1: 2009/10/24(土) 10:30:28.01 ID:ixB0aLFJO
JUM「ああ、姉ちゃんにやってみろって言われたんだ」

翠星石「日記なのに明日だなんて変な話です」

JUM「なんだっけ、明日の理想の自分を書いて、次の日に実行して…」

翠星石「あ、そうやって理想の自分に近づいてこうってワケですね!」

JUM「そうそう、そんな感じ」

翠星石「ふぅーん…って、真っ白じゃないですか!」

JUM「バカ、けっこう難しいんだよ」
ローゼンメイデン 愛蔵版 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

3: 2009/10/24(土) 10:35:00.82 ID:ixB0aLFJO
翠星石「まぁ日記ってのはその日の出来事を振り替えって書くもんですから…難しいですよね」

JUM「だろ?」

翠星石「取り敢えず何か書いてみやがれです」

JUM「うーん…あ、じゃあお前がなんか書いてみろよ」

翠星石「はぁ?」

JUM「勉強させてもらうからさ」

翠星石「何ですかそれ。でも少し面白そうですね」

6: 2009/10/24(土) 10:40:10.08 ID:ixB0aLFJO
翠星石「えーと、10月25日、晴れ」

JUM(晴れ?)

翠星石「健康的に午前6時に起床。薔薇乙女は規則正しい生活が第一です…っと」

日課であるめざましテレビは日曜なのでお休みです。
仕方がないのでのりと一緒に朝ごはん。
少し苦いアメリカンを口に含み、眠気を吹き飛ばすです。

JUM「お前コーヒー飲めないだろ」

翠星石「あ、そうだったです」

翠星石「アメリカンをダージリンに書き換え…」カキカキ

8: 2009/10/24(土) 10:43:47.77 ID:ixB0aLFJO
朝ごはんを済ませても出来の悪い妹や使えないメガネは目を覚まさないです。
そこで朝の散歩に出掛けるです。
日曜の朝は人間が少ないので人形がぶらぶらしてても大丈夫なのです。

JUM「本当か?」

翠星石「…多分」

ひんやりとした空気を体で受け止め、ひたすら歩くです。
おさんぽきもちいいです。

11: 2009/10/24(土) 10:49:12.75 ID:ixB0aLFJO
しばらく歩いて公園で一休み。ぼけーっと辺りを見回すです。
もちろん誰も居ない、まるで世界が私だけを隔離したかのようです。
そんなこと考えてると何だか無性に不安になってきたです。
もし、私以外のみんなが氏んだとしたら、一体どうすればよいのでしょうか?

JUM「おい、脱線してるぞ」

翠星石「はっ!?」

12: 2009/10/24(土) 10:53:06.20 ID:ixB0aLFJO
ちがうちがう。
公園で一休みしてると何やらこそこそ動いてる気がするです。
もしかして人が来たのでは?と思いとっさに隠れ様子を見るです。

するとどうでしょう。その正体は水銀燈だったのです!

JUM「え?」

やっぱり朝はラジオ体操に限るわぁ、といいながら大きく胸を反らしてたです。
ラジオは何処からかっぱらったんでしょうか?
気になるところです。

14: 2009/10/24(土) 10:57:03.89 ID:ixB0aLFJO
暫く様子を見たですが、何だか物凄く滑稽だったです。
最凶ドールと言っておきながら体操ですか。モヤモヤすると言うか、そんな気持ちです。
狩りとかでワイルドに生活してそうですが…薔薇乙女にワイルドもクソも無いですけど。

JUM「…本当にラジオ体操なんかやってるのか?」

翠星石「やってたら面白いですよね~」カキカキ

JUM「あのなぁ…」

翠星石「何ですか?」

16: 2009/10/24(土) 11:01:04.99 ID:ixB0aLFJO
JUM「あくまで理想の自分だぞ?何でラジオ体操する水銀燈がでてくるんだよ」

翠星石「む、いいじゃないですか」

JUM「よくない。でもまあ少しだけ参考になった。後は頑張るよ」

翠星石「はぁ」

JUM「だから出ていってくれ。集中したい」

翠星石「へっ、ああそうですか。用済みになったらポイですか。偉くなったですね~」

JUM「…そんな言い方しなくてもいいだろ」

翠星石「ふんだ!」

バタン!

18: 2009/10/24(土) 11:08:41.23 ID:ixB0aLFJO
――――………

翠星石「…と言う訳です」

蒼星石「へぇ、発想は面白いね」

翠星石「蒼星石も少し書いてみたらどうですか?」

蒼星石「うーん…何て書けばいいのかな?」

今日もマスターの相手でいっぱいいっぱい。
時々、急にカズキカズキと喚き出すのが悩みの一つ。もうストレスも溜まりっぱなしだ。

翠星石「そういうのはちょっとアウトです」

蒼星石「ダメなの?じゃあ…」

20: 2009/10/24(土) 11:13:49.15 ID:ixB0aLFJO
今日は気晴らしにゲームセンターに行った。
beatmaniaⅡDXの練習のためだ。
シリウスが稼働し始めたので段位認定の四段に挑戦したがあえなく撃沈。
R5のトリルでいつもはまってしまう。進歩がないなと鼻で笑ってしまった。
仕方がないのでスタダで☆8フォルダを埋めていく。
難埋めなんか出来たもんじゃない。易付けてギガデリをやるが全く出来ない。なんて調子が悪いんだ。
イライラする。思いっきり筐体を叩きつけた。

翠星石「コラァ!」

蒼星石「ヒイッ!」ビク

22: 2009/10/24(土) 11:16:34.36 ID:ixB0aLFJO
翠星石「なんでそんなにネガティブなんですか…もっと楽しいことを考えやがれです」

蒼星石「楽しいこと?」

翠星石「ん、あぁ…なるべく達成できそうなことを楽しく書くんです」

蒼星石「なるほど…」

まずは筐体に飛び乗り

翠星石「おい」

23: 2009/10/24(土) 11:23:37.82 ID:ixB0aLFJO
というのは冗談で。
今日は桜田家に遊びに行った。
相変わらず真紅はくんくんか読書。行動パターンが二つしかない。じゃんけんですら三パターンあるのに。
じゃんけん以下とはこれいかに。以下なだけに

翠星石「ぶほぉ!」

蒼星石「いいねこれ!どうだい翠星石?」

翠星石「理想の自分とは無関係ですが、これはこれで…」

何かあるとすぐにくんくんに例え出す。
くんくんは~とか、くんくんなら~とかね。
僕もくんくんは好きだ。
だけど真紅は度が過ぎてるとしか



真紅「好き放題書いてくれてるわね」

蒼星石「おぅ…真紅さん…」

26: 2009/10/24(土) 11:30:47.66 ID:ixB0aLFJO
真紅「で、何を書いてるの?」ギリギリ

蒼星石「あひたにっひれふ…いぶいぶ、ひんやう…」

翠星石「かくかくしかじか」

真紅「成程ね、まったく幼稚なことしか書いてないじゃない、蒼星石」

蒼星石「ゲホッ…失礼な。けっこう難しいんだから」

真紅「まぁ私の華麗なら明日日記を見るのだわ」

翠星石「ほう?」

27: 2009/10/24(土) 11:34:04.32 ID:ixB0aLFJO
きょうはくんくんのテレビをみたのだわ。
あいかわらずくんくんのめいすいりがひかってたのだわ。
どろぼうキャットなんかめじゃないのだわ。
ねこなんてこのよからきえてしまえばいいのだわ。
めざわりなのだわ。

蒼星石「だわだわさん、読みにくいよ」

だわだわ「そうかしら?」

翠星石「漢字は書けないんですか…」

だわだわ「いっ、今は練習中なだけよ!」

29: 2009/10/24(土) 11:41:35.85 ID:ixB0aLFJO
翠星石「それにくんくんの事ばかり…」

蒼星石「ね?僕の明日日記が明日と言わずに実現しちゃったよ」

真紅「く…分かったわよ。別の内容にするのだわ」

ごごはじゅんといっしょにまちまでかいものにいったのだわ。
じゅんが「ちょっとおもちゃやによりたい」というものだからしかたなくついていったのだわ。
そしてじゅんがミニカーをかって、スピードくじをひいてくださいとすすめられてたのだわ。
するとじゅんのひいたくじがおおあたり。
1とうのとくだいくんくんにんぎょうがもらえたのだわ。
まるでゆめをみているかのようだったのだわ。

真紅「どう?」

翠星石「真紅…文才無いですね」

蒼星石「いっつも絵本を読んでたのかい?ぐりとぐらかい?ん?」

真紅「…」

31: 2009/10/24(土) 11:46:14.77 ID:ixB0aLFJO
真紅「も、もう一度!」

くんくん…じゃない。
そのあとじゅんにくんくんにんぎょう…ちがう。
えいがかんにいってげきじょうばんくんくん…はみないで…みたいけど…みないのだわ。
く…しんぼる…くんくんのしんぼる…
ちがう…ちがうのに…

翠星石「…」

蒼星石「ちがうちがう書きすぎだよ。気持ちは分かるけど」

真紅「駄目よ…やっぱり私はくんくん無しじゃあ生きられない!自分は偽れないのだわ!」

翠星石「こいつは手遅れです…」

32: 2009/10/24(土) 11:49:53.34 ID:ixB0aLFJO
雛苺「くーんくん、みよっかなー」

真紅「…私も観るのだわ」

雛苺「うゆ?何でみんなそんなに暗いの?」

蒼星石「真紅のあまりのくんくんジャンキーっぷりにビックリしただけだよ」

雛苺「ふぅん…あ!明日日記なのー!」

翠星石「何で知ってるんですか?」

雛苺「のりに教えてもらったのよー」

33: 2009/10/24(土) 11:55:32.32 ID:ixB0aLFJO
雛苺「ヒナも毎日つけてるのよ」

翠星石「マジですか!?」

雛苺「マジなのよ。持ってくるの」トコトコ

蒼星石「ん?でも雛苺って字が劇的にアレだったような…」

真紅「ふん、鼻で笑ってやるのだわ」

翠星石「性格悪いですね、真紅」

真紅「うるっさいのだわっ!」

35: 2009/10/24(土) 12:06:34.10 ID:ixB0aLFJO
雛苺「はい、これなのよ」

蒼星石「んまぁ、可愛い日記帳だこと」

翠星石「そうですわねぇオホホ…」

真紅「ん?最初のページ…」

蒼星石「読めないね」

翠星石「読めないですね」

雛苺「最初は字がヘタクソだったから…恥ずかしいの」

翠星石「ふぅん…」パラパラ

36: 2009/10/24(土) 12:10:03.95 ID:ixB0aLFJO
き…は、じを…た…に…んき…う…の。

真紅「まるでスパイの暗号ね」

雛苺「毎日のりに評価してもらったの」

蒼星石「のりさんも大変だったハズだよね」

翠星石「本当ですね…」

37: 2009/10/24(土) 12:16:00.59 ID:ixB0aLFJO
きょうは…のかきかたを…んしゅう…。
おやつ…を…おひるね…

蒼星石「結構読めるようになってきたね」

翠星石「すごい進歩ですね」

真紅「ふん、まぁまぁね」

雛苺「まだ下手くそなの」

翠星石「次は?次は?」パラパラ

39: 2009/10/24(土) 12:24:07.78 ID:ixB0aLFJO
きょうはちょっとずつかんじのかきとりをやるの。
のりがドリルをかってきてくれたからがんばるの。

翠星石「おぉ!スゴいです!字が書けてるですぅ!」

蒼星石「やるじゃないか!」

雛苺「頑張ったの。これも明日日記のおかげなのよ~」

真紅「ま、まぁまぁね。漢字くらい書けるようにならなきゃ…」

雛苺「ふふん、続きを読んでみるの」

真紅「へ?」

42: 2009/10/24(土) 12:34:50.24 ID:ixB0aLFJO
今日はのりにクッキーの焼き方を教えてもらうの。
そして一緒にクッキーを焼いてみんなに振る舞うの。
美味しい美味しいってみんな言ってくれて嬉しいのよー

翠星石「漢字!漢字書いてるですぅ!」

蒼星石「何だか感動するなぁ…」ホロリ

雛苺「えへへ、ありがとうなの~」

真紅(…私って…)

44: 2009/10/24(土) 12:43:17.00 ID:ixB0aLFJO
翠星石「以外と効果あるかもしれないですね」

蒼星石「そうだね。真面目にやってみようかな~」

真紅「わ、私も…やろうかしら」

雛苺「やるなら頑張るの!」

蒼星石「よし!さっそく書いてみようかな!」

翠星石「今ですか?」

蒼星石「うん。頑張るよ」

46: 2009/10/24(土) 12:57:56.73 ID:ixB0aLFJO
えーっと、とりあえず気分転換に街を歩く。
ビクビクしないで堂々と。
すると何だか人だかりができている。
少し覗いてみてみると、店に車が突っ込んだようだ。

なぜ他の人たちは見てるだけなのだろうか?そう思うと自然と怒りが込み上げる。
だが今は怒ってる場合じゃない、僕は人だかりに飛び込んだ。

そして、僕はおもむろにズボンを下ろした。

翠星石「へ?」

47: 2009/10/24(土) 13:02:23.67 ID:ixB0aLFJO
また僕の悪い癖が出てしまった。
だがこれをやると興奮する。言葉にしがたい興奮が僕に牙を剥く。
みんなは事故に夢中で僕が恥部を晒してることになんか気が付いてない。
もし、誰かが気付いたら…と思うとより一層興奮する。

もうどれだけ昔からだろうか?
アリスゲームの最中に少しだけやったのがきっかけだ。たけどもうやめられなくなった。

50: 2009/10/24(土) 13:50:56.72 ID:ixB0aLFJO
僕はもしかして変Oなのだろうか?
薔薇乙女であるこの僕が?
…そもそも変Oって何だろうか?
変Oは確かに普通の人様とは随分違う。
だけど、人と違うのはそんなに恥ずかしいことなのかな?
そんなことはない。一人一人みんな違うんだよ。
そこで異議を唱える人がいるとすればそれはエゴイストだ。
そんな都合の悪いときにばっか逃げるようなエゴイストにはなりたくない。

蒼星石「そんな思いを込めて創りました。聴いてください、【エゴイスト】」

53: 2009/10/24(土) 13:57:52.92 ID:ixB0aLFJO
エゴイスト 作詞 蒼星石 作曲 NAOKI

気を付けろ 油断をするな
ヤツラは何処にでもいるんだ
ほら 後ろを見るんだ
エゴイストが見つめてくる
やめろ 僕の好きなようにさせてくれ
勝手な決まりで縛らないでくれ
離してくれ もう子供じゃないんだから
財布もあるし 免許証もあるよ
だからカーチャン 心配しないで留守番してなよ
今夜はご馳走作ってやるからさ…
行ってきます 今日も元気に仕事だ仕事

56: 2009/10/24(土) 14:01:55.86 ID:ixB0aLFJO
翠星石「いい加減にしやがれですぅーーー!」ドデーン

蒼星石「ちょ、冗談だよ!」

真紅「情けないのだわ…こんな姉だなんて…」シクシク

雛苺「…」

翠星石「おバカ…おバカ…!」シクシク

蒼星石「あ、あの…」

蒼星石「…ごめんなさい」

一同「…………」

58: 2009/10/24(土) 14:07:12.99 ID:ixB0aLFJO
言うわけでこのあと蒼星石は居たたまれない気持ちのまま家路に付き、一人悲しみの涙を流しました。

JUM「ここまで書いたんだけど、どうだ?」

蒼星石「君は僕が怒らないとでも思ってるの?」

翠星石「蒼星石、殴っても構わないですよ」

蒼星石「レンピカ!」

JUM「ちょ、まって、な?」

アッー!

真紅「あぁ、今日もくんくんの推理は輝いてるのだわ!」

雛苺「…あながち間違っちゃいないの」

60: 2009/10/24(土) 14:11:28.55 ID:ixB0aLFJO
水銀燈「…」

水銀燈「んー…」カキカキ

みんながみんな私の事をお姉さまと慕ってくれる。まるで夢のようだわ。
こんなに素直ならあの真紅でさえ可愛らしい。
これでこそ薔薇乙女ね。
蒼星石も翠星石も素直になってくれて私は嬉しいわぁ…

水銀燈「…」カキカキ

水銀燈「いいわね」

めぐ「何書いてるの?」

水銀燈「ぎゃっ!?」ビクッ

おしまい

63: 2009/10/24(土) 14:16:27.83 ID:ixB0aLFJO
ひらがなしか書けない真紅可愛い。
あと一生懸命漢字ドリルやってる雛苺可愛い。
金糸雀出すの忘れてた可愛い。

読んでくれた方乙っした!

66: 2009/10/24(土) 14:23:31.09 ID:3N0BUIEm0
おつ

引用: 翠星石「明日日記ぃ?」