56: 2017/11/17(金) 19:43:53.18 ID:5JG68xfBO
少し再開します

前回:【艦これ】鎮守府裏会議室

ーーーーーー

響「ここが裏会議室…噂には聞いていたけど、まさか私が利用することになるなんて思っていなかったね」


響「確かにここなら誰にも聞かれたくないことを内緒で相談できるし、いいシステムだと思うな」


響「私と同じ悩みを抱えている人がいるなんて…その人も罪深き人だけど、この会議で少しでも前に進めればいいな」


響「ん……あの人が来たようだね」


響「一緒に来てもよかったんだけど、万が一を考えて別々に行動したけど…その心配はなかったようだ」


艦隊これくしょん -艦これ- おねがい!鎮守府目安箱 1 (電撃コミックスNEXT)

62: 2017/11/17(金) 19:59:58.47 ID:ctAuNX3j0
阿武隈「……」コソコソ


響「阿武隈さん、そんなにコソコソしなくても大丈夫だよ」


阿武隈「響ちゃん本当に大丈夫なの?」


響「うん、ここには誰も近付かないらしいから。今も待ってる間も誰も来なかったよ」


阿武隈「それならよかったぁ」


響「でも早く中に入った方がいい。さぁ阿武隈さん」


阿武隈「うん……」

63: 2017/11/17(金) 20:05:45.18 ID:ctAuNX3j0
ガラガラ


阿武隈「本当に何もない部屋なんだぁ…」


響「あるのは古い机と黒板だけだね」


阿武隈「ここに…議題を書くんだよね?」


響「それが決まりらしいからね」


阿武隈「じゃあ私が書いちゃうねぇ」


響「うん…改めて字にしたら、私達の会議も捗ると思うからね」


阿武隈「私達の悩みなんて…誰もわかってくれないだろうねぇ…」


響「この鎮守府では私達だけじゃないかな…」



下3 二人の議題を

68: 2017/11/17(金) 20:21:20.01 ID:ctAuNX3j0
『今日の議題

脱ぎかけの雷工口すぎ案件』


阿武隈「これでいいかなぁ?」


響「問題ないと思うよ。早速だけど阿武隈さんはどう思う?」


阿武隈「あんなの…裸をさらけ出してるのとかわらないよぉ!」


響「うん、私もそう思うよ」


阿武隈「なんなの!?なんで雷ちゃんはあんなに工口いの!?」


響「私の妹のはずなのに…あの工口さはどこから来ているんだろうね」

69: 2017/11/17(金) 20:24:38.28 ID:ctAuNX3j0
響「入渠する時に服を脱ぐ…そして鎖骨辺りが露わになって……その時の光景が……」


阿武隈「あぁぁぁダメぇ!思い出しただけで鼻血が…」


響「不思議なことに裸だとそこまで工口くないんだ」


阿武隈「まぁ響ちゃんはそうかもしれないね。体付きも似てるんでしょ?」


響「うん、私達姉妹は似てると思うよ」


阿武隈「なんで雷ちゃんだけあんなに工口いんだろう…」

70: 2017/11/17(金) 20:27:13.19 ID:ctAuNX3j0
響「工口いものは仕方ないよ。だからどうすればいいと思う?」


阿武隈「どうって?」


響「雷をどうするか、だよ」


阿武隈「……どういうこと?」


響「雷に告白するか、だよ」


阿武隈「こ、告白だなんてそんなぁ!!」


響「そうだよね、阿武隈さんは雷が工口くて困ってるだけだよね」


阿武隈「響ちゃんは…雷ちゃんのことが好きなの?」


響「……私も正直わからないんだ」

71: 2017/11/17(金) 20:34:07.42 ID:ctAuNX3j0
響「雷は自慢の妹だし、好きかと言われれば好きだよ。でもそれが愛なのかどうかわからないんだ」


阿武隈「でも雷ちゃんとは姉妹…だよ?」


響「わかっている、だから阿武隈さんに判断して欲しい」


阿武隈「ええっ、あたし!?」


響「うん、この前あったことを言うから。あのね……」



下2 響の台詞を

76: 2017/11/17(金) 20:48:47.98 ID:ctAuNX3j0
響「私が寝起きでうとうとしていたら、雷が跨っていておでこにキスされたんだ」


阿武隈「それって…!もしかしなくても脈ありだよぉ!」


響「…本当にそうかな」


阿武隈「んっ?」


響「雷は誰に対してもあんな感じなんだ。眠そうにしてる子がいたら膝枕で寝かせてあげてるし」


阿武隈「でも響ちゃんはキスされたんでしょ?」


響「おでこにキスくらい…よくある話じゃないか」

77: 2017/11/17(金) 20:51:13.08 ID:ctAuNX3j0
阿武隈「響ちゃんはどう思ったの?」


響「……」


阿武隈「雷ちゃんにキスされて嬉しかったんでしょ?」


響「…………うん」


阿武隈「ならそれは好きってことだよぉ!」


響「…………」


阿武隈「…響ちゃん?」


響「阿武隈さん…私、どうしたらいいのかな」


阿武隈「どうって、告白しかないでしょ?」


響「……」

78: 2017/11/17(金) 20:56:27.06 ID:ctAuNX3j0
阿武隈「好きかどうかあたしに判断して欲しいんだよね?それは間違いなく好きってこと!」


響「……」


阿武隈「どうしたの?」


響「…怖いんだ。もし断られたらでも…今の関係が崩れてしまうのが……」


阿武隈「それは……でも……」


響「……阿武隈さんならどんな台詞で雷に告白する?」


阿武隈「あたしに聞くのぉ!?」


響「会議なんだから、阿武隈さんの意見が聞きたいな」


阿武隈「えっと…そうだなぁ……」


下2 阿武隈の台詞を

81: 2017/11/17(金) 21:04:43.83 ID:ctAuNX3j0
阿武隈「私のお母さんになって!!…とかかなぁ…」


響「……阿武隈さんに質問したのが間違いだったかもしれないね」


阿武隈「だってそんなこと急に言われてもぉ!」


響「雷……私はどうしたら……」


阿武隈「ん~~~!響ちゃんちょっと待ってて!!」


ガラガラ


響「あぁ……阿武隈さんがどこかに行ってしまった…」

82: 2017/11/17(金) 21:07:29.81 ID:ctAuNX3j0
ーーーーーー

阿武隈「雷ちゃんここに入って!」


雷「またここなの?嫌な予感しかしないわ…」


阿武隈「前に来たことあるのぉ!?」


雷「しょうもない理由だったんだけど……あら、響じゃない」


響「雷!?どうしてここに!?」


阿武隈「あたしが連れてきたの!さぁ響ちゃん、雷ちゃんに言いたいことがあるんだよね!」


雷「そうなの?水臭いわね、なんでも言ってくれたらいいのに!」


響「あ、あの…………」


阿武隈「頑張れ響ちゃん!」




下2 響の台詞を

85: 2017/11/17(金) 21:15:37.21 ID:ctAuNX3j0
響「キス……したい」


雷「キス?」


阿武隈「響ちゃぁん………」


響「だって……急に……そんな……」


雷「何よもう、キスくらいいくらでもしてあげるわ!」


響「ほ、本当かい?」


雷「ほら響こっち向いて!」


響「ん…………」

86: 2017/11/17(金) 21:23:31.36 ID:ctAuNX3j0
チュッ


雷「おでこにキスくらい、いくらでもしてあげるのに!」


阿武隈「ねぇ響ちゃん……」


響「……ううん、これでいいんだ。やっぱり今の関係が壊れるのが怖いし…」


阿武隈「……そっか」


雷「……………ん?」


響「雷ありがとう、もう大丈夫だから」


阿武隈「わざわざありがとうね!」

87: 2017/11/17(金) 21:25:48.50 ID:ctAuNX3j0
雷「ねぇ……響と阿武隈はここで裏会議してたのよね?」


響「うん、そうだよ」


阿武隈「二人だけの秘密の会議なんだよぉ~」


雷「これ…………なに?」つ黒板


響、阿武隈「!!!!」


雷「まさか、二人とも……」


阿武隈「ちちちち違うよ雷ちゃん!」


響「そそそそそうだよ!雷のことを変な目で見てなんか…!」


雷「下3」


下3 雷の台詞や行動を

91: 2017/11/17(金) 22:20:49.76 ID:5JG68xfBO
雷「見てくれないの…?」


響、阿武隈「えっ!?」


雷「私…みんなに見られるの……好きなの」


阿武隈「まさか…雷ちゃんが……」


響「露出癖とでもいうのかい!?」


雷「知ってるのよ?二人が私の着替えを凝視してるの」


響、阿武隈「」ギクッ

92: 2017/11/17(金) 22:23:29.98 ID:5JG68xfBO
響「それは……だね…」


雷「違うの、嫌っていうことじゃないの」


阿武隈「むしろ快感なの?」


雷「……うん」


響「おぉ……」


雷「……気になることがあるんだけど、この際だから聞いていいかしら?」


阿武隈「うーん…質問の内容にもよるかなぁ…」


響「何が知りたいんだい?」

93: 2017/11/17(金) 22:27:57.19 ID:5JG68xfBO
雷「なんで二人は…私の裸を見てくれないの?」


阿武隈「それはね……」


響「この黒板を見ればわかるんじゃないかな?」


雷「理解できないわ、裸より脱ぎかけの方が工口いなんて」


阿武隈「そんなこと言われてもぉ!」


響「下2」


下2 響の台詞や行動を

96: 2017/11/17(金) 22:47:29.04 ID:5JG68xfBO
響「世の中には着工口というジャンルがあるんだよ」


雷「わからない……わからないわ…」


阿武隈「裸より工口いなんて言っても理解してもらえないよねぇ…」


雷「私は裸を見られたいのに!」


響「そんなはしたないことはやめてくれ!」


阿武隈「あたしも裸を見せるのは反対かなぁ~脱ぎかけが見たいんだし」

97: 2017/11/17(金) 22:52:00.50 ID:5JG68xfBO
雷「だいたい響はなんでそんなこと言うのよ!私の着替えを盗み見してた癖に!」


響「それとこれとはわけが違うんだ!」


阿武隈「落ち着いて二人とも!こんな所で言い争っても仕方ないよ!」


雷「私が何をしてたって関係ないじゃない!」


響「いいや関係ある!」


雷「なによお姉さんぶるつもり!?普段私に甘えてるくせに!」


響「それは……!」

98: 2017/11/17(金) 22:54:29.93 ID:5JG68xfBO
阿武隈「違うよ雷ちゃん!響ちゃんは雷ちゃんのことが好きなの!」


雷「え!?」


阿武隈「だから無暗に裸を晒して欲しくないんでしょ響ちゃん!」


響「阿武隈さん!!!」


阿武隈「え、なに…?」


雷「響が…私のことを好き?」


阿武隈「あっ!!そ、その……」


雷「本当なの響?」


響「……」コクッ


雷「下2」


下2 雷の台詞や行動を

102: 2017/11/17(金) 23:16:18.45 ID:5JG68xfBO
雷「私だけじゃなかったの…?」


阿武隈「…ん?どういうこと?」


雷「私だけが……響のこと好きだと思ってたのに……」


響「じゃあ……」


雷「…うん、私も響のことは好き」


阿武隈「やったぁ!両思いだよ!よかったね響ちゃん!」


雷「ううん、そういうわけにはいかないわよ」


阿武隈「どうして!?二人ともお互いを好きなんでしょ!?」


響「阿武隈さん…私達は姉妹なんだ」

103: 2017/11/17(金) 23:19:33.51 ID:5JG68xfBO
響「姉妹同士で恋人だなんて…周りからどんな目で見られるかわかったものじゃないよ」


雷「だから…この気持ちは隠しておこうと思ったのに……」グスッ


阿武隈「えっ、ちょっ!雷ちゃん泣かないで!」


雷「なんで響と私は姉妹なのよぉぉぉ……こんなの……嫌だぁ……」グスグス


阿武隈「あ、あわわあ……響ちゃん、どうしたら…」


響「……」ポロポロ


阿武隈「響ちゃんも泣いてるーー!」

104: 2017/11/17(金) 23:22:00.70 ID:5JG68xfBO
響「気持ちが通じあったのに…また離れ離れなのかい…?そんなの……辛い……」


雷「響ぃ………」グスッ


響「雷……私達は………距離を置いた方がいいかもしれないね……」


雷「……ふぐぅ?ぅぅぅ」


響「これ以上近くにいると……」


雷「やめでぇ……ぞれ以上言わなぃでぇ……」


阿武隈「…下2」


下2 阿武隈の台詞や行動を

107: 2017/11/17(金) 23:42:14.45 ID:5JG68xfBO
阿武隈「……もしかしてだけど、二人は秋月ちゃんと照月ちゃんが付き合ってることは知らない?」


雷「……」


阿武隈「あの二人が付き合ってるって私達軽巡にカミングアウトした時はビックリしたけど…みんな祝福してたよぉ!だから二人も…!」


響「阿武隈さん、さっき私は周りからの目もあると言ったよね」


阿武隈「え?うん……」


響「あれは例え話じゃないんだ。秋月達は駆逐艦の子達から、実際イロモノを見る目で見られてるんだ」


阿武隈「えっ…………」

108: 2017/11/17(金) 23:45:38.44 ID:5JG68xfBO
雷「阿武隈さんは知らなくて当然よ、艦隊にいる時はみんな普通に接しているもの」


阿武隈「そんな……」


響「駆逐艦の寮に帰ってきたら……あとはわかるよね?」


阿武隈「……」


雷「もちろん私達は何もしてないわ!でも…みんなが……」


響「雷をあんな目に合わせたくない。だから雷、やっぱり……」


雷「嫌!絶対嫌だから!!響からは離れない!!」

109: 2017/11/17(金) 23:48:21.16 ID:5JG68xfBO
響「雷……わかって欲しい…」


雷「絶対嫌だから!!」


響「もう……なんでこんなことになったんだ……私はただ…雷の脱ぎかけが工口いって会議をしてただけなのに…」


雷「そうよ!阿武隈さんにも責任があるわ!なんとか言ってよ!」


阿武隈「……」


響「雷、これは私達の問題だ。阿武隈さんは巻き込むべきじゃない」


雷「なんでよ!元はと言えば……!」


阿武隈「ちょっと…いいかな?」

110: 2017/11/17(金) 23:50:33.20 ID:5JG68xfBO
響「阿武隈さん、無理に……」


阿武隈「ううん、二人に質問があるの。二人はお互いのことが好き?」


雷「もちろんよ!!」


響「……好きだよ」


阿武隈「なら……お金も住む所も…何もかも全部を投げ出して、二人だけで生きていく覚悟はある?」


響「それって……」


阿武隈「……どう?」



下2 響か雷の答えや行動を

113: 2017/11/18(土) 00:11:52.62 ID:dinWT9ux0
響「それぞれのためならそれくらいなんて事ない」


雷「そうよ!私には響がいれば!!」


阿武隈「うん…やっぱり今聞いてもそういう答えが帰ってくるよね」


雷「いつ聞かれても答えは同じよ!」


阿武隈「雷ちゃん、本当にわかってる?自分達が何をしようとしているのか」


雷「それは……」


阿武隈「私達を…提督を裏返ることになるんだよ?」

114: 2017/11/18(土) 00:15:25.75 ID:hxcKDBT/O
阿武隈「冷静に考えてみて、解体もしていない艦娘が永遠に逃げられると思う?」


響「……」


雷「なんでそんな意地悪言うのよぉっ!!」グスッ


阿武隈「あたしは本当のことを言ってるだけだよ?」


響「……でも…私は……」


雷「響とは離れたくない!!嫌だ、嫌なのぉ!」


阿武隈「…………二日後…」


響「えっ?」


阿武隈「もし本当に覚悟があるなら…二日後の深夜にこの裏会議室に来て」


雷「それって…………?」

115: 2017/11/18(土) 00:19:16.42 ID:dinWT9ux0
響「阿武隈さんがどうにかしてくれるというのかい?」


阿武隈「……二日後だからね、よく考えるんだよ」ガタッ


雷「あっ……」


阿武隈「いい二人共?ぜっっったいに二人だけで相談するんだよ?誰かに相談した時点であたしは……」


響「……うん、わかった。ちゃんと二人だけで考えるよ」


雷「阿武隈さん……」


阿武隈「悔いのない答えを出してね……」


ガラガラ


雷「響ぃ…………」


響「ゆっくり……ちゃんと二人だけで考えよう」


116: 2017/11/18(土) 00:22:29.67 ID:dinWT9ux0
この後の展開は下1~5 くらいで安価取る予定だったんですが、遅くなってしまったので人居ませんよね?


居ないようなら本当に二日後に結果出そうと思うんですがどうでしょうか?

132: 2017/11/18(土) 00:45:56.59 ID:dinWT9ux0
ーーーーーー二日後、裏会議室


阿武隈「ふぅ……あそこまで言ったんだし、きっと来ないよね」


阿武隈「ここから逃げたとしても、待ってるのは幸せとは限らない」


阿武隈「そもそも、二人はここに居てもいいんだよ。今はまだ誰にも知られてないんだし」


阿武隈「誰も二人を傷付ける人はいない、だから二人は何も悪くない」


阿武隈「なのに………」


阿武隈「なのに……………………」


阿武隈「…………来ちゃったんだね」


響、雷「……」コクリ

133: 2017/11/18(土) 00:48:43.26 ID:dinWT9ux0
雷「私達ちゃんと考えたの、あれからずっと…」


阿武隈「…後悔してない?」


響「正直してるさ、暁や電達を…みんなを裏切ることになるんだし」


雷「でも私達は…!」


阿武隈「うん、わかってる、わかってるよ」


響「荷物は纏めてきたよ」


雷「とは言っても纏める程荷物はなかったんだけど…」


阿武隈「じゃあ………行こっか」

134: 2017/11/18(土) 00:52:35.45 ID:dinWT9ux0
ーーーーーー

阿武隈「いい?このトンネルを抜けたら、紙に書いてある通りにするんだよ?」


響「阿武隈さん…」


阿武隈「今から一時間後に線路検査のための車両が通るの。絶対にそれまでの間にトンネルは抜けてね?」


雷「うん…………」


阿武隈「もう一度言うけど、二週間の間は絶対地下にいるんだよ?地上に出たらもう……」


響「わかってるさ、気を付ける」


雷「あとは本当にこの紙に書いてある通りすれば…逃げられるの?」


阿武隈「…」コクリ

135: 2017/11/18(土) 00:56:20.16 ID:dinWT9ux0
阿武隈「……このトンネルを抜ければ、もう二度と大人に助けてもらうことはできないの。それでも行くんだね?」


響「………………うん」


雷「響と一緒なら……地獄でも……どこにだって行けるわ」


響「とりあえず仕事を探さないといけないね」


雷「こんな私達にでもできる仕事なんてあるのかしら…」


響「探すしかないよ、私達には戸籍も……家もお金も…何もないんだから…」


雷「ううん…私には響がいるもの……」


響「……うん、そうだね。私には雷が居たね」

136: 2017/11/18(土) 00:59:14.38 ID:dinWT9ux0
響「ふぅ……………じゃあ阿武隈さん、私達…行くね」


雷「最後まで迷惑かけてごめんなさい…」


阿武隈「……行ってらっしゃい。絶対……ぜっっったいに幸せになってね」ギュッ


響「…………うん」


雷「阿武隈さん…………」


阿武隈「…最後に響ちゃん、これをあげる」スッ


響「この封筒は…?」


雷「随分と分厚いけど、本か何か?」


響「本にしては封筒が小さいよ」

137: 2017/11/18(土) 01:02:00.76 ID:dinWT9ux0
阿武隈「これで暫くは生活できると思うから、その間に住む所はなんとかしてね?」


響「えっ……じゃあ……これって…」


雷「ちょっと!!こんな大金受け取れないわ!!」


阿武隈「いいから!早く行ってぇ!!」


響「でも……」


阿武隈「いいから早く!電車も来ちゃうから!」


雷「響……ありがたく受け取りましょう」


響「でも……」


阿武隈「いいから……早く行けーーーー!!!!」

139: 2017/11/18(土) 01:04:46.26 ID:dinWT9ux0
響「…………ありがとう」


雷「響、行きましょう………」


響「……………」チラッ


阿武隈「振り返っちゃダメ!!!!!!戻れなくなるよ!!!」


響「…………」コクリ


雷「………」


阿武隈「頑張れ!頑張れーーーー!!」


響「…………」


雷「…………」


阿武隈「頑張ってぇーーーーー!!!!」

140: 2017/11/18(土) 01:05:53.15 ID:dinWT9ux0
ーーーーーー

ーーーー

ーー

阿武隈「はぁ…はぁ……見えなくなっちゃった……」


阿武隈「二人は本当に幸せになれるのかな……」


阿武隈「雷ちゃん……響ちゃん……」

141: 2017/11/18(土) 01:10:42.88 ID:dinWT9ux0
雷「ねぇ響………なんで阿武隈さん…抜け出す方法なんて知ってたのかしら?」


響「……」


雷「この紙に書いてあることだって、具体的過ぎるわ」


響「……」


雷「体に発信機か何かが埋め込まれるから、新しい艦娘を建造するまでの間地下に潜れなんて具体的な指示もあるし…」


響「わからないかい?」


雷「響はわかるの?」


響「阿武隈さんは多分…私達と一緒だったんじゃないかな?」


雷「えっ…」


響「阿武隈さんもきっと…私と同じように……」


雷「でも阿武隈さんはあこそに居たわよ!?」


響「……相手にそこまでの覚悟がなかったんじゃないかな」

142: 2017/11/18(土) 01:12:27.94 ID:dinWT9ux0
雷「……」


響「…………阿武隈さんの分まで幸せになろう」


雷「そうね……」


響「それが私達にできる、阿武隈さんのへの恩返しだよ」


雷「うん…………うん…」


響「……………さぁ、トンネルを抜けよう」


雷「…………さようなら、みんな」

144: 2017/11/18(土) 01:19:51.06 ID:dinWT9ux0
響と雷が駆け落ちした次の日の鎮守府は大騒ぎでした。

艦隊を挙げて二人を捜索するも、なんの手掛かりもなくただ時間だけが過ぎていきました。

そして四日が過ぎた頃、今度は秋月ちゃんと照月ちゃんが居なくなってしまいました。

その事を知った提督は、何かを悟ったように四人の捜索隊を最低限せよと艦隊に通達しました。

重巡や戦艦の皆さんは猛反発しましたが、軽巡や駆逐艦達は素直に支持に従い、このことに触れられることは少なくなっていきました。

提督も落ち込んでいましたが、四人の代わりが着任するのが決定すると少し元気が出たみたいでよかったです

でも「相談して欲しかったなぁ…」という独り言を寂しそうに呟く提督を、あたしは真っ直ぐ見ることはできませんでした。

145: 2017/11/18(土) 01:22:47.49 ID:dinWT9ux0
ーーーーーー

北上「おいっす阿武隈~」ぐしゃぐしゃ


阿武隈「もう北上さん!前髪触るのやめてください!」


北上「あはは、相変わらず反応面白いね~」


阿武隈「全くもう…」


北上「ん?阿武隈が食べてるのって日替わりじゃないじゃん?なんで一番安い定食?」


阿武隈「……色々出費があったんですぅ~!」


北上「無駄遣いはダメだよ~?」


阿武隈「…………」


北上「阿武隈ぁ?」

146: 2017/11/18(土) 01:25:57.02 ID:dinWT9ux0
阿武隈「あれは…無駄遣いなんかじゃないですよ」


北上「おぅ…なんなのさぁ……そんなマジなトーンで返さないでよ…」


阿武隈「…………」


北上「阿武隈…………?」


阿武隈「……うっ…」ポロポロ


北上「どうしたのさ!?なんでいきなり泣き出すの!?」


阿武隈「ちょっと………色々……思い出し……」


北上「あぁぁ~もう~~~!エビフライ奢るから泣き止んでよ、ね!?」


阿武隈「…………はい」


北上「ちょっと待ってて!もう……なんなのさぁ~!」


阿武隈「四人共……あたしの分まで…………幸せにねぇ……」

147: 2017/11/18(土) 01:27:20.72 ID:dinWT9ux0
なんでこんなことになったんでしょうか


自分にはわかりません


今日はここまでです、またお願いします


【艦これ】鎮守府裏会議室 その3

引用: 【艦これ安価】鎮守府裏会議室