1: 2009/09/29(火) 00:23:47.88 ID:tbRp9fix0
「やいチビ人間! こーんな狭い部屋にボロッちい時計を置きやがったせいで余計に狭く感じて困るです!
  翠星石はもーっと広い部屋でのんびりしてえです!」

白い顔を真っ赤に染めた翠星石が放ったキックは、見事に置時計に新しい傷を増やした。
それでも置時計は寸分の狂いも無くチクタクと音を立てて時間を刻んでいる。

 「おい、いくら中古で買ったとはいえちゃんと動いてるんだぞ。
  少しは丁寧に扱え、丁寧に。 分かったか、性悪人形」

 「ムキーッ! こんなボロい時計を買うくらいなら翠星石のために何か買ったほうが世のため人のため薔薇乙女のためですぅ!
  だいたいこの部屋には他にも時計があるじゃねえですか!」

翠星石は小さな体で懸命に壁に掛かっている小さな時計を取ると、それをしっかりと抱えてジュンの前に持っていった。

 「ほーら、こいつもまだ現役です。 こんなオンボロ気味悪時計なんかに頼る必要なんてねえです!」

 「じゃあその時計はお前にやるよ、僕はこの置時計の方が気に入ってるから」
ローゼンメイデン 愛蔵版 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

6: 2009/09/29(火) 00:28:23.52 ID:tbRp9fix0
「そうです、チビ人間はこんな話を知っているですか?」

 「お前はドラクエの町人かよ、具体的な内容を言わないと分かる訳ないだろ」

ニヤリと翠星石は微笑むと、ジュンの目を見ながら座り込んだ。

 「ええとですね、これは翠星石が今から2つ程前の時代に居た頃の話です。
  その時のマスターもジュンと似ていて変わり者で、偏屈で、見る目が無くて、チビで、格好悪くて・・・・・・」

 「ちょっとストップ」

 「何ですか、人の話の途中に割り込みやがってですぅ」

 「もうマスターの特徴は話さなくて良い、色々とショックを受けそうだから」

 「・・・・・・? まぁいいです、話を続けるですよ」

7: 2009/09/29(火) 00:33:47.34 ID:tbRp9fix0
「その元マスターがこれまたジュンと同じようにどこからか大きな古時計を買ってきやがったです。
  当然、心の広い翠星石は文句1つ言わずに部屋の隅っこをその古時計に譲ってやったです」

 「・・・・・・心の広いって誰の事だよ」

 「翠星石以外にいねえです、ちゃんと話を聞きやがれです!」

 「こほん それでですね、その時計はお昼に見たときから何処か妖しく感じていたですが、夜になると一段と妖しくなったんです。
  何て言うか・・・・・・まるで生きているような、そんな気配が時計からしたです」

 「・・・・・・」

 「チビ人間、もしかして怖いですか?」

 「いや、今誰かがこっちを見ているような気がしたんだけどなぁ」

 「気のせいですよ、気のせい 話を続けるです」

8: 2009/09/29(火) 00:40:34.87 ID:tbRp9fix0
「その日は何故か寝苦しい夜だったです、鞄の中にいる筈なのに安眠出来ずに何度も目覚めてしまった記憶があるです」
―――――
―――

 「・・・・・・喉渇いたです」

第六感というのだろうか、何故か鞄を開けるのが嫌だった。
それでも私は安眠を求めるために仕方なく鞄を開けた。

 「ひっ!」

丁度その時、まるで地の底から響くように『ごーん・・・・・・ごーん・・・・・・』と音がした。
やはり鞄から出たくない、という気持ちが頭の中を支配していた。

 「ダメです・・・・・・何か飲まないと干からびちまうです・・・・・・」

恐る恐る周りを見渡すと、部屋の隅に立っている置時計が鳴っていた。

 「なーんだ、びっくりして損したです」

10: 2009/09/29(火) 00:46:17.53 ID:tbRp9fix0
原因が分かっても部屋の隅にある自分の身の丈をゆうに超える時計に恐怖感を覚え、急ぎ足になってしまう。
マスターはそんな私の事情も知らずに、緩んだ口元から涎を垂らしながらぐっすりと寝ている。

 「全く・・・・・・呑気な野郎です」

独り言で寂しさと恐怖心を紛らわしながらキッチンに向かった。

 「あー、喉渇いたですー」

急ぎつつ、それでいて忍び足で歩いているために床がきいきいと音を立てる。
それが余計に私の恐怖感を煽った。

が、拍子抜けする程あっさりとキッチンに辿り着いた。

 「・・・・・・怖いと思うから怖いんです」

11: 2009/09/29(火) 00:50:27.58 ID:tbRp9fix0
夜中に起きてしまわないように沢山の水を飲み、再び鞄を目指して忍び足で歩いた。
相変わらず床はきいきいと悲鳴を上げているが、行きで何も無かったという安心感が私の恐怖心を軽減していた。

うるさい床だなぁ、なんて思いながら部屋のドアを開けた。

 「・・・・・・やっぱり何とも無かったです」

相変わらず時計はチクタクと時間を刻んでいて、起きた時を何の違いも見当たらない。
安心した途端に肩の力が抜け、睡魔が襲ってきた。

 「ふあぁ・・・・・・眠いです」

先程までの恐怖感なんて完全に忘れていた。
ただ、鞄の中に入りたいとだけ思っていた。

カチリ、と音を立てて鞄を開けると――

14: 2009/09/29(火) 00:55:17.11 ID:tbRp9fix0
「ぎゃあああああああああああああああああああああああですううううううううううううううううう」

 「うわっ!」

 「・・・・・・おい、急に大きな声を出すなよ びっくりするだろ」

 「イーッヒッヒッヒ! 今のチビ人間の顔は傑作中の傑作ですぅ!」

なんて悪戯な事をしちゃう翠星石可愛いよ!

以下、今日の翠星石可愛いよスレ!

25: 2009/09/29(火) 02:35:58.92 ID:Mq2K3F4dO
翠星石「イッヒッヒッヒッ!JUMったらあんなに驚いて…気分爽快ですぅ!」

翠「夏ももう終わっちまいましたけど、怪談話ってのはスリルがあって病み付きになっちまいそうです」

真紅「…なんだか楽しそうね、翠星石」

翠「真紅!くくくく、聞いてくださいよJUMったらですねぇ…」

紅「ごめんなさい、今は話をする時間はないの…のりと雛苺を連れて映画版くんくんを見てくるのだわ」

27: 2009/09/29(火) 02:44:08.87 ID:Mq2K3F4dO
翠「え?これからですか?まったく、オメェもくんくん好きですねぇ」

紅「当然なのだわ、くんくんこそ至高の名探偵ですもの」

翠「ったく、ならさっさと行ってくるです。翠星石はお茶でも飲んでゆっくりしてますよ」

紅「そう…あら?あの人は誰かしら?お行儀の悪い子ね」

翠「あの人?誰のことですか?」

29: 2009/09/29(火) 02:49:12.07 ID:Mq2K3F4dO
紅「ほら、廊下の突き当たりにいる。軍服というのかしら?戦争映画にでも出てくるような格好の男がこっちを見てるのだわ」

翠(ヒク「ま、またまた…なんにもいねぇじゃねぇですか、その手には乗らねぇですよ真紅!」

翠「翠星石を怖がらせようったって、そうは問屋が卸さないってやつですよ!」

紅「?なにを言っているの?まぁいいのだわ、それよりもあの人間に最低限のマナーというものを教えてあげなければね」

30: 2009/09/29(火) 02:54:24.33 ID:Mq2K3F4dO
トコトコ

紅「そこの貴方、そう貴方よ…色々と言いたいことはあるけれど、その前に家の中では靴を脱ぎなさい」

紅「不思議そうな顔をしていないで、早くしなさい!…怪我をしているようね、ちゃんと治療しておきなさい」

翠「し…真紅ぅ?な、なに1人で壁に向かってお話してるんですか?そこには誰もいねぇですよ?」ゾクゾク

32: 2009/09/29(火) 02:59:11.42 ID:Mq2K3F4dO
のり「真紅ちゃ~ん!そろそろお出掛けしないと間に合わないわよぅ?」

紅「…あら、もうそんな時間なのね…仕方ないのだわ、怪我の治療はあそこの翠星石にしてもらいなさい」

翠「…………」

紅「それじゃあ、行ってくるのだわ…あぁ、待っていてくんくん!」

雛苺「行ってきますなの~!!」

バタバタ

シーーン

翠「………」ゴクリ

34: 2009/09/29(火) 03:05:49.61 ID:Mq2K3F4dO
翠「ま…まぁったく、真紅もつまらない冗談が好きですねぇ…ハハ…」

シーーン

翠「…ジュ、JU~Mッ!ととと特別に翠星石が話し相手になってやるですぅ!!」ダダダ
・・・

JUM「あれ?なんだよお前、下に行ったんじゃなかったのか?」

翠「な、なに言ってやがるですか!ちぃっと真紅達を見送ってやっただけですよ!」

JUM「なんだ、真紅も出掛けたのか?」

36: 2009/09/29(火) 03:14:55.97 ID:Mq2K3F4dO
JUM「僕もちょっと出掛けてくるよ、夜までには帰るから」

翠「んなっ!?ひ、引きこもりの分際でどこに行きやがるつもりですか!?」

JUM「引きこもりって言うな!買い物だよ買い物、通販だけだと限界があるからな…」

翠「別に今日じゃなくてもいいじゃねぇですか!」

JUM「なんだお前、もしかして寂しいのか?」クス

翠「んなっ!?そそそんな訳ねぇじゃねぇですか!!心外ですぅ!」カーッ

38: 2009/09/29(火) 03:21:12.11 ID:Mq2K3F4dO
翠「ただですね…翠星石1人でお留守番するのは…も、もちろんお茶の子サイ・サイシーではありますけど!」

翠「その…ほら!有事の時に連絡とれないとあれかな~って…その…」

JUM「あぁ、そういえば確かにそうだな…よし、ならこれ貸してやるよ」ポイ

翠「な、なんですかこれは?」

JUM「僕の携帯だよ、なにかあったらこれでのりにでも連絡しろよ。使い方と注意点はな…」ズイッ

翠(わわわっ!か、顔が近ぇですぅ!)

41: 2009/09/29(火) 03:27:22.14 ID:Mq2K3F4dO
・・・

JUM「と、まぁこんな感じかな?くれぐれも架空請求に注意しろよ?僕はよく怪しい通販サイト使うからたまによく掛かってくるんだよ」

翠(ぽーー

JUM「おい、聞いてるのか?」

翠「えっ!?あ、はいはい!もちろん聞いてましたよ?」

JUM「大丈夫か?それなら行ってくるからな?一応そこの公衆電話から一度電話するよ」

翠「いってらっしゃいませですぅ」ポケー

42: 2009/09/29(火) 03:32:41.90 ID:Mq2K3F4dO
翠「ほやぁ~…い、いくらなんでもくっつき過ぎです、あのおバカJUM…」

翠「ま、まぁ翠星石は心が広いですから許してやらない事もねぇですけど…」

翠「それにしてもこれが携帯電話ですか…なにかあったらのりに電話すればいいんですよね?」

翠「アドレス帳にはのりしか登録されてないから楽勝ですぅ!」

翠「それにしても…久しぶりにJUMに抱っこされましたね…」ニヤニヤ

43: 2009/09/29(火) 03:36:21.51 ID:Mq2K3F4dO
プルプルプルプル

翠「っと、早速お電話ですね!」

ピッ

翠星石「もしもし?翠星石ですぅ」

『私…メリーさん、今貴女の住んでいる町にいるの…』

翠「は?誰ですかお前は?」

ガチャ ツー…ツー…

翠「??なんですか今のは?預かったばかりなのに、もう壊れちまったですかねぇ…」

45: 2009/09/29(火) 03:38:46.12 ID:Mq2K3F4dO
プルプルプル

JUM『お~い翠星石、通じるか~?』

翠「あっ、JUM!聞こえますけど、今知らない人から電話が来て…」

JUM『知らない人から?もう架空請求の電話が掛かってきたのかな?まぁ早めに帰るから待ってろよ』

翠「分かりました。あ、後で茶ぁくらい淹れてやるから早く帰ってきやがれです!」

JUM『ありがと、楽しみにしてるよ。それじゃあまた後でな』

46: 2009/09/29(火) 03:42:23.85 ID:Mq2K3F4dO
ピッ

翠「さ、さぁてっ!それじゃあ仕方がないから久々にスコーンでも焼いてやるですかね!」ソワソワ

プルプルプルプル

翠「また電話ですか…全く携帯電話ってのは便利な反面、しち面倒臭い道具ですぅ」

翠「はいもしもし、翠星石ですぅ」

『ね、姉ちゃん今どんなパンツはいとるのん?』ハァハァ

翠「蒼星石、なんか用ですか?」

48: 2009/09/29(火) 03:45:57.57 ID:Mq2K3F4dO
蒼星石『ど、どんなパンツ……コホン、いやさっき玉々JUM君に会ってね』

蒼『翠星石に携帯を貸したって聞いたからかけてみただけだよ』

翠「そうだったんですか、それなら翠星石のパン(ザザ『私…メリーさん……今、図書館の前にいるの……』ザザザ

プツッ

49: 2009/09/29(火) 03:50:23.74 ID:Mq2K3F4dO
翠「はい?…お~い、蒼星石~?通じてますか?」

ツー…ツー…

翠「また切れちまったですか…小難しい機械ですねぇ」

翠「ま、いいです。これの使い方は追々覚えていくとして、先にJUMのスコーンを焼いちまうです」イソイソ

プルプルプルプル

プルプルプルプルー!

プルプルツー…ツー…

53: 2009/09/29(火) 04:00:33.89 ID:Mq2K3F4dO
・・・

翠「さってと、後は焼き上がるのを待つだけですぅ!あり?携帯電話に…着信アリ300件?」

翠「…よく分からねぇですけど、沢山電話が来たんですかね?えっと、かけかえすには…」

プッピッピッ

ぷるるるる

ガチャ

?『はい、出会い系サイトSexy幼女です』

54: 2009/09/29(火) 04:03:11.98 ID:Mq2K3F4dO
翠「せくしぃ?えっと、電話がかかってきてたみたいだから、かけなおしたんですけど…」

男『あ、当会員のお客様ですかね?名前を教えて下さ~い』

翠「名前?翠星石ですぅ」

男『翠星石さん?え~…あぁはいはい、翠星石さんね~、いつも私がたのサイトをご利用いただきありがとうございます』

56: 2009/09/29(火) 04:06:45.53 ID:Mq2K3F4dO
男『それでですね、当会のご利用代金がね、支払われてないって事でお電話致してると思うんですよ~ぉ?』

翠「当会?ご利用代金ってなんですぅ?」

男『…えっとね、翠星石さんね?Sexy幼女っていう出会い系サイトにね?ご登録されてるでしょ~?』

男『それでね?そのご利用代金としてね?30万810円が未納となっておりますのでぇ?今日明日中に払ってくださいってお電話なんですよ~?』

翠「…お前もしかして、JUMの言っていた悪徳会社の架空請求ってやつですね!?翠星石は騙されねぇですよ!」

58: 2009/09/29(火) 04:10:25.59 ID:Mq2K3F4dO
男『………はぁ、あのね翠星石さ~ん?困りますよ、私共だってね?『ザザ…今、貴女の家の前にいるの…』

翠「え、ぇえっ!?も、もう家に来ちゃったんですか!?あれ?架空請求って電話だけじゃねぇんですか??」

男『もしもし?もしも~し?…電波悪ぃな、翠星石さ~ん?あのねぇ『…ザ、フフフ…今貴女の家の廊下にいるの…』

翠「テメェなに勝手に入って来てるんですか!?せめてチャイムを押しやがれです!!」

59: 2009/09/29(火) 04:16:54.87 ID:Mq2K3F4dO
男『クソ、もしも『フフ…フフフフフフ…今、貴女の…後ろに…』

メリー「いるのぉ…ってあれ?確か電話はこの辺りからの筈なんだけど…誰もいない?隠れられるようなところもなさそうだし」

翠(クルッ「あっ、あわわ!!お前が詐欺師ですか!いくらなんでもちょっとアクティブ過ぎるんじゃねぇですか!?」

メリー「…え?」

翠「けど、翠星石だってむざむざやられたりはしないですよ!どこからでもかかってきやがれですぅ!」シュッシュッ

メリー「……………」

60: 2009/09/29(火) 04:19:15.98 ID:Mq2K3F4dO
メリー「ほんぎゃぎゃぎゃぎゃーっ!?にににににに人形が動いてる喋ってばぶぅ!?!?」ガタガタガタ

メリー「妖怪!化け物!呪いのリカちゃん人ぎょらんばらばらぶびばんtjqgbdmおwっぱいtn」

メリー「きゅう」パタリ

翠「ちょ、ずかずか人の家に上がってきた挙げ句に気絶するなです!」

翠「あれ?しかも良く見るとこいつもドールじゃねぇですか…薔薇水晶みたいな特殊なドールですかね?」

翠「誇り高き薔薇乙女なら詐欺なんてしねぇでしょうし…まぁどちらにしろ放って置くわけにもいかねぇですよね…」

61: 2009/09/29(火) 04:21:44.94 ID:Mq2K3F4dO
・・・

メリー「むにゃむにゃ…半裸のおじさんが追いかけてくる…」

メリー「ハッ、夢?」

メリー「良かった…そうよね、まさか私以外の人形が独りでに動くわけないものね…」

翠「お、起きたですか?ったく世話の焼ける詐欺師ですねぇ」ヒョイ

メリー「ぶくぶくぶく」

翠「ほら、泡吹いて倒れるくらいなら最初っから来るなです!紅茶をやるから、ゆっくり飲むんですよ?」

64: 2009/09/29(火) 04:25:43.72 ID:Mq2K3F4dO
メリー「あ…ああ貴女何者?妖怪!?」

翠「自分もドールのクセに失敬な野郎ですぅ…翠星石は、誇り高きローゼンメイデン第三ドール、翠星石ですぅ」

メリー「ローゼン…?…第三ってことは貴女の他にも動くお人形さんがいるの?」

翠「ま、そうですね…一応第七ドールまではいますよ、後親戚が一体」

メリー「呪い人形が七体も…世界は不思議で満ち溢れてるわ…」

メリー「で…でも私だって凄いんだから!巷で噂のメリーさんとは私の事よ!」

翠「自分にさん付け…まぁいいですけど」

66: 2009/09/29(火) 04:32:10.79 ID:Mq2K3F4dO
翠「まぁ、オメェのことについては大体察しはついてますよ。噂には聞いてましたけど、想像以上でした」

翠(まさか詐欺師の分際で勝手に家の中まで入ってくるとは思いませんでしたからねぇ…)

メリー「ふふへ、参ったかぁ!」

翠「ま、とりあえず仕事は諦めてさっさと帰りやがれです」

翠「よりにもよって翠星石の留守中に不審者を家にあげたなんてJUMにバレたら、不名誉もいいとこですぅ」

メリー「ん~…でもこのまますごすご帰るのはプライドが許さないっていうか…」モジモジ

翠「水銀燈みたいな事言いやがりますね…」

67: 2009/09/29(火) 04:37:39.19 ID:Mq2K3F4dO
メリー「そういえば、貴女はどうやって動いてるの?」

翠「え?」

メリー「貴女ほど質量の有るものがなんのエネルギーも無しに動くわけじゃないでしょ?」

翠「そうですね…確かに、私たちは基本的には契約したマスターから力を貰って動いています…契約しなくても多少の時間は大丈夫ですけどね」

メリー「あら、なんだ私と一緒ね!それなら話は早いわ、次の標的が決まるまでの間、ここに居させてちょうだい」

翠「図々しいにも程があるですね…まぁでも、のりだったらあっさり承諾しちまいそうで恐いですけど…」

68: 2009/09/29(火) 04:42:39.67 ID:Mq2K3F4dO
翠「ふぅ、とりあえずスコーンでもどうですか?ちょっと作りすぎちゃったんです」

メリー「スコーン?それって人間のお菓子?そうね、たまには悪くないわね」

翠「ならこっちの洗面台で手を洗ってからですぅ」

・・・

翠(パチャパチャ

翠「それじゃあ先に準備して待ってますからよく洗うんですよ」パタパタ

メリー「私たちに手洗いの意味なんてあるのか分からないけど…」パチャパチヤ

メリー「まぁついでに髪型でも直しましょうか、一応女の子なんだし…普段鏡なんかゆっくり見られないものね~」

78: 2009/09/29(火) 07:21:04.07 ID:Mq2K3F4dO
雪華綺晶「翠薔薇のお姉さま、遊びに来まし…」ヌッ

メリー(あれ?私ってこんな顔だったっけ?なんか変な眼帯してるし…それに…)

雪(この人は翠薔薇のお姉さまではない…そしてこの雰囲気はもしや…)

メリー雪(…先に目を離したら…殺られる!?)

メリー(ジー「…………」

雪(ジー「…………」

81: 2009/09/29(火) 07:25:04.82 ID:Mq2K3F4dO
・・・

メリー(こ、この娘…微動だにしない!?)

雪(…………)

メリー(このままだと永遠に膠着状態…こうなったら!)

メリー「あっち向いてぇ…」

雪(ハッ

メリー「ホイッ!!」
雪(バッ

雪「…あ」

メリー「ふふふ、目を逸らしたわね?私の勝ちよ!」

雪「きいぃ」

82: 2009/09/29(火) 07:28:37.15 ID:Mq2K3F4dO
雪「…ならば、問題を出して差上げます『いさなんめご』を逆さから読むと?」

メリー「いさなんめご?え~っと…ごめんなさい…ハッ!」

雪(ニヤリ

メリー「がっでむ」

翠「遅ぇです!いつまで洗ってるです…って、雪華綺晶?」

雪「翠薔薇のお姉さま、見てください不審者です…私が捕まえました」

メリー「ななな!?貴女の方が不審者でしょ!」

翠「はいはい、不審具合なら二人ともそうとうヤバいですから…」

メリー雪「ちくしょう」

85: 2009/09/29(火) 07:34:23.06 ID:Mq2K3F4dO
・・・

翠「紹介が遅れましたね、こいつは雪華綺晶、翠星石の末の妹です」

雪「初めまして…私はまだ実体を持っていませんので鏡の中から失礼します」

メリー「見えれば見るほど不審な奴だ~」

翠「んでこっちが詐欺師さんで、常識の欠片もない困ったさんです」

雪「…やっぱり不審者でしたか、早く通報しましょう」

メリー「なによその紹介!?私にはメリーさんって歴とした名前があるんだから!」

雪「メリーさん…自分にさん付け…ぷぷぷ」

翠「さすがにそれは引くですぅ、何から何まで非常識ですね…」

メリー「な、なによう!非常識の塊の分際で!ううぅ…」

86: 2009/09/29(火) 07:38:45.37 ID:Mq2K3F4dO
翠「まぁまぁ、言い過ぎたのは謝りますからお茶にするです。ダージリンで良かったですか?」

雪「えぇ、いい香り…翠薔薇のお姉さまの淹れるお茶は薔薇乙女随一です」

翠「真紅の方が上手いですよ、アイツは滅多に自分では淹れねぇですけど」

雪「そうなんですか…知識ばっかりの知ったかぶり野郎かと思ってました」

翠「お、オメェも結構言いますね…まぁ水銀燈はああ見えて不器用ですから、それよりは美味いと思いますよ」

雪「…どじっこもえ」

87: 2009/09/29(火) 07:42:39.16 ID:Mq2K3F4dO
メリー「真紅…水銀燈…そいつらも貴女たちみたいなお人形なの?」

翠「そうですよ、他にも蒼星石と雛苺ってのがいるです」

メリー「あれ?全部で六人?さっきは第七までいるって…」

雪「なにを隠そう、私がその第七ドールです。えっへん」

翠(1、2、3…あ!)

翠「いましたいました!第二ドールの金糸雀!」

雪「あ~…」

メリー「その人はそんなに影が薄いの?」

翠「ち、違いますよ?ただ…アイツはこういう扱いをされると喜ぶんです!」

雪「愛される弄られキャラ…」

88: 2009/09/29(火) 07:46:20.31 ID:Mq2K3F4dO
メリー「ふ~ん、知ったかぶりの真紅にドジっ娘の水銀燈、影の薄い金糸雀…」

メリー「蒼星石ってのは?」

翠「…………」

メリー「?」

翠「蒼星石は…本当は元々ちょっと潔癖なくらいで、優しくて、暖かくて…」

雪「それが今じゃ救いようのない変O…ぷふーっ!」

翠「………」

89: 2009/09/29(火) 07:50:14.40 ID:Mq2K3F4dO
メリー「そうなんだぁ、でも翠星石と蒼星石だけ名前が被ってるよね?」

雪「それは、この人がその変Oの片割れ…」

翠「雪華綺晶………キラキショウ?」ニコッ

雪(ガタガタ「(´・ω・)…剛麺なさいよぅ」

翠「いいですか?蒼星石はそりゃあ良く出来た妹なんです」

翠「確かに今はちょっと我を見失ってるみたいですけど…心根は一途な娘で、これと決めたらやり通す強い信念を持った…」

プルプルプルプル
~蒼星石~

翠「っと、噂をすれば蒼星石からの電話ですね…」ピッ

90: 2009/09/29(火) 07:54:37.13 ID:Mq2K3F4dO
蒼『もしもし?翠星石~?』

翠「蒼星石ですか、さっきは電話が切れちまって悪かったですね…どうしたんですか?」

蒼『いやぁ、市内の若い娘のパンティを家に収集してたらマスターが逮捕されちゃって』

蒼『それは良いんだけどせっかくのパンティコレクションも取られそうなんだ、助けてよ!あと君の今はいてるドロワーズ吸わせて!』

翠「…………」

蒼「それと僕のパンティを頭に被って…」ピッ

ツー…ツー…

92: 2009/09/29(火) 07:57:33.86 ID:Mq2K3F4dO
メリー「確かに一つの事をやり通すタイプみたいね…」

雪「そういえばこの間、あと少しで半径30㎞以内に住んでいる娘のパンティはコンプリート出来ると仰ってました」

翠「…………」

メリー「…………」

雪「…………」

翠「……………」

メリー(きまずい…)

93: 2009/09/29(火) 08:04:23.16 ID:Mq2K3F4dO
翠「…さて、雛苺の話でしたね?」

メリー雪「!?」

翠「雛苺は第六ドールで、そりゃあもうチビチビなんです」

翠「好物は苺大福で雪華綺晶が現れるまでは末っ子的存在でした」

メリー「…そ、そうなの!きっと可愛いんでしょうねっ」

雪「それはもう、食べちゃいたいぐらい」ニィ

翠「そういえば…おめぇには兄妹はいねぇんですか?」

メリー「私?…う~ん、よくわからないけど会ったことはないなぁ」

雪「ならば、早く自分の存在をアピールしなければ…後から登場しようとするとキャラ作りが大変ですわ」

95: 2009/09/29(火) 08:07:40.29 ID:Mq2K3F4dO
翠「キャラが被るからですか?じゃあもしかして雪華綺晶は、元は違う性格だったんですか?」

雪「HEYHEY、YO!俺様のKOOLな魂に火をつけろ!三時のおやつはシャーハーハーッ!!」

雪「彼女に内緒でした合コ~ン♪お持ち帰りでohohoh!!別れ際また会~おうよ♪でも彼女居るんでしょ?NONONO!!」

翠メリー「………」

雪「あの…般若…」

翠メリー「…………」

雪「…少し、無理をしました」

翠雪メリー「…………」

96: 2009/09/29(火) 08:09:00.80 ID:Mq2K3F4dO
メリー「……そ、そう!兄妹の話だったよね?家族はよく分からないけど友達はいるよ!」

翠「ふ、ふぅん?どんな友達ですか!?詳しく聞きたいですねぇ!」

雪「…………」

雪「ふふ、心が痛い…」

97: 2009/09/29(火) 08:12:09.28 ID:Mq2K3F4dO
・・・

~同時刻、商店街~

JUM「さて、買い物も済んだしそろそろ帰ろうかな…」

JUM「はは、つい買いすぎちゃったけど、あいつら喜ぶかな?」

ドンッ

JUM「あ、すみま…」

梅岡「あれ?桜田じゃないか!?いやぁ、まさか外で桜田に会えるなんて、ドレスのデザイン画でも降るんじゃないか!?」

JUM「わ、わぁっ!?うううう梅岡…先生…っ」

梅岡「嬉しいなぁ、引きこもりの桜田に会えるなんて!どうして巣から出てきたんだ?買い物か?なにを買ったんだ?」ガサガサ

JUM「うわ!ちょ、勝手に見ないで下さい!」

99: 2009/09/29(火) 08:15:36.34 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「うわぁっ!?これはダOチワイフじゃないか!?しかも着せ替え様の洋服もこんなに大量に!!」

JUM「そ、それはアンティークドールです!翠星石達に新しい服を作ってやろうと思って…じゃなくて、ちょっと声が大きいですよ!」

梅岡「ダOチワイフなんて駄目だぞ!お前まだ中学生じゃないか!ダOチワイフなんて!」

ざわざわざわ

JUM「う、うわ…」カァァ

100: 2009/09/29(火) 08:18:24.23 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「こういう卑猥な物はもしかして法に触れるんじゃないのか?」

梅岡「…よし、先生は桜田の為に心を鬼にするぞ!警察に自首するんだ!」

JUM「は、はぁ?ちょっと僕もう帰るんで…って手を離して下さい!離せよっ!」

梅岡「大丈夫だぞ桜田、先生も一緒についていってやるからな!あっ、おまわりさ~んっ!」

ざわざわざわざわ

102: 2009/09/29(火) 08:21:26.00 ID:Mq2K3F4dO
・・・

雪「ふふ、JUM様が帰って来ないですわ」

翠「そうですねぇ…ま、きっと友達にでも会って話し込んでるんですよ」

翠「それで、お前はどんなお友達が居るんですか?」

メリー「う~ん…ほとんどが都市伝説関係の奴等なんだけどねぇ」

翠「伝説?ほぇ~、凄いんですねぇ…さっき伝説級の衝撃を受けたばかりですけど」

雪「…………Yo」

103: 2009/09/29(火) 08:24:18.82 ID:Mq2K3F4dO
・・・

JUM「はぁ…はぁ…なんとか警官は振り切った…けど」

梅岡「ははは、桜田は引きこもりにしては足が速いなぁ!」

JUM(くそ、なんで着いて来るんだよ…あれ?)

女「…………ねぇ貴方たち」スゥ

梅岡「わぁ、大きい人だなぁ!それにマスクも大きいな、インフルエンザ対策かな?」

女「…ねぇ、私綺麗?」

105: 2009/09/29(火) 08:28:42.88 ID:Mq2K3F4dO
・・・

メリー「口裂け女って知ってる?」

雪「口裂け?口が裂けても秘密は喋らねぇぜ…とか言うんですか?」

メリー「いや、もう裂けてるんだけどさ…私綺麗?って聞いてくるけど、間違って綺麗って答えちゃうと…」

メリー「こぉれでもかぁ~!って隠し持った鎌でバッサリ殺されちゃうのよ」

翠「ひぇぇぇ~!!ここ、怖すぎるですぅ!」

メリー「でも大丈夫、ポマードって何度も唱えたり、ベッコウ飴をあげれば帰るから」

雪「…飴ちゃん強盗なんですね」

翠(あれ?なんで恐い話になってるんですか?まぁいいですか、さっきの雰囲気から逃れられるなら…)

雪「飴ちゃん強盗だYo」

106: 2009/09/29(火) 08:33:43.03 ID:Mq2K3F4dO
・・・

梅岡「お世辞にも綺麗とは言えないなぁ!Cのマイナスってところですかね!」

口裂け女「これでも…え?C?」

梅岡「口元はマスクで分からないけど、目元が汚いですよ」

梅岡「化粧の仕方も良くないなぁ、髪の毛もボサボサだし…」

口裂け「え?そんな…口以外は少しは自信あったのに」ジワ

梅岡「えぇ!?これでマスクの下も悲惨なのかい?駄目ですよ、不細工が外に出ては!」

口裂け「う…うぅ…うわぁぁぁ」シクシク

107: 2009/09/29(火) 08:36:31.90 ID:Mq2K3F4dO
JUM「おい、なに言ってるんだよ!?言い過ぎじゃないか!」

梅岡「それは違うぞ桜田、悪いところは悪い!汚い所は汚いとハッキリ言ってあげる事こそが優しさなんだ!」

梅岡「ほら、この太木数子先生の本にも書いてあるから間違いないはずだ!この不細工!不細工!」

口裂け「私だって…私だってぇ…ひぃぃいい」シクシクシクシク

109: 2009/09/29(火) 08:40:50.57 ID:Mq2K3F4dO
・・・

メリー「あと人面犬のコロちゃん」

翠「コロちゃん?可愛い名前ですねぇ」

メリー「本当の名前を聞くと氏ぬって言うから適当に付けただけだけどね」

雪「物騒極まりないですね」

翠「どうしてコロちゃんにしたんですか?」

メリー「俺を馬鹿にすると、コロしてやる…コロしてやる…って呟いてたから」

110: 2009/09/29(火) 08:45:22.04 ID:Mq2K3F4dO
・・・

ガサゴソ

JUM「ん?…うわ、野良犬がゴミを漁ってる…」

梅岡「本当だ、ああいうのはだな桜田、人間が恐いと言うことをしっかりと教えてあげなきゃダメなんだ!」

JUM「それ…熊とかの話じゃ…」

梅岡「物を投げつけてみよう!ソレッ!」ブンッ

ヒュンヒュン ザクッ

犬「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

口裂け「あ、私の鎌…」

JUM「動物虐待にも程があるだろ!なんてもの投げてるんだ!?」

梅岡「いやぁ手元にあったからつい…ゴメンゴメンはっはっはっ!」

112: 2009/09/29(火) 08:48:13.48 ID:Mq2K3F4dO
・・・

翠「なんだか物騒な奴等ばっかりですね…もっと気の優しい奴はいねぇんですか?」

メリー「まぁ、いることにはいるよ?座敷わらしちゃんとか!」

雪「座敷わらしは妖怪では?」

メリー「まぁ似たようなものよ」

116: 2009/09/29(火) 08:52:08.22 ID:Mq2K3F4dO
・・・
人面犬(ビクンビクン

JUM「うわ…鎌がケツの穴に刺さってる…」

口裂け「切れ痔確定ですねぇ…ハラワタ貫いてますけど」

JUM「あれ?貴女もう大丈夫なんですか?」

口裂け「傷付く事には…なれてますから」

座敷わらし(トコトコ

梅岡「おや、子供だ!可愛いなぁ!桜田は口リコンだろうから喜ぶかな?」

座敷(ジー…

梅岡「どうしたんだ?僕の顔になにかついてるのかい?あれ?」

梅岡「君の耳に白い糸屑がついてる、取ってあげよう」

座敷「?」

梅岡「えいっ!」ブチッ

122: 2009/09/29(火) 08:55:15.86 ID:Mq2K3F4dO
座敷「~~~~~っ!?」ジタバタ

口裂け「あ、それ視神経ですね」

JUM「え?し、神経って…?」

口裂け「目の神経です。恐らくその子は失明したのではないかと…」

梅岡「えぇ!?本当かい?…まぁ、やっちゃったものは仕方ないかぁ!はっはっはっ!」

座敷「っ!!~っ!!」ジタバタ

JUM「うわ!危ないから走り回るな!」

梅岡「はははは、大袈裟だなぁ!どうせすぐに治るさ!仕方無いから僕がそれまで面倒見てあげよう!」

口裂け(お、恐ろしい男…)

127: 2009/09/29(火) 08:59:50.44 ID:Mq2K3F4dO
・・・

翠「さてさて、そろそろ時間も遅くなって来ましたし夕飯の支度でもしますか」

雪「お夕飯…」Gokuri

翠「全く、のりが帰って来やがらねぇから仕方なくです!」

prrr

翠「あ!噂をすればのりからですね…はい、翠星石ですよ」

のり『すっすすすっ、翠星石ちゃん!?大変なのよぉ!』

翠「どうしたんですか?そんなに慌てて…」

のり『なんだかよく分からないけど、怖いお人形さんに襲われて…真紅ちゃんと雛ちゃんが守ってくれたんだけど迷子になっちゃったのよぅ…』

翠「襲われた!?って、誰にですかっ?」

132: 2009/09/29(火) 09:04:19.29 ID:Mq2K3F4dO
のり『えっと…なんだかおめめに薔薇の眼帯がついてて…』

雪(ピク

のり『髪はロングで、サイドを両方少しだけ縛ってあったわ』

雪(ピクピク

メリー「……」ジー

雪「……」

メリー「…もしや、ドッペルゲンガー?」

雪「ドッペル…ゲンガー?」

メリー「そう、たまによく出るのよ…自分の知らないところに自分そっくりの人物が現れるの…そしてもしも本人がそいつに出会ってしまうと…」

雪「で、出会ってしまうとどうなるんですか?」

メリー「氏ね」

雪(ガタガタガタガタ

137: 2009/09/29(火) 09:08:33.11 ID:Mq2K3F4dO
翠(単純に薔薇水晶が襲ってきただけじゃねぇんですかね?)

薔薇水晶(スゥ「ここで待ち伏せしていれば…真紅も来るはず…」

翠「あ、薔薇水晶」

雪「ほんげぇ~!?!?しししし氏ぬぅ!!ひゃびゃぁびゃあ~っ」

メリー「きゃあああ!!あああアンタの驚き方の方が心臓に悪いわ!!」

薔薇「あれ?…もしかして、貴女はかの有名なメリーさん?」

薔薇「きゃあぁ…怖いぃ……」プルプル

140: 2009/09/29(火) 09:10:49.95 ID:Mq2K3F4dO
ちょっと休憩…
あと勘違いだったら恥ずかしいのですが、自分は>>1さんではなくてただの乗っ取り野郎です。すみません

150: 2009/09/29(火) 09:33:39.42 ID:Mq2K3F4dO
・・・

梅岡「ほら、メクラでもこうすれば安心だろ?」ガチャ

座敷「!? !?」

JUM「て、手錠!?どうしてそんなもの持ってるんだよ!?」

梅岡「さっきお巡りさんを呼んだときに、桜田が逃げるもんだからちょっと借りてきたんだ!」

JUM(多分むしりとって来たんだろうな…っていうかそこまでして捕まえさせるつもりだったのかよ)

座敷「ーーッ!ッ!?」

151: 2009/09/29(火) 09:38:41.99 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「それより、どうだ桜田?そろそろ学校に行く気にはならないか?」

JUM「…………誰のせいだと思ってるんだよ」

梅岡「?桜田の頑張りが足らないせいだろ?もっと頑張れよ!ファイトファイト!」

JUM「や、辞めろよ…ぼ…僕だって…ううぅ」

口裂け「だ、大丈夫ですか?顔色が悪いですよ?」

梅岡「貴女は顔が悪いですけどね!なんちゃって、アッハッハッ!!」

口裂け「…………」

152: 2009/09/29(火) 09:43:41.44 ID:Mq2K3F4dO
・・・

薔薇「なぜ…私はお茶を頂いているの…?分からない…分からない…」

雪「ビックリさせないで下さい、ちょっと漏れてしまいました」プリプリ

翠「まぁまぁ、どっちにしろ3対1で勝てるわけねぇでしょう?」

翠「ここは平和的にお茶でも飲んでお喋りするですぅ」

薔「…………」

メリー(あわわ…恐怖の呪い人形が次々増えていく…)

156: 2009/09/29(火) 09:50:26.60 ID:Mq2K3F4dO
翠「スコーンばかりじゃ飽きちまいますね…しょうがない、雛苺の苺大福でも出しますか」

メリー「苺大福?なぁにそれ?」

薔「苺大福とは…第六ドールの好物です…」

雪「大福の中に苺が入っているだけですが、お餅の柔らかさと餡の甘味、苺の酸味が絶妙です」

雪「そんな苺大福を食べて育つ桃薔薇のお姉さまもきっと美味しいのでしょうね」ニィ

メリー「あぁ、ダメダメ!そんなものばっかり食べてる奴が美味しい訳ないじゃない」

158: 2009/09/29(火) 09:56:08.10 ID:Mq2K3F4dO
雪「…そうなのですか?」

メリー「そうよ、美味しいもの食べてる奴が美味しいなんてただの都市伝説よ」

メリー「やっぱり健康で、適度な運動と程よい食事のバランスが明日への希望を生むのよ!それこそが究極!」

翠「やっぱり普段の生活が全ての基本ですからね…ほら、これが苺大福ですよ」

薔「美味しそう…」

キャッキャッ

メリー「…なんだかこんなに平和なのは初めてかもしれないわね」

159: 2009/09/29(火) 10:02:30.97 ID:Mq2K3F4dO
・・・

梅岡「ほらほら桜田!苺大福だぞ!」キャッキャッ

JUM「う…オェェェエッ!!」ビチャビチャ

口裂け(うぷ…血の気の抜けた人面犬の口の中に排泄物と肉片を入れて…苺大福なんて…)

梅岡「氏んじゃったのなら細かくして土に還りやすくしてやらないとな!」グッチャグッチャ

JUM「顔がねぇ!顔がねぇよおおォッ!?」ゲロゲロ

口裂け(…こんな地獄のような光景は初めてだわ)

165: 2009/09/29(火) 10:10:03.19 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「ふぅっ、一仕事終えた!良い事した後は気持ちが良いなぁっ!」

JUM「帰りたい…もう帰りたいよ…」ブツブツ

口裂け(コソッ「私が言うのもなんですけど、今の内に逃げた方がいいのではないですか?」

JUM「う…でも、このままにしておいたらあの子供がもっと酷い目に会うだろうし…」

口裂け「座敷童子の事ですか?…けど、貴方も一緒に被害を受けるかもしれないんですよ?」

167: 2009/09/29(火) 10:19:18.45 ID:Mq2K3F4dO
JUM「でも…僕にも出来ることもあるはずだから…」

口裂け「そうですか…ですが、申し訳ありませんが私はそろそろ行きます。座敷童子を装備した悪魔には勝てるわけありませんから…」

JUM「そうですか…すみませんでした、巻き込んでしまって…」

口裂け「ふふっ、自分から声を掛けたのですもの…自業自得です」

口裂け「それでは…貴方は私が今まで出会った中で一番心の綺麗な人間でした」ニコッ

JUM「あ…行っちゃったか、なんだか照れ臭いなぁ」ポリポリ

梅岡「桜田!大変だ!エOチな本が落ちてるぞ!」

169: 2009/09/29(火) 10:27:07.76 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「なになに?OLみつ初脱ぎ2●歳!?なんて如何わしい本なんだ!」

JUM「な、なに拾ってるんだよ!捨てておけばいいだろ!?」

梅岡「馬鹿なことを言うな!こんなものを純粋な子供が見て影響を受けたらどうするんだ!」

梅岡「裏側はエOチ漫画になってるのか…『純潔少女。作者ローゼン』か…いかにも桜田が好きそうだなぁ…」

JUM「すっ、好きじゃないですよ!なに行ってるんですか!?」

梅岡「え?だって引きこもりのオタクは皆口リコンなんだろう?」

170: 2009/09/29(火) 10:35:10.40 ID:Mq2K3F4dO
JUM「そんな偏見…あぁ、その前にその子の手錠を外さないと…」

座敷「!!」コクコク

梅岡「これか?ははは、鍵まで借りてこなかったよ!ははははは」

座敷「!?」ガーン

JUM「くっ…ならさっきの交番に行くか、無理矢理にでも壊すか…」

梅岡「交番に行って誘拐したとか勘違いされたら嫌だから壊そうか」

171: 2009/09/29(火) 10:40:39.28 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「たしか学校にチェーンソーがあったはずだ!行くぞ桜田!」

JUM「まったく…なんでこんなことに…」ハァ

梅岡「そうだ!ちゃんとこのエOチな本も持っていろよ」

JUM「なっ!?なんで僕が!?」

梅岡「だって、先生が持っていたら下手すれば懲戒免職だぞ?その点、桜田なら今さら捕まった所で失うものもないからいいじゃないか!」

JUM「さっ、最低だコイツ…クソッ、ちょうど鞄はあるから入れておくか…」

173: 2009/09/29(火) 10:48:18.14 ID:Mq2K3F4dO
・・・

翠「え~?そんなの嘘ですよぉ!」

メリー「ホントホント!それでね、そのホ〇カップルの片割れはこう言ったの!」

メリー「『お、俺はどうなっても構わない…その代わり、兄貴だけは助けてくれ…』って!」

薔薇「お、俺はどうなっても構わない…その代わり、兄貴だけは助けてくれ…」

雪「そそそそ…そんなの、雪華綺晶には刺激が強すぎますわ…」

キャーキャー!

175: 2009/09/29(火) 10:59:00.85 ID:Mq2K3F4dO
・・・

JUM「梅岡と一緒に学校にいるなんて…刺激が強すぎる…悪い意味で」

梅岡「あ、そういえば今日は先生が宿直だったな、忘れてたよ」

梅岡「それはそうとチェーンソーチェーンソーっと…」ゴソゴソ

梅岡「あれぇ?ないなぁ…あっ、そうか柏葉の家を壊すのに使ってそのまま置いてきたんだった!」

JUM「(聞かなかった事にしよう)…大きなニッパーとかがあれば、大丈夫だろ」ゴソゴソ

梅岡「う~ん、面倒臭いなぁ…あっ、そうだ!!良いことを思い付いたぞ!」

179: 2009/09/29(火) 11:12:55.77 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「マイナスドライバーとトンカチを持ってこっちに来てくれ」ズルズル

座敷「………」グッタリ

JUM(あの子も疲れきってるな…可哀想に…)

梅岡「コレコレ!教頭のバイク!1100ccもあるって言ってたし充分だろ!」

JUM「…まさか、バイクのチェーンで切るつもりか?」

JUM「無理に決まってるだろ!第一キーが無…まさか!?」

梅岡「確か鍵穴にドライバーを当ててトンカチで打ち込むんだよな?えいっ!」

ドガッ

180: 2009/09/29(火) 11:19:00.73 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「それでドライバーを捻れば…」

ドドドド…キュキュキュ…

梅岡「そうら掛かった!これぞ大人の知恵袋って奴だな!」

JUM(いいのかコレ?高いバイクなんだろうに…)

座敷(ガタガタガタ

JUM(ハッ!「じゃなくてバイクのチェーンなんかで切れる訳ないだろ!」

梅岡「ほら、また桜田の悪いところが出たぞ!そうやって何事もやる前から諦めるから引きこもりになるんだ!」

JUM「……え?そうなの…かな…」

181: 2009/09/29(火) 11:25:38.98 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「よ~し!じゃあこの子をバイクにくくりつけてっと…」

JUM「え!?走りながら切るつもりかよ!?」

梅岡「仕方がないだろ?センタースタンドがないんだから…」グルグル

座敷「~~っ!~~~~ッッッ!!」ジタバタ
梅岡「じゃあ、チェーンには手錠だけ当ててろよ?下手に手なんか巻き込むと吹き飛ぶからな」

座敷「!!!???」

梅岡「ようし、それじゃあ僕は後ろに座るから桜田が運転してくれ」

182: 2009/09/29(火) 11:33:10.41 ID:Mq2K3F4dO
JUM「ぼ、僕が?出来る訳ないだろ!」

梅岡「いつまでもそんなこと言ってるから引きこもりの童Oなんだ!お前ぐらいの年なら卒業してて当たり前なのに!」

JUM「え?そうなの…そうなんですか?」

梅岡「そうだ!けど今からでもギリギリ間に合うさ!その為にも協力するんだ!」

JUM「は、はい…」

梅岡「よ~し、この子供は後ろのサスペンションに縛り付けたし」
座敷(ジタバタジタバタ

梅岡「僕が後部座席に座って、桜田が初めてのバイクの運転で三人乗りに挑戦だ!!」

ドルルルル!

※なんてことはしないで下さい。絶対に事故ります。

ドガッシャァァァァンッ

185: 2009/09/29(火) 11:42:44.99 ID:Mq2K3F4dO
・・・

翠「う~ん…JUMが帰って来ないですねぇ…」

雪「心配してらっしゃるの?クスクス、翠薔薇のお姉さまは恋する乙女ですのね」

翠「んがぁっ!?んな訳ねぇですぅ!だだ誰があんなチビ人間に…」

メリー「なになに?恋の話?略してコバナシ?聞かせて聞かせて!」

薔「…きっと、ただのノロケになるから…辞めておいた方がよろしいですわ」

メリー「え~!良いじゃない!だって私恋の話なんて」

メリー「そんな経験…したことも…することも出来ないんだから…」

翠雪薔メリー「…………」

186: 2009/09/29(火) 11:48:04.96 ID:Mq2K3F4dO
「ただいまぁ~!」

翠「ジュ、JUMですかね!?」

のり「やぁっと帰って来れたわぁ…ありがとう雛ちゃん」

雛苺「ぅい~…疲れたの~…」グテー

のり「あら?なんだか今日は可愛いお客さまがいっぱいねぇ…って!?」

薔「…先程は、どうも」

雛「ば、薔薇水晶!?待ち伏せしてたのね!」バッ

翠「あ~…大丈夫ですよ、今はお茶飲んでるだけですから」

187: 2009/09/29(火) 11:55:21.17 ID:Mq2K3F4dO
雪「紅薔薇のお姉さまはご一緒ではありませんの?」

雛「うゆ…真紅は薔薇水晶を探してる筈だけど…」

メリー「知ったかぶりの真紅?なら探してる奴がここにいるんだし、その内戻ってくるでしょ」

のり「そうね…じゃあお姉ちゃん達も一緒にお茶してもいいかしらぁ?」

雛「うよっ!?雛のうにゅ~がないの~!?」

翠「あ、それならさっき薔薇水晶が1人で全部食べてましたよ」

薔「…え?そんな…酷い…」

189: 2009/09/29(火) 11:58:57.63 ID:Mq2K3F4dO
・・・

梅岡(キュウ

JUM「だ、大丈夫か?」

座敷「……ッッッ」シクシクシクシク

JUM「奇跡的だな…どこにも怪我は無いみたいだ、僕は足を少し捻っただけだし…」

JUM「梅岡は…頭打って気絶したみたいだな、正直どうでもいいけど…」

191: 2009/09/29(火) 12:05:40.60 ID:Mq2K3F4dO
JUM「ほら、泣くなよ」ナデナデ

座敷「…………」ギュウ

JUM「怖かったなぁ、ごめんな?すぐに助けられなくて…」

JUM「けど、さっきの衝撃で手錠も取れたみたいだし、もう大丈夫だからな?」ナデナデ

座敷「ッ~~!!」ギュウウ

JUM(よっぽど怖かったんだろうな…こんなにしがみついて)

「あら?随分と仲が良さそうね、JUM」

192: 2009/09/29(火) 12:13:41.94 ID:Mq2K3F4dO
JUM「うわっ!真紅!?」

真紅「まったく…薔薇水晶を追って知らない場所に来たかと思えば、下僕の失態を見つけるとは…躾が足りなかったみたいね…」イライラ

JUM(な、なんだか知らないけど怒ってるのか?)

JUM「ち、違うぞ真紅!これは成り行きで…今の今まで大変だったんだからな!?」

紅「あらそう…大変だった割りには随分となついてるみたいだけど?」

座敷「………」ギュウ

JUM「あ、いや…これは…とにかく誤解だってば!」

紅「………信じてもいいの?」

JUM「あぁ!もちろんだ!」

座敷「助けてくれてありがとう、大好き」

JUM「お前喋れたのかよ!?」

194: 2009/09/29(火) 12:19:10.16 ID:Mq2K3F4dO
紅「…大好き、ね」スゥ

紅「主人がくんくんの余韻を断ち切って戦っていたのに随分と楽しそうな下僕だこと…」

JUM「違うってば!コイツは梅岡が偶々…」

座敷「…僕、ずっと君のところにいてあげる」

紅「…………」スタスタ

紅「絆デンプシーッ!!」ヒュンヒュンヒュン

メキィッ!メキィッ!メキィッ!
メキィッ!メキィッ!グチャッ!
グチャッ!グチャッ!グチャッ!

195: 2009/09/29(火) 12:24:45.92 ID:Mq2K3F4dO
・・・

チュン…チュン…

梅岡「う~ん、朝かぁ!って、どうして僕は廊下のど真ん中で寝てるんだろう?」

梅岡「ん~…昨日はなんだかとっても楽しいことがあったような気がするけど思い出せないなぁ」

梅岡「うわっ!向こうで寝てるのは根暗で引きこもりの桜田じゃないか?どうして桜田もこんなところで寝てるんだろう?」

梅岡「それになんだか全身グチャグチャだし…おや?桜田の鞄から何か出てるぞ?」

梅岡「こっ、これは!エOチな本じゃないか!?」

199: 2009/09/29(火) 12:35:39.42 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「これは18禁みたいだし、法に触れるはず…ここは心を鬼にして通報しなければ!ってあれ?これは…」

・・・

翠星石「ふあぁ……眠いです」

メリー「おはよ~!ってアレ!?どうしたの?目の下凄いクマよ!?」

翠「ちょっと…眠れなくて…」

メリー「…そんなわけないじゃないの、貴女今眠いです…とか言ってたじゃない」

メリー「ははぁん、昨日言ってたJUMとか言うの待ってたのね?朝帰りするような男の事をよくそこまでして待てるわね」

201: 2009/09/29(火) 12:43:21.42 ID:Mq2K3F4dO
翠「別に…そんなんじゃ…ね…です」ウツラウツラ

メリー「はいはい、そのジャムとか言う奴が帰って来たら起こしてあげるから、少しは寝なさい!」

翠「ん……でも…」

メリー「いくら彼氏が帰って来てもその面じゃ会えないわよ?ほらほら!」

翠「彼氏…なんか…じゃ…」

翠「………」スゥスゥ

メリー「ったく、昨日は赤い奴が何故か不機嫌だったからすぐ皆寝たのに…」

メリー「ずっと1人で待ってられる程良いものなのかしら?恋人ってのは…」

翠(スゥスゥ

202: 2009/09/29(火) 12:50:51.27 ID:Mq2K3F4dO
・・・

翠「う…ん、ここは…夢の中ですか?…結局寝ちまったんですね」

翠「べっ、別にチビ人間なんかの帰りが遅かろうと早かろうと翠星石には関係ねぇですけど?へーんっですぅ!」

翠「………へ~んですぅ」

JUM『翠星石…翠星石、待たせてごめんな?ほら、抱っこしてやるからこっちに来いよ』

翠「………翠星石は庭師ですから、オメェが翠星石の夢の中だけのJUMだってことは分かりますよ」

翠「けど…それなら、夢の中だけなら…ちょっとだけ甘えても良いですよね?」

204: 2009/09/29(火) 12:58:20.52 ID:Mq2K3F4dO
JUM『勿論だよ翠星石、何て言ったって僕は翠星石だけの僕なんだから…』

翠「うう…JUM、どうして昨日は帰って来なかったんですか!?早めに帰るって約束しましたのに…」

JUM『心配掛けてゴメンな?もうどこにも行かないから…』

翠「本当ですか?それなら…それなら、ギュッてして…頭を撫でてください…」フイッ

JUM『ん…こうか?』ナデ

翠「そ…そそ、それから…キキ、キ…を、して…」カァァァ

JUM『……ふふっ』クイ

翠「…………んっ」

チュッ

208: 2009/09/29(火) 13:03:18.35 ID:Mq2K3F4dO
・・・

ザワザワザワザワ!!

JUM「ん…ここは?」

梅岡「おっ、目が覚めたか?おはよう桜田!」

JUM「う、梅岡!?どうして僕が縛られてるんだ!?」

梅岡「桜田!先生は感動したぞぉ?お前にはこんな才能もあったんだなぁ?」

JUM「…え?それは昨日の工口本?それがどうしたんだよ?」

梅岡「照れなくて良いぞ?これは桜田が書いたんだろう?」

JUM「ハァッ!?そんなわけないじゃないか!?」

210: 2009/09/29(火) 13:08:24.27 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「またまた、ほらここに作者名が書いてあるじゃないか?」

JUM「作者名って…どこからどう見てもローゼンって書いてあるじゃないか!?」

梅岡「だから、桜田→おうでん→ローゼンなんだろう?ペンネームって言うのか?」

JUM「な、なんだよそのこじつけ!無理矢理過ぎるじゃないか!」

梅岡「いやいや、先生はちゃんと知っていたぞ?なんて言ったって同級生の絵を書く位だからな、余程普段から卑猥な目で見ていないと出来ないはずだ!」

211: 2009/09/29(火) 13:14:46.80 ID:Mq2K3F4dO
梅岡「そんな訳で、今この全校朝会の場で桜田の作品を読んでもらってる最中だ!」

ザワザワザワザワ!!

梅岡「そして僕がこのロープを引っ張れば、桜田が全生徒の頭上をまるでピーターパンのように飛び回れるって仕掛けさ!凄いだろ!?」

JUM(サー「や、辞めろよ…なんで、なんでそんなことするんだよ!?」

梅岡「なんでって、せっかくの桜田の才能を知ってもらうチャンスじゃないか!頑張れよ!」ニコッ

JUM(う…ぅああ…ロ、ロープを切らないと…クソッ!ダメだ、ギチギチに縛ってある!?)

212: 2009/09/29(火) 13:21:46.27 ID:Mq2K3F4dO
梅岡『さて、皆!今読んでもらってるステキな本を書いてくれたのは…』

JUM「ヤメロォォォォオオッッッ!!!」


梅岡『1年3組桜田ジュンくんです!』グイッ


JUM「う、うわああっ!?」

ヒューーー

ウワッ!?人間がロープで吊られてブラブラ揺れてるぞ!?
ウワッ、あれ桜田くんじゃない!?
どういう神経してるんだアイツは!!

JUM「ウッ…オェェエェッ!!」ビチャビチャ

ギャアアアアアアッッッ!!吐いたァァァッッッ!!!!

梅岡『どっ、どうして吐いたんだ桜田!?理由を説明してくれ!!』

215: 2009/09/29(火) 13:26:24.40 ID:Mq2K3F4dO
・・・

翠「ふふふ♪夢の中だけとは言え、幸せですぅ♪」

JUM『あぁ、僕もだよ翠星石』

翠「現実のJUMも早く帰ってこねぇですかねぇ?最近はなんだかんだいってお話する機会も増えてますし…」

翠「今度は怖い話じゃなくて、童話にでもするです!…そうですね、ピーターパンなんかどうですか?」


JUM『ああっ、最高だよ翠星石っ!』ニコッ


………第一部完

217: 2009/09/29(火) 13:34:40.92 ID:TavYofgp0
第一部・・・だと・・・

引用: 翠星石「ふあぁ・・・・・・眠いです」