462: 2010/11/24(水) 20:17:58.74 ID:AXUwytUg0


前回:ハルヒ「ど、どうしたら・・・ねえ、キョン!私どうしたら!」



涼宮ハルヒの作り出した閉鎖空間
神人を倒せば閉鎖空間は消滅するはずだった
しかし・・・・

長門「・・・・・何故、消えない?」

巨人の亡骸は消え去り、破壊された校舎の残骸だけが残る

キョン「・・う・・・ぐはぁっ」

みくる「キョン君?」

甲冑義姿のキョンが血を吐き倒れこむ

みくる「ひぁ!だ、大丈夫ですか!しっかりして」

キョン「・・・・ちと無理をしたか」

幾ら治療したからといって、傷が塞がったのは見た目だけ
損傷した内蔵が完全に修復されたわけではなかった
そんな状態で数体の巨人相手に
身体にかなりの負荷がかかる高機動戦で挑んだのだ

キョン「・・・・長門、すまん」

朝比奈の胸元に倒れこみ目をつぶるキョン

長門「・・・・身体情報解析・・・・・プロテクト?」

「涼宮ハルヒの憂鬱 Ⅱ」

463: 2010/11/24(水) 20:43:00.61 ID:AXUwytUg0
古泉「長門さん、彼を助けられないんですか?」

キョンの額に手を当てて、何かをしている長門

長門「・・・・高度な暗号化アルゴリズムでプロクトが施されている
    この空間では統合思念体との接続が完全ではなく、支援が受けられない
    私一人でも解析は可能だが、それにはかなりの時間がかかり、彼の体が持たない」

みくる「キョン君!しっかりしてください!氏んじゃだめ!」

長門の眼鏡に映し出される謎の文字列
横に流れる文字列を眼球が追いかけ、うまく聞き取れない何かを呟きつづける

古泉「何かわかりましたか?」

口の動きが止まると古泉に視線を移す長門

長門「情報統合思念体がよく使用するアルゴリズム
    そのアルゴリズムを地球のコンピューターで使えるように改変してある」

そう告げると再び視線をキョンの顔に戻し、解析を開始する
キョンの顔は少し青さを増してきた。多分もう長くは持たないかもしれない

長門「・・・・・致命的な脆弱性を発見
    このセキュリティーホールに対し膨大なDos攻撃を仕掛ければ
    謎のホストとのパケット送受信を妨害し0.5秒置きに行われる
    暗号の更新を停止し、プロテクトを突破できる」

466: 2010/11/24(水) 21:00:47.35 ID:AXUwytUg0
みくる「な、ならはやく!」

長門「・・・・支援が受けられない状態では処理速度が足りない
    他の方法を探すしかない」

口元から血を流し、どんどん青ざめていくキョン
その時、時計台の入り口が開き、誰かがそこから飛び出してくる

ハルヒ「キョン!」

どこかで引っ掛けたのか、制服を所々切らせ、煤で顔を汚している
マフラーを枕に床に横に寝かされたキョン、ハルヒが駆け寄る

ハルヒ「キョン!しっかりしなさいよ!あんた私のこと守ってくれるんでしょ!
     私のこと、好きなんでしょ!こんな事で、こんな事で氏んじゃ駄目よ!」

馬乗りになってキョンの肩を付かんで肩を揺らす
平手で数発・・・キョンの頬に手の形をした赤い痣が出来る

古泉「涼宮さん!駄目です!」

ハルヒ「起きろ馬鹿キョン!起きなさいよ!あんたこんなんで氏ぬ弾じゃないでしょ!」

頬を赤らめ、目から涙を流すキョン

ハルヒ「起きなさいよ寝ぼすけ!・・・・起きてよ」

打ち続ける平手を止め、片手をキョンの首元に添えて、頬を撫でる

ハルヒ「・・・・・キョン」

467: 2010/11/24(水) 21:21:50.38 ID:AXUwytUg0
キョンの顔をまじまじと見つめるハルヒ

ハルヒ「こんな事、本当はしたくないけど・・・」

少し目を細め、ハルヒの顔がキョンに近づき、キョンの口元に彼女の唇が触れる
その時、空に穴が開いて黄色い一筋の光りが降り注ぎ、キョンとハルヒを照らす
ハルヒの髪が風になびくかのように揺れる 美しく、神秘的な光景であった

長門「・・・・・これは・・・・・膨大な情報が涼宮ハルヒから彼に対し送信されている
    これならあるいわ プロテクトの暗号を解析、突破、生体情報の解読に成功
    ・・・・治療できる」

長門が何かを唱えると、先ほどまで青ざめていたキョンの顔に血の気が戻り始める

キョン「・・・・・ん、ああ はふひ!(ハルヒ!」

塞がれた口がキョンの滑舌を悪くさせる

ハルヒ「きょ、キョン!あんた生きて・・・」

キョンが起きた事に気づくと、唇を離し、起き上がるハルヒ
腕を組むと右にそっぽを向いてどこか遠くに視線を向ける

ハルヒ「人工呼吸よ!あんたが息してないから仕方なくね!変な勘違いしないでよ!」

頬を赤らめ、どこかつんつんとした声でキョンに台詞を投げ掛けた

キョン「助かったよ・・・・三途の川出会った可愛い船頭の女の子に釣られて危うく黄泉の国に渡るところだった」

バチンッ!ハルヒの特大ビンタがキョンの頬を直撃した

468: 2010/11/24(水) 21:35:58.24 ID:AXUwytUg0
古泉「やれやれですね。まあ、無事に生きているみたいですし一安心です」

何時もの営業スマイルに戻って何時ものような台詞で喋る古泉一樹

みくる「あ、ぁあ、あの、 キョン君と涼宮さんがキスを・・・」

どこか動揺して、右手で二人を指差して、左の手のひらを口元によせ
膝をくっつけ少し震えてあわあわしている朝比奈みくる

長門「・・・・・間に合った 延命成功 医療点数発生」

口元に笑みを浮かべ、何かを企んでいる様子の長門

古泉「おや、遂にこの閉鎖空間も消滅するようです」

先ほど開いた穴がどんどん広がっていき、時計台の上に集う文芸部員達を明るく照らしていく

ハルヒ「・・・・・はっ!」

ピピピッピピピッピピピッ 目覚ましの音がハルヒを眠りの淵から救い上げる

ハルヒ「一体どんな夢よ!ったく!」

随分と恥ずかしい夢を見た キョンが戦って、他の文芸部員も戦って・・・
氏に掛けのキョンにキスをして氏の淵から救う 夢らしい夢であると言えた

469: 2010/11/24(水) 21:49:23.95 ID:AXUwytUg0
キョン「ようハルヒ」

ハルヒ「・・・・・・・」

教室を開けマフラーを巻いたキョンの顔が目に留まる
キョンを無視すると椅子を引き、自分の席に着く

キョン「・・・・なんだハルヒ?今日は何時にも増してよそよそしいな」

ハルヒ「・・・・嫌な夢見たのよ」

キョン「夢?」

キョンに夢の話をする 物語を物凄く省き、最後のシーンを語らずに 

キョン「そうか・・・・だがハルヒ、そいつは夢じゃないぜ」

放課後、何時ものように文芸部室に向かう
扉を開いて中を覗くと、有希が椅子に座って何時ものように本を読んでいて
教室の隅にの机には液晶モニターとキーボードとマウスが備え付けられていて・・・・穴?

長門「・・・・あ、忘れてた」

壁に空けられた穴を見つめるハルヒ その視線を追いかけるように穴を見つめて有希が呟く

ハルヒ「夢じゃ・・・なかったの?」

そう、昨日の事は本当にあったのだ 宇宙人も未来人も異世界人も超能力者も居た
この文芸部で一緒に部活をして、不思議な自称に出くわして 彼らは私の近くに。確かに存在したのである
                                 ────ハルヒ「不思議すぎてついていけない」 完

478: 2010/11/24(水) 23:11:18.87 ID:AXUwytUg0
UGV(Unmanned Ground Vehicle) 無人陸上車両
その歴史は古く、第二次世界大戦時には既にそのようなプランが計画されていた
フランスの工業デザイナー、アドルフ・ケグレスによって設計・試作され、川に沈められ隠匿されていた
フランス占領後にこれを引き上げ調査したドイツ兵器局はその設計図を元にし、最低50キロの爆薬を搭載できる兵器を開発した
12.5馬力を発生させる700ccクラスのガソリンエンジンを搭載し有線による遠隔操作を可能にした無人戦車

第二次世界大戦以後、冷戦による代理戦争が各地で勃発し
冷戦が終わりソ連が開放された後も、民主主義の旗の元に領地を広め続けたアメリカ
植民地の独立開放活動、独立国家の設立
第二次世界大戦後の世界、その世界では前大戦で傷を負った人々と利権を求める人々が戦争を続けていた
しかし、そんな戦争も長くは続かなかった。21世紀初頭に起こったある事件が、人類を絶滅の危機に追いやったのであった

神人、涼宮ハルヒと言う少女が生み出した巨大な生物が世界各地に現れ、文明を破壊し始めたのであった
たった一年、第二次世界大戦であれ程の威力を見せ、戦乱の間進化し続けた兵器郡はこの巨人を殲滅する事はできず
彼等の進行を食い止めるのが精一杯であった 例外として唯一つの兵器が存在したが、この世界の人々にそれを使う勇気など残されていなかった

終わりのない戦いと、数を増す巨人に、前線で戦う兵も、疎開を繰り返す民間人も疲弊し切っていた
 
閉塞感漂う中でとある計画が立案された 各国、海底にコロニーを作り、そこに移住するという計画
海の底であれば、巨人はやってこれず、疎開を繰り返す必要がなくなるという
もし地上から出ようとする個体が現れたら無人兵器軍で迎撃し、進行を食い止める

その計画の下、各国は海底に巨大な空洞を作って都市を作り、地上に無数の無人戦闘機や無人戦車を配備したのであった
あの大戦終了から100年は経とうとしていたときの出来事である

480: 2010/11/24(水) 23:36:16.54 ID:AXUwytUg0
対巨人進行妨害システム

一つの部隊は6機の無人偵察爆撃機と49機の多脚無人戦車
それを取りまとめる情報集積と解析に特化した1機の有人多脚指揮車で編成されていた

偵察機が防衛ラインに接近する巨人を発見し、先制攻撃を行う
先制攻撃で足止めをしている間に情報を受け取った戦車部隊が巨人の元に向かう
30機の戦車で敵を足止めし、その間に巨大な落とし穴を作って誘導し、穴に落とす
穴に落ちた巨人に一斉放射を行って殲滅する

たった一人の人間になぜそれだけの火力を預けたのか・・・

答えは簡単である、そうでもしないと増え続ける巨人共を押さえ続けられないからだ

一つの部隊に割り当てられる人員の数は整備クルーが5人に指揮官兼パイロットが1人である

481: 2010/11/24(水) 23:53:47.83 ID:AXUwytUg0
・・・・とまあ、前置きはこの辺にして彼女の話に戻ろうと思う 彼女の初陣の話に

管制官「東部方面第十七小隊との連絡、途絶えました!」

基地に設けられた一室、無数のモニターやマイク、
中央に大型モニターが設置され、そこに小隊から先ほどまで送信されていた
戦闘データが細かく表示されていく

室長「・・・・・何が起こった」

夜中に鳴り響いたブザー音に叩き起こされて不機嫌そうにやってきた管制室室長
この整備基地に所属する機体と部隊の管理を行う責任者である

管制官「はい、沿岸部に接近中の巨人にを十七小隊が発見
     迎撃に取り掛かるも途中で連絡が途絶え現在に至ります」

室長「向こうとは連絡が取れんのか?」

ヘッドホンをつけてチューナーのダイヤルを回し無線の周波帯域を行ったりきたり
応答を求めるように連絡を求めるも反応はない

管制官「駄目です、短波無線による応答はありません
     先ほどまで衛星によるリンクシステムで通信を行っていましたが
     悲鳴と共に通信が途絶えました・・・・部隊の生存は絶望的かと・・・・」

室長「さーて・・・どうしたもんかな」

482: 2010/11/25(木) 00:13:56.67 ID:WSkfc4TO0
部隊長「作戦の概要を説明する」

東の沿岸部で警戒をしていた部隊との連絡が取れず、生氏不明なこと
彼らの安否を確認し、戦闘データを記録した指揮車のデータを回収しなくてはならない事
まだ暴れ続けているであろう巨人を発見し次第殲滅しなければならなこと
そして、今この基地には作戦に割ける人員が居らず、殆どの機体が整備中で使える無人機が無い事

部隊長「つまりだ。今回の作戦に我が輸送部隊の諸君が割り当てられる事になった。
     今すぐ出せる機体は我々の持ってきた新型無人多脚戦車100機
     悪い事に、無人戦闘用の戦闘プログラムがまだインストールされておらず
     有人でしか動かせない状態である
     我が隊の人員計65名、全員多脚戦車に乗って作戦にあたる事になる
     なあに、たいした任務ではない、新型弾頭の使用許可も下りている
     各員の検討を祈る!以上、解散!」

モーニングコールのように部隊長に呼び出された輸送部隊の各員と朝比奈みくる

隊員「やれやれ、こんな事になってしまうとはな」

ここに来る道中、車両の中で雑談していた隊員がため息をついた

朝比奈「・・・・私、できるでしょうか?」

隊員「作戦道理やってりゃ氏ぬ事はないだろ、ま、やばくなったらとんずらすりゃいいさ」

484: 2010/11/25(木) 00:37:01.67 ID:WSkfc4TO0
部隊長「全員乗り込んだか!?よし、出るぞ」

日の出前、鋼鉄の野獣の群れが山道を進む
前時代に舗装された道路は、整備される事も無く
アスファルトに出来た隙間から草が生え、道路脇の斜面に草木が生い茂る
痛めつけられたアスファルトの上を4つの足を生やした奇妙な戦車が
長い車列を作って細い山道を駆け下りていく

部隊長「少し狭いがナビのデータどおりに走れば問題ない
     それに、こんな所で落ちる馬鹿は居ないだろう?」

左脇、ガードレールのすぐ下は、深い崖となっており、
そこから落ちればたちまち戦車はただの鉄の塊と化すだろう

対向車線、2車線同道と占領して走る多脚戦車
まぁ、こんな時代に山中をドライブしに現れる車両など居ないだろう

みくる「あれ、なんだろう・・・」

2時間程走らせただろうか、平均時速60キロ前後の速度で走り続けた
山道を抜け、廃墟となった市街地を抜け、海岸線目指し進んだ
そして、はじめて見る朝焼けと共にたどり着いた海岸線

みくる「これが・・・・海?」

目の前に広がっていたのは朝焼けが照らす海の姿
朝比奈にとって海を見る事は初めてであり、
その大海原の広さにどこか感動と懐かしさを覚えた

485: 2010/11/25(木) 00:53:20.41 ID:WSkfc4TO0
部隊「もうすぐ部隊が消滅したポイントに到着する
    周辺に敵さんがまだうろついてるかもしれんから、各員気を引き締めて作戦にあたるように」

指揮車から一本の通信が全機に向け送信された
テトラポットや防波堤が囲う海岸線を戦車の車列が進む
新品のボディーを、まだ迷彩塗装を施されていない
防錆塗装されただけの白いボディーを朝焼けが照らす

高繊細マイク越しに聞こえてくる波の押し返す音と風の音
海鳥が車列の頭上を飛んでいく ボトッ・・・

みくる「やぁ!」

左側のカメラに白い液体が降り注ぎ、左側のモニターが真っ白になる

隊員「はっはー!フン喰らったかーwww!」

みくる「わ、笑い事じゃないですよぉ!」

バックカメラで見ていた1人の隊員に笑われる

隊員「そいつは縁起物だぜ?鳥のウン○がかかってウンが付く。迷信だけどな」

みくる「なんですかその迷信、親父ギャグですか?」

隊員「ま、珍しい事じゃない、ただ新品の車両を汚されたのは痛かったかもな」

ウォッシャーをかけてワイパーでカメラにこびり付いた白い液体を落とす

486: 2010/11/25(木) 01:18:19.49 ID:WSkfc4TO0
危うく寝落ちするとこだった

487: 2010/11/25(木) 01:47:56.28 ID:WSkfc4TO0
部隊長「目的地に到着した、対象の捜索活動を開始する」

脚部の油圧を失って無残な姿で残骸に横たわる無人戦車
ジェネレータを巨人のビーム攻撃で破壊されたのか
しかし、センサーはまだ生きているのか、
こちらの姿を捉えるために楕円形のカメラボックスを回転させてフォーカスを調節しているのが見える

部隊長「どうやら・・・・・ほんのさっきまで戦闘をしていた様だな、
     回収班!制御システムが生きている機体からレコーダを回収して状況を解析しろ!」

ビームを喰らって動けなくなっても、唯では爆発しない
制御システムが積まれたコクピットには強固な装甲と
対ビームコーティングが施され、ビーム2発程度ならなんとか耐えられる設計になっている
貴重な実戦データと経験を積んだAIを保守するための堅牢で利口な設計である
何故機体各所にこの装甲を施さないのか、理由は重くなる事とコストが上がる事の2点だけだが・・・・

部隊長「何かわかったか!」

隊員「はい、どうやら近くのビルに隠れて無人機に支持を出していたようです
    少なくともパイロットは無事と思われます!」

部隊長「よし!目標が居ると思われるビルに向かう!各員、警戒を怠るな!」

489: 2010/11/25(木) 02:06:20.01 ID:WSkfc4TO0
一筋の閃光が戦車の群れに向かって飛んでくる

朝比奈「きゃっ!」

車列の真ん中にど真ん中に直撃したビーム

部隊長「各員、機体の状況を報告せよ!」

ビームの直撃を受けた機体が足をばたつかせ、地面に横たわる
損傷したのは一機だけ、どうやらパイロットは無事のようだ

隊員「23番機、敵のビームを回避するも右後ろ足を損傷!
    スペアとの交換に3分ほど時間がかかります!」

部隊長「よし!15号機から26号機、23番機の脚部換装作業の支援と警護を行え!
     他の機体は俺について来い!2号機から14号機は俺について来い!
     27号機から47号機は左翼から回り込め!48号機から65号機は右翼から回り込み
     俺達が奴をひきつけている間に一斉掃射をしかけろ!各員、続けー!」

4つに分かれた戦車の群れが、巨人を取り囲むように展開していく
廃墟と化した市街地を4脚の多脚戦車がローラーを回転させながら進み
途中道をふさぐ残骸を脚で上って突き進む

491: 2010/11/25(木) 02:24:31.36 ID:WSkfc4TO0
部隊長「15号機から26号機!巨人に向けて撃ち込め!
     牽制射撃だ、照準は適当でかまわん、撃てー!」

巨人の向かって前進しながら弾丸を発射する
10発の砲弾のうち4発が胴体に命中、
前進してくる戦車に気づいた巨人が戦車を追い詰めるために向かってくる

隊員「左翼展開完了!」

部隊長「よーし!27号機から47号機、掃射開始!ナパーム弾打ち込め!」

20発の内13発程が巨人に直撃すると、巨人の体がジェル状の液体に包まれ燃え始める

巨人「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

燃え盛る炎の暑さに体を捩って暴れる巨人

隊員「右翼、精密狙撃体勢にて全機展開完了!」

ビルの谷間から見える17機の戦車
足元にパイルバンカーを撃ちこみ機体を地面に固定する

部隊長「新型弾争点!照準、目標頭部!撃てー!」

巨人の頭部目掛けて新型弾が打ち放たれる
全弾命中、巨人の頭部に巨大なクレーターを作る

部隊長「第弐射、撃てー!」

弐射目が命中するとクレーターは貫通する

493: 2010/11/25(木) 02:34:45.98 ID:WSkfc4TO0
頭部に致命傷を作った巨人はその場に立ち竦み沈黙する
巨人の体に付着したジェル状の発火剤は未だに燃え盛り、巨人の体を焼く

みくる「や、やりました!」

部隊長「敵巨人の沈黙を確認 戦闘終了 目標の安否確認と回収任務に戻る」

炎と煙を上げて燃え盛る巨人を背にパイロットの居るビルへ向かう

パイロット「・・・・あれは?救助部隊か!お前ら救助部隊が来たぞ!」

整備クルー「やった!やったぞ!これで帰れる!」

ビルの屋上で喜びに浸るパイロットと整備クルー一同

隊員「目標の生存を確認しました!」

部隊長「お前らよくやったぞ!全員生きているそうだ!」

通信による報告で、一同歓声を上げる

みくる「よかった!作戦成功ですね」

隊員「な、運が付いただろ?」

先ほど前方を走っていた戦車のパイロットから通信が入った
海鳥にかけられたフンは勝利を呼び込む幸運の汚れとなった

おわり

494: 2010/11/25(木) 02:36:15.46 ID:WSkfc4TO0
朝比奈みくるの過去編、終わりです

読んでくれた皆さん、ありがとうございました

それではおやすみなさい

引用: ハルヒ「不思議すぎてついていけない」