282: 2015/02/18(水) 18:34:22.08 ID:Di96hAqu0
【黄金の回転の軌跡】
「なぁジャイロ…」
僕はジャイロのいれたドロドロのコーヒーを飲みながら話しかけた
一方のジャイロは焚き火の加減を調節している
「なんだジョニィ。俺のギャグでも聴きたくなったか?」
「いや遠慮しとくよ、かなり大爆笑で喋る内容忘れたら嫌だしね」
「まぁな、何てったって俺のギャグだもんな」
「あーうん。でさ、ジャイロの故郷ってどんなところなんだ?」
最初は何気無い世間話のつもりだった
最初は本当に
「なぁジャイロ…」
僕はジャイロのいれたドロドロのコーヒーを飲みながら話しかけた
一方のジャイロは焚き火の加減を調節している
「なんだジョニィ。俺のギャグでも聴きたくなったか?」
「いや遠慮しとくよ、かなり大爆笑で喋る内容忘れたら嫌だしね」
「まぁな、何てったって俺のギャグだもんな」
「あーうん。でさ、ジャイロの故郷ってどんなところなんだ?」
最初は何気無い世間話のつもりだった
最初は本当に
293: 2015/02/21(土) 18:52:42.04 ID:RDyMOMSO0
【虹村億泰の恋愛事情】
「…………お前今なんてったの億泰?」
髪型をいじる櫛の手が思わず止まった
以前に康一があの由花子と付き合い出したときにスタンドも思わず月までブッ飛ぶこの衝撃!等と言ったが、これは遥かにそれを越えている
「あれェ~仗助聞いてなかったの?だからよぉ~俺の下駄箱にこれが入ってたのよ!」
億泰がポッケから取り出したのは可愛らしい薄ピンクの手紙、手紙の開け口には可愛らしくハートのシールが付いている
「じゃんじゃジャーン!正真正銘、ラブレターよ!」
確かに世間様で言うところのラブレターと言うやつである
「億泰………お前……」
「どーしたんだよ仗助~?まるで鳩が豆鉄砲食らったみてぇな顔してよ!?」
「まさかお前が自前のラブレター使ってまで見栄張りたかったなんてな……気付いてやれなくてすまねぇ…!」
俺は友達のこんな事を気付いてやれない自分を呪いながら億泰の肩に手を置いた
「…………お前今なんてったの億泰?」
髪型をいじる櫛の手が思わず止まった
以前に康一があの由花子と付き合い出したときにスタンドも思わず月までブッ飛ぶこの衝撃!等と言ったが、これは遥かにそれを越えている
「あれェ~仗助聞いてなかったの?だからよぉ~俺の下駄箱にこれが入ってたのよ!」
億泰がポッケから取り出したのは可愛らしい薄ピンクの手紙、手紙の開け口には可愛らしくハートのシールが付いている
「じゃんじゃジャーン!正真正銘、ラブレターよ!」
確かに世間様で言うところのラブレターと言うやつである
「億泰………お前……」
「どーしたんだよ仗助~?まるで鳩が豆鉄砲食らったみてぇな顔してよ!?」
「まさかお前が自前のラブレター使ってまで見栄張りたかったなんてな……気付いてやれなくてすまねぇ…!」
俺は友達のこんな事を気付いてやれない自分を呪いながら億泰の肩に手を置いた
283: 2015/02/18(水) 18:44:54.34 ID:Di96hAqu0
「ん~俺の故郷か……悪いとこじゃあねぇぞ。いやむしろスゴく良いとこだぜ?」
ジャイロは自分の分のコーヒーを淹れ始めた
「料理は旨いし、処刑人の俺が言うのもなんだが治安は良い方だし、何より女の子が可愛いんだよなぁ~…わかる?」
「僕はネアポリスは行ったこと無いけど美人が多いとかは聞いたことあるな」
ジャイロの女好きっぷりは昔の僕にもひけをとらないんじゃあないかな
「そうそう、美人多いんだぜ!?しかもよぉスタイルは良い娘も多くて町に行けば選り取りみどりよ!わっちち!あっつ!」
テンションが上がりすぎたのか熱々のコーヒーを思いきり太股へジャイロはぶちまけた
ジャイロは自分の分のコーヒーを淹れ始めた
「料理は旨いし、処刑人の俺が言うのもなんだが治安は良い方だし、何より女の子が可愛いんだよなぁ~…わかる?」
「僕はネアポリスは行ったこと無いけど美人が多いとかは聞いたことあるな」
ジャイロの女好きっぷりは昔の僕にもひけをとらないんじゃあないかな
「そうそう、美人多いんだぜ!?しかもよぉスタイルは良い娘も多くて町に行けば選り取りみどりよ!わっちち!あっつ!」
テンションが上がりすぎたのか熱々のコーヒーを思いきり太股へジャイロはぶちまけた
284: 2015/02/18(水) 19:44:50.73 ID:Di96hAqu0
「うっへ~…染みになってねぇと良いんだけどなぁ…」
ハンカチでコーヒーを拭き取りながら泣きそうな声でジャイロはそう語った
「ネアポリスかぁ…行ってみたいなぁ」
ジャイロの住んでいる国。鉄球という僕を立たせることの出来たあの奇跡のような技術のある国
この先レースが終わってからの僕を決めるための道標になるかもしれない
「おっ、そうだジョニィ。このレース終わったらよ、俺の故郷に来いよ!そんでよ、町行って二人でナンパしようぜ!こー見えても俺モテるからよ!」
ジャイロの名案だろッ!?と言う顔に喉元まで出かかった女はもういい…って言葉は掻き消された
ハンカチでコーヒーを拭き取りながら泣きそうな声でジャイロはそう語った
「ネアポリスかぁ…行ってみたいなぁ」
ジャイロの住んでいる国。鉄球という僕を立たせることの出来たあの奇跡のような技術のある国
この先レースが終わってからの僕を決めるための道標になるかもしれない
「おっ、そうだジョニィ。このレース終わったらよ、俺の故郷に来いよ!そんでよ、町行って二人でナンパしようぜ!こー見えても俺モテるからよ!」
ジャイロの名案だろッ!?と言う顔に喉元まで出かかった女はもういい…って言葉は掻き消された
286: 2015/02/18(水) 22:16:17.56 ID:Di96hAqu0
「……わかったよ…良いよジャイロ。君のそのナンパテクってのを見せて貰うよ」
「おっ、わかってんじゃねぇかジョニィ!女の子全部取られても泣きべそかくんじゃあねぇぜ?」
僕の体がこんな風になったのは僕が金や女に溺れたからだ
勝手に舞い上げられて、何を勘違いしたのか舞い上がった僕は自分で舞っているんだって勘違いして
そんな凄い自分じゃあないなんて一度たりとて思いもしなかった
いや、思いたくなかった
「ん?どうしたんだジョニィ………泣いてんのか?」
「え?…そんなわけないだろジャイロ。ちょっとあれさ、目にごみが入っただけさ」
いつだって何もかも失った自分自身の愚かさには涙が溢れる
「おっ、わかってんじゃねぇかジョニィ!女の子全部取られても泣きべそかくんじゃあねぇぜ?」
僕の体がこんな風になったのは僕が金や女に溺れたからだ
勝手に舞い上げられて、何を勘違いしたのか舞い上がった僕は自分で舞っているんだって勘違いして
そんな凄い自分じゃあないなんて一度たりとて思いもしなかった
いや、思いたくなかった
「ん?どうしたんだジョニィ………泣いてんのか?」
「え?…そんなわけないだろジャイロ。ちょっとあれさ、目にごみが入っただけさ」
いつだって何もかも失った自分自身の愚かさには涙が溢れる
287: 2015/02/18(水) 23:47:07.61 ID:Di96hAqu0
「ふぅ~ん…まっ、何だって良いけどよ。今度はお前の故郷についても教えてくれよ。俺だけなんて不公平だろ?」
僕の故郷、あの場所
運命が狂ってしまった、僕の故郷
「僕の故郷は……牧場があって、馬がいて……それで、それで」
何故だろう。もう大丈夫なハズなのに
何故だろう。こんなにも、辛くて何かに潰されてしまうようになって、あの日のあの白いネズミが僕の目の前を過るのは
もう僕の帰る事のない場所。僕が逃げ出したあの場所を思い浮かべると、こんなにも辛い
「父さんがいて…馬を調教しているんだ。速い馬さ。とびきり速いやつをね…」
僕は思わずうつむいた
顔をあげていては涙が止まらないだろうから
僕の故郷、あの場所
運命が狂ってしまった、僕の故郷
「僕の故郷は……牧場があって、馬がいて……それで、それで」
何故だろう。もう大丈夫なハズなのに
何故だろう。こんなにも、辛くて何かに潰されてしまうようになって、あの日のあの白いネズミが僕の目の前を過るのは
もう僕の帰る事のない場所。僕が逃げ出したあの場所を思い浮かべると、こんなにも辛い
「父さんがいて…馬を調教しているんだ。速い馬さ。とびきり速いやつをね…」
僕は思わずうつむいた
顔をあげていては涙が止まらないだろうから
288: 2015/02/19(木) 00:02:45.50 ID:RsUkogeF0
「ふぅ~ん…お前の故郷も行ってみてぇな。なら俺の故郷に行ったあとはよ、今度はお前が俺をその故郷に連れてってくれよ。な?」
「それはいつになるかわからないよジャイロ……誰だって帰る場所がある訳じゃあないだろ?」
父さんが今何をしているのかなんて知らない
全くわからない
一つわかるのは父さんはきっと僕が帰ることを望んじゃあいないだろう
僕が帰ればきっと嫌な顔をして追い返すに決まっているさ。入院していても見舞いにすら来ないんだから
「それは違うさジョニィ。これは旅なんだぜ…誰にだって帰るべき場所はある」
その一言にハッとして僕はジャイロを見た
「今は帰れなくたってよ、気付いたら帰ってるってこともあるだろ?ガキの頃親に叱られて泣きべそかきながら家に出てっても三日四日したら家に帰ってる。そんな場所なんだよ帰るべき場所ってのはな」
そう言うとジャイロはコーヒーをぐいっと飲み干した
「それはいつになるかわからないよジャイロ……誰だって帰る場所がある訳じゃあないだろ?」
父さんが今何をしているのかなんて知らない
全くわからない
一つわかるのは父さんはきっと僕が帰ることを望んじゃあいないだろう
僕が帰ればきっと嫌な顔をして追い返すに決まっているさ。入院していても見舞いにすら来ないんだから
「それは違うさジョニィ。これは旅なんだぜ…誰にだって帰るべき場所はある」
その一言にハッとして僕はジャイロを見た
「今は帰れなくたってよ、気付いたら帰ってるってこともあるだろ?ガキの頃親に叱られて泣きべそかきながら家に出てっても三日四日したら家に帰ってる。そんな場所なんだよ帰るべき場所ってのはな」
そう言うとジャイロはコーヒーをぐいっと飲み干した
289: 2015/02/19(木) 00:13:20.58 ID:RsUkogeF0
「だからこの長いレースをワンツートップで終わらせて、ついでにその遺体って奴も集めて帰るべき場所へ帰ろうぜ」
僕もコーヒーを飲み干した
何故だか苦いはずのコーヒーは今日は少ししょっぱくて、いつも以上に僕の体の芯から暖まったかのようだった
「そうだね……そうだねジャイロ。帰るんだね僕らは」
目元を少し擦るとそう返事した
「そうと決まれば明日に備えて寝るべきだぜ。レースもあるし刺客が来ねぇかどうかは俺が見張っておくからよ、安心して寝な」
そう言ってジャイロはまた焚き火を弄り始めた
「あぁ…そうさせて貰うよ」
そう言って僕は寝転がった
(ありがとう…ジャイロ)
END
僕もコーヒーを飲み干した
何故だか苦いはずのコーヒーは今日は少ししょっぱくて、いつも以上に僕の体の芯から暖まったかのようだった
「そうだね……そうだねジャイロ。帰るんだね僕らは」
目元を少し擦るとそう返事した
「そうと決まれば明日に備えて寝るべきだぜ。レースもあるし刺客が来ねぇかどうかは俺が見張っておくからよ、安心して寝な」
そう言ってジャイロはまた焚き火を弄り始めた
「あぁ…そうさせて貰うよ」
そう言って僕は寝転がった
(ありがとう…ジャイロ)
END
291: 2015/02/19(木) 07:38:13.67 ID:4LnQi4DQo
乙
そういやポルナレフも言ってたなぁ
何もなくったって帰ってきてしまう場所が故郷というもんだって
そういやポルナレフも言ってたなぁ
何もなくったって帰ってきてしまう場所が故郷というもんだって
292: 2015/02/20(金) 00:17:36.84 ID:Wm62aaUCo
乙
ジャイロとジョニィは最高のコンビだね
ジャイロとジョニィは最高のコンビだね
294: 2015/02/21(土) 19:51:38.83 ID:RDyMOMSO0
「世の中モテねぇことなんざ珍しかねぇんだからよ…そんな焦らなくても良いんだぜ億泰…フフッ」
だめだ一周回って笑いが込み上げてきた…億泰にラブレターとかあの露伴と俺が仲良くするぐらいあり得ねぇぜ!
「笑ってんじゃあねぇ!本物だッてんだろダボがぁーッ!」
「おはよー…ん?どうしたの仗助君、そんな笑い堪えた顔して」
少し遅れて康一がやって来た
取り敢えず俺は康一に訳を説明してやることにした
「アハハ!もぉー億泰君、今日はエイプリルフールじゃあないよ?」
その言葉も億泰の見せるラブレターの前では閉口させられてしまった
「仗助君…こりゃあ相当参ってるみたいだよ…?」
「だよな康一…こりゃあ相当やべぇーよな…」
「うがーっ!康一おめぇも信じねぇのかよぉ!」
だめだ一周回って笑いが込み上げてきた…億泰にラブレターとかあの露伴と俺が仲良くするぐらいあり得ねぇぜ!
「笑ってんじゃあねぇ!本物だッてんだろダボがぁーッ!」
「おはよー…ん?どうしたの仗助君、そんな笑い堪えた顔して」
少し遅れて康一がやって来た
取り敢えず俺は康一に訳を説明してやることにした
「アハハ!もぉー億泰君、今日はエイプリルフールじゃあないよ?」
その言葉も億泰の見せるラブレターの前では閉口させられてしまった
「仗助君…こりゃあ相当参ってるみたいだよ…?」
「だよな康一…こりゃあ相当やべぇーよな…」
「うがーっ!康一おめぇも信じねぇのかよぉ!」
295: 2015/02/21(土) 20:53:21.94 ID:RDyMOMSO0
「ちくしょー二人して疑いやがって…削り取ってやろうか?」
億泰がちらりと殺意満点のザ・ハンドを出したので流石に焦りを覚えた
削り取られちゃたまったもんじゃあねぇ
「まぁ怒んなって。肝心の中身を見てみようぜ億泰。な?」
そう言うと億泰はラブレターを爆弾処理でもするかのように慎重に慎重に開け始めた
そこまで慎重にならなくてもって感じである
「え~っと……拝啓虹村億泰様。本日放課後杜王町のバス停にある時計台に待っています、一人で来てください………えっ…これ本物じゃね?」
「確かに億泰君がこんな女の子っぽい字を書けるわけないもんね」
文字はきゃぴきゃぴした丸い文字で億泰のような男特有の雑さは全くもって感じさせないのだ
字も筆跡も
「うぐっ……うっ……な?本物だろ仗助ェ…?やったぜ…俺ホントにラブレター貰ったんだぜ…」
感極まったからか億泰は号泣している
トニオさんの所で疲れ目が吹っ飛んだときよりもドバドバと涙と鼻水が溢れていた
億泰がちらりと殺意満点のザ・ハンドを出したので流石に焦りを覚えた
削り取られちゃたまったもんじゃあねぇ
「まぁ怒んなって。肝心の中身を見てみようぜ億泰。な?」
そう言うと億泰はラブレターを爆弾処理でもするかのように慎重に慎重に開け始めた
そこまで慎重にならなくてもって感じである
「え~っと……拝啓虹村億泰様。本日放課後杜王町のバス停にある時計台に待っています、一人で来てください………えっ…これ本物じゃね?」
「確かに億泰君がこんな女の子っぽい字を書けるわけないもんね」
文字はきゃぴきゃぴした丸い文字で億泰のような男特有の雑さは全くもって感じさせないのだ
字も筆跡も
「うぐっ……うっ……な?本物だろ仗助ェ…?やったぜ…俺ホントにラブレター貰ったんだぜ…」
感極まったからか億泰は号泣している
トニオさんの所で疲れ目が吹っ飛んだときよりもドバドバと涙と鼻水が溢れていた
296: 2015/02/21(土) 22:53:17.80 ID:RDyMOMSO0
「これで信じてくれるよな仗助~?なぁ康一~!俺にも春が来たんだぜ?遂に!」
「お、おう。やったな億泰!でも鼻水はバッチぃから拭いてくんない?」
肩をつかんで俺を揺らす億泰から顔を離しながら答えを返す
あ、髪型がまた崩れちまった
「でも億泰君にラブレターなんて誰だろうね?心当たりあるの億泰君?」
康一はそう言っているのだが確かに言う通り
それもそのはず億泰は端から見れば不良、そしてクラス最下位を争えるほどの馬鹿だし、そして何よりがさつ
女の子への気配りなんて一切と言っても良いほど出来ない
「う~ん……ねぇなぁ~。案外よぉ、一目惚れとかって奴かもな!こう、小指と小指が赤い糸で結ばれてるぐらいフィーリングがピッタリな人なのかもしれねぇしよ!」
億泰がこう言っているがやっぱり考えられるのは一目惚れぐらいしかないか
いやほぼあり得ないのだけれどね?
「お、おう。やったな億泰!でも鼻水はバッチぃから拭いてくんない?」
肩をつかんで俺を揺らす億泰から顔を離しながら答えを返す
あ、髪型がまた崩れちまった
「でも億泰君にラブレターなんて誰だろうね?心当たりあるの億泰君?」
康一はそう言っているのだが確かに言う通り
それもそのはず億泰は端から見れば不良、そしてクラス最下位を争えるほどの馬鹿だし、そして何よりがさつ
女の子への気配りなんて一切と言っても良いほど出来ない
「う~ん……ねぇなぁ~。案外よぉ、一目惚れとかって奴かもな!こう、小指と小指が赤い糸で結ばれてるぐらいフィーリングがピッタリな人なのかもしれねぇしよ!」
億泰がこう言っているがやっぱり考えられるのは一目惚れぐらいしかないか
いやほぼあり得ないのだけれどね?
297: 2015/02/21(土) 23:04:32.71 ID:RDyMOMSO0
「う~ん…まぁ取り敢えず放課後までのお楽しみってわけだよね」
康一はなんだか微妙そうな顔をしていたのが気になったが先生も来てホームルームが始まったので三人とも席に戻ることにした
そしてかったるい授業が終わって待ちに待った放課後である
「よし。億泰の未来の彼女ってのを皆で見に行こうぜ!」
俺の提案に二人は微妙そうな顔をした
「仗助、わりぃんだけどよ。ラブレターにはよぉ。一人で来てくださいって書いてッから俺一人でいくぜ。良いか?絶~ッ対についてくんなよ?」
億泰は強い口調で念を押してきた
こりゃマジな時の感じだぜ…無視したらマジで削られちまうって奴だ
「僕もちょっと学校に残らなきゃいけないんだ…ごめんね仗助君」
康一まで乗ってこないので必然的に俺一人で帰ることになっちまった
なかなか髪型が決まらない日はやっぱりろくなことねぇぜ
康一はなんだか微妙そうな顔をしていたのが気になったが先生も来てホームルームが始まったので三人とも席に戻ることにした
そしてかったるい授業が終わって待ちに待った放課後である
「よし。億泰の未来の彼女ってのを皆で見に行こうぜ!」
俺の提案に二人は微妙そうな顔をした
「仗助、わりぃんだけどよ。ラブレターにはよぉ。一人で来てくださいって書いてッから俺一人でいくぜ。良いか?絶~ッ対についてくんなよ?」
億泰は強い口調で念を押してきた
こりゃマジな時の感じだぜ…無視したらマジで削られちまうって奴だ
「僕もちょっと学校に残らなきゃいけないんだ…ごめんね仗助君」
康一まで乗ってこないので必然的に俺一人で帰ることになっちまった
なかなか髪型が決まらない日はやっぱりろくなことねぇぜ
299: 2015/02/21(土) 23:15:46.06 ID:RDyMOMSO0
「へへッ、こんなことですごすご引き下がる仗助さんじゃあねぇっての!」
やっぱり億泰の相手と言うのは気になるものなのでこっそり草葉の陰から盗み聞きと双眼鏡で盗み見をすることにした
「だからって僕まで巻き込まないでくださいよ仗助さん…」
双眼鏡になっているミキタカがブー垂れているが後でなんか奢ってやると言うことで交渉成立である
この前ジョースターさんから貰ったお小遣いで懐が暖かいもんね~ッ!
「億泰の奴そわそわしてんなぁ…まぁ呼び出されたらそりゃそうか」
あの億泰がソワソワしてるのはホントに笑いが溢れそうになって困る
まぁ億泰の声が聞こえそうな場所にいるから笑ったら一瞬でバレちゃうだろうけど
「おっ!相手の子来たっぽいぞ!」
遂に億泰の彼女(仮)のご登場に億泰は間抜けみたいに突っ立っている
やっぱり億泰の相手と言うのは気になるものなのでこっそり草葉の陰から盗み聞きと双眼鏡で盗み見をすることにした
「だからって僕まで巻き込まないでくださいよ仗助さん…」
双眼鏡になっているミキタカがブー垂れているが後でなんか奢ってやると言うことで交渉成立である
この前ジョースターさんから貰ったお小遣いで懐が暖かいもんね~ッ!
「億泰の奴そわそわしてんなぁ…まぁ呼び出されたらそりゃそうか」
あの億泰がソワソワしてるのはホントに笑いが溢れそうになって困る
まぁ億泰の声が聞こえそうな場所にいるから笑ったら一瞬でバレちゃうだろうけど
「おっ!相手の子来たっぽいぞ!」
遂に億泰の彼女(仮)のご登場に億泰は間抜けみたいに突っ立っている
301: 2015/02/22(日) 13:37:54.85 ID:Oe50WfQx0
「おいおいおい、結構可愛いじゃねぇかよ!隅に置けねぇな億泰の奴にもよぉ!」
「そうなんですか仗助さん。僕地球人の感覚じゃあイマイチわからないんですけど」
高等部じゃあなくて多分中等部の制服
身長は億泰の胸ぐらいの高さ
ショートカットで目がパッチリとしている
ミキタカは見る目ねぇなぁ…あ、宇宙人だから仕方ねぇのかな?
「もしかしたらおちょくりかと思ったけどよ、心配いらなそうだし俺帰ろっかな~。やっぱ邪魔って良くないしよ!」
「仗助さん悔しいからって負け惜しみはいけないですよ?」
「ま、まぁそんなこと言うなってミキタカ…お前ドゥ・マゴって言う喫茶店行ったことねぇだろ?取り敢えず行ってみようぜ?な?」
ミキタカの言うことにぐうの音も出ないのでとりあえずいつものドゥ・マゴに行くことにした
仕方ねぇ、やけ食いでもすっか!
「そうなんですか仗助さん。僕地球人の感覚じゃあイマイチわからないんですけど」
高等部じゃあなくて多分中等部の制服
身長は億泰の胸ぐらいの高さ
ショートカットで目がパッチリとしている
ミキタカは見る目ねぇなぁ…あ、宇宙人だから仕方ねぇのかな?
「もしかしたらおちょくりかと思ったけどよ、心配いらなそうだし俺帰ろっかな~。やっぱ邪魔って良くないしよ!」
「仗助さん悔しいからって負け惜しみはいけないですよ?」
「ま、まぁそんなこと言うなってミキタカ…お前ドゥ・マゴって言う喫茶店行ったことねぇだろ?取り敢えず行ってみようぜ?な?」
ミキタカの言うことにぐうの音も出ないのでとりあえずいつものドゥ・マゴに行くことにした
仕方ねぇ、やけ食いでもすっか!
304: 2015/02/22(日) 15:33:09.96 ID:Oe50WfQx0
「残念でしたね仗助さん。億泰さんに先を越されるなんて」
「先を越されるたって…俺結構純愛派でポンポン噴上みたいに付き合えねぇだけだっつーの。やっぱフィーリングがピッタリな女の子じゃあねぇとな。ってお前にはわかんねぇかミキタカ」
ドゥ・マゴでミキタカはケーキセット、俺はコーヒーを啜っている
今日のコーヒーは格別苦いような気がする
「あ~あ、今頃億泰の奴は女の子とよろしくやってんだろな…」
「あれ?あれって億泰さんじゃあないですか?」
ミキタカが指差す方向には確かに億泰がいた
あの改造学ランを見間違えるわけない
「先を越されるたって…俺結構純愛派でポンポン噴上みたいに付き合えねぇだけだっつーの。やっぱフィーリングがピッタリな女の子じゃあねぇとな。ってお前にはわかんねぇかミキタカ」
ドゥ・マゴでミキタカはケーキセット、俺はコーヒーを啜っている
今日のコーヒーは格別苦いような気がする
「あ~あ、今頃億泰の奴は女の子とよろしくやってんだろな…」
「あれ?あれって億泰さんじゃあないですか?」
ミキタカが指差す方向には確かに億泰がいた
あの改造学ランを見間違えるわけない
307: 2015/02/22(日) 17:28:08.86 ID:Oe50WfQx0
「おーい億泰ぅ!………億泰?」
俺の目の前を通りすぎても立ち止まる気配は一切無い
億泰から生気を一切と言っても良いほど感じないのだ
「やべぇぞミキタカ!なんかわからねぇけど億泰がやべぇ!」
新手のスタンドかも知れねぇ。取り敢えず億泰をこっちに連れてこねぇと
くそッ!スタンド使いが億泰を狙うってのも考えなかったミスだぜ!
「おい億泰!大丈夫か!?敵スタンドか?おい!」
トロトロ歩いている億泰の肩を掴み真っ正面から億泰の顔を見ると完璧に目が氏んでいた
億泰の兄貴が氏んだときと同じかそれ以上だぜ……こりゃグレートにヤバイんじゃねぇの…?
俺の目の前を通りすぎても立ち止まる気配は一切無い
億泰から生気を一切と言っても良いほど感じないのだ
「やべぇぞミキタカ!なんかわからねぇけど億泰がやべぇ!」
新手のスタンドかも知れねぇ。取り敢えず億泰をこっちに連れてこねぇと
くそッ!スタンド使いが億泰を狙うってのも考えなかったミスだぜ!
「おい億泰!大丈夫か!?敵スタンドか?おい!」
トロトロ歩いている億泰の肩を掴み真っ正面から億泰の顔を見ると完璧に目が氏んでいた
億泰の兄貴が氏んだときと同じかそれ以上だぜ……こりゃグレートにヤバイんじゃねぇの…?
308: 2015/02/24(火) 18:46:42.19 ID:2FXn5MLC0
「仗助…」
氏んだ魚の方がまだ生き生きした目で億泰がやっとこさ反応してくれた
「大丈夫かよおめぇ…ほれ、この指何本に見えるよ?」
億泰の目の前で三本指をヒラヒラさせると億泰は三本と答えた
「取り敢えず話はそこのドゥ・マゴで聞くぜ?」
フラフラする億泰の手を引きながらドゥ・マゴの席に付いた
「仗助……俺よぉ…はぁ…」
億泰は泣くわけでもなくため息をついて何があったのかをぽつりぽつりとこぼし始めた
氏んだ魚の方がまだ生き生きした目で億泰がやっとこさ反応してくれた
「大丈夫かよおめぇ…ほれ、この指何本に見えるよ?」
億泰の目の前で三本指をヒラヒラさせると億泰は三本と答えた
「取り敢えず話はそこのドゥ・マゴで聞くぜ?」
フラフラする億泰の手を引きながらドゥ・マゴの席に付いた
「仗助……俺よぉ…はぁ…」
億泰は泣くわけでもなくため息をついて何があったのかをぽつりぽつりとこぼし始めた
309: 2015/02/24(火) 18:55:25.50 ID:2FXn5MLC0
遡ることホンの少しだけ前
「えっと……億泰さんですよね?」
俺はつい来たって舞い上がったぜ
髪型は何度も鏡をみながら整えたし、バッチグーに決まってるよな?なんて考えながらドキドキしてた
「おう!で、何の用なんだ?こんなとこに呼び出してよ!」
平常心平常心と心の中で何度も呟く
取り乱したりなんてしてみろ、億泰様の面目丸潰れだぜ、なんて考えながらな
「実は……」
「おう!」
来るぞ来るぞ、俺にも春が!
なんて考えてた時が俺にもあったってな
「えっと……億泰さんですよね?」
俺はつい来たって舞い上がったぜ
髪型は何度も鏡をみながら整えたし、バッチグーに決まってるよな?なんて考えながらドキドキしてた
「おう!で、何の用なんだ?こんなとこに呼び出してよ!」
平常心平常心と心の中で何度も呟く
取り乱したりなんてしてみろ、億泰様の面目丸潰れだぜ、なんて考えながらな
「実は……」
「おう!」
来るぞ来るぞ、俺にも春が!
なんて考えてた時が俺にもあったってな
310: 2015/02/24(火) 19:07:51.91 ID:2FXn5MLC0
「あの……実は一目惚れでして…お恥ずかしい話に…」
「うんうん。ま、まずは見た目からってのもあるよな」
「頼りに出来るのは億泰さんだけなんです!」
「まぁまぁ言ってみな?力になるからよ!」
うっひょ~、頼りに出来るのは俺だけだってよ!更に俺は舞い上がった。
「良く一緒にいる東方先輩を紹介してほしいんです!」
「喜んで………へ?」
俺は何かの聞き間違いじゃあねぇかと思った
でも聞き間違いでもエコーズに何か貼り付けられた訳でもなかった
はっきり言われたんだ、俺じゃあなくて仗助を紹介して欲しいってな…
「うんうん。ま、まずは見た目からってのもあるよな」
「頼りに出来るのは億泰さんだけなんです!」
「まぁまぁ言ってみな?力になるからよ!」
うっひょ~、頼りに出来るのは俺だけだってよ!更に俺は舞い上がった。
「良く一緒にいる東方先輩を紹介してほしいんです!」
「喜んで………へ?」
俺は何かの聞き間違いじゃあねぇかと思った
でも聞き間違いでもエコーズに何か貼り付けられた訳でもなかった
はっきり言われたんだ、俺じゃあなくて仗助を紹介して欲しいってな…
311: 2015/02/24(火) 19:15:23.59 ID:2FXn5MLC0
そっからと言うもの、あの女は止めどなく仗助のここが良い、こんなとこが格好いいと雨あられにぶつけてきたんだよ。ほぼ初対面の俺にだぜ?
俺?俺はその時から氏んだみたいにずーっとボーッと突っ立ってた
何が何だかと訳もわからずと言わんばかりにな。だって告白されるのを期待していったらあろうことかダチが格好いいだなんだ言われんだからよぉ…
そして止めを刺した一言がコレだよ
「億泰さんって怖くて粗暴そうな人かなって思ってましたけど、案外顔によらず優しい人なんですね!」
そっからの記憶は全くねぇけどよ…気付いたときには路地裏の壁やらなんやらが削れまくってたのと俺の顔が涙と鼻水でドロドロになってたってな
俺?俺はその時から氏んだみたいにずーっとボーッと突っ立ってた
何が何だかと訳もわからずと言わんばかりにな。だって告白されるのを期待していったらあろうことかダチが格好いいだなんだ言われんだからよぉ…
そして止めを刺した一言がコレだよ
「億泰さんって怖くて粗暴そうな人かなって思ってましたけど、案外顔によらず優しい人なんですね!」
そっからの記憶は全くねぇけどよ…気付いたときには路地裏の壁やらなんやらが削れまくってたのと俺の顔が涙と鼻水でドロドロになってたってな
316: 2015/02/24(火) 20:28:06.94 ID:2FXn5MLC0
「その……なんだ…すまん億泰!」
一通り話を聞いた後に俺の取った行為は誠心誠意の土下座
いや俺が悪いのかわかんねぇけどよ
「いや謝らなくて良いぜ仗助ェ…」
億泰の目付きは最早この世の何よりもの不幸って感じの濁り方をしていた
「いやホントすまねぇな…」
「だから謝らなくて良いぜ…お前が悪い訳じゃあねぇしよ……」
「いやホントな。マジで悪かった」
「るっせーこのダボがぁッ!止めろよ謝るの!更に惨めになるだろーがよ!勘違いしていった俺がよ!」
億泰が思いきり机を殴ってキレた
「くっそイラつくぜ…こうなったら仗助、トニオさん所行くぞ!旨いもん腹一杯食ってよ、こんなしみったれた雰囲気おさらばしようぜ!行くぞダボがァ!」
良いのか悪いのか元の調子に戻った億泰はズカズカと歩き始めた
恋の傷心って奴はトニオさんの料理でも俺のクレイジーダイヤモンドでも治せない気がする
一通り話を聞いた後に俺の取った行為は誠心誠意の土下座
いや俺が悪いのかわかんねぇけどよ
「いや謝らなくて良いぜ仗助ェ…」
億泰の目付きは最早この世の何よりもの不幸って感じの濁り方をしていた
「いやホントすまねぇな…」
「だから謝らなくて良いぜ…お前が悪い訳じゃあねぇしよ……」
「いやホントな。マジで悪かった」
「るっせーこのダボがぁッ!止めろよ謝るの!更に惨めになるだろーがよ!勘違いしていった俺がよ!」
億泰が思いきり机を殴ってキレた
「くっそイラつくぜ…こうなったら仗助、トニオさん所行くぞ!旨いもん腹一杯食ってよ、こんなしみったれた雰囲気おさらばしようぜ!行くぞダボがァ!」
良いのか悪いのか元の調子に戻った億泰はズカズカと歩き始めた
恋の傷心って奴はトニオさんの料理でも俺のクレイジーダイヤモンドでも治せない気がする
317: 2015/03/01(日) 12:18:02.38 ID:mmZRoseg0
「ってことがあったんだよなぁ…大変だったぜ昨日はよぉ…」
康一に昨日遭ったことを事細かに話しているとため息がこぼれた
殺されるんじゃあねぇのかなって何度も覚悟決めたぜ
「アハハ…億泰君も大変だね。期待して行ったらこんな結果だなんてさ。でもまぁ大丈夫だよ」
康一は快活に笑っていたがこっちからしたら笑い事じゃあすまない
「何が大丈夫なんだよ?億泰の奴やっぱしょげてんだぜ?」
「フフッ…億泰君に言っちゃ駄目だけどね、実は…」
康一の奴が昨日の用事とやらを教えてくれた
それを聞いた瞬間に俺も理解できたぜ、康一の大丈夫って訳がよ
「おい仗助ェ!見ろよこれ!」
億泰がまた教室へ息を切らして目を輝かせながら一枚の便箋を持って入ってきた
END
康一に昨日遭ったことを事細かに話しているとため息がこぼれた
殺されるんじゃあねぇのかなって何度も覚悟決めたぜ
「アハハ…億泰君も大変だね。期待して行ったらこんな結果だなんてさ。でもまぁ大丈夫だよ」
康一は快活に笑っていたがこっちからしたら笑い事じゃあすまない
「何が大丈夫なんだよ?億泰の奴やっぱしょげてんだぜ?」
「フフッ…億泰君に言っちゃ駄目だけどね、実は…」
康一の奴が昨日の用事とやらを教えてくれた
それを聞いた瞬間に俺も理解できたぜ、康一の大丈夫って訳がよ
「おい仗助ェ!見ろよこれ!」
億泰がまた教室へ息を切らして目を輝かせながら一枚の便箋を持って入ってきた
END
318: 2015/03/01(日) 12:20:04.83 ID:mmZRoseg0
【虹村億泰の恋愛事情】完結です
遅くなってしまってすいません!
読んでくださった方には感謝です
三部日常編は今日の夜から書きます!
遅くなってしまってすいません!
読んでくださった方には感謝です
三部日常編は今日の夜から書きます!
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