1: 2008/12/03(水) 22:47:33.99 ID:P5jySRYdO
ハルヒ「LIVEALIVEをやるわよ!」

長門「あの世で私に詫びつづけろ…」【前編】

5: 2008/12/03(水) 22:52:24.45 ID:P5jySRYdO
・涼宮ハルヒがLIVEALIVEにはまって作り出した世界 

・世界のどこかにいるハルヒを探しだし夢だと悟らせれば元の世界に戻れる 

・高原の知力は25

8: 2008/12/03(水) 23:00:16.02 ID:P5jySRYdO
ピヨピヨ…

ピヨピヨ…

古泉「ん…?」

古泉「ここは……?」

ピヨピヨ…

子ども「わーいわーい」

古泉「どこかの公園のようですね」

古泉「…どこかで見たことあるような…」

涼宮ハルヒの憂鬱 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)

12: 2008/12/03(水) 23:07:06.09 ID:P5jySRYdO
子ども「……」

古泉「ん?僕に何か用ですか?」

子ども「別に!なんでもないもん!」

古泉「はぁ……」

子ども((こいつがママの言ってた人さらいかもしれない…))

古泉「…?」


15: 2008/12/03(水) 23:12:53.58 ID:P5jySRYdO
子ども((僕を見てる!今日はもう帰ろう))

古泉「頭に声が…」

古泉「……まさか…」

?「ヒャッハァア!そこを動くなよ、優男!」

古泉「!!」


18: 2008/12/03(水) 23:18:13.79 ID:P5jySRYdO
どくろメットを被った男1「ファ~キュ~っ!」

古泉「あの人たちは…」

メットの男2「ホホーウ!」

古泉「……」

メットの男3((こいつを連れていけば今日のノルマ達成だぜ!))

古泉(やはり…これは心の声!)


22: 2008/12/03(水) 23:24:32.57 ID:P5jySRYdO
古泉「あなたたちのノルマには付き合ってる暇はありませんよ」

メットの男「何を!?」

ドドド…

古泉(バイクの音!まさか…)

古泉「な、長門さん!」

長門「……」


37: 2008/12/03(水) 23:32:00.58 ID:P5jySRYdO
長門「……」

メットの男3「なんだおまえは!?」

メットの男2「もういい、ふたりともやっちまえ!」

古泉「喧嘩は…苦手なんですけどね…!」

メットの男「氏ねぇ~!!」


41: 2008/12/03(水) 23:36:23.23 ID:P5jySRYdO
古泉「出来るでしょうかね…見ようみまねというか」

古泉「ストリートイメージ!!」

メットの男1「ぐわっ…!」
長門「……」

ドガァッ!

メットの男2「こいつら、強い…」

メットの男1「に、逃げるぞ!!」


42: 2008/12/03(水) 23:40:32.67 ID:P5jySRYdO
……

古泉「助かりました、長門さん」

長門「……」

古泉「それで、ここは…」

長門「涼宮ハルヒの作り出した世界」

古泉「やはり。LIVEAlIVEですね?先日はまってらっしゃいました」

古泉「僕も言われるままやってみましたよ。ここは、近未来編ですね」


45: 2008/12/03(水) 23:46:19.19 ID:P5jySRYdO
古泉「僕は主人公のアキラ役。あなたは…無法松、ですか」

長門「シナリオ自体はほとんど変わっていない。物語に沿っていけばクリアできる」

古泉「変わっていない?そうでしょうか」

古泉「この物語のキャラクターはいわゆる熱いキャラです。それがストーリーに非常にマッチしている」

古泉「それが今はさわやか好青年と美少女無口キャラです。これだけでシナリオは変わらざるを得ないでしょう」


47: 2008/12/03(水) 23:49:47.92 ID:P5jySRYdO
長門「………」

長門「それでも話の大筋は大体同じ」

長門「ゲーム内のどこかにいる涼宮ハルヒを捜し出すことが私たちの目的」

長門「しかし、ここに涼宮ハルヒの気配はない」

古泉「そうですか…」

古泉「………では、さっさとクリアして他のシナリオへ行ったほうがよいのですね」

古泉「それでは、シナリオ通り、“僕の家”へ帰るとしますか」


 近 未 来 編
 『 流 動 』



53: 2008/12/03(水) 23:54:20.89 ID:P5jySRYdO
施設
ちびっこハウス・入り口庭

古泉「この世界で僕は、親を亡くした孤児」

古泉「心を読める超能力者でもあり、不良でもあります」

長門「…」

古泉「さて、送ってくれてありがとうございました。バイク姿、意外に似合ってますよ」

長門「……」


57: 2008/12/03(水) 23:59:48.88 ID:P5jySRYdO
長門「私たち以外にもとの記憶を持っている人はいない。注意して」

古泉「そうですか。肝に銘じておきます」

長門「……それじゃ」

ブゥン…

古泉「…行ってしまいましたね」

古泉「さて、中にはいりましょう」



59: 2008/12/04(木) 00:04:54.51 ID:yHZ09f0dO
ちびっこハウス内

みくる「おかえりなさい、古泉くん、…きゃ!」

みくる「また喧嘩してきたんですか!?もう…」

みくる「その汚れたシャツ、脱いでください。洗濯します」

古泉「は、はぁ…」


62: 2008/12/04(木) 00:07:53.95 ID:yHZ09f0dO
みくる「あんまり危険なことしないでくださいね」

古泉「……」

みくる((また、洗濯もの増えちゃった…))

古泉「…ふむ」

古泉(本当にもとの世界の記憶はないみたいだ)

古泉(それと…集中し、なおかつ頭を空にすれば心が読めるみたいですね)

子ども「あ!古泉!」

古泉「…!」


63: 2008/12/04(木) 00:12:12.42 ID:yHZ09f0dO
古泉「た、谷口くん?」

谷口「もうすぐプロレス始まるぜ。テレビの前に集合だ!」

国木田「そうやって、いつもテレビの前に居座ってるから、僕が見えないんだよね…」

古泉「ミサワ…ですか?」

谷口「そう!あいつはやる男だぜ!ああ血が燃えたぎる!」


65: 2008/12/04(木) 00:17:19.43 ID:yHZ09f0dO
朝倉「一番前の席は、私がとったから、だめよ」

古泉「…!」

古泉(これは…なんというか)

古泉(こども姿のみなさんは新鮮というか珍しいというか)

古泉(特に朝倉さんは…)

古泉(…そういえば、『アキラ』には妹がいたはず)


67: 2008/12/04(木) 00:23:16.61 ID:yHZ09f0dO
ちびっこハウス・妹の部屋

キョンの妹「……」

古泉「!」

キョン(今は古泉の)妹「あ、お兄ちゃん」

古泉(新鮮ですね本当に)

妹「シャミセンが…」

妹「もうほとんど動かないの…」

妹「氏んじゃうのかな」

妹「氏ぬって怖いのかな」

古泉「……」


70: 2008/12/04(木) 00:26:33.42 ID:yHZ09f0dO
古泉「……」

妹((シャミセンが氏んでも…))

妹((シャミセンの…心は氏んだりしないもん…))

古泉「大丈夫、すぐに治してあげれますよ」

妹「本当!?」

古泉「ええ、本当です」

古泉(あそこへ行けば…)



72: 2008/12/04(木) 00:29:16.75 ID:yHZ09f0dO
鶴屋商会

鶴屋「おぉ~古泉くんじゃないかっ元気かいっ?」

古泉「元気だよっ」

鶴屋「………」

古泉「………」

鶴屋「元気かい?」

古泉「まあまあってとこです」

鶴屋「よかった。いつもの古泉くんで安心したよっ」

75: 2008/12/04(木) 00:33:58.07 ID:yHZ09f0dO

鶴屋「ところで、今日は何の用だい?」

古泉「実は………」

鶴屋「それは大変にょろ!」

鶴屋「この天才発明家・鶴屋さんに任せなさい!きっと何とかするよっ」


81: 2008/12/04(木) 00:47:18.94 ID:yHZ09f0dO
ちびっこハウス・妹の部屋

鶴屋「やっほーみんなっ!お待たせ!」

鶴屋「転送装置は調子が悪いから歩いてきたよっ」

古泉「髪の毛が少し焦げてますね」

鶴屋「そんなことないにょろ~」

妹「シャミセンを治してくれるの?」

鶴屋「当たり前さ!さぁ、シャミセンくんを貸して!」


84: 2008/12/04(木) 00:52:19.99 ID:yHZ09f0dO
シャミセン「にゃあ…」

鶴屋「こいつは重体だね。さて、それじゃあ早速このシャミセンくんを液化還元し…」

鶴屋「このメタルスーツに投入して、液化アンドロイドとして生まれ変わらせよう!」

妹「えきかアンドロイド??」

古泉「…………」

86: 2008/12/04(木) 00:57:03.53 ID:yHZ09f0dO
>>85
友達にも回してやりたいレベルです、いい意味で 

87: 2008/12/04(木) 00:57:35.42 ID:yHZ09f0dO
パリパリパリッ
ジャー
ドーン
にょろーん

鶴屋「………」

古泉「鶴屋さん、黒焦げですけど」

鶴屋「大丈夫…ゴホッゴホッ、成功したにょろ!」

妹「やったぁ!」

古泉「……これは…なんとも」


90: 2008/12/04(木) 01:01:01.45 ID:yHZ09f0dO
古泉(映像で見せられなくて残念というか、見なくて正解というか)

古泉(とにかく、猫の体がメタリックになり、二足歩行を始めたところを想像してほしいです)

鶴屋「科学の力は偉大だね!…ん?」

鶴屋「………!」

古泉「………?」


92: 2008/12/04(木) 01:03:52.23 ID:yHZ09f0dO
鶴屋((ひょっとすると、ブリキ大王も同じ仕組みで…))

鶴屋「それだ、それだよ!」
古泉「………」

古泉「行ってしまった」

妹「シャミ…」

シャミ「………フ…」

シャミ「君に、感謝するとしよう」

古泉「!」


93: 2008/12/04(木) 01:07:35.94 ID:yHZ09f0dO
妹「シャミ、しゃべれるの!?」

シャミ「何を言う、今までだって喋っていただろう?」

シャミ「君がそれを言葉と認識しなかっただけの話だ」

妹「じゃあ今度からいっぱい話できるね!」

シャミ「ああ、だが、私にはやるべきことがあるようだな…」

シャミ「一先ずこの古泉についていくとしよう」

古泉「はぁ…恐縮です」

妹「そうなの…頑張ってね!私、待ってる」


95: 2008/12/04(木) 01:10:20.03 ID:yHZ09f0dO
鶴屋商会

古泉「あれ?鶴屋さんは…?」

鶴屋商会・地下

古泉「!!」

鶴屋「あれ、古泉くん」

古泉「これは…この巨大ロボットは」


97: 2008/12/04(木) 01:14:53.58 ID:yHZ09f0dO
鶴屋「これがかのブリキ大王さ。この古代ロボットは、念力の力で動かされていたのだっ」

鶴屋「とはいえ現代ではこれを動かすほどの力を持っているのは液体人間くらいにょろ」

鶴屋「液体人間とは、液化され物質的な力が弱まり、変わりに精神力が特化された人間」

シャミ「ふむ、精神力か。だから私の言葉が皆に認識されるようになったのだな」

シャミ「気持ちが通じるようになったのだ」


98: 2008/12/04(木) 01:18:12.57 ID:yHZ09f0dO
鶴屋「おぉ…っ」

鶴屋「猫は霊的な力がもともと強いにょろ。だからこんなにはっきり喋れるんだね!」

鶴屋「とにかく、このブリキ大王を動かす手は2つ!」

鶴屋「超能力を使うか、液体人間を注入するか、どちらかなんだ」

古泉(…ここで僕が動かせたら…)

古泉(シナリオは変わるのだろうか?)

古泉「僕、やってみます」

102: 2008/12/04(木) 01:22:50.45 ID:yHZ09f0dO
鶴屋「……キミがかい?」

鶴屋「うーん…まあ、やってみなよ!」

古泉(僕は『アキラ』とは違う能力も持っている…それが発揮できれば)

古泉(あれは限定された能力ですが)

古泉(これも、涼宮さんの作った、閉鎖的な空間には違いないのだから)


106: 2008/12/04(木) 01:26:53.39 ID:yHZ09f0dO
ブリキ大王内部

鶴屋「さあ、そこのレバーを」

古泉「はい…」

古泉「………」

ドドドドドド……

古泉「………!!」

ゴゴゴゴゴゴ……

古泉「ふんもっふ!!!!」


カーン

鶴屋「……やっぱり。無理だったね」

古泉「………」


108: 2008/12/04(木) 01:30:03.17 ID:yHZ09f0dO
鶴屋「もっと強い力を出さなきゃダメなんだ。まあ気を落さないで。キミに素晴らしい力があることには変わりないんだからさっ」

古泉「そうですね…」

古泉(やはり無理だったか…)



165: 2008/12/04(木) 21:03:05.14 ID:yHZ09f0dO
たい焼きやさん

老人「ちょーだいな」

長門「…一万円」

老人「あれ?」

老人「値上がりした?」

老人「まあいいか」 


すぐ落ちますが、みなさんパンツが好きみたいなのでパンツのくだり投下します。

166: 2008/12/04(木) 21:05:56.18 ID:yHZ09f0dO
ちびっこハウス

みくる「古泉くん、お帰りなさい。みんなお昼寝中だから静かにしてくださいね」

みくる「あ、洗濯ものできたみたい。干さなくちゃ」

古泉「…。」

古泉「ちょっとトイレにでも行きますか」


169: 2008/12/04(木) 21:09:40.07 ID:yHZ09f0dO
ちびっこハウス・洗面所

谷口「あ!」

谷口「な、なんだ、古泉か」

古泉「今はお昼寝中では?」

谷口「お昼寝なんてしてられるかよ!」

シャミ「…彼は何か隠しているようだ」

古泉「そうですか?わかりました。…………」

谷口((ぱんつ持ってるの、ばれないようにしなくちゃな…))


170: 2008/12/04(木) 21:14:36.43 ID:yHZ09f0dO
古泉「パンツ?」

谷口「!!!!」

古泉「……………」

谷口((朝比奈さんのぱんつ持ってるってなんでばれたんだ…))

古泉「何をやってるんですか君は…返してきなさい」

谷口「ばれては仕方ない…古泉にもやるよ」

古泉「いりませんよ」


171: 2008/12/04(木) 21:16:21.82 ID:yHZ09f0dO
谷口「なんでだ?ホ〇なのか?」

古泉「さわやか好青年に女性のパンツは似合わないからですよ」

谷口「うそつけ、本当は欲しいんだろ!」

古泉「そうですねぇ。僕は中身のが好きです」

谷口「なんだよ中身って。ぱんつは布切れだろ」

古泉「大人になったらわかります」

古泉(まあ彼は中身よりパンツ派かもしれませんが)

172: 2008/12/04(木) 21:21:11.88 ID:yHZ09f0dO
谷口「くそ…国木田は捕まってないといいけどな」

古泉「共犯者もいるんですか…」


みくる「きゃああああ!!」

古泉「……!!!」

谷口「く、国木田がつかまったか!?」

古泉「いや、今の声は…」

古泉「あなたはここで待っていてください」



173: 2008/12/04(木) 21:26:44.34 ID:yHZ09f0dO
ちびっこハウス・庭

古泉「朝比奈さん!!」

みくる「こ、古泉くん!来ちゃダメです!!」

古泉(メットの男…クルセイダーズ!!)

国木田「はなしてよ!!」

古泉(国木田くん…本当に捕まっているなんて!)

古泉「朝比奈さん、さがって!!」


174: 2008/12/04(木) 21:31:51.18 ID:yHZ09f0dO
中途半端ですがここまで
11時すぎにまた来ます


ぱんつはこれが限界でした。パンツ頭に被ってる古泉も捨てがたいけど

196: 2008/12/05(金) 06:07:37.90 ID:uP/WKDdZO
クルセイダーズ1「ふん…!」

クルセイダーズ2「ずらかるぜ!!」

古泉「あ…!」

国木田「いやだっ離して~!」

みくる「国木田くん!!!」

みくる「国木田くん…っ!!」


197: 2008/12/05(金) 06:09:18.26 ID:uP/WKDdZO

ドドド…

古泉(このバイクの音は…)

長門「…何事?」

みくる「長門さぁん!」

みくる「国木田くんが…クルセイダーズにさらわれちゃったんです!」

長門「わかった」

古泉「僕も行きます!」

古泉「シャミセン、あなたも!」

シャミ「盛り上がってきたんじゃないか」


198: 2008/12/05(金) 06:13:05.00 ID:uP/WKDdZO
倉庫街

国木田「た、助けて…!」

長門「……」

クルセイダーズ「……!」

クルセイダーズ「くそ…」

古泉「詳しく状況説明しましょう。あなたたちの後ろは海です。逃げ場はありません」

クルセイダーズ1「うるせぇよ畜生!」

クルセイダーズ2「なんなんだおまえは!いつもいつも邪魔しやがってぇ!」


199: 2008/12/05(金) 06:17:53.61 ID:uP/WKDdZO
クルセイダーズ3「頃してやる!」


長門「…やれるものなら」

バキィッ

クルセイダーズ2「ぐわっ…メットにひびが…!」

古泉「ホーリーブロウ!」

ガッ

クルセイダーズ3「うぐっ…」

古泉「まだやります?勝ち目がないのはわかっていると思いますが」

国木田「す、すごい…」

200: 2008/12/05(金) 06:19:01.26 ID:uP/WKDdZO

クルセイダーズ1「くそ…」

長門「誘拐の目的を言えば、このままあなたたちを解放してやってもいい」

クルセイダーズ「………フン」

古泉「………」

クルセイダーズ((言えるわけないだろ…))

クルセイダーズ((筑波の研究所へ2000人連れていかなくちゃ…))

クルセイダーズ((あの陸軍統帥に…))

古泉「………」


201: 2008/12/05(金) 06:21:12.83 ID:uP/WKDdZO
古泉(このまま行くと……………)

古泉(やはり…シナリオは変わらないのか…)

長門「…?」

古泉「いえ…」

古泉「筑波がどうとか言っていました。近くに筑波研究所がありましたね。さらわれた人はみんなあそこへ行くみたいです」

長門「…そう」

長門「………」

古泉「…ふふ…」

長門「?」


202: 2008/12/05(金) 06:22:22.36 ID:uP/WKDdZO
古泉「すぐ近くの未来が見えているのは厄介なものですね。迷いが生じてしまう」

古泉「朝比奈さんが情報を知らされない理由がよくわかります」

国木田「僕のこと忘れてない?」

古泉「忘れてませんよ」

古泉「クルセイダーズのみなさん、二度とあわなければよいですね。お互いのために」

クルセイダーズ「チッ…」

古泉「帰りましょう」

シャミ「にゃん」


257: 2008/12/05(金) 23:58:33.49 ID:uP/WKDdZO

ちびっこハウス

国木田「ただいま!」

みくる「国木田くん!よかった…よかったぁ」

谷口「おお国木田!あともう少ししたら俺も助けに行くところだったが、早かったな」

朝倉「捕まっちゃうのはちゃんとお昼寝してないからよ…ばか」

国木田「でも、全然怖くなかったよ。本当だよ」

みくる「あ、ありがとうございます、長門さん…」

長門「……」


260: 2008/12/06(土) 00:03:50.87 ID:/usI1k2MO
みくる「長門さん?」

長門「…用があるから、私はもう行く」

みくる「そんな、お礼をさせてください!」

長門「かまわないで」

長門「……それじゃ」

古泉「………」


261: 2008/12/06(土) 00:08:50.58 ID:/usI1k2MO
シャミ「君も行くのだろう」

古泉「…ええ」

古泉(以前の僕だったら迷わなかったでしょう)

古泉(しかし…)

シャミ「誘拐犯の総本山に乗り込むのではないのか?」

古泉「…行きますよ」

シャミ「では、ゆこうではないか。悪をつぶすためにな」

シャミ「筑波へ…!」

古泉(もう…シナリオは動いている)

古泉(行くしかないんだ)


262: 2008/12/06(土) 00:12:57.14 ID:/usI1k2MO

筑波研究所

ガードマン「なんだね君は?研究所に何か用か?アポはとってあるのか?」

古泉「アポはありませんが」

古泉「用ならあります!」

ガードマン「な、なんだ君は!」

古泉「フレイムイメージ!炎に焼かれてください!」

ガードマン「ぐわぁあ…!」

シャミ「…誘拐犯と放火魔の戦いになるのか、これは」

古泉「あれはイメージですよ、幻影です。実際の炎ではありません。超能力です」

古泉「さて、中にはいりますよ!」


265: 2008/12/06(土) 00:19:38.21 ID:/usI1k2MO
研究所内・

クルセイダーズ「!!!」

古泉「あなたたちは…!」

シャミ「ほう、ここがやつらの巣なのか」

クルセイダーズ1「ばれたらしかたねぇ、やっちまえ!」

クルセイダーズ2「長門のいないおまえなんて簡単にやれるぜ!」

古泉「僕だってそう簡単にやられません」

クルセイダーズ2「うおおーっ!」


267: 2008/12/06(土) 00:23:56.69 ID:/usI1k2MO
クルセイダーズ2「うおおーっ!」

バキィっ

クルセイダーズ2「ぐはっ…」

長門「……」

古泉「長門さん!」

クルセイダーズ「き、きやがった!!」

クルセイダーズ3「か、かまうもんか!やっちまえ!!」


269: 2008/12/06(土) 00:32:59.79 ID:/usI1k2MO
古泉「ホーリーブロウ!」

シャミ「猫パンチ!」

クルセイダーズ1(猫派)「それには弱いにゃー」

長門「……」

バキバキバキィッ!

クルセイダーズ2「ぐ…は…っ」

クルセイダーズ3「く…そ…っ」

クルセイダーズ「いやだ…このままでは…おれたち…も…」

バタンッ


270: 2008/12/06(土) 00:37:19.67 ID:/usI1k2MO
古泉「倒れちゃいましたね」

古泉「何度やられれば気が済むんでしょうか」

長門「…」

長門「真正面から乗り込むのは愚かな行為」

古泉「そうですか。いくらゲームとはいえ、女の人が1人で乗り込むのも危険な行為ですよ」

古泉「訂正します。いくら長門さんとはいえ、ですね」

長門「……」

古泉「一緒に行きましょう。クルセイダーズには裏で操る組織があるはず。これからが本番のはずですよ」


272: 2008/12/06(土) 00:41:11.47 ID:/usI1k2MO
研究所・奥

古泉「ガードが急に手薄になりましたね」

古泉「書かれていませんが先程まではガードマンやドーベルマンやらと戦ったりして大変でした」

古泉「しかしここは…雰囲気も違う」

長門「…油断はしないで」

古泉「わかってますよ」

古泉「………」


274: 2008/12/06(土) 00:47:21.12 ID:/usI1k2MO
古泉「長門さん、あなたはシナリオを知っているんですよね?」

長門(コクリ)

古泉「そうですか…いえ、なんでもないです」

古泉(もしもキョンくんが僕と同じ立場にいたとしたらどうしますかね)

古泉(…そういえば、ここにキョンくんはいないみたいだ)

古泉(あなたがいれば、何か変わるかもしれない…)

275: 2008/12/06(土) 00:51:43.35 ID:/usI1k2MO

シャミ「この扉はなんだ?開かないが…」

古泉「どれどれ…パスワードがいるみたいです」

古泉「きっとどこかに知っている人がいるはず。聞いてみましょう」

シャミ「正面から聞いて教えてくれる奴がいるというのか?」

古泉「おや、僕の能力をお忘れですか?」

長門「あそこの部屋にならいける」


278: 2008/12/06(土) 01:20:42.50 ID:/usI1k2MO
研究所・奥・液体人間研究室


コポ…

コポポ……


研究員・女「……」

研究員・男「……」

古泉「異常ですね…」

古泉「僕達がいるのに、気付かないほど研究にのめりこんでいる」

長門「……」

古泉「この天井までのびた巨大な水槽に入っている、黄色い液体は…」


281: 2008/12/06(土) 01:28:45.11 ID:/usI1k2MO
シャミ「我輩は液化アンドロイドだが、この黄色い液体も同じように液化された存在だな」

シャミ「ただ、これは人間が液化されている」

長門「……」

古泉「本当にこれが人間なのか…」

シャミ「精神力のかたまりのようなものだ。おまえの能力で彼らとコンタクトとれるやもしれん」

古泉「やってみます」


282: 2008/12/06(土) 01:35:49.33 ID:/usI1k2MO
古泉「………」

コポポ…

((タ…・・タスケテ・・…))

古泉「…」

コポ…

コポポ…

シャミ「どうだった?」


295: 2008/12/06(土) 06:14:26.58 ID:/usI1k2MO
また規制解除待ってる間に寝てしまいました…すみますせ…

みじかあけどちょっとだけ

296: 2008/12/06(土) 06:16:09.63 ID:/usI1k2MO
シャミ「どうだった?」

古泉「…あなたが今の自分の状態に満足してるかが気になりました」

シャミ「あの子も、そしてお前も、我輩を必要としていたからな」

シャミ「それに我輩は自分の体の一部もつかってもらっているし」

シャミ「然るべき時が来たら、然るべき措置をしてもらうさ」

長門「………」

古泉「そう、ですか」

コポポ…

古泉「……」


297: 2008/12/06(土) 06:16:36.16 ID:/usI1k2MO
シャミ「しかしこの量は…一人分ではないな。何人もの液化された人間がここに入っている」

((タ…・・タスケテ…))

シャミ「一体どうするつもりなんだ?」

長門「…」

古泉「聞いてみますよ」


研究員・女「……」

古泉「ちょっと失礼しますよ」

古泉「…………」


298: 2008/12/06(土) 06:18:11.35 ID:/usI1k2MO
研究員・女((このプロジェクトもそろそろ大詰めね…クルセイダーズは、ゴミみたいな奴らだけど、まあまあよくやってくれているわ。半分以上あいつらが連れてきたからね…))

研究員・女((液体人間の精神波は最高のエネルギー。あれは、このエネルギーで動く。つまり液体人間はあれの血液のようなものね))

研究員・女((液体人間は永遠に、他のなにものにも邪魔されず、純粋な存在として人々の役に立つ…博士は素晴らしいことを思いついたわ))

古泉「………」


300: 2008/12/06(土) 06:19:30.27 ID:/usI1k2MO
研究員・男((あの液化アンドロイドは、実は未完成なんだよな…))

研究員・男((背中の部分がメカむき出しなんだ。あの作業員の連中、さぼってばかりだからな。それで給料あげろだなんて…))

研究員・男((給料ほしいなら早く終わらせるよう改めて言い聞かせなくては。しかし…今日は家に帰らなければ。そろそろ子供が産まれるからな…))

研究員・男((その前に博士のところへ報告しにいこう。IDは確か…F・4・9・F))


古泉「…部屋を出ましょう」


301: 2008/12/06(土) 06:23:17.49 ID:/usI1k2MO
古泉「あの液体人間はクルセイダーズによって誘拐された人々のようです。彼らはなにかの燃料として使われるようですね」

シャミ「なにぃ?」

古泉「そしてそのプロジェクトの黒幕が、先ほどのパスワードが掛かっていた部屋にいるそうです」

シャミ「ここか…」

長門「……」

古泉「行きますよ…覚悟はいいですか?」


303: 2008/12/06(土) 06:26:39.65 ID:/usI1k2MO
パスワード ニュウリョク
…F・4・9・F



OK

古泉「開いた!」



356: 2008/12/06(土) 23:18:59.04 ID:uunb8GwJ0
研究所・VIPルーム

軍人「なんだ貴様ぁ!!兵はどうしたのだ!!」

長門「すべて倒してきた」

軍人「!!」

軍人「貴様が長門か…いたいけな少女の姿をしながら鬼のような力を持つ」

古泉(あれ、僕のことは?)

軍人「私はヤマザキ。陸軍統帥だ」

博士「ウシャシャ!ちょうどいい…おインコさまのためのモルモットが一匹増えた」

古泉(僕は?)


357: 2008/12/06(土) 23:22:44.73 ID:uunb8GwJ0

博士「わが名はシンデルマン…」

博士「生きているのにシンデルマン…」

博士「私を変人扱いした学者はみな液体人間にした」

博士「唯一残っているのはあの女、鶴屋ただひとり!」

雲龍「けるる~」

雲龍「なぜ邪魔をするでける?お前たちにはわからぬのか?この素晴らしさが…」

雲龍「現代科学と古代の叡知が日暮里の御出居寺でひとつになるのでける!」

360: 2008/12/06(土) 23:31:59.46 ID:uunb8GwJ0
雲龍「2000人の生命が一つになり…」

雲龍「陰呼(インコ)大仏像に御出居(おでお)さまがお降りになるのでける!」

雲龍「この汚れた世界ももう少しで救われるでける!」

ヤマザキ「せっかく来たんだ、手ぶらで帰すのも悪い」

ヤマザキ「ささやかながら博士からプレゼントがあるようだ」

博士「ちょうど人間相手にテストをしたかったところです…!」

博士「液体人間ロボットT1号!力を見せてあげなさい!」

古泉「……!!」

361: 2008/12/06(土) 23:36:45.48 ID:uunb8GwJ0
シャミ「ロボットか…!」

T1号「オマ……」

T1号「コ…コロス…」

長門「…くる…!」

T1号「グワァァァ…!」

長門「!!」


362: 2008/12/06(土) 23:43:33.03 ID:uunb8GwJ0
シャミ「猫パンチ!」

シャミ「ぐ!」

シャミ「さすがロボット…高い防御力だ」

T1号「オマエ…コロス…」

長門「……」

バキィ!

博士「ウシャシャシャシャ!!そんなものききませんよ!!」

古泉「シャドウイメージ!」

T1号「グ…コ…ロ…ス」

古泉(強い…!)

365: 2008/12/06(土) 23:50:00.22 ID:uunb8GwJ0
古泉(…そうだ)

古泉(確かさっき…研究員の方が…)

古泉「長門さん!」

古泉「背中を狙ってください!奴は背中が弱点です!」

長門「…了解した」

博士「ええ?背中?」

長門「……っ」

バキバキィっ

古泉「僕も行きましょう」

古泉「ホーリーイメージ!!」


366: 2008/12/06(土) 23:54:09.30 ID:uunb8GwJ0
T1号「グ……」

T1号「ウ…グァ…ア…」

T1号「………………ム…」

古泉「…?」

T1号「ムスコ……ハ…チビッコ…ハウスデ…………ゲンキ…ニ……シテ…イ…ルカ………?」

古泉「!」

博士「役たたずめ!」

367: 2008/12/07(日) 00:03:15.04 ID:1XGGeex+0
T1号「グ……気化…爆発……」

ドドド……

古泉「……っ」

シャミ「これは…ここにいては危険だ」

長門「はやく逃げて。爆発にのまれる」

ヤマザキ「筑波の秘密を知って…」

ヤマザキ「生かして帰すと思うかぁっ…!!」


ド……ン……

369: 2008/12/07(日) 00:10:27.62 ID:1XGGeex+0


ちびっこハウス・妹の部屋

みくる「……よかった、生きて戻ってきて…」

鶴屋「シンデルマン…」

鶴屋「彼に手を貸しているのは陸軍総帥のヤマザキ、そして日暮里にある御出居寺の雲龍だね」

古泉「………彼らの思うとおりにさせてはいけません」

古泉「何か打つ手はないでしょうか?」

鶴屋「ブリキ大王が動けば…」

みくる「どなたですか?そのブリキ大王さんて?」


370: 2008/12/07(日) 00:17:20.25 ID:ohVSClNO0
鶴屋「古代メカ、ブリキ大王」

鶴屋「その昔、古代バビロニアの聖人が念力で動かしたというロボット魔神さっ」


谷口「ロボット魔神!うおおかっこいいじゃねえか!」

谷口「古泉!おまえ超能力使えるんだろ!乗れよ!」


鶴屋「古泉クンはね、無理だったんだよ…」

鶴屋「念力がなくても、液体人間を注入すればシャミみたいに動かせるけど」 

372: 2008/12/07(日) 00:20:03.35 ID:Fr2uw52/0
シャミ「我輩をそのまま注入しては?」

鶴屋「ブリキ大王を動かすには、人間の精神力じゃないとだめなんだよ」


シャミ「ふむ。何が違うというのだ」

妹「…じゃあ」

妹「わたしが…」


シャミ「私が液体人間になる…なんて口が裂けても言わないでくれよ」

妹「あう、シャミ…だって…」


シャミ「我輩が何のために…こうしていると思うのだ?」

妹「シャミ……」 

374: 2008/12/07(日) 00:28:27.51 ID:1XGGeex+0
長門「……」

長門「私が乗る」

鶴屋「!」

古泉「…!!」

古泉「だ、だめです」

長門「…なぜ?」

鶴屋「だって長門っち、超能力もってないんじゃなかったかい?無理だよっ」

長門「私に無理という言葉は通用しない」

長門「…無理を通す」

古泉「だめです!!!」


375: 2008/12/07(日) 00:34:42.47 ID:1XGGeex+0
長門「……」

鶴屋「あ!」

みくる「行っちゃった…」

シャミ「………」

古泉「だめだ…!」

鶴屋「あ!古泉クンまで!」

シャミ「行かせてやれ…」

鶴屋「私の発明だよっ!二人ともっ」



377: 2008/12/07(日) 00:38:25.68 ID:1XGGeex+0
ちびっこハウス・廊下

古泉「待ってください。乗ってはダメです」

長門「なぜ?」

長門「あなたは、シナリオを変えたいの?」

古泉「…そうかもしれません」

古泉「僕は……」

古泉「長門さん、あなたを氏なせたくないんですよ」

古泉「あなたも物語を知っているのでしょう?このまま行くと、あなたは氏んでしまう」

古泉「以前なら、目的のためならそれも仕方ないと思えたでしょう」

古泉「しかし、今は…」

379: 2008/12/07(日) 00:41:32.14 ID:1XGGeex+0
古泉「…もしもキョンくんがここにいたら、全力であなたを止めていたでしょう」

長門「………」

長門「もう物語をとめることはできない」

長門「それに…」

長門「このシナリオから出て、他のシナリオで涼宮ハルヒを探さなければ、元の世界にも戻れない」

長門「それでもいいの?」

古泉「……そういうわけではありません」

長門「あなたはこのシナリオの主人公。最終的な決定権はあなたにある」

長門「でも今は…私は動かしに行く」

古泉「………」


380: 2008/12/07(日) 00:46:17.50 ID:1XGGeex+0
鶴屋「あれ!古泉くん、長門っちは?」

古泉「ブリキ大王のもとへむかわれましたよ」

鶴屋「発明者を差し置いて?やってくれるよっ」

古泉「…」

381: 2008/12/07(日) 00:50:08.04 ID:1XGGeex+0
再びちびっこハウス・廊下

みくる「あ、古泉くん。いたんですね」

みくる「あの…」

古泉「はい?」

みくる「筑波研究所で、谷口くんのお父さんを見かけませんでした?」

古泉「……」

みくる「確か、助手として勤めてるはずなんです」

みくる「研究でしばらく帰れなくなるからって、谷口くんをここに預けて…それからずっと…連絡もつかないん
です」


384: 2008/12/07(日) 01:13:14.58 ID:1XGGeex+0
古泉「……」

古泉「…残念ながら、それらしき人物は見かけませんでした」

みくる「そうですか…」

みくる「今回のことに、関わってなければいいんですけど」

古泉「………」

みくる((長門さんも…大丈夫かな……))

古泉(やはりあの組織は倒さなければならない)

古泉(しかし………)

古泉(キョンくん…あなたなら、どうします?)

386: 2008/12/07(日) 01:21:52.98 ID:1XGGeex+0
鶴屋商会

鶴屋「古泉くんっ」

鶴屋「長門っちは動かすことが出来なかったよ…」

鶴屋「一体どうすれば動かすことが出来るんだろうね?」

古泉「………」

鶴屋((長門っち…なんだか迷ってるみたいだったな))

古泉「……そうですか」


鶴屋商会を出て・町のなか

古泉「今、僕がブリキ大王を動かせたら…」

古泉「でも、今の僕では無理だ」

古泉「どうすれば…」



387: 2008/12/07(日) 01:29:59.14 ID:1XGGeex+0
マタンゴ・バー

バーテンダー「いらっしゃい…」

バーテンダー「なんだ、未成年か…ここにママのミルクは置いてないぜ」

古泉「……」

バーテンダー((マ…マタンゴ~!))

客の男「ふぅん坊や…こっちにおいで」

古泉「はい?」

客の男「俺の家に来なよ。飯くらい食わせてやるよ」

古泉「………」

客の男((ま…マタンゴ~!!))

古泉「お断わりします」


388: 2008/12/07(日) 01:35:19.25 ID:1XGGeex+0
古泉(ゲームでは、このマタンゴを飲んで、精神力を増幅させていた)

古泉(このマタンゴは、ただの酒じゃない…中毒性もある)

長門「………」

古泉「…長門さん!」

390: 2008/12/07(日) 01:49:45.18 ID:1XGGeex+0
>>389
飲むとかいってるからたぶん表向きは



古泉「ここは、あなたが来るような場所ではありませんよ!」

長門「………」

古泉「………」

長門((………))

古泉「はやくここから出ましょう!あなたに…こんなものは必要ないですよ」

長門「………」

古泉「あなたがこんなところにいるのを見られたら、キョンくんに叱られてしまう」

長門「…彼に…」

古泉「……キョンくんに?」


392: 2008/12/07(日) 01:56:08.64 ID:1XGGeex+0
長門「………」

長門((会いたい……))

古泉「……長門さん…」

古泉「そうですね、僕も彼に会いたい」

古泉「SOS団、全員揃いたいものです…」

長門「……」

古泉「……長門さん…」

シャミ「こんなところにいたのか!探したぞ!」

古泉「おや、どうしました?」

シャミ「どうしましたじゃない。クルセイダーズが…!」

古泉「…!!」

長門「………」


394: 2008/12/07(日) 02:02:22.48 ID:1XGGeex+0
ちびっこハウス

古泉「も…」

古泉「燃えている……!!」

シャミ「クルセイダーズが火を放ったのだ!」

みくる「離してください!私、行かないと!」

朝倉「だめ!朝比奈さんまで氏んじゃう!」

シャミ「なかに、彼女がまだいるんだ!」

シャミ「君の妹が…!!」

古泉「…!!」

古泉「朝比奈さん!」

みくる「古泉くん!」

古泉「僕が行きます!あなたはここにいて!」

395: 2008/12/07(日) 02:05:34.16 ID:1XGGeex+0
ちびっこハウス内・廊下

古泉「本当に燃えている…!だめだ、あっちの道はもう、炎で閉ざされてしまっている」

古泉「あの子はどこに…!」

古泉「!」

ちびっこハウス内・大部屋

妹「……」

古泉「大丈夫ですか!?」

妹「………」


397: 2008/12/07(日) 02:10:00.49 ID:1XGGeex+0
妹((お兄ちゃん…きてくれた…))

妹((なんだか変な夢を見たな…))

妹((お兄ちゃんが……もうひとりいる夢))

妹((わたし、へんなあだなでよんでた…))

古泉「…!!」

古泉「いま、助けますから!!」

妹「…おにいちゃ…」

古泉「…っ」

古泉「天井が……崩れっ……!!」



399: 2008/12/07(日) 02:20:27.30 ID:1XGGeex+0

鶴屋商会


長門「ブリキ大王を動かしに来た」

鶴屋「長門っち!!」

鶴屋「長門っちには無理だったじゃないか…」

長門「今度は平気。乗せて」

ブリキ大王・コクピット

長門「……」

鶴屋「それは、マタンゴ!!」

長門「今の私に、ゲームの設定以上の能力はない」

長門「このままで、精神を増幅させるにはこの方法しか有り得ない」


401: 2008/12/07(日) 02:22:34.19 ID:1XGGeex+0
鶴屋「でも長門っち…!」

鶴屋「そんなにいっぱい飲んじゃ…」

鶴屋「氏んじゃうよ!!」

長門「……」

長門「いにしえの…」

長門「力を持ちて」

長門「飛び立たん…!」

鶴屋「……!!」



402: 2008/12/07(日) 02:25:31.68 ID:1XGGeex+0
鶴屋「でも長門っち…!」

鶴屋「そんなにいっぱい飲んじゃ…」

鶴屋「氏んじゃうよ!!」

長門「……」

長門「いにしえの…」

長門「力を持ちて」

長門「飛び立たん…!」

鶴屋「……!!」



403: 2008/12/07(日) 02:26:37.85 ID:1XGGeex+0
公園

ピヨピヨ…

森「プロポーズ…喜んでお受けします」

多丸「そ、園生さん…!」

森「いつまでも、一緒に、いましょう」

ゴゴゴゴゴ…

森「!?」

多丸「じ、地面が…割れていく」

ゴゴゴゴゴゴ…

多丸「ろ、ロボットがでてきた…?!」

森「き…!」

森「きゃああああ!!」

多丸「え!?園生さん?!」

多丸「行っちゃった…」

多丸「う…うそつきぃ!!」

405: 2008/12/07(日) 02:28:53.78 ID:1XGGeex+0
公園

ピヨピヨ…

森「プロポーズ…喜んでお受けします」

多丸「そ、園生さん…!」

森「いつまでも、一緒に、いましょう」

ゴゴゴゴゴ…

森「!?」

多丸「じ、地面が…割れていく」

ゴゴゴゴゴゴ…

多丸「ろ、ロボットがでてきた…?!」

森「き…!」

森「きゃああああ!!」

多丸「え!?園生さん?!」

多丸「行っちゃった…」

多丸「う…うそつきぃ!!」

409: 2008/12/07(日) 02:40:37.86 ID:1XGGeex+0
ブリキ大王・コクピット

鶴屋「動いた!動いたよ!!」

長門「いく…!」

長門「全員…どいて」

鶴屋「な、長門っち?」


411: 2008/12/07(日) 03:22:02.78 ID:1XGGeex+0
ちびっこハウス前

クルセイダーズ「なんだあれは!?」

クルセイダーズ「あ、あんなもんを隠し持っていたなんて…」

クルセイリーダー「研究所からもらったレーザー砲がある!!」

クルセイリーダー「やれ!!」



ブリキ大王・コクピット

長門「私には…きかない」

鶴屋「長門っち!」

長門「……っ!!」


412: 2008/12/07(日) 03:37:11.07 ID:1XGGeex+0
ちびっこハウス前

クルセイダーズ「!!!」

クルセイダーズ「う、うわぁあ!!」

クルセイダーズ「無理だあんなもん!!」

クルセイダーズ「逃げるぞ!!」

クルセイリーダー「おまえら!!」

クルセイリーダー「…俺を置いていくなよ!!」


414: 2008/12/07(日) 03:40:43.75 ID:1XGGeex+0
ちびっこハウス内

ポケラルゴ~!!(効果音)

古泉「…!!」

古泉「ブリキ大王!!」

古泉「まさか、長門さん…!」

長門「乗って!」



ブリキ大王・コクピット

長門「………っ」

鶴屋「マタンゴを大量に飲んで、精神力を増幅したんだよ…」

古泉「そんな…!」


416: 2008/12/07(日) 03:44:52.86 ID:1XGGeex+0
古泉「やめてと言ったのに!!」

みくる「長門さん!」

鶴屋「みくる、乗ってきたのかい!?」

みくる「だって長門さんが!!」

みくる「長門さん…!!」

長門「…………」

古泉「長門さん……」

古泉「…………」

長門((…………))


419: 2008/12/07(日) 03:50:04.43 ID:1XGGeex+0
長門((…………))

長門((あなたは…))

長門((私を氏なせたくないといった))

長門((SOS団が全員揃えばいいとも言った))

古泉「欲張りでしたね…」

古泉「結局僕は……」

長門((………))

長門((朝比奈みくるは、私に…))

長門((SOS団にいて楽しいかときいた))

古泉「……?」

長門((私は…))

長門((……………))

421: 2008/12/07(日) 03:55:58.03 ID:1XGGeex+0
みくる「本当にだめ…!明日行けばいいじゃないですか!今日はもうダメです!」

長門「あなたの…」

長門「口出すことではない」

みくる「そんなこと…!」

古泉「………」

みくる((こんなこと、前もあった気がする…))

みくる((目の前で、長門さんが…))

みくる((有希……!))

みくる「有希…!!」

古泉「…朝比奈さん……」

423: 2008/12/07(日) 04:00:09.63 ID:1XGGeex+0
長門「……はやく…」

長門「ブリキ…大王……を…」

長門「……………」

みくる「…!!!」

鶴屋「………」

鶴屋「今までもってたのが不思議なくらいだよ…」

みくる「どうしてぇ!!」

みくる「有希ぃぃ!!!」

426: 2008/12/07(日) 04:03:11.10 ID:1XGGeex+0
古泉「……」

古泉「……二人とも、お願いがあります」

古泉「おりてください」

鶴屋「………!」

鶴屋「……わかった」

鶴屋「みくる!さあ、いくよ!」

みくる「…………っ!!」


428: 2008/12/07(日) 04:08:21.96 ID:1XGGeex+0
古泉「………」

古泉「長門さん……」

古泉「…あなたは」

古泉「氏んだりなんかしません」

古泉「このブリキ大王が……いえ」

古泉「僕たちがいる限り!」

古泉「僕も男だ」

古泉「無理を通してみせます!!」


430: 2008/12/07(日) 04:13:31.82 ID:1XGGeex+0
ちびっこハウス前

ゴゴゴゴゴ……

鶴屋「………!!!」

鶴屋「ブリキ大王が……」

ブリキ大王・コクピット

古泉「……ブリキ、大王!!!」

古泉「我とあり!!!!!」


鶴屋「う…」

鶴屋「動いた…!!!」

鶴屋「君が動かしてるのかいっ!?」

鶴屋「古泉くん…!!」


431: 2008/12/07(日) 04:19:11.29 ID:1XGGeex+0
御出居寺

シンデルマン「鶴屋の発明か…!」

雲龍「こっちに向かってくるでける!」

ヤマザキ「いいぞ、来い!小ワッパ!!」

ヤマザキ「陸軍の名にかけて……!」

ヤマザキ「貴様を倒すッ!!」

ヤマザキ「行け、陸軍最大の戦艦…!」

ヤマザキ「“怒竜”!!」


435: 2008/12/07(日) 04:22:01.97 ID:iiR+ZCy2O
町のなか

古泉「戦艦…!!」

古泉「奴らも本気ですね…」

古泉「だがブリキ大王が負けるはずありません!」


古泉「ハロゲンレーザー!」

古泉「…!!」

ドン…ドン…

古泉「ミサイルを撃ってきた…!!」


古泉「やってくれますね…」

古泉「バベルノンキック!!」

古泉「……!!」


437: 2008/12/07(日) 04:24:32.97 ID:1XGGeex+0
御出居寺

ヤマザキ「バカな…」

ヤマザキ「わが陸軍の精鋭部隊が…」

古泉「ブリキ大王の敵ではありません」

古泉「さあ、きましたよ御出居寺に…!」

古泉「観念したらどうです!?」

シンデルマン「………」

シンデルマン「かわいそうに………」

シンデルマン「君にはこのすばらしさがわからんのか……」

シンデルマン「人間と人間が一つにとけ合い…」

シンデルマン「身も心も分かち合えるのですよ!」


439: 2008/12/07(日) 04:28:30.41 ID:1XGGeex+0
シンデルマン「憎しみも…争いもない…すばらしい世界…!」

シンデルマン「それを得るためには、汚らわしい肉体など捨てねばならんのだッ!!」

シンデルマン「まあよい……」

シンデルマン「いくら説明してもわからんだろう…」

シンデルマン「陸軍が時間をかせいでる間に、すでに2000人の液体人間はささげられた!」

シンデルマン「この寺のいけの水!」

シンデルマン「これこそ60000リッターの液体人間なのだ!!」


442: 2008/12/07(日) 04:31:51.47 ID:1XGGeex+0
雲龍「けるるー…」

雲龍「けるけるぴーちゃんけるるーちゃん」

雲龍「どれんぷちゃんけるけるー……」

雲龍「………」

雲龍「来たでける……」

雲龍「今こそ!」

雲龍「この隠呼(インコ)大仏像に!」

雲龍「我らをお救いになるためッ!」

雲龍「御出居(おでお)様がお降りになるでけるッ!!」


443: 2008/12/07(日) 04:34:39.31 ID:1XGGeex+0
ブリキ大王・コクピット

古泉「い、いんこの仏像が…」

古泉「動いてこっちにやってくる!!」

古泉「これが液体人間の力…!?」

古泉「…ふ……」

古泉「……ふざけないでくださいよ…」

古泉「人は…」

古泉「そんな姿にならなくても!!」

古泉「ひとつにはなれるんです!!!」

古泉「そうでしょう?」

古泉((そうでしょう、長門さんッ!!!))

445: 2008/12/07(日) 04:37:11.58 ID:1XGGeex+0

古泉「いきますよ…!!!」

古泉「今楽にしてあげますからね!!!」


古泉「ジョムジョム弾ッッ!!!!!!!!!」

448: 2008/12/07(日) 04:40:28.49 ID:1XGGeex+0
ドォン…ドン…ドォン…


雲龍「おおおおおお…」

雲龍「御出居様が……」

シンデルマン「バ、バカな!」

シンデルマン「負ける…なんて…!!」

古泉(!!!)

古泉(インコ仏像の様子がおかしい…)

古泉(え…液体人間が…!!)


449: 2008/12/07(日) 04:43:16.77 ID:1XGGeex+0
シンデルマン「こ、これは!」

ヤマザキ「液体人間!」

ヤマザキ「2000人の、60000リッターの液体人間!」

古泉(三人が……)

古泉(の、飲み込まれる…!!)

古泉(大量の…液体人間に…!!)



三人「お おインコ様あああッ!!


451: 2008/12/07(日) 04:47:02.84 ID:1XGGeex+0
古泉「………」

古泉「…喜ぶべきじゃないですか…」

古泉「あなたたちも、ひとつになれたんですから……」

古泉「希望通りにね…」

古泉「……!!」

古泉「え、液体人間が…」

古泉「ブリキ大王をも飲み込もうとしている!!」

古泉「……く……」

古泉「うああああ…!!」


452: 2008/12/07(日) 04:49:47.00 ID:1XGGeex+0
──…

─…

ピヨ…

ピヨピヨ……

子ども「わーいわーい」

古泉「ん……」

古泉「おや、僕は…」

古泉「いつのまにか、寝てしまったようですね…」

古泉(超能力…精神的な力)

古泉(日常生活で、このような力を持っていたら…)

古泉(僕はどうしてたんでしょうね)

古泉(それとも、キョンくん)

古泉(あなたならどうしますか…?)

453: 2008/12/07(日) 04:54:44.31 ID:Zx1CxZ33O

子ども「ねぇ兄ちゃん!」

古泉「ん?何でしょう」

子ども「いつものあれ、やってよ!」

古泉「ああ、いいですよ」


古泉「マッガーレ!」


 近 未 来 編
 『 流 動 』

 ──終わり──

455: 2008/12/07(日) 04:58:27.45 ID:Zx1CxZ33O
最後だけ規制食らったので携帯から…

近未来おわりです 

軽い気持ちで長門を松にしたのでちょっと苦しかった…
原作汚しちゃった気もしますが


次回はみなさんの予想どおりのやつです 


こんな夜明けまでつきあってくれてありがとうございました

523: 2008/12/07(日) 22:45:09.86 ID:Zx1CxZ33O


朝倉「本当。これは、苦いわね」

キョン「………」

朝倉「でも…今は、この味が最高だわ…」

朝倉「ありがとう、キョンくん……」

朝倉「さて…長門さんに、持っていくんだったわね?」

朝倉「私も行くわ。意識が戻っているのなら、みんなでいた方がいいでしょう」

キョン「ああ、そうだな」


来たれよ…


キョン「…?」


526: 2008/12/07(日) 22:55:09.18 ID:Zx1CxZ33O
朝倉「どうしたの?」

キョン「いや、なんでも…」


来たれよ…

人の心を得し者…


キョン(…なくない、なんだこの声は…!?)


人間に未だ幻想を抱くものよ…


キョン「…!!」

527: 2008/12/07(日) 23:04:12.43 ID:Zx1CxZ33O
朝倉「ちょっと…キョンくん!?」



誘おう…


朝倉「キョンくん………!!」

キョン「うああ…っ!?」


真実を知らしめんために…


──…




541: 2008/12/08(月) 01:10:10.64 ID:EQw6ewCtO

──…

─…

キョン「…ん……」

???「あ!」

???「よかったぁ…」

キョン「……?」

キョン「う……こ、ここは…?」

みくる「キョンくぅん!」

キョン「!」

キョン「あ、朝比奈さん!!」

みくる「キョンくん!よかったぁ、生きてたぁ…!!」


544: 2008/12/08(月) 01:17:20.68 ID:EQw6ewCtO
>>542
切れてもいたけど寝てもいました 



みくる「本当によかったぁ…!」

キョン「あ、朝比奈さん、抱きついてくれるのは嬉しいんですが…」

古泉「おやおや、僕はおじゃまですかね」

キョン「こ、古泉!」


キョン(中世風の城の屋上…見渡すかぎりの森…向こうには山も見えるか…)

キョン(そこに、俺たちはいた)

キョン(古泉も、朝比奈さんも、きちんと、何事もなかったかのようにそこにいる)

キョン(いつものように…)


546: 2008/12/08(月) 01:22:22.15 ID:EQw6ewCtO
キョン「朝比奈さんは、ちゃんと朝比奈さんなんですよね?」

みくる「えーと…記憶を持ってるっていう点ではそうです」

みくる「キョンくんも、キョンくんなんですよね?」

キョン「ええ、そうです。よかった…朝比奈さん、無事で何よりです」

古泉「僕も、北高に通いSOS団という少数派に所属している古泉一樹です」

キョン「ん、そうか。よかったな」

古泉「冷たい…」
古泉「………」

キョン((いつも通りで安心したな…本当に生きててよかった、二人とも…))

古泉「ツンデレってやつですね、わかります」

キョン「はあ?」

古泉「なんでもありません」

547: 2008/12/08(月) 01:27:28.84 ID:EQw6ewCtO

キョン「なあ、ここはどこだ?まだゲームのなかだよな?」

古泉「そうでしょうね。何編かでいえば、ここはおそらく最終編です」

キョン「最終…」

古泉「舞台は見てのとおり中世ヨーロッパ風。まさにRPGの王道の世界ですね」

古泉「僕達は、他のシナリオから強制的にここに召喚された主人公たち…ということになります」


549: 2008/12/08(月) 01:32:17.28 ID:EQw6ewCtO
キョン「他のシナリオから…てことは古泉、その奇怪な格好はお前が直前までいたシナリオの格好か」

キョン「あ、朝比奈さんのチャイナは殺人的に可愛いですよ」

みくる「あ、ありがとうございます……」

古泉「ひどいなあ…キョンくんだって映画に出てきそうな格好じゃないですか」

キョン「俺はアンドロイドだからな。長門プロデュースだよ」

みくる「キョンくん、アンドロイドなんですかぁ?」

キョン「そうです、驚きでしょう?」

550: 2008/12/08(月) 01:37:01.80 ID:EQw6ewCtO
キョン「そういえば、長門は?」

古泉「まだ見かけてません。恐らくどこかにはいると思いますが」

みくる「長門さんも…ちゃんと生きて…無事ならいいんですけど…」

キョン「そうですね…」

キョン「最終編てことは、ここでハルヒを見つけられなかったら…」

古泉「また繰り返すのか、それともゲームの世界の住人として過ごすのか」

古泉「いずれにせよ、元に戻れないことは確かです」

キョン「……とにかく、ハルヒを探しに行こう」

キョン「………いてくれよ、ハルヒ…」



552: 2008/12/08(月) 01:44:31.38 ID:EQw6ewCtO

城の中

キョン「本当に城なんだな。しかし…」

キョン「不気味なほど人がいないな」

みくる「そういえば、ここの方たちは一体どうしちゃったんでしょう?」

古泉「それはですね…」

古泉「……!!」

みくる「きゃあ!」

キョン「何だありゃ…!」

古泉「モンスターです!!」


553: 2008/12/08(月) 01:49:11.15 ID:EQw6ewCtO

……

古泉「………」

キョン「………」

みくる「よかった、やっつけられましたね」

キョン「朝比奈さん、ずいぶん強くおなりで…」

みくる「えへへっ長門さんに拳法ならったんです」

みくる「キョンくんだって、回復してくれたじゃないですか、すごいですぅ」

キョン「いや、あれは俺も出来るとは思わなくて…」

古泉「二人ともすごいですねぇ」

キョン「おまえキックしてただけだもんな」



557: 2008/12/08(月) 02:01:27.52 ID:EQw6ewCtO

キョン「気を取り直して、なんで城に誰一人いないんだ?」

古泉「そうですね。おそらく殺されたのではないでしょうか」

みくる「殺…?」

古泉「魔王に、ね」

キョン「魔王?…ずいぶんゲームっぽくなってきたな…」

キョン(誰もいない空間…色の褪せた、ほとんど音のない世界)

キョン(なんだか…寂しい場所だ)

キョン(全然違う気もするが、ハルヒの閉鎖空間に少し似たものを感じるな…)


559: 2008/12/08(月) 02:08:43.73 ID:EQw6ewCtO


ルクレチア城下町

みくる「本当に人がいないです…」

みくる「私がさっきいたところも、近くに小屋があったんですが誰も…」

キョン「………」

キョン「俺たちは召喚されたって言ったな…そいつは一体誰だ?」

古泉「そうですね…」

古泉「勇者と呼ばれた人物です」

キョン「魔王に勇者?ここはドラクエか」

キョン「…ドラクエにしては、人がいなすぎるか…」

560: 2008/12/08(月) 02:13:36.06 ID:EQw6ewCtO

ファミリオの村

キョン「俺たち以外、全然いないのか?」

みくる「みんな、本当に…」

古泉「…………」

キョン「だって勇者がいたんだろ?」

キョン「………勇者が、魔王を倒せなかったから俺たちが呼ばれたのか…?」

古泉「…………」

古泉「先へ行きましょう」



562: 2008/12/08(月) 02:18:57.62 ID:EQw6ewCtO

雪山

みくる「私、最初はここのてっぺんにいたんです」

みくる「そしたら古泉くんが来てくれて…」

古泉「僕は先程のファミリオ村にいました」

古泉「ゲームをクリアしたことがあるので、ほとんどすぐにどうするべきかわかりましたよ」

古泉「最初は、中世編かとも思いましたが」

キョン「中世編?」

古泉「ここと同じ舞台で、この最終編より前にやることになるシナリオです」

古泉「先程言った、勇者の物語になります」

キョン「へぇ…」


564: 2008/12/08(月) 02:27:02.22 ID:EQw6ewCtO

雪山・頂上付近

キョン「モンスターとの遭遇率が高いな…」

みくる「でも私、戦ってるうちに新しい技あみ出しました♪」

キョン(殺人的に可愛い朝比奈さんが殺人的に強くなっていく…)

古泉「ふふっ」

キョン「人の顔見てニヤニヤすんな、なんだよ?」

古泉「いえいえ、なんでもないですよ」

キョン「…ん?」


565: 2008/12/08(月) 02:32:33.52 ID:EQw6ewCtO
キョン「あれは…?」

みくる「剣…みたいですけど」

古泉「………これは」

古泉「ブライオンですね」

キョン「剣の名前か?よく知ってるな…」

古泉「勇者が使っていたものですよ」

古泉「といっても、中世編の主人公ではなく、物語が始まる前に勇者と呼ばれた人物が使っていたものです」


567: 2008/12/08(月) 02:38:18.34 ID:EQw6ewCtO
古泉「主人公は、先程いた城の主催した武闘大会にて優勝し、この国…ルクレチアの姫に求婚権を得ます」

古泉「しかし、姫と結ばれるはずのその夜、昔勇者によって滅ぼされたはずの魔王に姫がさらわれてしまうのです」

古泉「主人公は姫を救うために立ち上がり…」

古泉「昔の勇者と、その仲間の魔法使いと、そして自分にとっての親友と…」

古泉「魔王山へ向かいます」

古泉「ほら、そこに見えるでしょう。あれが魔王山ですよ」


568: 2008/12/08(月) 02:44:04.04 ID:EQw6ewCtO
キョン「へぇ……。今どきドラクエにもないくらい王道のストーリーとネーミングだな」

古泉「昔のゲームですから。それはそうと、この剣は貰っておいたほうがいいでしょう」

古泉「クリアするために必要です」

キョン「クリアよりハルヒだろ?」

みくる「できれば長門さんも見つけたいです…」

古泉「そうですね、もう少し歩き回ってみましょう」


627: 2008/12/09(火) 00:22:55.42 ID:8fqruMwFO

なおり草群生地

みくる「わあ、草が沢山はえてます!これ、きっと怪我したときにいいですよ。似たような草、私もといたところで見ました!」

キョン「へぇ~。朝比奈さんよく知ってますね」

古泉「それにしても本当に誰もいませんね…」

キョン「ああ、俺たち以外誰もいないな。モンスターくらいだ」

古泉「…………」

みくる「あの、古泉くん…」

628: 2008/12/09(火) 00:28:31.77 ID:8fqruMwFO

古泉「ああすみません。持ちきれませんね、僕も持ちますよ、その草」

みくる「ありがとうございます…あ!いえ、そうではなくて!」

みくる「あの、その勇者さんたちって今も戦ってるんでしょうか?」

古泉「………」

古泉「………4人は魔王山へ乗り込み…」

古泉「…魔王を倒しました」

キョン「なんだ、倒したのか」

古泉「ですが、それは偽者だったのです」


630: 2008/12/09(火) 00:34:06.60 ID:8fqruMwFO
古泉「病を患っていた勇者は、その時亡くなり…」

古泉「偽魔王のいた部屋が突如地震により落盤したさい、主人公の親友も…」

みくる「………」

みくる「じゃあ今は魔法使いさんと、主人公さんが…」

古泉「………」

古泉「まだもうすこし、歩き回ってみましょう」

キョン「もったいぶるなよ…」


631: 2008/12/09(火) 00:40:51.59 ID:8fqruMwFO

魔王山前・看板

キョン「うっ…この看板、血が…」

古泉「べっとりついてて字が読めませんね」

みくる「…………」

みくる「ここまで徹底的に…頃すなんて…」

みくる「人間のこと、どんな風に思っていたら出来るんでしょうか…」


632: 2008/12/09(火) 00:45:58.65 ID:8fqruMwFO
キョン「…本当に…」

キョン「いるんだろうか…」

キョン「こんな恐ろしく、寂しい場所に」

古泉「………」

キョン「長門や、ハルヒが…」



「誰?私の名前を呼んだの…」


633: 2008/12/09(火) 00:50:40.17 ID:8fqruMwFO


キョン「…!」

キョン(どこにいたのやら、空から振ってきたまるで忍者のような、その人は…)

キョン「は…」

キョン「ハルヒ……」


キョン(涼宮ハルヒ、その人だった…)


ハルヒ「あんたたち…普通の格好じゃないわね」

ハルヒ「私の名前も知ってるみたいだし」

ハルヒ「物の怪の一種なのかしら…?」


636: 2008/12/09(火) 00:57:37.90 ID:8fqruMwFO
キョン「ちょ、ハルヒ!刀抜くな!」

みくる「わ、私たち怪しいものじゃないですぅ!」

ハルヒ「……女の子もいるのね」

キョン「大体、道を歩いていた俺たちより空から降ってきたお前のほうが怪しいだろ」

ハルヒ「…なに?」

キョン「わ!だから刀を抜くなって!」

古泉「…………」


638: 2008/12/09(火) 01:03:23.58 ID:8fqruMwFO
古泉「…………」

ハルヒ((………この男))

ハルヒ((そっくりだわ、あいつに……))

ハルヒ((なんだかむかつくくらい))

古泉「………」

古泉「あなたは、どこか別のところから飛ばされてきたのではないですか?」

ハルヒ「……そうよ」

ハルヒ「私は任務についていたのよ。こんなわけわからない場所じゃなくて、れっきとした日本で」

ハルヒ「それが気付いたらこんな場所にいて…」

古泉「僕達もそうなんです」

639: 2008/12/09(火) 01:07:16.24 ID:8fqruMwFO
古泉「みんなそれぞれ別の場所からやってきたのですよ」

ハルヒ「ふぅーん…?」

古泉「みんなで元の場所へ帰る方法を探しているところなんです」

古泉「あなたも一緒にどうですか?」

キョン「お、おい古泉…」

古泉「しっ…今は彼女の信頼を得たほうがいいでしょう」

ハルヒ「………」

ハルヒ「その前に質問があるわ」

ハルヒ「なぜ私の名前を知っているの?」

古泉「それはですね…」


640: 2008/12/09(火) 01:12:03.68 ID:8fqruMwFO
古泉「僕たちのいた世界に、あなたに似た人がいたんですよ」

古泉「たまたま同じ名前だたみたいですけれど…」

古泉「やはり、信じられませんか?」

ハルヒ「……」

ハルヒ「もうひとつ質問があるわ」

ハルヒ「あんた」

キョン「…俺か?」

ハルヒ「そう、あんたよ。まさかあんた、キョンって呼ばれてないわよね?」

キョン「……まあ、呼ばれてないといったら嘘になるな」

ハルヒ「………そう」

ハルヒ「……仕方ないわね。信じてあげるわ」

ハルヒ「で?あんたたち、これからどうしようってわけ?」


641: 2008/12/09(火) 01:17:12.68 ID:8fqruMwFO
古泉「とりあえず、行けるところは行ったのですが何もなく」

古泉「あとはこの先の…魔王山しか」

ハルヒ「あれ、魔王山というの?なんだか不気味な山よね?」

古泉「僕はここについては文献で読んだことあるので多少知っています」

ハルヒ「ふーん…」

ハルヒ「まあやれることは全部やったほうがいいわね」

ハルヒ「行きましょう、魔王山へ!」

キョン「お、おい古泉」

古泉「何でしょう?」


642: 2008/12/09(火) 01:26:11.30 ID:8fqruMwFO
キョン「ハルヒが見つかったなら、さっさと夢だと理解らせれば帰れるんじゃないのか?」

古泉「そうですね。しかし、どうやって?」

古泉「真正面から夢だと言っても彼女は納得しないでしょう」

キョン「う…そうかもしれないが…」

古泉「それに、どうせなら長門さんも一緒に、SOS団全員揃ってから帰りたくありませんか?」

キョン「でも…じゃあ、長門が魔王山にいるというのか?」

古泉「……そうかもしれません」

古泉「だって他の場所にはいませんでしたから」


645: 2008/12/09(火) 01:34:36.00 ID:8fqruMwFO
ハルヒ「さあ行くわよ魔王山へ!あなた、名前は?」

みくる「あっ朝比奈みくるですぅ」

ハルヒ「みくるちゃんね!気に入ったわ、さあ行きましょう!」

みくる「ふわぁああ、まってくださぃい~!」

古泉「さあ、僕らも行きましょう」



魔王山・入り口

ハルヒ「…なによここ?」

ハルヒ「入り口なんてないじゃない」

ハルヒ「この崖のような山肌を直接登っていけっていうの?」


647: 2008/12/09(火) 01:45:23.75 ID:8fqruMwFO
古泉「いいえ、入り口ならあります」

古泉「キョンくん、ブライオンを」

キョン「これか?」

ハルヒ「…西洋の剣ね。それをどうするの?」

古泉「剣を掲げてください」

古泉「この魔王山は…」

古泉「その剣を持ち、魔王と戦う資格のあるものだけに開かれます」

キョン「俺がするのか?」

ハルヒ「私がやってもいいわよ、おもしろそうだから」

キョン「……いや、俺がやるよ」

648: 2008/12/09(火) 01:53:17.44 ID:8fqruMwFO
みくる「キョンくん頑張ってください!」

キョン「…………」

キョン(長門…お前はここで魔王とでも戦ってるのか?)

キョン(それとも……)

キョン(ハルヒはここにいる。俺たちは帰れる)

キョン(開いてくれ、長門、お前への道を)

ドォオン…

ハルヒ「開いた!」

ハルヒ「あんたもなかなかやるじゃない!」


649: 2008/12/09(火) 02:01:30.22 ID:8fqruMwFO

魔王山・内部

古泉「涼宮さんですが、おそらくシナリオのひとつ、幕末編から来たと思われます。主人公は忍者という設定なんですよ。くのいちのような格好をしているのはそのためでしょう」

古泉「要人救出が目的のシナリオですが、登場人物のなかにあなたがいたのでしょうね。その要人でしょうか」

キョン「そうなのか?全然覚えてないな…」

古泉「他のシナリオの記憶は基本的に一旦リセットされるのでしょうね。ただ…」

古泉「印象の強かった記憶は何らかのきっかけがあれば思い出すのかも知れません」

古泉「僕のシナリオで朝比奈さんが他のシナリオのことをぼんやりと思い出していたようでした」

キョン「へぇ…?」



650: 2008/12/09(火) 02:06:09.56 ID:8fqruMwFO

ハルヒ「何、ごちゃごちゃ話しているのよ?」

キョン「いや…ええと、ここの世界のことをだな」

ハルヒ「ふぅん?そういえば、古泉くんだっけ、この世界のことを知ってるんだっけ」

古泉「ええ、かじった程度ですが」

ハルヒ「おもしろそうだから教えてみなさいよ。この魔王山てとこ、不気味だから気を紛らわせたいのよ」

みくる「あ、みなさん、モンスターですぅ!」


………

651: 2008/12/09(火) 02:10:26.96 ID:8fqruMwFO
………

キョン「ハルヒ…やっぱりお前って強いんだな…」

ハルヒ「それよりみくるちゃん!あなたすごいじゃない!そんなに胸が大きいのにすごい強いのね!」

ハルヒ「益々気に入ったわ!うちのところに来ない?忍者になれるわよ!」

みくる「にっ…それはさすがに無理ですぅ」

キョン「うーん、男性陣が情けなく感じるな」

古泉「さあみなさん行きますよ~」


652: 2008/12/09(火) 02:19:13.40 ID:8fqruMwFO
古泉「どこまで話しましたっけ。ああ、主人公と魔法使いが魔王山から城に戻ったところですね」

古泉「仲間二人の氏を報告した彼らは城で手厚く迎えられ、一晩過ごすことになりますが…」

古泉「真夜中、そこに魔王があらわれるのです」

みくる「お城に?」

古泉「ええ。一人目を覚まし魔王を見つけた主人公は1人で戦いに挑み……勝利します」

ハルヒ「……………」

古泉「しかしそれは幻覚だったのです」

古泉「主人公が魔王だと思ったもの。それは…」

古泉「城の…この国、ルクレチアの王さまでした…」

ハルヒ「!また物の怪だわ!」


……


653: 2008/12/09(火) 02:24:52.66 ID:8fqruMwFO

……

ハルヒ「ここは本当に物のは怪が多いわね…」

ハルヒ「知ってる?物の怪って人の心から生まれるのよ」

ハルヒ「人の恨み辛み、憎しみが生霊となり、ついには物の怪になって害を及ぼす話なんて古今東西沢山あるし」

ハルヒ「私は実際、物の怪となった人間をみたのよ」

みくる「…不思議ですね……ここに人はいないはずなのに」

ハルヒ「話の腰を折っちゃったわね。続けて」


656: 2008/12/09(火) 02:34:44.74 ID:8fqruMwFO
古泉「王様を頃した主人公は、その仲間の魔法使いとともに投獄されます」

古泉「昔勇者と慕ってくれた国中の人に、“こいつこそが魔王だ”と…そう呼ばれながら」

古泉「しかし、それでも姫がまだ本物の魔王に捕われているのは事実」

古泉「魔法使いは最後の力を振り絞り」

古泉「主人公を牢屋から城の外へ送り出すのです」

古泉「たとえ、国中のひとが主人公を魔王だと疑っても」

古泉「“姫”は信じて待っているはず」

古泉「信じている人が一人でもいるかぎり」

古泉「その人を信じるのだと…」

古泉「魔法使いはそうして…亡くなりました」


659: 2008/12/09(火) 02:41:12.29 ID:8fqruMwFO

魔王山中腹・広間

ハルヒ「何この部屋?銅像がたくさんあるけど…」

ハルヒ「…?!」

みくる「こ、この銅像…」

みくる「お、オディワン・リー!?………どうして!?」

キョン「ODー10!なぜこいつの銅像がここに?!」

古泉「インコ仏像もありますね」

ハルヒ「…どうやらみんなも何か大きな敵を倒してここに来たようね」


660: 2008/12/09(火) 02:48:28.91 ID:8fqruMwFO
ハルヒ「この気持ち悪い蛙の銅像が、さっき私が言った物の怪となった人間のなれの果てよ。私が潜入した城の当主だったの。もちろんすぐに斬ったけど」

ハルヒ「私たちには共通点がありそうね?知り合いに似た顔の人がいる・大きな敵を打ち倒した…」

古泉「そして………長門さんがそばにいた」

キョン「え?」

古泉「キョンくんは長門さんに作られたアンドロイド。朝比奈さんは長門さんに拳法を習った……そして僕のところも、長門さんは重要な役割でした」

古泉「涼宮さん。あなたのところに、髪の短い女の子はいませんでした?」

ハルヒ「……ユキのこと?」

ハルヒ「ユキはいわゆるからくりよ。潜入した城で見つけたの。でもどうして?」

古泉「さあ……ただ、言ってみただけです」


ハルヒ「なにかありそうね………でも、とにかく奥に行きましょう」


663: 2008/12/09(火) 02:54:19.83 ID:8fqruMwFO

魔王山奥・魔王像の部屋

ハルヒ「あら…ここで行き止まり?」

みくる「道はもうないみたいです…」

みくる「この銅像が、魔王…?」

ハルヒ「そんなはずないわ!どこかに道があるはずよ!」

キョン「…………」

キョン(この部屋…どこか……)

キョン(見覚えがあるような………)

古泉「……………」


664: 2008/12/09(火) 03:01:32.85 ID:8fqruMwFO
古泉「……………」

古泉「魔法使いを亡くし、主人公は再び一人で魔王山へきます」

古泉「そして……」

ガタン!

ハルヒ「あ…」

ハルヒ「開いたわ!」

みくる「この銅像が仕掛けになっていたんですね」

ハルヒ「そんな気がしたのよ。道が続いてるわ」

古泉「今のように、仕掛けに気付き、道を登ったのです」

古泉「そこで待っていたのは………」

古泉「自らの親友でした」


665: 2008/12/09(火) 03:06:09.23 ID:8fqruMwFO
みくる「え…?」

ハルヒ「………」

キョン「生きていたのか」

古泉「生きていたのです」

古泉「魔王山の落盤は、親友の魔法による演技」

古泉「そしてルクレチア王を魔王にみせたのも、親友の仕業」

古泉「すべては親友が仕組んだものでした」

みくる「…………っ」

ハルヒ「…………」

キョン「…………」



667: 2008/12/09(火) 03:11:44.18 ID:8fqruMwFO
古泉「“親友”は主人公に今まで抱いていた妬みや恨み…憎しみが爆発したのだと言いました」

古泉「二人は一対一で勝負をし、そして“親友”は負けます」

古泉「しかし…そこへ“姫”があらわれるのです」

キョン「…………」

古泉「“姫”は“親友”の気持ちがわかるといいました」

古泉「“姫”は主人公は負けたものの気持ちはわからないだろうと言いました」

古泉「そして、“姫”は」

古泉「“親友”のもとへいくと」

古泉「自ら刄で命を落としました」

みくる「そ……そんな……」

668: 2008/12/09(火) 03:16:22.21 ID:8fqruMwFO

ハルヒ「それで……」

ハルヒ「それでその主人公ってやつはどうしたのよ?」

古泉「この話はここでおしまいです」

古泉「あとは、この奥へ行けばわかるでしょう」

みくる「…………」

みくる「私たちを呼んだのは…」

みくる「勇者と呼ばれていた人物……………」

キョン「………!」


669: 2008/12/09(火) 03:19:27.97 ID:8fqruMwFO
魔王山・隠し通路

キョン「待ってくれ!」

ハルヒ「なによ」

キョン「長門がいない」

キョン「長門に会っていない!」

みくる「この道は…魔王へと続いてるんですよね?」

みくる「もう一度戻って…長門さんを探しますか?」

古泉「ですが、外はもう探したでしょう?」

古泉「………いなかったじゃないですか」

キョン「でも見逃したのがあるかもしれないだろ」


673: 2008/12/09(火) 03:23:17.11 ID:8fqruMwFO
古泉「キョンくん」

古泉「今まで、シナリオのなかで僕達の誰かが主人公になっていましたね」

古泉「それは中世編も同じだったはず」

古泉「そしてどんなに頑張っても、シナリオを変えることは出来ない」

古泉「細かいところはどうあれ、僕がいったシナリオ通りに事は進んだはず」

古泉「僕らの誰かが主人公だったのなら」

古泉「今、ここにいない誰かが…」

古泉「中世編の主人公としているはずです」


675: 2008/12/09(火) 03:27:26.85 ID:8fqruMwFO
ハルヒ「何はなしてるかしらないけれど…」

ハルヒ「行くの、行かないの?どっちなのよ」

キョン「…………」

みくる「キョンくん…」

古泉「行きます」

古泉「それしか道はないでしょう」



677: 2008/12/09(火) 03:32:52.15 ID:8fqruMwFO

魔王山・頂上

キョン「………」

キョン「なんだ、誰もいないじゃないか」

キョン「銅像があるだけで…」

ハルヒ「ちょ、ちょっと待って…なんだか様子が変よ……」

みくる「……!!」

ようこそ………

キョン(なんだこの、黒い影……)

キョン(これが…!?)

「我が名は…」

「魔王 オディオ…」


678: 2008/12/09(火) 03:38:48.83 ID:8fqruMwFO
魔王「ようこそ…」

魔王「君達にわざわざ集まってもらったのは他でもない……」

魔王「とても大事な事を伝えねばならぬからだ」

魔王「話は2つ…」

魔王「一つは君達は英雄になった…」

魔王「しかし他の人間たちは一体何をした?」

魔王「…」

魔王「助けを請うばかりだったろう」

魔王「自らを危険にさらさないで他力本願にしあわせだけは求める…」

魔王「そんな人間なぞ救うに値しないということ…」

魔王「これが一つ目だ」

魔王「そして二つ目…」

魔王「今度は君達自身のことだ…」

679: 2008/12/09(火) 03:42:13.92 ID:8fqruMwFO
魔王「君達は一体何のために戦ってきたのだ…?」

ハルヒ「別に、なんでもないわよ。使命もあったし、でも何より自分のためだわ」

魔王「まあそれもよかろう…」

魔王「さいわい君達は戦いに勝って大切なものを手に入れた…」

魔王「だがそれらも所詮一方的な欲望ではないのか?」

魔王「自分にとって大切なもの…」

魔王「それを守るためならば他者を傷つけていいのか…?」



魔王「お前達もこの世界にすんでいた醜い人間たちと同じ…」

魔王「あいつらと同じように…」

魔王「己の生きざまを後悔しながら…」

魔王「別れを告げさせてやろう…」

魔王「悩みと苦しみに満ちたその罪深き人生に…!!」

キョン「………っ!?」


684: 2008/12/09(火) 04:11:06.11 ID:8fqruMwFO
みくる「ヒッ…!!」

ハルヒ「なによ、これ…!!」

キョン(黒い影が消えて、あらわれたのは巨大な赤ん坊だった)

キョン(おぞましい雰囲気を持つ赤ん坊が、鷲のような翼を広げてこちらを睨んでいる)

キョン(これが魔王)

キョン(これが………)

ハルヒ「こいつを倒せば元の世界に戻れるのね」

ハルヒ「いくわよ…忍法火の鳥!!」


686: 2008/12/09(火) 04:19:15.73 ID:8fqruMwFO
みくる「わ、私も頑張りますっ」

みくる「えいっ星降拳!!」

セント・・・・


みくる「!!!!!」

みくる「そ、そんな…」

みくる「っいやあああ!!」

みくる「…………・・・」

キョン「朝比奈さん!!」

古泉「あの技は石化させる術です」

古泉「キョンくん、僕達はサポートに回りましょう!石化をなおすんです」


689: 2008/12/09(火) 04:24:11.26 ID:8fqruMwFO
ハルヒ「キョンはこっちよ!みくるちゃんは古泉くんに任せましょう!」

ハルヒ「私が石化したら…すぐに治すのよ!」

キョン「言われなくても!」

みくる「………ふぁっ」

みくる「あ、ありがとうございますぅ」

古泉「いいえ。回復は気にせず、あなたは攻撃に集中してください」

キャンセラレイ

ハルヒ「きゃ!」

キョン「ハルヒ!」

キョン「ハイスピードオペ!大丈夫か!?」

ハルヒ「平気よ。あんたもなかなか役に立つじゃない」


691: 2008/12/09(火) 04:27:24.04 ID:8fqruMwFO
ハルヒ「今までの話を聞いてるとあの魔王オディオってやつがさっきの話の主人公なのね?」

ハルヒ「親友や愛した人に裏切られてこんな物の怪になってしまったみたいね…」

キョン「…………」

ハルヒ「けどだからって私たちを巻き込む理由はないわ!」

ハルヒ「私をもとの世界へ返しなさい!」

ハルヒ「忍法…矢車草!!!」


694: 2008/12/09(火) 04:30:57.07 ID:8fqruMwFO
みくる「さっき受けた技ですが……」

みくる「…ひどく悲しくなる技でした」

みくる「あれが絶望なのでしょうか…」

みくる「でも……あなたは、倒さなくちゃいけないんです」

みくる「天馬後すい脚っ!!」

古泉「さてと、僕もサポートしますよ」

古泉「ホーリーイメージ!」

696: 2008/12/09(火) 04:35:01.41 ID:8fqruMwFO

キョン「お前は一体…」

キョン「誰なんだ……」

キョン「………」

キョン「メーザーカノン!」

キョン「………許せよ」



ズズズズズズズ………


キョン(赤ん坊が消えていく……)

キョン(黒い影も…消えて……)

キョン(そこにいたのは……)

キョン(そこに……いたのは……)


697: 2008/12/09(火) 04:37:40.93 ID:8fqruMwFO

長門「………」

キョン「長門………」

長門「………」

長門「あなたたちの勝ち…」

長門「はやく…」

長門「とどめをさして…」

キョン「な、何言ってるんだ!」

キョン「長門!俺たちのことがわからないのか!」

古泉「…………推測ですが、記憶はもっていないようですね」

みくる「長門さんが…中世編の主人公…」

みくる「私たちを召喚した…」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「あなたを殺せば、私たちは元に戻れるのね?」

699: 2008/12/09(火) 04:43:51.51 ID:8fqruMwFO

キョン「…!!」

長門「はやく…とどめを」

ハルヒ「………」

キョン「やめろ、ハルヒ!!」

みくる「……………っ!!」

長門「………」

ハルヒ「…………」

700: 2008/12/09(火) 04:47:38.34 ID:8fqruMwFO

ハルヒ「やめたわ」

ハルヒ「ユキにそっくりなのも気になるし、それに…」

ハルヒ「氏にたがってる人を斬る趣味はないのよね」

ハルヒ「行きましょう。元の世界に戻る方法が、他に見つかるかもしれないわ」

魔王山・広間

キョン「………」

みくる「………」

ハルヒ「やっぱりこの銅像があやしいわ」

古泉「そうですね。ここから繋がるかもしれません」

キョン「…ハルヒ!」

キョン「話があるんだ」

ハルヒ「なによ?」

キョン(手っ取り早く帰る方法、ソレは…)

キョン「この世界は…この世界はな、お前の」


701: 2008/12/09(火) 04:49:55.31 ID:8fqruMwFO

バタン!

キョン「!」

みくる「な……」

ハルヒ「ユキ!来たの!?」
長門「まだ…」

長門「まだ、終わらない…」

キョン「なに、言って…」

長門「私を倒しても…」

長門「私は生き続ける……」

長門「知るがいい、オディオの意味を」


703: 2008/12/09(火) 04:57:43.80 ID:zg3UF1QR0
長門「それは…太古の昔より…遥かなる未来まで」

キョン「…!」

長門「平和なる時も…混乱の世にも」

古泉「!」

ハルヒ「きゃ!」

ハルヒ「どうして、かえるの銅像のまえに…?」

長門「あらゆる場所…あらゆる時代に…」

みくる「ひゃあん!」

みくる「オディワン・リー…」

長門「戦いの火種となるもの…!」


705: 2008/12/09(火) 05:02:29.90 ID:zg3UF1QR0
長門「それはあなたたちが存在するかぎり永遠に続く感情…」

長門「その感情の名を」

長門「憎しみ あるいは」

長門「オディオという…!」

長門「あの世で詫びつづけるのは」

長門「決して…私ではない…!」

キョン「……!?」

707: 2008/12/09(火) 05:06:50.79 ID:zg3UF1QR0
何ものかが通信ユニットを通じて語り掛けてくる…

ホンセンナイニ オイテ スベテノ コウドウハ
チョウワノ トレタモノデ アラネバナラナイ

キョン「こ、これは…一体」

ワタシハ センナイノ チョウワヲ イジスルタメ
キノウシテイル

キョン「ODー10…!!」

ヨッテ ワタシノ イシハ ゼッタイデアル

キョン「戻ってきちまったのか!」

ダレモ コレヲ ボウガイシテハ ナラナイ

ボウガイスルモノハ

キョン「長門…」

タダチニ ショウキョスル

キョン「長門ぉ…!!」


K I L L  Y O U ....

708: 2008/12/09(火) 05:09:44.55 ID:zg3UF1QR0

みくる「……はっ!?」

リー「フ…」

リー「ならば見せてもらおう、その心とやらを」

みくる(オディワン・リー!!)

みくる(どうして…)

長門「心山拳 奥義……」

みくる(長門さん……!!)

リー「所詮付け焼き刃よ…!」

長門「 旋 牙 ……」

みくる(………っ)

みくる、長門「 連 山 拳 !!!」


710: 2008/12/09(火) 05:14:17.94 ID:zg3UF1QR0

雲龍「来たでける……」

雲龍「今こそ!この隠呼(インコ)大仏像に!」

雲龍「我らをお救いになるためッ!」

雲龍「御出居(おでお)様がお降りになるでけるッ!!」

ブリキ大王・コクピット

古泉「ここは…」

古泉「そうですか…そういうことですか」

古泉「長門さん……あなたは…」

古泉「…知ってるはずです…」

古泉「人は…」

古泉「あんな姿にならなくても」

古泉「ひとつにはなれるということを」

古泉「そうでしょう?」

古泉((そうでしょう、長門さんッ!!!))

712: 2008/12/09(火) 05:18:24.35 ID:zg3UF1QR0
ハルヒ「…!!!!」

ハルヒ「まさかまたあんたに会うとはね…尾手院王」

尾手「見るがよい!」

尾手「これから日の本を治める気高き私の姿を!!」

ハルヒ「日の本を治めるために…」

尾手「グ…グゲゲ…」

尾手「ゲ…ゲコゲコッ…!!」

ハルヒ「蛙の物の怪にまでなった哀れな殿様」

ハルヒ「今一度…!」

ハルヒ「尾手院王!!あんたを斬る!」



713: 2008/12/09(火) 05:21:26.49 ID:zg3UF1QR0
ODー10/コギトエルゴスム号


キョン「……またお前と戦うことになるとはな…」

「………」

「……あなたは人間がどう見えるか問うた」

キョン「メーザーカノ…え?」

「あのおろかな行動が人間なの?」

キョン「な…長門なのか…?」


714: 2008/12/09(火) 05:25:57.69 ID:zg3UF1QR0
オディワン・リー/義破門団総本山

「あなたの言う心の強さは、馴れ合いの気持ちとどう違うの」

みくる「え…?」

みくる「それは……」

みくる「だって…」

「何かを大切にすることはそのぶん弱点をつくるということ」

「弱さに繋がるのではないの?」

みくる「大切なものを…守るから強くなれる…」

みくる「私は…私はそうでしたよ…」

みくる「大切なのにそうじゃないふりをするのって、それこそ弱さです」

みくる「私、間違ってるんですか?」

みくる「長門さん…」

716: 2008/12/09(火) 05:28:27.80 ID:zg3UF1QR0
おインコ様/御出居寺

「ひとつになるとは一体どういうこと?」

古泉「そうですね…実はとても抽象的で難しい」

古泉「でも、長門さん」

古泉「あなたはSOS団が楽しいのではないですか?」

古泉「僕がそう聞いたとき、あなたは否定しなかった」

古泉「だからその時、僕とあなたの心が触れ合ったと…ひとつになったと思いましたよ」

古泉「違っていたら、すみません」



718: 2008/12/09(火) 05:32:00.39 ID:zg3UF1QR0
尾手院王/尾手城

「目的を達成するにはどんな手段も厭わない」

「あなただって、そんな人物だったはず」

ハルヒ「あんたユキね?見つけた時からなんか悟ってそうなからくりだと思ってたけど」

ハルヒ「そうね。私はつまらないことって嫌いなの。だから面白そうなこととか、普通じゃないことがあれば何
でもやったし、これからもやるわ」

ハルヒ「……でも」

ハルヒ「さすがに自ら進んで人を傷つけようとは思わないわね」

ハルヒ「まあ、ノリにのっちゃって思わぬうちに傷つけたことくらいあったかも」

ハルヒ「…あれ…」

ハルヒ「私は…いつのこと話してるのかしら…」

ハルヒ「……!」

ハルヒ「わ、私……」



721: 2008/12/09(火) 05:36:24.12 ID:zg3UF1QR0
ODー10/コギトエルゴスム号

キョン「愚か、か…」

キョン「そうか。あの時ははっきりと答えてなかったが、長門、お前はそう思っていたわけだな」

キョン「でもそうだな…そうかもしれない」

キョン「人間はさ…すべて計算どおりに行動できないだろ?」

キョン「感情が…心があるから」

「こころ」

「こころって、何」

723: 2008/12/09(火) 05:38:51.15 ID:zg3UF1QR0
オディワン・リー/義破門団総本山

みくる「え!何でしょう…」

みくる「うーん」

みくる「む、難しいですね。哲学ですよね」

みくる「うーん…なんでこんな話になってるんでしょう」

みくる「あ、真面目に考えてますよぅ」

みくる「あ!」

みくる「長門さん本好きじゃないですか」

みくる「読みたいって思う気持ちが…こころ!」

みくる「だ、だめ…?」

725: 2008/12/09(火) 05:45:07.15 ID:8fqruMwFO
おインコ様/御出居寺

古泉「僕も聞きたいことがあるんですがよろしいですか?」

古泉「あなたにとっての…」

古泉「アリシア姫と、親友のストレイボウは、誰だったんでし
ょう」

古泉「………」

古泉「答えなくてもいいですが」

古泉「でも裏切られたらこんな風になってしまうほどあなたに
とっての比重の重い人」

古泉「それほどの人があなたにはいたんですね」

727: 2008/12/09(火) 05:49:15.72 ID:8fqruMwFO
ODー10/コギトエルゴスム号

キョン「こころ…」

キョン「そうやって問い掛ける長門はなんだか人間くさいな」

キョン「でもそうやって悩んだり」

キョン「憎しみを抱いたりするのは」

キョン「人間なら当たり前のことだからな…」

キョン「そうやって考えることが、もう長門のこころなんじゃないのか」

キョン「長門……」

キョン「間違ってるのか、俺は」

730: 2008/12/09(火) 05:52:45.64 ID:8fqruMwFO
尾手院王/尾手城

ハルヒ「私たち、何してるの?」

ハルヒ「有希…あんた何してるの?」

ハルヒ「これ…ゲームのあれよね」

ハルヒ「…有希はあんまり自己主張しないからたまに心配になるのよね」

ハルヒ「………ねぇ、有希。有希はオディオなんかじゃないわよ」

ハルヒ「あなたは長門有希。無口なSOS団員。立派な人間よ!」


732: 2008/12/09(火) 05:56:18.12 ID:8fqruMwFO

ハルヒ「これ…夢でしょ?」

ハルヒ「夢よ」

ハルヒ「もしそうじゃなくても夢にしちゃえばいいのよ」

ハルヒ「夢から覚めたら学校へ行くのよ」

ハルヒ「そして週末の予定を立てるの」

ハルヒ「有希、あんたの行きたいところでいいわ」

ハルヒ「どこにいきたいの?」



長門「・・・・・」


長門「図書館………」



733: 2008/12/09(火) 05:59:17.81 ID:8fqruMwFO




キョン「………視界が…」

キョン「白くなっていく」

キョン「そうだ」

キョン「長門に」

キョン「コーヒーを持っていかなくちゃ…」

734: 2008/12/09(火) 06:02:30.79 ID:8fqruMwFO
──…

─…

ハルヒ「キョン!!早くしないとおいていくわよ!!」

キョン「……置いていくのは大いに結構だが、図書館で騒ぐな。摘み出されるぞ」

古泉「元気で何よりじゃないですか?」

キョン「時と場所を考えろよ」

キョン(あれから俺たちは何事もなかったかのようにすんなり戻ってきた)

キョン(ハルヒはゲーム制作に急にやる気をなくしたようで、週末に突然図書館へ行こうといいだした)


737: 2008/12/09(火) 06:05:54.61 ID:8fqruMwFO
キョン(古泉がいうには…あの世界は、確かに作ったのはハルヒだが、長門も深くかかわっているらしい)

<古泉「僕達が記憶を持っていられたのは都合よく長門さんがそばにいれたときです」>

<古泉「僕達がどんなにストーリーから外れた行動をとっても、長門さんの力で軌道修正されていたのです」>

<古泉「あの長門さんのもとへ行くために…」>

キョン(もし本当にそうだとしたら)

キョン(長門のなかにあんなふうな憎しみが本当に渦巻いていたのだろうか)

キョン(それとも……ただ単に、ゲームのシナリオに沿っていただけだったのか…?)

みくる「あの、長門さん…」

長門「?」


738: 2008/12/09(火) 06:08:49.63 ID:8fqruMwFO
みくる「あの、ゆ、ゆ、」

長門「…?」

みくる「ゆき………って降らないですかねぇ~」

長門「例年と比べても、降るにはまだ早い」

みくる「そ、そーですよね!………はあ」

長門「………」

キョン「ん?どうした、長門」

長門「コーヒー…」

長門「あなたの淹れたコーヒー、飲みたい」

キョン「…ああ、そうだな」


739: 2008/12/09(火) 06:12:16.49 ID:8fqruMwFO
キョン「そうだな…じゃあ、今度の部活の時にでも」

長門「今がいい」

キョン「今!?でも、ここは図書館だし…」

ハルヒ「何の話?」

キョン「ハルヒ!」

長門「彼にコーヒーを淹れてもらう話」

ハルヒ「あ、いいわね。私にも…」

長門「だめ」

長門「…私だけ、特別」

ハルヒ「…!」

ハルヒ「ゆ~き~!言うようになったじゃないの」



740: 2008/12/09(火) 06:14:52.43 ID:8fqruMwFO
ハルヒ「じゃあ、キョンのコーヒーをかけて勝負しようじゃない」

ハルヒ「みくるちゃんもいれて。こっからここまでの本誰が一番に読み切るか…」

長門「それは私の楽勝」

ハルヒ「わからないわよ!」

キョン(………)

キョン(まあ、そんなことより)

キョン(部室にあるスーパーファミコンとテレビは一体誰が片付けるんだ)

キョン(スーパーファミコンはハルヒの私物だからまあいいとして、視聴覚室から持ってきたテレビは…)

キョン(俺が片付けることになるんだろうな…)

キョン(………やれやれ)


涼宮ハルヒのライブアライブ

──FIN──

742: 2008/12/09(火) 06:17:13.40 ID:kPndi2OH0
おつお!

引用: 長門「あの世で私に詫びつづけろ…」