1: 2014/11/12(水) 00:16:18.05 ID:gamHoGwTW.net
幼女「お砂で山を作ってるんだよ」

変O「そんなのよりずっと楽しいこと、お兄ちゃん知ってるよ」

幼女「楽しいこと?」

変O「うん。だからお兄ちゃんについておいで」

幼女「うーん……」

変O「ほら、おいでよ。早く」

幼女「>>5」
ふらいんぐうぃっち(13) (週刊少年マガジンコミックス)
5: 2014/11/12(水) 00:17:41.35 ID:ap0QbFrm0.net
一・┳┻・・(´・ω・`)ダマリナ・・┻┳・一

7: 2014/11/12(水) 00:21:04.51 ID:gamHoGwTW.net
幼女「一・┳┻・・(´・ω・`)ダマリナ・・┻┳・一」

変O「何それ。どうなってるの?」

幼女「腕が変形してる」

変O「君、もしかしてロボット?」

幼女「古臭い言葉で呼ばないで。アンドロイドだよ」

変O「そうなんだ」

幼女「ここに山を作って、富士山を抜かないといけないのよ。
   地域活性化の一環なんだとか。」

変O「>>10」

10: 2014/11/12(水) 00:22:57.84 ID:ap0QbFrm0.net
バンッ__(⌒(_'ω')_┳━──===

12: 2014/11/12(水) 00:24:44.33 ID:gamHoGwTW.net
変O「バンッ__(⌒(_'ω')_┳━──===」

幼女「何? あなたもアンドロイド?」

変O「まぁ半分だけね。ちょっと昔事故で」

幼女「へぇ。じゃあ元は人間なんだ」

変O「うん。事故のせいでちょっと脳がおかしくてね」

幼女「まぁ、私のことナンパしてる時点でおかしいことには気づいてたわ」

変O「あはは。ひどいなぁ」

16: 2014/11/12(水) 00:27:10.98 ID:gamHoGwTW.net
幼女「そのせいで口リコンに?」

変O「いや、違うよ。それは昔から。
  記憶領域がね、人間の脳とアンドロイドのでごちゃ混ぜになってるんだ」

幼女「別に不自由は感じなさそうだけれど」

変O「まぁ普段は、ね。たまに不具合を起こすのさ」

幼女「……聞いて欲しそうな顔してるわね。どんなことになるの?」

変O「>>19」

19: 2014/11/12(水) 00:31:27.79 ID:ap0QbFrm0.net
Здравствуйте
хорошо
До свидания

21: 2014/11/12(水) 00:34:18.80 ID:gamHoGwTW.net
変O「Здравствуйте
   хорошо
   До свидания」

幼女「随分と昔の言葉をしゃべるわね。ロシア……、だったかしら。
   もう300年も前に大陸ごと吹き飛ばされた国……、その国の言葉。
   そのように思えるけれど、残念ながら解読には至らないわ」

変O「そうだよね、ごめん。もともとボクの記憶領域は、ロシアで作られたんだ」

幼女「……私をからかっているのかしら。当時の世界に、そんな技術は無いはずだけれど」

23: 2014/11/12(水) 00:36:12.15 ID:gamHoGwTW.net
変O「それがあったのさ。極秘に研究が進められていた技術がね」

幼女「……にわかには信じがたいわ」

変O「あはは。まぁそれも当然だろうね。
  実際ボクだって、自分で体験するまでは信じられなかった」

幼女「待って」

変O「なんだい?」

幼女「まるで、あなた……。当時を知っているかのような口ぶりね」

変O「うん。ボクの生まれ故郷はロシアさ」

28: 2014/11/12(水) 00:38:24.59 ID:gamHoGwTW.net
幼女「……確かに脳がおかしいようね。さっさとここから立ち去ってちょうだい。
  私は忙しいのよ。今日中にこの砂の山を、高度4000メートルにまでしなくちゃいけないんだから」

変O「信じられないのも無理はないけれど。ボクは研究の被験体だった」

幼女「……」

変O「ロシアの極秘施設で研究されていたもの。それは」

幼女「……」

変O「不老不氏さ」

32: 2014/11/12(水) 00:41:25.10 ID:gamHoGwTW.net
幼女「それでアンドロイドに? 馬鹿馬鹿しい。さっきは”事故で”って言ってたじゃないの。
   明らかに発言が矛盾しているわ。狂人の妄想ね」

変O「そうだよ。”事故”は起きた。実験中にね」

幼女「……へぇ」

変O「ボクが生まれたのは今から約320年前。世界戦争真っただ中の事さ。
   そしてボクが20歳の時に……、地球の大陸、その3分の1が消滅した」

幼女「また矛盾してるわね。それならば、あなたはどうして今も生きているのかしら」

33: 2014/11/12(水) 00:43:51.61 ID:gamHoGwTW.net
変O「ボクはその時すでに、不氏に片足を突っ込んでいた。
   不老ではなかったけれど……。それで戦地である、ここ、日本に送り込まれていたんだ。
   戦うために、氏なない戦闘マシーンとしてね」

幼女「馬鹿馬鹿しいわ。和平協定が結ばれた今、戦犯はすべて処刑されたはず。
   当時を基準として、その過去未来に置いてね。
   なぜあなたは」

変O「不氏だから」

幼女「……」

36: 2014/11/12(水) 00:45:32.66 ID:gamHoGwTW.net
変O「お偉いさんは処刑が済んだと思った。ボクはその隙に逃げ出した」

幼女「……不老は」

変O「ん?」

幼女「不老になったのは、いつよ」

変O「逃げ出した直後さ。東大病院で半アンドロイドにしてもらった。
   当時は保険証どころか、戸籍も無い人が大半だったから。
   金さえ積めばいくらでも治療してくれたよ」

40: 2014/11/12(水) 00:48:15.24 ID:gamHoGwTW.net
幼女「それで」

変O「おしまいだよ。ボクの身の上話はね」

幼女「違うわよ。私に近づいた目的は何?」

変O「目的?」

幼女「とぼけないで。ここまで聞いて、ただのナンパだなんて思わないわ。
   明らかに、何かの理由があって私に話しかけて来たでしょう。
   ”できそこない”が、私に何の用事かしら」

変O「>>43」

43: 2014/11/12(水) 00:48:52.62 ID:1mn+1LsV0.net
��^_^

49: 2014/11/12(水) 00:51:14.56 ID:gamHoGwTW.net
変O「・・^_^」

幼女「……何よその顔。ふざけてるの?」

変O「別にふざけてなんかないさ。ボクは君とお話がしたいだけだよ」

幼女「そう。私に話すことなんてないから」

変O「さっきも言ったでしょ? ”そんなことより楽しいこと知ってるよ”って」

幼女「それが”お話しすること”なの?」

変O「うん。そうだよ」

53: 2014/11/12(水) 00:53:57.01 ID:gamHoGwTW.net
幼女「本格的に意味が分からないわ。あなたみたいな人、想定外よ」

変O「あはは。キミのあしらい方はボクの”想定内”だね」

幼女「……ふん。随分と軽口叩くのね」

変O「話すのが好きなんだよ、ボクは。もったいないと思わない?
   せっかく口がついてるのに、喋らないのなんて」

幼女「あなたと話してる時間の方がもったいないわ」

変O「あはは。そんなに嫌わないでよ」

57: 2014/11/12(水) 00:57:01.35 ID:gamHoGwTW.net
幼女「まだ半分なのよ。2000メートルなの。お分かり?」

変O「うん。結構高いところまで来たね」

幼女「あなたのせいでひどいタイムロスをしたわ。
  納期を守らないと、次の仕事が来なくなるのよ。氏活問題だわ」

変O「仕事をして何になるの?」

幼女「はぁ……。なんでそんなに分かり切ったことを。
   ”生きる”ってことは”仕事する”ってことなの。
   仕事をしないアンドロイドなんてただの鉄くずよ」

61: 2014/11/12(水) 00:59:25.17 ID:gamHoGwTW.net
変O「じゃあボクは、鉄くずで、肉塊だね」

幼女「……まさか、仕事してないの?」

変O「うん。いつもキミみたいなアンドロイドを見つけては、お話して回ってるのさ」

幼女「まったく呆れたわ。よく外聞もなくそんなことが言えるわね」

変O「別に食べなくても生きていけるしね。なんせ不老不氏だから」

幼女「それは”生きてる”って言わないわよ。無駄な時間を過ごしているだけ」

64: 2014/11/12(水) 01:01:21.90 ID:gamHoGwTW.net
変O「いいんだよ、別に。楽しければね」

幼女「……そう。じゃあ、私とは意見が合わないわね」

変O「今何メートル?」

幼女「今は……、あら。もう3200メートルだわ」

変O「そうだね。時間が早く感じたでしょう?」

幼女「納期にも間に合いそうだし……。なんだか不思議な感覚ね」

変O「何事も楽しんでやらないと。手を動かすだけじゃつまらないよ」

66: 2014/11/12(水) 01:03:24.39 ID:gamHoGwTW.net
幼女「……」

変O「アンドロイドなんだし、プログラムすれば自動的に手は動くでしょう。
   人間は余暇を楽しむ生き物だったんだ。アンドロイドもそうでないと」

幼女「……まぁ、あなたは”元人間”だから。根本的に私と違うのよ」

変O「いっしょさ! 考える力を持ってるんだ。別に差なんてないよ」

幼女「そう……。そうかしら、ね」

変O「そうだよ」

69: 2014/11/12(水) 01:05:00.73 ID:gamHoGwTW.net
幼女「はぁ……。予定より早く終わったわ」

変O「絶景だね。標高4000メートル」

幼女「そうね」

変O「あはは。その表情、いいね。すごくいいよ」

幼女「表情?」

変O「うん。キミ、今笑っていたろう?」

幼女「そうだったかしら。別に、そうインプットした記憶は無いのだけれど」

74: 2014/11/12(水) 01:07:50.93 ID:gamHoGwTW.net
変O「うん。それが楽しむってことさ」

幼女「……そんな感情は組み込まれていないわ」

変O「でも、いつもより仕事が早く終わったから、景色を楽しむ余裕ができたでしょ?」

幼女「そうね。すごくきれい……」

変O「世の中ってのはね。もっとキラキラしているものなんだ。
   灰色の土を盛って、それで世界を染めるのはもったいないよ」

幼女「うふふ……。面白い人ね、あなた」

76: 2014/11/12(水) 01:09:26.57 ID:gamHoGwTW.net
変O「じゃあ、行こうか」

幼女「? どこへ?」

変O「もっと世界を楽しみたいだろう? じゃあ、行くところはひとつさ」

幼女「どこでもいい、あなたとなら。私、どこへだってついて行くわ」

変O「そうこなくっちゃね!」

変Oは幼女の手を引いて、>>81へと向かった。

88: 2014/11/12(水) 01:16:42.93 ID:gamHoGwTW.net
変O「どうだい?」

幼女「わぁ……。すごい……」

変O「この建物は、何百年もかけて建築されていたんだ」

幼女「え? 世界戦争でも壊れなかったの?」

変O「うん。世界中がこの建物を保護したんだ。それくらいすごいものなんだよ、これは」

幼女「そうなの……」

変O「そして、今完成したんだ。この、サグラダファミリアはね」

91: 2014/11/12(水) 01:19:28.58 ID:gamHoGwTW.net
幼女「でも、アンドロイドだったら、建てるのに何百年もかからないわよ。
   そうね……。5年、ううん。3年もあれば可能だわ」

変O「そうだね。でも3年も同じ仕事ができるかい? キミ達アンドロイドに」

幼女「……無理ね。仕事に2日もかけたら、スクラップ扱いよ」

変O「うん。ボクはね、それが気に食わないんだ。
   素晴らしい能力を持っていても、それを生かす土壌が現代には無い」

幼女「……ええ」

92: 2014/11/12(水) 01:21:12.33 ID:gamHoGwTW.net
変O「だからね、ボクは変えたい。こんな世の中を」

幼女「……それで」

変O「そう。キミをここに連れてきたのも、それを伝えたかったからさ」

幼女「うん……。うれしいわ」

変O「こうやって、いろんなアンドロイドに、現状を説明して回ってる。
   これがボクの使命だと思っているんだ」

93: 2014/11/12(水) 01:22:40.85 ID:gamHoGwTW.net
幼女「私以外にも、この景色を見せたの?」

変O「うん。みんな、キミみたいに感動してた」

幼女「……そう」

変O「どうしたの? 急に寂しそうな顔をして」

幼女「別に……。なんでもないわよ」

変O「……怒っているのかい?」

幼女「なんでもないったら」

95: 2014/11/12(水) 01:24:24.01 ID:gamHoGwTW.net
変O「楽しかった?」

幼女「ええ。とっても楽しかったわ」

変O「それは良かったね。……じゃあ、ボクはもう行くから。
  また、会えるといいね」

幼女「……」

変O「あはは。そんな顔しないでよ。すぐにまた会えるさ」

96: 2014/11/12(水) 01:27:00.35 ID:gamHoGwTW.net
幼女「私も行く」

変O「え……?」

幼女「あなたについて行くわ。私も、みんなに現状を伝える手助けがしたいの」

変O「……ボクにとっては、とてもうれしい提案なんだけど。
   確か、”仕事してないアンドロイドは鉄くず同然”なんじゃなかったっけ?」

幼女「ボランティア精神ってのは大事なのよ。
   これも言ってしまえば、仕事みたいなものでしょう。
   無償の奉仕活動って、美しいと思わない?」

変O「……そうだね。すごく素晴らしいと思う」

98: 2014/11/12(水) 01:29:49.37 ID:gamHoGwTW.net
こうして。何年、何十年と月日は流れた。
そんなある日。

幼女「聞いて聞いて! ようやくアンドロイドにも人権が認められたのよ!
   政治活動もできるし、おしゃれなカフェでスイーツも食べられるようになったわ!」

変O「そうなんだ。それは、良かったね」

幼女「うん! 私、すごくうれしい!」

変O「キミが、うれしいなら、ボクも、うれしいよ」

幼女「ありがとう!」

101: 2014/11/12(水) 01:31:58.29 ID:gamHoGwTW.net
幼女「それでね、それでね!」

変O「うん。うん」

幼女「……? あなた、少しおかしくない?」

変O「あはは。最初に、キミに会ったときも、そんなことを、言われたね」

幼女「どうしたの……? どこか悪いの?」

変O「悪い、か。あはは。頭が、悪いのかな」

幼女「……! あなた……、まさか……!
  あの不具合が治っていなかったの!? どうして今まで黙っていたのよ!!!」

102: 2014/11/12(水) 01:34:37.15 ID:gamHoGwTW.net
変O「キミが」

幼女「え……」

変O「キミが、うれしいなら、ボクも、うれしいよ」

幼女「だ、誰か……。誰か……!」

変O「キミが、がががが、がががががが……」

幼女「誰か来てえええええええっ!!!!!!!
   この人を助けてぇっ!!!!!!!」

104: 2014/11/12(水) 01:37:03.31 ID:gamHoGwTW.net
医者「いいのかい? 記憶の大半が失われることになると思うけど」

幼女「……はい。このまま氏ぬよりは」

医者「そう。分かった。じゃあ、彼のことは任せて」

幼女「お願いします」

医者「うん。次に彼が目覚めるときには、
  全く別の人間になってることを、覚悟しておいてね。それじゃあ」

幼女「ううう……っ! どうしてぇ……っ!」

111: 2014/11/12(水) 01:40:42.29 ID:gamHoGwTW.net
~数年後~

幼女「我々の政党は~、アンドロイド、人間双方の意見を尊重し~」

……

秘書「……やっぱり、今日もダメでしたね」

幼女「こんなことで、めげちゃいられないわ。
   ようやく、人権を勝ち取ったんだもの。次は、それに合った法整備よ。
   それには、どうしても私たちアンドロイドが、政治家にならなくてはいけないの」

秘書「……そうですよね」

112: 2014/11/12(水) 01:42:41.74 ID:gamHoGwTW.net
幼女「我々の政党は~」

……

秘書「やはり今日も……」

幼女「そうね」

秘書「……」

幼女「私たちは、成し遂げなければいけないの。
  それが彼との……、約束だから……」

115: 2014/11/12(水) 01:44:39.48 ID:gamHoGwTW.net
「お、お嬢ちゃん。何してるの?」

秘書「……なんですか、あなたは。お引き取り下さい」

「さ、さっきの演説聞いてて、か、かわいいなぁって、思って」

秘書「帰ってください! こちらは仕事中で……」

幼女「待って!」

「あは、あはは……。キミ、かわいいねぇ」

幼女「その声……。まさか……」

119: 2014/11/12(水) 01:47:48.79 ID:gamHoGwTW.net
変O「ボク、口リコンだから。キミみたいな子を応援したいんだよ」

幼女「……っ!」

秘書「幼女さん!? どうしたんですか!」

変O「手伝わせてもらっても、いいかな?」

幼女「馬鹿……。この馬鹿ァ! 今までどこ行ってたのよ! 心配したじゃないの!」

秘書「幼女さん!?」

変O「うへへ……。痛いよぉ……。うっへへへぇ」

120: 2014/11/12(水) 01:51:03.95 ID:gamHoGwTW.net
幼女「手伝わせて、ですって!? 今さらノコノコ出てきてなんなのよ!」

変O「うへぇ……。痛い、痛いよぉ……」

幼女「ふざけないでよ! この……、変O!」

変O「……。あはは。相変わらず、ひどいことを言うね」

幼女「ううう……っ。ううううう……っ! このばかぁ……」

変O「それで、いいかな。ボクも、手伝いたいんだよ。キミの、やりたいこと」

幼女「……決まってるでしょ」

変O「ん?」

幼女「いいに決まってるでしょ! この変O!」

終わり

122: 2014/11/12(水) 01:51:46.14 ID:BcY+2Z7I0.net

130: 2014/11/12(水) 01:53:49.26 ID:gamHoGwTW.net
読んでくれた方、レスくれた方、ありがとうございました。

引用: 幼女「お砂場遊び楽しいなぁ」 変態「お、お嬢ちゃん何してるの?」