の前でこれじゃこいつも相当落ち込んでんだろなあ)」チラッ

戦刃「(苗木くんが私の選んだレーションを食べてくれてる……嬉しい///)」ポッ

江ノ島「うわあ」

73: 2012/08/27(月) 02:54:13.05 ID:udMtVX4JO
(中略)

戦刃「苗木、く……ひっく、ごめ、ごめん、なさい……ひっく、う、あ、……」

戦刃「わたし、盾子ちゃんから、聞いて、知ってた、のに……
   苗木くんは、舞園さんのこと、を、舞園さんも……、それ、なのに……!」

苗木「戦刃さん……」

戦刃「苗木くんと舞園さんが、幸せそうに、して、るのを、遠くから見てるだけで、よかったのに、
   遠くから、見てるだけで、我慢していなきゃ、いけなかったのに……!」

苗木「戦刃さん」

戦刃「わたしに、こんなこと言われても、苗木くんは、迷惑、なのに……
   言っちゃ、だめ、なのに、言ったら、苗木くんが、困る、のに……!」

苗木「戦刃さん!」ギュッ

戦刃「あ……」

苗木「大丈夫だよ。戦刃さんが言いたい事、言ってくれても大丈夫だから……
   ……ううん、違う。僕が戦刃さんに言って欲しいんだ。戦刃さんの気持ちを、教えて欲しい」

戦刃「う、あ……」ウルッ


戦刃「わたし、好き、です……あの、苗木くんが、好き、です……!」

76: 2012/08/27(月) 03:12:43.13 ID:udMtVX4JO
戦刃「グス、ごめ、なさい、大、好き、です……!
   苗木くんのこと、大好きで、もう、がまん、できなく、て……」ヒック

苗木「うん。ありがとう戦刃さん」ギュッ
苗木「僕も、戦刃さんのことが好きだよ」

戦刃「ヒック、だよ、ね、ごめん、なさ、……い?」

苗木「……だから。僕も戦刃さんの事が他の誰よりも大好きだよ」

戦刃「へ……ふ……?」
戦刃「け、けど、苗木くんと舞園さんは好き合ってるって、盾子ちゃんが……」

苗木「……そりゃあ、クラスメイトだし友人だからね。好きに決まってるよ
   けど、違うんだ。戦刃さんへの『好き』はそういう友人としての『好き』だけじゃなくて……」
苗木「……うん。舞園さんや他の皆には幸せな未来を歩いて欲しいと僕は思ってるんだけれど
   戦刃さんは『僕が』幸せにしてあげたいんだ
   ずっと戦刃さんの隣で、戦刃さんが幸せになる手伝いをしていきたい」
苗木「……これが戦刃さんの気持ちへの僕からの答えなんだけど……だめかな?」

戦刃「……だめじゃ、ない……」
戦刃「わたし、も、ずっと苗木くんの隣に、いたい……!」
戦刃「う、苗木、くん、苗木、くん……!」グスッ

苗木「……」ギュッ

78: 2012/08/27(月) 03:24:03.34 ID:udMtVX4JO


苗木「……落ち着いた?」

戦刃「……うん。けど、まだ……信じられない」

苗木「あはは、それは僕も同じだよ
   戦刃さんが大泣きしだした辺りから、普段なら考えられないしね」

戦刃「う……それは、できたら忘れて欲しいかも……」

苗木「忘れないよ。僕は何があっても、戦刃さんの事は忘れない
   もし僕が記憶喪失になったとしても、戦刃さんの事は真っ先に思い出してみせる」ナデナデ

戦刃「う……うー……///」

苗木「一番大好きな人、だからね」

戦刃「……うん」ギュッ

80: 2012/08/27(月) 03:39:44.52 ID:udMtVX4JO

戦刃「……けど、きっと、舞園さんは苗木くんを……」

苗木「だから、それはないってば……
   それに、もしそうだとしても、僕が好きなのは戦刃さんなんだから」

戦刃「……うん」

苗木「江ノ島さんに聞いたよ。舞園さん達、戦刃さんと僕のために色々してくれてたんでしょ?」

戦刃「うん……ほんとうに、いっぱい」

戦刃「舞園さんと朝日奈さんは……服を選ぶのに付いてきてくれたり、お化粧の仕方を教えてくれたり
   他にも沢山、相談に乗ってもらった。好き相手が苗木くんだっていうのは……言えなかったけど」

苗木「僕の方にも、桑田くんや山田くんが『女性の扱い方講座』とか言って
   どんな女の子が自分に気があるのかとか熱弁しにきてくれてたよ」
苗木「今思えばあれは、きっと江ノ島さんがクラスの皆に根回しして
   僕に戦刃さんを意識させようとしてくれてたんじゃないかな、多分」

戦刃「そう……なんだ……」

81: 2012/08/27(月) 04:00:17.27 ID:udMtVX4JO
苗木「そうだよ、きっと。石丸くんなんてわざわざ
『不純異性交遊は校則で禁止されているが……不純でなければ僕も見逃そう!』
   とか僕の前まで言いに来て大和田くんと葉隠くんに引きずられていったし」

戦刃「クスっ」
戦刃「わたしの所にもも、不二咲くんが苗木くんの話をしにきてくれた」
戦刃「安広さんとジェノサイダー翔は
   『男はこう扱うのよ』って喧嘩しながら教えにきてくれた」
戦刃「辛い時は大神さんが、トレーニングに誘いにきてくれた」
戦刃「そっか……本当にみんなが、わたしなんかのために何かをしてくれてたんだ」

苗木「そうだね。霧切さんなんか不自然に僕を戦刃さんに近付けないようにしだして……」
苗木「そんな事をされたら逆に気になっちゃう、っていうのを狙ってたんだろうね」

戦刃「ふふ、霧切さんらしいと、思う」

苗木「十神くんがあんな事になっちゃったのは残念だけど
   きっとどこかで僕らを見て喜んでくれていると思う
   周りにキツく当たる事は多かったけど、あれで根は優しい人だったから」

戦刃「……うん。十神くんなら、きっとそうだと思う」

82: 2012/08/27(月) 04:15:08.15 ID:udMtVX4JO
苗木「それじゃあ、皆の所に帰ろうか」
苗木「皆も心配してるだろうし、早く僕らの事を報告しなきゃ」

戦刃「うん……そうだね。みんなのお陰、だもの
   みんなと……十神くんにも、お礼を言いに行かないと」

苗木「そうそう、皆を安心させてあげよう。……っと、戦刃さん、もう立てる?」

戦刃「ん、大丈夫、だけど……その前にちょっと待って、苗木くん」

苗木「?」

戦刃「ほら、苗木くん。口許にレーションの食べかすが」ソッ

苗木「え……?今日は僕、レーションなんて食べてな、っ~~~!?」


チュッ


戦刃「……今日から恋人同士、だもんね?」

苗木「……敵わないなあ、戦刃さんには」

84: 2012/08/27(月) 04:30:22.46 ID:udMtVX4JO

戦刃「じゃあ、行こっか……『まこと』くん」ギュッ
苗木「そうだね……行こう、『むくろ』さん」ギュッ


 ──こうして、私たち二人は歩いて行く。
盾子ちゃんに何を言われるのかなあとか
絶望プロジェクトはどうしようかなあとか
色々頭の痛くなる悩みは多いけれど。
辛くてもきっと、隣に居てくれる誰かさんが支えてくれるから。

ごめんね盾子ちゃん。
もう私、「絶望」とかできそうにないや。
今だって、胸の奥から込み上げてくる希望を抑えきれずに
口許がふにゃりと緩んでしまう。
こうなったら盾子ちゃんも私達の幸せに巻き込んで
絶望なんて追い掛けさせる間もないくらい忙しくさせちゃおうかな、
なんて、普段の私だったら(怒られちゃうから)絶対言わないような事を
割と本気で考えてしまうのであった。

ありがとう、盾子ちゃん。
ありがとう、みんな。

ありがとう、──誠くん。

ずっと、ずっと大好きだよ。


                                                       FIN

87: 2012/08/27(月) 04:54:15.31 ID:udMtVX4JO
山田「……という夢を見たのでござるよ」

不二咲「ふわぁ……いいなあ、素敵だなあ」
桑田「いやいやいやないないない」
十神「おいなぜ俺が氏んでいる」
葉隠「戦刃っちと苗木っちが付き合う可能性とか、正直3割ぐらいしかねーべ?」
大神「されど……」
セレス「当のお二人的にはこの男の妄言の内容、どうお考えで?」

苗木「…………///」
戦刃「…………///」

腐川「ま、まんざらでもない感じじゃなぁい……?」
朝日奈「おお~~っ!来たよ来たよ、青春だよ~~っ!?」
霧切「……」ギリッ
十神「おい何故俺が」
舞園「けれど本当に、そんな事になったら素敵ですね。お祝いしなきゃです」
石丸「不純でないなら許可もしようではないか!」
苗木&戦刃「~~~~っ」ダッ
大和田「うおっ!?二人とも逃げた!?追い掛けっぞ!!」
ワイワイギャーギャー

江ノ島「はぁ~。……アホらし」


十神「おい」

十神「おい」

                    今度こそ終わり

引用: 戦刃「あの、…苗木くんが、好き…です//」