1: 2012/04/02(月) 01:32:38.49 ID:lmaYvSuDi
鳴「だよね。私もそう思う」

恒一「せっかく僕たち付き合うことになったんだから…」

恒一「この際、わざと近づいてみて勘違いさせてみようと思うんだよね」

恒一「確信をついたところで鳴が現れて、赤沢さんをどん底に突き落とす」

鳴「いいよ、協力する」

Facetoface<二人>

11: 2012/04/02(月) 01:50:00.59 ID:qh/aPvTS0
恒一「あ、もしもし赤沢さん?」

赤沢『おはよう、何か用?』

恒一「その、今度ゲーセンでもどうかなって……」

赤沢『いいわよ、明日なんてどうかしら』

恒一「わかった、それじゃ明日12:00くらいに公園待ち合わせで」

14: 2012/04/02(月) 01:53:03.26 ID:qh/aPvTS0
鳴「バカな人ね」

恒一「ほんっと騙されやすいね」

鳴「そうね、明日私はなにをすれば?」

恒一「いや、特には何もないかな。明後日放課後に呼び出してどん底に突き落とそうと思うんだけど」

鳴「いいんじゃないかしら」

恒一「それじゃ、そういうことで」

16: 2012/04/02(月) 01:56:33.69 ID:qh/aPvTS0
恒一「……。」

コウイチクーン、ゴハンヨー

恒一「今日はいらないやー!」

恒一「……フフッ、笑いが止まらないや」

恒一「……あーもしもし赤沢さん?」

恒一「うん、うんそうだね僕この街良く知らないからゲーセン以外にも色々教えて欲しいな」

恒一「…うん、ありがとう。それじゃ」






恒一「クク、バカな女……」

18: 2012/04/02(月) 02:01:27.57 ID:qh/aPvTS0
赤沢「まずいわね……1時間も前についちゃったわ」

赤沢「デートだからって張り切ったなんて思われるのもシャクだしどこかで暇つぶしを……」

恒一「赤沢さん、ずいぶんとはやいね」

赤沢「ひぇっ……なんだ恒一くん、驚かさないで」

恒一「ごめんごめん、でも驚いた顔した赤沢さんもかわいいよ」

赤沢「もう、しょうがないこと言ってないで早くいくわよっ!」


20: 2012/04/02(月) 02:06:39.39 ID:qh/aPvTS0
赤沢「ああ!またダメ!!」

恒一「赤沢さーん見てよこれ!たくさん取れちゃった!」

赤沢「すごい量ね……もしかして都会の人はこういうの得意なのかしら」

恒一「まぁ川とか海とかないから、必然的に」

赤沢「ふぅん、じゃ恒一くん」

恒一「なに?」

赤沢「その…あれ…取りたいんだけど」

恒一「あれ?あのクマの……」

赤沢「な、なによ!悪い!?」

恒一「いや、赤沢さんやっぱり可愛いなぁと思ってさ」

赤沢「もう!バカ!はやく取りなさいよ!」

恒一「クレーンゲームかぁ…できるかな」

赤沢「で、できなかったら一緒にやりましょ!」

恒一「い、一緒に…ハハ」

21: 2012/04/02(月) 02:11:45.11 ID:qh/aPvTS0
恒一「くそ、どうなってるんだろうあのクマ……」

赤沢「まるで取れる気がしないわね……一緒にやりましょ」

恒一「一緒って…ちょっと赤沢さん!?」

赤沢「集中しなさい。あと1000円しかないのよ」

恒一「これ…後ろから抱きつかれた感じで…その、胸が」

赤沢「え…?ご、ごめんなさい!」

恒一「いや、その、大丈夫」

赤沢「あたしったら恥ずかしい…こんな人前で」

恒一「いいよ、それより赤沢さん!一緒に頑張ってとろう」

赤沢「で、でもさっきのじゃ恒一きゅ…ひゃあ!!」

恒一「僕が後ろなら問題ないでしょ?ね」

赤沢「そ、そうね…それじゃ、やりましょ……」


22: 2012/04/02(月) 02:16:13.56 ID:qh/aPvTS0
恒一「いやー今日は楽しかったなぁ」

赤沢「はしゃぎすぎちゃったわね」

恒一「いい経験だったよ、それにいろいろ再確認できたし」

赤沢「いろいろってなによ…ふふ」

恒一「赤沢さんのかわいらしさとか、かな」

恒一「あー明日の学校が楽しみだなぁ!」

赤沢「ふふ……子供なんだから……」

恒一「それじゃ放課後いいかな?」

赤沢「さっきも言ったじゃない、いいわよ」

恒一「そっか!それじゃまた明日、放課後に!」

赤沢「ばいばい、恒一くん」

25: 2012/04/02(月) 02:24:00.75 ID:qh/aPvTS0
恒一「あ、鳴」

鳴「わかってる、放課後でしよ?」

恒一「うん、よろしく」


鳴は頭の中でもう一度作戦をリピートしていた

昨日、恒一があの赤沢を放課後屋上に呼び出している

単純に今日は午前授業なためご飯でも食べないか、という内容である

しかしあの赤沢は絶対、ーいや赤沢出なくとも恒一きゅんにお昼を誘われたなら確実にー、告白と勘違いするに違いないだろう

そこで待ち構えているのが鳴である
恒一は掃除があるため先に鳴が屋上にいる

赤沢が、鳴のいる状況に混乱しているところに恒一きゅんが駆けつけ、私たちが付き合っていることをバラす

理由としては「いないものと付き合う」ということを対策係りの赤沢には話しておこう、ということ

そういう流れになっている

27: 2012/04/02(月) 02:28:33.90 ID:qh/aPvTS0
鳴「これで、私と恒一きゅんは平和に…!」


一歩、一歩と階段を上がる


鳴「もう誰にも邪魔はされない…!」


ギシッ、と床が軋む


鳴「対策係りに認めさせれば……!」


深呼吸を、ひとつ


鳴「私の…私の勝ち!!!」

29: 2012/04/02(月) 02:29:52.75 ID:qh/aPvTS0
屋上へのドアを開けた

太陽が眩しい

私を祝福してくれているようだ

ああ、私は勝った、勝ったも同然だ…!!

屋上には人の影が、ー赤沢本人であろうー、2つ
















……2つ?

30: 2012/04/02(月) 02:31:00.82 ID:qh/aPvTS0
目を見張った


恒一「……」

赤沢「……」


なぜ、なぜあの2人がキスをしているのだろう





思考が停止する

32: 2012/04/02(月) 02:33:56.97 ID:qh/aPvTS0
鳴「こ、こ……」

赤沢「……」

いや、おかしい、夢だ

これは夢だ


鳴「こ、恒一くん……?」

恒一「……鳴」


そうか、わかった……これは演出か……


ずいぶん派手なえんsh

恒一「鳴、言わなきゃいけないことがある」





いやだ

知りたくない

34: 2012/04/02(月) 02:37:16.35 ID:qh/aPvTS0
恒一「僕と、僕と赤沢さんは付き合ってるんだ」

鳴「……」





ハハッ、またまたご冗談を……。


恒一「君と付き合い始めたなんてのは伏線、最初から僕達は君をどん底に突き落とすために動いていた」


鳴「うそよ…」

鳴「そんなのうそ」

鳴「わたし、恒一くんの部屋に盗聴マイクつけてるもの!」

36: 2012/04/02(月) 02:38:47.69 ID:qh/aPvTS0
恒一「……」

鳴「恒一くんは電話で赤沢にこう言っていたわ!」

鳴「細部までは聞き取れなかったけど…」



恒一「……フフッ、笑いが止まらないや」

恒一「……あーもしもし赤沢さん?」

恒一「うん、うんそうだね僕この街良く知らないからゲーセン以外にも色々教えて欲しいな」

恒一「…うん、ありがとう。それじゃ」






恒一「クク、バカな女……」




鳴「バカな女って!!!」

37: 2012/04/02(月) 02:41:10.74 ID:qh/aPvTS0
恒一「そのバカな女は君のことだよ」


鳴「嘘!嘘!じゃあゲーセンの帰りよ!」

鳴「わたしストーキングしてったもの!」

鳴「恒一くんゲーセンで初めて放課後の約束取り付けてたもん!」


恒一「いい経験だったよ、それにいろいろ再確認できたし」

赤沢「いろいろってなによ…ふふ」

恒一「赤沢さんのかわいらしさとか、かな」

恒一「あー明日の学校が楽しみだなぁ!」

赤沢「ふふ……子供なんだから……」

恒一「それじゃ放課後いいかな?」

赤沢「さっきも言ったじゃない、いいわよ」

恒一「そっか!それじゃまた明日、放課後に!」

赤沢「ばいばい、恒一くん」

39: 2012/04/02(月) 02:43:58.47 ID:qh/aPvTS0
恒一「いつやるか決まってなかっただけさ、計画はねってあった」

恒一「いろいろ再確認、っていうのも半分はこの計画についてさ」


鳴「……」


もう、何も信じられない


赤沢「ごめんなさい。でもおかしいと思わなかったの?対策係りの私がほおっておくわけないでしょ?」

赤沢「これであなたは本当にいないものとして使命を全うしてくれそうね」

恒一「僕達の幸せのためにもよろしく頼むよ、鳴」


鳴「……」

43: 2012/04/02(月) 02:47:12.83 ID:qh/aPvTS0
鳴「なら…あなたたちの幸せ、壊してあげる」

恒一「え?ごめん、今なんて」

鳴「なんでもないわ」タッ

赤沢「…行っちゃったわね」

恒一「うん」

赤沢「これで、私たち、幸せよね?」

恒一「ああ」



46: 2012/04/02(月) 02:48:39.97 ID:qh/aPvTS0
閃いた悪魔的発想



鳴は復讐の鬼となる



まだクラスの人間は帰らずにクラスでダラダラしているはず



家庭科室からとってきた包丁を握りしめ、ドアを開けた




鳴「…ごめんなさい」

47: 2012/04/02(月) 02:51:27.28 ID:qh/aPvTS0
恒一「んっ…んんっ」

赤沢「っはぁ…はぁ…もう恒一くん激しすぎじゃない?」

恒一「赤沢さんが綺麗すぎるのがいけないんだよ」

赤沢「もう…バカっ!」

恒一「ふふ……」


赤沢「…でもこれで本当に現象は止まるのかしら…」

恒一「どういうこと?んっ…」

赤沢「実は先生方の中から現象は4月から既に始まっていたっていう…っ…意見が…っはぁ…」


48: 2012/04/02(月) 02:53:15.95 ID:qh/aPvTS0
恒一「つまり、いまさら鳴をいないものにしても意味はないってことか…」

赤沢「そう、そう考えると悪いことしたかしら」

恒一「別にしょうがないことだったと思うよ」

赤沢「そうね…雨……帰りましょうか…」

恒一「そうだね……」

49: 2012/04/02(月) 02:54:38.79 ID:qh/aPvTS0
恒一「……ねぇ赤沢さん、いやに教室が静かじゃない?」

赤沢「本当ね…ちょっといって見ましょう」



ガラッ




鳴「……あ、いらっしゃい」



51: 2012/04/02(月) 02:57:40.43 ID:qh/aPvTS0
恒一「鳴!?こ、この血の量は……オエッ…」

赤沢「……まさかあなた、ここの人達全員…」


鳴「ンフフフフフフフ……」

鳴「だってぇ、現象は止まらないんだよぉ?」

鳴「だから最初から人数削ってさぁ……」

鳴「ふふ、ささやかな復讐……」

鳴「あたしは…今から氏ぬ」

恒一「おい!鳴!やめろ!」


53: 2012/04/02(月) 03:00:43.31 ID:qh/aPvTS0
鳴「私が氏ねば3-3の残り人数は2人……」

鳴「恒一くん……あなたは現象に殺されるの……」

恒一「おい!やめてくれ!だいたいなんで僕が!」

鳴「…恒一くん……わたしの、最後の遺言よ」

鳴「私、義眼って言ったでしょう?」

鳴「どうやら氏者が見えるみたいなの……」

恒一「…なんだって?」

57: 2012/04/02(月) 03:03:27.68 ID:qh/aPvTS0
鳴「この事から私は推測して今までの過去の写真と名簿を見比べて見た」


鳴「見事に一致したよ…氏者、見えるの」

鳴「そしてね、恒一くん」

鳴「唯一現象の止まった年、あの年は…氏者を氏に返した人がいたみたい」

鳴「その結果、現象は止まった」


恒一「ぼ、僕は信じないぞ!」

58: 2012/04/02(月) 03:05:10.38 ID:qh/aPvTS0
鳴「信じなくても、いいよ」

鳴「わたしは氏ぬ、残りは2人」

鳴「2人でなんとかしてね」

鳴「氏者は……」

ーーその女。


ブシャッ



恒一「……」

赤沢「……」

59: 2012/04/02(月) 03:06:53.81 ID:qh/aPvTS0
恒一「……」

赤沢「……」


恒一「あ、あかざ…」


赤沢「っ!!!」ダッ


恒一「ま、まって!!」


赤沢「きゃっ!?」


恒一「あ、赤沢さん!?」




グキッ

61: 2012/04/02(月) 03:09:51.78 ID:qh/aPvTS0
恒一「あ、赤沢さん!?」



赤沢さんは階段から転げ落ちて、大量の血を流していた


赤沢「こ、こういち、くん…」

恒一「あ、赤沢さん!しっかり!」

赤沢「私、氏者だったみたい……」

赤沢「記憶が…記憶がどんどん…消えてくの…」

恒一「赤沢さん!!今救急s…冷たい…」

赤沢「手、冷たい?やっぱり……」

恒一「赤沢さん…」

赤沢「でも、私が氏ねば…恒一くんは、生きる…」

恒一「……」

62: 2012/04/02(月) 03:12:07.88 ID:qh/aPvTS0
赤沢「恒一くん、私…生きててごめんなさい…ごめんなさい…」

恒一「……」

赤沢「氏者なのに…人を…こんなに好きになっちゃった……」

恒一「……」

赤沢「さよなら…こ、こう…あれ…?誰だっけ…コウイチ…コウイチ…」



パタッ

65: 2012/04/02(月) 03:15:26.63 ID:qh/aPvTS0


恒一「とまぁ、10年前はこういうことがあってね…鳴のおかげで対処法は見つかった」

恒一「君たち3-3には氏者を氏に返す義務がある」

恒一「学費で買ったそのナイフで、全力で、頃し合いなさい」

恒一「私からは、以上だ」


『以上で、校長講話を終わります。3-3の生徒は教室に戻って、推理と頃し合いを続けてください』




fin

67: 2012/04/02(月) 03:16:26.95 ID:qh/aPvTS0
どうもお目々汚しすいませんでした

夜遅くまでお付き合いありがとうございました

引用: 恒一「赤沢さんって絶対僕に気があるよね」