458: 2018/04/14(土) 00:06:28.44 ID:cAr9PGQx0

前回:第十話 自分をインディジョーンズの子孫だと思い込んでる提督

ブラック鎮守府:ここの提督は嫁艦の瑞鳳にはベタベタで他の娘には厳格な態度でした
この基地に嫌気をさした三人は外の世界でセカンドライフを送るための資金を得るために、悪事に手を染めました
そして金を得る喜びを知った三人
アクィラ Uー511 タシュケントの語学堪能グループがあらゆる手を使って、
娘達を密輸船のところまで連れていき人身売買してる。

被害艦:アイオワ 葛城

海の画集 -「艦これ」公式イラスト集-


468: 2018/04/15(日) 01:29:12.74 ID:zeWxbpDG0
半年前 瑞鳳嫁提督鎮守府 執務室


   ガチャッ

瑞鳳「提督―っ!ただいまーっ!」ダッ

   ガバッ
    ギュッ

瑞鳳嫁提督「瑞鳳ぉぉおっ!お帰りーっ!」ギュッ ナデナデ…

瑞鳳「あはははっ!な、撫でまわさないで!くすぐったいよ提督ぅううう!」

タシュケント(また始まった・・・)

U-511「はぁ・・・」

アクィラ「あの~提督?任務報告をしに来たんですけど~・・・?」

瑞鳳嫁提督「あ?うるさいな、今は瑞鳳との時間なんだよ。報告なら後にしてくれ」

タシュケント(今は報告の時間だろうに・・・Капуста)

瑞鳳「んもー提督、そんな言い方は無いじゃない?」

瑞鳳嫁提督「はいはい、報告は瑞鳳から聞いとくから、もう下がっていてくれ」

瑞鳳「あー、適当に流した。でもまぁ、二人の時間は大事だよねっ♪」

タシュケント「だってさ、行こうかみんな」

U-511「う、うん」

アクィラ「そうですね・・・」

 スタスタ…
  ガチャン

469: 2018/04/15(日) 01:33:37.49 ID:zeWxbpDG0
......
....
..
.



アクィラの部屋


アクィラ「提督、瑞鳳さんとケッコンなさってから随分と変わってしまいましたね~・・・」

U-511「差別・・・ひどいとおもう・・・」

タシュケント「ほんとだよ。あれはないや」

タシュケント「そこで・・・ちょっと考えがあるんだけど」

アクィラ「考え・・・?」

タシュケント「皆でここを抜け出さない?」

U-511「えぇっ!?さすがにそれは・・・まずいよ・・・」

タシュケント「あのね、このままじゃ氏んじゃうかもしれないよ?あたし達」

アクィラ「え?なんでですか?」

タシュケント「考えてもみなよ、あの提督・・・彼は異常だよ」

タシュケント「きっとそのうち、『瑞鳳の命を最優先に行動しろ』とか無茶苦茶な指令を出してくるよ」

タシュケント「瑞鳳しか見えていないあの男に・・・この先ついていく気はあるかい?」

タシュケント「あのカップルの愛の為に命を投げ出す覚悟と忠誠心・・・君たちにはあるかい?」


470: 2018/04/15(日) 01:35:53.47 ID:zeWxbpDG0

アクィラ・U-511「・・・」

タシュケント「でしょ?だから、ここを抜け出そうよ」

U-511「でも、他に行く当てもないし・・・」

タシュケント「実は、一つだけあるんだ」

タシュケント「ここに来る前、ロシアでとある仕事を頼まれてたのさ」

タシュケント「頼まれたものを、頼まれた場所へ運ぶ・・・それだけの仕事だよ」

タシュケント「艦娘は国境を自由に超えられる。深海棲艦は神出鬼没なうえに、艦娘しか倒せる手段がないからね」

タシュケント「あたしたちはすごく都合がいい存在なのさ」

アクィラ「ずいぶん楽そうですのねぇ・・・」

タシュケント「ただしルールがある。それは・・・中身を決して見ない事」

U-511「なんか・・・あやしそうでこわい・・・」

タシュケント「でも・・・わがままは言ってられない状況だよ?」

タシュケント「無理にとは言わないけど・・・どうする?」

タシュケント「ここに残るか・・・外へと飛び出すか」

アクィラ・U-511「・・・」

471: 2018/04/15(日) 01:37:26.42 ID:zeWxbpDG0
......
....
..
.


ロシア とある港


ロシア人1「一体どういう風の吹き回しだ?いきなり戻ってきて、仕事が欲しいだなんてよ」

ロシア人2「深海棲艦と遊んでたらどうだ?」

タシュケント「冷たいなぁ。せっかく仕事を引き受けてあげようかと思ったのに」

タシュケント「こっちも事情ってものがあるのさ。君たちだって深海棲艦のせいで仕事しにくいんでしょ?」

タシュケント「困ったときはお互い様さ・・・金を稼ごう、同志」

ロシア人2「・・・まぁ、確かに困っているのは事実だ」

ロシア人1「だったら、今すぐ運んでほしいもんが一人・・・じゃねぇや、一つある」クイッ

袋「」モゾモゾ…

タシュケント「・・・あの後ろの倉庫でうごめいてる袋かい?」

ロシア人1「ああ、頼めるか?」

タシュケント「もちろん」

ロシア人1「そう来なくっちゃ。荷物の中身が壊れないように籠や牽引用の紐なんかはつけておいとくよ」

タシュケント「うん、助かるよ。届け先の場所を教えてくれ」

ロシア人1「了解だ」


472: 2018/04/15(日) 01:38:32.65 ID:zeWxbpDG0

ロシア人2「運ぶのはいいんだけどよぉ、お前さんの連れ二人は大丈夫なのか?何も知らなさそうだが」

タシュケント「だからこそいいんだよ。“何も知らない”からこそ向いているんだ。この仕事は」

タシュケント「君らもそう思うだろう?好奇心は時に人を頃すからね・・・」ニヤッ

ロシア人2「・・・やっぱりお前さん、こっちの仕事の方があっていると思うぜ」

タシュケント「まぁ、そのうちあの子達にも事情は伝えるさ」

タシュケント「やがて気が付くだろうよ、賢い生き方と金の稼ぎ方にね」

ロシア人1「あんたらの将来が楽しみになってきたよ。きっと、良い悪党になるんだろうな」

タシュケント「乞うご期待を・・・ふふっ♪」

タシュケント「それじゃ、用意を頼むよ・・・向こうで待っているから」スタスタ….

473: 2018/04/15(日) 01:39:21.30 ID:zeWxbpDG0

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   スタスタ…

アクィラ「あ、戻ってきましたね」

タシュケント「ごめん、お待たせ。もう少し待ってもらえるかな?」

U-511「うん・・・でも、何を話していたの?ユーはロシア語わからないから・・・全く聞き取れなかったけど・・・」

タシュケント「ただビジネスの話をしていただけだよ」

U-511「これから本当に大丈夫・・・?住むところとか・・・艤装まで持ってきちゃって・・・」

タシュケント「心配しなくていいさ。明日にはまとまったお金が入る。暮らす場所もね」

タシュケント「そこからは軌道に乗るよ。あたしが保証する」

タシュケント「だから心配そうな顔をしないでよ」ニコッ

U-511「う、うん・・・わかった」

   オーイ

タシュケント「どうやら準備ができたみたいだ。さ、行こうか同志諸君」

タシュケント「新たな人生の船出に」

479: 2018/04/15(日) 23:56:40.10 ID:zeWxbpDG0
......
....
..
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オホーツク海 海上


U-511「ねぇ・・・どこまで行くの?」

タシュケント「もう少しさ、あと6時間もすれば目的地だ」

アクィラ「目的地ってどこなんですか?」

タシュケント「海の上だよ。そこに船が泊まっているんだってさ。その船に乗っている人たちにこの荷物をわたすのさ」

アクィラ「そう・・・ねぇ、もう一つ聞いて良いですか?」

タシュケント「?」

アクィラ「私達は・・・“どこへ”向かうんですか・・・?」

タシュケント「・・・さっきとは全く別の意味に聞こえるな?」

アクィラ「とてもこの仕事・・・まともなものに思えないんです」

アクィラ「アクィラ達が引っ張っているこの箱の中身・・・人間ですよね?」

アクィラ「この仕事を続けたら・・・アクィラは・・・人として何か大切なものを失ってしまいそうな気がします」

アクィラ「今からでもいいですから、元居た鎮守府に戻り----」

     ピタッ…

アクィラ「・・・タシュケントさん?どうして止まるんですか・・・?」

     クルッ…
  
タシュケント「・・・・・」

アクィラ「タシュケント・・・・さん?」

480: 2018/04/15(日) 23:57:19.59 ID:zeWxbpDG0
タシュケント「あのね、アクィラ・・・そう単純な話じゃなんだよ」

タシュケント「あたしたちは進まなきゃならないんだ。後戻りはできない道についたんだよ」

タシュケント「ここで戻ったら裏切者になる。この世界からしても、元の世界からしてもね」

タシュケント「この世界はね・・・一度引き受けたら、嫌な予感がするだとか・・・やりたくないだとか・・・そんな理由で降りていいものじゃ無いんだよ」

アクィラ「でも・・・なにも、こんな危ない道じゃなくたって・・・」

タシュケント「君は何もわかっていないよ・・・アクィラ。あまりにも甘すぎる考えだ」

タシュケント「あたしたちが鎮守府の外で生きていくのだとしたら、それはそれは大変なことなんだよ」

タシュケント「身分証明するものが何もない。普通の社会で生きる人間であることを証明するものが無い」

タシュケント「そんな中で、あたしたちの持っているものを活かせて、生きていくことができる場所は、仕事は・・・限られてくるんだよ」

タシュケント「今のあたしたちは・・・選り好みができる状況にはいないんだ」

アクィラ「・・・」

U-511「・・・」

タシュケント「止めちゃってごめん、進もうか」

482: 2018/04/15(日) 23:58:46.16 ID:zeWxbpDG0
......
....
..
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ロシア  モーテル


U-511「す・・・すごいお金・・・」

アクィラ「あんな輸送任務だけでこんなに・・・びっくり・・・」

タシュケント「だろう?前にも言ったけど、深海棲艦のせいでめっきりこの仕事をする人が減ってしまったから、需要が凄まじいんだ」

タシュケント「これなら、あたしたちの艤装を動かす為のお金も、食べていくお金も稼いで行ける。偶に遊ぶことだってできるさ」

U-511「・・・確かに、ユーたちが外の世界で生きていくのは、これが一番なのかもしれないね」

アクィラ「さっきはごめんなさい、タシュケントさん。アクィラ、もう少し考えるべきでしたね・・・」

タシュケント「いいんだよ、気にしないで。あたしたちは今日から家族だ、楽しく暮らそうよ」

U-511「ふふ・・・そうだね。自由で楽しい生活になりそうだね」ニコッ

タシュケント「今日はご馳走にしようか。美味しいロシア料理の店へ行こう」

アクィラ「賛成です~♪おなか減りましたね♪」

U-511「ユー、ロシア料理食べたことないから楽しみ・・・!」

タシュケント「じゃあ、行こうか。きっと気に入るよ♪」


483: 2018/04/16(月) 00:00:22.06 ID:9OvvJ9HC0
......
....
..
.


タシュケント達が鎮守府を抜け出してから半年後…

現在 イタリア 地中海沖



イタリア人1「~~~、~~~?~~~。~~~」

タシュケント「引き渡し先はイタリア人だったか。参ったな、イタリア語はさっぱりだ」

アクィラ「あ、それならアクィラにお任せ~」スッ…

イタリア人1「お?俺たちと同じイタリア系の顔だな、言葉・・・わかるか?」

アクィラ「もちろんですよ~。イタリア人ですから♪」

アクィラ「さ、お互い仕事は早く終わらせちゃいましょう?積み荷は傷一つありません」

箱「」ガタガタガタ…

イタリア人2「元気よさそうだな。注文通りってところか・・・それじゃ早速もらお---」

アクィラ「あ、約束のお金と資材を先に頂戴しま~す」

イタリア人2「・・・は?」

484: 2018/04/16(月) 00:01:26.34 ID:9OvvJ9HC0

アクィラ「聞こえませんでしたか~?アクィラ達が渡す前に、そちらが先に渡すべきものを渡してくださいと言ったんです~」

アクィラ「あなたたちは初めてのお客さんで、まだ信頼関係が結べていないじゃないですか」

アクィラ「な・の・で、信頼関係をまず先に築きませんか?」

イタリア人1「なめんなメスガキ共。艦娘だか何だかしらねぇが・・・マフィアをなめると痛い目に・・・」


    バ ギ ン ッ !


イタリア人2「・・・へっ?」

アクィラ「あの~アクィラ、一度でもお願いをしましたでしょうか~・・・?」メキメキ…

イタリア人1「お、おい!何船に穴開けてんだ!沈んじまう!!」

アクィラ「アクィラは、お願いじゃなくて命令したんですよ~?」ギギギ…

アクィラ「勉強不足ですねぇ~・・・何も知らされない使い走りってところでしょうか?せいぜいチンピラが良いところですねぇ・・・何がマフィアなんだか・・・」

タシュケント「ちょっとちょっと、それ以上やると本当に沈んでしまうよ」

U-511「沈めるの?手伝う?Feuer?」

タシュケント「手伝わなくていいよ!はやく終わらせよ?アクィラ」

アクィラ「そうですね、そうします」

アクィラ「さて、アクィラの命令・・・聞けますか~・・・?」

イタリア人1「わかった・・・!持って行ってくれ!つ、積み荷もすぐにもらって帰るよ・・・!」

アクィラ「よかったぁ~」パッ

485: 2018/04/16(月) 00:02:41.37 ID:9OvvJ9HC0

アクィラ「ボスに伝えておいてくださいね?次はもっとまともで人間程度には頭のいい交渉相手を持ってきてくださいと・・・」

イタリア人1「お、おいっ早く船を出せっ!」

イタリア人2「あ、ああ!」グォンッ

    ザザザ…

アクィラ「うーん、まだアクィラ達の事はよく知れ渡ってないみたいですねぇ」

タシュケント「減ってきたとはいえ、まだトラブルが起きるもんねぇ・・・」

U-511「ユー、仕事はラクなほうがいいなぁー・・・」

タシュケント「ま、名前が売れすぎても困るしね。海軍に本気で動かれたら敵わないよ」

タシュケント「姿を隠す方法ももっと学ばないと・・・」

      ピピピ….

タシュケント「あ、ロシアのお得意さんからだ。なんだろう?」ピッ

タシュケント「Привет、こちらタシュケント。仕事?」

486: 2018/04/16(月) 00:04:12.66 ID:9OvvJ9HC0

ロシア人1『でっけえ仕事がはいったぜ。それもとびきりな』

ロシア人1『もしかしたら一生遊んで暮らせるかもしれねぇぜ?』

タシュケント「聞こうか」

ロシア人1『あんたら艦娘が運び屋をやっていることが、俺らの世界でだいぶ知られてきた・・・これは知っているよな?』

タシュケント「ちょうどそんな話をみんなでしてたところだよ。で?」

ロシア人1『そこでな、艦娘が欲しいってところが出てきたんだよ。あんたらが仕事を完璧にこなすもんだから、用心棒とか、専属の運び屋にしたいって連中がな』

ロシア人1『だが、艦娘は日本で管理されている・・・そこで、艦娘を拉致できる存在といったら・・・』

タシュケント「同じ艦娘である私達だけってこと?」

ロシア人1『そういうことだ』

タシュケント「つまり・・・あたしたちの手で艦娘を誘拐するだけじゃなくて、自分から商売敵を作れっていうのかい?」

タシュケント「儲け話というから聞いてみれば・・・自分たちの今いる立場を揺るがしかねない依頼を受けるとでも?あたしらがそんな間抜けに見えるとでも?」ピキッ…

タシュケント「しらふで言っているのならあんたらとはこれっきりだぞ・・・?」ピキキ…

487: 2018/04/16(月) 00:05:40.39 ID:9OvvJ9HC0
ロシア人1『お、おい・・・変わっちまったな・・・あんた』

タシュケント「善良なのは、自分を取り巻く世界がまともなときだけさ」

タシュケント「環境が変われば人も変わるものなんだよ・・・それじゃ」

ロシア人1『こ、これは本当にいい話なんだって!!』

タシュケント「・・・喧嘩をふっかけているのかい?」

ロシア人1『ちがう、いいか?この仕事が終われば、一生遊んで暮らせるだけの金が入るって言っただろ!?』

ロシア人1『だから・・・この任務を終えたらあんたらは足を洗って遊んで暮らせばいいのさ!』

ロシア人1『元々は金の為だったんだろ!?だったらこれが最善策じゃねぇか!』

ロシア人1『新しい艦娘が運び屋になったなら、あんたらはもう働かなくていいんだ!』

ロシア人1『・・・本当に・・・良い話だと思わないか?』

タシュケント「・・・なるほどね。面白い、乗ったよ」

タシュケント「依頼は引き受ける。艦種に指定は?」

488: 2018/04/16(月) 00:07:10.30 ID:9OvvJ9HC0
ロシア人1『空母と戦艦が欲しいそうだ。どこの連中も一番強い兵器を欲しがるものさ』

タシュケント「戦艦に空母か・・・贅沢だね。まぁいいよ、手はある」

ロシア人1『さすがだ!荒稼ぎしようぜ!!』

タシュケント「うん、そうだね。最後の大仕事と行こうか」

    ピッ

U-511「なんの話だったの?」

タシュケント「いいかいみんなよく聞いて。とても大きな依頼が入った」

タシュケント「戦艦と空母を誘拐して運ぶ・・・それが今回の依頼の内容だ」

アクィラ「なっ!?艦娘を誘拐するというんですか・・・?」

タシュケント「その通りだ。あたしたちは行きつくところまで来た。たったの半年でね」

タシュケント「海軍に目を付けられたっておかしくないんだ。ここらが潮時だと思う」

タシュケント「これが終われば一生遊んで暮らせるだけのお金が手に入る」

タシュケント「そうなったらこんな仕事をやり続ける必要もない、どこか遠い場所でバレないように暮らそう」

489: 2018/04/16(月) 00:09:28.85 ID:9OvvJ9HC0

U-511「・・・」

アクィラ「・・・」

タシュケント「賛成できないかい?」

U-511「いや・・・やるよ・・・!ユーはやる・・・!」

アクィラ「アクィラもやります・・・!タシュケントさんの言う通りです!このままじゃ捕まるのも時間の問題ですもんね!」

タシュケン「そう来てくれると思っていたよ。さすがはあたしの自慢の家族だ」

U-511「えへへ・・・」

アクィラ「うふふっ♪」ニコッ

タシュケント「行こうか我が家族たち、恐れるものは何もない!今まで通りうまく行く!」

タシュケント「さぁ、錨を上げろ!」

490: 2018/04/16(月) 00:12:18.86 ID:9OvvJ9HC0
.......
....
..
.


長門達の基地 


青葉「司令官!司令官!大変です!緊急事態です!」

提督「落ち着け青葉。なにがあった?」

青葉「落ち着いてる場合じゃないですよ!今から半年前に起きた、艦娘の神隠し事件をおぼえていますか?」

提督「あぁ・・・鎮守府から忽然と姿を消して消息不明になった奴か?」

青葉「えぇ、でも見つかったんですよ!!イタリア近海を航海していたそうです!」

長門「ありえないだろう・・・そんなことをする意味が解らないし、できるはずがない」

長門「あらゆる援助が必要だぞ・・・」

青葉「援助するものがいるとしたら・・・?」

明石「えぇ?鎮守府から離れた艦娘を援助して何の意味が・・・」

青葉「神隠しがあってから半年で、急激に増えたものがあります」

青葉「それは・・・人身売買です。しかも、海を越えた先同士での・・・」

長門「まさか・・・!」

明石「じょ、冗談ですよね・・・?」

提督「・・・」

青葉「多分・・・間違いないと思います。鎮守府から抜け出して・・・人身売買を・・・」

長門「意味が解らない・・・一体なぜ・・・」

青葉「青葉が絶対に突き止めます」

提督「頼んだぞ、青葉」

明石「あの、提督・・・もし今回捕らえに行くのだとしたら・・・ひどい激戦になると思います・・・スーツがあっても、無事に帰ってこれるかどうか・・・」

提督「やるさ、大丈夫だ」

明石「・・・」

513: 2018/04/17(火) 21:56:09.27 ID:G2L89aji0
......
....
..
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瑞鳳嫁提督鎮守府 夜 廊下


葛城「ふぁ~ぁ・・・」スタスタ…

葛城(全く。ウチの提督は口を開けば瑞鳳瑞鳳って・・・作戦にまで私情を持ち込むのはやめてほしいよ)

葛城(いつの日か瑞鳳をかばって氏ねとか言われるのかなぁ・・・)
  
タシュケント「やぁ、葛城・・・元気してたかい?」

葛城「ッ!?!?」ビクッ

タシュケント「おっと、大声を出さないで欲しいな」

葛城「あんた・・・生きてたの・・・?」

タシュケント「あたしがお化けに見えるかい?見ての通りさ」

葛城「だ・・・だとしたらなんで・・・なんで今急に・・・それに、半年も一体どうやって・・・提督に言わないと・・・」

タシュケント「落ち着いて、葛城。提督にいうのは駄目だ」

タシュケント「それより・・・ついてきてほしい、話があるんだ」

葛城「・・・?ここじゃ駄目なの・・・?」

タシュケント「なるべく人に聞かれたくないんだ」

葛城「わ、わかったわ・・・」

514: 2018/04/17(火) 21:57:30.01 ID:G2L89aji0
……
….
..
.

瑞鳳嫁提督鎮守府 港


葛城「あれ・・・アイオワ・・・?あなたもここに?」

アイオワ「Oh,カツラーギ、一体ここでなにしてるの?」

葛城「私は・・・タシュケンにここに呼ばれて」

アイオワ「Really?me too. What happening?」

タシュケント「よし、これで話ができるね?」

アイオワ「タシュケント、talkってなにかしら?」

タシュケント「ああ、そのことなんだけど・・・まず君たちには謝らなくちゃいけない」

葛城「へ・・・?何を・・・?」

タシュケント「本当に悪いと思っている・・・どうか許してほしい」

アイオワ「タシュケント・・・?What are you tal---」

   ドガッ

アイオワ「ぐっ・・・!?」ドシャッ…

葛城「え・・・?」

   ガッ!

葛城「う・・・」

  ドシャッ…

タシュケント「これも、家族の為なんだ・・・あたしの立場だったら・・・君たちもこうするだろう?」

U-511「さ、運ぶ?」

タシュケント「ああ、今頃アクィラが艤装を工廠から持ってきている頃だ。あたしとアクィラで荷物を運ぶよ」

タシュケント「お疲れユー。悪かったね、こんな役させて」

U-511「気にしてないよ、大丈夫。もうすぐ幸せに暮らせるもんね」ニコッ

タシュケント「・・・そうだね」ニコッ…

515: 2018/04/17(火) 21:58:50.48 ID:G2L89aji0
......
....
..
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翌日 長門達の基地


青葉「司令官、またしても問題発生です・・・最悪のタイミングですよ」

提督「見つかったか?」

青葉「ですが・・・どうやら彼女たちは・・・ただの運び屋として終わるつもりは無かったようです」

明石「?」

青葉「例の神隠しがあった鎮守府からまた艦娘が消えました。今回は二名です」

長門「また脱走か?」

青葉「青葉もそう考えたんですが・・・どうやら港で血痕が見つかったようで・・・」

提督「・・・誘拐か」

青葉「だと思います・・・きっと、フリーランスの艦娘の需要が高まってきているのでしょう」

長門「これは大変な危機だぞ・・・食い止めなければ・・・艦娘が深海棲艦以外の存在に銃を向けることとなったら・・・」

提督「わかっている。青葉、取引場所は分かるか?」

青葉「鎮守府近くの港の監視カメラをすべて調べてみますが・・・海の上で密輸船を使われたら追跡はほぼ不可能ですよ?」

長門「くそっ・・・せめて向かう方角でもわかれば・・・」

青葉「海の上に監視カメラはないんですよ。難しい注文です・・・」

青葉「何か・・・高速で移動出来て・・・彼女たちを追跡出来て・・・行動を完全に把握できるもの・・・」

明石「・・・ありますよ」

明石「いや、います・・・といった方が正しいでしょうか」

提督「・・・?それは一体どういう意味・・・」
    


ガチャッ…













加賀「あの・・・ここでよろしいのでしょうか・・・?」

516: 2018/04/17(火) 21:59:40.22 ID:G2L89aji0
提督「・・・彼女まで巻き込むわけには・・・」

加賀「・・・話は聞いています。今あなた方が何をしているのか・・・」

加賀「私が来たのは、あの時助けてもらった恩を返すためでもあり、あなた方同様・・・悪が許せない気持ちがあるからです」

加賀「もし、今追い返されたとしてもこのことは決してしゃべりません。でもどうか・・・」

加賀「私も戦わせてもらえないでしょうか・・・?」

提督「・・・本気なんだな?」

加賀「はい・・・・!」

提督「・・・わかった。歓迎するよ、君も今日からここの一員だ」

長門「本当にいいのか?あなたの判断に従うが・・・」

提督「彼女の意志の強さは本物だ。それは、俺たちが彼女を助けに行った時も感じることができただろう?」

長門「・・・ふっ、確かにそうだな」

517: 2018/04/17(火) 22:00:08.28 ID:G2L89aji0
提督「改めてよろしく頼む、加賀。歓迎の握手だ」スッ…

加賀「期待に全力で答えます。こちらこそよろしくお願いするわ」スッ…

    ガシッ

加賀「あの・・・あなたが前に助けに来てくれた・・・白いコスチュームに身を包んだ人・・・なのよね?」

提督「あぁ・・・そうだが・・・?」

加賀「い、いえ・・・何も・・・ただ、普段の姿にいざ会うと・・・なんだかすごく不思議な気持ちです」

青葉(わかります・・・わかりますよ・・・こういう会話を聞けてよかった・・・)

加賀「まぁ、それだけです。何か私にできることはありますか?」

提督「よし、実はちょうど君の力を借りたいところだったんだ」

提督「鎮守府を抜け出して、人身売買を行っている艦娘がいる」

提督「しかも、つい先ほど艦娘を直接誘拐した可能性が高い」

提督「いつもは青葉が監視カメラを使って見つけたりするんだが・・・今回は無理だ。君の索敵機の力がいる」

提督「・・・頼めるか?」

加賀「えぇ、任せて頂戴」フフッ

518: 2018/04/17(火) 22:00:54.68 ID:G2L89aji0
......
....
..
.


日本 とある港  夜 


タシュケント「Добрый вечер・・・? Good evening?」

カルテル・メンバー1「日本語で結構だ・・・本当は英語が嬉しいが」

アイオワ「H…Hey…where am I…?」

葛城「だれか!!誰かいない!?聞こえていたら助けて!!お願い!!」

アイオワ「I can’t see anything…なんで目隠しされてるの・・・?」

カルテル・メンバー1「おい・・・あんたら素人か?なぜ荷物の口を閉じておかない?」

タシュケント「すまない・・・誘拐は初めてだったもんでね・・・テープの用意をすっかりわすれていたよ」

葛城「タ、タシュケント・・・?一体何を話しているの・・・?」

カルテル・メンバー2「まぁ、人払いは済んでいる。このままでも構わないさ」

ボス「取引といこうか?」

タシュケント「うん、時間はかけたくないんだ」

ボス「いい心掛けだ。金は・・・そこのボートに積んである。ボートごと持っていけ、サービスだ」

タシュケント「正直あたしたちにボートは不必要なんだけどね・・・まぁ、運びやすくなるからいいか。ありがとう」

ボス「それじゃ、そこの女二人をこっちに渡してもらおうか?」

519: 2018/04/17(火) 22:02:21.96 ID:G2L89aji0
タシュケント「ああ、艤装は重いから君たちが乗ってきたその船にあたしたちが積んでおくよ。その大型船なら艤装を積んでも大丈夫だろう?」

ボス「ああ、俺たちが持っているのかで一番デカい船を持ってきた。問題ないさ」

タシュケント「アクィラ、艤装運搬の用意を頼む」

アクィラ「は~い♪」ガチャガチャ…

タシュケント「さぁ、行くよ。ユー、葛城の方を頼む」グイッ

U-511「さ、歩こう」グイッ

葛城「ひっ・・・なに!?やめて・・・お願い離して・・・!」

アイオワ「Please help! Somebody help me! Please!!」

カルテル・メンバー1「うるさいな・・・すこし黙らせる必要があるか?」チャキッ…

ボス「商品に傷を付けたらお前を頃して捨てていくぞ」

カルテル・メンバー1「は、はい!すみませんボス」

タシュケント「それじゃ・・・早く船に行こうか」

葛城「タシュケント・・・なのよね?なんで・・・なんでこんなことをするのよ・・・」

アイオワ「Why・・・?私たちをどうするつもりなの・・・?」

タシュケント「・・・さぁ、仕事だから・・・かな?」

アイオワ「仕事・・・?仕事って・・・?」

U-511「二人が知る必要は・・・ないよ」

520: 2018/04/17(火) 22:03:03.28 ID:G2L89aji0
アイオワ「そんな・・・お願い・・・助けて・・・すごく怖いわ・・・」

U-511「アイオワ・・・ごめんね。君たちが最初で最後だから・・・」

ボス「・・・あんたら、これが終わったら足を洗うんだって?」

タシュケント「それがどうかしたかい?」

ボス「ひとつ忠告だ・・・罪からは逃げられない」

ボス「罪に苛まれ・・・きっとまた戻ってくることになるぞ・・・」

ボス「一番楽な方法は・・・罪に慣れ、罪の中に生き続けることなんだからな」

タシュケント「・・・今後もあたしたちに仕事をしてほしいって意味に聞こえるよ」

ボス「バレたか・・・あんたらが仕事をやめちまうもんだから・・・」

ボス「こいつらを運び屋兼兵器になるように色々教えていかなくちゃならなくなっちまったからな・・・つい本音が出てしまったよ」

タシュケント「もともとそのつもりだったんだろう・・・?」

ボス「だが・・・今言ったのは事実だ。あたまに留めておいてくれ」

タシュケント「・・・」

ボス「余計なお世話だったかな?さ、積み荷を積んだらお別れ-----」

      バツンッ 

521: 2018/04/17(火) 22:04:03.60 ID:G2L89aji0

ボス「おい・・・何の音だ?」

 バツンッ  バツンッ バツンッ
バツンッ バツンッ バツンッ バツンッ
  バツンッ  バツンッ バツンッ

カルテル・メンバー1「つ、次々と街灯が消えていく!!」

ボス「まだすべては消えていない。今の内に味方の位置を確認し、同士討ちを防げ」

     バツンッ

タシュケント「・・・真っ暗だ」

アクィラ「あ、あらぁ・・・?」

ボス「各自、戦闘用意」ジャキッ

U-511「・・・!」

U-511「気を付けて、何かが高速で接近してきている」

タシュケント「・・・なにか?」

522: 2018/04/17(火) 22:05:09.08 ID:G2L89aji0
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密輸用大型船 船上


  バキィッ!

戦闘員7「ぐぇあっ!」ドシャッ

戦闘員8「見つけたぞ!そこの角だ!こそこそと仲間をやりやがって!」

戦闘員9「撃ち殺せ!」ジャキッ

    ズガガガガッ!

提督「ぐっ・・・」サッ

提督(やはり銃火器持ち複数相手は厳しいな・・・)

  ヒュンッ!
    ドスッ
 
戦闘員8「ぎゃあああっ!いてぇ!!腕になんか刺さったぞ!!」

戦闘員9「なんだこりゃ・・・!矢だ!矢が飛んできているぞ!」

ヒュンッ! 
   ドスッ!

戦闘員9「ぐああああっ!俺の足があああ!!」ゴロゴロ

加賀『どうですか?お役に立てていますか?』

提督「・・・完璧だ」


524: 2018/04/17(火) 22:06:32.29 ID:G2L89aji0
加賀『消灯します』ギリリ…

 ヒュンッ パリンッ!

ヒュンッ
 ヒュヒュンッ

 パリンッ! 
    パリンッ!
パリンッ

戦闘員11「船の明かりも全部消えていく!」

戦闘員10「クソ!何も見えねぇ!隠れていないで出てきやがれぇえええ!」ズガガガガ…

戦闘員11「馬鹿!適当に打つな!味方に当たるぞ!」

  タタタ…

バキィッ! 

   ドカッ!

戦闘員10・11「ぐほぉっ」


   ドシャァ…


提督「大型船、制圧完了」

525: 2018/04/17(火) 22:07:07.92 ID:G2L89aji0


提督「俺が9人・・・君が2人・・・メンツは保てたな」

加賀『あら?その気だったら矢で全員仕留められましたよ?』

提督「・・・いい新人を迎えたもんだよ」

526: 2018/04/17(火) 22:08:45.56 ID:G2L89aji0
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カルテル・メンバー1「船がずいぶん騒がしいな・・・侵入者は頃し----」

    ガッ…

カルテル・メンバー1「ぐっ・・・」ドシャッ

カルテル・メンバー2「お、おい・・・?一体どうし---」

    ゴンッ…

カルテル・メンバー2「ぐはっ・・・」ドサッ…

U-511「いる・・・すぐそこに何か立ってる・・・」

タシュケント「・・・」

   サアァ…

ボス(・・・雲が晴れて月明かりが・・・!)

長門「・・・」

ボス「・・・なるほど、暗視ゴーグルに素手か・・・対処できないわけだ」

ボス「だがそれも・・・姿が見えてしまえばおしまいだな?」チャキッ

    ドゥンッ
      ギィンッ!

ボス「・・・!?」ドゥンッ! ドゥンッ!

長門「無駄だ・・・」キキンッ…

ボス「・・・どうなって・・・」

タシュケント「その人は艦娘だよ。艤装も付けてる、銃は効かない」

ボス「ハッ・・・実際戦ってみると・・・とんでもない兵器だな・・・」

長門「・・・」スタスタ…

ボス「・・・欲しかったぜ」


   ドカッ…
    ドシャァ…

527: 2018/04/17(火) 22:09:18.45 ID:G2L89aji0
アクィラ「その艤装の形からして・・・戦艦さんですか・・・?」

葛城「た、助けが来たの・・・!?だ、誰かわからないけど助けて!」

アイオワ「Please help! 殺されそうなのっ・・・!」

長門「安心しろ、今助けてやる」

    ズドンッ!

長門「ぐっ!」ヨロッ…

タシュケント「悪いけど・・・そうはいかない」

長門「駆逐艦の砲撃じゃ大したダメージはないぞ。他だって地上にいる潜水艦、艦載機を飛ばせない空母・・・」

長門「勝負は目に見えている・・・あきらめろ。まともに撃ち合えば周囲の人間やお前たちが氏ぬ」

タシュケント「・・・」

528: 2018/04/17(火) 22:10:11.70 ID:G2L89aji0
長門「鎮守府を抜け出したのに理由はあるのか・・・?」

タシュケント「・・・あたしたちが元居た場所は、ひどい差別があった」

タシュケント「そこの提督は、自分がケッコンした瑞鳳だけを可愛がり、他の艦娘はまるで道具のように扱った」

タシュケント「あのまま居座っていたら・・・瑞鳳の為に氏ねと命令されてもおかしくはなかった」

長門「・・・続けろ」

タシュケント「だから・・・鎮守府を出た。そして・・・生きる道へひたすら向かったら・・・」

タシュケント「・・・ここにいた」

長門「本当に・・・他の道は無かったのか・・・?」

タシュケント「あの提督を説得できるとでも・・・?無理無理・・・無理だね」

タシュケント「あたしたちは、行きつくべき場所に行きついたんだ。後悔はしていない」

タシュケント「これでも人頃しはしなかったんだよ?ただ海を行ったり来たりしただけさ」

長門「・・・」

タシュケント「君とやりあえば家族が傷付く・・・となるともう、今度こそ選択肢は無いんだろうね・・・」

536: 2018/04/17(火) 23:12:11.58 ID:G2L89aji0

長門「いいや、選択肢はあるさ・・・来るべき場所がある。清算ができる場所が」

タシュケント「・・・いやいや・・・ないさ。でもね・・・行き場がなくなるのは・・・あたしだけでいい・・・!!」


    ガバッ!


U-511「タシュケント!?」

タシュケント「いくら戦艦でも・・・!魚雷を突き立てられたら無事ではいられないだろう!!」 ガキンッ

タシュケント「皆・・・どうか今の内に・・・」カチッ

アクィラ「タシュケントさん!」

長門「よせ!----」カッ

    ズガァ…ン…





537: 2018/04/17(火) 23:12:49.62 ID:G2L89aji0
......
....
..
.


長門達の基地 医療室


タシュケント「・・・う」パチッ…

タシュケント「ここは・・・?」

U-511「医務室だよ、タシュケント」

タシュケント「ユー・・・逃げなかったのかい?」

U-511「あなたを残して逃げるなんて・・・無理だよ・・・アクィラも・・・同じ気持ち・・・」

アクィラ「・・・」

タシュケント「逃げられたかもしれないのに・・・」

     ガチャッ

長門・提督「・・・」

538: 2018/04/17(火) 23:14:06.24 ID:G2L89aji0
タシュケント「決氏の特攻攻撃だったってのに・・・そう無事でいられるとさすがにショックだよ」

タシュケント「さすがは連合艦隊旗艦・・・といったところかい?」

長門「・・・私だって無事ではなかったさ。うちのデザイナーが作った防具越しでも・・・長時間の入渠が必要になった」

タシュケント「それってつまり・・・あの時から相当時間がたっているのかな?」

提督「お前は致命傷を負った。入渠である程度は治したが・・・」

提督「すべては治しきれなかった。長時間の手術で・・・一命はとりとめた」スッ…

タシュケント「鏡・・・?一体何故・・・」

タシュケント「・・・!」ポロッ…

    パリンッ…

U-511「タシュ・・・ケント・・・」

アクィラ「・・・」

タシュケント「周りにあたしが付けられたあだ名・・・覚えている?」

U-511「・・・」

タシュケント「ほら、言ってよ・・・」

アクィラ「優しい家族と、冷酷な運び屋・・・“2つの顔のタシュケント”・・・」

   クルッ…

アクィラ「・・・ッ!」サッ…

タシュケント「これで見た目も・・・その通りになったね・・・ハハハ・・・」デロッ…


541: 2018/04/17(火) 23:52:04.78 ID:G2L89aji0
瑞鳳嫁提督「ごはっ・・・」ドシャッ…

提督「・・・」スタスタ…

瑞鳳嫁提督「やめろ・・・来るな・・・」

   グイッ
    バキィッ!

瑞鳳嫁提督「うぐっ・・・」ベシャッ

瑞鳳嫁提督「一体・・・一体何が目的なんだ」ズルッ…ズルッ…

提督「お前は・・・艦娘の指揮を執るに値しない」

提督「俺と一緒に来てもらおうか。お前にはここよりふさわしい場所がある」グイッ

瑞鳳嫁提督「やめてくれぇ・・・瑞鳳・・・瑞鳳・・・」ズルズル…

542: 2018/04/17(火) 23:53:52.04 ID:G2L89aji0
......
....
..
.


翌朝 憲兵基地前

葛城「あ、あなたが・・・私たちを助けてくれた人?」

アイオワ「Oh、まるでcomic heroね・・・」

提督「正確には俺じゃないがな・・・君たちはもう大丈夫なのか?」

葛城「えぇ、中で事情聴取を受けてたところ。もう帰って寝たいわ」

提督「無事で何よりだ。だが、君たちに伝えなくてはならないことがある」

アイオワ「What・・・?」

提督「君らの元へは・・・今度新たな提督が配属されることになった」

葛城「・・・納得だわ」

アイオワ「・・・」

提督「君らにこれをやる・・・」スッ…

アイオワ「Wrist watch・・・?」

提督「押すと・・・俺達への救難信号になる。役立ててくれ」

葛城「なにからなにまで・・・ありがとう」

提督「気にするな。これが務めだ」

アイオワ「Thank you!これ気に入ったわ!!」ブンブン

提督「気に入ってくれてうれしいが・・・押されないことを祈っているよ・・・」

543: 2018/04/17(火) 23:54:33.54 ID:G2L89aji0
......
....
..
.


瑞鳳嫁提督鎮守府 執務室


瑞鳳「あれ・・・ここは・・・?確か私は・・・」

瑞鳳「・・・!」

瑞鳳「提督・・・!提督!!」

瑞鳳「提督・・・どこなの・・・?」

瑞鳳「提督・・・?」

瑞鳳「どこ・・・?」

瑞鳳「・・・提督・・・」

544: 2018/04/17(火) 23:56:09.53 ID:G2L89aji0
......
....
..
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長門達の基地


青葉「今回ばかりは本気でやばかったですね・・・・」

明石「下手すれば世界の危機でした・・・」

提督「未然に防げて本当に良かった」

長門「・・・で、これからはどうするんだ?」

加賀「私ですか?そうですね、この先出来る限り協力していきたいです」

加賀「今いる鎮守府での生活もあるので、あまり頻繁に手を貸せるかは分かりませんが・・・」

明石「加賀さん、あなた用のスーツも・・・作っておきますね!」キラキラ

青葉「明石さん・・・良い顔してますね・・・」ハァ…

加賀「私も・・・ああいうのを着るの・・・?」

明石「不満ですか?」

加賀「い、いえ・・・そんなことは・・・」

明石「なら、決まりですね!またコスチュームを作れるなんて最高ですよ!」

明石「あ、長門さんのコスチュームも直さないといけませんね!腕が鳴ります!」

提督「・・・と、言うわけだ。これからもよろしく頼むよ、加賀」

加賀「こちらこそ・・・よろしくお願いしますね」

545: 2018/04/17(火) 23:59:03.84 ID:G2L89aji0
運び屋艦娘編、これにておしまいです。思った以上に長くなってしまった・・・


次回のブラック鎮守府を決めます

第十二話 ハートマン軍曹っぽい提督

引用: 提督「ブラック鎮守府バスターズ?」