1: 2009/04/20(月) 23:57:27.42 ID:oViQ19p30
「しっ、大きい声を出さないで」
「冗談言うと怒りますよ?」
やはり、彼女はにわかに信じられない様子。
目を丸く開き、私の瞳を覗く。
「冗談じゃないわ、全て事実なの」
本当に冗談ならどれだけいいか・・・、私は翠星石の目を真っ直ぐ見る。
彼女は顔を伏せた後、潤った瞳で再び私の瞳を覗く。
「・・・詳しく聞かせて欲しいです」
3: 2009/04/21(火) 00:04:20.38 ID:Qy018cNs0
「私達の末妹が小細工したの」
「第7ドール・・・、目覚めてやがったですかッ!」
悔しそうに地面に拳を振るう。
一瞬の静寂が場を包む。
私は気の利いた言葉すらかける事が出来ないでいた。
「・・・何か方法はねえですか?」
弱弱しい、今にも掻き消えそうな声で呟く。
「・・・彼女が自分の意志でジュンに纏わりついている薔薇を外せば助かるわ」
「第7ドール・・・、目覚めてやがったですかッ!」
悔しそうに地面に拳を振るう。
一瞬の静寂が場を包む。
私は気の利いた言葉すらかける事が出来ないでいた。
「・・・何か方法はねえですか?」
弱弱しい、今にも掻き消えそうな声で呟く。
「・・・彼女が自分の意志でジュンに纏わりついている薔薇を外せば助かるわ」
4: 2009/04/21(火) 00:07:48.50 ID:Qy018cNs0
「もし・・・、もしも翠星石がその第7ドールを倒したらどうなるです?」
「・・・分からないわ」
「分からないって何ですか!?」
「静かにして頂戴、 彼女が倒れたら薔薇の枷は消えるかもしれない」
「けれど、消えなかったらどうするの?」
再び、翠星石は顔を伏せる。
「・・・ぐすっ」
彼女の嗚咽が不規則に響き、静寂を破る。
「泣かないで翠星石、まだ氏ぬと確定した訳じゃないわ」
「・・・分からないわ」
「分からないって何ですか!?」
「静かにして頂戴、 彼女が倒れたら薔薇の枷は消えるかもしれない」
「けれど、消えなかったらどうするの?」
再び、翠星石は顔を伏せる。
「・・・ぐすっ」
彼女の嗚咽が不規則に響き、静寂を破る。
「泣かないで翠星石、まだ氏ぬと確定した訳じゃないわ」
5: 2009/04/21(火) 00:12:18.37 ID:Qy018cNs0
「どうして・・・、どうして真紅はそんなに落ち着いていられるですか?」
プツンと、私の頭の中の何かが弾けた。
「私が落ち着いているですって・・・?」
「し、真紅・・・?」
「落ち着いてなんていないわッ!ジュンには未来があるのよッ!?」
「どうして・・・、どうして私達の問題で彼が氏ぬ必要があるの・・・?」
涙が溢れ、頬を伝う。
拭っても拭っても、溢れ出る。
プツンと、私の頭の中の何かが弾けた。
「私が落ち着いているですって・・・?」
「し、真紅・・・?」
「落ち着いてなんていないわッ!ジュンには未来があるのよッ!?」
「どうして・・・、どうして私達の問題で彼が氏ぬ必要があるの・・・?」
涙が溢れ、頬を伝う。
拭っても拭っても、溢れ出る。
7: 2009/04/21(火) 00:18:03.64 ID:Qy018cNs0
「・・・私達で争っても仕方がないわ」
ようやく落ち着きを取り戻す。
「それもそうですね・・・」
「いい? 今はこの話をジュンに悟られてはだめよ 彼はとても繊細だから」
言わなくても分かっているだろうが、注意を促す。
翠星石はコクンと頷き、
「じゃあ、ジュンの所へ戻るです」
彼女が痛々しく微笑む。
ようやく落ち着きを取り戻す。
「それもそうですね・・・」
「いい? 今はこの話をジュンに悟られてはだめよ 彼はとても繊細だから」
言わなくても分かっているだろうが、注意を促す。
翠星石はコクンと頷き、
「じゃあ、ジュンの所へ戻るです」
彼女が痛々しく微笑む。
10: 2009/04/21(火) 00:21:55.90 ID:Qy018cNs0
「ん、お前らどこに行ってたんだ?」
ジュンが私達が戻ってきたことに気づき、パソコンからこちらへ視線を下げる。
「お前ら喧嘩でもしたのか? 目が真っ赤だぞ」
「ち、ちげえですぅ!」
「ふぅん、じゃあいいけど」
再び、彼が視線をパソコンへと戻す。
もう彼には時間的な猶予が残されていない
今すぐにでもこの事を教えたかった。
もっと、時間を有効活用してもらいたかった。
ジュンが私達が戻ってきたことに気づき、パソコンからこちらへ視線を下げる。
「お前ら喧嘩でもしたのか? 目が真っ赤だぞ」
「ち、ちげえですぅ!」
「ふぅん、じゃあいいけど」
再び、彼が視線をパソコンへと戻す。
もう彼には時間的な猶予が残されていない
今すぐにでもこの事を教えたかった。
もっと、時間を有効活用してもらいたかった。
11: 2009/04/21(火) 00:26:13.64 ID:Qy018cNs0
だが、伝えたらどうなるかは目に見えている。
間違いなく彼は彼の世界へと逃げてしまうだろう。
「なんだよ、ジーッと見て」
彼が翠星石の視線に気づき、言う。
多分彼女も私と似たようなことを考えていたのだろう。
「・・・ジュン、抱っこしろですぅ」
「はいはい、分かったよ性悪お姫様」
彼も彼女も素直じゃない。
「ジュン、私もお願い。」
もちろん、私も。
間違いなく彼は彼の世界へと逃げてしまうだろう。
「なんだよ、ジーッと見て」
彼が翠星石の視線に気づき、言う。
多分彼女も私と似たようなことを考えていたのだろう。
「・・・ジュン、抱っこしろですぅ」
「はいはい、分かったよ性悪お姫様」
彼も彼女も素直じゃない。
「ジュン、私もお願い。」
もちろん、私も。
16: 2009/04/21(火) 00:31:28.95 ID:Qy018cNs0
「何なんだよ一体・・・」
そう言いながらも彼は私達を抱く。
「ほら、満足か? お姫様たち」
「ええ、とても優しい気持ちになれるわ」
「・・・ッ」
翠星石が声を押し頃して震えている。
顔を私のドレスに押し当てて。
「どうした翠星石、トイレでも行きたいのか?」
そう言いながらも彼は私達を抱く。
「ほら、満足か? お姫様たち」
「ええ、とても優しい気持ちになれるわ」
「・・・ッ」
翠星石が声を押し頃して震えている。
顔を私のドレスに押し当てて。
「どうした翠星石、トイレでも行きたいのか?」
17: 2009/04/21(火) 00:36:16.07 ID:Qy018cNs0
「ほッ・・・本当にバカですぅ!」
彼女がジュンの腕を蹴り、部屋から出て行く。
「何なんだよあいつ・・・」
「ジュン、ちょっと降ろして頂戴」
「あ、あぁ」
地面に足が着き、私も部屋を出る
「ジュン、ありがとう」
聞こえていたかどうかは知らないけど、そう言い残して。
彼女がジュンの腕を蹴り、部屋から出て行く。
「何なんだよあいつ・・・」
「ジュン、ちょっと降ろして頂戴」
「あ、あぁ」
地面に足が着き、私も部屋を出る
「ジュン、ありがとう」
聞こえていたかどうかは知らないけど、そう言い残して。
19: 2009/04/21(火) 00:42:25.02 ID:Qy018cNs0
「どうして出て行ったの?」
彼女はさっきの場所で膝を抱えて泣いていた。
「何故か知らねえですけど・・・、涙が止まらなかったです」
「翠星石・・・」
彼女が膝に顔をうずくめて、再び泣き始める
「今日は泣きましょ・・・、明日からは泣いてはダメよ?」
「・・・わかったです」
彼女はさっきの場所で膝を抱えて泣いていた。
「何故か知らねえですけど・・・、涙が止まらなかったです」
「翠星石・・・」
彼女が膝に顔をうずくめて、再び泣き始める
「今日は泣きましょ・・・、明日からは泣いてはダメよ?」
「・・・わかったです」
20: 2009/04/21(火) 00:46:10.70 ID:Qy018cNs0
翌日、翠星石は確かに大人になっていた。
「ジュン、紅茶でもどうですか?」
「ああ、ありがと」
「あんまり熱中するのもいいですけど、ちゃぁんと休憩するですよ」
彼女は強くなった・・・、私は?
私はどうなの?
「はい、真紅の紅茶も淹れたですよ」
「・・・あ、ボーっとしてたわ ありがとう」
「ジュン、紅茶でもどうですか?」
「ああ、ありがと」
「あんまり熱中するのもいいですけど、ちゃぁんと休憩するですよ」
彼女は強くなった・・・、私は?
私はどうなの?
「はい、真紅の紅茶も淹れたですよ」
「・・・あ、ボーっとしてたわ ありがとう」
21: 2009/04/21(火) 00:49:55.33 ID:Qy018cNs0
ジュンは、雛苺の元ミーディアムに促されて復学のために勉強をはじめた。
確実にみんな成長している。
じゃあ、私は?
「紅茶・・・まずいですか?」
彼女が私の顔色を伺う。
難しい顔でもしていたのだろうか。
「いえ、とっても優しい味――― 美味しいわ。」
「そう、それは良かったです」
「じゃ、休憩はこれくらいにして勉強するかなー」
確実にみんな成長している。
じゃあ、私は?
「紅茶・・・まずいですか?」
彼女が私の顔色を伺う。
難しい顔でもしていたのだろうか。
「いえ、とっても優しい味――― 美味しいわ。」
「そう、それは良かったです」
「じゃ、休憩はこれくらいにして勉強するかなー」
22: 2009/04/21(火) 00:53:52.54 ID:Qy018cNs0
ジュンが勉強を始めると、私達は自然に部屋から出て行った。
彼の邪魔にならないように。
「翠星石・・・、強くなったわね」
「え?」
突然の話に困惑している。
だが、すぐに私に微笑み、
「真紅、諦めるのはまだ早いです」
「翠星石は絶対ジュンを氏なせたりはしねえです!」
―――やはり、彼女は強い。
眠い
彼の邪魔にならないように。
「翠星石・・・、強くなったわね」
「え?」
突然の話に困惑している。
だが、すぐに私に微笑み、
「真紅、諦めるのはまだ早いです」
「翠星石は絶対ジュンを氏なせたりはしねえです!」
―――やはり、彼女は強い。
眠い
26: 2009/04/21(火) 01:04:12.21 ID:Qy018cNs0
パソコンの前で寝てた
1日30分私達はnのフィールドに出かけた。
もちろん、第7ドールを探すため。
「ジュンの様子は今のところ問題ないですね」
「ええ、第7ドールがその気にならない間は大丈夫みたいね。」
「・・・絶対にジュンを氏なせはしないです」
突然、目の前に兎が降りてくる。
ラプラスの魔、いつも混乱ばかり招く厄介者。
「・・・何しに来たの?」
1日30分私達はnのフィールドに出かけた。
もちろん、第7ドールを探すため。
「ジュンの様子は今のところ問題ないですね」
「ええ、第7ドールがその気にならない間は大丈夫みたいね。」
「・・・絶対にジュンを氏なせはしないです」
突然、目の前に兎が降りてくる。
ラプラスの魔、いつも混乱ばかり招く厄介者。
「・・・何しに来たの?」
28: 2009/04/21(火) 01:09:23.25 ID:Qy018cNs0
「どうやら私は招かれざる客のようですね」
「ええ、正直今はあなたに構っている暇はないわ」
「じゃあ伝言だけ伝えましょう」
伝言・・・
誰から?
「貴女達のお探しの方からですよ」
「ミーディアムを巻き込むのは私の手違い だそうです」
「ええ、正直今はあなたに構っている暇はないわ」
「じゃあ伝言だけ伝えましょう」
伝言・・・
誰から?
「貴女達のお探しの方からですよ」
「ミーディアムを巻き込むのは私の手違い だそうです」
31: 2009/04/21(火) 01:16:33.25 ID:Qy018cNs0
「ま、待ちなさい!第7ドールの居場所に案内しなさい!」
「こらっ!止まるです!」
呼び止める声も虚しく、兎は笑いながら視界から消えていった。
「ちっ・・・、逃げられたわ」
「第7ドールからのメッセージ・・・、どういう事ですか?」
私の手違い・・・、つまり彼女はジュンを巻き込むつもりはなかった?
「翠星石、戻るわよ」
「こらっ!止まるです!」
呼び止める声も虚しく、兎は笑いながら視界から消えていった。
「ちっ・・・、逃げられたわ」
「第7ドールからのメッセージ・・・、どういう事ですか?」
私の手違い・・・、つまり彼女はジュンを巻き込むつもりはなかった?
「翠星石、戻るわよ」
32: 2009/04/21(火) 01:21:03.80 ID:Qy018cNs0
バタン
勢いよくドアを開ける
「な、なんだよお前ら ノックくらいしろよ」
「ホーリエ・・・、調べてみて」
・
・
・
「・・・本当に薔薇の枷が無くなっているわ」
「じゃ、じゃあジュンは氏なない・・・ですか?」
「え、ええ」
二人の目から涙が零れる。
今回、翠星石は涙を隠さなかった。
「どういうことだよ、説明しろよ」
勢いよくドアを開ける
「な、なんだよお前ら ノックくらいしろよ」
「ホーリエ・・・、調べてみて」
・
・
・
「・・・本当に薔薇の枷が無くなっているわ」
「じゃ、じゃあジュンは氏なない・・・ですか?」
「え、ええ」
二人の目から涙が零れる。
今回、翠星石は涙を隠さなかった。
「どういうことだよ、説明しろよ」
33: 2009/04/21(火) 01:22:30.22 ID:Qy018cNs0
一通りジュンに説明すると、彼は唖然としていた。
「僕の知らないところで僕は命の危機に晒されていたのか・・・」
「ええ、巻き込んでしまってごめんなさい」
ジュンに怒られる、そう思っていた。
だが彼は微笑み、
「次からは僕にも相談してくれよ、な」
「まぁ、次なんてないほうがいいけど」
「僕の知らないところで僕は命の危機に晒されていたのか・・・」
「ええ、巻き込んでしまってごめんなさい」
ジュンに怒られる、そう思っていた。
だが彼は微笑み、
「次からは僕にも相談してくれよ、な」
「まぁ、次なんてないほうがいいけど」
35: 2009/04/21(火) 01:23:39.33 ID:Qy018cNs0
それから、全てがトントン拍子に進んでいった。
ジュンは復学に成功し、県内随一の進学校に進み、大学へ
私達は家で普段と変わらない日々を過ごしていた。
ただ一点、アリスゲームに恐れないでいい事だけ前とは違う。
「・・・全てが夢のようね」
「本当に・・・、夢みたいです」
夢・・・
こんなに幸せなら夢でもいいかもしれない。
ジュンは復学に成功し、県内随一の進学校に進み、大学へ
私達は家で普段と変わらない日々を過ごしていた。
ただ一点、アリスゲームに恐れないでいい事だけ前とは違う。
「・・・全てが夢のようね」
「本当に・・・、夢みたいです」
夢・・・
こんなに幸せなら夢でもいいかもしれない。
37: 2009/04/21(火) 01:25:02.37 ID:Qy018cNs0
カクン
真紅の顔が重力で下を向く。
「ふふ・・・、これで紅薔薇のお姉様はアリスゲーム脱落・・・」
真紅の体から光る玉がゆっくりと出てくる。
真紅は永い眠りについてしまった。
「そ、それは真紅のものです!返しやがれです!」
翠星石が庭師の如雨露を持って走る。
「翠薔薇のお姉様・・・ふふ」
真紅の顔が重力で下を向く。
「ふふ・・・、これで紅薔薇のお姉様はアリスゲーム脱落・・・」
真紅の体から光る玉がゆっくりと出てくる。
真紅は永い眠りについてしまった。
「そ、それは真紅のものです!返しやがれです!」
翠星石が庭師の如雨露を持って走る。
「翠薔薇のお姉様・・・ふふ」
39: 2009/04/21(火) 01:26:41.78 ID:Qy018cNs0
翠星石の手に真紅のローザミスティカが収まる。
何の抵抗もされずにローザミスティカを取れた事に戸惑う。
「私にはそんなもの必要ありません・・・ふふ」
翠星石が如雨露を奮う。
「なっ・・・」
「足元がお留守ですね! そのままつぶれやがれです!」
・
・
・
何の抵抗もされずにローザミスティカを取れた事に戸惑う。
「私にはそんなもの必要ありません・・・ふふ」
翠星石が如雨露を奮う。
「なっ・・・」
「足元がお留守ですね! そのままつぶれやがれです!」
・
・
・
40: 2009/04/21(火) 01:28:50.46 ID:Qy018cNs0
カクン
翠星石の首も重力に逆らえずに下を向く
「翠薔薇のお姉様も・・・アリスゲーム脱落・・・ ふふ」
桃薔薇のお姉様・・・
紅薔薇のお姉様・・・
蒼薔薇のお姉様・・・
翠薔薇のお姉様・・・
黄薔薇のお姉様・・・
あと1人・・・、あと1人・・・ ふふっ・・・
fin
予定とは違う形で終わらせました、眠いんで
もうダメポ、おやすみ
文才が欲しい
翠星石の首も重力に逆らえずに下を向く
「翠薔薇のお姉様も・・・アリスゲーム脱落・・・ ふふ」
桃薔薇のお姉様・・・
紅薔薇のお姉様・・・
蒼薔薇のお姉様・・・
翠薔薇のお姉様・・・
黄薔薇のお姉様・・・
あと1人・・・、あと1人・・・ ふふっ・・・
fin
予定とは違う形で終わらせました、眠いんで
もうダメポ、おやすみ
文才が欲しい
41: 2009/04/21(火) 01:30:22.31 ID:opV4IvhV0
乙
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります