410: 2010/11/23(火) 19:36:37.37 ID:f++PuOGK0



前回:ハルヒ「異世界からの帰還者 、宇宙人謹製のアンドロイド、可愛らしいターミネーター 、イケメンな文芸部員」



巨人は暴れ続ける、先ほどよりも数を増して
校舎をなぎ倒して破壊の限りを尽くす

ハルヒ「ど、どうしたら・・・ねえ、キョン!私どうしたら!」

この事態を招いたのは私
私の願望が生み出した巨人の一撃によって・・・・
血を流し、氏に掛けているキョンが目の前に横たわっている

キョン「あいつらを・・・・倒す!」

ハルヒ「無理よ!そんな体で!」

キョンが傷だらけの体で立ち上がろうとする
しかし

キョン「ぐ・・・・ぅう」

ハルヒ「キョン!」

満身創痍の彼に最早戦う力など残されていない
今行かせてしまったら彼は氏んでしまう
・・・・・着信音?

キョン「・・・俺の携帯がなってる?」

制服のズボンから携帯を取り出すと、一通のメールが
送信者:YUKI.N
「涼宮ハルヒの憂鬱 Ⅱ」

411: 2010/11/23(火) 19:50:13.70 ID:f++PuOGK0
件名:戦友へ
本文
先程の爆発により閉鎖空間に半径10センチ程の穴が開いた
もしかしたら何かに使えるかもしれない
べ、別にあんたが心配で開けてあげたってわけじゃないんだからね!
爆発の衝撃でたまたま閉鎖空間に穴が出来てしまっただけなんだからね!
・・・氏ぬな

メールにはそうかかれていた
穴・・・10センチ程の穴・・・そうだ!
助かったぜ!長門

キョン「ハルヒ、よく聞いて欲しい」

ハルヒ「何?」

キョン「俺はこれからマフラーの機能で急速治癒を行う
     この機能を使うと俺はしばらく身動き取れなくなり、マフラーは消滅する」

ハルヒ「そ、それじゃあどうやって戦うの?」

キョン「策がある。今から文芸部部室に予備のマフラーを転送する
     巨人を引き付けながらマフラーを確保し、持って来て欲しい」

ハルヒ「・・・・わかった、私、行ってくるわ!」

本当はこんな事ハルヒにさせたくはない
だが、このままここで倒れていても、二人ともここで犬氏するだけだ

キョン「これは賭博と変わらんが・・・ ハルヒ、氏ぬなよ!」

413: 2010/11/23(火) 20:04:14.07 ID:f++PuOGK0
数体の巨人が暴れる校舎に向かって走る
外から見るに文芸部部室はまだ無事のようだ

ハルヒ「きゃぁ!」

校内に入ると、一撃が校舎に放たれて揺れる

ハルヒ「急がなきゃ!」

先ほどの衝撃で倒れるも立ち上がり部室棟に向けて走り出す

巨人の動く振動で、巨人が壊す衝撃で
揺れる校舎の中を全力疾走で走りぬける

何時も守ってくれたあいつのために

ハルヒ「こんなの、どうってことない!」

途中、校舎が崩れ、廊下が途切れていたが
幅跳びの要領で助走を付けて向こう岸に飛び移る

こんなどうしようもない私の為に戦ってくれる彼を

ハルヒ「まってなさいよ!キョン!」

どうしようもない私を愛してくれるキョンの為に

ハルヒ「文芸部部室、まだ残ってる!」

部室のドアを蹴破って中に入る 壁には穴が空いていた

414: 2010/11/23(火) 20:18:36.08 ID:f++PuOGK0
部屋の爆発の後だろうか、散らかっていた部室内

ハルヒ「・・・・マフラーはどこ?」

瓦礫の中を探すもマフラーは見当たらない

ハルヒ「ん?穴が光ってる?」

壁に開いた穴を覗いていると、白い光りの点滅と共に静電気のような青い火花が飛び散り

ハルヒ「きゃあ!」

穴から紺色の布のような物が飛び出し、私に飛び掛ってくる

ハルヒ「うわ!・・・てぇ、これ。キョンのマフラー?」

紺色の長めなマフラーが4枚

ハルヒ「これを持ってあいつの所に!」

マフラーを畳んで脇に挟むと部室を飛び出して廊下を走る

ハルヒ「間に合って!」

あいつにこのマフラーを届ける
それが今私に出来る唯一彼を救う方法

ハルヒ「何よ・・・これ・・・」

先ほど飛び越えた崩れかけの廊下は更に崩れ、飛び越えられる距離では無かった

416: 2010/11/23(火) 20:30:20.44 ID:f++PuOGK0
現実は非情である・・・全ての努力が報われるとは限らない

ハルヒ「・・・・どうしよう」

何か、何か方法は無いのか、ここを迂回して外に出る方法・・・

ハルヒ「でも、行かなくちゃ!」

そうだ、非常階段があるじゃない!そっちから外に出て

ハルヒ「駄目・・・なの?」

非常階段は巨人の攻撃により破壊され、途中で途切れている
ここを降りるには無理がある

ハルヒ「・・・・そうだ!」

マフラーの端同士を作って一本のロープの様にする

螺旋階段の手すりにマフラーの端を結ぶ

ハルヒ「怖いけど・・・・やるしか!」

マフラーを地面に垂らし、垂らしたマフラーを掴んで下に降りる

ハルヒ「きゃあ!」

巨人の一撃によって校舎が揺れる その拍子にハルヒの手がマフラーから離れ地面に落ちる

ハルヒ「キョン・・・ごめんね。私何にも出来なかった」

417: 2010/11/23(火) 20:41:11.99 ID:f++PuOGK0
キョン「・・・・・ヒーリング」

マフラーがキョンの体中を包み、繭のようなものを形成する
その繭は薄い発光を繰り返し、繭の中では何か行われているようだった

キョン「これで愛着の一品ともおさらばか」

3年の間、毎日首に巻きつけていたマフラーは繭が消滅すると共に
千切れる繊維となって消えていった

キョン「さて・・・・ハルヒの奴大丈夫かな」

繭から現れたキョン、先ほどの氏に掛けな姿が嘘のように
どこかの仙豆でも食べたかのような健康的な姿で再び現れる

両手を広げて体を軽く捻ると、部室塔がある方角へ走り出す

キョン「あれは・・・ハルヒ?」

途中、崩れ掛けの非常階段からロープを伝って、下りようとするハルヒの姿が目に止まる

キョン「無茶しやがって」

ハルヒの元に走って駆け寄る

418: 2010/11/23(火) 20:50:06.32 ID:f++PuOGK0
ハルヒ「・・・・え?」

地面に落ちる強い衝撃が体を襲うものと信じていた
だが、予想とは裏腹に背中と膝に棒のような2本の感触を感じる

キョン「惜しかったな、後ちょっとで氏ねたのに」

ハルヒ「・・・・キョン!あんた大丈夫なの?」

キョン「ああ、お前が巨人をひきつけて時間かせいでくれたおかげでな」

校舎に巨大な一撃を加える敵、その衝撃の影響で落ちてくるハルヒ
下で見ていたキョンはハルヒを手際よくキャッチした

キョン「中々に素晴らしい脱出方法だが、これでは何をしに行ったのかわからんな」

ハルヒ「あ・・・ごめんなさい」

手すりに巻きつけられたマフラー
これでは当初の目的は・・・・

キョン「冗談だ、よくやってくれたよ」

垂れ下がるマフラーに触れると、結ばれたマフラーは解け、地上に落ちてきた

キョン「ありがとよ、ハルヒ」

420: 2010/11/23(火) 21:14:41.26 ID:f++PuOGK0
キョン「ここは今から戦場になる。
    お前がここに居ると好き勝手暴れられないんでな
    ちょっとグラウンドで待っててくれないか?」

ハルヒ「・・・しかたないわね!待ってりゃいいんでしょ!」

ちょっと不機嫌そうな顔で地に足をつけ、グラウンドへ歩き出すハルヒ

キョン「さてと・・・新兵器の効能、ためさせて貰うか」

ズボンの右ポケットに手を突っ込んで何かを取り出す
取り出した腕時計のようなものを左手に巻きつける

キョン「アプリローダー起動 マフラー1から4を制御下に登録 確認」

腕時計の脇に備え付けられた四つのボタンを操作し
モノクロのバックライト付き液晶に表示される文字を見つめ、読み上げる

キョン「1番を鎧に 2番を推進器に 3番をガトリングキャノンに 
     4番をシップチェスターに ・・・・設定完了」

マフラー1「アーマー」

一枚のマフラーがキョンの体に巻きつき、西洋甲冑のような姿に代わる

マフラー2「ダッシュ」

甲冑の首元にマフラーが巻き付き、後ろになびいた両端が青く燃え上がる

422: 2010/11/23(火) 21:37:55.91 ID:f++PuOGK0
マフラー3「ガトリング」

左手に握られたマフラーは盾のような物に形を変える
盾の内側には、6門の砲が備え付けられた一本の筒
ジェネレーターとキャパシターが取り付けられ
数本のパイプで各機器を直結させる

マフラー4「シップチェスター」

右手に握られたマフラーが剣のようなものに形を変える
何時もの奴と比べるとサイズは物凄く小さくなっているが
刃の峰に取り付けられた噴射口が何時ものフォルムをかもし出す

キョン「装着完了」

甲冑の姿が威圧感を与え後ろで燃え盛る青い光りが背中を照らす

左手に持たれたシールド モーター音と共に取り付けられたガトリングの砲筒が回りだす

キョン「行くぜ!」

校舎を破壊して暴れつづける巨人 
一体の巨人に向けて、回り続ける砲筒を向ける

キョン「ファイヤッ!」

砲等から赤い光弾が放たれ、巨人の頭部に直撃する


423: 2010/11/23(火) 21:49:56.62 ID:f++PuOGK0
巨人「ウォオオオオオオオオオオ」

着弾すると巨人がこちらに振り向き、こちらに振り向き歩みだす

キョン「でやああああああああああああああ」

巨人の頭部に光弾の雨が降り注ぐ

キョン「まだまだああああああああああ」

光弾の雨が頭部を削り、巨人の顔にクレーターを作る

キョン「撃ち抜けええええええええええ」

顔に作られたクレーターは深さを増しす
一つの光弾が巨人の頭部を打ち抜く

キョン「うおおおおおおおおおおおおおお」

空に無数の光点が打ち上げられる
頭部に穴が開き、巨人の歩みは止まった

キョン「まずは一体!」

目の前で暴れ続ける7体の巨人
全滅させなければ世界は眠りにつく

キョンの孤独な戦いが今始まった

426: 2010/11/23(火) 22:05:55.50 ID:f++PuOGK0
一体目を倒し一息ついていると、東から一本の閃光が飛び込んでくる
それに気がつくと、飛び込んでくる方向に左手を向け盾を構える

キョン「このくらい・・・・何てことないな」

巨人を確実に仕留められるガトリング胞
巨人のビームを難なく弾く強固な盾

キョン「今度はこっちの番!」

ビームが放たれた方向へ走り出すキョン

キョン「囲まれている!?しかし!」

7体の巨人がこちらに振り向きビームを乱射してくる

キョン「そんなもんで今の俺が倒せるか!」

青い閃光を回避しつつ目の前の巨人に進撃を続ける
何発かビームが当たるものの、鎧と盾がそのビームを防ぐ

キョン「飛べえええええええええええええええ」

巨人の目の前にたどり着くと跳躍し
後ろで燃え盛るマフラーの推進力と
右手に握られた対艦刀の推進力で空に高く舞い上がり

キョン「斬っ!」

巨人の頭上まで高度を上げると右手の刀が巨大化し、巨人の首を切り落とす

428: 2010/11/23(火) 22:20:29.84 ID:f++PuOGK0
キョン「残り 六体!」

地に落ち行く中マフラーの青い炎が光を増して再び空に舞い上がる

キョン「後ろが丸明きだ!」

一体の巨人の背中に残っていた高さ数メートル校舎の残骸
残骸に飛び移ると盾を構えなおし、ガトリング砲が光弾を吐き出す

巨人「ウォオオオオオオオオオオオオ」

振り向く暇も与えず、巨人の頭部が撃ち抜かれる

キョン「残り五!」

キョンは戦い続けた
暴れまわる巨人、ビームの閃光が降り止まぬ廃墟を疾走し
砲筒から放たれる赤い光弾で巨人の顔に穴を開け
巨大な刀で巨人の首を切り落とす

そして

キョン「残すは後二体・・・か・・・」

時計大の上で息を切らすキョン

頭部を失って廃墟に倒れこむ6体の巨人の氏体
キョンと交戦を続ける残り2体の巨人

430: 2010/11/23(火) 22:34:41.70 ID:f++PuOGK0
キョン「ジェネレーターのオーバーヒート キャパシター内のエネルギー、残量ゼロ
     背部推進器 シップチェスター エネルギー切れ」

何も考えずにバカスカ暴れて、エネルギー配分なんて考えていなかった
これはミスだ・・・マフラーが使えなきゃ俺はただの人間だ

キョン「くそっ・・・どうする!」

時計台の上で立ち竦むキョン
そこに・・・

古泉「僕達の出番、取っておいてくれたんですね」

長門「・・・・応戦に」

みくる「だ、大丈夫ですかぁ?」

いる筈のない連中が俺の後ろに立っていた

キョン「どういうことだ!入ってこれなかったんじゃ!」

長門「・・・・閉鎖空間の強度が低下した」

古泉「文芸部に明けられた穴を僕の能力で広げ、ここまで3人でやってきました
   多分、貴方が神人を数体倒した事によって、僕の能力で入れる状態になったのでしょう」

みくる「あたし!戦います!キョン君はここで休んでてください」

ピンチヒッターとしてやってきた文芸部のメンバー
ありがとう皆、後は俺の代わりに楽しく暴れてくれ

432: 2010/11/23(火) 22:48:00.62 ID:f++PuOGK0
会話を続けていると、一筋の閃光が彼らのいる方向へ飛んでくる

キョン「あぶねぇ!」

長門「防壁」

長門が瞬時に展開した防壁がビームを弾く

みくる「み、み、みくるビーム!」

朝比奈さんの目がピカッと光り、極太の荷電粒子砲が放たれる
頭部に浴びせかけられたビームが、巨人の頭部を蒸発させる

古泉「それでは僕も!」

古泉が赤い光球に包まれると地を蹴り上げ、空高く舞い上がる

古泉「行きますよ!」

残された一体の巨人目掛けて赤い光球が押し寄せる
右足の付け根辺りに飛び込むとピカッと光って足を切り裂いた

古泉「止めを!」

右足を失い倒れ掛かる巨人

ハルヒ「何よこれ・・・・」

433: 2010/11/23(火) 22:58:40.56 ID:f++PuOGK0
倒れ掛かる巨人の頭部に赤い光球があたり、貫いた

古泉「終わりですね」

全ての神人が倒された 校舎の残骸がその戦いの激しさを物語り
8体の巨人の残骸が地面に倒れ伏せていた


「ただの人間には興味がありません。
宇宙人、未来人、異世界人、超能力者が居たら私のところに来なさい。
                                         以上。」

何時の台詞だろうか、あの台詞が不思議の扉を開ける鍵であった

その言葉に導かれるようにしてやってきた4人の異能なる者達
彼らはその証拠を私に見せ付けるかのように、8体の巨人を打ち滅ぼした
彼等が一体何者で、何のためにここに居るのか。ただの人間ではない事は明らかであろう

ハルヒ「不思議すぎてついていけない」


                                                   終わり

434: 2010/11/23(火) 23:05:31.06 ID:f++PuOGK0
読んでくれた皆さん 6日間もスレを保守してくれた皆さん 本当にありがとうございました


極力キャラを立たせようとがんばってみたのですが、度が過ぎたようでごめんなさい

今読み返してみると誤字脱字、読みにくい文章だらけで本当に酷いですね
こんな駄作を延々と読ませてしまった皆さんに謝罪します

最後まで読んでくれて、本当にありがとうございました

もし明日スレが残っていたら「朝比奈みくる居た世界の続きとエピローグ編」をお送りします

それでは皆さんお休みなさい

引用: ハルヒ「不思議すぎてついていけない」