240: 2015/02/02(月) 21:03:28.63 ID:gj49LZUb0
【コミック・パニック】
エジプト某所の病院にて、三人の男たちがいた

「ひっでェ~目にあったぜ……お前の予言が外れちまったせいでよ!」

悪態をつきながら少年に話しかけるおっさんの名前はホルホース
トレードマークのカウボーイハットの角度をしきりに気にしながら煙草を慣れた手つきで取り出した

「おいホルホース!俺の弟を無理矢理連れてってそれはねぇんじゃねぇか!?」

それに反論したのは少年の兄であるオインゴ
何としてでもと弟を探して見つけてみれば知らぬ男と入院していた時には驚きを隠せなかった

因みに彼も入院して顔がめちゃくちゃになっているはずなのだが問題なく元の顔になっている
ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
241: 2015/02/02(月) 21:28:48.98 ID:gj49LZUb0
「おっ…おっ…お兄ちゃん…ぼっぼっぼく怖かったぁ…」

そして先程から論点の中心にいるボインゴ
ある一行の暗殺にホルホースと半ば無理矢理組まされた挙げ句に暗殺には失敗して根倉な性格が更に根暗になって入院

結果ますますすぐに兄であるオインゴに泣き付くようになってしまった

「見ろよこんなに怯えちまって!ひでぇ野郎だなぁホルホース!」

「俺は女には優しくするけど男が泣きわめこうが知ったこっちゃねぇの!!」

口論する二人から気を紛らすためにボインゴはある漫画を読み始めた
タイトルは『オインゴとボインゴ兄弟大冒険』
この漫画は二人の未来を予知する内容を示す、トト神の暗示を持つボインゴのスタンドなのだ

242: 2015/02/02(月) 21:42:25.63 ID:gj49LZUb0
漫画の内容はこうだった

オインゴとホルホースが口喧嘩している中いきなり銃弾が飛んできたぁーッ!
時間は10時5分、ホルホースの時計できっかり!10時5分!今度の時間はズレない!
そして飛んできた弾は見事にホルホースとボインゴの脳天に命中!そのまま二人はお陀仏!
BADENDだ~ァッ!!


「…えぇっ?うえぇっ!?」

トト神の予言を見て、思わず声がこぼれた
僕が氏ぬ運命がその漫画には描かれていたのだ

243: 2015/02/02(月) 21:52:17.53 ID:gj49LZUb0
ホルホースの時計を盗み見ればもうすぐ10時になろうとしている

「うわぁぁぁっ!!!どうしよう!」

急いで止めさせなきゃ!口喧嘩を止めさせなきゃ、僕が氏んでしまう!あとついでにホルホースも
トト神の予言は絶対なんだ、その通りに行動すれば予言通りになる、なってしまう!

「やっぱ気に入らねぇなホルホース!このスケコマシ!」

「俺が女を捕まえるんじゃなくて女の方から来るんだよ!」

でも二人は口喧嘩に夢中で聞いてくれない

245: 2015/02/05(木) 23:34:46.63 ID:BbmR+2ky0
ホルホースの時計はもうすぐ10時4分を指さんとしている
このままでは脳天ぶち抜かれてお陀仏

「こ、こうなったら…」

僕はそこら辺の石を持ち上げると思いきりホルホースの時計に向かって投げた
見事命中、粉々に腕時計が砕け散った

「うげぇ~ッ!!馬鹿野郎何しやがんだよ!」

手首を押さえるホルホース
その時計は10時4分を指したまま止まっていた

「良し!これで10時5分は来ないぞ!予言の時は訪れない!ウケケケケ!」

「良し!じゃねぇ馬鹿タレ!せっかくの時計壊しやがって!」

予言は絶対でも、その時間が来なければ問題がない
そう喜んだのも束の間、ホルホースの拳骨が飛んできた

246: 2015/02/07(土) 23:50:41.41 ID:QpIua5ka0
「まーったその漫画の予言かよ。俺ぁもうこりごりだぜ」

何とか説明したもののホルホースは不機嫌そうに壊れた時計を眺めている

「トト神の予言は絶対なんだよホルホース!てめぇの命が助かっただけでも感謝しやがれ!」

オインゴ兄ちゃんはホルホースに怒鳴り返している
その時、また予言が漫画に現れた
今度はオインゴ兄ちゃんとホルホースと一緒に読むことにした

漫画を鵜呑みにしてなんとか助かったボインゴ、だけど意地悪なホルホースに叱られてしょんぼり
そんな三人がゆったりと過ごしている喫茶店にいきなりマフィアが襲ってきた!
どうやらホルホースを狙っているみたいだ!
そして仲違いをしたオインゴとボインゴとホルホースは三人仲良く殺されてしまいました。ちゃんちゃん

顔から血の気がさぁーっと引いていくのが分かる
またトト神が氏を予言してきたのだ。それも今度はオインゴ兄ちゃんも!

247: 2015/02/08(日) 07:01:00.97 ID:spaGM3oq0
ホルホースの時計壊さなかった場合、10:05にマフィアが銃撃ってきた
壊したからマフィア襲来が延期された
と解釈したけどここからどうなる!?

248: 2015/02/08(日) 09:35:26.09 ID:t04iu7so0
「ま、またこんな予言かよ!ろくでもねぇ~スタンドだなトト神はよぉ!!」

ホルホースはじたばたと予言を見ながら暴れ始めた

「おいボインゴ!さっき氏の運命とやらは回避したんだろ!?なんたってまた氏ぬかも知れねぇなんて出てんだよ!?」

ホルホースは僕の胸ぐらをつかむとそう言った

「わっ、わかりません!もしかしたら運命を回避しきれなくて、ただ、先伸ばしにしてた、だけなのかも、時計を壊すという仕方じゃあ回避しきれなかったのかもしっしれないです!」

ホルホースは怖くて嫌なやつだ~!

「んなことしてる場合かホルホース!取り敢えず喫茶店から逃げ」

「動くな!ここにホルホースってやろうがいるよな!出てこい!」

喫茶店のマスターを脅しながら黒服の男たちが現れた
予言の時は訪れてしまった!

249: 2015/02/10(火) 10:27:29.09 ID:A1JQ5D2j0
黒服が入ってきた瞬間に三人とも店の壁に隠れる

「おいおい探してるぜホルホースさんよ!いってやれよデートかも知れねぇじゃねえか」

ヒソヒソとオインゴ兄ちゃんはホルホースに耳打ちする
真っ先にホルホースが出ていってくれれば何とか僕らだけでも助かるかもしれないじゃあないか。と言うわけだ

「無理だ無理!だいたい俺は男にゃ興味ねぇよ!」

「ならお前のご自慢の皇帝で全員吹っ飛ばしちまえば?そしたらなんとかなんじゃねぇの?」

「流石に数が多すぎるぜ…ここは何とかやり過ごすしかねぇな…」

オインゴ兄ちゃんとホルホースの掛け合いは段々と声が大きくなっている
そしてそれに二人は気づいていない

僕は必氏にトト神の予言を待っていた
何か助かる手が出ないか…何かないのか
どれだけ探しても待っても、予言は現れない
このままでは三人仲良く氏ぬ予言が当たってしまう!

250: 2015/02/10(火) 10:37:17.66 ID:A1JQ5D2j0
「取り敢えず行ってこいホルホース!」

「嫌だね無理だね絶対ダメだね!」

「おいそこの柱の影にいる奴等、さっさと出てこい!さっきから何こそこそやってんだ!ゆっくりと出てこい…太極拳の動きのようにゆっくりとな!」

さんざん大声を出していたせいで遂に黒服にバレてしまった
このままじゃ予言の通り
その時僕は気付いた

(トト神の予言は絶対なんじゃあない…今まで絶対だと思い込んでただけなんだ……。ずうっと絶対だと信じてただけなんだ)

トト神の予言をもう一度良く見る
じっくりと、コマの一つ一つをじっくりと

(予言はその通りに動けば絶対だ。でも逆にその通りに動かなければ変えられるんだ!)

さっきのホルホースの時計を壊したときみたいに!
僕が勇気をもって予言を変えるんだ!そうすれば変わる、変えられる!
そして運命を変える方法も分かった!やらなきゃ、運命に抗わなきゃ、自分を変えなきゃ!根暗な僕は変わらなきゃならないんだ!

運命を変えるために!立ち向かうんだ!

251: 2015/02/10(火) 10:44:27.09 ID:A1JQ5D2j0
「オインゴ兄ちゃん、ホルホース…助かる唯一の方法が…あるんだ……僕を…僕を信じて…!」

二人を呼び、僕はその作戦を語った
勿論二人は信じられないと言う顔をしたが。無茶苦茶だと思っただろう
けれど運命を変えるにはこうするしかないんだ

「わかったぜボインゴ…てめぇのその糞ったれなスタンドの予言とやら、変えようぜ!」

ホルホースも覚悟を決めた顔をした
一方のオインゴ兄ちゃんは泣いていた

「ボインゴ…お前から運命に立ち向かおうとするなんてな……嬉しいよ俺は!強くなったな…オインゴ…」

誉められて嬉しいけど今は喜んでる場合じゃあない

「早く出てこい…良いか、三つ数える内に出てこなきゃぶっ頃す!い~ち…………にィ~~い」

黒服がカウントダウンを始め、さんと言おうとした瞬間、ホルホースが柱から現れた
作戦開始だ

252: 2015/02/10(火) 10:53:25.88 ID:A1JQ5D2j0
「待った待った!俺は怪しいもんなんかじゃあ無いぜ!」

ホルホースは両腕を上げながら黒服たちの前に現れた

「お前ホルホースだな?命頂戴する…」

黒服たちは各々の銃をホルホースへ突き付ける

「どうしたんだヘルヘース……まさかまたホルホースの奴に間違われたのか?」

黒服たちはぎょっとした表情になった
出てきたのはホルホースと瓜二つの顔をした男なのだ
背丈も同じぐらい、つけてる香水までも同じなのか匂いまで同じだ

「そうなんだよフルフース兄ちゃん……婆ちゃんが五つ児の俺たちにハ行で名前付けるなんて事したせいか顔まで似ちまってな、よりによってまたホルホースに間違われちまったぜ。あのゴロツキの女ったらしにな!」

勿論フルフースもヘルヘースなんてこの世のどこにもいない
このフルフースとやらはオインゴ兄ちゃんのスタンド、クヌム神の力によって変身しただけの存在なのだ

253: 2015/02/10(火) 11:03:18.94 ID:A1JQ5D2j0
クヌム神の暗示を持つスタンド、それは身長体重匂い、果てには声質までも再現可能な完璧な変身能力のスタンド

「え…五つ児だと…?へ?でも写真そっくり」

やはり黒服たちはそっくりな人間が二人も同時に出てきたら困惑する

「すいませんねうちのホルホースが…昔からただのゴロツキで俺達には手もつけられないようになって何処にいるのやらと言うわけで……おいボインゴ……お詫びにオレンジでも渡してやってくれ」

フルフースことオインゴ兄ちゃんに指示されて僕は籠一杯のオレンジを渡す
勿論このオレンジは喫茶店にあったものだが

「ちっ…人違いかよ!よこせ坊主!引き上げっぞ!たっくさっきホルホースを見たってのも嘘っぱちかよあのスナイパー……ぶっ頃してやる!」

黒服たちは僕から籠ごと引ったくるとそのまま外の車に乗ってどっかへ行ってしまった

254: 2015/02/10(火) 11:12:00.81 ID:A1JQ5D2j0
「何とか助かったな……一時はどうなるかって思ったぜ」

ホルホースが脅して奪ったジープに乗りながら三人とも一息ついていた
オインゴ兄ちゃんは既に変身を解いている

「しっかしもう追ってこないのか?大丈夫なんだよなぁ?」

ホルホースがそう言ったとき、一台の車がボロボロになっているのと救急車が見えた
先程の黒服達が乗っていた車だ

ジープで通るときに救急車の隊員がこんなことを話していた

「気の毒だよなぁ……爆発なんて大事故じゃねえか」

「あぁ…しかも殆どの奴はあれで即氏っぽいし生き残ってる奴も記憶が無いだろうぜ。ま、取り敢えず運ぶか」

「成功だな…オレンジ爆弾」

そうオインゴ兄ちゃんは呟くと胸ポケットからオレンジを取り出してかぶり付いた

255: 2015/02/10(火) 11:20:20.30 ID:A1JQ5D2j0
「さて…こっからどうするよ」

オインゴ兄ちゃんがそう呟いた

「さあな…でもまぁお前らと組むのも悪くねぇんじゃねえか?」

ホルホースはあながち冗談じゃあないようにケラケラ笑いながらそう答えた

「僕……三人なら…どんな運命も予言にも勝てるかも、なんて…思えたよ…」

吃りながらも僕はそう答えた
例えどんな予言があっても運命も変えられる。勇気と仲間がいれば

「へっ!良いこと言うなボインゴ!さぁって、なら俺の町にでも戻って暗殺でもすっか!勿論三人でな!」

「ところでホルホース…なんであの黒服達に追われてたんだよ?心当たりあんだろ」

「ギク~ッ!い、いや?精々女引っ掻けたかな~っとか?」

「あのなぁ~ホルホース!お前って奴は!」

オインゴ兄ちゃんの怒号が響く中、僕らの道は続いて行く
これから先どこまでも。きっと三人で



END

256: 2015/02/10(火) 11:23:04.00 ID:A1JQ5D2j0
【コミック・パニック】完結です
時間がかかってしまったり所々滅茶苦茶ですがお許しを
そして読んでくださった方、感謝です
次は>>233さんの作品を書かせてもらいますので良ければお読みください

引用: 【THE・WORLDは止められない】