461:◆uSEt4QqJNo 2013/09/20(金) 00:45:02 ID:jHBHG/Dw

ハンジ「あはははは!!リヴァイが!」
ハンジ「やっぱり皆も猫にしてみた」
ハンジ「……104期が猫になったのに……」
ハンジ「……104期が猫になる前」

乙ありがとうございます!マジ有り難い。良いと言って頂き恐悦至極です!
……ちゃんと終了したのでやめた方がいいかな、と思ったんですが……猫化薬で生存ルートやろうかと。

とは言え蛇足も蛇足だし、まだたいして書いてないのでやれるかもわからないのですが。sageでやる予定だし落ちたらそれまでと言うことで。


462: 2013/09/20(金) 00:52:11 ID:jHBHG/Dw
【帰還】


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


女型巨人「きぃやああぁぁぁ!!」

――うまく逃げられた。エレンを探さないと……。……煙弾は……あれか。

パシュッ!ギュイイイイ

――見つけた、リヴァイ班……。
……?一人足りない?

スタッ!

アニ「……エレンがいない?」

――まさか!?そんな……。別行動の班が他にいた?それともエレンを一人に?いや、一人にするなんてあり得ない……でもじゃあどこに?
進撃の巨人 ねんどろいど リヴァイ (ノンスケール ABS&PVC塗装済み可動フィギュア)
463: 2013/09/20(金) 00:54:47 ID:jHBHG/Dw

……何にせよ見失った。無駄に巨人になるわけにはいかない……わざわざリヴァイ班を殺る必要もない。

アニ(……今回は諦めるしか……)ホッ

アニ「!?」

アニ(……何をホッとしてるの……?)

アニ「……くっ」ギリッ

パシュッ!ギュイイィィィィ

464: 2013/09/20(金) 01:02:31 ID:jHBHG/Dw

エルド「……」モゾモゾ

エルド「……おい、あんまりフードの中で動くなよ?――エレン」

トラ猫エレン『ぷはっ!だってちょっと息苦しいんですよ』フー

エルド「こらっ!危ないから顔を出すんじゃない」

ヒュンッ

ペトラ「そうだよ、エレン。立体機動中に顔出したりしたら落ちちゃうよ?」ヒソッ

ヒュッ

オルオ「今、お前と会話すんのだって危ねぇんだぞ。もしかしたら敵がいて、見つかるかもしんねぇんだからな」ヒソッ

グンタ「お前ら近づき過ぎるなよ?ワイヤーが絡まるぞ」

エルド「ほらっもう少しで馬の所に着くから、引っ込んどけ」

エレン『はい』モゾモゾ



.

465: 2013/09/20(金) 01:05:23 ID:jHBHG/Dw

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――数十分前――


リヴァイ「少し進んだ所で馬を繋いだら立体機動に移れ」

リヴァイ「俺とは一旦別行動だ。班の指揮はエルドに任せる」

リヴァイ「適切な距離であの巨人からエレンを隠せ。それからエレンには“アレ”を飲ませておけ」

リヴァイ「馬は任せたぞ。……いいな?」

ヒュンッ!

エレン「え!?まさか……あの巨人を生け捕りに……!?」

グンタ「どーだエレン見たか!!」

エルド「あの巨人を捕らえたんだぞ!?」

オルオ「これが調査兵団の力だ!!なめてんじゃねぇぞこのバカ!どうだ!?わかったか!?」

エレン「――はい!」



.

466: 2013/09/20(金) 01:08:06 ID:jHBHG/Dw

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


エルド「……よし、この辺りでいいだろう。皆止まれ!」

ヒヒーン……ブルブル

エルド「ここからは立体機動に移る」

エレン「は、はい」

ペトラ「エレン、はいこれ」スッ

エレン「え?」

グンタ「それを飲んでおけ」

エレン「こ……これってまさか……」

467: 2013/09/20(金) 01:09:42 ID:jHBHG/Dw

オルオ「猫化薬だ」

エレン「な、なんで?」

グンタ「お前の身を確実に隠せるからだ」

ペトラ「……私達には万が一エレンが危機的状況に陥った時、猫にしてエレンを逃がせって言われてたんだけどね」

オルオ「巨人は動物には反応しないからな」

エレン「えっ?もしそんな状況だったとしたら皆さんは……」

エルド「……俺等の役目はエレン、お前を護ることだ」

エレン「エルドさん……」

グンタ「……それを飲むともしかしたら巨人化は出来ないかもしれない。だが……飲んでくれるか?エレン」

エレン「……はい!」



.

474: 2013/09/20(金) 22:12:19 ID:jHBHG/Dw

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――現在――


エルド「さて、本部に戻るか」

馬「ブルルル」

トラ猫エレン『あの……解毒剤は?』

ペトラ「あ、壁内に戻るまでそのままでいてね、エレン」

トラ猫エレン『はい?』

グンタ「敵がさっき捕縛した女型だけとは限らないからな」

475: 2013/09/20(金) 22:15:02 ID:jHBHG/Dw

トラ猫エレン『えっ?俺、すぐ戻れるかと……』

オルオ「解毒剤があったとして、お前この森でマッパになんのか?服着てる最中に巨人が来たらどうすんだ」

トラ猫エレン『ふ、服着る時間くらいは……』

エルド「まあ、なるべくリスクは避けたいところだからな」

トラ猫エレン『で、でもこの姿じゃ巨人化出来ないかもしれないって……』

ペトラ「……猫のまま巨人化……?」

エルドグンタオルオ「……」



.

476: 2013/09/20(金) 22:16:41 ID:jHBHG/Dw

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

*想像*

トラ猫エレン『このっ!』ガリィッ!

カッ!

巨猫『ニャアアァァァン!』



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.

477: 2013/09/20(金) 22:18:50 ID:jHBHG/Dw


リヴァイ班「「「「ぷっ!」」」」

トラ猫エレン『何笑ってるんですか!』

ペトラ「あははは!ごめんごめん。つい想像しちゃって」

グンタ「ん、ごほんっ!だからここは壁外だぞ?遊んでる場合か」

ガシッ

エルド「……今、お前も笑ってたよな?グンタ」ニヤニヤ
ガシッ

オルオ「確かに笑ってたな」ニヤリ

グンタ「……くっ!」

トラ猫エレン『皆さん、じゃれあってないでどうにかしてくださいよ』

ペトラ「だから、壁内までそのままだって」

478: 2013/09/20(金) 22:20:57 ID:jHBHG/Dw

トラ猫エレン『でも万が一……』

グンタ「も、もう猫になっちまってんだ。解毒剤もない。諦めろ、エレン」スルッ

エルド「あ、逃げやがった」

オルオ「珍しくグンタを追い詰められるとこだったのによ」

グンタ「だから壁外だっつってんだろが!とっとと行くぞ」

エルド「まあ、いつまでもここにいる訳にもいかないしな」

479: 2013/09/20(金) 22:27:55 ID:jHBHG/Dw

オルオ「続きは壁内に戻ってからだな」

エルド「だな」アハハ

オルオ「……お前もだからな」ジロリ

ペトラ「帰ったら覚えときなよ、エルド」キッ

エルド「ハハハ……」

エルド(どうやって逃げるかな……)

483: 2013/09/22(日) 01:09:51 ID:zJtx2w2A

トラ猫エレン(……俺は本当に正しい選択が出来たのかな?ペトラさんはそう言ってくれたけど)

トラ猫エレン(それに女型の中身を捕らえたって話だけど……あの声はなんだったんだろう……断末魔?)

トラ猫エレン(……本当に捕まったんだとしてもやっぱり……仲間が氏にすぎてる……)


.

484: 2013/09/22(日) 01:11:30 ID:zJtx2w2A

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

リヴァイ「――遅い!!さっさと決めろ!!」

エレン「――進みます!!」

「うあぁぁぁ!」

エレン「!」

「はなせぇぇぇ!!」

バチュッ!

エレン「……!」グッ

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


.

485: 2013/09/22(日) 01:15:14 ID:zJtx2w2A

トラ猫エレン『……』

トラ猫エレン(……俺が……俺が選択した。今更俺が言えた事でもない……)

ペトラ「どうしたの?エレン」

トラ猫エレン『あ、いえ、別に』

オルオ「こんな時に眠くなったとか言うなよ?」

グンタ「仔猫だと眠くなりやすいって話だからな」

エルド「ずっとフードの中だからな……もしかして疲れたのか?」

トラ猫エレン『だ、大丈夫です』

トラ猫エレン(女型は捕まったんだ……後はせめて……今いる皆で無事に帰ろう)

エレン(そう……選択したんだ……)



.

486: 2013/09/22(日) 01:17:04 ID:zJtx2w2A

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

パシュッ!ギュイィィ

アニ「!」

アニ(あれはリヴァイ班……同じ方向に来ちゃったか……方向を変えないと……)

アニ「……!?」

.

487: 2013/09/22(日) 01:19:17 ID:zJtx2w2A

ペトラ「ね、エレン」ヒョイ

トラ猫エレン『わっ』

ペトラ「次は私のフードに入ってて」

トラ猫エレン『何故ですか?』

ペトラ「だって可愛いんだもん。エルドが羨ましくて仕様がなかったんだよ」
グンタ「そんな理由で入れ替えるなよ……」ヒョイッ

ペトラ「あっ!返してよ」

オルオ「……俺のフードに入っていればいい」ヒョイッ

エルド「お前らな……」

488: 2013/09/22(日) 01:21:34 ID:zJtx2w2A


アニ(猫……?何故こんな所で……)スタッ

アニ(…………猫?)

アニ(……猫化薬!?)

アニ(まさか!?あれは……あれはエレン!?)

アニ(だとすればどうする!?巨人化したところであんな小さな猫を捕まえられる?)



トラ猫エレン『もう、やめてくださいよ!』ジタバタ…ストッ

オルオ「あ」

トラ猫エレン『早く本部に戻りましょうよ!』

エルド「全くその通りだな」

489: 2013/09/22(日) 01:25:19 ID:zJtx2w2A

アニ(……本部と合流されてはまずい!とにかくリヴァイ班をこ……どうにかした後でエレンを回収する!)ガリッ

――カッ!

リヴァイ班「「「「!!??」」」」

トラ猫エレン『あれは……!?』

ドォ……ドォドォドォ!

リヴァイ班「「「「女型の巨人!?」」」」

トラ猫エレン『……そんな!!どうして!?捕まったんじゃなかったのかよ!?』

エルド「立体機動に移れ!!」

オルオ「エレン!こっちに来い!早くしろ!!」

トラ猫エレン(女型が近すぎる!!この距離じゃ立体機動に移ったところで……!!)

492: 2013/09/24(火) 00:11:21 ID:35NymrsI

トラ猫エレン『くっ』ダッ

ペトラ「エレン!?」

オルオ「何してやがるガキ!!」

グンタ「女型に向かって行ってどうするつもりだ!!」

エルド「……まさか!?巨人化するつもりか!?」

ペトラオルオグンタ「「「!?」」」

ペトラ「猫化で出来るかどうかも分からないのに!?」

グンタ「無茶だ!」

オルオ「あのバカが!」

トラ猫エレン(……捕まったと思った女型がここにいる。……捕獲作戦は失敗したんだ……)ダダダダ

493: 2013/09/24(火) 00:14:14 ID:35NymrsI

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ペトラ「――背後より増援!」

パシュッ!パシュッ!

ギュイィィィ!!

――ドォ!ズリィィィ…

――ブチッ!バチャッ!

エレン「――っ」


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


エレン「――リヴァイ班がやらなくて誰があいつを止められるんですか!」

バチィン!

エレン「!! また氏んだ!助けられたかもしれないのに……」


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

トラ猫エレン(……あの女型は沢山の仲間を頃した……)

494: 2013/09/24(火) 00:16:39 ID:35NymrsI

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


エレン「――進みます!!」

「うあぁぁぁ!」

エレン「!」

「はなせぇぇぇ!!」

バチュッ!


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


トラ猫エレン(俺は……作戦の為に仲間を見頃しにした……)

495: 2013/09/24(火) 00:18:30 ID:35NymrsI

トラ猫エレン(皆で……今いる皆で帰ると選択した……)

トラ猫エレン(……だからせめて……せめて俺が女型を……!!そしてリヴァイ班の皆を――)

ザザザーキッ!

トラ猫エレン『――――氏なせない!!』ガニュッ!

――カッ!

496: 2013/09/24(火) 00:22:30 ID:35NymrsI

猫巨人エレン『ガアァァァァ!!』

女型巨人「!!???」ザザザ!

エルド「巨人化……した……」

ペトラ「……か……可愛くない……も……猛獣系?」

オルオ「と……いうか……猫系巨人だな……」

グンタ「トラ猫の巨人……二本足で立ってる……」

女型巨人(な、何?前に見たエレンと違う……本当にエレン?)オロオロ

猫巨人エレン『ニ゙アァァァァアァァァァ!!!』



.

497: 2013/09/24(火) 00:26:49 ID:35NymrsI

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


リヴァイ「!?」

リヴァイ(女型の声とは違う……この声……まさか……)

リヴァイ(あっちか)ヒュッ!



.

498: 2013/09/24(火) 00:28:26 ID:35NymrsI

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ミカサ「!?」

ミカサ「……!?エレン!?」ヒュンッ

サシャ「ちょ!?なん!?えぇ!?ど、どこ行くんですか、ミカサ戻って!!て言うか今の猫っぽくなかったですかー!?」



.

499: 2013/09/24(火) 00:31:04 ID:35NymrsI

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ペトラ「エレン……なんて無茶を……」ヒュンッ

オルオ「あのクソガキ!俺らを信じてねぇのか!?」ヒュッ

エルド「……いや、俺らの為に突っ込んだんだろう」ヒュッ

オルオ「なに!?」スタッ

エルド「女型が近すぎた。あのまま立体機動に移ったとしてもまともな攻撃体勢を整える前に女型に追いつかれていただろうな」スタッ

オルオ「それは……ちっ!」

グンタ「一か八かに賭けたのか……」スタッ

ペトラ「下手したら潰されてかもしれないのに!」スタッ

エルド「……まあ、仔猫だしな……うまくいかなかったとしてもエレンは逃げ切れたかもしれない……」

エルド(……しかしいきなり向かって行くとは……エレンは逃げなかったかもしれないな)

500: 2013/09/24(火) 00:34:40 ID:35NymrsI

グンタ「しかしどうする?巨人同士……?巨人同士の戦いに入り込むのは危険だ」

ペトラ「確かに……巨人……?巨人同士の間に入れない」

オルオ「巨人……?巨人同士の間に入るなんざ自殺行為だぞ!?」

エルド「エレンも巨人でいい!巨人で!」

エルド「……隙をつければ補佐していこう……ただ」

ペトラ「ただ?」

エルド「エレンに意識があるかがわからない……下手をするとエレンに殺られるかもな……」

ペトラオルオグンタ「「「……」」」ゴクンッ

501: 2013/09/24(火) 00:36:24 ID:35NymrsI

猫巨人エレン『シャアァァァ!!』

女型巨人(えぇ!?四つん這いで襲ってくる!?)サッ!

ガゴンッ!メキメキ……ドドォーン

ペトラ「うわっ!腐りかけてた樹の下敷きに!痛そう……」

グンタ「何本か倒れたな……暫く抜け出せないかもな……」

女型巨人(こ、これどうしたらいいんだろう?)オロオロ

グンタ「……?心なしか女型が慌ててないか?」

エルド「……あんな巨人に会うのは初めてなんだろうな……」

オルオ「今のうちに削げねぇか……?」

エルド「……少し近づいておこう」パシュッ

502: 2013/09/24(火) 00:38:32 ID:35NymrsI

女型巨人(ともかく……エレン……?をうなじから取り出して連れていけばいい)ズゥン

猫巨人エレン『……グ……ガ……』

猫巨人エレン(うまく身体を操れない……猫型だからか!?)グググ

猫巨人エレン(……くそっ!倒れた樹が腹に……!!動けねぇ!!)ガッ!

エルド(女型はエレンに気がいっている……)チラッ

ペトラオルオグンタ「「「……」」」コクン

パシュッ!ギュイィィィ

女型巨人「!?」グルンッ

エルド「うおぉぉぉ!!」

女型巨人(不意をついたつもり……?後ろから来るなんて……バレてるよ)ゴォ!

503: 2013/09/24(火) 00:41:36 ID:35NymrsI

エルド「……」パシュッ

キュイィィィ!

女型巨人(後ろへ引いた!?)ブンッ

ヒュンッ!ヒュンッ!

女型巨人「!?」

女型巨人(目を狙ってる!?くっ……!!)ザッ

グンタ「――っ!」ガクッ

グンタ「――ぬぁぁぁ!」ギュイィィィ

ペトラ「はあぁぁぁ!!」

ザシュッ!ザシュッ!
パシュッ!

504: 2013/09/24(火) 00:44:21 ID:35NymrsI

女型巨人(くっ!間に合わなかった!右目がやられた!!左はまぶたを……!!)

グンタ「くそっ!一歩引かれてずらされた!!」

エルド「左目は目の上をやった!視界は自らの血で多少悪い筈だ!」ギュイィィィ

ペトラ「オルオ!」ヒュンッ

オルオ「上等!!」ギュイィィィ

女型巨人「!?」

女型巨人(いつの間にうなじにアンカーが!?)

オルオ「氏ねッ!」

女型巨人(マズッ……!)ビキビキ

ガッ!!

ペトラ「やっ……!」

505: 2013/09/24(火) 00:46:53 ID:35NymrsI

――キンッ!!

リヴァイ班「「「「――なっ!?」」」」

オルオ「何故だ……刃が通らねぇ!?」

女型巨人(間に合った……右側にいる?)ゴォ!

ペトラ「!? 危ない!!」

オルオ(!! くっ!後ろの樹にアンカーを!!)パシュッ

クンッ!キュイィィィ!

女型巨人「……」ブンッ

オルオ「うぉっ!ぎりぎり……!!」

グンタ「うまく避けたか」ホッ

506: 2013/09/24(火) 00:49:32 ID:35NymrsI

女型巨人(当たらなかった……まともに攻撃しようにも見えない……早く治さないと……)シュウゥゥ

エルド「奴は……身体の一部を硬化出来るのか!?」

オルオ「なんだそりゃ!?聞いたことねぇぞ!!」スタッ

エルド(だが……目は削げた……)

女型巨人「……」ボロ…ボロ…

エルド「!?」

エルド(……うなじの硬化した部分が剥がれている?)

エルド「……維持は出来ないのか……?」

507: 2013/09/24(火) 00:53:40 ID:35NymrsI

ペトラ「どうすればいいの?」スタッ

グンタ「どうするもなにも……」スタッ


女型巨人(さすが精鋭……攻撃が速い。……左も見えづらい……どのみち片目だけじゃ不利だ……)ズゥン

エルド「うなじを隠して木にもたれた……目の回復を待つのか……」

オルオ「どうする?左目はすぐに治るぞ」

エルド「……このまま攻撃するのは危険だ……とは言え黙って回復させる訳には……」

猫巨人エレン(……すげぇ!あっという間に女型の目を片目とは言え奪った!)

猫巨人エレン(オルオさんはうなじにまで……だけどさっきのあれはなんだ?刃が通らなかった……)グググ

猫巨人エレン(くっそ!後少しで抜け出せるのに!!)ガッガッ

508: 2013/09/24(火) 00:55:36 ID:35NymrsI

パシュッ!パシュッ!

エルド「うおぉぉぉ」ギュイィィィ

グンタ「ぬおぉぉぉ」ギュイィィィ

女型巨人(やっぱり見えない右側からくるか……)ギョロッブンッ

ヒュンッヒュンッ

女型巨人(素通り!?)

――ザシュッザシュッ

女型巨人(なっ!?)

ペトラ「……」ヒュンッ

オルオ「……」ヒュンッ

510: 2013/09/24(火) 00:57:25 ID:35NymrsI

女型巨人(敢えて左側を!?下から肩をやられた……!!)

ザシュッザシュッ

女型巨人(!? ……くっ!右側の肩も……)

エルド(今見えている左目をやるのは危険だ。まずは腕を使えないよう肩を削いでいく。……だがそろそろまずいか……)チラッ

ペトラオルオグンタ「「「……」」」コクン

―左側の樹―

ギュイィィィ……スタッ

エルド「思った通りだ。攻撃されると分からなければ硬化は出来ないみたいだ」

オルオ「……少ししか削げなかったな」

エルド「少しでもいい、体力が無尽蔵というわけでもない筈だ。削っておけばエレンが有利になる」

女型巨人「……」パチチッッ

511: 2013/09/24(火) 01:00:08 ID:35NymrsI

―右側の樹―

ペトラ「エレン、何してるの!」スタッ

グンタ「なかなか抜け出せないみたいだな」スタッ

女型巨人「……」パチンッギョロッ


オルオ「なっ!右目が……!!早すぎる!」

エルド「左のまぶたの傷は癒えていない……?意図的に治す場所を選べるのか!?この……化け物めっ!!」

女型巨人「……」ズゥン

エルド「!! ペトラ!!グンタ!!」

512: 2013/09/24(火) 01:02:24 ID:35NymrsI

ペトラグンタ「「え?」」

女型巨人「……」スッ

ペトラ「嘘……もう右目が……」

グンタ「なっ……構えた?」

ペトラ「でもそこからじゃここまで届か……」

ヒュンッ!バキッ!!

グンタ「け、蹴りで樹を……」

ペトラ「折った!?」

――バキバキバキ!

猫巨人エレン(えっ?)ガバッ

猫巨人エレン(な、なんで樹が倒れて……?)

猫巨人エレン(くっ!後一本だけなのに!!抜け出すのに必氏で見てなかった……!)

猫巨人エレン(それに倒れてきてる樹のせいでよく見えない!!何が起きたんだ!?皆は!?)

517: 2013/09/26(木) 20:48:22 ID:30/9AdHg

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


――バキバキッメキメキメキ……

グンタ「まずい!!」

ペトラ「巻き込まれる!?」



オルオ「――!!」パシュッ!

エルド「オルオ!!……くそっ!!」パシュッ!



ペトラ「くっ!」パシュッ!

グンタ「間に合うか……!」パシュッ!


.

518: 2013/09/26(木) 20:53:31 ID:30/9AdHg

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


――バキバキメキメキ……

ドドォン……

猫巨人エレン『ア……ガ……?』

猫巨人エレン(樹が……リヴァイ班の皆が……)

女型巨人「……」ズゥン

猫巨人エレン(嘘……だろ……?すぐに油断してる女型を削ぎに出て……)

女型巨人「……」ズンッ

猫巨人エレン(何……してんだよ……女型は今、俺しか目に入ってないんだ……今なら削げる……皆……)

猫巨人エレン(嘘……だよな?)

女型巨人「……」ドン

猫巨人エレン『ア゙ア゙……』

519: 2013/09/26(木) 20:58:15 ID:30/9AdHg

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


――グンタ『お前の身を確実に隠せるからだ』

――エルド『……俺等の役目はエレン、お前を護ることだ』

――ペトラ『壁内に戻るまでそのままでいてね、エレン』

――オルオ『エレン!こっちに来い!早くしろ!!』


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

.

520: 2013/09/26(木) 21:03:17 ID:30/9AdHg


猫巨人エレン『グ……ガ……』

猫巨人エレン(――嘘だ!!嘘だうそだうそダ……うソダ!!)

猫巨人エレン『ア゙……ア゙……』ガッ!

ガブッ!!

猫巨人エレン『――グゴアァァァァァァァ!!』

ガラガラーン!!

女型巨人(樹を噛んではね飛ばした!?)

猫巨人エレン『……フー……フー……』ユラリ…

521: 2013/09/26(木) 21:08:09 ID:30/9AdHg

猫巨人エレン(――コロす!!)ギラッ!!

女型巨人「!!」ビクッ!

猫巨人エレン『ナ゙アァァァァ!!』ダッ

女型巨人(また獣みたいに!?……でも口であんな巨大樹を投げるもんだからボロボロになってるね……)

ザザッ!

猫巨人エレン(避けラれた!?)ザザザザ

女型巨人(……両腕とも今はまともに使えない……)

――シュルッグイッ!

女型巨人「!?」

522: 2013/09/26(木) 21:13:17 ID:30/9AdHg

ズッダーンッ!!

女型巨人エレン(い、今の……尻尾!?)

猫巨人エレン『ガアァァァァ!!』ドスンッ

女型巨人(馬乗りになられた……腕を早く治さないと……)

猫巨人エレン『フー……フー……』シュゥゥ

猫巨人エレン(……俺が……早く抜け出していれば……一緒に戦えていれば……)

猫巨人エレン『……』シュゥゥ

523: 2013/09/26(木) 21:16:33 ID:30/9AdHg
しまった!!女型巨人エレンになっとる!!
脳内削除で……。ああ……シリアス展開中なのに……。

524: 2013/09/26(木) 21:20:10 ID:30/9AdHg

猫巨人エレン(……イヤ……もっと前にあの時に戦っていれば……リヴァイ兵長もいたんだ……絶対に勝てた)

猫巨人エレン(そうしていたら……あんなに人が氏なずに済んだかもしれない……リヴァイ班の皆だって……)



――リヴァイ『――エレン』
――リヴァイ『お前は間違ってない、やりたきゃやれ』



猫巨人エレン『――――』

猫巨人エレン(そう……だ……俺が……俺が選んだ。仲間を見頃しにしてでも信じたんだ。……だからせめて……リヴァイ班の皆だけでも……って)ユラッ


ミシミシ……パキパキ……


猫巨人エレン『――――』

猫巨人エレン(助けられなかった……樹なんかの下敷きになって動けなかったなんて……馬鹿な俺の……せいで)

女型巨人「……」シュゥゥ

猫巨人エレン(――だけど!!やっぱり……お前が……)

525: 2013/09/26(木) 21:25:23 ID:30/9AdHg

猫巨人エレン(――お前が悪いっ!!)ギリッ

猫巨人エレン『オナ゙ェ!!ガァッ!!』

女型巨人「……」フイッ…

猫巨人エレン『ナ゙ァ!!ニ゙ァァ!!』

猫巨人エレン(引きちぎってやる――食いちぎって食いちギってグチャグチャにシテ……から)

猫巨人エレン(クッテヤる――)

猫巨人エレン『ニ゙ヤアァァァァ!!!』

女型巨人「……」ググッ



.

526: 2013/09/26(木) 21:30:07 ID:30/9AdHg

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――森の中――


ミシミシパキパキ……パラパラ……

エルド「――っ!ペトラ!オルオ!無事か!?」

グンタ「うっ……くそっ!!」ズキンッ

エルド「動くなグンタ。腕をやられたんだ……」

グンタ「お前こそ……足をやっちまってるだろ」

エルド「……ああ」

527: 2013/09/26(木) 21:35:15 ID:30/9AdHg

オルオ「エルド、グンタ……」

エルド「オルオ!生きてたか……」ホッ

グンタ「ペトラは……?」

ペトラ「……いるよ」

エルド「全員無事か……」

オルオ「無事……とは言い難いけどな……」



.

528: 2013/09/26(木) 21:40:08 ID:30/9AdHg

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――数分前――


メキメキメキ……バキバキッ

オルオ「他の樹が!!」

エルド「巻き込まれて倒れてるのか!!」

オルオ「!」


ペトラ「くっ!」ギュイィィ


オルオ「ペトラ!!」パシュッ!

529: 2013/09/26(木) 21:45:55 ID:30/9AdHg

エルド「オルオ! ――!」

グンタ「クソッ!次々倒れてきやがる!!」ギュイィィ

エルド「グンタ!こっちだ!!」

グンタ「エルド……!?」パシュッ

バキバキザザザッ!

エルド「! グンタ!上!!」

グンタ「!?」

ザザザザザッバキバキ!

グンタ「巨木の枝……!?」ギュイィィ

ザザザ――クンッ

530: 2013/09/26(木) 21:50:07 ID:30/9AdHg

グンタ「しまっ……!ワイヤーがっ!!」

グンタ(――正面から樹にぶつかるっ!?)



――母『……気をつけてね……』

――祖父『……頑張ってこい……』



グンタ「――っ!!」パシュッ

グンタ(アンカーを別に打って勢いを頃す……)グルンッ

グンタ(そして……せめて横から――!!)

――ドゴンッ

グンタ「……ぐぁっ!!」メキッ

531: 2013/09/26(木) 21:55:13 ID:30/9AdHg

エルド「グンタ!!」ギュイィィ

バキバキ……

エルド「!! こっちの樹が倒れて……!!くっ」パシュッ!

メキメキメキ……

エルド「くっそ!間に合わないっ……!?潰される……!!」



――彼女『……エルド……』ニコッ



エルド「――っ!!……氏……ねるかぁっ!!」ドッ!

――ダンッ!ギュイィィィ!

エルド「――ぐっ!」ミシッ!

エルド(足が……!)


.

532: 2013/09/26(木) 22:00:14 ID:30/9AdHg



オルオ「ペトラ!こっちに来い!!」ギュイィィ

ペトラ「オルオ……!」

バキバキ……クンッ

ペトラ「あっ!」ガクンッ

オルオ「ワイヤーが樹に……ペトラ手を!!」バッ

ペトラ「オルオ!」ガシッ!

――ガクンッ!シュルル

オルオ(――駄目だ!ペトラのワイヤーは巻き取れたがバランスが……樹にぶつかる!!)

533: 2013/09/26(木) 22:05:34 ID:30/9AdHg

オルオ「くっ……!!」グイッ!ギュッ…

ペトラ「!」

――ドカッ!!

オルオ「がはっ!」ミシッ

ペトラ「オルオ!!」

ズル……ドサッ!

ペトラ「――っつ!」

オルオ「くっ!」

オルオ(高度が落ちてて助かった……)

534: 2013/09/26(木) 22:11:05 ID:30/9AdHg

オルオ「ペトラ、無事か!?――っ!」ズキズキ

ペトラ「オルオ!大丈夫!?」

オルオ(これは肋(あばら)をやったか……折れてはいないみたいだが)

オルオ「……ああ、大丈夫だ。お前は……?」

ペトラ「……大きな怪我はないよ」ズキズキ

オルオ「……腕をやっちまったか……悪い」

ペトラ「何言ってんの……助かった。ありがとう……オルオ」



.

535: 2013/09/26(木) 22:15:25 ID:30/9AdHg

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

―――
――



エルド「――グンタとペトラは左腕、オルオは肋、俺は足……か……」


ドスンドスンザザザ!!

『ガアァァァァ!!』


オルオ「……エレンが戦ってるのか」

グンタ「樹から抜け出せたんだな……」

ペトラ「でも……私達がこれじゃ」

グンタ「……立体機動でなんとか移動は出来るが攻撃はな……」

ペトラ「うん……」

エルド「俺も似たようなもんだ」

オルオ「……」

536: 2013/09/26(木) 22:20:39 ID:30/9AdHg

オルオ「とにかく、樹の上に上がろうぜ。下にいつまでもいるのは危険だからな」

エルド「……そうだな。いけるか?二人とも」

グンタ「大丈夫だ」

ペトラ「うん」

パシュシュシュシュッ!


『ニ゙ヤアァァァァ!!!』

リヴァイ班「「「「!?」」」」スタッ

ペトラ「エレン!?」

グンタ「女型を押さえ込んで……」


女型巨人「――!!」ガバッ!

ガシッ!ズボッ!

エルド「抜け出した!?」

537: 2013/09/26(木) 22:25:32 ID:30/9AdHg

猫巨人エレン『――!』ブンッ!

女型巨人「……」サッ

ガッ!ググゥ……

オルオ「中に入り込んだ……足が腹に……蹴り出すつもりか!?」

――ドォ!!ドゴォン!!

ペトラ「エレンが蹴り飛ばされた!!」

猫巨人エレン『シャアァァァ!!』スタッ!!ドォドォドォッ!

女型巨人「……」グッビキビキ…

グンタ「腕を……硬化……?」

――ドガッ!!

538: 2013/09/26(木) 22:30:08 ID:30/9AdHg

エルド「エレンの顎が……吹き飛んだ……」

猫巨人エレン『――』ギョロッ

キシィィィィ……!

ペトラ「歯を……腕に添って滑らして……」

オルオ「――やれっ!エレン!!」

――ドッ!!バキバキバキ……

グンタ「女型が……飛んだ……」

――ドォン!!

猫巨人エレン『ァアアアア!!』ドォドォドォ!

539: 2013/09/26(木) 22:35:23 ID:30/9AdHg


オルオ「――いだだだだ……」

ペトラ「肋痛めてるのに大声出すからだよ……大丈夫?」

オルオ「なんとか……」ナミダメ

――ドォン!!

エルド「くそっ!!エレンの膝蹴りを避けやがった!!」

女型巨人「……」

女型巨人(……もう……これしかない……か……)ビキ…

猫巨人エレン『……』ググッ

ビキビキビキビキ……

女型巨人「……」スッ

猫巨人エレン『――――』

540: 2013/09/26(木) 22:40:38 ID:30/9AdHg

グンタ「あの構えは……!!」

ペトラ「さっき樹を折った……」

エルド「あれはまずい!!」

オルオ「何をボーッとしてやがる!エレン!!」

猫巨人エレン『……ア』


――ヒュッ――


リヴァイ班「「「「――なっ!!?」」」」



バキバキバキ……ズゥゥン

548: 2013/09/30(月) 20:07:34 ID:ClS14VW6


エルド「一蹴りで……」

グンタ「エレンの顔ごと樹まで吹き飛ばした……」

ペトラ「信じ……られない」

オルオ「エレン……」

女型巨人「……」ガシッ

パカッ……ブチブチ……ガブッ

グンタ「!?」

549: 2013/09/30(月) 20:12:16 ID:ClS14VW6

ペトラ「首に噛みついた……エレン!!」

――ビリィィ!!

エルド「うなじを引き裂――」

トラ猫エレン『――――』

エルド「……猫のまま……なのか……」

女型巨人(……ちっちゃい……大丈夫……かな?)グワッ

オルオ「……ま、待て!!くそ女型っ!!――ぐっ!!」ズキッ


ミカサ「――エレン!!!」


リヴァイ班「「「「――ミカサ!?」」」」

550: 2013/09/30(月) 20:15:02 ID:ClS14VW6

――ガブヂュ……ブチッ!

ミカサ「あ……」

――ズル……

ミカサ「――」ズキンッ

女型巨人「……」グイッ

――ズシン、ズシン

ミカサ「ま……待って……エレン……」


ミカサ「……行かないで……」

551: 2013/09/30(月) 20:18:43 ID:ClS14VW6


ズシンズシン

ミカサ「――――」ギリッ!!

――パシュッ!!

ペトラ「ミカサ!!待って!一人じゃ……っつ!!」ズキッ

オルオ「ペトラ!」

グンタ「……くそっ!せめて囮に……くっ!」ズキッ

エルド「……今の俺たちじゃ女型に追いつく事さえ……!!」ギリィッ!!

オルオ「……」カチャッ

グンタ「オルオ!?」

552: 2013/09/30(月) 20:23:40 ID:ClS14VW6

オルオ「……俺が行く」

ペトラ「何言ってんの!?」

オルオ「この中じゃ俺が一番マシだろ。行ってくる」ザッ

グンタ「待て!オルオ!!」

エルド「オルオ!マシじゃないだろ!!お前が一番怪我が重いだろうが!!」ガシッ

オルオ「離――」

ギュイィィィ!!

553: 2013/09/30(月) 20:28:17 ID:ClS14VW6

オルオ「!? リヴァイ兵長!!」

リヴァイ「! お前ら」パシュッ!ギュイィィ

――スタッ

リヴァイ「無事……じゃあなさそうだな……」

リヴァイ班「「「「……」」」」

リヴァイ「エレンはどこだ?」

ペトラ「――ミカサが!新兵が一人でエレンを連れ去った女型を追いかけてます!!」

リヴァイ「何?」

グンタ「女型が巨人化した猫のエレンをうなじごとかじって……」

リヴァイ「?」

エルド「ああ!猫化薬を飲んで仔猫になったエレンが巨人化したんです」

リヴァイ「…………そうか」

554: 2013/09/30(月) 20:33:48 ID:ClS14VW6

オルオ「今、追いかけるところだったんです。早く行きましょう、兵長!」

ペトラ「ちょっとオルオ!!」

グンタ「オルオ!お前も怪我してんだろうが!!」

オルオ「この程度の怪我なんざ怪我じゃねぇよ」

エルド「オルオ!!無茶をするな!氏ぬぞ!!」

オルオ「新兵が一人で女型に向かってんだぞ!?黙って待っていられる――っつ!!」ズキンッ!!

リヴァイ(肋をやったか……)

リヴァイ「……お前らは本部と合流しろ。足手纏い(まとい)だ」カチャッ

オルオ「――待ってください!兵長!!」

555: 2013/09/30(月) 20:38:16 ID:ClS14VW6

リヴァイ「足手纏いだと言ってる。時間が惜しい。問答に付き合っている暇はない」ザッ

オルオ「兵……!!」

リヴァイ「……オルオ、一人で戦っている新兵のガキを氏なせてぇのか?」

オルオ「――っ!!」

リヴァイ「……命の使い道を違えるな」パシュッ

オルオ「……兵長……」

エルド「……オルオ、皆同じ気持ちなんだ」

グンタ「無茶してお前に何かあったら兵長が背負い込むことになるんだぞ」

ペトラ「……兵長が言ってる事、分からない訳じゃないよね?」

オルオ「……分かってる。……分かってるよ……」

556: 2013/09/30(月) 20:44:04 ID:ClS14VW6

ペトラ「……ごめんね」グスッ

オルオ「お、お前のせいじゃねぇだろ!?」オロオロオルオ

ペトラ「……」

オルオ「あー……えー……。!! そ、そういえば!!」

ペトラ「?」

オルオ「ミ、ミカサはよくあれがエレンだと分かったな」

エルド「そういえばそうだな……」

オルオ「猫になったエレンを一度も見たことなかったよな?」

ペトラ「確かに……」

557: 2013/09/30(月) 20:48:16 ID:ClS14VW6

グンタ「……前にライナーが、ミカサはエレンの事になると周りが見えなくなる時がある、と言っていたが……」

エルド「……猫になってた時もずっと肩に乗って降りなかったな……」

オルオ「なんの関係があんだ?」

ペトラ「鈍いな!ミカサは誰より何よりエレンが大事なんだって事でしょ!?」

グンタ「幼馴染みだし、常に身近にいたようだから仕草や雰囲気で分かるのかもな……」

ペトラ「……でも猫だよ?」

オルオ「……今やミカサはエレンがどんな姿でも分かると……」

リヴァイ班「「「「……」」」」

リヴァイ班((((……ミカサって……))))

558: 2013/09/30(月) 20:53:44 ID:ClS14VW6

グンタ「……話をしている場合じゃないな……本部と合流しよう」

エルド「そうだな、情報を伝えないと」

ペトラ「……出来れば増援もね……間に合うとは思えないけど……」

オルオ「……エレン……絶対戻ってこいよ。帰るまでが壁外遠征だからな……」

リヴァイ班((((ミカサ……兵長……どうかご無事で……))))

パシュ……


.

559: 2013/09/30(月) 20:56:26 ID:ClS14VW6

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ミカサ「……」ギュイィィ

――ヒュッ!ザクッ!!

女型巨人(足を……!)ガクンッ

ドザザザザ!!

ミカサ「――エレンを……」ヒュン

ミカサ「返せっ!!」ゴォ!

女型巨人「……」ビキビキ…

ガッ!

――キンッ!!

ミカサ「クッ!!何故!?刃が……通らない!!」スタッ

女型巨人「……」

ミカサ「……絶対……生きてる」

560: 2013/09/30(月) 20:59:19 ID:ClS14VW6

ミカサ「絶対に……エレンは……生きてる」ガチャッ!シャッ

ミカサ「どこにいたって……その女頃して……体中かっさばいて……その汚い所から出してあげるから……」キンッ

ミカサ「ごめんね、エレン。もう少しだけ……」

女型巨人「……」ヒュッ

ミカサ「待ってて」トンッ

ドゴォ!

女型巨人(……避けられたか……)ダッ

ミカサ「――待て!!」

――ドッ!!

リヴァイ「同じだ……一旦離れろ」ガシッ

ミカサ「……ぐっ」

561: 2013/09/30(月) 21:02:06 ID:ClS14VW6



――ドォドォドォ……!!


リヴァイ「この距離を保て。ヤツも疲弊したか、それほど速力はないように見える」

ミカサ「……ゲホッ……」

リヴァイ「女型に連れ去られたと聞いた。うなじごとかじりとられていたようだが……」

ミカサ「聞いた……?」

リヴァイ「俺の班の連中にな……全員負傷していたから置いてきたが……」

ミカサ「あ。あの……人達……」

ミカサ(生きて……)ホッ

リヴァイ「連れ去られた、と聞いたが食われたようだな。エレンは氏んだのか?」

ミカサ「……」キッ

ミカサ「エレンは生きてます。目標には知性があるようですが、その目的はエレンを連れ去る事です」

562: 2013/09/30(月) 21:04:21 ID:ClS14VW6

ミカサ「頃したいのなら潰すはず……目的はわざわざ口に含んで戦いながら逃げています」

リヴァイ「エレンを食うことが目的かもしれん。そうなればエレンは胃袋だ……普通に考えれば氏んでるが……」

ミカサ「生きてます」

リヴァイ「……だといいな」

ミカサ「……」

ミカサ「……そもそもは……あなたがエレンを守っていればこんなことにはならなかった……」

リヴァイ「……」

ミカサ「……」

リヴァイ「お前は……あの時のエレンのなじみか……」

563: 2013/09/30(月) 21:06:18 ID:ClS14VW6

ミカサ「……」

リヴァイ「そうか……」

――ヒョオォォォ……

ミカサ「……?」

リヴァイ「……目的を一つに絞るぞ。まず……女型を仕留めることは諦める」

ミカサ「ヤツは……仲間をたくさん頃しています」

リヴァイ「あの硬化させる能力がある以上は無理だ。俺の判断に従え」

リヴァイ「――エレンが生きてることにすべての望みを懸け……ヤツが森を抜ける前にエレンを救い出す」

リヴァイ「俺がヤツを削る……お前はヤツの注意を引け」

564: 2013/09/30(月) 21:08:05 ID:ClS14VW6

――ギュイィィィ!

女型巨人(……来たね……ミカサ)

ミカサ「……」クルッ…バッ!


――ヒュンッ

リヴァイ「……」チャッ

女型巨人(――なんてね、後ろからだろ)グルンッ

――ブンッ!ゴオォォォ!

リヴァイ「――――」カチャッ

――ビュッ!ビシュッビシュシュ!!

女型巨人(――なっ!?一気に腕を削がれ――)

――ゴォッ!

女型巨人(速っ――)

――ボチュッ!!

565: 2013/09/30(月) 21:10:30 ID:ClS14VW6

リヴァイ「……」ズボッ!ヒュンッ

女型巨人(両目を……!!刃が中に……くっ!うなじだけは……)ヨロッ…サッ…

リヴァイ「――」カチャッ!キンッ…

――ギュンッ!!
ビュッドシュシュシュビシュッ!!!

女型巨人「!!!?」ガクッ

ズシンッ!!ドドォ!!

女型巨人(――っ!身体中を……!!暫く立てない……)

ミカサ(――速い!)ギュイィィ

ミカサ(速すぎて……硬化で防ぐヒマも無い)

リヴァイ「――」ゴオォォォ!

――ビシュッ!バシュッビシュッ

女型巨人(片腕が……この人は……桁が違うっ!)ダラン

ミカサ「!!」

566: 2013/09/30(月) 21:12:10 ID:ClS14VW6

ミカサ(うなじが……!!)

女型巨人「……」

ミカサ(狙える!)ギュイィィ

ミカサ(疲弊してる!きっと動けない)ドクンッ

ミカサ(――殺せる)ドクンッ!!

パシュッ!カッ!

女型巨人「……」ピクン

リヴァイ「!」タッ

――ギュイィィィ

リヴァイ「――よせ!!」ダンッ!

ミカサ「!?」

ミカサ「――――」ギリッ

ゴォッ!!

567: 2013/09/30(月) 21:14:12 ID:ClS14VW6

女型巨人(……左)

ブンッ!

ミカサ「――!!」

――ヒュッ――

リヴァイ「――」ドンッ

ミカサ「!」

――ガンッ!!

リヴァイ「――――っ」ビキィッ!

ミカサ(…………足を……!)

リヴァイ「……」ギリッ

――ギュンッ!
ザクッ……ズバッ!!

ミカサ(女型の頬を!!)

568: 2013/09/30(月) 21:16:30 ID:ClS14VW6

――ガコッ!ドロ……

トラ猫エレン『』

リヴァイ「エレン……!」

トラ猫エレン『』ズル…

ミカサ「あ!落ち……」

――ガシッ!!

リヴァイ「オイ!!ずらかるぞ!!」ヒュンッ

ミカサ「……!」

ミカサ「エレン……!?」

リヴァイ「……エレンだ。多分無事だ、生きてる……汚ねぇが……」

リヴァイ「もうヤツには関わるな……撤退する」

569: 2013/09/30(月) 21:18:45 ID:ClS14VW6

リヴァイ「……作戦の本質を見失うな。自分の欲求を満たすことの方が大事なのか?」

ミカサ「……」

リヴァイ「――お前の大切な友人だろ?」

ミカサ「……っ」

ミカサ「……違う……私は……」ボソッ

――ギュイィィィ

リヴァイ「……」スッ

リヴァイ「!?」

女型巨人「……」ツゥ…

リヴァイ(……涙……?)

女型巨人「…………」

アニ(失敗……した……。私は…………)



.

570: 2013/09/30(月) 21:20:20 ID:ClS14VW6

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


――――ガラガラガラガラ


トラ猫エレン『――……』パチッ

ドドドドドドドド……

トラ猫エレン(……ここは……)

ペトラ「エレン!起きたの?」

トラ猫エレン『……!?ペ……!?』ガバッ!

ミカサ「エレン!!」

トラ猫エレン『ミカサ!?』

571: 2013/09/30(月) 21:24:55 ID:ClS14VW6

ミカサ「まだ起きてはいけない……安静にして」ドドドド

エルド「ミカサの言う通りだ。まだ動くな」

トラ猫エレン『エルドさん!?』

ペトラ「そうだよ。横に……横?えー……とりあえず寝て」

トラ猫エレン『ペトラさん!?』

グンタ「今は巨人化で疲弊してるんだ」

トラ猫エレン『グンタさん!?』

オルオ「お前は少しはおとなしく出来ねぇのか?」

トラ猫エレン『オルオさん!? 』

オルオ「……何を一々人の名前を叫んでんだ。うるせぇな」

574: 2013/10/03(木) 20:43:53 ID:f1y0cgQE
前より早く来れた……はず。ほしゅありがとう。

投下します。

575: 2013/10/03(木) 20:45:00 ID:f1y0cgQE

トラ猫エレン『い、いや、だって……皆……氏んだんじゃ……?』

リヴァイ班「「「「はぁ?」」」」

トラ猫エレン『だって……樹が倒れて……だからてっきり……』

エルド「ああ……そうか。樹の下敷きになったと思ってたんだな」

トラ猫エレン『は、はい』

グンタ「……まあ、あの状況じゃ仕方ないよな」

ペトラ「ごめんね、エレン。助けに行ってあげられなくて……」

オルオ「……」

トラ猫エレン『い、いえ、そんな……』

トラ猫エレン『……皆さんが……生きていてくれて良かったです……本当に』グスッ

オルオ「……」ポンッ

576: 2013/10/03(木) 20:50:11 ID:f1y0cgQE

トラ猫エレン『……?』

オルオ「……お前もな」

トラ猫エレン『オルオさん……』

オルオ「……それにしてもお前、俺達をなめてんのか?俺達は“精・鋭”だぞ?そう簡単に氏ぬかってんだバカ!!――っつ、いててて」ズキズキ

トラ猫エレン『オルオさん!?』

ミカサ「……エレン、皆さんは怪我をしている。あなたと同じく安静にしていなければならない。おとなしくして」

トラ猫エレン『え!?そういえば皆さん……包帯が……』

エルド「あー、たいした事ないからな」

ペトラ「ちょっと痛めただけだから、すぐ治るよ」

577: 2013/10/03(木) 20:55:38 ID:f1y0cgQE

トラ猫エレン『……俺のせいで……』

オルオ「バカか、お前。俺達は命の使い道を知ってんだ。お前ごときのせいで“精鋭”の俺達が怪我するか。お前は自分を何様だと思ってやがる」

トラ猫エレン『す、すいません』

ミカサ「……」ジロリ

オルオ「おぉ……」ビクッ

グンタ「……まあ、その“命の使い道を知ってる精鋭”とやらは肋をやってんのに、敵に一人で向かって行った新兵と、
連れ去られた誰かを助けに行くんだとリヴァイ兵長に止められるまで駄々をこねてたけどな」

トラ猫エレン『えっ?』

ミカサ「……!」

オルオ「グンタ!おまっ……っつ!!」ガタッ

オルオ「――いってぇ」ズキズキズッキン

ペトラ「あーもう、いきなり動くから……」

578: 2013/10/03(木) 21:00:38 ID:f1y0cgQE

トラ猫エレン『……ありがとうございます』

ミカサ「……ありがとう……ございます」ボソッ

ガラガラガラガラ……

オルオ「やめろ。俺は結局何も――」

ガッタン!!

オルオ「――ガブシュッ」ブシャッ!!

トラ猫エレン『オルオさん!また舌を!?』

ミカサ「!?」ビクッ!

エルド「お前は……」ハァ

グンタ「行きも帰りも舌を噛むのか……」

ペトラ「……」

オルオ「……俺が勝手に怪我しただけだからな。気にし過ぎだ」ボソッ…フキフキ

ペトラ「……うん」

579: 2013/10/03(木) 21:05:29 ID:f1y0cgQE

トラ猫エレン『ミカサ……これお前のマントか?結局……俺はまたお前に助けてもらったのか?』

ミカサ「……」グイッ

エルド「……ミカサとリヴァイ兵長二人に、だな」

トラ猫エレン『リヴァイ兵長と……』

ミカサ「……」

トラ猫エレン『じゃあ……女型は?』

ミカサ「…………逃した」

トラ猫エレン『え……何……で?一体……作戦は……?』

リヴァイ班「「「「……」」」」

ミカサ「失敗した。今は休んで……」

トラ猫エレン『は……?』

580: 2013/10/03(木) 21:10:42 ID:f1y0cgQE

ミカサ「もう……壁に着くから……エレンはマントに隠れてて。猫の姿では……」

トラ猫エレン『……』

トラ猫エレン『分かった……』ゴソゴソ

リヴァイ班「「「「……」」」」


ペトラ(……こんな時に何だけど……私達は壁外調査のちょっと前にまた猫化薬を飲んだからエレンの言葉が分かる……)

グンタ(……ミカサ達はもう副作用は無くなった筈……)

エルド(何故……)

オルオ(どうして……)

リヴァイ班((((ミカサはエレンの言ってる事が分かるんだ??))))



.

581: 2013/10/03(木) 21:15:18 ID:f1y0cgQE

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


――壁内――

「――もう帰ってくるのか?何があったんだ?」

「さあ……?どうせまた山程氏人を抱えて帰ってくんだろうよ……」



.

582: 2013/10/03(木) 21:20:18 ID:f1y0cgQE

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――エルドの家――


エルド彼女「……」

――ガチャッ……スタスタスタ……

エルド母「……エルドが戻ってくるらしいよ」

彼女「…………そう」

彼女(エルド……無事かしら……怪我……してなければいいけれど……)

583: 2013/10/03(木) 21:25:19 ID:f1y0cgQE

母「どうしたんだい?」

彼女「あ、いえ。おばさん、これ洗ってくるね」

母「いつも手伝ってくれてありがとうねぇ」

彼女「おばさん一人で大変だし、ついでだから」ニコッ

母「はぁ……こんな良い娘他にいないってのにあの息子は……何をぐずぐす……」

彼女「お、おばさん///」



.

584: 2013/10/03(木) 21:30:44 ID:f1y0cgQE

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――オルオの家――


バシャバシャ!

オルオ末弟「……」ジー

オルオ父「――オルオのやつ、家に寄る暇があるのかな?」

オルオ母「作っとく分には構わないでしょ!」

父「……まあ、そうだなぁ」

585: 2013/10/03(木) 21:35:23 ID:f1y0cgQE

末弟「ぼくもせんたくするー!」ジタバタ

父「おぉ!?あぶ、危ない!!肩で暴れたら危ないだろう?これ!!」

末弟「やーるーのー」ジタバタ

父「分かった。分かったから髪を引っ張らないでおくれ!いたたた!」

母「こら!落ちたらどうするの?ほら、お父さんがちゃんと下ろしてくれるから」

末弟「はーい」

父「ふー、やれやれ……」



.

586: 2013/10/03(木) 21:40:14 ID:f1y0cgQE

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――グンタの家――


グンタ母「――グンタが戻りますよ」

グンタ祖父「…………そうか」

母「ご飯、作っておいた方がいいですかねぇ」

祖父「……帰ってからでもいいんじゃないか?」

母「そうですかねぇ……」

祖父「そうだよ……」

母「下ごしらえだけはしときましょうかね」

祖父「ふふ……そわそわし過ぎだよ」

母「ふふふ、暫くぶりですから……」



.

587: 2013/10/03(木) 21:45:39 ID:f1y0cgQE

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――門の近く――


ペトラ父「も、もうすぐ帰ってくる……」ソワソワ

ペトラ父「この手紙……」カサッ

ペトラ父「まさか……まさかなぁ……」ソワソワ

ペトラ父「……ペトラ、まだ嫁には出さんぞ!?」



.

588: 2013/10/03(木) 21:50:25 ID:f1y0cgQE

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


――カンカンカンカン!!


「調査兵団が帰ってきたぞ!」

「今朝より数がかなり少なくなってないか?」

「今回はかなり酷いな……」

エリー「もう!どいてよ!見えないー!」

エリー兄「エリー!これに登るぞ」

ガラガラガラ……

「早朝から叫び回って出てったと思ったらもう帰ってきやがった」

トラ猫エレン『……』

589: 2013/10/03(木) 21:55:26 ID:f1y0cgQE

「何しに行ったんだ?」

トラ猫エレン『……』ギリッ

「さぁな。まぁしかし、コイツらのシケた面から察するにだな、俺らの税をドブに捨てる事には成功したらしいぜ」

リヴァイ班「「「「……」」」」

トラ猫エレン『……くっ』ゴソッ

ミカサ「エレン出ちゃダ……」

トラ猫エレン『!』

ミカサ「!」

590: 2013/10/03(木) 22:00:11 ID:f1y0cgQE

エリー兄「あ!」キラキラ

トラ猫エレン『……っ』フイッ

エリー兄「かっけー!!すげぇよ調査兵団!!あんなにボロボロになっても戦い続けてるなんて!!」

エリー(あれ?猫ちゃんがいたような……)

トラ猫エレン『……』フルフル

ミカサ「エレン……」

リヴァイ班「「「「……っ」」」」

591: 2013/10/03(木) 22:05:27 ID:f1y0cgQE

――「リヴァイ兵士長殿!!」

ペトラ「!! お父さん!?」

ペトラ(あれは……手紙……?……なんかすっっごい嫌な予感がする!!)ゾワッ

ペトラ「ごめん!ちょっと!!」スタッ!タタタタ…

トラ猫エレン『え?ペトラさ……』ゴソッ

エルド「エレン、顔を出すな」パサッ

グンタ「……ペトラの親父さんか……」

596: 2013/10/06(日) 20:43:16 ID:gxtyXwH6

ペトラ父「娘が世話になってます!ペトラの父です!娘に見つかる前に話してぇことが……」

リヴァイ「……」

ペトラ父「娘が手紙を寄越してきましてね……腕を見込まれてリヴァイ兵士長に仕えることになったとか……」

ペトラ父「あなたに……」

――スッ

ペトラ父「だ、誰だ!?手紙を――」クルッ

ペトラ「……お父さん」ボソッ

ペトラ父「ペ、ペトラ……!?」

ペトラ父「!! 怪我を……!?」

ペトラ「うん、大丈夫。とりあえず、家に帰ってて?」ゴゴゴ…

597: 2013/10/06(日) 20:49:20 ID:gxtyXwH6

ペトラ父「え、いや……」

ペトラ「家で話そ?……ね?(空気読め)」ゴゴゴゴゴ

ペトラ父(か、顔に空気読めと書いてある……)ブルブル

ペトラ父「わ、分かった、帰るよ……。お引き留めしてすみませんでした。リヴァイ兵士長殿」

リヴァイ「……いや」

――スタスタ……

ペトラ「……うちの父がすみません。言って聞かせておきますので……」

リヴァイ「いい……馬車に戻れ」

ペトラ「……はい」

598: 2013/10/06(日) 20:54:29 ID:gxtyXwH6

――タタタタ……

エルド「戻ったか」

ペトラ「……最悪だよ、お父さん……こんな状況で……」グッタリ

グンタ「……よく声を掛けてきたな……」

オルオ「……あの人空気読めないからな……」

エルドグンタ((……お前が言うか))

ペトラ「本当だよ。もう……しかもよりにもよって兵長に……」ギュッガサッ

オルオ「? なんだそれ」

ペトラ「!! 何でもない!」サッ

ペトラ(この手紙……お父さん、兵長に何を言うつもりだったんだろう……?)ゾッ

599: 2013/10/06(日) 20:59:25 ID:gxtyXwH6

「エルヴィン団長!!今回の遠征でこの犠牲に見合う収穫があったのですか!?」

エルヴィン「……」

トラ猫エレン『!!』

「氏んだ兵士に悔いは無いとお考えですか!?」

トラ猫エレン『……』


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
――ブチッバチャッ!

――『うあぁぁ!はなせぇぇ!!』ブヂュッ!

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.

600: 2013/10/06(日) 21:05:57 ID:gxtyXwH6

トラ猫エレン『……っ』

リヴァイ班「「「「……」」」」

ミカサ「……」

「――答えてください!!」

エルヴィン「……」


――その後、エルヴィンを含む責任者が王都に召集されると同時にエレンの引き渡しが決まった……。



.

601: 2013/10/06(日) 21:10:38 ID:gxtyXwH6

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――エレン引き渡し?日前――


エルド「……やはり我々は戦線離脱になりますか……」

リヴァイ「ああ」

ペトラ「エレンは……エレンは本当に憲兵団に引き渡されてしまうんですか?」

リヴァイ「……飽くまで“調査兵団預かり”だっただからな」

グンタ「……成果が出せなかったから……ですか……」

リヴァイ「……ああ」

オルオ「くそっ!!何て頭のかてぇ奴等だ!バカじゃねぇのか!?――っ!!」

ペトラ「オルオ、大きな声出しちゃダメだって何回言ったらわかるの。傷に響くよ」

オルオ「……くそっ!」

602: 2013/10/06(日) 21:15:45 ID:gxtyXwH6

エルド「俺達はもう……何も出来ないんでしょうか……?」

リヴァイ「……今は傷を癒す事に専念しろ。人手は足らねぇんだ、さっさと治して復帰する事を考えろ」

グンタ「兵長……」

リヴァイ「……俺も人の事は言えねぇけどな……」

エルド「……ですが、兵長は王都へは行かれるんですよね?」

リヴァイ「責任者だからな」

オルオ「だったら俺らだって……」

リヴァイ「お前らは責任者じゃねぇだろうが」

ペトラ「……エレンを護る責任者です」

リヴァイ「俺の命令で、だ。責任は俺にある」

603: 2013/10/06(日) 21:20:25 ID:gxtyXwH6

オルオ「でも……」

リヴァイ「ぐだぐだうるせぇ奴等だな。お前らは暫く自宅待機だ。黙って家に帰ってろ」

グンタ「……エルヴィン団長はこのまま黙ってエレンを引き渡す訳では無いですよね?」

リヴァイ「……“今”はお前らに言える事は無い」

エルド「……ありがとうございます。リヴァイ兵長」

ペトラ「?」

オルオ「?」

リヴァイ「……とにかく、お前らは暫く自宅療養だ。その後は治りきるまで雑務になる。……もう行け」

リヴァイ班「「「「……はい」」」」

604: 2013/10/06(日) 21:25:51 ID:gxtyXwH6

カチャッ……

ペトラ「あ、兵長!一つだけいいですか?」

リヴァイ「なんだ?」

ペトラ「エレンに――――」

リヴァイ「……分かった。伝えておく」

ペトラ「……その時は兵長もご一緒してくださいますか?」

リヴァイ「……ああ、その時はな」

ペトラ「ありがとうございます!宜しくお願い致します」

リヴァイ「……」

――バタンッ

605: 2013/10/06(日) 21:30:42 ID:gxtyXwH6

スタスタスタ……

グンタ「“今は”……か」

エルド「兵長は優しいな……」

グンタ「俺達を信用してくれたんだろう……」

ペトラ「どういう意味?」

オルオ「なんだ?ペトラ。分からないのか?」

ペトラ「黙れ」

エルド「……」キョロ…

エルド「ちょっとこっちに来い」

パタンッ

606: 2013/10/06(日) 21:35:54 ID:gxtyXwH6

ペトラ「何?わざわざ空部屋に……」

グンタ「人に聞かれたくはない話だからな」

エルド「周りに人はいなかったが念のためにな」

ペトラ「えっ?」

エルド「……“今は”言えない。つまり言える事があるって事だ」

グンタ「きっとエルヴィン団長が何か考えてくださっているんだろう」

エルド「未だ身内にスパイがいるかも知れない状況で暗にだが教えてくれたんだ……外には漏らすなよ?」

グンタ「俺達を信用してくれての事だからな」

607: 2013/10/06(日) 21:40:23 ID:gxtyXwH6

ペトラ「――っ!!絶っっ対言わない!例え拷問されても!!」

エルド「いや、拷問って……」

オルオ「ぜってぇ言わねぇ!!例え舌が裂けてもな!!」

グンタ「そこ、口だろ。口。よく舌噛むからってお前」

ペトラ「あ!じゃあ、私達の言付け、間違ってなかったね!」

エルド「……そうだな」

グンタ「……きっと実現できる」

オルオ「……その時はあの幼馴染み達も呼ぶか」

ペトラ「オルオにしては良いこと言う!そうしよう!!」

オルオ「どういう意味だ」

608: 2013/10/06(日) 21:45:09 ID:gxtyXwH6

カチャッ……パタン

ペトラ「……いつまで自宅待機なのかな?」

エルド「うーん……今は安静にしてなきゃいけないからな」

グンタ「まぁ……数日で済むだろ」

オルオ「俺はいつでもイケる」

グンタ「だからお前が一番重症だろうが」

オルオ「お前らより早く治して復帰してやる!」

エルド「……そりゃいいな。じゃあ一番遅かった奴は皆に奢るって事で」

グンタ「乗った」

ペトラ「私も!」

オルオ「うぐっ!くっ……乗った!」

609: 2013/10/06(日) 21:50:22 ID:gxtyXwH6

エルド「おっしゃ成立な。……じゃ、なるべく早く治してここに戻ろう」

グンタ「ああ」

ペトラ「……うん」

オルオ「リヴァイ兵長のもとにな!…………あとガキんちょの」

エルド「……ああ」

グンタ「……そうだな」

ペトラ「うん、戻ってこよう」

エルド「……暫くお別れだな」

グンタ「ああ、ほんの数日だがな」

ペトラ「うん、皆安静にね」

オルオ「ちっ……」

リヴァイ班「「「「……それじゃあ、また!」」」」



.

613: 2013/10/10(木) 20:03:08 ID:ghspPplk

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――エレン引き渡し2日前――


――バタンッ

リヴァイ「……座るか」カタン

エレン「はい」スタスタ、カタン

リヴァイ「……今日はあいつら来ねぇぞ」

エレン「あ、つい……。……でもなんかここが落ち着くので……」

リヴァイ「そうか……まあ、好きにするといい」

エレン「はい……」

614: 2013/10/10(木) 20:08:15 ID:ghspPplk

リヴァイ「……」

エレン「……」

リヴァイ「遅ぇな……」

エレン「……」

リヴァイ「エルヴィンの野郎共……待たせやがって。憲兵が先に来ちまうぞ……」

エレン「……」

リヴァイ「大方……クソがなかなか出てこなくて困ってんだろうな」

エレン「ハハハ……」

リヴァイ「……」ズズズズ

カチャ

615: 2013/10/10(木) 20:14:01 ID:ghspPplk

エレン「兵長……今日は……よく喋りますね」

リヴァイ「バカ言え、俺は元々結構喋る……」

エレン「……」

エレン「……リヴァイ班の皆さんがいないと静かですね」

リヴァイ「あいつらよくぺちゃくちゃ喋ってやがるからな」

エレン「ハハ……」

リヴァイ「……」

エレン「……」

エレン「……索敵を教えてくれていたネス班長が亡くなったと聞きました……他にも……沢山」

リヴァイ「……」

616: 2013/10/10(木) 20:18:13 ID:ghspPplk

エレン「……そりゃ……俺がどうこうしたところで……どうにもならなかった事もあったでしょうけど……」

エレン「でも……俺が……あの時に…………そうしていたら……もっと氏なずに済んだかもしれない」

リヴァイ「……」

エレン「巨人化……出来たのにうまく使えなくて……猫化していたとは言え……うまく使えていたら……」

エレン「……リヴァイ班の皆さんに……リヴァイ兵長にまで怪我なんて……」

リヴァイ「言っただろうが……結果は誰にもわからんと」

エレン「……」

リヴァイ「……」

617: 2013/10/10(木) 20:23:26 ID:ghspPplk

エレン「俺は……貴方のようになりたいです」

リヴァイ「……何を言い出しやがる」

エレン「……貴方のように“人類最強”と言われるほど強ければこんな不安定で不確かな能力になんかに頼らなくたって……」

リヴァイ「その力がなけりゃ今頃トロスト区は巨人でみっちりだろうな」

エレン「! ……」

リヴァイ「ウォール・マリアを塞ぎに行く処かお前自身がここにいるかも怪しいな」

618: 2013/10/10(木) 20:28:24 ID:ghspPplk

エレン「……」

リヴァイ「それに……周りになんと呼ばれようと結局は部下を氏なせてる……ただ強けりゃいいってもんでもねぇだろ」

エレン「……すいません」

リヴァイ「……その不安定で不確かな巨人化能力とやらを確かなモノにして身につければいいことだ」

リヴァイ「それは俺には出来ん。エレン、お前にしか出来ねぇことだろ?」

エレン「リヴァイ兵長……」

619: 2013/10/10(木) 20:33:36 ID:ghspPplk

リヴァイ「まあ、俺は手足がにょきにょき生えてくるような気持ち悪いもんになりたくはないがな」

エレン「……リ……リヴァイ兵長……」

リヴァイ「ああ、そうだ。あいつらから言付けがある」カチャ

エレン「え?」

リヴァイ「‘また皆で一緒に食事をしよう’……だとよ」

エレン「!」

エレン「……はい……はい!」

リヴァイ「……」ズズズズ

カチャン……



.

620: 2013/10/10(木) 20:38:06 ID:ghspPplk
ちょっとだけ勝手な設定説明

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

オルオ弟'S

弟1(一番年上の弟)

弟2(弟4と洗濯してた二番目)

弟3(本を読んでたおとなしめ?の子)

弟4(洗濯物をやんちゃに踏んでた子)

弟5(オルオ父の肩に乗ってた子)



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

621: 2013/10/10(木) 20:43:50 ID:ghspPplk

――【おかえり】――


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ガチャッ

グンタ「母さーん?」

グンタ母「グンタ!お帰り……まあ!怪我したの!?大丈夫!?」

グンタ「ああ、ちょっとヘマしてね……片腕を痛めただけだ」

母「じゃあ、暫くは壁外調査には出ないの?」

グンタ「ん……暫く自宅待機でその後は治りきるまで壁内の仕事になる」

母「……そう」

グンタ「……爺ちゃんは?」

母「部屋にいるわよ。行ってあげて。私は夕飯作ってるからね」

グンタ「うん」

622: 2013/10/10(木) 20:48:03 ID:ghspPplk

――スタスタ

グンタ祖父「……」

グンタ「……爺ちゃん?」

祖父「……グンタか」スルッ…パサッ

グンタ「ブランケットが落ちたよ、爺ちゃん」スッ

祖父「おお、ありがとう……」

グンタ「風邪ひいたりしたら困るからね」

祖父「ふふ、もう老い先短い身だ……さほど気にしなくてもいいだろう」

623: 2013/10/10(木) 20:53:44 ID:ghspPplk

グンタ「何言ってんだよ、爺ちゃんには長生きしてもらわないと」

祖父「はは、頑張ってもお前よりは先に行くだろうよ」

グンタ「またそんな事……」

祖父「……怪我をしたのか?」

グンタ「ああ、うん。ちょっとね。だけど片腕だけでも薪くらいは割れる!」

祖父「ふふ、無理はするなよ」

グンタ「わかってる」ニコッ

母「グンター!怪我してるのに悪いけどちょっと手伝ってくれるー?」

624: 2013/10/10(木) 20:58:24 ID:ghspPplk

グンタ「……やれやれ、帰ってきて早々、しかも怪我してんのにこき使われるらしいや」

祖父「ははは!」

グンタ「じゃ、ちょっと行ってくる」

祖父「ああ、グンタ」

グンタ「何?」

祖父「おかえり」

グンタ「うん……爺ちゃん、」

グンタ「――――」



.

625: 2013/10/10(木) 21:03:06 ID:ghspPplk

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


キィ……

エルド彼女「……」パタンッ

――ポンッ

彼女「!」バッ

エルド「……よっ」

彼女「――っ!」ガバッ

エルド「……おっと」

彼女「……」ギュウ

エルド「はは!毎度大歓迎だな……」ナデ…

彼女「……エルド」ギュッ

626: 2013/10/10(木) 21:08:09 ID:ghspPplk

エルド「――っつ!」

彼女「! ごめんなさい!エルド、怪我して……!」バッ

エルド「ああ、大丈夫だよ。足を痛めただけだ」

彼女「……痛そう」

エルド「じっとしていればそうでもないよ。……戦線は離脱しないといけないけどな」

彼女「……」ホッ

彼女「あ……」

エルド「どうした?」

彼女「……ごめんなさい……戦線離脱と聞いて……ほっとしてしまったの……。エルドは悔しいはずなのに……」

エルド「……」

627: 2013/10/10(木) 21:13:08 ID:ghspPplk

エルド「……」ポンッナデナデ

彼女「……エルド?」

エルド「……」ニコッ

彼女「エルド……」ギュッ

エルド母「……」ジー

エルド「!? 母さん!!」

彼女「!?」バッ!

エルド「おわっ!いてて!!」

彼女「きゃあ!ごめんなさい、エルド!!」

628: 2013/10/10(木) 21:18:27 ID:ghspPplk

母「……道端で何してるの。せめて家の中でやんなさい」

エルド「黙って見てないで声掛けてくれればいいだろ!?」

母「帰ってきて真っ先に彼女の元に行く息子を観察してたんだよ」

エルド「……悪かったよ」

彼女「ご、ごめんなさい。おばさん……///」

母「ああ、あなたはいいのよ」ニッコリ

エルド「母さんは彼女に甘いな……」

母「いつも色々手伝ってくれてるしねぇ……早く本当の娘になって欲しいんだけど……」フゥ

彼女「お、おばさん……///」

629: 2013/10/10(木) 21:23:26 ID:ghspPplk

エルド「――母さん!家に戻っててくれよ。帰るから!」

母「おや、てっきり彼女の家に帰るのかと……」

エルド「母さん!」

エルド母「あはは!今日、夕飯一緒に食べるでしょう?」

彼女「うん。すぐ手伝いに行くから……」

母「いいよ。二人でゆっくりしてな」

彼女「え?でも……」

母「いいからいいから。ね?」

彼女「ありがとう、おばさん……」

母「ふふふ、じゃあ、後でね」

スタスタスタスタ……

630: 2013/10/10(木) 21:28:09 ID:ghspPplk

エルド「――ったく、母さんは……」ポリポリ

彼女「ふふふ」

エルド「……」フッ

彼女「……エルド、顔をちゃんと見せて」クイッ

エルド「……ん?」

彼女「……」ジッ

彼女「……おかえりなさい、エルド」ニコッ

エルド「……ああ」ニコッ

エルド「――――」



.

631: 2013/10/10(木) 21:33:15 ID:ghspPplk

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――ザッ!

オルオ弟'S「「「「「!!」」」」」

オルオ「よぉ!ちびすけ共!」

ちび弟'S「「兄ちゃーーん!!!」」ダダダダ

ガバッ!ドスッ!!

オルオ「ぬあっ!!!あだだだだ!!!」

弟1「!? 兄ちゃん怪我してるぞ!!」

弟2「離れるんだ!」

弟3「え!?」

ババッ!!

632: 2013/10/10(木) 21:39:04 ID:ghspPplk

オルオ「」チーン

ちび弟'S「「に、にいちゃんが……」」

オルオ「」チーン

ちび弟'S「「にいちゃんがしんじゃったー!!」」ウワーン!!

オルオ「氏んでねぇ!頃すな!!」ガバッ!

ちび弟'S「「にいちゃんがいきかえったー!!」」ワーイ!!

ガバッ!ドスッ!!

オルオ「いだだだだ!お前ら手加減を覚えろ!!っつ!」

633: 2013/10/10(木) 21:43:23 ID:ghspPplk

弟1「ほら!お前たちよじ登るな」

弟2「あーあ……言っても無駄かぁ……」

弟3(……僕も抱きつきたいの我慢してるのに……)ムゥ

オルオ「まあ、いいよ。一人は肩に乗せるし、もう一人は片腕で足りるしな」

オルオ父「……帰ってきたか、オルオ」

弟まみれオルオ「親父!」

弟4「にいちゃんにいちゃーん!」ワーイ

父「……怪我をしたのかい?」

弟まみれオルオ「……ああ、ちょっと下手こいてな」ハハッ

634: 2013/10/10(木) 21:48:11 ID:ghspPplk

弟5「だいじょーぶー?」ノゾキコミ

父「大丈夫なのか?」オロオロ

弟まみれオルオ「大丈夫!ちょっと肋を痛めただけだ」

弟1「え!?」

弟2「それ本当に大丈夫なの!?」

弟3「!」…トコトコ

弟3「……」ギュッ←オルオのズボンに

弟まみれオルオ「! ……すぐ治る」ポンッワシワシ

弟3「うん……」コクッ

ちび弟'S「「すぐなおるー!!」」ヤッホー!

635: 2013/10/10(木) 21:53:06 ID:ghspPplk

父「……お前たち、兄ちゃんは怪我をしているし、疲れているんだ。降りてあげなさい」

ちび弟'S「「はーい……」」シブシブ

ガチャッ!

オルオ母「オルオ!お帰り!!」ドーンッ!

オルオ「ぐはっ!!」

父「お前……オルオは怪我をしているんだよ……」

母「あらあらあら!!ごめんなさい!!大丈夫!?オルオ!!」

オルオ「」チーン

ちび弟'S「「にいちゃんがー!!」」

オルオ「生きてる!生きてるぞ!!」ガバッ

636: 2013/10/10(木) 21:58:20 ID:ghspPplk

母「大丈夫なの!?本当に!?」

オルオ「心配性だな、お袋は。大丈夫だよ。……まあ、暫くは戦線離脱だけどな……」

母「……生きて戻っただけでも良いことでしょ。暫くは壁内での仕事?」

オルオ「うん、まあ数日は自宅待機だけどな」

母「……ごはん、出来てるよ。食べるだろ?」

オルオ「ああ!腹ペコだよ!」

母「ふふ、そう思って沢山作っといたからね!」

ちび弟'S「「わーい!」」

637: 2013/10/10(木) 22:03:13 ID:ghspPplk

母「あんた達はちょっと遠慮しな!」

オルオ「あーいいよいいよ。大丈夫だから」

ちび弟'S「「にいちゃんつよかったー?」」

オルオ「……っ」

オルオ「……おう!兄ちゃんすげぇ活躍したんだぞ!」

ちび弟'S「「おぉー!!」」

オルオ「リヴァイ兵長の右腕だからな!」*妄想*

母「また、大きな事言って!」

オルオ「大きな事じゃねぇよ!実際俺は同期の中じゃトップクラスの討伐数なんだからな!」

638: 2013/10/10(木) 22:08:30 ID:ghspPplk

母「はいはい。耳にタコが出来るくらい聞いてるよ。――そうだ!あんた達、ちゃんと兄ちゃんにおかえりなさい言った?」

ちび弟'S「「まだー」」

弟1「あ、そう言えば」

弟2「ちび達が飛びついていったからな」

弟3「言ってない」

母「はい、じゃあ、せーの!」

オルオ家族「「「「「「「おかえりなさい!!」」」」」」」

オルオ「ああ!皆……」

オルオ「――――」



.

639: 2013/10/10(木) 22:13:29 ID:ghspPplk

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


ペトラ父「……」セイザ

ペトラ「……」ゴゴゴゴゴ

父「……」アセダラダラ

ペトラ「お父さん……」

父「ひゃい!」ビクッ!

ペトラ「なんで空気読めないの……?」

父「い、いや、その……手紙がだな……」

ペトラ「あそこで言うことなの!?」バンッ!

ペトラ「――っ!」

640: 2013/10/10(木) 22:18:12 ID:ghspPplk

父「ペトラ!大丈夫か!?」ザッ

ペトラ「――正座は崩さない!!」キッ!

父「ふぁい!!」ビシッ!

ペトラ「そもそも、あの手紙はお父さんだけに宛てた物で、へ、兵長に知らせる物じゃないんだからね!!」

父「いや、しかしだなぁ。全て捧げると……」

ペトラ「へ、兵士として!部下としてって意味よ!!///」

父「だが、あの書き方はなぁ……」

ペトラ「ぐっ……」

ペトラ(うぅ……選ばれた事が嬉しすぎて筆が滑った……///)

641: 2013/10/10(木) 22:23:32 ID:ghspPplk

ペトラ「……ハッ!そういえばお父さん……あのあと兵長になんて言うつもりだったの……?」

父「え?ああ、お前はまだ若いんだから嫁にやるのは……」

ペトラ「きゃあぁぁぁ!!!///」バシーンッ!

父「へぶっ!」

ペトラ「馬鹿じゃないの!?ばっかじゃないの!!?」

ペトラ「本当に何考えてんの!?わ、私がへ、兵長の……///」プシュゥ

父(わしはそんなに間違ってねぇ気がするんだが……)

ペトラ「そ、そんな事あるわけないでしょ!!本当にもう!何考えてんの!?」

ペトラ(あの時止めに入って良かった……本当に!良かった!!)

父「……」ジッ

642: 2013/10/10(木) 22:28:12 ID:ghspPplk

父(……怪我はしてるが無事に帰って来て良かった……)ホッ

ペトラ「大体、お父さんは昔から……クドクド……」

父(……こうなったら長ぇんだよな……夕飯いつになるかな……?)

ペトラ「お父さん!!聞いてるの!?」

父「ひゃい!聞いてます!!」ビシッ!

ペトラ「……全く!空気が読めないのにも程ってものが……クドクドクドクド」

父(……うん、ともかく元気なようで何よりだな……うん)

643: 2013/10/10(木) 22:33:20 ID:ghspPplk

ペトラ「お父さん!?」

父「はい!ごめんなさい!!」ビシッ!

ペトラ「……はぁ、もう……いいや。怒りすぎてお腹すいちゃったよ……」

父「あ、しまった。夕飯の準備してなかった!」

ペトラ「えぇ!?」

父「い、いや、用意しようとは思ったんだがな、お前が説教を始めるものだから……」

ペトラ「私のせいなの?」ギロリ

父「い、いや。ほ、ほら、外に食べに行こう!な!」

644: 2013/10/10(木) 22:38:37 ID:ghspPplk

ペトラ「むぅ……」

父「たまには外食もいいだろ?帰還祝いだ」

ペトラ「うーん……そうだね」

父「よし、そうと決まれば出掛けよう!そうだ、ペトラ」

ペトラ「何?」

父「……おかえり」

ペトラ「お父さん……」

ペトラ「――――」



.

645: 2013/10/10(木) 22:43:11 ID:ghspPplk






グンタ・エルド・オルオ・ペトラ

――――「ただいま!」



.

646: 2013/10/10(木) 22:52:01 ID:ghspPplk
おしまいです。


と何回書いたやら。あと、おまけ投下したら終わります。ちょっと長いので多分途中で寝るかも知れませんが遅くとも明日で終わらせる。
ごめんなさい。

647: 2013/10/10(木) 23:31:59 ID:ghspPplk

おまけ【ペトラオルオ「「エルドに仕返し」」】



ペトラ「只今我々はエルドの彼女の家の前に来ております!」ヒソッ

オルオ「正確には家の横の垣根です」ヒソッ

ペトラ「細かいなぁ」ヒソッ

グンタ「……なんでこんな事に……」

ペトラオルオ「「シー!」」

ペトラ「普通のトーンで話してたらバレるでしょ!」ヒソッ

オルオ「空気読めよ、お前」ヒソッ

グンタ「……お前に言われたくない。それにこんなに離れてて聞こえるかよ」

648: 2013/10/10(木) 23:37:13 ID:ghspPplk

ペトラ「とにかく、エルドに彼女がいると発覚しましたので、まずは二人でいるところに突撃。
彼女には見つからないよう遠くからニヤニヤし、エルドに精神的苦痛を味あわせてやるという仕返しを決行中です」

オルオ「見事な説明です、ペトラさん。今は彼女が出てくるのを待っています」

グンタ「……そのノリに俺は付き合わなけりゃいけねぇのか?」

ペトラ「ここまで来といて何を今更」

グンタ「いや、自宅療養中、暇だから一緒に食事をしようと言われて来たんだが……」

649: 2013/10/10(木) 23:40:30 ID:ghspPplk

オルオ「細けぇことはいいんだよ!ちゃんと家を見張……」クルッ…

エルド「…………」

ペトラ「……」

オルオ「……」

グンタ「……」

エルド「お前ら何して……」

ペトラ「逃げろ!!」ダッ

オルオ「おう!」ダッ

グンタ「……」

エルド「……たんだ?グンタ」

650: 2013/10/10(木) 23:43:19 ID:ghspPplk

グンタ「お前に仕返ししたいんだと」

エルド「仕返し?俺何かしたか?」

グンタ「忘れてんのかよ。ほら、巨大樹の森でペトラとオルオの……」

ペトラ「ぎゃあぁぁぁぁ!!バカグンターー!!」ドドドド

オルオ「ここで言う気か!くそがぁ!!」ドドドド

エルド「……戻ってきたな」

グンタ「元気だなぁ。あいつら」

651: 2013/10/10(木) 23:46:25 ID:ghspPplk



エルド「――で?」

ペトラ「彼女はどこですか?」

エルド「家にいるんじゃないか?」

オルオ「今日は出掛けたりしないのですか?」

エルド「今から迎えに行くところだが……お前らに敬語使われると気持ち悪いな」

ペトラ「余計な一言どうもありがとうございます。今から“デート”ですか?」キャッ!

エルド「そうだな」

オルオ「熱いねっ!!」キャッ

エルド「……オルオはやめとけ」ゾワッ

グンタ「ああ、きめぇ」

ペトラ「本当、ドン引きした」

オルオ「おい!!」

652: 2013/10/10(木) 23:49:14 ID:ghspPplk

ペトラ「ていうか全然照れたりしなーい!つまんなーい!!」

エルド「別に照れるような事じゃないしな」

ペトラ「ちょっと、聞きました?オルオさん!」

オルオ「聞きました、ペトラさん。……なんだコイツっ!結んだ後ろ髪引っこ抜いてやろうか!?」

エルド「なんでだよ」

グンタ「なあ、俺もう帰っていいか?」

ペトラ「だめ!」ガシッ

オルオ「逃がさねぇ」ガシッ

グンタ「何なんだよ」

653: 2013/10/10(木) 23:52:11 ID:ghspPplk

ペトラ「エルド、彼女と付き合い長いの?」

エルド「ああ、まあな」

ペトラ「それでかぁ……」

オルオ「それでってのは?」

ペトラ「えー?一緒にいて当然ってなってるから照れとかないんだよ。この作戦は失敗だなぁ」

エルド「作戦?」

グンタ「彼女さんに見つからないようニヤニヤエルドを見つめるって作戦だ」

エルド「何だそれ、気持ち悪い」

ペトラ「気持ち悪いって言わないでよ!あと、グンタ言い方が悪い!精神的苦痛を味あわせようとしたんだよ!」

エルド「精神的苦痛って……」

654: 2013/10/10(木) 23:55:35 ID:ghspPplk

彼女「――エルド?」

ペトラオルオグンタ「「「!!」」」

エルド「ああ!悪いな。ちょっと捕まってた」

ペトラ「ちょっ、皆集まって!」ヒソッ

グンタ「初めて会うが綺麗な人だな」ヒソッ

オルオ「なんだ!あの美人!!エルドの野郎っ!!」ヒソッ


彼女「ええと……?」

エルド「同……悪友だ」

655: 2013/10/10(木) 23:58:09 ID:ghspPplk

ペトラ「悪友って!」

オルオ「美人な彼女がいるからって調子に乗ってんじゃねぇぞ!!くそ羨ましい!!」

グンタ「俺も悪友に入るのか……?」

エルド「まあ、同僚達だ」

彼女「そう。初めまして」ニコッ

ペトラ「くっ!笑顔が眩しいっ!!」

オルオ「ちくしょうっ!!」

グンタ「どうも、初めまして。いきなり訪ねてしまってすみません」

彼女「いえ……その……?」

エルド「あの二人はほっとけ。……ちょっとテンションがおかしくなってるだけだから」

彼女「そ、そう?」

ペトラ「ハッ!……ごめんなさい、ちょっと体力が余ってしまってて……」

656: 2013/10/11(金) 00:02:24 ID:uAq4UXQI

ペトラ「えっと、初めまして。エルドとは同僚で、いつも助けてもらってます」ペコ

オルオ「初めまして。騒がしくしてしまい、申し訳ありません。用はすぐに済みますので……」キリッ

彼女「いえ、いつもエルドがお世話になってます」

エルド「世話はしてる方なんだがなぁ……」

彼女「エルド」

エルド「はいはい」

ペトラ「あーなんかいいなぁ。今の……」ハァ

グンタ「お前ら、もう行こうぜ。二人の邪魔だろ?」

オルオ「そーだな。なんか幸せオーラに毒気抜かれちまった」ポリポリ

ペトラ「……はぁ、せっかく仕返しに来たのに」

グンタ「……」

657: 2013/10/11(金) 00:05:16 ID:uAq4UXQI

エルド「もう、行くのか?」

グンタ「ああ、ちょっと寄っただけだからな。また来るよ」

エルド「そっか。じゃあ、またな」

グンタ「ああ。……二人の式には是非呼んでくれ。楽しみにしてるぞ」

エルド「!?」

彼女「!?」///

ペトラオルオ「「!?」」

エルド「おまっ!!何を!?」///

グンタ「あっはっはっは!仕返しの手伝いをちょっと、な」

658: 2013/10/11(金) 00:08:09 ID:uAq4UXQI

ペトラ「ナイス!!グンタ!」

オルオ「誉めてやる!!」

エルド「お前らなぁ……」

ペトラ「ひゅーひゅー!エルド赤くなってやんの!!」

エルド「ひゅーひゅーって」

オルオ「だがこれだけで済むと思うな!!これからも第二第三の仕返しを……!!」

エルド「何回やるつもりだ!」

彼女「ふふ」

659: 2013/10/11(金) 00:11:31 ID:uAq4UXQI

ペトラ「あ、彼女さんすみませんでした」ペコ

オルオ「巻き込んでしまいました。申し訳ありません」キリッ

グンタ「本当、すみません」

彼女「ふふふ、いえ。また来てくださいね。色々お話したいですし」ニコッ

ペトラ「優しいっ!この方優しいよ!!」ブワッ

オルオ「こんな優しい方を巻き込んでしまうなんざ……俺は……俺は……」クッ

グンタ「……お前ら、もう行くぞ」

660: 2013/10/11(金) 00:15:25 ID:uAq4UXQI

エルド「さっさと行け、さっさと」シッシッ

ペトラ「何だよ!エルドのバーカ!」タタタ

オルオ「そうだそうだ!バーカバーカ!!」タタタ

エルド「……ガキか」

グンタ「……お守りしてくる」スタスタ

エルド「ああ、お疲れ」

グンタ「ああ、そうだ、もしなんだったら多分――って所だから」

エルド「……分かった。じゃあまたな」

グンタ「……」ヒラヒラ

――スタスタスタ……

エルド「……ったく、あいつらは……」

661: 2013/10/11(金) 00:19:52 ID:uAq4UXQI

彼女「面白い人達……ね?」

エルド「アホなだけだよ」

彼女「ふふふ」

エルド「?」

彼女「楽しそうな同僚さん達で良かったわ」クスクス

エルド「そうか?命懸けの仕事の同僚があんなんでいいのか疑問だけど」

彼女「……いいのよ。貴方も楽しそうだったし」

エルド「……そうか?」

彼女「ええ。良い職場だっていうのがよく分かったわ。……安心した」キュッ

エルド「……そっか」キュッ

彼女「ええ」

エルド「……今日はどこ行きたい?」ニコッ



.

662: 2013/10/11(金) 00:22:37 ID:uAq4UXQI

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

――夜――


ガヤガヤワイワイ

ペトラ「おっじさーん!ここに3つね!」

グンタ「飲む気か、ペトラ。怪我も癒えてないのに」

ペトラ「いーのー。今日くらいいーじゃない!せっかく皆で集まったんだし」

オルオ「安静にするんじゃなかったのかよ」

ペトラ「だぁってさーなんか飲みたくなったんだもん」

オルオ「……まぁなぁ……うしっ!付き合ってやる」

グンタ「おいおい……早く復帰するんじゃなかったのか?」

ペトラ「うっ……き、今日だけだから!もう頼んじゃったし!」

663: 2013/10/11(金) 00:25:33 ID:uAq4UXQI

店の親父「ほい!お待ち!!」ドンッ

ペトラ「ありがとー!ほらっ!二人共グラス持って!!」

グンタ「はぁ、仕方ないな。1杯だけだぞ?来たものは残す訳にもいかないしな」

ペトラ「そうこなきゃ!」

オルオ「皆グラス持ったな?じゃ、」

ペトラオルオグンタ「「「かんぱーい!」」」

カチンッ!

オルオ「……エルドがいないのはちと残念だな」

ペトラ「そうだね、でも邪魔したら馬に蹴られちゃうし」

グンタ「……うーん、そろそろかな?」

ペトラオルオ「「?」」

664: 2013/10/11(金) 00:28:11 ID:uAq4UXQI

エルド「よっ!」

ペトラオルオ「「エルド!?」」

グンタ「よう!やっぱり来たな」

エルド「まぁ、せっかくだしな」ガタンッ

オルオ「グンタ、誘ってたのか?」

グンタ「んー、店の名前だけ伝えておいた」

ペトラ「彼女さんは?」

エルド「元々夕方までの予定だったからな。親父さーん、ここに1つ!」

店の親父「あいよ!」

グンタ「お前も飲むのかよ」

665: 2013/10/11(金) 00:31:34 ID:uAq4UXQI

エルド「皆飲んでんのに俺だけジュースでも飲んでろってか?冗談だろ?」

オルオ「……全員平等に不摂生するか」

エルド「そうそう」

グンタ「そんな悪平等な」

店の親父「へい、お待ち」ドンッ

エルド「お、来た来た。ありがとう!」

オルオ「んじゃ、仕切り直しな」

リヴァイ班「「「「かんぱーい!!」」」」

カチャンッ!

666: 2013/10/11(金) 00:34:57 ID:uAq4UXQI

ペトラ「つーかさ、エルド」

エルド「うん?」

ペトラ「怪我してるの足なのに出歩いたりして大丈夫なの?」

エルド「ああ、まぁまぁな。普段はそこまで動き回ってないよ」

グンタ「今日は歩き回ったんだろ?」

エルド「んーいや?近所を軽く散歩した程度だな」

ペトラ「えー?デートなのに?」

エルド「彼女がそうしようって言ってくれたんだよ。一緒にいれればそれでいいってさ」

ペトラ「うわぁ、惚気けられた!!ムカつくー!」

オルオ「ふざけんな!バーカ!!」

エルド「何故罵倒されなきゃならん」

グンタ「甘んじて受けやがれ」

エルド「お前まで……」

667: 2013/10/11(金) 00:39:04 ID:uAq4UXQI

エルド「しかし動き回ると言うならオルオもじゃないか?肋やってんのに平気なのか?」

オルオ「んー?まぁ別に……」

ペトラ「……」

オルオ「おめぇはまだ引きずってんのかよ……」

ペトラ「だって……私がうまくワイヤーの位置取りしてたら……オルオを巻き込まなくてすんだのに……」

グンタ「ずっと責任感じてたのか」

ペトラ「……」

オルオ「何度も言ってんだけどな、俺の勝手だって」

ペトラ「分かってるけどさ、自分で決めて行動する以上責任は本人にあるって事くらい」

オルオ「だったら……」

668: 2013/10/11(金) 00:42:14 ID:uAq4UXQI

ペトラ「でも!!もやもやするじゃない……痛いだろうなとかさ」

オルオ「……出歩けるくらいの怪我だけどな。賭けは多分俺の勝ちだな」ニヤリ

エルド「俺もさほどではないぞ?奢らずに済みそうだ」

グンタ「やせ我慢大会か……」

ペトラ「おじさん!!もう1杯!!」

グンタ「おいおい、ペトラ。1杯だけだって言っただろ?」

ペトラ「もう飲まなきゃやってらんないっ!」ヒック

エルド「……もしやもう酔ってんのか?」

オルオ「元々酒弱いからな……」

エルド「そうだが、まだ1杯だろ?」

グンタ「今日はやたらテンション高かったからなぁ……血の巡りがいいのかもな」

669: 2013/10/11(金) 00:45:54 ID:uAq4UXQI

店の親父「はいよ」ドンッ

ペトラ「ありがとー!」グイッ

オルオ「お、おい!ペトラ!」

ペトラ「もう1杯!」

エルド「ペトラ!」

ペトラ「むぅ……待機だなんて……やってらんない……」ヒック

グンタ「ペトラ……」

ペトラ「皆……頑張ってるのに」

エルド「仕方ないだろう?怪我した兵士は皆こんなもんだ」

グンタ「怪我したまま職務につかれるほうが迷惑だしな」

ペトラ「そうだけどさ」

オルオ「……」

670: 2013/10/11(金) 00:49:52 ID:uAq4UXQI

オルオ「……悪かっ」ペトラ「オルオは謝らない!!」ビシッ!

オルオ「お、おぉう」

ペトラ「オルオは何も悪くないんだからね!?私を庇っただけだし!!それがなかったら大怪我どころか下手したら……」

ペトラ「オルオ……ありがとね」ヒック

オルオ「あ、ああ」

ペトラ「でもそのせいでオルオは怪我してるし、お父さんは兵長に変なこと言おうとするし、仲間が頑張ってるのに」ヒック

エルド「……なんか支離滅裂になってきたな……」

グンタ「もう飲ますのはやめといた方がよさそうだな」

オルオ「落ち着け、ペトラ」

671: 2013/10/11(金) 00:52:40 ID:uAq4UXQI

ペトラ「もー!!腕以外健康なのに!!こんな大変な時に動けないとかっ!!もー!!」

エルド「……気持ちは分かるがな」

グンタ「まあ、な」

オルオ「……数日の我慢だ」

ペトラ「エレン……兵長……大丈夫かな……?」ポツリ

エルドグンタオルオ「「「……」」」

672: 2013/10/11(金) 00:57:59 ID:uAq4UXQI

店の親父「ほい、お待ち」ドンッ

ペトラ「ありがと!」グイッ

エルド「あ!こら!!」

グンタ「やめろ!もう飲むな!!」

オルオ「ペトラ!!」

ペトラ「うるさーい!!」

ギャーギャー!!……



.

673: 2013/10/11(金) 01:03:32 ID:uAq4UXQI

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


店の親父「ありやしたー!!」

ペトラ「」スースー

エルド「見事に潰れたな」

グンタ「大丈夫なのか?オルオ」

オルオ「ペトラ一人おぶるくらい平気だ。これくらい出来ねぇと家で生きていけねぇからな」

エルド「お前んちどんな家だよ」

オルオ「弟が5人、その内やんちゃ盛りのちっちぇガキが二人だ。どうなるかわかんだろ?」

グンタ「兄弟多いな。お前実家で静養出来るのか……?」

オルオ「まあ、親父とお袋なんとかしてくれてるからな」

674: 2013/10/11(金) 01:07:20 ID:uAq4UXQI

ペトラ「」スースー

エルド「……ペトラは色々渦巻いてたみたいだな。そのせいで悪酔いしたみたいだが」

グンタ「まあ……悔しいよな……」

オルオ「調査兵団がこんな事になってる時にな……」

エルドグンタオルオ「「「……」」」

エルド「とは言え考えたところでどうにもならんしな……」ハァ

グンタ「早く治るのを祈るしかないな……」

オルオ「今日は飲んじまったがな……」

エルド「俺らは1杯で済ましたからまあ……」

グンタ「ペトラは俺らの中で1番怪我が軽いしな」

675: 2013/10/11(金) 01:10:58 ID:uAq4UXQI

ペトラ「う……ん……兵……長」ボソッ

オルオ「!」

オルオ「……ちっ」

エルド「ははっ!前途多難だな、オルオ」

オルオ「な、何がだ!?」

グンタ「バレてないつもりかよ」

オルオ「な、何の事だかさっぱりだな」

エルド「まぁそういう事にしといてやるよ」

オルオ「くそっ!知ったような顔しやがって……」

エルドグンタ「「あははは!」」

676: 2013/10/11(金) 01:13:27 ID:uAq4UXQI

オルオ「ちっ……笑ってんじゃねぇよ」

ペトラ父「おや?オルオ君?」

オルオ「あ、おじさん」

ペトラ父「ペトラ!?」

ペトラ「」スースー

ペトラ父「ど、どうしたんだ?」

オルオ「あ……すみません、酔い潰れてしまってて……」

ペトラ父「怪我してんのに飲んだのか!?」

オルオ「……すみません」

エルド「すみません、止めなくて……」

ペトラ父「君達は?」

677: 2013/10/11(金) 01:16:54 ID:uAq4UXQI

エルド「あ、同僚のエルド・ジンです。はじめまして」

グンタ「グンタ・シュルツです」

ペトラ父「ああ!ペトラから聞いてるよ。いつも娘が世話になってるね」

グンタ「申し訳無いです……飲ませてしまって……」

ペトラ父「あー……多分自分から飲んだんだろ?嫌なら殴ってでも飲まねぇだろうからな」

エルド「いやぁ……あはは」

ペトラ父「まったく……バカ娘が……」ナデ…

ペトラ「うーん……」ムニャムニャ

678: 2013/10/11(金) 01:19:30 ID:uAq4UXQI

ペトラ父「幸せそうなツラァしやがって……人の気も知らねぇで……」フッ

エルド「……」

グンタ「……」

オルオ「……家まで運びますよ」

ペトラ父「ああ、頼んでもいいかい?オルオ君」

オルオ「はい」

ペトラ父「すまねぇな……オルオ君も怪我をしてるっていうのに……」

オルオ「これくらい平気ですから」

ペトラ父「皆も家に寄っていかねぇか?何もねぇが茶くらいは出せるぞ」

エルド「ありがとうございます。ですがもう遅いですし……」

679: 2013/10/11(金) 01:22:59 ID:uAq4UXQI

ペトラ父「んー、そうかぁ?残念だな……」

グンタ「……また、早い時間にでも寄らせてください」

ペトラ父「ああ!是非来てくれ。ペ……皆の話も聞きたいからな!」

エルドグンタ((……兵団でのペトラの様子を知りたいんだな……))

エルド「じゃあ、オルオ、またな」

グンタ「気を付けてな」

オルオ「ああ」


スタスタスタ……

681: 2013/10/11(金) 20:55:10 ID:uAq4UXQI
レスありがとうですよ。本当に。


あと少しだったのに寝落ちしてもうた。

……今更だが漢数字とアラビア数字が酷く入り乱れとるな。自分でもなんでかわからんが本当に酷い。ごめんなさい。


では投下

682: 2013/10/11(金) 20:58:13 ID:uAq4UXQI

ペトラ父「……オルオ君」

オルオ「はい?」

ペトラ父「その怪我は娘を庇ってのもんなんだろう?」

オルオ「……」

ペトラ父「ペトラが渋々教えてくれた」

オルオ(渋々かよ)

ペトラ「……」

ペトラ父「はは!色々思うことがあったんだろ。感謝してたよ」

オルオ「……」

ペトラ父「オルオ君、ありがとう」フカブカ…

683: 2013/10/11(金) 21:01:41 ID:uAq4UXQI

オルオ「え、ちょ、おじさん!頭上げてください!!」オロオロオルオ

ペトラ父「いやいや、娘の命の恩人だからな」

オルオ「いやいやいやいや、俺らの仕事は助け助けられは当たり前の事ですから!」

オルオ「俺がペトラに助けられる事だってありますし!!」

ペトラ父「それでもありがたい事に変わりはないさ。こうやってペトラの寝顔を見られるのも君のお陰だしな……」

オルオ「……ではそのお礼をお受けます。ですからもうこれでこの話は終りにしましょう?」

ペトラ父「……オルオ君、君は顔は……まあなんだが、いい男だなぁ」

オルオ(一言余計なんだが……)

ペトラ「……ぶふっ」

オルオ「ペトラ?」

684: 2013/10/11(金) 21:04:57 ID:uAq4UXQI

ペトラ「……」スースー

オルオ(気のせいか?)

ペトラ父「お、着いたな。すまねぇが部屋まで運んでくれるか?」

オルオ「ああ、はい」

ペトラ父「ありがとうな、オルオ君……」

ペトラ「……」



.

685: 2013/10/11(金) 21:07:12 ID:uAq4UXQI

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

―――
――


――次の日――


ペトラ「我々は今、エルドの家の前に来ています!」

オルオ「正確にはエルドの家の横ちょです!」

ペトラ「細かい!オルオ!」

グンタ「つい昨日見たような光景なんだが……」

ペトラ「グンタ、普通のトーンで話してたら……」

グンタ「すでに普通のトーンで話してただろうが」

686: 2013/10/11(金) 21:10:13 ID:uAq4UXQI

オルオ「いいから家を見張……」

エルド「……またか……」

ペトラ「今日は逃げない」

オルオ「え?」ダッ…

エルド「今日は何しにきたんだ?」

グンタ「彼女さんと話に来たんだと」

エルド「昨日の今日でか」

ペトラ「家にいても暇なんだよねぇ」

エルド「暇潰しにしてんなよ」

ペトラ「お話したいって言ってくれたし」

グンタ「社交辞令だろ」

687: 2013/10/11(金) 21:15:10 ID:uAq4UXQI

オルオ「それに付け込みエルドの恥ずかしい失敗談を吹き込んでやろうと!」

ペトラ「そう!その為に来たのです!!」

エルド「……それを俺に言っていいのか?」

ペトラ「知られた処で私達の口は塞げません」

オルオ「エルドも来た事だし、彼女の所に行くか!」

エルド「おい!」

彼女「あれ?皆さん?」

688: 2013/10/11(金) 21:20:56 ID:uAq4UXQI

ペトラ「こーんにちわー!」フリフリ

オルオ「昨日の今日ですみませんねー」

エルド「おいこら!お前ら!グンタ、お前も止めろよ!!」

グンタ「いやいや、これはこれで面白そうだな」ニヤニヤ

エルド「くそっ!お前も敵か!!」ダッ

グンタ「おっと、どこに行くつもりだ」ガシッ

エルド「離せ!せめて俺のいない所でやれよ!」

689: 2013/10/11(金) 21:25:45 ID:uAq4UXQI

ペトラ「いやいやー、逃がす訳ないでしょ」ニヤニヤ

オルオ「お前がいる事に意味があるんだからな」ガシッ

エルド「くっそー!お前ら覚えとけよ!!」ズルズルズル

彼女「??」


.

690: 2013/10/11(金) 21:28:16 ID:uAq4UXQI

――始めは苦笑いだった彼女もその内に笑い始め、それが大笑いになる頃にはエルドは机に突っ伏して耳まで赤く染まっていたとさ。



ペトラオルオ「「復讐成功!!」」パンッ!

エルド「……怪我が治ったらシメてやる」ギリギリ

グンタ「……結局最後には彼女に可愛いとか言われてやがったじゃねぇかよ」

エルド「……いやぁ///」

グンタ「……ペトラ、オルオ、復讐はまだ終わってねぇみたいだぞ」イラッ



.

691: 2013/10/11(金) 21:38:54 ID:uAq4UXQI
おまけ、おしまいです。


すんごい長くなってしまいました。あと、色々ミスがあったりで申し訳。
最初から最後までお付き合いくださった方、それからレスくださった方、とにかく読んでくださった方、

ありがとうございました!

  / ̄ ̄ヽ ̄ ̄\
 ∠  レ |  ⌒ヽ
  \__ノ丶  )|
   (_と__ノ⊂ニノ


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692: 2013/10/11(金) 22:19:16 ID:LA9iNXgw
乙!
リヴァイ班の今後に猫あれ!

引用: ハンジ「……104期が猫になったのに……」