1: 2013/10/11(金) 22:49:15 ID:2OlW/Rz6

ミカサ「どうしたの?」


ユミル「マルコもいるな……よし、聞いてくれ」


マルコ「どうしたのかな?」


ミカサ「どうぞ」


ユミル「…………」


ユミル「ウチのクリスタ……マジ天使」


マルコ「……」


ミカサ「……」

2: 2013/10/11(金) 22:51:44 ID:2OlW/Rz6


ユミル「って言われてもどうしようもねぇよな」


ミカサ「どうしようもない」


マルコ「そんな報告要らな……何でもない」


ユミル「……実はこんな事があったんだよ」


ミカサ「解った」


マルコ「……」

3: 2013/10/11(金) 22:53:12 ID:2OlW/Rz6


クリスタ「ねぇユミル……」


ユミル「何だ?」


クリスタ「膝の上乗ってもいい?」


ユミル「あー……今日はちょっと走り疲れててな……ごめんな」


クリスタ「う、うん……解った……ユミルの体に何かあったら私も辛いから……」

4: 2013/10/11(金) 22:55:06 ID:2OlW/Rz6


ユミル「………」


ユミル「全くお前と言うやつは……」


ユミル「来い!いくらでも乗ってていいぞ!」


クリスタ「え?どっちなの?」


ユミル「いいからいいから!」




ミカサ「………確かにかわいい」

5: 2013/10/11(金) 22:57:42 ID:2OlW/Rz6


マルコ「二人らしいね」


ユミル「だろ?」


マルコ「でもウチのジャンもなかなか良い子だよ!」


ユミル「何を自信満々に言ってやがる!だったら言ってみろよ」


マルコ「別に張り合う訳じゃないんだけど……」

6: 2013/10/11(金) 22:59:09 ID:2OlW/Rz6


マルコ「昨日喧嘩して以来口を利けてない……」


マルコ「ジャン……いい加減謝りに行った方がいいかな……」


ジャン「何してんだマルコ?ボーッとして」


マルコ「ジャ、ジャンか……」


マルコ「………別に何もないよ」


ジャン「訓練のしすぎか?」


マルコ「いや……」


ジャン「今日は冷えるぞ。さっさと休んでおけ」


マルコ「…………」

7: 2013/10/11(金) 23:02:53 ID:2OlW/Rz6

ユミル「喧嘩後の気まずい雰囲気だってのによぉ……」


ユミル「あいつめちゃめちゃ良い子じゃねぇか!」


ミカサ「いわゆる、気にし過ぎてただけで相手は何とも思ってなかったパターン」


マルコ「そ、そうかな……?」


ユミル「ミカサはねぇのか?……あっ、お宅のエレンは反抗期だったな」


マルコ「……」


ミカサ「確かに今のエレンは反抗期。でもアルミンならある……」

8: 2013/10/11(金) 23:04:17 ID:2OlW/Rz6

マルコ「アルミンはね……ウチのジャンがいつもお世話になってるよ」


ミカサ「いえいえこちらこそ」


ユミル「なに寸劇してんだよ」


ミカサ「そうだった。アルミンのかわいいエピソードを自慢、もとい披露しなければ」


ユミル「……」

15: 2013/10/12(土) 20:56:06 ID:w9kDouc.

ミカサ「はいエレン。アルミン」スッ


アルミン「ありがとうミカサ」


エレン「ありがとな」


ミカサ「行ってらっしゃい」


アルミン「……」


エレン「……」


アルミン「はぁ……」


エレン「どうした?」

16: 2013/10/12(土) 21:00:42 ID:w9kDouc.

アルミン「正直言ってエレン……ミカサのお弁当は」


エレン「言うなアルミン……」


アルミン「……でも毎回進歩してるし、今日は期待でき……」パカッ


エレン「何だこれ……」


アルミン「……これは」


エレン「巨人!?」


アルミン「……に見えるけど、ハムみたいだね」

17: 2013/10/12(土) 21:06:16 ID:w9kDouc.


エレン「すげー、よく出来てんなー」


アルミン「でも何か食べにくいよ……気持ち悪いし」


エレン「そうか?別に俺は抵抗ないけどな」


アルミン「……どうして?」


エレン「ほら、これ」スッ


アルミン「何この紙……」


アルミン「……一口30回噛み頃して、レッツ駆逐!」


アルミン「……」


エレン「……」

18: 2013/10/12(土) 21:13:53 ID:w9kDouc.


エレン「アルミン、見てろ……」ゴクリ


エレン「………」パクッ


エレン「氏ね!お前らなんかこうしてやる!!」モグモグ


アルミン「エレン……!」


アルミン「……」ゴクリ


アルミン「駆逐してやる……!」モグモグ


エレン「一口残らず!!」

20: 2013/10/12(土) 21:27:50 ID:w9kDouc.

ユミル「どっちかと言うと全員かわいいんだが」


ユミル「……まあそれはいい」


ミカサ「こうしてあげるとエレンは完食してくれた」


ミカサ「嫌いなはずの豆やニンジンもペ口リ」


マルコ「でも普通好きなものメインとか……」


マルコ「好きなものをモチーフにした方が良いと思うけど?」


ユミル「だよな……」

22: 2013/10/12(土) 21:34:03 ID:w9kDouc.


ユミル「まあ氏に急ぎ野郎の好きなものっつったら、アルミン位しか思いつかねぇけど」


ミカサ「私の顔やおばさんの顔でも試してみた」


ユミル「えっ」


マルコ「えっ」


ミカサ「……?」

25: 2013/10/12(土) 21:58:39 ID:w9kDouc.


ユミル「……ど、どうなったんだよ」


マルコ「……」


ミカサ「もったいなくて食えなかったって言って残してきた」


ユミル「うわっ、かわいい……」


マルコ「それは嬉しいね……」


ミカサ「その日だけは残しても怒られなかった……」

26: 2013/10/12(土) 22:02:27 ID:w9kDouc.










アルミン「エレンは僕とミカサで保護してるって言われるけど、そうじゃないよ?」


ジャン「じゃあ何だよ」


アルミン「僕がエレンとミカサの二人を保護してるんだ!」

27: 2013/10/12(土) 22:08:21 ID:w9kDouc.


アルミン「冗談だよ!そう本気にしないでよ」


ジャン「解ってるって」


アルミン「二人ともかわいいんだよ!」


アルミン「この前なんか、危うくうるっときちゃって誤魔化すのが大変だったよ」


ジャン「何かあったのか?」


アルミン「うん。実はね……」

31: 2013/10/13(日) 01:02:23 ID:5GQUeVJE
コニー「……」


サシャ「コニー」


コニー「何だよ」


サシャ「……もう遅いですね」


コニー「だな」


サシャ「ちゃんと歯磨きました?」


コニー「5分は磨いたぜ」


サシャ「……じゃあ頭は磨きましたか?」


コニー「磨いてねぇよ!磨いたこともねぇっつーの!」

32: 2013/10/13(日) 01:03:40 ID:5GQUeVJE

サシャ「ダメですよ?ちゃんと磨かないと頭の光具合が……」


コニー「うるせえな母ちゃん!」


サシャ「えっ」


コニー「あっ」


サシャ「……」

33: 2013/10/13(日) 01:05:06 ID:5GQUeVJE


コニー「何だその顔は」


サシャ「いえ、別に……」ニマニマ


コニー「クソッ……じゃあな!」


サシャ「はい。お休みなさい」ニマニマ




何故かちょっと嬉しいサシャであった

36: 2013/10/13(日) 21:02:22 ID:n0SNxyiA





アルミン「ねえ二人とも……」


エレン「何だ?」


ミカサ「何?」


アルミン「どうして二人は……僕の事を信じてくれるの?」


エレン「は?いきなり何聞くんだよ」


ミカサ「……疲れているの?」


アルミン「だっていつも『僕の言う事なら』『アルミンが言うなら仕方ない』」


アルミン「そう言って疑いもしないじゃないか!そんなのおかしいよ」

37: 2013/10/13(日) 21:07:27 ID:n0SNxyiA


ミカサ「……」


エレン「……」


アルミン「……」


ミカサ「考えた事もなかった……」


アルミン「えっ!?考えてよちゃんと!」


エレン「アルミン……もうこの際ハッキリ言うぞ?」

38: 2013/10/13(日) 21:15:53 ID:n0SNxyiA


エレン「俺は……俺たちは……」


エレン「お前の事を疑わない。疑う余地もない位信じてる」


ミカサ「アルミン。もう言わせないで……あなたも私達を疑わないで」


アルミン「……」


ミカサ「解った?」


アルミン「……解った」


アルミン「それじゃあね」


ミカサ「あっ……」


エレン「何だったんだ……」

39: 2013/10/13(日) 21:26:36 ID:n0SNxyiA

アルミン「もうこんな事話してるだけでも……!」


ジャン「泣くなよもう……」ゴシゴシ


アルミン「うん。ごめん……」


ジャン「……アルミン」


ジャン「あいつらは放っておくとすぐ氏ぬぞ」


ジャン「止められんのはお前しか居ない」


アルミン「解ってる……だから僕が居ないといけない」


アルミン「……方が僕は嬉しいな」

40: 2013/10/13(日) 21:32:20 ID:n0SNxyiA


ジャン「あいつらはお前無しじゃ生きて行けねぇよ。間違いない」


アルミン「そうかな……?」


ジャン「そうだって」


アルミン「……うん」


エレン「お前ら何してんだ?」


ジャン「喋ってただけだろうが」


アルミン「ジャン」


ジャン「……」

41: 2013/10/13(日) 21:44:38 ID:n0SNxyiA


エレン「そうだアルミン、ミカサを見かけなかったか?」


ジャン「あ!?何でお前がミカサを探すんだよ!」


エレン「探しちゃ悪いかよ!」


アルミン「二人とも喧嘩は止めようよ……ね?」


ジャン「……」


エレン「……」


アルミン「ミカサは見なかったよ!ごめん!」


エレン「ああそうか……で、何の話してたんだ?」

42: 2013/10/13(日) 21:52:21 ID:n0SNxyiA

アルミン「実は二人で思い出話をしてたんだ!もちろん僕はエレンとミカサとの思い出だよ!」


ジャン「アルミンお前……いつか胃に穴が開いても知らねぇぞ」


エレン「どんな話したんだよ?聞きたいんだが」


ジャン「はぁ……」


ジャン「まあ、ここに来てからの事を色々とな……」


アルミン「マルコとのいい思い出とか話してさ!二人でノスタルジックになってた所なんだよ!」


エレン「へぇ~……ジャン、聞かせてくれよ」


ジャン「お、おう……」

43: 2013/10/13(日) 21:54:59 ID:n0SNxyiA

ジャン「……………」モグモグモグ


マルコ「……」モグモグ


モブA「知ってるか?ジャンって氏に急ぎ野郎の事が好きらしいぜ」


モブB「うわ……ホ〇かよ」


モブC「ライナーだけじゃなかったんだな……」

44: 2013/10/13(日) 22:03:09 ID:n0SNxyiA





ジャン「……」モグモグ


マルコ「ジャン……聞こえてるよね?大丈夫?」


ジャン「何がだよ」


マルコ「その……ジャンがホ〇だとか……」


ジャン「どうでもいい」

45: 2013/10/13(日) 22:06:17 ID:n0SNxyiA

マルコ「許せないよ!ちょっと話をつけてくr」


ジャン「いらねぇよ」


マルコ「どうして!?君がホ〇よばわりされてるんだぞ!?」


ジャン「あんな奴等のためにお前の評価を落とすことねぇよ」


マルコ「でも……」


ジャン「いいから」


マルコ「……」

46: 2013/10/13(日) 22:08:46 ID:n0SNxyiA







エレン「マルコって本当良い奴だよな……嫌いになる方が難しい」


アルミン「マジでダチ想いなお兄さんだよね」


ジャン「おい、まだ途中だろうが」


エレン「あー、悪いなジャン……続けてくれ」


ジャン「……」

47: 2013/10/13(日) 22:13:00 ID:n0SNxyiA



モブA「でもよ、どう見てもジャンはミカサのこと好きだろ?」


モブB「じゃあホ〇はマルコか!」


モブC「あー、いつも一緒にいるしなー!あり得るぞそれ!」


ジャン「……」ガタッ


マルコ「どこ行くんだよ!?待って!」


ジャン「オイ……」


モブA「な、何だよ……」


モブB「ジャンか」


モブC「暴力事件でも起こしたら……」

48: 2013/10/13(日) 22:15:33 ID:n0SNxyiA


ジャン「関係ねぇよ!!」バキッ


モブA「ぐあっ!」


モブB「大丈夫か!?」


ジャン「訂正しろ。次はお前だ」


モブA「……解った!訂正する!悪かった!」


モブC「悪かったよ!だから止めろって!」


ジャン「……」

49: 2013/10/13(日) 22:17:47 ID:n0SNxyiA

マルコ「どうしてあんな事をしたんだジャン!?」


ジャン「お前がバカにされたからだ」


マルコ「でも………!やり過ぎだ……」


ジャン「お前をバカにしたあいつ等が……許せなかった」


マルコ「……」


マルコ「……ジャン」


ジャン「何だ」


マルコ「もうこんな事は止めてくれ……」


ジャン「解った」

50: 2013/10/13(日) 22:20:12 ID:n0SNxyiA

キース「……」ギィィィ


キース「今しがた大きな音がしたようだが……またブラウスか?」


ミカサ「当然です」


サシャ「えっ!?」


キース「……ふむ」


サシャ「いや、あの……教官……」


キース「……」バタン


ジャン「……」

51: 2013/10/13(日) 22:24:16 ID:n0SNxyiA


エレン「ぷはっ」


エレン「教官何も言わなかったな」


アルミン「エレン!笑っちゃダメだよ!」


ジャン「……」


マルコ「サシャ、ミカサ……ごめん。助かったよ」


ジャン「悪かったな二人とも。お前らも」

52: 2013/10/13(日) 22:25:28 ID:n0SNxyiA


モブA「あ、ああ……こっちこそ悪かった」


モブB「これで手打ちにしよう」


モブC「うぅ……」


モブD「オロロロロ……」


クリスタ「大丈夫!?」サスサス


ユミル「ほっとけよそんな奴……」

53: 2013/10/13(日) 22:27:10 ID:n0SNxyiA


ミカサ「どうも」


サシャ「どうもじゃないですよ!!」


ミカサ「はいパン」


サシャ「許しましょう」パクッ


マルコ「ジャン……本当はこんな事言っちゃいけないんだろうけど」


ジャン「……?」


マルコ「ありがとう」


ジャン「……」

54: 2013/10/13(日) 22:30:04 ID:n0SNxyiA


ジャン「さっさと飯食うぞ」


マルコ「君は……僕が思ってたよりもバカなのかもしれないな」


ジャン「どういう意味だよそりゃ」


マルコ「……何でもないよ」


ジャン「………?」

55: 2013/10/13(日) 22:31:04 ID:n0SNxyiA






エレン「あれそう言う事だったのか!」


アルミン「気づいてなかったの!?」


エレン「いや、飯食うのに夢中で……」


ジャン「お前な……心洗われる俺たちの友情を無視して飯食ってたのかよ」


エレン「知らなかったから仕方ねぇだろうが!」


アルミン「まあまあ、喧嘩は止めて……」


ジャン「……」


エレン「……」

56: 2013/10/13(日) 22:32:33 ID:n0SNxyiA

ジャン「これ、俺の中では結構いい思い出なんだぜ?」


ジャン「あいつ等とは一応仲直りしたし、ミカサに庇ってもらえたしな」


アルミン「でも一番うれしかったのは……マルコにありがとうと言って貰えたことだったりして」


ジャン「……は?」


アルミン「冗談だよ」

57: 2013/10/13(日) 22:34:03 ID:n0SNxyiA


エレン「なあアルミン……」


アルミン「何?」


エレン「そう言う事なら取って置きのエピソードがあったよな!」


アルミン「えっと……どれの事?」


エレン「あれだよあれ!」


ジャン「……気になるな」

58: 2013/10/13(日) 22:35:46 ID:n0SNxyiA






カルラ「お弁当は持った?」


エレン「おう」


カルラ「ハンカチは?」


エレン「ほら」


カルラ「帽子は?」


エレン「もうかぶってるじゃないか!」


カルラ「靴下は?靴のかかとは踏んでない?」


エレン「うん!」

59: 2013/10/13(日) 22:37:46 ID:n0SNxyiA




カルラ「そんな装備で大丈夫なの?」


エレン「平気だよ!」


カルラ「知らない人にはついて行っちゃダメよ?」


エレン「森に行くだけだよ!」


カルラ「アルミンの家にちゃんと行くのよ?」


エレン「解ってるよ!もうしつこいな!」

60: 2013/10/13(日) 22:38:49 ID:n0SNxyiA


カルラ「……じゃあ行ってらっしゃい」


エレン「行ってきます!!」タッタッタ


カルラ「………」


カルラ「………」


カルラ「……あら、水筒忘れてるじゃない」

61: 2013/10/13(日) 22:39:54 ID:n0SNxyiA





エレン「よし!巨大樹の森へいざしゅっぱーつ!」


アルミン「エレン……そっち反対」


エレン「……」


   
 五分後
 


アルミン「巨大樹の森って、一本の木が何十メートルにもなるんだって!」


エレン「一本だけで薪が何年分とれるかな!」


アルミン「大きいものなら2年近くもつだろうね!」テクテク

62: 2013/10/13(日) 22:41:33 ID:n0SNxyiA


エレン「どうやって登るのかなー」


アルミン「立体機動じゃないかな?」


エレン「やっぱ普通に登るのは無理か……よし、着いたら試してみよう!」


アルミン「そんな無茶だって……大人の人に怒られるよ?」


エレン「平気だって!ついでに立体機動装置も貸してもらおうぜー!」ダッ


アルミン「ちょっと走らないでってば!エレン!」

63: 2013/10/13(日) 22:43:00 ID:n0SNxyiA




エレン「………着いたな」


アルミン「すごいね……これが巨大樹の森か……」


エレン「ねえ!立体機動装置貸してよ!」


イアン「何を言ってる!ダメだ。あっ、コラそこ!木に登ろうとするんじゃない!」


アルミン「ダメだねエレン……登れそうにないや」


アルミン「……立体機動装置が無いと!」


エレン「だから貸してってば!一回だけ!5分だけでいいから!」

64: 2013/10/13(日) 22:44:36 ID:n0SNxyiA

イアン「ダメだ!あんまり我がまま言うと追い出すぞ!」


エレン「けちんぼ!」


イアン「このっ……」


エレン「ハンネスさんに言いつけるぞ!」


アルミン「エレン、言い過ぎだよ……」


イアン「はぁ……」

65: 2013/10/13(日) 22:46:23 ID:n0SNxyiA

エレン「よし、昼ご飯だ!」


アルミン「エレンのお弁当はいつも通り野菜が多いね」


エレン「野菜嫌いなんだよな……大根はまだましなんだけどさ、ニンジンが……」


アルミン「僕もニンジンは少し苦手だけど……」


アルミン「でも今日だけ……今日だけ、完食してみたらどうかな?」


エレン「何でだよ」

66: 2013/10/13(日) 22:48:03 ID:n0SNxyiA


アルミン「どうせエレンの事だから、今までお弁当を残さず食べた事なんて無かっただろ?」


エレン「まあな……」


アルミン「お母さんの料理は嫌なの?」


エレン「そっ、そんな訳ないだろ!!量が多すぎるんだよ!」


アルミン「せっかく作ったお弁当なのに、毎回残して来たらお母さんはどう思う?」


エレン「…………」

67: 2013/10/13(日) 22:49:02 ID:n0SNxyiA


エレン「……アルミン。俺食うよ」


エレン「全部食べるまで帰らない!」


アルミン「うん!僕もエレンが食べ終わるまで帰らないからね!」


エレン「よし!まずはこの変なの食うぞ!」


アルミン「多分それ豆だね」

68: 2013/10/13(日) 22:50:14 ID:n0SNxyiA





   数時間後

69: 2013/10/13(日) 22:52:47 ID:n0SNxyiA


カルラ「……遅いわね」


グリシャ「アルミンかハンネスの家でも寄ってるんじゃないか……」


カルラ「でも……」


グリシャ「あと一時間だけ待ってみよう。それでいいか?」


カルラ「え、ええ……」


グリシャ「それだけ待っても帰ってこないようなら、私も捜しに行こう」


カルラ「……解りました」

70: 2013/10/13(日) 22:54:03 ID:n0SNxyiA


エレン「うぷ……」


アルミン「エレン、大丈夫?」


エレン「食べきったぞ……アルミン」


アルミン「頑張ったね!さあエレン、早く帰ろう!心配かけちゃダメだ」


エレン「悪い……あんまり急いだら吐きそう……」


アルミン「……そうだね。ゆっくり行こう」


エレン「うぅ……」

71: 2013/10/13(日) 22:55:23 ID:n0SNxyiA







カルラ「エレン。こんなに遅くなるなんて珍しいんだね?」


グリシャ「心配したんだぞー」


エレン「うん。今日は晩御飯要らないから」ダッ


カルラ「服も靴下も、ちゃんと裏返ったのは元に戻しといてよ!」


グリシャ「さて……これでひとまず安心だ」


カルラ「そうね……………あら」

72: 2013/10/13(日) 22:56:59 ID:n0SNxyiA

グリシャ「どうした?」


カルラ「ちょっと見てよこれ……全部きれいに食べてる」


グリシャ「珍しい事もあったものだな……」


カルラ「きっと時間をかけて全部食べたのね……」


グリシャ「今日遅かったのはそのせいか……」


カルラ「そうでしょうね……」

73: 2013/10/13(日) 22:58:34 ID:n0SNxyiA


グリシャ「今度から量を減らしてみたらどうだ?」


カルラ「……そうしようかしら」


グリシャ「……」


カルラ「……」


グリシャ「……珍しいな」


カルラ「本当……」


エレン「……」

74: 2013/10/13(日) 23:00:00 ID:n0SNxyiA

エレン「実はお風呂に入るふりして覗いてたんだ」


エレン「二人とも……ずっとずっと、空の弁当箱を見てた」


エレン「俺には空の弁当箱なんて下らない物を、じっと眺める両親が不思議で仕方なかった」


エレン「でも今となっては……」


ジャン「止めろ。泣きそうになるじゃねぇか」

75: 2013/10/13(日) 23:01:34 ID:n0SNxyiA

アルミン「おばさん……」ダバダバ


エレン「母さん……」ダバダバ


エレン「……あっ、俺ミカサの事探してたんだった……行ってくる」


アルミン「行ってらっしゃい」


ジャン「立ち直り早ぇ……」

76: 2013/10/13(日) 23:02:44 ID:n0SNxyiA

エレン「ミカサー」ガラッ


エレン「おい!」ガサゴソ


エレン「出てこーい」パカッ


エレン「出て……来いよ……」


エレン「……」


エレン「出てこねぇと駆逐してやるゥゥゥゥ!!」


エレン「……………あっ」


エレン「おーい!ミカサ!!」タッタッタッタ

77: 2013/10/13(日) 23:04:53 ID:n0SNxyiA


ミカサ「あっ、エレン……」


マルコ「どうしたのかな?」


ユミル「……」


エレン「お前ら何してんだ?」


ミカサ「単なる世間話」


マルコ「……なのかな?」


ユミル「間違っちゃねぇな。うん」


エレン「……?」

78: 2013/10/13(日) 23:06:09 ID:n0SNxyiA

ユミル「お前が反抗期になったって相談されてたんだよ」


ユミル「どうすればいいのー?エレンに嫌われてしまったーとか言ってやがったぞ」


ミカサ「違っ……」


エレン「何言ってんだよミカサ……俺がお前の事嫌いになるわけないだろ?」


ミカサ「……」


ミカサ「うん!」

79: 2013/10/13(日) 23:06:42 ID:n0SNxyiA


マルコ「うわぁ、ジャンが聞いたら即プッツンだね」


ユミル「こんな時でも我が子の心配かよ……」


エレン「何の話だ?」


マルコ「……何でもないよ」


ユミル「ああ」


エレン「……」

80: 2013/10/13(日) 23:08:08 ID:n0SNxyiA




クリスタ「あ、ねぇ二人とも」


アルミン「何?」


クリスタ「ユミルを見なかった?」


アルミン「ごめん。僕らは見てないけど……一緒に探す?」


クリスタ「うん。ありがと」


ジャン「じゃあ行くか……」

81: 2013/10/13(日) 23:09:49 ID:n0SNxyiA


アルミン「………」


ジャン「……」


クリスタ「……二人は誰を探してるの?」


ジャン「マルコ」


アルミン「別に誰か探してるわk……えっ?」


ジャン「ん?」

82: 2013/10/13(日) 23:14:10 ID:n0SNxyiA


クリスタ「マルコを探してるの?そっか、仲良いもんね」


ジャン「……まあな」


クリスタ「今照れたでしょ?」


ジャン「照れてねぇ」


クリスタ「うんうん。ジャンって本当にマルコの事大好きだもんね」


ジャン「俺そんな風に見られてたのか……」


アルミン「落ち込まない!そこ落ち込まない」


クリスタ「本当でしょ?落ち込むことないよ!」

83: 2013/10/13(日) 23:15:03 ID:n0SNxyiA


ジャン「いやでも何か……ホ〇呼ばわりされんのは俺が悪い気がしてきてな……」


アルミン「……解った!ジャンはついに乳離れの時が来たんだよ!」


ジャン「は?」


クリスタ「アルミン……せめて父離れって言ってあげよう?」


ジャン「俺はガキじゃねぇよ!」


アルミン「あっ、スネた……」


クリスタ「マルコの苦労が知れるね……」


アルミン「うん……」

84: 2013/10/13(日) 23:15:59 ID:n0SNxyiA






ミカサ「あっ、アルミンたちが……」


エレン「ようお前ら」


ジャン「おう」


クリスタ「あ!ユミルだー!」


ユミル「クリスタ!」


マルコ「ジャン!」

85: 2013/10/13(日) 23:17:29 ID:n0SNxyiA

ジャン「お前ら珍しいな……」


マルコ「偶然揃っただけなんだけどね」


ミカサ「ジャン」


ジャン「な、何だ?」


ミカサ「いつもうちのアルミンがお世話になってます」ペコッ


ジャン「えっと……お……お世話、しています……」


アルミン「ジャン、落ち着いて!」


ジャン「おう……」

86: 2013/10/13(日) 23:18:52 ID:n0SNxyiA

マルコ「いつもいつもうちのジャンがご迷惑を……」


エレン「本当だぜ……」


ジャン「……」


ユミル「……」


ミカサ「エレン。こういう時はいえいえこちらこそ、と言うものなの」


エレン「でも俺あいつに迷惑かけてるか……?」


ジャン「かけてるっつーの!」


エレン「俺がいつお前に迷惑かけたんだよ!?」

87: 2013/10/13(日) 23:19:52 ID:n0SNxyiA

ジャン「そりゃいつでもどこでm」


マルコ「こぉら!喧嘩しない!」グイッ


ジャン「……」シュン


アルミン「エレン!たとえ迷惑をかけていなかったとしても言うものなんだよ!」


エレン「解った」


ミカサ「えっ……」


ミカサ「アルミンの言うことは……素直に………」 ショボン


クリスタ「ふふ……面白いね」

88: 2013/10/13(日) 23:20:58 ID:n0SNxyiA

ユミル「……何がだ?」


クリスタ「本当の家族みたい」


ユミル「……」


クリスタ「本当の……」


ユミル「……」


ユミル「私じゃダメか?」


クリスタ「……え?」


ユミル「私じゃ……家族代わりにはなれねぇか?」

89: 2013/10/13(日) 23:22:04 ID:n0SNxyiA



クリスタ「そ……そんな事無いよ!」


クリスタ「ユミルもサシャも、コニーもライナーもアニも」


クリスタ「エレンもアルミンもジャンもマルコもコニーも、ミカサも」


クリスタ「みーんな!私の家族だよ!」


ユミル「クリスタ……!」ダキッ

90: 2013/10/13(日) 23:22:45 ID:n0SNxyiA


クリスタ「止めてよユミル……恥ずかしいよ……」


アルミン「クリスタ……僕でよかったら喜んで」


ミカサ「私も……歓迎する」


マルコ「勿論僕もだよ!」


クリスタ「皆……!」

91: 2013/10/13(日) 23:23:43 ID:n0SNxyiA







ジャン「コニーって二回言ってたぞ」ボソッ


エレン「ベルトルトどこ行ったんだよ」ボソッ


マルコ「ジャン!それは言っちゃダメだよ!」


ミカサ「エ、エレン!」アタフタ


アルミン「エレン!しーっ!」


クリスタ「……」


ユミル「……」

92: 2013/10/13(日) 23:25:39 ID:n0SNxyiA


エレン「え?俺たちが悪いのか?」


ジャン「……?」


クリスタ「二人のバカー!!」ダダダダ


ユミル「クリスタァァァァ!!」ドドドド


アルミン「……二人とも、謝って来よう」


エレン「……行ってくるか」


ジャン「………」

93: 2013/10/13(日) 23:27:01 ID:n0SNxyiA


ミカサ「……結局私たちが残ってしまった」


ユミル「さて、私もクリスタに機嫌直してもらいに行くか……」


マルコ「僕も行くよ……ジャンがちゃんと謝れるか心配だし」


ミカサ「……私も行こう」


マルコ「……」


ユミル「……お前らも苦労が絶えねぇな」


ミカサ「ユミル。あなたは解っていない」

94: 2013/10/13(日) 23:28:02 ID:n0SNxyiA


マルコ「仕方ないよ……まだ経験が浅いからね」


ユミル「何だと?」


マルコ「僕達は確かに……こう言ったらなんだけど、面倒をかけられる」


マルコ「でも、それは好きでやってることだから」


ユミル「……は?マゾかなんかかよ」


ミカサ「違う……あなたも知ってるはず」


ミカサ「世話を焼いている間は嫌なことも忘れられる。そうでしょ?」

95: 2013/10/13(日) 23:29:11 ID:n0SNxyiA

ユミル「……」


マルコ「それにかわいいし」


ユミル「……そうだな」


ミカサ「それで納得するのは実に……ユミルらしい」


ユミル「だってかわいいだろ?うちのクリスタ」


マルコ「うちのジャンもかわ」


ミカサ「エレンとアルミンの方が絶対かわいい!」


ユミル「いーや!うちのクリスタの方がかわいい!」


マルコ「……」

96: 2013/10/13(日) 23:29:46 ID:n0SNxyiA

キース「私にしてみれば、全員かわいいのだがな」


マルコ「キ……!!」


ミカサ「キ……(何だっけ)」


ユミル「キース教官!!!」


キース「……貴様ら」


ミカサ「はっ!」


マルコ「はっ!」


ユミル「はっ!」

97: 2013/10/13(日) 23:30:57 ID:n0SNxyiA

キース「子育てって大変だよね」


ミカサ「……」


ユミル「……」


マルコ「……」



  完

98: 2013/10/13(日) 23:31:46 ID:wH2MJaQE
乙!
素晴らしかった

引用: ユミル「ミカサァァァァ!!」